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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144053
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】子供用靴
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/14 20060101AFI20241003BHJP
   A43B 3/30 20060101ALI20241003BHJP
   A43B 7/1445 20220101ALI20241003BHJP
【FI】
A43B13/14 Z
A43B3/30
A43B7/1445
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023194325
(22)【出願日】2023-11-15
(31)【優先権主張番号】P 2023053820
(32)【優先日】2023-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】517170052
【氏名又は名称】デサントジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】佐川 雅也
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050AA01
4F050BA05
4F050BA27
4F050HA53
4F050JA28
4F050KA06
4F050LA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】耐久性を向上させつつ踵の内側への倒れこみを抑制できる子供靴を提供する。
【解決手段】子供靴は、アッパーと、踵領域が配置される踵部23、踵部23に連接されて足の中足領域が配置されるアーチ部24、アーチ部24に連接されて足の母趾球ないし小趾球領域が配置される踏み込み部25、及び踏み込み部25に連接されて足のつま先領域が配置されるつま先部26を有しており、非発泡のゴム部材で構成される、アウトソール20とを備えている。アーチ部24は、幅方向内側において底面が踵部23の底面と連続しており前方に延びる延長部24hと、延長部24hの幅方向外側において底面が延長部の底面よりも上方に位置するベース部24gとを有している。アウトソール20の踵部23および延長部24hは、残余の部分よりも厚い。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の足を包むように形成されたアッパーと、
前記アッパーが接着される基本面、地面に接地する靴底面、前記使用者の足の踵領域が配置される踵部、前記踵部に連接されて使用者の土踏まずを含む足の中足領域が配置されるアーチ部、前記アーチ部に連接されて使用者の足の母趾球ないし小趾球領域が配置される踏み込み部、及び前記踏み込み部に連接されて使用者の足のつま先領域が配置されるつま先部を有しており、非発泡のゴム部材で構成される、アウトソールと
を備え、
前記アーチ部は、幅方向内側において底面が前記踵部の底面と連続しており前方に延びる延長部と、前記延長部の幅方向外側において底面が前記延長部の底面よりも上方に位置するベース部とを有しており、
前記アウトソールの前記踵部および前記延長部は、残余の部分よりも厚い、子供靴。
【請求項2】
前記踵部および前記延長部は、前記基本面から下方に向かって凹む肉抜き部を有する、
請求項1に記載の子供靴。
【請求項3】
前記アウトソールは、前記基本面の周縁から上方に向かって立ち上がる周壁部を有する、
請求項1または請求項2に記載の子供靴。
【請求項4】
前記周壁部は、使用者の足の幅方向内側に位置する内側壁部を有し、
前記内側壁部における前記アーチ部に対応するアーチ内壁部が、前記内側壁部における前記踏み込み部に対応する踏み込み内壁部よりも高い、
請求項3に記載の子供靴。
【請求項5】
前記周壁部は、使用者の足の幅方向外側に位置する外側壁部を有し、
前記外側壁部における前記アーチ部に対応するアーチ外壁部が、前記外側壁部における前記踏み込み部に対応する踏み込み外壁部よりも高い、
請求項4に記載の子供靴。
【請求項6】
前記周壁部は、前記踵部に位置する踵壁部と、前記踏み込み部に位置する踏み込み壁部とを有し、
前記踵壁部が、前記踏み込み壁部よりも高い、
請求項3に記載の子供靴。
【請求項7】
前記周壁部は、前記踵部の前後方向の中間部で、使用者の足の幅方向内側および外側それぞれに設けられた、下方に向かって凹む一対の第1凹部を有する、
請求項3に記載の子供靴。
【請求項8】
前記周壁部は、前記つま先部と前記踏み込み部との境界を含む位置で、使用者の足の幅方向内側および外側それぞれに設けられた、下方に向かって凹む第2凹部を有する、
請求項3に記載の子供靴。
【請求項9】
前記つま先部および前記踏み込み部は、前記踵部および前記アーチ部よりも薄い、
請求項1または請求項2に記載の子供靴。
【請求項10】
前記踏み込み部は、前記アウトソールの屈曲促進部を有している、
請求項1または請求項2に記載の子供靴。
【請求項11】
前記アッパーは、使用者の踵を背面側から包み込むヒールカウンタを有し、
前記ヒールカウンタは、前記踵の背面に位置する背面ヒールカウンタと、背面ヒールカウンタの幅方向内側から前方に向かって延びる内側ヒールカウンタと、幅方向外側から前方に向かって延びる外側ヒールカウンタとを含んでおり、
前記内側ヒールカウンタは、前記外側ヒールカウンタよりも前後方向に長い、
請求項1または請求項2に記載の子供靴。
【請求項12】
前記アウトソールおよび/または前記アッパーの幅方向内側には、それぞれ、少なくとも2つの目印が設けられている
請求項1または請求項2に記載の子供靴。
【請求項13】
前記目印は、前後方向において前記使用者の前記踵領域に位置する第1目印と、前記使用者の前記つま先領域に位置する第2目印とを有する
請求項12に記載の子供靴。
【請求項14】
左右一対の前記アウトソールの幅方向内側には、前記アウトソールに一体形成された少なくとも1つの目印が、それぞれ設けられている
請求項1または請求項2に記載の子供靴。
【請求項15】
前記目印は、前記アウトソールを幅方向において窪ませる凹部で形成されている
請求項14に記載の子供靴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子供用靴に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、使用者の足を包むように形成されたアッパーと、地面に接地する靴底面を構成するアウトソールとを備えた幼児用靴(子供靴)が開示されている。アウトソールには、使用者の足の踵領域が配置される踵部と、踵部に連接されて使用者の土踏まずを含む足の中足領域が配置されるアーチ部と、アーチ部に連接されて使用者の足の母趾球ないし小趾球領域が配置される踏み込み部と、踏み込み部に連接されて使用者の足のつま先領域が配置されるつま先部とが含まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4024058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、足裏の体幅方向内側には、上方に向かって窪んだアーチ状の土踏まずが位置する。この土踏まずのアーチを正常に形づけているのは、足の骨をつなぐ靭帯や筋肉であるが、歩き始めの子供は靭帯や筋肉が未発達であるので、土踏まずのアーチが発達途上にあり扁平足になりやすい。この扁平足の状態が続くと、土踏まずのアーチの発達がうまくいかず、足が内側へ倒れこんで、ハの字状に傾くいわゆる外反扁平足となる場合がある。これは、転びやすい、疲れやすい等、歩行に支障が生じ得る。しかしながら、特許文献1の幼児用靴では、踵の内側への倒れこみを抑制するための構成を備えていない。
【0005】
また、この種の子供靴は、軽量性およびクッション性の要求から、地面に接地するアウトソールに発泡材料が使用される場合がある。しかしながら、発泡材料は、非発泡の天然ゴム等に比べて、耐磨耗性、耐亀裂成長性等の耐久性が劣る。
【0006】
本発明は、耐久性が向上されると共に、踵の内側への倒れこみを抑制できる子供靴を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、使用者の足を包むように形成されたアッパーと、
前記アッパーが接着される基本面、地面に接地する靴底面、前記使用者の足の踵領域が配置される踵部、前記踵部に連接されて使用者の土踏まずを含む足の中足領域が配置されるアーチ部、前記アーチ部に連接されて使用者の足の母趾球ないし小趾球領域が配置される踏み込み部、及び前記踏み込み部に連接されて使用者の足のつま先領域が配置されるつま先部とを有しており、非発泡のゴム部材で構成される、アウトソールと
を備え、
前記アーチ部は、幅方向内側において底面が前記踵部の底面と連続しており前方に延びる延長部と、前記延長部の幅方向外側において底面が前記延長部の底面よりも上方に位置するベース部とを有しており、
前記アウトソールの前記踵部および前記延長部は、残余の部分よりも厚い、子供靴を提供する。
【0008】
本発明の一態様によれば、アウトソールが非発泡のゴム部材からなるため、発泡部材を用いる場合に比べて、耐久性を向上させることができる。延長部がアーチ部の幅方向外側の部分よりも地面側に突出しているので、装着状態では、延長部が設けられていないアーチ部の幅方向外側の部分が地面に近づくように変形する。言い換えると、アーチ部が幅方向外側に向かって下方に向かうように傾斜する。これにより、使用者の足は、中足領域の幅方向内側に位置する土踏まずが支持されて、幅方向外側の部分が下方に傾斜するので、踵が外側に向かって傾くように補正されて踵の内側への倒れこみが抑制される。
【0009】
前記踵部および前記延長部は、前記基本面から下方に向かって凹む肉抜き部を有していてもよい。
【0010】
本構成によれば、発泡部材に比べて比重が大きい非発泡部材から構成されるアウトソールは、重くなりやすく、特に踵部および延長部の厚さを厚くした場合、さらに重量が増加する傾向となるが、踵部および延長部に肉抜き部を設けることで、重量の増加を抑制できる。また、肉抜き部は、エアクッションとしての機能を有する。
【0011】
前記アウトソールは、前記基本面の周縁から上方に向かって立ち上がる周壁部を有してもよい。
【0012】
本構成によれば、基本面に加えて周壁部においてもアウトソールとアッパーとを接着できるので、例えば、周壁部を有さずにアウトソールとアッパーとが接着された側面に、接着断面を目隠し、ないし、接着面の剥がれを抑制するためのフォクシングテープ等を接着する場合のように、フォクシングテープの剥がれや亀裂等による耐久性の低下を防止することができる。
【0013】
前記周壁部は、使用者の足の幅方向内側に位置する内側壁部を有し、前記内側壁部における前記アーチ部に対応するアーチ内壁部が、前記内側壁部における前記踏み込み部に対応する踏み込み内壁部よりも高くてもよい。
【0014】
本構成によれば、アーチ部の幅方向内側のアーチ内壁部の高さが高くなっているので、使用者の足の内側への倒れこみがより効果的に抑制され得る。さらに、周壁部の高さを高くすることで、アウトソールとアッパーとの接着面積が拡大されて、耐久性を向上できる。
【0015】
前記周壁部は、使用者の足の幅方向外側に位置する外側壁部を有し、前記外側壁部における前記アーチ部に対応するアーチ外壁部が、前記外側壁部における前記踏み込み部に対応する踏み込み外壁部よりも高くてもよい。
【0016】
本構成によれば、アーチ内壁部に加え、アーチ部の幅方向外側のアーチ外壁部が高くなっているので、不安定な子供の歩行時における足の横ぶれを抑制しやすい。さらに、周壁部の高さを高くすることで、アウトソールとアッパーとの接着面積が拡大されて、耐久性を向上できる。
【0017】
前記周壁部は、前記踵部に位置する踵壁部と、前記踏み込み部に位置する踏み込み壁部とを有し、
前記踵壁部が、前記踏み込み壁部よりも高くてもよい。
【0018】
本構成によれば、踵壁部によって、使用者の足の踵領域を支持する(ホールドする)ことができる。
【0019】
前記周壁部は、前記踵部の前後方向の中間部で、使用者の足の幅方向内側および外側それぞれに設けられた、下方に向かって凹む一対の第1凹部を有してもよい。
【0020】
本構成によれば、周壁部に第1凹部を設けない場合に比べてアウトソールの軽量化を図ることができる。
【0021】
前記周壁部は、前記つま先部と前記踏み込み部との境界を含む位置で、使用者の足の幅方向内側および外側それぞれに設けられた、下方に向かって凹む第2凹部を有してもよい。
【0022】
本構成によれば、第2凹部を設けない場合に比べて、歩行時に屈曲するつま先領域と母趾球ないし小指球領域との境界に対応する部分におけるアウトソール全体の厚さが薄いので、つま先部と踏み込み部の境界におけるアウトソールの屈曲性を高めることができ、使用者の歩行を促進できる。また、周壁部に第2凹部を設けない場合に比べてアウトソールの軽量化を図ることができる。
【0023】
前記つま先部および前記踏み込み部は、前記踵部および前記アーチ部よりも薄くてもよい。
【0024】
本構成によれば、踵部およびアーチ部に比べて、前側に位置するつま先部および踏み込み部が低くなるため、使用者の足が前側(つま先側)に傾きやすく、歩行時のスムーズな重心移動を図ることができる。また、幼児の歩行時に最も荷重がかかって、摩耗の激しい踵部分等のアウトソールの必要部位のみを厚くすることで、耐久性を向上させつつ、不必要に重量の増大を抑制できる。
【0025】
前記踏み込み部は、前記アウトソールの屈曲促進部を有していてもよい。
【0026】
本構成によれば、踏み込み部の厚さを薄くしたり、踏み込み部に幅方向に延びる溝部を設けたりする等で構成される屈曲促進部を設けることで、使用者の歩行時に積極的に屈曲させることが望まれる踏み込み部でアウトソールを屈曲させることができる。
【0027】
前記アッパーは、使用者の踵を背面側から包み込むヒールカウンタを有し、前記ヒールカウンタは、前記踵の背面に位置する背面ヒールカウンタと、背面ヒールカウンタの幅方向内側から前方に向かって延びる内側ヒールカウンタと、幅方向外側から前方に向かって延びる外側ヒールカウンタとを含んでおり、前記内側ヒールカウンタは、前記外側ヒールカウンタよりも前後方向に長くてもよい。
【0028】
本構成によれば、幅方向内側のヒールカウンタが長くなっているので、使用者の足の内側への倒れこみがより効果的に抑制され得る。
【発明の効果】
【0029】
本発明によって、耐久性が向上されると共に、踵の内側への倒れこみを抑制できる子供靴を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の子供靴の斜視図。
図2】子供靴の外側面図。
図3】子供靴の内側面図。
図4】アウトソールの単体底面図。
図5図4のV-V線に沿った断面図。
図6】アウトソールの単体平面図。
図7】子供靴の履き口を広げた状態の斜視図。
図8】子供靴の正面図。
図9図3のIX-IX線に沿った断面を模式的に示す模式図。
図10】第2実施形態に係る子供靴の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0032】
図1は本発明の一実施形態に係る子供靴(以下、「靴」ともいう)1の斜視図である。本実施形態において、子供靴1は、靭帯や筋肉が未発達である歩き始めの子供、例えば、1歳から4歳までを対象とする。また、子供靴1は、例えば、12cmから15cmの0.5cm刻みのサイズ展開を有してもよい。本実施形態では、14.0cmの子供靴1を例に挙げて、各種寸法(長さや深さ等)を説明する。なお、14.0cm以外の子供靴1における各種寸法の互いの比率は、14.0cmの子供靴1と同程度に設定されていてもよい。図1図10では、特に説明しない限り左足用の子供靴を示すが、本明細書の説明は、右足用の子供靴にも同様に適用される。
【0033】
靴1の説明に先立って、使用者の足Fの部位について説明する。
【0034】
図2に示すように、本実施形態では、足Fの先端部分で足指F10等を含む部分をつま先領域F1とし、足指の付け根部分F20で母趾球F21(図4参照)ないし小趾球F22(図4参照)等が位置する部分を踏み込み領域F2とし、土踏まずF30等を含む部分を中足領域F3とし、踵F40の周辺が踵領域F4とする。
【0035】
図4に示すように、母趾球F21は小指球F22より大きいので、踏み込み領域F2は、幅方向内側に位置する母趾球F21側の前後方向領域が、幅方向外側に位置する小指球F22側の前後方向領域よりも広くなっている。言い換えると、幅方向内側と外側とでは、踏み込み領域F2の前後方向位置がずれている。これにより、踏み込み領域F2の後端部F2aは、幅方向外側F23よりも幅方向内側F24が後ろ側に位置し、踏み込み領域F2の前端部F2bは、幅方向外側F25よりも幅方向内側F26が前側に位置している。
【0036】
図1に示すように、靴1は、使用者の足を包むように形成されたアッパー10と、使用者が歩行に際し接地するアウトソール20(図2参照)と、を備える。
【0037】
アッパー10は、使用者の足を包むアッパー本体11と、足を挿入するための履き口12と、履き口12に連続してつま先方向に向かって延びる開口部13と、開口部13を覆う舌片部14と、使用者の足の大きさに応じて開口部13の大きさを調整してアッパー10を使用者の足にフィットさせるためのベルト部15とを有する。
【0038】
アッパー本体11は、例えば、綿、ポリエステル、天然繊維、合成繊維、合成皮革、天然皮革等で構成されており、展開状態が帯状に延びている。アッパー本体11は、使用者の足Fを周方向に覆っている。より詳しくは、アッパー本体11は、使用者の足Fの内側部、踵部、外側部、および、甲部を覆っており、帯状の長手方向の両端部11a,11bが、甲側の幅方向中央部に間隔をあけて配置されており、これにより開口部13が形成され、アッパー本体11の上縁部によって履き口12が形成されている。本実施形態において、アッパー本体11の上縁部は、例えば、使用者の足首の高さに対応するように設定されている。言い換えると、靴1は、履き口12が、使用者の踝よりも上方に位置する、いわゆるミッドカットである。
【0039】
開口部13は、履き口12からつま先にかけて連続しており、開口部13の先端部(つま先側の端部)には、使用者のつま先F10を覆うと共に開口部13の先端部13aを閉じるつま先補強部材16が配置されている。
【0040】
舌片部14は、開口部13全体を塞ぐように配置されている。舌片部14のつま先側の端部14aは、つま先補強部材16に縫合されている。図7に示すように、舌片部14を、端部14aを固定端としてアッパー本体11の外側へ折り曲げて靴1のつま先側に倒すことができるようになっている。舌片部14を爪先側に倒すことによって開口部13が開状態とされるので、使用者が足を挿入する際に舌片部14が邪魔になることがない。
【0041】
図1に示されるように、ベルト部15は、例えば、使用者の足首側に対応して配置される第1ベルト部15aと、足の甲側に対応して配置される第2ベルト部15bとを有する。第1ベルト部15aは、一端部(幅方向内側)15cがアッパー本体11に固定され固定端となっている。第1ベルト部15aの他端部(幅方向外側)15dには、着脱可能な係合手段、例えば、面ファスナ15eが備えられている。アッパー本体11の表面で、面ファスナ15eに対応する位置には、面ファスナ15f(図7参照)が設けられている。第1ベルト部15aの面ファスナ15eと、アッパー本体11の面ファスナ15fとの係合位置を調整することにより、使用者の足の大きさに応じて靴1の開口部13の開口を任意の大きさに維持して使用者の足にフィットさせることができる。第1ベルト部15aと第2ベルト部15bは、取り付けられる位置を除いて概ね同様の構成を有しているので、第2ベルト部15bに関連する構成の説明を省略する。
【0042】
アッパー本体11は、使用者の踵F40を背面側から包み込むヒールカウンタ17を有する。ヒールカウンタ17は、アッパー本体11の踵部分で、アッパー本体11の外面を形成する外側部材11cとアッパー本体11の内側に配置されて使用者の足に触れる内側部材(いわゆる、ライニング)11dとの間に挟持されており、外側部材11cおよび内側部材11dに縫合されている。内側部材11dには、例えば、パイル生地等の使用者の足当たりのよい素材が使用されている。
【0043】
図2および図3を参照すると、ヒールカウンタ17は、樹脂等のEVA系ホットメルト樹脂で形成され、使用者の踵F40を側方から支えることで、踵F40の内外側への傾きを防ぐ機能を有する。ヒールカウンタ17は、アッパー本体11の踵F40の背面に位置する背面ヒールカウンタ17aと、背面ヒールカウンタ17aの幅方向内側から前方に向かって延びる内側ヒールカウンタ17bと、背面ヒールカウンタ17aの幅方向外側から前方に向かって延びる外側ヒールカウンタ17cとを有する。内側ヒールカウンタ17bと、外側ヒールカウンタ17cは、背面ヒールカウンタ17aから前方に向かって延びており、上縁が前方に向かって下方に傾斜するように湾曲している。
【0044】
内側ヒールカウンタ17bの前後方向の長さは、外側ヒールカウンタ17cよりも長い。内側ヒールカウンタ17bの前端17dは、使用者の足Fの中足領域F3の中央近傍に配置されている。外側ヒールカウンタ17cの前端17eは、中足領域F3の後端近傍に配置されている。言い換えると、ヒールカウンタ17は、内側と外側とで異なる形状を有している。
【0045】
アッパー本体11の下端部11eには、アウトソール20が接着されている。言い換えると、アッパー10は、アウトソール20から立ち上がるように設けられている。
【0046】
アウトソール20は、非発泡のゴム部材で構成されている。本実施形態において、アウトソール20単体の質量は、40g以下に設定されており、子供靴1全体の質量は、一般的に軽量とされている80g以下となっている。アウトソール20の仕事量当たりの摩耗体積(以下、「耐摩耗性」ともいう)は、例えば、55(cm/kwh)である。本実施形態において、耐摩耗性は、JIS 6264 B法に基づいて、ウイリアムス摩耗試験機を用いて、試験片を摩耗させたときの仕事量当たりの摩耗体積を算出した(いわゆる、ウイリアムス摩耗試験)。したがって、耐摩耗性は、数値が小さいほど、仕事量当たりに摩耗する体積が少なくなるため、耐摩耗性がよいと判断する。一般的な発泡ゴム部材の耐摩耗性は、例えば、331(cm/kwh)なので、アウトソール20は、一般的な発泡ゴム部材に比べて耐摩耗性がよい。図3に示すように、アウトソール20は、アッパー本体11の下端部11eが接着されるアウトソール本体20aと、アウトソール本体20aの周縁から立ち上がる周壁部30とを有する。アウトソール本体20aは、基本面21と、地面に接地する靴底面22とを有する。
【0047】
図4は、アウトソール20の単体底面図である。図4に示すように、アウトソール20は、使用者の足の長手方向に沿って延びる長軸を有する、底面視で略楕円形状である。アウトソール20は、踵領域F4からつま先領域F1に向かって幅が広くなるように形成されている。
【0048】
アウトソール20は、使用者の足Fの踵領域F4が配置される踵部23と、踵部23に連接されて使用者の土踏まずを含む足の中足領域F3が配置されるアーチ部24と、アーチ部24に連接されて使用者の足の踏み込み領域F2が配置される踏み込み部25と、踏み込み部25に連接されて使用者の足のつま先領域F1が配置されるつま先部26と、を有する。
【0049】
踵部23には、上方へ窪んだ踵部溝23aが形成されている。踵部溝23aは、幅方向内側から外側にかけて連続して延びており、幅方向中央部が後ろ側に向かって凸となるように湾曲している。踵部溝23aは、踵部23における幅方向内側の前端から幅方向中央Cに向かって後ろ側に湾曲して延びており、中央Cから前側に向かって幅方向外側に湾曲して延びており、さらに踵部23における幅方向外側の前端に連続する。
【0050】
踵部23は、踵部溝23aによって、前方側でアーチ部24に連続する前部分23bと、後側の後部分23cとに分割される。前部分23bと後部分23cとは、踵部溝23aを間に挟んで相補的な形状を有する。
【0051】
前部分23bは、踵部23の前縁と、踵部溝23aとの間の部分である。図4に二点鎖線で示すように、踵部23の前縁は、踵部溝23aの幅方向内側の前端と外側の前端とを通る直線L1に沿って延びている。前部分23bは、前縁L1から後方に向かって延びており、下方に突出する突起を有する。前部分23bには、靴1のサイズ等を示す意匠が設けられていてもよい。
【0052】
後部分23cは、踵部溝23aと踵部23の周縁部とによって区画されている。後部分23cは、アウトソール20の後端部の湾曲に沿って設けられると共に、前方に向かって開口したU字状のU字部である。図2に示すように、後部分23cの内側の前端23dは、足Fの踵領域F4の前端近傍に位置し、アッパー10の外側ヒールカウンタ17cの前端17dの近傍に位置する。
【0053】
後部分23cには、下側(地面側)にさらに突出する突出部23eが複数(本実施形態では、5つ)設けられている。突出部23eは、底面視で円形状を有し、後部分23cの形状に沿ってU字状に並設されている。歩行時に最も荷重がかかる踵部23に突出部23eを設けることによって、突出部23eに滑り止めとしての機能を発揮させることができる。後部分23cの靴底面22のうち突出部23eを除く残余の部分には、シボ加工が施されている。これにより、例えば、突出部23eが摩耗した際にも、踵部23における滑り止め機能(グリップ力)の低下を当該残余の部分において抑制できる。
【0054】
図5に示すように、踵部23の厚さT1は、他の部分(例えば、踏み込み部25、つま先部26)よりも大きく、例えば本実施形態では6.5mmである。より詳しくは、踵部23の厚さT1は、後部分23cの厚さとする。本実施形態において、アウトソール20の各部(踵部23、アーチ部24、踏み込み部25、つま先部26)の厚さは、各部における基本面21から踵部23における靴底面22までの距離である。
【0055】
前部分23bの厚さT2は、U字部23cの厚さT1よりも小さく、例えば本実施形態では5.7mmである。後部分23cの突出部23eにおける厚さT3は、例えば本実施形態では7.0mmであって、基本面21からの厚さが最も大きい。後部分23cにおいて、突出部23eの残余の部分からの突出量ΔTは、0.5mmである。
【0056】
図4に示すように、アーチ部24は、踏み込み部25に連接されるベース部24gと、踵部23(より詳しくは、踵部23の前部分23b)に連接される延長部24hと、ベース部24gの後縁と延長部24hの前縁とを接続しており底面視で逆S字状に延びる逆S字壁24aとを有している。ベース部24gは、後縁が延長部24hの前縁よりも上方且つ前方に位置している。したがって、逆S字壁24aは、延長部24hの前縁から上方に向かって前方に傾斜した方向に延びてベース部24gの後縁に至っている。具体的には、逆S字壁24aは、幅方向内側から外側に亘って連続すると共に、前端部24bが幅方向内側に位置し、後端部24cが幅方向外側に位置するように底面視で略S字状に延びている。アーチ部24は、逆S字壁24aによって、ベース部24gと延長部24hとに前後方向に分割されている。本実施形態において、逆S字壁24aは、滑らかに連続するように設けられているが、これに限られるものではなく、例えば、段部を有するステップ状(階段状)であってもよい。
【0057】
逆S字壁24aは、前端部24bと、後端部24cと、前端部24bと後端部24cとを接続する中間部24dとを有する。後端部24cは、踵部23の前縁L1よりも前側(つま先側)に位置し、幅方向外側から幅方向中央C側に向かって延びている。中間部24dは、幅方向中央Cよりも内側に位置すると共に、中央C側から内側に向かうに連れて前方に位置するように傾斜している。中間部24dは、幅方向中央Cよりも内側に位置する部分における概ね中間位置まで延びている。前端部24bは、中間部24dの前端から内端に向かって延びると共に、アーチ部24の前縁24mよりも後方に位置している。本実施形態において、アーチ部24の前縁24mは、踏み込み領域F2の後端部F2aと一致する。
【0058】
後端部24cと中間部24dとの間には、後端部24cと中間部24dとを滑らかに接続する第1湾曲部24eが設けられている。中間部24dと前端部24bとの間には、中間部24dと前端部24bとを滑らかに接続する第2湾曲部24fが設けられている。第1湾曲部24eは、幅方向内側に向かって前方に湾曲している。第2湾曲部24fは、前方に向かって幅方向内側に湾曲している。
【0059】
ベース部24gは、逆S字壁24aの前方に位置し、幅方向内側よりも外側の面積が大きくなっている。ベース部24gの前側部分は、全幅に亘って延び、踏み込み領域F2の後端部F2aの形状に沿って、幅方向内側が幅方向外側よりも後ろ側に位置すると共に、幅方向中央C側よりも幅方向両側部が後方に位置するように湾曲している。ベース部24gは、逆S字壁24aと、アーチ部24の前縁24mとの間に画定されている。
【0060】
延長部24hは、踵部23と連続して、つま先側に向かって延びている。具体的には、延長部24hは、底面が踵部23の底面と面一状に構成されており、踵部23が前方に拡大するように形成されている。延長部24hは、踵部23の前部分23bに連続する第1延長部24iと、アーチ部24の幅方向内側に配置されると共に第1延長部24iから前方に延びる第2延長部24jとを有する。延長部24hは、逆S字壁24aと、アーチ部24の後縁(踵部23の前縁L1)との間に画定されている。
【0061】
第1延長部24iは、踵部23の前縁L1から逆S字壁24aの後端部24cとの間で、幅方向の全幅に亘って延びている。本実施形態において、第1延長部24iの前端は、後端部24cと、後端部24cと前後方向位置が概ね一致すると共に幅方向中央Cから幅方向内側に延びる仮想線L2とで構成されている。第1延長部24iの後縁は、踵部23の前縁L1と一致する。
【0062】
第2延長部24jは、幅方向内側の部分に設けられている。より詳しくは、第2延長部24jは、第1延長部24iにおける幅方向中央Cよりも内側の部分(仮想線L2)から前方に延びている。第2延長部24jの前端24kは、アーチ部24の前縁24mよりも後ろ側に位置する。
【0063】
図5に示すように、ベース部24gの厚さT4は、踵部23の厚さT1よりも薄く、例えば本実施形態では4.0mmである。延長部24hの厚さT5は、踵部23の前部分23bの厚さT2と同じ(5.7mm)である。言い換えると、延長部24hの厚さT5は、ベース部24gの厚さT4よりも厚い。
【0064】
ベース部24gと、延長部24hとは厚さが異なるため、ベース部24gの後縁と延長部24hの前縁とは、逆S字壁24aによって接続されている。逆S字壁24aの高さHは、ベース部24gの厚さT4と延長部24hの厚さT5との差であって、例えば本実施形態では1.7mmである。
【0065】
図4に示すように、踏み込み部25は、踏み込み領域F2同様に、使用者の母趾球F21および小指球F22に対応して設けられている。踏み込み部25は、底面視において、幅方向外側よりも幅方向内側の面積が広がるように扇状に延びている。踏み込み部25は、全幅に亘って延びて、前縁部25aおよび後縁部25bは、幅方向内側が幅方向外側よりも後ろ側に位置すると共に、幅方向中央が幅方向両側よりも前方に位置するように湾曲している。
【0066】
より詳しくは、前縁部25aは、幅方向内側25cが幅方向外側25dよりも前側に位置している。後縁部25bは、幅方向内側25eが幅方向外側25fよりも後ろ側に位置している。言い換えると、踏み込み部25は、幅方向内側に位置する母趾球F21側の前後方向幅W1が、幅方向外側に位置する小指球F22側の前後方向幅W2よりも広い。
【0067】
踏み込み部25は、基本面21とは反対側(下側、地面側)に突出しており、幅方向の全幅に亘って延びるリブ25gを複数本(本実施形態においては、2本)有している。リブ25gは、延在方向に直交する断面形状が矩形状である。具体的には、リブ25gは、踏み込み部25の前縁部25aと後縁部25bとの間の前後方向位置に等間隔で配置されている。本実施形態では、踏み込み部25は、リブ25gによって、つま先部26に連続する第1溝部25hと、アーチ部24に連続する第2溝部25iと、第1溝部25hと第2溝部25iとの間に位置する第3溝部25jとに分割される。リブ25gの前後方向の幅W3は、概ね一定であって、第1溝部25h、第2溝部25iおよび第3溝部25jの前後方向の幅よりも小さい。
【0068】
図5に示すように、踏み込み部25のリブ25gを除く部分、すなわち第1~第3溝部25h,25i,25jの厚さT6は、ベース部24gの厚さT5よりも小さく、例えば本実施形態では1.8mmである。踏み込み部25の厚さT6は、踵部23および延長部24hの厚さT1よりも薄く、且つ、ベース部24gの厚さT4よりも薄い。なお、踏み込み部25の厚さT6は、後述するようにつま先部26の厚さT8よりも薄い。したがって、第1~第3溝部25h,25i、25jは、アウトソール20のうち最も薄く、且つ、幅方向の内側から外側に亘って延びているので、アウトソール20の他の部分に比べて屈曲しやすい屈曲促進部を構成する。リブ25gの厚さT7は、第1~第3溝部25h,25i,25jの厚さT6よりも厚く、例えば本実施形態では3.0mmである。踏み込み部25の底面(第1~第3部分25h,25i,25jの底面)には、グリップ力(摩擦力)を高めるための細溝(例えば本実施形態では、幅が1mm、深さが0.5mm程度)が複数設けられている。
【0069】
図4に示すように、つま先部26は、踏み込み部25に連続すると共に、つま先領域F1を覆うように設けられており、底面視で略半円状に形成されている。つま先部26は、基本面部26aと、つま先部26の周縁部26bに設けられた複数の凸部26cと、使用者の足の指に概ね対応する位置に設けられた突出部26dとを有する。
【0070】
凸部26cは、周縁部26bに沿って間隔をあけて配置されている。各凸部26cは、周方向に直交し、基本面部26aから地面側に突出すると共に、所定の長さで放射状に延びている。突出部26dは、基本面部26aから地面側に向かって突出し、踏み込み部25の前縁部25aに沿って5つ配置されている。基本面部26aの靴底面22には、シボ加工が施されている。これにより、例えば、突出部26dが摩耗した際にも、つま先部26における滑り止め機能(グリップ力)の低下を抑制できるようになっている。
【0071】
つま先部26の厚さT8は、踵部23およびアーチ部24の厚さT1,T3,T4よりも薄く、例えば本実施形態では3.0mmである。各凸部26cおよび各突出部26dの厚さT9は、例えば本実施形態では3.5mmである。
【0072】
図5および図6に示すように、アウトソール20の基本面21には、肉抜き部50が設けられている。本実施形態において、肉抜き部50は、基本面21を下方に向かって凹ませた複数の凹部51である。複数の凹部51は、踵部23およびアーチ部24に対応する位置に、平面視で格子状に並べて配置されている。各凹部51の長辺の長さL3は、例えば、13mmに設定され、短辺の長さL4は、例えば、8.7mmに設定されている。各凹部51の長辺および短辺の長さは一定でなくてもよく、例えば、複数の凹部51のうち、最も縁部側に配置されている部分は、アウトソール20の外形に沿って各長さが設定されていてもよし、湾曲していてもよい。
【0073】
複数の凹部51は、踵部23および延長部24hに対応する位置に設けられた踵部凹部51aと、ベース部24gに対応する位置に設けられるベース凹部51bとを有する。踵部凹部51aの深さD1は、ベース凹部51bの深さD2よりも深い。例えば本実施形態では、踵部凹部51aの深さD1は3.5mmであり、ベース凹部51bの深さD2は1.05mmである。
【0074】
各凹部51は、格子状のリブ52によって区画されている。リブ52は、アウトソール20の長手方向に沿って前後方向に延びる縦リブ52aと、縦リブ52aに直交する横リブ52bとを有する。各リブ52の幅W4は、例えば本実施形態では2mmである。
【0075】
図2図3図5および図6に示すように、アウトソール20は、基本面21の外周から上方に向かって立ち上がる周壁部30を有する。周壁部30は、アウトソール20の周縁に沿って全周に設けられている。周壁部30の水平方向における厚さT10は、0.3mm以上10mm以下に設定されていればよく、例えば本実施形態では2mmである(図5参照)。周壁部30の厚さT10は、周壁部30の内面と外面との最短距離である。周壁部30は、踵部23に位置する踵壁部31と、アーチ部24に位置する幅方向一対のアーチ壁部32と、踏み込み部25に位置する幅方向一対の踏み込み壁部33と、つま先部26に位置するつま先壁部34とを有する。
【0076】
踵壁部31は、踵F40の下側の部分を背面から覆うように配置されている。踵壁部31は、踵の背面に位置する背面壁部31aと、背面壁部31aの幅方向内側端部から前方に延びる踵内壁部31bと、背面壁部31aの幅方向外側端部から前方に延びる踵外壁部31eと、を有する。踵壁部31は、背面壁部31aの高さH1が最も高く、例えば本実施形態では約12.5mmである。本実施形態において、周壁部30の各部(踵壁部31、アーチ壁部32、踏み込み壁部33、つま先壁部34)の高さは、各部における基本面21から周壁部30の上端までの距離である。
【0077】
図3に示すように、踵内壁部31bは、前後方向の中間部に、踵内壁部31bにおいて最も高さが低くなる踵内底部31cを有する。踵内壁部31bは、背面壁部31aから踵内底部31cに向かって下方に湾曲し、踵内底部31cから前方に向かって上方に湾曲する。言い換えると、踵内壁部31bの前後方向の中間部には、下方に凹む第1内壁凹部31dを有する。
【0078】
図2に示すように、踵外壁部31eは、前後方向の中間部に、踵外壁部31eにおいて最も高さが低くなる踵外底部31fを有する。踵外壁部31eは、背面壁部31aから踵外底部31fに向かって下方に湾曲し、踵外底部31fから前方に向かって上方に湾曲する。言い換えると、踵外壁部31eの前後方向の中間部には、下方に凹む第1外壁凹部31gを有する。踵内底部31cおよび踵外底部31fの高さH2は、例えば本実施形態では約6.7mmである。
【0079】
図2図3図5および図6に示すように、アーチ壁部32は、踵壁部31に連続している。アーチ壁部32は、踵内壁部31bの前端部から前方側に向かって延びるアーチ内壁部32aと、踵外壁部31eの前端部から前方側に向かって延びるアーチ外壁部32dと、を有する。
【0080】
図3に示すように、アーチ内壁部32aは、前後方向の中間部に、最も高さが高くなる内側頂部32bを有する。アーチ内壁部32aは、踵内壁部31b側から内側頂部32bに向かって上方に湾曲し、内側頂部32bから前方に向かって下方に湾曲する。言い換えると、アーチ内壁部32aの前後方向の中間部には、上方に突出するアーチ内壁凸部32cを有する。
【0081】
図2に示すように、アーチ外壁部32dは、前後方向の中間部に、最も高さが高くなる外側頂部32eを有する。アーチ外壁部32dは、踵外壁部31e側から外側頂部32eに向かって上方に湾曲し、外側頂部32eから前方に向かって下方に湾曲する。言い換えると、アーチ外壁部32dの前後方向の中間部には、上方に突出するアーチ外壁凸部32fを有する。
【0082】
内側頂部32bの高さH3は、外側頂部32eの高さH4よりも高い。例えば本実施形態では、内側頂部32bの高さH3は約13.3mmであり、外側頂部32eの高さH4は約10.0mmである。
【0083】
図2図3図5および図6に示すように、踏み込み壁部33は、アーチ壁部32に連続している。踏み込み壁部33は、アーチ内壁部32aの前端部から前方に延びる踏み込み内壁部33aと、アーチ外壁部32dの前端部から前方に延びる踏み込み外壁部33cと、を有する。
【0084】
踏み込み内壁部33aは、踏み込み部25の概ね前縁部に対応した位置に、最も高さが低くなる踏み込み内底部33bを有する。踏み込み内壁部33aは、アーチ内壁部32aから踏み込み内底部33bに向かって下方に湾曲する。踏み込み外壁部33cは、踏み込み部25の概ね前縁部に対応した位置に、最も高さが低くなる踏み込み外底部33dを有する。踏み込み外壁部33cは、アーチ外壁部32dから踏み込み外底部33dに向かって下方に湾曲する。踏み込み内底部33bおよび踏み込み外底部33dの高さH5は、例えば本実施形態では3.5mmである。
【0085】
図2図3図5および図6に示すように、つま先壁部34は、踏み込み壁部33に連続して設けられている。つま先壁部34は、足Fのつま先F10を前面から覆うように配置されている。つま先壁部34は、つま先の前面に位置する前面壁部34aと、前面壁部34aの幅方向内側の後端部から後方に延びるつま先内壁部34bと、前面壁部34aの幅方向外側の後端部から後方に延びるつま先外壁部34eと、を有する。つま先壁部34は、前面壁部34aの高さH6が最も高く、例えば本実施形態では約11.5mmである。
【0086】
図3に示すように、つま先内壁部34bは、つま先部26の後端部に、最も高さが低くなるつま先内底部34cを有する。つま先内壁部34bは、前面壁部34aからつま先内底部34cに向かって下方に湾曲し、踏み込み部25の踏み込み内底部33bに連続する。言い換えると、つま先内壁部34bと踏み込み内壁部33aとの間には、下方に凹む第2内壁凹部34dが設けられている。
【0087】
図2に示すように、つま先外壁部34eは、つま先部26の後端部に、最も高さが低くなるつま先外底部34fを有する。つま先外壁部34eは、前面壁部34aからつま先外底部34fに向かって下方に湾曲し、踏み込み部25の踏み込み外底部33dに連続する。言い換えると、つま先外壁部34eと踏み込み外壁部33cとの間には、下方に凹む第2外壁凹部34gが設けられている。
【0088】
つま先内底部34cおよびつま先外底部34fは、踏み込み内底部33bおよび踏み込み外底部33dに一致しており、第2内壁凹部34dおよび第2外壁凹部34gの高さH7は、例えば本実施形態では3.5mmである。周壁部30において、第2内壁凹部34dおよび第2外壁凹部34gの高さH7が最も低く、アーチ内壁凸部32cの高さH3が最も高い。
【0089】
周壁部30は、全体として、前面壁部34aから背面壁部31aにかけて、前面壁部34aと、下方に窪んだ第2内壁凹部34dおよび第2外壁凹部34gと、上方に膨出したアーチ内壁凸部32cおよびアーチ外壁凸部32fと、下方に窪んだ第1内壁凹部31dおよび第1外壁凹部31gと、背面壁部31aとによって、波打つような凹凸形状を有している。
【0090】
図3を参照すると、子供靴1の幅方向内側には、左右一対の子供靴1をそろえることを促すための目印Mが設けられている。
【0091】
目印Mは、左右一対のアウトソール20の幅方向内側において、アウトソール20に一体的に形成されている。目印Mは、前後方向において踵部23に位置する第1目印M1と、つま先部26に位置する第2目印M2とを有する。第1目印M1および第2目印M2は、アウトソール20の基本面21の上方および下方にまたがるように、アウトソール本体20aと周壁部30に設けられている。
【0092】
本実施形態において第1目印M1は、アウトソール本体20aにおける踵部23と、踵壁部31とにまたがって設けられている。図3および図4に示すように、第1目印M1は、踵部23の前側で、踵部23において最も外側に位置する部分に設けられている。より詳しくは、第1目印M1は、踵部溝23aと踵内底部31cの間に設けられている。
【0093】
図3および図4に示すように、本実施形態では、第2目印M2はアウトソール本体20aのつま先部26とつま先壁部34にまたがって設けられている。第2目印M2は、つま先部26において前後方向の中間よりも前方側に設けられている。より詳しくは、第2目印M2は、つま先内壁部34bの前側で、つま先前壁部34aに連続する部分に設けられている。
【0094】
図4および図6に示すように、つま先内壁部34bは、つま先内底部34cから前方に向かうに連れて幅方向内側に湾曲しているので、つま先内壁部34bは、前方に向かうに連れて、靴1の前方からの視認性が良くなる。言い換えると、図8に示すように、第2目印M2は、靴1の前方からの視認性が良い位置に設けられている。
【0095】
図3および図9を参照すると、第1目印M1および第2目印M2は、アウトソール20を外面から内面に向かって窪ませるように彫り込んで形成された凹部である。第1目印M1および第2目印M2の深さD3は、周壁部30の厚さT10の10%以上90%以下に設定されることが好ましく、本実施形態においては、50%設定されている。第1目印M1および第2目印M2の深さD3は、0.2mm以上1.8mm以下に設定されることが好ましく、本実施形態では、深さD3は1.0mmである。
【0096】
第1目印M1および第2目印M2は、アウトソール本体20aにのみ設けられていてもよく、この場合、第1目印M1および第2目印M2の深さD3は、0.2mm以上に設定されていてもよい。
【0097】
本実施形態に係る子供靴1によれば、次の効果を奏する。
【0098】
子供靴1は、アウトソール20が非発泡のゴム部材によって形成されていているので、発泡部材を用いる場合に比べて、耐久性を向上させることができる。延長部24hがアーチ部24の幅方向外側のベース部24gよりも地面側に突出しているので、装着状態では、アーチ部24の幅方向外側に位置するベース部24gが地面に近づくように変形する。言い換えると、アーチ部24が幅方向外側に向かって下方に向かうように傾斜する。これにより、使用者の足Fは、中足領域F3の幅方向内側に位置する土踏まずが延長部24hによって支持されて、幅方向外側のベース部24gが下方に傾斜するので、踵F40が外側に向かって傾くように補正されて踵F40の内側への倒れこみが抑制される。
【0099】
発泡部材に比べて比重が大きい非発泡部材から構成されるアウトソール20は、重くなりやすく、特に踵部23および延長部24hの厚さT1,T5がその他の部分よりも厚いため、さらに重量が増加する傾向となるが、踵部23および延長部24hに肉抜き部50を設けることで、重量の増加を抑制できる。
【0100】
アウトソール20には、基本面21の周縁から上方に向かって立ち上がる周壁部30が設けられているので、基本面21に加えて周壁部30においてもアウトソール20とアッパー10とを接着できる。これにより、例えば、周壁部30を有さずにアウトソール20とアッパー10とが接着された側面に、接着断面を目隠し、ないし、接着面の剥がれを抑制するためのフォクシングテープ等を接着する場合のように、フォクシングテープの剥がれや亀裂等による耐久性の低下を防止することができる。
【0101】
アーチ部24の幅方向内側のアーチ内壁部32aの高さH3がアート外壁部32dよりも高いので、使用者の足Fの内側への倒れこみがより効果的に抑制され得る。さらに、周壁部30の高さを高くすることで、アウトソール20とアッパー10との接着面積が拡大されて、耐久性を向上できる。
【0102】
アーチ内壁部32aに加え、アーチ部24の幅方向外側のアーチ外壁部32dが高くなっているので、不安定な子供の歩行時における足の横ぶれを抑制しやすい。さらに、周壁部30の高さを高くすることで、アウトソール20とアッパー10との接着面積が拡大されて、耐久性を向上できる。
【0103】
歩行時に屈曲のしやすさが求められる踏み込み壁部33の高さH5を抑制しつつ、踵壁部31の高さH1を高くすることで、屈曲のしやすさと踵壁部による踵領域の支持性(ホールド性)を両立できる。
【0104】
周壁部30には、踵部23の前後方向の中間部で、使用者の足Fの幅方向内側および外側それぞれに設けられた、下方に向かって凹む一対の第1凹部(第1内壁凹部、第1外壁凹部)31d,31gが設けられているので、周壁部30に第1内壁凹部31dおよび第1外壁凹部31gを設けない場合に比べてアウトソール20の軽量化を図ることができる。
【0105】
つま先部26と踏み込み部25との境界を含む位置で下方に向かって凹む第2凹部(第2内壁凹部、第2外壁凹部)34d,34gによって、歩行時に屈曲するつま先領域F1と踏み込み領域F2との境界に対応する部分における高さH5を薄くすることができる。これにより、つま先部26と踏み込み部25の境界におけるアウトソール20の屈曲性を高めることができ、使用者の歩行を促進できる。また、周壁部30に第2内壁凹部34dおよび第2外壁凹部34gを設けない場合に比べてアウトソール20の軽量化を図ることができる。
【0106】
つま先部26および踏み込み部25の厚さT6,T8は、踵部23およびアーチ部24の厚さT1,T4よりも小さいので、全体が同じ厚さで構成されている場合に比べて、軽量化が図れると共に、踵部およびアーチ部に比べて、前側に位置するつま先部および踏み込み部が低くなるため、前側に傾きやすく、歩行時のスムーズな重心移動が図れる。また、幼児の歩行時に最も荷重がかかって、摩耗の激しい踵部分のアウトソールを厚くすることで、耐久性を向上させることができる。
【0107】
踏み込み部25の厚さT6を薄くしたり、踏み込み部25に幅方向に延びる溝部25h,25i,25jを設けたりする等で構成される屈曲促進部を設けることで、使用者の歩行時に積極的に屈曲させることが望まれる踏み込み部25でアウトソール20を屈曲させやすい。
【0108】
幅方向内側のヒールカウンタ17が長くなっているので、使用者の足の内側への倒れこみがより効果的に抑制され得る。
【0109】
アウトソール20の幅方向内側には、それぞれ、第1目印M1および第2目印M2が設けられているので、アウトソール20の幅方向内側の第1目印M1同士および第2目印M2同士を合わせておくことで、日本特有の玄関で靴1を脱いだ際にそろえておく習慣を促しやすい。
【0110】
目印Mは、前後方向において使用者の踵領域F4に位置する第1目印M1と、使用者のつま先領域F1に位置する第2目印M2とを有するので、第1目印M1と第2目印同士を合わせておくことで、より靴1をそろえやすい。例えば、一対の第1目印M1のみ、または、一対の第2目印M2のみを設けた場合のように、第1目印M1または第2目印M2同士がそろっても踵領域F4またはつま先領域F1のいずれか一方が離間した状態となることを抑制できる。
【0111】
左右一対のアウトソール20の幅方向内側には、アウトソール20に一体形成された第1目印M1および/または第2目印M2が、それぞれ設けられているので、第1目印M1および/または第2目印M2が例えば、着色やシール等で形成されている場合に比べて、耐久性を向上できる。
【0112】
第1目印M1および第2目印M2は、アウトソール20を幅方向に窪ませる凹部で形成されているので、歩行時等にアウトソール20の周壁部30同士がすり合わされても、例えば、アウトソール20を幅方向に突出させる凸部等で目印Mが形成される場合に比べて、擦り減りにくく、耐久性を向上できる。また、第1目印M1および第2目印M2は、アウトソール20を彫り込んで形成されているので、使用を重ねて周壁部30が汚れると、汚れが付きにくい凹部がより目立ちやすくなっている。
【0113】
第1目印M1および第2目印M2(以下、目印Mともいう)の深さD3は、0.2mm以上1.8mm以下に設定されているので、アウトソール20の耐久性を確保しつつ、視認性を向上させることができる。0.2mm未満の場合、目印Mが目立ちにくく、視認性が不足し、1.8mmを超過するとアウトソール20の厚さが薄くなりやすく、耐久性が低下しやすい。
【0114】
目印Mの深さD3は、周壁部30の厚さT10の10%以上90%以下に設定されているので、アウトソール20の耐久性を確保しつつ、視認性を向上させることができる。目印Mの深さD3が周壁部30の厚さT10の10%未満の場合、使用時にアウトソール20が擦れることによって目印Mの視認性が低下しりやすく、90%を超過するとアウトソール20の厚さが薄くなりやすく、耐久性が低下しやすい。
【0115】
第2目印M2は、靴1の前方からの視認性が良い位置に設けられているので、靴1をそろえる際に第2目印M2を確認しやすく、より靴1をそろえやすい。
【0116】
上記実施形態では、目印Mが第1目印M1および第2目印M2を有する構成について説明したが、これに限られるものではなく、第1目印M1または第2目印M2のいずれか一方を備えていてもよいし、目印Mは、幅方向内側のアーチ部24に設けられていてもよい。
【0117】
上記実施形態では、アウトソール2が周壁部30およびアウトソール本体20aを備える場合について説明したが、アウトソール2は周壁部30を備えなくてもよい。この場合、目印Mは、アウトソール本体の幅方向内側に設けられていればよい。
【0118】
上記実施形態では、目印Mがアウトソール20に設けられている構成について説明したが、これに限られるものではなく、図3に二点鎖線で示すように、第1目印M11および第2目印M2は、アッパー10ないし、つま先補強部材16に設けられていてもよい。
【0119】
上記実施形態では、目印Mがアウトソール20に一体的に形成される凹部である構成ウについて説明したが、これに限られるものではなく、目印Mは、着色、シール、および/または、縫製等で構成されていてもよい。また、目印Mは、アウトソール20を幅方向外側に突出させる凸部で構成されていてもよい。
【0120】
上記実施形態では、靴1がミドルカットである構成について説明したが、これに限られるものではなく、例えば、図10に示すように、靴101は、ローカットであってもよい。
【0121】
靴101は、上記実施形態に対して、アッパー本体111の上縁部の高さ、および、ベルト部115の構成が異なるが、アウトソール20、ヒールカウンタ17等については同様の構成を有するので、同一の符号を付すると共に説明を割愛する。
【0122】
靴101は、使用者の足を包むように形成されたアッパー110と、使用者が歩行に際し接地するアウトソール20(図2参照)と、を備える。アッパー110は、使用者の足を包むアッパー本体111と、足を挿入するための履き口112と、履き口112に連続してつま先方向に向かって延びる開口部113と、開口部113を覆う舌片部14と、使用者の足の大きさに応じて開口部113の大きさを調整してアッパー110を使用者の足にフィットさせるためのベルト部115とを有する。
【0123】
靴101は、アッパー本体111の上縁部が、使用者の足首の高さに設定されている。言い換えると、靴101は、履き口112が、使用者の踝よりも下方に位置し、ベルト部115が、1本で構成されている。
【0124】
なお、本発明の子供靴1は、上述の実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0125】
[付記]本開示は以下の態様を包含する。
【0126】
[態様1]
使用者の足を包むように形成されたアッパーと、
前記アッパーが接着される基本面、地面に接地する靴底面、前記使用者の足の踵領域が配置される踵部、前記踵部に連接されて使用者の土踏まずを含む足の中足領域が配置されるアーチ部、前記アーチ部に連接されて使用者の足の母趾球ないし小趾球領域が配置される踏み込み部、及び前記踏み込み部に連接されて使用者の足のつま先領域が配置されるつま先部を有しており、非発泡のゴム部材で構成される、アウトソールと
を備え、
前記アーチ部は、幅方向内側において底面が前記踵部の底面と連続しており前方に延びる延長部と、前記延長部の幅方向外側において底面が前記延長部の底面よりも上方に位置するベース部とを有しており、
前記アウトソールの前記踵部および前記延長部は、残余の部分よりも厚い、子供靴。
【0127】
[態様2]
前記踵部および前記延長部は、前記基本面から下方に向かって凹む肉抜き部を有する、
態様1に記載の子供靴。
【0128】
[態様3]
前記アウトソールは、前記基本面の周縁から上方に向かって立ち上がる周壁部を有する、
態様1または態様2に記載の子供靴。
【0129】
[態様4]
前記周壁部は、使用者の足の幅方向内側に位置する内側壁部を有し、
前記内側壁部における前記アーチ部に対応するアーチ内壁部が、前記内側壁部における前記踏み込み部に対応する踏み込み内壁部よりも高い、
態様3に記載の子供靴。
【0130】
[態様5]
前記周壁部は、使用者の足の幅方向外側に位置する外側壁部を有し、
前記外側壁部における前記アーチ部に対応するアーチ外壁部が、前記外側壁部における前記踏み込み部に対応する踏み込み外壁部よりも高い、
態様3又は4に記載の子供靴。
【0131】
[態様6]
前記周壁部は、前記踵部に位置する踵壁部と、前記踏み込み部に位置する踏み込み壁部とを有し、
前記踵壁部が、前記踏み込み壁部よりも高い、
態様3~5のいずれか1つに記載の子供靴。
【0132】
[態様7]
前記周壁部は、前記踵部の前後方向の中間部で、使用者の足の幅方向内側および外側それぞれに設けられた、下方に向かって凹む一対の第1凹部を有する、
態様3~6のいずれか1つに記載の子供靴。
【0133】
[態様8]
前記周壁部は、前記つま先部と前記踏み込み部との境界を含む位置で、使用者の足の幅方向内側および外側それぞれに設けられた、下方に向かって凹む第2凹部を有する、
態様3~7のいずれか1つに記載の子供靴。
【0134】
[態様9]
前記つま先部および前記踏み込み部は、前記踵部および前記アーチ部よりも薄い、
態様1~8のいずれか1つに記載の子供靴。
【0135】
[態様10]
前記踏み込み部は、前記アウトソールの屈曲促進部を有している、
態様1~9のいずれか1つに記載の子供靴。
【0136】
[態様11]
前記アッパーは、使用者の踵を背面側から包み込むヒールカウンタを有し、
前記ヒールカウンタは、前記踵の背面に位置する背面ヒールカウンタと、背面ヒールカウンタの幅方向内側から前方に向かって延びる内側ヒールカウンタと、幅方向外側から前方に向かって延びる外側ヒールカウンタとを含んでおり、
前記内側ヒールカウンタは、前記外側ヒールカウンタよりも前後方向に長い、
態様1~10のいずれか1つに記載の子供靴。
【0137】
[態様12]
前記アウトソールおよび/または前記アッパーの幅方向内側には、それぞれ、少なくとも2つの目印が設けられている
態様1~11のいずれか1つに記載の子供靴。
【0138】
[態様13]
前記目印は、前後方向において前記使用者の前記踵領域に位置する第1目印と、前記使用者の前記つま先領域に位置する第2目印とを有する
態様12に記載の子供靴。
【0139】
[態様14]
左右一対の前記アウトソールの幅方向内側には、前記アウトソールに一体形成された少なくとも1つの目印が、それぞれ設けられている
態様1~13のいずれか1つに記載の子供靴。
【0140】
[態様15]
前記目印は、前記アウトソールを窪ませる凹部である
態様14に記載の子供靴。
【符号の説明】
【0141】
1 子供靴
10 アッパー
17 ヒールカウンタ
17a 背面ヒールカウンタ
17b 内側ヒールカウンタ
17c 外側ヒールカウンタ
20 アウトソール
21 基本面
22 靴底面
23 踵部
24 アーチ部
24h 延長部
25 踏み込み部
25h 第1溝部(屈曲促進部)
25i 第2溝部(屈曲促進部)
25j 第3溝部(屈曲促進部)
26 つま先部
30 周壁部
31 踵壁部
31b 踵内壁部(内側壁部)
31d 第1内壁凹部(第1凹部)
31e 踵外壁部(外側壁部)
31g 第1外壁凹部(第1凹部)
32a アーチ内壁部(内側壁部)
32e アーチ外壁部(外側壁部)
33 踏み込み壁部
33a 踏み込み内壁部(内側壁部)
33c 踏み込み外壁部(外側壁部)
34b つま先内壁部(内側壁部)
34d 第2内壁凹部(第2凹部)
34e つま先外壁部(外側壁部)
34g 第2外壁凹部(第2凹部)
F 足
F1 つま先領域
F2 踏み込み領域
F3 中足領域
F4 踵領域
F21 母趾球
F22 小趾球
F30 土踏まず
H1 高さ
H3 高さ
H4 高さ
H5 高さ
M 目印
M1 第1目印
M2 第2目印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10