(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143894
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】概日リズムの調整剤
(51)【国際特許分類】
A61K 36/84 20060101AFI20241004BHJP
A61P 3/02 20060101ALI20241004BHJP
A61P 5/00 20060101ALI20241004BHJP
A61P 25/20 20060101ALI20241004BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20241004BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20241004BHJP
【FI】
A61K36/84
A61P3/02 101
A61P5/00
A61P25/20
A61K45/00
A23L33/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056832
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】306014736
【氏名又は名称】第一三共ヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100129414
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 京
(72)【発明者】
【氏名】嶋岡 雄大
【テーマコード(参考)】
4B018
4C084
4C088
【Fターム(参考)】
4B018LB10
4B018MD07
4B018MD08
4B018MD61
4B018ME14
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZA051
4C084ZA052
4C084ZC031
4C084ZC032
4C084ZC221
4C084ZC222
4C088AB23
4C088BA08
4C088NA14
4C088ZA05
4C088ZC03
4C088ZC22
(57)【要約】
【課題】概日リズムを調製する技術を提供する。
【解決手段】カノコソウおよびその抽出物からなる群から選択される少なくとも一種を有効成分として含有し、経口摂取される、概日リズムの調整剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カノコソウおよびその抽出物からなる群から選択される少なくとも一種を有効成分として含有し、経口摂取される、概日リズムの調整剤。
【請求項2】
前記カノコソウが、Valeriana fauriei Briquetである、請求項1に記載の調整剤。
【請求項3】
時計遺伝子発現リズムの調整作用を有する、請求項1または2に記載の調整剤。
【請求項4】
時計遺伝子発現リズムの振幅増強作用を有する、請求項1または2に記載の調整剤。
【請求項5】
時計遺伝子発現ピークにおける経時的な振幅減衰の抑制作用を有する、請求項1または2に記載の調整剤。
【請求項6】
前記時計遺伝子発現リズムの位相の後退作用を有する、請求項1または2に記載の調整剤。
【請求項7】
時計遺伝子発現リズムの調整作用を有し、
時計遺伝子が、Bmal遺伝子、Per遺伝子、Cry遺伝子およびClock遺伝子からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1または2に記載の調整剤。
【請求項8】
前記概日リズムの調整が、時差ぼけの改善、生活リズムの乱れの改善、および、睡眠持続性の改善からなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項1または2に記載の調整剤。
【請求項9】
起床時から日中までのいずれかの時間における、疲労感、眠気およびだるさからなる群から選択される少なくとも一種の改善剤である、請求項1または2に記載の調整剤。
【請求項10】
活力、気力、意欲および生活リズムの抑揚からなる群から選択される少なくとも一種の低下抑制剤または向上剤である、請求項1または2に記載の調整剤。
【請求項11】
医薬組成物である、請求項1または2に記載の調整剤。
【請求項12】
アセトアミノフェン、アスピリンおよびその塩、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン、ロキソプロフェンおよびその塩、プラノプフェン、ジクロフェナクおよびその塩、メフェナム酸、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、エトドラク、ナプロキセン、メロキシカム、セレコキシブ、ならびに、チアラミドおよびその塩からなる群から選択される一または二以上の成分をさらに含む、請求項11に記載の調整剤。
【請求項13】
時差ぼけ、生活リズムの乱れおよび睡眠持続性からなる群から選択される少なくとも一種の改善剤の製造のための、請求項1または2に記載の調整剤の使用。
【請求項14】
起床時から日中までのいずれかの時間における、疲労感、眠気およびだるさからなる群から選択される少なくとも一種の改善剤の製造のための、請求項1または2に記載の調整剤の使用。
【請求項15】
活力、気力、意欲および生活リズムの抑揚からなる群から選択される少なくとも一種の低下抑制剤または向上剤の製造のための、請求項1または2に記載の調整剤の使用。
【請求項16】
請求項1または2に記載の調整剤を対象に経口投与することを含む、時差ぼけ、生活リズムの乱れおよび睡眠持続性からなる群から選択される少なくとも一種の改善方法(ヒトに対する医療行為を除く。)。
【請求項17】
請求項1または2に記載の調整剤を対象に経口投与することを含む、起床時から日中までのいずれかの時間における、疲労感、眠気およびだるさからなる群から選択される少なくとも一種の改善方法(ヒトに対する医療行為を除く。)。
【請求項18】
請求項1または2に記載の調整剤を対象に経口投与することを含む、活力、気力、意欲および生活リズムの抑揚からなる群から選択される少なくとも一種の低下抑制または向上方法(ヒトに対する医療行為を除く。)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概日リズムの調整剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトを初めとする哺乳類動物の多くは約24時間を1周期とする体内時計(概日時計)を備える。近年の環境の変化により、体内時計が乱れることは睡眠障害や代謝障害等の原因となること、加齢により体内時計機能が低下することが知られている。
【0003】
体内時計のメカニズムには時計遺伝子が関与する。時計遺伝子の発現リズムの調整に関する技術として、特許文献1(特開2019-97565号公報)に記載のものがある。
同文献には、有効成分としてスダチチンを含有する、時計遺伝子Period2発現リズムの振幅増強作用を有する組成物について記載されており(請求項1)、時計遺伝子Period2発現リズムの振幅を増強させ、体内時計を調整する組成物の提供により、様々な不定愁訴や疾病の予防または改善を通じて、人々の健康の増進に寄与するとともに、医薬品・食品等の産業の健全な発展が期待されると記載されている(段落0031)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、概日リズムを調整する技術を提供する。
【0006】
本発明によれば、以下の概日リズムの調整剤およびその使用ならびに方法が提供される。
[1] カノコソウおよびその抽出物からなる群から選択される少なくとも一種を有効成分として含有し、経口摂取される、概日リズムの調整剤。
[2] 前記カノコソウが、Valeriana fauriei Briquetである、[1]に記載の調整剤。
[3] 時計遺伝子発現リズムの調整作用を有する、[1]または[2]に記載の調整剤。
[4] 時計遺伝子発現リズムの振幅増強作用を有する、[1]乃至[3]いずれか一つに記載の調整剤。
[5] 時計遺伝子発現ピークにおける経時的な振幅減衰の抑制作用を有する、[1]乃至[4]いずれか一つに記載の調整剤。
[6] 前記時計遺伝子発現リズムの位相の後退作用を有する、[1]乃至[5]いずれか一つに記載の調整剤。
[7] 時計遺伝子発現リズムの調整作用を有し、
時計遺伝子が、Bmal遺伝子、Per遺伝子、Cry遺伝子およびClock遺伝子からなる群から選択される少なくとも一種である、[1]乃至[6]いずれか一つに記載の調整剤。
[8] 前記概日リズムの調整が、時差ぼけの改善、生活リズムの乱れの改善、および、睡眠持続性の改善からなる群から選択される少なくとも一種を含む、[1]乃至[7]いずれか一つに記載の調整剤。
[9] 起床時から日中までのいずれかの時間における、疲労感、眠気およびだるさからなる群から選択される少なくとも一種の改善剤である、[1]乃至[8]いずれか一つに記載の調整剤。
[10] 活力、気力、意欲および生活リズムの抑揚からなる群から選択される少なくとも一種の低下抑制剤または向上剤である、[1]乃至[9]いずれか一つに記載の調整剤。
[11] 医薬組成物である、[1]乃至[10]いずれか一つに記載の調整剤。
[12] アセトアミノフェン、アスピリンおよびその塩、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン、ロキソプロフェンおよびその塩、プラノプフェン、ジクロフェナクおよびその塩、メフェナム酸、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、エトドラク、ナプロキセン、メロキシカム、セレコキシブ、ならびに、チアラミドおよびその塩からなる群から選択される一または二以上の成分をさらに含む、[11]に記載の調整剤。
[13] 時差ぼけ、生活リズムの乱れおよび睡眠持続性からなる群から選択される少なくとも一種の改善剤の製造のための、[1]乃至[12]いずれか一つに記載の調整剤の使用。
[14] 起床時から日中までのいずれかの時間における、疲労感、眠気およびだるさからなる群から選択される少なくとも一種の改善剤の製造のための、[1]乃至[12]いずれか一つに記載の調整剤の使用。
[15] 活力、気力、意欲および生活リズムの抑揚からなる群から選択される少なくとも一種の低下抑制剤または向上剤の製造のための、[1]乃至[12]いずれか一つに記載の調整剤の使用。
[16] [1]乃至[12]いずれか一つに記載の調整剤を対象に経口投与することを含む、時差ぼけ、生活リズムの乱れおよび睡眠持続性からなる群から選択される少なくとも一種の改善方法(ヒトに対する医療行為を除く。)。
[17] [1]乃至[12]いずれか一つに記載の調整剤を対象に経口投与することを含む、起床時から日中までのいずれかの時間における、疲労感、眠気およびだるさからなる群から選択される少なくとも一種の改善方法(ヒトに対する医療行為を除く。)。
[18] [1]乃至[12]いずれか一つに記載の調整剤を対象に経口投与することを含む、活力、気力、意欲および生活リズムの抑揚からなる群から選択される少なくとも一種の低下抑制または向上方法(ヒトに対する医療行為を除く。)。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、概日リズムを調整する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例におけるBmal1の発現リズムの評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態において、組成物は、各成分をいずれも単独でまたは2種以上を組み合わせて含むことができる。
本明細書において、数値範囲を示す「~」は、以上、以下を表し、両端の数値をいずれも含む。
【0010】
(概日リズムの調整剤)
本実施形態において、概日リズムの調整剤(以下、単に「調整剤」とも呼ぶ。)は、カノコソウおよびその抽出物からなる群から選択される少なくとも一種を有効成分として含有し、経口摂取されるものである。
調整剤は、具体的には、概日リズムを調整する作用を有し、カノコソウおよびその抽出物からなる群から選択される少なくとも一種を有効成分として含有する組成物である。
【0011】
調整剤は、継続的な摂取容易性向上の観点から、好ましくは医薬組成物である。
【0012】
本実施形態においては、調整剤がカノコソウおよびその抽出物からなる群から選択される少なくとも一種を有効成分として含むため、概日リズムの調整効果を安定的に得ることができる。これにより、活動時間および睡眠時間の少なくとも一方における生活の質を向上することができる。
【0013】
生活の質を向上する観点から、概日リズムの調整は、好ましくは時差ぼけの改善、生活リズムの乱れの改善、および、睡眠持続性の改善からなる群から選択される少なくとも一種を含む。
【0014】
活動時間における生活の質を向上する観点から、調整剤は、好ましくは起床から就寝までの、より好ましくは起床時から日中までのいずれかの時間における、疲労感、眠気およびだるさからなる群から選択される少なくとも一種の改善剤である。
同様の観点から、調整剤は、好ましくは活力、気力、意欲および生活リズムの抑揚からなる群から選択される少なくとも一種の低下抑制剤または向上剤である。
【0015】
概日リズムの調整効果をより実感させる観点から、調整剤は、好ましくは時計遺伝子発現リズムの調整作用を有する。
時計遺伝子は、具体的には、体内時計を制御する遺伝子であり、その発現リズムの調整効果向上の観点から、好ましくは、Bmal1、Bmal2等のBmal(Brain and Muscle Arnt-like)遺伝子;Per1、Per2等のPer(Period)遺伝子;Cry1、Cry2等のCry(Cryptochrome)遺伝子およびClock遺伝子からなる群から選択される少なくとも一種であり、より好ましくはBmal遺伝子であり、さらに好ましくはBmal1である。
時計遺伝子の発現とは、具体的には、時計遺伝子または時計遺伝子がコードするタンパク質の発現である。
【0016】
時計遺伝子の発現リズムを特徴づける具体的な指標として、振幅、周期および位相が挙げられる。概日リズムの調整効果をより実感させる観点から、調整剤は、好ましくは振幅、周期および位相の一または二以上を変化させるものである。
振幅は、具体的には時計遺伝子発現リズムにおける山頂(ピーク)から谷底(トラフ)までの幅をいう。ピーク高さとは、時計遺伝子発現リズムのベースライン(時間軸)からピークまでの高さをいう。
周期は、具体的には時計遺伝子発現リズムにおける1周期(たとえば一つのピークから次のピークまで)の時間である。
位相は、具体的には、時計遺伝子発現リズムの時間軸における特定の位置をいう。
【0017】
調整剤は、振幅を変化させるものであってもよいし、変化させないものであってもよい。
活動時間における生活の質を向上する観点から、調整剤は、好ましくは時計遺伝子発現リズムの振幅増強作用を有する。ここで、振幅の増強とは、具体的には振幅の増加または減少の抑制であり、好ましくは振幅の増加である。
活動時間における生活の質の向上効果をより安定的に得る観点から、調整剤は、好ましくは、時計遺伝子発現リズムにおいて、調整剤の添加時または添加後最初に現れるピーク(Peak1)の次の次に現れるピーク(Peak3)から、その前後いずれかのトラフまでの幅を増加または上記幅の減少を抑制する。
【0018】
また、活動時間における生活の質の向上効果の持続性を高める観点から、調整剤は、好ましくは時計遺伝子発現ピークにおける経時的な振幅減衰の抑制作用を有する。
【0019】
調整剤は、周期長を変化させるものであってもよいし、変化させないものであってもよい。
通常の生活スケジュールへの影響を低減する観点から、調整剤は、好ましくは計遺伝子発現リズムの周期長の伸張および短縮作用の少なくとも一つを有さず、より好ましくはこれらをいずれも有さない。
【0020】
調整剤は、位相を変化させるものであってもよいし、変化させないものであってもよい。
時差ぼけの改善効果向上の観点、生活リズムの乱れの改善効果向上の観点、および、睡眠持続性の改善効果向上の観点から、調整剤は、好ましくは時計遺伝子発現リズムの位相の後退作用を有する。たとえば、調整剤は、時計遺伝子発現リズムにおいて、調整剤の添加時または添加後最初に現れるピーク(Peak1)の次に現れるピーク(Peak2)より後に現れるトラフおよびピークの少なくとも一つの位相を後退させるものであってもよい。
【0021】
次に、調整剤の構成成分を説明する。
【0022】
(カノコソウおよびその抽出物)
カノコソウとしては、たとえば第18改正日本薬局方に掲載されているものを使用することができる。また、カノコソウおよびその抽出物として、たとえば市販品またはその加工品を用いてもよい。
【0023】
カノコソウは、古来単味または漢方方剤として薬用に用いられてきたものであり、それぞれ慣用された方法に従って得られる生薬末または抽出成分をそのまま用いることができる。
生薬末としては、たとえば、乾燥刻み加工品をさらに細かく粉砕した粉末状(微粉末状)の乾燥末が挙げられる。
また、生薬からの抽出成分の具体例として、乾燥エキス、エキス末、軟エキス、流エキス、エタノールまたはエタノールと水を含むチンキが挙げられる。
好ましい生薬には、製剤化の自由度の高い抽出成分、たとえば軟エキス(5倍濃縮)、乾燥エキス末などが含まれる。
【0024】
抽出成分は、慣用の方法、たとえば、抽出溶媒により生薬から概日リズム調整作用を有する活性成分を抽出することにより得ることができる。抽出溶媒としては、たとえば水、親水性溶媒またはこれらの混合溶媒を使用することができる。親水性溶媒として、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、s-ブタノール、t-ブタノール等のアルコール;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ;アセトン等のケトン;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル;ピリジン、モルホリン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等の含窒素溶媒からなる群から選択される一種または二種以上が挙げられる。
【0025】
概日リズムの調整効果向上の観点から、カノコソウは好ましくはValeriana fauriei Briquetである。
【0026】
1回量の調整剤中のカノコソウおよびその抽出物の含有量は、限定されないが、概日リズム調整効果向上の観点から、たとえば、カノコソウとしての原生薬換算で、調整剤全体に対して好ましくは0.01mg以上であり、より好ましくは1mg以上、さらに好ましくは5mg以上である。
また、1回量の調整剤中のカノコソウおよびその抽出物の含有量は、限定されないが、たとえば、カノコソウとしての原生薬換算で、調整剤全体に対して好ましくは10g以下であり、より好ましくは7g以下、さらに好ましくは6g以下である。
【0027】
一日の適用量あたりのカノコソウおよびその抽出物の量は、限定されないが、概日リズム調整効果向上の観点から、たとえば、カノコソウとしての原生薬換算で、好ましくは0.01mg以上であり、より好ましくは1mg以上、さらに好ましくは5mg以上である。
また、一日の適用量あたりのカノコソウおよびその抽出物の量は、限定されないが、たとえば、カノコソウとしての原生薬換算で、たとえば10g以下であってもよく、好ましくは7g以下である。
【0028】
カノコソウまたはその抽出物として市販品を用いる場合には、原生薬換算比を考慮して、調整剤におけるカノコソウ含量が適切になるように、カノコソウを用いればよい。
【0029】
また、調整剤の適用量については、たとえば、調整剤の形態により設定することができる。
また、調整剤の1日あたりの適用回数は、たとえば1~10回としてよく、好ましくは1~5回、より好ましくは1~3回である。
【0030】
(その他の成分)
調整剤は、上述の成分以外の成分を含んでもよい。その他の成分は、たとえば医薬品に用いられる成分から選択することができる。また、その他の成分は、たとえば調整剤の剤形等に応じて選択することができる。
【0031】
調整剤が医薬組成物であるとき、その他の成分として、たとえば、通常総合感冒薬や解熱鎮痛薬に使用されているその他の成分を必要に応じて配合することができる。また、医薬組成物には、たとえば、一般用医薬品製造販売承認基準に記載されている成分を配合することができる。かかる成分として、具体的には、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、ノスカピン類、気管支拡張剤、去痰剤、抗コリン剤、抗炎症剤、カフェイン類、ビタミン類、胃粘膜保護剤、カノコソウ以外の生薬類、催眠鎮静剤および漢方処方からなる群から選択される一種または二種以上を配合することができる。
【0032】
調整剤に解熱鎮痛効果をさらに付与する観点から、調整剤は、好ましくは解熱鎮痛剤をさらに含み、より好ましくはアセトアミノフェン、アスピリンおよびその塩(たとえば、アスピリン、アスピリンアルミニウム)、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン、ロキソプロフェンおよびその塩、プラノプフェン、ジクロフェナクおよびその塩(たとえば、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム)、メフェナム酸、インドメタシンファルネシル、アセメタシン、エトドラク、ナプロキセン、メロキシカム、セレコキシブ、ならびに、チアラミドおよびその塩(たとえば、チアラミド、チアラミド塩酸塩)からなる群から選択される一または二以上の成分をさらに含む。
【0033】
抗ヒスタミン剤としては、たとえば、塩酸イソチペンジル、塩酸ジフェテロール、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネタジン、塩酸メトジラジン、dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、トリプロリジン塩酸塩水和物、ナパジシル酸メブヒドロリン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、リン酸ジフェテロール、クレマスチンフマル酸塩、メキタジン、ケトチフェンフマル酸塩、プロメタジン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩、エメダスチンフマル酸塩、フェキソフェナジン、アゼラスチン塩酸塩、セチリジン塩酸塩およびオロパタジン塩酸塩からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0034】
鎮咳剤としては、たとえば、デキストロメトルファン、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物等のデキストロメトルファンおよびその塩ならびにその水和物、塩酸アロクラミド、クロペラスチン塩酸塩、クロペラスチンフェンジゾ酸塩、コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩、ジブナートナトリウム、デキストロメトルファン、クエン酸チペピジン、チペピジンヒベンズ酸塩、ジメモルファンリン酸塩、エプラジノン塩酸塩、ペントキシベリンクエン酸塩、ベンプロペリンリン酸塩およびクロフェダノール塩酸塩からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0035】
ノスカピン類としては、たとえば、ノスカピンおよびノスカピン塩酸塩水和物からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0036】
気管支拡張剤としては、たとえば、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、dl-メチルエフェドリンサッカリン塩、アミノフィリン、ジプロフィリン、テオフィリン、プロキシフィリン、dl-メチルエフェドリン、l-メチルエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、トリメトキノール塩酸塩、フェニルプロパノールアミン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩およびイソプレナリン塩酸塩からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0037】
去痰剤としては、たとえば、グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、クレゾールスルホン酸カリウム、ブロムヘキシン塩酸塩、L-カルボシステイン、L-エチルシステイン塩酸塩、L-メチルシステイン塩酸塩、アンブロキソール塩酸塩、塩化アンモニウム、l-メントール、アンモニア・ウイキョウ精、桜皮エキス、メチルシステイン塩酸塩およびフドステインからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0038】
抗コリン剤としては、たとえば、ベラドンナ総アルカロイド、ロートエキス、ダツラエキス、ヨウ化イソプロパミドおよびブチルスコポラミンからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0039】
抗炎症剤としては、たとえば、トラネキサム酸およびその塩、グリチルリチン酸およびその塩、セラペプターゼ、ブロメライン、セミアルカリプロティナーゼ、プロナーゼ、セアプローゼ、プロクターゼならびにリゾチーム塩酸塩からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0040】
カフェイン類としては、たとえば、安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン水和物および無水カフェインからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0041】
ビタミン類としては、たとえば、チアミン、チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、ジセチアミン塩酸塩、セトチアミン塩酸塩、フルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩、オクトチアミン、シコチアミン、チアミンジスルフィド、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミンおよびベンフォチアミン等のビタミンB1およびその誘導体ならびにそれらの塩類;リボフラビン、リボフラビンリン酸エステル、リボフラビン酪酸エステルおよびリン酸リボフラビンナトリウム等のビタミンB2およびその誘導体ならびにそれらの塩類;パントテン酸、パンテノール、パンテチン、パントテン酸カルシウムおよびパントテン酸ナトリウム等のビタミンB5およびその誘導体ならびにそれらの塩類;ピリドキシン塩酸塩およびピリドキサールリン酸エステル等のビタミンB6およびその誘導体ならびにそれらの塩類;シアノコバラミンおよびメコバラミン等のビタミンB12およびその誘導体ならびにそれらの塩類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウムおよびアスコルビン酸カルシウム等のビタミンCおよびその誘導体ならびにそれらの塩類;ならびに、ヘスペリジンおよびその誘導体ならびにそれらの塩類からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0042】
胃粘膜保護剤としては、たとえば、グリシン、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアルノアセテート(アルミニウムグリシネート)、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウムの共沈物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、アルジオキサ、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィリンカリウム、メチルメチオニンスルホニウムクロリド、スクラルファート、セトラキサート塩酸塩、ソファルコン、ゲファルナート、テプレノンおよびレバミピドからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0043】
カノコソウ以外の生薬類としては、たとえば、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、オンジ、カンゾウ、キキョウ、シャゼンシ、シャゼンソウ、セキサン(石蒜)、セネガ、バイモ、ウイキョウ、オウバク、オウレン、ガジュツ、カミツレ、ケイヒ、ゲンチアナ、ゴオウ、獣胆(ユウタンを含む。)、シャジン、ショウキョウ、ソウジュツ、チョウジ、チンピ、ビャクジュツ、ジリュウ、チクセツニンジン、ニンジン、アカメガシワ、アセンヤク、インヨウカク、エンゴサク、オウゴン、オウセイ、カロニン、キョウニン、クコシ、クコヨウ、ケイガイ、ケツメイシ、ゲンノショウコ、コウジン、コウブシ、ゴミシ、サイシン、サンショウ、シオン、ジコッピ、シャクヤク、ジャコウ、シンイ、センキュウ、ゼンコ、センブリ、ソウハクヒ、ソヨウ、タイサン、トウキ、トコン、バクモンドウ、ハンゲ、バンコウカ、ハンピ、ビャクシ、ブクリョウ、ボウイ、ボタンピ、ボレイ、ロクジョウ等の生薬およびこれらの抽出物(エキス、チンキ、乾燥エキス等)からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0044】
催眠鎮静剤としては、たとえば、アリルイソプロピルアセチル尿素およびブロムワレリル尿素(ブロモバレリル尿素)からなる群から選択される少なくとも一つの成分を配合することができる。
【0045】
また、漢方処方としては、たとえば、葛根湯、葛根湯加桔梗、桂枝湯、香蘇散、柴胡桂枝湯、小柴胡湯、小青竜湯、麦門冬湯、半夏厚朴湯、麻黄湯およびこれらの抽出物(エキス、チンキ、乾燥エキス等)を配合することができる。
【0046】
さらに、調整剤には、製剤を製造するために必要な医薬品添加物を配合することができる。たとえば、医薬品添加物として、薬食審査発1204第1号(薬事行政法令)、医薬品添加物辞典2021(日本医薬品添加剤協会編集、薬事日報社)および第8版食品添加物公定書(日本食品添加物協会)等に記載されているものを配合することができる。具体的には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、崩壊補助剤、流動化剤、滑沢剤、可塑剤、コーティング剤、糖衣剤、光沢化剤、着色剤、矯味剤、甘味剤、香料、および、着香剤・香料からなる群から選択される一または二以上の成分を医薬組成物に配合することができる。
【0047】
賦形剤としては、たとえば、アメ粉、アルファー化デンプン、イソマルト、カカオ脂、加水分解デンプン乾燥物、カラメル、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、含水無結晶酸化ケイ素、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥バレイショデンプン、カンゾウ末、カンテン、カンテン末、寒梅粉、キシリトール、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ケイヒ末、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、結晶セルロース(微粒子)、結晶セルロース(粒)、合成ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム・ヒドロキシプロピルスターチ・結晶セルロース、合成ヒドロタルサイト、コムギデンプン、米粉、コメデンプン、β-シクロデキストリン、重質無水ケイ酸、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈物、水酸化マグネシウム、D-ソルビトール、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、低置換度カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、トウモロコシデンプン、トウモロコシデンプン造粒物、トレハロース水和物、二酸化ケイ素、乳糖およびその水和物、乳糖造粒物、白糖、バレイショデンプン、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース(たとえば、ヒプロメロース(2208)、ヒプロメロース(2906)、ヒプロメロース(2910))、ヒプロメロースフタル酸エステル(200731)、ヒプロメロースフタル酸エステル(220824)、微粒二酸化ケイ素、部分アルファー化デンプン、プルラン、粉糖、粉末還元麦芽糖水アメ、粉末セルロース、粉末セルロース(平均重合度:800~1100)、ポビドン(K25)、ポビドン(K30)、ポビドン(K90)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール・ジエチレングリコール混合物、マルチトール、マルトース水和物、D-マンニトール、D-マンニトール・クロスポビドン・D-ソルビトール・含水二酸化ケイ素混合物、無水ケイ酸水和物、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム造粒物、メタクリル酸コポリマーLD、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルアクリレート・メタクリル酸コポリマー、メチルアクリレート・メチルメタクリレート、メチルセルロース、リン酸水素カルシウム水和物、リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム水和物、リン酸二水素ナトリウムおよびエリスリトールからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0048】
結合剤としては、たとえば、アラビアゴム、アラビアゴム末、カンテン、カンテン末、寒梅粉、コポリビドン、ゼラチン、セラック、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、ヒプロメロース(たとえば、ヒプロメロース(2208)、ヒプロメロース(2906)、ヒプロメロース(2910))、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、ヒプロメロースフタル酸エステル(200731)、ヒプロメロースフタル酸エステル(220824)、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルセルロース2910混合物、プルラン、ポビドン(K25)、ポビドン(K30)、ポビドン(K90)、ポリビニルアルコール(たとえば、ポリビニルアルコール(完全けん化物)、ポリビニルアルコール(部分けん化物))、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトポリマー、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS、メタクリル酸ブチル・メタクリル酸メチルコポリマー、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよびメチルセルロースからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0049】
崩壊剤としては、たとえば、アルファー化デンプン、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポピドン、低置換度カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、ヒドロキシプロピルスターチおよび部分アルファー化デンプンからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0050】
崩壊補助剤としては、たとえば、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウムおよびヒドロキシプロピルスターチからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0051】
流動化剤としては、たとえば、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、合成ケイ酸アルミニウム、重質無水ケイ酸、水酸化アルミナマグネシウム、第三リン酸カルシウム、タルク、トウモロシデンプン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよびリン酸水素カルシウム造粒物からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0052】
滑沢剤としては、たとえば、含水二酸化ケイ素、含水無晶形酸化ケイ素、グリセリン脂肪酸エステル、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、硬化油、重質無水ケイ酸、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル40、ステアリン酸マグネシウム、ダイズ硬化油、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム、ミツロウ、無水ケイ酸水和物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよびモノステアリン酸グリセリンからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0053】
可塑剤としては、たとえば、クエン酸トリエチル、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トリアセチン、濃グリセリン、ヒマシ油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリソルベート80、マクロゴール(たとえば、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1500、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール6000NF)、モノステアリン酸グリセリン、リノール酸イソプロピルおよび流動パラフィンからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0054】
コーティング剤としては、たとえば、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、アセチルグリセリン脂肪酸エステル、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アラビアゴム、アラビアゴム末、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー、エチルセルロース、エチルセルロース水分散液、オクチルデシルトリグリセリド、オパドライOY-6950、オパドライOY-L-28900、オパドライOY-LS-20291、オパドライOY-LS-23016、オパドライOY-S-7135、オパドライOY-S-8471、オパドライOY-S-9607、オパドライOY-S-22829、オパドライOY-S-22835、オパドライOY-S-22961、オパドライOY-S-28924、オパドライYS-1-7003白、オパドライYS-1-12524-A、オパドライYS-1-14762-A、オパドライYS-1-15585-A、オパドライYS-1-19025A、オパドライYS-2-19114-A、オパドライIIイエロー、オパドライクリアー(YS-2-19114-A)、オパドライIIグレイ85F17659、オパドライ白03K280000、オパドライピンク(02F34337)、オパドライIIピンク、オパドライIIピンク85F97191、オパドライIIブルー(85G20427)、オパドライIIベージュ85F17438、オパドライホワイト(15B180002)、オパドライホワイトOY-LS-28914、オパドライホワイトYS-1-18177-A、オパドライホワイト(YS-1-18202-A)、オパドライIIホワイト(33G28523)、オパドライIIホワイト(85F28751)、オパドライIIホワイト(OY-LS-28914)、オパドライIIライトブルー(85G20426)、オパドライIIライトベージュ85F17498、オパドライIIレッド(32K15441)、カルナウバロウ、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥メタクリル酸コポリマーLD、クエン酸トリエチル、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸含有ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化チタン、酸化マグネシウム、ジメチルアミノエチルメタアクリレート・メチルメタアクリレートコポリマー、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミニウムゲル、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル40、ステアリン酸マグネシウム、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、ゼラチン、セラック、D-ソルビトール、D-ソルビトール液、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、濃グリセリン、白色セラック、白糖、パラフィン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910・酸化チタン・マクロゴール混合物、ヒプロメロース(たとえば、ヒプロメロース(2208)、ヒプロメロース(2906)、ヒプロメロース(2910))、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、ヒプロメロースフタル酸エステル(200731)、ヒプロメロースフタル酸エステル(220824)、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910混合物、プルラン、プレミックス添加剤Opadry White、ベントナイト、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール(たとえば、ポリビニルアルコール(部分けん化物))、マクロゴール(たとえば、マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1500、マクロゴール1540、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール6000EP、マクロゴール20000、マクロゴール35000)、D-マンニトール、無水クエン酸、無水ケイ酸水和物、無水フタル酸、無水リン酸水素カルシウム、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルメタクリレート・メタアクリル酸・メチルメタアクリレートコポリマー、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、硫酸カルシウム、フマル酸およびDL-リンゴ酸からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0055】
糖衣剤としては、たとえば、アラビアゴム、アラビアゴム末、エチルセルロース、カルナウバロウ、カルメロースナトリウム、結晶セルロース、酸化チタン、ステアリン酸、ステアリン酸ポリオキシル40、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、ゼラチン、セラック、タルク、沈降炭酸カルシウム、白色セラック、白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース(2208)、ヒプロメロース(2910)、プルラン、ポビドン(K25)、ポビドン(K30)、ポビドン(K90)、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリビニルアルコール(たとえば、ポリビニルアルコール(部分けん化物))、マクロゴール(たとえば、マクロゴール1500、マクロゴール4000、マクロゴール6000)およびD-マンニトールからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0056】
光沢化剤としては、たとえば、カルナウバロウ、精製セラック、マクロゴール(たとえば、マクロゴール400、マクロゴール1500、マクロゴール4000、マクロゴール6000)およびミツロウからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0057】
着色剤としては、たとえば、黄酸化鉄、黄色5号プレミックス、褐色酸化鉄、カーボンブラック、カラメル、β-カロテン、カンゾウエキス、黒酸化鉄、酸化チタン、三二酸化鉄、三二酸化鉄・グリセリン懸濁液、食用青色1号、食用青色2号アルミニウムレーキ、食用黄色4号、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用黄色5号、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィル、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンリン酸エステルナトリウム、緑茶末およびローズ油からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0058】
矯味剤としては、たとえば、エリスリトール、塩化ナトリウム、オウバク末、オウヒエキス、オウレン、オウレン末、オノニス根乾燥エキス、オレンジ、オレンジ油、カカオ末、果糖、カラメル、カンゾウ、カンゾウエキス、カンゾウ粗エキス、カンゾウ末、キシリトール、クエン酸カルシウム、クエン酸水和物、クエン酸ナトリウム水和物、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸二アンモニウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、L-グルタミン酸、L-グルタミン酸L-アルギニン、L-グルタミン酸塩酸塩、L-グルタミン酸ナトリウム、グレープフルーツエキス、黒砂糖、ケイヒチンキ、ケイヒ末、ケイヒ油、コンブ末、サッカリン、サッカリンナトリウム水和物、サフラン、サフランチンキ、サンショウチンキ、サンショウ末、酒石酸、D-酒石酸、酒石酸水素カリウム、DL-酒石酸ナトリウム、ショウキョウチンキ、ショウキョウ末、スクラロース、ステビアエキス、ステビア抽出精製物、精製カンゾウエキス末、精製白糖、センブリ、ソヨウ末、D-ソルビトール、タイソウ末、タウリン、タラクサシ根・草乾燥エキス、タンニン酸、チョウジチンキ、チョウジ油、チンピチンキ、トウガラシ、トウガラシチンキ、トウガラシ末、トウヒチンキ、トウヒ末、トレハロース水和物、ニガキ末、梅肉エキス、白糖、フラクトオリゴ糖、粉糖、ペパーミントパウダー、マルトース水和物、D-マンニトール、dl-メントール、l-メントール、メントールパウダー、リュウノウ、リュウノウ末、緑茶末、DL-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム、レモン油およびローズ油からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0059】
甘味剤としては、たとえば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、アマチャ、アマチャ末、還元麦芽糖水アメ、カンゾウ、カンゾウエキス、カンゾウ末、キシリトール、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸モノカリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム水和物、スクラロース、ステビアエキス、ステビア抽出精製物、精製白糖、精製白糖球状顆粒、白糖、粉末還元麦芽糖水アメ、マルチトール、D-マンニトールおよびエリスリトールからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0060】
香料としては、たとえば、オレンジフレーバー、オレンジフレーバーパウダーSH-1171-A、オレンジミクロンH-800092、ガラナエキス、香料(スイートオレンジ)、香料(ストロベリー)、香料(レモン)、黒糖フレーバー、ストロベリーエッセンス、ストロベリーフレーバーB86173、チェリーフレーバー181612、デントミント1148J、バナナパウダーフレーバー、ピーチエッセンス、ヒノキ6E-84211、ブラックカレントフレーバー290012SYM、フルーツエッセンス、ペパーミントNAEFCOPO551957685、ペパーミントミクロンH-81550、ミックスフレーバーパウダー、メロンパウダーフレーバー、l-メントールおよびメントールL163592SYMからなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0061】
着香剤・香料としては、たとえば、ウイキョウ末、ウイキョウ油、エチルバニリン、オレンジ、オレンジエキス、オレンジエッセンス、オレンジ油、カミツレ油、カラメル、カンゾウ末、d-カンフル、dl-カンフル、ケイヒ末、ケイヒ油、シトロネラー油、シュガーフレーバー、スペアミント油、チェリーフレーバー、チョウジ油、チリフレーバー、トウヒチンキ、トウヒ油、パインオイル、ハッカ油、バニラフレーバー、バニリン、ビターエッセンス、ビタベース、ヒマラヤスギ油、フルーツフレーバー、フレーバーG1、ヘスペリジンペパーミントエッセンス、ベルガモット油、ベルモットフレーバー、d-ボルネオール、dl-ボルネオール、マッチャ、ミックスフレーバー、ミントフレーバー、dl-メントール、l-メントール、ユーカリ油、ラベンダー油、リュウノウ、リュウノウ末、レモンパウダー、レモン油、ローズ水、ローズ油、ロート油およびローマカミツレ油からなる群から選択される一または二以上の成分を配合することができる。
【0062】
調整剤は、具体的には固形製剤である。
固形製剤の剤形は、たとえば、タブレット等の錠剤、グミ、ゼリー、粉末または顆粒末であり、好ましくは錠剤である。これらの固形製剤は、糖衣層、フィルムコーティング層等の被覆層を有してもよい。
【0063】
(製造方法)
調整剤の製造方法は、たとえばカノコソウおよびその抽出物からなる群から選択される少なくとも一種ならびに適宜その他の成分を配合する工程を含む。調整剤の製造方法は、たとえばその剤形に応じて製造し、製剤とすることができる。
【0064】
生活の質を向上する観点から、本実施形態において得られる調整剤は、好ましくは時差ぼけ、生活リズムの乱れおよび睡眠持続性からなる群から選択される少なくとも一種の改善剤の製造のために使用することができる。
【0065】
また、活動時間における生活の質を向上する観点から、調整剤は、好ましくは起床から就寝までの、より好ましくは起床時から日中までのいずれかの時間における、疲労感、眠気およびだるさからなる群から選択される少なくとも一種の改善剤の製造のために使用することができる。
同様の観点から、調整剤は、好ましくは活力、気力、意欲および生活リズムの抑揚からなる群から選択される少なくとも一種の低下抑制剤または向上剤の製造のために使用することもできる。
【0066】
生活の質を向上する観点から、時差ぼけ、生活リズムの乱れおよび睡眠持続性からなる群から選択される少なくとも一種の改善方法(ヒトに対する医療行為を除く。)は、本実施形態における調整剤を対象に経口投与することを含む。
【0067】
活動時間における生活の質を向上する観点から、起床から就寝までの、好ましくは起床時から日中までのいずれかの時間における、疲労感、眠気およびだるさからなる群から選択される少なくとも一種の改善方法(ヒトに対する医療行為を除く。)は、本実施形態における調整剤を対象に経口投与することを含む。
同様の観点から、活力、気力、意欲および生活リズムの抑揚からなる群から選択される少なくとも一種の低下抑制または向上方法(ヒトに対する医療行為を除く。)は、本実施形態における調整剤を対象に経口投与することを含む。
【0068】
(包装体)
包装体は、本実施形態における調整剤が包装容器内に収容されたものである。包装体とすることにより、たとえば調整剤の使用時の利便性を向上することができる。
包装形態の具体例として、瓶(ボトル)包装、ジャー包装、PTP包装(Press Through Package)、パウチ包装、スティック包装、SP包装(Strip Package)が挙げられる。これらの包装により調整剤により一旦包装して気密保存してもよい。すなわち、調整剤は気密包装体に収容されてもよい。さらにそれらをピロー包装してもよく、それらを箱等に格納してもよい。
また、たとえば吸湿抑制の観点から、調整剤とともに乾燥剤等を包装容器内に収容してもよい。
【0069】
包装容器の材料として、たとえば、樹脂材料、金属材料、ガラス等の無機材料からなる群から選択される一または二以上の材料が挙げられる。
また、必要に応じ、再生プラスチック、バイオマスプラスチック、生分解性プラスチックなどの環境に配慮した素材を包装材料の一部または全部に用いてもよく、環境に配慮した容器・包装を用いてもよい。
【0070】
包装容器を構成するフィルム材料の具体例として、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム等の樹脂フィルムやこれら樹脂フィルムにアルミニウム箔等の金属箔を蒸着等により付着させたものを用いることができる。単層のフィルム、複層のフィルム(たとえばラミネートフィルム)のどちらを用いてもよい。
【0071】
包装容器は、たとえば調整剤の形状に応じて選択することができる。調整剤が錠剤であるとき、包装容器はたとえばパウチ袋であり、好ましくはアルミパウチ袋である。パウチ袋にファスナー機能が付与されていてもよい。
【0072】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【実施例0073】
以下、実施例を挙げて本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0074】
(試験例1)
本例では、時計遺伝子であるBmal1のレポーター細胞(マウス胚性線維芽細胞:MEF)を評価細胞として用い、カノコソウの遺伝子発現リズムへの影響を評価した。
【0075】
評価細胞(Miltenyi社のGentleMACS systemを用いてbmal1Elucレポーターマウス胎仔よりジーピーシー研究所にて調製)を10cm dishに起眠し、37℃、5%CO
2で培養した。4日間の培養後、24 wellプレート2枚に5.0×10
4cells/wellで細胞を播種した。培養24時間後に10nMデキサメタゾン(Dex)で2時間処理し、その後、発光基質を含む培地に置換した。置換後、37℃、5%CO
2に設定した培養機能付きルミノメーター(Kronos HT、アトー社製)内に細胞を設置し、経時的に発光を測定した。
測定開始後、測定中の生データを参考に、発光値がピークに到達する時間を確認し、発光値がピークに到達した約4時間後に被検物質として、国産カノコソウエキス(日本粉末薬品社製、Valeriana fauriei Briquet、エキス:原生薬=1:5)を添加した。
被検物質の添加の際は、測定装置からプレートを取り出しwell内の培地を除去した。除去後、被検物質の10、30または100μg/mL溶液(溶媒:0.3%DMSO)あるいは溶媒(0.3%DMSO)を含むように発光基質含有培地を各wellに添加した(n=4)。その後、プレートを測定装置に戻し、測定を再開した。
測定結果を
図1に示す。
図1の横軸は時間(h)であり、縦軸は相対発光値である。
【0076】
図1より、カノコソウの添加により、Bmal1の発現リズムにおいて、被検物質の添加後、最初に現れるピーク(Peak1)の次の次に現れたピーク(Peak3)からその前後のトラフまでの振幅の増強効果が確認された。
また、被検物質の添加後、最初に現れるピーク(Peak1)の次に現れたピーク(Peak2)の直後のトラフ以降のトラフおよびピークの位相の遅れが確認された。
【0077】
以上、本発明の好ましい実施形態および実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。