(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144072
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】基準電圧回路
(51)【国際特許分類】
G05F 3/18 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
G05F3/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023209078
(22)【出願日】2023-12-12
(31)【優先権主張番号】P 2023055145
(32)【優先日】2023-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】715010864
【氏名又は名称】エイブリック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】長尾 佳介
(72)【発明者】
【氏名】澤井 英幸
(72)【発明者】
【氏名】間宮 英生
【テーマコード(参考)】
5H420
【Fターム(参考)】
5H420NA12
5H420NA13
5H420NA14
5H420NA17
5H420NB02
5H420NB25
5H420NC02
5H420NE23
(57)【要約】
【課題】基準電圧の温度依存性を小さくすることが可能な基準電圧回路を提供する。
【解決手段】基準電圧回路100は、カソードが第1ノードを介して正の温度係数を有する定電流源103に接続され、アノードが接地点に接続されたツェナーダイオードZDと、一端が第1ノードに接続された負の温度係数を有する第1抵抗31と、一端が第1抵抗31の他端に接続された負の温度係数を有する第2抵抗32と、アノードが第2ノードを介して第2抵抗32の他端に接続され、カソードが接地点に接続された第1ダイオードD1と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソードが第1ノードを介して正の温度係数を有する定電流源に接続され、アノードが接地点に接続されたツェナーダイオードと、
一端が前記第1ノードに接続された負の温度係数を有する第1抵抗と、
一端が前記第1抵抗の他端に接続された負の温度係数を有する第2抵抗と、
アノードが第2ノードを介して前記第2抵抗の他端に接続され、カソードが接地点に接続された第1ダイオードと、
を備えることを特徴とする基準電圧回路。
【請求項2】
前記定電流源は、
定電圧を出力する定電圧源と、
非反転入力端子が前記定電圧源に接続された誤差増幅回路と、
ドレインが電源端子に接続され、ゲートが前記誤差増幅回路の出力端子に接続され、ソースが前記誤差増幅回路の反転入力端子に接続されたnチャネル型のトランジスタと、
前記トランジスタのソースに接続された第3抵抗と、を備え、
前記定電圧源が正の温度係数を有するか、前記第3抵抗が負の温度係数を有するか、のいずれか、又は両方を特徴とする請求項1に記載の基準電圧回路。
【請求項3】
前記第2ノードに接続され、前記第1ダイオードのアノード電圧に対応した制御電流を生成し、前記定電流源に対して当該制御電流に対応する基準電流を前記第1ダイオードに供給させる電流制御回路と、
を備える請求項1に記載の基準電圧回路。
【請求項4】
カソードが第1ノードを介して正の温度係数を有する定電流源に接続され、アノードが接地点に接続されたツェナーダイオードと、
一端が前記第1ノードに接続された第1抵抗と、
一端が前記第1抵抗の他端に接続された第2抵抗と、
アノードが第2ノードを介して前記第2抵抗の他端に接続され、カソードが接地点に接続された第1ダイオードと、
前記第2ノードに接続され、前記第1ダイオードのアノード電圧に対応した制御電流を生成し、前記定電流源に対して当該制御電流に対応する基準電流を前記第1ダイオードに供給させる電流制御回路と、
前記第1ノードと第2ノードとの間に接続された負の温度係数を有する第3抵抗と、
を備える基準電圧回路。
【請求項5】
カソードが第1ノードを介して正の温度係数を有する定電流源に接続され、アノードが接地点に接続されたツェナーダイオードと、
一端が前記第1ノードに接続された第1抵抗と、
一端が前記第1抵抗の他端に接続された第2抵抗と、
アノードが第2ノードを介して前記第2抵抗の他端に接続され、カソードが接地点に接続された第1ダイオードと、
前記第2ノードに接続され、前記第1ダイオードのアノード電圧に対応した制御電流を生成し、前記定電流源に対して当該制御電流に対応する基準電流を前記第1ダイオードに供給させる電流制御回路と、
前記第1ダイオードと並列に接続された負の温度係数を有する第2定電流源と、
を備える基準電圧回路。
【請求項6】
前記定電流源が、前記制御電流を入力電流とし、前記基準電流を出力電流とするカレントミラー回路を備え、
前記電流制御回路が、前記アノード電圧を前記制御電流に変換するV/I変換素子を備える
請求項3から5のいずれか1項に記載の基準電圧回路。
【請求項7】
前記電流制御回路が、
非反転入力端子が前記第2ノードに接続され、反転入力端子が前記V/I変換素子の一端に接続された誤差増幅回路と、
ドレインが前記カレントミラー回路の入力端子に接続され、ゲートが前記誤差増幅回路の出力端子に接続され、ソースが前記V/I変換素子の一端に接続された、nチャネル型の第1トランジスタと、
を備える請求項6に記載の基準電圧回路。
【請求項8】
前記V/I変換素子が、
前記第1ダイオードと同様の特性を有する第2ダイオードを備える
請求項6に記載の基準電圧回路。
【請求項9】
前記V/I変換素子が、
第2ダイオードと、第4抵抗と、第5抵抗及び第3ダイオードが直列に接続された直列回路と、のいずれか、又は組合せが並列に接続されている
請求項6に記載の基準電圧回路。
【請求項10】
前記定電流源が、ソースが電源に接続され、ドレインが前記第1ノードに接続されたpチャネル型の第2トランジスタであり、
前記電流制御回路が、
前記制御電流に対応した前記基準電流を前記第2トランジスタが流すように制御する
請求項3から5のいずれか1項に記載の基準電圧回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基準電圧回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、基準電圧回路は、所定の電圧と閾値電圧とを比較する比較器に対して、この閾値電圧となる基準電圧を生成する回路として、電子回路に幅広く用いられる。この基準電圧回路には、簡易な構成で基準電圧が生成できるため、ツェナーダイオード、ダイオード及び抵抗を備えた構成が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図9に示す基準電圧回路900は、定電流源903の出力端子と接地点との間に、ツェナーダイオード904と、抵抗907、906及びダイオード905の直列接続とが並列に接続されている。また、ツェナーダイオード904が逆方向に、ダイオード905が順方向に接続されている。これにより、基準電圧回路900は、抵抗907及び906の接続点から、基準電圧となる出力電圧Voutを出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基準電圧回路900において、出力電圧Voutは(A1)式により表される。
【0006】
Vout=(R906*VZ+R907*VD)/(R906+R907)…(A1)
上記(A1)式において、VZはツェナーダイオード904のカソードの電圧、VDはダイオード905のアノードの電圧、R906及びR907は抵抗906、907それぞれの抵抗値である。
【0007】
ここで、
図3に示すように、電圧VZは、正の1次温度係数+「下に凸の湾曲」の2次温度係数を有し、電圧VDは、負の1次温度係数+「上に凸の湾曲」の2次温度係数を有する。基準電圧回路900の出力電圧Voutが1次温度係数を有さない(1次温度係数が「0」となる)ようにするため、以下の(A2)式を満足するように抵抗906及び907の抵抗値R906、R907を設定する。
【0008】
R906*(dVZ/dT)+R907*(dVD/dT)=0 …(A2)
上記(A2)式において、(dVZ/dT)は単位あたりの温度変化による電圧VZの変化量を示し、正の1次温度係数を有している。また、(dVD/dT)は単位あたりの温度変化による電圧VDの変化量を示し、負の1次温度係数を有している。
【0009】
実際の1次温度係数の補正の際には、ICの動作保証温度の最低温度と最高温度の2点において電圧VZと電圧VDのそれぞれについて電圧測定を行い、最低温度と最高温度の2点間を結ぶ直線の傾きを電圧VZと電圧VDのそれぞれの1次温度係数として上記(A2)式から抵抗906及び907の抵抗値R906、R907を求めることが多い。
【0010】
しかしながら、この方法では1次温度係数しか補正できないため、2次温度係数で表される湾曲成分はそのまま残って足し合わされる。そのため、抵抗906及び907の抵抗値R906、R907の設定のみで2次温度係数を含めた温度に対する依存性を「0」にすることは現実には難しい。
【0011】
ただし、何らかの方法で、ツェナーダイオード904が有する「下に凸の湾曲」の2次温度係数とダイオード905が有する「上に凸の湾曲」の2次温度係数を平衡させることができれば、基準電圧回路900の基準電圧となる出力電圧Voutの2次温度係数が「0」に近づくように補正することも可能となる。
【0012】
2次温度係数を操作できるパラメータを調査した結果、ツェナーダイオード904に流す電流I904が大きいほどツェナーダイオード904の「下に凸の湾曲」の2次温度係数は大きくなることがわかった。すなわち、ダイオード905の「上に凸の湾曲」の2次温度係数とツェナーダイオード904の「下に凸の湾曲」の2次温度係数が平衡するようにツェナーダイオード904に流す電流I904を設定すればよい。
【0013】
しかしながら、ダイオード905とツェナーダイオード904の2次温度係数を平衡させる電流I904を調査した結果、電流I904はダイオード905に流れる電流I905に対して極端に大きくしなければならないこと(例えば、I905=数uAに対して、I904=数百uA等)がわかった。この方法では、基準電圧回路900の消費電流が極端に大きくなってしまうため、省電力化を訴求するICに対して前述の2次温度係数の補正を適用することが難しい、という点で改善の余地がある。
【0014】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、省電力化しながら、基準電圧となる出力電圧の温度依存性を小さくすることが可能な基準電圧回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の基準電圧回路は、カソードが第1ノードを介して正の温度係数を有する定電流源に接続され、アノードが接地点に接続されたツェナーダイオードと、一端が前記第1ノードに接続された負の温度係数を有する第1抵抗と、一端が前記第1抵抗の他端に接続された負の温度係数を有する第2抵抗と、アノードが第2ノードを介して前記第2抵抗の他端に接続され、カソードが接地点に接続された第1ダイオードと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、省電力化しながら、基準電圧となる出力電圧の温度依存性を小さくすることが可能な基準電圧回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1の実施形態による基準電圧回路の構成例を示す回路図である。
【
図5】第2の実施形態による基準電圧回路の構成例を示す回路図である。
【
図7】第2の実施形態による基準電圧回路の変形例1を示す回路図である。
【
図8】第2の実施形態による基準電圧回路の変形例2を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて、本実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態による基準電圧回路の構成例を示す回路図である。
【0019】
基準電圧回路100は、電源電圧VDDが供給される電源端子と、正の1次温度係数(dIcrt/dT>0)を有する定電流を供給する定電流源103と、ツェナーダイオードZDと、ダイオードD1と、抵抗値が負の1次温度係数(dR31/dT<0)を有する第1抵抗である抵抗31と、抵抗値が負の1次温度係数(dR32/dT<0)を有する第2抵抗である抵抗32と、出力端子Tvoutと、を備えている。
【0020】
定電流源103は、入力端子が電源端子に接続されている。ツェナーダイオードZDは、カソードが定電流源103の出力端子に接続され、アノードが接地点に接続されている。抵抗31は、一端が定電流源103の出力端子に接続され、他端が抵抗32の一端に接続されている。ダイオードD1は、アノードが抵抗32の他端に接続され、カソードが接地点に接続されている。抵抗31と抵抗32との接続点は、基準電圧回路100の出力端子Tvoutに接続されている。
【0021】
【0022】
定電流源103は、電源電圧VDDが供給される電源端子と、定電圧源103aと、誤差増幅回路103bと、nチャネル型のトランジスタ103cと、抵抗103dと、出力端子Tioutと、を備えている。
【0023】
定電圧源103aは、入力端子が接地点に接続され、出力端子が誤差増幅回路103bの非反転入力端子に接続されている。トランジスタ103cは、ドレインが電源端子に接続され、ゲートが誤差増幅回路103bの出力端子に接続され、ソースが誤差増幅回路103bの反転入力端子に接続されている。抵抗103dは、トランジスタ103cのソースと出力端子Tioutとの間に接続されている。
【0024】
定電圧源103aは、定電圧を出力し、誤差増幅回路103bの非反転入力端子に入力する。誤差増幅回路103b及びトランジスタ103cは、ボルテージフォロワを構成しているため、誤差増幅回路103bの負帰還制御により、トランジスタ103cのソースの電圧は定電圧源103aの定電圧と等しくなる。トランジスタ103cのソースの電圧と抵抗103dで定電流Icrtを生成し、出力端子Tioutから出力する。
【0025】
ここで、定電圧源103aが正の温度係数を有するか、もしくは、抵抗103dが負の温度係数を有するか、もしくは、その両方とすることにより、定電流源103が生成する定電流Icrtは、正の温度係数(dIcrt/dT>0)を有するようになり、基準電圧回路が備える正の温度係数を有する定電流源として機能する。
【0026】
基準電圧回路100は、定電流源103の入力端子に電源電圧VDDが印加されることにより、出力端子Tvoutから出力電圧Voutを出力する。このとき、ツェナーダイオードZDに電流IZDが流れることで、ツェナーダイオードZDのカソードに逆方向電圧として電圧VZが発生する。また、ダイオードD1に電流ID1が流れることで、ダイオードD1のアノードに順方向電圧として電圧VDが発生する。
【0027】
出力電圧Voutは、電圧VZと、電圧VDと、抵抗31及び32の分圧比とに対応して決定される。以下の(1)式において、抵抗31及び32の抵抗値をそれぞれR31、R32としている。
【0028】
Vout=(R32*VZ+R31*VD)/(R31+R32) …(1)
そして、ツェナーダイオードZDの電圧VZが正の1次温度係数を有し、ダイオードD1の電圧VDの負の1次温度係数と平衡し、基準電圧回路100の出力電圧Voutが1次温度係数を有さない(1次温度係数が「0」となる)ようにする。このため、ツェナーダイオードZDにバイアス電流として電流IZDを流した際、以下の(2)式を満足するように抵抗31及び32の抵抗値R31、R32を設定する。
【0029】
R32*(dVZ/dT)+R31*(dVD/dT)=0 …(2)
上記(2)式において、(dVZ/dT)は単位あたりの温度変化による電圧VZの変化量を示し、正の1次温度係数を有している。また、(dVD/dT)は単位あたりの温度変化による電圧VDの変化量を示し、負の1次温度係数を有している。
【0030】
ここで、抵抗値R31及びR32は、負の1次温度係数(dR31/dT<0、及びdR32/dT<0)を有するため、抵抗31及び32を介してダイオードD1に流れる電流ID1は、正の1次温度係数を有する。
【0031】
また、ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDは、以下の(3)式により決定される。
【0032】
IZD=Icrt-ID1 …(3)
上述したように、定電流源103が生成する定電流Icrtは正の1次温度係数を有するが、ダイオードD1に流れる電流ID1の正の1次温度係数よりも定電流源103が生成する定電流Icrtの正の1次温度係数を大きくすることで、ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDも正の1次温度係数を有するように設定する。すなわち、ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDと、ダイオードD1に流れる電流ID1との両方の電流が正の1次温度係数を有するように設定する。
【0033】
図4は、1次温度係数成分を除いた温度特性のグラフの一例である。1次温度係数成分を除いたことにより、低温時の電圧と高温時の電圧とが同レベルとなることで、中間部分の湾曲のみが強調されているように見えるグラフとなっている。(a)(b)(c)の3つのグラフで構成され、実線は温度補正なし、破線は温度補正ありを示す。
【0034】
ダイオードD1の電圧VDは、
図4(a)のグラフに示すように、「上に凸の湾曲」の2次温度係数を有している。ツェナーダイオードZDの電圧VZは、
図4(b)のグラフに示すように、「下に凸の湾曲」の2次温度係数を有している。温度補正なしの場合、ツェナーダイオードZDの電圧VZの有する「下に凸の湾曲」の2次温度係数よりも、ダイオードD1の電圧VDの有する「上に凸の湾曲」の2次温度係数の方が大きいため、出力電圧Voutは、
図4(c)のグラフの実線に示すように、「上に凸の湾曲」の2次温度係数を有している。
【0035】
ツェナーダイオードZDに流す電流IZDが正の1次温度係数を有することにより、ツェナーダイオードZDの電圧VZの「下に凸の湾曲」は、
図4(b)の破線に示すように湾曲が強化される。そして、ダイオードD1の電流ID1が正の1次温度係数を有することにより、ダイオードD1の電圧VDの「上に凸の湾曲」は
図4(a)のグラフの破線に示すように緩和される。これらのことにより、基準電圧となる出力電圧Voutは、
図4(c)のグラフの破線に示すように、「上に凸の湾曲」の温度変化が緩和され、全体の温度変化は小さくなる。
【0036】
上述したように、本実施形態の基準電圧回路は、温度変化に対応してツェナーダイオードZDの電流IZD及びダイオードD1の電流ID1を調整している。これにより、電圧VD及び電圧VZの温度依存性に基づく変動に対応して、この変動を補償する電流ID1をダイオードD1に流し、かつ電流IZDをツェナーダイオードZDに流すことで、基準電圧となる出力電圧Voutを任意に制御することが可能である。
【0037】
従って、本実施形態の基準電圧回路は、基準電圧となる出力電圧の1次温度係数を「0」にするのに加え、例えば、2次温度係数である「上に凸の湾曲」を緩和することができるので、基準電圧となる出力電圧の温度依存性を小さくすることが可能である。加えて、温度変化に対応して電流IZDを必要最小限の電流量に調整して供給することができるので、ツェナーダイオードZDのカソードに印加される電圧VZの2次温度係数を電圧VDの2次温度係数と平衡するように調整しながら、省電力化することも可能である。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態による基準電圧回路の構成例を示す回路図である。
【0038】
基準電圧回路1は、基準電圧回路100に対して、定電流源103の代わりに、カレントミラー回路10及び電流制御回路20を備える点で相違するが、その他の点では実質的に相違しない。そこで、本実施形態では、カレントミラー回路10及び電流制御回路20を中心に説明するとともに、本実施形態以降、基準電圧回路1の説明においては、基準電圧回路100と実質的に相違しない構成要素に同じ符号を付して説明を省略する。
【0039】
カレントミラー回路10は、基準電圧回路1における定電流源であり、正の1次温度係数(dIcrt/dT>0)を有する定電流Icrtを供給する。カレントミラー回路10は、pチャネル型のトランジスタ11及び12を備えており、トランジスタ11のドレインが出力端子Toに接続され、トランジスタ12のドレインが入力端子Tiに接続されている。電流制御回路20は、誤差増幅回路OP1、トランジスタ21及びV/I変換素子22を備えている。
【0040】
ツェナーダイオードZDは、カソードがカレントミラー回路10の出力端子Toに接続され、アノードが接地点に接続されている。抵抗31は、一端がカレントミラー回路10の出力端子Toに接続され、他端が抵抗32の一端及び出力端子Tvoutに接続されている。抵抗32は、他端がダイオードD1のアノードに接続されている。ダイオードD1は、カソードが接地点に接続されている。nチャネル型のトランジスタ21は、ドレインがカレントミラー回路10の入力端子Tiに接続され、ゲートが誤差増幅回路OP1の出力端子に接続され、ソースがV/I変換素子22の一端に接続されている。誤差増幅回路OP1は、非反転入力端子がダイオードD1のアノードに接続され、反転入力端子がV/I変換素子22の一端に接続されている。V/I変換素子22は、他端が接地点に接続されており、ダイオードD1の電圧VDを制御電流Iconに変換する。
【0041】
図6は、V/I変換素子の一例を示す回路図である。V/I変換素子22は、ダイオード22A、抵抗22B、抵抗22C及びダイオード22Dを備えている。V/I変換素子22の一端と他端との間に、ダイオード22Aと、抵抗22Bと、抵抗22C及びダイオード22Dの直列回路と、が並列に接続されている。ここで、ダイオード22A及び22Dは、V/I変換素子22の一端から他端において順方向に接続されている。
【0042】
基準電圧回路1は、トランジスタ11及び12のソースに電源電圧VDDが印加されることにより、出力端子Tvoutから出力電圧Voutを出力する。このとき、ツェナーダイオードZDに電流IZDが流れることで、ツェナーダイオードZDのカソードに逆方向電圧としての電圧VZが発生する。また、ダイオードD1に電流ID1が流れることで、ダイオードD1のアノードに順方向電圧としての電圧VDが発生する。
【0043】
出力電圧Voutが、電圧VZと、電圧VDと、抵抗31及び32の分圧比とに対応して決定される。以下の(1)式において、抵抗31及び32の抵抗値をそれぞれR31、R32としている。
【0044】
Vout=(R32*VZ+R31*VD)/(R31+R32) …(1)
そして、ツェナーダイオードZDの電圧VZが正の1次温度係数を有し、ダイオードD1の電圧VDの負の1次温度係数と平衡し、基準電圧回路1の出力電圧Voutが1次温度係数を有さない(1次温度係数が「0」となる)ようにする。このため、ツェナーダイオードZDにバイアス電流として電流IZDを流した際、以下の(2)式を満足するように抵抗31及び32の抵抗値R31、R32を設定する。
【0045】
R32*(dVZ/dT)+R31*(dVD/dT)=0 …(2)
上記(2)式において、(dVZ/dT)は単位あたりの温度変化による電圧VZの変化量を示し、正の1次温度係数を有している。また、(dVD/dT)は単位あたりの温度変化による電圧VDの変化量を示し、負の1次温度係数を有している。
【0046】
ここで、抵抗値R31及びR32は、負の1次温度係数(dR31/dT<0、及びdR32/dT<0)を有するため、抵抗31及び32を介してダイオードD1に流れる電流ID1は、正の1次温度係数を有する。
【0047】
また、ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDは、以下の(3)式により決定される。
【0048】
IZD=Icrt-ID1 …(3)
上述したように、カレントミラー回路10が生成する定電流Icrtは正の1次温度係数を有するが、ダイオードD1に流れる電流ID1の正の1次温度係数よりもカレントミラー回路10が生成する定電流Icrtの正の1次温度係数を大きくすることで、ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDも正の1次温度係数を有するように設定する。すなわち、ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDと、ダイオードD1に流れる電流ID1との両方の電流が正の1次温度係数を有するように設定する。
【0049】
電流制御回路20は、ダイオードD1の電圧VDを、この電圧VDに対応した制御電流Iconに変換するV/I変換回路として機能する。すなわち、誤差増幅回路OP1がトランジスタ21に負帰還処理を行わせることにより、V/I変換素子22の電圧降下は、電圧VDと等しくなる。そのため、V/I変換素子22には、電圧VDに対応する制御電流Iconが、カレントミラー回路10の入力端子Tiから流れる。
【0050】
この制御電流Iconは、ダイオード22Aと、抵抗22Bと、抵抗22C及びダイオード22Dの直列回路とに流れる電流の合成電流となる。ここで、ダイオード22Aには、ダイオードD1との面積比(P/N接合の面積比)に対応し、電流ID1に比例する電流I22Aが流れる。ダイオード22Aの電圧降下は負の温度係数を有している。また、抵抗22Bには、ダイオードD1の電圧VDに比例する電流I22B(=VD/R22B)が流れる。R22Bは、抵抗22Bの抵抗値である。電流I22Bは負の温度係数を有している。抵抗22C及びダイオード22Dには、ダイオードD1のアノード電圧とダイオード22Dのアノード電圧の差電圧ΔVDに比例する電流I22C(=ΔVD/R22C)が流れる。R22Cは、抵抗22Cの抵抗値である。差電圧ΔVDは正の温度係数を有している。
【0051】
カレントミラー回路10は、電流制御回路20から入力端子Tiに制御電流Iconが入力された場合、設定されたミラー比に対応して出力端子Toから基準電流Icrtを、ツェナーダイオードZD及びダイオードD1に出力する。例えば、入力電流に対する出力電流のミラー比がKの場合、基準電流Icrtは以下の(4)式により表される。
【0052】
Icrt=K*(I22A+I22B+I22C) …(4)
例えば、ダイオードD1とダイオード22Aとの面積比が1:1であり、ダイオードD1とダイオード22Dとの面積比が1:N(>1、例えば2以上)であり、K=1である場合、基準電流Icrtは以下の(5)式により表される。
【0053】
Icrt=I22A(=ID1)+VD/R22B+ΔVD/R22C …(5)
(5)式において、第一項の電流I22Aは、ダイオードD1と同様の特性を有するダイオード22Aに流れる電流であり、ダイオードD1に流れる電流ID1と同一である。この電流ID1は、カレントミラー回路10の出力端子ToからダイオードD1に対し、電圧VDに対応したフィードバックとして出力される。このため、第二項VD/R22B及び第三項ΔVD/R22Cは、カレントミラー回路10の出力端子ToからツェナーダイオードZDに出力される。ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDは、式(5)から第一項を除いた(6)式で表される。
【0054】
IZD=VD/R22B+ΔVD/R22C …(6)
上記(6)式から判るように、第一項及び第二項は、それぞれ抵抗22Bと、抵抗R22C及びダイオード22Dの直列回路とのそれぞれに流れる電流であり、ダイオードD1に流れる電流ID1に影響を受けない。また、抵抗22B及びR22Cの温度係数が「0」である場合、電圧VDが負の温度係数であるため、電流VD/R22Bの温度係数が負となり、差電圧ΔVDが正の温度係数であるため、電流ΔVD/R22Cの温度係数が正となる。したがって、抵抗22Bの抵抗値R22Bと、抵抗22Cの抵抗値R22Cとを調整することにより、ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDの温度係数を正へと任意に調整することができる。その他、温度特性については、基準電圧回路100と実質的に相違しないため、説明を省略する。
【0055】
上述したように、本実施形態の基準電圧回路は、電圧VDに対応した電流と、ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDに対応する電流とを合成した制御電流Iconを生成し、この制御電流Iconに対応させて、カレントミラー回路10から基準電流Icrtを流し、温度変化に対応してツェナーダイオードZDの電流IZD及びダイオードD1の電流ID1を調整している。これにより、電圧VD及び電圧VZの温度依存性に基づく変動に対応して、この変動を補償する電流ID1をダイオードD1に流し、かつ電流IZDをツェナーダイオードZDに流すことで、基準電圧となる出力電圧Voutを任意に制御することが可能である。
【0056】
従って、本実施形態の基準電圧回路は、基準電圧となる出力電圧の1次温度係数を「0」にするのに加え、例えば、2次温度係数である「上に凸の湾曲」を緩和することができるので、基準電圧となる出力電圧の温度依存性を小さくすることが可能である。加えて、温度変化に対応して電流IZDを必要最小限の電流量に調整して供給することができるので、ツェナーダイオードZDのカソードに印加される電圧VZの2次温度係数を電圧VDの2次温度係数と平衡するように調整しながら、省電力化することも可能である。
【0057】
なお、本実施形態の基準電圧回路は、図示しないスタートアップ回路により、起動時に所定のパルス電流を抵抗31に印加するように構成してもよい。また、V/I変換素子22は、ダイオード22A、抵抗22B、抵抗22C及びダイオード22Dを備えている構成で説明したが、ダイオード22Aと、抵抗22Bと、22C及びダイオード22Dの直列回路とのいずれか、あるいはそれらの組合せを備える構成としてもよい。この構成の場合、電圧VZが線形性を保持するように、カレントミラー回路10のミラー比や、ダイオード22A、22Dの面積比、抵抗22B、22Cの抵抗値などを調整して、電流ID1とIZDとが温度変化に対応して適時調整された電流Icrtとなるように、電圧VDから制御電流Iconを生成させる。
(第2の実施形態の変形例1)
図7は、第2の実施形態による基準電圧回路の変形例1を示す回路図である。
【0058】
基準電圧回路1Aは、基準電圧回路1に対して、抵抗33をさらに備えている。抵抗33は、直列に接続された抵抗31、32の両端と、並列に接続されている。
【0059】
基準電圧回路1Aは、抵抗31、32が負の温度係数を有さない場合でも、抵抗33が負の温度係数を有することで、ダイオードD1に印加される電流に正の温度係数を持たせることが可能である。温度係数の調整が必要な場合は、抵抗31、32の両端の抵抗値(R31+R32)と、抵抗33の抵抗値(R33)との抵抗比(R31+R32:R33)を変えることで、温度係数の微調整が可能である。負の温度係数を持つ抵抗33の比精度に難があったとしても、比精度悪化を防ぎつつ、ダイオードD1に印加される電流に正の温度係数を持たせることが可能である。その他については、基準電圧回路1と実質的に相違しないため、説明を省略する。
(第2の実施形態の変形例2)
図8は、第2の実施形態による基準電圧回路の変形例2を示す回路図である。
【0060】
基準電圧回路1Bは、基準電圧回路1に対して、定電流源40をさらに備えている。定電流源40は、ダイオードD1と、並列に接続されている。
【0061】
基準電圧回路1Bは、抵抗31、32が負の温度係数を有さない場合でも、電流源40に負の温度係数を持たせることで、温度係数を有さない電流から負の温度係数を有する電流を差し引いた正の温度係数を有する電流をダイオードD1に印加することが可能である。その他については、基準電圧回路1と実質的に相違しないため、説明を省略する。
【0062】
以上、この発明の実施形態を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0063】
1、1A、1B、100…基準電圧回路
10…カレントミラー回路
11,12,21、103c…トランジスタ
20…電流制御回路
22…V/I変換素子
22A、22D、D1…ダイオード
22B、22C、31,32、33、103d…抵抗
40、103…定電流源
103a…定電圧源
103b、OP1…誤差増幅回路
ZD…ツェナーダイオード
【手続補正書】
【提出日】2024-01-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基準電圧回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、基準電圧回路は、所定の電圧と閾値電圧とを比較する比較器に対して、この閾値電圧となる基準電圧を生成する回路として、電子回路に幅広く用いられる。この基準電圧回路には、簡易な構成で基準電圧が生成できるため、ツェナーダイオード、ダイオード及び抵抗を備えた構成が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図9に示す基準電圧回路900は、定電流源903の出力端子と接地点との間に、ツェナーダイオード904と、抵抗907、906及びダイオード905の直列接続とが並列に接続されている。また、ツェナーダイオード904が逆方向に、ダイオード905が順方向に接続されている。これにより、基準電圧回路900は、抵抗907及び906の接続点から、基準電圧となる出力電圧Voutを出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基準電圧回路900において、出力電圧Voutは(A1)式により表される。
Vout=(R906*VZ+R907*VD)/(R906+R907)…(A1)
【0006】
上記(A1)式において、VZはツェナーダイオード904のカソードの電圧、VDはダイオード905のアノードの電圧、R906及びR907は抵抗906、907それぞれの抵抗値である。
【0007】
ここで、
図3に示すように、電圧VZは、正の1次温度係数+「下に凸の湾曲」の2次温度係数を有し、電圧VDは、負の1次温度係数+「上に凸の湾曲」の2次温度係数を有する。基準電圧回路900の出力電圧Voutが1次温度係数を有さない(1次温度係数が「0」となる)ようにするため、以下の(A2)式を満足するように抵抗906及び907の抵抗値R906、R907を設定する。
R906*(dVZ/dT)+R907*(dVD/dT)=0 …(A2)
【0008】
上記(A2)式において、(dVZ/dT)は単位あたりの温度変化による電圧VZの変化量を示し、正の1次温度係数を有している。また、(dVD/dT)は単位あたりの温度変化による電圧VDの変化量を示し、負の1次温度係数を有している。
【0009】
実際の1次温度係数の補正の際には、ICの動作保証温度の最低温度と最高温度の2点において電圧VZと電圧VDのそれぞれについて電圧測定を行い、最低温度と最高温度の2点間を結ぶ直線の傾きを電圧VZと電圧VDのそれぞれの1次温度係数として上記(A2)式から抵抗906及び907の抵抗値R906、R907を求めることが多い。
【0010】
しかしながら、この方法では1次温度係数しか補正できないため、2次温度係数で表される湾曲成分はそのまま残って足し合わされる。そのため、抵抗906及び907の抵抗値R906、R907の設定のみで2次温度係数を含めた温度に対する依存性を「0」にすることは現実には難しい。
【0011】
ただし、何らかの方法で、ツェナーダイオード904が有する「下に凸の湾曲」の2次温度係数とダイオード905が有する「上に凸の湾曲」の2次温度係数を平衡させることができれば、基準電圧回路900の基準電圧となる出力電圧Voutの2次温度係数が「0」に近づくように補正することも可能となる。
【0012】
2次温度係数を操作できるパラメータを調査した結果、ツェナーダイオード904に流す電流I904が大きいほどツェナーダイオード904の「下に凸の湾曲」の2次温度係数は大きくなることがわかった。すなわち、ダイオード905の「上に凸の湾曲」の2次温度係数とツェナーダイオード904の「下に凸の湾曲」の2次温度係数が平衡するようにツェナーダイオード904に流す電流I904を設定すればよい。
【0013】
しかしながら、ダイオード905とツェナーダイオード904の2次温度係数を平衡させる電流I904を調査した結果、電流I904はダイオード905に流れる電流I905に対して極端に大きくしなければならないこと(例えば、I905=数uAに対して、I904=数百uA等)がわかった。この方法では、基準電圧回路900の消費電流が極端に大きくなってしまうため、省電力化を訴求するICに対して前述の2次温度係数の補正を適用することが難しい、という点で改善の余地がある。
【0014】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、省電力化しながら、基準電圧となる出力電圧の温度依存性を小さくすることが可能な基準電圧回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の基準電圧回路は、カソードが第1ノードを介して正の温度係数を有する定電流源に接続され、アノードが接地点に接続されたツェナーダイオードと、一端が前記第1ノードに接続された負の温度係数を有する第1抵抗と、一端が前記第1抵抗の他端に接続された負の温度係数を有する第2抵抗と、アノードが第2ノードを介して前記第2抵抗の他端に接続され、カソードが接地点に接続された第1ダイオードと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、省電力化しながら、基準電圧となる出力電圧の温度依存性を小さくすることが可能な基準電圧回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1の実施形態による基準電圧回路の構成例を示す回路図である。
【
図5】第2の実施形態による基準電圧回路の構成例を示す回路図である。
【
図7】第2の実施形態による基準電圧回路の変形例1を示す回路図である。
【
図8】第2の実施形態による基準電圧回路の変形例2を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて、本実施形態について説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態による基準電圧回路の構成例を示す回路図である。
基準電圧回路100は、電源電圧VDDが供給される電源端子と、正の1次温度係数(dIcrt/dT>0)を有する定電流を供給する定電流源103と、ツェナーダイオードZDと、ダイオードD1と、抵抗値が負の1次温度係数(dR31/dT<0)を有する第1抵抗である抵抗31と、抵抗値が負の1次温度係数(dR32/dT<0)を有する第2抵抗である抵抗32と、出力端子Tvoutと、を備えている。
【0020】
定電流源103は、入力端子が電源端子に接続されている。ツェナーダイオードZDは、カソードが定電流源103の出力端子に接続され、アノードが接地点に接続されている。抵抗31は、一端が定電流源103の出力端子に接続され、他端が抵抗32の一端に接続されている。ダイオードD1は、アノードが抵抗32の他端に接続され、カソードが接地点に接続されている。抵抗31と抵抗32との接続点は、基準電圧回路100の出力端子Tvoutに接続されている。
【0021】
図2は、定電流源の一例を示す回路図である。
定電流源103は、電源電圧VDDが供給される電源端子と、定電圧源103aと、誤差増幅回路103bと、nチャネル型のトランジスタ103cと、抵抗103dと、出力端子Tioutと、を備えている。
【0022】
定電圧源103aは、入力端子が接地点に接続され、出力端子が誤差増幅回路103bの非反転入力端子に接続されている。トランジスタ103cは、ドレインが電源端子に接続され、ゲートが誤差増幅回路103bの出力端子に接続され、ソースが誤差増幅回路103bの反転入力端子に接続されている。抵抗103dは、トランジスタ103cのソースと出力端子Tioutとの間に接続されている。
【0023】
定電圧源103aは、定電圧を出力し、誤差増幅回路103bの非反転入力端子に入力する。誤差増幅回路103b及びトランジスタ103cは、ボルテージフォロワを構成しているため、誤差増幅回路103bの負帰還制御により、トランジスタ103cのソースの電圧は定電圧源103aの定電圧と等しくなる。トランジスタ103cのソースの電圧と抵抗103dで定電流Icrtを生成し、出力端子Tioutから出力する。
【0024】
ここで、定電圧源103aが正の温度係数を有するか、もしくは、抵抗103dが負の温度係数を有するか、もしくは、その両方とすることにより、定電流源103が生成する定電流Icrtは、正の温度係数(dIcrt/dT>0)を有するようになり、基準電圧回路が備える正の温度係数を有する定電流源として機能する。
【0025】
基準電圧回路100は、定電流源103の入力端子に電源電圧VDDが印加されることにより、出力端子Tvoutから出力電圧Voutを出力する。このとき、ツェナーダイオードZDに電流IZDが流れることで、ツェナーダイオードZDのカソードに逆方向電圧として電圧VZが発生する。また、ダイオードD1に電流ID1が流れることで、ダイオードD1のアノードに順方向電圧として電圧VDが発生する。
【0026】
出力電圧Voutは、電圧VZと、電圧VDと、抵抗31及び32の分圧比とに対応して決定される。以下の(1)式において、抵抗31及び32の抵抗値をそれぞれR31、R32としている。
Vout=(R32*VZ+R31*VD)/(R31+R32) …(1)
【0027】
そして、ツェナーダイオードZDの電圧VZが正の1次温度係数を有し、ダイオードD1の電圧VDの負の1次温度係数と平衡し、基準電圧回路100の出力電圧Voutが1次温度係数を有さない(1次温度係数が「0」となる)ようにする。このため、ツェナーダイオードZDにバイアス電流として電流IZDを流した際、以下の(2)式を満足するように抵抗31及び32の抵抗値R31、R32を設定する。
R32*(dVZ/dT)+R31*(dVD/dT)=0 …(2)
【0028】
上記(2)式において、(dVZ/dT)は単位あたりの温度変化による電圧VZの変化量を示し、正の1次温度係数を有している。また、(dVD/dT)は単位あたりの温度変化による電圧VDの変化量を示し、負の1次温度係数を有している。
【0029】
ここで、抵抗値R31及びR32は、負の1次温度係数(dR31/dT<0、及びdR32/dT<0)を有するため、抵抗31及び32を介してダイオードD1に流れる電流ID1は、正の1次温度係数を有する。
【0030】
また、ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDは、以下の(3)式により決定される。
IZD=Icrt-ID1 …(3)
【0031】
上述したように、定電流源103が生成する定電流Icrtは正の1次温度係数を有するが、ダイオードD1に流れる電流ID1の正の1次温度係数よりも定電流源103が生成する定電流Icrtの正の1次温度係数を大きくすることで、ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDも正の1次温度係数を有するように設定する。すなわち、ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDと、ダイオードD1に流れる電流ID1との両方の電流が正の1次温度係数を有するように設定する。
【0032】
図4は、1次温度係数成分を除いた温度特性のグラフの一例である。1次温度係数成分を除いたことにより、低温時の電圧と高温時の電圧とが同レベルとなることで、中間部分の湾曲のみが強調されているように見えるグラフとなっている。(a)(b)(c)の3つのグラフで構成され、実線は温度補正なし、破線は温度補正ありを示す。
【0033】
ダイオードD1の電圧VDは、
図4(a)のグラフに示すように、「上に凸の湾曲」の2次温度係数を有している。ツェナーダイオードZDの電圧VZは、
図4(b)のグラフに示すように、「下に凸の湾曲」の2次温度係数を有している。温度補正なしの場合、ツェナーダイオードZDの電圧VZの有する「下に凸の湾曲」の2次温度係数よりも、ダイオードD1の電圧VDの有する「上に凸の湾曲」の2次温度係数の方が大きいため、出力電圧Voutは、
図4(c)のグラフの実線に示すように、「上に凸の湾曲」の2次温度係数を有している。
【0034】
ツェナーダイオードZDに流す電流IZDが正の1次温度係数を有することにより、ツェナーダイオードZDの電圧VZの「下に凸の湾曲」は、
図4(b)の破線に示すように湾曲が強化される。そして、ダイオードD1の電流ID1が正の1次温度係数を有することにより、ダイオードD1の電圧VDの「上に凸の湾曲」は
図4(a)のグラフの破線に示すように緩和される。これらのことにより、基準電圧となる出力電圧Voutは、
図4(c)のグラフの破線に示すように、「上に凸の湾曲」の温度変化が緩和され、全体の温度変化は小さくなる。
【0035】
上述したように、本実施形態の基準電圧回路は、温度変化に対応してツェナーダイオードZDの電流IZD及びダイオードD1の電流ID1を調整している。これにより、電圧VD及び電圧VZの温度依存性に基づく変動に対応して、この変動を補償する電流ID1をダイオードD1に流し、かつ電流IZDをツェナーダイオードZDに流すことで、基準電圧となる出力電圧Voutを任意に制御することが可能である。
【0036】
従って、本実施形態の基準電圧回路は、基準電圧となる出力電圧の1次温度係数を「0」にするのに加え、例えば、2次温度係数である「上に凸の湾曲」を緩和することができるので、基準電圧となる出力電圧の温度依存性を小さくすることが可能である。加えて、温度変化に対応して電流IZDを必要最小限の電流量に調整して供給することができるので、ツェナーダイオードZDのカソードに印加される電圧VZの2次温度係数を電圧VDの2次温度係数と平衡するように調整しながら、省電力化することも可能である。
【0037】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態による基準電圧回路の構成例を示す回路図である。
基準電圧回路1は、基準電圧回路100に対して、定電流源103の代わりに、カレントミラー回路10及び電流制御回路20を備える点で相違するが、その他の点では実質的に相違しない。そこで、本実施形態では、カレントミラー回路10及び電流制御回路20を中心に説明するとともに、本実施形態以降、基準電圧回路1の説明においては、基準電圧回路100と実質的に相違しない構成要素に同じ符号を付して説明を省略する。
【0038】
カレントミラー回路10は、基準電圧回路1における定電流源であり、正の1次温度係数(dIcrt/dT>0)を有する定電流Icrtを供給する。カレントミラー回路10は、pチャネル型のトランジスタ11及び12を備えており、トランジスタ11のドレインが出力端子Toに接続され、トランジスタ12のドレインが入力端子Tiに接続されている。電流制御回路20は、誤差増幅回路OP1、トランジスタ21及びV/I変換素子22を備えている。
【0039】
ツェナーダイオードZDは、カソードがカレントミラー回路10の出力端子Toに接続され、アノードが接地点に接続されている。抵抗31は、一端がカレントミラー回路10の出力端子Toに接続され、他端が抵抗32の一端及び出力端子Tvoutに接続されている。抵抗32は、他端がダイオードD1のアノードに接続されている。ダイオードD1は、カソードが接地点に接続されている。nチャネル型のトランジスタ21は、ドレインがカレントミラー回路10の入力端子Tiに接続され、ゲートが誤差増幅回路OP1の出力端子に接続され、ソースがV/I変換素子22の一端に接続されている。誤差増幅回路OP1は、非反転入力端子がダイオードD1のアノードに接続され、反転入力端子がV/I変換素子22の一端に接続されている。V/I変換素子22は、他端が接地点に接続されており、ダイオードD1の電圧VDを制御電流Iconに変換する。
【0040】
図6は、V/I変換素子の一例を示す回路図である。V/I変換素子22は、ダイオード22A、抵抗22B、抵抗22C及びダイオード22Dを備えている。V/I変換素子22の一端と他端との間に、ダイオード22Aと、抵抗22Bと、抵抗22C及びダイオード22Dの直列回路と、が並列に接続されている。ここで、ダイオード22A及び22Dは、V/I変換素子22の一端から他端において順方向に接続されている。
【0041】
基準電圧回路1は、トランジスタ11及び12のソースに電源電圧VDDが印加されることにより、出力端子Tvoutから出力電圧Voutを出力する。このとき、ツェナーダイオードZDに電流IZDが流れることで、ツェナーダイオードZDのカソードに逆方向電圧としての電圧VZが発生する。また、ダイオードD1に電流ID1が流れることで、ダイオードD1のアノードに順方向電圧としての電圧VDが発生する。
【0042】
出力電圧Voutが、電圧VZと、電圧VDと、抵抗31及び32の分圧比とに対応して決定される。以下の(1)式において、抵抗31及び32の抵抗値をそれぞれR31、R32としている。
Vout=(R32*VZ+R31*VD)/(R31+R32) …(1)
【0043】
そして、ツェナーダイオードZDの電圧VZが正の1次温度係数を有し、ダイオードD1の電圧VDの負の1次温度係数と平衡し、基準電圧回路1の出力電圧Voutが1次温度係数を有さない(1次温度係数が「0」となる)ようにする。このため、ツェナーダイオードZDにバイアス電流として電流IZDを流した際、以下の(2)式を満足するように抵抗31及び32の抵抗値R31、R32を設定する。
R32*(dVZ/dT)+R31*(dVD/dT)=0 …(2)
【0044】
上記(2)式において、(dVZ/dT)は単位あたりの温度変化による電圧VZの変化量を示し、正の1次温度係数を有している。また、(dVD/dT)は単位あたりの温度変化による電圧VDの変化量を示し、負の1次温度係数を有している。
【0045】
ここで、抵抗値R31及びR32は、負の1次温度係数(dR31/dT<0、及びdR32/dT<0)を有するため、抵抗31及び32を介してダイオードD1に流れる電流ID1は、正の1次温度係数を有する。
【0046】
また、ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDは、以下の(3)式により決定される。
IZD=Icrt-ID1 …(3)
【0047】
上述したように、カレントミラー回路10が生成する定電流Icrtは正の1次温度係数を有するが、ダイオードD1に流れる電流ID1の正の1次温度係数よりもカレントミラー回路10が生成する定電流Icrtの正の1次温度係数を大きくすることで、ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDも正の1次温度係数を有するように設定する。すなわち、ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDと、ダイオードD1に流れる電流ID1との両方の電流が正の1次温度係数を有するように設定する。
【0048】
電流制御回路20は、ダイオードD1の電圧VDを、この電圧VDに対応した制御電流Iconに変換するV/I変換回路として機能する。すなわち、誤差増幅回路OP1がトランジスタ21に負帰還処理を行わせることにより、V/I変換素子22の電圧降下は、電圧VDと等しくなる。そのため、V/I変換素子22には、電圧VDに対応する制御電流Iconが、カレントミラー回路10の入力端子Tiから流れる。
【0049】
この制御電流Iconは、ダイオード22Aと、抵抗22Bと、抵抗22C及びダイオード22Dの直列回路とに流れる電流の合成電流となる。ここで、ダイオード22Aには、ダイオードD1との面積比(P/N接合の面積比)に対応し、電流ID1に比例する電流I22Aが流れる。ダイオード22Aの電圧降下は負の温度係数を有している。また、抵抗22Bには、ダイオードD1の電圧VDに比例する電流I22B(=VD/R22B)が流れる。R22Bは、抵抗22Bの抵抗値である。電流I22Bは負の温度係数を有している。抵抗22C及びダイオード22Dには、ダイオードD1のアノード電圧とダイオード22Dのアノード電圧の差電圧ΔVDに比例する電流I22C(=ΔVD/R22C)が流れる。R22Cは、抵抗22Cの抵抗値である。差電圧ΔVDは正の温度係数を有している。
【0050】
カレントミラー回路10は、電流制御回路20から入力端子Tiに制御電流Iconが入力された場合、設定されたミラー比に対応して出力端子Toから基準電流Icrtを、ツェナーダイオードZD及びダイオードD1に出力する。例えば、入力電流に対する出力電流のミラー比がKの場合、基準電流Icrtは以下の(4)式により表される。
Icrt=K*(I22A+I22B+I22C) …(4)
【0051】
例えば、ダイオードD1とダイオード22Aとの面積比が1:1であり、ダイオードD1とダイオード22Dとの面積比が1:N(>1、例えば2以上)であり、K=1である場合、基準電流Icrtは以下の(5)式により表される。
Icrt=I22A(=ID1)+VD/R22B+ΔVD/R22C …(5)
【0052】
(5)式において、第一項の電流I22Aは、ダイオードD1と同様の特性を有するダイオード22Aに流れる電流であり、ダイオードD1に流れる電流ID1と同一である。この電流ID1は、カレントミラー回路10の出力端子ToからダイオードD1に対し、電圧VDに対応したフィードバックとして出力される。このため、第二項VD/R22B及び第三項ΔVD/R22Cは、カレントミラー回路10の出力端子ToからツェナーダイオードZDに出力される。ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDは、式(5)から第一項を除いた(6)式で表される。
IZD=VD/R22B+ΔVD/R22C …(6)
【0053】
上記(6)式から判るように、第一項及び第二項は、それぞれ抵抗22Bと、抵抗R22C及びダイオード22Dの直列回路とのそれぞれに流れる電流であり、ダイオードD1に流れる電流ID1に影響を受けない。また、抵抗22B及びR22Cの温度係数が「0」である場合、電圧VDが負の温度係数であるため、電流VD/R22Bの温度係数が負となり、差電圧ΔVDが正の温度係数であるため、電流ΔVD/R22Cの温度係数が正となる。したがって、抵抗22Bの抵抗値R22Bと、抵抗22Cの抵抗値R22Cとを調整することにより、ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDの温度係数を正へと任意に調整することができる。その他、温度特性については、基準電圧回路100と実質的に相違しないため、説明を省略する。
【0054】
上述したように、本実施形態の基準電圧回路は、電圧VDに対応した電流と、ツェナーダイオードZDに流れる電流IZDに対応する電流とを合成した制御電流Iconを生成し、この制御電流Iconに対応させて、カレントミラー回路10から基準電流Icrtを流し、温度変化に対応してツェナーダイオードZDの電流IZD及びダイオードD1の電流ID1を調整している。これにより、電圧VD及び電圧VZの温度依存性に基づく変動に対応して、この変動を補償する電流ID1をダイオードD1に流し、かつ電流IZDをツェナーダイオードZDに流すことで、基準電圧となる出力電圧Voutを任意に制御することが可能である。
【0055】
従って、本実施形態の基準電圧回路は、基準電圧となる出力電圧の1次温度係数を「0」にするのに加え、例えば、2次温度係数である「上に凸の湾曲」を緩和することができるので、基準電圧となる出力電圧の温度依存性を小さくすることが可能である。加えて、温度変化に対応して電流IZDを必要最小限の電流量に調整して供給することができるので、ツェナーダイオードZDのカソードに印加される電圧VZの2次温度係数を電圧VDの2次温度係数と平衡するように調整しながら、省電力化することも可能である。
【0056】
なお、本実施形態の基準電圧回路は、図示しないスタートアップ回路により、起動時に所定のパルス電流を抵抗31に印加するように構成してもよい。また、V/I変換素子22は、ダイオード22A、抵抗22B、抵抗22C及びダイオード22Dを備えている構成で説明したが、ダイオード22Aと、抵抗22Bと、22C及びダイオード22Dの直列回路とのいずれか、あるいはそれらの組合せを備える構成としてもよい。この構成の場合、電圧VZが線形性を保持するように、カレントミラー回路10のミラー比や、ダイオード22A、22Dの面積比、抵抗22B、22Cの抵抗値などを調整して、電流ID1とIZDとが温度変化に対応して適時調整された電流Icrtとなるように、電圧VDから制御電流Iconを生成させる。
【0057】
(第2の実施形態の変形例1)
図7は、第2の実施形態による基準電圧回路の変形例1を示す回路図である。
基準電圧回路1Aは、基準電圧回路1に対して、抵抗33をさらに備えている。抵抗33は、直列に接続された抵抗31、32の両端と、並列に接続されている。
【0058】
基準電圧回路1Aは、抵抗31、32が負の温度係数を有さない場合でも、抵抗33が負の温度係数を有することで、ダイオードD1に印加される電流に正の温度係数を持たせることが可能である。温度係数の調整が必要な場合は、抵抗31、32の両端の抵抗値(R31+R32)と、抵抗33の抵抗値(R33)との抵抗比(R31+R32:R33)を変えることで、温度係数の微調整が可能である。負の温度係数を持つ抵抗33の比精度に難があったとしても、比精度悪化を防ぎつつ、ダイオードD1に印加される電流に正の温度係数を持たせることが可能である。その他については、基準電圧回路1と実質的に相違しないため、説明を省略する。
【0059】
(第2の実施形態の変形例2)
図8は、第2の実施形態による基準電圧回路の変形例2を示す回路図である。
基準電圧回路1Bは、基準電圧回路1に対して、定電流源40をさらに備えている。定電流源40は、ダイオードD1と、並列に接続されている。
【0060】
基準電圧回路1Bは、抵抗31、32が負の温度係数を有さない場合でも、電流源40に負の温度係数を持たせることで、温度係数を有さない電流から負の温度係数を有する電流を差し引いた正の温度係数を有する電流をダイオードD1に印加することが可能である。その他については、基準電圧回路1と実質的に相違しないため、説明を省略する。
【0061】
以上、この発明の実施形態を図面に基づいて説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0062】
1、1A、1B、100…基準電圧回路
10…カレントミラー回路
11,12,21、103c…トランジスタ
20…電流制御回路
22…V/I変換素子
22A、22D、D1…ダイオード
22B、22C、31,32、33、103d…抵抗
40、103…定電流源
103a…定電圧源
103b、OP1…誤差増幅回路
ZD…ツェナーダイオード
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】