(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143903
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】電力供給システム、及び、電力供給システムを備える移動体
(51)【国際特許分類】
H02J 1/10 20060101AFI20241004BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20241004BHJP
B64D 41/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H02J1/10
H02J1/00 304G
H02J1/00 304H
B64D41/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056845
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】三谷 学
(72)【発明者】
【氏名】松本 健
【テーマコード(参考)】
5G165
【Fターム(参考)】
5G165DA01
5G165EA02
5G165EA10
5G165FA01
5G165GA04
5G165JA09
5G165NA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電動化技術に関する技術においては、より良好な電力供給システム及びより良好な電力供給システムを有する移動体を提供する。
【解決手段】電力供給システム10は、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとを接続する第1接続器20a1及び第2接続器20a2が備えられた第1接続回路18aと、第1電力供給回路に設けられた第1正極側遮断器26a1と、第2電力供給回路に設けられた第2正極側遮断器26b1と、第1接続器と第1正極側遮断器とを制御する第1制御装置30aと、第2接続器と第2正極側遮断器とを制御する第2制御装置30bと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主電源装置から出力される直流電力を第1負荷装置に供給する第1電力供給回路と、
第2主電源装置から出力される直流電力を第2負荷装置に供給する第2電力供給回路と、
前記第1電力供給回路と前記第2電力供給回路とを接続し得る第1接続器及び第2接続器が備えられた第1接続回路と、
前記第1電力供給回路に設けられた第1遮断器と、
前記第2電力供給回路に設けられた第2遮断器と、
前記第1接続器と前記第1遮断器とを制御する第1制御装置と、
前記第2接続器と前記第2遮断器とを制御する第2制御装置と、
を備える、電力供給システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電力供給システムにおいて、
前記第1接続器は、前記第1接続回路の正極の配線に設けられ、
前記第2接続器は、前記第1接続回路の負極の配線に設けられる、電力供給システム。
【請求項3】
請求項1に記載の電力供給システムにおいて、
前記第1電力供給回路に前記第1主電源装置と並列に接続された第1補助電源装置と、
前記第2電力供給回路に前記第2主電源装置と並列に接続された第2補助電源装置と、
を更に備え、
前記第1遮断器は、前記第1電力供給回路から前記第1補助電源装置を遮断可能であり、
前記第2遮断器は、前記第2電力供給回路から前記第2補助電源装置を遮断可能である、電力供給システム。
【請求項4】
請求項3に記載の電力供給システムにおいて、
前記第1主電源装置から出力される直流電力を第3負荷装置に供給する第3電力供給回路と、
前記第3電力供給回路に前記第1主電源装置と並列に接続された第3補助電源装置と、
前記第3電力供給回路から前記第3補助電源装置を遮断し得る第3遮断器と、
前記第2主電源装置から出力される直流電力を第4負荷装置に供給する第4電力供給回路と、
前記第4電力供給回路に前記第2主電源装置と並列に接続された第4補助電源装置と、
前記第4電力供給回路から前記第4補助電源装置を遮断し得る第4遮断器と、
前記第3電力供給回路と前記第4電力供給回路とを接続し得る第3接続器及び第4接続器が備えられた第2接続回路と、
前記第3接続器と前記第3遮断器とを制御する第3制御装置と、
前記第4接続器と前記第4遮断器とを制御する第4制御装置と、
を更に備える、電力供給システム。
【請求項5】
請求項1に記載の電力供給システムにおいて、
前記第1接続器は、前記第1制御装置から信号が入力されていない場合には開き、前記第1制御装置から信号が入力された場合に閉じる常開型の接続器であり、
前記第2接続器は、前記第2制御装置から信号が入力されていない場合には開き、前記第2制御装置から信号が入力された場合に閉じる常開型の接続器である、電力供給システム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の電力供給システムを備える、移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システム、及び、電力供給システムを備える移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する電動化技術に関する研究開発が行われている。
【0003】
下記特許文献1には、航空機電気エネルギー供給ネットワーク(電力供給システム)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電動化技術に関する技術においては、より良好な電力供給システム、及び、より良好な電力供給システムを有する移動体が待望される。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様の電力供給システムは、第1主電源装置から出力される直流電力を第1負荷装置に供給する第1電力供給回路と、第2主電源装置から出力される直流電力を第2負荷装置に供給する第2電力供給回路と、前記第1電力供給回路と前記第2電力供給回路とを接続し得る第1接続器及び第2接続器が備えられた第1接続回路と、前記第1電力供給回路に設けられた第1遮断器と、前記第2電力供給回路に設けられた第2遮断器と、前記第1接続器と前記第1遮断器とを制御する第1制御装置と、前記第2接続器と前記第2遮断器とを制御する第2制御装置と、を備える。
【0008】
本発明の第2の態様の移動体は、第1の態様の電力供給システムを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、より良好な電力供給システム、及び、電力供給システムを有する移動体を提供できる。そして、延いてはエネルギーの効率化にも寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】
図2は、正常時の電力供給システムの動作を示す図である。
【
図3】
図3は、異常時の電力供給システムの動作を示す図である。
【
図4】
図4は、異常時の電力供給システムの動作を示す図である。
【
図5】
図5は、接続装置が誤動作した場合の電力供給システムの動作を示す図である。
【
図6】
図6は、接続装置が誤動作した場合の電力供給システムの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔第1実施形態〕
[電力供給システムの構成]
本実施形態の電力供給システムについて図面を用いて説明する。
図1は、電力供給システム10の模式図である。
【0012】
電力供給システム10は、第1電力供給回路12a、第2電力供給回路12b、第3電力供給回路12c及び第4電力供給回路12dを備える。第1電力供給回路12aは、第1主電源装置14aから出力される直流電力を第1負荷装置16aに供給する。第2電力供給回路12bは、第2主電源装置14bから出力される直流電力を第2負荷装置16bに供給する。第3電力供給回路12cは、第1主電源装置14aから出力される直流電力を第3負荷装置16cに供給する。第4電力供給回路12dは、第2主電源装置14bから出力される直流電力を第4負荷装置16dに供給する。
【0013】
第1主電源装置14a及び第2主電源装置14bは、不図示のエンジン、発電機及びパワーコントロールユニットを有する。エンジンにより発電機が駆動され、発電機は三相交流電力を発生する。パワーコントロールユニットは、三相交流電力を直流電力に変換する。
【0014】
第1主電源装置14a及び第2主電源装置14bは、リチウムイオンバッテリを有してもよい。第1主電源装置14a及び第2主電源装置14bは、リチウムイオンバッテリ以外の二次電池を有してもよい。第1主電源装置14a及び第2主電源装置14bは、一次電池を有してもよい。第1主電源装置14a及び第2主電源装置14bは、大容量コンデンサを有してもよい。
【0015】
第1主電源装置14a及び第2主電源装置14bは、電圧センサ、電流センサ等の各種センサ、ヒューズ、リレー、ブレーカ、ダイオード、トランジスタ、抵抗、コイル、コンデンサ等の各素子を有してもよい。
【0016】
第1負荷装置16a、第2負荷装置16b、第3負荷装置16c及び第4負荷装置16dは、不図示のインバータ及び電動モータを有する。インバータは入力された直流電力を三相交流電力に変換し、電動モータは三相交流電力により駆動される。第1負荷装置16a、第2負荷装置16b、第3負荷装置16c及び第4負荷装置16dは、不図示のDC/DCコンバータ及び低電圧駆動装置を有してもよい。DC/DCコンバータは、入力された直流電力の電圧を低下させ、低電圧駆動度装置は直流電力により駆動される。
【0017】
第1負荷装置16a、第2負荷装置16b、第3負荷装置16c及び第4負荷装置16dは、電圧センサ、電流センサ等の各種センサ、ヒューズ、リレー、ブレーカ、ダイオード、トランジスタ、抵抗、コイル、コンデンサ等の各素子を有してもよい。
【0018】
電力供給システム10は、第1接続回路18a及び第2接続回路18bを備える。第1接続回路18aには、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとを接続し得る接続装置20aが備えられる。第2接続回路18bには、第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとを接続し得る接続装置20bが備えられる。
【0019】
接続装置20aは、第1接続器20a1及び第2接続器20a2を備える。第1接続器20a1は、第1接続回路18aの正極の配線に設けられる。第2接続器20a2は、第1接続回路18aの負極の配線に設けられる。接続装置20bは、第3接続器20b3及び第4接続器20b4を備える。第3接続器20b3は、第2接続回路18bの正極の配線に設けられる。第4接続器20b4は、第2接続回路18bの負極の配線に設けられる。
【0020】
第1接続器20a1、第2接続器20a2、第3接続器20b3及び第4接続器20b4は、コンタクタである。第1接続器20a1、第2接続器20a2、第3接続器20b3及び第4接続器20b4は、リレーであってもよい。第1接続器20a1、第2接続器20a2、第3接続器20b3及び第4接続器20b4は、ブレーカであってもよい。第1接続器20a1、第2接続器20a2、第3接続器20b3及び第4接続器20b4は、半導体スイッチであってもよい。
【0021】
第1接続器20a1及び第2接続器20a2の両方が閉じている場合、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとが接続される。第1接続器20a1及び第2接続器20a2の少なくとも一方が開いている場合、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとの接続が遮断される。
【0022】
第3接続器20b3及び第4接続器20b4の両方が閉じている場合、第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとが接続される。第3接続器20b3及び第4接続器20b4の少なくとも一方が開いている場合、第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとの接続が遮断される。
【0023】
通常は、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとの接続は遮断されている。これにより、第1電力供給回路12a及び第2電力供給回路12bの一方において異常が発生した場合、他方に異常の影響が及ぶことを防止できる。例えば、第1電力供給回路12a及び第2電力供給回路12bの一方において過電流が発生した場合、他方に過電流が流れることを防止する。
【0024】
同様に、通常は、第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとの接続は遮断されている。これにより、第3電力供給回路12c及び第4電力供給回路12dの一方において異常が発生した場合、他方に異常の影響が及ぶことを防止できる。例えば、第3電力供給回路12c及び第4電力供給回路12dの一方において過電流が発生した場合、他方に過電流が流れることを防止する。
【0025】
第1主電源装置14aから第1電力供給回路12a及び第3電力供給回路12cへの電力の供給が断たれた場合、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとが接続装置20aにより接続される。また、第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとが接続装置20bにより接続される。これにより、第2主電源装置14bから第1電力供給回路12a及び第3電力供給回路12cへ電力が供給される。
【0026】
第2主電源装置14bから第2電力供給回路12b及び第4電力供給回路12dへの電力の供給が断たれた場合、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとが接続装置20aにより接続される。また、第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとが接続装置20bにより接続される。これにより、第1主電源装置14aから第2電力供給回路12b及び第4電力供給回路12dへ電力が供給される。
【0027】
電力供給システム10は、遮断装置22a~22dを備える。遮断装置22aは、第1電力供給回路12aと第1接続回路18aとから第1主電源装置14aを遮断し得る。遮断装置22bは、第2電力供給回路12bと第1接続回路18aとから第2主電源装置14bを遮断し得る。遮断装置22cは、第3電力供給回路12cと第2接続回路18bとから第1主電源装置14aを遮断し得る。遮断装置22dは、第4電力供給回路12dと第2接続回路18bとから第2主電源装置14bを遮断し得る。
【0028】
遮断装置22aは、第1正極側遮断器22a1及び第1負極側遮断器22a2を備える。第1正極側遮断器22a1は、第1主電源装置14aと第1電力供給回路12aとを繋ぐ正極の配線に設けられる。第1負極側遮断器22a2は、第1主電源装置14aと第1電力供給回路12aとを繋ぐ負極の配線に設けられる。
【0029】
遮断装置22bは、第2正極側遮断器22b1及び第2負極側遮断器22b2を備える。第2正極側遮断器22b1は、第2主電源装置14bと第2電力供給回路12bとを繋ぐ正極の配線に設けられる。第2負極側遮断器22b2は、第2主電源装置14bと第2電力供給回路12bとを繋ぐ負極の配線に設けられる。
【0030】
遮断装置22cは、第3正極側遮断器22c1及び第3負極側遮断器22c2を備える。第3正極側遮断器22c1は、第1主電源装置14aと第3電力供給回路12cとを繋ぐ正極の配線に設けられる。第3負極側遮断器22c2は、第1主電源装置14aと第3電力供給回路12cとを繋ぐ負極の配線に設けられる。
【0031】
遮断装置22dは、第4正極側遮断器22d1及び第4負極側遮断器22d2を備える。第4正極側遮断器22d1は、第2主電源装置14bと第4電力供給回路12dとを繋ぐ正極の配線に設けられる。第4負極側遮断器22d2は、第2主電源装置14bと第4電力供給回路12dとを繋ぐ負極の配線に設けられる。
【0032】
第1正極側遮断器22a1、第1負極側遮断器22a2、第2正極側遮断器22b1、第2負極側遮断器22b2、第3正極側遮断器22c1、第3負極側遮断器22c2、第4正極側遮断器22d1及び第4負極側遮断器22d2は、コンタクタである。第1正極側遮断器22a1、第1負極側遮断器22a2、第2正極側遮断器22b1、第2負極側遮断器22b2、第3正極側遮断器22c1、第3負極側遮断器22c2、第4正極側遮断器22d1及び第4負極側遮断器22d2は、リレーであってもよい。第1正極側遮断器22a1、第1負極側遮断器22a2、第2正極側遮断器22b1、第2負極側遮断器22b2、第3正極側遮断器22c1、第3負極側遮断器22c2、第4正極側遮断器22d1及び第4負極側遮断器22d2は、ブレーカであってもよい。第1正極側遮断器22a1、第1負極側遮断器22a2、第2正極側遮断器22b1、第2負極側遮断器22b2、第3正極側遮断器22c1、第3負極側遮断器22c2、第4正極側遮断器22d1及び第4負極側遮断器22d2は、半導体スイッチであってもよい。
【0033】
電力供給システム10は、第1補助電源装置24a、第2補助電源装置24b、第3補助電源装置24c及び第4補助電源装置24dを備える。第1補助電源装置24aは、第1電力供給回路12aに第1主電源装置14aと並列に接続される。第2補助電源装置24bは、第2電力供給回路12bに第2主電源装置14bと並列に接続される。第3補助電源装置24cは、第3電力供給回路12cに第1主電源装置14aと並列に接続される。第4補助電源装置24dは、第4電力供給回路12dに第2主電源装置14bと並列に接続される。
【0034】
第1補助電源装置24a、第2補助電源装置24b、第3補助電源装置24c及び第4補助電源装置24dは、リチウムイオンバッテリを有する。第1補助電源装置24a、第2補助電源装置24b、第3補助電源装置24c及び第4補助電源装置24dは、リチウムイオンバッテリ以外の二次電池を有してもよい。第1補助電源装置24a、第2補助電源装置24b、第3補助電源装置24c及び第4補助電源装置24dは、大容量コンデンサを有してもよい。
【0035】
第1補助電源装置24a、第2補助電源装置24b、第3補助電源装置24c及び第4補助電源装置24dは、電圧センサ、電流センサ等の各種センサ、ヒューズ、リレー、ブレーカ、ダイオード、トランジスタ、抵抗、コイル、コンデンサ等の各素子を有してもよい。
【0036】
電力供給システム10は、遮断装置26a~26dを備える。遮断装置26aは、第1電力供給回路12aと第1負荷装置16aとから第1補助電源装置24aを遮断し得る。遮断装置26bは、第2電力供給回路12bと第2負荷装置16bとから第2補助電源装置24bを遮断し得る。遮断装置26cは、第3電力供給回路12cと第3負荷装置16cとから第3補助電源装置24cを遮断し得る。遮断装置26dは、第4電力供給回路12dと第4負荷装置16dとから第4補助電源装置24dを遮断し得る。
【0037】
遮断装置26aは、第1正極側遮断器26a1及び第1負極側遮断器26a2を備える。第1正極側遮断器26a1は、第1補助電源装置24aと第1電力供給回路12aとを繋ぐ正極の配線に設けられる。第1負極側遮断器26a2は、第1補助電源装置24aと第1電力供給回路12aとを繋ぐ負極の配線に設けられる。第1正極側遮断器26a1は、本発明の第1遮断器に相当する。
【0038】
遮断装置26bは、第2正極側遮断器26b1及び第2負極側遮断器26b2を備える。第2正極側遮断器26b1は、第2補助電源装置24bと第2電力供給回路12bとを繋ぐ正極の配線に設けられる。第2負極側遮断器26b2は、第2補助電源装置24bと第2電力供給回路12bとを繋ぐ負極の配線に設けられる。第2正極側遮断器26b1は、本発明の第2遮断器に相当する。
【0039】
遮断装置26cは、第3正極側遮断器26c1及び第3負極側遮断器26c2を備える。第3正極側遮断器26c1は、第3補助電源装置24cと第3電力供給回路12cとを繋ぐ正極の配線に設けられる。第3負極側遮断器26c2は、第3補助電源装置24cと第3電力供給回路12cとを繋ぐ負極の配線に設けられる。第3正極側遮断器26c1は、本発明の第3遮断器に相当する。
【0040】
遮断装置26dは、第4正極側遮断器26d1及び第4負極側遮断器26d2を備える。第4正極側遮断器26d1は、第4補助電源装置24dと第4電力供給回路12dとを繋ぐ正極の配線に設けられる。第4負極側遮断器26d2は、第4補助電源装置24dと第4電力供給回路12dとを繋ぐ負極の配線に設けられる。第4正極側遮断器26d1は、本発明の第4遮断器に相当する。
【0041】
第1正極側遮断器26a1、第1負極側遮断器26a2、第2正極側遮断器26b1、第2負極側遮断器26b2、第3正極側遮断器26c1、第3負極側遮断器26c2、第4正極側遮断器26d1及び第4負極側遮断器26d2は、コンタクタである。第1正極側遮断器26a1、第1負極側遮断器26a2、第2正極側遮断器26b1、第2負極側遮断器26b2、第3正極側遮断器26c1、第3負極側遮断器26c2、第4正極側遮断器26d1及び第4負極側遮断器26d2は、リレーであってもよい。第1正極側遮断器26a1、第1負極側遮断器26a2、第2正極側遮断器26b1、第2負極側遮断器26b2、第3正極側遮断器26c1、第3負極側遮断器26c2、第4正極側遮断器26d1及び第4負極側遮断器26d2は、ブレーカであってもよい。第1正極側遮断器26a1、第1負極側遮断器26a2、第2正極側遮断器26b1、第2負極側遮断器26b2、第3正極側遮断器26c1、第3負極側遮断器26c2、第4正極側遮断器26d1及び第4負極側遮断器26d2は、半導体スイッチであってもよい。
【0042】
電力供給システム10は、第1制御装置28a及び第2制御装置28bを備える。第1制御装置28aは、遮断装置22aの第1正極側遮断器22a1と第1負極側遮断器22a2とを制御する。第1制御装置28aは、遮断装置22cの第3正極側遮断器22c1と第3負極側遮断器22c2とを制御する。第2制御装置28bは、遮断装置22bの第2正極側遮断器22b1と第2負極側遮断器22b2とを制御する。第2制御装置28bは、遮断装置22dの第4正極側遮断器22d1と第4負極側遮断器22d2とを制御する。
【0043】
電力供給システム10は、第1制御装置30a、第2制御装置30b、第3制御装置30c及び第4制御装置30dを備える。第1制御装置30aは、遮断装置26aの第1正極側遮断器26a1と第1負極側遮断器26a2とを制御する。第1制御装置30aは、接続装置20aの第1接続器20a1を制御する。第2制御装置30bは、遮断装置26bの第2正極側遮断器26b1と第2負極側遮断器26b2とを制御する。第2制御装置30bは、接続装置20aの第2接続器20a2を制御する。第3制御装置30cは、遮断装置26cの第3正極側遮断器26c1と第3負極側遮断器26c2とを制御する。第3制御装置30cは、接続装置20bの第3接続器20b3を制御する。第4制御装置30dは、遮断装置26dの第4正極側遮断器26d1と第4負極側遮断器26d2とを制御する。第4制御装置30dは、接続装置20bの第4接続器20b4を制御する。
【0044】
第1制御装置30aから接続装置20aの第1接続器20a1に信号が入力されない場合、第1接続器20a1は開き、第1制御装置30aから第1接続器20a1に信号が入力される場合、第1接続器20a1は閉じる。同様に、第2制御装置30bから接続装置20aの第2接続器20a2に信号が入力されない場合、第2接続器20a2は開き、第2制御装置30bから第2接続器20a2に信号が入力される場合、第2接続器20a2は閉じる。すなわち、第1接続器20a1と第2接続器20a2とは、共に常開型の接続器である。
【0045】
第3制御装置30cから接続装置20bの第3接続器20b3に信号が入力されない場合、第3接続器20b3は開き、第3制御装置30cから第3接続器20b3に信号が入力される場合、第3接続器20b3は閉じる。同様に、第4制御装置30dから接続装置20bの第4接続器20b4に信号が入力されない場合、第4接続器20b4は開き、第4制御装置30dから第4接続器20b4に信号が入力される場合、第4接続器20b4は閉じる。すなわち、第3接続器20b3と第4接続器20b4とは、共に常開型の接続器である。
【0046】
電力供給システム10は、上記に記載の構成の他、電圧センサ、電流センサ等の各種センサ、ダイオード、トランジスタ、ヒューズ、抵抗、コイル、コンデンサ等の各素子を有してもよい。
【0047】
[正常時の電力供給システムの動作]
図2は、正常時の電力供給システム10の動作を示す図である。
図2に示す矢印は、電力の供給経路を示す。
【0048】
第1制御装置28aは、遮断装置22aを制御して、第1正極側遮断器22a1及び第1負極側遮断器22a2の両方を閉じる。また、第1制御装置28aは、遮断装置22cを制御して、第3正極側遮断器22c1及び第3負極側遮断器22c2の両方を閉じる。これにより、遮断装置22aにより第1主電源装置14aが第1電力供給回路12aに接続され、遮断装置22cにより第1主電源装置14aが第3電力供給回路12cに接続される。そのため、第1主電源装置14aから第1負荷装置16a及び第3負荷装置16cに電力が供給される。
【0049】
第2制御装置28bは、遮断装置22bを制御して、第2正極側遮断器22b1及び第2負極側遮断器22b2の両方を閉じる。また、第2制御装置28bは、遮断装置22dを制御して、第4正極側遮断器22d1及び第4負極側遮断器22d2の両方を閉じる。これにより、遮断装置22bにより第2主電源装置14bが第2電力供給回路12bに接続され、遮断装置22dにより第2主電源装置14bが第4電力供給回路12dに接続される。そのため、第2主電源装置14bから第2負荷装置16b及び第4負荷装置16dに電力が供給される。
【0050】
第1制御装置30aは、遮断装置26aを制御して、第1正極側遮断器26a1及び第1負極側遮断器26a2の両方を閉じる。これにより、遮断装置26aにより第1補助電源装置24aが第1負荷装置16aに接続され、第1補助電源装置24aから第1負荷装置16aに電力が供給される。
【0051】
第2制御装置30bは、遮断装置26bを制御して、第2正極側遮断器26b1及び第2負極側遮断器26b2の両方を閉じる。これにより、遮断装置26bにより第2補助電源装置24bが第2負荷装置16bに接続され、第2補助電源装置24bから第2負荷装置16bに電力が供給される。
【0052】
第3制御装置30cは、遮断装置26cを制御して、第3正極側遮断器26c1及び第3負極側遮断器26c2の両方を閉じる。これにより、遮断装置26cにより第3補助電源装置24cが第3負荷装置16cに接続され、第3補助電源装置24cから第3負荷装置16cに電力が供給される。
【0053】
第4制御装置30dは、遮断装置26dを制御して、第4正極側遮断器26d1及び第4負極側遮断器26d2の両方を閉じる。これにより、遮断装置26dにより第4補助電源装置24dが第4負荷装置16dに接続され、第4補助電源装置24dから第4負荷装置16dに電力が供給される。
【0054】
第1制御装置30aは接続装置20aを制御して第1接続器20a1を開き、第2制御装置30bは接続装置20aを制御して第2接続器20a2を開く。これにより、接続装置20aにより第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとの接続が遮断される。
【0055】
第3制御装置30cは接続装置20bを制御して第3接続器20b3を開き、第4制御装置30dは接続装置20bを制御して第4接続器20b4を開く。これにより、接続装置20bにより第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとの接続が遮断される。
【0056】
[異常時の電力供給システムの動作(1)]
図3は、異常時の電力供給システム10の動作を示す図である。
図3に示す矢印は、電力の供給経路を示す。
図3は、第1主電源装置14aから第1電力供給回路12a及び第3電力供給回路12cへの電力の供給が断たれた場合の電力供給システム10の動作を示す。
【0057】
第1主電源装置14aから第1電力供給回路12a及び第3電力供給回路12cへの電力の供給が断たれた状態とは、例えば、第1主電源装置14aが停止し、第1主電源装置14aが再起動できない状態である。また、第1主電源装置14aと遮断装置22aとの間、又は、第1主電源装置14aと遮断装置22cとの間で短絡、断線等が生じた状態である。
【0058】
第1主電源装置14aから第1電力供給回路12a及び第3電力供給回路12cへの電力の供給が断たれた場合、第1制御装置28aは、遮断装置22aを制御して、第1正極側遮断器22a1及び第1負極側遮断器22a2の両方を開く。これにより、
図3に示すように、遮断装置22aにより第1主電源装置14aが第1電力供給回路12aと第1接続回路18aとから遮断される。
【0059】
また、第1制御装置28aは、遮断装置22cを制御して、第3正極側遮断器22c1及び第3負極側遮断器22c2の両方を開く。これにより、
図3に示すように、遮断装置22cにより第1主電源装置14aが第3電力供給回路12cと第2接続回路18bとから遮断される。
【0060】
さらに、第1制御装置30aは、接続装置20aを制御して第1接続器20a1を閉じ、第2制御装置30bは、接続装置20aを制御して第2接続器20a2を閉じる。これにより、
図3に示すように、接続装置20aにより、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとが第1接続回路18aを介して接続される。そのため、第2主電源装置14bから第1負荷装置16aに電力が供給される。
【0061】
また、第3制御装置30cは、接続装置20bを制御して第3接続器20b3を閉じ、第4制御装置30dは、接続装置20bを制御して第4接続器20b4を閉じる。これにより、
図3に示すように、接続装置20bにより、第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとが第2接続回路18bを介して接続される。そのため、第2主電源装置14bから第3負荷装置16cに電力が供給される。
【0062】
[異常時の電力供給システムの動作(2)]
図4は、異常時の電力供給システム10の動作を示す図である。
図4に示す矢印は、電力の供給経路を示す。
図4は、第1主電源装置14aから第1負荷装置16aへの電力の供給を中止する場合の電力供給システム10の動作を示す。
【0063】
第1主電源装置14aから第1負荷装置16aへの電力の供給を中止する状態とは、例えば、第1負荷装置16aが停止し、第1負荷装置16aが再起動できない状態である。または、遮断装置22aと第1負荷装置16aとの間で短絡、断線等が生じた状態である。
【0064】
第1主電源装置14aから第1負荷装置16aへの電力の供給を中止する場合、第1制御装置28aは、遮断装置22aを制御して、第1正極側遮断器22a1及び第1負極側遮断器22a2の両方を開く。これにより、
図4に示すように、遮断装置22aにより第1主電源装置14aが第1電力供給回路12aと第1接続回路18aとから遮断される。
【0065】
さらに、第3制御装置30cは、接続装置20bを制御して第3接続器20b3を閉じ、第4制御装置30dは、接続装置20bを制御して第4接続器20b4を閉じる。これにより、
図4に示すように、接続装置20bにより、第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとが第2接続回路18bを介して接続される。そのため、第1主電源装置14aから第4負荷装置16dに電力が供給される。
【0066】
[接続装置が誤動作した場合の電力供給システムの動作]
図5は、接続装置20aが誤動作した場合の電力供給システム100の動作を示す図である。
【0067】
接続装置20aが誤動作した状態とは、例えば、接続装置20aの第1接続器20a1及び第2接続器20a2の少なくとも一方が誤って閉じた状態である。
【0068】
本実施形態の電力供給システム10(
図1)と異なり、
図5に示す比較例の電力供給システム100では、接続装置20aは1つの第1制御装置28aにより制御されている。そのため、故障した第1制御装置28aが、第1接続器20a1及び第2接続器20a2の両方を閉じるおそれがある。例えば、第1電力供給回路12aにおいて短絡が発生した場合、第1負荷装置16a、第2負荷装置16b、第3負荷装置16c及び第4負荷装置16dのすべてが停止するおそれがある。
【0069】
図6は、接続装置20aが誤動作した場合の電力供給システム10の動作を示す図である。
【0070】
本実施形態の電力供給システム10では、接続装置20aは、第1制御装置30aと第2制御装置30bの2つの制御装置により制御されている。そのため、故障した第1制御装置30aが第1接続器20a1を閉じた場合であっても、正常な第2制御装置30bが第2接続器20a2を開いているため、接続装置20aは遮断状態を維持できる。そのため、例えば、第1電力供給回路12aにおいて短絡が発生した場合であっても、第2負荷装置16bと第4負荷装置16dとは運転を継続できる。
【0071】
故障した第1制御装置30aが、第1正極側遮断器26a1と第1負極側遮断器26a2とを開いて、遮断装置26aを遮断状態とするおそれがある。この場合、第1補助電源装置24aから第1負荷装置16aに電力が供給されない。しかし、正常な第1制御装置28aが遮断装置22aを接続状態にするため、第1主電源装置14aから第1負荷装置16aに電力が供給される。そのため、第1負荷装置16aの運転を継続できる。
【0072】
〔第2実施形態〕
図7は、移動体44の模式図である。電力供給システム10は、移動体44に搭載される。
【0073】
本実施形態の移動体44は、電動垂直離着陸機(eVTOL)である。移動体44は、8つのVTOLロータ46を備える。VTOLロータ46は、機体48に対して上方向に推力を発生する。移動体44は、8つの電動モータ50を備える。1つの電動モータ50が、1つのVTOLロータ46を駆動する。移動体44は、2つのクルーズロータ52を有する。クルーズロータ52は、機体48に対して前方向に推力を発生する。移動体44は、4つの電動モータ54を備える。2つの電動モータ54が、1つのクルーズロータ52を駆動する。
【0074】
第1負荷装置16a、第2負荷装置16b、第3負荷装置16c及び第4負荷装置16dの各々は、2つの電動モータ50と1つの電動モータ54を備えてもよい。第1負荷装置16a、第2負荷装置16b、第3負荷装置16c及び第4負荷装置16dの各々は、電動モータ50及び電動モータ54の他、低電圧駆動装置を備えてもよい。
【0075】
移動体44は、航空機に限らず、船舶、自動車、列車等であってもよい。
【0076】
上述した開示に関し、更に以下の付記を開示する。
【0077】
(付記1)
電力供給システム(10)は、第1主電源装置(14a)から出力される直流電力を第1負荷装置(16a)に供給する第1電力供給回路(12a)と、第2主電源装置(14b)から出力される直流電力を第2負荷装置(16b)に供給する第2電力供給回路(12b)と、前記第1電力供給回路と前記第2電力供給回路とを接続し得る第1接続器(20a1)及び第2接続器(20a2)が備えられた第1接続回路(18a)と、前記第1電力供給回路に設けられた第1遮断器(26a1)と、前記第2電力供給回路に設けられた第2遮断器(26b1)と、前記第1接続器と前記第1遮断器とを制御する第1制御装置(30a)と、前記第2接続器と前記第2遮断器とを制御する第2制御装置(30b)と、を備える。このような構成によれば、第1接続器を制御する第1制御装置と、第2接続器を制御する第2制御装置とが異なるため、第1制御装置及び第2制御装置の一方が故障した場合であっても、第1電力供給回路と第2電力供給回路との接続を遮断できる。また、第1制御装置は第1接続器と第1遮断器とを制御し、第2制御装置は第2接続器と第2遮断器とを制御するため、制御装置の個数を低減できる。そして、延いてはエネルギーの効率化にも寄与するものである。
【0078】
(付記2)
付記1に記載の電力供給システムにおいて、前記第1接続器は、前記第1接続回路の正極の配線に設けられ、前記第2接続器は、前記第1接続回路の負極の配線に設けられてもよい。この構成によれば、第1接続器及び第2接続器の少なくとも一方が開いている場合、第1電力供給回路と第2電力供給回路との接続を遮断できる。
【0079】
(付記3)
付記1又は2に記載の電力供給システムにおいて、当該電力供給システムは、前記第1電力供給回路に前記第1主電源装置と並列に接続された第1補助電源装置(24a)と、前記第2電力供給回路に前記第2主電源装置と並列に接続された第2補助電源装置(24b)と、を更に備え、前記第1遮断器は、前記第1電力供給回路から前記第1補助電源装置を遮断可能であり、前記第2遮断器は、前記第2電力供給回路から前記第2補助電源装置を遮断可能であってもよい。このような構成によれば、第1接続器を制御する第1制御装置と、第2接続器を制御する第2制御装置とが異なるため、第1制御装置及び第2制御装置の一方が故障した場合であっても、第1電力供給回路と第2電力供給回路との接続を遮断できる。
【0080】
(付記4)
付記3に記載の電力供給システムにおいて、当該電力供給システムは、前記第1主電源装置から出力される直流電力を第3負荷装置(16c)に供給する第3電力供給回路(12c)と、前記第3電力供給回路に前記第1主電源装置と並列に接続された第3補助電源装置(24c)と、前記第3電力供給回路から前記第3補助電源装置を遮断し得る第3遮断器(26c1)と、前記第2主電源装置から出力される直流電力を第4負荷装置(16d)に供給する第4電力供給回路(12d)と、前記第4電力供給回路に前記第2主電源装置と並列に接続された第4補助電源装置(24d)と、前記第4電力供給回路から前記第4補助電源装置を遮断し得る第4遮断器(26d1)と、前記第3電力供給回路と前記第4電力供給回路とを接続し得る第3接続器(20b3)及び第4接続器(20b4)が備えられた第2接続回路(18b)と、前記第3接続器と前記第3遮断器とを制御する第3制御装置(30c)と、前記第4接続器と前記第4遮断器とを制御する第4制御装置(30d)と、を更に備えてもよい。このような構成によれば、第3接続器を制御する第3制御装置と、第4接続器を制御する第4制御装置とが異なるため、第3制御装置及び第4制御装置の一方が故障した場合であっても、第3電力供給回路と第4電力供給回路の接続を遮断できる。
【0081】
(付記5)
付記1~4のいずれか1つに記載の電力供給システムにおいて、前記第1接続器は、前記第1制御装置から信号が入力されていない場合には開き、前記第1制御装置から信号が入力された場合に閉じる常開型の接続器であり、前記第2接続器は、前記第2制御装置から信号が入力されていない場合には開き、前記第2制御装置から信号が入力された場合に閉じる常開型の接続器であってもよい。このような構成によれば、第1接続器を制御する第1制御装置と、第2接続器を制御する第2制御装置とが異なる。そのため、第1制御装置及び第2制御装置の一方が故障し、第1接続器及び第2接続器の一方に信号が入力されない場合には、第1電力供給回路と第2電力供給回路との接続を遮断できる。
【0082】
(付記6)
移動体(44)は、付記1~5のいずれか1つに記載の電力供給システムを備える。このような構成によれば、第1接続器を制御する第1制御装置と、第2接続器を制御する第2制御装置とが異なるため、第1制御装置及び第2制御装置の一方が故障した場合であっても、第1電力供給回路と第2電力供給回路との接続を遮断できる。そして、延いてはエネルギーの効率化にも寄与するものである。
【0083】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【0084】
上述した開示では、第1制御装置30aが第1接続器20a1を制御し、第2制御装置30bが第2接続器20a2を制御する。これに対して、第1制御装置30aが第1接続器20a1を制御し、第3制御装置30cが第2接続器20a2を制御してもよい。また、第1制御装置28aが第1接続器20a1を制御し、第2制御装置28bが第2接続器20a2を制御してもよい。すなわち、第1接続器20a1を制御する制御装置と、第2接続器20a2を制御する制御装置とが異なっていればよい。
【0085】
上述した開示では、第3制御装置30cが第3接続器20b3を制御し、第4制御装置30dが第4接続器20b4を制御する。これに対して、第2制御装置30bが第3接続器20b3を制御し、第4制御装置30dが第4接続器20b4を制御してもよい。また、第1制御装置28aが第3接続器20b3を制御し、第2制御装置28bが第4接続器20b4を制御してもよい。すなわち、第3接続器20b3を制御する制御装置と、第4接続器20b4を制御する制御装置とが異なっていればよい。
【符号の説明】
【0086】
10…電力供給システム 12a…第1電力供給回路
12b…第2電力供給回路 12c…第3電力供給回路
12d…第4電力供給回路 14a…第1主電源装置
14b…第2主電源装置 16a…第1負荷装置
16b…第2負荷装置 16c…第3負荷装置
16d…第4負荷装置 18a…第1接続回路
18b…第2接続回路 20a1…第1接続器
20a2…第2接続器 20b3…第3接続器
20b4…第4接続器 24a…第1補助電源装置
24b…第2補助電源装置 24c…第3補助電源装置
24d…第4補助電源装置
26a1…第1正極側遮断器(第1遮断器)
26b1…第2正極側遮断器(第2遮断器)
26c1…第3正極側遮断器(第3遮断器)
26d1…第4正極側遮断器(第4遮断器)
30a…第1制御装置 30b…第2制御装置
30c…第3制御装置 30d…第4制御装置
44…移動体