(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144230
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】Y字型のスポーク構造を有する非空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 7/00 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
B60C7/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024042556
(22)【出願日】2024-03-18
(31)【優先権主張番号】63/492801
(32)【優先日】2023-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/404120
(32)【優先日】2024-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513158760
【氏名又は名称】ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】ウェスレイ グレン シグラー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ジェイムス ミラー
(72)【発明者】
【氏名】アン エリザベス マイヤーズ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ジョゼフ ラチタ
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BA02
3D131BA08
3D131BA18
3D131BB01
3D131BB03
3D131BB04
3D131BB05
3D131BB06
3D131BB07
3D131BB16
3D131BB19
3D131BC12
3D131BC33
3D131BC42
3D131BC51
3D131CC03
(57)【要約】
【課題】
荷重分散及び性能レベルを向上させる、非空気入りタイヤのスポークを提供する。
【解決手段】
本開示は非空気入りタイヤ用のY字型スポークに関する。本明細書に記載される種々の実施形態は、剪断バンドとハブとの間を半径方向に沿って延びるスポークを備える非空気入りタイヤを含む。スポークは、剪断バンドから交点まで延びる第1の脚と第2の脚とを備える。スポークは、ハブから交点まで延びる第3の脚を更に備える。第1の脚と第3の脚は同じ方向に沿って向けられており、この方向は第2の脚の向きに対して角度をなしている。更に、第1の脚、第2の脚、及び第3の脚が交点で接合されてY字型の構造を形成する。
【選択図】
図6B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非空気入りタイヤであって、
剪断バンドからハブまで延びる第1の脚を備えるスポークを備え、
前記スポークが前記剪断バンドから前記第1の脚まで延びる第2の脚を更に備える、
非空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記スポークが、前記剪断バンドと前記スポークとの間の境界の接触面積を増大させるために、前記剪断バンドに隣接する位置で前記第1の脚に固定された第1の裾を更に備える、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記スポークが、前記剪断バンドと前記スポークとの間の前記境界の接触面積を更に増大させるために、前記剪断バンドに隣接する位置で前記第2の脚に固定された第2の裾を更に備える、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記スポークが、第3の脚と第3の裾とを更に備え、前記第3の裾は、前記ハブと前記スポークとの間の境界の接触面積を増大させるために、前記ハブに隣接する位置で前記第3の脚に付されて硬化されている、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記第3の裾が前記第3の脚の前記交点に最も近い側に位置する、請求項4に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記スポークが、前記第1の脚と前記第2の脚との交点に隣接して配置された緩衝材を更に備える、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記第1の脚及び前記第2の脚が第1のエラストマー材料で構成され、前記緩衝材が前記第1のエラストマー材料とは異なる材料組成を有する第2のエラストマー材料で構成される、請求項6に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項8】
前記スポークが、前記第1の脚から前記第2の脚まで延びるブリッジを更に備える、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項9】
前記スポークが、前記ブリッジの側面と前記剪断バンドの内側の表面との間の境界を介して前記剪断バンドに固定される、請求項8に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項10】
前記スポークが、前記第1の脚と接合された前記ブリッジの第1の部分に隣接して配置された第1の裾であって前記剪断バンドに固定された第1の裾と、前記第2の脚と接合された前記ブリッジの第2の部分に隣接して配置された第2の裾であって前記剪断バンドに固定された第2の裾と、前記第3の脚と前記ハブとに隣接して配置された第3の裾であって前記ハブに固定された第3の裾と、を更に備える請求項8に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項11】
非空気入りタイヤであって、
剪断バンドとハブとの間に配置された複数のスポークを備え、
前記複数のスポークがそれぞれY字型の構造を有し、前記Y字型の構造が、
前記非空気入りタイヤの半径方向に同一平面に沿って延びる第1の脚と第2の脚とを備える第1の側と、前記第2の脚に対して角度をなす第3の脚を備える第2の側とで構成され、
前記複数のスポークのうちの第1のスポークと、前記複数のスポークのうちの第2のスポークとが、前記非空気入りタイヤの周方向に沿って同じ方向を向いている、
非空気入りタイヤ。
【請求項12】
前記第1のスポークと前記第2のスポークとの前記第2の側が前記周方向に沿って時計回りの方向に面し、前記複数のスポークのうちの第3のスポークの前記第2の側が前記周方向に沿って反時計回りの方向に面している、請求項11に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項13】
前記第1のスポークと前記第2のスポークとの前記第2の側が前記周方向に沿って反時計回りの方向に面し、前記複数のスポークのうちの第3のスポークの前記第2の側が前記周方向に沿って時計回りの方向に面している、請求項11に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項14】
前記非空気入りタイヤが、トップローダーの非空気入りタイヤである、請求項11に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項15】
非空気入りタイヤであって、
剪断バンドとハブとの間を延び、Y字型の構造をなすように配置された3本の脚を有する、スポークの第1の組と、前記剪断バンドと前記ハブとの間を延び、前記Y字型の構造をなすように配置された3本の脚を有する、スポークの第2の組とを有し、
前記スポークの第2の組が、前記非空気入りタイヤの半径方向に対して直交する方向である軸方向に沿って前記スポークの第1の組に隣接して配置される、
非空気入りタイヤ。
【請求項16】
前記スポークの第1の組の第1のスポークが前記軸方向に沿って前記スポークの第2の組の第2のスポークに隣接して配置される、請求項15に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項17】
前記第1のスポークが前記第2のスポークと前記軸方向に沿って整列されている、請求項16に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項18】
前記第1のスポークが前記軸方向に沿って前記第2のスポークに対して位置をずらされている、請求項16に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項19】
前記第1のスポークの第1の側が、前記第1のスポークの互いに異なる角度を向いた2つの脚を備え、前記第2のスポークの第2の側が、前記第2のスポークの互いに異なる角度を向いた2つの脚を備え、前記第1のスポークの前記第1の側が前記非空気入りタイヤの周方向に沿って時計回りの方向に面し、前記第2のスポークの前記第2の側が前記非空気入りタイヤの前記周方向に沿って反時計回りの方向に面する、請求項16に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項20】
前記第1のスポークの第1の側が、前記第1のスポークの互いに異なる角度を向いた2つの脚を備え、前記第2のスポークの第2の側が、前記第2のスポークの互いに異なる角度を向いた2つの脚を備え、前記非空気入りタイヤの周方向に沿って前記第1のスポークの前記第1の側と前記第2のスポークの前記第2の側とが同じ方向を向いている、請求項16に記載の非空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般にタイヤに関し、より具体的には非空気入りの、タイヤ又はホイールに関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤは、車両の移動に伴う荷重を支持することができる引張構造を実現するために、空気の圧力を利用する。空気入りタイヤはタイヤ構造全体で荷重を支持することができるため、荷重の分散により接地圧が低くなり、路面上での摩耗が軽減される。更に、空気入りタイヤは剛性が低いことが知られており、これにより車両内部での乗り心地がより快適になる。但し、空気入りタイヤは空気が減圧されると効果が失われる。例えば、膨張圧が下がると空気入りタイヤが制御不能になり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
非空気入りタイヤは、車両の荷重を支持するためにエラストマー構造による支援を利用することにより空気圧の必要性を無くするように設計されている。非空気入りタイヤは従来、その荷重支持機構によって区分され、多くの場合「ボトムローダー」又は「トップローダー」に分類される。ボトムローダーは本質的に剛性の高い構造であり、ホイールの下部、つまりタイヤが地面と接触するハブの下で荷重の大部分を支える。例えば、ボトムローダーはハブから接地面まで荷重を運ぶ。但し、ボトムローダーは高い接地圧を示すため、トラクションが低下し及び/又は地面とのタイヤの接地面積が望ましくなくなる可能性がある。一方、トップローダーは、力がタイヤ全体に放射状に分散されるようにタイヤ構造をより多く関与させるように設計されている。トップローダーの非空気入りタイヤでの底部荷重の軽減の試みにもかかわらず、このタイヤは従来の空気入りタイヤと同等の荷重分散及び性能レベルを達成することができていない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
基本的な理解を提供するために、本開示の種々の詳細を以下に要約する。この要約は本開示の広範な概要ではなく、又、本開示の特定の要素を同定すること及びその特定の要素の範囲の外郭を示すことを意図していない。むしろ、この要約の主目的は、以下に示すより詳細な説明の前に本開示のいくつかの概念を簡略化した形で提示することである。
【0005】
本開示と一貫性のある一実施形態によれば非空気入りタイヤが提供される。この非空気入りタイヤは、剪断バンドとハブとの間を延びるスポークを備えることができる。このスポークは、剪断バンドから交点まで延びる第1の脚と第2の脚とを備える。このスポークは更に、ハブから交点まで延びる第3の脚を備える。第1の脚と第3の脚とは同じ方向を向いており、この方向は第2の脚の向きに対して角度をなしている。更に、第1の脚、第2の脚、及び第3の脚が上記の交点で交わって、Y字型の構造を形成する。
【0006】
別の一実施形態では、別の非空気入りタイヤが提供される。この非空気入りタイヤは、剪断バンドとハブとの間に配置された複数のスポークを備えることができる。これら複数のスポークはそれぞれ、非空気入りタイヤの半径方向に同一平面に沿って延びる第1の脚と第2の脚とを備える第1の側で構成されるY字型の構造を有する。このY字型の構造は、第2の脚に対して角度をなす第3の脚を備える第2の側でも構成されることができる。更に、複数のスポークのうちの第1のスポークと複数のスポークのうちの第2のスポークとは、非空気入りタイヤの周方向に沿って同じ方向を向いている。
【0007】
更なる一実施形態では、別の非空気入りタイヤが提供される。この非空気入りタイヤは、剪断バンドとハブとの間を延びるスポークの第1の組を備えることができる。このスポークの第1の組は、Y字型の構造をなすように配置された3本の脚を有する。この非空気入りタイヤは、剪断バンドとハブとの間を延びるスポークの第2の組を備えることもできる。スポークの第2の組も、Y字型の構造をなすように配置された3本の脚を有する。又、スポークの第2の組は、非空気入りタイヤの半径方向に対して直交する方向である軸方向に沿ってスポークの第1の組に隣接して配置される。
【0008】
本明細書で開示される種々の実施形態及び実装形態の任意の組み合わせは、本開示と一貫性のある追加的な実施形態で使用されることができる。これら並びに他の態様及び特徴は、本開示並びに添付の図面及び特許請求の範囲に従って本明細書に提示される特定の実施形態の以下の説明から理解できる。
【0009】
(定義)
「軸方向の」及び「軸方向に」とは、タイヤの回転軸に平行な線又は方向を意味する。
【0010】
「円周方向の」とは、上記の軸方向に対して垂直に延びる線又は方向を意味する。
【0011】
「内側の」又は「内側に」とは、タイヤの内側方向を意味する。
【0012】
「外側の」又は「外側に」とは、タイヤの外側方向を意味する。
【0013】
「非空気入りタイヤ」とは、ノーパンクタイヤとしても知られるエアレスタイヤを指し、重量を支えるためには空気圧によって支えられることがない。
【0014】
「半径方向の」及び「半径方向に」は、タイヤの回転軸に向かう、又はタイヤの回転軸から半径方向に遠ざかる方向を意味するために使用される。
【0015】
「トレッド」とは成形されたゴム部品を意味し、これには、タイヤに通常の膨張をさせ、通常の荷重をかけたときに路面と接触するタイヤの部分が含まれる。このトレッドは従来、タイヤのトレッド外面から最も深い溝の底までで測定される深さを有する。
【0016】
本発明は例として、添付の図面を参照して説明される。図面には以下が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、複数のY字型スポークを備える空気入りタイヤの非限定的な例の側面の透視図を示す。
【
図2A】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、非空気圧トップローディングタイヤ用のY字型エラストマースポークの非限定的な例の側面の透視図を示す。
【
図2B】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、非空気圧トップローディングタイヤ用のY字型エラストマースポークの非限定的な例の側面の透視図を示す。
【
図3A】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、非空気圧トップローディングタイヤ用のY字型エラストマースポークの非限定的な例の側面の透視図を示す。
【
図3B】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、非空気圧トップローディングタイヤ用のY字型エラストマースポークの非限定的な例の側面の透視図を示す。
【
図4】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、一体型補強コードのための基準方向を有するY字型エラストマースポークの非限定的な例を示す。
【
図5A】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、非空気入りタイヤ用の1つ以上のY字型エラストマースポークに利用することができる補強コードの向きの非限定的な例を示す。
【
図5B】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、非空気入りタイヤ用の1つ以上のY字型エラストマースポークに利用することができる補強コードの向きの非限定的な例を示す。
【
図5C】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、非空気入りタイヤ用の1つ以上のY字型エラストマースポークに利用することができる補強コードの向きの非限定的な例を示す。
【
図5D】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、非空気入りタイヤ用の1つ以上のY字型エラストマースポークに利用することができる補強コードの向きの非限定的な例を示す。
【
図5E】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、非空気入りタイヤ用の1つ以上のY字型エラストマースポークに利用することができる補強コードの向きの非限定的な例を示す。
【
図5F】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、非空気入りタイヤ用の1つ以上のY字型エラストマースポークに利用することができる補強コードの向きの非限定的な例を示す。
【
図6A】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、1つ以上の非空気入りタイヤに利用することができるスポークのレイアウトの非限定的な例を示す。
【
図6B】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、1つ以上の非空気入りタイヤに利用することができるスポークのレイアウトの非限定的な例を示す。
【
図7】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、スポークの互い違いである複数の組のレイアウトを備える非空気入りタイヤの非限定的な例の側面の透視図を示す。
【
図8】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、スポークが反転され且つ互い違いである複数の組のレイアウトを備える非空気入りタイヤの非限定的な例の側面の透視図を示す。
【
図9】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、連結ハブアセンブリを備える非空気入りタイヤの非限定的な例の側面の透視図を示す。
【
図10】本明細書に記載の1つ以上の実施形態による、非空気入りタイヤ用のY字型スポークを製造するための非限定的な例の型の分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。種々の図における同様の要素は、一貫性を保つために同様の参照番号で示される場合がある。更に、本開示の実施形態に関する以下の詳細な説明では、特許請求の範囲に記載された主題のより良い理解を提供するために多くの特定の詳細が記載されている。しかしながら、本明細書に開示される実施形態は、これらの特定の詳細が無くとも実施することができることが当業者には明らかであろう。場合によっては、記載が不必要に複雑になるのを避けるために、良く知られている機能については詳細に記載していない。更に、添付の図に示される要素の縮尺は、本開示の範囲から逸脱することなく変更することができることが当業者には明らかであろう。
【0019】
図1は、本明細書に記載の種々の実施形態による、複数のスポーク102を備える例示的な非空気入りタイヤ100の側面図を示す。
図1に示されるように、スポーク102は、剪断バンド103とハブ106との間に取り付けられてタイヤ100の一部を形成することができる。更に、トレッド帯104を剪断バンド103上に配置して半径方向外側のトレッド面105を形成することができる。タイヤ100は、旅客車両、乗用車、トラック、トレーラー、オフロード車、全地形万能車、バス、航空機、自転車、オートバイ、農業用機器、及び/又は、それらに類するもの、を含むがこれらに限定されない種々の車両で使用するためのホイールに組み込むことができる。
【0020】
種々の実施形態において、スポーク102は、ハブ106の半径方向外側の表面及び剪断バンド103の半径方向内側の表面に取り付けることができる。更に、タイヤ100は、タイヤ100を組み込んだホイールが地面を転動することを可能にするために中心軸108の周りを回転することができる。スポーク102は、機械的締結具(例えば、ねじ、ボルト、クランプ、相互接続スロット)、接着剤(例えば、シアノアクリレート、ポリウレタン接着剤)、結合材料、それらの組み合わせ、及び/又は、それらの類似品などの種々の固定手段を介して、剪断バンド103及び/又はハブ106に取り付けることができる。いくつかの例では、スポーク102は、エラストマー材料を一体的に接着することにより剪断バンド103に取り付けることができる。この取付は例えば、未硬化のゴムを使用してゴムからなる構成要素を一緒に硬化させることによって又は硬化した若しくは部分的に硬化したゴムの構成要素の間に未硬化のゴムのストリップを使用することによって行われる。同様に、剪断バンド103は、機械的固定、接着、及び/又は結合によってトレッド帯104に固定することができる。
【0021】
タイヤ100が中心軸108の周りで回転すると、トレッド帯104の半径方向外側のトレッド面105が地面と接し得る。いくつかの例では、トレッド帯104は、(例えば、タイヤ100の平面的な接地面を形成するために)地面と接触すると少なくとも部分的に平らになるエラストマー材料で構成することができる。更に、トレッド帯104は1つ以上の補強層を含む複層構造であることができる。1つ以上の実施形態では、スポーク102はトレッド帯104に対するエラストマーの支持要素として機能することができる。半径方向外側のトレッド面105の一部が地面と接したり離れたりすると、タイヤ100にかかる定格荷重によってタイヤ100が曲がり、隣接するスポーク102が撓むことがある。1つ以上の実施形態では、隣接するスポーク102は、スポーク102が別のスポーク102に接触することなく荷重下で撓むことができるように周方向Cに沿って互いに離間することができる。
【0022】
図1に示されるように、剪断バンド103は、タイヤ100の周方向Cに沿って延びる環状構造を有することができる。種々の実施形態において、剪断バンド103は1つ以上のゴム層及び/又はエラストマー材料で構成されることができる。更に、剪断バンド103は、1つ以上の、補強層及び/又は補強コードを含むことができる。剪断バンド103は、タイヤ100の底部(例えば、トレッド帯104が地面と接している場所)からスポーク102及びハブ106に荷重を伝達するように機能することができる。例えば、複数のスポーク102は、タイヤ100の半径方向Rに沿ってハブ106から剪断バンド103まで延びることができる。スポーク102は、スポーク102には主に引張荷重がかかり且つ圧縮荷重がかからないように剪断バンド103から伝達される荷重を支えるように機能することができる。タイヤ100に荷重がかかると、スポーク102は実質的に圧縮抵抗を伴わずに接地面(例えばトレッド帯104が地面と接する領域)を通過しながら変形でき、そのため荷重負荷に与える圧縮力は無視できる。従ってスポーク102の主な荷重は、圧縮ではなく引張及び/又は剪断によって支えられる。このためタイヤ100はトップローダーの空気入りタイヤ100と考えられる。例えば本明細書に記載のスポーク102によって実現されるY字型の構造は、タイヤ100が受ける底部荷重の大きさを実質的に軽減することができる。更に、このY字型の構造は備える脚がより多いスポークの場合よりも大きな底部荷重の軽減を示し得る。
【0023】
図2Aは、本開示のスポーク102の例示的な一実施形態を示す。種々の実施形態において、スポーク102はスポーク102の軸方向「A」において同様の断面輪郭を維持することができる。
図2Aに示されるように、スポーク102は第1の外側脚202及び第2の外側脚204を含むことができる。更に、第1の外側脚202と第2の外側脚204の両者は内側脚206に一体的に接続されている。これにより、スポーク102は、第1の外側脚202、第2の外側脚204、及び内側脚206によって形成される「Y字型」を有することができる。
【0024】
第1の外側脚202、第2の外側脚204、及び内側脚206は、実質的に同じ材料で構成することができる。例えば、本明細書で更に説明するように、第1の外側脚202、第2の外側脚204、及び内側脚206は、ゴム、熱可塑性エラストマー材料、及び/又はポリマー材料の、多層構造を有することができる。
【0025】
第1の外側脚202及び/又は第2の外側脚204は例えば、約1ミリメートル(mm)以上約4mm以下の範囲の厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、第1の外側脚202及び/又は第2の外側脚204は互いに実質的に同じ厚さを有することができる。内側脚206は例えば、約2mm以上約8mm以下の範囲の厚さを有することができる。いくつかの実施形態では、内側脚206は第1の外側脚202又は第2の外側脚204の、約2倍の厚さを有することができる。
【0026】
図2Aに示すように、第1の外側脚202と第2の外側脚204とは、第1の外側脚202と第2の外側脚204とが内側脚206との交点208で接合されるように互いに角度をなして(例えば、非平行な方向に沿って)配置することができる。例えば、第1の外側脚202及び第2の外側脚204は、上記のY字型のうちの「V字型」の構成を形成することができる。例えば、第1の外側脚202及び第2の外側脚204は、スポーク102に負荷がかかっていない間、例えば約20度以上90度以下(例えば、約36度)の範囲の第1の角度「θ1」をなすことができる。内側脚206は、交点208から(例えば、
図2Aに示されるように)第1の外側脚202と同じ又は実質的に同じ向きに沿って、或いは第2の外側脚204と同じ又は実質的に同じ向きに沿って延びることができる。例えば、いくつかの実施形態では、第2の外側脚204と内側脚206との間の第2の角度「θ2」が第1の角度「θ1」の補角をなすように内側脚206は第1の外側脚202と実質的に揃えることができる。1つ以上の実施形態では、第1の外側脚202及び内側脚206は(例えば、
図2A及び/又は
図3Aに示すように)半径方向Rに同一平面に沿って延びることができる。
【0027】
図2Aに示される例示的実施形態では、第1の外側脚202及び第2の外側脚204は両方とも半径方向外側の表面210で終端することができる。種々の実施形態において、半径方向外側の表面210は剪断バンド103への取り付けのための表面であることができる(例えば、取り付けのための手段を提供することができる)。更に、内側脚206は半径方向内側の表面212で終端することができる。種々の実施形態において、半径方向内側の表面212はハブ106への取り付けのための表面であることができる(例えば、取り付けのための手段を提供することができる)。1つ以上の実施形態では、半径方向外側の表面210及び/又は半径方向内側の表面212は、スポーク102が取り付けられる剪断バンド103及び/又はハブ106の曲率半径と一致するように周方向Cに沿って僅かに湾曲することができる。或いは図示のように、半径方向外側の表面210及び/又は半径方向内側の表面212は平坦であってもよい。
【0028】
代替的に
図3Aは、半径方向外側の表面210が、第1の外側脚202と第2の外側脚204との間を延びるブリッジ302の側面を含む、スポーク102の別の例示的な一実施形態を示す。例えば、第1の外側脚202及び第2の外側脚204は交点208から延びブリッジ302で終端することができる。
図3Aに示すように、ブリッジ302は交点208の上方で第1の外側脚202と第2の外側脚204とを接続することができる。ブリッジ302は、第1の外側脚202の長さ、第2の外側脚204の長さ、及び第1の角度θ1の関数である、周方向Cに沿って延びる第3の長さL3を有することができる。
【0029】
再び
図2Aを参照すると、第1の外側脚202と第2の外側脚204は、半径方向「R」に沿って延びる(例えば、半径方向外側の表面210から交点208まで延びる)実質的に等しい第1の長さL1を有することができる。更に、1つ以上の実施形態では内側脚206は半径方向Rに沿って延び、第1の長さL1に実質的に等しい第2の長さL2を有することができる。いくつかの実施形態では第2の長さL2は、第1の長さL1より短くてよい。いくつかの実施形態では、スポーク102が剪断バンド103とハブ106との間を延びるときの半径の変化に適応するために、第1の外側脚202の第1の長さL1は第2の外側脚204の第1の長さL1と僅かに異なってよい。1つ以上の実施形態では、第1の外側脚202及び/又は第2の外側脚204の第1の長さL1はスポーク102の全長(例えば、ハブ106から剪断バンド103まで延びる長さ)の50%以上であることができ、内側脚206の第2の長さL2はスポーク102の全長の50%未満であることができる。
【0030】
種々の実施形態において第1の外側裾214は第1の外側脚202の遠位端に配置することができる。更に、第2の外側裾216は第2の外側脚204の遠位端に配置することができる。例えば
図2Aは、第1の外側裾214が、第2の外側脚204に面する第1の外側脚202の側面上に配置される、スポーク102の例示的な一実施形態を示す。同様に、
図2Aに示される例示的な実施形態は、第1の外側脚202に面する第2の外側脚204の側面上に配置される第2の外側裾216を含む。第1の外側裾214及び/又は第2の外側裾を構成することができる材料の例として熱可塑性エラストマー材料及び/又はポリマー材料が含まれるがこれらに限定されない。1つ以上の実施形態では第1の外側裾214及び/又は第2の外側裾216は実質的に三角形の形状を有することができる。更に、第1の外側裾214及び/又は第2の外側裾216は、例えば約2メガパスカル(MPa)以上約30MPa以下の範囲の弾性率を有する比較的硬いゴム材料で構成されることができる。
【0031】
或いは、
図3Aに示される例示的な実施形態では第1の外側裾214はブリッジ302と第1の外側脚202との接続部に隣接して配置することができる。同様に、第2の外側裾216はブリッジ302と第2の外側脚204との接続部に隣接して配置することができる。例えば
図3Aに示されるように、ブリッジ302は第1の外側脚202及び第2の外側脚204に接合される屈曲部分を含むことができ、第1の外側裾214及び第2の外側裾216はブリッジ302の屈曲部分に隣接して配置することができる。
【0032】
いずれの図示の実施形態においても、第1の外側裾214及び第2の外側裾216は第1の外側脚202及び第2の外側脚204の剪断バンド103への取り付けを更に容易にできる。例えば、スポーク102の半径方向外側の表面210の表面領域は第1の外側裾214の側面及び第2の外側裾216の側面を包含することができる。第1の外側裾214及び第2の外側裾216によってもたらされる表面積の増大により(例えば、第1の外側脚202及び第2の外側脚204の遠位端のみと比較して、又はブリッジ302の側面のみと比較して)スポーク102と剪断バンド103との間の固定面積の量も増大することができる。例えば、第1の外側裾214及び/又は第2の外側裾216は円周方向Cに沿った半径方向外側の表面210を広げることができるため、接着剤、機械的締結具、及び/又は結合技術によるスポーク102の剪断バンド103への取り付けを容易にすることができる。
【0033】
又、スポーク102は、内側脚206の遠位端に配置された内側裾218を備えることができる。例えば、内側裾218は、半径方向内側の表面212に最も近い、内側脚206の端部に配置することができる。
図2A及び
図3Aに示されるように、内側裾218は、内側裾218が交点208に向かう方向に延びるように、内側脚206の側面に配置することができる(例えば、内側裾218は、交点208に最も近い、内側脚206の側面に配置することができる)。いくつかの実施形態では、内側裾218は、内側裾218が交点208(図示せず)から離れる方向に延びるように、内側脚206の反対側の側面に配置することができる。内側裾218を構成することができる材料の例として熱可塑性エラストマー材料及び/又はポリマー材料が含まれるがこれらに限定されない。1つ以上の実施形態では、内側裾218は実質的に三角形の形状を有することができる。更に、内側裾218は、例えば約2MPa以上約30MPa以下の範囲の弾性率を有する比較的硬いゴム材料で構成することができる。例えば、内側裾218は、第1の外側裾214及び/又は第2の外側裾216と同じ材料組成又は実質的に同じ材料組成を有することができる。
【0034】
本明細書で更に説明するように、内側裾218は、内側脚206のハブ106への取り付けを更に容易にすることができる。例えば、スポーク102の半径方向内側の表面212の表面領域は内側裾218の側面を包含することができる。内側裾218によってもたらされる表面積の増大に伴い(例えば、内側脚206の遠位端のみと比較して)スポーク102とハブ106との間の固定面積の量も増大することができる。例えば、内側裾218は、周方向Cに沿って半径方向内側の表面212を広げることができるため、接着剤、機械的締結具、及び/又は結合技術による、ハブ106へのスポーク102の取り付けを容易にすることができる。
【0035】
スポーク102は、1つ以上の接合部分220を更に含むことができる。種々の実施形態において1つ以上の接合部分220は、例えば約2MPa以上約30MPa以下の範囲の弾性率を有する硬いゴムで構成することができる。
図2A及び
図3Aに示されるように、1つ以上の接合部分220は、周方向Cに沿って第1の外側脚202と第2の外側脚204との間の交点208の上方に配置されることができる。更に、1つ以上の接合部分220は軸方向Aに沿ってスポーク102の全長に又はほぼ全長に沿って延びることができる。1つ以上の接合部分220は、第1の外側脚202及び第2の外側脚204によって画定される空隙を補う実質的に三角形の形状を有することができる。1つ以上の実施形態では1つ以上の接合部分220は、第1の外側裾214、第2の外側裾216、及び/又は内側裾218、と同じ又はほぼ同じ材料組成を有することができる。図示されるように、1つ以上の接合部分220は、交点208付近の周方向Cに沿ったスポーク102の一部を厚くすることができる。これにより1つ以上の接合部分220は、交点208におけるスポーク102の構造一体性を高めることができる。
【0036】
図2Aに示される例示的な実施形態のようにスポーク102はまた、交点208に隣接して且つ内側脚206に対して角度をなして向けられた外側脚の間に配置された緩衝材222を備えることができる。例えば緩衝材222は、第2の外側脚204と内側脚206との間に配置することができる。緩衝材222は、例えば約2MPa以上約30MPa以下(例えば4.8)の範囲の弾性率を有する比較的柔らかいゴムで構成することができる。或いは
図2Aに示すように、緩衝材222の無いスポーク102の実施形態も想定される。
【0037】
図2Bはスポーク102が軸方向Aに延びるときの、スポーク102の第1の側224を示す。スポーク102の第1の側224は例えば、半径方向外側の脚の1つが内側脚206に角度をなして向けられる側であることができる。例えば、
図2Bに示されるスポーク102の第1の側面224は、
図2Aに例示されるように、内側脚206に対して角度をなして(例えば、非平行に)配置された第2の外側脚204を含む。
図3Bはスポーク102が軸方向Aに延びるときの、スポーク102の第2の側304を示す。スポーク102の第2の側304は、例えば外側脚の1つが内側脚206の軌跡に沿った方向を向く側であることができる。例えば
図3Bに示されるスポーク102の第2の側面304は、内側脚206の向きと同じ直線上に配置された第1の外側脚202を含む。
【0038】
種々の実施形態においてスポーク102は、ゴム又は熱可塑性エラストマーなどの弾性材料で成形することができる。例えば、適切な熱可塑性エラストマー材料は、次の特性によって特徴付けることができる。好ましくは、材料の引張(ヤング)率は、ISO 527 -1/-2標準試験において、45MPa以上650MPa以下(例えば、約85MPaから約300MPa)であること。好ましくは、材料のガラス転移温度は、摂氏-25度(℃)未満(例えば、-35℃未満)であること。材料の破断時の伸びは100%から400%の間(例えば200%より大きい)であること。材料の熱撓み温度は、0.45МPa未満で40℃を超えること(例えば、50℃を超えることが好ましい)。更に、好ましくは材料は、ISO 179/SIO 180の試験方法を使用した23℃でのアイゾット試験及びシャルピーノッチ試験において被破壊の結果を示さないこと。
【0039】
種々の実施形態においてスポーク102は、従来のタイヤ製造で使用されるゴムで成形することができる。例えばスポーク102は、ポリエステルコード材料、ガラス繊維強化樹脂、アラミド、綿、ナイロン、レーヨン、それらの組み合わせなどを含むゴムから成形することができる。スポーク102の各層におけるコード密度又はコード材料の間隔は、スポーク102の所望の剛性に応じて選択することができる。一例では、ナイロンのコードで作られた層は、1インチ当たり32エンド(ends per inch、EPI)の密度を有することができる。別の例では、アラミド層の密度は16EPIであり得る。例えば、第1の外側脚202、第2の外側脚204、及び/又は内側脚206は、単層又は多層の構造を有することができ、各層はコード材料の向きによって画定される。いくつかの実施形態では、第1の外側脚202及び第2の外側脚204は、n層の強化ゴム(例えば、ナイロン又はアラミドなどのコード材料を含む)又は熱可塑性材料を有することができ、内側脚206は、2×n(2n)の数の層を有することができる。
【0040】
図4はスポーク102の例を示しており、図中の0°及び90°の方向は、第1の外側脚202、第2の外側脚204、及び/又は内側脚206、のうちの一つ以上の材料層によって実現されることができる種々のコードの向きを記述する際に参照される。
図4に示されるように0°の基準方向は、第1の外側脚202、第2の外側脚204、及び/又は内側脚206、の長手方向軸に沿って(例えば、実質的に半径方向Rに)移動することができる。更に90°の基準方向は、スポーク102の軸方向Aに沿って移動することができる。
図4には
図3Aに示されるスポーク102の例示的な実施形態が示されているが、本明細書で説明される単層又は複層の構成は
図2Aに示される例示的な実施形態にも適用可能である。
【0041】
図5A~5Fは、第1の外側脚202、第2の外側脚204、及び/又は内側脚206、のそれぞれの層を画定するコードの向きの例を示す。例えば
図5Aは、第1の外側脚202、第2の外側脚204、及び/又は内側脚206が、0°の基準方向に沿って向けられたコードを備える単層構造を有することができる例示的な実施形態を示す。
図5Bは、第1の外側脚202、第2の外側脚204、及び/又は内側脚206、が二層構造を有することができ、各層が0°の基準方向に沿って向けられたコードを備える例示的な実施形態を示す。
図5Cは、第1の外側脚202、第2の外側脚204、及び/又は内側脚206が2層構造を有することができる例示的な実施形態を示す。ここで、第1の層502は、+45°の方向に沿って向けられたコードを備え、第2の層504は、-45°の方向に沿って向けられたコードを備える。
図5Dは、第1の外側脚202、第2の外側脚204、及び/又は内側脚206、が3層構造を有することができる例示的な実施形態を示す。ここで、第1の層502及び第2の層504は、90°の基準方向に沿って向けられたコードを備え、第3の層506は、0°の基準方向に沿って向けられたコードを備える。いくつかの実施形態では、第3の層506は主にタイヤ100の耐荷重機能を担うことができ、一方第1の層502及び/又は第2の層504は主に第3の層506の外部からの損傷に対する保護を担うことができる。
図5Eは、第1の外側脚202、第2の外側脚204、及び/又は内側脚206、が3層構造を有することができる例示的な実施形態を示す。ここで、第1の層502は+45°の方向に沿って向けられることができ、第2の層504は-45°の方向に沿って向けられることができ、第3の層506は0°の基準方向に沿って向けられることができる。
図5Fは、第1の外側脚202、第2の外側脚204、及び/又は内側脚206、が4層構造を有することができる例示的な実施形態を示す。ここで、第1の層502は+45°の方向に沿って向けられることができ、第2の層504は-45°の方向に沿って向けられることができ、第3の層506及び第4の層508は0°の基準方向に沿って向けられることができる。
【0042】
当業者であれば、
図5A~5Fに示されるコードの向きが例示であること及び追加のコードの向き(例えば、±30°又は±60°に沿った方向)が想定されることを認識するであろう。更に、コードの方向はおおよそのものであり、例えば最大10°まで異なってよい。いくつかの実施形態ではコードの材料組成は、各層で同一又は実質的に同一であることができる。他の実施形態ではある層のコード材料組成は、別の層のコード材料組成と異なることができる。
【0043】
図6A及び6Bに例示されるように、複数のスポーク102は円周方向Cに沿った単一の組として又は円周方向Cに沿った複数の組として配置されることができる。例えば
図6Aは、複数のスポーク102が単一の組として配置され、スポーク102が軸方向Aに沿ったタイヤ100の全長又はほぼ全長を延びる例示的な実施形態を示す。他の一例として
図6Bは、複数のスポーク102がスポーク102の2つの組として配置される例示的な実施形態を示す。ここで、スポークの第1の組102は、軸方向Aに沿ったタイヤ100の長さの約半分を延び、スポークの第2の組102は、軸方向Aに沿ったタイヤ100の長さの残りの半分を延びる。
いくつかの実施形態ではスポーク102の組の数は、例えば1以上8以下の範囲とすることができる。
【0044】
スポーク102の組の数は、タイヤ100の用途及び/又は寸法に基づいて変更することができる。例えば、タイヤ100の長さが軸方向Aに沿って増大するにつれて、タイヤ100はより多くのスポーク102の組を容易に収容することができる。同様に一組あたりのスポーク102の数も、タイヤ100の用途及び/又は寸法に基づいて変更することができる。
図6A及び6Bは、周方向Cに沿って一組あたり36本のスポーク102を示しているが、一組あたり、より少ない又はより多いスポーク102を備える実施形態も想定される。例えばタイヤ100の円周が増大するにつれて、タイヤ100は一組あたり、より多くのスポーク102を容易に収容することができる。いくつかの実施形態では、一組あたりのスポーク102の数は、例えば約30本以上約60本以下の範囲とすることができる。
【0045】
図6Bは例示的なスポークの複数の組のレイアウトを示しており、第1の組の第1のスポーク102aが、軸方向Aに沿って第2の組の隣接する第2のスポーク102bと揃えられている。例えば側方からみた場合、
図6Bに示された例示的なスポークの複数の組のレイアウトは、
図1に示されたようにみえるであろう。すなわち第2の組の第2のスポーク102bは、第1の組の第1のスポーク102aの先にみえないであろう。しかしながら、代替のスポークの複数の組のレイアウトも想定される。
【0046】
例えば
図6Bに示すスポークの組は軸方向Aに整列しているが、1つ以上の実施形態では、隣接するスポークの組は軸方向Aにおいて互い違いに配置することができる。
図7は、軸方向Aにおいてそれぞれの位置に互い違いに配置された2組のスポーク102を含む、スポークの複数の組のレイアウト上に配置された複数のスポーク102を含む、例示的なタイヤ100の側面の透視図を示す。互い違いの配置のため、第1の組の1つ以上の第1のスポーク102a及び第2の組の1つ以上の第2のスポーク102bは両方ともタイヤ100の側面から見える。
図7に示すように第1の組の1つ以上の第1のスポーク102aは、周方向Cに沿って第2の組の1つ以上の第2のスポーク102bに対して位置をずらすことができる。
図7は
図2Aに示す例示的なスポーク102に関する例示的なスポークの互い違いの配置の複数の組のレイアウトを示すが、この構成は
図3Aに示す例示的なスポーク102を用いて実現することもできる。
【0047】
更に、
図6B及び
図7に示される例示的なスポークの複数の組のレイアウトは同時に、周方向Cに沿って同じ方向に向けられたスポーク102を備える。例えば
図6Bではスポーク102は、各スポーク102の緩衝材222を備える側面が時計回りの方向を向くように向けられている。しかしながらスポーク102は、軸方向Aにおいて整列して又は互い違いで、反対向きに配置することができる。例えば
図8は、2組のスポーク102を含むスポークの複数の組のレイアウトに従って配置された複数のスポーク102を含む例示的なタイヤ100の側面の透視図を示す。ここで1つの組のスポーク102は、別の組のスポーク102を半径方向Rの周りに反転させて配置している。例えば
図8に示されるように、第1の組は1つ以上の第1のスポーク102aを備えることができ、第2の組は第1のスポーク102aの組に対して向きが反転した1つ以上の第2のスポーク102bを備えることができる。例えば第1のスポーク102aの組は、周方向Cにおいて時計回りの方向に面する第1の側面124を有することができる。一方第2のスポーク102bの組は、(例えば、
図8に示されるように)周方向Cにおいて反時計回りの方向に面する第1の側面124を有することができる。いくつかの実施形態では向きの反転したスポーク102は、隣接するスポーク102と整列した部分と、隣接するスポーク102と互い違いに配置された他の部分とを有することができる。例えば
図8に示されるように、反転されていないスポーク(例えば、第1のスポーク102a)及び反転されたスポーク(例えば、第2のスポーク102b)102の外側脚は、周方向Cに沿って互い違いに配置することができ、一方内側脚206は、周方向Cに少なくとも部分的に整列することができる。
【0048】
反転され互い違いに配置されているため、第1の組の1つ以上の第1のスポーク102a及び第2の組の1つ以上の第2のスポーク102bは、両方ともタイヤ100の側面からみえる。
図8に示されるように、第1の組の1つ以上の第1のスポーク102aは、周方向Cに沿って第2の組の1つ以上の第2のスポーク102bに対して位置をずらされることができる。
図8は
図2Aに示される例示的なスポーク102に関して、反転され互い違いにされた複数の組のスポークのレイアウトの例を示すが、この構成は
図3Aに示される例示的なスポーク102を用いて実現することもできる。
【0049】
本明細書に記載される種々の実施形態に従い、種々の複数の組のスポークのレイアウトの構成は以下のうちの1つ以上の関数として想定される: (例えば、半径方向Rに沿って)反転しておらず、(例えば、軸方向Aに沿って)整列したスポーク102の組、反転され整列されたスポーク102の組、反転されていない互い違いのスポーク102の組、反転され互い違いのスポーク102の組、及び/又はそれらの組み合わせ。同様に、本明細書に記載の種々の実施形態に従い、種々の単一の組のスポークのレイアウトの構成は、1つ以上の、(例えば、半径方向Rに沿って)反転しておらず、(例えば、軸方向Aに沿って)整列したスポーク102、反転され整列されたスポーク102、反転されていない互い違いのスポーク102、反転され互い違いのスポーク102、及び/又はそれらの組み合わせの関数として想定される。いくつかの実施形態では、スポークのレイアウトの構成(例えば、ハブ106と剪断バンド103との間のスポーク102の位置、数、及び/又は向き)は、組込まれた車両の動作中にタイヤ100によって発せられる騒音を調節するように設計し及び/又は適合することができる。
【0050】
種々の実施形態においてハブ106はホイール本体902に取り付けることができ、これによりタイヤ100を車両の車軸に組み込むことを容易にすることができる。いくつかの実施形態ではハブ106はホイール本体902と一体的に成形することができ、又は接着剤及び/又は結合材料を介してホイール本体902に固定することができる。1つ以上の実施形態ではハブ106は、上記の固定方法に対して追加的に又は代替的に、機械的接続を介してホイール本体902に固定することができる。例えば
図9はタイヤ100の例示的な実施形態を示しており、ハブ106は、ハブ106の内側表面906から延びる複数の突起904を備えることができる。
図9に示されるように内側表面906は、複数のスポーク102に取り付けられたハブ106の表面の反対側に位置することができる。特に、内側表面906は、タイヤ100の中心軸108に面することができる。更に、突起904は内側表面906からホイール本体902内の1つ以上の溝の中に延びることができる。例えば、ハブ106、従って突起904はタイヤ100の軸方向Aに沿って上記の溝の中に滑り込める。
図9に示されるように突起904は、ハブ106のホイール本体902から離れる半径方向Rの動きを阻止する形状にすることができる。
【0051】
図10は、本明細書に記載される1つ以上の実施形態に従ったスポーク102を製造するために使用することができる、型1000の分解図を示す。例えば
図10は、
図3Aに例示されたスポーク102の製造を示す。
図10に示されるように、スポーク102の構成要素が型1000内に配置されるときの、それら構成要素が別々に表されている。型1000は、前壁1002、後壁1004、第1の側壁1006、第2の側壁1008、底壁1010、及び上壁1012を備えることができる。
【0052】
製造過程中で第1の外側裾214は、底壁1010上で第2の側壁1008に隣接して配置することができる。例えば第1の外側裾214は、第1の外側脚202の所望の向きとしての平行な方向に沿って延びる、底壁1010の第1の傾斜面1014上に配置することができる。更に内側裾218は、底壁1010上で第1の側壁1006に隣接して配置することができる。例えば内側裾218は、内側裾218に対する所望の向きとしての平行な方向に沿って延びる、底壁1010の第2の傾斜面1016上に配置することができる。
【0053】
次にエラストマー材料1018を、第1の外側裾214、内側裾218、及び底壁1010の第1の傾斜面1014、の上に配置することができる。エラストマー材料1018は、第1の外側脚202、第2の外側脚204、及び/又は内側脚206を形成することができる。例えば、第1の外側裾214、内側裾218、及び第1の傾斜面1014と接触するエラストマー材料1018の一部は、第1の外側脚202及び内側脚206を形成することができる。
【0054】
続いて中間型部分1020を、エラストマー材料1018の上且つ第1の外側裾214の上方に配置することができる。
図10に示されるようにエラストマー材料1018は、第2の側壁1008を上り、中間型部分1020の周囲を包み込むことができる。これによりエラストマー材料1018の一部を第2の側壁1008と中間型部分1020との間に配置して、ブリッジ302を形成することができる。更に接合部分220は、中間型部分1020に隣接するエラストマー材料1018上且つ第1の傾斜面1014の上方に配置することができる。上述し、
図10に示されたように、エラストマー材料1018は、接合部分220を覆うように中間型部分2020の周りに巻き付けられ、更に第1の傾斜面1014及び内側裾218の上方で自身の上に存在することができる。
【0055】
更に、第2の外側裾216を第2の側壁1008に隣接するエラストマー材料1018の上且つ中間型部分1020の上方に配置することができる。最後に、上壁1012を第2の外側裾216及びエラストマー材料1018の上に配置することができる。
図10に示されるように上壁1012は、第2の外側脚204の所望の向きとしての平行な方向に延びることができる第1の傾斜した表面1022を有することができる。加えて上壁1012は、内側脚206の所望の向きとしての平行な方向に延びることができる第2の傾斜した表面1024を有することができる。
【0056】
スポーク102の未硬化の構成要素が型1000内に配置されると、前壁1002、後壁1004、第1の側壁1006、第2の側壁1008、底壁1010、及び上壁1012が閉じられ、互いに固定される。例えばそれぞれの壁を一緒に締め付けることにより、未硬化の構成要素を互いに対して且つ中間型部分1020に対して押し付ける圧力を加えることができる。次に型1000を加熱してエラストマーの構成要素を硬化させ、それによって構成要素を接着させて複合スポーク102の構造を形成することができる。例えば型1000を少なくとも140℃の温度に加熱して、スポーク102の構成要素を硬化させることができる。
【0057】
当業者であれば、
図2Aに示される例としてのスポーク102の構造を含み、本明細書に記載される様々な実施形態を包含するように、
図10に例示される製造及び/又は型1000の特徴を僅かに変更することができることを理解するであろう。例えば複数のエラストマー材料1018を(例えば、
図10に示される単一のエラストマー材料1018による方法とは対照的に)使用して、複数層構造及び/又はブリッジ302の無い構成を実現することができる。加えて、第1の外側裾214及び/又は第2の外側裾216の位置を適合させるために、構成要素を型1000内に配置する順序を変更することができる。
【0058】
(追加の実施形態)
本開示は以下の例示的な実施形態にも関しており、それら例示的な実施形態は任意の組合せで実施することができる。
【0059】
実施形態1: 非空気入りタイヤであって、剪断バンドとハブとの間を半径方向に沿って延びるスポークを備え、スポークが、剪断バンドから交点まで延びる第1の脚と第2の脚とを備え、スポークが更に、ハブから交点まで延びる第3の脚を備え、第1の脚と第3の脚とは、第2の脚の向きに対して角度をなす同じ方向に沿って向けられ、第1の脚、第2の脚、及び第3の脚、は交点で交わってY字型の構造を形成する、非空気入りタイヤ。
【0060】
実施形態2: スポークが、剪断バンドとスポークとの間の境界の接触面積を増大させるために、剪断バンドに隣接する位置で第1の脚に付されて硬化された第1の裾を更に備える、実施形態1に記載の非空気入りタイヤ。
【0061】
実施形態3: スポークが、剪断バンドとスポークとの境界の接触面積を更に増大させるために、剪断バンドに隣接する位置で第2の脚に付されて硬化された第2の裾を更に備える、実施形態1又は2に記載の非空気入りタイヤ。
【0062】
実施形態4:スポークが、ハブとスポークとの間の境界の接触面積を増大させるために、ハブに隣接する位置で第3の脚に付されて硬化された別の裾を更に備える、実施形態1~3の何れかに記載の非空気入りタイヤ。
【0063】
実施形態5:別の裾が第3の脚の交点に最も近い側に位置する、実施形態1~4の何れかに記載の非空気入りタイヤ。
【0064】
実施形態6: スポークが、交点の上方且つ第1の脚と第2の脚との間に位置する緩衝材を更に備える、実施形態1~5の何れかに記載の非空気入りタイヤ。
【0065】
実施形態7:第1の脚及び第2の脚が第1のエラストマー材料で構成され、緩衝材が第1のエラストマー材料とは異なる材料組成を有する第2のエラストマー材料で構成される、実施形態1~6の何れかに記載の非空気入りタイヤ。
【0066】
実施形態8:スポークが、非空気入りタイヤの周方向に沿って第1の脚から第2の脚まで延びるブリッジを更に備える、実施形態1~7の何れかに記載の非空気入りタイヤ。
【0067】
実施形態9:スポークがブリッジの側面と剪断バンドの内側の表面との境界を介して剪断バンドに固定されており、剪断バンドの内側の表面は非空気入りタイヤの中心軸を向いている、実施形態1~8の何れかに記載の非空気入りタイヤ。
【0068】
実施形態10:スポークが、第1の脚と接合されたブリッジの第1の部分に隣接して配置された第1の裾であって剪断バンドに固定された第1の裾と、第2の脚と接合されたブリッジの第2の部分に隣接して配置された第2の裾であって剪断バンドに固定された第2の裾と、第3の脚及びハブに隣接して配置された第3の裾であってハブに固定された第3の裾と、を更に備える、実施形態1~9の何れかに記載の非空気入りタイヤ。
【0069】
実施形態11:非空気入りタイヤであって、剪断バンドとハブとの間に配置された複数のスポークを備え、複数のスポークがそれぞれY字型の構造を有し、Y字型の構造が、非空気入りタイヤの半径方向に同一平面に沿って延びる第1の脚と第2の脚とを備える第1の側と、第2の脚に対して角度をなす第3の脚を備える第2の側とで構成され、複数のスポークのうちの第1のスポークと、複数のスポークのうちの第2のスポークとが、非空気入りタイヤの円周方向に沿って同じ方向を向いている、非空気入りタイヤ。
【0070】
実施形態12:第1のスポークと第2のスポークとの第2の側が周方向に沿って時計回りの方向に面し、複数のスポークのうちの第3のスポークの第2の側が周方向に沿って反時計回りの方向に面している、実施形態11に記載の非空気入りタイヤ。
【0071】
実施形態13:第1のスポークと第2のスポークとの第2の側が周方向に沿って反時計回りの方向に面し、複数のスポークのうちの第3のスポークの第2の側が周方向に沿って時計回りの方向に面している、実施形態11に記載の非空気入りタイヤ。
【0072】
実施形態14:非空気入りタイヤが、トップローダーの非空気入りタイヤである、実施形態11~13の何れかに記載の非空気入りタイヤ。
【0073】
実施形態15: 非空気入りタイヤであって、剪断バンドとハブとの間を延び、Y字型の構造をなすように配置された3本の脚を有する、スポークの第1の組と、剪断バンドとハブとの間を延び、Y字型の構造をなすように配置された3本の脚を有する、スポークの第2の組とを備え、スポークの第2の組が、非空気入りタイヤの半径方向に対して直交する軸方向に沿ってスポークの第1の組に隣接して配置される、非空気入りタイヤ。
【0074】
実施形態16:スポークの第1の組の第1のスポークが軸方向に沿ってスポークの第2の組の第2のスポークに隣接して配置される、実施形態15に記載の非空気入りタイヤ。
【0075】
実施形態17:第1のスポークが第2のスポークと軸方向に沿って整列されている、実施形態15又は16に記載の非空気入りタイヤ。
【0076】
実施形態18:第1のスポークが軸方向に沿って第2のスポークに対して位置をずらされている、実施形態15~17の何れかに記載の非空気入りタイヤ。
【0077】
実施形態19:第1のスポークの第1の側が、第1のスポークの互いに異なる角度を向いた2本の脚を備え、第2のスポークの第2の側が、第2のスポークの互いに異なる角度を向いた2本の脚を備え、第1のスポークの第1の側が非空気入りタイヤの周方向に沿って時計回りの方向を向き、第2のスポークの第2の側が非空気入りタイヤの周方向に沿って反時計回りの方向を向いている、実施形態15~18の何れかに記載の非空気入りタイヤ。
【0078】
実施形態20:第1のスポークの第1の側が、第1のスポークの互いに異なる角度を向いた2本の脚を備え、第2のスポークの第2の側が、第2のスポークの互いに異なる角度を向いた2本の脚を備え、非空気入りタイヤの周方向に沿って第1のスポークの第1の側が面し、且つ第2のスポークの第2の側が同じ方向を向いている、実施形態15~18の何れかに記載の非空気入りタイヤ。
【0079】
本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される場合、例えば、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに別段の指定がない限り、複数形も含む。更に、「内包する」、「内包している」、「包含する」、「包含している」、「備える」、「備えている」、「含む」、及び/又は「含んでいる」という用語、及びそれらの変形は本明細書で使用される場合、記載された特徴、完成体、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するものであるが、1つ以上の他の特徴、完成体、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらの組合せの存在又は追加を排除するものではないことが理解されるであろう。
【0080】
方向付けに関する用語は本明細書では単に、慣例に従うこと及び参照の目的で使用されており、限定として解釈されるべきではない。但しこれらの用語は実施者又は使用者により参考として使用され得ることが認識される。従っていかなる制限も暗示され又は推測されるべきではない。加えて、序数(例、第1の、第2の、第3の、など)は区別するためのものであり、数を数えるために使用されるものではない。例えば「第3の」の使用は、対応する「第1の」又は「第2の」が存在する必要があることを暗示しない。又、本明細書で使用される「結合された」又は「~に結合された」又は「接続された」又は「~に接続された」又は「取り付けられた」又は「~に取り付けられた」という用語は直接的な又は間接的な接続の確立を示すことがあり、明示的に言及されている場合を除きいずれかに限定されない。
【0081】
本開示ではいくつかの例示的な実施形態を説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の変更が可能であり、その要素を等価物で置換可能であることは当業者には理解されよう。加えて、本開示の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の、機器、状況、又は材料を本開示の実施形態に適合させるための多くの修正が当業者には理解されるであろう。従って本発明は、開示された特定の実施形態又は本発明を実施するために考えられる最良の形態に限定されるものではなく、本発明は添付の特許請求の範囲に含まれる全ての実施形態を含むことが意図されている。更に、添付の特許請求の範囲における、特定の機能を実行するように適合され、配置され、実行可能にされ、構成され、有効化され、操作可能にされ、又は動作可能にされている、装置又はシステム又は装置若しくはシステムの構成要素への言及は、その装置、システム、又は構成要素がそのように適合され、配置され、実行可能であり、構成され、有効化され、操作可能であり、又は動作可能である限り、その特定の機能が有効化されているか、起動されているか、又はロック解除されているかどうかに関係なく、その装置、システム、又は構成要素を包含する。
【外国語明細書】