(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144027
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G16H 50/30 20180101AFI20241003BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174887
(22)【出願日】2023-10-10
(62)【分割の表示】P 2023052498の分割
【原出願日】2023-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】515346385
【氏名又は名称】株式会社iCARE
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】泰道 大輔
(72)【発明者】
【氏名】廣澤 剛志
(72)【発明者】
【氏名】久川 尚太
(72)【発明者】
【氏名】桐生 千佳
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】 企業による健康関連状況グループの柔軟な設定を可能とするための情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法を得る。
【解決手段】 情報処理装置(2)は、対象企業における従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定するための判定条件を示す判定条件情報と、表示画面における健康関連状況グループの表示態様を示す表示態様情報とを含む、設定情報を取得する、設定情報取得部(221)と、従業員の健康状態に関連する健康関連情報を取得する、健康関連情報取得部(222)と、判定条件情報と健康関連情報とに基づいて、従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定する判定部(223)と、判定の判定結果と表示態様情報とに基づいて、表示画面に健康関連状況グループに関する表示を行うためのグループ表示情報を生成するグループ表示情報生成部(224)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象企業における従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定するための判定条件を示す判定条件情報と、表示画面における前記健康関連状況グループの表示態様を示す表示態様情報とを含む、設定情報を取得する、設定情報取得部と、
前記従業員の健康状態に関連する健康関連情報を取得する、健康関連情報取得部と、
前記判定条件情報と前記健康関連情報とに基づいて、前記従業員が前記健康関連状況グループに該当するか否かを判定する判定部と、
前記判定の判定結果と前記表示態様情報とに基づいて、前記表示画面に前記健康関連状況グループに関する表示を行うためのグループ表示情報を生成するグループ表示情報生成部と
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
さらに、前記健康関連情報取得部が取得可能な、前記健康関連情報を構成する複数の項目を表示するための項目表示情報を生成する項目表示情報生成部と、
前記複数の項目のうちの1または複数の項目である選択項目と、前記選択項目ごとに設定された項目別条件と、前記健康関連状況グループとを紐づけた前記判定条件を少なくとも含む前記設定情報の設定のための操作を示す操作情報を取得する操作情報取得部と、
前記操作情報に基づき、前記設定情報を記憶装置に記憶させる記憶指示部と、を備え、
前記設定情報取得部は、前記記憶装置から、前記設定情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定情報取得部は、前記対象企業における、特定の単位ごとに設定された前記設定情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定情報取得部は、前記対象企業における、前記特定の単位として、事業所単位、部署単位、部門単位、または、特定の役職者グループ単位のうち、少なくとも1種類の単位で設定された前記設定情報を取得する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記健康関連情報取得部は、健康診断結果情報、ストレスチェック結果情報、勤怠情報、業務歴情報、行動特性情報、アンケート情報、または、人事情報のうち、少なくとも1つの情報を含む前記健康関連情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記設定情報取得部は、前記健康関連状況グループに該当する1または複数の前記従業員について、前記従業員ごとの情報を表示するための前記表示態様情報を取得し、
前記グループ表示情報生成部は、前記従業員ごとの情報を表示するための前記グループ表示情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記グループ表示情報生成部は、前記従業員ごとの情報を表示するための前記グループ表示情報に、閲覧権限を有する者のみに閲覧を許容するための閲覧制限情報を含める
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記設定情報取得部は、複数の前記健康関連状況グループが設定されている場合、前記健康関連状況グループごとの前記表示態様情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記グループ表示情報生成部は、前記従業員の属性ごとの統計情報、時系列に並べた統計情報、または、前記健康関連状況グループごとの統計情報の少なくとも1つを表示するための前記グループ表示情報を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
情報処理装置が行う情報処理方法であって、
設定情報取得部が、対象企業における従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定するための判定条件を示した判定条件情報と、表示画面における前記健康関連状況グループの表示態様を示した表示態様情報とを含む、設定情報を取得するステップと、
健康関連情報取得部が、前記従業員の健康状態に関連する健康関連情報を取得するステップと、
判定部が、前記判定条件情報と前記健康関連情報とに基づいて、前記従業員が前記健康関連状況グループに該当するか否かを判定するステップと、
グループ表示情報生成部が、前記判定の判定結果と前記表示態様情報とに基づいて、前記表示画面に前記健康関連状況グループに関する表示を行うためのグループ表示情報を生成するステップと、
を備えたことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業における従業者の心身の健康促進に対する取組は、企業の発展ひいては社会の発展のために重要なものと認識されてきている。従業員等の健康管理を経営的な視点で捉えて戦略的に実践するいわゆる「健康経営」という概念が提唱されていることも、その一つの表れである。
例えば、特許文献1には、管理者端末により、従業員の勤務における様子の変化について管理者が様子変化判定用の判定項目への当否で判定した結果を、管理者の操作に応じて記録し、記録した様子変化判定結果をメンタルヘルス管理支援装置へ送信し、メンタルヘルス管理支援装置で、様子変化判定結果をデータベースへ登録し、データベースを参照して判定項目ごとの判定該当回数を評価期間で集計し、この集計結果を支援情報として管理者端末へ送信し、管理者端末により、支援情報を画面表示するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
健康経営の観点からは、各企業は、一部のハイリスクな状況にある従業員を特定して観察するだけでなく、健康に関連する状況(以下「健康関連状況」という。)を多様な観点から捉え、自社の従業員がどのようなグループ(以下「健康関連状況グループ」という。)を形成しているのかを特定し観察した上で、それぞれの健康関連状況グループに適した取組をしていくことが有用である。
【0005】
一方、健康関連状況グループをどのように設定するかについては、一般に明確な基準があるわけではないため、各企業が自社のニーズに応じて、柔軟に設定することが求められる。しかしながら、従来、各企業が健康関連状況グループの設定を柔軟に行うための技術が存在しないという課題がある。
また、例えば、健康関連状況グループに該当する従業員についての健康関連状況を表示する際には、多数の従業員または多数の健康関連状況グループが存在すると、視覚的に各従業員の健康関連状況を把握することが難しくなり得るとの課題もある。
【0006】
従来の特許文献1に記載されるようなシステムは、固定された判定項目ごとの集計を行う程度にとどまり、上記の課題を解決するものではない。
【0007】
本発明は、企業による健康関連状況グループの柔軟な設定を可能とするための情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る情報処理装置は、対象企業における従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定するための判定条件を示す判定条件情報と、表示画面における健康関連状況グループの表示態様を示す表示態様情報とを含む、設定情報を取得する、設定情報取得部と、従業員の健康状態に関連する健康関連情報を取得する、健康関連情報取得部と、判定条件情報と健康関連情報とに基づいて、従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定する判定部と、判定の判定結果と表示態様情報とに基づいて、表示画面に健康関連状況グループに関する表示を行うためのグループ表示情報を生成するグループ表示情報生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、企業による健康関連状況グループの柔軟な設定を可能とするための情報処理装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係る情報処理装置の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】従業員ごとの情報を表示する表示画面の例を示す画面図である。
【
図4】実施の形態1に係る情報処理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
図1において、情報処理システム1は、情報処理装置2、健康管理システム3およびサービスユーザ端末4がネットワーク5を介して接続されたシステムである。ネットワーク5は、例えば、インターネットを含む電気通信回線である。
情報処理システム1は、対象企業における健康関連状況グループの設定および表示等を行うサービス(以下「グループ設定・表示サービス」という。)を提供するものである。対象企業は、情報処理システム1を利用することで、グループ設定・表示サービスの提供を受けることができる。
【0012】
ここでの「対象企業」とは、ある企業の全体であってもよいし、ある企業における1つの事業所もしくは1つの部署などの企業の一部であってもよい。例えば、対象企業がある企業における1つの事業所である場合、情報処理システム1は、その事業所における健康関連状況グループの設定および表示等を行うグループ設定・表示サービスを提供できる。その事業所は、情報処理システム1を利用することで、グループ設定・表示サービスの提供を受けることができる。
【0013】
対象企業は、グループ設定・表示サービスの提供を受けるに当たり、例えば、事前に、グループ設定・表示サービスへの利用者登録の手続きを行い、対象企業を特定するID(以下「対象企業ID」という。)を取得する。
対象企業IDを取得した対象企業は、グループ設定・表示サービスの利用が許可された従業員に対して、利用者IDを発行することができる。従業員は利用者IDを使用することで、グループ設定・表示サービスの提供を受けることができる。
【0014】
(情報処理装置の概要)
情報処理装置2は、対象企業における従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定するための判定条件を示す判定条件情報と、表示画面における健康関連状況グループの表示態様を示す表示態様情報とを含む、設定情報を取得し、従業員の健康状態に関連する健康関連情報を取得し、判定条件情報と健康関連情報とに基づいて、従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定し、判定の判定結果と表示態様情報とに基づいて、表示画面に健康関連状況グループに関する表示を行うためのグループ表示情報を生成する。
【0015】
情報処理装置2は、例えば、ネットワーク5を介してサービスユーザ端末4から予め取得しておいた設定情報、および、ネットワーク5を介して健康管理システム3等から取得した健康関連情報を用いて、対象企業の従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定し、グループ表示情報を生成して、サービスユーザ端末4にグループ表示情報を送信するサーバである。
情報処理装置2としてのサーバは、例えば、サービスユーザ端末4からのグループ表示情報の送信要求を受けると、グループ表示情報を生成し、サービスユーザ端末4に送信する。サービスユーザ端末4は、情報処理装置2としてのサーバからグループ表示情報を取得すると、サービスユーザ端末4が有するディスプレイ等の表示画面に健康関連状況グループ等に関する表示を行う。
【0016】
また、情報処理装置2としてのサーバは、互いに異なる複数の対象企業に対して、グループ設定・表示サービスを提供できる。この場合、情報処理装置2は、それぞれの対象企業ごとに、例えばその対象企業の対象企業IDと紐づけて、設定情報を管理する。また、この場合、複数の対象企業は、それぞれ、少なくとも1台のその対象企業に専用のサービスユーザ端末4を備える。このように、情報処理システム1は、複数のサービスユーザ端末4を備えていてもよい。
【0017】
情報処理装置2は、サービスユーザ端末4であってもよい。この場合、情報処理装置2としてのサービスユーザ端末4は、対象企業における設定情報および健康関連情報を用いて、対象企業の従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定し、グループ表示情報を生成して、生成したグループ表示情報に基づき、サービスユーザ端末4が有するディスプレイ等の表示画面に健康関連状況グループ等に関する表示を行う。
また、サービスユーザ端末4は、例えば、サービスユーザ端末4がアクセス可能な図示しない端末用記憶部に予め設定情報を記憶させておき、その端末用記憶部から設定情報を取得し得る。または、サービスユーザ端末4は、例えば、ネットワーク5を介して健康管理システム3等から健康関連情報を取得し得る。
【0018】
以下、特に断りのない限り、情報処理システム1における情報処理装置2は、1台のサーバのみであるとして説明する。ただし、情報処理装置2の機能については、その全部が、1台のサーバによって実現されていてもよいし、複数台のサーバによって実現されていてもよい。
情報処理装置2の詳細については後述する。
【0019】
(健康管理システム等)
健康管理システム3は、対象企業における健康管理の取組の状況を一元管理する健康管理サービスを提供するものである。対象企業は、健康管理システム3を利用することで、健康管理サービスの提供を受けることができる。健康管理システム3は、例えば、図示しない健康管理専用サーバおよび健康管理専用サーバがアクセス可能な健康管理専用サーバ用記憶装置を備えるとともに、健康管理専用サーバ用記憶装置には、健康管理データベース3A(以下「健康管理DB3A」という。)としてのファイルが記憶されている。
【0020】
健康管理DB3Aには、対象企業における健康関連情報の一部が格納され得る。健康管理DB3Aに格納される健康関連情報は、例えば、対象企業の各従業員についての、健康診断結果情報、ストレスチェック結果情報、または、アンケート情報である。
健康診断結果情報およびストレスチェック結果情報は、対象企業が法令に従って自社の従業員に対して実施した取組である、健康診断およびストレスチェックそれぞれの結果を示す情報である。
アンケート情報は、対象企業が自社の従業員に対して行った取組である、生活習慣または家庭環境等に関するアンケートの結果を示す情報である。アンケート情報には、いわゆるPHR(Personal Health Record)と呼ばれる従業員の医療に関する情報が含まれていてもよい。
各情報は、各従業員の氏名または各従業員のID等の従業員を特定できる情報(以下「従業員特定情報」という。)と、その情報がどの時期(日付または期間)に実施された取組に関する情報であるかを示す情報(以下「取組時期情報」という。)とを紐づけて、健康管理DB3Aに格納される。
【0021】
健康管理システム3は、ネットワーク5を介して、少なくとも情報処理装置2との間で通信が可能である。健康管理システム3は、API連携により、例えば、情報処理装置2から、健康関連情報の送信要求を受けると、情報処理装置2に、健康管理DB3Aに格納された健康関連情報を送信することができる。健康管理システム3は、情報処理装置2に健康関連情報を送信する際、送信される健康関連情報と紐づけられた取組時期情報を付加して送信する。
【0022】
なお、
図1には健康管理システム3の健康管理専用サーバと情報処理装置2としてのサーバとが個別に存在する例を示したが、情報処理装置2としてのサーバが健康管理システム3の健康管理専用サーバの機能を兼ね備えるものであってもよい。
また、健康関連情報のうちPHRについては、情報処理装置2は、上述のように、健康管理DB3Aに格納されたアンケート情報に含まれたものを取得してもよいし、または、全国健康保険協会等が有するシステムから、API連携により、PHRとして使用するためのレセプト(診療報酬明細書)情報を取得しするようにしてもよい。
以下でも説明するように、情報処理装置2は、対象企業における健康関連情報を取得できればよく、必要に応じて種々の情報源からの取得方法を採用することができる。
【0023】
情報処理システム1には、健康管理システム3以外にも、ネットワーク5を介して、対象企業が利用する図示しない人事システム等のシステム(以下単に「人事システム」という)が接続され得る。
人事システムは、例えば、図示しない人事専用サーバおよび人事専用サーバがアクセス可能な人事専用サーバ用記憶装置を備えるとともに、人事専用サーバ用記憶装置には、人事データベース(以下「人事DB」という。)としてのファイルが記憶されている。
【0024】
人事DBには、対象企業における健康関連情報の一部が格納され得る。人事DBに格納される健康関連情報は、例えば、対象企業の各従業員についての、勤怠情報、業務歴情報、行動特性情報、または、その他の人事情報である。これらの人事に関する各情報は、各従業員の従業員特定情報と、その情報がどの時期(日付または期間)の情報であるかを示す情報(以下「人事時期情報」という。)と紐づけて、人事DBに格納される。
【0025】
人事システムは、ネットワーク5を介して、少なくとも情報処理装置2との間で通信が可能である。人事システムは、API連携により、例えば、情報処理装置2から健康関連情報の送信要求を受けると、情報処理装置2に、人事DBに格納された健康関連情報を送信することができる。健康管理システム3は、情報処理装置2に健康関連情報を送信する際、送信される健康関連情報と紐づけられた人事時期情報を付加して送信する。
【0026】
(サービスユーザ端末)
サービスユーザ端末4は、グループ設定・表示サービスの提供を受けるユーザとしての対象企業が利用する端末である。サービスユーザ端末4は、ネットワーク5を介して少なくとも情報処理装置2との間で通信が可能な端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末またはPC(Personal Computer)である。
図1では、1台のサービスユーザ端末4のみが示されているが、サービスユーザ端末4は、例えば、ユーザとしての対象企業の数またはそれ以上の数の台数が存在し得る。
【0027】
サービスユーザ端末4では、例えば、SaaS(Software as a Service)の形態で提供されるグループ設定・表示サービスが利用可能である。グループ設定・表示サービスがSaaSの形態で提供される場合、サービスユーザ端末4には、グループ設定・表示サービス専用のアプリケーションがインストールされなくてよい。グループ設定・表示サービスを提供するためのサービス用アプリケーションは、情報処理装置2で実行されており、サービスユーザ端末4は、汎用のWebブラウザ上でグループ設定・表示サービスの提供を受けることができる。サービス用アプリケーションは、情報処理装置2として機能するコンピュータが備える後述の記憶部23に記憶されている。
また、サービスユーザ端末4には、グループ設定・表示サービス専用のアプリケーションがインストールされていてもよい。グループ設定・表示サービス専用のアプリケーションがインストールされたサービスユーザ端末4では、当該アプリケーションが実行されることで、グループ設定・表示サービスが利用可能となる。
【0028】
サービスユーザ端末4がアクセス可能な図示しない端末用記憶装置には、当該サービスユーザ端末4を使用する対象企業における健康関連情報が記憶され得る。端末用記憶装置に記憶される健康関連情報は、上述の健康管理システム3の健康管理DB3Aに格納された健康関連情報の一部または全部、または、上述の人事システムの人事DBに格納された健康関連情報の一部または全部と同一の情報であってもよい。
サービスユーザ端末4は、ネットワーク5を介して、少なくとも情報処理装置2との間で通信が可能である。サービスユーザ端末4は、例えば、情報処理装置2から、健康関連情報の送信要求を受けると、情報処理装置2に、端末用記憶装置に格納された健康関連情報を送信することができる。サービスユーザ端末4は、情報処理装置2に健康関連情報を送信する際、送信される健康関連情報と紐づけられた取組時期情報または人事時期情報を付加して送信する。
【0029】
また、サービスユーザ端末4は、情報処理装置2から送信された、グループ表示情報または後述の項目表示情報を受信し、それらの表示情報に基づいて、健康関連状況グループまたは健康関連情報を構成する複数の項目を、サービスユーザ端末4が有するディスプレイ等の表示画面に表示することができる。
【0030】
(情報処理装置の詳細)
情報処理装置2についてより詳細に説明する。情報処理装置2は、通信部21、演算部22および記憶部23を備える。
通信部21は、ネットワーク5を介して、健康管理システム3およびサービスユーザ端末4と通信を行う。また、例えば、通信部21は、LTE、3G、4Gまたは5G等の通信方式によるモバイル通信が可能な通信装置であり、ネットワーク5に接続されたサービスユーザ端末4等との間での通信を行う。また、通信部21は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信手段を備えていてもよい。
【0031】
演算部22は、情報処理装置2の全体動作を制御する。演算部22は、設定情報取得部221、健康関連情報取得部222、判定部223、グループ表示情報生成部224、項目表示情報生成部225、操作情報取得部226、および、記憶指示部227を備える。演算部22が、情報処理アプリケーションを実行することで、設定情報取得部221、健康関連情報取得部222、判定部223、グループ表示情報生成部224、項目表示情報生成部225、操作情報取得部226、および、記憶指示部227の各機能が実現される。
【0032】
記憶部23は、例えば、情報処理アプリケーションと、演算部22の演算処理に用いられる情報を記憶する。記憶部23は、情報処理装置2として機能するコンピュータが備える記憶装置であり、HDD(Hard Disk Drive)もしくはSSD(Solid State Drive)等のストレージ、または、
図2のメモリ103等を含むものである。なお、記憶部23は、情報処理装置2がアクセス可能なものであればよく、情報処理装置2の外部に設けられていてもよい。
【0033】
図2は、情報処理装置2の機能を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。例えば、情報処理装置2は、ハードウェア構成として、通信インタフェース100、入出力インタフェース101、プロセッサ102およびメモリ103を有する。情報処理装置2が備える、設定情報取得部221、健康関連情報取得部222、判定部223、グループ表示情報生成部224、項目表示情報生成部225、操作情報取得部226、および、記憶指示部227の各機能は、これらのハードウェア構成において情報処理アプリケーションが実行されることで実現される。
【0034】
通信インタフェース100は、ネットワーク5を介して健康管理システム3等の外部装置から受信されたデータをプロセッサ102へ出力し、プロセッサ102が生成したデータを、ネットワーク5を介して、サービスユーザ端末4へ送信する。プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介して、記憶部23に対しデータを読み書きする。
【0035】
設定情報取得部221、健康関連情報取得部222、判定部223、グループ表示情報生成部224、項目表示情報生成部225、操作情報取得部226、および、記憶指示部227の各機能を実現するための情報処理アプリケーションを構成するプログラムは、記憶部23に記憶されている。プロセッサ102は、入出力インタフェース101を介して記憶部23に記憶されたプログラムを読み出して、メモリ103にロードし、メモリ103にロードされたプログラムを実行する。これにより、プロセッサ102は、設定情報取得部221、健康関連情報取得部222、判定部223、グループ表示情報生成部224、項目表示情報生成部225、操作情報取得部226、および、記憶指示部227の各機能を実現する。メモリ103は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0036】
(設定情報取得部)
設定情報取得部221は、対象企業における従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定するための判定条件を示す判定条件情報と、表示画面における健康関連状況グループの表示態様を示す表示態様情報とを含む、設定情報を取得する。
設定情報取得部221は、例えば、対象企業の産業医もしくは産業保健師(以下「産業医等」という。)または対象企業の担当者が健康関連状況グループの表示のためにサービスユーザ端末4を操作することにより、サービスユーザ端末4から情報処理装置2に対してグループ表示情報の送信要求があると、設定情報の取得処理を行う。
グループ表示情報の送信要求にはサービスユーザ端末4を特定する情報(以下「端末特定情報」という。)、対象企業IDまたは利用者IDが含まれ得る。
【0037】
例えば、産業医等が対象企業の従業員の健康関連状況を把握しようとする場合、対象企業が取得し得る種々の健康関連情報に含まれる複数の項目のうち、着目すべき1または複数の項目を選択する。そして、産業医等は、選択した項目(以下「選択項目」という)ごとに条件(以下「項目別条件」とう。)を設定し、例えば、すべての選択項目について項目別条件を満たしている従業員、または、すべての選択項目のうち所定数以上の項目別条件を満たしている従業員を、特定の健康関連状況にある従業員である、言い換えれば、特定の健康関連状況グループに該当する従業員である、と判定する。
【0038】
判定条件とは、対象企業における従業員が、ある健康関連状況グループに該当するか否かを判定するために、上述のように、例えば産業医等によって選択された1または複数の選択項目と、選択項目ごとの項目別条件とを定めたものである。見方を変えれば、ある健康関連状況グループは、1または複数の選択項目と選択項目ごとの項目別条件とを含む判定条件によって、定義または設定されたものと言える。
判定条件情報とは、上述のような判定条件が記述された情報である。
【0039】
健康関連状況グループは、身体的なリスク(より具体的な、肝臓リスク、肥満リスク等のリスクを示すグループでもよい)、精神的なリスク、家庭の状況に起因するリスク、業務の状況に起因するリスク等のリスクがあることを設定条件とするグループのみではなく、それらのリスクがないことを設定条件とするグループ、または、平均的な健康関連状況に比べて優良な健康関連状況にあることを設定条件とするグループであってよい。
対象企業における産業医等は、自身の知見と必要性に応じて、自由に選択項目と項目別条件を組み合わせた判定条件を設定することで、その判定条件に基づく健康関連状況グループを設定し得る。
【0040】
健康関連状況グループは、1つの対象企業に対して、複数グループ設定され得る。複数の健康関連状況グループのそれぞれには、産業医等がどのようなグループであるかを認識しやすいように、産業医等によって固有の名称(以下「健康関連状況グループ名」という。)が付与されてもよい。
【0041】
表示態様情報とは、ある健康関連状況グループに該当する従業員が特定された場合に、その健康関連状況グループの表示の態様を記述した情報である。表示態様情報は、健康関連状況グループの表示の態様が、例えば産業医等が健康関連状況グループと従業員との関係等を視覚的に把握しやすい態様となるように、設定される。
【0042】
判定条件情報と表示態様情報とを含む設定情報は、例えば、対象企業における産業医等の意見を踏まえながら、産業医等自身または対象企業における産業医等以外の担当者がサービスユーザ端末4を操作することによって設定され、サービスユーザ端末4から情報処理装置2に送信され、情報処理装置2の記憶部23に予め記憶されている。
【0043】
ここで、情報処理装置2としてのサーバは、互いに異なる複数の対象企業に対して、グループ設定・表示サービスを提供できる。また、健康関連状況グループは、1つの対象企業に対して、複数グループ設定され得る。情報処理装置2の記憶部23に設定情報が記憶される場合、設定情報は、対象企業ID、および、健康関連状況グループを特定するID(以下「健康関連状況グループID」という。)と紐づけて、記憶部23に記憶される。
なお、情報処理装置2がサービスユーザ端末4である場合は、対象企業は1社だけであるため、設定情報は、対象企業IDと紐づけて端末用記憶装置に記憶される必要はない。
【0044】
健康関連状況グループIDは、情報処理装置2が設定情報を記憶部23に記憶させる際に情報処理装置2によって自動的に付与されてもよいし、対象企業における担当者等が予め定めるものであってもよい。
また、記憶部23には、健康関連状況グループ名が、健康関連状況グループの設定情報と紐づけて記憶されてもよい。
【0045】
記憶部23には、デフォルトとしての健康関連状況グループの設定情報が、そのグループ名、健康関連状況グループID等と紐づけて記憶されていてもよい。デフォルトとしての健康関連状況グループの存在は、対象企業における産業医等に予め伝えられており、産業医等が必要に応じて利用することができる。
また、対象企業における産業医等は、記憶部23に記憶されている複数の既存の健康関連状況グループの設定情報の論理積または論理和等に基づく新たな健康関連状況グループの設定情報を設定することもできる。
【0046】
設定情報取得部221は、対象企業における、特定の単位ごとに設定された設定情報を取得してもよい。その際、例えば、設定情報取得部221は、対象企業における、特定の単位として、事業所単位、部署単位、部門単位、または、特定の役職者グループ単位のうち、少なくとも1種類の単位で設定された設定情報を取得してもよい。
【0047】
対象企業によっては、組織を構成する複数の単位それぞれの状況に応じて、その状況に適した健康関連状況グループを設定したいというニーズがあり得る。特定の単位とは、このような場合に、組織のニーズに応じて特定される単位である。特定の単位としては、組織の構成に応じた任意の単位を採用し得る。特定の単位は、例えば、事業所単位、部署単位、部門単位、または、特定の役職者グループ(部長グループ、課長グループまたは係長グループ等)単位のうち、少なくとも1種類の単位である。
設定情報が特定の単位ごとに設定される場合、設定情報は、単位を特定するID(以下「単位ID」という。)と紐づけて予め記憶部23に記憶される。
単位IDは、対象企業における担当者等によって予め定められる。記憶部23には、単位の名称(部署名等)が単位IDと紐づけて記憶されてもよい。
【0048】
設定情報取得部221は、記憶部23から、対象企業における、特定の単位ごとに設定された設定情報を取得できる。設定情報取得部221は、特定の単位ごとに設定された設定情報に加えて、設定情報と紐づけられた単位ID等の他の情報を取得してもよい。
【0049】
また、例えば、特定の単位が部署単位であり、対象企業における部署が3つ存在する場合に、対象企業における産業医等が、ある1つの部署のみの健康関連状況グループの表示のために、その部署の指定操作を含めたサービスユーザ端末4の操作を行うと、サービスユーザ端末4から情報処理装置2に対しては、その部署の単位IDを含めたグループ表示情報の送信要求が送信される。この場合、設定情報取得部221は、送信要求に含まれる単位IDが示す部署のみの設定情報の取得処理を行う。
【0050】
設定情報取得部221は、複数の健康関連状況グループが設定されている場合、健康関連状況グループごとの表示態様情報を取得する。
上述のように、健康関連状況グループは、1つの対象企業に対して、複数グループ設定され得る。対象企業における担当者等は、複数の健康関連状況グループのそれぞれに対して、表示態様情報を設定して、記憶部23に予め記憶させることができる。
【0051】
なお、例えば、対象企業における産業医等が、複数の健康関連状況グループのうち、特定の1または複数の健康関連状況グループの表示のために、それらの健康関連状況グループの指定操作を含めたサービスユーザ端末4の操作を行うと、サービスユーザ端末4は、情報処理装置2に、指定された健康関連状況グループの健康関連状況グループIDを含めたグループ表示情報の送信要求を送信する。この場合、設定情報取得部221は、グループ表示情報の送信要求に含まれる健康関連状況グループIDが示す健康関連状況グループの設定情報の取得処理を行う。
【0052】
設定情報取得部221は、設定情報を取得すると、取得した設定情報とグループ表示情報の送信要求とを紐づけて、判定部223に出力する。なお、例えば「設定情報取得部221が、ある情報を、判定部223に出力する」という場合、設定情報取得部221が、その情報を、記憶部23を経由して判定部223に取得させることも含む。以下、「出力する」という表現は、同様の意味を有する表現として使用される。
【0053】
(健康関連情報取得部)
健康関連情報取得部222は、従業員の健康状態に関連する健康関連情報を取得する。
例えば、健康関連情報取得部222は、設定情報取得部221と同様に、サービスユーザ端末4から情報処理装置2に対してグループ表示情報の送信要求があると、健康関連情報を取得する。健康関連情報取得部222は、健康管理システム3、人事システム、または、サービスユーザ端末4から、健康関連情報を取得する。
【0054】
対象企業における産業医等が健康関連状況グループの表示のためにサービスユーザ端末4を操作する際、産業医等は、どの期間での対象企業における健康関連状況グループを表示するかを設定することができる。この設定がなされると、サービスユーザ端末4は、設定された期間を示す期間情報を生成して、生成した期間情報を、グループ表示情報の送信要求とともに、情報処理装置2に送信する。情報処理装置2は、サービスユーザ端末4から受け取った期間情報が示す期間に応じて、対応する期間の健康関連情報を取得する。
この際、情報処理装置2は、例えば、上述の取組時期情報、または、人事時期情報を参照して、対応する期間の健康関連情報を取得すればよい。
【0055】
また、対象企業における産業医等による上記期間の設定がなかった場合、例えば、サービスユーザ端末4は、デフォルトで現在の日付に合わせて最新の期間情報を生成して、生成した期間情報を、グループ表示情報の送信要求とともに、情報処理装置2に送信する。または、担当者による上記期間の設定がなかった場合、例えば、サービスユーザ端末4は、期間情報を生成しなくてもよい。この場合、情報処理装置2は、現在の日付に合わせて最新の健康関連情報を取得する。
【0056】
健康関連情報取得部222は、例えば、健康診断結果情報、ストレスチェック結果情報、勤怠情報、業務歴情報、行動特性情報、アンケート情報、または、人事情報のうち、少なくとも1つの情報を含む健康関連情報を取得する。
【0057】
健康診断結果情報は、例えば、健康管理システム3の健康管理DB3Aから取得される。健康診断結果情報には、各従業員についての、血圧、視力、脂質、肝機能、血液、尿もしくは腎機能、心機能、胃または大腸等の検査結果に関する項目に該当する情報が含まれる。
ストレスチェック結果情報は、例えば、健康管理システム3の健康管理DB3Aから取得される。ストレスチェック結果情報には、各従業員についての、心理的な仕事の負担等のストレスの原因と考えられる因子に関する項目、イライラ間感等のストレスによっておこる心身の反応に関する項目、または、上司からのサポート等のストレス反応に影響を与える他の因子に関する項目等に該当する情報が含まれる。
【0058】
勤怠情報は、例えば、人事システムの人事DBから取得される。勤怠情報には、各従業員についての、時間外労働時間、欠勤・遅刻の日数、休暇の取得、または、テレワーク時間等の項目に該当する情報が含まれる。
業務歴情報は、例えば、人事システムの人事DBから取得される。業務歴情報には、各従業員についての、過去および現在勤務地、過去および現在の人事考課、または、過去および現在の上司等の項目に該当する情報が含まれる。
行動特性情報は、例えば、人事システムの人事DBから取得される。行動特性情報には、各従業員についての、職歴、スキルもしくは資格、または、レジリエンス(精神的な回復力)等の項目に該当する情報が含まれる。
【0059】
アンケート情報は、例えば、健康管理システム3の健康管理DB3Aから取得される。アンケート情報には、各従業員についての、喫煙、飲酒もしくは睡眠等の生活習慣に関する項目、既婚・未婚、子供もしくは居住地等の家庭環境に関する項目、または、既往歴、投薬もしくは基礎疾患等のPHRに関する項目等に該当する情報が含まれる。
人事情報は、例えば、人事システムの人事DBから取得される。人事情報には、各従業員についての、所属部署、役職、入社年、勤続年数、または、給与もしくは賞与の額等の項目に該当する情報が含まれる。
上述の各項目は、例えば、その項目を特定するID(以下「項目ID」という。)および名称(以下「項目名」という。)と紐づけて、健康管理DB3Aまたは人事DB等に格納されている。
【0060】
なお、健康関連情報取得部222は、一度取得した健康関連情報を、対象企業IDと紐づけて記憶部23に記憶させておくこともできる。この場合、健康関連情報取得部222は、前回の取得から短時間しか経過していない健康関連情報の取得については、記憶部23からの取得を行ってもよい。
また、設定情報取得部221が、対象企業における特定の単位ごとに設定された設定情報を取得する場合、健康管理DB3Aまたは人事DB等に格納された健康関連情報は、単位IDとも紐づけられている。健康関連情報取得部222は、単位IDも含めた健康関連情報を取得することもできるし、健康関連状況グループの送信要求に単位IDの指定が含まれていれば、指定された単位IDの健康関連情報を取得することもできる。
【0061】
健康関連情報取得部222は、健康関連情報を取得すると、取得した健康関連情報とグループ表示情報の送信要求とを紐づけて、判定部223に出力する。
【0062】
(判定部)
判定部223は、判定条件情報と健康関連情報とに基づいて、従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定する。
判定部223は、設定情報取得部221から、健康関連状況グループの送信要求と紐づけられた設定情報を取得し、かつ、健康関連情報取得部222から、健康関連状況グループの送信要求と紐づけられた健康関連情報を取得すると、判定対象となるすべての従業員のそれぞれについて、その従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定する。
【0063】
複数の健康関連状況グループが存在する場合、すべての健康関連状況グループのそれぞれについて、判定部223は、各従業員がその健康関連状況グループに該当するか否かを判定する。また、健康関連状況グループの送信要求において指定された1または複数の健康関連状況グループが存在する場合、指定されたすべての健康関連状況グループのそれぞれについて、判定部223は、各従業員がその健康関連状況グループに該当するか否かを判定する。
【0064】
判定部223は、上述の判定が終了すると、各従業員についての従業員特定情報と、その従業員が各健康関連状況グループに該当するか否かの判定の結果とを紐づけた情報(以下、この判定の結果に従業員特定情報も含めた情報を「判定結果」という。)を、設定情報およびグループ表示情報の送信要求と紐づけて、グループ表示情報生成部224に出力する。
【0065】
(グループ表示情報生成部)
グループ表示情報生成部224は、判定の判定結果と表示態様情報とに基づいて、表示画面に健康関連状況グループに関する表示を行うためのグループ表示情報を生成する。
グループ表示情報生成部224は、判定部223から、グループ表示情報の送信要求および設定情報と紐づけられた判定結果を取得すると、判定結果と、設定情報に含まれる表示態様情報とに基づいて、グループ表示情報を生成する。
【0066】
グループ表示情報生成部224は、グループ表示情報を生成すると、グループ表示情報の送信要求に含まれる、端末特定情報、対象企業IDまたは利用者IDを利用して、グループ表示情報の送信要求を送信したサービスユーザ端末4を特定し、特定したサービスユーザ端末4に、生成したグループ表示情報を送信する。
サービスユーザ端末4は、グループ表示情報生成部224からグループ表示情報を取得すると、サービスユーザ端末4が有するディスプレイ等の表示画面に健康関連状況グループ等に関する表示を行う。
【0067】
設定情報取得部221は、健康関連状況グループに該当する1または複数の従業員について、従業員ごとの情報を表示するための表示態様情報を取得し、グループ表示情報生成部224は、従業員ごとの情報を表示するためのグループ表示情報を生成することができる。
対象企業における産業医等は、健康関連状況グループに該当する従業員の人数等の情報の他、健康関連状況グループに該当する従業員個々に関する情報を確認したい場合がある。このような場合に、健康関連状況グループに該当する従業員個々についての健康関連状況を表示する際、多数の従業員または多数の健康関連状況グループが存在すると、表示が煩雑になり、産業医等が、視覚的に各従業員の健康関連状況を把握することが難しくなり得る。
【0068】
表示が煩雑になることを避けるため、表示態様情報は、上述のように、対象企業における産業医等の意見を踏まえながら、産業医等自身または対象企業における産業医等以外の担当者がサービスユーザ端末4を操作することによって設定され得る。
表示態様情報によって設定される表示態様は、例えば、1つの健康関連状況グループに該当する1または複数の従業員の氏名を表示画面の上方から下方に向けて順番に並べた上で、各従業員の氏名の横に、その従業員の健康関連状況が項目別条件を満たしている選択項目を示すアイコンを、並べて表示する態様である。
【0069】
アイコンとしては、選択項目ごとに、その選択項目の内容を視覚的に分かりやすく示したアイコンを、産業医等の意見を踏まえつつ、産業医等自身または対象企業における担当者が自由に設定できる。アイコンについては、グループ設定・表示サービスの機能として、予め十分な数の多様なものが用意されていてもよい。また、アイコンは、産業医等または対象企業における担当者が適宜作成等したものであってもよい。
【0070】
図3は、従業員ごとの情報を表示する表示画面の例を示す画面図である。
図3には、表示画面300が示されており、表示画面300中には、健康関連状況グループに関するグループ名称301として「肝臓リスク」の文字列が表示されるほか、その健康関連状況グループに該当する複数の従業員のそれぞれに関して、顔写真302、氏名303(「AAA」、「BBB」等)、性別と年齢304(「男(30)」、「女(23)」等)、および、選択項目を示すアイコン305が表示されている。
例えば、一番上の氏名「AAA」の30歳の男性については、左から順に、肝臓に関するアイコンが2つ並び、続いて、喫煙に関するアイコン、および、心疾患に関するアイコンが表示されている。産業医等は、このような表示に基づいて、氏名「AAA」の従業員については、肝臓に関する2種類の検査項目について項目別条件に該当し、喫煙の習慣があり、さらに、心疾患も有していることを、視覚的に把握できる。
【0071】
グループ表示情報生成部224は、従業員ごとの情報を表示するためのグループ表示情報に、閲覧権限を有する者のみに閲覧を許容するための閲覧制限情報を含める。
従業員ごとの情報は、要配慮個人情報等を含む個人情報であることが想定される。したがって、対象企業における利用者IDを有する従業員であっても、従業員の職種または権限を考慮し、閲覧に制限を設けることが望ましい。
【0072】
対象企業は、利用者IDを発行する際、従業員ごとの情報を表示する場合の閲覧権限の有無を設定することができる。
閲覧権限の有無は、例えば、閲覧権限有りの場合は「1」とされ、無しの場合は「0」とされる、フラグ等で示される。利用者IDと閲覧権限の有無を示す情報は、端末用記憶装置に記憶され、サービスユーザ端末4が、グループ表示情報の送信要求に利用者IDと閲覧権限の有無を示す情報を含めて、情報処理装置2に送信してもよい。グループ表示情報生成部224は、グループ表示情報の送信要求に含まれる利用者IDと閲覧権限の有無を示す情報を参照して、グループ表示情報に、閲覧制限情報を含めて生成できる。
【0073】
または、利用者IDと閲覧権限の有無を示す情報は、サービスユーザ端末4からの設定操作を受けて、情報処理装置2によって記憶部23に予め記憶されて管理され、サービスユーザ端末4は、グループ表示情報の送信要求に利用者IDを含めて情報処理装置2に送信し、グループ表示情報生成部224は、記憶部23を参照して、利用者IDに基づく閲覧権限の有無を示す情報を抽出することによって、グループ表示情報に閲覧制限情報を含めて生成してもよい。
【0074】
サービスユーザ端末4は、グループ表示情報生成部224から、閲覧制限情報が含まれたグループ表示情報を取得すると、グループ表示情報に含まれる閲覧制限情報が閲覧不可を示している場合は、従業員ごとの情報は表示せず、閲覧制限情報が閲覧可を示している場合は、従業員ごとの情報を表示する。
【0075】
グループ表示情報生成部224は、従業員の属性ごとの統計情報、時系列に並べた統計情報、または、健康関連状況グループごとの統計情報の少なくとも1つを表示するためのグループ表示情報を生成する。
グループ表示情報生成部224は、上述の3種類の統計情報のうち、1種類のみを表示する機能を有するものであってもよいし、2種類以上を表示する機能を有するものであってもよい。グループ表示情報生成部224が、上述の3種類の統計情報のうち、2種類以上を表示する機能を有するものである場合、グループ表示情報生成部224は、対象企業における産業医等によるサービスユーザ端末4に対する操作に基づき、いずれの統計情報を表示するためのグループ表示情報を生成するかを切り替えることができる。
【0076】
グループ表示情報生成部224が従業員の属性ごとの統計情報を表示するためのグループ表示情報を生成する場合、グループ表示情報生成部224は、従業員の属性ごとに、例えば、各健康関連状況グループへの該当人数または割合等の統計情報を表示するためのグループ表示情報を生成する。従業員の属性は、従業員に関して入手可能な各種情報の中から、例えば対象企業における産業医等によるサービスユーザ端末4に対する操作に基づき、任意に指定され得る。従業員の属性は、例えば、従業員の年齢、所属、生活習慣等である。
【0077】
グループ表示情報生成部224が時系列に並べた統計情報を表示するためのグループ表示情報を生成する場合、グループ表示情報生成部224は、例えば、ある1つの健康関連状況グループへの該当人数を、年単位等の時系列で表示するためのグループ表示情報を生成する。
また、グループ表示情報生成部224が時系列に並べた統計情報を表示するためのグループ表示情報を生成する場合、グループ表示情報生成部224は、統計値の単位期間あたりの変化率を算出し、統計値が急激に変化する期間があったことを検出した場合、その期間の統計値が強調表示された統計情報を表示するためのグループ表示情報を生成するものであってもよい。
【0078】
グループ表示情報生成部224が健康関連状況グループごとの統計情報を表示するためのグループ表示情報を生成する場合、グループ表示情報生成部224は、例えば、複数の健康関連状況グループそれぞれへの現時点での該当人数を表示するためのグループ表示情報を生成する。
【0079】
また、グループ表示情報生成部224は、例えば、ある1つの健康関連状況グループに該当する従業員の属性ごとの該当人数を、時系列に折れ線グラフ等で示した統計情報を表示するためのグループ表示情報を生成するようなものでもよい。すなわち、グループ表示情報生成部224は、上述の3種類の統計情報のうち、2種類以上に該当するような統計情報を表示するためのグループ表示情報を生成するようなものでもよい。
なお、対象企業における産業医等は、このような統計情報の表示についても、表示態様を設定することができる。
【0080】
(項目表示情報生成部、操作情報取得部、記憶指示部)
対象企業における産業医等がサービスユーザ端末4を操作して設定情報を自由に設定でき、また、設定情報取得部221が記憶部23(記憶装置)から、そのようにして設定された設定情報を取得できるようにするため、情報処理装置2は、例えば、項目表示情報生成部225、操作情報取得部226、および、記憶指示部227を備える。
【0081】
項目表示情報生成部225は、健康関連情報取得部222が取得可能な、健康関連情報を構成する複数の項目を表示するための項目表示情報を生成する。
項目表示情報生成部225は、例えば、対象企業の産業医等が、健康関連状況グループの設定のためにサービスユーザ端末4を操作することにより、サービスユーザ端末4から情報処理装置2に対して項目表示情報の送信要求があると、項目表示情報の生成処理を行う。
【0082】
上述のように、健康関連情報取得部222は、健康管理システム3の健康管理DB3Aおよび人事システムの人事DB等から、健康関連情報を取得することができ、また、健康関連情報は複数の項目から構成される。
項目表示情報生成部225が項目表示情報を生成するのに先だって、例えば、健康関連情報取得部222は、取得可能な健康関連情報をすべて取得し、取得した健康関連情報を、項目表示情報生成部225に出力する。項目表示情報生成部225は、健康関連情報取得部222から取得した、健康関連情報取得部222が取得可能な健康関連情報に基づき、健康関連情報を構成する複数の項目を表示するための項目表示情報を生成する。
【0083】
項目表示情報生成部225は、項目表示情報を生成すると、生成した項目表示情報をサービスユーザ端末4に送信する。サービスユーザ端末4は、項目表示情報生成部225から項目表示情報を取得すると、項目表示情報に基づき、サービスユーザ端末4が有するディスプレイ等の表示画面に、健康関連情報を構成する複数の項目の表示を含む、設定条件の設定用画面の表示を行う。設定用画面は、ハードウェアとしての表示画面に、プログラムにより表示される画面である。
サービスユーザ端末4は、項目数が多い場合、まず、健康関連情報を、健康診断結果情報、ストレスチェック結果情報、勤怠情報、業務歴情報、行動特性情報、アンケート情報、または、人事情報等の大きな単位で表示し、いずれかの情報が選択された場合に、その情報を構成する(その情報に含まれる)項目を表示するような、階層的な表示を行うものであってもよい。
【0084】
設定用画面には、健康関連情報を構成する複数の項目それぞれの項目名が表示可能であるとともに、例えば、複数の項目のうち1または複数の項目を選択可能とするためのチェックボックス、および、各項目について項目別条件を設定可能とするための条件設定欄等を、それぞれ各項目名の横に並べて表示可能である。
条件設定欄は、ある項目が、その項目が示す事項に従業員の健康関連状況が該当するか否かで判断されるものであれば、例えば、「該当」、「非該当」または「どちらでもない」等を択一的に選択可能なラジオボタンとして表示され、また、ある項目が、従業員の健康関連状況を数値で表すものであれば、例えば、その数値の閾値または範囲を入力する欄と、「以上」、「以下」、「未満」または「超」とを選択可能なプルダウンメニューの組み合わせとして表示される。
【0085】
また、条件設定欄は、ある項目が、従業員の健康関連状況を数値で表すものであれば、単位期間における変化率を条件とするために、単位期間を入力する入力欄と、変化率の閾値を入力する欄と、「以上」、「以下」、「未満」または「超」とを選択可能なプルダウンメニューの組み合わせとして表示されてもよい。変化率は、例えば、グループ表示情報生成部224が算出する。
さらに、設定用画面には、例えば、項目(選択項目)の選択と項目別条件の設定が完了した際に操作される完了ボタンが表示されている。
【0086】
対象企業における産業医等は、設定用画面に対する操作を行うことで、項目(選択項目)の選択と項目別条件の設定を行い、設定が完了した場合、完了ボタンを操作する。
完了ボタンが操作されると、サービスユーザ端末4は、健康関連状況グループ名を入力するための画面を表示し、対象企業における産業医等は、健康関連状況グループ名を入力し、当該画面に表示された送信ボタンを操作する。送信ボタンの操作は、設定情報に含まれる判定条件(判定条件情報)および表示態様(表示態様情報)のうち、少なくとも判定条件(情報)を設定するための操作である。判定条件(判定条件情報)は、選択項目(例えば項目ID)と項目別条件と健康関連状況グループ名とを紐づけたものである。
【0087】
送信ボタンが操作されると、サービスユーザ端末4は、設定情報の設定のための操作を示す操作情報を生成し、生成した操作情報を、情報処理装置2に送信する。操作情報には、選択項目と項目別条件と健康関連状況グループ名とを紐づけた判定条件を示す判定条件情報が含まれる。操作情報には、対象企業における産業医等によって別途設定された表示態様情報が含まれていてもよいし、グループ設定・表示サービスにおいてデフォルトとして用意されている表示態様情報が含まれていてもよい。
【0088】
操作情報取得部226は、上述の操作情報、より詳しくは、複数の項目のうちの1または複数の項目である選択項目と、選択項目ごとに設定された項目別条件と、健康関連状況グループとを紐づけた判定条件を少なくとも含む設定情報の設定のための操作を示す操作情報を、取得する。
操作情報取得部226は、サービスユーザ端末4から、上述の操作情報を取得すると、取得した操作情報を記憶指示部227に出力する。
【0089】
記憶指示部227は、操作情報に基づき、設定情報を記憶部23(記憶装置)に記憶させる。記憶指示部227は、操作情報取得部226から操作情報を取得すると、取得した設定情報を、記憶部23に記憶させる。その際、記憶指示部227は、取得した設定情報に、その設定情報固有の健康関連状況グループIDを生成し、生成した健康関連状況グループIDと設定情報とを紐づけて、記憶部23に記憶させてもよい。
【0090】
なお、上述のように、対象企業における産業医等は、記憶部23に記憶されている複数の既存の健康関連状況グループの設定情報の論理積または論理和等に基づく新たな健康関連状況グループの設定情報を設定することもできる。
サービスユーザ端末4は、設定用画面において、既存の健康関連状況グループを利用した設定情報の設定を行うためのボタンを表示させ、対象企業における産業医等がそのボタンを操作した場合、例えば、情報処理装置2にアクセスして、既存の健康関連状況グループの設定情報を取得し、設定用画面に表示させてもよい。
この場合の設定用画面には、複数の健康関連状況グループそれぞれの健康関連状況グループ名が表示可能であるとともに、例えば、複数の健康関連状況グループのうちの複数の項目を選択可能とするためのチェックボックスを各項目名の横に並べて表示可能であるとともに、選択された複数の健康関連状況グループについての「論理積」、「論理和」等を選択可能なプルダウンメニュー等を表示可能である。
対象企業における産業医等がこの設定用画面に対する操作を行うことで、上述と同様な処理がなされ、新たな健康関連状況グループの設定情報が記憶部23に記憶されることとなる。
【0091】
(情報処理方法)
図4は、実施の形態1に係る情報処理方法を示すフローチャートである。この情報処理方法は、情報処理装置2により実行される。
設定情報取得部221が、対象企業における従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定するための判定条件を示した判定条件情報と、表示画面における健康関連状況グループの表示態様を示した表示態様情報とを含む、設定情報を取得する(ステップST1)。
健康関連情報取得部222が、従業員の健康状態に関連する健康関連情報を取得する(ステップST2)。
判定部223が、判定条件情報と健康関連情報とに基づいて、従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定する(ステップST3)。
グループ表示情報生成部224が、判定の判定結果と表示態様情報とに基づいて、表示画面に健康関連状況グループに関する表示を行うためのグループ表示情報を生成する(ステップST4)。
ステップST1とステップST2との順番は、逆でもよいし、両ステップST1,ST2は、並行して行われてもよい。
【0092】
なお、情報処理装置2は、少なくとも、設定情報取得部221、健康関連情報取得部222、判定部223、および、グループ表示情報生成部224の機能を備えていればよく、項目表示情報生成部225、操作情報取得部226、および、記憶指示部227は、任意に付加される機能である。
【0093】
以上のように、実施の形態1に係る情報処理装置2は、対象企業における従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定するための判定条件を示す判定条件情報と、表示画面における健康関連状況グループの表示態様を示す表示態様情報とを含む、設定情報を取得する、設定情報取得部221と、従業員の健康状態に関連する健康関連情報を取得する、健康関連情報取得部222と、判定条件情報と健康関連情報とに基づいて、従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定する判定部223と、判定の判定結果と表示態様情報とに基づいて、表示画面に健康関連状況グループに関する表示を行うためのグループ表示情報を生成するグループ表示情報生成部224と、を備える。
実施の形態1に係る情報処理装置2によって、企業による健康関連状況グループの柔軟な設定を可能とするための情報処理装置を得ることができる。
すなわち、実施の形態1に係る情報処理装置2は、従業員が健康関連状況グループに該当するか否かの判定を、取得した判定条件情報に基づき行うことができるため、対象企業は、判定条件情報を意図どおりに変更することによって、柔軟に健康関連状況グループの設定を行うことができる。
【0094】
また、実施の形態1に係る情報処理装置2によって、企業による健康関連状況グループの表示について柔軟な設定を可能とするための情報処理装置を得ることもできる。
すなわち、実施の形態1に係る情報処理装置2は、表示画面に健康関連状況グループに関する表示を行うためのグループ表示情報の生成を、取得した表示態様情報に基づき行うことができるため、対象企業は、判定条件情報を意図どおりに変更することによって、柔軟に健康関連状況グループの表示の設定を行うことができる。
そして、これにより、対象企業は、健康関連状況グループに該当する従業員についての健康関連状況を表示する際に、多数の従業員または多数の健康関連状況グループが存在していても、視覚的に各従業員の健康関連状況を把握し得る。
【0095】
実施の形態1に係る情報処理装置2は、さらに、健康関連情報取得部222が取得可能な、健康関連情報を構成する複数の項目を表示するための項目表示情報を生成する項目表示情報生成部225と、複数の項目のうちの1または複数の項目である選択項目と、選択項目ごとに設定された項目別条件と、健康関連状況グループとを紐づけた判定条件を少なくとも含む設定情報の設定のための操作を示す操作情報を取得する操作情報取得部226と、操作情報に基づき、設定情報を記憶装置(記憶部23)に記憶させる記憶指示部227と、を備え、設定情報取得部221は、記憶装置(記憶部23)から、設定情報を取得するものであってもよい。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置2は、対象企業に対し、選択項目を選択するための複数の項目の表示を受けることができ、また、選択項目と、選択項目ごとの項目別条件と、健康関連状況グループとを紐づけた設定情報を、記憶装置(記憶部23)に記憶させておくための機能を提供することができる。
【0096】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、設定情報取得部221は、対象企業における、特定の単位ごとに設定された設定情報を取得するものであってもよい。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置2は、特定の単位ごとに設定された設定情報を取得できるため、対象企業は、組織を構成する複数の単位それぞれの状況に応じて、その状況に適した健康関連状況グループを設定することができる。
【0097】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、設定情報取得部221は、対象企業における特定の単位として、事業所単位、部署単位、部門単位、または、特定の役職者グループ単位のうち、少なくとも1種類の単位で設定された設定情報を取得するものであってもよい。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置2は、特定の単位として、事業所単位、部署単位、部門単位、または、特定の役職者グループ単位のうち、少なくとも1種類の単位で設定された設定情報を取得することができるため、対象企業は、それぞれの単位における従業員がどのような健康関連状況グループを形成しているのかを特定し観察した上で、適切な今後の取組を検討し実施する等、よりきめ細かい対応を行うことができる。
【0098】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、健康関連情報取得部222は、健康診断結果情報、ストレスチェック結果情報、勤怠情報、業務歴情報、行動特性情報、アンケート情報、または、人事情報のうち、少なくとも1つの情報を含む健康関連情報を取得する。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置2は、種々の健康関連情報を取得することができるため、対象企業は、健康関連状況を多様な観点から捉え、自社の従業員がどのような健康関連状況グループを形成しているのかを特定し観察した上で、それぞれの健康関連状況グループに適した取組を行うことができる。
【0099】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、設定情報取得部221は、健康関連状況グループに該当する1または複数の従業員について、従業員ごとの情報を表示するための表示態様情報を取得し、グループ表示情報生成部224は、従業員ごとの情報を表示するためのグループ表示情報を生成する。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置2は、取得した従業員ごとの情報を表示するための表示態様情報に基づいて、従業員ごとの情報を表示するためのグループ表示情報を生成することができるため、対象企業は、表示態様情報を設定することで、健康関連状況グループに該当する従業員個々に関する情報を、視覚的に容易に把握できる態様で表示画面に表示させることができる。
【0100】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、グループ表示情報生成部224は、従業員ごとの情報を表示するためのグループ表示情報に、閲覧権限を有する者のみに閲覧を許容するための閲覧制限情報を含めてもよい。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置2は、従業員ごとの情報を表示するためのグループ表示情報について、閲覧権限を有する者のみに閲覧を許容することができる。従業員ごとの情報は、要配慮個人情報等を含む個人情報であることが想定される。上述のグループ表示情報生成部224の機能によって、対象企業は、従業員の職種または権限を考慮し、閲覧に制限をかけることできる。
【0101】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、設定情報取得部221は、複数の健康関連状況グループが設定されている場合、健康関連状況グループごとの表示態様情報を取得する。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置2は、取得した健康関連状況グループごとの表示態様情報に基づいて、グループ表示情報を生成することができる。複数の健康関連状況グループが設定されている場合、健康関連状況グループごとに、選択項目の数等が異なり得るため、表示が煩雑になりやすいものと、そうでないものとが混在し得る。上述の設定情報取得部221の機能によって、対象企業は、健康関連状況グループごとに、その選択項目数等を考慮した、視認性のよい表示態様を設定することができる。
【0102】
実施の形態1に係る情報処理装置2において、グループ表示情報生成部224は、従業員の属性ごとの統計情報、時系列に並べた統計情報、または、健康関連状況グループごとの統計情報の少なくとも1つを表示するためのグループ表示情報を生成するものであってもよい。
これにより、実施の形態1に係る情報処理装置2は、種々の態様の統計情報を表示するためのグループ表示情報を生成することができる。したがって、対象企業は、健康関連状況グループに関する統計情報を確認した上で、それぞれの健康関連状況グループに適した取組を行うことができる。
【0103】
実施の形態1に係るプログラムは、コンピュータを情報処理装置2として機能させる。
実施の形態1に係るプログラムは、コンピュータを、企業による健康関連状況グループの柔軟な設定を可能とするための情報処理装置2として機能させることができる。
【0104】
実施の形態1に係る情報処理方法は、設定情報取得部221が、対象企業における従業員が健康関連状況グループに該当するか否かを判定するための判定条件を示した判定条件情報と、表示画面における前記健康関連状況グループの表示態様を示した表示態様情報とを含む、設定情報を取得するステップと、健康関連情報取得部222が、前記従業員の健康状態に関連する健康関連情報を取得するステップと、判定部223が、前記判定条件情報と前記健康関連情報とに基づいて、前記従業員が前記健康関連状況グループに該当するか否かを判定するステップと、グループ表示情報生成部224が、前記判定の判定結果と前記表示態様情報とに基づいて、前記表示画面に前記健康関連状況グループに関する表示を行うためのグループ表示情報を生成するステップと、を備える
この実施の形態1に係る情報処理方法により、企業による健康関連状況グループの柔軟な設定を可能とするための方法が得られる。
【符号の説明】
【0105】
1 情報処理システム、2 情報処理装置、3 健康管理システム、4 サービスユーザ端末、5 ネットワーク、21 通信部、22 演算部、23 記憶部、100 通信インタフェース、101 入出力インタフェース、102 プロセッサ、103 メモリ、221 設定情報取得部、222 健康関連情報取得部、223 判定部、224 グループ表示情報生成部、225 項目表示情報生成部、226 操作情報取得部、227 記憶指示部、300 表示画面、301 グループ名称、302 顔写真、303氏名、304 性別と年齢、305 アイコン。