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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144186
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H01L29/78 657F
H01L29/78 652S
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024032448
(22)【出願日】2024-03-04
(31)【優先権主張番号】P 2023052769
(32)【優先日】2023-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 翔
(72)【発明者】
【氏名】山科 普士
(57)【要約】
【課題】メインMOSFETにおける電極の劣化の兆候を検知できることが好ましい。
【解決手段】上面電極を有する主素子と、前記上面電極に接続された第1近接配線と、前記上面電極における第1センス位置における電位を伝送する第1センス配線とを備え、前記第1近接配線は、前記上面電極の第1近接位置に接続され、前記上面電極において、前記第1センス位置から前記第1近接位置までの第1配線間距離は、前記第1近接位置から前記上面電極の端部までの最大距離の半分とは異なる半導体装置を提供する。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面電極を有する主素子と、
前記上面電極に接続された1つ以上の出力配線と、
前記上面電極における第1センス位置に接続され、前記第1センス位置における電位を伝送する第1センス配線と
を備え、
前記1つ以上の前記出力配線は、前記上面電極に対する接続位置と、前記第1センス位置との距離が最も小さい第1近接配線を含み、
前記第1近接配線は、前記上面電極の第1近接位置に接続され、
前記上面電極において、前記第1センス位置から前記第1近接位置までの第1配線間距離は、前記第1近接位置から前記上面電極の端部までの最大距離の半分とは異なる
半導体装置。
【請求項2】
前記主素子に流れる電流に応じた電流が流れる電流センス用素子を更に備え、
前記第1センス配線は、前記第1センス位置における電位を前記電流センス用素子に印加する
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1配線間距離は、前記最大距離の0倍以上、1/4倍以下である
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1配線間距離は、前記最大距離の3/4倍以上、1倍以下である
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記上面電極は、第1方向に短辺を有し、第2方向に長辺を有する矩形状であり、
前記第1センス位置および前記第1近接位置が、前記第1方向に並んでいる
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記上面電極のいずれかの辺と平行な直線で前記上面電極を複数の領域に等分した場合の第1領域に前記第1センス位置が配置され、第2領域に前記第1近接位置が配置されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記上面電極のいずれかの辺と平行な直線で前記上面電極を複数の領域に等分した場合に、前記第1センス位置および前記第1近接位置が同一の領域に配置されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記上面電極の第1辺と平行な直線で前記上面電極を複数の領域に等分し、且つ、第1辺と平行でない第2辺と平行な直線で前記上面電極を複数の領域に等分した場合の、第1領域に前記第1センス位置が配置され、前記第1領域と対角に設けられた第2領域に前記第1近接位置が配置されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記上面電極の第1辺と平行な直線で前記上面電極を複数の領域に等分し、且つ、第1辺と平行でない第2辺と平行な直線で前記上面電極を複数の領域に等分した場合に、前記第1センス位置および前記第1近接位置が同一の領域に配置されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記1つ以上の前記出力配線は、前記上面電極に対する接続位置と前記第1センス位置との距離が2番目に小さい第2配線を含み、
前記第2配線の前記接続位置と前記第1センス位置との距離は、前記第1近接位置と前記第1センス位置との距離よりも大きい
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記上面電極における第2センス位置に接続され、前記第2センス位置における電位を前記電流センス用素子に印加するための第2センス配線を更に備え、
前記上面電極において、前記第2センス位置から前記第1近接位置までの第2配線間距離は、前記第1配線間距離とは異なる
請求項2から5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記上面電極のいずれかの辺と平行な直線で前記上面電極を複数の領域に等分した場合の第1領域に前記第1センス位置が配置され、第2領域に前記第2センス位置が配置されている
請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1センス位置の電位、および、前記第2センス位置の電位のいずれかを選択して、前記電流センス用素子に印加するための選択部を更に備える
請求項12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1センス位置の電位を前記半導体装置の外部に出力する第1センス端子と、
前記第2センス位置の電位を前記半導体装置の外部に出力する第2センス端子と
を更に備える請求項12に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記上面電極において、前記第1センス位置および前記第2センス位置の間の第3センス位置に接続された第3センス配線と、
前記第3センス位置の電位を前記半導体装置の外部に出力する第3センス端子と
を更に備える請求項14に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記電流センス用素子に流れる電流と、前記出力配線に流れる電流との比を示すセンス比を測定するセンス比測定部と、
前記センス比測定部が測定した前記センス比に基づいて、前記主素子の前記上面電極を評価する電極評価部と
を更に備える請求項2から10のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記センス比の初期値を記憶する初期値記憶部を更に備え、
前記電極評価部は、前記センス比の前記初期値と測定値とを比較する
請求項16に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記センス比測定部が測定した前記センス比に基づいて、前記主素子に流れる電流を制御する制御部を更に備える
請求項16に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記電流センス用素子と、基準電位との間に配置されたセンス抵抗を更に備え、
前記センス抵抗の抵抗値が可変である
請求項2から10のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記上面電極における第2センス位置に接続され、前記第2センス位置における電位を伝送する第2センス配線と、
前記第1センス位置の電位、および、前記第2センス位置の電位の差分を出力する差分出力部と
を更に備え、
前記上面電極のいずれかの辺と平行な直線で前記上面電極を複数の領域に等分した場合の第1領域に前記第1センス位置が配置され、第2領域に前記第2センス位置が配置されている
請求項1に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、負荷を駆動するためのメインMOSFETと、メインMOSFETに流れる電流を検出するためのセンスMOSFETとを備える半導体装置が知られている(例えば特許文献1および2参照)。
特許文献1 特開2019-144004号公報
特許文献2 特開2007-121052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
メインMOSFETにおける電極の劣化の兆候を検知できることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、半導体装置を提供する。上記半導体装置は、上面電極を有する主素子を備えてよい。上記いずれかの半導体装置は、前記上面電極に接続された1つ以上の出力配線を備えてよい。上記いずれかの半導体装置は、前記上面電極における第1センス位置に接続され、前記第1センス位置における電位を伝送する第1センス配線を備えてよい。上記いずれかの半導体装置において、前記1つ以上の前記出力配線は、前記上面電極に対する接続位置と、前記第1センス位置との距離が最も小さい第1近接配線を含んでよい。上記いずれかの半導体装置において、前記第1近接配線は、前記上面電極の第1近接位置に接続されてよい。上記いずれかの半導体装置において、前記上面電極において、前記第1センス位置から前記第1近接位置までの第1配線間距離は、前記第1近接位置から前記上面電極の端部までの最大距離の半分とは異なってよい。
【0005】
上記いずれかの半導体装置は、前記主素子に流れる電流に応じた電流が流れる電流センス用素子を備えてよい。上記いずれかの半導体装置の前記第1センス配線は、前記第1センス位置における電位を前記電流センス用素子に印加してよい。
【0006】
上記いずれかの半導体装置において、前記第1配線間距離は、前記最大距離の0倍以上、1/4倍以下であってよい。
【0007】
上記いずれかの半導体装置において、前記第1配線間距離は、前記最大距離の3/4倍以上、1倍以下であってよい。
【0008】
上記いずれかの半導体装置において、前記上面電極は、第1方向に短辺を有し、第2方向に長辺を有する矩形状であってよい。上記いずれかの半導体装置において、前記第1センス位置および前記第1近接位置が、前記第1方向に並んでいてよい。
【0009】
上記いずれかの半導体装置において、前記上面電極のいずれかの辺と平行な直線で前記上面電極を複数の領域に等分した場合の第1領域に前記第1センス位置が配置され、第2領域に前記第1近接位置が配置されていてよい。
【0010】
上記いずれかの半導体装置において、前記上面電極のいずれかの辺と平行な直線で前記上面電極を複数の領域に等分した場合に、前記第1センス位置および前記第1近接位置が同一の領域に配置されていてよい。
【0011】
上記いずれかの半導体装置において、前記上面電極の第1辺と平行な直線で前記上面電極を複数の領域に等分し、且つ、第1辺と平行でない第2辺と平行な直線で前記上面電極を複数の領域に等分した場合の、第1領域に前記第1センス位置が配置され、前記第1領域と対角に設けられた第2領域に前記第1近接位置が配置されていてよい。
【0012】
上記いずれかの半導体装置において、前記上面電極の第1辺と平行な直線で前記上面電極を複数の領域に等分し、且つ、第1辺と平行でない第2辺と平行な直線で前記上面電極を複数の領域に等分した場合に、前記第1センス位置および前記第1近接位置が同一の領域に配置されていてよい。
【0013】
上記いずれかの半導体装置において、前記1つ以上の前記出力配線は、前記上面電極に対する接続位置と前記第1センス位置との距離が2番目に小さい第2配線を含んでよい。上記いずれかの半導体装置において、前記第2配線の前記接続位置と前記第1センス位置との距離は、前記第1近接位置と前記第1センス位置との距離よりも大きくてよい。
【0014】
上記いずれかの半導体装置は、前記上面電極における第2センス位置に接続され、前記第2センス位置における電位を前記電流センス用素子に印加するための第2センス配線を備えてよい。上記いずれかの半導体装置の前記上面電極において、前記第2センス位置から前記第1近接位置までの第2配線間距離は、前記第1配線間距離とは異なってよい。
【0015】
上記いずれかの半導体装置において、前記上面電極のいずれかの辺と平行な直線で前記上面電極を複数の領域に等分した場合の第1領域に前記第1センス位置が配置され、第2領域に前記第2センス位置が配置されていてよい。
【0016】
上記いずれかの半導体装置は、前記第1センス位置の電位、および、前記第2センス位置の電位のいずれかを選択して、前記電流センス用素子に印加するための選択部を備えてよい。
【0017】
上記いずれかの半導体装置は、前記第1センス位置の電位を前記半導体装置の外部に出力する第1センス端子を備えてよい。上記いずれかの半導体装置は、前記第2センス位置の電位を前記半導体装置の外部に出力する第2センス端子を備えてよい。
【0018】
上記いずれかの半導体装置は、前記上面電極において、前記第1センス位置および前記第2センス位置の間の第3センス位置に接続された第3センス配線を備えてよい。上記いずれかの半導体装置は、前記第3センス位置の電位を前記半導体装置の外部に出力する第3センス端子を備えてよい。
【0019】
上記いずれかの半導体装置は、前記電流センス用素子に流れる電流と、前記出力配線に流れる電流との比を示すセンス比を測定するセンス比測定部を備えてよい。上記いずれかの半導体装置は、前記センス比測定部が測定した前記センス比に基づいて、前記主素子の前記上面電極を評価する電極評価部を備えてよい。
【0020】
上記いずれかの半導体装置は、前記センス比の初期値を記憶する初期値記憶部を備えてよい。上記いずれかの半導体装置において、前記電極評価部は、前記センス比の前記初期値と測定値とを比較してよい。
【0021】
上記いずれかの半導体装置は、前記センス比測定部が測定した前記センス比に基づいて、前記主素子に流れる電流を制御する制御部を備えてよい。
【0022】
上記いずれかの半導体装置は、前記電流センス用素子と、基準電位との間に配置されたセンス抵抗を備えてよい。上記いずれかの半導体装置において、前記センス抵抗の抵抗値が可変であってよい。
【0023】
上記いずれかの半導体装置は、前記上面電極における第2センス位置に接続され、前記第2センス位置における電位を伝送する第2センス配線を備えてよい。上記いずれかの半導体装置は、前記第1センス位置の電位、および、前記第2センス位置の電位の差分を出力する差分出力部を備えてよい。上記いずれかの半導体装置において、前記上面電極のいずれかの辺と平行な直線で前記上面電極を複数の領域に等分した場合の第1領域に前記第1センス位置が配置され、第2領域に前記第2センス位置が配置されていてよい。
【0024】
上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一つの実施形態に係る半導体装置100の一例を示す図である。
図2】主素子12の一例を示す断面図である。
図3】半導体装置100の上面における素子の配置例を示す図である。
図4】第1センス位置61を変化させた場合の、第1センス位置61から出力位置71までの経路の抵抗値の変化を説明する図である。
図5】領域101に第1センス位置61-1を設けた場合の、第1センス位置61-1と出力位置71との間の抵抗を示す回路図である。
図6】領域102に第1センス位置61-2を設けた場合の、第1センス位置61-2と出力位置71との間の抵抗を示す回路図である。
図7】領域103に第1センス位置61-3を設けた場合の、第1センス位置61-3と出力位置71との間の抵抗を示す回路図である。
図8】第1センス位置61毎の、主素子12におけるドレイン・ソース間電圧Vdsの一例を示す図である。
図9】上面電極60の抵抗値が増加した場合の、第1センス位置61毎の、主素子12におけるドレイン・ソース間電圧Vdsの一例を示す図である。
図10】上面電極60の抵抗値Rswの増加前後における、センス電圧Vsnsの変化を示す図である。
図11】上面電極60の抵抗値Rswの増加前後における、センス電圧Vsnsの変化を示す図である。
図12】上面電極60の抵抗値Rswの増加前後における、センス電圧Vsnsの変化を示す図である。
図13】上面電極60の抵抗値Rswの増加前後における、センス電圧Vsnsの変化を示す図である。
図14】第1センス位置61の位置Ymos(%)と、センス電圧Vsnsの変動率ΔVsns(%)との関係を説明する図である。
図15】上面電極60における第1センス位置61を説明する図である。
図16】第1センス位置61の他の配置例を示す図である。
図17】第1センス位置61の他の配置例を示す図である。
図18】第1センス位置61の他の配置例を示す図である。
図19】第1センス位置61の他の配置例を示す図である。
図20】第1センス位置61の他の配置例を示す図である。
図21】第1センス位置61の他の配置例を示す図である。
図22】第1センス位置61の他の配置例を示す図である。
図23】センス配線11の他の接続例を示す図である。
図24】半導体基板10に設けられた回路の他の例を示す図である。
図25】半導体装置100の他の例を示す図である。
図26】半導体装置100の他の構成例を示す図である。
図27】上面電極60の抵抗値Rswの増加前後における、第1センス電圧Vsns1の変動を示す図である。
図28】上面電極60の抵抗値Rswの増加前後における、第2センス電圧Vsns2の変動を示す図である。
図29】上面電極60の抵抗値Rswの増加前後における、第2センス電圧Vsns2と第1センス電圧Vsns1との差分電圧Vsnsd(=Vsns2-Vsns1)の変動を示す図である。
図30】半導体装置100の他の構成例を示す図である。
図31】センス配線11の他の接続例を示す図である。
図32図31において説明した半導体装置100の等価回路の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0027】
本明細書において「同一」、「おなじ」等の表現を用いた場合、厳密に同一である場合に加えて、製造ばらつき等に起因する誤差を含んでいてもよい。当該誤差は、例えば±5%以内である。また、「垂直」、「平行」等の角度に関する表現を用いた場合、厳密に90度または180度等である場合に加えて、製造ばらつき等に起因する誤差を含んていてもよい。当該誤差は、例えば±5度以内である。
【0028】
本明細書において「上方」、「下方」、「上」、「下」等の表現を用いた場合、これらの方向は相対的な方向を示している。例えばこれらの方向は引力方向を示しておらず、装置の実装時における方向を示していない。
【0029】
図1は、本発明の一つの実施形態に係る半導体装置100の一例を示す図である。半導体装置100は、負荷200に電力を供給する。本例の半導体装置100は、1つの半導体基板10に形成された半導体チップである。半導体装置100の一部の構成は、半導体基板10の外部に設けられていてもよい。
【0030】
本例の半導体装置100は、入力端子IN、出力端子OUT、高電位端子Vcc、低電位端子GNDおよびセンス端子SNSを有する半導体チップである。半導体装置100は、状態端子STを更に有してよい。
【0031】
半導体装置100は、半導体基板10に設けられた、主素子12、電流センス用素子14、出力配線13および第1センス配線11を備える。半導体装置100は、制御部22、センス抵抗20、アンプ16およびMOSFET18を更に備えてよい。
【0032】
高電位端子Vccには、所定の高電位Vccが印加される。低電位端子GNDには、高電位Vccより低い低電位GNDが印加される。本例の低電位GNDは接地電位である。半導体装置100の各回路は、高電位端子Vccに接続された電源から電力を受け取ってよい。
【0033】
半導体装置100は、入力端子INに入力される入力信号INに応じて動作して、出力端子OUTに接続された負荷200に電力を供給する。本例の入力信号INは、負荷200に電力を供給する場合と、供給しない場合とを2値の論理値で示す信号であってよい。
【0034】
主素子12は、高電位端子Vccと出力端子OUTとの間に設けられ、高電位端子Vccから出力端子OUTに電力を供給するか否かを切り替える。主素子12のソース端子と出力端子OUTは、出力配線13により接続されている。出力配線13は、ワイヤー等の空中配線を含んでよい。本例の主素子12は、パワー半導体である。主素子12は、例えばパワーMOSFETであるが、IGBT等の他のパワー半導体であってもよい。本例の制御部22は、入力信号INの論理値に応じて主素子12のオンオフの状態を切り替える。
【0035】
電流センス用素子14には、主素子12に流れる主電流Ioutに応じたセンス電流Isnsが流れる。電流センス用素子14は、主素子12と並列に設けられ、主素子12と同様の構造を有するパワー半導体である。図1の例では、電流センス用素子14および主素子12はともにMOSFETである。制御部22は、主素子12と電流センス用素子14とを同期してオン状態に遷移させ、同期してオフ状態に遷移させる。
【0036】
電流センス用素子14には、主電流Ioutに対して所定のセンス比を乗じた電流に相当するセンス電流Isnsが流れる。当該センス比は、電流センス用素子14および主素子12において電流が流れる領域の面積比、電流センス用素子14および主素子12におけるオン抵抗比等により定まる。センス電流Isnsは、主電流Ioutより小さい。つまり当該センス比は1より小さい。例えばセンス電流Isnsは、主電流Ioutの1/100以下であってよく、1/1000以下であってもよい。
【0037】
電流センス用素子14と低電位端子GNDとの間には、センス抵抗20が設けられる。センス抵抗20には、センス電流Isnsに抵抗値を乗算したセンス電圧Vsns分の電圧降下が生じる。センス電圧Vsnsと、センス抵抗20の抵抗値から、センス電流Isnsを算出できる。センス端子SNSは、センス電圧Vsnsを外部に出力してよい。センス電流Isnsと、電流センス用素子14とのセンス比は既知であるので、センス電流Isnsから主電流Ioutを算出できる。センス抵抗20は抵抗値が可変であってよく、固定であってもよい。
【0038】
第1センス配線11は、主素子12が出力する電位(本例ではソース電位)と、電流センス用素子14が出力する電位(本例ではソース電位)とを同一にするために用いられる。これにより、主素子12のドレイン・ソース間の電圧Vdsmと、電流センス用素子14のドレイン・ソース間の電圧Vdssとを一致させることができ、出力電圧の変動によるセンス比の変動を抑制できる。
【0039】
本例では、電流センス用素子14とセンス抵抗20との間にMOSFET18が設けられている。また、アンプ16は、第1センス配線11により印加される電圧(例えば主素子12のソース電位)と、電流センス用素子14のソース電位とが同じになるように、MOSFET18のゲート端子に印加する電圧を調整する。このような構成により、主素子12が出力する電位(本例ではソース電位)と、電流センス用素子14が出力する電位(本例ではソース電位)とを同一にできる。
【0040】
センス電圧Vsnsは、下式のようにセンス抵抗20の抵抗値Rsnsと、センス電流Isnsとの積により定まる。
Vsns=Rsns×Isns
センス比SRは、センス電流Isnsと出力電流Ioutとの比(Isns/Iout)である。電流センス用素子14のオン抵抗をRons、主素子12のオン抵抗をRonmとすると、それぞれの電流は下式となる。
Isns=Vdss/Rons
Iout=Vdsm/Ronm
本例では、Vdsm=Vdssである。従って、センス比SRは式(1)となる。
SR=Isns/Iout=Ronm/Rons ・・・式(1)
【0041】
制御部22は、半導体装置100の内部状態を示す状態信号Sを出力してよい。状態信号Sは、例えば過電流等の異常を検出したこと、出力端子OUTに負荷200が接続されているか否か等を示す信号であってよい。半導体装置100は、状態端子STと低電位端子GNDとを接続するか否かを切り替えるMOSFET34を備えてよい。MOSFET34のゲート端子には、状態信号Sが印加される。これにより、半導体装置100の内部状態に応じた電位を、状態端子STに印加できる。
【0042】
低電位端子GNDと、他の各端子との間には、過電圧から半導体装置100の内部回路または外部装置を保護するダイオードが設けられてよい。図1の例では、入力端子INと低電位端子GNDとの間にダイオード26が設けられ、状態端子STと低電位端子GNDとの間にダイオード28が設けられ、センス端子SNSと低電位端子GNDとの間にダイオード30が設けられ、高電位端子Vccと低電位端子GNDとの間にダイオード32が設けられている。また、高電位端子Vccと、主素子12のゲート端子との間にも、保護回路24が設けられてよい。保護回路24は、逆向きに直列に配置された2つのダイオードを含んでよい。半導体装置100には、入力端子INから低電位端子GNDに一定電流を流す電流源36が設けられてよい。
【0043】
図2は、主素子12の一例を示す断面図である。電流センス用素子14も、主素子12と同様の構造を有してよい。本例の主素子12は、半導体基板10、ゲート電極52、絶縁層54、上面電極60および下面電極50を有する。本例の上面電極60はソース電極であり、下面電極50はドレイン電極である。本明細書では、半導体基板10の深さ方向と平行な軸をZ軸とし、Z軸と直交する2つの軸をX軸およびY軸とする。X軸およびY軸は互いに直交する。
【0044】
ゲート電極52は、半導体基板10の上方に配置されている。ゲート電極52と半導体基板10との間には絶縁層54が配置されている。上面電極60は、半導体基板10の上面と接して設けられている。上面電極60とゲート電極52との間には絶縁層54が設けられている。下面電極50は、半導体基板10の下面と接して設けられている。
【0045】
半導体基板10には、N-型のドリフト領域42、P-型のベース領域44、N+型のソース領域46およびN+型のドレイン領域48が設けられている。ベース領域44およびソース領域46は、上面電極60と接している。ソース領域46とドリフト領域42とは、ベース領域44により分離されている。半導体基板10の上面において、ソース領域46とドリフト領域42との間のベース領域44の上方には、ゲート電極52が配置されている。ゲート電極52に所定のオン電圧が印加されると、ソース領域46とドリフト領域42との間のベース領域44の表層がN型の領域に反転してチャネルが形成される。これにより、主素子12がオン状態となる。ドリフト領域42の下方にはドレイン領域48が設けられている。主素子12がオン状態となると、下面電極50、ドレイン領域48、ドリフト領域42、ベース領域44、ソース領域46および上面電極60を通って出力電流Ioutが流れる。
【0046】
主素子12のオン抵抗Ronmは、下面電極50から上面電極60までの電流経路における抵抗である。上面電極60における抵抗値をRsw、上面電極60とソース領域46とのコンタクト抵抗をRcs、ソース領域46の抵抗をRs、ベース領域44(チャネル)の抵抗をRch、JFET領域の抵抗をRj、ドリフト領域42の抵抗をRd、ドレイン領域48の抵抗をRsub、ドレイン領域48と下面電極50のコンタクト抵抗をRcdとする。主素子12のオン抵抗Ronmは、式(2)となる。
Ronm=Rsw+Rcs+Rs+Rch+Rj+Rd+Rsub+Rcd ・・・式(2)
【0047】
主素子12には、比較的に大きな電流が流れうる。例えば出力端子OUTが接地電位等に短絡した負荷短絡モードでは、主素子12に大きな電流が流れる場合がある。大きな電流が連続して主素子12に流れると、エレクトロマイグレーションにより、上面電極60における抵抗値Rswが変化する場合がある。エレクトロマイグレーションとは、金属電極中の金属イオンが徐々に移動して、金属電極の形状が変化する現象である。エレクトロマイグレーションが進むと、上面電極60の抵抗値が大きくなりすぎ、主素子12が破壊される場合がある。このため、エレクトロマイグレーションによる、上面電極60の劣化の兆候を検出できることが好ましい。
【0048】
式(2)に示すように、上面電極60の抵抗Rswが変化すると、オン抵抗Ronmが変化する。式(1)に示すように、オン抵抗Ronmが変化すると、センス比SRが変化する。このため、センス比SRの変化を監視することで、オン抵抗Ronmの変化を検出でき、上面電極60の劣化の兆候を検出できる。
【0049】
本例では、主素子12のオン抵抗Ronmにおいて、主素子12の上面電極60の抵抗値Rswが占める割合と、電流センス用素子14のオン抵抗Ronsにおいて、電流センス用素子14の上面電極の抵抗値Rswが占める割合とを異ならせることが好ましい。これにより、オン抵抗Ronmの変化が、センス比SRの変化として現れやすくなる。例えば電流センス用素子14の上面電極の抵抗値が同様に変化した場合であっても、主素子12の上面電極60の抵抗値Rswの変化が、センス比SRの変化に現れやすくなる。本例では、主素子12の上面電極60において、第1センス配線11を接続する位置を調整することで、上面電極60の劣化がセンス比SRの変化として現れやすくする。
【0050】
図3は、半導体装置100の上面における素子の配置例を示す図である。図3では、半導体基板10の上面に配置された、主素子12、電流センス用素子14、および、回路部15を示している。回路部15には、図2に示したアンプ16、MOSFET18、制御部22等の、主素子12および電流センス用素子14以外の構成が含まれている。
【0051】
主素子12は、上面電極60を有する。電流センス用素子14は、上面電極59を有する。上面電極60には、1つ以上の出力配線13と、第1センス配線11とが接続されている。出力配線13および第1センス配線11は、例えばワイヤ等の空中配線である。上面電極60において出力配線13が接続されている位置を、出力位置71とする。上面電極60において、第1センス配線11が接続されている位置を第1センス位置61とする。図3において、上面電極60にセンス配線11が接続されている位置を白丸で示し、他の接続位置を黒丸で示している。
【0052】
第1センス配線11は、第1センス位置61における電位を電流センス用素子14に印加するための配線である。第1センス配線11は、回路部15に含まれるアンプ16(図1参照)に接続されている。上面電極60における第1センス位置61の配置によって、第1センス配線11から出力配線13までの上面電極60の経路長が変化する。このため、第1センス配線11から出力配線13までの経路の抵抗値(抵抗Rswに対応する)が変化する。
【0053】
電流センス用素子14の上面電極59には、ワイヤ等の配線17および配線19が接続されている。配線17は、回路部15に含まれるMOSFET18(図1参照)に接続されている。配線19は、回路部15に含まれるアンプ16の入力端子に接続されている。上面電極59において配線19が接続される位置の電位が、上面電極60における第1センス位置61の電位とほぼ一致する。上面電極59は、上面電極60に比べて小さい。このため、上面電極59における配線17および配線19の接続位置がばらついた場合でも、上面電極59における配線19の位置から、配線17の接続位置までの経路の抵抗値はあまり変化しない。
【0054】
図4は、第1センス位置61を変化させた場合の、第1センス位置61から出力位置71までの経路の抵抗値の変化を説明する図である。本例の上面電極60は、上面視において長方形であるが、上面電極60は正方形であってよく、他の形状であってもよい。上面視とは、半導体基板10の上面と垂直な方向から観察することを指す。本例では、上面電極60を長辺方向(Y軸方向)において仮想的に3つの領域(領域101、領域102、領域103)に等分している。出力位置71は領域103のY軸方向端部の近傍に配置されている。領域101は、領域103から最も離れた領域であり、領域102は、領域101と領域102との間の領域である。
【0055】
いずれかの領域101~103の中央に、第1センス位置61を設ける場合を考える。領域101に設ける第1センス位置61を第1センス位置61-1とし、領域102に設ける第1センス位置61を第1センス位置61-2とし、領域103に設ける第1センス位置61を第1センス位置61-3とする。
【0056】
第1センス位置61-3と出力位置71との間の経路の抵抗をRsw3とする。第1センス位置61-3は、出力位置71の近傍に配置されているので、抵抗Rsw3の抵抗値は比較的に小さい。
【0057】
第1センス位置61-2と第1センス位置61-3との間の経路の抵抗をRsw2とする。第1センス位置61-2と出力位置71との間の経路の抵抗は、Rsw3+Rsw2となる。
【0058】
第1センス位置61-1と第1センス位置61-2との間の経路の抵抗をRsw1とする。第1センス位置61-1と出力位置71との間の経路の抵抗は、Rsw3+Rsw2+Rsw1となる。
【0059】
図5は、領域101に第1センス位置61-1を設けた場合の、第1センス位置61-1と出力位置71との間の抵抗を示す回路図である。上述したように、第1センス位置61-1と出力位置71との間の経路の抵抗は、Rsw3+Rsw2+Rsw1となる。
【0060】
図6は、領域102に第1センス位置61-2を設けた場合の、第1センス位置61-2と出力位置71との間の抵抗を示す回路図である。上述したように、第1センス位置61-2と出力位置71との間の経路の抵抗は、Rsw3+Rsw2となる。
【0061】
図7は、領域103に第1センス位置61-3を設けた場合の、第1センス位置61-3と出力位置71との間の抵抗を示す回路図である。上述したように、第1センス位置61-3と出力位置71との間の経路の抵抗は、Rsw3となる。このように、上面電極60における第1センス位置61を調整することで、上面電極60の抵抗値Rswを調整できる。上述したように、上面電極60の抵抗値Rswの変化が、センス比SRの変化に現れやすい位置に、第1センス位置61を配置することが好ましい。
【0062】
図8は、第1センス位置61毎の、主素子12におけるドレイン・ソース間電圧Vdsの一例を示す図である。図5から図7に示すように、主素子12の電圧Vdsは、主素子12のドレイン端子と、第1センス位置61との間の電圧である。アンプ16等により、当該電圧Vdsに応じて、電流センス用素子14のドレイン・ソース間電圧が制御される。
【0063】
図8では、半導体装置100の上面電極60の抵抗値が劣化する前の初期状態における、各特性値を示している。本例では、主素子12のオン抵抗Ronmが75mΩであり、出力電流Ioutが1.5Aである。また図8では、それぞれの第1センス位置61から、出力位置71までの上面電極60の抵抗値Rswを示している。第1センス位置61-1、第1センス位置61-2、第1センス位置61-3のそれぞれに対する抵抗値Rswは、7.7mΩ、7.1mΩ、4.2mΩであった。このとき、第1センス位置61-1における電圧Vdsは95.3mV、第1センス位置61-2における電圧Vdsは98.9mV、第1センス位置61-3における電圧Vdsは105.8mVであった。
【0064】
図9は、上面電極60の抵抗値が増加した場合の、第1センス位置61毎の、主素子12におけるドレイン・ソース間電圧Vdsの一例を示す図である。本例では、主素子12のオン抵抗Ronmが85mΩに増加した。出力電流Ioutは、図8の例と同様に1.5Aである。第1センス位置61-1、第1センス位置61-2、第1センス位置61-3のそれぞれに対する抵抗値Rswは、17.7mΩ、17.1mΩ、9.2mΩであった。図8に示した初期値に対して、それぞれ10mΩ、10mΩ、5mΩずつ増加している。
【0065】
抵抗値Rswが変動すると、それぞれの第1センス位置61における電圧Vdsも変動する。本例の第1センス位置61-1における電圧Vdsは89.4mV、第1センス位置61-2における電圧Vdsは97.3mV、第1センス位置61-3における電圧Vdsは113.3mVであった。
【0066】
第1センス配線11を第1センス位置61-1に接続した例では、上面電極60の抵抗値の増加に伴い、主素子12の電圧Vdsは低下した。この場合、電流センス用素子14のドレイン・ソース間電圧も同様に低下するので、センス電流Isnsは低下する。このため、センス電圧Vsnsも低下する。
【0067】
第1センス配線11を第1センス位置61-2に接続した例では、上面電極60の抵抗値の増加に伴い、第1センス位置61-1の例と同様に、主素子12の電圧Vdsは低下した。ただし、電圧Vdsの低下幅は、第1センス位置61-1の例よりも縮小した。このため、センス電流Isnsおよびセンス電圧Vsnsも低下幅も、第1センス位置61-1の例よりも縮小する。
【0068】
第1センス配線11を第1センス位置61-3に接続した例では、上面電極60の抵抗値の増加に伴い、主素子12の電圧Vdsは増加した。この場合、電流センス用素子14のドレイン・ソース間電圧も同様に増加するので、センス電流Isnsも増加する。このため、センス電圧Vsnsも増加する。
【0069】
図10は、上面電極60の抵抗値Rswの増加前後における、センス電圧Vsnsの変化を示す図である。図10では、第1センス配線11を第1センス位置61-1に接続した場合の、出力電流Ioutとセンス電圧Vsnsとの関係を示している。本例では、上面電極60の抵抗値Rswが増加する程度に、高温で長時間、主素子12のオンおよびオフを繰り返した。図10において、抵抗値Rswの増加前の特性を破線で示し、当該増加後の特性を実線で示している。図8および図9に示したように、第1センス位置61-1に第1センス配線11が接続されている場合、抵抗値Rswが増加すると、センス電圧Vsnsは減少した。
【0070】
図11は、上面電極60の抵抗値Rswの増加前後における、センス電圧Vsnsの変化を示す図である。図11では、第1センス配線11を第1センス位置61-2に接続した場合の、出力電流Ioutとセンス電圧Vsnsとの関係を示している。図11において、抵抗値Rswの増加前と増加後で、センス電圧Vsnsはほとんど変動しなかった。
【0071】
図12は、上面電極60の抵抗値Rswの増加前後における、センス電圧Vsnsの変化を示す図である。図12では、第1センス配線11を第1センス位置61-3に接続した場合の、出力電流Ioutとセンス電圧Vsnsとの関係を示している。図12において、抵抗値Rswの増加前の特性を破線で示し、当該増加後の特性を実線で示している。図8および図9に示したように、第1センス位置61-3に第1センス配線11が接続されている場合、抵抗値Rswが増加すると、センス電圧Vsnsは増加した。
【0072】
図13は、上面電極60の抵抗値Rswの増加前後における、センス電圧Vsnsの変化を示す図である。図12では、第1センス配線11を第1センス位置61-4に接続した場合の、出力電流Ioutとセンス電圧Vsnsとの関係を示している。第1センス位置61-4は、第1センス位置61-3よりも、出力位置71の近くに配置されている。本例の第1センス位置61-4は、X軸方向において出力位置71と並んで配置されている。第1センス位置61-4に第1センス配線11が接続されている場合、抵抗値Rswが増加すると、センス電圧Vsnsは増加した。第1センス位置61-4は、出力位置71の近傍に配置されているので、抵抗値Rswの増加前後においてセンス電圧Vsnsの変動は更に大きくなった。
【0073】
図14は、第1センス位置61の位置Ymos(%)と、センス電圧Vsnsの変動率ΔVsns(%)との関係を説明する図である。本例の上面電極60は、Y軸と平行な1組の長辺67と、X軸と平行な1組の短辺68とを有する。出力位置71は、いずれかの短辺68の近傍に設けられている。Y軸方向において、出力位置71が設けられた位置を+100%の位置とし、出力位置71とは逆側の短辺68の位置を-100%の位置とする。出力位置71と短辺68との間の中央を、0%の位置とする。
【0074】
本例では、主素子12の電圧Vdsの変動の最大値をΔVdsmとする。図10から図13に示したように、第1センス位置61がYmos=+100%の位置に配置されている場合に、電圧Vdsの変動が最大となる。主素子12の電圧Vdsの変動ΔVdsは、第1センス位置61の位置Ymosを用いて式(3)で示される。
ΔVds=ΔVdsm×Ymos ・・・(3)
【0075】
上述した式(1)等から、センス電圧Vsnsは式(4)となる。
Vsns=Iout×Rsns×SR ・・・(4)
Ioutは、主素子12の抵抗値Rswが変動しても、ほぼ変動せずに一定値となる。上述したように、センス比SRは、主素子12のオン抵抗Ronmと、電流センス用素子14のオン抵抗Ronsとの比Ronm/Ronsである。電流センス用素子14に流れる電流は、主素子12に流れる電流と比べて非常に小さいので、電流センス用素子14の上面電極59にはエレクトロマイグレーションが生じにくい。このため、電流センス用素子14のオン抵抗Ronsはほとんど変動しない。また、電流センス用素子14の上面電極59は非常に小さいので、配線19の接続位置のばらつき等による抵抗値の変動もほとんどない。
【0076】
このためセンス電圧Vsnsは、主素子12のオン抵抗Ronmの変動比率に応じて、変動する。オン抵抗Ronmの変動前のセンス電圧をVsns1、変動後のセンス電圧Vsns2とすると、下式となる。
Vsns1=Iout×Rsns×SR
Vsns2=Iout×ΔVds×Rsns×SR=Iout×ΔVdsm×Ymos×Rsns×SR
【0077】
出力電流Ioutおよびセンス抵抗Rsnsは一定値なので、センス電圧の変動率ΔVsns=Vsns2/Vsns1は、下式となる。
ΔVsns=ΔVdsm×Ymos
センス電圧の変動率ΔVsnsが大きいほど、上面電極60の抵抗値Rswの変動を検知しやすくなる。半導体装置100においては、変動率ΔVsnsが大きくなるように、第1センス位置61を調整することが好ましい。
【0078】
図15は、上面電極60における第1センス位置61を説明する図である。本例では、1つ以上の出力配線13のうち、上面電極60に対する接続位置と、第1センス位置61との距離が最も小さいものを、第1近接配線91とする。第1近接配線91が、上面電極60と接続する位置を第1近接位置81とする。
【0079】
上面電極60において、第1センス位置61から第1近接位置81までの距離を、第1配線間距離LW1とする。また、第1近接位置81から、上面電極60の端部までの最大距離をLMとする。第1近接位置81と第1センス位置61とを結ぶ直線を直線65とする。最大距離LMは、直線65と平行な方向における、第1近接位置81と、上面電極60の端部までの最大距離であってよい。
【0080】
上面電極60が長方形の場合、長辺67と平行な方向(図15ではY軸方向)における、第1近接位置81と第1センス位置61との距離LW1'を、第1配線間距離LW1として用いてもよい。また、長辺67と平行な方向における、第1近接位置81と上面電極60の端部までの最大距離LM'を、上述した最大距離LMとして用いてもよい。
【0081】
上面電極60において、第1センス位置61から第1近接位置81までの第1配線間距離LW1は、第1近接位置81から上面電極60の端部までの最大距離LMの半分(LM/2)とは異なる。つまり、第1センス位置61は、第1近接位置81と上面電極60の端部との間において、中央以外に配置されている。このような配置により、図10から図14において示したように、上面電極60の抵抗値Rswの変動が、センス比SR(センス電圧Vsns)の変動として現れる。このため、センス比SR(またはセンス電圧Vsns)の変動を検出することで、上面電極60の抵抗値Rswの変動を検知できる。上面電極60の抵抗値Rswの抵抗値の変動を早期に検知することができるので、主素子12の破壊を防げる。
【0082】
図10から図14において説明したように、第1センス位置61の位置Ymosが0%の位置から離れるほど、上面電極60の抵抗値Rswの変動により、センス比SR(またはセンス電圧Vsns)が大きく変動する。第1配線間距離LW1は、最大距離LMの0倍以上、1/4倍以下であってよい。つまり図14に示したYmosが、+100%以下、+50%以上であってよい。第1配線間距離LW1は、最大距離LMの1/8倍以下であってよく、1/10倍以下であってよく、1/20倍以下であってもよい。つまり図14に示したYmosが、+75%以上であってよく、+80%以上であってよく、+90%以上であってもよい。
【0083】
第1配線間距離LW1は、最大距離LMの3/4倍以上、1倍以下であってもよい。つまり図14に示したYmosが、-100%以上、-50%以下であってよい。第1配線間距離LW1は、最大距離LMの7/8倍以上であってよく、9/10倍以上であってよく、19/20倍以上であってもよい。つまり図14に示したYmosが、-75%以下であってよく、-80%以下であってよく、-90%以下であってもよい。
【0084】
図16は、第1センス位置61の他の配置例を示す図である。本例の第1センス位置61は、上面電極60の短辺68と平行な第1方向に並んでいる。本例の場合、センス比SR(センス電圧Vsns)の変動は、図13に示すようになる。このため、上面電極60の抵抗値Rswの変動による、センス比SR(センス電圧Vsns)の変動を最大化でき、上面電極60の抵抗値Rswの変動を検知しやすくなる。
【0085】
図17は、第1センス位置61の他の配置例を示す図である。本例では、上面電極60のいずれかの辺と平行な直線69で、上面電極60を仮想的に複数の領域に等分する。図17では、短辺68と平行な直線69で、上面電極60を2等分している。2等分した上面電極60の領域を、第1領域111および第2領域112とする。
【0086】
本例では、第1センス位置61が第1領域111に配置され、第1近接位置81が第2領域112に配置されている。これにより、センス比SRの変動から、上面電極60の抵抗値Rswの変動を検知できる。上面電極60は、複数の直線69により、より多くの領域に分割されてよい。例えば上面電極60は、複数の直線69により、Y軸方向にN分割(Nは3以上の整数)されてよい。Nは4以上の整数であってよく、5以上の整数であってよく、10以上の整数であってもよい。この場合も、第1近接位置81が設けられた領域を第2領域112とし、第1センス位置61が配置された領域を第1領域111とする。第1領域111は、複数の領域のうち、第2領域112から最も離れた領域であってよい。
【0087】
図18は、第1センス位置61の他の配置例を示す図である。本例においても、図17の例と同様に、直線69で上面電極60を仮想的に分割する。本例では、第1センス位置61および第1近接位置81の両方が、同一の第2領域112に配置されている。これにより、センス比SRの変動から、上面電極60の抵抗値Rswの変動を検知できる。上面電極60は、複数の直線69により、より多くの領域に分割されてよい。例えば上面電極60は、複数の直線69により、Y軸方向にN分割(Nは3以上の整数)されてよい。Nは4以上の整数であってよく、5以上の整数であってよく、10以上の整数であってもよい。この場合も、第1センス位置61および第1近接位置81は同一の第2領域112に配置されてよい。第2領域112は、Y軸方向において最も端に配置された領域であってよく、端以外に配置された領域であってもよい。
【0088】
図19は、第1センス位置61の他の配置例を示す図である。本例では、上面電極60の第1辺(例えば短辺68)と平行な直線69で上面電極60をY軸方向に複数の領域に等分し、且つ、第1辺と平行でない第2辺(例えば長辺67)と平行な直線65で上面電極60をX軸方向に複数の領域に等分している。図19の例では、上面電極60をX軸方向およびY軸方向のそれぞれで2等分している。
【0089】
本例では、第1センス位置61が第1領域111に配置され、第1近接位置81が第2領域112に配置されている。第1領域111および第2領域112は、上面電極60において互いに対角に配置された領域である。つまり第1領域111および第2領域112は、上面電極60の中心点63を基準に点対称に配置されている。これにより、センス比SRの変動から、上面電極60の抵抗値Rswの変動を検知できる。
【0090】
上面電極60は、複数の直線69および複数の直線65により、より多くの領域に分割されてよい。例えば上面電極60は、複数の直線69により、Y軸方向にN分割(Nは3以上の整数)され、複数の直線65により、X軸方向にM分割(Mは3以上の整数)されてよい。NおよびMは、それぞれ4以上の整数であってよく、5以上の整数であってよく、10以上の整数であってもよい。NおよびMは同一の整数であってよく、異なる整数であってもよい。この場合も、第1近接位置81が設けられた領域を第2領域112とし、第1センス位置61が配置された領域を第1領域111とする。第1領域111および第2領域112は、対角(点対称)に配置された領域であってよい。第1領域111および第2領域112は、それぞれ上面電極60のいずれかの辺を含む領域であってよく、いずれかの角を含む領域であってもよい。これにより、第1領域111および第2領域112の間の距離を大きくし、上面電極60の抵抗値Rswの変動を検知しやすくなる。
【0091】
図20は、第1センス位置61の他の配置例を示す図である。本例では、上面電極60の第1辺(例えば短辺68)と平行な直線69で上面電極60をY軸方向に複数の領域に等分(図20では2等分)し、且つ、第1辺と平行でない第2辺(例えば長辺67)と平行な直線65で上面電極60をX軸方向に複数の領域に等分(図20では2等分)している。
【0092】
本例では、第1センス位置61および第1近接位置81の両方が、同一の第2領域112に配置されている。これにより、センス比SRの変動から、上面電極60の抵抗値Rswの変動を検知できる。
【0093】
上面電極60は、複数の直線69および複数の直線65により、より多くの領域に分割されてよい。例えば上面電極60は、複数の直線69により、Y軸方向にN分割(Nは3以上の整数)され、複数の直線65により、X軸方向にM分割(Mは3以上の整数)されてよい。NおよびMは、それぞれ4以上の整数であってよく、5以上の整数であってよく、10以上の整数であってもよい。NおよびMは同一の整数であってよく、異なる整数であってもよい。この場合も、第1近接位置81および第1センス位置61は、同一の第2領域112に設けられてよい。第2領域112は、それぞれ上面電極60のいずれかの辺を含む領域であってよく、いずれかの角を含む領域であってもよい。
【0094】
図21は、第1センス位置61の他の配置例を示す図である。本例では、上面電極60のいずれかの辺と平行な直線69で、上面電極60を仮想的に分割する。図21では、短辺68と平行な直線69で、上面電極60を複数の領域に等分(図21では2等分)している。2等分した上面電極60の領域を、第1領域111および第2領域112とする。
【0095】
本例では、第1領域111および第2領域112の両方に、1つ以上の出力位置71が配置されている。それぞれの出力位置71には、出力配線13が接続されている。本例では、第2領域112に接続された出力配線13の本数(すなわち、出力位置71の個数)は、第1領域111に接続された出力配線13の本数(すなわち、出力位置71の個数)より多い。
【0096】
第1センス位置61は、第1領域111に配置されている。ただし、第1センス位置61と、第1近接位置81との関係は、本明細書において説明したいずれかの態様と同様である。第1センス位置61は、いずれの出力位置71よりも、Y軸方向において短辺68の近くに配置されてよい。つまり、第1センス位置61は、Y軸方向において、いずれかの短辺68に最も近い出力位置71と、当該短辺68との間に配置されてよい。本例によっても、センス比SRの変動から、上面電極60の抵抗値Rswの変動を検知できる。
【0097】
図22は、第1センス位置61の他の配置例を示す図である。本例では、複数の出力配線13のうち、上面電極60に対する接続位置と、第1センス位置61との距離L2が2番目に小さいものを第2配線13-2とする。第2配線13-2の出力位置71-2と、第1センス位置61との距離をL2とする。距離L2は、第1配線間距離LW1よりも大きい。このような配置によっても、センス比SRの変動から、上面電極60の抵抗値Rswの変動を検知できる。距離L2は、第1配線間距離LW1の2倍以上であってよく、3倍以上であってよく、5倍以上であってもよい。距離L2が第1配線間距離LW1より大きいほど(すなわち、第1センス位置61が偏って配置されているほど)、センス比SRの変動から、上面電極60の抵抗値Rswの変動を検知しやすくなる。
【0098】
Y軸方向において、第1センス位置61は、第1近接位置81および出力位置71-2の間に配置されてよい。第1近接位置81、第1センス位置61、および、出力位置71-2は、同一の直線65の上に配置されていてもよい。直線65は、それぞれの接続位置のいずれかの部分を通過すればよい。直線65は、それぞれの接続位置の中心を通過してもよい。
【0099】
図23は、センス配線11の他の接続例を示す図である。本例の上面電極60には、第1センス配線11-1および第2センス配線11-2が接続されている。上面電極60に対して第1センス配線11-1が接続する位置を第1センス位置61とし、第2センス配線11-2が接続する位置を第2センス位置62とする。第2センス配線11-2は、第2センス位置62における電位を電流センス用素子14に印加するための配線である。
【0100】
第2センス位置62と第1近接位置81との距離を第2配線間距離LW2とする。第2配線間距離LW2は、第1配線間距離LW1とは異なる。第2配線間距離LW2は、第1配線間距離LW1の2倍以上であってよく、4倍以上であってよく、10倍以上であってもよい。
【0101】
第1配線間距離LW1は、最大距離LMの半分より大きく、最大距離LMの1倍以下であってよい。第2配線間距離LW2は、最大距離LMの半分より小さく、最大距離LMの0倍以上であってよい。このような配置により、上面電極60の抵抗値Rswが増加した場合に、第1センス位置61における電圧Vdsは減少し、第2センス位置62における電圧Vdsは増加する。このため、第1センス位置61における電圧Vdsの変動と、第2センス位置62における電圧Vdsの変動とを比較することで、上面電極60の抵抗値Rswの増加を精度よく検出できる。例えば、第1センス位置61における電圧Vdsおよび第2センス位置62における電圧Vdsが共に増加または共に減少した場合、当該電圧の変動が、上面電極60の抵抗値Rswの変動によるものではないと判断できる。
【0102】
第1配線間距離LW1は、最大距離LMの3/4倍以上であってよく、7/8倍以上であってよく、9/10倍以上であってよく、19/20倍以上であってもよい。第2配線間距離LW2は、最大距離LMの1/4以下であってよく、1/8倍以下であってよく、1/10倍以下であってよく、1/20倍以下であってもよい。第1センス位置61および第2センス位置62の一方を第1近接位置81に近づけ、他方を第1近接位置81から遠ざけることで、上面電極60の抵抗値Rswの変動をより精度よく検出できる。
【0103】
上面電極60のいずれかの辺と平行な直線69で、上面電極60を仮想的に複数の領域に等分(例えば2等分)した場合に、第1センス位置61および第2センス位置62は、それぞれ異なる領域に配置されてよい。本例では、第1センス位置61が第1領域111に配置され、第1近接位置81が第2領域112に配置されている。上面電極60は、複数の直線69により、より多くの領域に分割されてよい。例えば上面電極60は、複数の直線69により、Y軸方向にN分割(Nは3以上の整数)されてよい。Nは4以上の整数であってよく、5以上の整数であってよく、10以上の整数であってもよい。第1センス位置61が設けられた第1領域111と、第2センス位置62が設けられた第2領域112との間には、1つまたは複数の他の領域が挟まれていてよい。第1領域111および第2領域112は、それぞれ短辺68を含む領域であってもよい。
【0104】
第1センス位置61は、図19において説明した第1センス位置61と同様に、第1近接位置81が設けられた第2領域112とは対角の第1領域111に設けられてよい。第2センス位置62は、図20において説明した第1センス位置61と同様に、第1近接位置81と同一の第2領域112に設けられてよい。
【0105】
図24は、半導体基板10に設けられた回路の他の例を示す図である。本例の半導体装置100は、図1から図23において説明した構成に加えて、選択部93を備えている。選択部93は、図23において説明した第1センス位置61における電圧、および、第2センス位置62における電圧のいずれかを選択して、電流センス用素子14に印加する。本例の選択部は、いずれかの電圧を選択して、アンプ16に入力する。図24においては、第1センス位置61から第2センス位置62までの上面電極60の抵抗値をRswa、第2センス位置62から第1近接位置81までの上面電極60の抵抗値をRswbとしている。
【0106】
図1に示した制御部22が、選択部93を制御して、いずれかの電圧を選択させてよい。本例の選択部93は、第1センス位置61および第2センス位置62のそれぞれに対して、アンプ16に接続するか否かを切り替えるMOSFET95を有する。いずれかのMOSFET95を選択的にオン状態にすることで、センス位置の電圧をアンプ16に入力する。
【0107】
制御部22は、半導体装置100の動作時に、第1センス位置61および第2センス位置62のうち予め設定された方を選択し、アンプ16に接続していてよい。制御部22は、センス比SR(またはセンス電圧Vsns)の変動が検知された場合に、選択部93を制御して、第1センス位置61および第2センス位置62のうちの他方を選択してよい。制御部22には、第1センス位置61および第2センス位置62のそれぞれについて、センス比SR(またはセンス電圧Vsns)の初期値が記憶されていてよい。図10の例と、図12または図13の例のように、第1センス位置61および第2センス位置62は、センス比SR(またはセンス電圧Vsns)の変動の符号が異なるように配置されることが好ましい。そして、選択部93が選択するセンス位置を切り替えた場合に、センス比SR(またはセンス電圧Vsns)の変動の符号が反転した場合には、制御部22は、上面電極60の抵抗値Rswが変化したと判定してよい。
【0108】
このような制御により、上面電極60の抵抗値Rswの変動を精度よく検出できる。選択部93は、半導体装置100の動作時には、第2センス位置62を選択していてもよい。図10から図13において説明したように、センス位置が第1近接位置81に近いほうが、上面電極60の抵抗値Rswの変動により、センス比SR(またはセンス電圧Vsns)が変動しやすい場合がある。このため、上面電極60の抵抗値Rswの変動をより早期に検出できる。そして、第1センス位置61に切り替えてセンス比SRを測定することで、センス比SRの変動が、上面電極60の抵抗値の変動によるものであるか否かを判定できる。
【0109】
半導体装置100は、選択部93に代えて、電流センス用素子14、MOSFET18、アンプ16、センス抵抗20、および、センス端子SNSを、第1センス位置61および第2センス位置62のそれぞれに対して有していてもよい。この場合、第1センス位置61および第2センス位置62に対するセンス比SR(またはセンス電圧Vsns)を並列に測定できる。
【0110】
図25は、半導体装置100の他の例を示す図である。本例の半導体装置100は、センス比測定部180、電極評価部182および初期値記憶部184のうち、少なくとも一部を更に備える。センス比測定部180、電極評価部182および初期値記憶部184のそれぞれは、半導体基板10に設けられてよく、半導体基板10の外部に設けられてもよい。制御部22が、センス比測定部180、電極評価部182および初期値記憶部184の少なくとも一部として機能してもよい。
【0111】
センス比測定部180は、電流センス用素子14に流れるセンス電流Isnsと、出力配線13に流れる出力電流Ioutとの比を示すセンス比SRを測定する。出力電流Ioutが一定の場合、センス比測定部180は、センス電流Isnsまたはセンス電圧Vsnsを、センス比SRを示す指標として測定してよい。出力電流Ioutが一定でない場合、センス比測定部180は、出力電流Ioutを更に測定してもよい。センス比測定部180は、センス比SRを設定された期間毎に測定してよく、使用者等の指示に応じて測定してよく、常時測定してもよい。
【0112】
電極評価部182は、センス比測定部180が想定したセンス比SRに基づいて、主素子12の上面電極60を評価する。電極評価部182は、センス比SRの初期値と、測定値との乖離に基づいて、上面電極60を評価してよい。電極評価部182は、当該乖離(例えばΔVsns)が基準値以上の場合に、上面電極60が劣化したと判定してよい。
【0113】
初期値記憶部184は、センス比SR(またはセンス比SRを示す指標)の初期値を記憶する。初期値記憶部184は、半導体装置100の出荷時等においてセンス比測定部180が測定した値を記憶してよく、使用者等により設定された値を記憶してもよい。電極評価部182は、センス比SRの初期値と測定値とを比較する。
【0114】
図1に示した制御部22は、センス比測定部180が測定したセンス比SRに基づいて、主素子12に流れる電流を制御してもよい。例えば制御部22は、センス比SRの変動が所定の基準値より大きくなった場合に、主素子12に流れる電流を小さくし、または、遮断してよい。これにより、主素子12を保護できる。制御部22は、センス比SRの変動が所定の基準値より大きくなった場合に、一時的に、主素子12に流れる出力電流Ioutを大きくしてもよい。電極評価部182は、主素子12に流れる電流を大きくした状態でセンス比測定部180が測定したセンス比SRに基づいて、上面電極60を評価してよい。これにより、上面電極60の劣化の兆候を検出した場合に、出力電流Ioutを大きくしてセンス比SRの変動がより顕著になる状態にして、上面電極60の劣化を再度測定できる。主素子12に流れる電流を大きくした状態での測定が終了した場合、制御部22は、主素子12に流れる電流を元に戻してよい。
【0115】
制御部22は、センス抵抗20の抵抗値を制御してもよい。例えば、センス電圧Vsnsの変動が基準値を超えた場合に、制御部22はセンス抵抗20の抵抗値を一時的に大きくしてよい。センス抵抗20の抵抗値を一時的に大きくすることで、センス電圧Vsnsの変動幅を大きくでき、センス電圧Vsnsの変動量を精度よく検出できる。センス電圧Vsnsの変動量の測定が終了した場合、制御部22は、センス抵抗20の抵抗値を元に戻してよい。これにより、センス電圧Vsnsの測定精度を向上させつつ、消費電力の増大を抑制できる。センス抵抗20は、半導体装置100の外部の抵抗であってもよい。つまりセンス抵抗20は、外付け抵抗であってもよい。
【0116】
図26は、半導体装置100の他の構成例を示す図である。図26では、半導体装置100および負荷200の等価回路の一例を示している。図26における半導体装置100では、主素子12、電流センス用素子14、センス配線11、アンプ16、MOSFET18、センス抵抗20および各端子以外の構成を省略している。
【0117】
本例の半導体装置100は、図23において説明した例と同様に、第1センス位置61に第1センス配線11-1が接続され、第2センス位置62に第2センス配線11-2が接続されている。第1センス位置61および第2センス位置62の配置は、図23の例と同様である。第1センス位置61は第1領域111(図23参照)に配置され、第2センス位置62は第2領域112(図23参照)に配置されている。
【0118】
図26では、主素子12の構造として、主素子12a、主素子12c、抵抗Rswa、および抵抗Rswcを示している。本例の抵抗Rswaは、第1センス位置61から第2センス位置62までの抵抗を示しており、本例の抵抗Rswcは、第2センス位置62から第1近接位置81までの抵抗を示している。また、主素子12aは、抵抗Rswaの近傍における主素子12の部分を示しており、主素子12cは、抵抗Rswcの近傍における主素子12の部分を示している。
【0119】
図1から図25に示した半導体装置100は、1つのセンス端子SNSを備えていた。本例の半導体装置100は、第1センス端子SNS1および第2センス端子SNS2を備える。第1センス端子SNS1は、図23等において説明した第1センス位置61の電位を半導体装置100の外部に出力する。第2センス端子SNS2は、図23等において説明した第2センス位置62の電位を半導体装置100の外部に出力する。
【0120】
本例の半導体装置100は、アンプ16、MOSFET18およびセンス抵抗20を、第1センス端子SNS1および第2SNS端子SNS2のそれぞれに対して備える。MOSFET18-1は、電流センス用素子14のソース端子と、接地電位GNDとの間に接続されている。センス抵抗20-1は、MOSFET18-1のソース端子と、接地電位GNDとの間に接続されている。MOSFET18-1のソース端子は、第1センス端子SNS1に接続されている。MOSFET18-2は、電流センス用素子14のソース端子と、接地電位GNDとの間に接続されている。センス抵抗20-2は、MOSFET18-2のソース端子と、接地電位GNDとの間に接続されている。MOSFET18-2のソース端子は、第2センス端子SNS2に接続されている。
【0121】
アンプ16-1は、第1センス配線11-1の電位と、MOSFET18-1のドレイン電位とが同じになるように、MOSFET18-1のゲート端子に印加する電圧を調整する。このような構成により、第1センス位置61における第1センス電圧Vsns1が、第1センス端子SNS1から出力される。アンプ16-2は、第2センス配線11-2の電位と、MOSFET18-2のドレイン電位とが同じになるように、MOSFET18-1のゲート端子に印加する電圧を調整する。このような構成により、第2センス位置62における第2センス電圧Vsns2が、第2センス端子SNS2から出力される。
【0122】
第1センス端子SNS1における第1センス電圧Vsns1は、上面電極60の抵抗値Rswの増加前後において、図10に示した第1センス位置61-1における電圧と同様に変化する。つまり抵抗値Rswが増加すると、第1センス電圧Vsns1は減少する。
【0123】
第2センス端子SNS2における第2センス電圧Vsns2は、上面電極60の抵抗値Rswの増加前後において、図12に示した第1センス位置61-3における電圧と同様に変化する。つまり抵抗値Rswが増加すると、第2センス電圧Vsns2は増加する。
【0124】
半導体装置100は、図25において説明した電極評価部182を更に備えてよい。電極評価部182は、半導体装置100の外部に設けられてもよい。本例の電極評価部182は、第1センス端子SNS1が出力する第1センス電圧Vsns1と、第2センス端子SNS2が出力する第2センス電圧Vsns2との差分に基づいて、主素子12の上面電極60を評価する。上述したように、第1センス電圧Vsns1と第2センス電圧Vsn2は、上面電極60の抵抗値Rswの増大に応じて、一方は増加して他方は減少する。このため、これらの差分を算出することで、第1センス電圧Vsns1の変動と、第2センス電圧Vsns2の変動の和を検出でき、抵抗値Rswの増大に対するセンス電圧の変動の検出感度を向上できる。
【0125】
第1センス位置61と第2センス位置62との距離(例えば図23においてはLW1-LW2)が大きいほど抵抗Rswaが大きくなり、第1センス電圧Vsns1と第2センス電圧Vsn2との差分は大きくなる。当該距離は、最大距離LM(図23参照)の3/4倍以上であってよく、7/8倍以上であってよく、9/10倍以上であってよく、19/20倍以上であってもよい。
【0126】
電極評価部182は、当該差分の初期値と、当該差分の測定値との乖離に基づいて、上面電極60を評価してよい。電極評価部182は、当該乖離が基準値以上の場合に、上面電極60が劣化したと判定してよい。
【0127】
半導体装置100は、図25において説明した初期値記憶部184を更に備えてよい。初期値記憶部184は、半導体装置100の外部に設けられてもよい。初期値記憶部184は、第1センス電圧Vsns1と、第2センス電圧Vsns2との差分の初期値を記憶する。初期値記憶部184は、半導体装置100の出荷時等において測定した値を記憶してよく、使用者等により設定された値を記憶してもよい。電極評価部182は、初期値記憶部184が記憶した初期値と測定値とを比較してよい。
【0128】
図1等において説明した制御部22は、電極評価部182における評価結果に基づいて、主素子12に流れる電流を制御してもよい。制御部22の動作は、図25の例と同様である。例えば制御部22は、上述した差分の、初期値からの変動が、所定の基準値より大きくなった場合に、主素子12に流れる電流を小さくし、または、遮断してよい。これにより、主素子12を保護できる。
【0129】
図27は、上面電極60の抵抗値Rswの増加前後における、第1センス電圧Vsns1の変動を示す図である。図27における上のグラフは、上面電極60の抵抗値Rswの増加前と、増加後のそれぞれについて、出力電流Ioutと第1センス電圧Vsns1との関係を示している。図27の上のグラフは、図10のグラフと同様である。
【0130】
図27の下のグラフは、抵抗値Rswの増加前の第1センス電圧Vsns1に対する、抵抗値Rswの増加後の第1センス電圧Vsns1の変動量(第1変動電圧ΔVsns1)を示すグラフである。当該グラフにおける縦軸のマイナスは、抵抗値Rswの増加後の第1センス電圧Vsns1が、抵抗値Rswの増加前の第1センス電圧Vsns1よりも減少していることを示している。
【0131】
図28は、上面電極60の抵抗値Rswの増加前後における、第2センス電圧Vsns2の変動を示す図である。図28における上のグラフは、上面電極60の抵抗値Rswの増加前と、増加後のそれぞれについて、出力電流Ioutと第2センス電圧Vsns2との関係を示している。図28の上のグラフは、図12のグラフと同様である。
【0132】
図28の下のグラフは、抵抗値Rswの増加前の第2センス電圧Vsns2に対する、抵抗値Rswの増加後の第2センス電圧Vsns2の変動量(第2変動電圧ΔVsns2)を示すグラフである。当該グラフにおける縦軸のプラスは、抵抗値Rswの増加後の第2センス電圧Vsns2が、抵抗値Rswの増加前の第2センス電圧Vsns2よりも増加していることを示している。
【0133】
図29は、上面電極60の抵抗値Rswの増加前後における、第2センス電圧Vsns2と第1センス電圧Vsns1との差分電圧Vsnsd(=Vsns2-Vsns1)の変動を示す図である。図29における上のグラフは、上面電極60の抵抗値Rswの増加前と、増加後のそれぞれについて、出力電流Ioutと差分電圧Vsnsdとの関係を示している。
【0134】
図29の下のグラフは、抵抗値Rswの増加前の差分電圧Vsnsdに対する、抵抗値Rswの増加後の差分電圧Vsnsdの変動量(差分変動電圧ΔVsnsd)を示すグラフである。当該グラフにおける縦軸のプラスは、抵抗値Rswの増加後の差分電圧Vsnsdが、抵抗値Rswの増加前の差分電圧Vsnsdよりも増加していることを示している。当該グラフには、図28に示した第2変動電圧ΔVsns2を破線で示している。当該グラフに示すように、差分電圧Vsnsdは、抵抗値Rswの変動に対して、より大きなゲインで変動することがわかる。このため、抵抗値Rswの変動を感度よく検知できる。
【0135】
図30は、半導体装置100の他の構成例を示す図である。図30では、半導体装置100および負荷200の等価回路の一例を示している。図30における半導体装置100では、主素子12、差分出力部77、抵抗75、抵抗76および各端子以外の構成を省略している。主素子12の構造は、図26の例と同様である。
【0136】
本例の半導体装置100は、図26において説明した例と同様に、第1センス位置61に第1センス配線11-1が接続され、第2センス位置62に第2センス配線11-2が接続されている。第1センス位置61および第2センス位置62の配置は、図26の例と同様である。
【0137】
差分出力部77は、第1センス配線11-1が伝送する第1センス位置61の電位と、第2センス配線11-2が伝送する第2センス位置62の電位との差分を出力する。本例の差分出力部77は、第1センス配線11-1が正入力端子に接続され、第2センス配線11-2が負入力端子に接続された差動増幅回路である。
【0138】
抵抗75は、差分出力部77の出力端子と、負入力端子との間に接続されている。抵抗76は、差分出力部77の負入力端子と低電位端子GNDとの間に接続されている。差分出力部77は、抵抗75および抵抗76の抵抗比に応じた増幅率で、第1センス位置61の電位と第2センス位置62の電位との差分を増幅して出力する。抵抗75の抵抗値をR75、抵抗76の抵抗値をR76とした場合、差分出力部77の増幅率Gは、下式で示される。
G=1+R76/R75
【0139】
本例の半導体装置100は、差分出力端子AMPを有する。差分出力端子AMPは、差分出力部77の出力端子に接続される。本例の半導体装置100は第1センス位置61の電位と第2センス位置62の電位との差分を出力するので、当該差分を監視することで、上面電極60の劣化を精度よく検出できる。
【0140】
主素子12に流れる電流値を検知しない場合、半導体装置100は、電流センス用素子14、アンプ16、MOSFET18、センス抵抗20およびセンス端子SNSを備えなくてもよい。図30では省略しているが、主素子12に流れる電流値を検知する場合、半導体装置100は、電流センス用素子14、アンプ16、MOSFET18、センス抵抗20およびセンス端子SNSを備えていてもよい。
【0141】
図31は、センス配線11の他の接続例を示す図である。本例の上面電極60には、第1センス配線11-1、第2センス配線11-2および第3センス配線11-3が接続されている。第1センス配線11-1および第2センス配線11-2が上面電極60に対して接続する第1センス位置61および第2センス位置62は、図23の例と同様である。上面電極60に対して第3センス配線11-3が接続する位置を第3センス位置73とする。第3センス位置73と第1近接位置81との距離を第3配線間距離LW3とする。
【0142】
第3センス位置73は、第1センス位置61および第2センス位置62の間に配置されている。第1センス位置61、第2センス位置62および第3センス位置73は、1つの直線上に並んでいてよく、並んでいなくてもよい。第3センス位置73は、上面電極60の長手方向(図31ではY軸方向)において、第1センス位置61および第2センス位置62の間に配置されていてよい。
【0143】
第3センス位置73は、位置YMOS(図14参照)が、-10%~10%の範囲に配置されてよい。つまり第3センス位置73は、上面電極60のほぼ中央に配置されてよい。第3センス位置73は、第1センス位置61までの距離(LW1-LW3)と、第2センス位置62までの距離(LW3-LW2)とが、ほぼ等しくなるように配置されてもよい。距離(LW1-LW3)と、距離(LW3-LW2)との差分は、距離(LW3-LW2)の10%以下であってよい。このように第3センス位置73を配置することで、第3センス位置73におけるセンス電圧Vsns3は、上面電極60の抵抗値Rswが変動しても、ほとんど変動しなくなる。このため、第3センス電圧Vsns3を検知することで、主素子12に流れる電流値を精度よく検知できる。
【0144】
図32は、図31において説明した半導体装置100の等価回路の一例を示す図である。本例の半導体装置100は、図26に示した構成に加えて、アンプ16-3、MOSFET18-3、センス抵抗20-3およびセンス端子SNS3を備える。図32において図26と同一の符号を付した構成要素は、特に説明する場合を除き、図26に示した構成要素と同様の機能および構成を有してよい。
【0145】
本例の主素子12は、主素子12a、主素子12b、主素子12c、抵抗Rswa、抵抗Rswbおよび抵抗Rswcで示されている。本例の抵抗Rswaは、第1センス位置61から第3センス位置73までの抵抗を示しており、抵抗Rswbは、第3センス位置73から第2センス位置62までの抵抗を示しており、本例の抵抗Rswcは、第2センス位置62から第1近接位置81までの抵抗を示している。また、主素子12aは、抵抗Rswaの近傍における主素子12の部分を示しており、主素子12bは、抵抗Rswbの近傍における主素子12の部分を示しており、主素子12cは、抵抗Rswcの近傍における主素子12の部分を示している。
【0146】
MOSFET18-3は、電流センス用素子14のソース端子と、接地電位GNDとの間に接続されている。センス抵抗20-3は、MOSFET18-3のソース端子と、接地電位GNDとの間に接続されている。MOSFET18-3のソース端子は、第3センス端子SNS3に接続されている。
【0147】
アンプ16-3は、第3センス配線11-3の電位と、MOSFET18-3のドレイン電位とが同じになるように、MOSFET18-3のゲート端子に印加する電圧を調整する。このような構成により、第3センス位置73における第3センス電圧Vsns3が、第3センス端子SNS3から出力される。本例においても、半導体装置100は、図25において説明した電極評価部182を更に備えてよい。また、図32に示したアンプ16-1、MOSFET18-1、センス抵抗20-1、センス端子SNS1、アンプ16-2、MOSFET18-2、センス抵抗20-2およびセンス端子SNS2に代えて、図30に示した差分出力部77、抵抗75、抵抗76および差分出力端子AMPを設けてもよい。
【0148】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0149】
10・・・半導体基板、11・・・センス配線、12・・・主素子、13・・・出力配線、14・・・電流センス用素子、15・・・回路部、16・・・アンプ、17・・・配線、18・・・MOSFET、19・・・配線、20・・・センス抵抗、22・・・制御部、24・・・保護回路、26、28、30、32・・・ダイオード、34・・・MOSFET、36・・・電流源、42・・・ドリフト領域、44・・・ベース領域、46・・・ソース領域、48・・・ドレイン領域、50・・・下面電極、52・・・ゲート電極、54・・・絶縁層、59、60・・・上面電極、61・・・第1センス位置、62・・・第2センス位置、63・・・中心点、65・・・直線、67・・・長辺、68・・・短辺、69・・・直線、71・・・出力位置、73・・・第3センス位置、75・・・抵抗、76・・・抵抗、77・・・差分出力部、81・・・第1近接位置、91・・・第1近接配線、93・・・選択部、95・・・MOSFET、100・・・半導体装置、101、102、103・・・領域、111・・・第1領域、112・・・第2領域、180・・・センス比測定部、182・・・電極評価部、184・・・初期値記憶部、200・・・負荷
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