IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大阪ガスケミカル株式会社の特許一覧

特開2024-144196感光性樹脂ならびにその製造方法および用途
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144196
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】感光性樹脂ならびにその製造方法および用途
(51)【国際特許分類】
   C08G 63/91 20060101AFI20241003BHJP
   G03F 7/027 20060101ALI20241003BHJP
   C08G 59/17 20060101ALI20241003BHJP
   C08F 299/04 20060101ALI20241003BHJP
   C07C 67/26 20060101ALN20241003BHJP
   C07C 69/76 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
C08G63/91
G03F7/027 515
G03F7/027 512
C08G59/17
C08F299/04
C07C67/26
C07C69/76 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024035121
(22)【出願日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】P 2023051939
(32)【優先日】2023-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591147694
【氏名又は名称】大阪ガスケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142594
【弁理士】
【氏名又は名称】阪中 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100090686
【弁理士】
【氏名又は名称】鍬田 充生
(72)【発明者】
【氏名】光實 真哉人
(72)【発明者】
【氏名】足立 忠駿
(72)【発明者】
【氏名】鞍谷 裕嗣
(72)【発明者】
【氏名】宮内 信輔
【テーマコード(参考)】
2H225
4H006
4J029
4J036
4J127
【Fターム(参考)】
2H225AC54
2H225AC58
2H225CA11
2H225CA15
2H225CC01
2H225CC13
4H006AA02
4H006AA03
4H006AB76
4H006AC48
4H006BB17
4H006BJ50
4H006BN10
4H006BP10
4H006KA19
4H006KC30
4H006KE00
4J029AA07
4J029AB01
4J029AB04
4J029AB07
4J029AC05
4J029AD01
4J029AD02
4J029AE17
4J029AE18
4J029FC35
4J029GA23
4J029GA42
4J029GA43
4J029HB01
4J029JB272
4J029JB273
4J029JE152
4J029KA02
4J029KH01
4J036AA02
4J036AD11
4J036AD12
4J036AJ24
4J036CA21
4J036CA24
4J036CA25
4J036FA11
4J036HA02
4J036JA09
4J127AA03
4J127BB041
4J127BB081
4J127BB221
4J127BC031
4J127BC131
4J127BD141
4J127BD171
4J127BE261
4J127BE26X
4J127BE311
4J127BE31Y
4J127BF451
4J127BF45X
4J127BG161
4J127BG16X
4J127BG181
4J127BG18X
4J127EA12
4J127FA08
4J127FA17
4J127FA18
4J127FA38
(57)【要約】      (修正有)
【課題】硬化性および溶媒溶解性に優れた感光性樹脂を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される繰り返し単位を有する酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂に、特定構造のモノエポキシ化合物を付加して感光性樹脂を調製する。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される繰り返し単位を有する酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂に、下記式(2)で表されるエポキシ基含有化合物を付加した感光性樹脂。
【化1】
(式中、
環Arおよび環Arは独立して縮合多環式炭化水素環を示し、
およびAは独立してアルキレン基を示し、n1およびn2は独立して0以上の整数を示し、
およびRは独立して置換基を示し、m1およびm2は独立して0以上の整数を示し、
は置換基を示し、kは0~8の整数を示し、
環Arは炭化水素環を示し、
は置換基を示し、pは0以上の整数を示し、
およびRは独立して水素原子またはアルキル基を示し、
sは1以上の整数を示す)
【化2】
(式中、Aはアルキレン基を示し、tは0以上の整数を示し、Xは置換基を示す)
【請求項2】
前記式(1)において、環Arおよび環Arがナフタレン環である請求項1記載の感光性樹脂。
【請求項3】
前記式(1)において、環Arがビフェニル環である請求項1または2記載の感光性樹脂。
【請求項4】
前記式(2)において、AがC2-4アルキレン基であり、tが0~10の整数であり、Xがアルキル基または重合性置換基である請求項1または2記載の感光性樹脂。
【請求項5】
前記式(2)において、AがC2-4アルキレン基であり、tが1~10の整数であり、Xが下記式(3)で表されるアルケニルカルボニル基である請求項1または2記載の感光性樹脂。
【化3】
(式中、Rは水素原子またはアルキル基を示す)
【請求項6】
前記酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂の末端が、C4-10シクロアルケン環またはC6-12ビシクロアルケン環を有するジカルボン酸無水物で封止されている請求項1または2記載の感光性樹脂。
【請求項7】
酸価が20~200mgKOH/gである請求項1または2記載の感光性樹脂。
【請求項8】
重量平均分子量が5000以上である請求項1または2記載の感光性樹脂。
【請求項9】
前記式(1)で表される繰り返し単位を有する酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂と、前記式(2)で表されるエポキシ基含有化合物とを反応させる請求項1または2記載の感光性樹脂の製造方法。
【請求項10】
請求項1または2記載の感光性樹脂と、光重合開始剤とを含む樹脂組成物。
【請求項11】
請求項10記載の樹脂組成物が硬化した硬化物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フォトレジスト用途などに利用できる感光性樹脂ならびにその製造方法および用途に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトリソグラフィ法は、基板などの上にフォトレジストなどの光重合性樹脂を含む感光性組成物を塗布し、前記感光性組成物を、フォトマスクを介して露光した後、現像液で現像することにより、基板などの上に所望のパターンを形成する方法である。このフォトリソグラフィ法で使用される感光性組成物は、精密なパターンを実現するために、高度な光感度、良好な現像性などの特性を有するとともに、その硬化物については、耐熱性、優れた機械的特性、高い密着性、耐薬品性などの特性が要求され、光学用途では透明性なども要求される。また、フォトリソグラフィ法における現像工程では、環境汚染などの理由から、有機溶媒を使用せずに、アルカリ水溶液で現像を行う感光性組成物が主流となっている。このようなアルカリ水溶液で現像可能な光重合性組成物として、フルオレン骨格を有するアルカリ可溶型光重合性樹脂が知られている。
【0003】
特許第6175259号公報(特許文献1)には、ビスアリールフルオレン骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートと、テトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られる酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6175259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の感光性樹脂では、高い硬化性と高い溶媒溶解性(低析出性)とを両立できない。特に、(メタ)アクリレート系樹脂では、セロソルブアセテート類などの溶媒で希釈した際に析出や白濁し易い傾向がある。そのため、特許文献1の感光性樹脂でも、製造工程で低濃度状態となる設備洗浄時などに析出や白濁が発生し、問題となっている。
【0006】
従って、本開示の目的は、硬化性および溶媒溶解性に優れた感光性樹脂ならびにその製造方法および用途を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、特定の酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂に、特定のエポキシ基含有化合物を付加して得られた感光性樹脂が、硬化性および溶媒溶解性に優れることを見出し、本発明(または本開示)を完成した。
【0008】
すなわち、本開示の態様[1]としての感光性樹脂は、下記式(1)で表される繰り返し単位を有する酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂に、下記式(2)で表されるエポキシ基含有化合物が付加されている。
【0009】
【化1】
【0010】
(式中、
環Arおよび環Arは独立して縮合多環式炭化水素環を示し、
およびAは独立してアルキレン基を示し、n1およびn2は独立して0以上の整数を示し、
およびRは独立して置換基を示し、m1およびm2は独立して0以上の整数を示し、
は置換基を示し、kは0~8の整数を示し、
環Arは炭化水素環を示し、
は置換基を示し、pは0以上の整数を示し、
およびRは独立して水素原子またはアルキル基を示し、
sは1以上の整数を示す)
【0011】
【化2】
【0012】
(式中、Aはアルキレン基を示し、tは0以上の整数を示し、Xは置換基を示す)
【0013】
本開示の態様[2]は、前記態様[1]の前記式(1)において、環Arおよび環Arがナフタレン環である態様である。
【0014】
本開示の態様[3]は、前記態様[1]または[2]の前記式(1)において、環Arがビフェニル環である態様である。
【0015】
本開示の態様[4]は、前記態様[1]~[3]のいずれかの態様の前記式(2)において、AがC2-4アルキレン基であり、tが0~10の整数であり、Xがアルキル基または重合性置換基である態様である。
【0016】
本開示の態様[5]は、前記態様[1]~[4]のいずれかの態様の前記式(2)において、AがC2-4アルキレン基であり、tが1~10の整数であり、Xが下記式(3)で表されるアルケニルカルボニル基である態様である。
【0017】
【化3】
【0018】
(式中、Rは水素原子またはアルキル基を示す)
【0019】
本開示の態様[6]は、前記態様[1]~[5]のいずれかの態様において、前記酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂の末端が、C4-10シクロアルケン環またはC6-12ビシクロアルケン環を有するジカルボン酸無水物で封止されている態様である。
【0020】
本開示の態様[7]は、前記態様[1]~[6]のいずれかの態様において、酸価が20~200mgKOH/gである態様である。
【0021】
本開示の態様[8]は、前記態様[1]~[7]のいずれかの態様において、重量平均分子量が5000以上である態様である。
【0022】
本開示には、態様[9]として、前記式(1)で表される繰り返し単位を有する酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂と、前記式(2)で表されるエポキシ基含有化合物とを反応させ、前記態様[1]~[8]のいずれかの態様の感光性樹脂を製造する方法も含まれる。
【0023】
本開示には、態様[10]として、前記態様[1]~[8]のいずれかの態様の感光性樹脂と、光重合開始剤とを含む樹脂組成物も含まれる。
【0024】
本開示には、態様[11]として、前記態様[10]の樹脂組成物が硬化した硬化物も含まれる。
【0025】
なお、本明細書および特許請求の範囲において、置換基などの炭素原子の数をC、C、C10などで示すことがある。例えば「Cアルキル基」は炭素数が1のアルキル基を意味し、「C6-10アリール基」は炭素数が6~10のアリール基を意味する。
【0026】
本明細書および特許請求の範囲において、「独立して」とは、2つの構成要素が、それぞれ独立した構成要素であることを意味し、例えば、アルキレン基AおよびAの場合、AとAとが同一のアルキレン基である必要はなく、異なるアルキレン基であってもよいことを意味する。
【0027】
さらに、本明細書および特許請求の範囲において、「X~Y」を用いて数値範囲を示す場合、端の数値XおよびYを含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本開示では、9,9-ビス(縮合多環式アリール)フルオレン骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートとテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られる酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂に、特定のエポキシ基含有化合物が付加して得られた新規な感光性樹脂が、硬化性および溶媒溶解性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[感光性樹脂]
本発明の感光性樹脂は、前記式(1)で表される繰り返し単位を有する酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂(樹脂のカルボキシル基)に、前記式(2)で表されるエポキシ基含有化合物(この化合物のエポキシ基)を付加して得られる新規な感光性樹脂である。
【0030】
(酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂)
酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂の繰り返し単位を表す前記式(1)において、環Arおよび環Arで表される縮合多環式炭化水素環は、縮合二ないし四環式芳香族炭化水素環であってもよい。縮合二環式芳香族炭化水素環としては、インデン環、ナフタレン環などの縮合二環式C8-20アレーン環などが挙げられる。縮合三環式芳香族炭化水素環としては、アセナフチレン環、フルオレン環、フェナレン環、アントラセン環、フェナントレン環などの縮合三環式C14-20アレーン環などが挙げられる。縮合四環式芳香族炭化水素環としては、ピレン環、ナフタセン環などの縮合四環式C16-22アレーン環などが挙げられる。これらの縮合多環式炭化水素環は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、C10-16縮合二環式炭化水素環が好ましく、ナフタレン環などの縮合二環式C10-14アレーン環が好ましく、ナフタレン環が特に好ましい。環Arと環Arとは、異なっていてもよいが、通常、同一である。
【0031】
フルオレン環の9位に対する環Arおよび環Arの結合位置は、特に限定されず、例えば、環Arおよび環Arがナフタレン環であるとき、1位または2位、好ましくは2位である。
【0032】
およびAで表されるアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基(1,2-プロパンジイル基)、トリメチレン基、1,2-ブタンジイル基、テトラメチレン基などのC2-6アルキレン基などが挙げられる。これらのアルキレン基は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、C2-4アルキレン基が好ましく、エチレン基、プロピレン基などのC2-3アルキレン基がさらに好ましく、エチレン基が最も好ましい。アルキレン基Aとアルキレン基Aとは、異なっていてもよいが、通常、同一である。
【0033】
繰り返し数n1およびn2は、それぞれ0以上であり、例えば0~15の整数の範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、0~10、0~8、0~6、0~4、0~3、0~1であり、最も好ましくは0である。なお、繰り返し数n1およびn2は、互いに同一または異なっていてもよく;n1およびn2が2以上の整数である場合、2以上のアルキレン基AおよびAの種類は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0034】
なお、本明細書および特許請求の範囲において「繰り返し数(付加モル数)」は、平均値(算術平均値、相加平均値)または平均付加モル数であってもよく、好ましい態様は、前記好ましい範囲(前記整数の範囲)と同様である。
【0035】
およびRで表される置換基としては、反応に不活性な非反応性置換基であってもよく、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、シアノ基、モノまたはジ置換アミノ基が挙げられる。
【0036】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0037】
アルキル基としては、直鎖状または分岐鎖状アルキル基が含まれ、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基などのC1-10アルキル基、好ましくはC1-6アルキル基、さらに好ましくはC1-4アルキル基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、アルキルフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基などのC6-12アリール基;メチルフェニル基(またはトリル基)、ジメチルフェニル基(またはキシリル基)などのモノないしトリC1-4アルキル-フェニル基などが挙げられる。
【0038】
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1-10アルコキシ基が挙げられる。アシル基としては、アセチル基などのC1-6アルキル-カルボニル基などが挙げられる。
【0039】
モノまたはジ置換アミノ基としては、ジメチルアミノ基などのモノまたはジC1-4アルキルアミノ基;ジアセチルアミノ基などのビス(C1-4アルキル-カルボニル)アミノ基が挙げられる。
【0040】
代表的な置換基RおよびRとしては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、ニトロ基、シアノ基などが挙げられる。これらのうち、アルキル基、アルコキシ基が好ましく、C1-6アルキル基、C1-4アルキル基がより好ましく、メチル基などのC1-4アルキル基が最も好ましい。置換基Rと置換基Rとは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0041】
置換数m1およびm2は、0~4の整数、好ましくは0~2の整数、さらに好ましくは0または1、より好ましくは0である。m1およびm2が2以上の整数であるとき、2以上の置換基Rおよび置換基Rの種類は、それぞれ同一であってもよく、異なる組み合わせであってもよい。
【0042】
で表される置換基としては、反応に不活性な非反応性置換基であってもよく、例えば、シアノ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;アルキル基、アリール基などの炭化水素基などが挙げられる。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基などのC1-12アルキル基などが挙げられる。前記アリール基としては、フェニル基などのC6-10アリール基などが挙げられる。好ましい置換基Rとしては、シアノ基、ハロゲン原子、アルキル基であり、特にアルキル基である。アルキル基のなかでも、C1-8アルキル基が好ましく、C1-6アルキル基が好ましく、メチル基などのC1-4アルキル基が特に好ましい。
【0043】
なお、置換基Rの置換数kが2以上である場合、フルオレン環を構成する2つのベンゼン環のうち、同一のベンゼン環に置換する2以上の置換基Rの種類は、同一であっても異なっていてもいずれでもよく、異なるベンゼン環に置換する2以上の基Rの種類も、同一であってもよく異なっていてもいずれでもよい。また、基Rの結合位置(置換位置)は、フルオレン環の1~8位である限り特に制限されず、例えば、フルオレン環の2位、7位、2,7位などが挙げられる。
【0044】
置換数kは、例えば0~6の整数であってもよく、好ましくは以下段階的に、0~4、0~3、0~2、0または1であり、最も好ましくは0である。なお、フルオレン環を構成する2つのベンゼン環において、基Rのそれぞれの置換数は、互いに異なっていてもよいが、同一であるのが好ましい。
【0045】
環Arで表される炭化水素環としては、芳香族炭化水素環、脂肪族炭化水素環などが挙げられる。
【0046】
芳香族炭化水素環としては、単環式芳香族炭化水素環、縮合多環式炭化水素環、非縮合多環式芳香族炭化水素環などが挙げられる。
【0047】
単環式芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環;トルエン環、キシレン環などのC1-4アルキルベンゼン環などが挙げられる。
【0048】
縮合多環式炭化水素環としては、前記環Arおよび環Arとして例示された縮合二ないし四環式芳香族炭化水素環などが挙げられる。
【0049】
非縮合多環式炭化水素環としては、ビフェニル環、ジフェニルエーテル環、ジフェニルチオエーテル環、ジフェニルスルホン環、ベンゾフェノン環、ジフェニルメタン環やジフェニルプロパン環などのジフェニルC1-10アルカン環などが挙げられる。
【0050】
脂肪族炭化水素環としては、前記芳香族炭化水素環に水素添加された環、例えば、飽和脂肪族炭化水素環(例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどのC3-10シクロアルカン環、テトラリン環など)、不飽和脂肪族炭化水素環(例えば、シクロヘキセンなどのC4-10シクロアルケン環など)が挙げられる。
【0051】
これらの炭化水素環は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの炭化水素環のうち、耐吸湿性に優れる点から、非縮合多環式炭化水素環が好ましく、環集合アレーン環が好ましい。
【0052】
環集合アレーン環としては、ビフェニル環、フェニルナフタレン環、ビナフチル環などのC12-20ビアレーン環;テルフェニル環などのC16-20テルアレーン環;9,9-ジフェニルフルオレン環、9,9-ジナフチルフルオレン環、9,9-ビス(フェニルフェニル)フルオレン環などの9,9-ジC6-18アリールフルオレン環;9,9-ビス(C1-3アルキルフェニル)フルオレン環などの9,9-ビス(C1-3アルキルC6-18アリール)フルオレン環などの環集合C6-30アレーン環などが挙げられる。これらのうち、ビフェニル環などのC12-16ビアレーン環が好ましい。
【0053】
で表される置換基としては、Rの置換基として記載された置換基などが挙げられる。好ましい置換基Rとしては、シアノ基、ハロゲン原子、アルキル基であり、特にアルキル基である。アルキル基のなかでも、C1-8アルキル基が好ましく、C1-6アルキル基が好ましく、メチル基などのC1-4アルキル基が特に好ましい。
【0054】
置換数pは、例えば0~4の整数、好ましくは0~2の整数、さらに好ましくは0または1、より好ましくは0である。pが2以上の整数であるとき、2以上の置換基Rの種類は、同一であってもよく、異なる組み合わせであってもよい。
【0055】
およびRで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基などのC1-10アルキル基などが挙げられる。RとRとは、異なっていてもよいが、通常、同一である。好ましいRおよびRとしては、水素原子、メチル基などのC1-4アルキル基であり、水素原子またはメチル基がより好ましく、水素原子が最も好ましい。
【0056】
繰り返し単位の繰り返し数sは、1以上の整数であり、通常、1~100程度であり、好ましくは2~50、さらに好ましくは3~30、最も好ましくは5~20である。
【0057】
酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(基準樹脂:ポリスチレン)を用いて測定した場合、1000~20000程度の範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、1000~18000、1500~15000、2000~10000、2500~8000、3000~7000、4000~6000である。分子量が大きすぎると、粘度が上昇して取り扱い性が低下する虞があり、逆に小さすぎると、酸無水物による変性効果を発現しない虞がある。
【0058】
酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂の製造方法は、フルオレン含有エポキシ(メタ)アクリレート(フルオレン含有アクリル系樹脂)とテトラカルボン酸二無水物とを反応させる慣用の方法で製造でき、例えば、特許文献1に記載の方法で製造できる。
【0059】
(末端封止酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂)
酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂は、自身のヒドロキシル基(末端ヒドロキシル基)をジカルボン酸無水物で封止した末端封止酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂であってもよい。本発明では、酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂の末端ヒドロキシル基をジカルボン酸無水物で封止することにより、分子量を調整できるとともに、ゲルの発生を抑制でき、取り扱い性をさらに向上できる。
【0060】
末端封止酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂は、酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂とジカルボン酸無水物とを反応させることにより得られ、酸無水物として、繰り返し単位を形成するための原料(テトラカルボン酸二無水物)に加えて、末端封止剤としてジカルボン酸無水物を用いることにより、末端ヒドロキシル基の割合を調整でき、取り扱い性を向上できる。
【0061】
ジカルボン酸無水物としては、例えば、無水コハク酸などの無水飽和脂肪族ジカルボン酸;無水イタコン酸、無水マレイン酸、無水フマル酸などの無水不飽和脂肪族ジカルボン酸;テトラヒドロ無水フタル酸などの無水飽和脂環族ジカルボン酸;ヘキサヒドロ無水フタル酸、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物などの無水不飽和脂環族ジカルボン酸、無水フタル酸などの無水芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸無水物は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのジカルボン酸無水物のうち、ベンゼン環やナフタレン環などの単環式または縮合多環式芳香族炭化水素環を有するジカルボン酸無水物、シクロヘキサンやノルボルナンなどの飽和脂肪族炭化水素環を有するジカルボン酸無水物、シクロヘキセンやノルボルネンなどの不飽和脂肪族炭化水素環を有するジカルボン酸無水物などが好ましく、溶媒溶解性を向上できるとともに、光学特性を向上でき、かつ重合性基を付与できる点から、不飽和脂肪族炭化水素環を有するジカルボン酸無水物、例えば、シクロヘキセンなどのC4-10シクロアルケン環を有するジカルボン酸無水物(例えば、テトラヒドロ無水フタル酸など)、ノルボルネンなどのC6-12ビシクロアルケン環を有するジカルボン酸無水物(例えば、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物など)が好ましく、C6-12ビシクロアルケン環を有するジカルボン酸無水物、C6-10ビシクロアルケン環を有するジカルボン酸無水物が特に好ましい。
【0062】
ジカルボン酸無水物は、目的の分子量および末端の封鎖割合に応じて、酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂を製造するためのテトラカルボン酸二無水物との配合比率を調整してもよい。ジカルボン酸無水物の割合は、テトラカルボン酸二無水物1モルに対して、例えば0.01~1モル、好ましくは0.05~0.9モル、さらに好ましくは0.1~0.8モル、より好ましくは0.2~0.5モル、最も好ましくは0.3~0.4モルである。
【0063】
末端封止酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(基準樹脂:ポリスチレン)を用いて測定した場合、1000~20000程度の範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、1000~18000、2000~15000、2000~10000、2500~8000、3000~7000、4000~6000である。分子量が大きすぎると、粘度が上昇して取り扱い性が低下する虞があり、逆に小さすぎると、酸無水物による変性効果が発現しない虞がある。
【0064】
末端封鎖酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂において、末端ヒドロキシル基の封鎖率(酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂の末端ヒドロキシル基の封鎖割合)は、例えば10%以上、好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上である。
【0065】
末端封止酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂の製造方法(酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂の末端封止方法)は、慣用の方法で製造でき、例えば、特許文献1に記載の方法で製造できる。
【0066】
(エポキシ基含有化合物)
前記式(2)において、Aで表されるアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,2-ブタンジイル基、テトラメチレン基などの直鎖状C2-6アルキレン基;プロピレン基(1,2-プロパンジイル基)、1,2-ブタンジイル基、1,3-ブタンジイル基などの分岐鎖状C3-6アルキレン基などが挙げられる。これらのアルキレン基は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、直鎖状C2-4アルキレン基が好ましく、直鎖状C3-4アルキレン基がさらに好ましく、ブチレン基が最も好ましい。
【0067】
繰り返し数tは0以上であり、例えば0~10の整数の範囲から選択でき、好ましくは0~5、さらに好ましくは0~3、より好ましくは0~2である。繰り返し数tは、Xがアルキル基などの非重合性置換基である場合、例えば0~3、好ましくは0~2、さらに好ましくは0または1、より好ましくは0である。繰り返し数tは、Xがアルケニルカルボニル基などの重合性置換基である場合、例えば1~10、好ましくは1~5、さらに好ましくは1~3、より好ましくは1または2、最も好ましくは1である。なお、繰り返し数tが2以上の整数である場合、アルキレン基Aの種類は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0068】
Xで表される置換基は、非重合性置換基であってもよく、重合性置換基であってもよい。
【0069】
非重合性置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基などが挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基などのC1-20アルキル基などが挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC5-10シクロアルキル基が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、アルキルフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基などのC6-12アリール基が挙げられる。
【0070】
これらの非重合性置換基は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの非重合性置換基のうち、アルキル基(直鎖状または分岐鎖状アルキル基、好ましくは分岐鎖状アルキル基)が好ましく、溶媒溶解性に優れる点から、C3-18アルキル基が特に好ましく、C4-12アルキル基がさらに好ましく、C6-10アルキル基がより好ましく、分岐鎖状C6-10アルキル基が最も好ましい。
【0071】
重合性置換基としては、アルケニル基、アルケニルカルボニル基などが挙げられる。
【0072】
アルケニル基としては、ビニル基、1-プロペニル基、アリル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基などのC2-20アルケニル基などが挙げられる。
【0073】
アルケニルカルボニル基としては、前記式(3)で表されるアルケニルカルボニル基などが挙げられる。
【0074】
前記式(3)において、Rで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などのC1-6アルキル基などが挙げられる。
【0075】
これらの重合性置換基は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの重合性置換基のうち、アリル基などのC3-12アルケニル基;Rが水素原子またはC1-4アルキル基であるアルケニルカルボニル基が好ましい。
【0076】
好ましいXで表される置換基としては、アルキル基、重合性置換基が好ましく、硬化性および溶媒溶解性に優れる点から、重合性置換基がさらに好ましく、(メタ)アクリロイル基がより好ましく、光学特性にも優れる点から、アクリロイル基が最も好ましい。
【0077】
具体的なエポキシ基含有化合物としては、Xがアルキル基である化合物として、ヘキシルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、2-メチルオクチルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテルなどの直鎖状または分岐鎖状C4-18アルキルグリシジルエーテルなどが挙げられる。また、Xがアルケニル基である化合物として、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのC2-6アルケニル-グリシジルエーテルなどが挙げられる。さらに、Xアルケニルカルボニル基である化合物として、グリシジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、ジまたはポリエチレングリコール(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、ジまたはポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0078】
エポキシ基含有化合物の割合は、酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂1モルに対して、例えば0.1~1モル、好ましくは0.3~0.8モル、さらに好ましくは0.4~0.7モル、より好ましくは0.5~0.6モルである。エポキシ基含有化合物の割合が少なすぎると、感光性が低下する虞があり、多すぎると、アルカリ可溶性が低下する虞がある。
【0079】
(感光性樹脂の特性)
感光性樹脂は、アルカリ可溶性であってもよく、酸無水物およびエポキシ基含有化合物の割合により酸価を調整できる。感光性樹脂の酸価(固形分酸価)は、20~200mgKOH/g程度の範囲から選択でき、例えば30~180mgKOH/g、好ましくは40~150mgKOH/g、さらに好ましくは50~120mgKOH/g、より好ましくは60~100mgKOH/g、最も好ましくは70~90mgKOH/gである。酸価が小さすぎると、感光性が低下する虞がある。また、酸価が高すぎると、現像が過剰となりパターンが剥離する虞がある。
【0080】
なお、本願明細書および特許請求の範囲において、酸価は、JIS K 0070に準拠して測定できる。
【0081】
感光性樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(基準樹脂:ポリスチレン)を用いて測定した場合、1000以上、好ましくは5000以上であるが、1000~30000程度の範囲から選択でき、好ましくは以下段階的に、2000~20000、3000~18000、5000~15000、6000~13000、7000~12000、8000~10000である。分子量が大きすぎると、現像性が低下する虞があり、逆に低すぎると、パターンの機械的強度が低下する虞がある。
【0082】
(感光性樹脂の製造方法)
前記式(1)で表される繰り返し単位を有する酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂と、前記式(2)で表されるエポキシ基含有化合物との付加反応は溶媒の非存在下で行ってもよく、反応に不活性な溶媒の存在下で行ってもよい。
【0083】
溶媒としては、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテルなどのジアルキルエーテル類;テトラヒドロフランなどの環状エーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ホルムアミド、N-メチル-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;セロソルブ類;カルビトール類;セロソルブアセテート類;カルビトールアセテート類などが挙げられる。これらの溶媒は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの溶媒は、酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂の製造で用いられた溶媒をそのまま利用した溶媒であってもよい。
【0084】
これらの溶媒のうち、感光性樹脂の溶媒溶解性を効果的に向上できる点から、セロソルブ類、カルビトール類、セロソルブアセテート類、カルビトールアセテート類が好ましい。
【0085】
セロソルブ類としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのC1-4アルキルセロソルブ、プロピレングリコールモノC1-4アルキルエーテルなどのプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
【0086】
カルビトール類としては、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトールなどのC1-4アルキルカルビトール類などが挙げられる。
【0087】
セロソルブアセテート類としては、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなどのC1-4アルキルセロソルブアセテート;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールモノC1-4アルキルエーテルアセテートなどが挙げられる。
【0088】
カルビトールアセテート類としては、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどのC1-4アルキルカルビトールアセテート;ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのジプロピレングリコールモノC1-4アルキルエーテルアセテートなどが挙げられる。
【0089】
これらのうち、セロソルブアセテート類が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールモノC1-4アルキルエーテルアセテートが最も好ましい。
【0090】
溶媒の割合は、特に限定されないが、前記酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂100質量部に対して、例えば10~300質量部、好ましくは20~200質量部、さらに好ましくは30~150質量部、より好ましくは50~100質量部である。
【0091】
付加反応には、反応促進の目的で触媒を配合してもよい。触媒としては、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第4級アンモニウム塩、ホスフィン類、ホスホニウム塩などが挙げられる。
【0092】
脂肪族アミンとしては、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリベンジルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルプロパンジアミン、1-メチルピペリジン、1-エチルピペリジン、1,2,2’,6,6’-ペンタメチルピペリジン、1-メチルピロリジン、1-エチルピロリジン、4-メチルモルホリン、4-エチルモルホリン、2,6-ジメチルピペラジン、トリス(N,N-ジメチルアミノメチル)フェノールなどの脂肪族第三級アミンなどが挙げられる。
【0093】
芳香族アミンとしては、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリンなどの芳香族第3級アミンなどが挙げられる。
【0094】
複素環式アミンとしては、ピリジン、キノリン、ルチジン、コリジン、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、4-ピロリジノピリジン、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、トリエチレンジアミン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンなどが挙げられる。
【0095】
第4級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
【0096】
ホスフィン類としては、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどが挙げられる。
【0097】
ホスホニウム塩としては、n-ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイドなどが挙げられる。
【0098】
これらの触媒は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。触媒の割合は、特に限定されないが、前記酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂100質量部に対して、例えば0.01~5質量部、好ましくは0.05~3質量部、さらに好ましくは0.1~2質量部である。
【0099】
付加反応には、重合禁止剤を配合してもよい。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t-ブチルハイドロキノン、t-ブチルカテコール、N-メチル-N-ニトロソアニリンまたはN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン・アンモニウム塩、N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン・アルミニウム塩、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルなどが挙げられる。これらの重合禁止剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
【0100】
重合禁止剤の割合は、前記酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂および重合禁止剤の合計量中1~5000ppm、好ましくは3~3000ppm、さらに好ましくは5~2000ppmである。
【0101】
付加反応は、反応速度の向上させるために、加熱するのが好ましい。加熱温度は、例えば60~150℃、好ましくは80~130℃、さらに好ましくは100~120℃である。
【0102】
[樹脂組成物または感光性樹脂組成物]
本開示の感光性樹脂は、9,9-ビス(縮合多環式アリール)フルオレン骨格(特にビスナフトールフルオレン骨格)を有しており、高耐熱性、高屈折率、低線膨張性などのフルオレン骨格特有の特性を有している。しかも、このようなフルオレン骨格を有しているにもかかわらず、硬化性および溶媒溶解性に優れている。そのため、本発明の感光性樹脂は、熱または光硬化性(メタ)アクリル系樹脂として好適に使用できる。感光性樹脂は、通常、重合開始剤などを含む感光性樹脂組成物(または硬化性樹脂組成物)として調製してもよい。
【0103】
光重合開始剤としては、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾインなどのベンゾイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノンジエチルケタール、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルメチルケタール、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトンなどのアセトフェノン類;2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノアミノプロパノン-1などのアミノアセトフェノン類;アントラキノン、2-メチルアントラキノンなどのアントラキノン類;チオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントンなどのチオキサントン類;ベンゾフェノン、4-ヒドロキシベンゾフェノン、ビス-N,N-ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス-N,N-ジエチルアミノベンゾフェノン、4-メトキシ-4’-ジメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類などが挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
【0104】
光重合開始剤は、光増感剤と組み合わせてもよい。光増感剤としては、第3級アミン類が汎用される。第3級アミンとしては、トリアルキルアミン;トリエタノールアミンなどのトリアルカノールアミン;N,N-ジメチルアミノ安息香酸エチル[p-(ジメチルアミノ)安息香酸エチルなど]、N,N-ジメチルアミノ安息香酸アミル[p-(ジメチルアミノ)安息香酸アミルなど]などのジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル;4,4-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)などのビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン;4-(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのジアルキルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。光増感剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
【0105】
重合開始剤および光増感剤の総量は、感光性樹脂100質量部に対して0.1~30質量部、好ましくは1~20質量部、さらに好ましくは2~10質量部である。
【0106】
本開示の感光性樹脂組成物は、他の多官能性(メタ)アクリレートをさらに含んでいてもよい。他の多官能性(メタ)アクリレートとしては、二官能性(メタ)アクリレート、三官能以上の多官能性(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0107】
二官能性(メタ)アクリレートとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのC2-10アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;[ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリC2-4アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0108】
三官能以上の多官能性(メタ)アクリレートとしては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリまたはテトラ(メタ)アクリレートなどのトリまたはテトラオールのトリまたはテトラ(メタ)アクリレート;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールテトラないしヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0109】
これら他の多官能性(メタ)アクリレートは、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
【0110】
他の多官能性(メタ)アクリレートの割合は、感光性樹脂100質量部に対して、例えば1~100質量部、好ましくは2~60質量部、さらに好ましくは5~30質量部である。
【0111】
本開示の感光性樹脂組成物は、希釈剤をさらに含んでいてもよい。希釈剤としては、反応性希釈剤、非反応性希釈剤(溶媒)が含まれる。
【0112】
反応性希釈剤としては、(メタ)アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸アルキル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどのメタアクリル酸シクロアルキル;(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸アリール;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)オキシC2-6アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミドなどのN,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド;グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの反応性希釈剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
【0113】
反応性希釈剤の割合は、感光性樹脂100質量部に対して、例えば1~1000質量部、好ましくは5~500質量部、さらに好ましくは10~200質量部である。
【0114】
溶媒としては、感光性樹脂の製造で用いられた溶媒から選択できる。前記溶媒は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。前記溶媒のうち、セロソルブ類、カルビトール類、セロソルブアセテート類、カルビトールアセテート類が好ましく、セロソルブアセテート類がさらに好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールモノC1-4アルキルエーテルアセテートが最も好ましい。
【0115】
溶媒の割合は、感光性樹脂100質量部に対して、1~500質量部程度の範囲から選択でき、例えば10~400質量部、好ましくは20~300質量部、さらに好ましくは30~200質量部である。
【0116】
本開示の感光性樹脂組成物は、慣用の添加剤、例えば、着色剤、安定剤(熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、レベリング剤、シランカップリング剤、重合禁止剤(または熱重合禁止剤)、界面活性剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤の割合は、感光性樹脂100質量部に対して、例えば0.01~100質量部、好ましくは0.1~50質量部、さらに好ましくは1~30質量部である。
【0117】
[感光性樹脂組成物の硬化物]
本開示の感光性樹脂組成物の硬化物は、感光性樹脂組成物を硬化処理することにより製造できる。例えば、フィルム状の硬化物は、基材に対して、感光性樹脂組成物を塗布して塗膜(または薄膜)を形成した後、硬化処理を施すことにより製造してもよい。本発明では、基材に対して高い密着性を有する塗膜を形成できる。
【0118】
なお、フィルム状の塗膜(または薄膜)の厚みは、用途に応じて選択でき、例えば0.1~1000μm、好ましくは1~500μm、さらに好ましくは5~300μmである。
【0119】
このような方法では、多量の希釈剤(溶媒、重合性希釈剤など)による希釈や、低粘度化のための加熱などを要しなくても、硬化物を製造できる。そのため、硬化物に高濃度で9,9-ビス(縮合多環式アリール)フルオレン骨格を導入し易く、優れた特性(高屈折率、高耐熱性など)を有する硬化物を容易に製造できる。
【0120】
硬化処理としては、紫外線処理や電子線などの光照射処理などが挙げられる。光照射処理(露光処理)において、光照射エネルギー量は、用途、塗膜の膜厚などによって異なるが、通常0.1~10000mJ/cm、好ましくは1~8000mJ/cm、さらに好ましくは10~5000mJ/cm、より好ましくは100~1000mJ/cm、最も好ましくは300~800mJ/cmである。
【0121】
硬化膜の屈折率nDは、温度20℃、波長589nmにおいて、1.55以上であってもよく、例えば1.55~1.7、好ましくは1.57~1.65、さらに好ましくは1.58~1.64、より好ましくは1.59~1.63、最も好ましくは1.60~1.63である。
【0122】
なお、本明細書および特許請求の範囲において、硬化膜の屈折率nDは、後述する実施例に記載の方法により測定できる。
【0123】
なお、本開示の感光性樹脂組成物を、フォトレジストとして使用する場合は、溶液またはペーストとして基板上に塗布される。塗布方法は特に制限されないが、スクリーン印刷、カーテンコート、ブレードコート、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、スリットコート等が適用される。塗布された溶液またはペーストは、所定のマスクを介し、光照射される。溶剤を使用して塗布する場合、乾燥処理してもよい。露光した塗膜を湿式で現像することにより、パターンを形成することができる。現像方法は、スプレー式、パドル式、浸漬式等、いずれも可能であるが、残渣の少ないスプレー式が好ましい。必要に応じて、超音波等を照射することもできる。現像液としては、弱アルカリ性水を用いることが好ましい。
【実施例0124】
以下に、実施例に基づいて本開示をより詳細に説明するが、本開示はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下に、評価項目および原料の詳細について示す。
【0125】
[評価方法]
(重量平均分子量)
得られた感光性樹脂の重量平均分子量は、溶出液として10体積%酢酸テトラヒドロフラン溶液を用い、HLC-8220GPC(東ソー(株)製)により、ゲル浸透クロマトグラフィー(基準樹脂:ポリスチレン)によって測定した。
【0126】
(硬化膜の屈折率nD)
得られた感光性樹脂の総量100質量部に対して、光重合開始剤としてオムニラッド184(BASFジャパン(株)製)を3質量部添加した。得られた樹脂組成物を、TAC(酢酸セルロース)フィルム上にアプリケーターを用いて膜厚100~250μmで塗布し、100℃のホットプレートで180秒乾燥させた後、得られた塗膜にUV照射(500mJ/cm)を1回行う条件で硬化して硬化膜を形成、得られた硬化膜について、多波長アッベ屈折計((株)アタゴ製「DR-M4」<循環式恒温水槽60-C3使用>)を用い、25℃を保持し、589nmでの屈折率を測定した。
【0127】
(固形分酸価)
得られた感光性樹脂の固形分酸価は、JIS K 0070に記載された中和滴定法に準拠して測定した。
【0128】
(PGMEA希釈時の白濁の有無)
得られた感光性樹脂をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)で5質量%濃度に希釈して静置(25℃)した際に、白濁の有無を目視で評価した。
【0129】
比較例1
特許文献1に記載の実施例2に準拠して、酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂(酸無水物変性樹脂)Aを含む溶液を得た。すなわち、下記式に示すように、9,9-ビス(6-グリシジルオキシ-2-ナフチル)フルオレンおよびアクリル酸の反応物(BNFGA)とビフェニルテトラカルボン酸(s-BPDA)とを反応させた後、1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸(TPHA)を添加して末端を封止し、末端封止酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂(末端封止酸無水物変性樹脂)Aを含む溶液を得た[末端封止酸無水物変性樹脂Aの濃度が53.5質量%であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶液]。得られた末端封止酸無水物変性樹脂Aの分子量を測定した結果、重量平均分子量5200であった。
【0130】
【化4】
【0131】
実施例1
比較例1で得られた末端封止酸無水物変性樹脂Aを含む溶液848.8gに、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(4HBAGE)39.2g(0.20モル)を仕込み、下記式(式中、4HBAGEの結合位置は一例を示すものである)に示すように、110℃で4時間反応させ、感光性樹脂Aを合成し、常温まで放置冷却した。得られた感光性樹脂Aの分子量を測定した結果、重量平均分子量8800であった。
【0132】
【化5】
【0133】
比較例2
TPHAの代わりに5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(NDA)を用いる以外は特許文献1に記載の実施例2に準拠して、酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂(酸無水物変性樹脂)Bを含む溶液を得た。すなわち、下記式に示すように、9,9-ビス(6-グリシジルオキシ-2-ナフチル)フルオレンおよびアクリル酸の反応物(BNFGA)とビフェニルテトラカルボン酸(s-BPDA)とを反応させた後、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(NDA)を添加して末端を封止し、末端封止酸無水物変性フルオレン含有アクリル系樹脂(末端封止酸無水物変性樹脂)Bを含む溶液を得た[末端封止酸無水物変性樹脂Bの濃度が47.9質量%であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶液]。得られた末端封止酸無水物変性樹脂Bの分子量を測定した結果、重量平均分子量5100であった。
【0134】
【化6】
【0135】
実施例2
比較例2で得られた末端封止酸無水物変性樹脂Bを含む溶液227.9gに、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル(2EHGE)12.5g(0.56モル)を仕込み、下記式(式中、2EHGEの結合位置は一例を示すものである)に示すように、110℃で4時間反応させ、感光性樹脂Bを合成し、常温まで放置冷却した。得られた感光性樹脂Bの分子量を測定した結果、重量平均分子量5800であった。
【0136】
【化7】
【0137】
比較例1~2および実施例1~2の評価結果を表1に示す。
【0138】
【表1】
【0139】
表1から明らかなように、実施例1および2では、感光性樹脂の溶媒溶解性が優れる上に、屈折率が高い硬化膜が形成され、硬化性も優れていた。
【産業上の利用可能性】
【0140】
本開示の感光性樹脂は、塗料、インク材料、発光材料、有機半導体、黒鉛化前駆体、ガス分離膜、コート剤、レンズ、偏光膜、反射防止フィルム、タッチパネル用フィルム、フレキシブル基板用フィルム、ディスプレイ用フィルム、オーバーコート、フレキシブルフィルム基板、異方性導電接着フィルム(ACF)、カラーフィルタ、フォトレジスト、層間絶縁膜、ソルダーレジスト、液晶ディスプレイ用フォトスペーサ、燃料電池用膜、光ファイバー、光導波路、ホログラムなどに利用できる。特に、前記感光性樹脂を含む感光性樹脂組成物は、屈折率が高く、現像性に優れるため、光学用途において硬化パターンを形成するフォトレジスト用途に適しており、レンズフィルタやディスプレイフィルタなどのカラーフィルタ;TFTアレイエッチング用フォトレジスト、顔料分散型フォトレジスト、染料型フォトレジスト、保護膜などの液晶表示装置用ネガ型フォトレジスト;層間絶縁膜;ソルダーレジスト;液晶ディスプレイ用フォトスペーサなどに利用できる。