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特開2024-143912電力供給システム、電力供給システムを備える移動体、及び、電力供給システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143912
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】電力供給システム、電力供給システムを備える移動体、及び、電力供給システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20241004BHJP
   H02J 7/14 20060101ALI20241004BHJP
   B64D 41/00 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
H02J1/00 306K
H02J1/00 309R
H02J7/14 E
H02J1/00 309Q
H02J1/00 304G
B64D41/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056858
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】三谷 学
【テーマコード(参考)】
5G060
5G165
【Fターム(参考)】
5G060AA01
5G060BA01
5G060BA08
5G165BB05
5G165BB08
5G165EA02
5G165EA04
5G165EA10
5G165FA01
5G165GA04
5G165JA04
5G165JA09
5G165KA02
5G165KA05
5G165MA10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】より良好な電力供給システム、より良好な電力供給システムを有する移動体及びより良好な電力供給システムの制御方法を提供する。
【解決手段】電力供給システムにおいて、制御装置は、第1発電装置から第1電力供給回路への直流電力の供給が断たれた場合、遮断装置によって第1発電装置を第1電力供給回路と接続回路とから遮断した後に、第1電力供給回路と第2電力供給回路とを接続し、第2発電装置からプレチャージ回路を介して第1発電装置と遮断装置との間に電力を供給し、第1発電装置と遮断装置との間において短絡が発生しているか否かを判定する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1発電装置から出力される直流電力を第1負荷装置に供給する第1電力供給回路と、
第2発電装置から出力される直流電力を第2負荷装置に供給する第2電力供給回路と、
前記第1電力供給回路と前記第2電力供給回路とを接続し得る接続装置が備えられた接続回路と、
前記第1電力供給回路と前記接続回路とから前記第1発電装置を遮断し得る遮断装置と、
前記遮断装置を迂回して前記第1電力供給回路と前記接続回路とに前記第1発電装置をプレチャージ抵抗を介して接続し得るプレチャージ回路と、
前記第1電力供給回路と前記第2電力供給回路とを前記接続回路を介して接続するための接続制御を前記接続装置に対して実行し得る制御装置と、
を備え、
前記第1発電装置から前記第1電力供給回路への電力の供給が断たれた場合、前記制御装置は、前記遮断装置によって前記第1電力供給回路と前記接続回路とから前記第1発電装置を遮断した後に、前記接続制御を実行し、前記第2発電装置から前記プレチャージ回路を介して前記第1発電装置と前記遮断装置との間に電力を供給し、前記第1発電装置と前記遮断装置との間において短絡が発生しているか否かを判定する、電力供給システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電力供給システムにおいて、
前記プレチャージ回路には、前記第1電力供給回路と前記接続回路とに前記第1発電装置を前記プレチャージ抵抗を介して接続し得るプレチャージ接続装置が更に備えられ、
前記第1発電装置と前記遮断装置との間において短絡が発生しているか否かを判定する場合、前記制御装置は、前記プレチャージ接続装置によって前記第1電力供給回路と前記接続回路とに前記プレチャージ抵抗を介して前記第1発電装置を接続し、前記第2発電装置から前記プレチャージ回路を介して前記第1発電装置と前記遮断装置との間に電力を供給し、
前記第1発電装置と前記遮断装置との間において短絡が発生していると判定した場合、前記制御装置は、前記プレチャージ接続装置によって前記第1発電装置を前記第1電力供給回路と前記接続回路とから遮断し、前記第2発電装置から前記第1負荷装置に電力を供給する、電力供給システム。
【請求項3】
請求項1に記載の電力供給システムにおいて、
前記第1発電装置と前記遮断装置との間において短絡が発生していないと判定した場合、前記制御装置は、前記遮断装置によって前記第1電力供給回路と前記接続回路とに前記第1発電装置を接続し、前記第2発電装置から供給される電力によって前記第1発電装置を再始動させる再始動制御を行う、電力供給システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電力供給システムを備える、移動体。
【請求項5】
第1発電装置から出力される直流電力を第1負荷装置に供給する第1電力供給回路と、
第2発電装置から出力される直流電力を第2負荷装置に供給する第2電力供給回路と、
前記第1電力供給回路と前記第2電力供給回路とを接続し得る接続装置が備えられた接続回路と、
前記第1電力供給回路と前記接続回路とから前記第1発電装置を遮断し得る遮断装置と、
前記遮断装置を迂回して前記第1電力供給回路と前記接続回路とに前記第1発電装置をプレチャージ抵抗を介して接続し得るプレチャージ回路と、
を備える電力供給システムの制御方法であって、
前記第1発電装置から前記第1電力供給回路への直流電力の供給が断たれた場合、前記遮断装置によって前記第1発電装置を前記第1電力供給回路と前記接続回路とから遮断した後に、前記第1電力供給回路と前記第2電力供給回路とを前記接続回路を介して接続するための接続制御を前記接続装置に対して実行し、前記第2発電装置から前記プレチャージ回路を介して前記第1発電装置と前記遮断装置との間に電力を供給し、前記第1発電装置と前記遮断装置との間において短絡が発生しているか否かを判定する、電力供給システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システム、電力供給システムを備える移動体、及び、電力供給システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手ごろで信頼でき、持続可能かつ先進的なエネルギーへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギーの効率化に貢献する電動化技術に関する研究開発が行われている。
【0003】
下記特許文献1には、航空機電気エネルギー供給ネットワーク(電力供給システム)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2022-529997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電動化技術に関する技術においては、より良好な電力供給システム、より良好な電力供給システムを有する移動体、及び、より良好な電力供給システムの制御方法が待望される。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様の電力供給システムは、第1発電装置から出力される直流電力を第1負荷装置に供給する第1電力供給回路と、第2発電装置から出力される直流電力を第2負荷装置に供給する第2電力供給回路と、前記第1電力供給回路と前記第2電力供給回路とを接続し得る接続装置が備えられた接続回路と、前記第1電力供給回路と前記接続回路とから前記第1発電装置を遮断し得る遮断装置と、前記遮断装置を迂回して前記第1電力供給回路と前記接続回路とに前記第1発電装置をプレチャージ抵抗を介して接続し得るプレチャージ回路と、前記第1電力供給回路と前記第2電力供給回路とを前記接続回路を介して接続するための接続制御を前記接続装置に対して実行し得る制御装置と、を備え、前記第1発電装置から前記第1電力供給回路への電力の供給が断たれた場合、前記制御装置は、前記遮断装置によって前記第1電力供給回路と前記接続回路とから前記第1発電装置を遮断した後に、前記接続制御を実行し、前記第2発電装置から前記プレチャージ回路を介して前記第1発電装置と前記遮断装置との間に電力を供給し、前記第1発電装置と前記遮断装置との間において短絡が発生しているか否かを判定する。
【0008】
本発明の第2の態様の移動体は、第1の態様の電力供給システムを備える。
【0009】
本発明の第3の態様は、第1発電装置から出力される直流電力を第1負荷装置に供給する第1電力供給回路と、第2発電装置から出力される直流電力を第2負荷装置に供給する第2電力供給回路と、前記第1電力供給回路と前記第2電力供給回路とを接続し得る接続装置が備えられた接続回路と、前記第1電力供給回路と前記接続回路とから前記第1発電装置を遮断し得る遮断装置と、前記遮断装置を迂回して前記第1電力供給回路と前記接続回路とに前記第1発電装置をプレチャージ抵抗を介して接続し得るプレチャージ回路と、を備える電力供給システムの制御方法であって、当該制御方法は、前記第1発電装置から前記第1電力供給回路への直流電力の供給が断たれた場合、前記遮断装置によって前記第1発電装置を前記第1電力供給回路と前記接続回路とから遮断した後に、前記第1電力供給回路と前記第2電力供給回路とを前記接続回路を介して接続するための接続制御を前記接続装置に対して実行し、前記第2発電装置から前記プレチャージ回路を介して前記第1発電装置と前記遮断装置との間に電力を供給し、前記第1発電装置と前記遮断装置との間において短絡が発生しているか否かを判定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、より良好な電力供給システム、より良好な電力供給システムを有する移動体、及び、より良好な電力供給システムの制御方法を提供できる。そして、延いてはエネルギーの効率化にも寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、電力供給システムの模式図である。
図2図2は、逆流防止装置の構成を示す模式図である。
図3図3は、逆流防止装置の構成を示す模式図である。
図4図4は、正常時の電力供給システムの動作を示す図である。
図5図5は、異常時の電力供給システムの動作を示す図である。
図6図6は、異常時の電力供給システムの動作を示す図である。
図7図7は、異常時の電力供給システムの動作を示す図である。
図8図8は、異常時の電力供給システムの動作を示す図である。
図9図9は、プレチャージ回路に流れる電流の時間変化を示すグラフである。
図10図10は、プレチャージ回路に流れる電流の時間変化を示すグラフである。
図11図11は、制御装置の制御ブロック図である。
図12図12は、フェールセーフ制御を示すフローチャートである。
図13図13は、フェールセーフ制御を示すフローチャートである。
図14図14は、異常時の電力供給システムの動作を示す図である。
図15図15は、異常時の電力供給システムの動作を示す図である。
図16図16は、フェールセーフ制御を示すフローチャートである。
図17図17は、移動体の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔第1実施形態〕
[電力供給システムの構成]
本実施形態の電力供給システムについて図面を用いて説明する。図1は、電力供給システム10の模式図である。
【0013】
電力供給システム10は、第1電力供給回路12a、第2電力供給回路12b、第3電力供給回路12c及び第4電力供給回路12dを備える。第1電力供給回路12aは、第1発電装置14aから出力される直流電力を第1負荷装置16aに供給する。第2電力供給回路12bは、第2発電装置14bから出力される直流電力を第2負荷装置16bに供給する。第3電力供給回路12cは、第1発電装置14aから出力される直流電力を第3負荷装置16cに供給する。第4電力供給回路12dは、第2発電装置14bから出力される直流電力を第4負荷装置16dに供給する。
【0014】
第1発電装置14a及び第2発電装置14bは、不図示のエンジン、発電機及びパワーコントロールユニットを有する。エンジンにより発電機が駆動され、発電機は三相交流電力を発生する。パワーコントロールユニットは、三相交流電力を直流電力に変換する。第1発電装置14a及び第2発電装置14bは、平滑コンデンサ13を有する。第1発電装置14a及び第2発電装置14bが始動する場合、事前に平滑コンデンサ13が充電される必要がある。
【0015】
第1発電装置14a及び第2発電装置14bは、電圧センサ、電流センサ等の各種センサ、ヒューズ、リレー、ブレーカー、ダイオード、トランジスタ、抵抗、コイル等の各素子を有してもよい。
【0016】
第1負荷装置16a、第2負荷装置16b、第3負荷装置16c及び第4負荷装置16dは、不図示のインバータ及び電動モータを有する。インバータは入力された直流電力を三相交流電力に変換し、電動モータは三相交流電力により駆動される。第1負荷装置16a、第2負荷装置16b、第3負荷装置16c及び第4負荷装置16dは、不図示のDC/DCコンバータ及び低電圧駆動装置を有してもよい。DC/DCコンバータは、入力された直流電力の電圧を低下させ、低電圧駆動装置は直流電力により駆動される。
【0017】
第1負荷装置16a、第2負荷装置16b、第3負荷装置16c及び第4負荷装置16dは、電圧センサ、電流センサ等の各種センサ、ヒューズ、リレー、ブレーカー、ダイオード、トランジスタ、抵抗、コイル、コンデンサ等の各素子を有してもよい。
【0018】
電力供給システム10は、接続回路18a~18bを備える。接続回路18aには、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとを接続し得る接続装置20aが備えられる。接続回路18bには、第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとを接続し得る接続装置20bが備えられる。
【0019】
接続装置20a~20bは、コンタクタを有する。接続装置20a~20bは、リレーを有してもよい。接続装置20a~20bは、ブレーカーを有してもよい。接続装置20a~20bは、半導体スイッチを有してもよい。
【0020】
通常は、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとの接続は遮断されている。これにより、第1電力供給回路12a及び第2電力供給回路12bの一方において異常が発生した場合、他方に異常の影響が及ぶことを防止できる。例えば、第1電力供給回路12a及び第2電力供給回路12bの一方において過電流が発生した場合、他方に過電流が流れることを防止できる。
【0021】
同様に、通常は、第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとの接続は遮断されている。これにより、第3電力供給回路12c及び第4電力供給回路12dの一方において異常が発生した場合、他方に異常の影響が及ぶことを防止できる。例えば、第3電力供給回路12c及び第4電力供給回路12dの一方において過電流が発生した場合、他方に過電流が流れることを防止できる。
【0022】
第1発電装置14aから第1電力供給回路12a及び第3電力供給回路12cへの電力の供給が断たれた場合、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとが接続装置20aにより接続される。また、第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとが接続装置20bにより接続される。これにより、第2発電装置14bから第1電力供給回路12a及び第3電力供給回路12cへ電力が供給される。
【0023】
第2発電装置14bから第2電力供給回路12b及び第4電力供給回路12dへの電力の供給が断たれた場合、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとが接続装置20aにより接続される。また、第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとが接続装置20bにより接続される。これにより、第1発電装置14aから第2電力供給回路12b及び第4電力供給回路12dへ電力が供給される。
【0024】
電力供給システム10は、遮断装置22a~22dを備える。遮断装置22aは、第1電力供給回路12aと接続回路18aとから第1発電装置14aを遮断し得る。遮断装置22bは、第2電力供給回路12bと接続回路18aとから第2発電装置14bを遮断し得る。遮断装置22cは、第3電力供給回路12cと接続回路18bとから第1発電装置14aを遮断し得る。遮断装置22dは、第4電力供給回路12dと接続回路18bとから第2発電装置14bを遮断し得る。
【0025】
遮断装置22aは、スイッチ22a1~22a2を備える。スイッチ22a1は、第1発電装置14aと第1電力供給回路12aとを繋ぐ正極の配線に設けられる。スイッチ22a2は、第1発電装置14aと第1電力供給回路12aとを繋ぐ負極の配線に設けられる。
【0026】
遮断装置22bは、スイッチ22b1~22b2を備える。スイッチ22b1は、第2発電装置14bと第2電力供給回路12bとを繋ぐ正極の配線に設けられる。スイッチ22b2は、第2発電装置14bと第2電力供給回路12bとを繋ぐ負極の配線に設けられる。
【0027】
遮断装置22cは、スイッチ22c1~22c2を備える。スイッチ22c1は、第1発電装置14aと第3電力供給回路12cとを繋ぐ正極の配線に設けられる。スイッチ22c2は、第1発電装置14aと第3電力供給回路12cとを繋ぐ負極の配線に設けられる。
【0028】
遮断装置22dは、スイッチ22d1~22d2を備える。スイッチ22d1は、第2発電装置14bと第4電力供給回路12dとを繋ぐ正極の配線に設けられる。スイッチ22d2は、第2発電装置14bと第4電力供給回路12dとを繋ぐ負極の配線に設けられる。
【0029】
スイッチ22a1~22a2、スイッチ22b1~22b2、スイッチ22c1~22c2、スイッチ22d1~22d2は、コンタクタである。スイッチ22a1~22a2、スイッチ22b1~22b2、スイッチ22c1~22c2、スイッチ22d1~22d2は、リレーであってもよい。スイッチ22a1~22a2、スイッチ22b1~22b2、スイッチ22c1~22c2、スイッチ22d1~22d2は、ブレーカーであってもよい。スイッチ22a1~22a2、スイッチ22b1~22b2、スイッチ22c1~22c2、スイッチ22d1~22d2は、半導体スイッチであってもよい。
【0030】
電力供給システム10は、プレチャージ回路23a~23bを備える。プレチャージ回路23aは、遮断装置22aを迂回して第1電力供給回路12aと接続回路18aとに第1発電装置14aを接続し得る。プレチャージ回路23aは、プレチャージ抵抗25aとプレチャージスイッチ27a1とを有する。プレチャージスイッチ27a1は、スイッチ22a1と並列に設けられる。プレチャージスイッチ27a1とスイッチ22a2とにより、プレチャージ接続装置27aが構成される。プレチャージ回路23bは、遮断装置22bを迂回して第2電力供給回路12bと接続回路18aとに第2発電装置14bを接続し得る。プレチャージ回路23bは、プレチャージ抵抗25bとプレチャージスイッチ27b1とを有する。プレチャージスイッチ27b1は、スイッチ22b1と並列に設けられる。プレチャージスイッチ27b1とスイッチ22b2とにより、プレチャージ接続装置27bが構成される。
【0031】
プレチャージスイッチ27a1及びプレチャージスイッチ27b1は、コンタクタである。プレチャージスイッチ27a1及びプレチャージスイッチ27b1は、リレーであってもよい。プレチャージスイッチ27a1及びプレチャージスイッチ27b1は、ブレーカーであってもよい。プレチャージスイッチ27a1及びプレチャージスイッチ27b1は、半導体スイッチであってもよい。
【0032】
電力供給システム10は、蓄電装置24a~24dを備える。蓄電装置24aは、第1電力供給回路12aに第1発電装置14aと並列に接続される。蓄電装置24bは、第2電力供給回路12bに第2発電装置14bと並列に接続される。蓄電装置24cは、第3電力供給回路12cに第1発電装置14aと並列に接続される。蓄電装置24dは、第4電力供給回路12dに第2発電装置14bと並列に接続される。
【0033】
蓄電装置24a~24dは、リチウムイオンバッテリを有する。蓄電装置24a~24dは、リチウムイオンバッテリ以外の二次電池を有してもよい。蓄電装置24a~24dは、大容量コンデンサを有してもよい。
【0034】
蓄電装置24a~24dは、電圧センサ、電流センサ等の各種センサ、ヒューズ、リレー、ブレーカー、ダイオード、トランジスタ、抵抗、コイル、コンデンサ等の各素子を有してもよい。
【0035】
電力供給システム10は、遮断装置26a~26dを備える。遮断装置26aは、第1電力供給回路12aと第1負荷装置16aとから蓄電装置24aを遮断し得る。遮断装置26bは、第2電力供給回路12bと第2負荷装置16bとから蓄電装置24bを遮断し得る。遮断装置26cは、第3電力供給回路12cと第3負荷装置16cとから蓄電装置24cを遮断し得る。遮断装置26dは、第4電力供給回路12dと第4負荷装置16dとから蓄電装置24dを遮断し得る。
【0036】
遮断装置26a~26dは、コンタクタを有する。遮断装置26a~26dは、リレーを有してもよい。遮断装置26a~26dは、ブレーカーを有してもよい。遮断装置26a~26dは、半導体スイッチを有してもよい。
【0037】
電力供給システム10は、逆流防止装置28a~28dを備える。逆流防止装置28aは、蓄電装置24aから第1電力供給回路12aへの電力の供給を制限する。逆流防止装置28bは、蓄電装置24bから第2電力供給回路12bへの電力の供給を制限する。逆流防止装置28cは、蓄電装置24cから第3電力供給回路12cへの電力の供給を制限する。逆流防止装置28dは、蓄電装置24dから第4電力供給回路12dへの電力の供給を制限する。
【0038】
図2は、逆流防止装置28aの構成を示す模式図である。逆流防止装置28aは、ダイオード30とトランジスタ32とを有する。逆流防止装置28b~28dの構成は、逆流防止装置28aの構成と同じである。
【0039】
ダイオード30は、正極の配線に設けられる。カソードの電圧に対してアノードの電圧が低い場合、ダイオード30は電流をほとんど流さない。カソードの電圧に対してアノードの電圧が高い場合であって、カソードとアノードとの電位差が順方向電圧以上である場合、ダイオード30は電流を流す。これにより、第1電力供給回路12aから第1負荷装置16aと蓄電装置24aとにダイオード30を介して電力が供給される。一方、第1負荷装置16aと蓄電装置24aとから第1電力供給回路12aにダイオード30を介して電力が供給されない。
【0040】
トランジスタ32は、ダイオード30を迂回して設けられる。トランジスタ32のベースからエミッタに電流が流れる場合、コレクタからエミッタに向かって電流が流れる。これにより、第1負荷装置16aと蓄電装置24aとから第1電力供給回路12aにトランジスタ32を介して電力が供給される。
【0041】
図3は、逆流防止装置28aの構成を示す模式図である。図3に示すように、ダイオード30は、負極の配線に設けられてもよい。また、ダイオード30は、正極の配線及び負極の配線の両方に設けられてもよい。
【0042】
電力供給システム10は、上記に記載の構成の他、電圧センサ、電流センサ等の各種センサ、ヒューズ、抵抗、コイル、コンデンサ等の各素子を有してもよい。
【0043】
電力供給システム10の第1電力供給回路12a、第2電力供給回路12b、第3電力供給回路12c、第4電力供給回路12d、接続回路18a~18b、接続装置20a~20b、遮断装置22a~22d、遮断装置26a~26d、プレチャージ接続装置27a~27b、逆流防止装置28a~28dは、不図示の筐体の内部に配置される。
【0044】
第1発電装置14a、第2発電装置14b、第1負荷装置16a、第2負荷装置16b、第3負荷装置16c、第4負荷装置16d、及び、蓄電装置24a~24dは、筐体の外部に設けられる。
【0045】
[正常時の電力供給システムの動作]
図4は、正常時の電力供給システム10の動作を示す図である。図4に示す矢印は、電力の供給経路を示す。
【0046】
遮断装置22aのスイッチ22a1とスイッチ22a2とが閉じて、第1電力供給回路12aと接続回路18aとに第1発電装置14aが接続される。また、遮断装置22cのスイッチ22c1とスイッチ22c2とが閉じて、第3電力供給回路12cと接続回路18bとに第1発電装置14aが接続される。これにより、第1発電装置14aから第1負荷装置16a及び第3負荷装置16cに電力が供給される。この場合、プレチャージスイッチ27a1は開いている。
【0047】
遮断装置22bのスイッチ22b1とスイッチ22b2とが閉じて、第2電力供給回路12bと接続回路18aとに第2発電装置14bが接続される。また、遮断装置22dのスイッチ22d1とスイッチ22d2とが閉じて、第4電力供給回路12dと接続回路18bとに第2発電装置14bが接続される。これにより、第2発電装置14bから第2負荷装置16b及び第4負荷装置16dに電力が供給される。この場合、プレチャージスイッチ27b1は開いている。
【0048】
遮断装置26aにより蓄電装置24aが第1負荷装置16aに接続され、蓄電装置24aから第1負荷装置16aに電力が供給される。遮断装置26bにより蓄電装置24bが第2負荷装置16bに接続され、蓄電装置24bから第2負荷装置16bに電力が供給される。遮断装置26cにより蓄電装置24cが第3負荷装置16cに接続され、蓄電装置24cから第3負荷装置16cに電力が供給される。遮断装置26dにより蓄電装置24dが第4負荷装置16dに接続され、蓄電装置24dから第4負荷装置16dに電力が供給される。
【0049】
接続装置20aにより第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとの接続が遮断され、接続装置20bにより第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとの接続が遮断される。
【0050】
これにより、第1負荷装置16aには第1発電装置14aと蓄電装置24aとから電力が供給され、第2負荷装置16bには第2発電装置14bと蓄電装置24bとから電力が供給される。また、第3負荷装置16cには第1発電装置14aと蓄電装置24cとから電力が供給され、第4負荷装置16dには第2発電装置14bと蓄電装置24dとから電力が供給される。
【0051】
[異常時の電力供給システムの動作]
図5図8は、異常時の電力供給システム10の動作を示す図である。図5図8に示す矢印は、電力の供給経路を示す。図5図8は、第1発電装置14aから第1電力供給回路12a及び第3電力供給回路12cへの電力の供給が断たれた場合の電力供給システム10の動作を示す。
【0052】
第1発電装置14aから第1電力供給回路12a及び第3電力供給回路12cへの電力の供給が断たれた状態とは、例えば、第1発電装置14aがストールした状態である。また、第1発電装置14a自体が故障し、第1発電装置14aの再起動を行うことができない状態である。また、第1発電装置14aと遮断装置22aとの間、又は、第1発電装置14aと遮断装置22cとの間で短絡、断線等が生じた状態である。
【0053】
第1発電装置14aから第1電力供給回路12a及び第3電力供給回路12cへの電力の供給が断たれた場合、図5に示すように、遮断装置22aのスイッチ22a1とスイッチ22a2とが開く。これにより、第1電力供給回路12aと接続回路18aとから第1発電装置14aが遮断される。また、遮断装置22cのスイッチ22c1とスイッチ22c2とが開く。これにより、第3電力供給回路12cと接続回路18bとから第1発電装置14aが遮断される。
【0054】
その結果、第1負荷装置16aには蓄電装置24aからのみ電力が供給され、第3負荷装置16cには蓄電装置24cからのみ電力が供給される。
【0055】
次に、図6に示すように、接続装置20aにより第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとが接続される。また、接続装置20bにより第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとが接続される。
【0056】
これにより、第1負荷装置16aには第2発電装置14bから電力が供給され、第3負荷装置16cには第2発電装置14bから電力が供給される。
【0057】
次に、図7に示すように、プレチャージ接続装置27aのプレチャージスイッチ27a1とスイッチ22a2とが閉じて、プレチャージ回路23aを介して第1電力供給回路12aと接続回路18aとに第1発電装置14aが接続される。
【0058】
これにより、第2発電装置14bから第1発電装置14aに電力が供給される。仮に、第1発電装置14aと遮断装置22aとの間、又は、第1発電装置14aと遮断装置22cとの間において短絡が発生している場合であっても、プレチャージ回路23aはプレチャージ抵抗25aを有するため、プレチャージ回路23aに過電流が流れることはない。そのため、電力供給システム10の各装置の損傷を抑制できる。
【0059】
図9及び図10は、プレチャージ回路23aに流れる電流の時間変化を示すグラフである。図9のグラフは、第1発電装置14aの平滑コンデンサ13が充電される場合の時間変化を示す。図10のグラフは、第1発電装置14aと遮断装置22aとの間、又は、第1発電装置14aと遮断装置22cとの間において短絡が発生している場合の電流の時間変化を示す。
【0060】
第1発電装置14aの平滑コンデンサ13が充電される場合、図9に示すように、プレチャージ接続装置27aのプレチャージスイッチ27a1とスイッチ22a2とが閉じた時点t1において、第1発電装置14aの平滑コンデンサ13の充電が開始されるため電流が急に立ち上がり、その後、時間の経過とともに電流は小さくなる。一方、第1発電装置14aと遮断装置22aとの間、又は、第1発電装置14aと遮断装置22cとの間において短絡が発生している場合、図10に示すように、時点t1において電流が急に立ち上がり、時間が経過しても電流は低下しない。
【0061】
そのため、時点t1から所定時間Δt経過した時点t2における電流が、電流閾値I1よりも大きい場合には、第1発電装置14aと遮断装置22aとの間、又は、第1発電装置14aと遮断装置22cとの間において短絡が発生していると判定できる。また、時点t2における電流が、電流閾値I1以下である場合には、第1発電装置14aと遮断装置22aとの間、又は、第1発電装置14aと遮断装置22cとの間において短絡が発生していないと判定できる。
【0062】
上記のように、プレチャージ回路23aを流れる電流に基づいて、第1発電装置14aから第1電力供給回路12a及び第3電力供給回路12cへの電力の供給が断たれた原因が、短絡であるか否かを判定できる。
【0063】
例えば、第1発電装置14aがストールした場合、第1発電装置14a自体が故障した場合、第1発電装置14aと遮断装置22aとの間において断線が生じた場合にも、時点t2における電流が電流閾値I1以下となる。そのため、プレチャージ回路23aを流れる電流に基づいて、短絡以外の原因は判定できない。
【0064】
第1発電装置14aと遮断装置22aとの間、又は、第1発電装置14aと遮断装置22cとの間において短絡が発生していると判定された場合には、図6に示すように、プレチャージ接続装置27aのプレチャージスイッチ27a1とスイッチ22a2とが開く。これにより、第1電力供給回路12aと接続回路18aとから第1発電装置14aが遮断される。
【0065】
第1発電装置14aと遮断装置22aとの間、及び、第1発電装置14aと遮断装置22cとの間において短絡が発生していないと判定された場合には、再始動制御が行われる。再始動制御は、第2発電装置14bから第1発電装置14aに電力を供給して、第1発電装置14aを再始動させようとする制御である。具体的には、図8に示すように、プレチャージ接続装置27aのプレチャージスイッチ27a1が開き、遮断装置22aのスイッチ22a1が閉じる。これにより、第1電力供給回路12aと接続回路18aとに第1発電装置14aが接続される。その結果、第2発電装置14bから第1発電装置14aに電力が供給される。
【0066】
第1発電装置14aと遮断装置22aとの間において断線が発生していない場合であって、第1発電装置14a自体が故障していない場合には、第2発電装置14bから供給される電力により第1発電装置14aが再始動する。
【0067】
第1発電装置14aが再始動した場合には、図4に示すように、遮断装置22cのスイッチ22c1とスイッチ22c2とが閉じる。これにより、第3電力供給回路12cと接続回路18bとに第1発電装置14aが接続される。また、接続装置20aにより第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとの接続を遮断し、接続装置20bにより第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとを遮断する。第1負荷装置16a及び第3負荷装置16cには、再始動した第1発電装置14aから電力が供給される。
【0068】
第1発電装置14aが再始動しない場合には、図6に示すように、遮断装置22aのスイッチ22a1とスイッチ22a2とが開く。これにより、第1電力供給回路12aと接続回路18aとから第1発電装置14aが遮断される。第1負荷装置16a及び第3負荷装置16cには、第2発電装置14bから電力が供給される。
【0069】
[制御装置の構成]
電力供給システム10は、制御装置34を備える。図11は、制御装置34の制御ブロック図である。制御装置34は、第1発電装置14a、第2発電装置14b、接続装置20a~20b、遮断装置22a~22d及び遮断装置26a~26d、プレチャージ接続装置27a~27bを制御する。
【0070】
制御装置34は、演算部36及び記憶部38を有する。演算部36は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサである。演算部36は、記憶部38に記憶されているプログラムを実行することにより、各装置を制御する。演算部36の少なくとも一部が、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路によって実現されてもよい。演算部36の少なくとも一部が、ディスクリートデバイスを含む電子回路によって実現されてもよい。
【0071】
記憶部38は、コンピュータ可読記憶媒体である、不図示の揮発性メモリ及び不図示の不揮発性メモリにより構成される。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)等である。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等である。データ等が、例えば、揮発性メモリに記憶される。プログラム、テーブル、マップ等が、例えば、不揮発性メモリに記憶される。記憶部38の少なくとも一部が、上述したプロセッサ、集積回路等に備えられていてもよい。
【0072】
[フェールセーフ制御]
図12及び図13は、フェールセーフ制御を示すフローチャートである。フェールセーフ制御は、所定の周期で繰り返し実行される。
【0073】
ステップS1において、制御装置34は、第1発電装置14aから第1電力供給回路12a及び第3電力供給回路12cへの電力の供給が断たれたか否かを判定する。第1発電装置14aから第1電力供給回路12a及び第3電力供給回路12cへの電力の供給が断たれたと判定された場合(ステップS1:YES)には、ステップS2へ移行する。
【0074】
ステップS2において、制御装置34は、遮断装置22aを制御して、スイッチ22a1とスイッチ22a2とを開く。これにより、第1電力供給回路12aと接続回路18aとから第1発電装置14aが遮断される。その後、ステップS3へ移行する。
【0075】
ステップS3において、制御装置34は、遮断装置22cを制御して、スイッチ22c1とスイッチ22c2とを開く。これにより、第3電力供給回路12cと接続回路18bとから第1発電装置14aが遮断される。その後、ステップS4へ移行する。
【0076】
ステップS4において、制御装置34は、接続装置20a~20bに対して接続制御を実行する。これにより、接続回路18aを介して、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとが接続され、接続回路18bを介して第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとが接続される。その結果、第2発電装置14bから第1負荷装置16a及び第3負荷装置16cに電力が供給される。その後、ステップS5へ移行する。
【0077】
ステップS5において、制御装置34は、プレチャージ接続装置27aを制御して、プレチャージスイッチ27a1とスイッチ22a2とを閉じる。これにより、プレチャージ回路23aを介して、第1電力供給回路12aと接続回路18aとに第1発電装置14aが接続される。その後、ステップS6へ移行する。
【0078】
ステップS6において、制御装置34は、第1発電装置14aと遮断装置22aとの間、又は、第1発電装置14aと遮断装置22cとの間において短絡が発生しているか否かを判定する。短絡が発生していると判定された場合(ステップS6:YES)には、ステップS7へ移行する。
【0079】
ステップS7において、制御装置34は、プレチャージ接続装置27aを制御して、プレチャージスイッチ27a1とスイッチ22a2とを開く。これにより、第1電力供給回路12aと接続回路18aとから第1発電装置14aが遮断される。その後、フェールセーフ制御を終了する。
【0080】
ステップS6において、第1発電装置14aと遮断装置22aとの間、及び、第1発電装置14aと遮断装置22cとの間において短絡が発生していないと判定された場合(ステップS6:NO)には、ステップS8へ移行する。
【0081】
ステップS8において、制御装置34は、再始動制御を実行する。すなわち、制御装置34は、プレチャージ接続装置27aを制御してプレチャージスイッチ27a1を開き、遮断装置22aを制御してスイッチ22a1を閉じる。これにより、第1電力供給回路12aと接続回路18aとに第1発電装置14aが接続され、第2発電装置14bから第1発電装置14aに電力が供給される。その後、ステップS9へ移行する。
【0082】
ステップS9において、制御装置34は、第1発電装置14aが再始動したか否かを判定する。第1発電装置14aが再始動した場合(ステップS9:YES)には、ステップS10へ移行する。
【0083】
ステップS10において、制御装置34は、遮断装置22cを制御して、スイッチ22c1とスイッチ22c2とを閉じる。これにより、第3電力供給回路12cと接続回路18bとに第1発電装置14aが接続され、第1発電装置14aから第3電力供給回路12cに電力が供給される。その後、ステップS11へ移行する。
【0084】
ステップS11において、制御装置34は、接続装置20aを制御して、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとの接続を遮断する。その後、ステップS12へ移行する。
【0085】
ステップS12において、制御装置34は、接続装置20bを制御して、第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとの接続を遮断する。その結果、第1負荷装置16a及び第3負荷装置16cには、再始動した第1発電装置14aから電力が供給される。その後、フェールセーフ制御を終了する。
【0086】
ステップS9において、第1発電装置14aが再始動しないと判定された場合(ステップS9:NO)には、ステップS13へ移行する。
【0087】
ステップS13において、制御装置34は、遮断装置22aを制御して、スイッチ22a1とスイッチ22a2とを開く。これにより、第1電力供給回路12aと接続回路18aとから第1発電装置14aが遮断される。その後、フェールセーフ制御を終了する。
【0088】
ステップS1において、第1発電装置14aから第1電力供給回路12a及び第3電力供給回路12cへ電力が供給されていると判定された場合(ステップS1:NO)には、ステップS14へ移行する。
【0089】
ステップS14において、制御装置34は、第2発電装置14bから第2電力供給回路12b及び第4電力供給回路12dへの電力の供給が断たれたか否かを判定する。第2発電装置14bから第2電力供給回路12b及び第4電力供給回路12dへの電力の供給が断たれたと判定された場合(ステップS14:YES)には、ステップS14へ移行する。第2発電装置14bから第2電力供給回路12b及び第4電力供給回路12dへ電力が供給されていると判定された場合(ステップS14:NO)には、フェールセーフ制御を終了する。
【0090】
ステップS15において、制御装置34は、遮断装置22bを制御して、スイッチ22b1とスイッチ22b2とを開く。これにより、第2電力供給回路12bと接続回路18aとから第2発電装置14bが遮断される。その後、ステップS16へ移行する。
【0091】
ステップS16において、制御装置34は、遮断装置22dを制御して、スイッチ22d1とスイッチ22d2とを開く。これにより、第4電力供給回路12dと接続回路18bとから第2発電装置14bが遮断される。その後、ステップS17へ移行する。
【0092】
ステップS17において、制御装置34は、接続装置20a~20bに対して接続制御を実行する。これにより、接続回路18aを介して、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとが接続され、接続回路18bを介して、第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとが接続される。その結果、第1発電装置14aから第2負荷装置16b及び第4負荷装置16dに電力が供給される。その後、ステップS18へ移行する。
【0093】
ステップS18において、制御装置34は、プレチャージ接続装置27bを制御して、プレチャージスイッチ27b1とスイッチ22b2とを閉じる。これにより、プレチャージ回路23bを介して、第2電力供給回路12bと接続回路18aとに第2発電装置14bが接続される。その後、ステップS19へ移行する。
【0094】
ステップS19において、制御装置34は、第2発電装置14bと遮断装置22bとの間、又は、第2発電装置14bと遮断装置22dとの間において短絡が発生しているか否かを判定する。短絡が発生していると判定された場合(ステップS19:YES)には、ステップS20へ移行する。
【0095】
ステップS20において、制御装置34は、プレチャージ接続装置27bを制御して、プレチャージスイッチ27b1とスイッチ22b2とを開く。これにより、第2電力供給回路12bと接続回路18aとから第2発電装置14bが遮断される。その後、フェールセーフ制御を終了する。
【0096】
ステップS19において、第2発電装置14bと遮断装置22bとの間、及び、第2発電装置14bと遮断装置22dとの間において短絡が発生していないと判定された場合(ステップS19:NO)には、ステップS21へ移行する。
【0097】
ステップS21において、制御装置34は、再始動制御を実行する。すなわち、制御装置34は、プレチャージ接続装置27bを制御してプレチャージスイッチ27b1を開き、遮断装置22bを制御してスイッチ22b1を閉じる。これにより、第2電力供給回路12bと接続回路18aとに第2発電装置14bが接続され、第1発電装置14aから第2発電装置14bに電力が供給される。その後、ステップS22へ移行する。
【0098】
ステップS22において、制御装置34は、第2発電装置14bが再始動したか否かを判定する。第2発電装置14bが再始動した場合(ステップS22:YES)には、ステップS23へ移行する。
【0099】
ステップS23において、制御装置34は、遮断装置22dを制御してスイッチ22d1とスイッチ22d2とを閉じる。これにより、第4電力供給回路12dと接続回路18bとに第2発電装置14bが接続され、第2発電装置14bから第4電力供給回路12dに電力が供給される。その後、ステップS24へ移行する。
【0100】
ステップS24において、制御装置34は、接続装置20aを制御して、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとの接続を遮断する。その後、ステップS25へ移行する。
【0101】
ステップS25において、制御装置34は、接続装置20bを制御して、第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとの接続を遮断する。その結果、第2負荷装置16b及び第4負荷装置16dには、再始動した第2発電装置14bから電力が供給される。その後、フェールセーフ制御を終了する。
【0102】
ステップS22において、第2発電装置14bが再始動しないと判定された場合(ステップS22:NO)には、ステップS26へ移行する。
【0103】
ステップS26において、制御装置34は、遮断装置22bを制御して、スイッチ22b1とスイッチ22b2とを開く。これにより、第2電力供給回路12bと接続回路18aとから第2発電装置14bが遮断される。その後、フェールセーフ制御を終了する。
【0104】
〔第2実施形態〕
本実施形態の電力供給システム10の構成は、第1実施形態の電力供給システム10の構成と同じである。本実施形態の制御装置34が実行するフェールセーフ制御が、第1実施形態の制御装置34が実行するフェールセーフ制御と一部相違する。
【0105】
[異常時の電力供給システムの動作]
図14及び図15は、異常時の電力供給システム10の動作を示す図である。図14及び図15に示す矢印は、電力の供給経路を示す。図14及び図15は、第1発電装置14aから第1負荷装置16aへの電力の供給を中止する場合の電力供給システム10の動作を示す。
【0106】
第1発電装置14aから第1負荷装置16aへの電力の供給を中止する状態とは、例えば、第1負荷装置16aが停止し、第1負荷装置16aが再起動できない状態である。また、遮断装置22aと第1負荷装置16aとの間で短絡、断線等が生じた状態である。
【0107】
第1発電装置14aから第1負荷装置16aへの電力の供給を中止する場合、図14に示すように、遮断装置22aのスイッチ22a1とスイッチ22a2とが開く。これにより、第1電力供給回路12aと接続回路18aとから第1発電装置14aが遮断される。その結果、第1発電装置14aは、第3負荷装置16cのみに電力を供給する。
【0108】
次に、図15に示すように、接続装置20bにより第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとが接続される。これにより、第1発電装置14aから第2負荷装置16b及び第4負荷装置16dに電力が供給される。
【0109】
[フェールセーフ制御]
図16は、フェールセーフ制御を示すフローチャートである。フェールセーフ制御は、所定の周期で繰り返し実行される。
【0110】
ステップS31において、制御装置34は、第1発電装置14aから第1負荷装置16aへの電力の供給が中止されたか否かを判定する。第1発電装置14aから第1負荷装置16aへの電力の供給が中止されたと判定された場合(ステップS31:YES)には、ステップS32へ移行する。
【0111】
ステップS32において、制御装置34は、遮断装置22aを制御して、スイッチ22a1とスイッチ22a2とを開く。これにより、第1電力供給回路12aと接続回路18aとから第1発電装置14aが遮断される。その後、ステップS33へ移行する。
【0112】
ステップS33において、制御装置34は、接続装置20bを制御して、接続回路18bを介して、第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとを接続する。その結果、第1発電装置14aから第2負荷装置16b及び第4負荷装置16dに電力が供給される。その後、フェールセーフ制御を終了する。
【0113】
ステップS31において、第1発電装置14aから第1負荷装置16aへ電力が供給されていると判定された場合(ステップS31:NO)には、ステップS34へ移行する。
【0114】
ステップS34において、制御装置34は、第2発電装置14bから第2負荷装置16bへの電力の供給が中止されたか否かを判定する。第2発電装置14bから第2負荷装置16bへの電力の供給が中止されたと判定された場合(ステップS34:YES)には、ステップS35へ移行する。
【0115】
ステップS35において、制御装置34は、遮断装置22bを制御して、スイッチ22b1とスイッチ22b2とを開く。これにより、第2電力供給回路12bと接続回路18aとから第2発電装置14bが遮断される。その後、ステップS36へ移行する。
【0116】
ステップS36において、制御装置34は、接続装置20bを制御して、接続回路18bを介して、第3電力供給回路12cと第4電力供給回路12dとを接続する。その結果、第2発電装置14bから第1負荷装置16a及び第3負荷装置16cに電力が供給される。その後、フェールセーフ制御を終了する。
【0117】
ステップS34において、第2発電装置14bから第2負荷装置16bへ電力が供給されていると判定された場合(ステップS34:NO)には、ステップS37へ移行する。
【0118】
ステップS37において、制御装置34は、第1発電装置14aから第3負荷装置16cへの電力の供給が中止されたか否かを判定する。第1発電装置14aから第3負荷装置16cへの電力の供給が中止されたと判定された場合(ステップS37:YES)には、ステップS38へ移行する。
【0119】
ステップS38において、制御装置34は、遮断装置22cを制御して、スイッチ22c1とスイッチ22c2とを開く。これにより、第3電力供給回路12cと接続回路18bとから第1発電装置14aが遮断される。その後、ステップS39へ移行する。
【0120】
ステップS39において、制御装置34は、接続装置20aを制御して、接続回路18aを介して、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとを接続する。その結果、第1発電装置14aから第2負荷装置16b及び第4負荷装置16dに電力が供給される。その後、フェールセーフ制御を終了する。
【0121】
ステップS37において、第2発電装置14bから第3負荷装置16cへ電力が供給されていると判定された場合(ステップS37:NO)には、ステップS40へ移行する。
【0122】
ステップS40において、制御装置34は、第2発電装置14bから第4負荷装置16dへの電力の供給が中止されたか否かを判定する。第2発電装置14bから第4負荷装置16dへの電力の供給が中止されたと判定された場合(ステップS40:YES)には、ステップS41へ移行する。第2発電装置14bから第4負荷装置16dへ電力が供給されていると判定された場合(ステップS40:NO)には、フェールセーフ制御を終了する。
【0123】
ステップS41において、制御装置34は、遮断装置22dを制御して、スイッチ22d1とスイッチ22d2とを開く。これにより、第4電力供給回路12dと接続回路18bとから第2発電装置14bが遮断される。その後、ステップS42へ移行する。
【0124】
ステップS42において、制御装置34は、接続装置20aを制御して、接続回路18aを介して、第1電力供給回路12aと第2電力供給回路12bとを接続する。その結果、第2発電装置14bから第1負荷装置16a及び第3負荷装置16cに電力が供給される。その後、フェールセーフ制御を終了する。
【0125】
〔第3実施形態〕
図17は、移動体44の模式図である。電力供給システム10は、移動体44に搭載される。
【0126】
本実施形態の移動体44は、電動垂直離着陸機(eVTOL機)である。移動体44は、8つのVTOLロータ46を備える。VTOLロータ46は、機体48に対して上方向に推力を発生する。移動体44は、8つの電動モータ50を備える。1つの電動モータ50が、1つのVTOLロータ46を駆動する。移動体44は、2つのクルーズロータ52を有する。クルーズロータ52は、機体48に対して前方向に推力を発生する。移動体44は、4つの電動モータ54を備える。2つの電動モータ54が、1つのクルーズロータ52を駆動する。
【0127】
第1負荷装置16a、第2負荷装置16b、第3負荷装置16c及び第4負荷装置16dの各々は、2つの電動モータ50と1つの電動モータ54を備えてもよい。第1負荷装置16a、第2負荷装置16b、第3負荷装置16c及び第4負荷装置16dの各々は、電動モータ50及び電動モータ54の他、低電圧駆動装置を備えてもよい。
【0128】
移動体44は、航空機に限らず、船舶、自動車、列車等であってもよい。
【0129】
上述した開示に関し、更に以下の付記を開示する。
【0130】
(付記1)
電力供給システム(10)は、第1発電装置(14a)から出力される直流電力を第1負荷装置(16a)に供給する第1電力供給回路(12a)と、第2発電装置(14b)から出力される直流電力を第2負荷装置(16b)に供給する第2電力供給回路(12b)と、前記第1電力供給回路と前記第2電力供給回路とを接続し得る接続装置(20a)が備えられた接続回路(18a)と、前記第1電力供給回路と前記接続回路とから前記第1発電装置を遮断し得る遮断装置(22a)と、前記遮断装置を迂回して前記第1電力供給回路と前記接続回路とに前記第1発電装置をプレチャージ抵抗(25a)を介して接続し得るプレチャージ回路(23a)と、前記第1電力供給回路と前記第2電力供給回路とを前記接続回路を介して接続するための接続制御を前記接続装置に対して実行し得る制御装置(34)と、を備え、前記第1発電装置から前記第1電力供給回路への電力の供給が断たれた場合、前記制御装置は、前記遮断装置によって前記第1発電装置を前記第1電力供給回路と前記接続回路とから前記第1発電装置を遮断した後に、前記接続制御を実行し、前記第2発電装置から前記プレチャージ回路を介して前記第1発電装置と前記遮断装置との間に電力を供給し、前記第1発電装置と前記遮断装置との間において短絡が発生しているか否かを判定する。このような構成によれば、第1発電装置と遮断装置との間において短絡が発生している場合であっても、電力供給システムに過電流が流れることはない。そのため、電力供給システムの各装置の損傷を抑制できる。そして、延いてはエネルギーの効率化にも寄与するものである。
【0131】
(付記2)
付記1に記載の電力供給システムにおいて、前記プレチャージ回路には、前記第1電力供給回路と前記接続回路とに前記第1発電装置を前記プレチャージ抵抗を介して接続し得るプレチャージ接続装置(27a)が更に備えられ、前記第1発電装置と前記遮断装置との間において短絡が発生しているか否かを判定する場合、前記制御装置は、前記プレチャージ接続装置によって前記第1電力供給回路と前記接続回路とに前記プレチャージ抵抗を介して前記第1発電装置を接続し、前記第2発電装置から前記プレチャージ回路を介して前記第1発電装置と前記遮断装置との間に電力を供給し、前記第1発電装置と前記遮断装置との間において短絡が発生していると判定した場合、前記制御装置は、前記プレチャージ接続装置によって前記第1発電装置を前記第1電力供給回路と前記接続回路とから遮断し、前記第2発電装置から前記第1負荷装置に電力を供給してもよい。このような構成によれば、第2発電装置から供給される電力により、第1負荷装置の駆動を継続できる。
【0132】
(付記3)
付記1又は2に記載の電力供給システムにおいて、前記第1発電装置と前記遮断装置との間において短絡が発生していないと判定した場合、前記制御装置は、前記遮断装置によって前記第1電力供給回路と前記接続回路とに前記第1発電装置を接続し、前記第2発電装置から供給される電力によって前記第1発電装置を再始動させる再始動制御を行ってもよい。このような構成によれば、第1発電装置がストールしている場合、第2発電装置から供給される電力により第1発電装置を始動できる。
【0133】
(付記4)
移動体(44)は、付記1~3のいずれか1つに記載の電力供給システムを備える。このような構成によれば、第1発電装置と遮断装置との間において短絡が発生している場合であっても、電力供給システムに過電流が流れることはない。そのため、電力供給システムの各装置の損傷を抑制できる。
【0134】
(付記5)
第1発電装置から出力される直流電力を第1負荷装置に供給する第1電力供給回路と、第2発電装置から出力される直流電力を第2負荷装置に供給する第2電力供給回路と、前記第1電力供給回路と前記第2電力供給回路とを接続し得る接続装置が備えられた接続回路と、前記第1電力供給回路と前記接続回路とから前記第1発電装置を遮断し得る遮断装置と、前記遮断装置を迂回して前記第1電力供給回路と前記接続回路とに前記第1発電装置をプレチャージ抵抗を介して接続し得るプレチャージ回路と、を備える電力供給システムの制御方法であって、当該制御方法は、前記第1発電装置から前記第1電力供給回路への直流電力の供給が断たれた場合、前記遮断装置によって前記第1発電装置を前記第1電力供給回路と前記接続回路とから遮断した後に、前記第1電力供給回路と前記第2電力供給回路とを前記接続回路を介して接続するための接続制御を前記接続装置に対して実行し、前記第2発電装置から前記プレチャージ回路を介して前記第1発電装置と前記遮断装置との間に電力を供給し、前記第1発電装置と前記遮断装置との間において短絡が発生しているか否かを判定する。このような構成によれば、第1発電装置と遮断装置との間において短絡が発生している場合であっても、電力供給システムに過電流が流れることはない。そのため、電力供給システムの各装置の損傷を抑制できる。
【0135】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0136】
10…電力供給システム 12a…第1電力供給回路
12b…第2電力供給回路 14a…第1発電装置
14b…第2発電装置 16a…第1負荷装置
16b…第2負荷装置 18a…接続回路
20a…接続装置 22a…遮断装置
23a…プレチャージ回路 25a…プレチャージ抵抗
27a…プレチャージ接続装置 34…制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17