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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144168
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】移動式発電パッケージの航空機輸送
(51)【国際特許分類】
   B64F 1/32 20060101AFI20241003BHJP
   B60P 3/00 20060101ALI20241003BHJP
   B60S 9/02 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B64F1/32
B60P3/00 U
B60S9/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024028111
(22)【出願日】2024-02-28
(31)【優先権主張番号】18/192,473
(32)【優先日】2023-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロチン マチャド、ホルヘ マリオ
(72)【発明者】
【氏名】ガルサ マルドナド、ダヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ドミンゲス オルティス、エリック アレクシス
(72)【発明者】
【氏名】アコスタ、マイケル エー.
【テーマコード(参考)】
3D026
【Fターム(参考)】
3D026EA05
3D026EA26
(57)【要約】
【課題】ウインチケーブル(395)を介して発電設備(10)を航空機(430)に搭載し、複数の航空機拘束具(325)を介して航空機(430)内に固定するための移動式発電所システム(100)を提供する。
【解決手段】移動式発電所システム(100)は、発電設備(10)を載せたトレーラ(110)と、トレーラ(110)に取り付けられた複数のフック(320)と、トレーラ(110)に取り付けられたウインチビーム(390)と、ウインチビーム(390)に取り付けられた1つまたは複数のウインチシャックル(380)とを含む。ウインチケーブル(395)は、ウインチシャックル(380)に取り付けられて、トレーラ(110)を航空機(430)に引き込むことができ、航空機拘束具(325)は、フック(320)に取り付けられて、トレーラ(110)を航空機(430)に固定することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウインチケーブル(395)を介して航空機(430)に発電設備(10)を搭載し、複数の航空機拘束具(325)を介して航空機(430)内に固定するための移動式発電所システム(100)であって、
発電設備(10)を載せたトレーラ(110)と、
トレーラ(110)に取り付けられた複数のフック(320)と、
トレーラ(110)に取り付けられたウインチビーム(390)と、
ウインチビーム(390)に取り付けられた1つまたは複数のウインチシャックル(380)と、
を含み、
ウインチケーブル(395)は、トレーラ(110)を航空機(430)に引き込むために、1つまたは複数のウインチシャックル(380)に取り付けられることができ、複数の航空機拘束具(325)は、トレーラ(110)を航空機(430)に固定するために、複数のフック(320)に取り付けることができる、移動式発電所システム(100)。
【請求項2】
トレーラ(110)は、タービントレーラ(120)を含む、請求項1記載の移動式発電所システム(100)。
【請求項3】
トレーラ(110)は、発電機トレーラ(130)を含む、請求項1に記載の移動式発電所システム(100)。
【請求項4】
トレーラ(110)は、コントロールハウストレーラ(140)を含む、請求項1記載の移動式発電所システム(100)。
【請求項5】
トレーラ(110)は、複数のトレーラ(110)を含む、請求項1に記載の移動式発電所システム(100)。
【請求項6】
1つ以上のウインチシャックル(380)が複数のウインチシャックル(380)を含む、請求項1記載の移動式発電所システム(100)。
【請求項7】
1つ以上のウインチシャックル(380)に取り付けられたウインチケーブル(395)は、トレーラ(110)を斜め(385)に航空機(430)に引き込む、請求項1に記載の移動式発電所システム(100)。
【請求項8】
トレーラ(110)は、複数の拘束アセンブリ(220)を含む、請求項1に記載の移動式発電所システム(100)。
【請求項9】
複数の拘束アセンブリ(220)は、引張拘束具(260)を含む、請求項8に記載の移動式発電所システム(100)。
【請求項10】
引張拘束具(260)は、ターンバックル(310)を含む、請求項9に記載の移動式発電所システム(100)。
【請求項11】
ターンバックル(310)は、複数のフック(320)のうちの1つに取り付けられる、請求項10に記載の移動式発電所システム(100)。
【請求項12】
複数の拘束アセンブリ(220)が、締結拘束具(270)を含む、請求項8に記載の移動式発電所システム(100)。
【請求項13】
締結拘束具(270)は、1つ以上の剛性部材(350)を含む、請求項12に記載の移動式発電所システム(100)。
【請求項14】
トレーラ(110)は、デッキ(290)と複数の車輪(150)とを含む、請求項1に記載の移動式発電所システム(100)。
【請求項15】
移動式発電所システム(100)を遠隔地に輸送する方法であって、
移動式発電所システム(100)のトレーラ(110)を航空機(430)内にウインチするステップと、
トレーラ(110)を航空機(430)内の複数の航空機拘束具(325)で固定するステップと、
トレーラ(110)を遠隔地まで送るステップと、
トレーラ(110)と基礎(300)に取り付けられた複数のターンバックル(310)を介して、トレーラ(110)を遠隔地の基礎(300)に固定するステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願およびその結果としての特許は、一般に移動式発電パッケージ(mobile power generation packages)に関するものであり、より詳細には、遠隔地に移動式発電パッケージを輸送および設置するためのシステムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
常設発電所(Permanent power plants)は、送電網に接続された顧客に電力を供給するために建設される。しかし、常設発電所が顧客の電力需要を満たせない理由は様々である。例えば、著しい増大期(periods of significant growth)には、顧客による需要が増加し、常設発電所が発電できる電力量を上回ることがある。場合によっては、設備のメンテナンスのために常設発電所が停止することもある。同様に、停電、電圧低下、または洪水、ハリケーン、地震などの自然災害により、発電が中断されることもある。その結果、移動式発電所(mobile power plants)は、常設発電所が電力を供給できないか、または効率的に電力を供給できない可能性がある場合に、顧客の地域の電力需要を満たすためにその場所に輸送されることがある。しかし、風や地震のような環境問題は、移動式発電所の設置や運転を禁止する(prohibit:可能にしない)場合がある。同様に、移動式発電所は、輸送中、特に乱気流などが問題となる可能性のある航空機による輸送中、十分に固定されていなければならない。
【発明の概要】
【0003】
したがって、本出願およびその結果としての特許は、ウインチケーブルを介して発電装置を航空機に搭載し、複数の航空機拘束具(a number of aircraft restraints)を介して航空機内に固定するための移動式発電所システムを提供する。移動式発電所システムは、発電装置を載せたトレーラと、トレーラに取り付けられた複数のフックと、トレーラに取り付けられたウインチビームと、ウインチビームに取り付けられた1つまたは複数のウインチシャックル(winching shackles)とを含む。ウインチケーブルは、ウインチシャックルに取り付けられてトレーラを航空機内に引き込むことができ、航空機拘束具は、フックに取り付けられてトレーラを航空機内に固定することができる。
【0004】
本出願およびその結果としての特許は、さらに、移動式発電所システムを遠隔地に輸送する方法の方法を提供する。この方法は、移動式発電所システムのトレーラを航空機にウインチする(winch:ウインチによる巻き上げを行う/巻取る)ステップと、トレーラを航空機内の複数の航空機拘束具で固定するステップと、トレーラを遠隔地まで駆動する(drive:送る/ドライブする)ステップと、トレーラおよび基礎に取り付けられた複数のターンバックルを介してトレーラを遠隔地の基礎に固定するステップとを含み得る。
【0005】
本出願およびその結果としての特許は、さらに、航空機を介して発電装置を輸送し、発電装置を遠隔地で固定するための移動式発電所システムを提供する。移動式発電所システムは、発電装置を載せたトレーラと、トレーラに取り付けられた複数のフックと、トレーラに取り付けられた1つまたは複数のウインチシャックルを有するウインチビームと、フックのそれぞれに取り付けられたターンバックルを有する引張拘束具(tensile restraint)とを含むことができる。ウインチケーブルをウインチシャックルに取り付けてトレーラを航空機内に引き込み、ターンバックルを備えた引張拘束具でトレーラを遠隔地に固定することができる。
【0006】
本出願およびその結果としての特許のこれらおよび他の特徴および改良点は、いくつかの図面および添付の特許請求の範囲と合わせて考慮した場合、以下の詳細な説明を検討すれば、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】圧縮機、燃焼器、タービン、発電機の形態(form)の外部負荷、および排気フレームを含むガスタービンエンジンの概略図である。
図2】本明細書で説明する移動式発電所の透視図である。
図3】設置モードにおける移動式発電所のタービントレーラの透視図である。
図4図3のタービントレーラの引張拘束具とフックの透視図である。
図5図3のタービントレーラの締結拘束具の透視図である。
図6】航空モードにおける移動式発電所のタービントレーラの透視図である。
図7図6のタービントレーラのウインチシャックルの透視図である 。
図8】設置モードにおける移動式発電所の発電機トレーラの透視図である。
図9図8の発電機トレーラのフック付き引張拘束具の透視図である。
図10図8の発電機トレーラの引張拘束具とフックの透視図である。
図11】航空モードにおける移動式発電所の発電機トレーラの透視図である。
図12図11の発電機トレーラのウインチシャックルの透視図である。
図13】設置モードにおける移動式発電所のコントロールハウストレーラの透視図である。
図14】航空モードにおける移動式発電所のコントロールハウストレーラの透視図である。
図15】輸送のために航空機内に固定されたトレーラの透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで図面を参照すると、いくつかの図を通じて同様の数字は同様の要素を示し、図1は、本明細書で使用することができるガスタービンエンジン10の概略図である。ガスタービンエンジン10は、圧縮機15を含むことができる。圧縮機15は、流入する空気流20を圧縮する。圧縮機15は、圧縮された空気流20を複数の燃焼器缶25に供給する。燃焼器缶25は、圧縮された空気流20を加圧された燃料流30と混合し、混合物に点火して高温の燃焼ガス流35を生成する。単一の燃焼器缶25のみが示されているが、ガスタービンエンジン10は、周方向アレイなどに配置された任意の数の燃焼器缶25を含むことができる。あるいは、燃焼器25は環状燃焼器であってもよい。燃焼ガス35の流れは、順にタービン40に送られる。燃焼ガス35の流れは、タービン40を駆動して機械的な仕事を発生させる。タービン40で生成された機械的な仕事は、ロータシャフト45を介して圧縮機15および発電機50などの外部負荷を駆動する。
【0009】
燃焼ガス35の流れは、使用済み煙道ガスの形でタービン40からその下流に配置された排気フレーム55に送られる。排気フレーム55は、排ガスの流れを収容し、ガスタービンエンジン10の他の構成要素に導くことができる。例えば、排気フレーム55は、排ガスの流れを排気プレナムまたは排気ディフューザに導くことができる。本明細書では、他の構成および他の構成要素を使用することができる。
【0010】
図2は、本明細書に記載され得るような例示的な移動式発電所システム100の透視図である。移動式発電所システム100は、複数のトレーラ110を備えていてもよい。この例では、タービントレーラ120、発電機トレーラ130、およびコントロールハウストレーラ140が示されている。本明細書では、他のタイプのトレーラ110を任意の数、サイズ、または構成で使用することができる。各トレーラ110は、移動式発電所システム100の発電構成要素のうちの1つ以上を設置場所に輸送するように構成され得る。具体的には、1つまたは複数のトレーラ110は、設置場所に輸送されるようにトラクタまたはトラックに連結され得る。したがって、トレーラ110の各々は、効率的な輸送および設置を可能にするために、その上に配置された複数の車輪150を含み得る。同様に、1つまたは複数のトレーラ110は、以下にさらに詳細に説明するように、航空機などを介して設置場所の近くの場所まで輸送されてもよい。トレーラ110および/または航空機を介した移動式発電所システム100の1つまたは複数の構成要素の移動は、より迅速な設置時間、より低い設置コスト、およびより大きな全体的な可動性を可能にし得る。
【0011】
タービントレーラ120は、ガスタービンエンジン10またはその構成部品を輸送するように構成することができる。ガスタービンが示されているが、タービンは、蒸気タービン、ハイドロタービン、風力タービン、または任意のタービンシステムもしくは他のタイプの発電装置であってもよい。フィルタアセンブリ170を備えた吸気セクション160などの関連部品も、タービントレーラ120または他の場所に取り付けることができる。フィルタアセンブリ170は、空気流をフィルタリングしてガスタービンエンジン10に吸入するように構成することができる。同様に、補助スキッド(auxiliary skid)180が、タービントレーラ120の第1の端部190(例えば、第2の端部200の反対側)に配置されてもよい。潤滑システム、水洗浄システム、油圧システム、流体噴射システム、冷却水システム、燃料システム、熱/クリアランスシステム(a lubrication system, a water wash system, hydraulics system, a fluid injection system, a coolant system, a fuel system, a thermal/clearance system)などの追加の支援システムも、タービントレーラ120上に配置されてもよく、ガスタービンエンジン10内に結合または統合されてもよい。排気スタック(例えば、導管、消音器、及び排出制御装置)は、ガスタービンエンジン10の排気フレーム55に結合されてもよく、ガスタービンエンジン10から使用済み排気ガスを排出するように構成されてもよい。本明細書では、他の構成要素及び他の構成を使用することができる。
【0012】
上述したように、ガスタービンエンジン10のタービン40は、発電機50などの外部負荷を駆動することができる。発電機50は、発電機トレーラ130に搭載することができる。発電機50を電力網に接続するための開閉装置(switch gear:スイッチギア)、発電機の潤滑油を冷却するように構成された熱交換器などの様々な他の種類の構成要素が、発電機トレーラ130に搭載されてもよい。本明細書では、他の構成要素および他の構成を使用することができる。
【0013】
コントロールハウストレーラ140は、移動式発電所システム10の動作を監視および/または調節するように構成された制御システムを含んでもよい。例えば、コントロールハウストレーラ140は、コントロールハウス、バッテリシステム、消火システム、充電システム、および/または移動式発電所システム10の動作を制御もしくは調節するための他のシステムを含むことができる。他の構成要素および他の構成が、本明細書において使用され得る。
【0014】
ガスタービンエンジン10のタービン40は、共通のロータシャフト45を介して発電機50に取り外し可能に連結されることがある。設置段階において、発電機50は、発電機トレーラ130及びタービントレーラ120を介してタービン40と位置合わせされてもよい。複数の拘束アセンブリ(A number of restraint assemblies)220が、移動式発電所システム100のトレーラ110に結合されて、経時的に変化し得るシステム上の外部負荷にもかかわらず、発電機50とタービン40との整列を維持することができる。ロータシャフト45は、システム軸(system axis)230に沿って配向されてもよい。拘束アセンブリ220は、システム軸230、設置場所の表面に沿った1つまたは複数の横軸(lateral axes)240、垂直軸(vertical axis)250、またはそれらの任意の組み合わせに沿ったトレーラ110の移動を低減または排除するように構成されてもよい。例えば、拘束アセンブリ220は、ロータシャフト45の整列などを維持するために、発電機トレーラ130に対するタービントレーラ120の移動を制限するように構成され得る。
【0015】
さらに、拘束アセンブリ220は、設置場所に対するトレーラ110の相対的な移動を低減または排除するように構成され得る。拘束アセンブリ220は、外部負荷(例えば、風荷重、地震荷重)にもかかわらず、他の構成要素に対する設置場所の1つ以上の基礎上(on the one or more foundations)のトレーラ110の位置を維持するように、トレーラ110に結合されてもよい。拘束アセンブリ220は、従来の移動式発電システムの停止を引き起こす可能性のある環境条件(例えば、風速30、60、90、または120mph以上の風;0.1G、0.25G、0.5G、0.65G、またはそれ以上の地震現象)にもかかわらず、移動式発電所システム100が動作することを可能にし得る。さらに、拘束アセンブリ220は、移動式発電所システム10が静的構造物に関する1つ以上の建築基準法を満たすことを可能にし得る。同様に、拘束アセンブリ220および類似の拘束具は、航空機への積載中および航空機での輸送中に、トレーラ110を固定することができる。具体的には、拘束アセンブリ220および同様の拘束具は、以下により詳細に説明されるように、著しい乱気流などの間、トレーラ110を固定することができる。
【0016】
拘束アセンブリ220は、1つ以上のタイプの拘束具を含むことができる。例えば、拘束アセンブリ220は、1つ以上の引張拘束具(ne or more tensile restraints)260、1つ以上の締結拘束具(one or more fastened restraints)270、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。本明細書では、他のタイプの拘束アセンブリ220を使用してもよい。拘束アセンブリ220は、トレーラデッキ290またはそれに隣接する領域などのトレーラ110の一部を、設置場所の1つまたは複数の基礎300に、および/または航空機上の任意の数のケーブルまたは他のタイプの拘束具に結合することができる。
【0017】
したがって、トレーラ110は、地震、風、その他の環境条件だけでなく、輸送中、特に航空機などによる輸送中にも、設置場所で拘束アセンブリ220を使用することができる。図3は、設置現場における、すなわち設置モードにおけるタービントレーラ120を示している。タービントレーラ120は、その第1の端部190およびその他の位置に配置された複数の引張拘束具260を使用することができる。引張拘束具260の各々は、ターンバックル(turnbuckle)310を含むことができる。ターンバックル310、すなわち、伸張ねじまたはボトルねじ(stretching screw or bottlescrew)は、ロープ、ケーブル、タイロッド(ropes, cables, tie rods)、および/または他のタイプの拘束具または張力調整システム(restraints or tensioning systems)の張力または長さ(tension or length)を調整するための装置である。図4に示すように、ターンバックル310は、その周囲に溶接されたフック320を介して、および/または溶接プレート330を介して、一端をデッキ290に取り付けることができる。同様に、ターンバックル310は、他端をアンカープレート340に取り付けることができる。アンカープレート340は、締結具(fasteners:ファスナ)または他の従来の手段によって基礎300に固定することができる。いったん取り付けられたら、ターンバックル310は適切な張力まで締め付けることができる。タービントレーラ120の両側に4つの引張拘束具260が示されているが、本明細書では任意の数を使用することができる。
【0018】
タービントレーラ120はまた、その第2の端部200および他の位置に、複数の締結拘束具270を使用することができる。図5に示すように、締結拘束具270は、第1の端部190のアンカープレート340と、第2の端部200のタービントレーラ120のデッキ290または隣接領域とに取り付けられた1つまたは複数の剛性要素(one or more rigid elements)350を有することができる。この例では、第1の剛性部材(first rigid member)360がアンカープレート340またはそのフランジに結合されることがある。アンカープレート340は、従来の方法で基礎(foundation)300に固定することができる。第2の剛性部材370は、第1の剛性部材360に結合されてもよく、ほぼ垂直方向に延びてもよく、タービントレーラ120に固定されてもよい。締結拘束具270は2つ示されているが、本明細書では任意の数を使用することができる。本明細書では、他の構成および他の構成要素を使用してもよい。
【0019】
図6は、航空機内の(aircraft)、すなわち航空モード(aviation mode)におけるタービントレーラ120を示す。タービントレーラ120は、第1の端部190および他の位置について配置された溶接プレート330に取り付けられたフック320と同様に、図4に示されたようなそれに溶接されたフック320のいくつかを使用することができる。フック320は、航空機内のラッシングポイント(lashing points:複数のワイヤ固定位置)として機能する。したがって、タービントレーラ120は、設置モード用に意図されたそれらのフック320だけでなく、航空モード用の専用のフック320も使用する。以下により詳細に説明するように、タービントレーラ120は、ケーブル(cables)440、ターンバックル310などの航空機拘束具(aircraft restraints)325を介して固定することができる。
【0020】
また、タービントレーラ120は、その第2の端部200に配置された1対以上のウインチシャックル(a pair or more of winching shackles)380を含むことができる。図7に示すように、ウインチシャックル(winching beam)380は、1つ以上のベースプレート400および締結具410を介してウインチビーム390に取り付けられ得る。1つ以上のシャックル(On or more shackles:吊り金物/U字型金具)420がベースプレート400に取り付けられ、支持されてもよい。ウインチシャックル380は、航空機などにタービントレーラ120を斜めに引き込むようにウインチケーブル395に取り付けられる大きさであってもよい。本明細書では、他の構成要素および他の構成を使用することができる。
【0021】
図8は、設置現場における、すなわち設置モード(installation mode)における発電機トレーラ130を示す。発電機トレーラ130はまた、複数の引張拘束具260を使用することができる。上述したように、引張拘束具260は、ターンバックル310を含んでもよい。図9及び図10に示されるように、発電機トレーラ130は、デッキ290又はそれに隣接して溶接された複数のフック320又は他の構造を有してもよい。ターンバックル310は、フック320及びアンカープレート340に取り付けられ、締め付けられることができる。本明細書では、任意の数の引張拘束具260を使用することができる。同様に、発電機トレーラ130もまた、複数の締結拘束具270または同様の構造を使用することができる。本明細書では、他の構成および他の構成要素を使用してもよい。
【0022】
図11は、航空機内、すなわち航空モードにおける発電機トレーラ130を示す。発電機トレーラ130は、それに溶接されたフック320のうちの幾つかを、航空機内のラッシングポイントとして使用することができる。したがって、発電機トレーラ130は、設置モード用に意図されたそれらのフック320だけでなく、航空モード用の専用フック(dedicated hooks)320も使用する。同様に、発電機トレーラ130は、航空機拘束具325を介して固定されてもよい。発電機トレーラ130はまた、その第2の端部200について配置された一組以上のウインチシャックル(a pair or more of the winching shackles)380を含むことができる。図12に示されるように、ウインチシャックル380は、ウインチビーム390に取り付けられてもよい。ウインチシャックル380は、発電機トレーラ130を航空機などに引き込むようにウインチケーブル395に取り付けられる大きさであってもよい。図示されているように、ウインチケーブル395は、発電機トレーラ130をある角度385で航空機内に引き込むことができる。本明細書では、他の構成要素及び他の構成を使用することができる。
【0023】
図13は、設置現場(installation site)における、すなわち設置モードにおけるコントロールハウストレーラ140を示す。コントロールハウストレーラ140はまた、複数の引張拘束具260を使用することができる。上述したように、引張拘束具260は、ターンバックル310を含んでもよい。コントロールハウストレーラ140は、デッキ290又はそれに隣接したものに溶接された複数のフック320又は他の構造を有してもよい。ターンバックル310は、フック320及びアンカープレート340に取り付けられ、締め付けられることができる。本明細書では、任意の数の引張拘束具260を使用することができる。同様に、コントロールハウストレーラ140もまた、複数の締結拘束具270又は同様の構造を使用することができる。本明細書では、他の構成および他の構成要素を使用してもよい。
【0024】
図14は、航空機内、すなわち航空モードにおけるコントロールハウストレーラ140を示す。コントロールハウストレーラ140は、それに溶接されたフック320のうちの幾つかを航空機内のラッシングポイントとして使用することができる。このように、コントロールハウストレーラ140は、設置モード用に意図されたフック320だけでなく、航空モード用の専用フック320も使用する。同様に、コントロールハウストレーラ140は、航空機拘束具325等を介して固定されてもよい。本明細書では、他の構成要素や他の構成を用いてもよい。
【0025】
図15は、航空機430上の航空モードのトレーラ110の1つを示す。引張拘束具260および締結拘束具270に加えて、トレーラ110はまた、複数の航空機拘束具325で固定されてもよい。航空機拘束具325は、トレーラ110上のフック320および航空機430のホールド内に配置(positioned within the hold of the aircraft 430)された航空機フック450に一端が接続されたターンバックル310および/またはケーブル440であってもよい。本明細書では、任意の数の航空機拘束具325または他のタイプの固定装置を使用することができる。他の構成要素および他の構成が、本明細書において使用されてもよい。
【0026】
前述の内容は、本出願およびその結果としての特許の特定の実施形態に関するものでしかないことは明らかであろう。以下の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される本発明の一般的な精神および範囲から逸脱することなく、当業者であれば本明細書において複数の変更および修正を行うことができる。
【0027】
本発明のさらなる態様は、以下の条項の主題によって提供される。
[実施形態1]
ウインチケーブルを介して発電装置を航空機に搭載し、複数の航空機拘束具を介して航空機内に固定するための移動式発電所システムであって、発電装置を搭載したトレーラと、トレーラに取り付けられた複数のフックと、トレーラに取り付けられたウインチビームと、ウインチビームに取り付けられた1つまたは複数のウインチシャックルと、を備え、ウインチケーブルが、トレーラを航空機内に引き込むために1つまたは複数のウインチシャックルに取り付けられ、複数の航空機拘束具が、トレーラを航空機内に固定するために複数のフックに取り付けられ得る、移動式発電所システム。
[実施形態2]
トレーラは、タービントレーラを含む、実施形態1の移動式発電所システム。
[実施形態3]
トレーラがは、発電機トレーラを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の移動式発電所システム。
[実施形態4]
トレーラは、コントロールハウストレーラを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の移動式発電所システム。
[実施形態5]
トレーラは、複数のトレーラを含む、先行する条項のいずれかに記載の移動式発電所システム。
[実施形態6]
1つまたは複数のウインチシャックルが、複数のウインチシャックルを含む、先行する条項のいずれかに記載の移動式発電所システム。
[実施形態7]
1つ以上のウインチシャックルに取り付けられたウインチケーブルが、トレーラを斜めに航空機内に引き込む、先行する実施形態のいずれかに記載の移動式発電所システム。
[実施形態8]
トレーラがは、複数の拘束アセンブリを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の移動式発電所システム。
[実施形態9]
複数の拘束アセンブリは、引張拘束具を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の移動式発電所システム。
[実施形態10]
引張拘束具がターンバックルを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の移動式発電所システム。
[実施形態11]
ターンバックルが複数のフックのうちの1つに取り付けられる、先行する実施形態のいずれかに記載の移動式発電所システム。
[実施形態12]
複数の拘束アセンブリが、締結拘束具を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の移動式発電所システム。
[実施形態13]
締結拘束具が、1つまたは複数の剛性部材を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の移動式発電所システム。
[実施形態14]
トレーラは、デッキと複数の車輪とを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の移動式発電所システム。
[実施形態15]
移動式発電所システムを遠隔地に輸送する方法であって、移動式発電所システムのトレーラを航空機にウインチするステップと、航空機内でトレーラを複数の航空機拘束具で固定するステップと、トレーラを遠隔地まで送るステップと、トレーラと基礎に取り付けられた複数のターンバックルを介してトレーラを遠隔地の基礎に固定するステップと、を含む方法。
[実施形態16]
発電装置を航空機で輸送し、遠隔地で発電装置を固定するための移動式発電所システムであって、発電装置を搭載したトレーラと、トレーラに取り付けられた複数のフックと、トレーラに取り付けられた1つまたは複数のウインチシャックルを有するウインチビームと、複数のフックのそれぞれに取り付けられたターンバックルを有する引張拘束具と、を含み、ウインチケーブルが1つまたは複数のウインチシャックルに取り付けられてトレーラを航空機に引き込むことができ、ターンバックルを有する引張拘束具がトレーラを遠隔地に固定する、移動式発電所システム。
[実施形態17]
トレーラは、タービントレーラを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の移動式発電所システム。
[実施形態18]
トレーラは、発電機トレーラを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の移動式発電所システム。
[実施形態19]
トレーラは、コントロールハウストレーラを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の移動式発電所システム。
[実施形態20]
トレーラは、複数のトレーラを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の移動式発電所システム。
【符号の説明】
【0028】
10:ガスタービンエンジン 15:圧縮機 20:空気の流れ 25:燃焼器 30:燃料の流れ 35:燃焼ガスの流れ 40:タービン 45:シャフト 50:発電機 55:排気フレーム 100:移動式発電所システム 110:トレーラ 120:タービントレーラ 130:発電機トレーラ 140:コントロールハウストレーラ 150:車輪 160:吸気セクション 170:フィルタアセンブリ 180:補助スキッド 190:第1の端部 200:第2の端部 220:拘束アセンブリ 230:システム軸 240:横軸 250:垂直軸 260:引張拘束具 270:締結拘束具 290:トレーラデッキ 300:基礎 310:ターンバックル 320:フック 325:航空機拘束具 330:溶接プレート 340:アンカープレート 350:剛性要素 360:第1の剛性部材 370:第2の剛性部材 380:ウインチシャックル 385:角度 390:ウインチビーム 395:ウインチケーブル 400:ベースプレート 410:締結具 420:シャックル 430:航空機 440:ケーブル 450:航空機用フック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【外国語明細書】