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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143880
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】シェード
(51)【国際特許分類】
   A47H 5/08 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A47H5/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056800
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】312003595
【氏名又は名称】タカハタプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162341
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬崎 幸典
(72)【発明者】
【氏名】志村 泉
(72)【発明者】
【氏名】佐野 康介
(72)【発明者】
【氏名】玉置 政彦
【テーマコード(参考)】
2E182
【Fターム(参考)】
2E182AA01
2E182AB03
2E182BB07
2E182CC01
2E182EE04
2E182EF01
2E182EG01
(57)【要約】
【課題】採光を取り入れながら窓枠の開口の遮光性を向上させる。
【解決手段】窓枠の開口に配置され、下方から上方へ引き上げることで、開口を遮蔽するシェードであって、シェード本体と、窓枠の両側で鉛直方向に延在して配置されシェード本体の移動を案内する一対のガイドコードと、シェード本体の引き揚げ方向に沿う両側端の裏側に間隔をおいて設けられ、ガイドコードが挿通される環状体と、シェード本体を引き上げる昇降用コードの移動方向を変更するガイド体と、昇降用コードの一端に取り付けられ、シェード本体の引き上げに伴う重量を軽減する錘と、錘の側部に取り付けられ昇降用コードの移動を操作する操作部と、を備えた。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓枠の開口に配置され、下方から上方へ引き上げることで、前記開口を遮蔽するシェードであって、
シェード本体と、
前記窓枠の両側で鉛直方向に延在して配置され前記シェード本体の移動を案内する一対のガイドコードと、
前記シェード本体の引き揚げ方向に沿う両側端の裏側に間隔をおいて設けられ、前記ガイドコードが挿通される環状体と、
前記シェード本体を引き上げる昇降用コードの移動方向を変更するガイド体と、
前記昇降用コードの一端に取り付けられ、前記シェード本体の引き上げに伴う重量を軽減する錘と、
前記錘の側部に取り付けられ前記昇降用コードの移動を操作する操作部と、を備えた、
ことを特徴とするシェード。
【請求項2】
前記ガイドコードは、ケース体の表面に沿って吊架手段で吊架され、前記ケース体が前記窓枠の前記開口内に嵌まり込んで前記窓枠の両側で鉛直方向に延在して配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のシェード。
【請求項3】
前記吊架手段は、前記ケース体の一端側でてこ式のレバーを回動させることにより前記ガイドコードの一端にテンションを付与または解除する、
ことを特徴とする請求項2に記載のシェード。
【請求項4】
前記ケース体の一端側に第1ブロック体を移動可能に設け、ネジの回転操作により前記第1ブロック体の移動量を調整して前記窓枠の前記開口内に仮保持し、前記ケース体の他端側に第2ブロック体を移動可能に設け、トグル機構により前記第2ブロック体を開口面に圧接して、前記ケース体を前記窓枠の前記開口内に固定する、
ことを特徴とする請求項3に記載のシェード。
【請求項5】
前記第1ブロック体及び前記第2ブロック体は、前記開口面と接触するそれぞれの面に弾性シートが貼付されている、
ことを特徴とする請求項4に記載のシェード。
【請求項6】
前記ケース体は、前記窓枠の前記開口内にネジ固定されるネジ固定孔を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載のシェード。
【請求項7】
前記ガイド体は、前記ガイドコードの上端側に2箇所設けられ、前記シェード本体を引き揚げる前記昇降用コードを鉛直方向から水平方向へ向きを変えて案内する第1のガイド体と、前記第1のガイド体の側方に設けられ、前記シェード本体の一方側を引き上げる前記昇降用コード及び前記一方側とは反対側を引き揚げる前記昇降用コードを上方から下方へ鉛直方向に案内する第2のガイド体からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載のシェード。
【請求項8】
前記シェード本体は、上端に前記シェード本体を水平に保持する保持体を有する、
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のシェード。
【請求項9】
前記シェード本体は、上下方向にたくし上げ可能で、たくし上げた状態で昇降可能である、
ことを特徴とする請求項8に記載のシェード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓枠の開口を遮蔽するシェードに関する。
【背景技術】
【0002】
昇降装置と、吊り下げ部から吊り下げられるシェードと、昇降コードと、を含み、シェードの裏面には、垂直方向に間隔をおいて備えられる複数の昇降コード案内環を有し、当該昇降コード案内環に昇降コードが挿通されているたくし上げシェードであって、シェードをその後方に引く支持部材を有しているたくし上げシェードが知られている(特許文献1)。
【0003】
窓枠開口内に配設され、昇降紐の一端を巻き込んだり、巻き戻したりする昇降機構と、昇降紐の下端を下部に取付け、上部を窓枠開口内の前記昇降機構よりも上方の室内側窓枠または室内側壁面に、分離及び一体化自在な部材取付手段を介して取付ける遮蔽部材と、遮蔽部材の上端の室内面を意匠面で覆う装飾部材とを具備するシェード昇降装置も知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-166709号公報
【特許文献2】特開2005-21674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、採光を取り入れながら室内のプライバシーを高めることができるシェードを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載のシェードは、
窓枠の開口に配置され、下方から上方へ引き上げることで、前記開口を遮蔽するシェードであって、
シェード本体と、
前記窓枠の両側で鉛直方向に延在して配置され前記シェード本体の移動を案内する一対のガイドコードと、
前記シェード本体の引き揚げ方向に沿う両側端の裏側に間隔をおいて設けられ、前記ガイドコードが挿通される環状体と、
前記シェード本体を引き上げる昇降用コードの移動方向を変更するガイド体と、
前記昇降用コードの一端に取り付けられ、前記シェード本体の引き上げに伴う重量を軽減する錘と、
前記錘の側部に取り付けられ前記昇降用コードの移動を操作する操作部と、を備えた、
ことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシェードにおいて、
前記ガイドコードは、ケース体の表面に沿って吊架手段で吊架され、前記ケース体が前記窓枠の前記開口内に嵌まり込んで前記窓枠の両側で鉛直方向に延在して配置されている、
ことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のシェードにおいて、
前記吊架手段は、前記ケース体の一端側でてこ式のレバーを回動させることにより前記ガイドコードの一端にテンションを付与または解除する、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のシェードにおいて、
前記ケース体の一端側に第1ブロック体を移動可能に設け、ネジの回転操作により前記第1ブロック体の移動量を調整して前記窓枠の前記開口内に仮保持し、前記ケース体の他端側に第2ブロック体を移動可能に設け、トグル機構により前記第2ブロック体を開口面に圧接して、前記ケース体を前記窓枠の前記開口内に固定する、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のシェードにおいて、
前記第1ブロック体及び前記第2ブロック体は、前記開口面と接触するそれぞれの面に弾性シートが貼付されている、
ことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のシェードにおいて、
前記ケース体は、前記窓枠の前記開口内にネジ固定されるネジ固定孔を有する、
ことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載のシェードにおいて、
前記ガイド体は、前記ガイドコードの上端側に2箇所設けられ、前記シェード本体を引き揚げる前記昇降用コードを鉛直方向から水平方向へ向きを変えて案内する第1のガイド体と、前記第1のガイド体の側方に設けられ、前記シェード本体の一方側を引き上げる前記昇降用コード及び前記一方側とは反対側を引き揚げる前記昇降用コードを上方から下方へ鉛直方向に案内する第2のガイド体からなる、
ことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のシェードにおいて、
前記シェード本体は、上端に前記シェード本体を水平に保持する保持体を有する、
ことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のシェードにおいて、
前記シェード本体は、上下方向にたくし上げ可能で、たくし上げた状態で昇降可能である、
ことを特徴とする請求項7に記載のシェード。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、採光を取り入れながら開口部の遮光性を向上させることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、窓枠の開口内に緩みなく設置することができる。
【0017】
請求項3に記載に発明によれば、シェードの施工時に容易にかつ確実にガイドコードを吊架することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、ケース体を既設の窓枠に追加の処置をすることなく設置することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、第1ブロック体及び第2ブロック体の滑りを抑制することができる。
【0020】
請求項6に記載に発明によれば、ネジで窓枠内に直接固定することができる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、窓枠の一方側でシェード本体の昇降操作を行うことができる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、シェード本体を水平に保持することができる。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、シェード本体をたくし上げた状態でシェード本体の昇降操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本実施形態に係るシェードの構成を機能的に展開して示す模式図である。
図2】(a)はシェード本体の構成を裏側に視点をおいて示す図、(b)はシェード本体の構成を示す側面図である。
図3】ガイドコードを吊架して保持するケース体の窓枠への取り付け構造を示す図であり、(a)はケース体の裏側に視点をおいて示す断面図、(b)は側面断面図である。
図4】ケース体のガイドコードの吊架機構を説明する図である。
図5】ケース体におけるガイドコードの吊架手順を説明する図である。
図6】(a)はガイド体の構成を示す斜視図、(b)は昇降用コードのガイド体での案内を説明する図である。
図7】シェードの窓枠への取り付けを説明する図である。
図8】シェード本体の窓枠の開口に対する移動を説明する図である。
図9】たくし上げられたシェード本体の窓枠の開口に対する移動を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に図面を参照しながら、本発明の実施形態の具体例を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
尚、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【0026】
(1)シェードの全体構成
図1は本実施形態に係るシェード1の構成を機能的に展開して示す模式図、図2(a)はシェード本体10の構成を裏側に視点をおいて示す図、(b)はシェード本体10の構成を示す側面図、図3はガイドコード20を吊架して保持するケース体21の窓枠への取り付け構造を示す図であり、(a)はケース体21の裏側に視点をおいて示す断面図、(b)は側面断面図、図4はケース体21のガイドコード20の吊架機構を説明する図、図5はケース体21におけるガイドコード20の吊架手順を説明する図、図6(a)はガイド体40の構成を示す斜視図、(b)は昇降用コード41のガイド体40での案内を説明する図である。
以下、図面を参照しながら、シェード1の全体構成について説明する。
【0027】
図1には、シェード1の構成を機能的に展開して模式的に示している。例えば、ガイドコード20が挿通される環状体30は、シェード本体10の裏側に設けられ表側から不可視となるため、ガイドコード20とともにシェード本体10の両側に展開して示している(図8図9においても同様)。
シェード1は、シェード本体10と、窓枠の両側で鉛直方向に延在して配置されシェード本体10の移動を案内する一対のガイドコード20と、シェード本体10の引き揚げ方向に沿う両側端の裏側に間隔をおいて設けられ、ガイドコード20が挿通される環状体30と、シェード本体10を引き上げる昇降用コード41の移動方向を変更するガイド体40と、昇降用コード41の一端に取り付けられ、シェード本体10の引き上げに伴う重量を軽減する錘50と、錘50の側部に取り付けられ昇降用コード41の移動を操作する操作部60と、を備えて構成されている。
【0028】
このように構成されるシェード1は、窓枠の開口100に配置され、下方から上方へ引き上げることで、窓枠の開口100を遮蔽することが可能となっている。特に、シェード本体10を開口100の鉛直方向の任意の位置で保持して、室外から採光を取り入れながら開口100を下方から塞いでプライバシーを守ることが可能となっている。
【0029】
(シェード本体)
シェード本体10は、カーテン生地やスクリーン等の可撓性を有するシート状の部材から構成され、室内と室外の光の通過を制限できるものであればよい。ここで「光の通過を制限する」とは、不透光で遮光する場合、又は半透明な部材等によって光の一部を遮光する場合の両方が含まれる。
【0030】
シェード本体10は、図2に示すように、窓枠の開口100の下端から引き上げられ、シェード本体10の上端部及び下端部にはシェード本体10を水平に保持する保持体の一例としてのバー11が取り付けてある。バー11は、シェード本体10を水平に保持するとともに、シェード本体10を下方へ降下させる際の錘の役目も有している。
また、シェード本体10の両側端10A、10Bの裏側には、引き上げ方向に沿って所定の間隔をおいて複数の環状体30が取り付けられている。後述するように、環状体30には、ガイドコード20が挿通され、シェード本体10がガイドコード20に沿って鉛直方向に移動可能となっている。
【0031】
(環状体)
シェード本体10の両側端10A、10Bの裏側には、鉛直方向に所定の間隔をおいて複数の環状体30が取り付けられており、ガイドコード20が環状体30に挿通されている。環状体30は、補強テープTに100~200mm程度の間隔をおいて取り付けられ、シェード本体10の両側端10A、10Bの裏側に固定される。このような環状体30としては、予め環状体30を所定の間隔で備えるリングテープが取り付けられてもよい。
ガイドコード20が挿通される環状体30を、シェード本体10の両側端10A、10Bの裏側に取り付けることで、環状体30が室内側から目に入らず、美観を損なうことがない。
【0032】
環状体30の形状は特に制限されず、円環状、D型環状、e字型状、θ字型状、その他任意の公知の形状の案内環を選択して用いることができるが、環状体30としては、撓み変形可能な切り欠き部を有し、吊架されたガイドコード20に切り欠き部を押し込んでスナップ的に取り付け可能な構造であることが好ましい。
【0033】
このように構成されるシェード本体10は、窓枠の開口100の下端から引き上げられた状態で窓枠の室内側の面に近接しており、室外から採光を取り入れながら開口100を下方から塞いでプライバシーを守ることが可能となっている。
【0034】
(ガイドコード)
ガイドコード20は、太さ2mm前後の繊維コードであり、窓枠の両側で鉛直方向に延在して配置され、シェード本体10の両側端10A、10Bの裏側に取り付けられた環状体30を通してシェード本体10の鉛直方向の移動を案内するようになっている。
【0035】
ケース体21は、窓枠の上下方向に亘って延びる中空の断面矩形の柱状体であり、材料としては、アルミ材や鋼材など種々の金属材料を用いることができる。
図3に示すように、ケース体21の裏面の上端側に第1ブロック体22を移動可能に設け、ネジ24Bの回転操作により第1ブロック体22の移動量を調整して窓枠の開口100内に仮保持し、ケース体21の裏面の下端側に第2ブロック体25を移動可能に設け、トグル機構により第2ブロック体25を開口100の下端面100bに圧接して、ケース体21を窓枠の開口100内に固定する。
【0036】
第1ブロック体22は、筒体23内にケース体21の長手方向に移動可能に設けられている。筒体23の下端側には雌ネジ部が形成されたナット24Aが固定され、ナット24Aにネジ24Bを螺合させて回転操作(図中 矢印R1参照)することで第1ブロック体22は筒体23内で進退し(図中 矢印R2参照)、第1ブロック体22が開口100の上端面100aに当接する。尚、第1ブロック体22とネジ24Bとの間に皿バネ座金Sを介在させて第1ブロック体22を開口100の上端面100aに向かって常に付勢状態にしておいてもよい。これにより、例えば低温環境でケース体21が少し収縮した場合であっても開口100内での圧接状態が維持される。
【0037】
第2ブロック体25は、筒体26内にケース体21の長手方向に移動可能に設けられている。第2ブロック体25の上端側はリンク体27と連結され、リンク体27の他端側はケース体21に揺動可能に軸支されたロックレバー28と連結され、第2ブロック体25及びリンク体27はトグル機構を構成する。トグル機構は、図3に示すように、ロックレバー28を回転操作(図中 矢印R3参照)することで、第2ブロック体25が筒体26内で移動して開口100の下端面100bに圧接(図中 矢印R4参照)して、下端面100b側から押し上げ力が作用しても第2ブロック体25が容易に逆方向に押し戻されないものとなっている。
【0038】
また、ケース体21は、上端21a側及び下端21b側にネジ固定孔29(不図示)を設けてネジで窓枠の両側で窓枠の室内側の表面に直接ネジ固定してもよい。
【0039】
第1ブロック体22及び第2ブロック体25は、開口100の上端面100a及び下端面100bと接触するそれぞれの面に弾性シートMが貼付されている。弾性シートMとしては、一定の弾性を有し滑りにくい材料であれば特に限定されないが、本実施形態においてはシリコンゴムシートが用いられている。
【0040】
ケース体21の表側の上端21a及び下端21bでガイドコード20の両端を支持してガイドコード20を吊架している。図4(a)に示すように、ケース体21の表側の上端21aに設けられたガイド体40は、基端側にくびれ部40bを有し、くびれ部40bにはガイドコード20の一端20aが掛けられている。
ケース体21の表側の下端21bには、吊架手段の一例としてのてこ式のレバー45が揺動可能に設けられている。レバー45は、図4(b)に示すように、直線状のバー体として形成され、支持ブロック46に回転支点45aで揺動可能に支持されている。レバー45の長手方向におけるほぼ中央部には、ガイドコード20の他端20bを通して止める貫通孔45bが形成されている。貫通孔45bは、回転支点45aで揺動してガイドコード20の他端20bにテンションを付与するレバー45の作用点となる。
【0041】
また、レバー45の長手方向における先端よりには、揺動方向と交差する方向に貫通孔45cが形成されている。貫通孔45cには、ケース体21の下端側へ揺動した位置で支持ブロック46から突出するロックピン47が挿入されてレバー45がガイドコード20の他端20bにテンションを付与した状態で固定される。
【0042】
図5には、ガイドコード20の吊架手順を示している。
図5(a)に示すように、レバー45をケース体21の上端21a側に起こした状態で貫通孔45bにガイドコード20の他端20bを通して、例えば玉結びによってガイドコード20の他端20bをレバー45に止める。この状態では、ガイドコード20にはテンションは掛かっていない。
【0043】
次に、図5(b)に矢印で示すように、レバー45を回転支点45aでケース体21の下端21b側に倒す(図中 矢印R参照)ように揺動させると一端20aがガイド体40に掛けられたガイドコード20にはテンションが掛かり、ガイドコード20はケース体21の上端21a及び下端21bの間でテンションが掛かった状態(図中 矢印で示す)となる。
【0044】
そして、図6(c)に示すように、レバー45をケース体21の下端21b側にケース体21に沿う位置まで揺動させて貫通孔45cにロックピン47を挿入することでレバー45がガイドコード20の他端20bにテンション(図中 矢印で示す)を付与した状態で固定される。これによりシェード1の施工時に容易にかつ確実にガイドコード20を吊架することができる。
【0045】
(ガイド体、昇降用コード)
ガイド体40は、図6(a)に示すように、厚み方向に貫通するガイド孔40aを有し、ケース体21の上端21aに立設されている。ガイド孔40aには、昇降用コード41が挿通され、昇降用コード41の移動方向を90度変更する。
ガイド体40は、ガイドコード20を吊架するケース体21の上端21aに立設され、ガイドコード20が窓枠の両側で鉛直方向に延在して配置されることから、窓枠の上方に左右2箇所設けられる構成となる。
【0046】
図6(b)に示す一方のガイド体40Aは、シェード本体10の一方側10Aを引き上げる昇降用コード41を下方から水平方向へ向きを変えて案内し、他方のガイド体40Bは、水平方向へ向きを変えたシェード本体10の一方側10Aを引き上げる昇降用コード41をそのまま水平方向に通すとともにシェード本体10の一方側10Aとは反対側10Bを引き上げる昇降用コード41を下方から水平方向へ向きを変えて案内するようになっている。
【0047】
シェード本体10の一方側10Aを引き上げる昇降用コード41及びシェード本体10の一方側10Aとは反対側10Bを引き上げる昇降用コード41はガイド体40Bの左側に配置されたガイド体40Cで水平方向から下方へ向きを変えて案内され、昇降用コード41の移動を操作する操作部60に固定されている。
【0048】
操作部60は、ケース体21内で重力によってケース体21の長さ方向に移動可能に設けられた錘50の側部に取り付けられている。これにより、操作部60を下方(鉛直方向)に移動操作すれば、2本の昇降用コード41が引き下がり、シェード本体10は開口100の下方から上方へ引き上げられ、操作部60を上方(鉛直方向)に移動操作すれば、引き下げた2本の昇降用コード41は引き上がり、シェード本体10は窓枠の開口100の下方側へ移動する。
【0049】
昇降用コード41は、ガイド体40Cで移動方向が下方になるように向きを変更して案内され、昇降用コード41の移動を操作する操作部60には、シェード本体10の重さと略釣り合う錘50が取り付けられている。これにより、シェード本体10を鉛直方向の任意の位置で保持することが可能となっている。
【0050】
(2)窓枠への取り付け
図7はシェード1の窓枠への取り付けを説明する図である。
シェード1を既存の窓枠へ取り付ける場合、図7(a)に示すように、まず、窓枠の開口100の上端面100a及び下端面100bの間でケース体21を仮保持する。仮保持されるケース体21は裏面の上端側に第1ブロック体22が移動可能に設けられ、ネジ24Bの回転操作により第1ブロック体22を上端面100aに当接させて窓枠の開口100内に仮保持する。
図7(b)に示すように、ケース体21の裏面の下端側には第2ブロック体25が移動可能に設けられ、トグル機構により第2ブロック体25を開口100の下端面100bに圧接して、ケース体21を窓枠の開口100内に固定する。
【0051】
次に、窓枠の開口100内に固定されたケース体21に吊架されたガイドコード20にシェード本体10の両側端10A、10Bの裏側に取り付けられた環状体30を通してガイドコード20にシェード本体10を移動可能な状態に取り付ける。環状体30は、撓み変形可能な切り欠き部を有し、吊架されたガイドコード20に切り欠き部を押し込んでスナップ的に取り付けることができる。尚、全ての環状体30が通されたガイドコード20は、てこ式のレバー45が回転支点45aで揺動してガイドコード20の他端20bにテンションを付与している。これにより、窓枠の開口100の両側でシェード本体10がガイドコード20に沿って鉛直方向に移動可能となる。
【0052】
そして、シェード本体10の上端に取り付けた昇降用コード41をケース体21の上端21aに設けられたガイド体40A、40B、40Cに通して窓枠の開口100の一方側で移動方向が鉛直方向になるように引き回して、ケース体21内で鉛直方向に移動可能に配置された錘50の側部に取り付けられた操作部60に固定する。
これにより、操作部60をケース体21に沿って鉛直方向に移動させることでシェード本体10の窓枠の開口100に対する露出量を調整することが可能となる。
【0053】
(3)シェード本体の移動
図8はシェード本体10の窓枠の開口100に対する移動を示している。
シェード1は、引き上げられた状態から、下方に引き下げられている操作部60を上方に移動させると、シェード本体10は自重で降下し、図8(a)に模式的に示すように窓枠の開口100が露出するように降下する。これにより、外部から室内への採光がなされる。さらに、操作部60を上方に移動させると、シェード本体10は自重で降下し、図8(b)に示すように開口100の下端側に折り重なった状態で位置する。これにより、外部から室内へ充分な採光がなされる。
【0054】
シェード1は、シェード本体10が開口100の下端側に折り重なって窓枠の開口100が露出している状態から、操作部60を下方に引き下げると、ガイド体40で昇降用コード41の移動の向きが上方に変わり、シェード本体10が上方へ引き上げられる。操作部60の引き下げを停止すると、シェード本体10の自重と錘50の重さが略バランスした状態でシェード本体10の移動は停止し、窓枠の開口100は下側から一定の高さまでシェード本体10によって遮光された状態になる。これにより、シェード本体10で塞がれていない窓枠の開口100から採光しながら窓枠の開口100を下側から塞いで室内のプライバシーを高めることが可能となっている。
【0055】
図9はたくし上げられたシェード本体10の窓枠の開口100に対する移動を示している。
図9(a)に示すように、シェード本体10は、例えば中央部の2か所を紐TWでたくし上げた状態で、操作部60を上下方向に移動させることで窓枠の開口100に対して所望の位置に位置させてもよい。これにより、例えば、図9(b)に示すように、たくし上げたシェード本体10を窓枠の開口100の上方に位置させて外部からの太陽光を遮りながら採光を取ることが可能となる。
【符号の説明】
【0056】
1・・・シェード
10・・・シェード本体
20・・・ガイドコード、21・・・ケース体、22・・・第1ブロック体、25・・・第2ブロック体、27・・・ロックレバー
30・・・環状体
40、40A、40B、40C・・・ガイド体、41・・・昇降用コード、45・・・レバー
50・・・錘
60・・・操作部
100・・・窓枠の開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9