(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144249
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】ユーザ入力装置、ハンドヘルドコントローラおよびエンターテインメントシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0338 20130101AFI20241003BHJP
A63F 13/24 20140101ALI20241003BHJP
【FI】
G06F3/0338 411
A63F13/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024044621
(22)【出願日】2024-03-21
(31)【優先権主張番号】2304490.2
(32)【優先日】2023-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ジュン レオン
【テーマコード(参考)】
5B087
【Fターム(参考)】
5B087AA09
5B087BC02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】運動能力によらず、快適な入力ができるユーザ入力装置、ハンドヘルドコントローラおよびエンターテインメントシステムを提供する
【解決手段】ユーザ入力装置は、サムスティックと、ハウジングと、サムスティックの中立位置に対する相対位置がサムスティックの所定の位置範囲に入ったときに、サムスティックの動きが1つ以上の異なる方向をたどるガイド手段は、ハウジングの内面の少なくとも一部と基部の少なくとも一部との間にクリアランスを形成するように基部を部分的に囲む1組以上の連動要素を備え、連動要素の各々は、ハウジングの内面に配置されたピンと、ハウジングの内面の他方および基部の上に配置された複数のガイド要素と、を備える。複数のガイド要素は、ピンが当該複数のガイド要素に係合したときにピンがたどる1つ以上の経路を形成するように配置される。1つ以上の経路は、1つ以上の別個の方向を定義する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ入力装置であって
サムスティックと、
ハウジングと、
前記サムスティックの中立位置に対する相対位置が前記サムスティックの所定の位置範囲に入ったときに、前記サムスティックの動きが1つ以上の異なる方向をたどるように前記サムスティックをガイドするガイド手段と、
を備え、
前記ハウジングは、前記サムスティックの基部に接触することのないように、当該ハウジングの内面の少なくとも一部と前記基部の少なくとも一部との間にクリアランスを形成するように前記基部を部分的に囲み、
前記ガイド手段の少なくとも一部は、前記クリアランスの内部に配置されており、
前記ガイド手段は1組以上の連動要素を備え、
前記連動要素の各々は、
前記ハウジングの内面の一方および前記基部の上に配置されたピンと、
前記ハウジングの内面の他方および前記基部の上に配置された複数のガイド要素と、
を備え、
前記複数のガイド要素は、前記ピンが当該複数のガイド要素に係合したときに前記ピンがたどる1つ以上の経路を形成するように配置され、
前記1つ以上の経路は、1つ以上の別個の方向を定義することを特徴とするユーザ入力装置。
【請求項2】
前記連動要素の少なくとも1組に関し、当該連動要素のピンが、対応する複数のガイド要素と係合したとき、前記サムスティックに与えられる力の大きさが所定の閾値以上であり、かつ前記サムスティックに与えられる力の方向が前記1つ以上の経路によって定義される1つ以上の異なる方向と一致しない場合、前記ピンは、前記対応する複数のガイド要素によって形成される1つ以上の経路をたどらないことを特徴とする請求項1に記載のユーザ入力装置。
【請求項3】
前記少なくとも1組の連動要素に関し、前記サムスティックに与えられる力の大きさが所定の閾値以上であり、かつ前記サムスティックに与えられる力の方向が前記1つ以上の経路によって定義される1つ以上の別個の方向と一致しない場合、前記各ピンの先端の少なくとも一部が、対応する複数のガイド要素の少なくとも1つの先端の少なくとも一部を乗り越えて移動できるように、前記各ピンおよび前記対応する複数のガイド要素の少なくとも1つが可動または弾性変形可能であることを特徴とする請求項2に記載のユーザ入力装置。
【請求項4】
ピボットと、
前記ピボットに対する前記サムスティックの基部の高さを所定の高さに向けてバイアスするためのバイアス手段と、
を備え、
前記サムスティックは、前記ピボットを介して前記ハウジングに連結されており、
前記サムスティックに与えられる力の大きさが所定の閾値以上であり、かつ前記サムスティックに与えられる力の方向が前記1つ以上の経路によって定義される1つ以上の別個の方向と一致しない場合、前記サムスティックの基部の高さが所定の高さからバイアスすることにより、前記各ピンの先端の少なくとも一部が、対応する複数のガイド要素の少なくとも1つのガイド要素の先端の少なくとも一部を乗り越えて移動できることを特徴とする請求項2または3に記載のユーザ入力装置。
【請求項5】
前記少なくとも1組の連動要素に関し、前記ピンの各々は、対応する複数のガイド要素に係合されると、前記サムスティックに与えられる力の大きさおよび/または方向に関係なく、前記対応する複数のガイド要素によって形成される1つ以上の経路をたどることを特徴とする請求項1に記載のユーザ入力装置。
【請求項6】
前記少なくとも1組の連動要素に関し、
前記複数のガイド要素の各々は、前記ハウジングの内面の他方および前記基部の所定の領域内に配置され、
前記所定の領域の位置および形状は、前記サムスティックの所定の位置範囲の少なくとも一部の位置および形状を定義することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のユーザ入力装置。
【請求項7】
前記少なくとも1組の連動要素に関し、前記複数のガイド要素の各々によって形成される1つ以上の経路は、1つ以上の予め定義されたパターンを含むことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のユーザ入力装置。
【請求項8】
前記予め定義されたパターンの1つは、前記サムスティックの所定の位置範囲内で前記サムスティックがたどるべき4方位を定義する十字を含むことを特徴とする請求項7に記載のユーザ入力装置。
【請求項9】
前記予め定義されたパターンの1つは、前記サムスティックの所定の位置範囲内で前記サムスティックがたどるべき8方位を定義するX字型十字を含むことを特徴とする請求項7または8に記載のユーザ入力装置。
【請求項10】
前記予め定義されたパターンは、前記サムスティックのビデオゲームに関連する動作に対応することを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載のユーザ入力装置。
【請求項11】
前記ピンおよび前記複数のガイド要素の少なくとも1つは、丸みを帯びた縁部または面取りされた先端部を備えることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のユーザ入力装置。
【請求項12】
前記ピンおよび前記複数のガイド要素の少なくとも1つは、丸みを帯びた縁部または面取りされた縁部を備えることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のユーザ入力装置。
【請求項13】
請求項1から11のいずれかに記載のユーザ入力装置を備えることを特徴とするハンドヘルドコントローラ。
【請求項14】
前記ユーザ入力装置は、当該ハンドヘルドコントローラに着脱可能に接続可能であることを特徴とする請求項13に記載のハンドヘルドコントローラ。
【請求項15】
請求項13または請求項14に記載のハンドヘルドコントローラと、エンターテインメントデバイスと、を備えたエンターテインメントシステムであって
前記ハンドヘルドコントローラは、前記ユーザ入力装置の中立位置に対する前記ユーザ入力装置のサムスティックの所定の位置に応答して、1つ以上の入力信号を前記エンターテインメントデバイスに送信することを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項16】
i.請求項1に記載のユーザ入力装置、
ii.請求項13に記載のハンドヘルドコントローラまたは
iii.請求項15に記載のエンターテインメントデイス
のいずれかと、
前記複数のガイド要素を備えた1つ以上の交換可能な環状ハウジング部品と、
を含むことを特徴するキット。
【請求項17】
ソフトウェアプログラムの物理的コピーと、
請求項1に記載のユーザ入力装置で使われる複数のガイド要素を備えた1つ以上の交換可能な環状ハウジング部品と、
を含むことを特徴するキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ入力装置、ハンドヘルドコントローラおよびエンターテインメントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビデオゲームの人気が高まっているが、一部の人々は、運動/認知の問題があるため、前記ビデオゲームにアクセスできないと感じることがある。所与のビデオゲームを進行させる(またはその中で特定の瞬間を体験する)ために必要とされるコントローラ入力の多くは、完全な運動技能を前提としているため、運動技能に問題がある人は、所与のビデオゲームをプレイするのが不可能ではないにしても、困難であると感じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
別法として、またはそれに加えて、運動技能に問題のないユーザは、そのような入力に関連する高精度のため、および/またはそのような入力が実行するには不快すぎるため、特定のコントローラ入力を実行することが依然として困難であると感じる可能性がある。
本発明は、この問題を軽減または緩和しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様では、請求項1に記載のユーザ入力装置が提供される。
【0005】
別の態様では、請求項13において、ハンドヘルドコントローラが提供される。
【0006】
別の態様では、請求項15において、エンターテインメントシステムが提供される。
【0007】
本発明のさらなるそれぞれの態様および特徴は、添付の特許請求の範囲において定義される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して例示的に説明する。
【
図1】
図1Aおよび
図1Bは、本明細書の実施の形態によるユーザ入力装置を概略的に示す。
【
図2】本明細書の実施の形態によるガイド手段の非限定的な例を概略的に示す図である。
【
図3】本明細書の実施の形態によるユーザ入力装置を概略的に示す図である。
【
図4】本明細書の実施の形態によるユーザ入力装置を概略的に示す図である。
【
図5】
図5Aおよび
図5Bは、本明細書の実施の形態による引き込み式ピンの非限定的な例を概略的に示す。
【
図6】本明細書の実施の形態によるユーザ入力装置を概略的に示す図である。
【
図7】本明細書の実施の形態によるガイド手段の非限定的な例を概略的に示す図である。
【
図8】本明細書の実施の形態によるハンドヘルドコントローラを概略的に示す図である。
【
図9】DualSense(登録商標)コントローラを概略的に示す図である。
【
図10】本明細書の実施の形態によるエンターテインメントシステムを概略的に示す図である。
【
図11】本明細書の実施の形態によるエンターテインメントデバイスを概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ユーザ入力装置、ハンドヘルドコントローラおよびエンターテインメントシステムを開示する。本発明の実施の形態の十分な理解のため、以下の説明では多数の具体的な詳細を示す。しかしこれらの具体的な詳細が本発明の実施に必須でないことは、当業者に明らかであろう。逆に当業者に既知の特定の詳細は、明瞭化のため適宜省略する。
【0010】
前述したようにユーザは、例えば運動技能に問題があること、特定のコントローラ入力に高度な精度が必要なこと、および/または特定のコントローラ入力が不快すぎて実行できないことなどにより、ビデオゲームのプレイにアクセスできないと感じることがある。
【0011】
非限定的な例として、ユーザが格闘ゲームをプレイしている場合がある。ゲーム内のキャラクタに特殊攻撃を実行させるために、ユーザは一連のコントローラ入力を実行しなければならない場合がある。こうした必要なコントローラ入力の1つに、サムスティックを「真東」方向に押すことがある。この真東方向のサムスティックの動きは、高い精度に関連付けられる場合がある。例えば、ユーザが真東方向から2度以内の範囲でサムスティックを動かさなければゲーム内のキャラクタが特殊攻撃できない場合がある。
【0012】
ユーザの運動技能に問題があるため、および/またはそのような親指の動きがユーザにとって不快/不自然であるため、ユーザがサムスティックを正確に真東方向に押すのが難しいと感じるかもしれない。従ってユーザは、代わりにサムスティックを「東南東」方向(すなわち、真東から30度南)に押すことがある。その結果、所望の特殊攻撃ができないことになる。
【0013】
このように当技術分野では、運動技能に問題があるユーザ、および/または、特定のコントローラ入力の実行が不快すぎると感じるユーザに対して、実行しやすいコントローラ入力を提供する必要がある。
【0014】
ユーザ入力装置
図1Aおよび
図1Bを参照する。ユーザ入力装置100は、サムスティック110と、ハウジング120と、サムスティック110の中立位置に対する相対位置がサムスティック110の所定の位置範囲に入ったときに、サムスティック110の動きが1つ以上の異なる方向をたどるようにサムスティック110をガイドするガイド手段と、を備える。ハウジング120は、サムスティック110の基部113に接触することのないように、当該ハウジング120の内面121の少なくとも一部と基部113の少なくとも一部との間にクリアランス130を形成するように基部113を部分的に囲む。ガイド手段の少なくとも一部は、クリアランス130の内部に配置されている。ガイド手段は1組以上の連動要素140を備える。連動要素140の各々は、ハウジング120の内面121の一方および基部113の上に配置されたピン114(または、代替的に123)と、ハウジングの内面121の他方および基部113の上に配置された複数のガイド要素122、(または、代替的に115)と、を備える。複数のガイド要素122、115は、ピン114、123が当該複数のガイド要素122、115に係合したときにピン114、123がたどる1つ以上の経路を形成するように配置される。1つ以上の経路は、1つ以上の別個の方向を定義する。
【0015】
あるいは、サムスティック110の中立位置に対する相対位置(すなわちサムスティック110がユーザによって操作/押されていないときのサムスティック110の位置、例えば
図1Aおよび
図1Bを参照)が所定の位置範囲内にあるとき、サムスティック110は1つ以上の特定方向(例えば、4つの方位など)を向いてもよい。サムスティック100の相対位置がこの所定の範囲内にもはやないときには、サムスティック100は任意の方向に動いてもよい。
【0016】
所定の位置範囲内に入ったときにサムスティック110がたどることのできる1つ以上の特定方向は、複数のガイド要素122、115で規定される。ガイド要素122、115は、当該ガイド要素122、115と係合したときにピン114、123が通り抜けなければならない(あるいは後述するように、乗り越えなければならない)障害物であってもよい。
【0017】
非限定的な例として、ガイド要素122、115およびピン114、123は、
図2に示されるのと同様の仕方で配置されてもよい。ガイド要素122、115のこの配置によって形成される経路は、サムスティック100の4つの方位(例えば、北、東、南、西)を規定する。従って、ピン114、123がガイド要素122、115と係合するとき、ピン114、123は4方向のうちの特定の1方向をたどるができる。さらにピン114、123がガイド要素122、115と係合していないときは、ピン114、123はどの方向にも自由に動くことができる。
【0018】
より一般的には、サムスティック110の位置が所定の位置範囲内に入ったとき、当該サムスティック110がたどる1つ以上の異なる方向は、ガイド要素122、115の間に形成される経路によって規定される。これらの経路は、ピン114、123がガイド要素122、115と係合したときにたどる経路である。
【0019】
図2に示される構成が、
図1Aまたは
図1Bに示される実施の形態(すなわち、サムスティック110がその中立位置にあるときにピン114、123がガイド要素122、115と係合するもの)に従う場合、所定の位置範囲は、サムスティック110の中立位置を中心とする円形領域として定義される。この円形領域の半径は、ガイド要素122、115の曲面によって定義される円形領域の半径に基づく。
【0020】
より一般的には、サムスティック位置の所定領域の形状は、ガイド要素122、115によって覆われる領域(好ましくは、その間に形成される経路によって覆われる領域を含む)の形状によって定義することができる。
【0021】
格闘ゲームの例に戻ると、ユーザが本実施の形態によるユーザ入力装置としてのビデオゲームコントローラを使った場合、ゲーム内のキャラクタに必殺技を実行させるために、サムスティックを真東方向に押す可能性が高くなることがある。
【0022】
このことは、前述の
図2の構成が
図1Aまたは
図1Bに示される実施の形態に従う場合、特に顕著である。この場合、ガイド要素122、115間に形成される経路によって定義される特定方向の1つは真東方向である。そしてサムスティック110が特定方向をたどることのできるサムスティックの所定の位置範囲は、中立位置を中心とする範囲である。こうした構成を取ると、ユーザは、サムスティック110をその中立位置から直ちに真東方向に押すことができるだろう。
【0023】
このように本明細書の実施の形態によれば、ガイド手段(すなわち、連動要素140)の相対位置(すなわち、中立位置に対する位置)がサムスティックの所定の位置範囲(これもガイド手段によって定義される)に入ったとき、サムスティック110がたどる1つ以上の方向が定義されるので、コントローラ入力はユーザにとってより利用しやすいものとなる。このときガイド手段は、運動技能の問題や不快感などに起因して他の方法では(不可能ではないにせよ)困難と感じがちなサムスティック操作に際して、ユーザを補助するものとなる。なぜならユーザは、ガイド要素122、115間の経路によって定義される方向の1つにサムスティック110を押している間、サムスティック110の動きの偏りを制限するためにガイド手段に頼ることができるからである(例えば、ゲーム内キャラクタの特殊攻撃の実行のためにサムスティック110が真東方向に押されているときに、南北方向の動きの偏りが制限される)。
【0024】
サムスティック
本明細書のある実施の形態は、サムスティック110を備える。
【0025】
図1Aおよび
図1Bに戻ると、サムスティック110は、基部113と、基部113上に配置された1つ以上のピン114および/または1つ以上の(複数の)ガイド要素115の組(各連動要素の組140に対して1つのピン114/組115)と、を備える。選択的には、サムスティック110は、キャップ111、シャフト112およびレバー116を備えてもよい。
【0026】
典型的にはキャップ111は、ユーザが親指の一方を載せるサムスティック110の一部である。典型的にはユーザは、サムスティック110を所望の方向に動かすために親指でキャップ111を押し/引っ張る。これによって、エンターテインメントデバイス(ビデオゲーム機、テレビ、サウンドシステム等)に入力信号が供給される。
【0027】
典型的にはシャフト112は、キャップ111に作用する力(その結果としてキャップ111に生じる運動)が基部113に伝達されるように、キャップ111を基部113に接続する。
【0028】
通常基部113は、ユーザ入力装置100内に備えられた1つ以上のポテンショメーター(図示せず)を(例えば、ユーザ入力装置の落下による)損傷や破片から保護する。しかし本明細書の実施の形態では、基部113は、1つ以上のピン114および/または1組(複数)のガイド要素115を配置できる面としても機能する。ピン114(単数または複数)/組115(単数または複数)は、基部113の少なくとも部分的に見える面上のどこに配置されてもよい。ハウジング120は、ユーザの親指がキャップ111を押した/引っ張られたことに応答してシャフト112が動けるように、基部113の一部だけを取り囲む。
【0029】
通常レバー116は、基部113をピボット(ピボット150など)に接続する。従ってユーザが親指でキャップ111を押す/引くと、サムスティック110は、キャップ111に加えられた押す/引く力の方向にピボット150を中心に回転する。通常1つ以上のポテンショメータ(図示せず)がレバー116に接続されている。ユーザがキャップ111を押したり引いたりすることによってレバー116が動くと、ポテンショメータはレバー116の動きを電圧に変換し、その電圧に基づいて1つ以上の入力信号が発生する。この入力信号は、エンターテインメントデバイスに送信され、そこで実行されるアプリケーション/ソフトウェア(ビデオゲーム、映画、音楽、ソーシャルメディアなど)を制御できる。
【0030】
サムスティック110は、このような既知のサムスティックに似ているように見えるかもしれない。しかし既知のサムスティックと違い、サムスティック110は、その基部113上に配置された1つ以上のピン114および/または1組のガイド要素115(複数)を備える。
【0031】
サムスティック110の製造では、サムスティック110と既知のサムスティックとの間の類似点を利用できる。例えばサムスティック110は、まず既知のサムスティックを入手し、その後、それに1つ以上のピン114および/または1組以上のガイド要素115を取り付けることによって製造してもよい。取り付けるステップは、接着剤、溶接等を使うステップを含んでもよい。代替的にまたは追加的に、ピン114および/または一組のガイド要素115は、各々、雄型コネクタ(例えば、ほぞ等)を備えてもよい。取り付けるステップは、ピン114および/または1組のガイド要素115の雄型コネクタが挿入され得る1つ以上の雌型コネクタ(例えば、ほぞ)を与えるために、既知のサムスティックの基部に1つ以上の穴を開けるステップを含んでもよい。
【0032】
あるいは、既知のサムスティックの製造に使われる工具を、本明細書の実施の形態に係るサムスティック(サムスティック110など)を製造できるように変更してもよい。例えば既知のサムスティックは、通常プラスチックで作られ、典型的にはある種の成形(射出成形、圧縮成形、押出成形、熱成形等)を用いて形成される。既知のサムスティックの製造に使われる金型を、得られるサムスティックがピン114および/または1組のガイド要素115を有するように変更してもよい。これは、例えば非限定的な例として、サムスティックの基部の表面に対応する金型表面に1つ以上の盲孔を開けることによって実現してもよい。この場合、溶けたプラスチックが改良された金型で定義された負の空間を満たすと、当該溶けたプラスチックの一部が盲孔を満たし、ピン114および/または1組のガイド要素115を形成する。このような改良された金型により、ピン114および/または1組のガイド要素115を備えたサムスティック110の製造が可能となる。この場合、ピン114および/または1組のガイド要素115がユーザ入力装置100の使用中に折れる可能性が低くなるので有利である。通常、接合部(接着結合、溶接、ほぞおよびほぞ継手等)は構造物の弱点源となり得る。
【0033】
いずれにしても、基部113に配置されたピン114および/またはガイド要素115の組は、ハウジング120の内面121に配置されたガイド要素122および/またはピン123の対応する組と係合するのに適する。この係合により、サムスティック110の相対位置がサムスティックの所定の位置範囲内にあるとき、サムスティック110は1つ以上の特定方向をたどるができる。従って、特定のサムスティック入力(例えば、サムスティック110を真東方向に押すこと)が不可能ではないにしても難しいと感じるユーザを支援することができる。
【0034】
ハウジング
本明細書の実施の形態は、ハウジング120の内面121の少なくとも一部と基部113の少なくとも一部との間にクリアランス130を形成するように、基部113に接触することなくサムスティック110の基部113を部分的に囲むハウジング120を備える。
【0035】
図1Aおよび
図1Bに戻ると、ハウジング120は、内面121と、内面121上に配置された1組以上の(複数の)ガイド要素122および/または1組以上のピン123(連動要素の各組140に対して1組122/ピン123)と、を備える。ハウジング120は、ピボットハウジング124を含んでもよい。ピボット150は、レバー116と連結されてもよい。ピボットハウジング124は、ピボット150をハウジング120と連結してもよい。
【0036】
ピン114(単数または複数)/組115(単数または複数)は、基部113の少なくとも部分的に見える面(ハウジング120は基部113の一部だけしか取り囲んでいないことに注意)のどこに配置されてもよいのに対し、組122(単数または複数)/ピン123(単数または複数)は、内面121と基部113(基部113の少なくとも部分的に見える表面)との間に形成されたクリアランス130内の内面121に配置される。
【0037】
クリアランス130(
図1Aおよび1Bでは破線で区画されている)は、基部113の少なくとも部分的に見える表面上のハウジング120の部分的な囲みによって形成される空間の領域である。この空間の領域は、トロイダル/環状形状であってもよい。従ってクリアランス130は、
図1Aおよび
図1Bでは右側のみに区画されて示されているとしても、左側にも及ぶ。従って、連動要素の組140はクリアランス130内に配置される。
【0038】
図ではピン114およびガイド要素122の組(同様に、ピン123および組115)は、両方ともクリアランス130内に位置する(すなわち、サムスティック110が中立位置にある)ように示されている。しかし内面121上に配置されるピンおよび/またはガイド要素の組(例えば、組122およびピン123)は、常時クリアランス内に配置されていさえすればよい。サムスティック110が
図1A(または
図1B)の右手側に向かって押された場合、ピン114(または組115)はもはやクリアランス内に位置しない場合もあるのに対し、組122(またはピン123)は必ずクリアランス内に留まる(サムスティック110が移動する間も、ハウジング120は静止しているため)。
【0039】
同様に、ピン114(または組115)は、サムスティック110が中立位置にあるときでさえ、クリアランス内に位置しないことがある。非限定的な例として
図3に示されるように、サムスティック110が中立位置にあるとき、ピン114はユーザに見えるように基部113上に位置してもよい。
図3に示される構成(
図1Aおよび
図1Bに示される配置も同様である)は、中心がサムスティック110の中立位置と一致しないような所定の位置範囲(サムスティック110は、このような位置範囲内で1つ以上の特定方向をたどる)をもたらす可能性がある。例えばこの所定の位置範囲の中心は、中立位置の真西にあってもよい。この場合、ピン114が組122と係合/連動する(このときサムスティック110は、ガイド要素122の間に形成された経路をたどり、1つ以上の経路で定義される1つ以上の特定方向をたどる)のは、サムスティック110が最初に西方向に移動したときのみである。サムスティックの所定の範囲の位置および形状については、後でさらに詳細に説明する。
【0040】
ハウジング120は、既知のサムスティックハウジングに似ているように見えるかもしれない。しかし既知のサムスティックハウジングとは違い、ハウジング120は、その内面121上に配置された1組(複数)のガイド要素122および/または1組(複数)のピン123を備える。
【0041】
サムスティック110と同様に、ハウジング120の製造には、ハウジング120と既知のサムスティックハウジングとの類似点を使ってもよい。サムスティック110の製造に関するこれまでの議論は、ハウジング120にも準用できる。すなわち、1組以上のガイド要素122および/または1組以上のピン123は、接着剤、溶接、ほぞおよびほぞ継手等を用いて、既知のサムスティックハウジングに取り付けることができる。あるいは既知のサムスティックハウジングの製造に使う金型を、ガイド要素122および/またはピン123の組を有するハウジングが製造できるように変更してもよい。
【0042】
いずれにしても、ハウジング120の内面121上に配置された1組のガイド要素122および/またはピン123は、基部113上に配置された対応するピン114および/または1組のガイド要素115と係合するのに適する。この係合により、サムスティック110の相対位置が所定の位置範囲内にあるときに、サムスティック110が1つ以上の異なる方向に動くことが可能となる。従って、特定のサムスティック入力(例えば、サムスティック110を真東方向に押すこと)が不可能ではないにしても難しいと感じるユーザを支援することができる。
【0043】
ガイド手段
本明細書の実施の形態は、サムスティック110の中立位置に対する相対位置が所定の位置範囲内に入ったときに、サムスティック110の動作が1つ以上の特定方向をたどるようにするためのガイド手段を備える。ガイド手段の少なくとも一部はクリアランス130内に配置され、ガイド手段は1組以上の連動要素の組140を備える。
【0044】
さらに本明細書の実施の形態では、各連動要素の組140は、ハウジング120および基部113の内面121の一方に配置されたピン114、123と、ハウジング120および基部113の内面121の他方に配置された複数(組)のガイド要素122、115と、を備える。複数のガイド要素122、115は、ピン114、123が複数のガイド要素122、115と係合したときにピンがたどる1つ以上の経路を形成するように配置される。このような1つ以上の経路は、1つ以上の特定方向を規定する。
【0045】
クリアランス130内に配置されるガイド手段の少なくとも一部は、ハウジング120の内面121上に配置された1つ以上のガイド要素122の組および/または1つ以上のピン123であってもよい。前述したように、基部113上に配置されたピン114および/または組115は、サムスティック110の移動により、および/またはピン114および/または組115が基部113上に配置される位置により、常にクリアランス内にあるとは限らない(例えば、
図3を参照)。
【0046】
ピン114(単数または複数)および/または組115(単数または複数)が基部113に連結されていることを考えると、組122(単数または複数)および/またはピン123(単数または複数)と係合したときのピン114(単数または複数)および/または組115(単数または複数)の動きは、サムスティック110の動きに影響を及ぼす。
図1Aの構成(これは全く非限定的である)に戻ると、ピン114は、それと係合したときに複数のガイド要素122の間に形成された1つ以上の経路をたどる。ピン114は基部113に接続されているので、形成された経路の1つに沿ったピン114の動きは、ピン114の動きと同じ方向(すなわち、形成された経路の1つに沿ったピン114の移動方向)にサムスティック110を動かす。
【0047】
補足として、サムスティック110が1つ以上の特定方向をたどるときのサムスティックの所定の位置範囲の位置および形状および/または大きさ(すなわち、幾何学的形状)は、複数のガイド要素122、115の位置および幾何学的形状によって規定される。非限定的な例として、
図2に示される構成が、
図1Aに示される実施の形態(この場合、ピン114は、サムスティック110がその中立位置にあるときにガイド要素122と係合する)に従う場合、所定の位置範囲は、サムスティック110の中立位置を中心とする円形領域として定義される。この円形領域の半径は、ガイド要素122の曲面によって定義される円形領域の半径に基づく。
【0048】
要するに、複数のガイド要素122の間に形成される1つ以上の経路は、ピン114がガイド要素122と係合しているとき(すなわち、サムスティック110が所定の位置範囲内にあるとき)サムスティック110がたどる1つ以上の特定方向を規定する。これは、ピン114が基部113に連結されており、ピン114の動き(これは、ガイド要素122と係合したときに、ガイド要素122の間に形成された1つ以上の経路をたどる)がサムスティック110の動きに影響を及ぼすからである。
【0049】
ここまでの議論では、1組の連動要素140のみからなる実施の形態に焦点を当ててきた。しかし本明細書の実施の形態は、このような連動要素140の組を2組、3組、4組などといったように複数備えることもできる。
【0050】
非限定的な例として、2つ以上の同様な連動要素の組140が実装されてもよい。このとき、各連動要素の組140の一部(すなわち、そのガイド要素122/ピン123)は、クリアランス130内の内面121に沿って異なる位置に配置されてもよい。
【0051】
この文脈における「同様な」という用語は、サムスティックの所定の位置範囲に関し、連動要素の組140のそれぞれのピンとガイド要素とが係合し、各ガイド要素によって形成される経路の1つに沿った各ピンの動きが、他のピンの動きによって妨げられないことを意味する。
【0052】
すなわち、全てのピンがそれぞれのガイド要素に係合しているとき、サムスティック110は、2つ以上のレールに沿って移動していると考えることができる。このとき各レールは、ガイド要素の組の各々によって形成される経路の1つである。鉄道のレールのように、経路は、ピンが一緒に/同時に動くとき、各ピンが同じ方向をたどることができるように、同じ方向を向くべきである。すなわち連動要素の組140の各々は、そのそれぞれのガイド要素間に、他の連動要素の組140のガイド要素間に形成された1つ以上の経路と同様に方向付け/向き付けされた1つ以上の経路を形成すべきである。
【0053】
前述したサムスティックの所定の位置範囲は、所定のサムスティックの位置範囲であってもよいし、そのサブセットであってもよい。前者の場合、各連動要素の組140のガイド要素の大きさ、形状および構成は等しい。その非限定的な例として、
図2に示される構成を各連動要素の組140を複製してもよい。後者の場合、ある連動要素の組140のガイド要素間に形成される1つ以上の経路は、他の連動要素の組140の1つ以上の経路と方向/向きが類似してもよいが、ガイド要素のサイズ/形状は他の連動要素の組140のものと異なる。例えば、
図2の構成では、各連動要素の組140を複製してもよいが、連動要素の組140の1つ関しては、ガイド要素のサイズを小さくする。
【0054】
使用中にピン/ガイド要素が破損するのを防ぐのに、2つ以上の同様の連動要素104の組を使うと有利な場合がある。このとき、サムスティックに作用する力は、2つ以上のピンおよび/または2つ以上のガイド要素の組(単一のピンまたはガイド要素の組の場合とは対照的である)を介して伝わる。その結果、使用中に生じるピンとガイド要素との間の接触表面積(すなわち、接触面積)が増大するため、各ピン/ガイド要素に伝わる機械的応力の大きさが低減される。
【0055】
このような応力低減は、サムスティックの所定の位置範囲全体にわたってしなければならない場合もあれば、所定の位置範囲のサブセット(例えば、経路間の接合部からなるサブセット)でのみすればよい場合もある。いずれにしても、前述のサムスティックの所定の位置範囲は、2つ以上のピンの各々がそれぞれのガイド要素の組のそれぞれに同時に接触することで、前述の応力低減効果が発揮されるサムスティックの位置範囲である。
【0056】
従ってより一般的には、本実施の形態では、連動要素の組140の各々に関し、ガイド要素122、115は、別のハウジング120の内面122および基部113の所定領域内に配置される。それぞれの所定範囲の位置および形状は、サムスティックの所定の位置範囲の少なくとも一部の位置および形状を規定する。好ましくは、それぞれの所定範囲は、それぞれのガイド要素122、115の間に形成される経路を含む。
【0057】
代替的にまたは追加的に、2つ以上の異なる連動要素の組140が実装されてもよい。この場合、各連動の組140の一部(すなわち、そのガイド要素122/ピン123)は、クリアランス130内の内面121に沿った異なる位置に配置されてもよい。
【0058】
この文脈における「異なる」という用語は、ある連動要素の組140が、別の連動要素の組のサムスティックの所定の位置範囲とは別個のサムスティックの所定の位置範囲を定義することを意味する。「別個の」という用語は、所定の位置範囲が互いに重ならず、ある所定の位置範囲が別の所定の位置範囲のサブセットではないことを意味する
【0059】
次に
図4を参照する。ここでは、2つの異なる連動要素(すなわち連動要素の組140-1および140-2)の組140が実装されている。連動要素の組140-1に関し、サムスティック110が中立位置にあるとき、ピン123はガイド要素115と係合する。連動要素の組140-2に関し、サムスティック110が中立位置にあるとき、ピン114はガイド要素に係合されないが、サムスティック110がページの右手側(例えば、真東方向)に向かって押されたときは係合される。
【0060】
このようにサムスティックの第1の所定の位置範囲(サムスティック110が1つ以上の別個の方向をたどる範囲)は、中立位置を中心としている。このとき第1の連動要素の組140-1は、そのガイド要素115の配置によってこの第1の所定範囲を定義する。さらにサムスティックの第2の所定の位置範囲は、中立位置の真東にあるサムスティック位置を中心とする。このとき第2の連動要素の組140-2は、そのガイド要素122の配置によってこの第2の所定範囲を定義する。
【0061】
ピン114のガイド要素122からの距離は、ピン123がガイド要素115から外れているときにのみピン114が要素12と係合できるような距離である。このように、サムスティックの第1および第2の所定の位置範囲は別個である。すなわち所定の距離範囲間に重複はなく、一方の所定の距離範囲が他方の所定範囲のサブセットでもない。さらに別個の連動要素の組140は、そのそれぞれのピンがたどるべき1つ以上の類似のサムスティック方向を定義してもよい。あるいは各別個の連動要素の組140は、他の別個の連動要素の組140によって定義されるサムスティック方向とは異なる1つ以上のサムスティック方向を定義してもよい。
【0062】
これは、前述の類似の連動要素の組140とは対照的である。類似の連動要素の組140は、それぞれのピンがたどるべき1つ以上の類似のサムスティック方向を定義するだけであり(鉄道との類似に注意)る。この場合、サムスティック運動の同じ所定の範囲が定義されるか、または1つの所定の範囲が他の所定の範囲のサブセットになっている(最終的に、最大の所定の範囲がサムスティック110の事実上の所定の範囲となる)。
【0063】
従ってより一般的には、本実施の形態のガイド手段は、その中立位置に対するサムスティックの位置が、サムスティックの複数の別個の所定の位置範囲の1つに入ったとき、サムスティック110の運動が1つ以上の別個の方向をたどるようにガイドしてもよい。このときガイド手段は、2つ以上の連動要素の組140-1、140-2を含む。連動要素の組140-1、140-2は以下の通りである。各連動要素の組140-1、140-2に関し、複数のガイド要素122、115の各々は、ハウジング120の内面121および基部113の別の所定の領域内に配置される。各所定の領域の位置および形状は、サムスティックの複数の別個の所定の位置範囲の1つの位置および形状を定義する。好ましくは、各所定の領域は、各複数のガイド要素122、115の間に形成される経路を含む。
【0064】
1つ以上の別個の所定範囲を有することは、運動技能に問題のあるユーザおよび/または特定のコントローラ入力を不快すぎると感じるユーザに対し、より多くの支援ができるという点で有利であり得る。
図4に示される構成を参照する。第1の連動要素の組140-1は、サムスティックが中立位置にあるとき、ユーザがサムスティックを4方位の1つ(例えば真東方向)に押す/引くのを支援できる。第2の連動要素の組140-2は、サムスティックが中立位置の真東の位置にあるとき、ユーザがサムスティックを8方位の1つ(例えば南西方向)に押す/引くのを支援できる。
【0065】
これら2つのサムスティック方向は、その状態に影響を与える/変更するために、アプリケーション/ソフトウェアによって要求されてもよい。例えばある格闘ビデオゲームでは、ゲーム内のキャラクタに特殊な攻撃をさせるために、サムスティックが中立位置の真東にある第1の位置に到達した後、中立位置の真南にある第2の位置に到達する必要があるとする。この場合、サムスティックの急速な連続動作が必要な場合がある。ユーザによっては、運動技能の問題および/または不快感のために、このようなサムスティックの迅速な連続動作を正確に行うのが、不可能ではないにせよ、難しい場合がある。前述の2つの別個の連動要素の組140-1、140-2は、第1の組140-1により最初の真東方向への正確な動作が可能となり、第2の組140-2によりその後の中立位置の真南に向けた南西方向への動作が可能となる。これによりユーザは、こうしたサムスティックの連続動作を迅速に実行できる。
【0066】
このような迅速な動きを容易にするため、東方向に動いているピン114が南西方向に動かされる前にガイド要素122とうまく係合できるように、第2の組140-2で定義される経路の1つは東西方向に配向されてもよい。
【0067】
この点に関し、より一般的には、ある連動要素の組140が、いわば「中心から外れた(すなわち、所定の領域が中立位置の中心にない)」サムスティックの所定の位置範囲を定義するとき、ピンが最初の試行で対応するガイド要素とうまく係合できれば有利である。
【0068】
これを実現する方法の1つは、「オフセンターの(中心から外れた)」連動要素の組140の経路の1つが、ピンの最も可能性の高い移動方向と同じ方向に向くようにすることである。サムスティックの所定の位置範囲が中立位置の真東を中心とする連動要素の組140の場合、前述のように、そのピン(東の方向に移動する)がガイド要素とうまく係合するように、経路を東西方向に向くように定義すればよい。
【0069】
代替的にまたは追加的に、オフセンターの連動要素の組140で定義された1つ以上の経路は、その口で最も広くなるようにテーパーが付けられていてもよい。経路の「口」とは、それまでガイド要素と係合していたピンが当該ガイド要素から外れる(すなわち、もはやガイド要素によって定義された所定の領域内に入らない)経路の限界であり、換言すれば、それまでガイド要素と係合解除されていたピンが当該ガイド要素と係合する(すなわち、ガイド要素によって画定された所定の領域内に入る)経路の限界でもある。
【0070】
代替的にまたは追加的に、連動要素の組140の少なくとも1つに関し、そのピン114、123および複数のガイド要素122、115の少なくとも1つは、1つ以上の丸みを帯びた縁部または面取りされた縁部を含む。ガイド要素の縁のこのような丸み/面取りは、経路の口を広げるので、最初の試行でピンとガイド要素とが係合できる可能性を高めるのに寄与する。同様に、ピンの縁の丸み/面取りは、ピンの進行方向に面するピンの側面の幅を減少させるので、最初の試行でピンとガイド要素とが係合できる可能性を高めるのに寄与する。
【0071】
ここで、一旦互いに係合されたピンとガイド要素の組との間の相互作用を考える。ユーザが、所定のピン114、123が複数のガイド要素122、115の少なくとも1つの先端部の上を移動できるのに十分な力で、サムスティック110を経路と一致しない方向に押し/引っ張ったとする。このとき、ピン114、123は、各ガイド要素122、115によって定義される1つ以上の経路をたどらないことがある。
【0072】
すなわち、選択的に、少なくとも1組の連動要素の組140に関し、各ピン114、123が各複数のガイド要素122、115と係合したとき、サムスティック110に与えられる力の大きさが所定の閾値以上であり、かつサムスティック110に与えられる力の方向が1つ以上の経路によって定義される1つ以上の別個の方向と一致しない場合には、ピン114、123は、各ガイド要素122、115によって形成される1つ以上の経路をたどらない。
【0073】
この場合、ユーザは、本実施の形態で与えられる支援をいつ使うかを選択できるので、所定のピンがそれぞれのガイド要素を乗り越えられるようにする(すなわち、それぞれのガイド要素によって形成される経路をたどらないようにする)ことは有利となり得る。
【0074】
格闘ゲームの例に注目する。ゲームセッション中の第1の時点で、ユーザは、ゲーム内のキャラクタに特殊攻撃をさせるために、サムスティックの東に向けた動きを正確に実現できるように、本実施の形態で与えられるサムスティック動き支援を使うことを選択できる。しかしながら、ゲームセッション中の第2の(後の)時点では、ユーザは、敵キャラクタから自分のゲーム内キャラクタに与えられる打撃を防ぎたい場合がある。このとき、ピン114、123がガイド要素122、115と係合している間、サムスティック110をガイド要素122、115が形成する経路と一致しない方向に押したい/引きたい場合がある。この場合ユーザは、閾値以上の大きさの力でサムスティック110を上記の方向に押す/引くことにより、ピン114、123の動きの邪魔になるあらゆるガイド要素(すなわち、ピン114、123がサムスティック110の方向と同じ方向に移動しようとするとき、ピン114、123を邪魔するガイド要素)を乗り越えて(克服して)ピン114、123を動かすことができる。
【0075】
好ましくは、ピン114、123が障害となるガイド要素122、115を乗り越える間に、ピン114、123および/またはガイド要素122、115が塑性変形(すなわち、永久変形)を起こす可能性を防止/低減するために、前述の閾値の力の大きさは、ピン114、123に使われる材料およびガイド要素122、115に使われる材料(こうした材料は互いに異なっていてもよく、異なっていなくてもよい)の降伏強度よりも小さくてもよい。こうした塑性変形が生じた場合、ピン114、123は、ユーザ入力装置100のその後に使うとき、ガイド要素122、115とうまく係合/係合解除できなくなる可能性がある。すると、その後の使用時のサムスティック動作支援ができなくなる。
【0076】
いずれにしても、力の閾値の量(大きさ)は、ピン114、123の先端が、障害となるガイド要素122、115の先端を越えて(乗り越えて)動き始めるような量(大きさ)である。
【0077】
サムスティック110に与えられる力の大きさの閾値が、ピン114、123の障害物ガイド要素122、115の乗り越え開始を引き起こすものとする方法の1つは、ピン114、123および/または障害物ガイド要素122、115が、その間に生じる接触力の閾値の大きさに応答して弾性的に変形/移動することであってもよい。この接触力は、ピン114および/または障害物ガイド要素115がサムスティック110に機械的に接続されているため、サムスティック110に与えられる力によって生じる。
【0078】
弾性変形/移動により、ピン114、123の側壁と障害物ガイド要素122、115の側壁との間の接触面積が減少する。これにより、ピン114、123が障害物ガイド要素122、115の上を移動できるようになる場合がある。
【0079】
少なくとも1組の連動要素の組140に関し、サムスティック110に与えられた力が閾値以上の力であり、かつサムスティック110に与えられた力の方向が1つ以上の経路によって定義される1つ以上の別個の方向と一致しないとき、各ピン114、123が各複数のガイド要素122、115の少なくとも1つの先端部分を越えて移動できるように、各ピン114、123および各複数のガイド要素122、115の少なくとも1つは、可動であるか、または弾性的に変形可能である。
【0080】
図5Aおよび
図5Bに示されるように、可動性に関し、ピン114、123(単数または複数)および/またはガイド要素122、115(一組)は、伸縮/引き込み可能な構造を構成してもよい。
図5Aに示されるように、ピン114、123は、中空のシャフト114S、123S内に配置された先細りの先端部114T、123Tを備えてもよい。シャフト114S、123Sは、弾性部材114E、123E(バネ、ゴム片、発泡体などであってもよい)を収容してもよい。ピン114、123と障害物ガイド要素122、115との間に閾値の接触力が生じると、
図5Bに示されるように、先端部114T、123Tのテーパー形状により、先端が中空シャフト内に移動することがある。先端部114T、123Tのこの後退により、ピン114、123と障害物ガイド要素122、115との間の接触面積が減少する。その結果、先端部114T、123Tが障害物ガイド要素122、115の上を移動できる。弾性部材114E、123Eにより、先端部114T、123Tが障害物ガイド要素122、115の上を移動した後、先端部114T、123Tは元の高さに戻ることができる。
【0081】
変形可能性に関し、ピン114、123(単数または複数)および/またはガイド要素122、115(一組)は、その間に生じる接触力の閾値の大きさに応答して、曲げおよび/または剪断を実現してもよい。この場合、曲げおよび/または剪断がその間の接触面積の量を減少させるので、ピン114、123は、障害物ガイド要素122、115の上を移動できる。
【0082】
接触力の閾値の大きさ(ひいては、サムスティック110に与えられる力の閾値の大きさ)は、ピン114、123および/またはガイド要素122、115(一組)の材料/機械的/幾何学的特性から導出されてもよい。非限定的な例として、接触力の閾値は、弾性率(すなわち、ヤング率および/またはせん断弾性率)、領域の断面積/2次モーメント、およびピン114、123(単数または複数)(またはその一部、すなわち弾性部材114E、123Eなど)および/またはガイド要素122、115(一組)の長さから導出されてもよい。なぜならこれらの特性は、通常、ピン114、123(単数または複数)またはその一部および/またはガイド要素122、115(一組)またはその一部の剛性(すなわち、与えられた力に応答する曲げおよび/または剪断に対する抵抗)を定義するからである。
【0083】
接触力の閾値(ひいては、サムスティック110に与えられる力の閾値)は、ピン114、123(単数または複数)および/またはガイド要素122、115(一組)の他の特性から導出されてもよい。例えば接触力の閾値は、ピン114、123(単数または複数)および/またはガイド要素122、115(一組)の間、および/またはピン114、123またはガイド要素122、115の一部の間の摩擦係数から導出されてもよい(例えば、伸縮可能/引き込み可能な構造が採用される場合)。
【0084】
代替的に、または可動/変形可能なピンおよび/またはガイド要素に加えて、基部113は、ピン114、123と障害物ガイド要素122、115との間の接触面積を減少させ、それによってピン114、123が障害物ガイド要素122、115を乗り越えて移動できるように、レバー116に沿ってピボット150に向かって移動してもよい。この場合、基部113が元の高さ(すなわち、ピボット150からの距離)に戻れるように、例えば弾性部材(例えば、ばねなど)が基部113とピボット150との間に配置されてもよい。
【0085】
選択的に、本実施の形態は、ピボット150と、ピボット150に対するサムスティック110の基部113の高さを所定の高さに向けてバイアスするためのバイアス手段と、を備えてもよい。この場合、サムスティック110は、ピボット150を介してハウジング120に接続される。バイアス手段により、各ピン114、123の先端の少なくとも一部は、各複数のガイド要素122の少なくとも1つのガイド要素122の先端の少なくとも一部を越えて移動できる。サムスティック110に与えられる力がサムスティック110に与えられる閾値以上の力であり、かつサムスティック110に与えられる力の方向が1つ以上の経路によって画定される1つ以上の別個の方向と一致しないとき、サムスティック110の基部113の高さが所定の高さから変化することによって、サムスティック110の基部113の高さが変化する。
【0086】
「サムスティック110は、ピボット150を介してハウジング120に接続される」という表現は、ピボット150とサムスティック110との間に1つ以上の他の構成要素が接続されていてもいなくてもよく、および/またはピボット150とハウジング120との間に1つ以上の他の構成要素が接続されていてもいなくてもよいことを意味する。例えば、前述したように、ハウジング120は、ピボット150をハウジング120に接続するピボットハウジング124を備えてもよい。サムスティック110は、サムスティック110をピボット150に接続するレバー116を備えてもよい。
【0087】
バイアス手段の非限定的な例として、
図6に示されるように、基部113とレバー116との間に弾性部材(例えば、ばねなど)が取り付けられてもよい。
図6に示されるように、レバー116は、弾性部材160の一端を貼付/固着できるように取付部分116Mを含んでよい。弾性部材160の他端は、基部113の下面(すなわち、ピボット150に面する基部113の表面)に貼付/固着できる。シャフト112は、ピボット150に対する基部113の高さが変化したときレバー116がシャフト122内を移動できるように、中空であってもよい。弾性部材160は、弾性部材160がレバー116と共通の軸を共有して取り付けられる必要はない。すなわち弾性部材160は、レバー116に隣接して取り付けられ、一端が取り付け部分116Mおよび基部113の下面に貼付/固着されていてもよい。
【0088】
可動ピン/ガイド要素に関する議論(すなわち、
図5Aおよび
図5Bに関する議論)は、バイアス手段にも準用することができる。なぜなら、伸縮/引込み可能ピン/ガイド要素の場合と同様に、ピン114、123と障害物ガイド要素122、115との間の閾値以上の接触力に応答して基部113の高さが変化することにより、ピン114、123と障害物ガイド要素122、115との間の接触面積が減少し、その結果、先端部114T、123Tが障害物ガイド要素122、115の上を移動できるからである。伸縮可能/引き込み可能なピン/ガイド要素と同様に、
図6に示される配置は、ピン114または障害物ガイド要素115の高さ(従って基部113の高さ)が閾値以上の接触力に応答して変化できるように、テーパー付きピン(単数または複数)114、123および/またはガイド要素122、115(一組)を備えてもよい。
【0089】
ピン114、123と障害物ガイド要素122、115との間に閾値以上の接触力が生じると、
図5Bに示されるように、その先端部114T、123Tのテーパー形状により、先端が中空シャフト内に移動できる場合がある。先端部114T、123Tのこの後退により、ピン114、123と障害物ガイド要素122、115との間の接触面積が減少する。その結果先端部114T、123Tは、障害物ガイド要素122、115の上を移動できる。
【0090】
代替的に、または追加的に、所定のピン114、123は、それぞれのガイド要素122、115で定義される1つ以上の経路をたどるように拘束されてもよい。
【0091】
すなわち、少なくとも1組の連動要素の組140に関し、各ピン114、123は、各複数のガイド要素122、115と係合したときに、サムスティックに与えられる力の大きさおよび/または方向にかかわらず、各複数のガイド要素122、115で形成される1つ以上の経路をたどるように拘束されてもよい。
【0092】
これにより、サムスティックの特定の位置範囲内で、ユーザに対する継続的な支援を提供できる。従って、所定のピンがそれぞれのガイド要素によって形成される経路をたどるように拘束することは有利となり得る。
【0093】
格闘ゲームの例に戻る。ユーザのゲーム内キャラクタが実行可能な動作の大部分は、ユーザの与える関連入力が4つの方位のいずれかに向けたサムスティック動作に限られる場合がある。さらにユーザは、運動技能の問題/不快感により、サムスティック110を中立位置から4つの方位のいずれかに押す/引くときに、継続的な支援を必要とするかもしれない。従ってサムスティック110が(
図1Aまたは
図1Bの連動要素の組140によって定義されるような)中立位置を中心とする所定範囲内にあるとき、ピン114、123をガイド要素122、115(
図2に示されるガイド要素122、115)で形成される4方位のいずれかの経路をたどるように拘束することによって、ユーザは、格闘ゲームが要求する4方位方向へのサムスティック動作のための継続的な支援を受けることができる。
【0094】
このような連動要素の組140によって課される制約は、ピン114、123と障害物ガイド要素122、115との間の接触面積が大きすぎて、ピン114、123および/または障害物ガイド要素122、115がその間の接触力に応答して曲がる/動くにもかかわらず、ピン114、123が障害物ガイド要素122、115を乗り越えて動くことができないことに起因する場合もある。
【0095】
代替的に、または追加的に、ピン114、123および/または障害物ガイド要素122、115の材料的/機械的/幾何学的特性は、その間の接触力に応じたピン114、123および/または障害物ガイド要素122、115の曲げ/移動の程度が、その間の接触面積の十分な減少を生じさせるには小さすぎるようなものであり、その結果ピン114、123が障害物ガイド要素122、115の上を動けるようにするものであってもよい。
【0096】
複数の別個の連動要素の組140が本実施の形態内で実装できることを考えると、複数の別個の連動要素の組140のうちの1つ以上は、変形可能/可動ピン114、123(単数または複数)および/またはガイド要素122、115(一組)を含んでもい。複数の別個の連動要素の組140のうちの1つ以上は、拘束ピン114、123(単数または複数)および/またはガイド要素122、115(一組)を含んでもよい。
図4に戻ると、非限定的な例として、連動要素の組140-1は、拘束連動要素の組140であってもよい。一方、連動要素の組140-2は、変形可能/移動可能連動要素の組140であってもよい。格闘ゲームの例に戻ると、ユーザは、格闘ゲームが要求する4方位のサムスティック動作のための継続的な動作支援を受ける場合がある。一方ユーザは、ゲーム内キャラクタの特殊攻撃のために、サムスティック動作を素早く連続して実行する場合(例えば、前述したように、真東のサムスティック位置にした後、素早く真南のサムスティック位置にする動作)、連動要素の組140-2によって提供される動作支援を選択する場合がある。
【0097】
選択的に、少なくとも1つの連動要素の組140(拘束連動要素の組であるか、変形可能/可動な連動要素の組であるかにかかわらず)に関し、ピン114、123および複数のガイド要素122、115の少なくとも1つは、丸みを帯びたまたは面取りされた先端部を有してもよい。
【0098】
変形可能/可動な連動要素の組に関し、この丸み/面取りは、障害物ガイド要素122、115上のでのピン114、123の移動を可能にする前述のテーパーピン/ガイド要素と同様に考えることができる。このように、ピン/ガイド要素の先細り先端部に関する議論は、丸め/面取りされた先端部にも準用できる。拘束連動要素の組に関し、この丸め/面取りは、そのように丸め/面取りされたピン114、123および/または丸め/面取りされたガイド要素122、115を形成するために使われる材料を低減できる可能性がある。従って、そのような連動要素の組を資源効率的に製造できる可能性がある。
【0099】
選択的に、所定の連動要素140の組に関し、各複数のガイド要素122、115によって形成される1つ以上の経路は、1つ以上の予め定義されたパターンを構成してもよい。
【0100】
予め定義されたパターンの非限定的な例として、そのようなパターンは、サムスティック110が所定の位置範囲内でたどるべき4方位方向を定義する十字から構成されてもよい。このような十字型の経路の非限定的な例は、
図2に見ることができる。
【0101】
本明細書の文脈における「4方位」という用語は、サムスティック110が移動できる4つの直交方向のうちの1つを意味する。これらの4つの直交方向は、典型的には、(真)北、(真)東、(真)南、および(真)西である。従来のゲームコントローラのサムスティックでは、北向きとは、典型的には、当該コントローラの肩ボタンを収容する側部に垂直に、かつその側部に向かって配向されるサムスティックの向きを意味する。
【0102】
従って、本実施の形態では、ユーザ入力装置100が従来のゲームコントローラに内蔵される場合、当該コントローラの肩ボタンを収容する側部に対して垂直で、その側部を向くサムスティックの向きは、サムスティック110に対して真北となる。
【0103】
代替的または追加的に、予め定義されたパターンは、サムスティックの所定の位置範囲内でサムスティックがたどるべき8方向を定義するX型十字を含んでもよい。このようなX型十字状の経路の非限定的な例は、
図7に見ることができる。
【0104】
本明細書の文脈における「8方位」という用語は、サムスティック110が移動できる4つの直交する方向のうちの1つを意味するものと解釈されるべきであることに留意すべきである。これらの4つの直交方向は、典型的には、北西、北東、南東および南西である。(真)北はすでに定義されている。
【0105】
4方位および8方位は、通常、ビデオゲームで最もよく使われるサムスティックの方向である。これは、ビデオゲームのヘルプメニューで、サムスティックの方向が水平、垂直、および/または斜めの矢印として簡単に示せるためである。このようなヘルプメニューは、通常、あるゲーム内アクションをトリガーするには、どのボタン押下し、どのサムスティック動作をすればよいかをユーザが理解するのに役立つ。
【0106】
このことを考慮すると、ビデオゲームにおいてユーザが正確なサムスティック動作をするのが難しいと感じる場合、当該ユーザにとって難しいサムスティック動作は、4方位および/または8方位の動作である可能性が高い。従って、4方位および/または8方位(すなわち、ビデオゲームで最も使用される方向)に調整された経路を定義する連動要素の組140を与えると有利である。
【0107】
代替的または追加的に、1つ以上の予め定義されたパターンは、ビデオゲームに関連するサムスティックの動作に対応する。格闘ゲームの例に戻ると、所定のガイド要素122、115の組を、数字の7の形状の経路がその間に形成されるように配置することによって、ユーザは、特殊攻撃に必要なサムスティック動作(すなわち、サムスティック110を中立位置から真東の位置に移動させ、次に真南の位置に移動させる)を素早く連続して実行するための支援を受けることができる。この場合、対応するピン114、123がこの一組のガイド要素122、115に係合すると、ピンはこの経路に沿って移動することができる。その結果、サムスティック110をサムスティックの素早い連続動作に従って移動させることができる。こうしてユーザは、ゲーム内キャラクタに特殊攻撃をさせることができる。
【0108】
これは、ゲームに固有の経路の非限定的な例である。ビデオゲームの状態を変化させる(例えば、ゲーム内アクションを実行させる)のに必要な他の動作連続に従ってサムスティック110が動けるようにする、別のパターンを定義することもできる。
【0109】
いずれにしても本実施の形態では、サムスティック110の相対位置(すなわち、中立位置に対する現在位置)が所定の位置範囲(ガイド手段によって定義される)に入ったときに当該サムスティック110がたどるべき1つ以上の方向を、ガイド手段(すなわち、連動要素の組140)が定義するので、コントローラ入力の実行がユーザにとってより利用しやすいものとなる。その結果、ユーザは、ガイド要素122、115間の経路によって定義される方向の1つにサムスティック110を押す間、サムスティック110の動きの逸脱を防ぐためにガイド手段に頼ることができる。このようにガイド手段は、(運動技能の問題、不快感等のために)他の方法では不可能ではないにせよ、ユーザが困難と感じるサムスティック操作の支援を提供する。
【0110】
ハンドヘルドコントローラ
1つ以上のユーザ入力装置100は、所定のユーザ入力装置のサムスティックの中立位置に対する現在位置に基づいて1つ以上の入力信号を生成するように構成された入力装置内に構成されてもよい。これらの入力信号は、入力装置または外部装置上で実行されているアプリケーション/ソフトウェア(ビデオゲーム、映画など)の状態に影響を与える/制御するために使うことができる。当該入力装置は、携帯型コントローラ、携帯型ビデオゲーム機、アーケードゲーム機等であってもよい。
【0111】
次に
図8を参照すると、本実施の形態のハンドヘルドコントローラ200は、1つ以上のユーザ入力装置100で構成されてもよい。
【0112】
図9に、ハンドヘルドコントローラ200の非限定的な例として、DualSense(登録商標)コントローラを示す。このようなコントローラは、通常、2つのハンドル部201L、Rと中央本体201Cと、備える。コントローラ上には、様々なコントロール機能が、通常、ローカルグループとして分散されている。例えば、方向制御および/または1つ以上の肩ボタンを構成する左ボタングループ202L、同様に、機能制御および/または1つ以上の肩ボタンを構成する右ボタングループ202Rなどがある。コントローラはまた、左および/または右のサムスティック204L、Rを備える。選択的に、これらは押し下げることによってボタンとしても操作可能である。
【0113】
コントローラ(典型的には、デバイスの中央部分にある)はまた、1つ以上のシステムボタン206を含んでもよい。このシステムボタンは、典型的には、現在実行中のゲームまたは他のアプリケーションではなく、エンターテインメントデバイスのオペレーティングシステムとの相互作用を引き起こす。このようなボタンは、システムメニューを呼び出したり、表示されたコンテンツの記録または共有を可能にしたりする。さらに、コントローラは、タッチパッド208、光学トラッキング用ライト(図示せず)、スクリーン(図示せず)、触覚フィードバック要素(図示せず)、トリガ(図示せず)などの1つ以上の他の要素を備えてもよい。
【0114】
従来のコントローラと同様に、前述のようにサムスティック204L、Rは、DualSenseコントローラの肩ボタンを収容する側部に対して垂直で、その側部を向くサムスティックの向きとして定義される(
図9に示されるような)北方向に動くことがある。
【0115】
本実施の形態の前述の利点を実現するために、サムスティック204L、Rの一方または両方をそれぞれのユーザ入力装置100に置き換えてもよい。これは、DualSenseコントローラ(または他のハンドヘルドコントローラ)の製造中に、既知のサムスティック(複数可)およびサムスティックハウジング(複数可)に代えてサムスティック110およびハウジング120を実装することによって実現できる。
【0116】
あるいは、1つ以上のユーザ入力装置100をハンドヘルドコントローラ200に着脱可能に接続することもできる。例えば、DualSenseEdgeコントローラは、ユーザが損傷/磨耗したサムスティックモジュールを交換できるように、取り外し可能なサムスティックモジュールを備えている。従って、ユーザ入力装置100は、このような着脱可能/交換可能なサムスティックモジュールの形態を取ってもよい。この場合、ユーザは、1つ以上のユーザ入力装置を、DualSenseEdgeコントローラ(または、着脱可能/取り外し可能/交換可能なサムスティックモジュールを含む他のハンドヘルドコントローラ)に接続することができる。
【0117】
このような着脱可能なユーザ入力装置100の場合、ユーザは、所定のビデオゲーム/アプリケーション/ソフトウェアの要求に応じて所定のユーザ入力装置100を交換できるので有利である。例えば、第1の着脱式ユーザ入力装置100は、(
図2に示されるような)十字パターンを形成するガイド要素を備え、第2の着脱式ユーザ入力装置は、(
図7に示されるような)X型十字パターンを形成するガイド要素を備えてもよい。
【0118】
格闘ゲームの場合、第1の着脱式ユーザ入力装置100は、ユーザがより正確/快適に枢軸方向のサムスティック動作を行うことを可能とする。一方、アイソメトリックグラフィックスを採用するビデオゲームの場合、第2の着脱式ユーザ入力装置100は、ユーザがより正確/快適に8方位のサムスティック動作を行うことを可能とする。所定のゲームセッション内でこれらのゲームの両方をプレイしたい場合、ユーザは、例えば、新しいコントローラを購入するのではなく、第2の着脱式ユーザ入力装置100を第1の着脱式ユーザ入力装置100に交換するか、またはその逆に交換するだけでよい。
【0119】
代替的に、または追加的に、サムスティックは、1つ以上のピン114を備えるが、ガイド要素を備えなくてもよい。この場合、各ピンは、サムスティックの操作に影響しない。しかしながら、ハウジング120の上部は、その内側にガイド要素が配置されていてもよく、それ自体が取り外し可能であってもよい。従って、例えば、1つ以上のガイド要素を下部に有する凸状の環状体の部品を、コントローラ/入力装置のハウジングの内部または外部にクリップ留めまたはねじ留めしてもよい。選択的に、このような環状ハウジング部品は、サムスティックキャップ111が環状体の開口部より大きくても取り付けられるように、2つ以上の部品から構成されてもよい。いずれの場合も、この種の交換可能な環状ハウジング部品により、コントローラ/入力装置を異なるゲームまたはアプリケーションのニーズに合わせてカスタマイズすることが容易となる。従って、コントローラおよび/または入力デバイスはまた、コントローラおよび/または入力デバイス(および選択的にエンターテインメントデバイスも)と、1つ以上のこのような交換可能な環状ハウジング構成部品と、を含むキットの一部を形成してもよい。あるいは、ソフトウェアタイトルの物理的コピーは、ソフトウェアプログラムの物理的コピーと、ソフトウェアタイトルに固有で、ユーザ入力装置で使用される1つ以上のこのような交換可能な環状ハウジング構成部品と、を含むキットの一部を形成してもよい。
【0120】
エンターテインメントシステム
次に
図10を参照すると、本実施の形態のエンターテインメントシステムは、1つ以上のハンドヘルドコントローラ200と、エンターテインメントデバイス300と、を備えてもよい。この場合、各ハンドヘルドコントローラ200は、所定のユーザ入力装置の中立位置に対する所定のユーザ入力装置のサムスティック位置に応答して、1つ以上の入力信号をエンターテインメントデバイス300に送信してもよい。
【0121】
サムスティックの相対位置がサムスティックの動きの所定の範囲内にあるとき、サムスティックが1つ以上の特定方向をたどることを考慮すると、エンターテインメントデバイス300に送信される入力信号は、(ユーザがそのような方向に反する方向に十分な力を加えない限り)特定方向の1つに移動するサムスティックに基づく可能性が高い。そして、そのような送信信号は、エンターテインメント装置上で実行されるアプリケーション/ソフトウェアの状態に影響を与える/変更するために使用される可能性がある(エンターテインメントデバイス300は、例えば、ガイド手段の支援により、サムスティックが真東方向に移動することにより、ユーザのゲーム内キャラクタに所望の必殺技を実行させる可能性がある)。
【0122】
次に
図11を参照すると、エンターテインメントデバイス300の一例は、SonyPlayStation 5(PS5)(登録商標)のようなコンピュータまたはコンソールである。
【0123】
エンターテインメントデバイス300は、中央プロセッサ320を備える。これは、例えばPS5のように8つのコアを備えたシングルコアまたはマルチコアプロセッサであってもよい。エンターテインメントシステムは、グラフィカルプロセッシングユニット(GPU)330も備える。GPUは、CPUと物理的に分離されていても、PS5のようにシステムオンチップ(SoC)としてCPUと統合されていてもよい。
【0124】
エンターテインメントデバイスはまた、RAM340を備え、CPUおよびGPUの各々に対して別々のRAMを有するか、またはPS5のように共有RAMを有することができる。また、各RAMは物理的に分離されていても、PS5のようにSoCの一部として統合されていてもよい。さらなるストレージは、外付けハードドライブまたは内蔵ハードドライブ、外付けソリッドステートドライブ、またはPS5のような内蔵ソリッドステートドライブとして、ディスク350によって提供される。
【0125】
エンターテインメントデバイスは、USB(登録商標)ポート、イーサネット(登録商標)ポート、WiFi(登録商標)ポート、ブルートゥース(登録商標)ポートなど、適宜、1つ以上のデータポート360を介してデータを送受信することができ、選択的に光学ドライブ370を介してデータを受信することもできる。
【0126】
システムとのインタラクションには、通常、PS5の場合はDualSenseコントローラなど、1つ以上のハンドヘルドコントローラ200が使われる。
【0127】
エンターテインメント機器からのオーディオ/ビジュアル出力は、通常、1つ以上のA/Vポート390、または1つ以上の有線または無線データポート360を介して与えられる。
【0128】
コンポーネントが統合されていない場合は、専用データリンクまたはバス310を介して適宜接続される。
【0129】
エンターテインメントシステムによって出力される画像を表示するための装置の一例は、ユーザ800が装着するヘッドマウントディスプレイ「HMD」802である。
【0130】
上記の議論は、本発明の実施の形態を単なる例示として開示し、説明するものである。当業者に、本発明は、その思想または本質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態でも具現化することができる。従って、本発明の開示は、特許請求の範囲と同様に、本発明の範囲を限定するものではなく、例示するものである。本明細書の教示の容易に識別可能な変形を含む本開示は、発明的主題が公衆に捧げられることがないように、前述の請求項の用語の範囲を部分的に定義する。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ入力装置であって
サムスティックと、
ハウジングと、
前記サムスティックの中立位置に対する相対位置が前記サムスティックの所定の位置範囲に入ったときに、前記サムスティックの動きが1つ以上の異なる方向をたどるように前記サムスティックをガイドするガイド手段と、
を備え、
前記ハウジングは、前記サムスティックの基部に接触することのないように、当該ハウジングの内面の少なくとも一部と前記基部の少なくとも一部との間にクリアランスを形成するように前記基部を部分的に囲み、
前記ガイド手段の少なくとも一部は、前記クリアランスの内部に配置されており、
前記ガイド手段は1組以上の連動要素を備え、
前記連動要素の各々は、
前記ハウジングの内面の一方および前記基部の上に配置されたピンと、
前記ハウジングの内面の他方および前記基部の上に配置された複数のガイド要素と、
を備え、
前記複数のガイド要素は、前記ピンが当該複数のガイド要素に係合したときに前記ピンがたどる1つ以上の経路を形成するように配置され、
前記1つ以上の経路は、1つ以上の別個の方向を定義することを特徴とするユーザ入力装置。
【請求項2】
前記連動要素の少なくとも1組に関し、当該連動要素のピンが、対応する複数のガイド要素と係合したとき、前記サムスティックに与えられる力の大きさが所定の閾値以上であり、かつ前記サムスティックに与えられる力の方向が前記1つ以上の経路によって定義される1つ以上の異なる方向と一致しない場合、前記ピンは、前記対応する複数のガイド要素によって形成される1つ以上の経路をたどらないことを特徴とする請求項1に記載のユーザ入力装置。
【請求項3】
前記少なくとも1組の連動要素に関し、前記サムスティックに与えられる力の大きさが所定の閾値以上であり、かつ前記サムスティックに与えられる力の方向が前記1つ以上の経路によって定義される1つ以上の別個の方向と一致しない場合、前記各ピンの先端の少なくとも一部が、対応する複数のガイド要素の少なくとも1つの先端の少なくとも一部を乗り越えて移動できるように、前記各ピンおよび前記対応する複数のガイド要素の少なくとも1つが可動または弾性変形可能であることを特徴とする請求項2に記載のユーザ入力装置。
【請求項4】
ピボットと、
前記ピボットに対する前記サムスティックの基部の高さを所定の高さに向けてバイアスするためのバイアス手段と、
を備え、
前記サムスティックは、前記ピボットを介して前記ハウジングに連結されており、
前記サムスティックに与えられる力の大きさが所定の閾値以上であり、かつ前記サムスティックに与えられる力の方向が前記1つ以上の経路によって定義される1つ以上の別個の方向と一致しない場合、前記サムスティックの基部の高さが所定の高さからバイアスすることにより、前記各ピンの先端の少なくとも一部が、対応する複数のガイド要素の少なくとも1つのガイド要素の先端の少なくとも一部を乗り越えて移動できることを特徴とする請求項2または3に記載のユーザ入力装置。
【請求項5】
前記少なくとも1組の連動要素に関し、前記ピンの各々は、対応する複数のガイド要素に係合されると、前記サムスティックに与えられる力の大きさおよび/または方向に関係なく、前記対応する複数のガイド要素によって形成される1つ以上の経路をたどることを特徴とする請求項1に記載のユーザ入力装置。
【請求項6】
前記少なくとも1組の連動要素に関し、
前記複数のガイド要素の各々は、前記ハウジングの内面の他方および前記基部の所定の領域内に配置され、
前記所定の領域の位置および形状は、前記サムスティックの所定の位置範囲の少なくとも一部の位置および形状を定義することを特徴とする請求項1に記載のユーザ入力装置。
【請求項7】
前記少なくとも1組の連動要素に関し、前記複数のガイド要素の各々によって形成される1つ以上の経路は、1つ以上の予め定義されたパターンを含むことを特徴とする請求項1に記載のユーザ入力装置。
【請求項8】
前記予め定義されたパターンの1つは、前記サムスティックの所定の位置範囲内で前記サムスティックがたどるべき4方位を定義する十字を含むことを特徴とする請求項7に記載のユーザ入力装置。
【請求項9】
前記予め定義されたパターンの1つは、前記サムスティックの所定の位置範囲内で前記サムスティックがたどるべき8方位を定義するX字型十字を含むことを特徴とする請求項7に記載のユーザ入力装置。
【請求項10】
前記予め定義されたパターンは、前記サムスティックのビデオゲームに関連する動作に対応することを特徴とする請求項7に記載のユーザ入力装置。
【請求項11】
前記ピンおよび前記複数のガイド要素の少なくとも1つは、丸みを帯びた縁部または面取りされた先端部を備えることを特徴とする請求項1に記載のユーザ入力装置。
【請求項12】
前記ピンおよび前記複数のガイド要素の少なくとも1つは、丸みを帯びた縁部または面取りされた縁部を備えることを特徴とする請求項1に記載のユーザ入力装置。
【請求項13】
請求項1に記載のユーザ入力装置を備えることを特徴とするハンドヘルドコントローラ。
【請求項14】
前記ユーザ入力装置は、当該ハンドヘルドコントローラに着脱可能に接続可能であることを特徴とする請求項13に記載のハンドヘルドコントローラ。
【請求項15】
請求項13に記載のハンドヘルドコントローラと、エンターテインメントデバイスと、を備えたエンターテインメントシステムであって
前記ハンドヘルドコントローラは、前記ユーザ入力装置の中立位置に対する前記ユーザ入力装置のサムスティックの所定の位置に応答して、1つ以上の入力信号を前記エンターテインメントデバイスに送信することを特徴とするエンターテインメントシステム。
【請求項16】
i.請求項1に記載のユーザ入力装置、
ii.請求項13に記載のハンドヘルドコントローラまたは
iii.請求項15に記載のエンターテインメントデイス
のいずれかと、
前記複数のガイド要素を備えた1つ以上の交換可能な環状ハウジング部品と、
を含むことを特徴するキット。
【請求項17】
ソフトウェアプログラムの物理的コピーと、
請求項1に記載のユーザ入力装置で使われる複数のガイド要素を備えた1つ以上の交換可能な環状ハウジング部品と、
を含むことを特徴するキット。
【外国語明細書】