(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144062
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】仕込み支援装置、仕込み支援方法および仕込み支援プログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/115 20200101AFI20241003BHJP
【FI】
H05B47/115
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023200454
(22)【出願日】2023-11-28
(31)【優先権主張番号】P 2023053572
(32)【優先日】2023-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小池 健司
(72)【発明者】
【氏名】中田 洋平
(72)【発明者】
【氏名】山田 佳宜
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA05
3K273QA37
3K273RA13
3K273SA17
3K273SA18
3K273SA24
3K273SA35
3K273SA60
3K273TA18
3K273TA28
3K273TA78
3K273UA17
(57)【要約】
【課題】立体的な照明のシミュレーションを簡易に作成する。
【解決手段】実施形態に係る仕込み支援装置100は、バトンの配置位置を示すとともに、照明装置の配置位置と照明装置の向きとを2次元で入力可能なコンテンツを提供する提供部122と、コンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と向きとを取得する取得部123と、取得した配置位置と向きとに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツをユーザに出力する出力部124とを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バトンの配置位置を示すとともに、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とを2次元で入力可能なコンテンツを提供する提供部と;
コンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とを取得する取得部と;
取得した前記照明装置の配置位置と前記照明装置の向きとに従って、前記照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する出力部と;
を有する仕込み支援装置。
【請求項2】
前記提供部は、バトンの配置位置を示すとともに、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とバトンの高さとを2次元で入力可能なコンテンツを提供し、
前記取得部は、コンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報と、バトンの高さとを取得し、
前記出力部は、取得した前記照明装置の配置位置と、前記照明装置の向きに関する情報と、前記バトンの高さとに従って、前記照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する、
請求項1に記載の仕込み支援装置。
【請求項3】
バトンの配置位置、前記バトンに設置可能な照明装置の数、前記バトンの種類が示された入力用データを生成する生成部;
をさらに有する請求項1に記載の仕込み支援装置。
【請求項4】
前記提供部は、照明装置の向きに関する情報として、Z軸に対する角度を2次元で入力可能なコンテンツを提供する、
請求項1に記載の仕込み支援装置。
【請求項5】
前記提供部は、照明装置の向きに関する情報として、Z軸およびX軸に対する角度を2次元で入力可能なコンテンツを提供する、
請求項1に記載の仕込み支援装置。
【請求項6】
前記提供部は、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報として、照明装置の目的を2次元で入力可能なコンテンツを提供し、
前記取得部は、コンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報としての照明装置の目的とを取得し、
前記出力部は、取得した前記照明装置の配置位置と、前記照明装置の目的に応じた前記照明装置の向きに従って、前記照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する、
請求項1に記載の仕込み支援装置。
【請求項7】
前記出力部は、照明装置の目的と照明装置の向きとの関係性を学習させたモデルを用いて、照明装置の目的から照明装置の向きを決定し、決定された前記照明装置の向きに従って、前記照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する、
請求項6に記載の仕込み支援装置。
【請求項8】
バトンの配置位置を示すとともに、照明装置の配置位置と照明装置の向きに関する情報を2次元で入力可能なコンテンツを提供する提供工程と;
コンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と照明装置の向きとを取得する取得工程と;
取得した前記照明装置の配置位置と前記照明装置の向きに関する情報とに従って、前記照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する出力工程と;
を含む仕込み支援方法。
【請求項9】
バトンの配置位置を示すとともに、照明装置の配置位置と照明装置の向きを2次元で入力可能なコンテンツを提供する提供ステップと;
コンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と照明装置の向きに関する情報とを取得する取得ステップと;
取得した前記照明装置の配置位置と前記照明装置の向きに関する情報とに従って、前記照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツをユーザに出力する出力ステップと;
をコンピュータに実行させる仕込み支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕込み支援装置、仕込み支援方法および仕込み支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、舞台等に用いる照明器具の配置情報を示すデザイン図は、平面図に照明器具のシンボルを記載することにより作成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、立体的な照明シミュレーションを簡易に作成できないという問題が存在する。例えば、平面図を用いてシミュレーションを作成した場合、照明器具の配置を把握することは可能であるが、照明器具が吊るされる高さや照射方向等の情報が不明であり、照射イメージを把握することができない。一方、立体的な図を用いてシミュレーションを作成した場合、照明器具の照射イメージを把握することが可能であるが、専用のソフト操作に習熟する必要がある。本発明が解決しようとする課題には、上述した問題が一例として挙げられる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、立体的な照明のシミュレーションを簡易に作成することができる仕込み支援装置、仕込み支援方法および仕込み支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の仕込み支援装置は、バトンの配置位置を示すとともに、照明装置の配置位置と照明装置の向きとを2次元で入力可能なコンテンツを提供する提供部と、コンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と向きとを取得する取得部と、取得した配置位置と向きとに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツをユーザに提供する出力部とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、立体的な照明のシミュレーションを簡易に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、全体概要について説明するための図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る仕込み支援装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、生成部により生成された入力用のデータの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、入力済みデータの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、2次元仕込み図に入力された照明装置の配置等の情報を3次元座標上に変換した3DCADデータの一例である。
【
図6】
図6は、出力部により出力された照明のシミュレーションの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る仕込み支援装置による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、変形例に係る仕込み支援装置が行う処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本願に係る仕込み支援装置、仕込み支援方法および仕込み支援プログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示しており、重複する説明は省略する。
【0010】
[全体概要]
はじめに、
図1を用いて全体の概要について説明する。
図1は、全体概要について説明するための図である。舞台等に用いる照明器具の配置情報を示すデザイン図は、平面図に照明器具のシンボルを記載することにより作成される。例えば、舞台を上部から見た平面図に、担当者が照明装置を示すシンボルを配置したい場所に手書きで記載することにより作成される。
【0011】
上記の従来技術では、立体的な照明シミュレーションを簡易に作成することができないという課題が存在する。例えば、従来技術のように平面図を用いてシミュレーションを作成した場合には、照明装置の位置情報のみしか把握することができないが、舞台における照明のイメージをより正確に把握するためには、照明装置が吊るされる高さや照明装置が光を照射する方向といった詳細な情報が必要である。
【0012】
一方で、立体図を照明シミュレーションの作成に用いた場合には、照明のイメージをより正確に把握することが可能であるが、例えば、3DCADといった専用のモデリングソフトの操作に習熟する必要がある。しかしながら、専用ソフトの未経験者が、仮想空間上のX軸、Y軸、Z軸の座標情報や照明の方向等の情報を適切に反映させて、照明装置を自在に配置できるようになるためには多大な手間と労力が必要である。
【0013】
そこで、実施形態に係る仕込み支援装置は、バトンの配置位置を示すとともに、照明装置の配置位置と照明装置の向きとを2次元で入力可能なコンテンツを提供する提供部と、コンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と向きとを取得する取得部と、取得した配置位置と向きとに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツをユーザに提供する出力部とを有する構成を持つ。
【0014】
例えば、仕込み支援装置は、
図1に示すように、以下の処理を行う。まず、仕込み支援装置は、バトンの配置位置と、照明装置の配置位置と照明装置の向きとを2次元で入力するための入力用データをユーザに提供する。次に、入力用データを提供されたユーザは、照明装置について、意図する配置位置や方向等の情報をデータに入力する。
【0015】
続いて、仕込み支援装置は、ユーザによってバトンや照明装置の配置位置や方向等の情報が入力された入力済み2次元データを受け付けて、照明装置の配置や向きといった情報を取得する。そして、仕込み支援装置は、入力済み2次元データに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツをユーザに提供する。
【0016】
これにより、仕込み支援装置は、専用のモデリングソフトに習熟する必要なく、立体的な照明シミュレーションを簡易に作成することを可能とする。すなわち、従来の平面図に照明器具シンボルを記載する方法を踏襲しながら3次元照明設計および照明シミュレーションが可能となる。
【0017】
[仕込み支援装置の構成]
次に、
図2を用いて、仕込み支援装置100の構成について説明する。
図2は、仕込み支援装置100の構成の一例を示す図である。
図2に示すように、仕込み支援装置100は、通信部110と、制御部120と、記憶部130とを有する。なお、これらの各部は、複数の装置が分散して保持してもよい。以下、各部の処理について説明する。
【0018】
通信部110は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介した外部装置と制御部120の通信を可能とする。例えば、通信部110は、外部装置と制御部120との通信を可能とする。
【0019】
記憶部130は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部130が記憶する情報としては、例えば、バトンの配置位置、バトンに設置可能な照明の数、バトンの種類、照明装置の配置位置、照明装置の向きに関する情報、劇場の情報、学習済みモデル、その他仕込み支援に必要な情報が含まれる。
【0020】
ここで、バトンとは、舞台演出上必要な照明装置等の機材を吊り下げるための棒であり、手動または自動で昇降が可能である。また、バトンの種類には、バトンの種別・型番号といった情報が含まれる。また、照明装置の配置位置には、照明装置が設置されるバトンおよび設置されるバトン中での設置位置といった情報が含まれる。また、照明装置の向きに関する情報には、照明装置の角度、照明装置の目的、照明装置の対象といった情報が含まれる。
【0021】
また、劇場の情報には、劇場の間取り、劇場の高さ、劇場の構造、劇場に設置可能なバトンの本数、劇場に設置されたバトンの本数、劇場に設置可能なバトンの配置、劇場に設置されたバトンの本数、劇場に設置可能なバトンの種類、劇場に設置されたバトンの種類、劇場に設置されたバトンに設置可能な照明装置の数、仕込み図といった情報が含まれる。なお、記憶部130が記憶する情報は上記に記載した例に限定されない。
【0022】
制御部120は、CPU(Central Processing Unit)やNP(Network Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いて実現され、メモリに記憶された処理プログラムを実行する。
図4に示すように、制御部120は、生成部121と、提供部122と、取得部123と、出力部124とを有する。以下、制御部120が有する各部について説明する。
【0023】
生成部121は、バトンの配置位置、バトンに設置可能な照明の数、バトンの種類が示された入力用データを生成する。例えば、生成部121は、バトンの本数、各バトンの配置、各バトンに設置可能な照明の数、設置されるバトンの種類が示された入力用のデータを生成する。
【0024】
より具体的には、生成部121は、舞台中央に3本(スマートバトン)、舞台上手に2本、舞台下手に2本のバトンが配置され、舞台中央のバトンには10個の照明装置が設置可能であり、舞台上手と下手のバトンには、6個の照明装置が設置可能であることが示された入力用データを生成する。
【0025】
このとき、生成部121は、各項目について目的に応じて設定された規定値を用いて入力用のデータを生成してもよい。また、生成部121は、劇場の情報を用いて、対象とする劇場の構造に対応した入力用データを生成してもよい。
【0026】
より具体的には、生成部121は、劇場に設置されたバトンの種類、劇場に設置されたバトンの本数、劇場に設置されたバトンに設置可能な照明装置の数といった情報から、舞台中央に3本(スマートバトン)、舞台上手に2本(スマートバトン)、舞台下手に2本のバトン(スマートバトン)が配置され、舞台中央のバトンには15個の照明装置が設置可能であり、舞台上手と下手のバトンには、8個の照明装置が設置可能であることが示された入力用データを生成する。
【0027】
提供部122は、バトンの配置位置を示すとともに、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とを2次元で入力可能なコンテンツを提供する。例えば、提供部122は、バトンの配置位置を示すとともに、照明装置の配置位置として、各照明装置が設置されるバトン上での位置、照明装置の向きに関する情報とを2次元で入力可能なデータを提供する。
【0028】
より具体的には、提供部122は、バトンの配置位置(舞台中央に15個の照明装置が設置可能なバトンが3本、舞台上手に8個の照明装置が設置可能なバトンが2本、舞台下手に8個の照明装置が設置可能なバトンが2本)を示すとともに、照明装置の配置位置(設置されるバトン上での位置)と、照明装置の向きに関する情報(角度・目的・対象)とを2次元で入力可能なコンテンツを提供する。
【0029】
ここで、提供部122が提供するコンテンツには、汎用的な情報処理装置で用いられる形式のデータや、紙媒体などが含まれる。また、提供部122は、照明装置の向きに関する情報としての角度を、数値や矢印を用いて2次元で入力可能なコンテンツを提供する。
【0030】
また、提供部122は、バトンの配置位置を示すとともに、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とバトンの高さとを2次元で入力可能なコンテンツを提供する。より具体的には、提供部122は、バトンの配置位置(舞台中央に15個の照明装置が設置可能なバトンが3本、舞台上手に8個の照明装置が設置可能なバトンが2本、舞台下手に8個の照明装置が設置可能なバトンが2本)を示すとともに、照明装置の配置位置(設置されるバトン上での位置)と、照明装置の向きに関する情報(角度・目的・対象)と、バトンが設置される高さ(X.Xm)とを2次元で入力可能なコンテンツを提供する。
【0031】
また、提供部122は、照明装置の向きに関する情報として、Z軸に対する角度を2次元で入力可能なコンテンツを提供する。ここで、Z軸に対する角度とは、舞台を上面から見て舞台の奥方向を0°、客席方向を180°とする場合の角度であってよい。
【0032】
例えば、提供部122は、各照明装置について、仮想空間上のZ軸に対する角度を2次元で入力可能なコンテンツを提供する。より具体的には、提供部122は、照明装置Aの仮想空間上のZ軸に対する角度「〇〇〇°」、照明装置Bの仮想空間上のZ軸に対する角度「〇〇〇°」、照明装置Cの・・・、照明装置Dの・・・を2次元で入力可能なコンテンツを提供する。
【0033】
また、提供部122は、照明装置の向きに関する情報として、Z軸およびX軸に対する角度を2次元で入力可能なコンテンツを提供する。ここで、X軸に対する角度とは、舞台を客席方向から見た際の照明の真下方向を0°、照明の真上方向を180°とする場合の角度であってよい。
【0034】
例えば、提供部122は、各照明装置について、仮想空間上のZ軸およびX軸に対する角度を2次元で入力可能なコンテンツを提供する。より具体的には、提供部122は、照明装置Aの仮想空間上のZ軸に対する角度「〇〇〇°」およびX軸に対する角度「〇〇〇°」、照明装置Bの仮想空間上のZ軸に対する角度「〇〇〇°」およびX軸に対する角度「〇〇〇°」、照明装置Cの・・・、照明装置Dの・・・を2次元で入力可能なコンテンツを提供する。
【0035】
また、提供部122は、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報として照明装置の目的とを2次元で入力可能なコンテンツを提供する。例えば、提供部122は、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報として照明装置の目的(文言)とを2次元で入力可能なコンテンツを提供する。
【0036】
例えば、提供部122は、照明装置の配置位置として、各照明装置が設置されるバトン上での位置と、照明装置の目的(例えば、バックライト・地明かり等)とを2次元で入力可能なコンテンツを提供する。
【0037】
より具体的には、提供部122は、照明装置Aの配置位置「バトンAの6番目」と、照明装置Aの目的「バックライト」、照明装置Bの配置位置「バトンBの5番目」と、照明装置Bの目的「地明かり」といった情報を2次元で入力可能なコンテンツを提供する。
【0038】
また、提供部122は、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報として照明装置の対象とを2次元で入力可能なコンテンツを提供する。例えば、提供部122は、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報として照明装置の対象(文言)とを2次元で入力可能なコンテンツを提供する。
【0039】
例えば、提供部122は、照明装置の配置位置として、各照明装置が設置されるバトン上での位置と、照明装置の対象(例えば、ボーカル、ギター等)とを2次元で入力可能なコンテンツを提供する。
【0040】
具体的には、提供部122は、照明装置Aの配置位置「バトンAの6番目」と、照明装置Aの対象「ボーカル」、照明装置Bの配置位置「バトンBの5番目」と、照明装置Bの対象「ギター」といった情報を2次元で入力可能なコンテンツを提供する。
【0041】
取得部123は、コンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とを取得する。例えば、取得部123は、汎用的な情報処理装置で用いられる形式のデータや紙媒体のコンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とを取得する。また、例えば、取得部123は、紙媒体に入力された照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とを取得する。
【0042】
より具体的には、取得部123は、データに入力された照明装置Aの配置位置「バトンAの6番目」、照明装置AのZ軸に対する角度「180°」、照明装置Bの・・・、照明装置Cの・・・、といった情報を取得する。
【0043】
取得部123は、コンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報と、バトンの高さとを取得する。例えば、取得部123は、汎用的な情報処理装置で用いられる形式のデータや紙媒体のコンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報と、バトンの高さとを取得する。
【0044】
より具体的には、取得部123は、データに入力された照明装置Aの配置位置「バトンAの6番目」、照明装置AのZ軸に対する角度「180°」、照明装置Bの・・・、照明装置Cの・・・、バトンAの高さ「7.5m」、バトンBの高さ「7.5m」・・・、バトンCの・・・、といった情報を取得する。
【0045】
取得部123は、コンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報としての照明装置の目的とを取得する。例えば、取得部123は、汎用的な情報処理装置で用いられる形式のデータや紙媒体のコンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報としての照明装置の目的とを取得する。
【0046】
より具体的には、取得部123は、データに入力された照明装置Aの配置位置「バトンAの6番目」、照明装置Aの目的「バックライト」、照明装置Bの・・・、照明装置Cの・・・、といった情報を取得する。
【0047】
取得部123は、コンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報としての照明装置の対象とを取得する。例えば、取得部123は、汎用的な情報処理装置で用いられる形式のデータや紙媒体のコンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報としての照明装置の対象とを取得する。
【0048】
より具体的には、取得部123は、データを介して入力された照明装置Aの配置位置「バトンAの6番目」、照明装置Aの対象「ギター」、照明装置Bの・・・、照明装置Cの・・・、といった情報を取得する。
【0049】
出力部124は、取得した照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する。例えば、出力部124は、取得部123により取得した、照明装置Aの配置位置「バトンAの6番目」、照明装置AのZ軸に対する角度「180°」、照明装置Bの・・・、照明装置Cの・・・といった情報に従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する。
【0050】
また、出力部124は、取得した照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報と、バトンの高さとに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する。例えば、出力部124は、取得部123により取得した、照明装置Aの配置位置「バトンAの6番目」、照明装置AのZ軸に対する角度「180°」、照明装置Bの・・・、照明装置Cの・・・、バトンの高さ「7.5m」といった情報に従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する。
【0051】
また、出力部124は、取得した照明装置の配置位置と、照明装置の目的に応じた照明装置の向きに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する。例えば、出力部124は、取得部123により取得した、照明装置Aの配置位置「バトンAの6番目」、照明装置Aの目的「バックライト」、照明装置Bの・・・、照明装置Cの・・・といった情報に従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する。
【0052】
また、出力部124は、照明装置の目的と照明装置の向きとの関係性を学習させたモデルを用いて、照明装置の目的から照明装置の向きを決定し、決定された照明装置の向きに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する。
【0053】
すなわち、複数の照明装置のそれぞれに付与された目的を示す文言に応じて、照明装置が光を照射する方向を決定する。例えば、出力部124は、照明装置の目的を示す文言と、照明装置の向き(角度)との関係性を学習させたモデルを用いて、照明装置の目的から照明装置の向きを決定し、決定された照明装置の向きに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する。
【0054】
より具体的には、出力部124は、照明装置の目的が「バックライト」であれば、照明装置の向きを、照射する対象物を舞台の奥から客席方向に照らすような向き(例えば、照射対象の真後ろにある照明装置であれば、Z軸に対する角度180°、X軸に対する角度45°)に決定する。また、出力部124は、照明装置の目的が「地明かり」であれば、照明装置の向きを、照明装置の直下方向(Z軸に対する角度なし、X軸に対する角度0°)に決定する。
【0055】
また、出力部124は、照明装置の対象と照明装置の向きとの関係性を学習させたモデルを用いて、照明装置の対象から照明装置の向きを決定し、決定された照明装置の向きに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する。
【0056】
すなわち、複数の照明装置のそれぞれに付与された照射対象を示す文言に応じて、照明装置が光を照射する方向を決定する。例えば、出力部124は、照明装置の対象を示す文言と、照明装置の向き(角度)との関係性を学習させたモデルを用いて、照明装置の目的から照明装置の向きを決定し、決定された照明装置の向きに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する。
【0057】
より具体的には、出力部124は、照明装置の対象が「ボーカル」であれば、照明装置の向きを、舞台中央に向いた方向(例えば、客席から見て照射対象の左方向にある照明装置であれば、Z軸に対する角度90°、X軸に対する角度45°)に決定する。
【0058】
上述した仕込み支援装置100は、CPU、RAM、EEPROM、フラッシュメモリなどを有するコンピュータが、所定の記憶媒体に記憶された制御プログラムを読み取り、読み取った制御プログラムを実行することにより、実現されてもよい。
【0059】
[仕込み支援装置による処理]
次に、
図3‐6を用いて、仕込み支援装置100による処理について説明する。まず、生成部121は、バトンの本数とその配置、各バトンに設置可能な照明の数、設置されるバトンの種類が示された入力用のデータ(照明装置の座標位置を示す2次元仕込み図)を生成する。
【0060】
図3は、生成部121により生成された入力用のデータの一例を示す図である。例えば、生成部121は、
図3に示すように、舞台上のバトン数(4本(1SUS‐4SUS))と、舞台上のバトンの配置と、各バトンに設置可能な照明の数(24個)とが示された入力用のデータを生成する。ここで、生成部121は、各バトンにおいて照明装置を設置可能な位置を、空白の枠として示した入力用のデータを生成する。また、バトンの種類が特殊なものである場合には、SUS表記の下部にバトンの種類の記載を行う。例えば、生成部121は、バトンの種類がスマートバトンである場合には、SUS表記の下部に「スマートバトン」と記載した入力用のデータを作成する。
【0061】
ここで、生成部121により生成される入力用のデータは、劇場の舞台を目的に応じた任意の方向から示した平面図であってよい。また、生成部121は、シミュレーションの対象とする劇場に関する情報(劇場の仕込み図等)から、入力用データを生成してもよい。
【0062】
次に、提供部122は、生成部121により生成された、バトンの配置位置を示すとともに、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とを2次元で入力可能なコンテンツを提供する。ここで、提供部122により提供されるコンテンツは、所定形式のデータの他、紙媒体であってもよい。すなわち、提供部122は、立体的な照明シミュレーションを作成するための入力用データを、ユーザまたは装置が入力しやすい形式で提供する。
【0063】
続いて、提供部122により提供された入力用データを受け付けたユーザまたは装置は、設置対象の照明装置を示す記号とその照明装置の向きに関する情報(角度・目的・対象)を入力用データに入力する。
図4は、ユーザまたは装置により情報が記載された入力済みデータの一例を示す図である。ここで、
図4右側にある機材リストの欄は、照明装置の種類と、当該照明装置の種類を示す記号との対応を入力する欄である。例えば、機材リストの欄には、照明装置の種類と、当該照明装置の種類を示す記号との対応として、「〇平凸スポットライト、◎フレネルスポットライト」といった情報が入力される。また、
図4においてバトンを示すSUS表記の右側に表示された空白の枠は、各バトンにおいて照明装置を設置可能な位置を示す。この空白の枠には、照明装置の種類を示す記号が入力される。例えば、特定の空白の枠内に、◎が入力された場合には、入力された位置にフレネルスポットライトが配置されることを意味する。
【0064】
そして、照明装置の種類を示す記号が入力された枠の直下には、当該照明装置の向きに関する情報が入力される。例えば、照明装置の種類を示す記号〇が入力された枠の直下には、照明装置の向きに関する情報として、照明装置の照射方向を示す矢印や、照明装置の目的(バックライト)といった情報が入力される。
【0065】
なお、入力用データは、受け付けたユーザまたは装置によって編集が可能であり、例えば、入力用データに含まれるバトンの数、バトンの配置、バトンに設置可能な照明装置の数、バトンの種類等の変更を適宜行うことができる。
【0066】
続いて、取得部123は、提供部122によりユーザまたは装置に提供され、照明装置の配置、照明装置の向きに関する情報等を入力された入力済みデータから、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とを取得する。このとき、紙媒体の形式で入力用データが提供された場合には、取得部123は、例えば、OCR(Optical Character Recognition)の機能を有するスキャナ等により取り込まれたデータを介して、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とを取得する。
【0067】
続いて、出力部124は、取得部123により取得された照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とから、2次元仕込み図に入力されたバトンと照明装置の配置情報等を、3次元上の座標に変換して配置したデータ(3DCADデータ)を得る。
図5は、2次元仕込み図に入力された照明装置の配置等の情報を3次元座標に変換した3DCADデータの一例である。例えば、出力部124は、2次元仕込み図に入力されたバトンと照明装置との配置情報等を読み取り、各照明装置のバトン上での位置や角度といった情報を、3次元上の座標に変換し、
図5に示すように、バトンや照明装置を模したイラストを用いて3DCADデータを表示する。このとき、出力部124は、各照明装置の選択を受けることにより、各照明装置の3次元上の座標(X:○○○.○○、Y:○○○.○○、Z:○○○.○○)や、各照明装置のZ軸およびX軸に対する角度(○○○°、○○○°)といった詳細情報を表示する。
【0068】
ここで、3次元座標への変換方法については、出力部124は、劇場躯体の3DCADデータにおけるバトン〇の座標位置(X:○○○.○○、Y:○○○.○○、Z:○○○.○○)と、バトンの座標位置とリンクした2次元仕込み図に配置された照明装置の位置情報等(バトン〇の〇番目)とを組み合わせることによって、照明装置の位置情報を3次元上の座標「照明装置Aの配置(X:○○○.○○、Y:○○○.○○、Z:○○○.○○)、照明装置Bの・・・、照明装置Cの・・・」に変換する。
【0069】
また、角度の決定方法については、出力部124は、照明装置のZ軸およびX軸に対する角度を、モデルを利用することにより照明装置の向きを決定する。例えば、出力部124は、照明装置の目的と照明装置の向きとの関係性を学習させたモデルを用いて、照明装置の目的から照明装置の向きを決定する。例えば、出力部124は、照明装置の目的と、照明装置の目的に対応した照明装置の向き(角度)との情報を教師データとして学習したモデルを用いて、照明装置の目的の情報から、照明装置の目的に対応した照明装置の向きを決定する。
【0070】
また、例えば、出力部124は、照明装置の対象と照明装置の向きとの関係性を学習させたモデルを用いて、照明装置の対象から照明装置の向きを決定する。例えば、出力部124は、照明装置の対象と、照明装置の対象に対応した照明装置の向き(角度)との情報を教師データとして学習したモデルを用いて、照明装置の対象の情報から、照明装置の対象に対応した照明装置の向きを決定する。
【0071】
そして、出力部124は、バトンと照明装置との配置情報等を3次元上の座標に変換したデータから、仮想空間に作られた劇場における照明のシミュレーションを出力する。
図6は、出力部124により出力された照明のシミュレーションの一例を示した図である。例えば、出力部124は、
図6に示すように、仮想空間上の劇場躯体と、各照明装置の3次元上の座標情報と各照明装置の向きとをリンクさせた上で、3次元空間上で配置された各照明装置の座標および各照明装置の向きに応じて、各照明装置の種類に応じた光が照射された、照明のシミュレーションを作成する。
【0072】
このようにして、出力部124は、取得した照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力し、立体的な照明のシミュレーションを簡易に作成することを可能とする。すなわち、従来の平面図に照明装置シンボルを記載する方法を踏襲しながら3次元照明設計および照明シミュレーションが可能となる。
【0073】
なお、出力部124により作成された立体的な照明シミュレーションについては、仕込み支援装置100と接続されたDMX(Digital Multiplex)512、RDM(Remote Device Management)等の規格に沿った通信方式により接続された調光操作卓により、仮想空間上の照明装置等の操作が行われてもよい。
【0074】
また、出力部124は、作成した立体的な照明シミュレーションから2次元仕込み図を作成することができる。すなわち、例えば、出力部124は、3次元コンテンツから、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報と、バトンの高さとのうちいずれか1つ以上が入力された2次元仕込み図を出力する。これにより、仕込み支援装置100は、簡易的な2次元仕込み図から立体的な照明のシミュレーションを作成することに加えて、例えば、作成した照明のシミュレーションについて仮想空間上で様々な照明制御を行った結果について、本格的な2次元仕込み図を作成することができる。
【0075】
[フローチャート]
次に、
図7を用いて、仕込み支援装置100による処理の流れについて説明する。なお、下記の各ステップは、異なる順序で実行することもでき、また、省略される処理があってもよい。
【0076】
まず、仕込み支援装置100は、処理命令を受信したか判定する(ステップS101)。ここで、仕込み支援装置100は、処理命令を受信した場合(ステップS101“YES”)には、以降の処理(ステップS102~)へ進む。一方、仕込み支援装置100は、処理命令を受信していない場合(ステップS101“NO”)には、以降の処理(ステップS102~)に進まず、再び処理命令を受信したか判定する。
【0077】
次に、生成部121は、バトンの配置位置、バトンに設置可能な照明の数、バトンの種類が示された入力用データを生成する(ステップS102)。例えば、生成部121は、舞台中央に3本(スマートバトン)、舞台上手に2本、舞台下手に2本のバトンが配置され、舞台中央のバトンには10個の照明装置が設置可能であり、舞台上手と下手のバトンには、6個の照明装置が設置可能であることが示された入力用データを生成する。
【0078】
続いて、提供部122は、バトンの配置位置を示すとともに、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とを2次元で入力可能なコンテンツを提供する(ステップS103)。例えば、提供部122は、バトンの配置位置(舞台中央に3本、舞台上手に2本、舞台下手に2本)を示すとともに、照明装置の配置位置(舞台中央のバトンには、10個の照明装置が設置可能、舞台上手と下手のバトンには、6個の照明装置が設置可能)と、照明装置の向きに関する情報(角度・目的・対象)とを2次元で入力可能なコンテンツを提供する。
【0079】
取得部123は、コンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とを取得する(ステップS104)。例えば、取得部123は、データや紙媒体等のコンテンツを介して入力された照明装置Aの配置位置として、照明装置Aが設置されるバトンおよびバトン上での設置位置、照明装置Aの向きに関する情報として照明装置Aの設置される角度、照明装置Bの・・・、照明装置Cの・・・、といった情報を取得する。
【0080】
出力部124は、取得した照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する(ステップS105)。例えば、出力部124は、取得部123により取得した、照明装置Aの配置位置「設置されるバトン、バトン上での設置位置」、照明装置Aの向きに関する情報「角度」、照明装置Bの・・・、照明装置Cの・・・といった情報に従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する。
【0081】
[効果]
実施形態に係る仕込み支援装置100は、バトンの配置位置を示すとともに、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とを2次元で入力可能なコンテンツを提供する提供部122と、コンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とを取得する取得部123と、取得した照明装置の配置位置と照明装置の向きとに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する出力部124とを有する。
【0082】
これにより仕込み支援装置100は、バトンの配置位置と、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報に従って照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力することで、立体的な照明のシミュレーションを簡易に作成することができる。すなわち、仕込み支援装置100は、従来の平面図に照明器具シンボルを記載する方法を踏襲しながら3次元照明設計および照明シミュレーションが可能とする。
【0083】
実施形態に係る仕込み支援装置100の提供部122は、バトンの配置位置を示すとともに、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報とバトンの高さとを2次元で入力可能なコンテンツを提供し、取得部123は、コンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報と、バトンの高さとを取得し、出力部124は、取得した照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報と、バトンの高さとに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する。
【0084】
これにより仕込み支援装置100は、バトンの配置位置と、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報と、バトンの高さとの情報に従って照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力することで、より詳細な立体的な照明のシミュレーションを簡易に作成することができる。
【0085】
実施形態に係る仕込み支援装置100は、バトンの配置位置、バトンに設置可能な照明装置の数、バトンの種類が示された入力用データを生成する生成部121をさらに有する。これにより仕込み支援装置100は、劇場に合わせたバトンの配置、数、種類が示されたシミュレーションの原型を生成して、意図する情報の入力を可能とすることで、立体的な照明のシミュレーションを簡易に作成することができる。
【0086】
実施形態に係る仕込み支援装置100の提供部122は、照明装置の向きに関する情報として、Z軸に対する角度を2次元で入力可能なコンテンツを提供する。これにより仕込み支援装置100は、Z軸に対する角度の情報により各照明装置の向きを特定することで、立体的な照明のシミュレーションを簡易に作成することができる。
【0087】
実施形態に係る仕込み支援装置100の提供部122は、照明装置の向きに関する情報として、Z軸およびX軸に対する角度を2次元で入力可能なコンテンツを提供する。これにより仕込み支援装置100は、Z軸およびX軸に対する角度の情報により各照明装置の向きを特定することで、より詳細な立体的な照明のシミュレーションを簡易に作成することができる。
【0088】
実施形態に係る仕込み支援装置100の提供部122は、照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報として、照明装置の目的を2次元で入力可能なコンテンツを提供し、取得部123は、コンテンツを介して入力された照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報としての照明装置の目的とを取得し、出力部124は、取得した照明装置の配置位置と、照明装置の目的に応じた照明装置の向きに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する。
【0089】
これにより仕込み支援装置100は、照明装置の目的の情報から照明装置の向きを決定することで、具体的な角度の情報を用いることなく、立体的な照明のシミュレーションをより簡易に作成することができる。
【0090】
実施形態に係る仕込み支援装置100の出力部124は、照明装置の目的と照明装置の向きとの関係性を学習させたモデルを用いて、照明装置の目的から照明装置の向きを決定し、決定された照明装置の向きに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する。これにより仕込み支援装置100は、照明装置の目的から照明装置の向きを決定するモデルを用いることで、具体的な角度の情報を用いることなく、立体的な照明のシミュレーションをより簡易に作成することができる。
【0091】
[変形例]
以下では、ユーザ端末(PC、スマートフォン、タブレット等)により仕込み支援装置100の遠隔操作が可能となる変形例について説明する。上述の実施形態では、シミュレーションソフトで3Dの照明シミュレーションを行うために高い処理能力のユーザ端末が必要となる。そのため、高い処理能力のユーザ端末が存在する特定の場所でしか3Dの照明シミュレーションを行うことができない。
【0092】
そこで変形例として、仕込み支援装置100は、例えば、クラウド側で処理を行うクラウドコンピュータであってよい。すなわち、仕込み支援装置100は、サーバ装置であってよい。以下では、仕込み支援装置100がサーバ装置であって、ユーザが操作するユーザ端末と情報のやり取りを行う例について、
図8を用いて説明する。
図8は、変形例に係る仕込み支援装置100が行う処理を示す図である。
【0093】
例えば、まず、仕込み支援装置100は、ユーザ端末から劇場の選択を受け付ける(
図8(1))。このとき、生成部121は、ユーザ端末から選択を受け付けた劇場の情報を用いて、入力用のデータを生成する。例えば、生成部121は、ユーザ端末からの選択を受け付けた劇場について、劇場ごとの間取り、高さ、構造、設置可能なバトンの本数、設置されたバトンの本数、設置可能なバトンの配置、設置されたバトンの本数、設置可能なバトンの種類、設置されたバトンの種類、設置されたバトンに設置可能な照明装置の数を記憶したデータベースを参照して入力用のデータを作成する。そして、提供部122は、入力用のデータを、ユーザまたはユーザ端末が入力しやすい形式で提供する。
【0094】
続いて、仕込み支援装置100は、ユーザ端末から照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報等を受け付ける(
図8(2))。例えば、まず、取得部123は、ユーザ端末から、各照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報(照明装置の各軸に対する角度あるいは照明装置の目的)と、バトンの高さとを取得する。そして、出力部124は、取得した照明装置の配置位置と、照明装置の向きに関する情報と、バトンの高さとに従って、照明装置を仮想的に配置した3次元コンテンツを出力する。すなわち、仕込み支援装置100は、「2D→3DCAD器具配置座標変換ソフト」として機能して、ユーザ端末から受け取った照明機器の配置・向き等の情報に従って、各照明装置を仮想空間上の劇場に3次元座標を用いて配置したコンテンツを作成する。
【0095】
その後、仕込み支援装置100は、ユーザ端末から照明装置を操作する照明制御信号を受け付ける(
図8(3))。例えば、仕込み支援装置100は、調光操作卓またはオフラインPCで用いられる調光操作卓のソフトウェアからの照明制御信号をユーザ端末から取得する。そして、仕込み支援装置100は、ユーザ端末から受け付けた照明制御信号に従って、出力部124により出力された3次元の照明シミュレーションの内容を変更する。すなわち、このとき仕込み支援装置100は、「3Dシミュレーションソフト」として機能する。
【0096】
このようにして、本変形例では、クラウド上の仕込み支援装置100に3Dの照明シミュレーションを行わせ、負荷の重い処理をユーザ端末でなくサーバ側で行うことにより、高い処理能力のユーザ端末および照明シミュレーションを行うソフトウェアのインストールが必要なくなり、一般的な処理能力のユーザ端末でも3Dの照明シミュレーションを行うことが可能となる。また、本変形例では、各データがクラウド上に記憶されることにより、通信可能な環境であれば場所を問わずシミュレーションが可能となる。加えて、各データがクラウド上に記憶されることにより、複数台のユーザ端末にシミュレーションの内容を共有しつつ、仮想空間上の照明制御を行うことができる。
【0097】
[その他]
様々な実施形態を、図面を参照して、本明細書で詳細に説明したが、これらの複数の実施形態は例であり、本発明をこれらの複数の実施形態に限定することを意図するものではない。本明細書に記載された特徴は、当業者の知識に基づく様々な変形や改良を含む、様々な方法によって実現され得る。
【0098】
また、上述した「部(module、-er接尾辞、-or接尾辞)」は、ユニット、手段、回路などに読み替えることができる。例えば、通信部(communication module)、制御部(control module)および記憶部(storage module)は、それぞれ、通信ユニット、制御ユニットおよび記憶ユニットに読み替えることができる。
【符号の説明】
【0099】
100 仕込み支援装置
110 通信部
120 制御部
121 生成部
122 提供部
123 取得部
124 出力部
130 記憶部