(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143974
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】携帯端末検知システム、通信端末検知システム、コントローラ、携帯端末検知方法及び通信端末検知方法
(51)【国際特許分類】
G08B 21/24 20060101AFI20241003BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20241003BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20241003BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G08B21/24
G08B25/00 510E
G08B25/10 D
H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119038
(22)【出願日】2023-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2023055034
(32)【優先日】2023-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000202361
【氏名又は名称】綜合警備保障株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(72)【発明者】
【氏名】村井 豪
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 徹
(72)【発明者】
【氏名】川連 太陽
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
5K201
【Fターム(参考)】
5C086AA21
5C086AA27
5C086AA29
5C086BA01
5C086CA06
5C086CB27
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA25
5C087BB18
5C087BB73
5C087BB74
5C087DD03
5C087DD05
5C087DD24
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF16
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5K201BA02
5K201CB04
5K201CC04
5K201CC10
5K201EB07
5K201EC06
5K201ED05
5K201EF09
(57)【要約】
【課題】携帯端末を住宅内に置き忘れたことを迅速かつ効率良く検知することを課題とする。
【解決手段】コントローラ300が携帯端末100aとWi-Fiルータ400間のWi-Fi電波を観測し(S11)、コントローラ300は予め登録した携帯端末100aの電波観測データを記録する(S12)。コントローラ300が警備モードをオンに制御した後(S13)、登録した携帯端末100aが所定時間範囲内に宅内に存在していることを観測データから検出したならば(S14)、サーバ200に対して携帯端末100aの置き忘れ通知を送信する(S15)。サーバ200は、コントローラ300から携帯端末100aの置き忘れ通知を受信したならば、通知先として登録された携帯端末100bに対して、携帯端末100aの置き忘れを通知する(S16)。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅に居住する複数の居住者がそれぞれ所有する複数の携帯端末を検知する携帯端末検知システムであって、
前記複数の居住者が前記住宅内に存在するか否かを判定する判定手段と、
前記複数の携帯端末が前記住宅内に存在するか否かを検知する検知手段と、
前記判定手段により前記複数の居住者の全てが前記住宅内に存在しないと判定され、かつ、前記検知手段により前記複数の携帯端末のうちの第1の携帯端末が検知された場合に、前記複数の携帯端末のうちの前記第1の携帯端末以外の携帯端末に対して、前記住宅内に前記第1の携帯端末が存在する旨を通知するよう制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする携帯端末検知システム。
【請求項2】
前記複数の携帯端末の登録情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、
前記記憶手段に記憶した登録情報に基づいて、前記複数の携帯端末のうちの前記第1の携帯端末以外の携帯端末に対して、前記住宅内に前記第1の携帯端末が存在する旨を通知することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末検知システム。
【請求項3】
前記判定手段は、
前記住宅内に居住者が存在しないことを条件とする警備モードに設定されている場合に、前記複数の居住者の全てが前記住宅内に存在しないと判定することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末検知システム。
【請求項4】
前記検知手段は、
前記住宅に設置された所定のアクセスポイントが前記複数の携帯端末に提供する無線通信の観測結果に基づいて、前記複数の携帯端末が前記住宅に存在するか否かを検知することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末検知システム。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記複数の携帯端末のうちの前記第1の携帯端末以外の携帯端末に対して、前記住宅内に前記第1の携帯端末が存在する旨のメッセージを送信するよう制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の携帯端末検知システム。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記判定手段により前記複数の居住者のうちの第2の居住者が前記住宅内に存在すると判定され、かつ、前記検知手段により前記複数の居住者のうちの第1の居住者の第1の携帯端末が検知された場合に、前記住宅内の所定の表示部に対して前記住宅内に前記第1の携帯端末が存在する旨を報知するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末検知システム。
【請求項7】
住宅の警備を制御するコントローラであって、
複数の携帯端末の登録情報を記憶する記憶手段と、
複数の居住者が前記住宅内に存在するか否かを判定する判定手段と、
前記複数の携帯端末が前記住宅内に存在するか否かを検知する検知手段と、
前記判定手段により前記複数の居住者の全てが前記住宅内に存在しないと判定され、かつ、前記検知手段により前記複数の携帯端末のうちの第1の携帯端末が検知された場合に、前記複数の携帯端末のうちの前記第1の携帯端末以外の携帯端末に対して、前記住宅内に前記第1の携帯端末が存在する旨を通知するよう制御する制御手段と
を備えたことを特徴とするコントローラ。
【請求項8】
住宅に居住する複数の居住者がそれぞれ所有する複数の携帯端末を検知する携帯端末検知システムにおける携帯端末検知方法であって、
前記複数の居住者が前記住宅内に存在するか否かを判定する判定工程と、
前記複数の携帯端末が前記住宅内に存在するか否かを検知する検知工程と、
前記判定工程により前記複数の居住者の全てが前記住宅内に存在しないと判定され、かつ、前記検知工程により前記複数の携帯端末のうちの第1の携帯端末が検知された場合に、前記複数の携帯端末のうちの前記第1の携帯端末以外の携帯端末に対して、前記住宅内に前記第1の携帯端末が存在する旨を通知するよう制御する制御工程と
を含むことを特徴とする携帯端末検知方法。
【請求項9】
所定の空間内に存在する通信端末を検知する通信端末検知システムであって、
前記所定の空間内の残留者の有無を判定する判定手段と、
前記通信端末が前記所定の空間内に存在するか否かを検知する検知手段と、
前記判定手段により前記残留者がいないと判定され、かつ、前記検知手段により前記通信端末の存在が検知された場合に、該検知された通信端末に関する情報を関係先に通知するよう制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする通信端末検知システム。
【請求項10】
前記検知手段は、
前記所定の空間に設置された所定のアクセスポイントと前記通信端末との間の無線通信の観測結果に基づいて、前記通信端末が前記所定の空間に存在するか否かを検知することを特徴とする請求項9に記載の通信端末検知システム。
【請求項11】
前記制御手段は、
前記判定手段により前記残留者がいないと判定され、かつ、前記検知手段により前記通信端末の存在が検知された場合に、該検知された通信端末に関する情報を該検知された通信端末に記録された過去の行動履歴に基づく連絡先に通知するよう制御することを特徴とする請求項9に記載の通信端末検知システム。
【請求項12】
前記制御手段は、
前記判定手段により前記残留者がいないと判定され、かつ、前記検知手段により前記通信端末の存在が検知された場合に、該検知された通信端末に関する情報をユーザにより所持された端末装置に通知するよう制御することを特徴とする請求項9に記載の通信端末検知システム。
【請求項13】
前記制御手段は、
前記判定手段により前記残留者がいないと判定され、かつ、前記検知手段により前記通信端末の存在が検知された場合に、該検知された通信端末に関する情報をユーザの移動経路上の端末装置に通知するよう制御することを特徴とする請求項9に記載の通信端末検知システム。
【請求項14】
前記判定手段は、
前記所定の空間を警備する警備システムが前記所定の空間に残留者が存在しないことを条件とする警備モードに設定されているか否かに基づいて、前記所定の空間内の残留者の有無を判定することを特徴とする請求項9に記載の通信端末検知システム。
【請求項15】
前記判定手段は、
前記所定の空間の出入口に設けられた錠の施錠を検知したか否かに基づいて、前記所定の空間内の残留者の有無を判定することを特徴とする請求項9に記載の通信端末検知システム。
【請求項16】
所定の空間内に存在する通信端末を検知する通信端末検知システムにおける通信端末検知方法であって、
前記所定の空間内の残留者の有無を判定する判定工程と、
前記通信端末が前記所定の空間内に存在するか否かを検知する検知工程と、
前記判定工程により前記残留者がいないと判定され、かつ、前記検知工程により前記通信端末の存在が検知された場合に、該検知された通信端末に関する情報を関係先に通知するよう制御する制御工程と
を含むことを特徴とする通信端末検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を住宅内に置き忘れたことを迅速かつ効率良く検知することができる携帯端末検知システム、通信端末検知システム、コントローラ、携帯端末検知方法及び通信端末検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人の生活に欠かすことができない携帯物の置き忘れを検知する技術が知られている。例えば特許文献1には、通行者のICカードの情報を登録しておき、出入口で通行者の接近を検知した場合に通行者のICカードの情報を読み取り、ICカードの内容を表示する技術が開示されている。かかる特許文献1の技術を用いることにより、通行者は、表示された携帯しているICカードの情報を確認することにより、携帯すべきICカードを携帯することを忘れるような事態を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のものは、例えば複数の通行者が同時に出入口を通行しようとする場合のようにICカードの情報を読み取れなかったならば、ICカードの携帯忘れに気づくことができないという問題が生ずる。
【0005】
その結果、例えば居住者の一人が自宅にスマートフォン等の携帯端末を置き忘れた可能性があることに気づいたときに、家族が自宅に存在していない場合には、居住者は自宅に携帯端末を置き忘れていることを確認できない。このため、携帯端末を自宅以外の場所に置き忘れたのではないか、移動中に携帯端末を落としたのではないかと記憶を頼りに携帯端末を探さなければならず、効率が悪い。このため、携帯端末を住宅内に置き忘れたことをいかにして迅速かつ効率良く検知できるかが重要な課題となっている。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点(課題)を解決するためになされたものであって、携帯端末を住宅内に置き忘れたことを迅速かつ効率良く検知することができる携帯端末検知システム、通信端末検知システム、コントローラ、携帯端末検知方法及び通信端末検知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、住宅に居住する複数の居住者がそれぞれ所有する複数の携帯端末を検知する携帯端末検知システムであって、前記複数の居住者が前記住宅内に存在するか否かを判定する判定手段と、前記複数の携帯端末が前記住宅内に存在するか否かを検知する検知手段と、前記判定手段により前記複数の居住者の全てが前記住宅内に存在しないと判定され、かつ、前記検知手段により前記複数の携帯端末のうちの第1の携帯端末が検知された場合に、前記複数の携帯端末のうちの前記第1の携帯端末以外の携帯端末に対して、前記住宅内に前記第1の携帯端末が存在する旨を通知するよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、前記複数の携帯端末の登録情報を記憶する記憶手段をさらに備え、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶した登録情報に基づいて、前記複数の携帯端末のうちの前記第1の携帯端末以外の携帯端末に対して、前記住宅内に前記第1の携帯端末が存在する旨を通知することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記判定手段は、前記住宅内に居住者が存在しないことを条件とする警備モードに設定されている場合に、前記複数の居住者の全てが前記住宅内に存在しないと判定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記検知手段は、前記住宅に設置された所定のアクセスポイントが前記複数の携帯端末に提供する無線通信の観測結果に基づいて、前記複数の携帯端末が前記住宅に存在するか否かを検知することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記制御手段は、前記複数の携帯端末のうちの前記第1の携帯端末以外の携帯端末に対して、前記住宅内に前記第1の携帯端末が存在する旨のメッセージを送信するよう制御することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記制御手段は、前記判定手段により前記複数の居住者のうちの第2の居住者が前記住宅内に存在すると判定され、かつ、前記検知手段により前記複数の居住者のうちの第1の居住者の第1の携帯端末が検知された場合に、前記住宅内の所定の表示部に対して前記住宅内に前記第1の携帯端末が存在する旨を報知するよう制御することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、住宅の警備を制御するコントローラであって、前記複数の携帯端末の登録情報を記憶する記憶手段と、前記複数の居住者が前記住宅内に存在するか否かを判定する判定手段と、前記複数の携帯端末が前記住宅内に存在するか否かを検知する検知手段と、前記判定手段により前記複数の居住者の全てが前記住宅内に存在しないと判定され、かつ、前記検知手段により前記複数の携帯端末のうちの第1の携帯端末が検知された場合に、前記複数の携帯端末のうちの前記第1の携帯端末以外の携帯端末に対して、前記住宅内に前記第1の携帯端末が存在する旨を通知するよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、住宅に居住する複数の居住者がそれぞれ所有する複数の携帯端末を検知する携帯端末検知システムにおける携帯端末検知方法であって、前記複数の居住者が前記住宅内に存在するか否かを判定する判定工程と、前記複数の携帯端末が前記住宅内に存在するか否かを検知する検知工程と、前記判定工程により前記複数の居住者の全てが前記住宅内に存在しないと判定され、かつ、前記検知工程により前記複数の携帯端末のうちの第1の携帯端末が検知された場合に、前記複数の携帯端末のうちの前記第1の携帯端末以外の携帯端末に対して、前記住宅内に前記第1の携帯端末が存在する旨を通知するよう制御する制御工程とを含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、所定の空間内に存在する通信端末を検知する通信端末検知システムであって、前記所定の空間内の残留者の有無を判定する判定手段と、前記通信端末が前記所定の空間内に存在するか否かを検知する検知手段と、前記判定手段により前記残留者がいないと判定され、かつ、前記検知手段により前記通信端末の存在が検知された場合に、該検知された通信端末に関する情報を関係先に通知するよう制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、上記発明において、前記検知手段は、前記所定の空間に設置された所定のアクセスポイントと前記通信端末との間の無線通信の観測結果に基づいて、前記通信端末が前記所定の空間に存在するか否かを検知することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、前記制御手段は、前記判定手段により前記残留者がいないと判定され、かつ、前記検知手段により前記通信端末の存在が検知された場合に、該検知された通信端末に関する情報を該検知された通信端末に記録された過去の行動履歴に基づく連絡先に通知するよう制御することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、上記発明において、前記制御手段は、前記判定手段により前記残留者がいないと判定され、かつ、前記検知手段により前記通信端末の存在が検知された場合に、該検知された通信端末に関する情報をユーザにより所持された端末装置に通知するよう制御することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、上記発明において、前記制御手段は、前記判定手段により前記残留者がいないと判定され、かつ、前記検知手段により前記通信端末の存在が検知された場合に、該検知された通信端末に関する情報をユーザの移動経路上の端末装置に通知するよう制御することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、上記発明において、前記判定手段は、前記所定の空間を警備する警備システムが前記所定の空間に残留者が存在しないことを条件とする警備モードに設定されているか否かに基づいて、前記所定の空間内の残留者の有無を判定することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、上記発明において、前記判定手段は、前記所定の空間の出入口に設けられた錠の施錠を検知したか否かに基づいて、前記所定の空間内の残留者の有無を判定することを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、所定の空間内に存在する通信端末を検知する通信端末検知システムにおける通信端末検知方法であって、前記所定の空間内の残留者の有無を判定する判定工程と、前記通信端末が前記所定の空間内に存在するか否かを検知する検知工程と、前記判定工程により前記残留者がいないと判定され、かつ、前記検知工程により前記通信端末の存在が検知された場合に、該検知された通信端末に関する情報を関係先に通知するよう制御する制御工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、携帯端末を住宅内に置き忘れたことを迅速かつ効率良く検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る警備システムの概要の説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る警備システムのシステム構成を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示した携帯端末の構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、
図3に示したログイン用データの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図2に示したサーバの構成を示す機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、
図5に示した確認設定データ及び警備制御データの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、
図2に示したコントローラの構成を示す機能ブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態1に係る携帯端末における表示の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態1に係る警備モードオン/オフの制御に関する処理手順を示すフローチャート(その1)である。
【
図10】
図10は、実施形態1に係る警備モードオン/オフの制御に関する処理手順を示すフローチャート(その2)である。
【
図11】
図11は、実施形態1に係る警備モードオン/オフの制御に関する処理手順を示すフローチャート(その3)である。
【
図12】
図12は、実施形態2に係る警備システムの概要の説明図である。
【
図18】
図18は、
図17に示した登録携帯端末データ及びMACアドレス観測テーブルの一例を示す図である。
【
図19】
図19は、実施形態2に係る置き忘れ通知に関する処理手順を示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、本実施形態2に係る置き忘れ通知を行う場合に、置き忘れの状況を任意のタイミングで確認する処理手順を示すフローチャートである。
【
図21】
図21は、実施形態3に係る警備システムの概要の説明図(その1)である。
【
図22】
図22は、実施形態3に係る警備システムの概要の説明図(その2)である。
【
図24】
図24は、
図23に示した登録携帯端末データ及び通信履歴データの一例を示す図である。
【
図25】
図25は、実施形態3に係る置き忘れ通知に関する処理手順を示すフローチャートである。
【
図26】
図26は、変形例1に係る警備システムの概要の説明図である。
【
図27】
図27は、実施形態4に係る警備システムの概要の説明図である。
【
図30】
図30は、実施形態4に係る置き忘れ通知に関する処理手順を示すフローチャートである。
【
図31】
図31は、実施形態5に係る警備システムの概要の説明図である。
【
図33】
図33は、変形例2に係る警備システムの概要の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[実施形態1]
以下に、本実施形態1に係る携帯端末検知システム、通信端末検知システム、コントローラ、携帯端末検知方法及び通信端末検知方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、ここでは本発明を警備システムに適用した場合について説明する。
【0026】
<実施形態1に係る警備システムの概要>
図1は、本実施形態1に係る警備システムの概要を説明するための説明図である。本実施形態1に係る警備システムでは、警備モードオンの状態において、住宅の窓等の開放を検知するセンサから検知信号を受信したならば、所定の警報を発する。
【0027】
警備モードのオン/オフの制御は、コントローラを操作することにより可能である他、携帯端末を用いて制御することができる。本実施形態1では、警備モードのオン/オフの制御を近距離無線通信技術であるNFC(Near Field Communication)機能を有するNFCタグ及び携帯端末を用いて行う警備システムについて説明する。
【0028】
図1(a)に示すように、警備モードをオンに制御する場合、ユーザ(例えば警備システムが設置されている住宅の居住者)が携帯端末30を、出入口ドアの内側に貼られた警備モードオン用NFCタグ10にかざすと、携帯端末30は、警備モードオン用NFCタグ10に記憶された警備モードオン用の警備タグIDを警備モードオン用NFCタグ10から読み取り(S1)、この警備タグID及びあらかじめ携帯端末に記憶された該携帯端末の操作者を示すユーザIDをサーバ40に送信する(S2)。
【0029】
サーバ40は、受信した警備タグID及びユーザIDを用いて制御の種類(警備モードオン)及び制御対象のコントローラ50を特定する(S3)。そして、サーバ40がこのコントローラ50に警備モードオン信号を送信すると(S4)、コントローラ50は、警備モードをオンに制御する(S5)。
【0030】
また、
図1(b)に示すように、警備モードをオフに制御する場合、ユーザが携帯端末30を、出入口ドアの外側に貼られた警備モードオフ用NFCタグ20にかざすと、携帯端末30は、警備モードオフ用NFCタグ20に記憶された警備モードオフ用の警備タグIDを警備モードオフ用NFCタグ20から読み取り(S6)、この警備タグID及びあらかじめ携帯端末30に記憶されたユーザIDをサーバ40に送信する(S7)。
【0031】
サーバ40は、あらかじめ警備タグIDおよびユーザIDを、制御の種類および制御対象のコントローラと対応付けて記憶し、受信した警備タグID及びユーザIDを用いて制御の種類(警備モードオフ)及び制御対象のコントローラ50を特定する(S8)。そして、サーバ40がこのコントローラ50に警備モードオフ信号を送信すると(S9)、コントローラ50は、警備モードをオフに制御する(S10)。
【0032】
このように、本実施形態1に係る警備システムでは、警備モードオン用NFCタグ又は警備モードオフ用NFCタグ(以下、「警備用NFCタグ」と総称する)から警備タグIDを読み取り、この読み取った警備タグIDを用いて警備モードのオン/オフの制御を行うよう構成したので、警備モードの設定を効率的かつ正確に行うことができる。
【0033】
<実施形態1に係るシステム構成>
次に、本実施形態1に係る警備システムのシステム構成について説明する。
図2は、本実施形態1に係る警備システムのシステム構成を示す図である。
図2に示すように、携帯端末30、サーバ40及びコントローラ50は、インターネットを介して通信可能に接続される。コントローラ50には、住宅の窓等の開放を検知する、図示しないセンサが接続される。
【0034】
携帯端末30は、警備システムのユーザが所持するスマートフォンなどの端末装置である。携帯端末30は、ログイン認証の有無及び実行確認の有無の設定を受け付けたならば、この受け付けた設定及びあらかじめ携帯端末30に記憶されたユーザIDをサーバ40に送信する。
【0035】
また、携帯端末30は、警備用NFCタグから警備タグIDを読み取ったならば、この警備タグID及びあらかじめ携帯端末30に記憶されたユーザIDをサーバ40に送信する。
【0036】
また、携帯端末30は、サーバ40からログイン画面表示指示を受信したならばログイン画面を表示する。そして、受け付けたユーザID及びパスワードを用いて操作者の認証を行い、認証に成功した、つまり、操作者が正規のユーザであることを確認できたならば、サーバ40にユーザ認証通知を送信する。
【0037】
また、携帯端末30は、サーバ40から実行確認画面表示指示を受信したならば実行確認画面を表示する。そして、実行確認操作を受け付けたならば、サーバ40に実行確認通知を送信する。
【0038】
また、携帯端末30は、サーバ40から警備モードオン完了通知を受信したならば、コントローラ50の警備モードがオン状態となった旨を表示し、警備モードオフ完了通知を受信したならば、コントローラ50の警備モードがオフ状態となった旨を表示する。携帯端末30は、サーバ40から戸締り異常通知を受信したならば、戸締り異常表示画面を表示する。
【0039】
サーバ40は、警備センタなどに設置され、携帯端末30及びコントローラ50との間で警備モードオン/オフ信号等の送受信を行う装置である。サーバ40は、携帯端末30からログイン認証の有無及び実行確認の有無の設定並びにユーザIDを受信したならば、この受信したデータを確認設定データに記憶する。
【0040】
また、サーバ40は、あらかじめ警備タグIDおよびユーザIDを、制御の種類および制御対象のコントローラを示すコントローラIDと対応付けて記憶し、携帯端末30からユーザID及び警備タグIDを受信したならば、受信した各IDを用いて制御の種類及び制御対象のコントローラを示すコントローラIDを特定する。
【0041】
また、サーバ40は、確認設定データを参照し、携帯端末30から受信したユーザIDに対する確認設定データのログイン認証が「有」であるならば、携帯端末30にログイン画面表示指示を送信し、受信したユーザIDに対する確認設定データの実行確認が「有」であるならば、携帯端末30に実行確認画面表示指示を送信する。
【0042】
また、サーバ40は、特定された制御の種類及びコントローラIDを用いて、次の処理を行う。制御の種類が「警備モードオン」ならば警備モードオン信号を、制御の種類が「警備モードオフ」ならば警備モードオフ信号を、特定されたコントローラIDに該当するコントローラ50に対して送信する。
【0043】
また、サーバ40は、コントローラ50から警備モードオン完了通知、警備モードオフ完了通知又は戸締り異常通知を受信したならば、受信した通知を携帯端末30に対して送信する。
【0044】
コントローラ50は、住宅に設置され、警備モードのオン/オフの制御を行う装置である。コントローラ50は、サーバ40から警備モードオン信号を受信したならば、センサからの検知信号の受信状態をもとに戸締り状態を確認する。この時に、センサから検知信号を受信していないならば、警備モードをオンの状態にし、警備モードの制御を完了させ、警備モードオン完了通知をサーバ40に送信する。なお、戸締り状態を確認した時に、センサから検知信号を受信していたならば、警備モードをオンに制御することなく戸締り異常通知をサーバ40に送信する。
【0045】
また、コントローラ50は、サーバ40から警備モードオフ信号を受信したならば、警備モードをオフの状態にし、警備モードオフ完了通知をサーバ40に送信する。
【0046】
<携帯端末30の構成>
次に、携帯端末30の構成について説明する。
図3は、
図2に示した携帯端末30の構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、携帯端末30は、表示操作部31、読取部32、通信部33、記憶部35及び制御部36を有する。
【0047】
表示操作部31は、タッチパネルディスプレイ等の入出力デバイスである。読取部32は、NFCを用いてデータの読み取りを行う入力デバイスである。通信部33は、インターネットとデータ通信するためのインタフェース部である。
【0048】
記憶部35は、不揮発性メモリ又はハードディスク装置等からなる記憶デバイスであり、ログイン用データ35aを記憶する。ログイン用データ35aは、警備モードオン/オフの制御を行う際の操作者の認証に使用するデータである。
【0049】
制御部36は、携帯端末30の全体制御を行う制御部であり、設定管理部36a、読取制御部36b、ID通知部36c、ログイン制御部36d、実行確認部36e及び表示制御部36fを有する。実際には、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、設定管理部36a、読取制御部36b、ID通知部36c、ログイン制御部36d、実行確認部36e及び表示制御部36fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0050】
設定管理部36aは、ログイン認証の有無及び実行確認の有無の設定を管理する処理部である。設定管理部36aは、表示操作部31からログイン認証及び実行確認の有無の設定を受信したならば、この受信した設定及びログイン用データ35aのユーザIDをサーバ40に送信する。
【0051】
読取制御部36bは、警備用NFCタグから警備タグIDを読み取る処理部である。読取制御部36bは、携帯端末30が警備用NFCタグにかざされたならば、読取部32を介して警備タグIDを読み取る。
【0052】
ID通知部36cは、警備タグID及びユーザIDを通知する処理部である。ID通知部36cは、読取制御部36bが警備タグIDを読み取ったならば、この警備タグID及びログイン用データ35aのユーザIDをサーバ40に送信する。
【0053】
ログイン制御部36dは、警備モードのオン/オフの制御を行う際のログイン処理を行う処理部である。ログイン制御部36dは、サーバ40からログイン画面表示指示を受信したならば、表示操作部31にログイン画面を表示する。
【0054】
また、ログイン制御部36dは、ログイン画面表示中に表示操作部31からユーザID及びパスワードが入力されると、このユーザID及びパスワードをログイン用データ35aと照合し、合致したならば、サーバ40にユーザ認証通知を送信する。
【0055】
実行確認部36eは、警備モードのオン/オフの制御の実行確認を行う処理部である。実行確認部36eは、サーバ40から実行確認画面表示指示を受信したならば、表示操作部31に実行確認画面を表示する。そして、実行確認操作を受け付けたならば、サーバ40に実行確認通知を送信する。
【0056】
表示制御部36fは、警備に係る表示の制御を行う処理部である。表示制御部36fは、サーバ40から警備モードオン完了通知を受信したならば、コントローラ50の警備モードがオン状態となった旨を表示操作部31に表示する。表示制御部36fは、サーバ40から警備モードオフ完了通知を受信したならば、コントローラ50の警備モードがオフ状態となった旨を表示操作部31に表示する。
【0057】
また、表示制御部36fは、サーバ40から戸締り異常通知を受信したならば、戸締り異常表示画面を表示操作部31に表示する。
【0058】
次に、
図3に示した携帯端末30の記憶部35が記憶するデータの具体例について説明する。
図4は、
図3に示したログイン用データ35aの一例を示す図である。
【0059】
図4に示すログイン用データ35aは、ユーザIDが「TM123456」であり、パスワードが「1234」である状態を示している。
【0060】
<サーバ40の構成>
次に、
図2に示したサーバ40の構成について説明する。
図5は、
図2に示したサーバ40の構成を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、サーバ40は、表示部41及び入力部42と接続され、通信部44、記憶部45及び制御部46を有する。
【0061】
表示部41は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。入力部42は、キーボードやマウス等である。通信部44は、インターネットを介して携帯端末30及びコントローラ50とデータ通信するためのインタフェース部である。
【0062】
記憶部45は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、確認設定データ45a及び警備制御データ45bを記憶する。確認設定データ45aは、ユーザID毎のログイン認証の有無及び実行確認の有無を示すデータである。警備制御データ45bは、ユーザID毎に警備タグIDと、この警備タグIDにより実行する制御の種類と、制御対象のコントローラを示すコントローラIDと、を対応付け、警備モードオン/オフの制御を行う際に使用するデータである。
【0063】
制御部46は、サーバ40の全体制御を行う制御部であり、設定管理部46a、警備制御部46b、確認制御部46c及び警備通知部46dを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、設定管理部46a、警備制御部46b、確認制御部46c及び警備通知部46dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0064】
設定管理部46aは、確認設定データ45aを管理する処理部である。設定管理部46aは、携帯端末30からログイン認証の有無及び実行確認の有無の設定並びにユーザIDを受信したならば、この受信したデータを確認設定データ45aに記憶する。
【0065】
警備制御部46bは、警備モードオン/オフの制御を行う処理部である。警備制御部46bは、携帯端末30からユーザID及び警備タグIDを受信したならば、警備制御データ45bから、受信した各IDに対応付けられた制御の種類及びコントローラIDを特定する。
【0066】
確認制御部46cは、ログイン認証及び実行確認を制御する処理部である。確認制御部46cは、警備制御部46bにより制御の種類及びコントローラIDが特定されたならば、次の処理を行う。
【0067】
受信したユーザIDに対する確認設定データ45aのログイン認証が「有」であるならば、携帯端末30にログイン画面表示指示を送信する。そして、携帯端末30からユーザ認証通知を受信したならば、確認設定データ45aの実行確認の設定を確認する。また、受信したユーザIDに対する確認設定データ45aのログイン認証が「無」であるならば、確認設定データ45aの実行確認の設定を確認する。
【0068】
受信したユーザIDに対する確認設定データ45aの実行確認が「有」であるならば、携帯端末30に実行確認画面表示指示を送信する。そして、携帯端末30から実行確認通知を受信したならば、警備通知部46dに確認完了通知を受け渡す。また、受信したユーザIDに対する確認設定データ45aの実行確認が「無」であるならば、警備通知部46dに確認完了通知を受け渡す。
【0069】
警備通知部46dは、警備モードのオン/オフの制御に関する指示を通知する処理部である。警備通知部46dは、確認制御部46cから確認完了通知を受け取ったならば、警備制御部46bにより特定された制御の種類及びコントローラIDを用いて、次の処理を行う。警備制御部46bが特定した制御の種類が「警備モードオン」ならば警備モードオン信号を、制御の種類が「警備モードオフ」ならば警備モードオフ信号を、警備制御部46bが特定したコントローラIDに該当するコントローラ50に対して送信する。
【0070】
また、警備通知部46dは、コントローラ50から警備モードオン完了通知、警備モードオフ完了通知又は戸締り異常通知を受信したならば、受信した通知を携帯端末30に対して通知する。
【0071】
次に、
図5に示したサーバ40の記憶部45が記憶するデータの具体例について説明する。
図6は、
図5に示した確認設定データ45a及び警備制御データ45bの一例を示す図である。
【0072】
図6(a)に示す確認設定データ45aは、ユーザID「TM123456」に対して、ログイン認証が「有」であり、実行確認が「有」である状態を対応付け、ユーザID「TM987654」に対して、ログイン認証が「無」であり、実行確認が「無」である状態を対応付けている。なお、
図6(a)では、ユーザIDに対するログイン認証と実行確認をどちらも「有」またはどちらも「無」と設定した例を示したが、これに限らず、ログイン認証と実行確認のどちらか一方を「有」と設定するようにしてもよい。
【0073】
図6(b)に示す警備制御データ45bは、ユーザID「TM123456」及び警備タグID「KS234567」に対して、制御の種類が「警備モードオン」であり、制御対象のコントローラを示すコントローラIDとして「ABC56789」を対応付け、ユーザID「TM123456」及び警備タグID「KK345678」に対して、制御の種類が「警備モードオフ」であり、制御対象のコントローラIDとして「ABC56789」を対応付けている。
【0074】
また、警備制御データ45bは、ユーザID「TM987654」及び警備タグID「KS876543」に対して、制御の種類が「警備モードオン」であり、制御対象のコントローラIDとして「ABC54321」を対応付け、ユーザID「TM987654」及び警備タグID「KK765432」に対して、制御の種類が「警備モードオフ」であり、制御対象のコントローラIDとして「ABC54321」を対応付けている。
【0075】
<コントローラ50の構成>
次に、
図2に示したコントローラ50の構成について説明する。
図7は、
図2に示したコントローラ50の構成を示す機能ブロック図である。
図7に示すように、コントローラ50は、表示部51、操作部52、外部通信部53、施設内通信部54及び制御部56を有する。
【0076】
表示部51は、液晶パネル等の出力デバイスである。操作部52は、ボタンやスイッチ等の入力デバイスである。外部通信部53は、インターネットを介してサーバ40とデータ通信するためのインタフェース部である。施設内通信部54は、住宅等の施設内に設置されたセンサからの検知信号を受信するためのインタフェース部である。
【0077】
制御部56は、コントローラ50の全体制御を行う制御部であり、警備制御部56a及び戸締り管理部56bを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、警備制御部56a及び戸締り管理部56bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0078】
警備制御部56aは、警備モードのオン/オフの制御を行う処理部である。警備制御部56aは、サーバ40から警備モードオン信号を受信したならば、戸締り管理部56bに戸締り状況確認指示を受け渡す。
【0079】
また、警備制御部56aは、戸締り管理部56bから戸締り正常通知を受け取ったならば、警備モードをオンの状態にし、警備モードオン完了通知をサーバ40に送信する。
【0080】
また、警備制御部56aは、サーバ40から警備モードオフ信号を受信したならば、警備モードをオフの状態にし、警備モードオフ完了通知をサーバ40に通知する。
【0081】
戸締り管理部56bは、戸締り状況を管理する処理部である。戸締り管理部56bは、施設内通信部54を介してセンサからの検知信号を受信する。
【0082】
また、戸締り管理部56bは、警備制御部56aから戸締り状況確認指示を受け取った際に、センサから検知信号を受信していないならば、警備制御部56aに戸締り正常通知を受け渡す。
【0083】
また、戸締り管理部56bは、警備制御部56aから戸締り状況確認指示を受け取った際に、センサから検知信号を受信していたならば、戸締り異常通知をサーバ40に送信する。
【0084】
<実施形態1に係る携帯端末30における表示の一例>
次に、本実施形態1に係る携帯端末30における表示の一例について説明する。
図8は、本実施形態1に係る携帯端末30における表示の一例を示す図である。携帯端末30は、サーバ40から実行確認画面表示指示を受信したならば、実行確認画面を、戸締り異常通知を受信したならば、戸締り異常表示画面を表示する。
【0085】
図8(a)に示すように、実行確認画面では、「警備状況を変更します。よろしいでしょうか。」と表示するとともに、「はい」及び「いいえ」の確認ボタンを表示する。
【0086】
図8(b)に示すように、戸締り異常表示画面では、「戸締り異常箇所があります。確認してください。」と表示するとともに、「OK」の確認ボタンを表示する。
【0087】
<実施形態1に係る警備モードのオン/オフの制御に関する処理手順>
次に、本実施形態1に係る警備モードのオン/オフの制御に関する処理手順について説明する。
図9~
図11は、本実施形態1に係る警備モードのオン/オフの制御に関する処理手順を示すフローチャートである。
【0088】
携帯端末30は、警備用NFCタグからデータを読み取り、このデータから警備タグIDを取得できなかったならば(ステップS101;No)、そのまま処理を終了する。読み取ったデータから警備タグIDを取得したならば(ステップS101;Yes)、この警備タグID及びユーザIDをサーバ40に送信する(ステップS102)。
【0089】
サーバ40は、警備タグID及びユーザIDを受信すると、警備制御データ45bを参照し、受信した警備タグID及びユーザIDを用いて制御の種類及び制御対象のコントローラを特定する(ステップS103)。また、確認設定データ45aを参照し、受信したユーザIDのログイン認証が「無」であるなら(ステップS104;No)、ステップS109に移行し、ログイン認証が「有」であるなら(ステップS104;Yes)、ログイン画面表示指示を携帯端末30に送信する(ステップS105)。
【0090】
携帯端末30は、ログイン画面表示指示を受信するとログイン画面を表示し(ステップS106)、ログイン情報の入力を受け付けてログイン認証が成功したならば(ステップS107;Yes)、ログイン認証が成功した、つまり、操作者が正規のユーザであることが確認できたことを示すユーザ認証通知をサーバ40に送信する(ステップS108)。また、携帯端末30は、ステップS107においてログイン認証が失敗した場合(ステップS107;No)、ステップS106に戻りログイン画面を表示する。
【0091】
サーバ40は、ステップS104にてログイン認証が「無」であった場合、または、携帯端末からのユーザ認証通知を受信すると、確認設定データ45aの実行確認の設定を参照する。確認設定データ45aの実行確認が「無」であるなら(ステップS109;No)、ステップS114に移行し、実行確認が「有」であるなら(ステップS109;Yes)、実行確認画面表示指示を携帯端末30に送信する(ステップS110)。
【0092】
携帯端末30は、実行確認画面表示指示を受信すると、
図8(a)に示す実行確認画面を表示し(ステップS111)、実行確認操作として「はい」が選択されたならば(ステップS112;Yes)、実行確認通知をサーバ40に送信する(ステップS113)。また、携帯端末30は、ステップS112において実行確認操作として「いいえ」が選択されたならば(ステップS112;No)、処理を終了する。
【0093】
サーバ40は、ステップS103において特定した制御の種類が警備モードオンならば(ステップS114;Yes)、警備モードオン信号をコントローラ50に送信する(ステップS201)。
【0094】
コントローラ50は、警備モードオン信号を受信すると、センサからの検知信号の受信状態をもとに戸締り状態を確認し(ステップS202)、センサから検知信号を受信している、つまり、戸締り異常があるならば(ステップS203;Yes)、戸締り異常をサーバ40に送信する(ステップS204)。センサから検知信号を受信しておらず戸締り異常がないならば(ステップS203;No)、警備モードをオンに制御し(ステップS205)、警備モードオン完了をサーバ40に送信する(ステップS206)。
【0095】
なお、コントローラ50は、ステップS205において警備モードをオンに制御するとともに退出タイマを起動し、退出タイマの計時中は、出入口に設置した開閉センサや廊下の人感センサ等予め設定したセンサからの検知信号を無効とする。これにより、警備モードをオンに制御した直後の、操作者による出入口扉の開放や操作者自身を検知したことによる不要な警報の発生を防止できる。
【0096】
サーバ40は、受信した制御結果(戸締り異常又は警備モードオン完了)を携帯端末30に送信する(ステップS207)。携帯端末30は、制御結果(戸締り異常又は警備モードオン完了)を受信すると、受信した制御結果が戸締り異常であれば、戸締り異常があり警備モードをオン状態に制御できなった旨を表示し、受信した結果が警備モードオン完了であれば、警備モードをオン状態となった旨を表示し(ステップS208)、そのまま処理を終了する。
【0097】
サーバ40は、ステップS103において特定した制御の種類が警備モードオフならば(ステップS114;No)、警備モードオフ信号をコントローラ50に送信する(ステップS301)。
【0098】
コントローラ50は、警備モードオフ信号を受信すると警備モードをオフ状態に制御し(ステップS302)、警備モードオフ完了をサーバ40に送信する(ステップS303)。
【0099】
サーバ40は、受信した警備モードオフ完了を携帯端末30に送信する(ステップS304)。携帯端末30は、警備モードオフ完了を受信すると、コントローラ50の警備モードがオフ状態となった旨を表示し(ステップS305)、処理を終了する。
【0100】
上述してきたように、本実施形態1に係る警備システムでは、警備用NFCタグから警備タグIDを読み取り、この読み取った警備タグIDを用いて警備モードのオン/オフの制御を行うよう構成したので、警備モードの設定を効率的かつ正確に行うことができる。
【0101】
なお、上記の実施形態1では、警備用NFCタグから警備タグIDを読み取り、この読み取った警備タグIDを用いて警備モードのオン/オフの制御を行う構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。暗証番号、IDキーの入力やスマホアプリの操作により警備モードオン/オフの制御を行うよう構成することもできる。この際、入力や操作の内容を履歴データとして記憶して、操作内容を判別できるよう構成することもできる。
【0102】
また、上記の実施形態1では、ログイン画面及び実行確認画面を表示してそれぞれに操作を受け付ける構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ログイン画面及び実行確認画面の各画面表示後、ステップS107及びステップS112において所定時間内に操作がなかったならば、操作を促す旨の通知又は表示している携帯端末を振動させるよう構成することもできる。これにより、警備用NFCタグを読み取らせただけで警備モードの切り替え操作を行ったつもりになり、警備モードがオフ状態のまま無人になってしまうことを防止できる。
【0103】
さらに、上記の実施形態1では、操作者の認証をユーザIDとパスワードの入力により行っているが、これに限定されるものではなく、指紋や顔などの生体認証により行うようにしてもよい。
【0104】
加えて、上記の実施形態1では、ステップS114にて制御の種類を判断しているが、ステップS103にて制御の種類を特定した直後に判断するようにしてもよい。これにより、警備モードをオン状態に制御する場合には確認設定データの設定にかかわらずログイン認証を省略するなど、操作者の操作を簡略化することができる。また、制御の種類に応じて実行確認画面に表示する内容を、制御の種類が警備モードオンである場合は「警備を開始しますか?」とし、制御の種類が警備モードオフである場合は「警備を解除しますか?」とするなど、操作者にわかりやすいメッセージを通知することが可能となり、誤った警備モードへの設定を防ぐことができる。
【0105】
[実施形態2]
ところで、上記の実施形態1では、警備用NFCシールから警備タグIDを読み取り、この読み取った警備タグIDを用いて警備モードオン/オフの制御を行う構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。警備モードオンの状態の住宅に、ユーザ(例えばその住宅の居住者)の携帯端末の置き忘れがあった場合に、この携帯端末の置き忘れの旨を通知するよう構成することもできる。本実施形態2では、警備モードオンの状態の住宅にユーザの携帯端末の置き忘れがあった場合に、この携帯端末の置き忘れの旨を通知する警備システムについて説明する。なお、本発明に係る携帯端末検知システムを警備システムに適用した場合について説明する。
【0106】
<実施形態2に係る警備システムの概要>
本実施形態2に係る警備システムの概要について説明する。
図12は、本実施形態2に係る警備システムの概要の説明図である。
【0107】
図12に示すように、本実施形態2に係る警備システムでは、コントローラ300が携帯端末100aとWi-Fi(登録商標)ルータ400間のWi-Fi電波を観測し(S11)、コントローラ300は予め登録した携帯端末100a(例えばこの警備システムが設置された住宅の居住者であるユーザの携帯端末)の電波観測データを記録する(S12)。コントローラ300が警備モードをオンに制御した後(S13)、登録した携帯端末100aが所定時間範囲内に宅内に存在することを観測データから検出したならば(S14)、サーバ200に対して携帯端末100aの置き忘れ通知を送信する(S15)。
【0108】
サーバ200は、コントローラ300から携帯端末100aの置き忘れ通知を受信したならば、通知先として登録された携帯端末100b(例えばこの警備システムが設置された住宅の同居人であるユーザの携帯端末)に対して、携帯端末100aの置き忘れを通知する(S16)。
【0109】
このように、本実施形態2に係る警備システムでは、警備モードがオンである状態の住宅に携帯端末の置き忘れがあった場合に、この携帯端末の置き忘れの旨を通知するよう構成したので、携帯端末を住宅内に置き忘れたことを迅速かつ効率良く検知することができる。
【0110】
<携帯端末100の構成>
次に、携帯端末100の構成について説明する。
図13は、
図12に示した携帯端末100の構成を示す機能ブロック図である。
図13に示すように、携帯端末100は、表示操作部31、通信部33、Wi-Fi通信部110、記憶部120及び制御部130を有する。なお、
図3に示した携帯端末30と同様の機能部についての説明は省略する。
【0111】
Wi-Fi通信部110は、近距離無線通信であるWi-Fiを用いて、Wi-Fiルータ400を経由してインターネット上でデータ通信するためのインタフェース部であり、携帯端末100の機体に固有のMACアドレスを保持している。通信部33は、通信制御部131が通信を制御する送受信データがない場合においても、携帯端末100がWi-Fiルータ400の属する無線LANに参加している状況では、Wi-Fiルータ400との間にデータ通信が可能となるリンクを確立している。
【0112】
記憶部120は、不揮発性メモリ又はハードディスク装置等からなる記憶デバイスであり、ログイン用データ35a及び端末データ121を記憶する。端末データ121は、端末ID及びMACアドレスを含む。
【0113】
制御部130は、携帯端末100の全体制御を行う制御部であり、設定管理部36a、ログイン制御部36d、通信制御部131、登録部132及びメッセージ制御部133を有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、設定管理部36a、ログイン制御部36d、通信制御部131、登録部132及びメッセージ制御部133にそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0114】
通信制御部131は、Wi-Fiによる通信を制御する処理部である。通信制御部131は、Wi-Fiを用いて、Wi-Fiルータ400を経由してインターネット上でデータ通信を行う。
【0115】
登録部132は、通知先の登録を行う処理部である。登録部132は、自端末を宅内に置き忘れた場合に自端末を検知するコントローラ300のコントローラIDと、宅内に置き忘れた旨を通知する先の電話番号を表示操作部31から受け付けたならば、この受け付けたデータに端末データ121を加え、通知先データとしてサーバ200に送信する。
【0116】
メッセージ制御部133は、メッセージの受信を行う処理部である。メッセージ制御部133は、サーバ200からメッセージを受信したならば、このメッセージを表示操作部31に表示する。
【0117】
次に、
図13に示した携帯端末100の記憶部120が記憶するデータの具体例について説明する。
図14は、
図13に示した端末データ121の一例を示す図である。
図14に示す端末データ121は、端末IDが「XYZ12345」であり、MACアドレスが「12-34-56-78-9A-BC」である状態を示している。
【0118】
<サーバ200の構成>
次に、
図12に示したサーバ200の構成について説明する。
図15は、
図12に示したサーバ200の構成を示す機能ブロック図である。
図15に示すように、サーバ200は、表示部41及び入力部42と接続され、通信部44、記憶部210及び制御部220を有する。なお、
図5に示したサーバ40と同様の機能部についての説明は省略する。
【0119】
記憶部210は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、通知先データ211を記憶する。通知先データ211は、携帯端末100を置き忘れた場合に、その旨を通知する先の電話番号等を示すデータである。
【0120】
制御部220は、サーバ200の全体制御を行う制御部であり、登録部221及び置き忘れ通知部222を有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、登録部221及び置き忘れ通知部222にそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0121】
登録部221は、通知先データ211を管理する処理部である。登録部221は、携帯端末100から通知先データを受信したならば、この通知先データを通知先データ211に記憶する。そして、記憶したコントローラIDのコントローラ300に対して、端末IDを登録データとして送信する。
【0122】
置き忘れ通知部222は、携帯端末100の置き忘れ通知を行う処理部である。置き忘れ通知部222は、コントローラ300から置き忘れ通知を受信したならば、この置き忘れ通知に含まれるコントローラID及び端末IDを用いて、通知先データ211から通知先電話番号を特定する。そして、この通知先電話番号に対して、携帯端末100の置き忘れを通知する。
【0123】
次に、
図15に示したサーバ200の記憶部210が記憶するデータの具体例について説明する。
図16は、
図15に示した通知先データ211の一例を示す図である。
【0124】
図16に示す通知先データ211は、携帯端末の操作者であり警備サービスの契約者を表すユーザID「TM123456」に対して、契約先のコントローラIDが「ABC56789」と「ABC54321」とである状態を対応付けている。また、コントローラID「ABC56789」に対して、端末IDが「XYZ12345」であり、通知先電話番号が「09023456789」である状態を対応付け、コントローラID「ABC54321」に対して、端末IDが「XYZ98765」であり、通知先電話番号が「08087654321」である状態を対応付けている。なお、1台のコントローラ300に対し複数の端末IDを対応づけて登録することもできる。
【0125】
<コントローラ300の構成>
次に、
図12に示したコントローラ300の構成について説明する。
図17は、
図12に示したコントローラ300の構成を示す機能ブロック図である。
図17に示すように、コントローラ300は、表示部51、操作部52、受信部310、外部通信部53、施設内通信部54、記憶部320及び制御部330を有する。なお、
図7に示したコントローラ50と同様の機能部についての説明は省略する。
【0126】
受信部310は、Wi-Fi電波を受信するためのインタフェース部である。記憶部320は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、登録携帯端末データ321を記憶する。登録携帯端末データ321は、Wi-Fi電波を検知する対象である携帯端末100の端末ID及びMACアドレスを示すデータである。
【0127】
制御部330は、コントローラ300の全体制御を行う制御部であり、警備制御部56a、戸締り管理部56b、登録部331、置き忘れ検知部332及び置き忘れ通知部333を有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、警備制御部56a、戸締り管理部56b、登録部331、置き忘れ検知部332及び置き忘れ通知部333にそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0128】
登録部331は、登録携帯端末データ321を管理する処理部である。登録部331は、サーバ200から登録データを受信したならば、この登録データを登録携帯端末データ321に記憶する。
【0129】
置き忘れ検知部332は、宅内に置き忘れられた携帯端末100を検知する処理部である。置き忘れ検知部332は、宅内のWi-Fi電波を観測し、登録携帯端末データ321に登録されたMACアドレスを含むフレームを検知すると、MACアドレス観測テーブル322内の当該MACアドレスの最終観測日時を更新する。警備制御部56aにより警備モードがオンとなった後、MACアドレス観測テーブル322を参照し、最終観測日時が所定時間範囲内にあるMACアドレスを抽出し、このMACアドレスを含む検知通知を置き忘れ通知部333に受け渡す。
【0130】
置き忘れ通知部333は、置き忘れ通知を通知する処理部である。置き忘れ通知部333は、置き忘れ検知部332から検知通知を受け取ったならば、この検知通知に含まれるMACアドレス及び自装置のコントローラIDを含む置き忘れ通知をサーバ200に通知する。
【0131】
次に、
図17に示したコントローラ300の記憶部320が記憶するデータの具体例について説明する。
図18は、
図17に示した登録携帯端末データ321及びMACアドレス観測テーブル322の一例を示す図である。
図18(a)に示す登録携帯端末データ321は、端末IDが「XYZ12345」であり、MACアドレスが「12-34-56-78-9A-BC」である状態を示している。
【0132】
図18(b)に示すMACアドレス観測テーブル322は、MACアドレス「12-34-56-78-9A-BC」を含むフレームを最後に観測した日時が「2023/03/23 10:00」であり、MACアドレス「34-56-78-9A-BC-DE」を含むフレームを最後に観測した日時が「2023/03/22 00:00」であることを示している。
【0133】
<実施形態2に係る置き忘れ通知に関する処理手順>
次に、本実施形態2に係る置き忘れ通知に関する処理手順について説明する。
図19は、本実施形態2に係る置き忘れ通知に関する処理手順を示すフローチャートである。
【0134】
コントローラ300は、宅内のWi-Fi電波を観測し(ステップS401)、観測したWi-Fi電波のデータリンク層のフレームにおけるイーサネットヘッダーを参照し、登録携帯端末データ321に登録されたMACアドレスが含まれている場合、観測した日時をMACアドレス観測テーブル322の最終観測日時として記録する(ステップS402)。
【0135】
Wi-Fi電波における観測の対象は、OSI参照モデルでいうレイヤ2、つまりデータリンク層でのフレームのやりとりである。データリンク層ではMACアドレスを使用してデータをやりとりする相手を識別しており、携帯端末100から見た直近の接続相手であるWi-Fiルータ400とのリンクが確立された状態をコントローラ300から観測したとき、フレームのイーサネットヘッダーには送信元および宛先のMACアドレスが含まれているのを観測することができる。携帯端末100が待機中など、OSが休止状態にある間はネットワーク層以上の通信が緩慢になることから、データリンク層の通信状態を検出し、そのフレーム内のMACアドレスを抽出することで、携帯端末100の所有者が宅内にいない状況でも、置き忘れられた携帯端末100が宅内に存在することを検知することができる。
【0136】
コントローラ300の警備モードをオンとしたならば(ステップS403;Yes)、その時点から計時を開始する。コントローラ300の警備モードをオンにしないとき(ステップS403;No)、ステップS401に戻り、携帯端末100のWi-Fi電波を観測する。警備モードがオンとなった後も、コントローラ300は宅内のWi-Fi電波を観測し(ステップS404)、観測したWi-Fi電波のデータリンク層のフレームにおけるイーサネットヘッダーを参照し、登録携帯端末データ321に登録されたMACアドレスが含まれている場合、観測した日時をMACアドレス観測テーブル322の最終観測日時として記録する(ステップS405)。警備モードがオンとなってから所定時間が経過した後(ステップS406;Yes)、MACアドレス観測テーブル322を参照し、最終観測日時が最後に警備モードをオンとした日時より後であるMACアドレスを検出したならば(ステップS407;Yes)、サーバ200に対し、当該MACアドレスに対応する端末IDおよび自装置のコントローラIDとともに置き忘れ通知を送信する(ステップS408)。警備モードがオンとなってから所定時間が経過しないうちは(ステップS406;No)、ステップS404に戻ってWi-Fi電波を観測する。なおステップS406において待機する時間は、携帯端末100のOSが待機中の状態において、Wi-Fiルータ400との間で、データリンク層で少なくとも数フレームをやりとりすることが見込める長さとすることが望ましい。なおこのとき抽出するMACアドレスは、警備モードの操作者が携帯する携帯端末100のMACアドレスを除くものとしてもよい。MACアドレス観測テーブル322に、最終観測日時が最後に警備モードをオンとした日時より後であるMACアドレスを検出しなかったときは(ステップS407;No)、ステップS401に戻り、携帯端末100のWi-Fi電波の観測を継続する。
【0137】
サーバ200は、コントローラ300から置き忘れ通知を受信したならば、この置き忘れ通知に含まれるコントローラID及び端末IDを用いて、通知先データ211から通知先電話番号を抽出する。そして、この通知先電話番号に対して、携帯端末100の置き忘れを通知し(ステップS409)、処理を終了する。
【0138】
上述してきたように、本実施形態2に係る警備システムでは、警備モードがオンとなっている状態の住宅に居住者の携帯端末の置き忘れがあった場合に、この携帯端末の置き忘れの旨を通知するよう構成したので、携帯端末を住宅内に置き忘れたことを迅速かつ効率良く検知することができる。
【0139】
なお、携帯端末の置き忘れを、警備モードをオンにしたタイミングで通知するほかに、外出先から任意のタイミングで確認する方法について説明する。
図20は、本実施形態2に係る置き忘れ通知に関連し、置き忘れの状況を任意のタイミングで確認する処理手順のフローチャートである。
【0140】
コントローラ300は、宅内のWi-Fi電波を観測し(ステップS501)、観測したWi-Fi電波のデータリンク層のフレームにおけるイーサネットヘッダーを参照し、登録携帯端末データ321に登録されたMACアドレスが含まれている場合、観測した日時をMACアドレス観測テーブル322へ当該MACアドレスの最終観測日時として記録する(ステップS502)。
【0141】
ユーザが携帯端末100の表示操作部31から操作し、確認したいコントローラIDを指定した上で宅内の携帯端末100の存在状況についての確認要求を自身のユーザIDとともに送信すると(ステップS503)、サーバ200は当該コントローラIDのコントローラ300に対し確認要求を送信する(ステップS504)。
【0142】
コントローラ300は、記憶部320に記憶したMACアドレス観測テーブル322を参照し、最終観測日時が確認要求を受信した時刻より前の所定時間範囲内にあるMACアドレスを抽出し(ステップS505)、記憶部320に記憶した登録携帯端末データ321の当該MACアドレスに対応する端末IDを、結果としてサーバ200へ通知する(ステップS506)。そして、終了するか否かを判定し(ステップS509)、終了する場合には(ステップS509;Yes)そのまま終了する。一方、終了しない場合には(ステップS509;No)、ステップS501に移行する。
【0143】
サーバ200は、コントローラ300から受信した結果通知を、携帯端末100へ通知し(ステップS507)、携帯端末100は、結果表示を行う(ステップS508)。なお、ここでいう所定時間には、携帯端末100のOSが待機中の状態において、Wi-Fiルータ400との間で、データリンク層で少なくとも数フレームをやりとりすることが見込める長さを設定することが望ましい。
【0144】
なお、このときユーザは、携帯端末100からコントローラIDを指定しないで確認要求を送信し、サーバ200は通知先データ211においてユーザIDに対応する全てのコントローラIDのコントローラ300に対して確認要求を送信してもよい。この場合サーバ200は、ユーザの携帯端末100へコントローラID毎の確認結果を通知する。
【0145】
また、サーバ200からユーザの携帯端末100へ確認結果を通知する際、宅内に存在すると判断した携帯端末100の持ち主の名前、事前に登録したニックネーム、電話番号を通知するよう構成してもよい。
【0146】
なお、上記の実施形態2では、警備モードがオンとなっている状態の住宅に携帯端末の置き忘れがあった場合に、この携帯端末の置き忘れの旨を登録された携帯端末に通知する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ユーザがコントローラを操作して警備モードをオンにしたときに、携帯端末が住宅内に存在することを検知したならば、この携帯端末の置き忘れの旨をコントローラや操作器に表示する、もしくはコントローラ等から光や音で知らせるよう、構成することもできる。さらに、他の居住者の携帯端末の置き忘れの状況も併せてコントローラ等により知らせるようにすることもできる。
【0147】
また、上記の実施形態2では、携帯端末の置き忘れをサーバから登録された携帯端末へメッセージで通知する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。コントローラ300の記憶部320に記憶するMACアドレス観測テーブル322を、コントローラIDとともにサーバ200に同期して保有し、携帯端末のWebブラウザやアプリからインターネットを通じてサーバ200にアクセスして、宅内に存在する全ての携帯端末の置き忘れ有無の状況を閲覧できるよう、構成することもできる。
【0148】
[実施形態3]
ところで、上記の実施形態2では、居住する住宅に同居人がいることにより、ユーザの携帯端末の置き忘れの通知先を同居人の携帯端末等に指定する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。独居等により身近な人物がいない場合に、一定の交流のある人物の携帯端末に対して、ユーザの携帯端末の置き忘れを通知するよう構成することもできる。本実施形態3では、独居等により身近な人物がいない場合に、ユーザの携帯端末に記録された過去の行動履歴に基づき、一定の交流のある人物の携帯端末に対して、ユーザの携帯端末の置き忘れを通知する警備システムについて説明する。なお、本発明に係る携帯端末検知システムを警備システムに適用した場合について説明する。
【0149】
<実施形態3に係る警備システムの概要>
本実施形態3に係る警備システムの概要について説明する。
図21及び
図22は、本実施形態3に係る警備システムの概要の説明図である。
【0150】
図21に示すように、本実施形態3に係る警備システムでは、行動履歴として、携帯端末100aが記録している自身の通信履歴を、Wi-Fiルータ400を介してコントローラ600に送信する(S21)。コントローラ600は、この通信履歴をサーバ700に対して送信する(S22)。サーバ700は、受信した通信履歴を通信履歴データに記録する(S23)。
【0151】
図22に示すように、コントローラ600が携帯端末100aとWi-Fiルータ400間のWi-Fi電波を観測し(S31)、携帯端末100aの電波観測データを記録する(S32)。コントローラ600が警備モードをオンに制御した後(S33)、登録した携帯端末100aが所定時間範囲内に宅内に存在することを観測データから検出したならば(S34)、サーバ700に対して携帯端末100aの置き忘れ通知を送信する(S35)。
【0152】
サーバ700は、コントローラ600から携帯端末100aの置き忘れ通知を受信したならば、携帯端末100aに係る通信履歴データから、最も多く連絡した携帯端末100bを特定する(S36)。このようにするのは、携帯端末100aのユーザと携帯端末100bのユーザとの間に一定の交流があれば、携帯端末100aとユーザと携帯端末100bとの連絡回数は多くなると考えられるからである。そして、特定した携帯端末100bに対して、携帯端末100aの置き忘れ通知を送信する(S37)。
【0153】
このように、本実施形態3に係る警備システムでは、独居等により身近な人物がいない場合に、一定の交流のある人物の携帯端末に対して、携帯端末の置き忘れを通知するよう構成したので、携帯端末を住宅内に置き忘れたことを迅速かつ効率良く検知することができる。
【0154】
<サーバ700の構成>
次に、
図21に示したサーバ700の構成について説明する。
図23は、
図21に示したサーバ700の構成を示す機能ブロック図である。
図23に示すように、サーバ700は、表示部41及び入力部42と接続され、通信部44、記憶部710及び制御部720を有する。なお、
図5に示したサーバ40と同様の機能部についての説明は省略する。
【0155】
記憶部710は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、登録携帯端末データ711及び通信履歴データ712を記憶する。登録携帯端末データ711は、置き忘れ検知の対象となる携帯端末を示すデータである。通信履歴データ712は、登録携帯端末データ711に登録された携帯端末100の通信履歴を示すデータである。
【0156】
制御部720は、サーバ700の全体制御を行う制御部であり、登録部721、通信履歴管理部722、通知先特定部723及び置き忘れ通知部724を有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、登録部721、通信履歴管理部722、通知先特定部723及び置き忘れ通知部724にそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0157】
登録部721は、登録携帯端末データ711を管理する処理部である。登録部721は、携帯端末100aから、置き忘れ検知の対象となる携帯端末100aに係る携帯端末データを受信したならば、この携帯端末データを登録携帯端末データ711に記憶する。そして、記憶したコントローラIDのコントローラ600に対して、端末ID及びMACアドレスを登録データとして送信する。
【0158】
通信履歴管理部722は、通信履歴データ712を管理する処理部である。通信履歴管理部722は、携帯端末100aから、通信履歴データを受信したならば、この通信履歴データを通信履歴データ712に記憶する。
【0159】
通知先特定部723は、置き忘れ通知の通知先を特定する処理部である。通知先特定部723は、コントローラ600から置き忘れ通知を受信したならば、この置き忘れ通知に含まれる携帯端末100に係る通信履歴を通信履歴データ712から抽出し、抽出したデータの中で最も通信回数の多い通信先を特定する。
【0160】
置き忘れ通知部724は、携帯端末100aの置き忘れ通知を行う処理部である。置き忘れ通知部724は、通知先特定部723が最も通信回数の多い通信先を特定したならば、この特定した通信先に対して、コントローラ600から受信した置き忘れ通知を送信する。
【0161】
次に、
図23に示したサーバ700の記憶部710が記憶するデータの具体例について説明する。
図24は、
図23に示した登録携帯端末データ711及び通信履歴データ712の一例を示す図である。
【0162】
図24(a)に示す登録携帯端末データ711は、携帯端末の操作者であり警備サービスの契約者を表すユーザID「TM123456」に対して、契約先のコントローラIDが「ABC56789」であり、登録携帯端末の端末IDが「XYZ12345」であり、MACアドレスが「12-34-56-78-9A-BC」であり、登録携帯端末の電話番号が「09023456789」である状態を対応付け、ユーザID「TM123456」に対して、契約先のコントローラIDが「ABC56789」であり、登録携帯端末の端末IDが「XYZ98765」であり、MACアドレスが「34-56-78-9A-BC-DE」であり、登録携帯端末の電話番号が「09087654321」である状態を対応付けている。
【0163】
図24(b)に示す通信履歴データ712は、日時「2023/7/10 10:23」に対して、登録携帯端末の端末IDが「XYZ12345」であり、通信先電話番号が「09034567890」である状態を対応付け、日時「2023/7/10 10:25」に対して、登録携帯端末の端末IDが「XYZ98765」であり、通信先電話番号が「09076543210」である状態を対応付けている。
【0164】
<実施形態3に係る置き忘れ通知に関する処理手順>
次に、本実施形態3に係る置き忘れ通知に関する処理手順について説明する。
図25は、本実施形態3に係る置き忘れ通知に関する処理手順を示すフローチャートである。
【0165】
サーバ700は、コントローラ600から通信履歴を受信したならば(ステップS601;Yes)、受信した通信履歴を通信履歴データ712に記録する(ステップS602)。
【0166】
サーバ700は、コントローラ600から置き忘れ通知を受信していないならば(ステップS603;No)、ステップS601に戻る。コントローラ600から置き忘れ通知を受信したならば(ステップS603;Yes)、この置き忘れ通知に含まれる携帯端末100aに係る通信履歴を通信履歴データ712から抽出し、抽出したデータの中で最も通信回数の多い通信先を特定する(ステップS604)。そして、特定した通信先に対して、置き忘れ通知を送信し(ステップS605)、処理を終了する。
【0167】
上述してきたように、本実施形態3に係る警備システムでは、独居等により身近な人物がいない場合に、一定の交流のある人物の携帯端末に対して、携帯端末の置き忘れを通知するよう構成したので、携帯端末を住宅内に置き忘れたことを迅速かつ効率良く検知することができる。
【0168】
なお、上記の実施形態3では、独居等により身近な人物がいない場合に、一定の交流のある人物の携帯端末として、所定期間の通信履歴の中で最も多く連絡した携帯端末に対して、登録した携帯端末の置き忘れを通知する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0169】
たとえば、独居等により身近な人物がいない場合に、所定期間の通信履歴の中で、直近に連絡した携帯端末に対して、登録した携帯端末の置き忘れを通知するよう構成することもできる。
【0170】
また、たとえば、行動履歴として、登録した携帯端末の過去の位置情報の履歴に基づき、携帯端末の置き忘れを検知した曜日や時間帯から、その時点でユーザが存在すると考えられる目的地を推定し、住宅内のコントローラ600に予め目的地と紐づけて登録しておいた連絡先に携帯端末の置き忘れを通知するよう構成することもできる。
【0171】
また、たとえば、登録した携帯端末を住宅に置き忘れた場合に、住宅内のコントローラ600が検知した携帯端末のWi-Fi電波の観測状況をサーバに記録しておき、PC等の他の端末からこの観測状況を確認できるよう構成することもできる。この場合、観測状況を確認する方法はWebブラウザ経由でもよいし、アプリ経由でもよい。
【0172】
また、たとえば、登録した携帯端末を住宅に置き忘れた場合に、この携帯端末以外にユーザが所有する通信端末(例えば、スマートウォッチやスマートリングのようなウェアラブル端末など)に対して、登録した携帯端末の置き忘れを通知するよう構成することもできる。
【0173】
[変形例1]
ところで、上記の実施形態3では、独居等により身近な人物がいない場合に、一定の交流のある人物の携帯端末に対して、携帯端末の置き忘れを通知する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。独居等により身近な人物がいない場合に、自己の行動経路上の装置に対して、携帯端末の置き忘れを通知するよう構成することもできる。本変形例1では、独居等により身近な人物がいない場合に、自己の行動経路上の装置に対して、携帯端末の置き忘れを通知する警備システムについて説明する。
【0174】
<変形例1に係る警備システムの概要>
本変形例1に係る警備システムの概要について説明する。
図26は、本変形例1に係る警備システムの概要の説明図である。
【0175】
図26に示すように、本変形例1に係る警備システムでは、住宅のコントローラが警備モードに設定された後、コントローラからユーザの携帯端末100aの置き忘れを検知した旨の通知を受信したならば、サーバ800は、この携帯端末100の置き忘れ通知を鉄道会社サーバ900に送信する(S41)。鉄道会社サーバ900は、受信した置き忘れ通知を置き忘れデータに記録する(S42)。
【0176】
住宅に置き忘れた携帯端末100aのユーザが、鉄道を利用するために非接触型ICカードの定期券を駅の自動改札機1000にタッチしたならば(S43)、自動改札機1000は、タッチされた非接触型ICカードからカードIDを読み取り、このカードIDを鉄道会社サーバ900に送信する(S44)。
【0177】
鉄道会社サーバ900では、非接触型ICカードのカードIDと携帯端末100aの端末IDが予め対応付けられている。鉄道会社サーバ900は、自動改札機1000からカードIDを受信したならば、このカードIDに対応付けられた携帯端末100aの端末IDと置き忘れデータを用いて、この携帯端末100aに係る置き忘れ情報を特定する(S45)。
【0178】
鉄道会社サーバ900は、特定した置き忘れ情報を自動改札機1000に送信し(S46)、自動改札機1000は、受信した置き忘れ情報を表示する(S47)。
【0179】
上述してきたように、本変形例1に係る警備システムでは、独居等により身近な人物がいない場合に、自己の行動経路上の装置に対して、携帯端末の置き忘れを通知するよう構成したので、携帯端末を住宅内に置き忘れたことを迅速かつ効率良く検知することができる。
【0180】
なお、上記の変形例1では、独居等により身近な人物がいない場合に、自己の行動経路上の駅の自動改札機に対して、携帯端末の置き忘れを通知する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0181】
たとえば、液晶パネル等の表示部を有する自宅玄関の錠装置、門扉、ポスト等に携帯端末の置き忘れを通知して表示するよう構成することもできる。
【0182】
また、たとえば、外出の目的地にある設備(例えば、勤務先の入門ゲートや職場で利用するPC)に携帯端末の置き忘れを通知して表示するよう構成することもできる。
【0183】
[実施形態4]
ところで、上記の実施形態3では、自己の居住する住宅に携帯端末を置き忘れた場合に、携帯端末の置き忘れを通知する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。住居以外の公共施設等のような場所に携帯端末を置き忘れた場合に、携帯端末の置き忘れを通知するよう構成することもできる。本実施形態4では、公共施設等の場所に携帯端末を置き忘れた場合に、携帯端末の置き忘れを通知する警備システムについて説明する。なお、本発明に係る携帯端末検知システムを警備システムに適用した場合について説明する。
【0184】
<実施形態4に係る警備システムの概要>
本実施形態4に係る警備システムの概要について説明する。
図27は、本実施形態4に係る警備システムの概要の説明図である。
【0185】
図27に示すように、本実施形態4に係る警備システムでは、コントローラ1100により警備モードがオンに制御されたならば(S51)、公共施設内の携帯端末100aとWi-Fiルータ400間のWi-Fi電波を観測する(S52)。コントローラ1100は、Wi-Fi電波を観測したならば、観測した電波に含まれるMACアドレスをサーバ1200に送信する(S53)。
【0186】
サーバ1200には、携帯端末100aに関する情報が登録携帯端末データとして予め登録されている。サーバ1200は、コントローラ1100から観測した電波に含まれるMACアドレスを受信したならば、このMACアドレス及び登録携帯端末データを用いて、置き忘れられた携帯端末100aを特定する(S54)。そして、特定した携帯端末100aの置き忘れ通知を施設管理者の所持する携帯端末100bに送信する(S55)。
【0187】
このように、本実施形態4に係る警備システムでは、公共施設等の場所に携帯端末を置き忘れた場合に、携帯端末の置き忘れを通知するよう構成したので、携帯端末を公共施設等の場所に置き忘れたことを迅速かつ効率良く検知することができる。
【0188】
<サーバ1200の構成>
次に、
図27に示したサーバ1200の構成について説明する。
図28は、
図27に示したサーバ1200の構成を示す機能ブロック図である。
図28に示すように、サーバ1200は、表示部41及び入力部42と接続され、通信部44、記憶部1210及び制御部1220を有する。なお、
図23に示したサーバ700と同様の機能部についての説明は省略する。
【0189】
記憶部1210は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、管理者携帯端末データ1211及び登録携帯端末データ711を記憶する。管理者携帯端末データ1211は、施設管理者が所有する携帯端末100に関する情報を示すデータである。
【0190】
制御部1220は、サーバ1200の全体制御を行う制御部であり、登録部1221及び置き忘れ通知部1222を有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、登録部1221及び置き忘れ通知部1222にそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0191】
登録部1221は、管理者携帯端末データ1211及び登録携帯端末データ711を管理する処理部である。登録部1221は、携帯端末100から、施設管理者が所有する携帯端末100に係る携帯端末データを受信したならば、この携帯端末データを管理者携帯端末データ1211に記憶する。登録部1221は、携帯端末100から、置き忘れ検知の対象となる携帯端末100に係る携帯端末データを受信したならば、この携帯端末データを登録携帯端末データ711に記憶する。
【0192】
置き忘れ通知部1222は、携帯端末100の置き忘れ通知を行う処理部である。置き忘れ通知部1222は、コントローラ1100からMACアドレスを受信したならば、このMACアドレス及び登録携帯端末データ711を用いて、置き忘れられた携帯端末100の電話番号を特定し、携帯端末置き忘れ通知にこの電話番号を含める。なお、置き忘れられた携帯端末100の電話番号を特定できなかった場合は、電話番号不明として携帯端末置き忘れ通知に含める。そして、MACアドレスを受信したコントローラ1100に対応する携帯端末の電話番号を管理者携帯端末データ1211から特定し、この電話番号の携帯端末に対して、携帯端末置き忘れ通知を送信する。
【0193】
次に、
図28に示したサーバ1200の記憶部1210が記憶するデータの具体例について説明する。
図29は、
図28に示した管理者携帯端末データ1211の一例を示す図である。
【0194】
図29に示す管理者携帯端末データ1211は、ユーザID「TM123456」に対して、コントローラIDが「ABC56789」であり、携帯端末の端末IDが「XYZ99345」であり、携帯端末の電話番号が「08043216789」である状態を対応付け、ユーザID「TM987654」に対して、コントローラIDが「ABC54321」であり、携帯端末の端末IDが「XYZ33765」であり、携帯端末の電話番号が「08056784321」である状態を対応付けている。
【0195】
<実施形態4に係る置き忘れ通知に関する処理手順>
次に、本実施形態4に係る置き忘れ通知に関する処理手順について説明する。
図30は、本実施形態4に係る置き忘れ通知に関する処理手順を示すフローチャートである。
【0196】
コントローラ1100は、警備モードがオンに制御されたならば(ステップS701;Yes)、携帯端末100とWi-Fiルータ400間のWi-Fi電波を観測する(ステップS702)。
【0197】
携帯端末100とWi-Fiルータ400間のWi-Fi電波が観測されたならば(ステップS702;Yes)、この観測したWi-Fi電波に含まれるMACアドレスをサーバ1200に送信する(ステップS703)。
【0198】
サーバ1200は、受信したMACアドレスが登録携帯端末データ711内に該当があれば(ステップS704;Yes)、該当するMACアドレスに対応する携帯端末100aを置き忘れとして、置き忘れ通知を施設管理者の携帯端末100bに対して送信し(ステップS705)、そのまま処理を終了する。
【0199】
サーバ1200は、受信したMACアドレスが登録携帯端末データ711内に該当がなければ(ステップS704;No)、不明な携帯端末を置き忘れとして、置き忘れ通知を施設管理者の携帯端末100bに対して送信し(ステップS706)、処理を終了する。
【0200】
上述してきたように、本実施形態4に係る警備システムでは、公共施設等の場所に携帯端末を置き忘れた場合に、携帯端末の置き忘れを通知するよう構成したので、携帯端末を公共施設等の場所に置き忘れたことを迅速かつ効率良く検知することができる。
【0201】
なお、上記の実施形態4では、公共施設等の場所に携帯端末を置き忘れた場合に、携帯端末の置き忘れを施設管理者の携帯端末に通知する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、携帯端末の置き忘れ通知に合わせて、施設内の残留者がいなくなった時刻(例えば、警備モードをオンに制御した時刻や施錠をした時刻)を通知するよう構成することもできる。
【0202】
また、上記の実施形態4では、携帯端末のMACアドレスを予め登録しておいたが、このほか、公共施設内で特定のMACアドレスを連続して観測し始めた日時を当該ユーザが公共施設に入館した日時と想定し、合わせて記録しておくことで、当該MACアドレスの携帯端末の持ち主を特定する手がかりとすることもできる。
【0203】
[実施形態5]
ところで、上記の実施形態4では、公共施設等の場所に携帯端末を置き忘れた場合に、公共施設外に設置された警備システムのサーバを介してユーザの携帯端末の置き忘れを通知する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。警備システムを導入していない公共施設の貸しスペース等の場所に携帯端末を置き忘れた場合に、携帯端末の置き忘れを当該公共施設内の管理用PC等に直接通知するよう構成することもできる。本実施形態5では、公共施設等の場所にユーザが携帯端末を置き忘れた場合に、携帯端末の置き忘れを公共施設内の管理用PC等に直接通知する検知システムについて説明する。なお、本発明に係る携帯端末検知システムを検知システムに適用した場合について説明する。
【0204】
<実施形態5に係る検知システムの概要>
本実施形態5に係る検知システムの概要について説明する。
図31は、本実施形態5に係る検知システムの概要の説明図である。
【0205】
図31に示すように、本実施形態5に係る検知システムでは、公共施設の施錠をした場合に、施錠センサ1300が施錠完了をコントローラ1400に通知する(S61)。その後、コントローラ1400は、公共施設内の携帯端末100とWi-Fiルータ400間のWi-Fi電波を観測する(S62)。
【0206】
コントローラ1400は、Wi-Fi電波を観測したならば、観測した電波に含まれるMACアドレスを含む携帯端末の置き忘れ通知を管理用PC1500に送信する(S63)。管理用PC1500は、受信した携帯端末の置き忘れ通知を表示する(S64)。
【0207】
このように、本実施形態5に係る検知システムでは、公共施設等の場所にユーザが携帯端末を置き忘れた場合に、携帯端末の置き忘れを当該公共施設内の管理用PC等に直接通知するよう構成したので、携帯端末を当該公共施設等の場所に置き忘れたことを迅速かつ効率良く検知することができる。
【0208】
なお、本実施形態5では携帯端末の置き忘れを検知するにあたり施錠センサ1300による施錠完了の通知を契機としたが、全ユーザの退室を検知する方法はこれに限られない。室内の空調や照明等の設備機器の電源OFFなど、室内が無人となった場合には不要となる設備の使用終了を通知させ、契機としてもよい。
【0209】
<コントローラ1400の構成>
次に、
図31に示したコントローラ1400の構成について説明する。
図32は、
図31に示したコントローラ1400の構成を示す機能ブロック図である。
図32に示すように、コントローラ1400は、表示部51、操作部52、受信部310、管理通信部1403、センサ通信部1404及び制御部1430を有する。なお、
図17に示したコントローラ300と同様の機能部についての説明は省略する。
【0210】
管理通信部1403は、管理用PC1500とデータ通信するためのインタフェース部である。センサ通信部1404は、公共施設内に設置された施錠センサからの検知信号を受信するためのインタフェース部である。
【0211】
制御部1430は、コントローラ1400の全体制御を行う制御部であり、戸締り管理部1431、置き忘れ検知部1432及び置き忘れ通知部1433を有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、戸締り管理部1431、置き忘れ検知部1432及び置き忘れ通知部1433にそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0212】
戸締り管理部1431は、戸締り状況を管理する処理部である。戸締り管理部1431は、センサ通信部1404を介して施錠センサ1300からの検知信号を受信する。戸締り管理部1431は、施錠センサ1300から施錠完了通知を受信したならば、置き忘れ検知部1432に観測指示を受け渡す。
【0213】
置き忘れ検知部1432は、公共施設内に置き忘れられた携帯端末100を検知する処理部である。置き忘れ検知部1432は、戸締り管理部1431から観測指示を受け取ったならば、公共施設内の携帯端末100とWi-Fiルータ400間のWi-Fi電波を観測する。そして、Wi-Fi電波を観測したならば、置き忘れ通知部1433に対して、観測した電波に含まれるMACアドレスを含む検知通知を受け渡す。
【0214】
置き忘れ通知部1433は、置き忘れ通知を通知する処理部である。置き忘れ通知部1433は、置き忘れ検知部1432から検知通知を受け取ったならば、この検知通知に含まれるMACアドレス及び自装置のコントローラIDを含む置き忘れ通知を管理用PC1500に送信する。
【0215】
上述してきたように、本実施形態5に係る検知システムでは、公共施設等の場所に携帯端末を置き忘れた場合に、携帯端末の置き忘れを公共施設内の管理用PC等に直接通知するよう構成したので、携帯端末を公共施設等の場所に置き忘れたことを迅速かつ効率良く検知することができる。
【0216】
なお、上記の実施形態5では、公共施設等が施錠されたタイミングで携帯端末の置き忘れを検知する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0217】
たとえば、設定された時刻(例えば、会議室における会議室使用終了予定時刻)において携帯端末の置き忘れを検知するよう構成することもできる。
【0218】
また、たとえば、携帯端末の置き忘れ検知履歴をサーバに記録しておき、この検知履歴の分析に基づいた所定の時刻において携帯端末の置き忘れを検知するよう構成することもできる。
【0219】
また、上記の実施形態5では、携帯端末の置き忘れをコントローラが検知する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、携帯端末の置き忘れをスマートスピーカ等の装置によって検知するよう構成することもできる。
【0220】
[変形例2]
ところで、上記の実施形態5では、公共施設等の場所に携帯端末を置き忘れた場合に、携帯端末の置き忘れを公共施設内の管理用PC等に直接通知する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。公共施設等の場所に設置されている携帯端末の存在の有無を検知するよう構成することもできる。本変形例2では、公共施設等の場所に設置されている携帯端末の存在の有無を検知する検知システムについて説明する。なお、本発明に係る携帯端末検知システムを検知システムに適用した場合について説明する。
【0221】
<変形例2に係る検知システムの概要>
変形例2に係る検知システムの概要について説明する。
図33は、本変形例2に係る検知システムの概要の説明図である。
【0222】
図33に示すように、本変形例2に係る検知システムでは、所定の時刻(例えば、小学校においては、生徒の下校時刻の16時)になったならば、コントローラ1600は、公共施設内の携帯端末100とWi-Fiルータ400間のWi-Fi電波を観測する(S71)。
【0223】
コントローラ1600は、Wi-Fi電波を観測したならば、観測した電波に含まれるMACアドレスを管理用PC1700に送信する(S72)。管理用PC1700は、受信したMACアドレスと端末管理データを用いて、携帯端末100の存在の有無を表示する(S73)。端末管理データでは、公共施設で管理している携帯端末100の名称とMACアドレスが対応付けられており、コントローラ1600から受信したMACアドレスの携帯端末100は、公共施設内に存在すると判断できる。
【0224】
上述してきたように、本変形例2に係る検知システムでは、公共施設等の場所に設置されている携帯端末の存在の有無を迅速かつ効率良く検知することができる。
【0225】
なお、上記の変形例2では、公共施設等の場所に設置されている携帯端末の存在の有無を検知する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0226】
たとえば、IEEE802.11のフレーム上に平文やあらかじめ定めたフォーマットにおいて、携帯端末のバッテリー残量を所定のタイミング(例えば、バッテリー残量が所定値以下となった時点)で、携帯端末からコントローラに通知するよう構成することもできる。このことにより、携帯端末の管理者が、携帯端末のバッテリーが切れる前に充電を行うことができる。
【0227】
また、たとえば、コントローラが、携帯端末のWi-Fi電波を検知していた時間帯を所定の携帯端末等に通知するよう構成することもできる。これにより、万が一置き忘れた携帯端末が第三者により持ち去られたような場合でも、後追いでその状況を知ることができる。
【0228】
また、たとえば、コントローラが、携帯端末のWi-Fi電波を観測することにより、監視空間における携帯端末の合計通信量を算出して所定の携帯端末等に通知するよう構成することもできる。
【0229】
また、上記の各実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0230】
本発明に係る携帯端末検知システム、通信端末検知システム、コントローラ、携帯端末検知方法及び通信端末検知方法は、携帯端末を住宅内に置き忘れたことを迅速かつ効率良く検知する場合に適している。
【符号の説明】
【0231】
10 警備モードオン用NFCタグ
20 警備モードオフ用NFCタグ
30 携帯端末
31 表示操作部
32 読取部
33 通信部
35 記憶部
35a ログイン用データ
36 制御部
36a 設定管理部
36b 読取制御部
36c ID通知部
36d ログイン制御部
36e 実行確認部
36f 表示制御部
40 サーバ
41 表示部
42 入力部
44 通信部
45 記憶部
45a 確認設定データ
45b 警備制御データ
46 制御部
46a 設定管理部
46b 警備制御部
46c 確認制御部
46d 警備通知部
50 コントローラ
51 表示部
52 操作部
53 外部通信部
54 施設内通信部
56 制御部
56a 警備制御部
56b 戸締り管理部
100a、100b 携帯端末
110 Wi-Fi通信部
120 記憶部
121 端末データ
130 制御部
131 通信制御部
132 登録部
133 メッセージ制御部
200 サーバ
210 記憶部
211 通知先データ
220 制御部
221 登録部
222 置き忘れ通知部
300 コントローラ
310 受信部
320 記憶部
321 登録携帯端末データ
322 MACアドレス観測テーブル
330 制御部
331 登録部
332 置き忘れ検知部
333 置き忘れ通知部
400 Wi-Fiルータ
600 コントローラ
700 サーバ
710 記憶部
711 登録携帯端末データ
712 通信履歴データ
720 制御部
721 登録部
722 通信履歴管理部
723 通知先特定部
724 置き忘れ通知部
800 サーバ
900 鉄道会社サーバ
1000 自動改札機
1100 コントローラ
1200 サーバ
1210 記憶部
1211 管理者携帯端末データ
1220 制御部
1221 登録部
1222 置き忘れ通知部
1300 施錠センサ
1400 コントローラ
1403 管理通信部
1404 センサ通信部
1430 制御部
1431 戸締り管理部
1432 置き忘れ検知部
1433 置き忘れ通知部
1500 管理用PC
1600 コントローラ
1700 管理用PC