(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144170
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲーム制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 9/00 20060101AFI20241003BHJP
【ＦＩ】
A63F9/00 513
A63F9/00 508H
A63F9/00 512B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2024028345
(22)【出願日】2024-02-28
(62)【分割の表示】P 2023052115の分割
【原出願日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(72)【発明者】
【氏名】祖母仁田 剛
(72)【発明者】
【氏名】海老原 智
(57)【要約】
【課題】利用者が抽選に落選した場合でもゲームの継続を促進する。
【解決手段】ゲームシステムは、特別状態の選択肢を含む複数の選択肢の何れかを選択する予備抽選を実行する第１抽選部と、予備抽選により特別状態の選択肢が選択されない場合に、複数の選択肢のうちの特別状態の選択肢を増加させる制御部と、予備抽選により特別状態の選択肢が選択された場合に、所定の条件が成立すると、特別状態の選択肢の個数に応じて追加抽選を実行する第２抽選部とを具備する。
【選択図】図２
【解決手段】ゲームシステムは、特別状態の選択肢を含む複数の選択肢の何れかを選択する予備抽選を実行する第１抽選部と、予備抽選により特別状態の選択肢が選択されない場合に、複数の選択肢のうちの特別状態の選択肢を増加させる制御部と、予備抽選により特別状態の選択肢が選択された場合に、所定の条件が成立すると、特別状態の選択肢の個数に応じて追加抽選を実行する第２抽選部とを具備する。
【選択図】図２
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特別状態の選択肢を含む複数の選択肢の何れかを選択する第１抽選を実行する第１抽選部と、
前記第１抽選により特別状態の選択肢が選択されない場合に、前記複数の選択肢のうちの特別状態の選択肢を増加させる制御部と、
前記第１抽選により特別状態の選択肢が選択された場合に、所定の条件が成立すると、前記特別状態の選択肢の個数に応じて第２抽選を実行する第２抽選部と
を具備するゲームシステム。
前記第１抽選により特別状態の選択肢が選択されない場合に、前記複数の選択肢のうちの特別状態の選択肢を増加させる制御部と、
前記第１抽選により特別状態の選択肢が選択された場合に、所定の条件が成立すると、前記特別状態の選択肢の個数に応じて第２抽選を実行する第２抽選部と
を具備するゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
抽選での当選により利用者に報酬が付与される抽選ゲームが従来から提案されている。例えば特許文献１には、利用者がジャックポット抽選に落選した場合に、再挑戦のためのジャックポット予備抽選が、硬貨の投入と引換に実行される構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第７００４２１１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、利用者がジャックポット抽選に再挑戦するには、追加的な硬貨の投入とジャックポット予備抽選での当選とが必要であるから、再挑戦後のジャックポット抽選での当選に対する利用者の期待感を有効に維持することは、実際には困難である。以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様は、利用者が抽選に落選した場合でもゲームの継続を促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様に係るゲームシステムは、特別状態の選択肢を含む複数の選択肢の何れかを選択する第１抽選を実行する第１抽選部と、前記第１抽選により特別状態の選択肢が選択されない場合に、前記複数の選択肢のうちの特別状態の選択肢を増加させる制御部と、前記第１抽選により特別状態の選択肢が選択された場合に、所定の条件が成立すると、前記特別状態の選択肢の個数に応じて第２抽選を実行する第２抽選部とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】ひとつの形態におけるゲームシステムの構成を例示する平面図である。
【図2】ゲームの進行に関する説明図である。
【図3】ステーションの平面図である。
【図4】ゲームシステムのブロック図である。
【図5】通常ゲーム処理のフローチャートである。
【図6】第１特別抽選に利用される抽選ユニットＵ1の正面図である。
【図7】第１特別抽選の説明図である。
【図8】抽選カードの表示に関する説明図である。
【図9】選択装置の平面図である。
【図10】抽選カードに成立するラインの説明図である。
【図11】第１特別抽選のフローチャートである。
【図12】第２特別抽選に利用される抽選ユニットＵ2の正面図である。
【図13】第２特別抽選における抽選カードの説明図である。
【図14】第２特別抽選における抽選カードの説明図である。
【図15】第２特別抽選のフローチャートである。
【図16】第２特別抽選のフローチャートである。
【図17】第３特別抽選に利用される抽選ユニットＵ3の正面図である。
【図18】予備抽選に関する説明図である。
【図19】予備抽選における各選択肢の状態に関する説明図である。
【図20】初期抽選のフローチャートである。
【図21】追加抽選に関する説明図である。
【図22】報酬パターンの模式図である。
【図23】制御テーブルの模式図である。
【図24】追加抽選のフローチャートである。
【図25】第２特別抽選の変形例に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。以下に例示される形態は、本開示にとって必須ではない種々の限定を含む。したがって、本開示の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0008】
［実施形態］
図１は、本開示のひとつの態様に係るゲームシステム１００の平面図である。ゲームシステム１００は、例えば遊技施設に設置される。遊技施設は、例えばゲームセンターまたはカジノ等の娯楽施設、またはショッピングセンター等の商業施設である。ゲームシステム１００は、遊技施設内の複数の利用者（すなわちプレイヤ）にゲームを提供する。なお、例えばカジノにおいて使用されるゲームシステム１００は、ゲーミングマシンとも称呼される。
図１は、本開示のひとつの態様に係るゲームシステム１００の平面図である。ゲームシステム１００は、例えば遊技施設に設置される。遊技施設は、例えばゲームセンターまたはカジノ等の娯楽施設、またはショッピングセンター等の商業施設である。ゲームシステム１００は、遊技施設内の複数の利用者（すなわちプレイヤ）にゲームを提供する。なお、例えばカジノにおいて使用されるゲームシステム１００は、ゲーミングマシンとも称呼される。
【0009】
図１に例示される通り、ゲームシステム１００は、中央ユニットＵと複数のステーション７０とを具備する。複数のステーション７０は、中央ユニットＵを包囲するように周方向に配列される。各ステーション７０は、利用者がゲームをプレイするために使用するユニットである。相異なる利用者によるゲームが複数のステーション７０において並列に進行する。なお、図１においては６個のステーション７０が図示されているが、ステーション７０の個数は任意である。
【0010】
中央ユニットＵは、複数のステーション７０により共用される抽選機構であり、鉛直方向に沿う軸線を中心として回転可能な状態で支持される。中央ユニットＵは、相異なる属性Ａn（ｎ＝１～３）に対応する３個の抽選ユニットＵ1～Ｕ3を具備する。各属性Ａnは、抽選ユニットＵnを象徴する色彩である。例えば、属性Ａ1は黄色であり、属性Ａ2は青色であり、属性Ａ3は赤色である。３個の抽選ユニットＵ1～Ｕ3の各々の構造は相違する。中央ユニットＵが回転することで、３個の抽選ユニットＵ1～Ｕ3のうち任意の１個の抽選ユニットＵnが特定のステーション７０に対向する。なお、属性Ａnは色彩に限定されない。例えば特定の名称（例えば国名等）またはキャラクタ等の要素が属性Ａnとされてもよい。
【0011】
図２は、本実施形態におけるゲームの進行に関する説明図である。図２に例示される通り、本実施形態のゲームシステム１００においては、通常ゲームと初期抽選と特別抽選と追加抽選とが実行される。通常ゲームは、各利用者がステーション７０を使用して定常的にプレイするゲームである。複数のステーション７０の各々において通常ゲームが並列に進行する。
【0012】
特別抽選は、利用者の当選／落選を決定する抽選処理であり、中央ユニットＵにより実行される。特別抽選に当選した利用者には特別報酬（ジャックポット）が付与される。図２に例示される通り、相異なる属性Ａnに対応する３種類の特別抽選が用意される。各属性Ａnの特別抽選（第ｎ特別抽選）には、中央ユニットＵの３個の抽選ユニットＵ1～Ｕ3のうち当該属性Ａnに対応する抽選ユニットＵnが利用される。すなわち、第１特別抽選には抽選ユニットＵ1が利用され、第２特別抽選には抽選ユニットＵ2が利用され、第３特別抽選には抽選ユニットＵ3が利用される。前述の通り、各抽選ユニットＵnの構造は相違するから、特別抽選の方法は属性Ａn毎に相違する。なお、中央ユニットＵは「特別抽選部」の一例である。
【0013】
図２の初期抽選は、複数のステーション７０のうち通常ゲームにおいて所定の条件が成立したステーション７０において実行される。初期抽選は、利用者の当選／落選を抽選する抽選処理である。具体的には、初期抽選は、属性抽選と予備抽選とを含む。
【0014】
属性抽選は、３種類の属性Ａ1～Ａ3の何れかを決定する抽選処理である。予備抽選は、特別抽選のプレイの可否を決定する抽選処理である。すなわち、属性抽選で決定された属性Ａnに対応する特別抽選が、予備抽選での当選を条件として実行される。予備抽選の結果が落選である場合には、特別抽選が実行されることなく通常ゲームが再開される。
【0015】
追加抽選は、特別抽選に当選した場合に追加的に実行される。追加抽選は、特別報酬に追加される報酬（以下「追加報酬」という）の数量を決定する抽選処理である。特別抽選の結果が落選である場合には、追加抽選が実行されることなく通常ゲームが再開される。また、追加抽選の実行後には通常ゲームが再開される。予備抽選は「第１抽選」の一例であり、追加抽選は「第２抽選」の一例である。
【0016】
【0017】
表示装置７１は、各種の画像を表示する。表示装置７１は、例えば液晶パネルまたは有機ＥＬ（Electroluminescence）パネル等の表示パネルで構成される。操作パネル７２は、利用者による操作を受付ける入力機器である。具体的には、操作パネル７２は、操作装置７２１と受付装置７２２と払出装置７２３とを具備する。操作装置７２１は、利用者が操作する操作子である。なお、利用者による接触を検知するタッチパネルが操作装置７２１として利用されてもよい。
【0018】
受付装置７２２は、利用者からメダルを受付ける。具体的には、受付装置７２２は、物理メダルＧおよび電子メダルを利用者から受付ける。物理メダルＧは、円板状の有体の遊技価値である。電子メダルは、電子データにより実現される無体の遊技価値である。受付装置７２２のうち物理メダルＧを受付ける機構は、物理メダルＧが挿入される挿入口と、挿入口に対する物理メダルＧの挿入を検出する検出器とを具備する。また、受付装置７２２のうち電子メダルを受付ける機構は、例えば利用者の電子メダル口座を管理する口座管理システム（図示略）と通信する通信機器である。例えば、受付装置７２２は、口座管理システムとの通信により電子メダルの引出処理を実行する。なお、電子メダルの数量を記憶する記録媒体との近距離無線通信により電子メダルの引出処理を実行する通信機器が、受付装置７２２として利用されてもよい。
【0019】
受付装置７２２が利用者から受付けたメダルはクレジットに交換される。具体的には、受付装置７２２が受付けたメダルの数量に応じた数値が、利用者が保有するクレジットに加算される。クレジットは、利用者がゲームのプレイのために消費する遊技価値である。
【0020】
払出装置７２３は、メダルを出力する。具体的には、利用者が保有するクレジットに対応する数量のメダルが、払出装置７２３により出力される。払出装置７２３のうち物理メダルＧを出力する機構は、物理メダルＧを貯留する貯留容器と、貯留容器から物理メダルＧを順次に排出する排出機構とを具備する。また、払出装置７２３のうち電子メダルを出力する機構は、前述の口座管理システムとの通信により電子メダルの預入処理を実行する通信機器である。なお、電子メダルの数量を記憶する記録媒体との近距離無線通信により電子メダルの預入処理を実行する通信機器が、払出装置７２３として利用されてもよい。
【0021】
ゲーム装置７３は、利用者に通常ゲームを提供する機構である。本実施形態のゲーム装置７３は、固定テーブル７３１と可動テーブル７３２と投入装置７３３と固定壁７３４とを具備するプッシャーゲーム機である。
【0022】
固定テーブル７３１は、略水平に設置された平板材である。可動テーブル７３２は、固定テーブル７３１上で往復する立体的な構造体（プッシャーテーブル）である。固定テーブル７３１および可動テーブル７３２には多数の物理メダルＧが載置される。
【0023】
投入装置７３３は、操作装置７２１に対する利用者からの操作に応じて物理メダルＧを可動テーブル７３２上に供給する。また、投入装置７３３は、利用者から受付けた電子メダルまたはクレジットの消費と引換えに、可動テーブル７３２の上面に物理メダルＧを投入する。
【0024】
固定壁７３４は、可動テーブル７３２の上面に対向する構造体である。可動テーブル７３２に載置された物理メダルＧは、可動テーブル７３２が後方に移動する過程で固定壁７３４により前方に押圧される。固定壁７３４からの押圧により前方に移動した複数の物理メダルＧが可動テーブル７３２から落下する。また、固定テーブル７３１上の複数の物理メダルＧは、可動テーブル７３２により前方に押圧されることで固定テーブル７３１から落下する。固定テーブル７３１から落下した物理メダルＧの数量に応じた物理メダルＧが払出装置７２３から払出される。なお、固定テーブル７３１から落下した物理メダルＧの数量に応じた数値が利用者のクレジットに加算されてもよい。
【0025】
可動テーブル７３２の前面には複数の抽選孔７３５が形成される。可動テーブル７３２の表面から落下する複数の物理メダルＧの一部は抽選孔７３５に進入する。抽選孔７３５に対する物理メダルＧの進入を契機として通常抽選が実行される。通常抽選は、利用者の当選／落選を抽選により決定する抽選処理である。
【0026】
供給装置７６は、物理メダルＧまたは特別ボールＢをゲーム装置７３に供給する。例えば物理メダルＧは可動テーブル７３２上に供給され、特別ボールＢは固定テーブル７３１上に供給される。例えば通常抽選での当選を条件として、供給装置７６は特別ボールＢを供給する。特別ボールＢは、可動テーブル７３２の往復に連動して物理メダルＧともに前方に移動し、最終的には固定テーブル７３１から落下する。また、供給装置７６は、抽選装置７４に抽選ボールＢaを供給し、抽選装置７５に抽選ボールＢbを供給する。
【0027】
抽選装置７４は、３種類の属性Ａ1～Ａ3の何れかを決定する属性抽選に利用される抽選機構である。具体的には、抽選装置７４は、周縁部と比較して中央部が低い略円板状の構造体（いわゆるクルーン）である。抽選装置７４には、相異なる属性Ａnに対応する３個の抽選孔Ｈ1～Ｈ3が形成される。各抽選孔Ｈnは、抽選ボールＢaが進入可能な貫通孔である。供給装置７６から供給される抽選ボールＢaは、抽選装置７４の上面で周方向に転動しながら中央部に接近し、最終的には３個の抽選孔Ｈ1～Ｈ3の何れかに進入する。３個の抽選孔Ｈ1～Ｈ3のうち抽選ボールＢaが進入した抽選孔Ｈnに対応する属性Ａnが、抽選装置７４による抽選結果である。抽選装置７４は「属性抽選部」の一例である。
【0028】
抽選装置７５は、予備抽選に利用される抽選機構である。具体的には、抽選装置７５には、抽選ボールＢbが進入可能な抽選孔Ｈbが形成される。供給装置７６から供給される抽選ボールＢbは、抽選装置７５の上面で揺動しながら徐々に抽選孔Ｈbに接近し、最終的には抽選孔Ｈbに進入する。
【0029】
【0030】
制御装置８１は、ゲームシステム１００の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。具体的には、例えばＣＰＵ（Central Processing Unit）、ＧＰＵ（Graphics Processing Unit）、ＤＳＰ（Digital Signal Processor）、ＦＰＧＡ（Field Programmable Gate Array）、またはＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）等の１種類以上のプロセッサにより、制御装置８１が構成される。なお、制御装置８１の機能の一部または全部は、各ステーション７０に搭載されてもよい。
【0031】
記憶装置８２は、制御装置８１が実行するプログラムと制御装置８１が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置８２は、例えば磁気記録媒体もしくは半導体記録媒体等の公知の記録媒体、または、複数種の記録媒体の組合せで構成される。なお、ゲームシステム１００に着脱される可搬型の記録媒体が、記憶装置８２として利用されてもよい。また、通信網を介した書込または読出が可能な記録媒体（例えばクラウドストレージ）が、記憶装置８２として利用されてもよい。記憶装置８２は、例えば利用者が保有するクレジットの数量を記憶する。また、記憶装置８２は、特別報酬の暫定的な報酬量Ｊnを属性Ａn毎に記憶する。
【0032】
図５は、通常ゲームにおいて制御装置８１が実行する処理（以下「通常ゲーム処理」という）のフローチャートである。複数のステーション７０の各々について通常ゲーム処理が並列に反復される。
【0033】
通常ゲーム処理が開始されると、制御装置８１は、固定テーブル７３１から物理メダルＧが落下したか否かを判定する（Ｓ1）。物理メダルＧが落下した場合（Ｓ1：YES）、制御装置８１は、払出装置７２３を制御することで所定量の物理メダルＧの払出を実行する（Ｓ2）。なお、前述の通り、制御装置８１は、利用者が保有するクレジットに数値を加算してもよい。物理メダルＧが落下しない場合（Ｓ1：NO）、物理メダルＧの払出またはクレジットの加算（Ｓ2）は実行されない。
【0034】
制御装置８１は、可動テーブル７３２の抽選孔７３５に物理メダルＧが落下したか否かを判定する（Ｓ3）。物理メダルＧが抽選孔７３５に落下した場合（Ｓ3：YES）、制御装置８１は、通常抽選を実行する（Ｓ4）。通常抽選は、利用者の当選／落選を決定する抽選処理である。
【0035】
通常抽選は、例えばビデオスロットである。制御装置８１は、通常抽選において特定の図柄の組合せが成立したか否かを判定する（Ｓ5）。特定の図柄の組合せが成立した場合（Ｓ5：YES）、制御装置８１は、供給装置７６を制御することで特別ボールＢをゲーム装置７３に供給する（Ｓ6）。物理メダルＧが抽選孔７３５に落下しない場合（Ｓ3：NO）、通常抽選（Ｓ4）および特別ボールＢの供給（Ｓ6）は実行されない。
【0036】
制御装置８１は、特別ボールＢが固定テーブル７３１から落下したか否かを判定する（Ｓ7）。特別ボールＢが落下した場合（Ｓ7：YES）、制御装置８１は、初期抽選を実行する（Ｓ8）。初期抽選の具体的な手順については後述する。特別ボールＢが落下しない場合（Ｓ7：NO）、制御装置８１は、初期抽選を実行することなく処理をステップＳ1に移行する。
【0037】
【0038】
表示装置１１Lおよび表示装置１１Rは、例えば液晶パネルまたは有機ＥＬパネル等の表示パネルで構成され、制御装置８１による制御のもとで各種の画像を表示する。表示装置１１Lおよび表示装置１１Rは、横方向に移動可能である。具体的には、抽選ユニットＵ1は、表示装置１１Lと表示装置１１Rとが相互に隣接する待機状態と、表示装置１１Lと表示装置１１Rとが相互に離間する動作状態との一方から他方に制御される。待機状態において表示装置１１Lと表示装置１１Rとの背後に位置する供給装置１３が、動作状態においては表示装置１１Lと表示装置１１Rとの間に露出する。特別抽選の結果が当選である場合、供給装置１３は、多数の物理メダルＧを特別報酬としてゲーム装置７３に供給する。動作状態において表示装置１１Rは選択装置１２の背後に位置する。
【0039】
図７は、抽選ユニットＵ1を利用した第１特別抽選の説明図である。図７に例示される通り、制御装置８１は、記憶装置８２に記憶されたプログラムを実行することで、第１特別抽選を実行するための複数の機能（表示制御部５１１，選択部５１２，判定部５１３）を実現する。
【0040】
表示制御部５１１は、表示装置１１Lおよび表示装置１１Rに画像を表示する。例えば、表示制御部５１１は、第１特別抽選のルールと第１特別抽選の報酬量Ｊ1とを表示装置１１Lに表示する。
【0041】
また、表示制御部５１１は、図７に例示される通り、第１特別抽選に利用される抽選カードＣ1を表示装置１１Rに表示する。抽選カードＣ1は、複数のマスＱ1が配列されたビンゴカードである。第１特別抽選においては、抽選カードＣ1における複数のマスＱ1の各々が順次に選択される。
【0042】
図７に例示される通り、表示装置１１Rの表示面には、相互に直交するＸ軸とＹ軸とが設定される。Ｘ軸は横方向に沿う仮想的な軸線であり、Ｙ軸は縦方向に沿う仮想的な軸線である。複数のマスＱ1は、Ｘ軸とＹ軸とに沿って縦５行×横３列の行列状に配列される。Ｙ軸に沿う５個のマスＱ1の配列を以下では「表示列Ｌ」と表記する。すなわち、抽選カードＣ1は、Ｘ軸の方向に配列する３個の表示列Ｌで構成される。なお、各表示列Ｌを構成するマスＱ1の個数および抽選カードＣ1を構成する表示列Ｌの個数は、任意に変更され得る。Ｙ軸は「第１軸」の一例であり、Ｘ軸は「第２軸」の一例である。
【0043】
表示制御部５１１は、各マスＱ1を選択状態または非選択状態に設定する。選択状態は、各マスＱ1が選択された状態である。非選択状態は、各マスＱ1が選択されていない状態である。第１特別抽選が開始された直後の初期的な段階では、抽選カードＣ1の複数のマスＱ1のうち１個のマスＱ1が選択状態（以下「フリーマスＱ1」という）に設定され、残余のマスＱ1は非選択状態に設定される。なお、フリーマスＱ1の個数は任意である。
【0044】
複数のマスＱ1の各々には報酬量が表示される。各マスＱ1の選択毎に報酬量は段階的に増加する。例えば、初期的な状態では各マスＱ1の報酬量は「２０」に設定され、当該マスＱ1の選択毎に「２０」→「５０」→「１００」のという順番で段階的に報酬量が増加する。
【0045】
図８は、抽選カードＣ1に関する説明図である。図８に例示される通り、第１特別抽選の実行中、表示制御部５１１は、Ｙ軸に沿うＹ1方向に複数のマスＱ1を移動させる。Ｙ1方向は、縦方向の下向きである。すなわち、各表示列ＬがＹ1方向に移動する。図８のＹ2方向は、Ｙ1方向の反対の方向である。すなわち、Ｙ2方向は縦方向の上向きである。
【0046】
表示制御部５１１は、複数のマスＱ1のうちＹ1方向の端部に到達した各マスＱ1をＹ2方向の端部に移動する。すなわち、Ｙ1方向の端部に到達した各マスＱ1が非表示とされ、当該マスＱ1が状態（選択状態／非選択状態）を維持したままＹ2方向の端部に再表示される。各マスＱ1について「非表示」とは、当該マスＱ1の表示が消去されること、または、当該マスＱ1が他の表示要素によりマスクされることで利用者が視認できない状態になることを含む。
【0047】
さらに詳述すると、Ｙ1方向に移動するマスＱ1が抽選カードＣ1の表示範囲の外側に経時的に移動する過程において、当該マスＱ1のうち表示範囲の外側に到達した部分の表示が非表示とされるとともに、当該部分が表示範囲のうちＹ2方向の端部に表示される。すなわち、各表示列Ｌは表示範囲内においてＹ1方向に循環的に移動する。以上の説明から理解される通り、本実施形態の表示制御部５１１は、抽選カードＣ1を構成する複数のマスＱ1の全部を表示装置１１Rに並列に表示する。すなわち、複数のマスＱ1のうち非表示とされるマスＱ1はない。
【0048】
以上の説明から理解される通り、抽選カードＣ1の各表示列Ｌを構成する５個のマスＱ1のうち、Ｙ軸の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマスＱ1は、相互に隣合うマスＱ1と看做される。すなわち、１個の表示列Ｌを構成する５個のマスＱ1のうち、Ｙ1方向の端部に位置するマスＱ1とＹ2方向の端部に位置するマスＱ1とは、表示装置１１Rにおける実際の表示上は相互に離間した位置にあるが、第１特別抽選における制御上は、相互に隣合うマスＱ1として処理される。
【0049】
図７の選択装置１２は、抽選カードＣ1の３個の表示列Ｌの何れかを選択する抽選機構である。具体的には、本実施形態の選択装置１２は、相異なる表示列Ｌに対応する３個の目標地点Ｐの何れかに抽選ボールＢ1を搬送することで１個の表示列Ｌを選択する。すなわち、３個の表示列Ｌのうち抽選ボールＢ1が到達した目標地点Ｐに対応する１個の表示列Ｌが選択される。
【0050】
図９は、選択装置１２の平面図である。図７および図９に例示される通り、選択装置１２は、待機経路１２１と回転体１２２と目標経路１２３とを具備する。待機経路１２１は、抽選ボールＢ1をＸ軸の方向に揺動させる経路である。待機経路１２１の中央部は両端部と比較して低い位置にある。したがって、待機経路１２１に供給された抽選ボールＢ1はＸ軸の方向に揺動する。
【0051】
回転体１２２は、Ｘ軸に沿う軸線を中心として回転する円柱状の構造体である。回転体１２２の外周面は、相異なる表示列Ｌに対応する３個の領域Ｒに区分される。回転体１２２の各領域Ｒには周方向に沿って複数の保持部１２４が設置される。保持部１２４は、抽選ボールＢ1を保持する。具体的には、保持部１２４および抽選ボールＢ1の一方または双方に永久磁石が設置され、当該永久磁石の磁力により抽選ボールＢ1は保持部１２４に保持される。
【0052】
待機経路１２１上で揺動する抽選ボールＢ1は、図９に破線の矢印で図示される通り、３個の領域Ｒの何れかの保持部１２４により保持され、回転体１２２の回転により待機経路１２１から目標経路１２３に搬送される。
【0053】
目標経路１２３は、相異なる表示列Ｌに対応する３個の目標地点Ｐが設置された経路である。３個の目標地点ＰはＸ軸に沿って間隔をあけて配列される。各目標地点Ｐは、回転体１２２の３個の領域Ｒの何れかの範囲内にある。したがって、各領域Ｒ内の保持部１２４に保持された抽選ボールＢ1は、３個の目標地点Ｐのうち当該領域Ｒに対応する目標地点Ｐに到達する。抽選ボールＢ1が目標地点Ｐに到達したことは検出装置（図示略）により検出される。抽選ボールＢ1が目標地点Ｐに到達した時点において当該目標地点Ｐに対応する表示列Ｌが選択される。
【0054】
図７の選択部５１２は、選択装置１２により選択された１個の表示列Ｌの５個のマスＱ1の何れかを選択する。具体的には、選択部５１２は、表示列Ｌの５個のマスＱ1のうち、選択装置１２による選択の時点において表示範囲の最下段にある１個のマスＱ1を選択する。
【0055】
以上の説明から理解される通り、選択装置１２と制御装置８１（選択部５１２）とは、抽選カードＣ1の複数のマスＱ1の何れかを抽選により順次に選択する抽選部１４を構成する。すなわち、選択装置１２と制御装置８１との協働により、複数のマスＱ1の何れかを選択する抽選部１４が実現される。選択装置１２は「第１選択部」の一例であり、選択部５１２は「第２選択部」の一例である。
【0056】
図７の判定部５１３は、抽選カードＣ1の複数のマスＱ1の状態（選択状態／非選択状態）について所定の条件が成立するか否かを判定する。具体的には、判定部５１３は、選択状態にある３個のマスＱ1の配列（以下「ライン」という）が成立したか否かを判定する。本実施形態の判定部５１３は、前述の通り、各表示列ＬのうちＹ軸の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマスＱ1を相互に隣合うマスＱ1と看做して、１以上のラインが成立したか否かを判定する。１以上のラインの成立により、第１特別抽選の結果は当選となる。
【0057】
図１０は、判定部５１３による判定の説明図である。図１０に例示される通り、抽選カードＣ1においては、表示列Ｌ内においてＸ軸に沿うラインと、Ｙ軸に沿うラインと、Ｘ軸およびＹ軸に対して傾斜する方向（すなわち斜め方向）に沿うラインとが成立し得る。判定部５１３は、以上に例示した何れかの方向のラインが成立したか否かを判定する。
【0058】
図７および図８に例示される通り、表示制御部５１１は、抽選カードＣ1の複数のマスＱ1のうち、抽選部１４により選択された場合にラインが成立することになるマスＱ1（以下「目標マスＱ1」という）の表示態様を、通常の態様から特別な態様に変更する。具体的には、表示制御部５１１は、目標マスＱ1の表示を、報酬量が表示された状態から「ＪＰ（ジャックポット）」の文字が表示された状態に変更する。「ＪＰ」の文字は、第１特別抽選の当選を意味する。以上の構成によれば、ラインの成立のために抽選により選択されるべきマスＱ1を、利用者が視覚的および直観的に把握できる。各マスＱ1に報酬量が表示された状態は「第１態様」の一例であり、各マスＱ2に「ＪＰ」の文字が表示された状態は「第２態様」の一例である。
【0059】
図１１は、第１特別抽選のフローチャートである。前述の通り、属性抽選において属性Ａ1が選択され、かつ、予備抽選の結果が当選である場合に、第１特別抽選が開始される。
【0060】
第１特別抽選が開始されると、制御装置８１は、抽選カードＣ1を初期化する（Ｓa1）。具体的には、抽選カードＣ1の各マスＱ1の報酬量を初期値（２０）に設定し、複数のマスＱ1の何れかを選択状態に設定する。選択状態に設定されるマスＱ1は、複数のマスＱ1から無作為に選択されてもよいし、特定の表示列Ｌ（例えば中央の表示列Ｌ）から無作為に選択されてもよい。制御装置８１（表示制御部５１１）は、抽選カードＣ1を表示装置１１Rに表示し、各表示列ＬをＹ1方向に移動する（Ｓa2）。なお、抽選カードＣ1の初期化（Ｓa1）は省略されてよい。すなわち、前回の第１特別抽選における抽選カードＣ1の状態が。今回の第１特別抽選に引継されてもよい。
【0061】
制御装置８１は、表示列Ｌの選択を選択装置１２に指示する（Ｓa3）。選択装置１２は、制御装置８１からの指示に応じて待機経路１２１に抽選ボールＢ1を供給し、当該抽選ボールＢ1を搬送することで３個の表示列Ｌの何れかを選択する。
【0062】
制御装置８１（選択部５１２）は、前述の通り、選択装置１２が選択した表示列Ｌの５個のマスＱ1のうち当該選択の時点において最下段にある１個のマスＱ1を選択する（Ｓa4）。制御装置８１（表示制御部５１１）は、選択したマスＱ1の状態を更新する（Ｓa5）。
【0063】
例えば、非選択状態のマスＱ1が選択された場合には、当該マスＱ1が選択状態に変更される。選択状態のマスＱ1が選択された場合には、当該マスＱ1の報酬量が増加される。フリーマスＱ1が選択された場合、抽選カードＣ1内のマスＱ1の選択（Ｓa3，Ｓa4）が再実行される。また、選択の結果として、あと１個のマスＱ1の選択によりラインが成立するリーチ状態になると、制御装置８１（表示制御部５１１）は、目標マスＱ1の表示態様を変更する。
【0064】
制御装置８１は、選択されたマスＱ1に対応する報酬量の物理メダルＧの供給を供給装置７６に指示する（Ｓa6）。したがって、選択されたマスＱ1の報酬量に相当する物理メダルＧが、ゲーム装置７３に供給される。また、制御装置８１は、選択されたマスＱ1に対応する報酬量を、記憶装置８２に記憶された特別報酬の報酬量Ｊ1に加算する。なお、以上の説明においてはマスＱ1の選択毎に物理メダルＧがゲーム装置７３に供給される形態を例示したが、選択されたマスＱ1の報酬量が選択毎に順次に積算されてもよい。第１特別抽選の終了後に、最終的な積算値に相当する数量の物理メダルＧが、当該第１特別抽選における当選／落選に関わらず、供給装置７６からゲーム装置７３に供給される。
【0065】
制御装置８１は、抽選カードＣ1におけるマスＱ1の選択の回数が所定値に到達したか否かを判定する（Ｓa7）。所定値は例えば「４」である。選択の回数が所定値を下回る場合（Ｓa7：NO）、制御装置８１は、処理をステップＳa3に移行する。すなわち、各表示列Ｌの移動に並行して、抽選部１４によるマスＱ1の選択が反復される。
【0066】
選択の回数が所定値に到達した場合（Ｓa7：YES）、制御装置８１は、抽選カードＣ1において１個以上のラインが成立したか否かを判定する（Ｓa8）。本実施形態においては、初期的に１個のマスＱ1が選択状態に設定され、かつ、抽選部１４によるマスＱ1の選択が４回にわたり反復される。したがって、例えば１個の表示列Ｌのうち相異なる組合せのマスＱ1で構成される２個のラインが成立する場合がある。
【0067】
１個以上のラインが成立した場合（Ｓa8：YES）に、第１特別抽選の結果は当選となる（Ｓa9）。制御装置８１は、第１特別抽選の当選に対する特別報酬の数量を決定する（Ｓa10）。具体的には、制御装置８１は、記憶装置８２に記憶された報酬量Ｊ1と抽選カードＣ1において成立したラインの総数とに応じて特別報酬の数量を決定する。例えば、報酬量Ｊ1とラインの総数との乗算値が、特別報酬の数量として決定される。なお、成立したラインの総数に応じた数値が報酬量Ｊ1に加算されてもよい。
【0068】
制御装置８１は、以上の手順で決定した数量の特別報酬を利用者に付与する（Ｓa11）。具体的には、制御装置８１は、供給装置１３を制御することで当該数量の物理メダルＧをゲーム装置７３に供給する。
【0069】
他方、抽選カードＣ1にラインが成立しない場合（Ｓa8：NO）、第１特別抽選の結果は落選となる（Ｓa12）。第１特別抽選の結果が落選である場合、制御装置８１は、供給装置７６を制御することで所定量の物理メダルＧをゲーム装置７３に供給する。落選時における報酬量は、特別報酬の数量を下回る。第１特別抽選の手順は以上の通りである。
【0070】
以上に説明した通り、第１特別抽選においては、Ｙ軸の方向において反対側の端部に位置する２個のマスＱ1を相互に隣合うマスＱ1と看做して、選択状態にある所定個のマスＱ1の配列（すなわちライン）が成立したか否かが判定される。すなわち、反対側の端部に位置するマスＱ1が相互に隣合うマスＱ1と看做されない形態と比較してラインが成立する機会が増加する。したがって、ラインが成立するという利用者の期待感を長時間にわたり維持できる。
【0071】
本実施形態においては、表示装置１１Rに表示された複数のマスＱ1がＹ軸に沿って移動するから、Ｙ軸に沿って相互に隣合う２個のマスＱ1は、Ｙ軸の方向において相互に反対側の端部に位置する状態（すなわち相互に隣合うマスＱ1と看做される状態）と、Ｙ軸の方向に実際に隣合う状態とで表示される。したがって、利用者は、選択状態にある２個のマスＱ1がＹ軸の方向に隣合うことを視覚的に把握し易い。本実施形態においては特に、複数のマスＱ1の全部が表示装置１１Rに並列に表示された状態で各マスＱ1がＹ軸の方向に移動する。したがって、複数のマスＱ1の各々がＹ軸の方向に相互に隣合う状態を利用者が視覚的および直観的に把握できる。
【0072】
また、本実施形態においては、複数のマスＱ1がＹ1方向に移動する構成のもとで、選択装置１２が表示列Ｌを選択した時点において特定の位置にあるマスＱ1が選択される。したがって、表示装置１１Rに表示される複数のマスＱ1のうち何れのマスＱ1が選択されるのかを、利用者が視覚的に把握し易い。
【0073】
［抽選ユニットＵ2］
図１２は、属性Ａ2の第２特別抽選に利用される抽選ユニットＵ2の正面図である。図１２に例示される通り、抽選ユニットＵ2は、表示装置２５と抽選機構２６とを具備する。抽選機構２６は、抽選装置２１と抽選装置２２とを具備する。抽選装置２１と抽選装置２２とが相互に間隔をあけて横方向に配列され、抽選装置２１と抽選装置２２との間に表示装置２５が設置される。表示装置２５は、例えば液晶パネルまたは有機ＥＬパネル等の表示パネルで構成され、制御装置８１による制御のもとで画像を表示する。抽選機構２６は「抽選部」の一例である。
図１２は、属性Ａ2の第２特別抽選に利用される抽選ユニットＵ2の正面図である。図１２に例示される通り、抽選ユニットＵ2は、表示装置２５と抽選機構２６とを具備する。抽選機構２６は、抽選装置２１と抽選装置２２とを具備する。抽選装置２１と抽選装置２２とが相互に間隔をあけて横方向に配列され、抽選装置２１と抽選装置２２との間に表示装置２５が設置される。表示装置２５は、例えば液晶パネルまたは有機ＥＬパネル等の表示パネルで構成され、制御装置８１による制御のもとで画像を表示する。抽選機構２６は「抽選部」の一例である。
【0074】
抽選装置２１は、複数の選択肢の何れかを選択する物理抽選機構である。複数の選択肢は、複数の通常選択肢と複数の特別選択肢（Ｃ）とを含む。複数の通常選択肢の各々は、「１」から「９」までの９個の数字の何れかである。
【0075】
抽選装置２１は、抽選盤２１１と駆動装置２１２と供給装置２１３とを具備する。抽選盤２１１は、水平方向に沿う軸線を中心として回転可能な円板状の部材である。抽選盤２１１の外周縁の近傍には、相異なる選択肢に対応する複数の抽選孔２１４が設置される。具体的には、相異なる通常選択肢に対応する９個の抽選孔２１４と、特別選択肢に対応する３個の抽選孔２１４とが抽選盤２１１に設置される。なお、特別選択肢に対応する３個の抽選孔２１４は、周方向に相互に離間して設置される。
【0076】
駆動装置２１２は、抽選盤２１１を回転させるモータである。供給装置２１３は、抽選ボールＢ21を抽選盤２１１上に供給する。駆動装置２１２による抽選盤２１１の回転に並行して供給装置２１３により抽選ボールＢ21が供給される。したがって、抽選ボールＢ21は抽選盤２１１の盤面に沿って落下し、最終的には複数の抽選孔２１４の何れかに進入する。複数の選択肢のうち抽選ボールＢ21が進入した抽選孔２１４に対応する選択肢（通常選択肢または特別選択肢）が、抽選装置２１による抽選結果である。
【0077】
抽選装置２２は、３個の数字（以下「候補値」という）の何れかを選択する物理抽選機構であり、抽選盤２２１と駆動装置２２２と供給装置２２３と表示装置２２４とを具備する。表示装置２２４は、３個の候補値を表示可能な７セグメント表示器である。表示装置２２４が表示する３個の候補値は変更可能である。なお、表示装置２２４は、液晶パネルまたは有機ＥＬパネル等の表示パネルで構成されてもよい。
【0078】
抽選盤２２１は、水平方向に沿う軸線を中心として回転可能な円板状の部材である。抽選盤２２１の周縁の近傍には、表示装置２２４が表示する相異なる候補値に対応する複数の抽選孔２２５が設置される。すなわち、抽選盤２２１の各抽選孔２２５と表示装置２２４が表示する各候補値とは、１対１に対応する。
【0079】
駆動装置２２２は、抽選盤２２１を回転させるモータである。供給装置２２３は、抽選ボールＢ22を抽選盤２２１の盤面上に供給する。駆動装置２２２による抽選盤２２１の回転に並行して供給装置２２３により抽選ボールＢ22が供給される。したがって、抽選ボールＢ22は抽選盤２２１の盤面に沿って落下し、最終的には複数の抽選孔２２５の何れかに進入する。複数の候補値のうち抽選ボールＢ22が進入した抽選孔２２５に対応する候補値が、抽選装置２２による抽選結果である。
【0080】
図１２に例示される通り、制御装置８１は、記憶装置８２に記憶されたプログラムを実行することで、第２特別抽選を実行するための複数の機能（表示制御部５２１，判定部５２２，報酬付与部５２３）を実現する。
【0081】
表示制御部５２１は、表示装置２５に画像を表示する。具体的には、表示制御部５２１は、第２特別抽選に利用される抽選カードＣ2を表示装置２５に表示する。図１３および図１４に例示される通り、抽選カードＣ2は、相異なる通常選択肢に対応する複数のマスＱ2が縦３行×横３列の行列状に配列されたビンゴカードである。すなわち、複数のマスＱ2の各々には、「１」から「９」の何れかの数値である１個の通常選択肢が割当てられる。なお、抽選カードＣ2を構成するマスＱ2の総数、および抽選カードＣ2におけるマスＱ2の配列は、任意に変更されてよい。
【0082】
表示制御部５２１は、各マスＱ2を選択状態または非選択状態に設定する。選択状態は、各マスＱ2が選択された状態である。非選択状態は、各マスＱ2が選択されていない状態である。第２特別抽選が開始された直後の初期的な段階では、抽選カードＣ2の複数のマスＱ2のうち２個のマスＱ2が選択状態（いわゆるフリー状態）に設定され、残余のマスＱ2は非選択状態に設定される。
【0083】
図１２の判定部５２２は、抽選カードＣ2において所定の当選条件が成立したか否かを判定する。当選条件は、抽選カードＣ2の複数のマスＱ2のうち選択状態にある２以上のマスＱ2の配列に関する条件である。具体的には、当選条件は、抽選カードＣ2において選択状態にある３個のマスＱ2の配列（ライン）が成立することである。図１３および図１４から理解される通り、抽選カードＣ2においては、縦方向に沿うラインと、横方向に沿うラインと、斜め方向に沿うラインとが成立し得る。判定部５２２は、以上に例示した何れかの方向のラインが成立したか否かを判定する。報酬付与部５２３は、当選条件が成立した場合に利用者に特別報酬を付与する。
【0084】
【0085】
第２特別抽選が開始されると、制御装置８１は、抽選装置２２を制御することで報酬倍率αを決定する（Ｓb1）。具体的には、制御装置８１は、報酬倍率αに関する３個の候補値を表示装置２２４に表示した状態で供給装置２２３に抽選ボールＢ22を供給させる。３個の候補値は相異なる数値である。ただし、３個の候補値のうち２個の候補値は共通の数値でもよい。制御装置８１は、抽選盤２２１の複数の抽選孔２２５のうち抽選ボールＢ22が進入した抽選孔２２５に対応する候補値を、報酬倍率αとして設定する。
【0086】
制御装置８１（表示制御部５２１）は、複数のマスＱ2で構成される抽選カードＣ2を表示装置２５に表示する（Ｓb2）。初期的な抽選カードＣ2においては、複数のマスＱ2のうち２個のマスＱ2が選択状態に設定され、残余のマスＱ2が非選択状態に設定される。具体的には、初期的な抽選カードＣ2においては、１個のマスＱ2が非選択状態から選択状態に変更された場合に、選択状態にある２個のマスＱ2との間で１個のラインが成立するように、初期的に選択状態に設定される２個のマスＱ2が決定される。すなわち、初期的な抽選カードＣ2は、１個のマスＱ2が選択状態に設定されることでラインが成立するリーチ状態にある。なお、初期的な抽選カードＣ2において選択状態に設定されるマスＱ2の個数は２個に限定されない。例えば、初期的な抽選カードＣ2において１個または３個以上のマスＱ2が選択状態に設定されてもよいし、初期的な抽選カードＣ2において全部のマスＱ2が非選択状態に設定されてもよい。
【0087】
制御装置８１は、複数の選択肢の何れかを選択する第１抽選を抽選装置２１に実行させる（Ｓb3）。具体的には、制御装置８１は、抽選装置２１の供給装置２１３に抽選ボールＢ21を供給させる。抽選装置７５1は、制御装置８１による制御のもとで、複数の通常選択肢と複数の特別選択肢とを含む複数の選択肢の何れかを選択する第１抽選を実行する。
【0088】
制御装置８１は、第１抽選により選択された選択肢が特別選択肢であるか否かを判定する（Ｓb4）。第１抽選において通常選択肢が選択された場合（Ｓb4：NO）、制御装置８１（表示制御部５２１）は、抽選カードＣ2の複数のマスＱ2のうち第１抽選により選択された通常選択肢に対応するマスＱ2を、選択状態に設定する（Ｓb5）。
【0089】
他方、第１抽選により特別選択肢が選択された場合（Ｓb4：YES）、制御装置８１は、抽選装置２２に第２抽選を実行させる（Ｓb6－Ｓb8）。第２抽選は、第１抽選による選択の候補である９個の通常選択肢のうち３個の通常選択肢の何れかを選択する抽選処理である。すなわち、第２抽選による選択の候補となる通常選択肢の個数（３）は、第１抽選による選択の候補となる通常選択肢の個数（９）を下回る。したがって、第２抽選において目標選択肢が選択される確率は、第１抽選において目標選択肢が選択される確率を上回る。以上の通り、本実施形態においては、第２抽選による選択の候補となる通常選択肢の個数が、第１抽選による選択の候補となる通常選択肢の個数を下回る。したがって、第２抽選において目標選択肢が選択される確率が、第１抽選において目標選択肢が選択される確率を上回る状態を実現できる。
【0090】
制御装置８１は、まず、第２抽選による選択の候補となる３個の通常選択肢を決定する（Ｓb6）。第２抽選による選択の候補となる３個の通常選択肢は、目標選択肢を含む。目標選択肢は、複数の通常選択肢のうち、選択された場合に当選条件が成立することになる通常選択肢である。すなわち、目標選択肢は、当該目標選択肢の選択によりラインが成立することになる通常選択肢である。したがって、目標選択肢は、抽選カードＣ2の複数のマスＱ2のうち非選択状態のマスＱ2に対応する通常選択肢である。以上の構成によれば、第２抽選において目標選択肢が選択されることで、当該目標選択肢に対応するマスＱ2の状態が非選択状態から選択状態に変化する。すなわち、複数のマスＱ2を利用したゲームが進行する。したがって、当選条件の成立に対する期待感を利用者に付与できる。
【0091】
図１３においては、第１行第１列の通常選択肢「１」と、第３行第３列の通常選択肢「４」とが選択状態にある場合が想定されている。以上の状態においては、第２行第２列の通常選択肢「９」が選択状態に設定された場合に、「１」「９」「４」という斜め方向のラインが成立する。したがって、制御装置８１は、通常選択肢「９」を目標選択肢として第２抽選の候補に設定する。
【0092】
第２特別抽選の結果が落選である場合、抽選カードＣ2の状態は次回の第２特別抽選に引継される。図１４においては、図１３に例示された２個の通常選択肢（すなわち「１」「４」）に加えて、第１行第２列の通常選択肢「７」と、第３行第２列の通常選択肢「５」とが選択状態に設定された状態が例示されている。図１４の状態において、例えば第１行第３列の通常選択肢「８」が選択状態に設定された場合に、「１」「７」「８」という横方向の１個のラインが成立する。同様に、例えば第３行第１列の通常選択肢「３」が選択状態に設定された場合には、「３」「５」「４」という横方向の１個のラインが成立する。
【0093】
他方、図１４の状態において、例えば第２行第２列の通常選択肢「９」が選択状態に設定された場合、「１」「９」「４」という斜め方向の１個のラインと、「７」「９」「５」という縦方向の１個ラインとが同時に成立する。すなわち、通常選択肢「９」の選択により２個のラインが成立する。図１４の状態において、制御装置８１は、通常選択肢「９」を目標選択肢に設定する。すなわち、相異なる組合せのマスＱ2で構成される２以上のラインが成立することになる通常選択肢が、目標選択肢として設定される。さらに、制御装置８１は、選択により１以上のラインが成立することになる通常選択肢も目標選択肢として設定する。すなわち、制御装置８１は、通常選択肢「９」に加えて、通常選択肢「８」または「３」も目標選択肢に設定する。以上の通り、第２抽選による選択の候補に２個の目標選択肢が含まれる。
【0094】
また、第２抽選による選択の候補となる３個の通常選択肢は、９個の通常選択肢のうち、第２抽選により選択された場合に当選条件が成立しない通常選択肢を含む。例えば、図１３に例示された状態においては、「７」「８」「６」「２」「３」「５」の６個の通常選択肢の何れが選択されてもラインは成立しない。したがって、制御装置８１は、「７」「８」「６」「２」「３」「５」の６個の通常選択肢の何れかを、第２抽選による選択の候補となる３個の通常選択肢に含ませる。また、例えば図１４の状態においては、「６」「２」の２個の通常選択肢の何れが選択されてもラインは成立しない。したがって、制御装置８１は、「６」「２」の２個の通常選択肢の何れかを、第２抽選による選択の候補となる３個の通常選択肢に含ませる。
【0095】
以上の通り、第２抽選で選択される３個の通常選択肢は、選択時に当選条件が成立しない通常選択肢を含む。すなわち、第２抽選の結果として、当選条件が成立する場合と成立しない場合とが発生し得る。したがって、第２抽選の結果として当選条件が必ず成立する形態と比較してゲームの興趣性を維持し易い。ただし、第２抽選による選択の候補となる３個の通常選択肢の全部が、選択時に当選条件が成立する通常選択肢である形態も想定される。以上の形態によれば、第２抽選により３個の通常選択肢の何れが選択された場合でも、当選条件が成立する。
【0096】
以上の手順により３個の通常選択肢を決定すると、制御装置８１は、３個の通常選択肢の何れかを選択する第２抽選を抽選装置２２に実行させる（Ｓb7）。具体的には、制御装置８１は、抽選装置２２の表示装置２２４に３個の通常選択肢を候補値として表示し、供給装置２２３に抽選ボールＢ22を供給させる。抽選装置２２は、目標選択肢を含む３個の通常選択肢の何れかを選択する第２抽選を実行する。
【0097】
以上の説明から理解される通り、抽選装置２２は、報酬倍率αを決定する抽選（Ｓb1）と第２抽選（Ｓb7）とに兼用される。制御装置８１（表示制御部５２１）は、抽選カードＣ2の複数のマスＱ2のうち第２抽選により選択された通常選択肢に対応するマスＱ2を、選択状態に設定する（Ｓb8）。
【0098】
以上の説明から理解される通り、抽選機構２６は、第１抽選と第２抽選とを実行する。本実施形態の抽選機構２６は、第１抽選を実行する抽選装置２１と、第２抽選を実行する抽選装置２２とを含む。すなわち、本実施形態においては第１抽選と第２抽選とが別個の抽選装置により実行される。したがって、第１抽選と第２抽選とに共通の抽選装置が流用される形態と比較して、興趣性の高い多様なゲームを提供できる。ただし、第１抽選と第２抽選とは共通の抽選装置により実行されてもよい。なお、抽選装置２１は「第１抽選装置」の一例であり、抽選装置２２は「第２抽選装置」の一例である。
【0099】
以上の手順により抽選カードＣ2の状態を更新すると、制御装置８１（判定部５２２）は、図１６に例示される通り、更新後の抽選カードＣ2において当選条件が成立したか否かを判定する（Ｓb9）。すなわち、制御装置８１は、第１抽選または第２抽選における通常選択肢の選択の結果について当選条件が成立するか否かを判定する。具体的には、更新後の抽選カードＣ2において１個以上のラインが成立したか否かが判定される。
【0100】
当選条件が成立した場合（Ｓb9：YES）、第２特別抽選の結果は当選となる（Ｓb10）。制御装置８１（報酬付与部５２３）は、第２特別抽選の当選に対する特別報酬の数量を決定する（Ｓb11）。具体的には、制御装置８１は、記憶装置８２に記憶された報酬量Ｊ2と、抽選（Ｓb1）により決定された報酬倍率αと、抽選カードＣ2において成立したラインの総数とに応じて、特別報酬の数量を決定する。例えば、報酬量Ｊ2と報酬倍率αとラインの総数との乗算値が、特別報酬の数量として決定される。抽選カードＣ2において成立したラインの総数は、第２特別抽選において当選条件が成立した回数（成立数）である。以上の説明から理解される通り、制御装置８１（報酬付与部５２３）は、当選条件が成立した回数に応じた報酬を利用者に付与する。
【0101】
制御装置８１は、以上の手順で決定した数量の特別報酬を利用者に付与する（Ｓb12）。具体的には、制御装置８１は、供給装置１３を制御することで当該数量の物理メダルＧをゲーム装置７３に供給する。また、制御装置８１は、抽選カードＣ2を初期化する（Ｓb13）。
【0102】
前述の通り、図１４の状態において、通常選択肢「８」または「３」が選択された場合には１個のラインが成立する。他方、通常選択肢「９」が選択された場合には２個のラインが成立する。したがって、通常選択肢「９」が選択された場合の特別報酬の数量は、通常選択肢「８」または「３」が選択された場合の特別報酬の数量を上回る。本実施形態においては、当選条件の成立時に利用者に付与される特別報酬の数量が多い通常選択肢が、優先的に目標選択肢として選択される。すなわち、制御装置８１は、当選条件の成立時に利用者に付与される報酬の価値の降順により、複数の通常選択肢から目標選択肢を選択する。したがって、多量の報酬を獲得できるという期待感を利用者に付与できる。
【0103】
他方、当選条件が成立しない場合（Ｓb9：NO）、第２特別抽選の結果は落選となる（Ｓb14）。制御装置８１は、供給装置７６を制御することで所定量の物理メダルＧをゲーム装置７３に供給する。第２特別抽選の結果が落選である場合、抽選カードＣ2は初期化されない。すなわち、抽選カードＣ2が現在の状態に維持されたまま次回の第２特別抽選でも利用される。
【0104】
以上に説明した通り、第２特別抽選においては、複数の選択肢のうちの特別選択肢が選択された場合に、当選条件の成立に寄与する目標選択肢が第１抽選よりも高い確率で選択される第２抽選が実行される。したがって、利用者は、第１抽選における通常選択肢の選択による当選条件の成立を期待するほか、特別選択肢が選択された場合には、第２抽選において目標選択肢が高確率で選択されることによる当選条件の成立を期待する。すなわち、複数の通常選択肢の何れかが抽選により選択されるだけの形態と比較して、当選条件の成立に対する利用者の期待感が維持される興趣性の高いゲームを提供できる。
【0105】
本実施形態においては特に、第１抽選または第２抽選により選択された通常選択肢に対応するマスＱ2が選択状態に設定され、選択状態にある２以上のマスＱ2の配列について当選条件の成否が判定される。したがって、利用者は、複数のマスＱ2の配列に応じて視覚的または直観的に当選条件の成否を把握できる。
【0106】
また、本実施形態においては、選択時に複数のラインが成立することになる通常選択肢が、目標選択肢として第２抽選による選択の候補となる。したがって、複数の配列について当選条件が成立するという期待感を利用者に付与できる。
【0107】
［抽選ユニットＵ3］
図１７は、属性Ａ3の第３特別抽選に利用される抽選ユニットＵ3の正面図である。図１７に例示される通り、抽選ユニットＵ3は、表示装置３１と抽選装置３２とを具備する。表示装置３１は、例えば液晶パネルまたは有機ＥＬパネル等の表示パネルで構成され、制御装置８１による制御のもとで各種の画像を表示する。
図１７は、属性Ａ3の第３特別抽選に利用される抽選ユニットＵ3の正面図である。図１７に例示される通り、抽選ユニットＵ3は、表示装置３１と抽選装置３２とを具備する。表示装置３１は、例えば液晶パネルまたは有機ＥＬパネル等の表示パネルで構成され、制御装置８１による制御のもとで各種の画像を表示する。
【0108】
抽選装置３２は、複数の選択肢の何れかを選択する物理抽選機構である。抽選装置３２は、抽選盤３２１と駆動装置３２２と供給装置３２３とを具備する。抽選盤３２１は、水平方向に沿う軸線を中心として回転可能な円板状の部材である。抽選盤３２１の外周縁の近傍には複数の抽選孔３２４が設置される。複数の抽選孔３２４の各々は複数の選択肢の何れかに対応する。選択肢毎に１個以上の抽選孔３２４が抽選盤３２１に設置される。
【0109】
駆動装置３２２は、抽選盤３２１を回転させるモータである。供給装置３２３は、抽選ボールＢ3を抽選盤３２１の盤面上に供給する。駆動装置３２２による抽選盤３２１の回転に並行して供給装置３２３により抽選ボールＢ3が供給される。したがって、抽選ボールＢ3は抽選盤３２１の盤面に沿って落下し、最終的には複数の抽選孔３２４の何れかに進入する。複数の選択肢のうち抽選ボールＢ3が進入した抽選孔３２４に対応する選択肢が、抽選装置３２による抽選結果である。抽選装置３２により選択された選択肢に対応する数値が、記憶装置８２に記憶された報酬量Ｊ3に加算される。
【0110】
以上のように抽選ボールＢ3の供給により複数の抽選孔３２４の何れかを選択する抽選が、所定の終了条件の成立まで反復される。終了条件は、例えば、報酬量Ｊ3が所定値に到達すること、または、複数の抽選孔３２４のうち特定の抽選孔３２４（終了ポケット）に抽選ボールＢ3が進入すること、を含む。ただし、第３特別抽選が開始された当初に供給される所定個の抽選ボールＢ3については、特定の抽選孔３２４に進入しても終了条件は成立しない。
【0111】
制御装置８１は、複数の選択肢３１１を表示装置３１に表示する。各選択肢３１１は、抽選装置３２による選択毎に段階が順次に進行し、抽選装置３２による３回の選択により最終的な段階に到達する。複数の選択肢３１１のうち特定の選択肢３１１aが最終的な段階に到達した場合に、第３特別抽選の結果は当選となる。当選後にさらに選択肢３１１aが選択されるたびに報酬量Ｊ3が増加する。他方、前述の終了条件が成立するまでに選択肢３１１aが最終的な段階に到達しない場合、第３特別抽選の結果は落選となる。
【0112】
第３特別抽選の結果が当選である場合、制御装置８１は、記憶装置８２に記憶された報酬量Ｊ3に応じた数量の特別報酬を利用者に付与する。具体的には、制御装置８１は、供給装置１３を制御することで報酬量Ｊ3の物理メダルＧをゲーム装置７３に供給する。なお、複数の選択肢のなかには、最終的な段階に到達した場合に選択肢３１１aの段階を進行させる選択肢（ＪＰステップ）、および、最終的な段階に到達した場合に特別報酬の数量が２倍に増加する抽選ゲームが実行される選択肢（DOUBLE UP）も存在する。
【0113】
［予備抽選］
図１８は、図２の予備抽選に関する説明図である。図１８に例示される通り、予備抽選には、各ステーション７０における表示装置７１と抽選装置７５とが利用される。前述の通り、供給装置７６から抽選装置７５に供給される抽選ボールＢbは、抽選装置７５の上面で揺動しながら徐々に抽選孔Ｈbに接近し、最終的に抽選孔Ｈbに進入する。
図１８は、図２の予備抽選に関する説明図である。図１８に例示される通り、予備抽選には、各ステーション７０における表示装置７１と抽選装置７５とが利用される。前述の通り、供給装置７６から抽選装置７５に供給される抽選ボールＢbは、抽選装置７５の上面で揺動しながら徐々に抽選孔Ｈbに接近し、最終的に抽選孔Ｈbに進入する。
【0114】
図１８に例示される通り、制御装置８１は、記憶装置８２に記憶されたプログラムを実行することで、予備抽選を制御する第１制御部５４を実現する。
【0115】
第１制御部５４は、抽選画像６０と指示画像６２とを表示装置７１に表示する。抽選画像６０は、複数の選択肢６１を含む円形状の画像である。複数の選択肢６１は、周方向に配列される扇形の画像である。各選択肢６１の中心角は相等しい。第１制御部５４は、抽選画像６０を回転させる。指示画像６２は、抽選画像６０の周方向における特定の位置を指示する画像である。すなわち、複数の選択肢６１の何れかが指示画像６２により指示される。なお、抽選画像６０を構成する選択肢６１の総数は任意である。また、各選択肢６１の中心角が相違する形態、または各選択肢６１の中心角が動的に変化する形態も想定される。
【0116】
第１制御部５４は、抽選装置７５における抽選ボールＢbの挙動に応じて抽選画像６０の複数の選択肢６１の何れかを選択する。具体的には、第１制御部５４は、抽選画像６０の複数の選択肢６１のうち、抽選ボールＢbが抽選装置７５の抽選孔Ｈbに落下した時点において指示画像６２が指示する１個の選択肢６１を選択する。すなわち、抽選装置７５と表示装置７１と制御装置８１（第１制御部５４）との協働により、複数の選択肢６１の何れかを選択する「第１抽選部」が実現される。
【0117】
図１９は、各選択肢６１の説明図である。各選択肢６１の状態は、予備抽選における選択毎に段階的に変化する。具体的には、各選択肢６１は、初期的な第１状態から第１回目の選択により中間的な第２状態に変化し、第２回目の選択により第２状態から特別状態に変化する。すなわち、各選択肢６１は、第１制御部５４による選択毎に段階的に特別状態まで変化する。したがって、予備抽選により選択される複数の選択肢６１は、第１状態の選択肢６１と第２状態の選択肢６１と特別状態の選択肢６１とを含む。各選択肢６１が特別状態に順次に変化することで、複数の選択肢６１のうち特別状態の選択肢６１が増加する。本実施形態においては、予備抽選における選択毎に、各選択肢６１の状態が第１状態から特別状態まで段階的に変化する。したがって、特別状態の選択肢６１の個数が増加していく過程を利用者が把握できる。
【0118】
以上の説明から理解される通り、予備抽選は、特別状態の選択肢６１を含む複数の選択肢６１の何れかを選択する抽選処理である。予備抽選において特別状態の選択肢６１が選択された場合に特別抽選が開始される。すなわち、特別状態の選択肢６１は、特別抽選の開始条件となる抽選要素である。なお、選択肢６１の状態の段階数は、以上の例示（３段階）に限定されず任意に変更される。
【0119】
複数の選択肢６１は、属性Ａn毎に個別に管理される。具体的には、各選択肢６１の状態は、属性Ａn毎に記憶装置８２に記憶される。例えば、複数の選択肢６１の状態（第１状態／第２状態／特別状態）を表す状態データが、属性Ａn毎に個別に記憶装置８２に記憶される。したがって、複数の選択肢６１のうちの特別状態の選択肢６１の個数（以下「特別選択肢数Ｋ」という）は、属性Ａn毎に個別の数値である。
【0120】
なお、初期的な抽選画像６０においては、複数の選択肢６１のうち一部の選択肢６１（例えば１個の選択肢６１）が特別状態に設定され、残余の選択肢６１は第１状態に設定される。ただし、例えば初期的な抽選画像６０において全部の選択肢６１が第１状態に設定されてもよい。また、特別状態に変化する選択肢６１のほか、特定の報酬に対応する選択肢６１が、抽選画像６０に含まれてもよい。例えば、複数の選択肢６１のうち特定の選択肢６１が選択された場合に、供給装置７６がゲーム装置７３に特別ボールＢを供給してもよい。
【0121】
【0122】
初期抽選が開始されると、制御装置８１は、抽選装置７４を利用した属性抽選により３種類の属性Ａ1～Ａ3の何れかを選択する（Ｓd1）。具体的には、制御装置８１は、抽選装置７４に対する抽選ボールＢaの供給を供給装置７６に指示し、抽選装置７４において抽選ボールＢaが落下した抽選孔Ｈnに対応する属性Ａnを選択する。
【0123】
属性抽選を実行すると、制御装置８１は予備抽選を実行する（Ｓd2）。まず、制御装置８１（第１制御部５４）は、属性抽選により選択された属性（以下「選択属性」という）Ａnに対応する抽選画像６０を表示装置７１に表示し、当該抽選画像６０を回転させる。抽選画像６０における各選択肢６１の状態（第１状態／第２状態／特別状態）は、選択属性Ａnの状態データに応じて設定される。そして、制御装置８１（第１制御部５４）は、抽選装置７５に対する抽選ボールＢbの供給を供給装置７６に指示し、複数の選択肢６１のうち、抽選ボールＢbが抽選孔Ｈbに落下した時点で指示画像６２が指示する選択肢６１を選択する。以上の説明から理解される通り、予備抽選は、選択属性Ａnについて記憶装置８２に記憶された状態の複数の選択肢６１の何れかを選択する処理である。
【0124】
制御装置８１（第１制御部５４）は、予備抽選において特別状態の選択肢６１が選択されたか否かを判定する（Ｓd3）。判定結果は、特別状態の選択肢６１が選択された場合に肯定となり、第１状態または第２状態の選択肢６１が選択された場合に否定となる。特別状態の選択肢６１が選択された場合（Ｓd3：YES）、制御装置８１は、選択属性Ａnの各選択肢６１の状態を初期化する（Ｓd4）。なお、特別状態の選択肢６１が選択されること（Ｓd3：YES）は、予備抽選における当選を意味する。
【0125】
特別状態の選択肢６１が選択された場合（Ｓd3：YES）、制御装置８１は、選択属性Ａnに対応する特別抽選を実行する（Ｓd5）。具体的には、属性Ａ1が選択された場合には図１１の第１特別抽選が実行され、属性Ａ2が選択された場合には図１５および図１６の第２特別抽選が実行され、属性Ａ3が選択された場合には第３特別抽選が実行される。以上の通り、本実施形態においては、予備抽選および特別抽選が属性Ａn毎に個別に管理される。したがって、属性抽選の結果に応じた多様なゲーム展開が実現される。
【0126】
他方、予備抽選において特別状態の選択肢６１が選択されない場合（Ｓd3：NO）、制御装置８１は、予備抽選において選択された選択肢６１の状態を進行させる（Ｓd6）。具体的には、予備抽選において第１状態の選択肢６１が選択された場合、制御装置８１は、当該選択肢６１を第１状態から第２状態に変更する。また、予備抽選において第２状態の選択肢６１が選択された場合、制御装置８１は、当該選択肢６１を第２状態から特別状態の選択肢６１に変更する。制御装置８１は、変更後の抽選画像６０における特別選択肢数Ｋを記憶装置８２に記憶する（Ｓd7）。特別選択肢数Ｋは、属性Ａn毎に個別に記憶装置８２に記憶される。
【0127】
以上の説明から理解される通り、制御装置８１（第１制御部５４）は、予備抽選により特別状態の選択肢６１が選択されない場合に、複数の選択肢６１のうちの特別状態の選択肢６１を増加させる。なお、特別状態の選択肢６１が選択されないこと（Ｓd3：NO）は、予備抽選における落選を意味する。すなわち、予備抽選における落選の結果として特別選択肢数Ｋが増加する。
【0128】
予備抽選により特別状態の選択肢６１が選択されない場合（Ｓd3：NO）、選択属性Ａnの各選択肢６１の状態は初期化されない。すなわち、各属性Ａnの抽選画像６０の状態は次回の予備抽選に引継される。したがって、特別選択肢数Ｋは、特別状態の選択肢が選択されるまで予備抽選毎に累積的に増加する。
【0129】
［追加抽選］
前述の通り、予備抽選により特別状態の選択肢が選択された場合に、中央ユニットＵ（抽選ユニットＵn）による特別抽選が実行される。さらに、特別抽選の結果が当選である場合に、追加報酬の数量を決定するための追加抽選が実行される。以上の説明の通り、予備抽選により特別状態の選択肢６１が選択された場合に、特別抽選の結果が当選であるという条件が成立すると、追加抽選が実行される。特別抽選の結果が当選であることは、「所定の条件」の一例である。
前述の通り、予備抽選により特別状態の選択肢が選択された場合に、中央ユニットＵ（抽選ユニットＵn）による特別抽選が実行される。さらに、特別抽選の結果が当選である場合に、追加報酬の数量を決定するための追加抽選が実行される。以上の説明の通り、予備抽選により特別状態の選択肢６１が選択された場合に、特別抽選の結果が当選であるという条件が成立すると、追加抽選が実行される。特別抽選の結果が当選であることは、「所定の条件」の一例である。
【0130】
図２１は、追加抽選に関する説明図である。図２１に例示される通り、追加抽選には抽選ユニットＵ1が利用される。具体的には、特別抽選に当選した利用者のステーション７０に抽選ユニットＵ1が対向した状態で追加抽選が実行される。以上の通り、抽選ユニットＵ1は第１特別抽選と追加抽選とに共用される。ただし、第１特別抽選と追加抽選とは別個の抽選装置により実行されてもよい。
【0131】
図２１に例示される通り、制御装置８１は、記憶装置８２に記憶されたプログラムを実行することで、追加抽選を実行する第２制御部５５を実現する。
【0132】
第２制御部５５は、追加報酬の数量を決定するための報酬カードＣ3を表示装置１１Rに表示する。報酬カードＣ3は、Ｘ軸とＹ軸とに沿って縦８行×横３列の行列状に配列された複数のマスＱ3で構成される。すなわち、Ｙ軸に沿う８個のマスＱ3の配列により１個の表示列Ｌが構成され、３個の表示列ＬがＸ軸の方向に配列される。報酬カードＣ3の各マスＱ3には報酬量が個別に設定される。追加抽選の実行中、第２制御部５５は、報酬カードＣ3の複数のマスＱ3をＹ1方向に移動させる。すなわち、各表示列ＬがＹ1方向に移動する。なお、各表示列Ｌを構成するマスＱ3の個数および報酬カードＣ3を構成する表示列Ｌの個数は、任意に変更され得る。
【0133】
追加抽選は、Ｍ回の単位抽選を含む（Ｍは１以上の自然数）。単位抽選は、利用者に付与される追加報酬の数量を決定する抽選処理である。具体的には、単位抽選においては、報酬カードＣ3の複数のマスＱ3の何れかが選択される。報酬カードＣ3から選択されたマスＱ3に設定された報酬量が単位抽選の結果である。追加報酬の数量は、Ｍ回の単位抽選にわたる報酬量の合計値である。
【0134】
単位抽選において報酬カードＣ3の１個のマスＱ3を選択する手順は、第１特別抽選において抽選カードＣ1の１個のマスＱ1を選択する手順と同様である。具体的には、選択装置１２が報酬カードＣ3の３個の表示列Ｌの何れかを選択し、第２制御部５５は、選択装置１２により選択された１個の表示列Ｌの８個のマスＱ3の何れかを選択する。具体的には、第２制御部５５は、表示列Ｌの８個のマスＱ3のうち、選択装置１２による選択の時点において特定の位置（例えば表示範囲の最下段）にある１個のマスＱ3を選択する。以上の説明から理解される通り、選択装置１２と表示装置１１Rと制御装置８１（第２制御部５５）とは、追加抽選を実行する「第２抽選部」として機能する。
【0135】
記憶装置８２には、複数の報酬パターンと制御テーブルとが記憶される。図２２は、複数の報酬パターンの模式図である。複数の識別番号Ｎの各々（Ｎ＝１～５）について報酬パターンが記憶される。識別番号Ｎは、複数の報酬パターンの何れかを識別するための番号である。
【0136】
図２２に例示される通り、各報酬パターンは、報酬カードＣ3の複数のマスＱ3の各々について報酬量を指定するデータである。各マスＱ3に指定される報酬量は報酬パターン毎に相違する。第１制御部５４は、記憶装置８２に記憶された複数の報酬パターンの何れかを選択的に利用して各マスＱ3の報酬量を設定する。
【0137】
図２３は、制御テーブルの模式図である。制御テーブルは、追加抽選の制御に適用されるデータテーブルである。図２３に例示される通り、制御テーブルにおいては、特別選択肢数Ｋがとり得る複数の数値（Ｋ＝１，２，…，９）の各々について、抽選回数Ｍと識別番号Ｎとが設定される。
【0138】
抽選回数Ｍは、１回の追加抽選において実行される単位抽選の回数である。識別番号Ｎは、記憶装置８２に記憶された報酬パターンの何れかを指定する。すなわち、特別選択肢数Ｋの数値毎に複数の報酬パターンの何れかが指定される。なお、例えばゲームシステム１００の管理者からの指示に応じて、特別選択肢数Ｋの各数値に対応する抽選回数Ｍまたは識別番号Ｎが変更されてもよい。抽選回数Ｍまたは識別番号Ｎの変更によりペイアウト率の調整が可能である。
【0139】
第２制御部５５は、選択属性Ａnについて記憶装置８２に記憶された特別選択肢数Ｋに対応する抽選回数Ｍと識別番号Ｎとを制御テーブルから検索する。第２制御部５５は、複数の報酬パターンのうち、特別選択肢数Ｋに対応する識別番号Ｎの報酬パターンを適用した単位抽選を、特別選択肢数Ｋに対応する抽選回数Ｍだけ反復する。すなわち、第２制御部５５は、追加抽選における単位抽選の抽選回数Ｍと追加報酬の数量とを、特別選択肢数Ｋに応じて制御する。以上の説明から理解される通り、第２制御部５５は、特別選択肢数Ｋに応じて追加抽選を実行する。
【0140】
制御テーブルにおける抽選回数Ｍの数値は、特別選択肢数Ｋの数値に応じて設定される。具体的には、特別選択肢数Ｋの数値が大きいほど抽選回数Ｍの数値は増加する。ただし、特別選択肢数Ｋの相異なる数値に対して同一値の抽選回数Ｍが登録される場合もある。
【0141】
識別番号Ｎの数値も同様に、特別選択肢数Ｋの数値に応じて設定される。具体的には、特別選択肢数Ｋの数値が大きいほど識別番号Ｎの数値は増加する。ただし、特別選択肢数Ｋの相異なる数値に対して識別番号Ｎの同一値が登録される場合もある。図２２に例示される通り、報酬パターンの識別番号Ｎが大きいほど、当該報酬パターンに登録される各報酬量が増加する。したがって、特別選択肢数Ｋの数値が大きいほど、報酬パターンに登録される報酬量は増加する。
【0142】
図２３に例示される通り、特別選択肢数Ｋの数値「１」に対応する抽選回数Ｍは「０」であり、識別番号Ｎは設定されていない。第２制御部５５は、特別選択肢数Ｋが「１」以下である場合に追加抽選を実行しない。すなわち、第２制御部５５は、特別選択肢数Ｋが所定の閾値Ｋtを上回る場合に追加抽選を実行する。閾値Ｋtは例えば「１」である。
【0143】
図２４は、追加抽選のフローチャートである。前述の通り、特別抽選の当選を契機として追加抽選が開始される。例えば、特別報酬を利用者に付与する演出動作に並行して追加抽選が実行される。
【0144】
追加抽選が開始されると、制御装置８１（第２制御部５５）は、選択属性Ａnについて記憶装置８２に記憶された特別選択肢数Ｋを取得する（Ｓe1）。制御装置８１（第２制御部５５）は、特別選択肢数Ｋが閾値Ｋtを上回るか否かを判定する（Ｓe2）。閾値Ｋtは例えば「１」である。特別選択肢数Ｋが閾値Ｋt以下である場合（Ｓe2：NO）、制御装置８１は、以降の処理（Ｓe3～Ｓe8）を実行せずに追加抽選を終了する。
【0145】
他方、特別選択肢数Ｋが閾値Ｋtを上回る場合（Ｓe2：YES）、制御装置８１（第２制御部５５）は、追加抽選を実行する（Ｓe3－Ｓe5）。具体的には、制御装置８１は、まず、特別選択肢数Ｋに対応する抽選回数Ｍと識別番号Ｎとを制御テーブルから取得する（Ｓe3）。制御装置８１は、識別番号Ｎの報酬パターンを適用した単位抽選により報酬量を決定する（Ｓe4）。単位抽選は、抽選回数Ｍにわたり反復される（Ｓe5：NO）。
【0146】
単位抽選の実行回数が抽選回数Ｍに到達した場合（Ｓe5：YES）、制御装置８１（第２制御部５５）は、追加報酬の数量を決定する（Ｓe6）。具体的には、Ｍ回にわたる単位抽選で決定された報酬量の合計値が追加報酬の数量として設定される。制御装置８１（第２制御部５５）は、以上の手順で決定した数量の追加報酬を利用者に付与する（Ｓe7）。具体的には、制御装置８１は、供給装置１３を制御することで当該数量の物理メダルＧをゲーム装置７３に供給する。また、制御装置８１は、選択属性Ａnの特別選択肢数Ｋを、初期的に特別状態に設定される選択肢６１の個数（例えば「１」）に初期化する（Ｓe8）。
【0147】
以上に説明した通り、本実施形態においては、予備抽選において特別状態の選択肢６１が選択されない場合に特別状態の選択肢６１が増加する。したがって、次回以降の予備抽選において特別状態の選択肢６１が選択される可能性が増加する。また、予備抽選における特別状態の選択肢６１の選択後に、特別選択肢数Ｋに応じた追加抽選が実行される。すなわち、予備抽選において特別状態の選択肢６１が選択されない結果が追加抽選に影響する。以上の通り、予備抽選において特別状態の選択肢６１が選択されない場合でも、次回以降の予備抽選において特別状態の選択肢６１が選択されるという期待感が維持され、さらには特別選択肢数Ｋに応じた追加抽選が実行されるという期待感も維持される。したがって、予備抽選における特別選択肢数Ｋが固定である形態、または追加抽選が実行されない形態と比較して、予備抽選において特別状態の選択肢６１が選択されない場合（すなわち予備抽選において落選した場合）でも、利用者によるゲームの継続を促進できる。
【0148】
本実施形態においては特に、追加抽選において実行される単位抽選の回数Ｍが、特別選択肢数Ｋに応じて制御される。したがって、予備抽選において特別状態の選択肢６１が選択されない場合でも、利用者がゲームを継続する誘因を効果的に付与できる。また、追加抽選の結果に応じて利用者に付与される追加報酬の数量が、特別選択肢数Ｋに応じて制御される。したがって、予備抽選において特別状態の選択肢６１が選択されない場合でも、利用者がゲームを継続する誘因を効果的に付与できる。
【0149】
本実施形態においては、追加抽選が実行されるか否かが、特別選択肢数Ｋに応じて制御される。したがって、予備抽選において特別状態の選択肢６１が選択されない場合でも、利用者がゲームを継続する誘因を効果的に付与できる。
【0150】
また、予備抽選において特別状態の選択肢６１が選択された場合に特別抽選が実行され、特別抽選における当選を条件として追加抽選が実行される。したがって、特別抽選の当選により利用者に付与される特別報酬に加えて、特別選択肢数Ｋに応じて実行される追加抽選による報酬を、利用者は期待できる。
【0151】
［変形例］
以上に例示した形態は多様に変形され得る。前述の形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された２以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
以上に例示した形態は多様に変形され得る。前述の形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された２以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
【0152】
（１）前述の形態においては、Ｙ軸の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマスＱ1が、相互に隣合うマスＱ1と看做される形態を例示したが、Ｘ軸の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマスＱ1が、相互に隣合うマスＱ1と看做される形態も想定される。すなわち、Ｙ軸上の各位置においてＸ軸の方向に配列する２以上のマスＱ1のうち、Ｘ1方向の端部に位置するマスＱ1と、Ｘ2方向の端部に位置するマスＱ1とが、相互に隣合うマスＱ1と看做される。
【0153】
以上の形態においては、Ｙ軸の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマスＱ1が相互に隣合うと看做されるほか、Ｘ軸の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマスＱ1も相互に隣合うと看做される。以上の形態によれば、Ｘ軸の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマスＱ1が隣合うと看做されない形態と比較して、選択状態にある所定個のマスＱ1の配列が成立する機会が増加する。したがって、抽選カードＣ1においてラインが成立するという利用者の期待感を長時間にわたり維持できる。
【0154】
（２）前述の形態においては、第１特別抽選においてフリーマスＱ1が選択された場合にマスＱ1の選択が再実行される形態を例示したが、フリーマスＱ1が選択された場合の処理は、以上の例示に限定されない。例えば、第１特別抽選における抽選回数が増加する形態、または、利用者に報酬が付与される形態が想定される。また、フリーマスＱ1の選択時に利用者に付与される報酬の数量は、事前に決定された所定値でもよいし、抽選により決定されてもよい。報酬の付与は、典型的にはゲーム装置７３に対する物理メダルＧの供給であるが、フリーマスＱ1の選択時に付与される報酬の種類は、以上の例示に限定されない。例えば、特別ボールＢが報酬としてゲーム装置７３に供給されてもよい。また、抽選画像６０における複数の選択肢６１の何れかの状態を進行させる処理が、報酬として利用者に付与されてもよい。
【0155】
（３）前述の形態においては、第２特別抽選において、選択により１以上のラインが成立することになる通常選択肢を目標選択肢として設定したが、目標選択肢の条件は以上の例示に限定されない。例えば、第２特別抽選が開始された直後の初期的な抽選カードＣ2が図２５の状態である場合を想定する。図２５の抽選カードＣ2においては、非選択状態の何れの通常選択肢が選択されてもラインは成立しない。
【0156】
図２５の状態において、制御装置８１は、次回の第２特別抽選においてラインが成立するマスＱ2の総数が最多となる通常選択肢を、目標選択肢として選択する。例えば、今回の第２特別抽選において「８」が選択された場合、次回の第２特別抽選において成立し得るのは「１」「７」「８」の１個のラインのみである。他方、今回の第２特別抽選において「９」が選択された場合、次回の第２特別抽選において「７」が選択されることで「７」「９」「５」のラインが成立し、かつ、「４」が選択されることで「１」「９」「４」のラインが成立する。すなわち、次回の第２特別抽選においてラインが成立し得るマスＱ2は２個である。したがって、制御装置８１は、通常選択肢「９」を目標選択肢として第２抽選の候補に設定する。以上の形態によれば、今回の第２特別抽選においてラインが成立しない場合でも、次回の第２特別抽選においてラインが成立するという期待感を利用者に付与できる。
【0157】
（４）前述の形態では、予備抽選において特別状態以外の状態（第１状態／第２状態）の選択肢６１が選択された場合に当該選択肢６１の状態が特別状態に向けて進行する形態を例示したが、選択肢６１の状態を進行させる契機となる事象は、選択肢６１の選択に限定されない。
【0158】
例えば、初期抽選の開始前の特定の期間（以下「準備期間」という）における利用者の動作またはゲーム装置７３の状態に応じて、制御装置８１は、特定の属性Ａnに対応する複数の選択肢６１のうち特定の選択肢６１の状態を進行させてもよい。例えば、準備期間内において利用者が投入した物理メダルＧの総数に応じて選択肢６１の状態が進行する形態、または、準備期間内において抽選孔７３５に進入した物理メダルＧの総数に応じて選択肢６１の状態が進行する形態が想定される。
【0159】
なお、状態が進行する選択肢６１を決定する方法は任意である。例えば、３種類の属性Ａ1～Ａ3からランダムに選択された属性Ａnに対応する選択肢６１について状態を進行させる形態、または、当該属性Ａnに対応する複数の選択肢６１からランダムに選択された選択肢６１について状態を進行させる形態が想定される。
【0160】
（５）前述の形態においては、予備抽選において特別状態の選択肢６１が選択された場合に、選択属性Ａnの複数の選択肢６１の状態を初期化する（Ｓd4）形態を例示したが、特別状態の選択肢６１が選択された場合の処理は、以上の例示に限定されない。例えば、選択属性Ａnの複数の選択肢６１のうち、予備抽選において選択された選択肢６１の状態のみを第１状態に初期化する形態、または、当該選択肢６１の状態を特別状態から第２状態に後退させる形態も想定される。
【0161】
（６）前述の形態においては、３種類の属性Ａ1～Ａ3の各々について個別に特別選択肢数Ｋを計数したが、特別状態の選択肢６１の個数を３種類の属性Ａ1～Ａ3について合計した数値が特別選択肢数Ｋとして計数されてもよい。また、特別選択肢数Ｋは、特別状態の選択肢６１の個数を複数のステーション７０について合計した数値でもよい。
【0162】
（７）前述の形態においては、特別抽選の結果が落選である場合に通常ゲームが再開される形態を例示したが、特別抽選の結果が落選である場合の取扱は、以上の例示に限定されない。例えば、利用者によるメダルの消費と引換に特別抽選が再開される形態、または、特定の抽選による当選を条件として特別抽選が再開される形態も想定される。
【0163】
（８）前述の形態において例示した各種の抽選処理は、抽選機構により実現される物理抽選、および制御装置８１が演算処理により実現する電子抽選の何れでもよい。また、前述の予備抽選のように物理抽選と電子抽選との組合せにより抽選処理が実現されてもよい。
【0164】
（９）前述の形態においては、抽選カードＣ1を構成する全部のマスＱ1が並列に表示される形態を例示したが、抽選カードＣ1を構成する複数のマスＱ1のうちの一部が表示装置１１Rに表示されてもよい。例えば、Ｙ1方向の端部に到達することで非表示とされたマスＱ1が、所定の時間の経過後に、Ｙ2方向の端部に再表示されてもよい。報酬カードＣ3についても同様に、複数のマスＱ3のうちの一部が表示装置１１Rに表示されてもよい。
【0165】
（１０）前述の形態においては、選択装置１２が選択した表示列Ｌのうち最下段のマスＱ1を選択部５１２が選択したが、選択部５１２が表示列Ｌから選択するマスＱ1の条件は、以上の例示に限定されない。例えば、選択部５１２は、選択装置１２による選択時に表示列Ｌの最上段に位置するマスＱ1を選択してもよいし、当該表示列Ｌの中央に位置するマスＱ1を選択してもよい。すなわち、選択部５１２は、選択装置１２により選択された表示列Ｌの複数のマスＱ1のうち、当該選択の時点において特定の位置にあるマスＱ1を選択する。
【0166】
（１１）前述の形態においては、第２抽選における通常選択肢の個数が第１抽選における通常選択肢の個数を下回る構成を例示したが、第２抽選において目標選択肢が選択される確率が、第１抽選において目標選択肢が選択される確率を上回るための構成は、以上の例示に限定されない。例えば、第２抽選において選択候補となる通常選択肢の個数に対する目標選択肢の個数の比率が、第１抽選において選択候補となる通常選択肢の個数に対する目標選択肢の個数の比率を上回る形態も想定される。以上の形態においては、通常選択肢の個数が第１抽選と第２抽選とで共通する場合でも、第２抽選において目標選択肢が選択される確率は、第１抽選において目標選択肢が選択される確率を上回る。
【0167】
（１２）前述の形態においては、物理メダルＧが報酬として利用者に付与される形態を例示したが、利用者に付与される報酬の形態は以上の例示に限定されない。例えば、貨幣（コイン）またはチケット等の有体の遊技価値が報酬として利用者に付与されてもよい。また、電子メダル、クレジットまたはポイント等の無体の遊技価値が報酬として利用者に付与されてもよい。利用者が消費する遊技価値と利用者に報酬として付与される遊技価値とについて同種／異種は不問である。
【0168】
（１３）前述の形態においては、現実空間に設置されたゲームシステム１００を例示したが、ゲームシステム１００は、演算処理により実現される仮想空間に設置された仮想的なオブジェクトとしても実現される。したがって、例えばスマートフォンまたはタブレット端末等の情報装置により、前述の形態におけるゲームシステム１００と同様のサービスが利用者に提供されてもよい。例えば、情報装置が実行するプログラムにより提供されるアプリケーションゲーム、または、情報装置と通信可能なサーバが提供するクラウドゲームとして、ゲームシステム１００と同様のゲームが実現される。
【0169】
（１４）前述の形態に係るゲームシステム１００の機能は、制御装置８１を構成する１以上のプロセッサと、記憶装置８２に記憶されたプログラムとの協働により実現される。以上の形態に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性（non-transitory）の記録媒体であり、ＣＤ-ＲＯＭ等の光学式記録媒体（光ディスク）が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号（transitory, propagating signal）を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記録媒体が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0170】
［付記］
以上の記載から、例えば以下のように本開示の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本開示を図示の態様に限定する趣旨ではない。
以上の記載から、例えば以下のように本開示の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本開示を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0171】
［付記Ａ］
複数のマスが行列状に配列された抽選カードを利用した各種の抽選ゲームが従来から提案されている。例えば特許文献Ａ（特許第５７９０５９５号公報）には、複数のマスのうち縦方向に沿う５個のマスの配列を上下方向に移動できるビンゴゲームが開示されている。
複数のマスが行列状に配列された抽選カードを利用した各種の抽選ゲームが従来から提案されている。例えば特許文献Ａ（特許第５７９０５９５号公報）には、複数のマスのうち縦方向に沿う５個のマスの配列を上下方向に移動できるビンゴゲームが開示されている。
【0172】
しかし、例えば抽選により選択されたマスが抽選カードの全体に分散している状態では、特許文献Ａのように５個のマスの配列が移動されたとしても、ビンゴが成立する可能性は充分に低いと利用者に認識され、抽選ゲームの進行の過程において利用者の期待感が減退するという課題がある。以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様（付記Ａ）は、所定個のマスの配列が成立するという利用者の期待感を、抽選ゲームが進行する過程の長時間にわたり維持することを目的とする。
【0173】
［付記Ａ１］
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様（付記Ａ１）に係るゲームシステム（１００）は、相互に交差する第１軸（Ｙ軸）と第２軸（Ｘ軸）とに沿って複数のマス（Ｑ1）が配列された抽選カード（Ｃ1）を表示装置（１１R）に表示する表示制御部（５１１）と、前記複数のマス（Ｑ1）の何れかを抽選により順次に選択する抽選部（１４）と、前記抽選カード（Ｃ1）において前記第２軸（Ｘ軸）に沿う各位置の２以上のマス（Ｑ1）のうち、前記第１軸（Ｙ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマス（Ｑ1）を相互に隣合うマス（Ｑ1）と看做して、選択状態にある所定個のマス（Ｑ1）の配列が成立したか否かを判定する判定部（５１３）とを具備する。
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様（付記Ａ１）に係るゲームシステム（１００）は、相互に交差する第１軸（Ｙ軸）と第２軸（Ｘ軸）とに沿って複数のマス（Ｑ1）が配列された抽選カード（Ｃ1）を表示装置（１１R）に表示する表示制御部（５１１）と、前記複数のマス（Ｑ1）の何れかを抽選により順次に選択する抽選部（１４）と、前記抽選カード（Ｃ1）において前記第２軸（Ｘ軸）に沿う各位置の２以上のマス（Ｑ1）のうち、前記第１軸（Ｙ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマス（Ｑ1）を相互に隣合うマス（Ｑ1）と看做して、選択状態にある所定個のマス（Ｑ1）の配列が成立したか否かを判定する判定部（５１３）とを具備する。
【0174】
以上の態様においては、第１軸（Ｙ軸）の方向において反対側の端部に位置する２個のマス（Ｑ1）を相互に隣合うマス（Ｑ1）と看做して、選択状態にある所定個のマス（Ｑ1）の配列が成立したか否かが判定される。すなわち、反対側の端部に位置するマス（Ｑ1）が相互に隣合うマス（Ｑ1）と看做されない形態と比較して、選択状態にある所定個のマス（Ｑ1）の配列が成立する機会が増加する。したがって、所定個のマス（Ｑ1）の配列が成立するという利用者の期待感を長時間にわたり維持できる。
【0175】
「マス（Ｑ1）」は、抽選による選択の候補となる遊技要素であり、選択状態および非選択状態を含む複数の状態の何れかに設定される。選択状態は、抽選により選択された状態である。複数のマス（Ｑ1）のなかには、初期的に選択状態に設定されたマス（Ｑ1）（フリーマス）も存在し得る。非選択状態は、選択されていない状態である。なお、「マス（Ｑ1）」は、選択状態および非選択状態を含む２種類の状態以外の状態に設定されてもよい。
【0176】
第１軸（Ｙ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマス（Ｑ1）を「相互に隣合うマス（Ｑ1）と看做す」とは、当該２個のマス（Ｑ1）が実際には第１軸（Ｙ軸）の方向における両端部という相互に離間した位置にあるにも関わらず、第１軸（Ｙ軸）の方向に相互に隣合うマス（Ｑ1）として便宜的または仮想的に取扱うことを意味する。すなわち、第１軸（Ｙ軸）に沿って配列する２以上のマス（Ｑ1）の配列において、両端部が相互に連結された関係にある。したがって、第２軸（Ｘ軸）の方向における特定の位置において、第１軸（Ｙ軸）に沿う一方向の端部に位置するマス（Ｑ1）と他方向の端部に位置するマス（Ｑ1）とを含む所定個のマス（Ｑ1）が選択状態にあれば、判定部（５１３）による判定の結果は肯定（例えば抽選ゲームの当選）となる。なお、以上においては第１軸（Ｙ軸）に沿う所定個のマス（Ｑ1）の配列に着目したが、第１軸（Ｙ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマス（Ｑ1）を含む所定個のマス（Ｑ1）が、第１軸（Ｙ軸）および第２軸（Ｘ軸）に交差する方向に配列する場合にも、判定の結果は肯定となる。
【0177】
「所定個」は２以上の所定の個数である。「所定個のマス（Ｑ1）の配列」は、基本的には一直線の配列を意味する。具体的には、第１軸（Ｙ軸）に沿う配列、第２軸（Ｘ軸）に沿う配列、または第１軸（Ｙ軸）および第２軸（Ｘ軸）に交差する方向に沿う配列が、「所定個のマス（Ｑ1）の配列」には包含され得る。ただし、「所定個のマス（Ｑ1）の配列」は直線状の配列に限定されず、例えば曲線状の配列でもよい。
【0178】
「抽選部（１４）」は、複数のマス（Ｑ1）の何れかを無作為に選択する処理を意味する。例えば、機械的な機構により物理抽選を実行する抽選機構、または演算処理を利用した電子抽選を実行する演算装置が、「抽選部（１４）」として例示される。「抽選部（１４）」は、現実空間内に設置された抽選機構、仮想空間内に設置された抽選機構、または、演算装置による演算処理により電子抽選を実行する抽選機能である。
【0179】
［付記Ａ２］
付記Ａ１の具体例（付記Ａ２）において、前記判定部（５１３）は、前記抽選カード（Ｃ1）において前記第１軸（Ｙ軸）に沿う各位置の２以上のマス（Ｑ1）のうち、前記第２軸（Ｘ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマス（Ｑ1）を相互に隣合うマス（Ｑ1）と看做す。以上の態様においては、第１軸（Ｙ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマス（Ｑ1）が相互に隣合うマス（Ｑ1）と看做されるほか、第２軸（Ｘ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマス（Ｑ1）も相互に隣合うマス（Ｑ1）と看做される。以上の態様によれば、第２軸（Ｘ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマス（Ｑ1）が隣合うマス（Ｑ1）と看做されない形態と比較して、選択状態にある所定個のマス（Ｑ1）の配列が成立する機会が増加する。したがって、所定個のマス（Ｑ1）の配列が成立するという利用者の期待感を長時間にわたり維持できるという前述の効果は格別に顕著である。
付記Ａ１の具体例（付記Ａ２）において、前記判定部（５１３）は、前記抽選カード（Ｃ1）において前記第１軸（Ｙ軸）に沿う各位置の２以上のマス（Ｑ1）のうち、前記第２軸（Ｘ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマス（Ｑ1）を相互に隣合うマス（Ｑ1）と看做す。以上の態様においては、第１軸（Ｙ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマス（Ｑ1）が相互に隣合うマス（Ｑ1）と看做されるほか、第２軸（Ｘ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマス（Ｑ1）も相互に隣合うマス（Ｑ1）と看做される。以上の態様によれば、第２軸（Ｘ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマス（Ｑ1）が隣合うマス（Ｑ1）と看做されない形態と比較して、選択状態にある所定個のマス（Ｑ1）の配列が成立する機会が増加する。したがって、所定個のマス（Ｑ1）の配列が成立するという利用者の期待感を長時間にわたり維持できるという前述の効果は格別に顕著である。
【0180】
［付記Ａ３］
付記Ａ１または付記Ａ２の具体例（付記Ａ３）において、前記表示制御部（５１１）は、前記複数のマス（Ｑ1）を前記第１軸（Ｙ軸）に沿う第１方向（Ｙ1方向）に移動し、前記複数のマス（Ｑ1）のうち前記第１方向（Ｙ1方向）の端部に到達した各マス（Ｑ1）を、前記第１方向（Ｙ1方向）とは反対側の第２方向（Ｙ2方向）の端部に移動する。以上の態様においては、表示装置（１１R）に表示された複数のマス（Ｑ1）が第１軸（Ｙ軸）に沿って移動するから、第１軸（Ｙ軸）に沿って相互に隣合う２個のマス（Ｑ1）は、第１軸（Ｙ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する状態（すなわち相互に隣合うマス（Ｑ1）と看做される状態）と、第１軸（Ｙ軸）の方向に実際に隣合う状態とで表示される。したがって、利用者は、選択状態にある２個のマス（Ｑ1）が第１軸（Ｙ軸）の方向に隣合うことを視覚的に把握し易い。
付記Ａ１または付記Ａ２の具体例（付記Ａ３）において、前記表示制御部（５１１）は、前記複数のマス（Ｑ1）を前記第１軸（Ｙ軸）に沿う第１方向（Ｙ1方向）に移動し、前記複数のマス（Ｑ1）のうち前記第１方向（Ｙ1方向）の端部に到達した各マス（Ｑ1）を、前記第１方向（Ｙ1方向）とは反対側の第２方向（Ｙ2方向）の端部に移動する。以上の態様においては、表示装置（１１R）に表示された複数のマス（Ｑ1）が第１軸（Ｙ軸）に沿って移動するから、第１軸（Ｙ軸）に沿って相互に隣合う２個のマス（Ｑ1）は、第１軸（Ｙ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する状態（すなわち相互に隣合うマス（Ｑ1）と看做される状態）と、第１軸（Ｙ軸）の方向に実際に隣合う状態とで表示される。したがって、利用者は、選択状態にある２個のマス（Ｑ1）が第１軸（Ｙ軸）の方向に隣合うことを視覚的に把握し易い。
【0181】
「第１方向（Ｙ1方向）の端部に到達した各マス（Ｑ1）を第２方向（Ｙ2方向）の端部に移動させる」とは、第１方向（Ｙ1方向）の端部に到達したマス（Ｑ1）が非表示とされ、当該マス（Ｑ1）が状態（選択状態／非選択状態）を維持したまま第２方向（Ｙ2方向）の端部に再表示される処理を意味する。例えば、第１方向（Ｙ1方向）の端部に到達したマス（Ｑ1）が表示範囲の外側に経時的に移動する過程において、当該マス（Ｑ1）のうち表示範囲の外側の部分が、表示範囲内において第２方向（Ｙ2方向）の端部に経時的に再表示される。
【0182】
複数のマス（Ｑ1）が移動する形態においては、抽選カード（Ｃ1）を構成する全部のマス（Ｑ1）が表示装置（１１R）に並列に表示される必要はない。すなわち、複数のマス（Ｑ1）のうちの一部が一時的に非表示とされてもよい。例えば、抽選カード（Ｃ1）を構成する全部のマス（Ｑ1）のうち特定の範囲に位置する２以上のマス（Ｑ1）が選択的に表示装置（１１R）に表示される形態において、複数のマス（Ｑ1）が当該範囲に対して移動してもよいし、当該範囲が複数のマス（Ｑ1）に対して移動してもよい。
【0183】
抽選カード（Ｃ1）を構成する一部のマス（Ｑ1）が表示装置（１１R）に表示される形態においては、第１方向（Ｙ1方向）の端部に到達することで非表示とされたマス（Ｑ1）が、所定の時間の経過後に、第２方向（Ｙ2方向）の端部に再表示される。例えば、複数のマス（Ｑ1）のうち表示範囲から第１方向（Ｙ1方向）に移動したマス（Ｑ1）が、所定の距離だけ仮想的に移動してから当該表示範囲の第２方向（Ｙ2方向）の端部に再表示される。他方、抽選カード（Ｃ1）を構成する全部のマス（Ｑ1）が表示装置（１１R）に並列に表示される形態においては、第１方向（Ｙ1方向）の端部に到達することで非表示とされたマス（Ｑ1）は、非表示への変化と同時または当該変化の直後に、第２方向（Ｙ2方向）の端部に再表示される。
【0184】
［付記Ａ４］
付記Ａ３の具体例（付記Ａ４）において、前記表示制御部（５１１）は、前記複数のマス（Ｑ1）の全部を前記表示装置（１１R）に並列に表示する。 以上の態様においては、複数のマス（Ｑ1）の全部が表示装置（１１R）に並列に表示された状態で各マス（Ｑ1）が第１軸（Ｙ軸）の方向に移動する。したがって、複数のマス（Ｑ1）の各々が第１軸（Ｙ軸）の方向に相互に隣合う状態を利用者が視覚的および直観的に把握できる。
付記Ａ３の具体例（付記Ａ４）において、前記表示制御部（５１１）は、前記複数のマス（Ｑ1）の全部を前記表示装置（１１R）に並列に表示する。 以上の態様においては、複数のマス（Ｑ1）の全部が表示装置（１１R）に並列に表示された状態で各マス（Ｑ1）が第１軸（Ｙ軸）の方向に移動する。したがって、複数のマス（Ｑ1）の各々が第１軸（Ｙ軸）の方向に相互に隣合う状態を利用者が視覚的および直観的に把握できる。
【0185】
複数のマス（Ｑ1）の表示について「並列」とは、抽選カード（Ｃ1）の全部のマス（Ｑ1）が表示装置（１１R）に同時に表示されることを意味する。すなわち、複数のマス（Ｑ1）のうち一部のマス（Ｑ1）が表示されない状態（すなわち隠れた状態）は「並列」には該当しない。
【0186】
［付記Ａ５］
付記Ａ３または付記Ａ４の具体例（付記Ａ５）において、前記抽選部（１４）は、前記第１軸（Ｙ軸）に沿って配列する２以上のマス（Ｑ1）を含む複数の表示列（Ｌ）の何れかを選択する第１選択部（１２）と、前記第１選択部（１２）により選択された表示列（Ｌ）の前記２以上のマス（Ｑ1）のうち、前記選択部による選択の時点において特定の位置にあるマス（Ｑ1）を選択する第２選択部（５１２）とを含む。以上の態様においては、複数のマス（Ｑ1）が第１方向（Ｙ1方向）に移動する構成のもとで、選択部が表示列（Ｌ）を選択した時点において特定の位置にあるマス（Ｑ1）が選択される。したがって、表示装置（１１R）に表示される複数のマス（Ｑ1）のうち何れのマス（Ｑ1）が選択されるのかを、利用者が視覚的に把握し易い。
付記Ａ３または付記Ａ４の具体例（付記Ａ５）において、前記抽選部（１４）は、前記第１軸（Ｙ軸）に沿って配列する２以上のマス（Ｑ1）を含む複数の表示列（Ｌ）の何れかを選択する第１選択部（１２）と、前記第１選択部（１２）により選択された表示列（Ｌ）の前記２以上のマス（Ｑ1）のうち、前記選択部による選択の時点において特定の位置にあるマス（Ｑ1）を選択する第２選択部（５１２）とを含む。以上の態様においては、複数のマス（Ｑ1）が第１方向（Ｙ1方向）に移動する構成のもとで、選択部が表示列（Ｌ）を選択した時点において特定の位置にあるマス（Ｑ1）が選択される。したがって、表示装置（１１R）に表示される複数のマス（Ｑ1）のうち何れのマス（Ｑ1）が選択されるのかを、利用者が視覚的に把握し易い。
【0187】
「特定の位置」は、例えば表示装置（１１R）の表示に対して固定的に設定された位置である。ただし、例えば所定の条件が成立した場合に「特定の位置」が変更されてもよい。
【0188】
［付記Ａ６］
付記Ａ１から付記Ａ５の何れかの具体例（付記Ａ６）において、前記表示制御部（５１１）は、前記複数のマス（Ｑ1）のうち、前記抽選部（１４）により選択された場合に前記所定個のマス（Ｑ1）の配列が成立することになるマス（Ｑ1）の表示態様を、第１態様から第２態様に変更する。以上の態様によれば、選択状態にある所定個のマス（Ｑ1）の配列を成立させるために抽選により選択されるべきマス（Ｑ1）を、利用者が視覚的および直観的に把握できる。
付記Ａ１から付記Ａ５の何れかの具体例（付記Ａ６）において、前記表示制御部（５１１）は、前記複数のマス（Ｑ1）のうち、前記抽選部（１４）により選択された場合に前記所定個のマス（Ｑ1）の配列が成立することになるマス（Ｑ1）の表示態様を、第１態様から第２態様に変更する。以上の態様によれば、選択状態にある所定個のマス（Ｑ1）の配列を成立させるために抽選により選択されるべきマス（Ｑ1）を、利用者が視覚的および直観的に把握できる。
【0189】
表示態様は、利用者が視覚的に弁別可能な画像の特性を意味する。例えば、各マス（Ｑ1）の表示される符号（文字または記号）、表示色、模様（図柄）、サイズまたは形状が、「表示態様」の概念には包含される。表示色は、色相（色調），彩度または明度（階調）により規定される。
【0190】
［付記Ａ７］
本開示のひとつの態様（付記Ａ７）に係るゲーム制御方法は、ゲームシステム（１００）が、相互に交差する第１軸（Ｙ軸）と第２軸（Ｘ軸）とに沿って複数のマス（Ｑ1）が配列された抽選カード（Ｃ1）を表示装置（１１R）に表示し、前記複数のマス（Ｑ1）の何れかを抽選により順次に選択し、前記抽選カード（Ｃ1）において前記第２軸（Ｘ軸）に沿う各位置の２以上のマス（Ｑ1）のうち、前記第１軸（Ｙ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマス（Ｑ1）を相互に隣合うマス（Ｑ1）と看做して、選択状態にある所定個のマス（Ｑ1）の配列が成立したか否かを判定する。
本開示のひとつの態様（付記Ａ７）に係るゲーム制御方法は、ゲームシステム（１００）が、相互に交差する第１軸（Ｙ軸）と第２軸（Ｘ軸）とに沿って複数のマス（Ｑ1）が配列された抽選カード（Ｃ1）を表示装置（１１R）に表示し、前記複数のマス（Ｑ1）の何れかを抽選により順次に選択し、前記抽選カード（Ｃ1）において前記第２軸（Ｘ軸）に沿う各位置の２以上のマス（Ｑ1）のうち、前記第１軸（Ｙ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマス（Ｑ1）を相互に隣合うマス（Ｑ1）と看做して、選択状態にある所定個のマス（Ｑ1）の配列が成立したか否かを判定する。
【0191】
［付記Ａ８］
本開示のひとつの態様（付記Ａ８）に係るプログラムは、相互に交差する第１軸（Ｙ軸）と第２軸（Ｘ軸）とに沿って複数のマス（Ｑ1）が配列された抽選カード（Ｃ1）を表示装置（１１R）に表示する表示制御部（５１１）、前記複数のマス（Ｑ1）の何れかを抽選により順次に選択する抽選部（１４）、および、前記抽選カード（Ｃ1）において前記第２軸（Ｘ軸）に沿う各位置の２以上のマス（Ｑ1）のうち、前記第１軸（Ｙ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマス（Ｑ1）を相互に隣合うマス（Ｑ1）と看做して、選択状態にある所定個のマス（Ｑ1）の配列が成立したか否かを判定する判定部（５１３）、としてコンピュータシステム（１００）を機能させる。
本開示のひとつの態様（付記Ａ８）に係るプログラムは、相互に交差する第１軸（Ｙ軸）と第２軸（Ｘ軸）とに沿って複数のマス（Ｑ1）が配列された抽選カード（Ｃ1）を表示装置（１１R）に表示する表示制御部（５１１）、前記複数のマス（Ｑ1）の何れかを抽選により順次に選択する抽選部（１４）、および、前記抽選カード（Ｃ1）において前記第２軸（Ｘ軸）に沿う各位置の２以上のマス（Ｑ1）のうち、前記第１軸（Ｙ軸）の方向において相互に反対側の端部に位置する２個のマス（Ｑ1）を相互に隣合うマス（Ｑ1）と看做して、選択状態にある所定個のマス（Ｑ1）の配列が成立したか否かを判定する判定部（５１３）、としてコンピュータシステム（１００）を機能させる。
【0192】
［付記Ｂ］
抽選での当選により利用者に報酬が付与される抽選ゲームが従来から提案されている。例えば特許文献Ｂ（特許第７００４２１１号公報）には、利用者がジャックポット抽選に落選した場合に、再挑戦のためのジャックポット予備抽選が、硬貨の投入により実行される構成が開示されている。
抽選での当選により利用者に報酬が付与される抽選ゲームが従来から提案されている。例えば特許文献Ｂ（特許第７００４２１１号公報）には、利用者がジャックポット抽選に落選した場合に、再挑戦のためのジャックポット予備抽選が、硬貨の投入により実行される構成が開示されている。
【0193】
しかし、利用者がジャックポット抽選に再挑戦するには、追加的な硬貨の投入とジャックポット予備抽選での当選とが必要であるから、再挑戦後のジャックポット抽選での当選に対する利用者の期待感を維持することは、実際には困難である。以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様（付記Ｂ）は、利用者が抽選に落選した場合でもゲームの継続を促進することを目的とする。
【0194】
［付記Ｂ１］
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様（付記Ｂ１）に係るゲームシステム（１００）は、特別状態の選択肢（６１）を含む複数の選択肢（６１）の何れかを選択する第１抽選を実行する第１抽選部（７１，７５，５４）と、前記第１抽選により特別状態の選択肢（６１）が選択されない場合に、前記複数の選択肢（６１）のうちの特別状態の選択肢（６１）を増加させる制御部（５４）と、前記第１抽選により特別状態の選択肢（６１）が選択された場合に、所定の条件が成立すると、前記特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて第２抽選を実行する第２抽選部（１２，１１R，５５）とを具備する。
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様（付記Ｂ１）に係るゲームシステム（１００）は、特別状態の選択肢（６１）を含む複数の選択肢（６１）の何れかを選択する第１抽選を実行する第１抽選部（７１，７５，５４）と、前記第１抽選により特別状態の選択肢（６１）が選択されない場合に、前記複数の選択肢（６１）のうちの特別状態の選択肢（６１）を増加させる制御部（５４）と、前記第１抽選により特別状態の選択肢（６１）が選択された場合に、所定の条件が成立すると、前記特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて第２抽選を実行する第２抽選部（１２，１１R，５５）とを具備する。
【0195】
以上の態様においては、第１抽選において特別状態の選択肢（６１）が選択されない場合に特別状態の選択肢（６１）が増加する。したがって、次回以降の第１抽選において特別状態の選択肢（６１）が選択される可能性が増加する。また、第１抽選において特別状態の選択肢（６１）が選択された場合に所定の条件が成立すると、特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じた第２抽選が実行される。すなわち、第１抽選において特別状態の選択肢（６１）が選択されない結果が第２抽選に影響する。以上の通り、第１抽選において特別状態の選択肢（６１）が選択されない場合でも、次回以降の第１抽選において特別状態の選択肢（６１）が選択されるという期待感が維持され、さらには特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じた第２抽選が実行されるという期待感も維持される。したがって、第１抽選における特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）が固定である形態、または第２抽選が実行されない形態と比較して、第１抽選において特別状態の選択肢（６１）が選択されない場合（すなわち第１抽選において落選した場合）でも、利用者によるゲームの継続を促進できる。
【0196】
第１抽選は、複数の選択肢（６１）の何れかを無作為に選択する処理を意味する。第２抽選は、利用者の当選／落選を決定する処理である。例えば、機械的な機構により物理抽選を実行する抽選機構、または演算処理を利用した電子抽選を実行する演算装置が、「（第１／第２）抽選部」として例示される。第１抽選部（７１，７５，５４）と第２抽選部（１２，１１R，５５）とは、各抽選を実行する個別の抽選機構により実現されてもよいし、共通の抽選機構を利用して実現されてもよい。
【0197】
「特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて第２抽選を実行する」とは、第２抽選に関する条件が特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて変化することを意味する。第２抽選に関する条件は、例えば、第２抽選の有無に関する条件、第２抽選の方法に関する条件、または、第２抽選の報酬に関する条件である。第２抽選の方法に関する条件は、例えば第２抽選において実行される抽選の回数である。例えば、特別状態の選択肢（６１）が多いほど第２抽選における抽選の回数が増加する。第２抽選の報酬に関する条件は、例えば利用者に付与される報酬の価値である。報酬の価値は、例えば利用者に付与される遊技媒体の数量である。例えば、特別状態の選択肢（６１）が多いほど報酬の数量が増加する。
【0198】
［付記Ｂ２］
付記Ｂ１の具体例（付記Ｂ２）において、前記第２抽選は、１回以上の単位抽選を含み、前記第２抽選部（１２，１１R，５５）は、前記特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて前記単位抽選の回数（Ｍ）を制御する。以上の態様においては、第２抽選において実行される単位抽選の回数（Ｍ）が、特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて制御される。したがって、第１抽選において特別状態の選択肢（６１）が選択されない場合でも、利用者がゲームを継続する誘因を効果的に付与できる。
付記Ｂ１の具体例（付記Ｂ２）において、前記第２抽選は、１回以上の単位抽選を含み、前記第２抽選部（１２，１１R，５５）は、前記特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて前記単位抽選の回数（Ｍ）を制御する。以上の態様においては、第２抽選において実行される単位抽選の回数（Ｍ）が、特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて制御される。したがって、第１抽選において特別状態の選択肢（６１）が選択されない場合でも、利用者がゲームを継続する誘因を効果的に付与できる。
【0199】
単位抽選の回数（Ｍ）と特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）との関係は任意である。例えば、特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）が多いほど単位抽選の回数（Ｍ）が増加する。ただし、単位抽選の回数（Ｍ）と特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）との関係は以上の例示に限定されない。例えば、特別状態の選択肢（６１）の変化に対して単位抽選の回数（Ｍ）が変化しない区間が設定されてもよい（広義増加）。
【0200】
［付記Ｂ３］
付記Ｂ１または付記Ｂ２の具体例（付記Ｂ３）において、前記第２抽選部（１２，１１R，５５）は、前記特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）が閾値を上回る場合に、前記第２抽選を実行する。以上の態様においては、第２抽選が実行されるか否かが、特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて制御される。したがって、第１抽選において特別状態の選択肢（６１）が選択されない場合でも、利用者がゲームを継続する誘因を効果的に付与できる。
付記Ｂ１または付記Ｂ２の具体例（付記Ｂ３）において、前記第２抽選部（１２，１１R，５５）は、前記特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）が閾値を上回る場合に、前記第２抽選を実行する。以上の態様においては、第２抽選が実行されるか否かが、特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて制御される。したがって、第１抽選において特別状態の選択肢（６１）が選択されない場合でも、利用者がゲームを継続する誘因を効果的に付与できる。
【0201】
［付記Ｂ４］
付記Ｂ１から付記Ｂ３の何れかの具体例（付記Ｂ４）において、前記第２抽選部（１２，１１R，５５）は、前記第２抽選の結果に応じて前記利用者に付与される報酬を、前記特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて設定する。以上の態様においては、第２抽選の結果に応じて利用者に付与される報酬の数量が、特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて制御される。したがって、第１抽選において特別状態の選択肢（６１）が選択されない場合でも、利用者がゲームを継続する誘因を効果的に付与できる。
付記Ｂ１から付記Ｂ３の何れかの具体例（付記Ｂ４）において、前記第２抽選部（１２，１１R，５５）は、前記第２抽選の結果に応じて前記利用者に付与される報酬を、前記特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて設定する。以上の態様においては、第２抽選の結果に応じて利用者に付与される報酬の数量が、特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて制御される。したがって、第１抽選において特別状態の選択肢（６１）が選択されない場合でも、利用者がゲームを継続する誘因を効果的に付与できる。
【0202】
「利用者に付与される報酬を特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて制御する」とは、利用者に付与される報酬が特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて変化することを意味する。具体的には、特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて報酬の価値が変化する。報酬の価値は、例えば、利用者に付与される報酬の数量である。報酬の数量は、例えば利用者に付与される遊技媒体の数量である。例えば、特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）が多いほど報酬の数量が増加する。また、例えばアイテムが報酬として利用者に付与される形態においては、当該アイテムの価値が「報酬の価値」である。アイテムの価値は、例えば利用者に付与されるアイテムに関する希少性のレベル（レア／ノーマル等）、または、当該アイテムの有効性のレベルである。例えば、特別状態の選択肢（６１）が多いほど、希少性または有効性が高いアイテムが利用者に付与される。
【0203】
報酬の価値と特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）との関係は任意である。例えば、特別状態の選択肢（６１）が多いほど第２抽選の結果に応じた報酬の価値が増加する。ただし、報酬の価値と特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）との関係は以上の例示に限定されない。例えば、特別状態の選択肢（６１）の変化に対して報酬の価値が変化しない区間が設定されてもよい（広義増加）。また、第２抽選部（１２，１１R，５５）は、単位抽選の回数（Ｍ）および報酬の価値の双方を、特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて制御してもよい。
【0204】
［付記Ｂ５］
付記Ｂ１から付記Ｂ４の何れかの具体例（付記Ｂ５）において、前記第１抽選により前記特別状態の選択肢（６１）が選択された場合に、利用者の当選／落選を決定する特別抽選を実行する特別抽選部（Ｕ）をさらに具備し、前記所定の条件は、前記特別抽選の結果が当選であることを含む。以上の態様においては、第１抽選において特別状態の選択肢（６１）が選択された場合に特別抽選が実行され、特別抽選における当選を条件として第２抽選が実行される。したがって、特別抽選の当選により利用者に付与される報酬に加えて、特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて実行される第２抽選による報酬を、利用者は期待できる。
付記Ｂ１から付記Ｂ４の何れかの具体例（付記Ｂ５）において、前記第１抽選により前記特別状態の選択肢（６１）が選択された場合に、利用者の当選／落選を決定する特別抽選を実行する特別抽選部（Ｕ）をさらに具備し、前記所定の条件は、前記特別抽選の結果が当選であることを含む。以上の態様においては、第１抽選において特別状態の選択肢（６１）が選択された場合に特別抽選が実行され、特別抽選における当選を条件として第２抽選が実行される。したがって、特別抽選の当選により利用者に付与される報酬に加えて、特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて実行される第２抽選による報酬を、利用者は期待できる。
【0205】
［付記Ｂ６］
付記Ｂ１から付記Ｂ５の何れかの具体例（付記Ｂ６）において、複数の属性（Ａn）の何れかを決定する属性抽選を実行する属性抽選部（７４）をさらに具備し、前記複数の選択肢（６１）の状態は、前記複数の属性（Ａn）の各々について記憶装置（８２）に記憶され、前記第１抽選は、前記属性抽選により決定された属性（Ａn）について記憶された状態の前記複数の選択肢（６１）の何れかを選択する処理であり、前記特別抽選は、相異なる属性（Ａn）に対応する複数の特別抽選のうち前記属性抽選により選択された属性（Ａn）に対応する特別抽選である。以上の態様においては、第１抽選および特別抽選が属性（Ａn）毎に個別に管理される。したがって、属性抽選の結果に応じた多様なゲーム展開が実現される。
付記Ｂ１から付記Ｂ５の何れかの具体例（付記Ｂ６）において、複数の属性（Ａn）の何れかを決定する属性抽選を実行する属性抽選部（７４）をさらに具備し、前記複数の選択肢（６１）の状態は、前記複数の属性（Ａn）の各々について記憶装置（８２）に記憶され、前記第１抽選は、前記属性抽選により決定された属性（Ａn）について記憶された状態の前記複数の選択肢（６１）の何れかを選択する処理であり、前記特別抽選は、相異なる属性（Ａn）に対応する複数の特別抽選のうち前記属性抽選により選択された属性（Ａn）に対応する特別抽選である。以上の態様においては、第１抽選および特別抽選が属性（Ａn）毎に個別に管理される。したがって、属性抽選の結果に応じた多様なゲーム展開が実現される。
【0206】
［付記Ｂ７］
付記Ｂ１から付記Ｂ６の何れかの具体例（付記Ｂ７）において、前記複数の選択肢（６１）の各々の状態は、前記第１抽選における選択毎に前記特別状態まで段階的に変化する。以上の態様においては、各選択肢（６１）の状態が第１抽選における選択毎に特別状態まで段階的に変化する。したがって、複数の選択肢（６１）において特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）が増加していく過程を利用者が把握できる。以上の説明から理解される通り、複数の選択肢（６１）のうち特別状態に到達していない選択肢（６１）が第１抽選により選択されることで段階的に変化していき、最終的に特別状態に変化することで、複数の選択肢（６１）における特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）が増加する。
付記Ｂ１から付記Ｂ６の何れかの具体例（付記Ｂ７）において、前記複数の選択肢（６１）の各々の状態は、前記第１抽選における選択毎に前記特別状態まで段階的に変化する。以上の態様においては、各選択肢（６１）の状態が第１抽選における選択毎に特別状態まで段階的に変化する。したがって、複数の選択肢（６１）において特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）が増加していく過程を利用者が把握できる。以上の説明から理解される通り、複数の選択肢（６１）のうち特別状態に到達していない選択肢（６１）が第１抽選により選択されることで段階的に変化していき、最終的に特別状態に変化することで、複数の選択肢（６１）における特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）が増加する。
【0207】
［付記Ｂ８］
本開示のひとつの態様（付記Ｂ８）に係るゲーム制御方法は、ゲームシステム（１００）が、特別状態の選択肢（６１）を含む複数の選択肢（６１）の何れかを選択する第１抽選を実行し、前記第１抽選により特別状態の選択肢（６１）が選択されない場合に、前記複数の選択肢（６１）のうちの特別状態の選択肢（６１）を増加させ、前記第１抽選により特別状態の選択肢（６１）が選択された場合に、所定の条件が成立すると、前記特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて第２抽選を実行する。
本開示のひとつの態様（付記Ｂ８）に係るゲーム制御方法は、ゲームシステム（１００）が、特別状態の選択肢（６１）を含む複数の選択肢（６１）の何れかを選択する第１抽選を実行し、前記第１抽選により特別状態の選択肢（６１）が選択されない場合に、前記複数の選択肢（６１）のうちの特別状態の選択肢（６１）を増加させ、前記第１抽選により特別状態の選択肢（６１）が選択された場合に、所定の条件が成立すると、前記特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて第２抽選を実行する。
【0208】
［付記Ｂ９］
本開示のひとつの態様（付記Ｂ９）に係るプログラムは、特別状態の選択肢（６１）を含む複数の選択肢（６１）の何れかを選択する第１抽選を実行する第１抽選部（７１，７５，５４）、前記第１抽選により特別状態の選択肢（６１）が選択されない場合に、前記複数の選択肢（６１）のうちの特別状態の選択肢（６１）を増加させる制御部（５４）、および、前記第１抽選により特別状態の選択肢（６１）が選択された場合に、所定の条件が成立すると、前記特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて第２抽選を実行する第２抽選部（１２，１１R，５５）、としてコンピュータシステムを機能させる。
本開示のひとつの態様（付記Ｂ９）に係るプログラムは、特別状態の選択肢（６１）を含む複数の選択肢（６１）の何れかを選択する第１抽選を実行する第１抽選部（７１，７５，５４）、前記第１抽選により特別状態の選択肢（６１）が選択されない場合に、前記複数の選択肢（６１）のうちの特別状態の選択肢（６１）を増加させる制御部（５４）、および、前記第１抽選により特別状態の選択肢（６１）が選択された場合に、所定の条件が成立すると、前記特別状態の選択肢（６１）の個数（Ｋ）に応じて第２抽選を実行する第２抽選部（１２，１１R，５５）、としてコンピュータシステムを機能させる。
【0209】
［付記Ｃ］
複数の選択肢の何れかを無作為に選択する各種の抽選ゲームが従来から提案されている。例えば特許文献Ｃ（特許第５０９８４６８号公報）には、メインゲームのビンゴ表において当選が成立した場合に、サブゲームのビンゴ表において、その当選成立で有効となった入賞番号に対応する数字欄を有効とするビンゴゲームが開示されている。
複数の選択肢の何れかを無作為に選択する各種の抽選ゲームが従来から提案されている。例えば特許文献Ｃ（特許第５０９８４６８号公報）には、メインゲームのビンゴ表において当選が成立した場合に、サブゲームのビンゴ表において、その当選成立で有効となった入賞番号に対応する数字欄を有効とするビンゴゲームが開示されている。
【0210】
ところで、特許文献Ｃのようなビンゴゲームは、ビンゴ表の各マスに対応する複数の数字の何れかが選択される単調なゲームであるから、当選に対する利用者の期待感やゲームの興趣性を充分に維持することが現実的には困難である。以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様（付記Ｃ）は、当選条件の成立に対する利用者の期待感が維持される興趣性の高いゲームを提供することを目的とする。
【0211】
［付記Ｃ１］
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様（付記Ｃ１）に係るゲームシステム（１００）は、特別選択肢と複数の通常選択肢とを含む複数の選択肢の何れかを選択する第１抽選と、前記第１抽選により前記特別選択肢が選択された場合に、前記複数の通常選択肢のうち目標選択肢を含む２以上の通常選択肢の何れかを選択する第２抽選と、を実行する抽選部（２６）と、前記第１抽選または前記第２抽選における前記通常選択肢の選択の結果について当選条件が成立するか否かを判定する判定部（５２２）とを具備し、前記目標選択肢は、前記複数の通常選択肢のうち、選択された場合に前記当選条件が成立することになる通常選択肢であり、前記第２抽選において前記目標選択肢が選択される確率は、前記第１抽選において前記目標選択肢が選択される確率を上回る。
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様（付記Ｃ１）に係るゲームシステム（１００）は、特別選択肢と複数の通常選択肢とを含む複数の選択肢の何れかを選択する第１抽選と、前記第１抽選により前記特別選択肢が選択された場合に、前記複数の通常選択肢のうち目標選択肢を含む２以上の通常選択肢の何れかを選択する第２抽選と、を実行する抽選部（２６）と、前記第１抽選または前記第２抽選における前記通常選択肢の選択の結果について当選条件が成立するか否かを判定する判定部（５２２）とを具備し、前記目標選択肢は、前記複数の通常選択肢のうち、選択された場合に前記当選条件が成立することになる通常選択肢であり、前記第２抽選において前記目標選択肢が選択される確率は、前記第１抽選において前記目標選択肢が選択される確率を上回る。
【0212】
以上の態様においては、複数の選択肢のうち特別選択肢が選択された場合に、当選条件の成立に寄与する目標選択肢が第１抽選よりも高い確率で選択される第２抽選が実行される。したがって、利用者は、第１抽選における通常選択肢の選択による当選条件の成立を期待するほか、特別選択肢が選択された場合には、第２抽選において目標選択肢が高確率で選択されることによる当選条件の成立を期待する。すなわち、複数の通常選択肢の何れかが抽選により選択されるだけの形態と比較して、当選条件の成立に対する利用者の期待感が維持される興趣性の高いゲームを提供できる。
【0213】
「（第１／第２）抽選」は、複数の選択肢の何れかを無作為に選択する処理を意味する。例えば、機械的な機構により物理抽選を実行する抽選機構、または演算処理を利用した電子抽選を実行する演算装置が、「抽選部（２６）」として例示される。「抽選部（２６）」は、現実空間内に設置された抽選機構、仮想空間内に設置された抽選機構、または、演算装置による演算処理により電子抽選を実行する抽選機能である。抽選部（２６）は、第１抽選を実行する要素と第２抽選を実行する要素とを個別に具備してもよいし、第１抽選および第２抽選の双方を実行可能な共通の要素で構成されてもよい。
【0214】
「通常選択肢」は、当選条件が成立するか否かを判定するために利用される選択肢である。「目標選択肢」は、複数の通常選択肢のうち、第１抽選または第２抽選により選択された場合に当選条件が成立する選択肢である。
【0215】
他方、「特別選択肢」は、第１抽選による選択の候補となる複数の選択肢のうち、第２抽選の契機となる特定の選択肢である。特別選択肢は、当選条件の成否に直接的には関与しない選択肢である。すなわち、特別選択肢が選択されるか否かは当選条件の成否に無関係である。複数の選択肢は１以上の特別選択肢を含む。
【0216】
「当選条件」は、利用者の当選／落選を決定するための条件であり、通常選択肢の選択の結果に応じた条件である。例えば、相異なる通常選択肢に対応する複数のマス（Ｑ2）が行列状に配列された抽選カードを想定すると、第１抽選または第２抽選により選択された通常選択肢に対応するマス（Ｑ2）を含む２以上のマス（Ｑ2）の配列に関する条件が「当選条件」として例示される。
【0217】
なお、第２抽選において目標選択肢が選択される確率が、第１抽選において目標選択肢が選択される確率を上回る状態を実現するための処理は任意である。例えば、第２抽選による選択の候補となる通常選択肢の個数が、第１抽選による選択の候補となる通常選択肢の個数を下回る構成により、以上の状態が実現される。また、第２抽選において選択の候補となる通常選択肢の個数に対する目標選択肢の個数の比率が、第１抽選における当該比率を上回る形態も想定される。
【0218】
［付記Ｃ２］
付記Ｃ１の具体例（付記Ｃ２）において、前記第２抽選による選択の候補となる通常選択肢の個数は、前記第１抽選による選択の候補となる通常選択肢の個数を下回る。以上の態様においては、選択候補となる通常選択肢の個数を第２抽選において第１抽選よりも減少させることで、第２抽選において目標選択肢が選択される確率が、第１抽選において目標選択肢が選択される確率を上回る状態を実現できる。
付記Ｃ１の具体例（付記Ｃ２）において、前記第２抽選による選択の候補となる通常選択肢の個数は、前記第１抽選による選択の候補となる通常選択肢の個数を下回る。以上の態様においては、選択候補となる通常選択肢の個数を第２抽選において第１抽選よりも減少させることで、第２抽選において目標選択肢が選択される確率が、第１抽選において目標選択肢が選択される確率を上回る状態を実現できる。
【0219】
［付記Ｃ３］
付記Ｃ１または付記Ｃ２の具体例（付記Ｃ３）において、前記複数の通常選択肢にそれぞれ対応する複数のマス（Ｑ2）を表示装置（２５）に表示し、前記第１抽選または前記第２抽選により選択された通常選択肢に対応するマス（Ｑ2）を選択状態に設定する表示制御部（５２１）をさらに具備し、前記当選条件は、前記複数のマス（Ｑ2）のうち前記選択状態にある２以上のマス（Ｑ2）の配列に関する条件である。以上の態様においては、第１抽選または第２抽選により選択された通常選択肢に対応するマス（Ｑ2）が選択状態に設定され、選択状態にある２以上のマス（Ｑ2）の配列について当選条件の成否が判定される。したがって、利用者は、複数のマス（Ｑ2）の配列に応じて視覚的または直観的に当選条件の成否を把握できる。
付記Ｃ１または付記Ｃ２の具体例（付記Ｃ３）において、前記複数の通常選択肢にそれぞれ対応する複数のマス（Ｑ2）を表示装置（２５）に表示し、前記第１抽選または前記第２抽選により選択された通常選択肢に対応するマス（Ｑ2）を選択状態に設定する表示制御部（５２１）をさらに具備し、前記当選条件は、前記複数のマス（Ｑ2）のうち前記選択状態にある２以上のマス（Ｑ2）の配列に関する条件である。以上の態様においては、第１抽選または第２抽選により選択された通常選択肢に対応するマス（Ｑ2）が選択状態に設定され、選択状態にある２以上のマス（Ｑ2）の配列について当選条件の成否が判定される。したがって、利用者は、複数のマス（Ｑ2）の配列に応じて視覚的または直観的に当選条件の成否を把握できる。
【0220】
［付記Ｃ４］
付記Ｃ３の具体例（付記Ｃ４）において、前記目標選択肢は、前記複数のマス（Ｑ2）のうち非選択状態のマス（Ｑ2）に対応する通常選択肢である。以上の態様においては、第２抽選において目標選択肢が選択された場合に、当該目標選択肢に対応するマス（Ｑ2）の状態が非選択状態から選択状態に変化する。すなわち、複数のマス（Ｑ2）を利用したゲームが進行する。したがって、当選条件の成立に対する期待感を利用者に付与できる。
付記Ｃ３の具体例（付記Ｃ４）において、前記目標選択肢は、前記複数のマス（Ｑ2）のうち非選択状態のマス（Ｑ2）に対応する通常選択肢である。以上の態様においては、第２抽選において目標選択肢が選択された場合に、当該目標選択肢に対応するマス（Ｑ2）の状態が非選択状態から選択状態に変化する。すなわち、複数のマス（Ｑ2）を利用したゲームが進行する。したがって、当選条件の成立に対する期待感を利用者に付与できる。
【0221】
［付記Ｃ５］
付記Ｃ３または付記Ｃ４の具体例（付記Ｃ５）において、前記当選条件の成立数に応じた報酬を利用者に付与する報酬付与部（５２３）をさらに具備し、前記目標選択肢は、前記複数の通常選択肢のうち、前記当選条件が成立した場合に前記利用者に付与される報酬の価値の降順で選択された通常選択肢である。以上の態様においては、利用者に付与される報酬の数量の降順で目標選択肢が選択される。したがって、多量の報酬を獲得できるという期待感を利用者に付与できる。
付記Ｃ３または付記Ｃ４の具体例（付記Ｃ５）において、前記当選条件の成立数に応じた報酬を利用者に付与する報酬付与部（５２３）をさらに具備し、前記目標選択肢は、前記複数の通常選択肢のうち、前記当選条件が成立した場合に前記利用者に付与される報酬の価値の降順で選択された通常選択肢である。以上の態様においては、利用者に付与される報酬の数量の降順で目標選択肢が選択される。したがって、多量の報酬を獲得できるという期待感を利用者に付与できる。
【0222】
「報酬の価値」は、例えば、利用者に付与される報酬の数量である。報酬の数量は、例えば利用者に付与される遊技媒体の数量である。例えば、特別選択肢の個数が多いほど報酬の数量が増加する。また、例えばアイテムが報酬として利用者に付与される形態においては、当該アイテムの価値が「報酬の価値」である。アイテムの価値は、例えば利用者に付与されるアイテムに関する希少性のレベル（レア／ノーマル等）、または、当該アイテムの有効性のレベルである。例えば、希少性または有効性が高いアイテムほど報酬としての価値は高い。
【0223】
［付記Ｃ６］
付記Ｃ３または付記Ｃ４の具体例（付記Ｃ６）において、前記目標選択肢は、前記複数の通常選択肢のうち、選択された場合に、相異なる組合せのマス（Ｑ2）で構成される２以上の配列について前記当選条件が成立することになる通常選択肢である。以上の態様においては、相異なる組合せのマス（Ｑ2）で構成される２以上の配列について当選条件が成立することになる通常選択肢が、目標選択肢として第２抽選による選択の候補となる。したがって、複数の配列について当選条件が成立するという期待感を利用者に付与できる。
付記Ｃ３または付記Ｃ４の具体例（付記Ｃ６）において、前記目標選択肢は、前記複数の通常選択肢のうち、選択された場合に、相異なる組合せのマス（Ｑ2）で構成される２以上の配列について前記当選条件が成立することになる通常選択肢である。以上の態様においては、相異なる組合せのマス（Ｑ2）で構成される２以上の配列について当選条件が成立することになる通常選択肢が、目標選択肢として第２抽選による選択の候補となる。したがって、複数の配列について当選条件が成立するという期待感を利用者に付与できる。
【0224】
［付記Ｃ７］
付記Ｃ１から付記Ｃ５の何れかの具体例（付記Ｃ７）において、前記第２抽選における選択の候補となる前記２以上の通常選択肢は、前記複数の通常選択肢のうち、選択された場合に前記当選条件が成立しない通常選択肢を含む。以上の態様においては、選択されても当選条件が成立しない通常選択肢が、第２抽選における選択の候補に含まれる。すなわち、第２抽選の結果として、当選条件が成立する場合と成立しない場合とが発生し得る。したがって、第２抽選の結果として当選条件が必ず成立する形態と比較してゲームの興趣性を維持し易い。
付記Ｃ１から付記Ｃ５の何れかの具体例（付記Ｃ７）において、前記第２抽選における選択の候補となる前記２以上の通常選択肢は、前記複数の通常選択肢のうち、選択された場合に前記当選条件が成立しない通常選択肢を含む。以上の態様においては、選択されても当選条件が成立しない通常選択肢が、第２抽選における選択の候補に含まれる。すなわち、第２抽選の結果として、当選条件が成立する場合と成立しない場合とが発生し得る。したがって、第２抽選の結果として当選条件が必ず成立する形態と比較してゲームの興趣性を維持し易い。
【0225】
［付記Ｃ８］
付記Ｃ１から付記Ｃ７の何れかの具体例（付記Ｃ８）において、前記抽選部（２６）は、前記第１抽選を実行する第１抽選装置（２１）と、前記第２抽選を実行する第２抽選装置（２２）とを含む。以上の態様においては、第１抽選と第２抽選とが別個の抽選装置により実行される。したがって、第１抽選と第２抽選とに共通の抽選装置が流用される形態と比較して、興趣性の高い多様なゲームを提供できる。
付記Ｃ１から付記Ｃ７の何れかの具体例（付記Ｃ８）において、前記抽選部（２６）は、前記第１抽選を実行する第１抽選装置（２１）と、前記第２抽選を実行する第２抽選装置（２２）とを含む。以上の態様においては、第１抽選と第２抽選とが別個の抽選装置により実行される。したがって、第１抽選と第２抽選とに共通の抽選装置が流用される形態と比較して、興趣性の高い多様なゲームを提供できる。
【0226】
［付記Ｃ９］
本開示のひとつの態様（付記Ｃ９）に係るゲーム制御方法は、ゲームシステム（１００）が、特別選択肢と複数の通常選択肢とを含む複数の選択肢の何れかを選択する第１抽選と、前記第１抽選により前記特別選択肢が選択された場合に、前記複数の通常選択肢のうち目標選択肢を含む２以上の通常選択肢の何れかを選択する第２抽選と、を実行し、前記第１抽選または前記第２抽選における前記通常選択肢の選択の結果について当選条件が成立するか否かを判定し、前記目標選択肢は、前記複数の通常選択肢のうち、選択された場合に前記当選条件が成立することになる通常選択肢であり、前記第２抽選において前記目標選択肢が選択される確率は、前記第１抽選において前記目標選択肢が選択される確率を上回る。
本開示のひとつの態様（付記Ｃ９）に係るゲーム制御方法は、ゲームシステム（１００）が、特別選択肢と複数の通常選択肢とを含む複数の選択肢の何れかを選択する第１抽選と、前記第１抽選により前記特別選択肢が選択された場合に、前記複数の通常選択肢のうち目標選択肢を含む２以上の通常選択肢の何れかを選択する第２抽選と、を実行し、前記第１抽選または前記第２抽選における前記通常選択肢の選択の結果について当選条件が成立するか否かを判定し、前記目標選択肢は、前記複数の通常選択肢のうち、選択された場合に前記当選条件が成立することになる通常選択肢であり、前記第２抽選において前記目標選択肢が選択される確率は、前記第１抽選において前記目標選択肢が選択される確率を上回る。
【0227】
［付記Ｃ１０］
本開示のひとつの態様（付記Ｃ１０）に係るプログラムは、特別選択肢と複数の通常選択肢とを含む複数の選択肢の何れかを選択する第１抽選と、前記第１抽選により前記特別選択肢が選択された場合に、前記複数の通常選択肢のうち目標選択肢を含む２以上の通常選択肢の何れかを選択する第２抽選と、を実行する抽選部（２６）、および、前記第１抽選または前記第２抽選における前記通常選択肢の選択の結果について当選条件が成立するか否かを判定する判定部（５２２）、としてコンピュータシステム（１００）を機能させるプログラムであって、前記目標選択肢は、前記複数の通常選択肢のうち、選択された場合に前記当選条件が成立することになる通常選択肢であり、前記第２抽選において前記目標選択肢が選択される確率は、前記第１抽選において前記目標選択肢が選択される確率を上回る。
本開示のひとつの態様（付記Ｃ１０）に係るプログラムは、特別選択肢と複数の通常選択肢とを含む複数の選択肢の何れかを選択する第１抽選と、前記第１抽選により前記特別選択肢が選択された場合に、前記複数の通常選択肢のうち目標選択肢を含む２以上の通常選択肢の何れかを選択する第２抽選と、を実行する抽選部（２６）、および、前記第１抽選または前記第２抽選における前記通常選択肢の選択の結果について当選条件が成立するか否かを判定する判定部（５２２）、としてコンピュータシステム（１００）を機能させるプログラムであって、前記目標選択肢は、前記複数の通常選択肢のうち、選択された場合に前記当選条件が成立することになる通常選択肢であり、前記第２抽選において前記目標選択肢が選択される確率は、前記第１抽選において前記目標選択肢が選択される確率を上回る。
【符号の説明】
【0228】
１００…ゲームシステム、１１L，１１R，２５，３１，７１…表示装置、１２…選択装置、１３，７６…供給装置、１４…抽選部、２１，２２，３２，７４，７５…抽選装置、２６…抽選機構、５４…第１制御部、５５…第２制御部、６０…抽選画像、６１…選択肢、６２…指示画像、７０…ステーション、７２…操作パネル、７３…ゲーム装置、８１…制御装置、８２…記憶装置、１２１…待機経路、１２２…回転体、１２３…目標経路、１２４…保持部、２１１，２２１，３２１…抽選盤、２１２，２２２，３２２…駆動装置、２１３，２２３，３２３…供給装置、２１４，２２５，３２４…抽選孔、２２４…表示装置、３１１，３１１a…選択肢、５１１…表示制御部、５１２…選択部、５１３…判定部、５２１…表示制御部、５２２…判定部、５２３…報酬付与部、７２１…操作装置、７２２…受付装置、７２３…払出装置、７３１…固定テーブル、７３２…可動テーブル、７３３…投入装置、７３４…固定壁、７３５…抽選孔、７５1…抽選装置、Ｂ…特別ボール、Ｂ1，Ｂ21，Ｂ22，Ｂ3，Ｂa，Ｂb…抽選ボール、Ｃ1，Ｃ2…抽選カード、Ｃ3…報酬カード、Ｐ…目標地点、Ｕ…中央ユニット、Ｕ1，Ｕ2，Ｕ3…抽選ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】