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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143948
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】折り畳み椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 4/28 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A47C4/28 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023067469
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】523136798
【氏名又は名称】大野 寛
(72)【発明者】
【氏名】大野 寛
(57)【要約】      (修正有)
【課題】作業にも適した多用途かつ日用的に利用できる柱状に折り畳み可能な折り畳み椅子を提供する。
【解決手段】左右両側に配置される一対の側面フレーム部13とX字型構造の前面フレーム部11および後面フレーム部12とを備える柱状に折り畳み可能な折り畳み椅子であって、側面フレーム部は各々が座面支持部材131と背もたれ支持部材132と前脚部材134と後脚部材133を備え、座面支持部材は背もたれ部材回動可能に連結し、背もたれ部材は後脚部材に回動可能に連結し、後脚部材は前脚部材に回動可能に連結し、前脚部材は座面支持部材に回動可能に連結しており、座面支持部材の展開時前部は前面フレーム部の上部と回動可能に連結し、背もたれ部材の上部は後面フレーム部の上部と回動可能に連結し、後脚部材の展開時後部は後面フレーム部の下部と回動可能に連結し、前脚部材の下部は前面フレーム部の下部と回動可能に連結する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右両側に配置される一対の側面フレーム部と、各々がフレーム部材とフレーム部材とが互いに交差しこの交点を支点として開閉可能に連結されたX字型構造の前面フレーム部および後面フレーム部と、を備える柱状に折り畳み可能な折り畳み椅子であって、
前記一対の側面フレーム部は、各々が座面支持部材と背もたれ支持部材と前脚部材と後脚部材を備え、
前記座面支持部材の展開時後端部は前記背もたれ部材の中間部に回動可能に連結し、
前記背もたれ部材の下端部は前記後脚部材の中間部に回動可能に連結し、
前記後脚部材の展開時前端部は前記前脚部材の中間部に回動可能に連結し、
前記前脚部材の上端部は前記座面支持部材の中間部に回動可能に連結しており、
右側に配置される前記座面支持部材の展開時前部は前記前面フレーム部の右側上部と各々が回動可能に連結し、
左側に配置される前記座面支持部材の展開時前部は前記前面フレーム部の左側上部と各々が回動可能に連結し、
右側に配置される前記背もたれ部材の上部は前記後面フレーム部の右側上部と各々が回動可能に連結し、
左側に配置される前記背もたれ部材の上部は前記後面フレーム部の左側上部と各々が回動可能に連結し、
右側に配置される前記後脚部材の展開時後部は前記後面フレーム部の右側下部と各々が回動可能に連結し、
左側に配置される前記後脚部材の展開時後部は前記後面フレーム部の左側下部と各々が回動可能に連結し、
右側に配置される前記前脚部の下部は前記前面フレーム部の右側下部と各々が回動可能に連結し、
左側に配置される前記前脚部の下部は前記前面フレーム部の左側下部と各々が回動可能に連結することを特徴とする折り畳み椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み椅子、特に柱状に折り畳まれる仕組みの折り畳み椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
折り畳み椅子には折り畳み時のコンパクトさが求められるが、折り畳み椅子を柱状に折り畳むことができれば、限られた収納スペースに置くことが出来て利便性が向上する。このような折り畳み椅子は一般的に収束型と呼ばれ、種々のものが開発されている。
【0003】
特許文献1は、側面側のフレーム部材にシート状の座面部材を線的に固定することで座面と背もたれに均等な張りを与え、快適な座り心地を実現している。
【0004】
特許文献2は、別途背もたれフレーム部材を備えることで、背もたれの角度を比較的地面と垂直にすることで、より作業に適した座り姿勢の維持を実現している。
【0005】
特許文献3は、側面側のフレーム部材にシート状の座面部材を線的に固定することで座面と背もたれに均等な張りを与え、快適な座り心地を実現している。また、背もたれの角度を比較的地面と垂直にすることで、より作業に適した座り姿勢の維持を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-118214公報
【特許文献2】特開2009-5738公報
【特許文献3】特開2009-285319公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、折り畳み椅子を単なるリラックス用としてではなく、日用として室内でダイニングチェアやデスクチェアなどとして作業性を伴う場面で用いる場合、以下のような要件が求められる。まず椅子の座面高と座面長が十分にあり、座面の角度は地面と水平に近く、背もたれの角度は地面と垂直に近い必要がある。作業姿勢が取りやすく、起立・着座が容易であるためである。
【0008】
また座面や背もたれがハンモックのように沈むものではなく、均等な張りがあり沈みにくいものであるものが望ましい。これを満たすことで、起立および着座の際や作業の際に脚腰への負担が軽減される。
【0009】
さらに構造は肘掛け等を必要としない極力簡素なものが望ましい。作業を伴う使用の際にはテーブルと組み合わせて使うことが多い。そのため、肘掛けもしくは座面と背もたれの間に何らかのサイドフレームを備えていると、横からの着座の妨げとなる。肘掛け等があると、むしろ座る際や立つ際に椅子を多く引かなければならないため不便であることが多く、これらが構造的に必須でない椅子が必要とされる。加えて、日用として生活の中で使用するにおいては、シンプルで飽きのこないデザインや気軽に購入できる価格での提供が望ましい。そのようなデザイン性と製造コストの観点からも肘掛け部材や曲げ加工が施された部材やスライド構造を持つ部材等の使用を必須としない、より簡素な構造の実現が求められる。
【0010】
特許文献1は、シート状の座面および背もたれ部材が両側面のフレーム部材に線的に固定されていることで均等に張りのある座面及び背もたれは形成している。しかし、背もたれの角度は大きく傾斜しており作業性が高いとは言えない。このタイプの構造は背もたれのフレーム部材が前脚の一部を兼ねている構造をしており、当然前脚は椅子の安定性の観点からある程度前面に有る必要がある。そのため、座面長を確保するためには、背もたれの角度は傾斜させざるをえない。作業性のある場面での利用に適している構造とは言えない。
【0011】
特許文献2は、別途背もたれフレーム部材を備えることで椅子の座面の角度は地面と水平に近く、背もたれは地面と垂直に近くなっている。しかし、座面が4点のみで点的に張設されているため、どうしても座面の中央に偏って沈んでしまう。これでは作業中や起立および着座の際に腰への負担が生じてしまい、長時間の作業を伴う場面では有効な構造とは言えない。
【0012】
特許文献3は、座面および背もたれの均等な張りや作業に適した角度は満たしている。しかし、構造上横からの着座の際に妨げとなるフレームを省略することが困難であるためテーブルでの作業を想定した利用に適した簡素な構造とは言えない。またフレームに曲げ加工を施す必要性があり使用する金具の数も多く、コスト面およびデザイン面でもより簡素なものが望ましい。
【0013】
このように従来の収束型折り畳み椅子では作業性を伴う場面に求められる要件を同時に実現するに至っておらず主にリラックス用として用いられている。本発明は座面および背もたれの均等な張りと角度、十分な座面高と座面長、肘掛け等を必須としない簡素な構造、を同時に実現し作業にも適した多用途かつ日用的に利用できる柱状に折り畳み可能な折り畳み椅子を提供を目指すものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の折り畳み椅子は、左右両側に配置される一対の側面フレーム部と、各々がフレーム部材とフレーム部材とが互いに交差しこの交点を支点として開閉可能に連結されたX字型構造の前面フレーム部および後面フレーム部と、を備える柱状に折り畳み可能な折り畳み椅子であって、
前記一対の側面フレーム部は、各々が座面支持部材と背もたれ支持部材と前脚部材と後脚部材を備え、
前記座面支持部材の展開時後端部は前記背もたれ部材の中間部に回動可能に連結し、
前記背もたれ部材の下端部は前記後脚部材の中間部に回動可能に連結し、
前記後脚部材の展開時前端部は前記前脚部材の中間部に回動可能に連結し、
前記前脚部材の上端部は前記座面支持部材の中間部に回動可能に連結しており、
右側に配置される前記座面支持部材の展開時前部は前記前面フレーム部の右側上部と各々が回動可能に連結し、
左側に配置される前記座面支持部材の展開時前部は前記前面フレーム部の左側上部と各々が回動可能に連結し、
右側に配置される前記背もたれ部材の上部は前記後面フレーム部の右側上部と各々が回動可能に連結し、
左側に配置される前記背もたれ部材の上部は前記後面フレーム部の左側上部と各々が回動可能に連結し、
右側に配置される前記後脚部材の展開時後部は前記後面フレーム部の右側下部と各々が回動可能に連結し、
左側に配置される前記後脚部材の展開時後部は前記後面フレーム部の左側下部と各々が回動可能に連結し、
右側に配置される前記前脚部の下部は前記前面フレーム部の右側下部と各々が回動可能に連結し、
左側に配置される前記前脚部の下部は前記前面フレーム部の左側下部と各々が回動可能に連結することを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
このようにすることで、肘掛け等の横からの着座の妨げとなるような側面フレームを必須としない簡単な構造で、十分な座面の広さ・長さや地面に対する水平に近い角度を確保しながらも背もたれの角度をより地面に対して垂直に近くすることが可能となる。また、座面および背もたれの均等な張りを同時に実現でき、リラックス用としてだけでなく作業性も高い、多用途かつ日用的に利用できる新しい収束型折り畳み椅子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態による(座面部材および背もたれ部材を図外して椅子フレームのみを図示した)展開状態の折り畳み椅子を示す斜視図
図2】実施形態による(座面部材および背もたれ部材を図外して椅子フレームのみを図示した)展開状態の折り畳み椅子を示す側面図
図3】実施形態による(座面部材および背もたれ部材を図外して椅子フレームのみを図示した)展開状態の折り畳み椅子を示す正面図
図4】実施形態による展開状態の折り畳み椅子を示す斜視図
図5】実施形態による(座面部材および背もたれ部材を図外して椅子フレームのみを図示した)折り畳み状態の折り畳み椅子を示す斜視図
図6】実施形態による(座面部材および背もたれ部材を図外して椅子フレームのみを図示した)折り畳み状態の折り畳み椅子を示す正面図
図7】実施形態による(座面部材および背もたれ部材を図外して椅子フレームのみを図示した)折り畳み状態の折り畳み椅子を示す側面図
図8】実施形態による折り畳み状態の折り畳み椅子を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
【0018】
以下の説明において、折り畳み椅子の前後、左右、及び上下は、折り畳み椅子を使用する際の使用者の姿勢を基準としており、具体的には各図に矢印で示す通りである。なお、折り畳み椅子の前後、左右、及び上下は、説明を容易にするために便宜的に設定したものであり、実施形態の説明の記載及び図に示した態様に限定されない。
【0019】
また、以下の説明において、ボルト等はボルト、ビスやリベットなどの接続方法を意図しているが、要旨を逸脱しない範囲で種々の部材に変更可能である。
【0020】
本実施形態において提供しようとする、作業性も高い多用途かつ日用的に利用できる折り畳み椅子とは、370mm以上の十分な座面の長さと、350mm以上の十分な座面の高さと、地面に対する水平に対して0度~10度後方が下がっている座面の角度と、地面に対する垂直に対して0度~25度以内の角度で上方が後ろに傾斜している背もたれの角度と、を備えるものを想定している。もちろん、本発明に係る折り畳み椅子の具体的な寸法は、上記したものに限定されない。
【0021】
本発明に係る折り畳み椅子の実施形態では、椅子フレーム1と座面部材および背もたれ部材2を備える。
【0022】
図1図3は椅子フレーム1の展開状態での構造を示したものである。椅子フレーム1はそれぞれ棒状に開閉可である前面フレーム部11と、後面フレーム部12と、一対の側面フレーム部13を、連結体141a、141b、142a、142b、143a、143b、144a、144bによって連結する構造となっている。
【0023】
前面フレーム部11はフレーム部材111とフレーム部材112が互いに交差しこの交点を支点として開閉可能にボルト等で連結されたX字型構造である。後面フレーム部12はフレーム部材121とフレーム部材122による同様のX字型構造である。なお、フレーム部材は、本例においてはそれぞれ一本の真っ直ぐな棒材であるが、上記のX字型構造を構成可能であればどのようなものでよく、例えば2本の棒材を金具等で固定して繋いだ部材にしてもよいし、曲部を持つ棒材などでも良い。
【0024】
このように前後面をX字構造とすることで、使用者の自重によって一対の側面フレーム13が左右に開かれ、その間に図4に示されているように張設された座面部材および背もたれ部材2に張る力がもたらされることで、座面の沈みが少なくなり使用者の腰への負担が軽減される。
【0025】
一対の側面フレーム部13は、各々が座面支持部材131と背もたれ支持部材132と後脚部材133と前脚部材134を備える。
【0026】
座面支持部材131の展開時後端部は背もたれ支持部材132の中間部に回動可能に連結し、前記背もたれ支持部材132の下端部は前記後脚部材133の中間部に回動可能に連結し、前記後脚部材133の展開時前端部は前記前脚部材134の中間部に回動可能に連結し、前記前脚部材134の上端部は前記座面支持部材131の中間部に回動可能に連結している。(これらの連結点が上記表記順に連結点13a、連結点13b、連結点13c、連結点13dとして各図内で示されている。)なお、これら4本の部材同士を連結する方法は、本例では部材同士の一部を重ねたうえで、連結点に穴をあけ、ボルト等を通すことによる接続である。もちろん、回動可能に連結可能であればこれに限らず、例えば金具等の連結体を用いた連結も可能である。
【0027】
側面フレーム部13を完全に柱状に折り畳むために、連結点13dから連結点13aまでの距離と連結点13aから連結点13bまでの距離の合計は、連結点13dから連結点13cまでの距離と連結点13cから連結点13bまでの距離の合計と等しく設計されている。(柱状に畳むことができる範囲での差は許容される。)
【0028】
また、この範囲内で連結点13dから連結点13aまでの距離と連結点13aから連結点13bまでの距離と連結点13dから連結点13cまでの距離と連結点13cから連結点13bまでの距離の値は全て等しくあってもよいし、もしくは向かいあった辺同士が等しくあっても良いが、本例では十分な座面の長さと座面および背もたれに理想的な角度を設定し、かつ完全な柱状の折り畳みを実現するためにそれぞれ違う長さを設定している。
【0029】
具体的に本実施形態においては、上記の条件内において、連結点13dから連結点13aまでの距離は75mm~125mmの間、連結点13aから連結点13bまでの距離は200mm~300mmの間、連結点13dから連結点13cまでの距離は150mm~250mmの間、連結点13cから連結点13bまでの距離は100mm~150mmの間にて設定されている。なお、本発明に係る折り畳み椅子の具体的な寸法は、上記したものに限定されない。
【0030】
このような側面フレーム部13の構成によって、座面支持部材131の角度をより地面に対して水平に近く設定し、背もたれ支持部材132の角度をより地面に対して垂直に設定することが可能になる。また、肘掛けを設置することは可能ではあり、設置を限定するものではないが、構造上必須としない(設置しなくても椅子として機能する)ため、本実施例では肘掛けを無くしている。そうすことで、机との併用をした際などにあまり椅子を引かなくても簡単に横から着座および立ち上がりが可能となる。また本例では側面フレーム部はボルト等をのぞけば4本の部材から構成されるという非常にシンプルな構成であるため、デザイン面・コスト面でも大きなメリットがある。
【0031】
右側に配置される前記座面支持部材の展開時前部は前記前面フレーム部の右側上部と連結体141bによって各々が回動可能に連結し、左側に配置される前記座面支持部材の展開時前部は前記前面フレーム部の左側上部と連結体141aによって各々が回動可能に連結し、右側に配置される前記背もたれ部材の上部は前記後面フレーム部の右側上部と連結体143bによって各々が回動可能に連結し、左側に配置される前記背もたれ部材の上部は前記後面フレーム部の左側上部と連結体143aによって各々が回動可能に連結し、右側に配置される前記後脚部材の展開時後部は前記後面フレーム部の右側下部と連結体144bによって各々が回動可能に連結し、左側に配置される前記後脚部材の展開時後部は前記後面フレーム部の左側下部と連結体144aによって各々が回動可能に連結し、右側に配置される前記前脚部の下部は前記前面フレーム部の右側下部と連結体142bによって各々が回動可能に連結し、左側に配置される前記前脚部の下部は前記前面フレーム部の左側下部と連結体142aによって各々が回動可能に連結することで、椅子フレーム1全体が柱状に折り畳み可能となる。
【0032】
より具体的には、本例ではよりシンプルな構造とするために、それぞれの連結箇所に合わせた寸法のコの字型の金具を連結体として用いている。もちろん、他の形状、材質、大きさの連結体や他の連結方法であっても連結する部材同士が各々回動可能であればどのような方法でもよく、例えば本例の連結体141aと142aを1本の伸縮可能な柱部材に置き換えて補強と連結を両立するような方法でもよい。
【0033】
図面4は展開時に座面部材および背もたれ部材2を設置した状態を示している。座面部材および背もたれ部材2は本実施形態においては布からなり、両側面側が折り返しされていることで、椅子フレームを構成する部材に通して張設される。具体的には図4に示されている通り、一対の座面支持部材131および背もたれ支持部材132に通すことで、座面および背もたれとして使用される。なお、上記の設置方法・素材に限らず、椅子としての強度と柔軟性を実現できるものであれば、種々のものを選択可能である。例えば素材に網(ネット)のような材料を用いてもよいし、固定はリベット等でしてもよい。また本例では、1つのシート部材により背もたれと座面を構成しているが、2つのシート部材によりそれぞれ構成するようにしてもよい。
【0034】
このような状態で張設されることで、座面部材および背もたれ部材2は、一対の座面支持部材131および背もたれ支持部材132によって線的に引っ張られ、均等に張ることとなり、より座り心地がよく作業を伴う場面でも腰への負担の少ない椅子を提供することができる。
【0035】
座面部材および背もたれ部材2を外した図1のような状態から、図4のような装着した状態にするには以下のような手順を取る。座面部材および背もたれ部材2は、背もたれとなる部分と座面となる部分の間の両側が切り欠かれている。この部分から、椅子フレーム1を軽く折り畳んだ状態で、一対の座面支持部材131および背もたれ支持部材132を、各々の先端から挿入することで装着できる。その際には、連結体141a、141b、143a、143b、と連結点13dの連結点のボルト等を外しておく。この逆を行うことで簡単に外すこともでき、使用者が座面部材および背もたれ部材2を洗濯したり取り替えることが容易に可能となる。
【0036】
図5図8は折り畳み椅子を柱状に折り畳んだ状態を示したものである。使用者が一方の側面側の座面支持部材131の展開時前端部分と逆の側面側の背もたれ支持部材132の上端部を近づけるように動かすことで、椅子全体が連動して折り畳まれる。座面部材および背もたれ部材2を設置した状態でも、座面部材および背もたれ部材2を少し折り畳むことで、折り畳まれた椅子フレーム1の内側に収納させることができるため、図8の通り完全に折り畳み可能である。
【符号の説明】
【0037】
1椅子フレーム
11 前面フレーム部
111 前面フレーム部を構成する第一のフレーム部材
112 前面フレーム部を構成する第二のフレーム部材
12 後面フレーム部
121 後面フレーム部を構成する第一のフレーム部材
122 後面フレーム部を構成する第二のフレーム部材
13 側面フレーム部
131 座面支持部材
132 背もたれ支持部材
133 後脚部材
134 前脚部材
13a (座面支持部材と背もたれ支持部材の)連結点
13b (背もたれ支持部材と後脚部材の)連結点
13c (後脚部材と前脚部材の)連結点
13d (前脚部材と座面支持部材の)連結点
141a 連結体(前上部左側)
141b 連結体(前上部右側)
142a 連結体(前下部左側)
142b 連結体(前下部右側)
143a 連結体(後上部左側)
143b 連結体(後上部右側)
144a 連結体(後下部左側)
144b 連結体(後下部右側)
2 座面部および背もたれ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8