(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144068
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】アレイ基板及び表示パネル
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1343 20060101AFI20241003BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20241003BHJP
G09F 9/35 20060101ALI20241003BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G02F1/1343
G09F9/30 339Z
G09F9/30 348A
G09F9/35
G02F1/1368
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023203219
(22)【出願日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】202310332949.0
(32)【優先日】2023-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523439149
【氏名又は名称】グァンチョウ チャイナスター オプトエレクトロニクス セミコンダクター ディスプレイ テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】ユー ピン
【テーマコード(参考)】
2H092
2H192
5C094
【Fターム(参考)】
2H092GA12
2H092GA14
2H092GA17
2H092JA46
2H092NA07
2H092QA09
2H192AA22
2H192BB03
2H192BB13
2H192BB53
2H192DA15
2H192DA32
2H192JA33
5C094AA02
5C094BA43
5C094DA15
5C094EA04
5C094EA07
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】本願の実施例は、アレイ基板及び表示パネルを開示する。アレイ基板は、順に設置されるベース基板と、第1の電極層と、絶縁層と、第2の電極層とを含み、ベース基板は、表示領域と非表示領域を含み、第1の電極層は、表示領域に位置する第1の共通電極を含み、第2の電極層は、表示領域に位置する複数の画素電極及び共通電極配線を含み、複数の画素電極は、間隔をおいて設置され、共通電極配線は、少なくとも二つの隣接する画素電極の間に設置され、共通電極配線の延在方向は、隣接する画素電極エッジの延在方向と一致する。
【効果】本願は、少なくとも二つの隣接する画素電極の間に共通電極配線を設置し、信号が入力される時、共通電極配線が隣接する画素電極と反応することで、対応する画素電極エッジの電界強度を増加させ、それによって画素電極エッジの暗縞の状況を改善し、アレイ基板の透過率を向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板であって、
表示領域と非表示領域を含むベース基板と、
前記ベース基板上に設置され、前記表示領域に位置する第1の共通電極を含む第1の電極層と、
前記第1の電極層の前記ベース基板から離反する側に設置される絶縁層と、
前記絶縁層の前記第1の電極層から離反する側に設置される第2の電極層であって、前記第2の電極層が、前記表示領域に位置する複数の画素電極及び共通電極配線を含み、前記複数の画素電極が間隔をおいて設置され、前記共通電極配線が、少なくとも二つの隣接する前記画素電極の間に設置されるとともに前記画素電極と相互絶縁し、且つ前記共通電極配線の延在方向が、隣接する前記画素電極エッジの延在方向と一致する第2の電極層とを含む、ことを特徴とするアレイ基板。
【請求項2】
任意の二つの隣接する前記画素電極の間に、前記共通電極配線が設置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記第2の電極層は、第1の方向に沿って並列に設置される複数の画素電極群を含み、各前記画素電極群は、第2の方向に沿って並列に設置される複数の前記画素電極を含み、前記第2の方向と前記第1の方向とは、夾角をなし、隣接する二つの前記画素電極群の間に、少なくとも1本の前記共通電極配線が設置されており、前記共通電極配線の延在方向は、隣接する前記画素電極群エッジの延在方向と一致する、ことを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記共通電極配線と、隣接する二つの前記画素電極群エッジとの間の間隔は、等しい、ことを特徴とする請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記画素電極は、前記第1の方向に沿って間隔をおいて設置される複数の分岐電極を含み、前記分岐電極の延在方向は、前記共通電極配線の延在方向と一致し、前記画素電極群エッジと、隣接する前記共通電極配線との間は、第1の間隔を有し、前記画素電極の隣接する二つの分岐電極の間は、第2の間隔を有し、前記第1の間隔と前記第2の間隔とは、等しい、ことを特徴とする請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記共通電極配線の前記第1の方向における幅は、4ミクロン以上且つ5ミクロン以下である、ことを特徴とする請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記アレイ基板は、前記表示領域内に設置される第1の信号線を含み、前記絶縁層上の前記第1の信号線に対応する位置に第1の開孔が開設され、前記共通電極配線は、前記第1の開孔を介して前記第1の信号線に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記アレイ基板は、前記非表示領域に設置される第2の信号線を含み、前記第2の信号線は、前記第1の信号線と同層に設置され、前記第1の電極層は、前記非表示領域に位置する第2の共通電極を含み、前記第2の共通電極は、前記第1の共通電極に電気的に接続され、前記第2の電極層は、前記非表示領域に位置する接続電極を含み、前記絶縁層の前記第2の信号線に対応する位置に第2の開孔が開設され、前記接続電極は、前記第2の開孔を介して前記第2の信号線に電気的に接続され、前記絶縁層上の前記第2の共通電極に対応する位置に第3の開孔が開設され、前記接続電極は、前記第3の開孔を介して前記第2の共通電極に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項7に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記アレイ基板は、前記表示領域内に設置されるデータ線をさらに含み、前記共通電極配線の前記ベース基板上での正投影は、前記データ線の前記ベース基板上での正投影と少なくとも部分的に重なる、ことを特徴とする請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のアレイ基板を含む、ことを特徴とする表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示分野に関し、具体的にアレイ基板及び表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
表示技術の発展に伴い、現在主流の表示技術は、液晶表示、有機半導体表示及び量子ドット表示などがある。また人々の需要が高まるにつれて、高リフレッシュレートや高画質が市場のハイエンド電子表示製品の不可欠な要素となってきている。ここで、液晶表示パネルが低消費電力、高画質などの利点を有するため、ますます人気を集めるようになったが、従来の液晶表示パネルのアレイ基板では、画素電極エッジの電界が徐々に弱まるため、画素電極エッジに暗縞が生じてしまい、それによってアレイ基板全体の透過率の低下を引き起こし、さらに表示パネルの表示品質に影響を与える。
【発明の概要】
【0003】
本願の実施例は、従来のアレイ基板の画素電極エッジの電界が弱まって暗縞が生じることで透過率の低下を引き起こすという課題を解決できるアレイ基板及び表示パネルを提供する。
【0004】
本願の実施例は、アレイ基板を提供し、このアレイ基板は、
表示領域と非表示領域を含むベース基板と、
前記ベース基板上に設置され、前記表示領域に位置する第1の共通電極を含む第1の電極層と、
前記第1の電極層の前記ベース基板から離反する側に設置される絶縁層と、
前記絶縁層の前記第1の電極層から離反する側に設置される第2の電極層であって、前記第2の電極層が、前記表示領域に位置する複数の画素電極及び共通電極配線を含み、前記複数の画素電極が間隔をおいて設置され、前記共通電極配線が、少なくとも二つの隣接する前記画素電極の間に設置され、且つ前記共通電極配線の延在方向が、隣接する前記画素電極エッジの延在方向と一致する第2の電極層とを含む。
【0005】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、任意の二つの隣接する前記画素電極の間に、前記共通電極配線が設置されている。
【0006】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記第2の電極層は、第1の方向に沿って並列に設置される複数の画素電極群を含み、各前記画素電極群は、第2の方向に沿って並列に設置される複数の前記画素電極を含み、前記第2の方向と前記第1の方向とは、夾角をなし、隣接する二つの前記画素電極群の間に、少なくとも1本の前記共通電極配線が設置されており、前記共通電極配線の延在方向は、隣接する前記画素電極群エッジの延在方向と一致する。
【0007】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記共通電極配線と、隣接する二つの前記画素電極群エッジとの間の間隔は、等しい。
【0008】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記画素電極は、前記第1の方向に沿って間隔をおいて設置される複数の分岐電極を含み、前記分岐電極の延在方向は、前記共通電極配線の延在方向と一致し、前記画素電極群エッジと、隣接する前記共通電極配線との間は、第1の間隔を有し、前記画素電極の隣接する二つの分岐電極の間は、第2の間隔を有し、前記第1の間隔と前記第2の間隔とは、等しい。
【0009】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記共通電極配線の前記第1の方向における幅は、4ミクロン以上且つ5ミクロン以下である。
【0010】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記アレイ基板は、前記表示領域内に設置される第1の信号線を含み、前記絶縁層上の前記第1の信号線に対応する位置に第1の開孔が開設され、前記共通電極配線は、前記第1の開孔を介して前記第1の信号線に電気的に接続される。
【0011】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記アレイ基板は、前記非表示領域に設置される第2の信号線を含み、前記第2の信号線は、前記第1の信号線と同層に設置され、前記第1の電極層は、前記非表示領域に位置する第2の共通電極を含み、前記第2の共通電極は、前記第1の共通電極に電気的に接続され、前記第2の電極層は、前記非表示領域に位置する接続電極を含み、前記絶縁層の前記第2の信号線に対応する位置に第2の開孔が開設され、前記接続電極は、前記第2の開孔を介して前記第2の信号線に電気的に接続され、前記絶縁層上の前記第2の共通電極に対応する位置に第3の開孔が開設され、前記接続電極は、前記第3の開孔を介して前記第2の共通電極に電気的に接続される。
【0012】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記アレイ基板は、前記表示領域内に設置されるデータ線をさらに含み、前記共通電極配線の前記ベース基板上での正投影は、前記データ線の前記ベース基板上での正投影と少なくとも部分的に重なる。
【0013】
それに応じて、本願の実施例は、表示パネルをさらに提供し、前記表示パネルは、上記いずれか一項に記載のアレイ基板を含む。
【0014】
本願の実施例におけるアレイ基板は、順に設置されるベース基板と、第1の電極層と、絶縁層と、第2の電極層とを含み、ベース基板は、表示領域と非表示領域を含み、第1の電極層は、表示領域に位置する第1の共通電極を含み、第2の電極層は、表示領域に位置する複数の画素電極及び共通電極配線を含み、複数の画素電極は、間隔をおいて設置され、共通電極配線は、少なくとも二つの隣接する画素電極の間に設置され、共通電極配線の延在方向は、隣接する画素電極エッジの延在方向と一致する。本願は、少なくとも二つの隣接する画素電極の間に共通電極配線を設置し、信号が入力される時、共通電極配線が隣接する画素電極と反応することで、対応する画素電極エッジの電界強度を増加させ、それによって画素電極エッジの暗縞の状況を改善し、アレイ基板の透過率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本願の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の記載に必要な図面を簡単に説明し、自明なことに、以下の記載における図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を払わない前提で、これらの図面に基づいて他の図面も得られる。
【
図1】本願の実施例によるアレイ基板の対応する表示領域の構造概略図である。
【
図2】本願の実施例による他のアレイ基板の対応する表示領域の構造概略図である。
【
図3】本願の実施例によるアレイ基板の対応する非表示領域の構造概略図である。
【
図4】本願の実施例によるアレイ基板の画素電極の分布概略図である。
【
図5】本願の実施例による
図4における領域Aの拡大構造概略図である。
【
図6】本願の実施例によるアレイ基板における1行の画素電極の構造概略図である。
【
図7】本願の実施例によるアレイ基板における画素電極エッジの電界分布の比較概略図である。
【
図8】本願の実施例による表示パネルの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術案を明確かつ完全に説明する。自明なことに、説明される実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られるすべての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。なお、理解すべきこととして、ここで記述された具体的な実施形態は、本願を説明し解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するためのものではない。本願では、反対して説明しない限り、使用される方位の用語、例えば「上」と「下」は、一般的に装置の実際の使用又は作動状態での上と下を指し、具体的には図中の紙面方向であり、「内」と「外」は、装置の輪郭に対する方位である。
【0017】
本願の実施例は、アレイ基板及び表示パネルを提供し、以下では、詳細に説明する。なお、以下の実施例の記述順序は、実施例の好適な順序を限定するものではない。
【0018】
まず、本願の実施例は、アレイ基板を提供し、
図1から
図3に示すように、アレイ基板100は、ベース基板110を含み、ベース基板110は、アレイ基板100の支持構造として、アレイ基板100の他の機能構造層を支持して、アレイ基板100の構造安定性を保証するために用いられる。ここで、ベース基板110は、表示領域S1と非表示領域S2を含み、非表示領域S2は、信号入力領域として、制御信号を表示領域S1に入力して表示領域S1の画面表示を制御するために用いられる。
【0019】
図1に示すように、アレイ基板100は、第1の電極層140を含み、第1の電極層140は、ベース基板110上に設置され、第1の電極層140は、表示領域S1に位置する第1の共通電極141を含み、第1の共通電極141は、画素電極161と結合して電界を形成し、液晶の偏向を制御することで、アレイ基板100の制御機能を実現するために用いられる。
【0020】
アレイ基板100は、絶縁層150を含み、絶縁層150は、第1の電極層140のベース基板110から離反する側に設置され、絶縁層150は、第1の電極層140を後続の機能層から隔離することで、相互間に干渉が生じ、さらにアレイ基板100の正常な使用に影響を与えることを回避するために用いられる。
【0021】
アレイ基板100は、第2の電極層160を含み、第2の電極層160は、絶縁層150の第1の電極層140から離反する側に設置され、第2の電極層160は、表示領域S1に位置する複数の画素電極161及び共通電極配線162を含み、複数の画素電極161は、間隔をおいて設置され、共通電極配線162は、少なくとも二つの隣接する画素電極161の間に設置される。信号を入力する時に、画素電極161のエッジ領域の電界が徐々に弱まることにより暗縞領域が生じ、暗縞領域の形成は、直接にアレイ基板100全体の透過率に影響を与え、それによって表示品質に影響を与える。隣接する二つの画素電極161の間に共通電極配線162を設置し、信号が入力される時、共通電極配線162が隣接する画素電極161と反応することで、対応する画素電極161のエッジの電界強度を増加させ、それによって画素電極161のエッジの暗縞の状況を改善し、アレイ基板100の透過率を向上させる。
【0022】
なお、本願の実施例において、共通電極配線162と画素電極161とが同一の膜層に設置され、共通電極配線162と第1の共通電極141とが異なる膜層に設置されるが、第1の共通電極141と共通電極配線162上の入力の信号は同じである。即ちアレイ基板100の使用中に、第1の共通電極141上の入力信号は、表示方式を制御するために用いられ、共通電極配線162上の信号は、隣接する画素電極161の徐々に弱まっているエッジ電界を増強させるために用いられ、同一の信号で二つの機能を実現することができ、さらにアレイ基板100上の信号入力方式を簡略化する。
【0023】
ここで、共通電極配線162の延在方向は、隣接する画素電極161のエッジの延在方向と一致し、即ち信号が入力される時、共通電極配線162と、隣接する画素電極161のエッジとの電界反応は、延在方向の一致性を保持することができ、それによって画素電極161のエッジの電界強度変化の均一性を改善して、アレイ基板100の透過率をさらに向上させる。
【0024】
なお、
図6に示すように、画素電極161は、第1の屈曲領域を有し、隣接する二つの画素電極161の間の共通電極配線162の、第1の屈曲領域に対応する位置に、第2の屈曲領域があり、且つ第2の屈曲領域の構造形状は、第1の屈曲領域の構造形状と一致し、つまり共通電極配線162の延在方向は、隣接する画素電極161のエッジの延在方向と一致する。理解できるように、本願の実施例に記述される延在方向の一致とは、共通電極配線162と画素電極161の隣接するエッジの輪郭との延在方向が一致するようにして、共通電極配線162と、隣接する画素電極161との延在方向における間隔を常に等しくすることを意味し、それによって信号が入力される時、共通電極配線162と、隣接する画素電極161のエッジとの電界反応は、延在方向の一致性を保持することができ、さらに画素電極161のエッジの電界強度変化の均一性を改善し、暗縞領域を効果的に減少させると同時に暗縞領域の分布均一性を改善し、アレイ基板100全体の透過率を向上させることができる。
【0025】
本願の実施例におけるアレイ基板100は、順に設置されるベース基板110と、第1の電極層140と、絶縁層150と、第2の電極層160とを含み、ベース基板110は、表示領域S1と非表示領域S2を含み、第1の電極層140は、表示領域S1に位置する第1の共通電極141を含み、第2の電極層160は、表示領域S1に位置する複数の画素電極161及び共通電極配線162を含み、複数の画素電極161は、間隔をおいて設置され、共通電極配線162は、少なくとも二つの隣接する画素電極161の間に設置され、共通電極配線162の延在方向は、隣接する画素電極161のエッジの延在方向と一致する。本願は、少なくとも二つの隣接する画素電極161の間に共通電極配線162を設置し、信号が入力される時、共通電極配線162が隣接する画素電極161と反応することで、対応する画素電極161のエッジの電界強度を増加させ、それによって画素電極161のエッジの暗縞の状況を改善し、アレイ基板100の透過率を向上させる。
【0026】
いくつかの実施例では、任意の二つの隣接する画素電極161の間に共通電極配線162が設置されており、即ち複数の画素電極161がアレイを呈して分布する時、共通電極配線162もアレイを呈して網状構造のように分布し、二つの画素電極161の間にいずれも共通電極配線162が設置されるようになり、それによって信号が入力される時、各画素電極161の少なくとも両側のエッジの電界強度を増加させることができ、さらに全体の暗縞の状況を改善して、アレイ基板100の透過率をさらに向上させる。
【0027】
好ましくは、
図4に示すように、第2の電極層160は、第1の方向Xに沿って並列に設置される複数の画素電極群164を含み、各画素電極群164は、第2の方向Yに沿って並列に設置される複数の画素電極161を含み、且つ第2の方向と第1の方向とは、夾角をなす。つまり、第1の方向Xを行方向に、第2の方向Yを列方向にすると、複数の画素電極161は、アレイを呈して分布し、各列の複数の画素電極161は、一つの画素電極群164となり、複数の画素電極群164は、1行を呈して分布する。
【0028】
ここで、隣接する二つの画素電極群164の間に少なくとも1本の共通電極配線162が設置されており、且つ共通電極配線162の延在方向は、隣接する画素電極群164のエッジの延在方向と一致する。つまり、共通電極配線162は、隣接する2列の画素電極161の間に設置され、且つ共通電極配線162の延在方向は、隣接する列の画素電極161のエッジの延在方向と一致し、それにより1本の共通電極配線162で隣接する列全体の画素電極161のエッジの電界強度変化の均一性を同時に改善して、列全体の画素電極161のエッジの暗縞領域を効果的に減少させることができ、それによってアレイ基板100全体の透過率を向上させる。
【0029】
いくつかの実施例では、任意の一つの画素電極群164の、第1の方向Xにおける対向する両側に、共通電極配線162が設置されている。即ち複数の画素電極群164を一つの全体にして、第1の方向Xに、その全体の対向する両側にも共通電極配線162が設置されており、それによってアレイ基板100の表示領域S1の、第1の方向Xにおけるエッジ領域の暗縞の状況を改善し、さらにアレイ基板100の透過率を改善し、表示品質を向上させる。
【0030】
なお、共通電極配線162と画素電極161とを対向して設置する位置は、実際の状況に応じて調整することができ、ここでは特に限定しない。共通電極配線162は、顕著な暗縞のない領域に設置されず、暗縞領域が顕著である位置にのみ設置されることが可能であり、それによって共通電極配線162の数を減少させ、製造工程の難易度を低下させることができるとともに、コストを節約することができる。
【0031】
好ましくは、共通電極配線162と、隣接する二つの画素電極群164のエッジとの間の間隔は等しく、即ち共通電極配線162は、隣接する二つの画素電極群164の間の隙間の中央領域に位置し、それにより信号が入力される時、共通電極配線162と、隣接する二つの画素電極群164との間の電界反応は一致し、それによって画素電極群164のエッジの電界強度変化の均一性を改善して、アレイ基板100の透過率の均一性をさらに向上させ、さらに表示品質を改善する。
【0032】
図6に示すように、いくつかの実施例では、画素電極161は、第1の方向Xに沿って間隔をおいて設置される複数の分岐電極1611を含み、分岐電極1611の延在方向は、共通電極配線162の延在方向と一致し、即ち各画素電極161の複数の分岐電極1611の分布方向は、複数の画素電極群164の分布方向と一致し、且つ分岐電極1611の延在方向は、画素電極群164のエッジの延在方向と一致する。複数の分岐電極1611は、互いに電気的に接続され、それによって一つの画素電極161を構成する。
【0033】
ここで、画素電極群164のエッジと、隣接する共通電極配線162との間は、第1の間隔を有し、画素電極161の隣接する二つの分岐電極1611の間は、第2の間隔を有し、第1の間隔と第2の間隔とは、等しい。即ち第1の方向Xに、すべての隙間の間隔が等しい。一方では、共通電極配線162と画素電極161とが同一の膜層に位置し、且つ同一のフォトマスクを採用して形成されるため、すべての隙間の間隔を等しく設定することで、第2の電極層160のフォトマスクの設計を簡略化し、生産効率を向上させることに有利であり、他方では、分岐電極1611と共通電極配線162をいずれも1本の信号線とみなして、第1の間隔を第2の間隔と等しく設定すれば、任意の2本の信号線間の間隔が等しくなり、信号が入力される時、任意の2本の信号線間の電界反応が一致し、それによって電界強度の分布が一致するようになり、暗縞領域を効果的に減少させると同時に暗縞領域の分布均一性を改善することができ、さらに透過率の均一性を改善し、表示品質を向上させる。
【0034】
他のいくつかの実施例では、
図2に示すように、隣接する二つの画素電極群164の間に、第1の方向Xに沿って2本の共通電極配線162が間隔をおいて設置されており、信号が入力される時、隣接する二つの画素電極群164のそれぞれは、各々隣接する共通電極配線162との間で電界反応が発生し、それによって隣接する二つの画素電極群164の間の徐々に弱まっている電界を増強させると同時に相互干渉の発生を回避し、さらに画素電極群164周辺の暗縞領域を小さくし、暗縞領域による透過率の損失を効果的に緩和し、表示品質を向上させる。
【0035】
またいくつかの実施例では、隣接する二つの画素電極群164の間の2本の共通電極配線162の間は、第3の間隔を有し、第3の間隔は、第1の間隔と等しい。即ち第1の間隔と第2の間隔と第3の間隔とが等しく、つまり第1の方向Xに、すべての隙間の間隔が等しい。
【0036】
一方では、共通電極配線162と画素電極161とが同一の膜層に位置し、且つ同一のフォトマスクを採用して形成されるため、すべての隙間の間隔を等しく設定することで、第2の電極層160のフォトマスクの設計を簡略化し、生産効率を向上させることに有利であり、他方では、分岐電極1611と共通電極配線162をいずれも1本の信号線とみなして、第1の間隔と第2の間隔と第3の間隔とを等しく設定すれば、任意の2本の信号線間の間隔が等しくなり、信号が入力される時、任意の2本の信号線間の電界反応が一致し、それによって電界強度の分布が一致するようになり、暗縞領域を効果的に減少させると同時に暗縞領域の分布均一性を改善することができ、さらに透過率の均一性を改善し、表示品質を向上させる。
【0037】
好ましくは、共通電極配線162を製作する時、共通電極配線162の第1の方向Xにおける幅を4ミクロン以上且つ5ミクロン以下に設定することができる。共通電極配線162の第1の方向Xにおける幅が小さ過ぎると、共通電極配線162の製造工程に求められる精度への要求が高くなり、製作難易度及び製作コストが向上してしまい、共通電極配線162の第1の方向Xにおける幅が大き過ぎると、共通電極配線162と、隣接する画素電極群164との間の間隔が小さ過ぎになり、それによって共通電極配線162と、隣接する画素電極群164との間に接触が発生するリスクが高まり、共通電極配線162と、隣接する画素電極群164との間の電界反応に不利である。
【0038】
実際の製作中に、共通電極配線162の第1の方向Xにおける幅を4ミクロン、4.2ミクロン、4.5ミクロン、4.8ミクロン又は5ミクロンなどに設定することができ、その幅の具体的な値は、設計要件に応じて調整することができ、共通電極配線162の設置により隣接する画素電極群164のエッジの暗縞の状況を効果的に改善でき、アレイ基板100の透過率を向上させることさえ確保できればよく、ここでは特に限定しない。
【0039】
なお、共通電極配線162の製作中に、隣接する二つの画素電極群164の間の間隔、一つの画素電極161における隣接する二つの分岐電極1611の間の間隔及び共通電極配線162の製作精度に基づいて、隣接する二つの画素電極群164の間の共通電極配線162の数及び幅に対して設計調整を行うことができ、それによって共通電極配線162の設置により隣接する画素電極群164のエッジの暗縞の状況を効果的に改善でき、アレイ基板100の透過率を向上させることを確保する。
【0040】
好ましくは、
図1と
図5に示すように、アレイ基板100は、表示領域S1内に設置される第1の信号線121を含み、絶縁層150上の第1の信号線121に対応する位置に第1の開孔151が開設され、共通電極配線162は、第1の開孔151を介して第1の信号線121に電気的に接続される。それとともに、アレイ基板100は、表示領域S1内に設置されるソースとドレインをさらに含み、画素電極161は、ドレインに電気的に接続される。即ちアレイ基板100の使用中に、表示領域S1内の第1の信号線121によって共通電極配線162に信号を入力し、ソースとドレインとの間の信号の導通を制御することによって画素電極161に信号を入力して、共通電極配線162と、隣接する画素電極161との間に電界反応を発生させ、それによって隣接する画素電極161のエッジの暗縞の状況を効果的に改善し、アレイ基板100の透過率を向上させる。
【0041】
図3に示すように、アレイ基板100は、非表示領域S2に設置される第2の信号線122を含み、第2の信号線122は、第1の信号線121と同層に設置され、第1の電極層140は、非表示領域S2に位置する第2の共通電極142を含み、第2の共通電極142は、第1の共通電極141に電気的に接続され、第2の電極層160は、非表示領域S2に位置する接続電極163を含む。即ちアレイ基板100を製作する時、一つのフォトマスク製造工程によって第1の信号線121と第2の信号線122を同時に形成し、一つのフォトマスクによって電気的に接続される第1の共通電極141と第2の共通電極142を同時に形成し、一つのフォトマスクによって画素電極161と、共通電極配線162と、接続電極163とを同時に形成する。
【0042】
ここで、絶縁層150上の第2の信号線122に対応する位置に第2の開孔152が開設され、接続電極163は、第2の開孔152を介して第2の信号線122に電気的に接続され、絶縁層150上の第2の共通電極142に対応する位置に第3の開孔153が開設され、接続電極163は、第3の開孔153を介して第2の共通電極142に電気的に接続される。つまり、第1の共通電極141は、第2の共通電極142と接続電極163を介して第2の信号線122に電気的に接続され、それによってアレイ基板100を使用する時、入力信号は、非表示領域S2の第2の信号線122を介して接続電極163に伝送され、接続電極163から第2の共通電極142に伝送され、そして第2の共通電極142によって表示領域S1の第1の共通電極に伝送されて、表示領域S1の表示方式に対する制御を実現する。
【0043】
理解できるように、ベース基板110は、順に設置されるベース層と、信号層(第1の信号線121と第2の信号線122を含む)と、ゲート絶縁層133と、データ線123と、不動態化層131と、平坦化層132とを含む。それに応じて、第1の開孔151と第2の開孔152は、順に絶縁層、平坦化層132、不動態化層131とゲート絶縁層133を貫通し、第3の開孔153は、絶縁層を貫通する。
【0044】
なお、アレイ基板100を使用する時、表示領域S1に位置する第1の共通電極141と共通電極配線162上の入力信号は、いずれも非表示領域S2の信号線(図示せず)によって伝送されてくる。ここで、共通電極配線162上の入力信号は、非表示領域S2の信号線によって直接に第1の信号線121に伝送され、そして第1の信号線121によって共通電極配線162に伝送され、第1の共通電極141上の入力信号は、非表示領域S2の信号線によってまず第2の信号線122に伝送され、第2の信号線122によって接続電極163に伝送され、さらに接続電極163によって第2の共通電極142に伝送され、そして第2の共通電極142によって第1の共通電極141に伝送される。
【0045】
具体的に、
図7は、本願の実施例によるアレイ基板100における画素電極161のエッジの電界分布の比較概略図であり、ここで、実線aは、隣接する二つの画素電極161の間に共通電極配線162が設置されていない時に対応する画素電極161のエッジの電界分布状況を表し、破線bは、隣接する二つの画素電極161の間に共通電極配線162が設置されている時に対応する画素電極161のエッジの電界分布状況を表す。
【0046】
FFS(Fringe Field Switching、フリンジフィールドスイッチング技術)液晶表示技術として、画素電極161と第1の共通電極141を結合して電界を形成し、配向性液晶分子を電界の作用下でアレイ基板100の平面に平行な方向に偏向させることによって、液晶層300の光透過効率、即ち透過率を向上させる。
【0047】
図7に示すように、隣接する二つの画素電極161の間に共通電極配線162が設置されていない時、隣接する二つの画素電極161の間の電界強度が徐々に弱まって、配向性液晶分子の偏向が制限されるようになり、この時、画素電極161のエッジに多くの暗縞領域が生じてしまい、それによってアレイ基板100透過率の低下を引き起こす。隣接する二つの画素電極161の間に共通電極配線162が設置されている時、信号の入力中に、共通電極配線162と、隣接する画素電極161との間に電界反応が発生することにより、徐々に弱まっている電界強度を増加させ、配向性液晶分子が電界の作用下で偏向することに役立ち、それによって液晶層300の光透過効率の向上に役立つ。
【0048】
ここで、
図7に示すように、アレイ基板100は、表示領域S1内に設置されるデータ線123をさらに含み、共通電極配線162のベース基板110上での正投影は、データ線123のベース基板110上での正投影と少なくとも部分的に重なり、即ちアレイ基板100の厚さ方向に、共通電極配線162とデータ線123とは、積層して設置されているが、共通電極配線162は、隣接する二つの画素電極161の間に位置し、それによって共通電極配線162は、データ線123と画素電極161との間の静電容量結合を遮蔽することができ、さらにアレイ基板100全体の表示効果を改善する。
【0049】
次に、本願の実施例は、表示パネルを提供し、該表示パネルは、アレイ基板を含み、該アレイ基板の具体的な構造は、上記実施例を参照すればよい。本表示パネルは、上記すべての実施例のすべての技術案を採用しているため、少なくとも上記実施例の技術案によりもたらされるすべての有益な効果を有し、ここでは説明を省略する。
【0050】
図8に示すように、表示パネル10は、アレイ基板100と、カラーフィルム基板200と、液晶層300とを含み、カラーフィルム基板200は、アレイ基板100における第2の電極層160の、アレイ基板100におけるベース基板110から離反する側に位置し、且つカラーフィルム基板200は、アレイ基板100と対向して設置される。表示パネル10を組み立てる時、アレイ基板100とカラーフィルム基板200とを係合して収容キャビティを形成し、液晶層300は、カラーフィルム基板200とアレイ基板100との間の収容キャビティ内に充填される。表示パネル10の作動中に、アレイ基板100上の駆動信号を制御することによって、液晶層300における液晶分子を回転させて、射出光線の角度を変えて異なる表示画面を形成する。
【0051】
FFS(Fringe Field Switching、フリンジフィールドスイッチング技術)液晶表示技術として、画素電極161と第1の共通電極141を結合して電界を形成し、配向性液晶分子を電界の作用下でアレイ基板100の平面に平行な方向に偏向させることによって、液晶層300の光透過効率を向上させる。
【0052】
具体的に、アレイ基板100は、順に設置されるベース基板110と、第1の電極層140と、絶縁層150と、第2の電極層160とを含み、ベース基板110は、表示領域S1と非表示領域S2を含み、第1の電極層140は、表示領域S1に位置する第1の共通電極141を含み、第2の電極層160は、表示領域S1に位置する複数の画素電極161及び共通電極配線162を含み、複数の画素電極161は、間隔をおいて設置され、共通電極配線162は、少なくとも二つの隣接する画素電極161の間に設置され、共通電極配線162の延在方向は、隣接する画素電極161のエッジの延在方向と一致する。本願は、少なくとも二つの隣接する画素電極161の間に共通電極配線162を設置し、信号が入力される時、共通電極配線162が隣接する画素電極161と反応することで、対応する画素電極161のエッジの電界強度を増加させ、それによって画素電極161のエッジの暗縞の状況を改善し、アレイ基板100の透過率を向上させ、さらに表示パネル10の表示品質を改善する。
【0053】
なお、本願の実施例における表示パネル10の応用範囲は非常に広く、テレビ、コンピュータ、携帯電話、折り畳み可能な及び巻き取り可能なディスプレイなどの様々な表示及び照明を含む表示装置、及びウェアラブルデバイス、例えばスマートブレスレットとスマートウォッチなどは、いずれも本願の実施例における表示パネル10の属する応用分野の範囲内に含まれる。
【0054】
最後に、本願の実施例は、表示装置をさらに提供し、該表示装置は、表示パネルを含み、該表示パネルの具体的な構造は、上記実施例を参照すればよい。本表示装置は、上記すべての実施例のすべての技術案を採用しているため、少なくとも上記実施例の技術案によりもたらされるすべての有益な効果を有し、ここでは説明を省略する。
【0055】
表示装置は、表示パネル10と、制御回路と、ケースとを含む。ここで、ケースは、表示パネル10に接続され、それによって表示パネル10を支持して固定し、制御回路は、ケース内に設置され、且つ制御回路は、表示パネル10に電気的に接続されて、表示パネル10の画面表示を制御する。
【0056】
ここで、表示パネル10は、ケース上に固定されて、ケースと一つの全体を形成することができ、表示パネル10とケースとは、密閉空間を形成して、制御回路を収容するために用いられる。制御回路は、表示装置のマザーボードであってもよく、それとともに、制御回路上に電池、アンテナ構造、マイクロホン、スピーカ、イヤホンインターフェース、汎用シリアルバスインターフェース、カメラ、距離センサ、環境光センサ及びプロセッサなどの機能アセンブリのうちの一つ又は複数が集積されてもよく、それによって表示装置は、様々応用分野に適応できる。
【0057】
なお、表示装置は、以上の内容に限定されるものではなく、他のデバイスをさらに含んでもよく、例えばカメラ、アンテナ構造、指紋解錠モジュールなどをさらに含み、それによってその使用範囲を拡大してもよく、ここでは特に限定しない。
【0058】
以上、本願の実施例によるアレイ基板及び表示パネルを詳細に紹介しており、本明細書において、具体的な例を利用して本願の原理及び実施形態について記述したが、以上の実施例の説明は、本願の方法及びそのコアとなる思想を理解するためのものに過ぎず、当業者であれば、本願の思想に基づき、具体的な実施形態及び応用範囲を変更することが可能であり、要するに、本明細書の内容は、本願を限定するものと解釈されるべきではない。