(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143954
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20241003BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20241003BHJP
H04N 5/265 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H04N23/60 500
H04N5/222 400
H04N5/265
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023077070
(22)【出願日】2023-05-09
(31)【優先権主張番号】P 2023056317
(32)【優先日】2023-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】307010096
【氏名又は名称】フリュー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】松原 菜津美
(72)【発明者】
【氏名】荒木 卓
【テーマコード(参考)】
5C023
5C122
【Fターム(参考)】
5C023AA16
5C023BA11
5C023CA01
5C122EA42
5C122FH18
5C122FK23
5C122FK37
5C122FK41
5C122HA13
5C122HA35
5C122HB01
5C122HB05
5C122HB09
(57)【要約】
【課題】被写体として写るユーザ自身が画像のレタッチを行う場合において、レタッチの機能を試すことができるようにする。
【解決手段】本技術の一側面の情報処理装置においては、レタッチ対象となる複数枚の画像を撮影済みの画像の中から選択する第1の選択作業と、選択した画像に対するレタッチの内容を選択する第2の選択作業とを含むレタッチ作業を被写体として写るユーザが行う場合のモードとして、体験版となる第1のモードと正式版となる第2のモードとが用意される。本技術は、撮影スタジオに設置されたコンピュータに適用することができる。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レタッチ対象となる複数枚の画像を撮影済みの画像の中から選択する第1の選択作業と、選択した画像に対するレタッチの内容を選択する第2の選択作業とを含むレタッチ作業を被写体として写るユーザが行う場合のモードとして、体験版となる第1のモードと正式版となる第2のモードとが用意され、1組の前記ユーザ毎に、前記レタッチ作業を前記第1のモードで行うか前記第2のモードで行うかを選択させる制御部を備える
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1のモードでの前記第2の選択作業が行われている最中に前記第2のモードへの切り替えが選択された場合、
前記制御部は、前記第1のモード時にレタッチ対象として選択された複数枚の画像と同じ画像が選択された状態で、前記第2のモードでの前記第1の選択作業または前記第2の選択作業を開始させる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1のモードでの前記第2の選択作業が行われている最中に前記第2のモードへの切り替えが選択された場合、
前記制御部は、前記第2の選択作業による選択済みの前記レタッチの内容を前記第2のモードに引き継ぐか否かを選択させる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1のモードでの前記第2の選択作業に用いられるレタッチ画面と、前記第2のモードでの前記第2の選択作業に用いられるレタッチ画面として、同じ種類のレタッチ機能の選択に用いられるUI情報が配置された画面を表示させる表示制御部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記第1のモードから前記第2のモードに切り替えるときに操作されるボタンを前記第1のモードでのレタッチ画面に表示させる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2の選択作業による選択内容に応じた画像処理をレタッチ対象のそれぞれの画像に施す画像処理部をさらに備え、
前記第1のモードは、前記画像処理後の画像の出力が制限されたモードであり、
前記第2のモードは、前記画像処理後の画像の出力が可能なモードである
請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、読み出し対象として選択されたフォルダに格納されている撮影済みの画像の枚数が、レタッチ対象として設定された設定枚数と同じ枚数である場合、前記フォルダに格納されているすべての画像が選択済みの状態で前記画像選択画面の表示を開始させる
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置が、
レタッチ対象となる複数枚の画像を撮影済みの画像の中から選択する第1の選択作業と、選択した画像に対するレタッチの内容を選択する第2の選択作業とを含むレタッチ作業を被写体として写るユーザが行う場合のモードとして、体験版となる第1のモードと正式版となる第2のモードとが用意され、1組の前記ユーザ毎に、前記レタッチ作業を前記第1のモードで行うか前記第2のモードで行うかを選択させる
情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
レタッチ対象となる複数枚の画像を撮影済みの画像の中から選択する第1の選択作業と、選択した画像に対するレタッチの内容を選択する第2の選択作業とを含むレタッチ作業を被写体として写るユーザが行う場合のモードとして、体験版となる第1のモードと正式版となる第2のモードとが用意され、1組の前記ユーザ毎に、前記レタッチ作業を前記第1のモードで行うか前記第2のモードで行うかを選択させる
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関し、特に、被写体として画像に写るユーザ自身がレタッチを行う場合において、レタッチの機能を試すことができるようにした情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
成人式、結婚式などのイベントの記念撮影のサービスとして、撮影スタジオでカメラマンに撮影してもらった画像のレタッチをユーザが自分で行うことができるようにしたサービスがある(特許文献1)。撮影を終えたユーザは、撮影スタジオの別のスペースに用意されたPCなどを用いてレタッチを行うことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レタッチの機能によって画像の見え方がどのように変わるのかを試してみたいというニーズがある。
【0005】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、被写体として画像に写るユーザ自身がレタッチを行う場合において、レタッチの機能を試すことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の一側面の情報処理装置は、レタッチ対象となる複数枚の画像を撮影済みの画像の中から選択する第1の選択作業と、選択した画像に対するレタッチの内容を選択する第2の選択作業とを含むレタッチ作業を被写体として写るユーザが行う場合のモードとして、体験版となる第1のモードと正式版となる第2のモードとが用意され、1組の前記ユーザ毎に、前記レタッチ作業を前記第1のモードで行うか前記第2のモードで行うかを選択させる制御部を備える。
【0007】
本技術の一側面においては、レタッチ対象となる複数枚の画像を撮影済みの画像の中から選択する第1の選択作業と、選択した画像に対するレタッチの内容を選択する第2の選択作業とを含むレタッチ作業を被写体として写るユーザが行う場合のモードとして、体験版となる第1のモードと正式版となる第2のモードとが用意される。また、1組の前記ユーザ毎に、前記レタッチ作業を前記第1のモードで行うか前記第2のモードで行うかが選択される。
【発明の効果】
【0008】
本技術によれば、被写体として画像に写るユーザ自身がレタッチを行う場合において、レタッチの機能を試すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】撮影スタジオにおける作業の流れを示す図である。
【
図4】レタッチ選択領域の表示を拡大して示す図である。
【
図5】レタッチパラメータの適用の例を示す図である。
【
図9】体験版モード時の画像選択画面の例を示す図である。
【
図10】体験版モード時の他の画像選択画面の例を示す図である。
【
図11】体験版モード時のレタッチ画面の例を示す図である。
【
図12】モード切り替え時の表示例を示す図である。
【
図14】パラメータ選択作業の開始前の表示例を示す図である。
【
図15】ミニモード時のレタッチ画面の例を示す図である。
【
図16】ミニモード時とフルモード時のレタッチ画面を示す図である。
【
図19】見比べ機能選択時の表示例を示す図である。
【
図20】レタッチ用PCの構成例を示すブロック図である。
【
図21】レタッチ用PCの機能構成例を示すブロック図である。
【
図22】フォルダ内の画像の枚数に応じた画像選択の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<<撮影スタジオでの作業の流れ>>
図1は、撮影スタジオにおける作業の流れを示す図である。
【0011】
本技術は、例えばウェディングの記念撮影を行う撮影スタジオにおいて用いられる。本技術は、入学/卒業の記念写真、成人式の記念写真、七五三の記念写真などの、各種のイベントの記念写真の撮影を行う場合にも適用可能である。
【0012】
図1の左側に示すように、撮影スタジオにおける撮影はカメラマンにより行われる。
図1の例においては、背景スクリーンの前に立つ新郎と新婦を被写体として撮影が行われている。新郎はタキシード姿であり、新婦はウェディングドレス姿である。新郎と新婦の周りには、カメラマンによる撮影にあわせて発光するストロボ装置などの機材が配置される。新郎新婦などの撮影が撮影スタジオの外で行われるようにしてもよい。
【0013】
カメラマンによる撮影は、構図を変えて、50枚、100枚などの多くの枚数の静止画像(写真)を撮影するようにして行われる。静止画像の構図は、新郎と新婦のポーズ、新郎、新婦とカメラマンとの位置関係、焦点距離などのカメラパラメータなどにより決定される。カメラマンにより撮影された静止画像である撮影画像は、カメラに接続された図示せぬPCに転送され、保存される。
【0014】
撮影が終了した後、新郎と新婦は、撮影スタジオに用意されたレタッチスペースに移動し、
図1の右側に示すように、レタッチ用PC1を利用して、カメラマンに撮影してもらった撮影画像を確認する。
【0015】
また、新郎と新婦は、レタッチ用PC1のユーザとして、例えば最終的に印刷してもらう枚数の撮影画像を選択し、自らレタッチすることによって、それぞれの撮影画像の写りを調整する。カメラマンにより撮影してもらった撮影画像の中から選択された一部の撮影画像を対象としてレタッチが行われる。例えば、ユーザが申し込んだプランに応じた、5枚、10枚などの所定の枚数の撮影画像がレタッチ対象の画像として選択される。レタッチ(加工)には、撮影画像の写りを調整するための各種の画像処理が含まれる。レタッチ対象とする画像の枚数の選択に用いられる画面が画像選択画面の前に表示されるようにしてもよい。1~10枚などの所定の枚数のうちの任意の枚数が、レタッチ対象とする画像の前に選択される。
【0016】
レタッチスペースには、1台、または複数台のレタッチ用PC1が用意される。保存用のPCに保存された撮影画像がレタッチ用PC1に転送され、レタッチ用PC1のディスプレイ11に表示される。レタッチ用PC1には、カメラマンに撮影してもらった撮影画像をレタッチすることに用いられるアプリケーションであるレタッチアプリ1Aがインストールされている。
【0017】
このように、本技術を適用したレタッチ用PC1が設置された撮影スタジオにおいては、カメラマンに撮影してもらった撮影画像のレタッチがユーザ(新郎と新婦)自身により行われる。ユーザは、レタッチアプリ1Aの機能を利用して、自分の好みの写りとなるように撮影画像のレタッチを行うことができる。タブレット端末などの、PCとは異なる端末にレタッチアプリ1Aがインストールされ、レタッチに用いられるようにしてもよい。
【0018】
【0019】
レタッチアプリ1Aによるレタッチ済みの撮影画像は、撮影スタジオの運営会社により印刷され、矢印#1に示すように、例えばアルバムなどの形で後日ユーザに渡される。
【0020】
また、レタッチ済みの撮影画像は、矢印#2に示すように、レタッチ用PC1から画像管理サーバ2にアップロードされ、画像管理サーバ2において管理される。画像管理サーバ2は、例えばインターネット上のサーバである。撮影スタジオの運営会社により、または、撮影スタジオの運営会社とは異なる事業者により画像管理サーバ2が管理される。
【0021】
ユーザは、スマートフォンなどの自分の携帯端末3を操作し、画像管理アプリ3Aを操作することによって、矢印#3に示すように、自分たちが被写体となって撮影してもらった撮影画像を閲覧したり、ダウンロードしたりすることができる。画像管理アプリ3Aは、画像管理サーバ2において管理されている撮影画像の閲覧等を行うためのアプリケーションである。画像管理アプリ3Aは、例えば、画像管理サーバ2を管理する事業者により提供される。
【0022】
撮影スタジオにおいて撮影された撮影画像の提供は、アルバムの形で行われるとともに、適宜、データの形で行われることになる。データでの撮影画像の提供が、アルバムの料金とは別料金で可能となるようにしてもよい。
【0023】
データでの撮影画像の提供は、ユーザによりレタッチが行われた撮影画像だけでなく、レタッチ対象としてユーザにより選択されなかった撮影画像をも提供するようにして行われる。レタッチ対象としてユーザにより選択されなかった撮影画像については、後述するように、ユーザの操作によらずに、レタッチアプリ1Aによって自動的にレタッチが行われる。
【0024】
ユーザは、レタッチ対象として選択しなかった撮影画像についても、データの形で受け取ることが可能となる。画像管理アプリ3Aを用いるのではなく、ブラウザを利用して所定のサイトにアクセスし、画像管理サーバ2において管理されている撮影画像を受け取ることができるようにしてもよい。例えば、画像管理サーバ2の管理者が提供する画像提供サービスの会員登録を行うことにより、ユーザは、画像管理サーバ2において管理されている撮影画像を、画像管理アプリ3Aを利用して、または、ブラウザを利用して受け取ることが可能となる。
【0025】
携帯端末3ではなく、タブレット端末やPCなどの他の端末を利用して撮影画像を受け取ることができるようにしてもよい。
【0026】
<<レタッチアプリについて>>
<画面表示>
・レタッチ画面
図3は、レタッチ画面の例を示す図である。
【0027】
撮影画像のレタッチに用いられる画面であるレタッチ画面の中央上方には表示領域31が形成される。表示領域31は、レタッチ対象となっている1枚の撮影画像が拡大表示される領域である。表示領域31の左側に形成されたサムネイル領域32には、ユーザにより選択された撮影画像のサムネイル画像が表示される。
図3の例においては、撮影画像P1乃至P5の5枚の撮影画像のサムネイル画像が表示されている。サムネイル画像を用いて選択された撮影画像P1が、表示領域31に拡大表示される。
【0028】
レタッチ画面の下には横長のレタッチ選択領域33が形成される。レタッチ選択領域33に表示されたボタンを用いて、レタッチの内容が選択される。レタッチ選択領域33に表示されたボタンを用いてレタッチの内容が選択される毎に、選択された内容が表示領域31の表示に反映される。ユーザは、表示領域31の表示を見ながら、レタッチ対象となっている撮影画像に施すレタッチの内容をレタッチ選択領域33の表示を用いて選択することになる。
【0029】
図4は、レタッチ選択領域33の表示を拡大して示す図である。
【0030】
レタッチ選択領域33は、顔・体全体の調整に用いられる情報の表示領域である領域33-1、目元・メイクの調整に用いられる情報の表示領域である領域33-2、および、明るさの調整に用いられる情報の表示領域である領域33-3から形成される。
【0031】
レタッチ選択領域33の左側に形成された領域33-1には、小顔感の調整に用いられる調整ボタン51、顔の形の調整に用いられる調整ボタン52、肌質の調整に用いられる調整ボタン53、あごの長さの調整に用いられる調整ボタン54、スタイルの調整(スタイルアップ)に用いられる調整ボタン55が表示される。
【0032】
小顔感として、5段階のレベル(調整度合い)が用意される。小顔感の「0」は、顔の大きさを変えないで、オリジナルの大きさのままとすることを表す。また、小顔感の「1」は、「1」に対応するパラメータに基づいて、顔の大きさを1段階小さくすることを表す。ユーザは、「1」乃至「4」のいずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分の顔の大きさを調整することができる。
【0033】
顔の形として、「まる」、「たまご」、「ほっそり」が用意される。ユーザはいずれかの形を選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分の顔の形を調整することができる。「レタッチなし」を選択することにより、顔の形を変えないことも可能とされる。
【0034】
肌質として、5段階のレベルが用意される。肌質の「0」は、肌質を変えないで、オリジナルの肌質のままとすることを表す。また、肌質の「1」は、「1」に対応するパラメータに基づいて、肌質のレベルを1段階上げることを表す。ユーザは、「1」乃至「4」のいずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分の肌質の滑らかさの程度を調整することができる。
【0035】
あごの長さとして、3段階のレベルが用意される。あごの長さの「0」は加工なし、すなわちあごの長さを変えないで、オリジナルの長さのままとすることを表す。また、あごの長さの「短い」は、「短い」に対応するパラメータに基づいて加工を行い、あごの長さを1段階短くすることを表す。ユーザは、いずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分のあごの長さを調整することができる。
【0036】
スタイルアップとして、3段階のレベルが用意とされる。スタイルアップの「0」は加工なし、すなわちスタイルを変えないで、オリジナルのスタイルのままとすることを表す。また、スタイルアップの「弱い」は、「弱い」に対応するパラメータに基づいて、足を長くするなどの加工を行い、全身のバランスを1段階よくすることを表す。ユーザは、いずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分のスタイルを調整することができる。
【0037】
レタッチ選択領域33の中央に形成された領域33-2には、目の大きさの調整に用いられる調整ボタン56、目の形の調整に用いられる調整ボタン57、メイクの濃さの調整に用いられる調整ボタン58、鼻筋の調整に用いられる調整ボタン59、ひげ消しの調整に用いられる調整ボタン60が表示される。
【0038】
目の大きさとして、5段階のレベルが用意される。目の大きさの「0」は加工なし、すなわち目の大きさを変えないで、オリジナルの大きさのままとすることを表す。また、目の大きさの「1」は、「1」に対応するパラメータに基づいて、目の大きさを1段階大きくすることを表す。ユーザは、「1」乃至「4」のいずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分の目の大きさを調整することができる。
【0039】
目の形として、「まる目」、「たれ目」、「ねこ目」が用意される。ユーザは、いずれかの形を選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分の目の形を調整することができる。「加工なし」を選択することにより、目の形を変えないことも可能とされる。
【0040】
メイクの濃さとして、5段階のレベルが用意される。メイクの濃さの「0」は、メイクの濃さを変えないで、オリジナルの濃さのままとすることを表す。また、メイクの濃さの「1」は、「1」に対応するパラメータに基づいて、メイクの濃さを1段階濃くすることを表す。ユーザは、「1」乃至「4」のいずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分のメイクの濃さを調整することができる。
【0041】
鼻筋として、オン/オフを選択することが可能とされる。ユーザは、オンまたはオフを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分の鼻筋のハイライト部分を強調するか、オリジナルの状態のままとするかを選択することができる。
【0042】
ひげ消しとして、3段階のレベルが用意される。ひげ消しの「0」は、ひげを変えないで、オリジナルのひげのままとすることを表す。また、ひげ消しの「弱い」は、「弱い」に対応するパラメータに基づいて加工を行い、ひげを1段階薄くすることを表す。ユーザは、いずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分のひげの濃さを調整することができる。ひげ消しの機能は、レタッチ対象の人物が新郎である場合に有効となる。
【0043】
レタッチ選択領域33の右側に形成された領域33-3には、肌の明るさの調整に用いられる調整ボタン61、全体の明るさの調整に用いられる調整ボタン62、背景のみの明るさの調整に用いられる調整ボタン63が表示される。
【0044】
肌の明るさとして、3段階のレベルが用意される。肌の明るさの「0」は、肌の明るさを変えないで、オリジナルの明るさのままとすることを表す。また、肌の明るさの「1」は、「1」に対応するパラメータに基づいて、肌の明るさのレベルを1段階上げることを表す。ユーザは、いずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る自分の肌の明るさを調整することができる。
【0045】
全体の明るさとして、3段階のレベルが用意される。全体の明るさの「0」は、全体の明るさを変えないで、オリジナルの明るさのままとすることを表す。また、全体の明るさの「1」は、「1」に対応するパラメータに基づいて、全体の明るさのレベルを1段階上げることを表す。ユーザは、いずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る全体の明るさを調整することができる。
【0046】
背景の明るさとして、3段階のレベルが用意される。背景の明るさの「0」は、背景の明るさを変えないで、オリジナルの明るさのままとすることを表す。また、背景の明るさの「1」は、「1」に対応するパラメータに基づいて、背景の明るさのレベルを1段階上げることを表す。ユーザは、いずれかのレベルを選択することにより、表示領域31に表示されている撮影画像に写る背景の明るさを調整することができる。
【0047】
図3の説明に戻り、表示領域31の左側には一括レタッチに用いられる一括レタッチボタン34が表示される。一括レタッチは、上述したような各種のレタッチ内容の組み合わせを一括して選択する機能である。
【0048】
図3の例においては、レタッチ内容のレベルの組み合わせが異なる3種類のレベルの一括レタッチの中からいずれかのレベルを選択することができるようになっている。ユーザは、一括レタッチの機能を利用することにより、それぞれのレタッチ内容をレタッチ選択領域33の表示を用いて選択することなく、一度の操作で選択することができる。
【0049】
表示領域31の右側には加工前ボタン35が表示される。加工前ボタン35は、表示領域31の表示を、レタッチ前の状態に切り替えるときに操作されるボタンである。加工前ボタン35が押下されている間、レタッチ前の状態の撮影画像が表示領域31に表示される。ユーザは、加工前ボタン35を用いることにより、レタッチ後の状態とレタッチ前の状態とを見比べ、レタッチの度合いが強すぎないかどうかなどを確認することができる。
【0050】
加工前ボタン35の上には、レタッチを終えるときに操作される終了ボタン36が表示される。
【0051】
ユーザは、このような各種の機能を用いて、表示領域31に表示させている撮影画像に施すレタッチの内容を選択することができる。このように、レタッチアプリ1Aを用いて行うことができるレタッチには、顔・体全体の調整、目元・メイクの調整、明るさの調整が少なくとも含まれる。
【0052】
レタッチ対象とする撮影画像がサムネイル画像を用いて切り替えられ、撮影画像P1乃至P5のそれぞれのレタッチが順次行われる。撮影画像P1乃至P5のそれぞれのレタッチが終わり、終了ボタン36が操作されたとき、レタッチ画面を用いたレタッチが終了となる。
【0053】
<全数反映>
図5は、レタッチパラメータの適用の例を示す図である。
【0054】
図5に示すように、ユーザによる操作によって撮影画像P1乃至P5のそれぞれに施されたレタッチの内容が全ての未選択画像に反映される。未選択画像は、レタッチ対象として選択されなかった撮影画像である。画像選択画面においてレタッチ対象として選択された撮影画像は、選択画像となる。例えば、100枚の撮影画像の中から5枚の撮影画像が選択画像として選択された場合、残りの95枚の撮影画像が未選択画像となる。
【0055】
すなわち、プランに応じた枚数の分だけレタッチ対象として選択された撮影画像(選択画像)のレタッチが、レタッチ画面を用いてユーザにより直接選択された内容に従って行われるのに対して、レタッチ対象として選択されなかった未選択画像のレタッチは、違う画像である選択画像を対象として選択された内容を自動的に反映させるようにして行われる。例えば、全ての未選択画像に対して、選択画像のレタッチの内容が反映される。
【0056】
このように、ユーザ自身によるレタッチの後、選択画像のレタッチの内容を未選択画像に反映させる機能である全数反映の機能がレタッチアプリ1Aに用意される。
【0057】
ブライダル写真などのイベントの撮影においては、通常、数百枚分などの多くの撮影が行われる。カメラマンに撮影してもらった全ての画像のレタッチをユーザが自ら手動で行うのは負担が大きい。選択画像のレタッチの内容が全ての未選択画像に反映されるようにすることにより、ユーザは、撮影してもらった全ての画像を、自分の好みの写りに調整された状態で受け取ることができる。
【0058】
レタッチ済みの撮影画像P1乃至P5のうちのどの撮影画像のレタッチの内容をどの未選択画像に対して反映させるかが、同じ人物が写っているかどうか、顔の大きさが同程度の大きさであるかどうかなどの、選択画像と未選択画像のそれぞれの特徴によって選択される。例えば、ある未選択画像に対しては、その未選択画像に写っている人物と同じ人物の顔が同程度の大きさで写っている選択画像のレタッチの内容が反映される。
【0059】
この場合、それぞれの撮影画像(選択画像と未選択画像)に写る人物の人数、顔のサイズなどの特徴が認識される。それぞれの未選択画像に対して、同じ特徴を有する選択画像のレタッチの内容が反映される。
【0060】
レタッチアプリ1Aには、このような撮影画像の特徴を認識する機能も搭載される。サイズだけでなく、顔の向きなどの他の顔の状態が認識されるようにしてもよい。また、人物の性別、年齢、撮影場所(屋外/屋内)などの、他の種類の特徴が認識されるようにしてもよい。
【0061】
<接客モードと書き出しモード>
レタッチアプリ1Aの動作モードとして接客モードと書き出しモードが用意される。接客モードは、レタッチ画面を用いたレタッチをユーザが行うときに選択される動作モードである。書き出しモードは、全数反映を行うときに選択される動作モードである。
【0062】
【0063】
選択画面には、接客モードを選択するときに操作されるボタン81と、書き出しモードを選択するときに操作されるボタン82が表示される。ボタン82の左側には、体験版モードでレタッチアプリ1Aを起動するときに操作されるボタン83が表示される。体験版モードについては後述する。
【0064】
あるユーザにレタッチを行ってもらう場合、例えば撮影スタジオのスタッフは、
図6に示すような選択画面を用いて接客モードを選択し、ユーザにレタッチを行ってもらうことになる。また、ユーザによるレタッチの終了後、撮影スタジオのスタッフは、書き出しモードを選択し、全数反映を行うことになる。
【0065】
図7は、あるユーザを対象とした作業の流れを示す図である。
【0066】
図7に示すように、ユーザを被写体としたカメラマンによる撮影が行われ、その後、レタッチアプリ1Aの接客モードを利用して、ユーザによるレタッチが行われる。ユーザによるレタッチの終了後、書き出しモードを利用して、スタッフによる全数反映が行われる。
【0067】
上述したように、1回の撮影で数百枚の撮影が行われるため、全数反映は、レタッチ用PC1の処理負担が大きく、かつ、時間がかかる処理となる。書き出しモードを用意し、書き出しモードが選択されてから全数反映が行われるようにすることにより、レタッチの終了直後に全数反映が自動的に開始されてしまい、それによって次のユーザのレタッチを開始させることができないといった状態になるのを防ぐことが可能となる。
【0068】
すなわち、
図8に示すように、複数のユーザ(新郎新婦の複数のペア)の分の全数反映を、全てのユーザのレタッチの終了後に行うことが可能となる。
【0069】
図8の例においては、ある新郎新婦のペアであるユーザ#1の撮影後にユーザ#1によるレタッチが行われ、その後、違う新郎新婦のペアであるユーザ#2の撮影と、ユーザ#2によるレタッチが行われている。ユーザ#2のレタッチの後、さらに、違う新郎新婦のペアをユーザとした撮影と、そのユーザによるレタッチが行われる。ユーザ#1によるレタッチとユーザ#2の撮影が並行して行われるといったように、あるユーザの作業は、適宜、他のユーザの作業と並行して行われる。
【0070】
例えば全てのユーザの撮影とレタッチが終了した後、書き出しモードを利用して、それぞれのユーザの分の全数反映が行われる。
図8の例においては、ユーザ#1の分の全数反映の後に、ユーザ#2の分の全数反映が行われている。
【0071】
このように、複数のユーザの分の全数反映をまとめて実行させることができるようにすることにより、レタッチが行われる毎に全数反映を実行する場合と較べて、全体のオペレーションの効率化を図ることが可能となる。
【0072】
<体験版モードについて>
体験版モードは、レタッチアプリ1Aのレタッチ機能をユーザに試してもらうために利用される動作モードとなる。例えば、撮影を終えたユーザにレタッチ機能の利用を促すときなどに体験版モードが用いられる。体験版モードを用いて、レタッチ対象とする撮影画像の選択とレタッチ画面を用いたレタッチが行われる。体験版モードの利用は例えば無料として設定される。
【0073】
体験版モードの機能は、レタッチ後の撮影画像の出力が制限される点を除いて、接客モードの機能と同じである。レタッチ後の撮影画像の出力には、レタッチ後の撮影画像の保存、外部の装置への送信、印刷が含まれる。レタッチ後の撮影画像を保存して上述した書き出しモードの機能によって全数反映を行うためには、正式版の動作モードとなる接客モードを選択する必要がある。
【0074】
体験版モードと接客モードのいずれの動作モードも、レタッチ対象となる複数枚の撮影画像を撮影済みの画像の中から選択する画像選択作業と、選択した撮影画像に対するレタッチの内容を選択するパラメータ選択作業とを含む一連のレタッチ作業を、被写体として写るユーザが行う動作モードとなる。ユーザ毎(ユーザの組毎)に、体験版モードを選択することが可能となる。カメラマンなどの、撮影スタジオ側のスタッフが一連のレタッチ作業を行うことにレタッチアプリ1Aが用いられるようにしてもよい。
【0075】
・画像選択画面(体験版モード)
図9は、体験版モード時の画像選択画面の例を示す図である。
【0076】
体験版モードで動作しているときの画面の右上には、体験版モードで起動していることを表すアイコンが表示される。体験版モードで起動していることを表すアイコンが表示される点を除いて、体験版モード時の画像選択画面は、接客モード時の画像選択画面と同じ画面となる。
【0077】
画像選択画面の上方には、5枚の撮影画像を選択することを案内するメッセージが表示される。撮影画像の選択枚数は、画像選択の前に、例えば、撮影スタジオのスタッフにより設定される。5枚の撮影画像を印刷してアルバムとして受け取るプランをユーザが申し込んでいる場合、選択枚数として5枚が設定される。
【0078】
画像選択画面の右側にはサムネイル表示領域101が形成される。サムネイル表示領域101は、撮影画像のサムネイル画像が表示される領域である。例えば50枚の撮影画像の撮影が行われている場合、50枚の撮影画像のそれぞれのサムネイル画像が表示される。
【0079】
サムネイル画像を用いて選択された撮影画像が、サムネイル表示領域101の左側に形成された表示領域102に拡大表示される。
図9の例においては、サムネイル表示領域101の左上端に表示されている撮影画像P1のサムネイル画像が選択され、撮影画像P1が表示領域102に拡大表示されている。
【0080】
表示領域102の右下には決定ボタン103が表示される。決定ボタン103は、表示領域102に表示されている撮影画像をレタッチ対象として決定するときに押下されるボタンである。ユーザは、サムネイル画像を選択することによってそれぞれの撮影画像を表示領域102に順次拡大して表示させ、気に入った撮影画像があったとき、決定ボタン103を押下してレタッチ対象として選択することになる。
【0081】
表示領域102の下には、ユーザにより選択された撮影画像のサムネイル画像が表示される選択画像表示領域104が形成される。撮影画像P1乃至P4の4枚が選択された場合、それぞれのサムネイル画像が
図10に示すように並べて表示される。
【0082】
5枚の撮影画像の選択が終了した場合、画像選択作業は終了となる。レタッチ対象とする撮影画像の選択が終了した後、選択されたそれぞれの撮影画像に対するレタッチが開始される。
【0083】
・レタッチ画面(体験版モード)
図11は、体験版モード時のレタッチ画面の例を示す図である。
図3等を用いて説明した表示と同じ表示には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0084】
体験版モード時のレタッチ画面の右上には、終了ボタン121とモード切替ボタン122が表示される。終了ボタン121とモード切替ボタン122が
図3の終了ボタン36に代えて表示される点を除いて、
図11のレタッチ画面は
図3のレタッチ画面と同じである。
図11のレタッチ画面には、接客モード時に選択可能なレタッチ機能と同じ種類の機能を選択するときに操作されるボタン、スライドバーなどのUI情報が配置される。
【0085】
ユーザは、
図11のレタッチ画面を用いて、接客モード時に選択可能なレタッチ機能を試すことができる。
【0086】
終了ボタン121は、体験版モードを終えるときに操作されるボタンである。モード切替ボタン122は、レタッチアプリ1Aの動作モードを正式版である接客モードに切り替えるときに操作されるボタンである。このように、体験版モードのパラメータ選択作業を行っている最中に接客モードに切り替えることが可能とされる。
【0087】
撮影画像P1乃至P5を順次選択してレタッチ機能を試し終えたことからモード切替ボタン122が操作された場合、
図12に示すように、接客モードに切り替えるか否かを問い合わせるメッセージがポップアップ表示される。ユーザは、メッセージとともに表示されるボタンを操作し、接客モードに切り替えるか、体験版モードのレタッチ画面に戻るかを選択することになる。
【0088】
・画像選択画面(接客モード)
図13は、接客モードに切り替えることが選択されたときに表示される画像選択画面の例を示す図である。
図13の画像選択画面には、体験版モードで起動していることを表すアイコンが表示されていない。接客モードに切り替えることが選択された場合、ユーザの作業は画像選択作業から開始される。
【0089】
動作モードの切り替え直後の画像選択画面は、体験モード時にレタッチ対象として選択された撮影画像が選択済みの状態で表示される。すなわち、体験モードの画像選択作業において撮影画像P1乃至P5が選択されている場合、撮影画像P1乃至P5のそれぞれのサムネイル画像が選択画像表示領域104に表示された状態の画像選択画面が表示される。
【0090】
ユーザは、体験版モードで選択した撮影画像と同じ画像をレタッチ対象としてそのまま選択することもできるし、体験版モードで選択した撮影画像に代えて違う画像をレタッチ対象として選択することもできる。体験版モードで選択した撮影画像と同じ画像があらかじめ選択された状態で作業が開始されるため、ユーザは画像選択作業を効率的に行うことができる。
【0091】
接客モードへの切り替え後の画像選択作業が終わった場合、レタッチアプリ1Aの画面がレタッチ画面に切り替わり、パラメータ選択作業が行われる。
【0092】
図14は、パラメータ選択作業の開始前の表示例を示す図である。
【0093】
図14の例においては、体験版モードのレタッチ画面を用いて選択したレタッチの内容を、画像選択作業で選択した撮影画像に反映するか否かを問い合わせるメッセージがポップアップ表示される。メッセージの下には、レタッチを反映するときに操作されるボタンと、レタッチを反映しないときに操作されるボタンが表示される。
【0094】
すなわち、この例においては、体験版モードのレタッチ画面を用いて選択したレタッチの内容を、接客モードへの切り替え後に選択した撮影画像に反映させることができるようになっている。例えば、体験版モード時にレタッチ対象として選択した撮影画像と同じ画像に対してレタッチの内容が反映される。同じ画像に対してレタッチの内容の反映が行われる場合、
図14の表示は、体験版モード時にレタッチ対象として選択していた撮影画像と同じ画像が接客モードへの切り替え後の画像選択作業において選択されている場合に行われる。
【0095】
上述した全数反映の機能と同様に、同じ特徴を有する撮影画像に対してレタッチの内容が反映されるようにしてもよい。この場合、体験版モード時にレタッチ対象として選択していた撮影画像と違う画像が接客モードへの切り替え後の画像選択作業において選択されているときにもレタッチの内容が反映される。
【0096】
レタッチの内容を反映させることが選択された場合、体験モード時に選択したレタッチの内容がそれぞれの撮影画像に反映された状態のレタッチ画面が表示される。例えば、体験モード時に撮影画像P1乃至P5がレタッチ対象として選択され、撮影画像P1乃至P5に対してレタッチが行われている場合、接客モードの画像選択作業において撮影画像P1乃至P5がレタッチ対象として選択されているときには、体験モード時に選択されたレタッチの内容が撮影画像P1乃至P5のそれぞれに反映された状態でパラメータ選択作業が開始される。
【0097】
体験版モードで試しに選択した内容をそのまま引き継ぐことができるため、ユーザは、パラメータ選択作業を効率的に行うことができる。
【0098】
・体験版モードの変形例
体験モードから接客モードに切り替えた場合、ユーザの作業が画像選択作業から開始されるものとしたが、パラメータ選択作業から開始されるようにしてもよい。画像選択作業から開始させるかパラメータ選択作業から開始させるかをユーザが選択できるようにしてもよい。
【0099】
<ミニモード>
接客モードに用意されたレタッチ機能を一部制限した動作モードであるミニモードの機能がレタッチアプリ1Aに用意される。接客モードに用意されたレタッチ機能を全て選択できる動作モード(接客モード)はフルモードとなる。
【0100】
ミニモードによるレタッチ機能を実現するプログラムがレタッチアプリ1Aとは別のプログラムとして用意されるようにしてもよいし、レタッチアプリ1Aを構成するプログラムとしてレタッチアプリ1Aに組み込まれた形で用意されるようにしてもよい。
【0101】
・レタッチ画面の全体構成
図15は、ミニモード時のレタッチ画面の表示例を示す図である。
図3等を用いて説明した表示と同じ表示には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
【0102】
図15に示すように、ミニモード時のレタッチ画面には、レタッチ内容の選択に用いられるUI情報として、一括レタッチの機能を選択するときに操作される一括レタッチボタン34のみが表示される。一括レタッチボタン34を構成する、3種類のレベルの選択に用いられる3つのボタンが画面の下方に並べて表示される。ミニモード時の一括レタッチボタン34は、フルモード時の一括レタッチボタン34より広い領域に大きく表示される。ミニモード時、ユーザは、一括レタッチの機能のみを利用して、それぞれの撮影画像のレタッチを行うことになる。
【0103】
LIGHTボタン34-1は、レベルが低い(弱い)複数のパラメータの組み合わせをまとめて選択するときに操作されるボタンである。おすすめボタン34-2は、レベルが中程度の複数のパラメータの組み合わせをまとめて選択するときに操作されるボタンである。MAXボタン34-3は、レベルが高い(強い)複数のパラメータの組み合わせをまとめて選択するときに操作されるボタンである。例えばMAXボタン34-3が操作された場合、顔・体全体の調整、目元・メイクの調整、明るさの調整の上述したそれぞれの画像処理が最も強いパラメータを用いて行われる。
【0104】
一括レタッチボタン34の右側には、見比べボタン34Aが表示される。見比べボタン34Aを操作することにより、3種類のそれぞれのレベルの一括レタッチを適用した撮影画像を見比べることができる。
【0105】
一括レタッチの機能のみが用意されているため、ユーザは、それぞれの撮影画像のレタッチを容易に行うことができる。レタッチ内容の選択に用いられるUI情報として一括レタッチボタン34のみが表示されるため、ユーザはパラメータ選択作業を迷わずに行うことができる。撮影スタジオ側としても、各組のユーザのレタッチ作業にかかる時間を短縮することが可能となる。
【0106】
ミニモード時のレタッチ画面の略中央には表示領域31が形成され、表示領域31の左側にはサムネイル領域32が形成される。
図15の例においては、サムネイル領域32の上段に撮影画像P1乃至P3のサムネイル画像が並べて表示され、下段に撮影画像P4,P5のサムネイル画像が並べて表示されている。表示領域31の右側には、加工前ボタン35、終了ボタン36などが表示される。
【0107】
このように、ミニモード時のレタッチ画面は、フルモード時のレタッチ画面と較べてUI情報の情報量が少ない画面となる。
【0108】
・表示領域31の表示について
レタッチ画面の略中央に形成される表示領域31には、レタッチ対象となっている1枚の撮影画像が拡大表示される。
図15の例においては、縦長の画像である撮影画像P3がレタッチ対象として選択され、表示領域31に表示されている。
【0109】
図16は、ミニモード時のレタッチ画面とフルモード時のレタッチ画面を示す図である。
【0110】
図16の左側のレタッチ画面はフルモード時の画面(
図3)であり、右側のレタッチ画面はミニモード時の画面である。
図16に示すように、ミニモード時のレタッチ画面の表示領域31は、フルモード時のレタッチ画面の表示領域31より広い領域となる。同じ縦長の画像がレタッチ対象として選択されている場合、ミニモード時の画面におけるレタッチ対象の画像の下端の位置は、フルモード時の画面におけるレタッチ対象の画像の下端の位置より低い位置となる。このように、レタッチ内容の選択に用いられるUI情報が少ないため、広い領域を表示領域31に割り当てることが可能となる。
【0111】
表示領域31がレタッチ画面の略中央に大きいサイズで表示されるため、一括レタッチの画像処理の結果をユーザはより詳細に確認することが可能となる。すなわち、レタッチ結果の確認が容易なUIが実現される。
【0112】
・サムネイル領域32の表示について
図17は、横長の撮影画像がレタッチ対象として選択された場合のレタッチ画面の表示例を示す図である。
【0113】
図17の例においては、横長の画像である撮影画像P2が選択され、表示領域31に表示されている。横長の撮影画像がレタッチ対象として選択された場合、サムネイル領域32は、サムネイル画像が縦方向に並ぶ縦長矩形の領域としてレタッチ画面の左端に配置される。
【0114】
すなわち、ミニモード時、レタッチ対象の撮影画像が縦長の画像であるか横長の画像であるかに応じて、サムネイル領域32が変形し、サムネイル画像の配置位置も移動する。
【0115】
レタッチ対象の撮影画像が縦長の画像である場合、
図15に示すように、サムネイル領域32の形状は略正方形となり、5枚のサムネイル画像が横方向と縦方向に並べて表示される。一方、レタッチ対象の撮影画像が横長の画像である場合、
図17に示すように、サムネイル領域32の形状は縦長の矩形となり、5枚のサムネイル画像が縦方向に並べて表示される。
【0116】
このように、サムネイル領域32は、フルモード時には固定の領域として表示されるのに対して、ミニモード時には可変の領域として表示される。サムネイル領域32を変形させることにより、レタッチ対象の撮影画像が縦長の画像であるか横長の画像であるかに応じて、広い領域を表示領域31に割り当てることが可能となる。フルモード時は、このようなサムネイル領域32の変形等は行われない。
【0117】
なお、フルモード時とミニモード時のいずれの場合においても、サムネイル領域32は表示領域31の左側(横)に表示される。
【0118】
レタッチ対象の撮影画像が縦長の画像である場合に縦長矩形のサムネイル領域32がレタッチ画面の左端に表示され、横長の画像である場合に横長矩形のサムネイル領域32がレタッチ画面の上端に表示されるといったように、サムネイル領域32の形状と表示位置は適宜変更可能である。例えば、レタッチ対象の撮影画像が縦長の画像である場合にレタッチ画面の左端に表示される縦長矩形のサムネイル領域32には、サムネイル画像が縦方向に並べて表示される。また、レタッチ対象の撮影画像が横長の画像である場合にレタッチ画面の上端に表示される横長矩形のサムネイル領域32には、サムネイル画像が横方向に並べて表示される。
【0119】
サムネイル領域32に表示されるサムネイル画像のサイズが固定であってもよいし、レタッチ対象の撮影画像が縦長の画像であるか横長の画像であるかに応じて変更されるようにしてもよい。サムネイル画像のサイズの変更についても、例えばミニモード時にのみ行われる。
【0120】
なお、サムネイル領域32の表示が変化する点を除いて、
図15のレタッチ画面と
図17のレタッチ画面は同じ構成を有する画面である。
【0121】
・レタッチ機能について
図18は、ミニモード時のレタッチ画面の他の表示例を示す図である。
【0122】
図18の例においては、一括レタッチの機能以外の機能をミニモード時に利用することができるようになっている。一括レタッチボタン34の右側には、顔の形の調整に用いられる調整ボタン52と、スタイルの調整(スタイルアップ)に用いられる調整ボタン55が表示される。
【0123】
このように、一括レタッチの機能以外の機能の操作に用いられるUI情報がミニモード時のレタッチ画面に表示されるようにしてもよい。どのUI情報がミニモード時のレタッチ画面に表示されるようにするのかを撮影スタジオのスタッフなどが設定できるようにしてもよい。
【0124】
・見比べ機能
図19は、一括レタッチの見比べ機能の実行時の表示例を示す図である。
【0125】
例えば
図15のレタッチ画面において見比べボタン34Aが操作された場合、
図19に示すように、ポップアップ表示されたウィンドウ内に画像P3-1乃至P3-4が横に並べて表示される。画像P3-1乃至P3-4は、それぞれ、施されているレタッチの内容が異なる画像である。それぞれ、顔・体全体の写り、目元・メイクの写り、明るさの写りが異なる。
【0126】
左端の画像P3-1は、撮影画像P3の原画像である。いずれのレタッチも施されていない撮影画像P3が画像P3-1として表示される。画像P3-1の下には、原画像を表示領域31に表示させるときに操作されるボタン34A-1が表示される。
【0127】
左から2番目の画像P3-2は、レベルが低いパラメータの組み合わせを用いた画像処理を撮影画像P3に施した結果の画像である。LIGHTボタン34-1を選択したときの画像処理の結果が画像P3-2として表示される。画像P3-2の下には、LIGHTボタン34-1を選択したときの画像処理の結果を表示領域31に表示させるときに操作されるボタン34A-2が表示される。
【0128】
左から3番目の画像P3-3は、レベルが中程度のパラメータの組み合わせを用いた画像処理を撮影画像P3に施した結果の画像である。おすすめボタン34-2を選択したときの画像処理の結果が画像P3-3として表示される。画像P3-3の下には、おすすめボタン34-2を選択したときの画像処理の結果を表示領域31に表示させるときに操作されるボタン34A-3が表示される。
【0129】
右端の画像P3-4は、レベルが高いパラメータの組み合わせを用いた画像処理を撮影画像P3に施した結果の画像である。MAXボタン34-3を選択したときの画像処理の結果が画像P3-4として表示される。画像P3-4の下には、MAXボタン34-3を選択したときの画像処理の結果を表示領域31に表示させるときに操作されるボタン34A-4が表示される。
【0130】
このような見比べ機能が例えばミニモード時にのみ利用可能となる。ユーザは、見比べ機能を利用することにより、一括レタッチボタン34のそれぞれのボタンを操作したときの結果を見比べることができる。
【0131】
見比べ機能をフルモード時に利用できるようにしてもよい。一括レタッチボタン34のそれぞれのボタンを操作したときの画像処理の結果ではなく、他のレタッチ機能を選択したときの画像処理の結果が並べて表示されるようにしてもよい。
【0132】
・フルモードとミニモードの違いについて
フルモード時とミニモード時の画面表示の主な違いをまとめると以下のようになる。
1.一括レタッチボタン34を用いた比較がミニモード時のみ可能となる。
2.フルモード時とミニモード時とで表示領域31のサイズが異なる。
3.サムネイル領域32の表示がミニモード時のみ変化する。
【0133】
フルモードを利用した場合とミニモードを利用した場合とで料金が異なるようにしてもよい。
【0134】
フルモード時のパラメータ選択作業に制限時間が設定され、ミニモード時のパラメータ選択作業に制限時間が設定されないようにしてもよい。フルモード時の画像選択作業に制限時間が設定され、ミニモード時の画像選択作業に制限時間が設定されないようにしてもよい。制限時間が設定される場合、フルモード時の画面の所定の位置に作業の残り時間が表示される。
【0135】
<<レタッチ用PC1の構成>>
図20は、レタッチ用PC1の構成例を示すブロック図である。
【0136】
CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203は、バス204により相互に接続される。
【0137】
バス204には、さらに、入出力インタフェース205が接続される。入出力インタフェース205には、入力部206、出力部207、記憶部208、通信部209、およびドライブ210が接続される。
【0138】
入力部206は、キーボード、マウスなどにより構成される。
【0139】
出力部207は、ディスプレイ11などにより構成される。
【0140】
記憶部208は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどにより構成される。記憶部208は、CPU201が実行するレタッチアプリ1Aなどのプログラム、撮影画像などの各種の情報を記憶する。
【0141】
通信部209は、インターネット、LANなどのネットワークに対するインタフェースである。例えば、通信部209は、撮影スタジオのカメラに接続された保存用のPCと通信を行い、保存用のPCから送信されてきた、レタッチを始めようとするユーザが被写体として写る撮影画像を受信する。また、通信部209は、画像管理サーバ2との間で通信を行い、レタッチ済みの撮影画像を画像管理サーバ2に送信する。
【0142】
ドライブ210は、リムーバブルメディア211に対するデータの書き込み、リムーバブルメディア211からのデータの読み出しを制御する。保存用のPCからの撮影画像の取り込みがリムーバブルメディア211を介して行われるようにしてもよい。
【0143】
図21は、レタッチ用PC1の機能構成例を示すブロック図である。
【0144】
図21に示すように、レタッチ用PC1においては、レタッチアプリ1Aが実行されることにより情報処理部221が実現される。情報処理部221は、画像取得部231、表示制御部232、レタッチ処理部233、ファイル管理部234、および制御部235により構成される。
【0145】
画像取得部231は、接客モード時、全ての撮影画像を記憶部208から読み出して取得する。撮影が終了した場合、1組のユーザを被写体として撮影された数百枚などの全ての撮影画像が保存用のPCから転送され、記憶部208に記録されている。画像取得部231により取得された撮影画像は、表示制御部232とレタッチ処理部233に供給される。
【0146】
また、画像取得部231は、書き出しモード時、未選択画像を含む全ての撮影画像を記憶部208から読み出して取得し、レタッチ処理部233に出力する。
【0147】
表示制御部232は、画像取得部231から供給された撮影画像に基づいて画像選択画面を表示させる。また、表示制御部232はレタッチ画面の表示を制御する。レタッチ画面を用いた作業が行われている間、画像処理の結果の情報がレタッチ処理部233から供給されてくる。
【0148】
例えば、体験版モード/接客モードの画面表示、ミニモード/フルモードの画面表示が表示制御部232により行われる。
【0149】
レタッチ処理部233は、レタッチ画面に対するユーザの操作に応じて、レタッチに関する各種の画像処理を行う。例えば、レタッチ処理部233は、目の大きさや目の形の調整に関する操作が行われた場合、目の輪廓の位置をユーザによる選択内容に応じてずらすなどの画像処理を行う。
【0150】
具体的には、レタッチ処理部233は、調整ボタン56(
図4)を用いて、「1」、「2」、「3」、「4」のいずれかのレベルが選択された場合、レタッチ対象となっている人物の目の領域をマスク処理などを行うことによって抽出する。レタッチ処理部233は、抽出した目の領域の画像を、選択されたレベルに応じて拡大させ、拡大後の目の領域の画像を抽出元の位置に貼り付けるようにして目の拡大処理を行う。
【0151】
また、レタッチ処理部233は、メイクの濃さの調整に関する操作が行われた場合、頬の部分に所定の色のチークの画像を合成したり、唇の部分に所定の色の口紅の画像を合成したりする画像処理を行う。
【0152】
レタッチ処理部233は、肌質の調整に関する操作が行われた場合、肌の明るさを調整するなどの画像処理を行う。レタッチ処理部233は、顔の大きさ(小顔感)や顔の形の調整に関する操作が行われた場合、顔の輪廓の位置をユーザによる選択内容に応じてずらすなどの画像処理を行う。
【0153】
具体的には、レタッチ処理部233は、調整ボタン51(
図4)を用いて、「1」、「2」、「3」、「4」のいずれかのレベルが選択された場合、レタッチ対象となっている人物の顔の輪郭の各位置を、選択されたレベルに応じて顔の中心方向にずらし、顔を小さくする画像処理を行う。
【0154】
レタッチ処理部233による画像処理の結果を表す情報は、表示制御部232に供給され、レタッチ画面の表示に用いられる。全ての選択画像のレタッチが終了した場合、レタッチ処理部233による画像処理によって生成されたレタッチ済みのそれぞれの選択画像は、レタッチの内容を示す情報とともにファイル管理部234に供給される。
【0155】
また、レタッチ処理部233は、書き出しモード時、レタッチ済みの選択画像に施したレタッチの内容を全ての未選択画像に反映させる。どの選択画像に施したレタッチの内容をどの未選択画像に反映させるのかは、例えばレタッチアプリ1Aにより認識された特徴に基づいて選択される。全ての未選択画像のレタッチが終了した場合、レタッチ処理部233による画像処理によって生成されたレタッチ済みのそれぞれの未選択画像は、レタッチの内容を示す情報とともにファイル管理部234に供給される。
【0156】
ファイル管理部234は、接客モード時、ユーザによる操作に応じてレタッチが施された選択画像を保存する。
【0157】
また、ファイル管理部234は、書き出しモード時、レタッチ済みの選択画像の管理ファイルを読み出し、レタッチ処理部233に出力する。レタッチ処理部233に出力された管理ファイルは、選択画像に対して施されたレタッチの内容を特定するために用いられる。また、ファイル管理部234は、全数反映によってレタッチが施された未選択画像を保存する。
【0158】
制御部235は、上述した動作モードを設定するなどして、情報処理部221の各部の動作を制御する。例えば、制御部235は、一連のレタッチ作業を体験版モードで行うか接客モードで行うかを1組のユーザ毎に選択させる。動作モードの選択は、
図6を参照して説明したような画面を用いて、撮影スタジオのスタッフにより、またはユーザにより行われる。また、制御部235は、所定の動作モードが選択され、一連のレタッチ作業が行われた場合、ログを記録する。制御部235は、上述したように動作ニードに応じて制限時間が設定される場合、制限時間の管理なども行う。
【0159】
<<その他>>
フルモードでのレタッチ作業がPCなどの高機能な装置において行われ、ミニモードでのレタッチ作業がタブレット端末やスマートフォンなどの装置において行われるといったように、装置の機能に応じて動作モードが切り替わるようにしてもよい。
【0160】
撮影済みの画像が5枚しかないなどのように、レタッチ対象として選択可能な撮影画像の上限より少ない枚数の撮影画像しかない場合、撮影済みの全ての画像をレタッチ対象として選択するときに操作されるボタンが画像選択画面に設けられるようにしてもよい。全ての撮影画像の選択状態を解除するときに操作されるボタンが設けられるようにしてもよい。
【0161】
画像選択画面を用いた画像選択作業は、例えば、接客モードや体験版モードが選択され、ユーザを被写体とした撮影済みの画像を格納したフォルダが選択されたときに開始される。レタッチ用PC1においては、例えば1組のユーザ毎に用意されたフォルダに格納された状態で撮影済みの画像が管理されている。撮影済みの画像が格納されたフォルダが例えばスタッフにより選択されたとき、フォルダ内の画像が画像取得部231により読み出され、画像選択画面の表示に用いられる(サムネイル画像がサムネイル表示領域101に表示される)。フォルダ内の画像の枚数によって、画像選択作業が異なる形で進められる。
【0162】
図22は、フォルダ内の画像の枚数に応じた画像選択の例を示す図である。
【0163】
図22の2行目に示すように、読み出し対象として選択されたフォルダ内の画像の枚数がレタッチ設定枚数より多い場合、画像選択画面を用いて、レタッチ対象とする画像をユーザが1枚ずつ手動で選択するようにして画像選択作業が行われる。レタッチ設定枚数は、5枚、10枚といったような、レタッチ対象とする画像の枚数である。上述したように、レタッチ設定枚数が例えばスタッフにより設定される。レタッチ対象とする画像の選択は、選択済みの画像の枚数がレタッチ設定枚数に達するまで行われる。
【0164】
一方、
図22の3行目に示すように、読み出し対象として選択されたフォルダ内の画像の枚数がレタッチ設定枚数と同じ枚数である場合、画像選択画面は表示されるものの、フォルダ内のすべての画像がレタッチ対象の画像として自動的に選択される。読み出し対象として選択されたフォルダ内の画像の枚数がレタッチ設定枚数と同じ枚数である場合、ユーザによる手動での画像選択作業が行われずに、フォルダ内のすべての画像をそのままレタッチ対象の画像として選択するようにして画像選択作業が自動的に行われる。自動的に選択された画像を対象としてレタッチ処理部233により画像処理が行われる。
【0165】
フォルダからの画像の読み出しにかかる時間を短縮したり、画像選択作業にかかる時間を短縮したりするために、撮影スタジオのスタッフが撮影済みの画像の選別を事前に行い、レタッチ設定枚数と同じ枚数の画像だけが選別後の画像としてフォルダ内に残されることがある。このような場合にフォルダ内のすべての画像がユーザの選択によらずにそのままレタッチ対象の画像として自動的に選択されることにより、一連のレタッチ作業の効率化を実現することが可能となる。
【0166】
図22の4行目に示すように、読み出し対象として選択されたフォルダ内の画像の枚数がレタッチ設定枚数より少ない場合、エラー処理が行われる。エラー処理として、例えば、フォルダ内の画像の枚数が少ないことがスタッフに提示され、フォルダの選択し直しや、レタッチ設定枚数の設定し直しなどが行われる。フォルダ内の画像の枚数が少ないことの提示は表示制御部232により行われる。
【0167】
図23、
図24は、画像選択画面の例を示す図である。レタッチ設定枚数が5枚である場合の画像選択画面の表示が
図23、
図24に示されている。
【0168】
読み出し対象として選択されたフォルダ内に5枚より多い枚数(6枚以上)の画像がある場合、
図23の右側に示すように、フォルダ内のすべての画像のサムネイル画像がサムネイル表示領域101に表示され、ユーザによる手動での画像選択作業が行われる。
図23の例においては、9枚のサムネイル画像がサムネイル表示領域101に表示され、右下の「NEXT」のボタンを押すことにより10枚目以降のサムネイル画像をサムネイル表示領域101に表示させることができるようになっている。
【0169】
図23に示すように、いずれの画像も選択されていない状態の画像選択画面が表示され、画像選択作業が開始される。
図23に示す画像選択画面の選択画像表示領域104には、いずれのサムネイル画像も表示されていない。ユーザは、サムネイル表示領域101に表示されているそれぞれのサムネイル画像を見て、レタッチ設定枚数である5枚の画像を1枚ずつ選択することになる。
【0170】
一方、読み出し対象として選択されたフォルダ内に5枚の画像がある場合、
図24の右側に示すように、フォルダ内の5枚の画像のサムネイル画像が選択済みの状態でサムネイル表示領域101に表示される。
【0171】
すなわち、フォルダ内の5枚の画像がレタッチ対象として自動的に選択され、5枚の画像が選択済みの状態で画像選択画面の表示が開始される。
図24に示す画像選択画面の選択画像表示領域104には、サムネイル表示領域101に表示されているサムネイル画像と同じ、画像P1乃至P5の5枚の画像のサムネイル画像が並べて表示されている。選択画像表示領域104の画像P1乃至P5のサムネイル画像は、ユーザの選択なしに表示されているものである。ユーザは、これらの画像がレタッチ対象として選択済みであることを確認し、画像選択画面の右下に表示された終了ボタン105を操作して、パラメータ選択作業に進むことになる。
【0172】
レタッチ画面に対するユーザの操作に応じて画像処理を行う前に、レタッチ対象の画像に写る顔の輪郭点の認識などの各種の認識処理が例えばレタッチ処理部233により行われる。フォルダ内の画像の枚数がレタッチ設定枚数と同じ枚数である場合であってもこのように画像選択画面を表示することにより、認識処理の時間を確保することが可能となる。画像選択画面が表示されている間、例えばレタッチ処理部233においては、レタッチ対象のそれぞれの画像に対して、顔の各部位の特徴点の認識、被写体の性別、年齢などの各種の認識処理が行われる。認識処理の結果に基づいて、レタッチに関する画像処理が行われる。
【0173】
このように、画像選択作業の開始時、読み出し対象として選択されたフォルダ内の画像の枚数に応じて異なる状態の画像選択画面が表示される。画像選択作業が適宜自動的に行われることにより、画像選択作業を効率的に終わらせることが可能となる。なお、
図23、
図24の例においては、選択可能な画像であることを示す白抜きのチェックマークと選択済みの画像であることを示す色付きのチェックマークがそれぞれのサムネイル画像に表示されているが、これらのチェックマークの表示は
図9等の画像選択画面においても用いられる。
【0174】
以上のような画像選択画面の表示は、例えば、接客モードと体験版モードのどちらのモードでも行われる。フォルダ内の画像の枚数に応じて画像選択作業が適宜自動的に行われることが、接客モード時にのみ行われるようにしてもよいし、体験版モード時にのみ行われるようにしてもよい。
【0175】
フォルダ内の画像の枚数がレタッチ設定枚数と同じ枚数である場合、画像選択画面が表示されずに、読み出し対象とするフォルダが選択され、画像の読み出しが完了した後にレタッチ画面が直接表示されるようにしてもよい。画像選択画面の表示を省略することは、例えば、レタッチ処理部233による認識処理に要する時間が短い場合に行われる。
【0176】
・プログラムについて
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、汎用のパーソナルコンピュータなどにインストールされる。
【0177】
インストールされるプログラムは、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)や半導体メモリなどよりなる
図20に示されるリムーバブルメディア211に記録して提供される。また、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供されるようにしてもよい。プログラムは、ROM202や記憶部208に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0178】
コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0179】
本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0180】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0181】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0182】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0183】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【符号の説明】
【0184】
1 レタッチ用PC, 2 画像管理サーバ, 3 携帯端末, 11 ディスプレイ, 221 情報処理部, 231 画像取得部, 232 表示制御部, 233 レタッチ処理部, 234 ファイル管理部, 235 制御部