(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143914
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
F15B 11/02 20060101AFI20241004BHJP
F15B 11/08 20060101ALI20241004BHJP
F15B 11/028 20060101ALI20241004BHJP
E02F 9/22 20060101ALI20241004BHJP
【FI】
F15B11/02 M
F15B11/08 A
F15B11/028 G
E02F9/22 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023056860
(22)【出願日】2023-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】柳内 秀喬
(72)【発明者】
【氏名】粢田 俊平
【テーマコード(参考)】
2D003
3H089
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB03
2D003AB04
2D003AB05
2D003AC01
2D003BA01
2D003BA05
2D003BB03
2D003BB12
2D003CA02
2D003DA02
2D003DA04
2D003DB02
2D003FA02
3H089AA72
3H089BB02
3H089BB21
3H089CC01
3H089CC12
3H089DA02
3H089DA07
3H089DA13
3H089DB03
3H089DB33
3H089DB43
3H089EE04
3H089EE07
3H089EE17
3H089EE22
3H089GG02
3H089JJ01
(57)【要約】
【課題】作業車において、第1油圧ポンプの作動油と第2油圧ポンプの作動油とが合流して作業装置に供給される状態で、高い負荷が作業装置に掛かった場合、圧力損失や作動油の温度上昇を抑える。
【解決手段】第1油圧ポンプ21の作動油を第1作業装置11に供給する第1供給油路31と、第1供給油路31と合流弁25とに亘って接続された第2供給油路32とが備えられる。合流弁25は、第2油圧ポンプ22の作動油を第2供給油路32から第1供給油路31に供給する合流位置25aと、第2油圧ポンプ22の作動油を第1供給油路31及び第2供給油路32に供給しない非合流位置25bとを有している。第1作業装置11に掛かる負荷に基づいて、合流弁25を非合流位置25bに操作する解除部36が備えられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1油圧ポンプと、第2油圧ポンプと、第1作業装置と、前記第1油圧ポンプの作動油を前記第1作業装置に供給する第1供給油路と、前記第2油圧ポンプの作動油が供給される合流弁と、前記第1供給油路と前記合流弁とに亘って接続された第2供給油路とが備えられ、
前記合流弁は、前記第2油圧ポンプの作動油を前記第2供給油路から前記第1供給油路に供給する合流位置と、前記第2油圧ポンプの作動油を前記第1供給油路及び前記第2供給油路に供給しない非合流位置とを有しており、
前記第1作業装置に掛かる負荷に基づいて、前記合流弁を前記非合流位置に操作する解除部が備えられている作業車。
【請求項2】
第2作業装置が備えられ、
前記第2油圧ポンプの作動油が、前記第2作業装置に供給され、前記第2作業装置から前記合流弁に供給される請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記第1作業装置に掛かる負荷が、前記第2供給油路の圧力であり、
前記解除部は、前記第2供給油路の圧力が事前に設定された設定圧力よりも高くなると、前記合流弁を前記非合流位置に操作する請求項1又は2に記載の作業車。
【請求項4】
前記合流弁は、前記非合流位置に付勢され、パイロット作動油が操作部に供給されることにより前記合流位置に操作されるパイロット操作式であり、
切換弁と、前記合流弁の操作部と前記切換弁とに亘って接続されたパイロット油路とが備えられ、
前記切換弁は、パイロット作動油を前記パイロット油路から前記合流弁の操作部に供給して、前記合流弁を前記合流位置に操作可能な第1位置と、パイロット作動油を前記合流弁の操作部から前記パイロット油路を介して排出して、前記合流弁を前記非合流位置に操作する第2位置とを有し、
前記解除部は、前記第2供給油路の圧力が前記設定圧力よりも高くなると、パイロット作動油を前記パイロット油路から排出して、前記合流弁を前記非合流位置に操作するリリーフ弁である請求項3に記載の作業車。
【請求項5】
前記第1供給油路から前記合流弁に向けての作動油の流れを阻止可能なチェック弁が、前記第2供給油路に設けられ、
前記リリーフ弁は、前記第2供給油路における前記第1供給油路と前記チェック弁との間の部分の圧力が前記設定圧力よりも高くなると、パイロット作動油を前記パイロット油路から排出する請求項4に記載の作業車。
【請求項6】
絞り部が、前記パイロット油路における前記リリーフ弁が接続される部分と前記切換弁との間の部分に設けられている請求項4に記載の作業車。
【請求項7】
前記パイロット油路に接続される排油路が備えられ、
絞り部と前記リリーフ弁とが、前記排油路に設けられている請求項4に記載の作業車。
【請求項8】
絞り部が、前記パイロット油路における前記リリーフ弁が接続される部分と前記合流弁との間の部分に設けられている請求項4に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車において、装備された作業装置への作動油の供給の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、作業装置に作動油を供給可能な第1油圧ポンプが設けられている。例えば家畜ハウスでの作業や住宅地での作業の場合、騒音を抑える為に、第1油圧ポンプを駆動する原動部(エンジンや電動モータ等)の回転数を低い値に設定することがある。
【0003】
原動部の回転数を落とすと、作業装置に供給する第1油圧ポンプの作動油が不足することがあるので、特許文献1では、第2油圧ポンプの作動油が切換弁を介して供給油路に供給され、第1油圧ポンプの作動油と第2油圧ポンプの作動油とが合流して作業装置に供給されており、作業装置の作動油が確保されている。
【0004】
特許文献1では、低圧リリーフ弁が第2油圧ポンプに対して接続されている。第1油圧ポンプの作動油と第2油圧ポンプの作動油とが合流して作業装置に供給される場合、作業装置に掛かる負荷が高くなると、低圧リリーフ弁が開き操作されて、原動部の回転数の低下が回避される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5-22657号公報(
図2の符号10,16,18,20,21を参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、第1油圧ポンプの作動油と第2油圧ポンプの作動油とが合流して作業装置に供給される状態において、作業装置に掛かる負荷が高くなった場合、低圧リリーフ弁が開き操作されることにより、原動部の回転数の低下は回避されるのであるが、低圧リリーフ弁が開き操作されることによる作動油の温度の上昇が懸念される。
低圧リリーフ弁が開き操作された場合、第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプの両方に負荷が掛かっているので、第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプの圧力損失が大きくなることが懸念される。これにより、圧力損失を抑えるという点や、作業油の温度上昇を抑えるという点において、改善の余地がある。
【0007】
本発明は、作業車において、第1油圧ポンプの作動油と第2油圧ポンプの作動油とが合流して作業装置に供給される状態で、高い負荷が作業装置に掛かった場合、圧力損失や作動油の温度上昇を抑えることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の作業車は、第1油圧ポンプと、第2油圧ポンプと、第1作業装置と、前記第1油圧ポンプの作動油を前記第1作業装置に供給する第1供給油路と、前記第2油圧ポンプの作動油が供給される合流弁と、前記第1供給油路と前記合流弁とに亘って接続された第2供給油路とが備えられ、前記合流弁は、前記第2油圧ポンプの作動油を前記第2供給油路から前記第1供給油路に供給する合流位置と、前記第2油圧ポンプの作動油を前記第1供給油路及び前記第2供給油路に供給しない非合流位置とを有しており、前記第1作業装置に掛かる負荷に基づいて、前記合流弁を前記非合流位置に操作する解除部が備えられている。
【0009】
本発明によると、第1油圧ポンプの作動油が第1供給油路を介して第1作業装置に供給されている状態において、合流弁が合流位置に操作されると、第2油圧ポンプの作動油が合流弁から第2供給油路を介して第1供給油路に供給されるのであり、第1油圧ポンプの作動油と第2油圧ポンプの作動油とが合流して第1作業装置に供給される。
【0010】
本発明によると、前述の状態において、第1作業装置に掛かる負荷が高くなった場合、解除部により合流弁が非合流位置に操作されるので、第2油圧ポンプに対して高い負荷が掛からなくなり、第2油圧ポンプの圧力損失が抑えられる。これにより、第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプにおいて、第2油圧ポンプの圧力損失が抑えられることによって、作業車の全体としての圧力損失を抑えることができる。
【0011】
本発明によると、第1作業装置に掛かる負荷が高くなった場合、合流弁が非合流位置に操作されるのであり、特許文献1のように第1供給油路及び第2供給油路に接続されたリリーフ弁が開き操作されることはないので、作動油の温度上昇を抑えることができる。
【0012】
本発明において、第2作業装置が備えられ、前記第2油圧ポンプの作動油が、前記第2作業装置に供給され、前記第2作業装置から前記合流弁に供給されると好適である。
【0013】
本発明によると、第2油圧ポンプは第1供給油路に作動油を供給する為の専用のポンプではなく、第2油圧ポンプの作動油は、第2作業装置に供給され、第2作業装置から合流弁に供給されて、合流弁から第1供給油路に供給される。
【0014】
これにより、第1作業装置及び第2作業装置が設けられた作業車において、合流弁が非合流位置に操作されている場合、第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプを駆動する原動部の回転数を高い値に設定することによって、第1油圧ポンプにより第1作業装置を無理なく作動させることができ、第2油圧ポンプにより第2作業装置を無理なく作動させることができる。
【0015】
第2作業装置が、多くの作動油を必要としない作業装置(例えばパワーステアリング装置や走行変速系の装置等)であれば、第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプを駆動する原動部の回転数を低い値に設定し、合流弁を合流位置に操作した場合においても、第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプにより第1作業装置及び第2作業装置を無理なく作動させることができる。
【0016】
本発明において、前記第1作業装置に掛かる負荷が、前記第2供給油路の圧力であり、前記解除部は、前記第2供給油路の圧力が事前に設定された設定圧力よりも高くなると、前記合流弁を前記非合流位置に操作すると好適である。
【0017】
本発明によると、第1作業装置に掛かる負荷が第2供給油路の圧力として認識されるのであり、第2供給油路の圧力が事前に設定された設定圧力よりも高くなると、解除部により合流弁が非合流位置に操作される。
第1作業装置に掛かる負荷を第2供給油路の圧力として認識することにより、第1作業装置に掛かる負荷が精度良く認識されるのであり、解除部による合流弁の非合流位置への操作が精度良く行われるようになる。
【0018】
本発明において、前記合流弁は、前記非合流位置に付勢され、パイロット作動油が操作部に供給されることにより前記合流位置に操作されるパイロット操作式であり、切換弁と、前記合流弁の操作部と前記切換弁とに亘って接続されたパイロット油路とが備えられ、前記切換弁は、パイロット作動油を前記パイロット油路から前記合流弁の操作部に供給して、前記合流弁を前記合流位置に操作可能な第1位置と、パイロット作動油を前記合流弁の操作部から前記パイロット油路を介して排出して、前記合流弁を前記非合流位置に操作する第2位置とを有し、前記解除部は、前記第2供給油路の圧力が前記設定圧力よりも高くなると、パイロット作動油を前記パイロット油路から排出して、前記合流弁を前記非合流位置に操作するリリーフ弁であると好適である。
【0019】
本発明によると、合流弁がパイロット操作式に構成されている。切換弁が第1位置に操作されて、パイロット作動油が合流弁の操作部に供給されると、合流弁が合流位置に操作される。切換弁が第2位置に操作されて、パイロット作動油が合流弁の操作部から排出されると、合流弁が非合流位置に操作される。
【0020】
本発明によると、切換弁が第1位置に操作された状態において、第2供給油路の圧力が設定圧力よりも高くなると、合流弁の操作部と切換弁とに亘って接続されたパイロット油路から、パイロット作動油がリリーフ弁(解除部)により排出される。切換弁が第1位置に操作されていても、リリーフ弁(解除部)によりパイロット作動油が排出されることによって、合流弁は非合流位置に操作される。
これにより、パイロット操作式の合流弁、切換弁及びパイロット油路、リリーフ弁(解除部)によって、合流弁の操作系を簡素に構成することができる。
【0021】
本発明において、前記第1供給油路から前記合流弁に向けての作動油の流れを阻止可能なチェック弁が、前記第2供給油路に設けられ、前記リリーフ弁は、前記第2供給油路における前記第1供給油路と前記チェック弁との間の部分の圧力が前記設定圧力よりも高くなると、パイロット作動油を前記パイロット油路から排出すると好適である。
【0022】
本発明によると、第1供給油路から合流弁に向けての作動油の流れを阻止可能なチェック弁が、第2供給油路に設けられており、第2供給油路において圧力が安定した部分(第1供給油路とチェック弁との間の部分)が、チェック弁により得られる。リリーフ弁は、第2供給油路において圧力が安定した部分(第1供給油路とチェック弁との間の部分)に基づいて作動する。
【0023】
本発明によると、リリーフ弁が第2供給油路において圧力が安定した部分に基づいて作動するように構成することにより、第1作業装置に掛かる負荷が精度良く認識されるのであり、リリーフ弁による合流弁の非合流位置への操作が精度良く行われるようになる。
【0024】
本発明において、絞り部が、前記パイロット油路における前記リリーフ弁が接続される部分と前記切換弁との間の部分に設けられていると好適である。
【0025】
切換弁が第1位置に操作され、パイロット作動油が合流弁の操作部に供給されて、合流弁が合流位置に操作される場合、及び、切換弁が第2位置に操作され、パイロット作動油が合流弁の操作部から排出されて、合流弁が非合流位置に操作される場合、合流弁が合流位置(非合流位置)に急速に操作されると、第2油圧ポンプの作動油が第1供給油路に急速に供給されるので(急速に供給されなくなるので)、ショックが発生することがある。
【0026】
本発明によると、絞り部が、パイロット油路におけるリリーフ弁が接続される部分と切換弁との間の部分に設けられている。
切換弁が第1位置に操作された場合、パイロット作動油が、切換弁(第1位置)及び絞り部を通って、合流弁の操作部に漸次的に供給されるので、合流弁の合流位置への急速な操作が抑えられる。
【0027】
切換弁が第2位置に操作された場合、パイロット作動油が、合流弁の操作部から絞り部及び切換弁(第2位置)を通って漸次的に排出されるので、合流弁の非合流位置への急速な操作が抑えられる。
これにより、第2油圧ポンプの作動油が第1供給油路に急速に供給される状態(急速に供給されなくなる状態)を回避することができるので、ショックの発生を抑えることができる。
【0028】
本発明において、前記パイロット油路に接続される排油路が備えられ、絞り部と前記リリーフ弁とが、前記排油路に設けられていると好適である。
【0029】
パイロット作動油がパイロット油路からリリーフ弁を通って排出されて、合流弁が非合流位置に操作される場合、合流弁が非合流位置に急速に操作されると、第2油圧ポンプの作動油が第1供給油路に急速に供給されなくなるので、ショックが発生することがある。
【0030】
本発明によると、絞り部とリリーフ弁とが、パイロット油路に接続される排油路に設けられている。
パイロット作動油がパイロット油路からリリーフ弁を通って排出される場合、合流弁の操作部のパイロット作動油が、絞り部及びリリーフ弁を通って漸次的に排出されるので、合流弁の非合流位置への急速な操作が抑えられる。
これにより、第2油圧ポンプの作動油が第1供給油路に急速に供給されなくなる状態を回避することができるので、ショックの発生を抑えることができる。
【0031】
本発明において、絞り部が、前記パイロット油路における前記リリーフ弁が接続される部分と前記合流弁との間の部分に設けられていると好適である。
【0032】
切換弁が第1位置に操作され、パイロット作動油が合流弁の操作部に供給されて、合流弁が合流位置に操作される場合、及び、切換弁が第2位置に操作され、パイロット作動油が合流弁の操作部から排出されて、合流弁が非合流位置に操作される場合、合流弁が合流位置(非合流位置)に急速に操作されると、第2油圧ポンプの作動油が第1供給油路に急速に供給されるので(急速に供給されなくなるので)、ショックが発生することがある。
パイロット作動油がパイロット油路からリリーフ弁を通って排出されて、合流弁が非合流位置に操作される場合、合流弁が非合流位置に急速に操作されると、第2油圧ポンプの作動油が第1供給油路に急速に供給されなくなるので、ショックが発生することがある。
【0033】
本発明によると、絞り部が、パイロット油路におけるリリーフ弁が接続される部分と合流弁との間の部分に設けられている。
切換弁が第1位置に操作された場合、パイロット作動油が、切換弁(第1位置)及び絞り部を通って、合流弁の操作部に漸次的に供給されるので、合流弁の合流位置への急速な操作が抑えられる。
【0034】
切換弁が第2位置に操作された場合、パイロット作動油が、合流弁の操作部から絞り部及び切換弁(第2位置)を通って漸次的に排出されるので、合流弁の非合流位置への急速な操作が抑えられる。
【0035】
パイロット作動油がパイロット油路からリリーフ弁を通って排出される場合、合流弁の操作部のパイロット作動油が、絞り部及びリリーフ弁を通って漸次的に排出されるので、合流弁の非合流位置への急速な操作が抑えられる。
これにより、第2油圧ポンプの作動油が第1供給油路に急速に供給される状態(急速に供給されなくなる状態)を回避することができるので、ショックの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図2】第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプ、合流弁(合流位置)、切換弁(第1位置)、パイロット油路及び低圧リリーフ弁等を示す油圧回路図である。
【
図3】
図2において、パイロット油路の圧力が第2設定圧力よりも高くなり、リリーフ弁が開き操作され、合流弁が非合流位置に操作された状態を示す油圧回路図である。
【
図4】発明の実施の第1別形態における油圧回路図である。
【
図5】発明の実施の第2別形態における油圧回路図である。
【
図6】発明の実施の第4別形態における油圧回路図である。
【
図7】発明の実施の第6別形態における油圧回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1~
図7に、作業車の一例であるトラクタが示されており、Fは前方向を示し、Bは後方向を示し、Uは上方向を示し、Dは下方向を示している。
【0038】
(トラクタの全体構成)
図1に示すように、右及び左の前輪1と右及び左の後輪2により、機体3が支持されており、機体3の前部にボンネット4が設けられ、機体3の後部に運転部5が設けられている。
【0039】
機体3は、エンジン6、エンジン6の後部に連結されたフレーム42、フレーム42に連結されたミッションケース7、エンジン6の前部に連結された前部フレーム8等を有している。前輪1が前部フレーム8に支持され、後輪2がミッションケース7の後部に支持されている。ボンネット4により、エンジン6が覆われている。運転部5に、運転座席9と前輪1を操向操作する操縦ハンドル10とが設けられている。
【0040】
(フロントローダの構成)
図1に示すように、フロントローダ11(第1作業装置に相当)が、機体3の前部に設けられている。フロントローダ11は、基部フレーム12、アーム13、バケット14、アームシリンダ15及びバケットシリンダ16等を有している。
【0041】
右及び左の基部フレーム12が、機体3の前部の右部及び左部に連結されている。右及び左のアーム13が、左右方向に沿った軸芯P1周りに上下に揺動可能に、基部フレーム12の上部に支持されており、右及び左の複動型のアームシリンダ15が、アーム13と基部フレーム12とに亘って接続されている。
【0042】
バケット14が、左右方向に沿った軸芯P2周りに上下に揺動可能に、アーム13の前部に支持されており、右及び左の複動型のバケットシリンダ16が、バケット14とアーム13とに亘って接続されている。
【0043】
アームシリンダ15が伸縮操作されることによって、アーム13が上下に揺動操作されるのであり、バケットシリンダ16が伸縮操作されることによって、バケット14が上下に揺動操作される。
【0044】
(第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプの油圧回路、合流弁の構成)―1
図2に示すように、エンジン6により駆動される第1油圧ポンプ21及び第2油圧ポンプ22が設けられている。
【0045】
第1供給油路31が第1油圧ポンプ21から延出され、機体3に設けられたサービスポート(図示せず)に、第1供給油路31が接続されている。サービスポートとフロントローダ11(アームシリンダ15及びバケットシリンダ16)とに亘って油圧ホース(図示せず)が接続されている。これにより、第1油圧ポンプ21の作動油が、第1供給油路31を介してフロントローダ11に供給される。
【0046】
高圧リリーフ弁23が、第1供給油路31に接続されている。第1供給油路31の圧力が、事前に設定された比較的高圧の第1設定圧力よりも高くなると、高圧リリーフ弁23が開き操作される。
【0047】
前輪1のパワーステアリング装置17(第2作業装置に相当)が設けられている。走行用の変速装置(図示せず)が、ミッションケース7(
図1参照)の内部に設けられ、変速装置の変速操作を行う油圧型式の変速部18(第2作業装置に相当)が設けられている。
【0048】
供給油路24が、第2油圧ポンプ22から延出されて、パワーステアリング装置17及び変速部18に接続されている。合流弁25が設けられており、供給油路24が変速部18から延出されて合流弁25に接続されている。第2供給油路32が、合流弁25から延出されており、第1供給油路31において高圧リリーフ弁23が接続される部分よりも下流側の部分に接続されている。
【0049】
合流弁25は、合流位置25aと非合流位置25bとを有するパイロット操作式に構成されており、バネ25cにより非合流位置25bに付勢されている。所定圧以上のパイロット作動油が合流弁25の操作部25dに供給されることにより、合流弁25のバネ25cに抗して、合流弁25が合流位置25aに操作される。
【0050】
チェック弁26が、第2供給油路32に設けられている。チェック弁26は、合流弁25から第1供給油路31に向けての作動油の流れを許容し、第1供給油路31から合流弁25に向けての作動油の流れを阻止する。
【0051】
合流弁25が合流位置25aに操作されると、第2油圧ポンプ22の作動油は、パワーステアリング装置17及び変速部18、合流弁25(合流位置25a)、第2供給油路32及びチェック弁26を通って、第1供給油路31に供給される。
【0052】
合流弁25が非合流位置25bに操作されると、第2油圧ポンプ22の作動油は、パワーステアリング装置17及び変速部18、合流弁25(非合流位置25b)を通って排出されるのであり、第1供給油路31には供給されない。
【0053】
(第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプの油圧回路、合流弁の構成)―2
以上の構成によって、
図2に示すように、第1油圧ポンプ21と、第2油圧ポンプ22と、フロントローダ11(第1作業装置)と、第1油圧ポンプ21の作動油をフロントローダ11(第1作業装置)に供給する第1供給油路31と、第2油圧ポンプ22の作動油が供給される合流弁25と、第1供給油路31と合流弁25とに亘って接続された第2供給油路32とが備えられている。
【0054】
パワーステアリング装置17(第2作業装置)及び変速部18(第2作業装置)が備えられている。
第2油圧ポンプ22の作動油が、パワーステアリング装置17(第2作業装置)及び変速部18(第2作業装置)に供給され、パワーステアリング装置17(第2作業装置)及び変速部18(第2作業装置)から合流弁25に供給される。
【0055】
合流弁25は、第2油圧ポンプ22の作動油を第2供給油路32から第1供給油路31に供給する合流位置25aと、第2油圧ポンプ22の作動油を第1供給油路31及び第2供給油路32に供給しない非合流位置25bとを有している。
合流弁25は、非合流位置25bに付勢され、パイロット作動油が操作部25dに供給されることにより合流位置25aに操作されるパイロット操作式である。
【0056】
(合流弁を操作する切換弁の構成)―1
図2に示すように、切換弁27が設けられている。パイロットポンプ28からの供給油路29が、切換弁27に接続されており、絞り部30が供給油路29に設けられている。パイロット油路33が、合流弁25の操作部25dと切換弁27とに亘って接続されており、絞り部34がパイロット油路33に設けられている。
【0057】
切換弁27は、第1位置27aと第2位置27bとを有して電磁操作式に構成されており、バネ27cにより第2位置27bに付勢されている。操作電力が切換弁27の操作部27dに供給されることにより、切換弁27のバネ27cに抗して、切換弁27が第1位置27aに操作される。
【0058】
人為的に操作可能な操作部19が運転部5(
図1参照)に設けられている。作業者が操作部19を第1操作位置A1に操作すると、切換弁27の操作部27dに操作電力が供給されて、切換弁27が第1位置27aに操作される。
【0059】
切換弁27が第1位置27aに操作されると、パイロットポンプ28のパイロット作動油が、供給油路29及び絞り部30、切換弁27(第1位置27a)、パイロット油路33及び絞り部34を通って、合流弁25の操作部25dに漸次的に供給されて、合流弁25が合流位置25aに操作される。
【0060】
作業者が操作部19を第2操作位置A2に操作すると、切換弁27の操作部27dへの操作電力が停止して、切換弁27のバネ27cにより切換弁27が第2位置27bに操作される。
【0061】
切換弁27が第2位置27bに操作されると、パイロット作動油が、合流弁25の操作部25dから、パイロット油路33及び絞り部34、切換弁27(第2位置27b)を通って漸次的に排出されて、合流弁25のバネ25cにより合流弁25が非合流位置25bに操作される。
【0062】
切換弁27が第2位置27bに操作されると、パイロット作動油が合流弁25の操作部25dから絞り部34を通って排出されるのに対して、切換弁27が第1位置27aに操作されると、パイロットポンプ28のパイロット作動油が絞り部30,34を通って合流弁25の操作部25dに供給される。これにより、合流弁25が非合流位置25bに操作される状態よりも、合流弁25が合流位置25aに操作される状態の方が、少しゆっくりと行われる。
【0063】
(合流弁を操作する切換弁の構成)―2
以上の構成により、
図2に示すように、切換弁27と、合流弁25の操作部25dと切換弁27とに亘って接続されたパイロット油路33とが備えられている。
【0064】
切換弁27は、パイロット作動油をパイロット油路33から合流弁25の操作部25dに供給して、合流弁25を合流位置25aに操作可能な第1位置27aと、パイロット作動油を合流弁25の操作部25dからパイロット油路33を介して排出して、合流弁25を非合流位置25bに操作する第2位置27bとを有している。
【0065】
(フロントローダに掛かる負荷が高くなると合流弁を非合流位置に操作するリリーフ弁の構成)―1
図2に示すように、排油路35が設けられており、排油路35がパイロット油路33における合流弁25の操作部25dと絞り部34との間の部分に接続されている。
【0066】
低圧リリーフ弁36(解除部に相当)(リリーフ弁に相当)が、排油路35に設けられている。パイロット油路37が、第2供給油路32における第1供給油路31とチェック弁26との間の部分から延出されて、低圧リリーフ弁36に接続されている。
【0067】
第2供給油路32における第1供給油路31とチェック弁26との間の部分の圧力が、事前に設定された比較的低圧の第2設定圧力(設定圧力に相当)よりも高くなると、パイロット油路37のパイロット作動油により低圧リリーフ弁36が開き操作される。
この場合、低圧リリーフ弁36を開き操作する第2設定圧力は、高圧リリーフ弁23を開き操作する前述の第1設定圧力よりも低圧に設定されている。
【0068】
(フロントローダに掛かる負荷が高くなると合流弁を非合流位置に操作するリリーフ弁の構成)―2
図2に示す状態は、操作部19が第1操作位置A1に操作され、切換弁27が第1位置27aに操作されて、パイロットポンプ28のパイロット作動油が合流弁25の操作部25dに供給された状態であり、合流弁25が合流位置25aに操作された状態である。第2油圧ポンプ22の作動油が、パワーステアリング装置17及び変速部18、合流弁25(合流位置25a)、第2供給油路32及びチェック弁26を通って、第1供給油路31に供給されている状態である。
【0069】
図2に示す状態において、フロントローダ11に掛かる負荷が高くなり、第2供給油路32における第1供給油路31とチェック弁26との間の部分の圧力が、第2設定圧力よりも高くなると、
図3に示すように、パイロット油路37のパイロット作動油により低圧リリーフ弁36が開き操作される。
【0070】
低圧リリーフ弁36が開き操作されると、切換弁27が第1位置27aに操作されていても(パイロットポンプ28のパイロット作動油がパイロット油路33に供給されていても)、パイロット油路33のパイロット作動油が、低圧リリーフ弁36及び排油路35を介して排出される。
【0071】
パイロット油路33のパイロット作動油が排出されると、合流弁25のバネ25cにより、合流弁25が非合流位置25bに操作される。この場合、排油路35に絞り部が設けられていないので、パイロット油路33のパイロット作動油が急速に排出され、合流弁25が非合流位置25bに急速に操作される。
【0072】
合流弁25が非合流位置25bに操作されると、第2油圧ポンプ22の作動油は、パワーステアリング装置17及び変速部18に供給され、合流弁25(非合流位置25b)から排出されるのであり、第1供給油路31には供給されない。
【0073】
(フロントローダに掛かる負荷が高くなると合流弁を非合流位置に操作するリリーフ弁の構成)―3
以上の構成により、
図2及び
図3に示すように、フロントローダ11(第1作業装置)に掛かる負荷に基づいて、合流弁25を非合流位置25bに操作する低圧リリーフ弁36(解除部)(リリーフ弁)が備えられている。
【0074】
フロントローダ11(第1作業装置)に掛かる負荷が第2供給油路32の圧力である。
低圧リリーフ弁36(解除部)(リリーフ弁)は、第2供給油路32の圧力が事前に設定された第2設定圧力(設定圧力)よりも高くなると、合流弁25を非合流位置25bに操作する。
【0075】
低圧リリーフ弁36(解除部)(リリーフ弁)は、第2供給油路32の圧力が第2設定圧力(設定圧力)よりも高くなると、パイロット作動油をパイロット油路33から排出して、合流弁25を非合流位置25bに操作するリリーフ弁である。
【0076】
第1供給油路31から合流弁25に向けての作動油の流れを阻止可能なチェック弁26が、第2供給油路32に設けられている。
低圧リリーフ弁36(解除部)(リリーフ弁)は、第2供給油路32における第1供給油路31とチェック弁26との間の部分の圧力が第2設定圧力(設定圧力)よりも高くなると、パイロット作動油をパイロット油路33から排出する。
絞り部34が、パイロット油路33における低圧リリーフ弁36(解除部)(リリーフ弁)が接続される部分と切換弁27との間の部分に設けられている。
【0077】
(発明の実施の第1別形態)
図4に示すように、パイロット油路33に設けられた絞り部34(
図2及び
図3参照)を廃止して、絞り部38を排油路35に設けてもよい。この場合、絞り部38を、排油路35における低圧リリーフ弁36に対して下流側の部分に設けてもよく、絞り部38を、排油路35におけるパイロット油路33と低圧リリーフ弁36との間の部分に設けてもよい。
【0078】
図4に示す構成では、切換弁27が第2位置27bに操作されると、パイロット油路33のパイロット作動油が切換弁27(第2位置27b)から急速に排出されて、合流弁25が非合流位置25bに急速に操作される。
【0079】
これに対して、低圧リリーフ弁36が開き操作された場合、パイロット油路33のパイロット作動油が低圧リリーフ弁36及び排油路35(絞り部38)から漸次的に排出されて、合流弁25が非合流位置25bに漸次的に操作される。
【0080】
以上の構成により、パイロット油路33に接続される排油路35が備えられ、絞り部38と低圧リリーフ弁36(解除部)(リリーフ弁)とが、排油路35に設けられている。
【0081】
(発明の実施の第2別形態)
図5に示すように、パイロット油路33に設けられた絞り部34(
図2及び
図3参照)及び排油路35に設けられた絞り部38(
図4参照)を廃止して、絞り部39を、パイロット油路33における合流弁25の操作部25dと排油路35(低圧リリーフ弁36)が接続される部分との間の部分に設けてもよい。
【0082】
図5に示す構成では、切換弁27が第2位置27bに操作されると、パイロット油路33のパイロット作動油が絞り部39及び切換弁27(第2位置27b)から漸次的に排出されて、合流弁25が非合流位置25bに漸次的に操作される。
【0083】
これと同様に、低圧リリーフ弁36が開き操作された場合、パイロット油路33のパイロット作動油が絞り部39及び低圧リリーフ弁36から漸次的に排出されて、合流弁25が非合流位置25bに漸次的に操作される。
【0084】
以上の構成により、絞り部39が、パイロット油路33における低圧リリーフ弁36(解除部)(リリーフ弁)が接続される部分と合流弁25との間の部分に設けられている。
【0085】
(発明の実施の第3別形態)
図5に示す構成において、絞り部39に加えて、
図2及び
図3に示す絞り部34を、パイロット油路33における排油路35(低圧リリーフ弁36)が接続される部分と切換弁27との間の部分に設けてもよい。
低圧リリーフ弁36が開き操作される第2設定圧力(設定圧力)を、高低に調節可能な調節部(図示せず)を設けてもよい。
【0086】
(発明の実施の第4別形態)
図2~
図5に示す構成において、パイロットポンプ28を廃止して、
図6に示すように構成してもよい。
【0087】
図6に示すように、優先弁20が供給油路24に設けられ、供給油路29が優先弁20から延出されて切換弁27に接続されている。供給油路24,29に圧力の変動が生じても、一定の小流量の作動油が、優先弁20からパイロット作動油として切換弁27に供給されるのであり、残りの作動油が優先弁20から合流弁25に供給される。
【0088】
(発明の実施の第5別形態)
図2~
図6に示す構成において、切換弁27を、電磁操作式ではなく、パイロット操作式に構成してもよい。
この構成によると、供給油路29から分岐して取り出されたパイロット作動油が、パイロット弁(図示せず)に供給され、パイロット弁が操作されることにより、パイロット作動油がパイロット弁から切換弁27に供給されて、切換弁27が操作されるように構成すればよい。
【0089】
(発明の実施の第6別形態)
図2に示す切換弁27、パイロット油路33及び排油路35、低圧リリーフ弁36等を廃止して、
図7に示すように構成してもよい。
【0090】
図7に示すように、合流弁25は、合流位置25aと非合流位置25bとを有する電磁操作式に構成されており、バネ25cにより非合流位置25bに付勢されている。操作電力が合流弁25の操作部25dに供給されることにより、合流弁25のバネ25cに抗して、合流弁25が合流位置25aに操作される。
【0091】
制御装置40(解除部に相当)が設けられており、操作部19の操作信号が制御装置40に入力されている。操作部19が第1操作位置A1に操作されると、操作部19の操作信号に基づいて、制御装置40から合流弁25の操作部25dに操作電力が供給されて、合流弁25が合流位置25aに操作される。
【0092】
操作部19が第2操作位置A2に操作されると、操作部19の操作信号に基づいて、制御装置40から合流弁25の操作部25dへの操作電力が停止されて、合流弁25が非合流位置25bに操作される。
【0093】
第2供給油路32における第1供給油路31とチェック弁26との間の部分の圧力を検出する圧力センサー41(解除部に相当)が設けられており、圧力センサー41の検出値が制御装置40に入力されている。
【0094】
操作部19が第1操作位置A1に操作されている状態(合流弁25が合流位置25aに操作されている状態)において、圧力センサー41の検出値が第2設定圧力(設定圧力)よりも高くなると、制御装置40は、合流弁25の操作部25dへの操作電力を停止し、合流弁25を非合流位置25bに操作する。
【0095】
操作部19が第2操作位置A2に操作された場合、制御装置40により合流弁25の操作部25dへの操作電力が漸次的に低下操作され、合流弁25が非合流位置25bに漸次的に操作されるように構成してもよい。
【0096】
圧力センサー41の検出値が第2設定圧力(設定圧力)よりも高くなった場合、制御装置40により合流弁25の操作部25dへの操作電力が漸次的に低下操作され、合流弁25が非合流位置25bに漸次的に操作されるように構成してもよい。
作業者が操作する調節部の操作位置により第2設定圧力(設定圧力)が設定されるように構成して、作業者が調節部を操作することにより、第2設定圧力(設定圧力)を高低に調節できるように構成してもよい。
【0097】
(発明の実施の第7別形態)
図7に示す構成において、切換弁27が、パイロット作動油の圧力を変更できるように構成され、合流弁25(合流位置25a)が、第2供給油路32への作動油の流量を変更できるように構成されて、以下の説明のように構成されてもよい。
【0098】
操作部19がダイヤル操作式に構成され、操作部19は第1操作位置A1と第2操作位置A2との間の任意の位置に操作可能に構成される。
操作部19が第2操作位置A2に操作されると、制御装置40により、切換弁27が第2位置27bに操作され、合流弁25は非合流位置25bに操作される。
【0099】
操作部19が第1操作位置A1と第2操作位置A2の間の位置に操作されると、制御装置40により、切換弁27が第1操作位置A1に操作される。この場合、操作部19の操作位置が第1操作位置A1に近いほど、切換弁27によるパイロット作動油の圧力が高圧になり、合流弁25(合流位置25a)から第2供給油路32への作動油の流量が大きくなる。
操作部19の操作位置が第1操作位置A1であると、切換弁27によるパイロット作動油の圧力が最高圧になり、合流弁25(合流位置25a)から第2供給油路32への作動油の流量が最大となる。
【0100】
(発明の実施の第8別形態)
フロントローダ11に代えて、例えば草刈り機(ブレードモアやフレルモア)(図示せず)等の別の作業装置が、第1作業装置として装備されてもよい。
パワーステアリング装置17及び変速部18に限らず、パワーステアリング装置17及び変速部18に代えて、他の作業装置が第2作業装置として装備されてもよい。
【0101】
(発明の実施の第9別形態)
第2供給油路32の圧力を検出するのではなく、第1作業装置に設けられた負荷センサーにより、第1作業装置に掛かる負荷を検出するように構成してもよい。
エンジン6に代えて、電動モータ(図示せず)を原動部として第1油圧ポンプ21及び第2油圧ポンプ22を駆動するように構成してもよい。
エンジン6と電動モータ(図示せず)とを組み合わせたハイブリッド型式の原動部により、第1油圧ポンプ21及び第2油圧ポンプ22を駆動するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、トラクタばかりではなく、バックホウやホイルローダ等の建設用の作業車のように、機体に取り付けられた第1作業装置に作動油を供給可能な第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプを装備した作業車に適用できる。
【符号の説明】
【0103】
11 フロントローダ(第1作業装置)
17 パワーステアリング装置(第2作業装置)
18 変速部(第2作業装置)
21 第1油圧ポンプ
22 第2油圧ポンプ
25 合流弁
25a 合流位置
25b 非合流位置
25d 操作部
26 チェック弁
27 切換弁
27a 第1位置
27b 第2位置
31 第1供給油路
32 第2供給油路
33 パイロット油路
34 絞り部
35 排油路
36 低圧リリーフ弁(解除部)(リリーフ弁)
38 絞り部
39 絞り部
40 制御装置(解除部)
41 圧力センサー(解除部)