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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014391
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】鉄筋搬送補助装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 7/024 20060101AFI20240125BHJP
   B21D 43/02 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
B21D7/024 S
B21D43/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117176
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000223056
【氏名又は名称】東陽建設工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】大高 俊助
(72)【発明者】
【氏名】宗和 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】明田 浩
(72)【発明者】
【氏名】中村 光治
【テーマコード(参考)】
4E063
【Fターム(参考)】
4E063AA09
4E063BC11
4E063GA05
4E063MA10
(57)【要約】
【課題】鉄筋の曲げ加工において、鉄筋の搬送作業を容易とする。
【解決手段】鉄筋曲機40によって加工される被加工鉄筋60の搬送を補助する鉄筋搬送補助装置10は、鉄筋曲機40による曲げ加工前の被加工鉄筋60が鉄筋曲機40にて待機している状態における当該被加工鉄筋40の延びる方向に延びた回動可能な軸部材16と、軸部材16に着脱可能に支持され、被加工鉄筋60を載置可能な搬送補助部材11と、軸部材16を駆動する駆動部15と、を備え、駆動部15は、軸部材16を駆動して、搬送補助部材11を、鉛直方向における複数の位置に位置決めする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄筋曲機によって加工される被加工鉄筋の搬送を補助する鉄筋搬送補助装置であって、
前記鉄筋曲機による曲げ加工前の前記被加工鉄筋が前記鉄筋曲機にて待機している状態における当該被加工鉄筋の延びる方向に延びた回動可能な軸部材と、
前記軸部材に着脱可能に支持され、前記被加工鉄筋を載置可能な搬送補助部材と、
前記軸部材を駆動する駆動部と、を備え、
前記駆動部は、前記軸部材を駆動して、前記搬送補助部材を、鉛直方向における複数の位置に位置決めする、鉄筋搬送補助装置。
【請求項2】
請求項1に記載の鉄筋搬送補助装置であって、
前記搬送補助部材は、前記軸部材に対して前記方向の位置を変更可能に構成されている、鉄筋搬送補助装置。
【請求項3】
請求項1に記載の鉄筋搬送補助装置であって、
前記軸部材は、第1方向に回動することで、前記搬送補助部材を、鉛直方向の高い位置から低い位置まで移動させ、
前記搬送補助部材は、前記第1方向に荷重を受ける場合には前記軸部材に対し移動不能に支持され、前記第1方向と反対の第2方向に荷重を受ける場合には前記軸部材に対し移動可能に支持されている、鉄筋搬送補助装置。
【請求項4】
請求項1に記載の鉄筋搬送補助装置であって、
前記搬送補助部材は、棒状の本体部と、前記本体部の一端側に設けられた湾曲形状のフック部と、を含み、
前記軸部材は、横断面視において外周面が非円形状の係止部を含み、
前記搬送補助部材は、前記軸部材への装着状態において、当該搬送補助部材の自重による回転力にて前記フック部のフック先端部が前記係止部に当接して係止される、鉄筋搬送補助装置。
【請求項5】
請求項4に記載の鉄筋搬送補助装置であって、
前記フック部の前記フック先端部は、側面視で前記本体側に湾曲する引掛り部を備え、
前記係止部は、前記軸部材の外周面から、当該軸部材の軸方向に延設された凸条若しくは溝にて構成されている、鉄筋搬送補助装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の鉄筋搬送補助装置であって、
前記引掛り部と当該引掛り部に対面する前記本体部との距離は、前記軸部材の最大径よりも大きく構成されている、鉄筋搬送補助装置。
【請求項7】
請求項4に記載の鉄筋搬送補助装置であって、
前記本体部の他端側には、前記フック部の延びる方向とは逆方向に湾曲する保持先端部が設けられている、鉄筋搬送補助装置。
【請求項8】
請求項7に記載の鉄筋搬送補助装置であって、
前記保持先端部は、前記本体部に対して着脱可能に設けられている、鉄筋搬送補助装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の鉄筋搬送補助装置であって、
前記保持先端部は、前記本体部に対して移動可能に設けられている、鉄筋搬送補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋搬送補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄筋を折曲げ加工して所定の形状にすることが行われている。この折曲げ加工においては、支点部材とこの支点部材の周りに回動される曲げローラ(力点部材)と、鉄筋の曲げ加工時の曲げ方向とは反対側に受ける反力受け部(鉄筋受け部材)の協働によって鉄筋を曲げる鉄筋曲げ装置(鉄筋曲機)が用いられている。
【0003】
特許文献1には、曲げローラと支点部材によって、鉄筋の3次元的な加工を行う装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-116594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているような鉄筋の曲げ加工においては、鉄筋曲げ装置に対して、鉄筋の供給作業と曲げ加工後の鉄筋の取り出し作業などの鉄筋の搬送が必要であり、ある程度の機械化が図られてはいるものの、人手に頼る部分が多く残されているのが現状である。
【0006】
本発明の目的は、鉄筋の曲げ加工において、鉄筋の搬送作業を容易とする解決手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は下記手段により達成することができる。すなわち、本開示の技術は以下の通りである。
〔1〕
鉄筋曲機によって加工される被加工鉄筋の搬送を補助する鉄筋搬送補助装置であって、
前記鉄筋曲機による曲げ加工前の前記被加工鉄筋が前記鉄筋曲機にて待機している状態における当該被加工鉄筋の延びる方向に延びた回動可能な軸部材と、
前記軸部材に着脱可能に支持され、前記被加工鉄筋を載置可能な搬送補助部材と、
前記軸部材を駆動する駆動部と、を備え、
前記駆動部は、前記軸部材を駆動して、前記搬送補助部材を、鉛直方向における複数の位置に位置決めする、鉄筋搬送補助装置。
【0008】
〔2〕
〔1〕に記載の鉄筋搬送補助装置であって、
前記搬送補助部材は、前記軸部材に対して前記方向の位置を変更可能に構成されている、鉄筋搬送補助装置。
【0009】
〔3〕
〔1〕に記載の鉄筋搬送補助装置であって、
前記軸部材は、第1方向に回動することで、前記搬送補助部材を、鉛直方向の高い位置から低い位置まで移動させ、
前記搬送補助部材は、前記第1方向に荷重を受ける場合には前記軸部材に対し移動不能に支持され、前記第1方向と反対の第2方向に荷重を受ける場合には前記軸部材に対し移動可能に支持されている、鉄筋搬送補助装置。
【0010】
〔4〕
〔1〕に記載の鉄筋搬送補助装置であって、
前記搬送補助部材は、棒状の本体部と、前記本体部の一端側に設けられた湾曲形状のフック部と、を含み、
前記軸部材は、横断面視において外周面が非円形状の係止部を含み、
前記搬送補助部材は、前記軸部材への装着状態において、当該搬送補助部材の自重による回転力にて前記フック部のフック先端部が前記係止部に当接して係止される、鉄筋搬送補助装置。
【0011】
〔5〕
〔4〕に記載の鉄筋搬送補助装置であって、
前記フック部の前記フック先端部は、側面視で前記本体側に湾曲する引掛り部を備え、
前記係止部は、前記軸部材の外周面から、当該軸部材の軸方向に延設された凸条若しくは溝にて構成されている、鉄筋搬送補助装置。
【0012】
〔6〕
〔4〕又は〔5〕に記載の鉄筋搬送補助装置であって、
前記引掛り部と当該引掛り部に対面する前記本体部との距離は、前記軸部材の最大径よりも大きく構成されている、鉄筋搬送補助装置。
【0013】
〔7〕
〔4〕に記載の鉄筋搬送補助装置であって、
前記本体部の他端側には、前記フック部の延びる方向とは逆方向に湾曲する保持先端部が設けられている、鉄筋搬送補助装置。
【0014】
〔8〕
〔7〕に記載の鉄筋搬送補助装置であって、
前記保持先端部は、前記本体部に対して着脱可能に設けられている、鉄筋搬送補助装置。
【0015】
〔9〕
〔7〕又は〔8〕に記載の鉄筋搬送補助装置であって、
前記保持先端部は、前記本体部に対して移動可能に設けられている、鉄筋搬送補助装置。
【発明の効果】
【0016】
〔1〕の鉄筋搬送補助装置によれば、搬送補助部材は、駆動部により駆動されて高さの異なる複数の位置に位置決めすることができるので、被加工鉄筋を加工前の待機面から加工を行う載置面への移動や、他の取り出し位置への移動も可能である。また、被加工鉄筋の延びる方向に延びた回動可能な軸部材に支持された搬送補助部材が、当該軸部材に対し着脱可能に支持されていることで、搬送補助部材の被加工鉄筋の長さに対する対応性を良くすることができる。この結果、被加工鉄筋の加工から加工後の取り出しの利便性を高めることができる。また、加工製品の多様化に容易に対応することができる。
【0017】
〔2〕の鉄筋搬送補助装置によれば、加工する被加工鉄筋の長さが変わったときに、搬送補助部材を移動させることで、これに容易に対応することができる。
【0018】
〔3〕の鉄筋搬送補助装置によれば、搬送補助部材を軸部材から取り外す際には、搬送補助部材を第2方向に移動させるだけでよく、非常に簡単である。また、搬送補助部材が、第1方向に回転したときに、例えば、その移動軌跡の途中に物が存在して搬送補助部材の一部が該物に当たるなどの不測の事態が生じた時でも、搬送補助部材に対し軸部材は空転して回転力を伝えることがなく、搬送補助部材が破損したり、駆動系に負荷が掛かったりすることがない。一方、搬送補助部材が第1方向に荷重を受ける場合には、搬送補助部材は軸部材に対して移動不能なため、搬送補助部材によって被加工鉄筋を高い位置から低い位置まで移動させることができ、被加工鉄筋の搬送を確りと補助できる。
【0019】
〔4〕の鉄筋搬送補助装置によれば、搬送補助部材は、軸部材への装着状態において、本体部の一端側のフック部が軸部材に係止されて当該本体部が軸部材の径方向に張り出した状態となる。このため、搬送補助部材の自重による回転モーメントによって、フック先端部を軸部材に当接させることができる。このフック先端部の当接力によって搬送補助部材を軸部材上に保持することができる。
【0020】
〔5〕の鉄筋搬送補助装置によれば、フック部は、そのフック先端部が側面視で本体部側に湾曲する引掛り部を備えていることで、軸部材の外周面に設けられた凸条若しくは溝に対して引掛り部を引っ掛けるように装着することができる。
【0021】
〔6〕の鉄筋搬送補助装置によれば、フック部の軸部材への着脱操作が容易にできる。
【0022】
〔7〕の鉄筋搬送補助装置によれば、搬送補助部材は、本体部の先端側において例えば上方に向って湾曲した保持先端部が設けられていることで、この保持先端部によって被加工鉄筋を安定して保持できる。
【0023】
〔8〕の鉄筋搬送補助装置によれば、形の異なる保持先端部を本体部に取り付けられる。また、保持先端部の長期の使用による摩耗等が生じても、保持先端部のみを取り外して交換することができ、メンテナンスが容易である。
【0024】
〔9〕の鉄筋搬送補助装置によれば、被加工鉄筋を保持する向きや、太さの異なる被加工鉄筋を保持するときに、保持先端部の向きを変えることで、これらに対応できる。また、被加工鉄筋を待機面から受け渡すとき、或いは載置面に被加工鉄筋を載置するときの、高さ位置や先端部分の向き等を微調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一態様である鉄筋搬送補助装置を備える鉄筋加工設備の概略斜視図である。
図2図1に示す鉄筋加工設備を右側面方向から見たときとの概略側面図である。
図3】軸部材への係合状態における搬送補助部材を示す拡大側面図である。
図4】搬送補助部材のフック部と軸部材との係合を示す拡大側面図であって、(a)は、フック部を軸部材に装着するときの拡大側面図であり、(b)は、フック部が軸部材に装着された状態を示す拡大側面図である。
図5】搬送補助部材の分解斜視図である。
図6】軸部材の変形例を示す軸部材の拡大断面図である。
図7】鉄筋曲げ加工方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一側面を表す一態様について図面を参照して説明する。
なお、以下の説明における、前後、左右、上下の向きの記載については、鉄筋加工設備100を作業者が正面から見た場合の方向として向きを記載する。具体的には、鉄筋加工設備100に向って、手前側を前、奥側を後、右側を右、左側を左、下側(鉄筋加工設備100が設置される床面B側)を下、上側を上とする。図面には、前後、左右、上下の方向を矢印にて記載をする。上下方向は、鉛直方向と一致する。
【0027】
図1及び図2に示す鉄筋加工設備100は、各機器を支持する架台20、被加工鉄筋60(以下、単に「鉄筋」という)を載置する複数の載置部、鉄筋60に曲げ加工を施す鉄筋曲機40、鉄筋60を移動させる搬送補助部材11を有する鉄筋搬送補助装置10、搬送補助部材11を駆動する駆動部15(軸を回すモータ)と、を備える。なお、ここで言う鉄筋60の載置部とは、加工前の鉄筋61(60)が載置される待機面43、曲げ加工を施す際に鉄筋60が載置される載置面41、曲げ加工済みの鉄筋62(60)を取出すための取出し面42、加工済み鉄筋62をストックしておくための製品載置面(不図示)、等である。
【0028】
鉄筋曲機40は、例えば、架台20の上下方向の中段位置に配置され、載置面41上に置かれた鉄筋60上に位置し当該鉄筋60の曲がり中心を規定する曲げ支点部材40a、曲げ支点部材40aの周りを回動して鉄筋60に曲げ力を加える曲げアーム40b、載置面41よりも前側に位置して曲げ支点部材40aの前端を保持する前面壁部40d、を備える曲げユニット40uと、架台20の上端側に配置されて曲げ加工前の鉄筋60を保持する待機面43と、を備える。
【0029】
架台20の後端部且つ上端部には、加工前の鉄筋61を載置しておくための鉄筋保持部43aと、鉄筋保持部43aに鉄筋61を搬送するためのチェーン等で構成された搬送部44と、が設けられている。鉄筋保持部43aの前端部43tは、上方に突出する形状となっており、搬送部44から搬送されてきた鉄筋61は、この前端部43tに当接して、鉄筋保持部43aに載置された状態となる。鉄筋保持部43aの上面が、待機面43を構成している。
【0030】
曲げユニット40uは、架台20の左右方向に延びる架台テーブル20a上を左右方向に適宜移動可能に設置されている。そして、例えば、鉄筋60の両端側を同時に加工するような場合には、2つの曲げユニット40uを用いて同時曲げ加工を行う。この場合、図1に示すように、所定の間隔に配置された一対の曲げユニット40uの間に、例えば3個の搬送補助部材11が配置されており、この3個の搬送補助部材11によって鉄筋60を上下に移動させる。搬送補助部材11は、一対の曲げユニット40uの左右外側にも設けられていることが好ましい。この左右外側の搬送補助部材11も必要に応じて使用することで、例えば、2つの曲げユニット40uの間隔を大きく上回る長さの鉄筋60を加工する際の作業性を高めることができる。なお、図1の例では、一対の曲げユニット40uの間に複数の搬送補助部材11が配置されるものとしているが、この間には少なくとも1つの搬送補助部材11が配置されていればよい。
【0031】
曲げユニット40uにおける曲げ支点部材40aは、曲げ支点部材40aの後方側に連結されたシリンダ部材40cによって、ケーシング40e内を前後移動可能に配置されている。したがって、曲げ加工を行うとき以外は、曲げ支点部材40aは、ケーシング40e内側(後方側)に退避可能に構成されている。また、曲げアーム40bは、回転駆動部材(不図示)に接続されて、曲げ支点部材40aの周りを回動する。曲げアーム40bの回動によって、載置面41に載置された鉄筋60は、曲げ支点部材40aの外周面に沿うように曲げられる。
【0032】
鉄筋搬送補助装置10は、架台20の上端寄りの位置で架台20の左右方向(鉄筋60の延びる方向)に延出された略円柱状の軸部材16と、軸部材16の外周面に所定の間隔で取り付けられたアーム状の搬送補助部材11と、軸部材16を回転駆動する駆動部15と、駆動部15を制御するプロセッサと、を備える。なお、鉄筋搬送補助装置10のプロセッサは、鉄筋曲機40のプロセッサ(曲げユニット40uの制御を行うプロセッサ)によって代用可能である。搬送補助部材11は、軸部材16の回転によって、アーム先端側の保持先端部14が上下して、この保持先端部14に載置された鉄筋60を移動させる。
【0033】
軸部材16を回転駆動する駆動部15は、例えば、モータ15aと、モータ15aの駆動軸15c及び軸部材16に設けられたスプロケットに掛け渡されたチェーン15bと、を備えている。そして、駆動部15は、モータ15aの回転方向が制御されて、軸部材16(とこれに係止された搬送補助部材11)を所定の方向に回転させる。駆動部15は、軸部材16に対して、軸の長手方向の何れか一か所に設けられていればよい。しかし、軸部材16が長い場合には、所定の間隔で複数設けるようにして、同期駆動するようにしても良い。
【0034】
また、軸部材16を、途中で分断した不連続な構成として、それぞれに駆動部15を設けた構成としても良い。この場合、駆動部15を同期駆動することで、軸部材16を一本の軸部材として駆動することもできる一方、別々の設備として、異なった鉄筋曲げ加工を並行して行うこともできる。
【0035】
搬送補助部材11は、図2に示すように、軸部材16の回転(右側面から見て時計回りの方向への回転)によって、アーム先端側の湾曲部である保持先端部14が上方に移動する。この保持先端部14の上方への移動によって、図2に示すように、保持先端部14の取出し受け部14bが、曲げ加工前の鉄筋61が待機する待機面43よりも鉛直方向において上の位置である第3位置3p(図2参照)まで移動する。第3位置3pは、前端部43tの上端よりも上方にあることが好ましい。取出し受け部14bが、第2位置2p又は第1位置1pから上方に移動して待機面43を超えると、取出し受け部14b上に、曲げ加工前の鉄筋61が載置された状態となる。この状態から、取出し受け部14bが更に上方に移動して第3位置3pに到達する。取出し受け部14bが第3位置3pにある状態では、図2に示すように、取出し受け部14bの上端面は、前側に向かって僅かに傾斜している。このため、取出し受け部14b上に載置された曲げ加工前の鉄筋61は、この上端面の傾斜に沿って前側に移動し、保持先端部14によって保持された状態となる。
【0036】
保持先端部14の取出し受け部14bの上端面は、保持先端部14が第3位置3pにある状態にて、前方側に向って下方に若干傾斜しており、また、保持先端部14の保持受け部14aの上端面は、下方に凹むように湾曲している。したがって、搬送補助部材11の保持先端部14は、第3位置3pに位置された状態において、鉄筋61が重力によって保持受け部14aの凹みに移動するように構成されている。
【0037】
保持受け部14aの凹みにて鉄筋61を保持した搬送補助部材11は、図2に示すように、鉄筋曲機40の曲げ加工時における鉄筋60の載置面41よりも下の第1位置1pに移動する。保持先端部14が第3位置3pにある状態から、保持先端部14が第1位置1pにある状態に至るまでの搬送補助部材11の移動の途中にて、保持受け部14aの凹みにて保持された鉄筋61は、載置面41上に載置されて、曲げ加工が可能な状態となる。なお、ここで言う、第1位置1pとは、図示では載置面41よりも若干下側の位置となっているが、その範囲は、載置面41と床面B(鉄筋曲機40の設置面)との間となる。すなわち、搬送補助部材11は、その長さによっては、保持先端部14が床面Bに届くように構成されている場合もあり、第1位置1pの範囲は、載置面41から床面Bまでの範囲とすることができる。
【0038】
また、保持先端部14は、もう一つの位置、第2位置2pに位置決め停止することができる。この第2位置2pは、曲げ加工済みの鉄筋62(60)を取出す前掲の取出し面42の位置であって、待機面43と、載置面41との間の高さの範囲の位置に設定されている。第2位置2pは、載置面41よりも上方の高い位置(好ましくは、前面壁部40dの高さよりも高い位置)にある。保持先端部14が第2位置2pにある状態では、図1及び図2に示すように、加工済みの鉄筋62の取り出し位置が高くなるため、当該鉄筋62の取り出しに要する負担が軽減される。
【0039】
鉄筋曲機40、及び鉄筋搬送補助装置10が前掲のように構成されていることで、加工後の鉄筋62の位置を高くする鉄筋搬送補助方法を実施することができる。この鉄筋搬送補助方法は、例えば、搬送補助部材11を、載置面41と床面Bとの間の第1位置1pに位置決めする工程と、鉄筋曲機40による曲げ加工後に、搬送補助部材11を、第1位置1pから、載置面41と待機面43の間の第2位置2pに移動させ、曲げ加工後の鉄筋62を搬送補助部材11によって載置面41から離間させる工程と、を有する。曲げ加工後の鉄筋62が載置面41よりも高い位置に移動することで、載置面41に載置されている状態の鉄筋62を作業者が手で持ち上げる場合と比較して、その鉄筋62の取り出しを容易に行うことができる。
【0040】
ここで、搬送補助部材11について図3図5を参照して、さらに詳しく説明する。
搬送補助部材11は、図5に示すように、アーム状の本体部12と、本体部12の一端側(図中右側の基端側)に設けられて軸部材16に係合する湾曲形状のフック部13と、本体部12の先端側12t(図中左側)に取り付けられて鉄筋60を保持可能に湾曲された保持先端部14と、を備えている。
【0041】
図3に示すように、フック部13は、軸部材16への装着状態において、本体部12が前方の斜め下向きに延びるように取付けられていることで、搬送補助部材11の自重(矢印Fにて示す方向の力)による回転力が生じている。この自重による回転力によって、搬送補助部材11は、フック部13の先端部であるフック先端部17が軸部材16の外周面16sから突出した非円形状の凸条19に引っ掛かるようにして係止されている。
【0042】
このように搬送補助部材11を支持した軸部材16は、図3において反時計回りの第1方向1dに回動することで、前掲の如く搬送補助部材11を、鉛直方向の高い位置から低い位置まで移動させる。一方、軸部材16は、時計回りの第2方向2dに回動することで、前掲の如く搬送補助部材11を、鉛直方向の低い位置から高い位置まで移動させる。しかし、搬送補助部材11が、第2方向2dに荷重を受ける場合、すなわち、図3において下方側から上方に向う力(矢印F’にて示す方向の力)を受ける場合には、搬送補助部材11は、そのフック部13が軸部材16に対し外周面16s上を滑るように空転する。このように搬送補助部材11が空転する状態は、通常では発生することはないが、搬送補助部材11が降下中に、下方側から何らかの物体が当たったときに起こる。
【0043】
また、凸条19は、軸部材16に軸線方向に沿って形成されたキー溝からなる溝18に固定された凸条のキー部材によって構成されており、軸方向においてその全域にわたって設けられている。したがって、搬送補助部材11は、軸部材16に対して、当該軸部材16の軸方向において何れの位置にも係止することができる。つまり、搬送補助部材11は、軸部材16の長手方向のいずれの位置にも装着でき、その位置を軸部材16の長手方向に沿って任意に変更することができる。
【0044】
図4(a)に示すように、引掛り部17fと当該引掛り部17fに対面する本体部12との距離D1は、軸部材16の最大径D2よりも大きく構成されている。このように構成されていることで、フック部13を軸部材16に装着するときには、例えば、図4(a)に示すように、フック部13の開口側を凸条19に対面するようにして、当該フック部13内に凸条19が入り込むようにして組み合わせる。その後、搬送補助部材11を、図4において反時計回りの方向に回転させる。これにより、図4(b)に示すように、引掛り部17fが凸条19に引っ掛かり、搬送補助部材11は、軸部材16に係止される。図4(b)に示す状態から搬送補助部材11を更に反時計回りに回転させると、図4(c)に示す状態となり、搬送補助部材11が軸部材16に固定される。一方、フック部13を軸部材16から外すときは、取付操作と逆に、図4(c)において、搬送補助部材11を、時計回りの方向へ一定の回転角度で回転をさせた後に、フック部13を軸部材16から離す方向に移動する操作を行うことで、外すことができる。
【0045】
搬送補助部材11の保持先端部14は、図5に示すように、保持受け部14a及び取出し受け部14bの二つの部材にて構成され、本体部12に対して着脱可能に設けられている。保持受け部14a及び取出し受け部14bは、本体部12の先端側12tを挟み込むようにして締結部材70にて取り付けられる。図3に示すように、保持受け部14aは、本体部12側と反対側の先端部が上側に湾曲している。本体部12のフック部13は、保持受け部14aの湾曲方向とは逆の下側に湾曲している。つまり、搬送補助部材11は、全体として略S字状の形状ということもできる。
【0046】
なお、取出し受け部14bは、締結部材70の軸径に対し、例えば、前後方向及び上下方向の余裕のある長孔14dを介して締結されている。これにより、保持先端部14は、締結部材70の位置を変えることで、本体部12に対して移動可能に設けられている。すなわち、取出し受け部14bは、本体部12に対してその長手方向(図3におけるX方向)の移動ができる。これにより、保持先端部14は、待機面43の位置に対して調整が可能な構成となっている。なお、取り出し受け部14bは、本体部12の幅方向(図3におけるY方向)、更には締結部材70を支点にして回転方向(図3におけるZ方向)へ、ガタ分の僅かな移動が出来るようになっていることが好ましい。これにより、取出し受け部14bの取り付け時の微調整が可能となる。
【0047】
搬送補助部材11の軸部材16による保持は、前掲の凸条19の構成に限るものではなく、例えば、図6に示すような構成とすることもできる。
図6に示す構成においては、フック部13の構成は図5に示したものと同じであるが、軸部材16の構成は、軸部材16の外周面16sに溝18のみが形成された構造となっている。すなわち、フック部13の引掛り部17fが溝18に係合する構成となっている。このような構成においては、軸部材16にフック部13を装着するときに、軸部材16に対するフック部13の向きを選ぶ必要がなく、装着並びに取り外しができ、搬送補助部材11の着脱操作は、図3及び図4に示した構成よりも容易である。
【0048】
以下、曲げ加工における搬送補助部材11の動作並びに制御について、図7のフローチャートを参照して説明する。鉄筋搬送補助装置10は、初期状態では、例えば搬送補助部材11が第1位置1pにあるものとする。
作業者は、鉄筋曲機40及び鉄筋搬送補助装置10の電源を入れた後に、足にてフットスイッチ30をオン操作する(ステップS1)。このオン操作を検出した鉄筋搬送補助装置10のプロセッサは、駆動部15を制御して、搬送補助部材11を第1位置1pから第3位置3pへ移動させる。この移動によって、搬送補助部材11の保持先端部14上には、例えば複数本の鉄筋61が載置される。鉄筋搬送補助装置10のプロセッサは、搬送補助部材11が第3位置3pに到達したことを例えば不図示のセンサ等によって検知すると、曲げユニット40uの左右方向への移動を許可する移動OK信号を鉄筋曲機40に出力する(ステップS2)。鉄筋曲機40は、この移動OK信号を受けている状態では、曲げユニット40uの左右への移動ができるように制御する。作業者は、この状態で、目的とする加工内容に応じた位置に曲げユニット40uを移動させる等の作業を行う。
【0049】
次に、作業者は、フットスイッチ30のオン操作をする(ステップS3)。このオン操作を受けた鉄筋搬送補助装置10のプロセッサは、移動OK信号の出力を停止して、駆動部15を制御して、搬送補助部材11を第3位置3pから第1位置1pまで降下させる。
【0050】
鉄筋搬送補助装置10のプロセッサは、搬送補助部材11が第3位置3pに到達したことを例えば不図示のセンサ等によって検知すると、鉄筋61が載置面41に置かれたと判断して、曲げ加工が可能である曲げ加工OK信号を出力する(ステップS4)。
【0051】
その後、鉄筋搬送補助装置10のプロセッサは、曲げユニット40uによる曲げ加工の完了待ちの状態になる(ステップS7)。すなわち、搬送補助部材11は、載置面41よりも下側の位置に退避した状態で、曲げ加工が終了するのを待つ状態で停止している。
【0052】
鉄筋曲機40は、鉄筋搬送補助装置10から曲げ加工OK信号を受けると、ステップS5において、曲げユニット40uによる曲げ加工を開始する。
【0053】
鉄筋曲機40は、曲げユニット40uが曲げ加工を開始して所定の動作後に、ステップS6にて曲げ加工を完了する。ステップS6において、鉄筋曲機40は、曲げ支点部材40aの後方への退避並びに曲げアーム40bの退避(載置面41よりも下側の位置への退避)を行い、次の曲げ加工開始が可能な状態とし、更に、曲げ加工完了信号を出力する。
【0054】
作業者は、曲げ加工完了信号を検出すると、フットスイッチ30をオン操作する(ステップS8)。このオン操作を受けた鉄筋搬送補助装置10のプロセッサは、駆動部15を制御して、搬送補助部材11を第1位置1pから第2位置2pまで上昇させる。ステップS8において、鉄筋搬送補助装置10のプロセッサは、搬送補助部材11の第2位置2pへの到達を不図示のセンサ等によって検知すると、搬送補助部材11の駆動を停止する。このときの搬送補助部材11の停止位置は、曲げ加工後の鉄筋62が曲げユニット40uから完全に飛び出た位置、例えば、前面壁部40dよりも高い位置が好ましく、合わせて、加工済みの鉄筋62を手で取り出すのに作業し易い高さに設定されている。
【0055】
ステップS8の後、作業者は、鉄筋62を取り出して所定の位置に置いた後に、フットスイッチ30をオン操作する(ステップS9)。このオン操作を受けた鉄筋搬送補助装置10のプロセッサは、搬送補助部材11を第2位置2pから第3位置3pに移動させる。これにより、曲げ加工の1サイクルが終了する。なお、曲げ加工を繰り返し行うときは、ステップS9からステップS2に戻って同じステップが繰り返される。
【0056】
鉄筋搬送補助装置10のプロセッサは、フットスイッチ30のオン操作を検出することで、搬送補助部材11を駆動しているが、これに限らない。例えば、鉄筋搬送補助装置10のプロセッサは、鉄筋曲機40に設けられた手で操作するためのスイッチの操作を検出して、搬送補助部材11を駆動するようにしてもよい。また、鉄筋搬送補助装置10のプロセッサは、作業者からの都度操作を受けることなく、自動で、搬送補助部材11を駆動してもよい。例えば、鉄筋搬送補助装置10のプロセッサは、曲げ加工開始のための操作が鉄筋曲機40に対してなされると、搬送補助部材11を第2位置2pから第3位置3pに移動させ、その状態で、保持先端部14に鉄筋61が保持されたことを検出すると、搬送補助部材11を第3位置3pから第1位置1pに移動させ、その状態で、曲げ加工が完了したことを検出すると、搬送補助部材11を第1位置1pから第2位置2pに移動させる制御を、繰り返し実行するようにしてもよい。
【0057】
上述の制御においては、曲げユニット40uが作動している間は、搬送補助部材11が動作できないように設定されている。すなわち、搬送補助部材11と曲げユニット40uは、動作中に干渉しないように構成されている。また、曲げユニット40uは、前掲のごとく架台テーブル20a上を左右にスライド移動可能に設置されているが、例えば、搬送補助部材11が、曲げユニット40uに干渉しない位置にあるときにのみに、曲げユニット40uがスライド移動可能に設定されている。
【0058】
以上述べたように、本態様の鉄筋搬送補助装置10は、搬送補助部材11が第1位置1pに位置決め可能であることで、載置面41よりも床面B側へ移動して退避できるので、鉄筋曲機40の曲げ加工に支障を来たすことなく、鉄筋の搬送を補助できる。また、曲げ加工後の鉄筋60を、加工時の載置面41よりも高い位置となる第2位置2pに位置決めできることで、加工後の鉄筋60の取出しが容易になり、取り出し作業性が改善される。
【0059】
また、搬送補助部材11は、鉄筋曲機40の複数の曲げユニット40uの間に配置されることで、曲げユニット40uの左右両脇において鉄筋60を保持することができ、鉄筋60の供給・取出しに際して、鉄筋60の安定保持を可能にする。また、複数の曲げユニット40uを跨ぐように供給される長尺な鉄筋60を保持することができる。また、例えば、曲げユニット40uを二つ利用して、当該曲げユニット40uの外側に張り出した部分を内側に曲げるような加工を施した場合でも、曲げユニット40u間に配置された搬送補助部材11にて鉄筋60を保持することができる。
【0060】
本態様において、搬送補助部材11を駆動する軸部材16は、待機面43に待機している鉄筋60の延びる方向に沿って設けられていることで、待機面43に置かれている鉄筋60の長さに関わらず、搬送補助部材11の駆動が可能である。また、軸部材16によって、搬送補助部材11を駆動できるので、複数の搬送補助部材11を一つの駆動部15にて制御できる。
また、搬送補助部材11は、軸部材16に着脱可能に構成されていることで、鉄筋60の長さに対応することが容易である。また、搬送補助部材11は、交換が容易にでき、メンテナンス性が良い。
【0061】
本態様の搬送補助部材11は、第1方向1dとは反対の第2方向2dに荷重を受ける場合には軸部材16に対し移動可能に支持されている。これにより、例えば、搬送補助部材11を軸部材16から取り外す際には、搬送補助部材11を第2方向2dに移動させるだけでよく、非常に簡単である。また、搬送補助部材11が第1方向1dに回転しているときの移動軌跡の途中に物が存在して、搬送補助部材11の一部がその物に当たった場合などの事態が生じた時でも、搬送補助部材11に対し軸部材16は空転して回転力を伝えることがなく、搬送補助部材11が破損したり、駆動系に負荷が掛かったりすることがない。このように、搬送補助部材11に対し軸部材16が空転することで、不測の事態における駆動部15への負荷が生じることがなく、また、安全性が極めて高い。
【0062】
本態様において、搬送補助部材11の保持先端部14は、第2位置2pにある状態において、第1位置1pの側とは反対側、すなわち、上方に向いて傾斜しているので、鉄筋60を保持するのに好適な構成である。
【0063】
本態様の搬送補助部材11は、待機面43よりも鉛直方向の上側の第3位置3pに位置決め可能であることで、待機面43に置かれている加工前の鉄筋60を、待機面43よりも上に持ち上げて当該待機面43から取り出すことができ、作業を効率よく行うことができる。
【0064】
本態様の搬送補助部材11は、駆動部15により駆動されて、高さの異なる複数の位置に位置決めすることができる。このため、加工前の待機面43から加工を行う載置面41への鉄筋60の移動、更に他の取り出し位置への鉄筋60の移動も可能である。また、鉄筋60の延びる方向に延びた回動可能な軸部材16に支持された搬送補助部材11が、当該軸部材16に対し着脱可能に支持されていることで、搬送補助部材11の鉄筋60の長さに対する対応性を良くすることができる。この結果、鉄筋60の加工から加工後の取り出しの利便性を高めることができる。また、加工製品の多様化に容易に対応することができる。
【0065】
本態様の搬送補助部材11は、軸部材16への装着状態において、本体部12の一端側のフック部13が軸部材16に係止されて当該本体部12が軸部材16の径方向に張り出した状態となるので、搬送補助部材11の自重による回転モーメントによって、フック先端部17を凸条19に当接させることができる。このフック先端部17の当接力によって、搬送補助部材11を軸部材16上に容易に係止することができる。
【0066】
本態様において、フック部13は、フック先端部17が側面視で本体部12側に湾曲する引掛り部17fを備えていることで、軸部材16の外周面16sに設けられた凸条19若しくは溝18に対して引掛り部17fを引っ掛けるようにして、容易に装着することができる。上述した凸条19と溝18は、それぞれ、軸部材16に設けられた係止部を構成する。
【0067】
本態様の搬送補助部材11は、引掛り部17fと当該引掛り部17fに対面する本体部12との距離D1が軸部材16の最大径D2よりも大きく構成されているので、フック部13の軸部材16への着脱操作が容易にできる。
【0068】
本態様の搬送補助部材11は、本体部12の先端側(フック部13とは反対側)において上方に向って湾曲した保持先端部14が設けられているため、この保持先端部14によって、鉄筋60の前側への脱落を防いで、安全性を高めることができる。
【0069】
本態様において、保持先端部14は、本体部12に対して着脱可能に設けられていることで、形の異なる保持先端部14を取り付けられる。また、保持先端部14の長期の使用による摩耗等が生じても、保持先端部14のみを取り外して交換することができ、メンテナンスが容易である。
【0070】
本態様において、保持先端部14は、本体部12に対して移動可能に設けられていることで、鉄筋60の保持する向きや太さの異なる鉄筋60を保持するときに向きが変えられる。また、鉄筋60を待機面43から受け渡すとき、或いは載置面41に鉄筋60を載置するときの、高さ位置や先端部分の向き等を微調整ができる。
【0071】
以上、本発明の一態様について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、本発明の範疇において適宜変更することができる。例えば、上記態様においては、搬送補助部材11は、軸部材16の回転によって第1位置1p、第2位置2p、及び第3位置3pを移動するように構成されたが、これに限るものではなく、例えば、軸部材16が上下方向にスライド移動する構成であっても良い。また、図5に示すように、搬送補助部材11は、本体部12、保持受け部14a、及び取出し受け部14bの3つの部材から構成されるものとしているが、これらのうちの一部又は全部が一体的に構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1d 第1方向
2d 第2方向
1p 第1位置
2p 第2位置
3p 第3位置
10 鉄筋搬送補助装置
11 搬送補助部材
12 本体部
13 フック部
14 保持先端部
15 駆動部
16 軸部材
16s 外周面
17 フック先端部
17f 引掛り部
18 溝
19 凸条
20 架台
30 フットスイッチ
40 鉄筋曲機
40u 曲げユニット
41 載置面
42 取出し面
43 待機面
60 被加工鉄筋
100 鉄筋加工設備
B 床面(設置面)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7