(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144254
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】未固化複合材料のリアルタイム特性予測
(51)【国際特許分類】
G16C 20/30 20190101AFI20241003BHJP
B29C 70/06 20060101ALI20241003BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20241003BHJP
【FI】
G16C20/30
B29C70/06
G06N20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024045061
(22)【出願日】2024-03-21
(31)【優先権主張番号】63/493,118
(32)【優先日】2023-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/416,467
(32)【優先日】2024-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523043898
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・ウィリアムソン・シャハン
(72)【発明者】
【氏名】ラシュミ・スンダレスワラ
(72)【発明者】
【氏名】ティファニー・アリソン・ステュワート
(72)【発明者】
【氏名】ユクセル・キャン・ヤバンス
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・エル・バウアー
(72)【発明者】
【氏名】グウェン・マリー・ランフィア・グロス
【テーマコード(参考)】
4F205
【Fターム(参考)】
4F205AC03
4F205AD16
4F205AH31
4F205HA19
4F205HA32
4F205HA35
4F205HA45
4F205HB01
4F205HC17
4F205HK19
(57)【要約】
【課題】本発明は未固化複合材料のリアルタイム特性予測のための方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品を提供する。
【解決手段】未固化複合材料のいくつかの特性を予測するための方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品。未固化複合材料の製造中の複合材料製造システムからセンサデータがリアルタイムで受信される。いくつかの物理モデル及びデータを使用して訓練されたいくつかの機械学習モデルを使用して、複合材料製造システムにおける未固化複合材料の製造中にリアルタイムで完成形態の未固化複合材料のいくつかの特性に対して初期予測が生成される。初期予測に基づいていくつかの特性に対してリアルタイムで最終予測が決定される。
【選択図】
図30
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムと、
前記コンピュータシステムに配置された予測マネージャと、
を備え、
前記予測マネージャが、
未固化複合材料の製造中に複合材料製造システム用のセンサシステムからリアルタイムで受信したセンサデータ、複数の物理モデル、及び複数の機械学習モデルを使用して、前記複合材料製造システムにおける前記未固化複合材料の製造中にリアルタイムで完成形態の前記未固化複合材料の複数の特性の初期予測を生成することであって、複数の前記機械学習モデルが、前記センサデータを使用して複数の前記初期予測を生成するように訓練されること、
前記未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、複数の前記物理モデル及び複数の前記機械学習モデルから、前記完成形態の前記未固化複合材料の複数の前記特性の前記初期予測の不確実性を決定すること、
前記不確実性を使用して複数の前記特性の前記初期予測と重みを関連付けること、及び、
前記初期予測及び前記初期予測と関連付けられた前記重みに基づいて複数の前記特性の最終予測を決定すること、
を行うように構成されている、特性予測システム。
【請求項2】
前記最終予測に基づいて前記複合材料製造システムの複数の処理条件を調整するように構成されているコントローラをさらに備える、請求項1に記載の特性予測システム。
【請求項3】
複数の前記処理条件は、前記複合材料製造システムに投入される材料及び前記複合材料製造システムの設定の少なくとも一方から選択される、請求項2に記載の特性予測システム。
【請求項4】
複数の前記物理モデルは、熱モデル、浸透モデル、レオロジーモデル、樹脂の濾過レベルを算出する浸透性モデル、複合プリプレグの厚さの低減を算出する厚さモデル、及び前記樹脂の濾過レベルを算出する樹脂浸透モデルのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の特性予測システム。
【請求項5】
複数の前記機械学習モデルは、未固化複合材料の製造中に複数の複合材料製造システムからの履歴センサデータを使用して訓練された第1の機械学習モデル、前記履歴センサデータ及び履歴処理条件を使用して訓練された第2の機械学習モデル、及び前記履歴処理条件及び複数の履歴特性を使用して訓練された第3の機械学習モデルのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の特性予測システム。
【請求項6】
前記不確実性は、複数の前記機械学習モデルによって前記初期予測の生成の一部として生成される、請求項1に記載の特性予測システム。
【請求項7】
前記予測マネージャは、
前記最終予測を決定する際に、
投票回帰、スタッキング回帰、及びバギング推定器のうちの少なくとも1つを使用して、前記初期予測及び前記初期予測と関連付けられた前記重みに基づいて、複数の前記特性の前記最終予測を決定する
ように構成されている、請求項1に記載の特性予測システム。
【請求項8】
複数の前記特性は、繊維目付、樹脂含有量、プリプレグの厚さ、プリプレグ浸透レベル、プリプレグ・タック・レベル、プリプレグ繊維目付、樹脂フィルム目付、樹脂フィルムの厚さ、剥離ライナー目付、剥離ライナーの厚さ、及び積層構造特性のうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の特性予測システム。
【請求項9】
前記センサデータは、特性データ及び生産データを含む、請求項1に記載の特性予測システム。
【請求項10】
前記複合材料製造システムは、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合処理システム、樹脂フィルム加工ライン、プリプレグシステム、及びスリット加工システムのうちの1つである、請求項1に記載の特性予測システム。
【請求項11】
コンピュータシステムと、
前記コンピュータシステムに配置された予測マネージャと、
を備え、
前記予測マネージャが、
未固化複合材料の製造中に複合材料製造システム用のセンサシステムからリアルタイムでセンサデータを受信し、
複数の物理モデル、及び前記センサデータを使用して初期予測を生成するように訓練された複数の機械学習モデルを使用して、前記複合材料製造システムにおける前記未固化複合材料の製造中にリアルタイムで完成形態の前記未固化複合材料の複数の特性の初期予測を生成し、
前記初期予測に基づいて複数の前記特性に対してリアルタイムで最終予測を決定する
ように構成されている、特性予測システム。
【請求項12】
前記予測マネージャは、
前記未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、複数の前記物理モデル及び複数の前記機械学習モデルから、前記未固化複合材料の複数の前記特性の前記初期予測の不確実性を受け取り、
前記不確実性を使用して複数の前記特性の前記初期予測と重みを関連付ける
ように構成されており、
前記予測マネージャは、
前記最終予測を決定する際に、
前記初期予測及び前記初期予測と関連付けられた前記重みに基づいて複数の前記特性の前記最終予測を決定する
ように構成されている、請求項11に記載の特性予測システム。
【請求項13】
複数の前記物理モデルは、熱モデル、浸透モデル、レオロジーモデル、樹脂の濾過レベルを算出する浸透性モデル、複合プリプレグの厚さの低減を算出する厚さモデル、及び前記樹脂の濾過レベルを算出する樹脂浸透モデルのうちの少なくとも1つから選択される、請求項11に記載の特性予測システム。
【請求項14】
複数の前記機械学習モデルは、未固化複合材料の製造中に複数の複合材料製造システムからの履歴センサデータを使用して訓練された第1の機械学習モデル、前記履歴センサデータ及び履歴処理条件を使用して訓練された第2の機械学習モデル、及び前記履歴処理条件及び複数の履歴特性を使用して訓練された第3の機械学習モデルのうちの少なくとも1つから選択される、請求項11に記載の特性予測システム。
【請求項15】
未固化複合材料の複数の特性を予測するための方法であって、
前記方法は、
前記未固化複合材料の製造中に複合材料製造システム用のセンサシステムからリアルタイムで受信したセンサデータ、複数の物理モデル、及び複数の機械学習モデルを使用して、前記複合材料製造システムにおける前記未固化複合材料の製造中にリアルタイムで完成形態の未固化複合材料の複数の特性の初期予測を生成するステップであって、複数の前記機械学習モデルが、前記センサデータを使用して複数の初期予測を生成するように訓練される、ステップと、
前記未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、複数の前記物理モデル及び複数の前記機械学習モデルから、前記完成形態の前記未固化複合材料の複数の前記特性の前記初期予測の不確実性を決定するステップと、
前記不確実性を使用して複数の前記特性の前記初期予測と重みを関連付けるステップと、
前記初期予測及び前記初期予測と関連付けられた前記重みに基づいて複数の前記特性の最終予測を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項16】
前記最終予測に基づいて前記複合材料製造システムの複数の処理条件を調整するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
複数の前記処理条件は、前記複合材料製造システムに投入される材料、及び前記複合材料製造システムの設定の少なくとも一方から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
複数の前記物理モデルは、熱モデル、浸透モデル、レオロジーモデル、樹脂の濾過レベルを算出する浸透性モデル、複合プリプレグの厚さの低減を算出する厚さモデル、及び前記樹脂の濾過レベルを算出する樹脂浸透モデルのうちの少なくとも1つから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
複数の前記機械学習モデルは、履歴センサデータを使用して訓練された第1の機械学習モデル、前記履歴センサデータ及び履歴処理条件を使用して訓練された第2の機械学習モデル、及び前記履歴処理条件及び複数の履歴特性を使用して訓練された第3の機械学習モデルのうちの少なくとも1つから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記履歴センサデータは、履歴データ及び生産データを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記不確実性は、複数の前記機械学習モデルによって前記初期予測の生成の一部として生成される、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記最終予測を決定するステップは、
投票回帰、スタッキング回帰、及びバギング推定器のうちの少なくとも1つを使用して、前記初期予測及び前記初期予測と関連付けられた前記重みに基づいて複数の前記特性の前記最終予測を決定するステップ
を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
複数の前記特性は、繊維目付、樹脂含有量、プリプレグの厚さ、プリプレグ浸透レベル、プリプレグ・タック・レベル、プリプレグ繊維目付、樹脂フィルム目付、樹脂フィルムの厚さ、剥離ライナー目付、剥離ライナーの厚さ、及び積層構造特性のうちの少なくとも1つから選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記センサデータは、特性データ及び生産データを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記複合材料製造システムは、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合処理システム、樹脂フィルム加工ライン、プリプレグシステム、及びスリット加工システムである、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
未固化複合材料の複数の特性を予測するための方法であって、
前記方法は、
未固化複合材料の製造中の複合材料製造システムからリアルタイムでセンサデータを受信するステップと、
複数の物理モデル及びデータを使用して訓練された複数の機械学習モデルを使用して、前記複合材料製造システムにおける前記未固化複合材料の製造中にリアルタイムで完成形態の前記未固化複合材料の複数の特性の初期予測を生成するステップと、
前記初期予測に基づいて複数の前記特性に対してリアルタイムで最終予測を決定するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2023年3月30日に出願された「Fusion of Process Condition Information,Sensor Data,and Physics Models to Improve Real Time Property Prediction of Unconsolidated Composite Material」と題する米国仮特許出願第63/493,118号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、一部継続出願(CIP)であり、2022年7月8日に出願された「Property Prediction for Unconsolidated Composite Materials」と題する米国特許出願第17/811,433号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本出願は、以下の米国特許出願:本出願と同日付で出願された、「Real Time Inconsistency Detection During Composite Material Manufacturing」と題する米国特許出願第________号、代理人整理番号22-0421-US-CIP[2];本出願と同日付で出願された、「Real Time Contaminants Identification During Composite Material Manufacturing via Non-Contact Chemical Sensing」と題する米国特許出願第________号、代理人整理番号22-0421-US-CIP[3];及び本出願と同日付で出願された、「Unconsolidated Composite Material Component Verification via Non-Contact Chemical Sensing」と題する米国特許出願第________号、代理人整理番号22-0421-US-CIP[4]、に関連し、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
本開示は、一般に、複合材料の製造に関し、特に、未硬化複合材料の製造に関する。さらにより詳細には、本開示は、未硬化複合材料の製造中に、その未硬化複合材料の特性を予測するための方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0005】
航空機は、ますます高い割合の複合材料を用いて設計され、製造されている。複合材料は、航空機において、航空機の重量を削減し、設計によって空力効率を改善するために使用される。この重量の削減により、最大積載量の増加や燃料効率の向上などの性能機能が改善される。さらに、複合材料によって航空機内の様々な構成要素の耐用年数が延びる。
【0006】
複合材料は、2つ以上の機能構成要素を組み合わせることによって作成された、丈夫で軽量な材料である。例えば、複合材料は、ポリマー樹脂マトリックス中に結合された強化繊維を含んでもよい。繊維は一方向性であってもよいし、織布や織物の形態をとってもよい。繊維及び樹脂は、複合材料を形成するように配置及び硬化される。
【0007】
さらに、複合材料を使用して航空宇宙用複合材料構造体を作成することにより、航空機の各部分をより大きな部品又は部分として製造することが潜在的に可能になる。例えば、航空機の胴体が円筒形部分として作成され、次いで航空機の胴体を形成するように組み立てられもよい。他の例としては、限定はしないが翼を形成するように接合された翼部分、又は安定板を形成するように接合された安定板部分が挙げられる。
【0008】
複合材料構造体の製造においては、複合材料の層が、通常ツール上にレイアップ(積層)される。層は、シート状の繊維で構成されてもよい。これらのシートは、織物、テープ、トウの形態、又は他の適切な形態をとってもよい。場合によっては、樹脂がシート内に注入又は予め含侵されてもよい。これらのタイプのシートは、一般に、プリプレグと呼ばれる。プリプレグは、プリプレグが複合材料構造体を製造するために使用されるまでロールとして保管される長いシート状に製造することができる。
【0009】
プリプレグの異なる層は異なる向きにレイアップされ得、製造される複合材料構造体の厚さに応じて異なる数の層が使用され得る。これらの層は、手作業で、又はテープラミネート機や繊維配置システムなどの自動積層機器を使用してレイアップされてもよい。
【0010】
異なる複合材料の層がツール上にレイアップされた後、複合材料の層は、温度及び圧力に曝されると固化及び硬化されて、最終的な複合材料構造体を形成し得る。
【0011】
最終的な複合材料構造体の品質は、非破壊試験を含む試験を使用して判定することができる。さらに、複合材料構造体を製造するために使用される構成要素もまた、品質目的で監視し、試験することができる。複合材料構成要素の所望の品質を維持することにより、最終的な複合材料構造体の品質を高めることができる。例えば、プリプレグを検査して、厚さが指定された公差内にあるかどうかを判定することができる。プリプレグ構成要素などの複合材料構成要素の品質試験は、望むよりも多くの時間がかかる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、上述した問題の少なくとも一部、並びに他の起こり得る問題を考慮に入れた方法及び装置を有することが望ましい。例えば、プリプレグ構成要素の品質試験に伴う技術的問題を克服する方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の一実施形態は、コンピュータシステムに配置された予測マネージャ内のシステムを備える特性予測システムを提供する。予測マネージャは、未固化複合材料の製造中に複合材料製造システム用のセンサシステムからリアルタイムで受信したセンサデータ、いくつかの物理モデル、及びいくつかの機械学習モデルを使用して、複合材料製造システムにおける未固化複合材料の製造中にリアルタイムで完成形態の未固化複合材料のいくつかの特性の初期予測を生成し、いくつかの機械学習モデルが、センサデータを使用していくつかの初期予測を生成するために履歴センサデータを使用して訓練される、ように構成されている。予測マネージャは、未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、いくつかの物理モデル及びいくつかの機械学習モデルから、完成形態の未固化複合材料のいくつかの特性の初期予測の不確実性を決定するように構成されている。予測マネージャは、不確実性を使用していくつかの特性の初期予測と重みを関連付けるように構成されている。予測マネージャは、初期予測及び初期予測と関連付けられた重みに基づいていくつかの特性の最終予測を決定するように構成されている。
【0014】
本開示の別の実施形態では、特性予測システムは、コンピュータシステムに配置された予測マネージャを備える。予測マネージャは、未固化複合材料の製造中に複合材料製造システム用のセンサシステムからリアルタイムでセンサデータを受信するように構成されている。予測マネージャは、いくつかの物理モデル、及びセンサデータを使用して初期予測を生成するように訓練されたいくつかの機械学習モデルを使用して、複合材料製造システムにおける未固化複合材料の製造中にリアルタイムで完成形態の未固化複合材料のいくつかの特性の初期予測を生成するように構成されている。予測マネージャは、初期予測に基づいていくつかの特性に対してリアルタイムで最終予測を決定するように構成されている。
【0015】
本開示のさらに別の実施形態では、方法は、未固化複合材料のいくつかの特性を予測する。未固化複合材料の製造中に複合材料製造システム用のセンサシステムからリアルタイムで受信したセンサデータ、いくつかの物理モデル、及びいくつかの機械学習モデルを使用して、複合材料製造システムにおける未固化複合材料の製造中にリアルタイムで完成形態の未固化複合材料のいくつかの特性に対して初期予測が生成され、いくつかの機械学習モデルは、センサデータを使用して初期予測を生成するように訓練される。未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、いくつかの物理モデル及びいくつかの機械学習モデルから、完成形態の未固化複合材料のいくつかの特性の初期予測について不確実性が決定される。不確実性を使用していくつかの特性の初期予測と重みが関連付けられる。初期予測及び初期予測と関連付けられた重みに基づいていくつかの特性に対して最終予測が決定される。
【0016】
本開示のさらに別の実施形態では、方法は、未固化複合材料のいくつかの特性を予測する。未固化複合材料の製造中の複合材料製造システムからセンサデータがリアルタイムで受信される。いくつかの物理モデル及びデータを使用して訓練されたいくつかの機械学習モデルを使用して、複合材料製造システムにおける未固化複合材料の製造中にリアルタイムで完成形態の未固化複合材料のいくつかの特性に対して初期予測が生成される。初期予測に基づいていくつかの特性に対してリアルタイムで最終予測が決定される。
【0017】
形態及び機能は、本開示の様々な実施形態において独立して達成することもできるし、以下の説明及び図面を参照すればさらなる詳細が理解され得る、さらに他の実施形態において組み合わされてもよい。
【0018】
例示的な実施形態の特性であると考えられる新規の特徴が、添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、例示的な実施形態、並びに好ましい使用の態様、さらなる目的及び特徴は、添付の図面と併せて本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を読めば最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】例示的な実施形態が実装され得るデータ処理システムのネットワークの絵図である。
【
図2】例示的な実施形態による、複合材料製造環境のブロック図である。
【
図3】例示的な実施形態による、未固化複合材料の各部分の予測特性を使用してとることができる措置のブロック図である。
【
図4】例示的な実施形態による、未固化複合材料を製造するための製造工程フローの図である。
【
図5】例示的な実施形態による、フィルム加工工程を行うように構成された複合材料製造システムの図である。
【
図6】例示的な実施形態による、プリプレグ生産工程を行うように構成された複合材料製造システムの図である。
【
図7】例示的な実施形態による、複合材料製造システムにおけるセンサ箇所のブロック図である。
【
図8】例示的な実施形態による、複合材料製造システムの一部分の側面図である。
【
図9】例示的な実施形態による、複合材料製造システムの一部分の上面図である。
【
図10】例示的な実施形態による、未固化複合材料の各部分の品質レベルを識別するための工程のフローチャートである。
【
図11】例示的な実施形態による、未固化複合材料をマーキングするための工程のフローチャートである。
【
図12】例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差外部分を使用不可としてマーキングするための工程のフローチャートである。
【
図13】例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差内部分を使用可能としてマーキングするための工程のフローチャートである。
【
図14】例示的な実施形態による、未固化複合材料の一部分を品質レベルでマーキングするための工程のフローチャートである。
【
図15】例示的な実施形態による、未固化複合材料の各部分の品質レベルを記録するための工程のフローチャートである。
【
図16】例示的な実施形態による、未固化複合材料の一部分の予測特性を決定するための工程のフローチャートである。
【
図17】例示的な実施形態による、未固化複合材料の製作を完了する前に未固化複合材料の特性を予測するように機械学習モデルを訓練するための工程のフローチャートである。
【
図18】例示的な実施形態による、未固化複合材料の各部分に対する是正措置を行うための工程のフローチャートである。
【
図19】例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差外部分に対する是正措置を行うための工程のフローチャートである。
【
図20】例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差外部分のパラメータを調整するための工程のフローチャートである。
【
図21】例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差内部分のパラメータを調整するための工程のフローチャートである。
【
図22】例示的な実施形態による、未固化複合材料の各部分が公差内にあるようにパラメータを調整するための工程のフローチャートである。
【
図23】例示的な実施形態による、未固化複合材料の後続部分のパラメータを調整するための工程のフローチャートである。
【
図24】例示的な実施形態による、原材料を変更するための工程のフローチャートである。
【
図25】例示的な実施形態による、未固化複合材料の予測特性を決定するための工程のフローチャートである。
【
図26】例示的な実施形態による、データ処理システムのブロック図である。
【
図27】例示的な実施形態による、航空機の製造及び保守点検方法の図である。
【
図28】例示的な実施形態が実装され得る航空機のブロック図である。
【
図29】例示的な実施形態による、製品管理システムのブロック図である。
【
図30】例示的な実施形態による、特性予測システムのブロック図である。
【
図31】例示的な環境による処理条件についてのブロック図である。
【
図32】例示的な実施形態による、センサデータのブロック図である。
【
図33】例示的な実施形態による、機械学習モデルのブロック図である。
【
図34】例示的な実施形態による、複合プリプレグの特性のリアルタイム予測のためのデータフローの図である。
【
図35】例示的な実施形態による、複合プリプレグの特性のリアルタイム予測を生成するためにモデルからの初期予測を使用するデータフローの図である。
【
図36】例示的な実施形態による、リアルタイム厚さ予測のためのデータフローの図である。
【
図37】例示的な実施形態による、リアルタイム繊維目付予測のためのデータフローの図である。
【
図38】例示的な実施形態による、リアルタイム繊維目付予測のためのデータフローの図である。
【
図39】例示的な実施形態による、未固化複合材料のいくつかの特性を予測するための工程のフローチャートである。
【
図40】例示的な実施形態による、処理条件を調整するための工程のフローチャートである。
【
図41】例示的な実施形態による、最終予測を決定するための工程のフローチャートである。
【
図42】例示的な実施形態による、未固化複合材料のいくつかの特性を予測するための工程のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
例示的な実施形態では、以下に記載するような1以上の異なる考慮事項を認識し考慮に入れる。例えば、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインによって製造されたプリプレグロールなどの未固化複合材料構成要素の現在の試験は、プリプレグロールからのサンプルを使用して行うことができる。サンプルが所望の品質レベルを満たさない場合、プリプレグロール全体が廃棄又はリサイクルされる。しかしながら、プリプレグロール全体が、望ましくない品質レベルを有しているのではない可能性もある。プリプレグロールの一部分のみが、所望の品質レベルの公差を満たしていない可能性もある。現在の技術では、プリプレグロール全体の複数の部分を試験するのでなければ、プリプレグロールのどの部分が公差外の特性を有する可能性があるかを識別することができない。プリプレグロール全体の複数の部分を試験することは、時間がかかり、非効率的である。
【0021】
また、プリプレグロールが望ましくない品質レベルの特性を有する原因を究明することも、現在のところ、製造工程中に行うことはできない。代わりに、プリプレグロールを製造した後に分析が行われ、プリプレグロールのサンプルを試験することにより、サンプルが所望の品質レベルを有しないことが指示される。さらに、原因を究明することができた場合、将来のプリプレグロールが所望の品質レベルを有することを確実にするために、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインの調整を行うことができる。多くのプリプレグロールが完成し、1以上のプリプレグロールが所望の品質レベルを有しないと判定されるまで、究明に必要な時間が不可能な場合もある。結果として、1つの解決策は、原因を究明することができ、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインの調整を行うことができるまでプリプレグロールを製造した炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインを使用したプリプレグロールの製造を停止することになる。このように炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインが利用できないと、プリプレグロールの製造能力が低下する。
【0022】
例示的な実施形態では、プリプレグ材料の特性を決定する能力を有することが望ましいことをさらに認識し、考慮に入れる。製造工程は、プリプレグが製造されている間の製造工程中にプリプレグを生産するために行われる樹脂混合、樹脂フィルム加工、樹脂浴操作、又は他の操作のうちの少なくとも1つとすることができる。リアルタイムで炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン内の異なる箇所から入手される異なるタイプのセンサデータを使用して、プリプレグがまだ製造されている間にプリプレグの特性を予測することができる。この情報を使用して、プリプレグロールのどの部分が公差内の特性を有するか、及び公差外のプリプレグロールの他の部分を決定することができる。製造中のプリプレグの各部分の特性のこのタイプの決定は、リアルタイムで、どの部分が公差内にあり、又は公差外にあるかのマーキング又は記録を可能にする方法で行うことができる。結果として、プリプレグロールのいくつかの部分が公差外にある場合、記録又はマーキングされた部分は使用されず、プリプレグロールのその他の部分は引き続き使用することができる。結果として、廃棄又はリサイクルされるプリプレグの量を減らすことができる。
【0023】
次に図を参照すると、特に
図1を参照すると、例示的な実施形態が実装され得るデータ処理システムのネットワークの図が図示されている。ネットワークデータ処理システム100は、例示的な実施形態が実装され得るコンピュータのネットワークである。ネットワークデータ処理システム100は、ネットワークデータ処理システム100内で互いに接続された様々なデバイスとコンピュータとの間の通信リンクを提供するために使用される媒体であるネットワーク102を含む。ネットワーク102は、配線、無線通信リンク、又は光ファイバーケーブルなどの接続を含んでもよい。
【0024】
図示の例では、サーバーコンピュータ104及びサーバーコンピュータ106は、記憶ユニット108と共にネットワーク102に接続する。さらに、クライアントデバイス110はネットワーク102に接続する。図示のように、クライアントデバイス110は、クライアントコンピュータ112と、クライアントコンピュータ114と、クライアントコンピュータ116と、を含む。クライアントデバイス110は、例えば、コンピュータ、ワークステーション、又はネットワークコンピュータとすることができる。図示の例では、サーバーコンピュータ104は、ブートファイル、オペレーティング・システム・イメージ、アプリケーションなどの情報をクライアントデバイス110に提供する。さらに、クライアントデバイス110はまた、プリプレグシステム118、タブレットコンピュータ120、スマートグラス122などの他のタイプのクライアントデバイスを含むこともできる。この例示的な例では、サーバーコンピュータ104、サーバーコンピュータ106、記憶ユニット108、及びクライアントデバイス110は、ネットワーク102をこれらのネットワークデバイスのための通信媒体とする、ネットワーク102に接続するネットワークデバイスである。クライアントデバイス110の一部又は全部が、これらの物理デバイスがネットワーク102に接続し、ネットワーク102を介して互いに情報を交換することができるモノのインターネット(IoT)を形成してもよい。
【0025】
クライアントデバイス110は、この例ではサーバーコンピュータ104に対するクライアントである。ネットワークデータ処理システム100は、追加のサーバーコンピュータ、クライアントコンピュータ、及び図示していない他のデバイスを含んでもよい。クライアントデバイス110は、有線接続、光ファイバー接続、又は無線接続のうちの少なくとも1つを利用してネットワーク102に接続する。
【0026】
ネットワークデータ処理システム100内に配置されたプログラム命令は、コンピュータ記録可能な記憶媒体に記憶し、使用のためにデータ処理システム又は他のデバイスにダウンロードすることができる。例えば、プログラム命令は、サーバーコンピュータ104上のコンピュータ記録可能な記憶媒体に記憶し、クライアントデバイス110上で使用するためにネットワーク102を介してクライアントデバイス110にダウンロードすることができる。
【0027】
図示の例では、ネットワークデータ処理システム100は、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)プロトコル群を使用して相互に通信するネットワーク及びゲートウェイの世界規模の集合体を表すネットワーク102を有するインターネットである。インターネットの中心には、データ及びメッセージをルーティングする何千もの商用、政府用、教育用、及び他のコンピュータシステムからなる主要ノード間又はホストコンピュータ間の高速データ通信回線のバックボーンがある。当然ながら、ネットワークデータ処理システム100はまた、いくつかの異なるタイプのネットワークを使用して実装されてもよい。例えば、ネットワーク102は、インターネット、イントラネット、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、又はワイド・エリア・ネットワーク(WAN)のうちの少なくとも1つで構成することもできる。
図1は、例を意図しており、異なる例示的な実施形態のアーキテクチャ上の限定を意図するものではない。
【0028】
本明細書で使用する場合、「いくつかの」は、項目に関して使用される場合、1以上の項目を意味する。例えば、「いくつか異なるタイプのネットワーク」とは、1以上の異なるタイプのネットワークである。
【0029】
さらに、「のうちの少なくとも1つ」という語句は、項目のリストと共に使用される場合、列挙された項目のうちの1以上の異なる組合せを使用できることを意味し、リスト内の各項目のうちの1つのみが必要とされてもよい。言い換えると、「のうちの少なくとも1つ」は、項目の任意の組合せを意味し、リストからのいくつかの項目が使用されてもよいが、リスト内のすべての項目が必要とされるとは限らない。項目は、特定の物体、物事、又はカテゴリとすることができる。
【0030】
例えば、限定はしないが、「項目A、項目B、又は項目Cのうちの少なくとも1つ」は、項目A、項目A及び項目B、又は項目Bを含み得る。この例はまた、項目A、項目B、及び項目C、又は項目B及び項目Cも含み得る。当然ながら、これらの項目の任意の組合せが存在し得る。いくつかの例示的な例では、「のうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定はしないが、2つの項目A、1つの項目B、及び10の項目C、4つの項目B及び7つの項目C、又は他の適切な組合せとすることができる。
【0031】
この例では、プリプレグシステム118は、複合材料製造施設130に配置されている。この箇所では、プリプレグシステム118を使用してプリプレグなどの未固化複合材料を製造する。図示のように、サーバーコンピュータ104の複合材料マネージャ132は、複合材料製造施設130のプリプレグシステム118と通信することができる。この通信は、センサデータ134、コマンド136、又はネットワーク102を介して送信することができる他のタイプの情報のうちの少なくとも1つから選択された情報の交換を含むことができる。
【0032】
この例では、複合材料マネージャ132は、プリプレグシステム118用のセンサシステムからセンサデータ134を受信することができる。センサシステムは、プリプレグシステム118又は複合材料製造施設130内の別の箇所の少なくとも一方に配置することができる。
【0033】
この例示的な例では、センサデータ134は、プリプレグシステム118からリアルタイムで受信される。言い換えると、リアルタイムでセンサデータ134を受信することは、プリプレグシステム118がプリプレグを製造するために動作している最中にセンサデータ134を受信することを意味する。センサデータ134がリアルタイムで送信されるとき、センサデータ134は、潜在的な遅延なしに可能な限り迅速に送信される。複合材料マネージャ132は、センサデータ134をリアルタイムで分析する際に、センサデータ134が受信されている最中にセンサデータ134を処理し、分析することができる。
【0034】
図示のように、センサデータ134は、複合材料マネージャ132によって、プリプレグの製造が完了したときのプリプレグの特性の予測を決定するために分析することができる。この特性の予測は、プリプレグがプリプレグシステム118によって製造されている間に行われる。予測特性は、プリプレグシステム118内で製造されているプリプレグのいくつかの部分の特性である。これらの特性は、例えば、プリプレグの厚さ、目付、及び完成したプリプレグの他の特性を含むことができる。言い換えると、複合材料マネージャ132は、プリプレグの製造が完了する前に、プリプレグシステム118によって製造されているプリプレグの特性のリアルタイム予測を行うことができる。予測特性に基づいて、複合材料マネージャ132は、プリプレグのどの部分が複合材料部品の製造に使用するための公差内にあるかを識別することができる。プリプレグに対して予測された設定特性に基づいて、複合材料マネージャ132は、複合材料部品の製造に使用するために公差内にある1以上の部分、並びに公差外にあり得る部分を記録することができる。さらに、複合材料マネージャ132は、各部分が公差内に留まる時間を決定することができる。場合によっては、未固化複合材料は、プリプレグに対して予測された特性に応じて異なり得る貯蔵寿命を有し得る。
【0035】
さらに、プリプレグの一部分の予測特性を知ることにより、複合材料マネージャ132は、その部分が未固化複合材料内の完成した製品である場合に、製造作業が完了する前に行われた未固化複合材料の特性の予測から未固化複合材料のその部分について決定された品質レベルに基づいて是正措置を行う。
【0036】
例えば、複合材料マネージャ132は、プリプレグのその部分をさらに処理して、当該部分が公差内になるか、又は所望の品質レベルを有するようにするために、どんな調整がプリプレグシステム118に必要かを決定することができる。この決定により、複合材料マネージャ132は、調整を行うためにプリプレグシステム118にコマンド136を送信することができる。
【0037】
複合材料マネージャ132は、コマンド136を使用して、プリプレグのその部分がまだ製造されている間にこれらの調整を行うことができる。これらの調整は、プリプレグのその部分をまだ処理していないプリプレグシステム118の各部分に対して行うことができる。これらの調整により、行われた措置がプリプレグの各部分を所望の品質レベルを有するように変更したかどうかを判定するための追加のセンサデータを受信することができる。このようにして、複合材料マネージャ132は、未固化複合材料の製造を、所望の品質レベルを満たす未固化複合材料の部分を増加させ、未固化複合材料の廃棄部分を削減することができる方法で管理することができる。
【0038】
この例示的な例では、機械学習モデル138を使用してこの予測を行うことができる。この例では、機械学習モデル138は、プリプレグシステム118によって以前に製造されたプリプレグから生成された履歴センサデータを使用して訓練されている。
【0039】
図1のネットワークデータ処理システム100の例示は、他の例示的な例を実装することができる方法を限定するためのものではない。例えば、複合材料マネージャ132を、サーバーコンピュータ104以外の別の箇所に配置することもできる。例えば、複合材料マネージャ132は、クライアントコンピュータ112、プリプレグシステム118内、又は複合材料製造施設130に配置された別のコンピュータに配置することもできる。他の例示的な例では、複合材料製造施設130に、又は複合材料マネージャ132が管理することができる他の箇所に追加のプリプレグシステムが配置されてもよい。
【0040】
次に
図2を参照すると、例示的な実施形態による、複合材料製造環境のブロック図が図示されている。この例示的な例では、複合材料製造環境200は、
図1のネットワークデータ処理システム100に示すハードウェアなどのハードウェアに実装することができる構成要素を含む。
【0041】
この例示的な例では、複合材料管理システム202は、複合材料部品205の製造に使用するための未固化複合材料204の製造を管理するように動作する。
【0042】
未固化複合材料204は、複合材料部品205を形成するように処理されていない複合材料である。例えば、圧力、加熱、又は硬化のうちの少なくとも1つなどの処理が、未固化複合材料204に適用されていない。言い換えると、未固化複合材料204は、最終的な複合材料部品を形成するように処理されていない。
【0043】
未固化複合材料204は、プリプレグ、航空宇宙用グレードのプリプレグ、熱硬化性プリプレグ、熱可塑性プリプレグ、織布プリプレグ、繊維トウプリプレグ、トウプリプレグ、一方向テーププリプレグ、樹脂被覆フィルム、ノンクリンプ織物、樹脂混合物、又は他の適切な未固化複合材料のうちの少なくとも1つから選択することができる。未固化複合材料204中の繊維は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、繊維や織物などの未固化複合材料204は、ガラス繊維、炭素繊維、ケブラー(登録商標)繊維、パラアラミド繊維、ハイブリッド繊維、ガラス糸を有する炭素織物、ワイヤが織り交ぜられた炭素繊維織物、ホウ素ケイ酸塩繊維、又は他の適切なタイプの材料のうちの少なくとも1つから選択することができる。複合材料部品205は、例えば、胴体部分、スキンパネル、翼、リブ、ドア、又は他の適切なタイプの部品とすることができる。
【0044】
別の例では、未固化複合材料204を使用して、別の未固化複合材料を製造することができる。例えば、未固化複合材料204は、フィルム加工紙とすることができる。このフィルム加工紙を使用して、プリプレグなどの別の未固化複合材料を製造することができる。
【0045】
例えば、複合材料管理システム202は、未固化複合材料204を製造するように複合材料製造システム208の動作を制御することができる。図示のように、複合材料製造システム208は、いくつかの形態をとることができる。例えば、複合材料製造システム208は、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合処理システム、樹脂フィルム加工ライン、プリプレグシステム、スリット加工システム、及び他の適切なタイプの複合材料製造システムのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0046】
図示のように、複合材料管理システム202は、コンピュータシステム210と、複合材料マネージャ212とを備える。複合材料マネージャ212は、コンピュータシステム210内に配置される。
【0047】
複合材料マネージャ212は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組合せとして実装することができる。ソフトウェアが使用される場合、複合材料マネージャ212によって行われる動作は、プロセッサユニットなどのハードウェア上で動作するように構成されたプログラム命令として実装することができる。ファームウェアが使用される場合、複合材料マネージャ212によって行われる動作は、プロセッサユニット上で動作するようにプログラム命令及びデータとして実装し、永続的メモリに記憶することができる。ハードウェアが採用される場合、ハードウェアは、複合材料マネージャ212において動作を行うように動作する回路を含むことができる。
【0048】
例示的な例では、ハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又はいくつかの動作を行うように構成された他の適切なタイプのハードウェアのうちの少なくとも1つから選択された形態をとることができる。プログラマブル論理デバイスの場合、いくつかの動作を行うようにデバイスを構成することができる。デバイスは、後で再構成することもできるし、又はいくつかの動作を行うように永続的に構成することもできる。プログラマブル論理デバイスには、例えば、プログラマブル論理アレイ、プログラマブルアレイ論理、フィールドプログラマブル論理アレイ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、及び他の適切なハードウェアデバイスが含まれる。さらに、工程は、無機構成要素と一体化された有機構成要素として実装することもでき、人間を除く有機構成要素から完全に構成することもできる。例えば、工程は、有機半導体内の回路として実装することができる。
【0049】
コンピュータシステム210は、物理的なハードウェアシステムであり、1以上のデータ処理システムを含む。コンピュータシステム210に複数のデータ処理システムが存在する場合、それらのデータ処理システムは、通信媒体を使用して互いに通信する。通信媒体は、ネットワークとすることができる。データ処理システムは、コンピュータ、サーバーコンピュータ、タブレットコンピュータ、又は何らかの他の適切なデータ処理システムのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0050】
図示のように、コンピュータシステム210は、例示的な例の工程を実装するプログラム命令216を実行することができるいくつかのプロセッサユニット214を含む。本明細書で使用する場合、いくつかのプロセッサユニット214内のプロセッサユニットは、ハードウェアデバイスであり、コンピュータを動作させる命令及びプログラムコードに応答して処理する集積回路上のハードウェア回路などのハードウェア回路から構成される。いくつかのプロセッサユニット214が工程のためのプログラム命令216を実行するとき、いくつかのプロセッサユニット214は、同じコンピュータ上又は異なるコンピュータ上にあり得る1以上のプロセッサユニットである。言い換えると、工程は、コンピュータシステム内の同じか又は異なるコンピュータ上のプロセッサユニット間に分散させることができる。さらに、いくつかのプロセッサユニット214は、同じタイププロセッサユニットとすることもでき、異なるタイプのプロセッサユニットとすることもできる。例えば、いくつかのプロセッサユニットは、シングル・コア・プロセッサ、デュアルコアプロセッサ、マルチプロセッサコア、汎用中央処理装置(CPU)、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は何らかの他のタイプのプロセッサユニットのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0051】
この例示的な例では、複合材料マネージャ212は、複合材料製造システム208用のセンサシステム220からセンサデータ218を受信するように構成される。センサデータ218は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、センサデータ218は、構成要素の温度、未固化複合材料の温度、周囲温度、湿度、ローラ速度、未固化複合材料の速度、一対のローラ間の圧力、一対のローラ間のギャップ、未固化複合材料の厚さ、フーリエ変換赤外(FTIR)スペクトル、ラマン分光データ、分光データ、材料の幅、繊維ウェブの幅、材料目付、繊維目付、樹脂粘度、未固化複合材料の寸法の両端の電気測定値、未固化複合材料の寸法の両端の電圧、未固化複合材料の寸法の両端の電磁測定値、未固化複合材料の寸法の両端の音響測定値、引張り、又は複合材料製造システム内の箇所におけるプリプレグの画像のうちの少なくとも1つから構成することができる。
【0052】
この例示的な例では、複合材料製造システム208用のセンサシステム220を、複合材料管理システム202、複合材料製造システム208、又はその両方の一部とみなすことができる。センサシステム220は、複合材料製造システム208の動作中に、未固化複合材料204又は複合材料製造システム208の少なくとも一方に関するセンサデータ218を生成するように動作することができる。センサデータ218は、複合材料製造システム208によって製造されている未固化複合材料204に関する情報とすることができる。センサデータ218は、複合材料製造システム208によって未固化複合材料204の製造中に受信される。センサデータ218は、センサシステム220によってリアルタイムで生成され、複合材料マネージャ212にリアルタイムで送信される。
【0053】
センサシステム220は、センサ222を備える。図示のように、センサ222は、複合材料製造システム208に対して箇所209にある。箇所209は、複合材料製造システム208上、複合材料製造システム208内、又は複合材料製造システム208近傍とすることができる。この例では、センサ222は、温度センサ、カメラ、赤外線カメラ、サーマルカメラ、ライン・スキャン・カメラ、引張りセンサ、密度センサ、ドロップゲージ、赤外線センサ、非接触レーザー距離センサ、ベータゲージ、速度センサ、フーリエ変換赤外(FTIR)分光計、ラマン分光計、力検出器、線形可変差動変圧器(LVDT)センサ、回転第三差動変圧器(RVDT)センサ、厚さセンサ、ギャップ幅センサ、粘度計、光反射センサ、電気伝導率センサ、電気抵抗センサ、静電容量センサ、電磁センサ、音響センサ、湿度センサ、レーザー・ドップラー・センサ、又は他の適切なセンサのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0054】
図示のように、複合材料マネージャ212は、センサデータ218を使用して複合材料製造システム208による製造から完成した未固化複合材料204のいくつかの部分226の予測特性224のセットを決定する。
【0055】
未固化複合材料204のいくつかの部分226は、未固化複合材料204の部分226の一部又は全部とすることができる。この図示の例では、複合材料製造システム208による製造から完成した未固化複合材料204は完成した製品255を形成し、完成した製品255を使用して複合材料部品205を製造することができる。いくつかの部分226は、未固化複合材料204の部分とすることができる。例えば、いくつかの部分226は、プリプレグロールを形成するプリプレグの部品又は部分とすることができる。これらの部分は、同じ長さを有することも、異なる長さをすることもあり得る。
【0056】
この例では、複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204の製造が完了したときに未固化複合材料204の部分226が有することになる特性228のセットを予測することができる。言い換えると、この予測は、未固化複合材料204の部分226がまだ製造されている間に行われる。部分226内の異なる部分は、複合材料製造システム208における製造の異なる状態又は段階にあり得る。
【0057】
特性228のセットは、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、特性228のセットは、プリプレグ繊維目付、プリプレグ樹脂含有量、プリプレグの厚さ、プリプレグ浸透レベル、プリプレグ・タック・レベル、樹脂フィルム目付、樹脂フィルムの厚さ、剥離ライナー目付、剥離ライナーの厚さ、又は積層構造特性のうちの少なくとも1つを含む。
【0058】
複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204のいくつかの部分226の予測特性224のセットに基づいて、未固化複合材料204のいくつかの部分226の品質レベル230を識別する。品質レベル230のこの識別が予測品質レベル232である。言い換えると、品質レベル230は、予測特性224を使用して決定される。実際の品質レベルを決定するための実際の特性を決定するために、いくつかの部分226の実際の試験を行うことができる。
【0059】
この例示的な例では、予測特性224のセットの決定を、複合材料マネージャ212によってモデル233のセットを使用して行うことができる。モデル233のセットは、機械学習モデル234のセット、物理モデル235のセット、ハイブリッドモデル237のセット、又は他の適切なタイプのモデルのうちの少なくとも1つを含むことができる。この例示的な例では、モデル233の任意の組合せを使用して、特性228を予測することができる。
【0060】
機械学習モデル234のセットが使用される場合、機械学習モデル234のセットを、センサデータ218を使用して特定のタイプの未固化複合材料204の特性228を予測するように訓練することができる。機械学習モデルは、人工知能モデルの一種であり、明示的にプログラムされることなく学習することができるデータ駆動型モデルである。機械学習モデルは、機械学習モデルに入力された訓練データに基づいて学習することができる。機械学習モデルは、様々なタイプの機械学習アルゴリズムを使用して学習することができる。機械学習アルゴリズムは、教師あり学習及び教師なし学習、特徴学習、スパース辞書学習、異常検出、強化学習、推奨学習、又は他のタイプの学習アルゴリズムのうちの少なくとも1つを含む。
【0061】
機械学習モデルの例には、人工ニューラルネットワーク、決定木、サポート・ベクター・マシン、ランダムフォレスト機械学習モデル、回帰機械学習モデル、分類機械学習モデル、ベイジアンネットワーク、及び他のタイプのモデルが含まれる。これらの機械学習モデルは、データを使用して訓練され、追加のデータを処理して所望の出力を提供することができる。
【0062】
例えば、機械学習モデル236は、訓練データセット240を使用して、プリプレグなどの未固化複合材料204の予測特性224を決定するように訓練することができる。訓練データセット240は、プリプレグの形態の未固化複合材料204を製造するために複合材料製造システム208から受信した履歴センサデータ242を使用して作成することができる。訓練データセット240は、履歴特性244の形態のラベルを含むことができる。履歴特性244は、複合材料製造システム208内の異なる箇所における未固化複合材料204の測定値から決定することができる。言い換えると、履歴特性244は、未固化複合材料204の製造が完了したときの未固化複合材料204の特性228を含むことができる。
【0063】
さらに、訓練データセット240はまた、履歴上流情報245も含むことができる。履歴上流情報245は、製造工程が履歴上流情報を含む未固化複合材料を製造するときに生成された履歴センサデータ242と関連付けることができる。履歴上流情報245は、未固化複合材料を製造する際に使用された構成要素又は設定に関する情報を含むことができる。例えば、履歴上流情報245は、強化情報、繊維情報、強化サイジング情報、樹脂情報、剥離ライナー情報、樹脂フィルム情報、又は履歴センサデータ242を生成するために測定され得る他の適切な情報のうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0064】
関心対象の特性228は、未固化複合材料204のタイプに応じていくつかの異なる形態をとることができる。例えば、未固化複合材料204がプリプレグである場合、特性228には、厚さ、繊維目付(FAW)、樹脂重量含有率(RC)、プリプレグ目付(PAW)、吸水、タック、しわ、又はプリプレグの形態の未固化複合材料204についての関心対象の他の特性のうちの少なくとも1つが含まれ得る。
【0065】
機械学習モデル236を使用して予測特性224を決定することにより、複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204の製造を完了する前にこれらの特性を予測することができる。言い換えると、完成又は製造された状態の未固化複合材料204の予測特性224を、未固化複合材料204の製造中の異なる時間に異なる箇所で作成することができる。
【0066】
別の例では、物理モデル235のセットを使用して、未固化複合材料204の予測特性224を決定することができる。この例では、物理モデル235のセット内の物理モデル239は、少なくとも数学的方程式に基づいて、未固化複合材料を製造するために材料に対して行われる措置の影響を記述することができる方程式を含む数学的モデルである。これらの措置は、例えば、センサデータ218内の熱、引張り、圧力、力、又は他のパラメータなどのパラメータに応答したものとすることができる。
【0067】
物理モデル235のセットは、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、物理モデルのセットは、機械動力学熱及び機械モデル、樹脂浸透モデル、粘度を含むダーシー浸透モデル、樹脂流動モデル、硬化反応モデル、浸透の有限要素解析(FEA)モデル、レイアップの有限要素解析(FEA)モデル、並びに他の適切なタイプの物理モデルのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0068】
ハイブリッドモデル237のセットは、物理構成要素と機械学習構成要素の両方を使用するハイブリッド物理学ベースのデータ駆動型モデルである。この例ではハイブリッドモデル237は、予測に組み込まれたセンサの分布/ノイズが他の項目と共に評価されるように、物理学(リアル・タイム・ソフトウェア)又は測定データを、学習/予測データと組み合わせて単一のモデルにする。
【0069】
モデル233には統計モデル243も存在することができる。統計モデル243は、カルマンフィルタ、拡張カルマンフィルタ、アンセンテッド・カルマン・フィルタ、又は他の適切な統計モデルのうちの少なくとも1つから選択することができる。例えば、測定されている特性の推定値の精度を高めるために、カルマンフィルタをノイズの多いデータと共に使用して測定されているシステムの特性を推定することもできる。
【0070】
未固化複合材料204のいくつかの部分226の予測特性224を決定するときに、複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204のいくつかの部分226について決定された予測特性224のセットを使用して未固化複合材料204のいくつかの部分226の品質レベル230を決定することができる。この例示的な例では、部分226内の異なる部分は、他の部分とは異なる品質レベルを有する可能性がある。
【0071】
品質レベル230の識別を用いて、複合材料マネージャ212は、いくつかの措置241を行うことができる。いくつかの部分226内の各部分に対して識別された品質レベル230に応じて、措置241内の異なる措置を当該部分に対して行うことができる。
【0072】
さらに、センサデータ218に加えて他の情報を、未固化複合材料204のいくつかの部分の予測特性224を決定するために使用することができる。例えば、複合材料マネージャ212によってセンサデータ218と共に上流情報246を使用して、いくつかの部分226の予測特性224を決定することもできる。上流情報246は、強化情報、繊維情報、強化サイジング情報、樹脂情報、剥離ライナー情報、樹脂フィルム情報、又はセンサデータ218と共に未固化複合材料204のいくつかの部分226の予測特性224を決定するために使用することができる他の適切な情報のうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0073】
モデル233は、デジタルツイン203として動作することができ、複合材料マネージャ212によって、未固化複合材料204のいくつかの部分226の予測特性224を決定するために使用することができる。結果として、複合材料製造システム208の箇所209におけるセンサシステム220内のセンサ222の配置は、デジタルツイン203のモデル233によって未固化複合材料204のいくつかの部分226のいくつかの特性228を予測するために使用されるセンサデータ218を提供することができる。モデル233をデジタルツイン203として使用することにより、未固化複合材料204のいくつかの部分226をサンプリングする必要なく、未固化複合材料204のいくつかの部分226の特性228を識別することができる未固化複合材料204のいくつかの部分226のリアルタイム検査及び認証が可能になる。実際の試験が望まれる場合、必要に応じて予測を検証するために、未固化複合材料204の部分226の識別を試験することができる。
【0074】
さらに、異なるタイプのモデル233の任意の組合せを使用して、予測特性224の精度を高めることができる。例えば、センサデータ218を使用して生成された機械学習モデル236から、未固化複合材料204の一部分に対して初期予測特性251の第1のセットを決定することができる。センサデータ218を使用して生成された物理モデル239から、未固化複合材料204の同じ部分に対して初期予測特性251の第2のセットを決定することができる。未固化複合材料204のその部分の予測特性224のセットを、初期予測特性の第1のセットと初期予測特性の第2のセットとの融合から決定することができる。
【0075】
予測特性のセットの決定により、複合材料マネージャ212は、予測特性224のセットを使用して、未固化複合材料204のいくつかの部分226の品質レベル230を決定することができる。品質レベル230は、未固化複合材料204のいくつかの部分226が、いくつかの部分226の製造が完了し、未固化複合材料204のいくつかの部分226が完成した製品227を形成するときに有すると予測又は予期される予測品質レベル232である。
【0076】
複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204のいくつかの部分226に対して予測された品質レベル230に基づいて、いくつかの措置241を行うことができる。この例では、品質レベル230は、未固化複合材料204のいくつかの部分226のいくつかの予測特性224を使用して決定される。例えば、いくつかの措置241は、是正措置291を含むことができる。複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204のいくつかの部分226の品質レベル230に基づいて是正措置291を行うことができる。
【0077】
この図示の例では、未固化複合材料204のいくつかの部分226の製造を完了して完成した製品227を形成する前に是正措置291を行うことができる。例示的な例では、未固化複合材料204のいくつかの部分226の製造を、未固化複合材料204の部分226内の他の部分の前又は後に完了することができる。言い換えると、未固化複合材料204のいくつかの部分226を完成した製品227とすることができる一方で、他の部分は、まだ完成した製品227になっておらず、複合材料製造システム208内で引き続き処理されている。
【0078】
結果として、是正措置291が行われた場合、複合材料部品205を製造するために未固化複合材料204のより多くの部分226を使用することができる。例えば、未固化複合材料204のいくつかの部分226の製造を完了する前に是正措置291を行うことによって、いくつかの部分226の廃棄、再加工、又はリサイクルの少なくとも1つを回避することができる。
【0079】
次に
図3を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の部分の予測特性を使用してとることができる措置のブロック図が図示されている。例示的な例では、複数の図で同じ参照符号を使用することがある。異なる図における参照符号のこの再使用は、異なる図における同じ要素を表す。
【0080】
図示のように、措置241は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、いくつかの部分226の製造が完了されている最中に未固化複合材料204のいくつかの部分226に対して措置241を行うことができる。
【0081】
措置241は、マーキング措置300を含むことができる。図示のように、マーキング措置300は、いくつかの部分226内の未固化複合材料204の部分302を、使用不可304、使用可能306、品質レベル308、及び複合材料部品タイプ310としてマーキングすることを含むことができる。
【0082】
この例では、使用不可304は、複合材料マネージャ212が、部分302の品質レベル230が公差312外にあることに基づいて未固化複合材料204のいくつかの部分226内の未固化複合材料204の部分302を使用不可としてマーキングする措置である。この例では、公差312は、許容可能又は許容範囲内とみなされる部分302の1以上の特性228の範囲又は閾値とすることができる。公差312内にある関心対象の1以上の特性を、部分302の品質レベル308が許容可能であるかどうかを決定するために使用することができる。
【0083】
図示のように、使用可能306は、複合材料マネージャ212が、部分302の品質レベル230が公差312内にあることに基づいて未固化複合材料204のいくつかの部分226内の未固化複合材料204の部分302を使用可能としてマーキングする措置である。品質レベル308は、複合材料マネージャ212が、未固化複合材料204のいくつかの部分226内の未固化複合材料204の部分302を、部分302に対して識別された品質レベルでマーキングする措置である。
【0084】
別の例として、複合材料部品タイプは、複合材料マネージャ212が、未固化複合材料204のいくつかの部分226内の未固化複合材料204の部分302を、部分302を製造に使用できる複合材料部品のタイプの識別でマーキングする措置である。例えば、品質レベルは、部分302が意図されたタイプの複合材料部品の使用に適さないというものであってもよい。しかしながら、品質レベルは、部分302を別のタイプの複合材料部品を製造するために使用できるというものであってもよい。結果として、部分302を、廃棄又はリサイクルするのではなく、引き続き使用することができる。
【0085】
これらの措置の識別を、マーカ314を使用して部分302にマーキングすることができる。マーカ314は、無線周波数(RFID)識別子、マイクロドット、量子ドットのセット、インクマーク、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、又は何らかの他の適切なタイプのマーカなどの識別子とすることができる。マーカ314は、措置を識別することができる。マーキング措置300はまた、マーカ314を使用して部分302に関する情報316を記録することも含むことができる。例えば、情報は、部分302の長さ、未固化複合材料204内の部分302の箇所、品質レベル、予測特性224、貯蔵寿命、又は部分302に関する他の情報を含むことができる。情報316は、部分302の予測特性224から決定することができる。マーカ314及びマーキング措置300はまた、ロール上の位置を記録すること、又はロール上の位置に対する部分302の品質の後の相関のために、
図26に示すようにメモリ2606内の部分302に関する情報316を記録することも含む。この使用の一例は、ロール上の品質を指定する位置情報を、ロール上の特定の位置に印刷出力することである。言い換えると、マーキングは、実際のマーキング部分302自体に加えて、又はその代わりに、品質に関する記録又はログに情報を指示すること又は記録することの少なくとも一方を含むことができる。結果として、マーキングの結果はまた、各ロールに「マーキング」を伴う印刷出力又はサムドライブとすることもできる。
【0086】
この例示的な例では、措置241はまた、是正措置301も含むことができる。是正措置301は、部分302を含むいくつかの部分226に対して行うことができる措置241である。この例示的な例では、いくつかの部分226の予測特性224のセットが未固化複合材料204に対して指定された公差312外にあることに応答して、複合材料マネージャ212によって是正措置301のセット内の是正措置291を行うことができる。
【0087】
これらの是正措置は、未固化複合材料204のいくつかの部分226の製造が完了して完成した製品227を形成したときに予測特性224のセットがいくつかの部分226の公差312内にあるように、いくつかの部分226の予測特性224のセットを変更するために行うことができる。
【0088】
図示のように、是正措置301は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、是正措置301は、調整措置303、変更措置305、又は何らかの他の適切な是正措置のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0089】
例えば、是正措置301内の是正措置291が調整措置303の形態をとる場合、複合材料マネージャ212は、いくつかの部分226の予測特性224のセットが未固化複合材料204に対して指定された公差312外にあることに応答して、複合材料製造システム208におけるパラメータ307のセットを、未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを変更するように調整することができる。
【0090】
この図示の例では、複合材料製造システム208のパラメータのセットは、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、パラメータ307のセットは、速度、トルク、電圧、電流、ギャップ、ニップギャップ、力、引張り、箇所における厚さ、圧力、又は複合材料製造システム208において設定することができる他の適切なパラメータのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0091】
例えば、是正措置291は、複合材料製造システム208におけるパラメータ307のセットを調整することができる。パラメータ307のセットの調整は、未固化複合材料204のいくつかの部分226の予測特性224のセットが、未固化複合材料204の公差312内にあるようにするものとすることができる。
【0092】
さらに別の例では、調整は、予測特性224のセットが、未固化複合材料204の指定された使用に対する公差312を満たす未固化複合材料204のいくつかの部分226の公差312の範囲内に収まらせない場合もある。この図示の例では、未固化複合材料204のいくつかの部分226の予測特性224のセットは、未固化複合材料204の第1のタイプの使用311の第1の公差309外にある。
【0093】
この場合、未固化複合材料204のいくつかの部分226の品質レベル230に基づいて是正措置291を行うことは、複合材料製造システム208におけるパラメータ307のセットを、未固化複合材料204のいくつかの部分226の予測特性224のセットが、未固化複合材料204の第2のタイプの使用315の第2の公差313内にあるように調整することを含む。
【0094】
例えば、第1のタイプの使用311は、未固化複合材料204をスキンパネルにおいて使用するためのものとすることができる。第2のタイプの使用315は、未固化複合材料204を航空機内のモニュメントにおいて使用するためのものとすることができる。
【0095】
このタイプの是正措置291はまた、第1のタイプの使用311の代わりに第2のタイプの使用315のために未固化複合材料204のいくつかの部分を作成するために行うこともできる。言い換えると、この措置は、予測特性224のセットが公差312内にあるときでも行うことができる。結果として、第2のタイプの使用315のための未固化複合材料204の必要が生じたときに、第1のタイプの使用311のために製造された未固化複合材料204の一部を、第2のタイプの使用315に転用することができる。
【0096】
別の例示的な例では、是正措置291は、いくつかの部分226の予測特性224のセットが未固化複合材料204に対して指定された公差312外にあることに応答して、未固化複合材料204のいくつかの部分226の後続部分317の予測特性224のセットが未固化複合材料204の第2の公差313内にあるように、複合材料製造システム208におけるパラメータ307のセットを調整することを含むことができる。このタイプの是正措置は、パラメータ307を変更しても未固化複合材料204のいくつかの部分226が公差312内に入る予測特性224のセットを有しないときに行うことができる。しかしながら、この是正措置は、未固化複合材料204の後の部分が公差312内に入る予測特性224のセットを有するようにするために使用することができる。結果として、この例では、いくつかの部分226に対してマーキング措置が引き続き行われる。
【0097】
別の例示的な例では、是正措置291は、変更措置305内の変更措置とすることができる。例えば、是正措置291は、未固化複合材料204を形成するために使用されるいくつかの原材料319を変更することができる。いくつかの原材料319の変更は、いくつかの部分226の予測特性224のセットが未固化複合材料204に対して指定された公差312外にあることに応答して、後続部分の予測特性224のセットを、未固化複合材料204の公差312内にある未固化複合材料204のいくつかの部分226とすることができるようにするものである。
【0098】
この例示的な例では、原材料319内の原材料は、未固化複合材料204を製造するために複合材料製造システム208によって使用される任意の材料とすることができる。例えば、いくつかの原材料319は、樹脂、紙、フィルム、織物、トウ、スプレッドトウ織物、繊維タイプ、トウサイズ、繊維サイズ、又は未固化複合材料204を製造するために使用される他の材料のうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0099】
いくつかの例示的な例では、複数の是正措置をとることができる。例えば、調整措置と変更措置の両方を行うことができる。
【0100】
1つの例示的な例では、未固化複合材料の特性を要求どおりに迅速に決定できないという問題を克服する1以上の解決策が存在する。1以上の例示的な例は、未固化複合材料の異なる部分の製造が完了する前にそれらの部分の特性を予測することを可能にすることができる。このタイプの予測では、異なる部分をマーキングする、又は他の措置を行うなどの措置が、未固化複合材料の製造が完了した後にサンプルを試験するよりも迅速に行われ得る。
【0101】
コンピュータシステム210は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組合せを使用して、異なる例示的な例で説明したステップ、動作、又は措置のうちの少なくとも1つを行うように構成することができる。結果として、コンピュータシステム210は、コンピュータシステム210内の複合材料マネージャ212が、未固化複合材料の製造が完了する前に、未固化複合材料の製造中に未固化複合材料の特性を予測することを可能にする専用コンピュータシステムとして動作する。未固化複合材料の製造中に未固化複合材料に関するリアルタイムデータを使用することにより、未固化複合材料の製造中に未固化複合材料の予測特性を決定することが可能になる。さらに、機械学習モデルを使用することにより、未固化複合材料の製造が完了する前に未固化複合材料の予測特性を決定することが可能になる。言い換えると、予測特性の決定は、未固化複合材料の製造が完了した後の未固化複合材料のサンプリング及び試験を必要としない。さらに、この決定を、人間のオペレータが、未固化複合材料の製造が完了する前に未固化複合材料の特性の予測を取得するのに十分に迅速に行うことはできない。
【0102】
特に、複合材料マネージャ212は、複合材料マネージャ212のない現在利用可能な一般的なコンピュータシステムと比較して、コンピュータシステム210を専用コンピュータシステムに変換する。
【0103】
例示的な例では、コンピュータシステム210における複合材料マネージャ212の使用により、各工程が、未固化複合材料204の部分226の特性228を予測する際のコンピュータシステム210の性能を高める、未固化複合材料を製造するための実用的なアプリケーションに統合される。言い換えると、コンピュータシステム210内の複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204に対してより迅速に措置241をとることができるように、未固化複合材料204の特性228の予測をリアルタイムで生成するコンピュータシステム210内の複合材料マネージャ212に統合された各工程の実用的なアプリケーションを対象としている。複合材料マネージャ212を使用して、リアルタイムで受信したセンサデータ218からモデル233を使用して予測特性224を生成するこの工程は、未固化複合材料204の製造が完了する前に予測特性224を取得するためにリアルタイムで行うことができ、これは、人間のオペレータが手作業でセンサデータ218を分析する場合には不可能である。
【0104】
この例示的な例では、コンピュータシステム210内の複合材料マネージャ212は、未固化複合材料の製造を完了する前に、プリプレグや樹脂被覆フィルムなどの未固化複合材料の特性を予測することを可能にする。結果として、それらの部分の製造が完了されている最中にそれらの部分に対する措置を行うことができる。
【0105】
例えば、未固化複合材料の異なる部分を、未固化複合材料のそれらの部分の適合性又は品質を指示するために異なる部分が完成されている最中にマーキングすることができる。複合材料マネージャ212は、複合材料製造システム208に対して箇所209内の異なる箇所から取得されたセンサデータ218を使用して、未固化複合材料が製造されている最中に未固化複合材料を管理する実用的なアプリケーションを提供する。予測特性224は、未固化複合材料204の部分226をマーキングするために使用することができる。マーキングは、予測特性224を使用して予測品質レベル232に基づいて行うことができる。
【0106】
このタイプの管理は、ロール全体の品質を決定するためにロール内のプリプレグ材料のサンプルを採取し得る現在の技術とは対照的である。複合材料マネージャ212は、この決定をプリプレグロールの異なる部分に対して行い、かつプリプレグロールが製造されている最中に行うことができる改善策を提供する。結果として、複合材料マネージャ212を使用して未固化複合材料の品質レベル部分を予測して、未固化複合材料を製造するのに必要な時間の短縮が実現される。
【0107】
次に
図4を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料を製造するための製造工程フローの図が示されている。この例では、製造工程フロー400は、未固化複合材料生産工程投入402が未固化複合材料生産物理プラント404とデータ前処理406とに対して行われることから開始する。未固化複合材料生産工程投入402におけるこれらの投入は、材料及び設定408を含む。この例では、材料及び設定408は、未固化複合材料204の製造において使用されるべき材料を識別する情報である。未固化複合材料204がプリプレグである場合、材料は、例えば、繊維タイプ、繊維サイズ、樹脂フィルム仕様、強化情報、繊維情報、強化サイジング情報、樹脂情報、剥離ライナー情報、樹脂フィルム情報、又はプリプレグを製造するために使用される材料に関する他の適切な情報とすることができる。
【0108】
設定は、温度、圧力、引張り、及びプリプレグを製造するための未固化複合材料生産物理プラント404における設定に、又は複合材料製造システムを構成するために使用することができる他の情報などの情報とすることができる。材料及び設定408は、上流情報246の一部とすることができる。
【0109】
材料及び設定408を投入物として、未固化複合材料生産物理プラント404は、製造作業を行って、未固化複合材料204の形態の未固化複合材料生産工程出力410を生成することができる。これらの作業は、プラント内の複合材料製造システムなどの機器を使用して行うことができる。この例では、未固化複合材料204の部分を、未固化複合材料204の部分の製造が完了されている最中に、未固化複合材料生産工程出力410として出力することができる。
【0110】
データ前処理406は、いくつかのモデル233が予測特性224の決定に使用するために未固化複合材料生産工程投入402を処理する、コンピュータシステム210に配置された構成要素とすることができる。例えば、データ前処理406は、材料及び設定408を処理して、いくつかのモデル233に入力される上流情報246を形成することができる。
【0111】
センサ222は、未固化複合材料204が製造されている最中にリアルタイムで未固化複合材料204の製造を監視し、未固化複合材料204が製造されている最中にリアルタイムで複合材料マネージャ212にセンサデータを送信する。複合材料マネージャ212は、センサ222からセンサデータを取得し、そのセンサデータをいくつかのモデル233に送信する。
【0112】
この例では、センサデータを、モデル233内の単一のモデル、又はモデル233内の複数のモデルに送信することができる。いくつかのモデル233が単一のモデルである場合、モデルは機械学習モデルとすることができる。いくつかのモデル233が複数のモデルである場合、それらのモデルは、例えば、2つの機械学習モデル、機械学習モデル及び物理モデル、又はモデルの何らかの組合せとすることができる。モデル233内の複数のモデルが使用される場合、それらのモデルの出力を比較して予測特性224の最良の予測を識別するか、又はそれらのモデルの出力の組合せ若しくは融合を行って予測特性224を形成することができる。
【0113】
モデル233は、予測特性224を生成する。この予測は、未固化複合材料204の製造が完了する前にリアルタイムで行われる。例えば、予測特性224は、その製造が完了していない未固化複合材料204の一部分に対するものとすることができる。言い換えると、その部分が完成した製品として出力される前に、未固化複合材料204のその部分に対する予測特性224を決定することができる。完成した製品は、複合材料部品205を製造するために使用することができる。
【0114】
この例では、予測特性224を使用して、リアルタイム品質記録412の形態で措置241内の1つの措置を行うことができる。この記録は、他の未固化複合材料又は複合材料部品を製造するための追加の製造作業を行うために、未固化複合材料204の部分を追跡するために使用することができる。
【0115】
図2~
図4の複合材料製造環境200の図は、例示的な実施形態を実装することができる方法に対する物理的限定又はアーキテクチャ上の限定を示唆するためのものではない。例示の構成要素に加えて、又は例示の構成要素の代わりに他の構成要素を使用されてもよい。いくつかの構成要素は、不要な場合がある。また、ブロックは、いくつかの機能構成要素を示すために提示されている。これらのブロックのうちの1以上が、例示的な実施形態で実装されるときに異なるブロックに組み合わされても、分割されても、又は組み合わされかつ分割されてもよい。
【0116】
例えば、複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204に加えて1以上の未固化複合材料の特性を予測するために使用することができる。これらの他の未固化複合材料は、複合材料製造システム208に加えて他の複合材料製造システムを使用して製造することができる。さらに、複合材料製造システムを使用して製造される追加の未固化複合材料は、異なるタイプの複合材料製造システムを使用して製造される異なるタイプの未固化複合材料とすることができる。
【0117】
図5及び
図6は、
図2の複合材料製造システム208を実装するために使用することができる複合材料製造システムの例である。これらの複合材料製造システムにセンサシステムを追加することもできるし、又は既存のセンサシステムを、未固化複合材料がこれらの複合材料製造システムによって製造されている最中に未固化複合材料の特性を予測するために必要なセンサデータを生成することができる構成として1以上のセンサを含むように増補することもできる。
【0118】
次に
図5を参照すると、例示的な実施形態による、フィルム加工工程を行うように構成された複合材料製造システムの図が図示されている。複合材料製造システム500は、
図2にブロック形式で示されている。
【0119】
図示のように、複合材料製造システム500は、樹脂がフィルム紙上に被覆されるフィルム加工工程を行うように構成されている。
【0120】
この例では、未フィルム加工紙ロール501が紙503をニップ502に供給する。ニップは、ローラ間にギャップが設定された一対のローラを備える。図示のように、ニップ502は、ローラ504とローラ506との間にギャップ508を有するローラ504とローラ506とを備える。ギャップは、固定することもでき、又は一定の圧力を提供するために変更することもできる。
【0121】
樹脂505は加熱され、ローラ504及びローラ506上に載置された樹脂ダム510内に配置される。樹脂ダム510は、紙503が紙巻き戻し機512によってギャップ508を通してフィルム加工紙ロール511上に引っ張られている間に、樹脂505をギャップ508に供給する。紙503は、樹脂ダム510からの樹脂505がギャップ508で紙503を被覆する際にフィルム加工紙514になる。フィルム加工紙514は、フィルム加工紙ロール511上に回収される。
【0122】
この例示的な例では、フィルム加工紙514の特性を、複合材料製造システム500用のセンサシステムによって生成されたセンサデータを使用して予測することができる。例えば、センサシステムは、紙503の引張り、紙503が移動する速度、ギャップ508のギャップ幅、樹脂ダム510内の樹脂505の樹脂粘度、坪量/目付、及び他のパラメータを測定することができる。ギャップ508のギャップ幅、及び樹脂ダム510内の樹脂の樹脂粘度は、フィルム加工紙514を形成するために紙503上にどれだけの樹脂が被覆されるかに影響を及ぼし得る。樹脂粘度は、液体樹脂の厚さであり、センチポアズ(cP)で通常測定される。
【0123】
樹脂ダム510内の樹脂505の樹脂粘度は、樹脂ダム510内のセンサ520を使用して測定することができる。センサ520は、粘度計とすることができる。ギャップ508のギャップ幅での樹脂粘度の測定を、フィルム加工紙514上の樹脂505の厚さを予測するために使用することができる。別の例として、樹脂粘度を、誘電率測定値を使用して決定することができる。例えば、センサ520は、樹脂ダム510内の樹脂505に振動電圧を印加し、電流を測定することができる。このタイプの測定は、センサ520が振動電圧を印加し、電流を測定するギャップ508の直後に配置されたセンサ522によって行うことができる。この測定値を使用して、フィルム加工紙ロール511上に回収されるフィルム加工紙514上に存在することになる樹脂の量を予測することができる。
【0124】
訓練データセットを作成するとき、センサデータを、フィルム加工紙514上の樹脂の実際の測定値でラベル付けすることができる。例えば、各ロールからの紙を、未フィルム加工紙ロール501の先頭と、フィルム加工紙ロール511の末端とで事前測定することができる。2つのロールの重量を差し引きして重量差を取得して、樹脂の量を決定することができる。この測定は、フィルム加工紙514の部分ではなく、フィルム加工紙514の全体の全樹脂を提供する。一定の面積の紙を切り取り、異なる部分の重さを量るための部分のサンプルを採取することができる。紙の重量は既知であり、その重量を差し引いてサンプルの重量を測定して、樹脂の重量を決定することができる。紙と樹脂の差を識別して、サンプル上の樹脂の量を取得することができる。
【0125】
図6を参照すると、例示的な実施形態による、プリプレグ生産工程を行うように構成された複合材料製造システムの図が図示されている。この例では、複合材料製造システム600は、
図2にブロック形式で示されている複合材料製造システム208の実装形態の別の例である。複合材料製造システム600は、プリプレグの形態の未固化複合材料を製造するように構成されている。プリプレグは、ホット・メルト・プリプレグ工程又は溶媒ベースのプリプレグ工程を使用して製造することができる。
【0126】
図示のように、複合材料製造システム600は、第1フィルム加工ロール 602及び第2フィルム加工ロール604の2つのフィルム加工ロールを有する。これらのロール上のフィルム加工紙は、樹脂付きの紙である。例えば、第1フィルム加工ロール602はフィルム加工紙603の供給源であり、第2フィルム加工ロール604はフィルム加工紙605の供給源である。これらのフィルム加工ロールは、
図5の複合材料製造システム500を使用して製造することができる。
【0127】
この例では、複合材料製造システム600は4つのニップを有する。第1ニップ606は、2つのローラの間に第1ニップギャップ612を有するローラ608及びローラ610を有する。第2ニップ614は、第2ニップギャップ620を有するローラ616及びローラ618を有する。第3ニップ622は、第3ニップギャップ628を有するローラ624及びローラ626を有する。第4ニップ630は、第4ニップギャップ636を有するローラ632及びローラ634を有する。この例示的な例では、これらのニップは、ニップを通って移動する材料に圧力を印加することができる圧搾点として動作する。
【0128】
図示のように、複合材料製造システム600にはホットプレート640及びホットプレート642が存在する。このシステムはまた、コールドプレート644も有する。
【0129】
この例示的な例では、第1ニップ606、第2ニップ614、第3ニップ622、第4ニップ630、ホットプレート640、及びホットプレート642は、設定温度に保たれる。これらの構成要素の各々の温度は、他の構成要素とは別個に設定することができる。言い換えると、第1ニップ606の温度は、第2ニップ614とは異なる温度に設定することができる。
【0130】
この例示的な例では、繊維クリール637が繊維638の供給源である。これらの繊維は、第1ニップ606内に移動される前に、コーム639を通って、スプレッダーバー641上に供給される。
【0131】
図示のように、フィルム加工紙603及びフィルム加工紙605は両方とも、第1フィルム加工ロール602及び第2フィルム加工ロール604からそれぞれ第1ニップ606内に移動する。プリプレグ648が弛まないように、第1フィルム加工ロール602上のブレーキ645はフィルム加工紙603の引張りを維持し、第2フィルム加工ロール604上のブレーキ646はフィルム加工紙605の引張りを維持する。
【0132】
樹脂を有するフィルム加工紙603の側及びフィルム加工紙605の側は、繊維638に面している。この例では、温度及び圧力が第1ニップ606によって印加されて、第1ニップ606において樹脂をフィルム加工紙603及びフィルム加工紙605から繊維638に浸透させる。
【0133】
例えば、第1ニップ606における第1ニップギャップ612の幅は、フィルム加工紙603上とフィルム加工紙605上との樹脂間に挟まれた繊維638に圧力を印加するように選択される。さらに、第1ニップ606用のローラ608及びローラ610は、フィルム加工紙603上及びフィルム加工紙605上の繊維638及び樹脂を加熱するように選択された温度を有する。熱又は圧力の少なくとも一方により樹脂が繊維638に浸透して、繊維638、フィルム加工紙603、及びフィルム加工紙605が第1ニップ606から出るときにプリプレグ648を形成する。
【0134】
その他のニップ、すなわち、第2ニップ614、第3ニップ622、及び第4ニップ630は、プリプレグ648が複合材料製造システム600内をプリプレグロール650まで移動する際に所望の量の圧力及び加熱をもたらすように設定されたニップギャップ及びローラ温度を有することができる。ニップギャップ及びローラ温度は、樹脂の粘度を変化させ、さらに浸透工程の速度を変化させることができる。ホットプレート640は、第1ニップ606と第2ニップ614との間に配置されており、ホットプレート642は、第2ニップ614と第3ニップ622との間に配置されている。このホットプレートは、プリプレグ648がニップ間を移動する際にプリプレグ648を加熱する。コールドプレート644は、第3ニップ622の後、第4ニップ630の前に配置されている。このコールドプレートは、プリプレグ648の温度を低下させることができる。コールドプレート644は、樹脂の粘度を高める温度を低下させて、繊維への樹脂の浸透工程を低減又は停止させることができる。
【0135】
プリプレグ648の幅は、フィルム加工紙605が除去される前にスリッター656によって設定することができる。ローラ652において、フィルム加工紙605が除去され、紙ロール654上に巻き取られる。プリプレグ648はここで、フィルム加工紙603上の樹脂を注入され、プリプレグロール650上に巻き取られた繊維638で構成されている。
【0136】
この例示的な例では、センサは、複合材料製造システム600内の点間の異なる箇所に配置することができる。この例示的な例では、これらの点は、プリプレグ648を製造するために措置を行うことができる処理点とすることができる。これらの処理点は、例えば、第1ニップ606、第2ニップ614、第3ニップ622、第4ニップ630とすることができる。他の処理点は、プリプレグ648を加熱又は冷却するためにプリプレグ648に熱又は冷気が加えられる、ホットプレート640、ホットプレート642、又はコールドプレート644とすることができる。
【0137】
これらの処理点は、プリプレグ648がプリプレグロール650でその最終形態になるまで、プリプレグ648に製造されている最中にプリプレグ648の特性を変化させることができる。センサは、これらの点間に配置することができ、プリプレグロール650におけるプリプレグ648の製造から完成したプリプレグ648の特性を予測するために使用することができる。言い換えると、これらの処理点間のセンサからのセンサデータを用いて、プリプレグロール650の前の複合材料製造システム600内の他の箇所から、プリプレグロール650におけるプリプレグ648の予測特性を決定することができる。
【0138】
例えば、センサ箇所660は、第1ニップ606と第2ニップ614との間に配置されている。別の例として、センサ箇所662は、第2ニップ614と第3ニップ622との間に配置されており、センサ箇所664は、第3ニップ622とホットプレート640との間に配置されている。さらに別の例として、センサ箇所666は、第2ニップ614とホットプレート642との間に配置されている。さらに別の例として、センサ箇所667は、第3ニップ622とコールドプレート644との間に配置されている。
【0139】
この例では、別のセンサ箇所、すなわちセンサ箇所671を、第1フィルム加工ロール602と第1ニップ606との間に配置することができる。別の例として、センサ箇所669は、第4ニップ630とプリプレグロール650との間に配置されている。このセンサ箇所は、その箇所が2つの処理点間にない場合でも使用することができるセンサ箇所の一例である。フィルム加工紙603に関するセンサデータを、プリプレグロール650におけるプリプレグ648の特性を予測する際に使用することができる。
【0140】
この例では、複合材料製造システム600はホット・メルト・フィルム・プリプレグ・システムである。この例示的なプリプレグシステムは、使用可能なプリプレグシステムのタイプを限定するためのものではない。他の例として、バス、スラリー、スプレー、又は他の機構を利用して樹脂を支持繊維に塗布する他のタイプのプリプレグシステムを挙げることができる。
【0141】
次に
図7を参照すると、例示的な実施形態による、複合材料製造システムにおけるセンサ箇所のブロック図が図示されている。この例示的な例では、未固化複合材料702の部分700は、複合材料製造システム708において矢印707の方向に第1の点704から第2の点706まで移動する。
【0142】
この例示的な例では、未固化複合材料702の部分700が第1の点704を通過する際に、第1の点704で未固化複合材料702の部分700に対して措置710のセットを行うことができる。措置710のセットは、未固化複合材料702の製造において行われる1以上の措置とすることができる。この例では、措置710のセットは、加熱すること、圧力を印加すること、引張りを加えること、力を加えること、冷却すること、粘度を変化させること、又は他の適切な措置のうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0143】
例えば、未固化複合材料702がプリプレグ712であり、第1の点704がローラを有するニップなどの箇所構成要素である場合、措置710のセットは、部分700に圧力を加え、加熱することとすることができる。措置710のセットの結果として、第1の点704の後に特性714のセットが存在することになる。特性714のセットは、第1の点704で部分700に対して措置710のセットが行われる前に存在していたものから変化し得る。
【0144】
部分700の特性714のセットは、第1の点704での部分700に対して措置のセットが行われる前に存在していた特性とは異なり得る。言い換えると、第1の点704で行われる措置のセットは、未固化複合材料702の部分700の特性714のセットを変更することができる。
【0145】
未固化複合材料702の部分700に対して措置710のセットを行った後に存在する特性714のセットは、センサ箇所718においてセンサ716のセットを使用して検出することができる。センサ716のセットは、センサデータ722を生成することができる。センサデータ722は、測定値723及びメタデータ725を含むことができる。メタデータ725がセンサデータ722に存在する場合。メタデータ725は、例えば、タイムスタンプ、センサ箇所、センサ識別子、又は測定値723に関する他の適切な情報のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0146】
未固化複合材料702がプリプレグ712である場合、センサデータ722内の測定値723は、部分700などの領域に存在する樹脂の量を決定するために使用することができる。例えば、センサデータ722内の測定値723は、目付とすることができる。存在する樹脂の現在の量は、未固化複合材料702の部分700の製造工程が完了する前に存在することになる樹脂の量を予測するために使用することができる。
【0147】
このセンサデータは、未固化複合材料702の部分700の製造が完了したときに未固化複合材料702の部分700が有することになる特性714を予測するために使用することができる。センサ716のセットは、複合材料製造システム208に対するセンサシステム220内のセンサ222のうちの1以上とすることができる。
【0148】
この例示的な例では、センサ箇所718は、第1の点704の後、第2の点706の前に配置されている。センサ箇所718は、第1の点704で措置710を行うことによって引き起こされた特性714の変化をセンサ716によってセンサデータ722を生成するために測定することができるように、第1の点704に近接した特定の位置にあるように選択することができる。
【0149】
この例では、第2の点706は、未固化複合材料702の部分700に対して別の措置720のセットを行うことができる複合材料製造システム708内の箇所である。第2の点706で行われる措置720のセットは、特性714を変更することができる。
【0150】
結果として、第1の点704と第2の点706との間のセンサ箇所718におけるセンサ716のセットは、第1の点704で部分700に対して措置710を行った後に存在する特性714を測定することができる。この測定は、時間間隔715で行うことができる。例えば、毎秒測定を行うことができる。未固化複合材料702が移動する速度を知ることにより、部分700などの特定の部分719の特性を識別することができる。センサ716のセットは、未固化複合材料702の部分700の製造が完了したときに存在することになる未固化複合材料702の部分700の予測特性を決定する際に使用するために、特性714のセットの測定値からセンサデータ722を生成することができる。
【0151】
次に
図8を参照すると、例示的な実施形態による、複合材料製造システムの一部分の側面図が図示されている。この例示的な例では、第1点800及び第2点802は、
図7の第1の点704及び第2の点706の例である。ローラ804は第1点800に配置されており、ローラ806は第2点802に配置されている。
【0152】
プリプレグ807の形態の未固化複合材料は、矢印809の方向に第1点800から第2点802まで移動する。移動速度は、フィート/秒などの距離/時である。プリプレグ807が移動する速度を知ることにより、部分824が複合材料製造システム内を移動するときのその部分の長さ及び箇所を知ることが可能になる。
【0153】
この例では、センサ808及びセンサ810は、センサ箇所812に位置決めされている。センサ箇所812において、センサ808は、プリプレグ807の上側814に位置決めされている。センサ808は、プリプレグ807の底側816に位置決めされている。
【0154】
この例では、第1点800における引張り820、及び第2点802における引張り822が存在する。さらに、ローラ804は、プリプレグ807がローラ804上を移動する際にプリプレグ807に熱及び圧力を加える。センサ808及びセンサ810は、センサデータを生成するためにプリプレグ807に引張り、熱、及び圧力を加えることからもたらされる、センサ箇所812におけるプリプレグ807の部分824の厚さ及び反射率のリアルタイム測定を行うことができる。
【0155】
次に
図9を参照すると、例示的な実施形態による、複合材料製造システムの一部分の上面図が図示されている。この例では、
図8の例と比較して、異なるセンサの位置決めが存在する。この上面図に図示するように、センサ900は、センサ箇所812におけるプリプレグ807の第1の側902に位置決めされている。センサ904は、第1の側902の反対側の、センサ箇所812におけるプリプレグ807の第2の側906に位置決めされている。
【0156】
この例では、第1点800における引張り820、及び第2点802における引張り822が存在する。さらに、ローラ804は、プリプレグ807がローラ804上を移動する際にプリプレグ807に熱及び圧力を加える。
【0157】
図示のように、センサ900及びセンサ904は、センサデータを生成するためにプリプレグ807の部分824の幅、コンダクタンス、及び静電容量のリアルタイム測定を行うことができる。電気測定値のセンサデータを使用して、樹脂吸収量や幅などのプリプレグ807の部分824の特性を決定することができる。
【0158】
センサ箇所812又は他のセンサ箇所のうちの少なくとも1つからのセンサデータを用いて、プリプレグ807の部分824がプリプレグロールに巻き取られたときなど、プリプレグ807の部分824の製造が完了したときの部分824について、プリプレグ807の部分824の特性の予測を行うことができる。例えば、センサデータを使用して、プリプレグ807の部分824が有することになる、繊維目付(FAW)や吸水などの特性を予測することができる。
【0159】
点、センサ箇所、及びセンサの図は、一実装形態の一例として提供されており、他の例示的な例を実装することができる方法を限定するためのものではない。例えば、別の例示的な例では、単一のセンサのみが存在してもよいし、又は3つ以上のセンサが存在してもよい。さらに、追加のセンサは、センサ箇所812にあってもよいし、又は第1点800と第2点802との間の別のセンサ箇所にあってもよい。
【0160】
さらに別の例として、第1点800及び第2点802は、ローラ804及びローラ806以外のプリプレグ807に対して措置を行う他の構成要素のための箇所とすることができる。例えば、カラー、スプレッダーバー、コーム、カラー、ニップ、巻き戻し機、又は他の構成要素が、第1点800及び第2点802にあってもよい。
【0161】
図10を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の部分の品質レベルを識別するための工程のフローチャートが図示されている。
図10の工程は、ハードウェア、ソフトウェア、又は、その両方で実装することができる。ソフトウェアで実装される場合、工程は、1以上のコンピュータシステムにおいて1以上のハードウェアデバイス内に配置された1以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラムコードの形態をとることができる。例えば、工程は、
図2のコンピュータシステム210の複合材料マネージャ212に実装することができる。
【0162】
図示のように、工程は、複合材料製造システム用のセンサシステムからセンサデータを受信することによって開始し、センサデータは、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に受信される(動作1000)。工程は、センサデータを使用して、複合材料製造システムによる製造から完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを決定する(動作1002)。工程は、未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットに基づいて、未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルを識別する(動作1004)。その後工程は終了する。
【0163】
図11では、例示的な実施形態による、未固化複合材料をマーキングするための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図10の工程の動作内で使用することができる追加の動作の例である。
【0164】
図示のように、工程は、未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行う(動作1100)。その後工程は終了する。
【0165】
次に
図12に、例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差外部分を使用不可としてマーキングする工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図11の動作1100の実装形態の一例である。
【0166】
工程は、未固化複合材料のいくつかの部分内の未固化複合材料のいくつかの部分を、部分の品質レベルが公差外にあることに基づいて使用不可としてマーキングする(動作1200)。その後工程は終了する。
【0167】
次に
図13を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差内部分を使用可能としてマーキングするための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図11の動作1100の実装形態の一例である。
【0168】
工程は、未固化複合材料のいくつかの部分内の未固化複合材料のいくつかの部分を、部分の品質レベルが公差内にあることに基づいて使用可能としてマーキングする(動作1300)。その後工程は終了する。
【0169】
図14を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料のいくつかの部分を品質レベルでマーキングするための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図11の動作1100の実装形態の一例である。
【0170】
工程は、未固化複合材料のいくつかの部分内の未固化複合材料の一部分を品質レベルでマーキングする(動作1400)。その後工程は終了する。
【0171】
次に
図15を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の部分の品質レベルを記録するための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図11の動作1100の実装形態の一例である。
【0172】
工程は、未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルを記録する(動作1500)。その後工程は終了する。
【0173】
図16を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の一部分の予測特性を決定するための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図10の動作1002の一実装形態の一例である。
【0174】
図示のように、工程は、センサデータを使用して生成された機械学習モデルから、未固化複合材料の部分の初期予測特性の第1のセットを決定することから開始する(動作1600)。工程は、センサデータを使用して生成された物理モデルから、未固化複合材料の部分の初期予測特性の第2のセットを決定する(動作1602)。工程は、初期予測特性の第1のセットと初期予測特性の第2のセットとの融合から、未固化複合材料の部分の予測特性のセットを決定する(動作1604)。その後工程は終了する。
【0175】
次に
図17を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の製作を完了する前に未固化複合材料の特性を予測するように機械学習モデルを訓練するための工程のフローチャートが図示されている。
図17の工程は、ハードウェア、ソフトウェア、又は、その両方で実装することができる。ソフトウェアで実装される場合、工程は、1以上のコンピュータシステムにおいて1以上のハードウェアデバイス内に配置された1以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラムコードの形態をとることができる。例えば、工程は、
図2のコンピュータシステム210の複合材料マネージャ212に実装することができる。
【0176】
工程は、データ収集の範囲を設定することから開始する(動作1700)。動作1700において、範囲は、試験モデルを訓練し、検証するのに十分な分解能反復でデータが収集されるように設定される。
【0177】
工程はデータを収集する(動作1702)。この動作では、未固化複合材料の製造から履歴データが収集される。このデータは、センサデータ、上流データ、及び検査データを含むことができる。検査データは、関心対象の特性を決定するために製造された未固化複合材料をサンプリング試験することによって生成される。関心対象のこれらの特性は、未固化複合材料の品質、及び未固化複合材料が特定の用途に適しているかどうかを評価するために使用される。
【0178】
工程は、機械学習モデルのセットを訓練する(動作1704)。動作1704では、訓練のために1以上のモデルタイプを選択することができる。複数のタイプのモデルが選択される場合、どの機械学習モデルが最も正確な予測を提供するかを確認するために評価を行うことができる。
【0179】
動作1704では、訓練で使用するために特性及びパラメータが選択される。特性は、品質、及び未固化複合材料が使用に適しているかどうかを決定する際の関心対象となる未固化複合材料の特性である。パラメータは、選択された特性に対する相関又は影響を有するパラメータとして選択される。言い換えると、パラメータが変化するとき、それらの変化は、未固化複合材料に対して得られる特性に対して影響を及ぼし得る。
【0180】
動作1704はまた、モデル内のハイパーパラメータを、モデルを訓練するために選択されたパラメータ又は変数を実際に最適化する前に設定されるパラメータ又は変数として設定することができる、ハイパーパラメータ最適化も含むことができる。ハイパーパラメータは、例えば、モデル選択を含むことができる。
【0181】
工程は、特性の推定における誤差を決定する(動作1706)。動作1706では、検証データを使用して、特性を予測する際に発生する誤差を決定することができる。
【0182】
次いで、工程は、選択された機械学習モデルが所望のレベルの精度を有するかどうかを決定する(動作1708)。この所望のレベル精度を、試験データとして分割された履歴データの一部分を使用して試験することができる。精度のレベルが存在しない場合、工程は、実験計画法(DOE)を使用して試験データセットを生成する(動作1710)。次いで、工程は動作1702に戻り、実験計画法によって生成されたデータ生成手法を使用してデータを収集する。実験計画法は、訓練を生成するために実験の実行を導く統計的方法である。
【0183】
動作1708を再び参照すると、選択された機械学習モデルが所望のレベルの精度を有する場合には、工程は、未固化複合材料の部分の特性をリアルタイムで予測し、部分の製造を完了する前に未固化複合材料の部分に対して特性が予測される(動作1712)。その後工程は終了する。
【0184】
図18を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の部分に対して是正措置を行うための工程のフローチャートが図示されている。
図18の工程は、ハードウェア、ソフトウェア、又は、その両方で実装することができる。ソフトウェアで実装される場合、工程は、1以上のコンピュータシステムにおいて1以上のハードウェアデバイス内に配置された1以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラムコードの形態をとることができる。例えば、工程は、
図2のコンピュータシステム210の複合材料マネージャ212に実装することができる。
【0185】
図示のように、工程は、複合材料製造システム用のセンサシステムからセンサデータを受信することから開始し、センサデータは、複合材料製造システムによって未固化複合材料の製造中に受信される(動作1800)。工程は、センサデータを使用して未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを決定し、予測特性のセットは、完成した製品として未固化複合材料のいくつかの部分に対するものである(動作1802)。工程は、未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルに基づいて是正措置を行う(動作1804)。その後工程は終了する。
【0186】
図19を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差外部分に対して是正措置を行うための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の実装形態の一例である。
【0187】
図示のように、工程は、いくつかの部分の予測特性のセットが未固化複合材料に対して指定された公差外にあることに応答して、是正措置を行う(動作1900)。その後工程は終了する。
【0188】
次に
図20を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差外部分のパラメータを調整するための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の実装形態の一例である。
【0189】
図示のように、工程は、いくつかの部分の予測特性のセットが未固化複合材料に対して指定された公差外にあることに応答して、複合材料製造システムにおけるパラメータのセットを、未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを変更するように調整する(動作2000)。その後工程は終了する。
【0190】
図21を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差内部分のパラメータを調整するための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の実装形態の一例である。
【0191】
図示のように、工程は、複合材料製造システムにおけるパラメータのセットを、未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットが未固化複合材料の公差内にあるように調整する(動作2100)。その後工程は終了する。
【0192】
次に
図22を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の部分が公差内にあるようにパラメータを調整するための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の実装形態の一例である。
【0193】
図示のように、工程は、複合材料製造システムにおけるパラメータのセットを、未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットが未固化複合材料の第2のタイプの使用のための第2の公差内にあるように調整する(動作2200)。その後工程は終了する。
【0194】
図23を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の後続部分のパラメータを調整するための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の実装形態の一例である。
【0195】
図示のように、工程は、いくつかの部分の予測特性のセットが未固化複合材料に対して指定された公差外にあることに応答して、複合材料製造システムにおけるパラメータのセットを、未固化複合材料のいくつかの部分の後続部分の予測特性のセットが未固化複合材料の公差内にあるように調整する(動作2300)。その後工程は終了する。
【0196】
図24を参照すると、例示的な実施形態による、原材料を変更するための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の実装形態の一例である。
【0197】
図示のように、工程は、いくつかの部分の予測特性のセットが未固化複合材料に対して指定された公差外にあることに応答して、未固化複合材料を形成するために使用されるいくつかの原材料を、未固化複合材料のいくつかの部分の後続部分の予測特性のセットが未固化複合材料の公差内にあるように変更する(動作2400)。その後工程は終了する。
【0198】
次に
図25を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の予測特性を決定するための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図18の工程の動作内で使用することができる追加の動作の例である。
【0199】
図示のように、工程は、センサデータ、機械学習モデル、及び物理モデルを使用して、未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを決定する(動作2500)。その後工程は終了する。
【0200】
異なる図示の実施形態におけるフローチャート及びブロック図は、例示的な実施形態における装置及び方法のいくつかの可能な実装形態のアーキテクチャ、機能性、及び動作を示している。これに関して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、又は動作若しくはステップの一部分のうちの少なくとも1つを表することができる。例えば、ブロックのうちの1以上を、プログラムコード、ハードウェア、又はプログラムコードとハードウェアとの組合せとして実装することができる。ハードウェアで実装される場合、ハードウェアは、例えば、フローチャート又はブロック図における1以上の動作を行うように製造又は構成された集積回路の形態をとることができる。プログラムコードとハードウェアとの組合せとして実装される場合、実装形態はファームウェアの形態をとってもよい。フローチャート又はブロック図の各ブロックは、異なる動作を行う専用ハードウェアシステム、又は専用ハードウェアと専用ハードウェアによって実行されるプログラムコードとの組合せを使用して実装することができる。
【0201】
例示的な実施形態のいくつかの代替の実装形態では、ブロックに記されている1以上の機能は、図に記されている順序から外れて行われてもよい。例えば、場合によっては、連続して示される2つのブロックが実質的に同時に行われてもよいし、又はブロックは、関与する機能性に応じて、時には逆の順序で行われてもよい。また、フローチャート又はブロック図に示されたブロックに加えて、他のブロックが追加されてもよい。
【0202】
次に
図26を参照すると、例示的な実施形態による、データ処理システムのブロック図が図示されている。データ処理システム2600は、
図1のサーバーコンピュータ104、サーバーコンピュータ106、又はクライアントデバイス110を実装するために使用することができる。データ処理システム2600はまた、
図2のコンピュータシステム210を実装するために使用することもできる。この例示的な例では、データ処理システム2600は通信フレームワーク2602を含み、通信フレームワーク2602は、プロセッサユニット2604と、メモリ2606と、永続記憶装置2608と、通信ユニット2610と、入力/出力(I/O)ユニット2612と、ディスプレイ2614との間の通信を提供する。この例では、通信フレームワーク2602は、バスシステムの形態をとる。
【0203】
プロセッサユニット2604は、メモリ2606にロードすることができるソフトウェアのための命令を実行する役割を果たす。プロセッサユニット2604は、1以上のプロセッサを含む。例えば、プロセッサユニット2604は、マルチコアプロセッサ、中央処理装置(CPU)、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)、物理演算ユニット(PPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ、又は何らかの他の適切なタイプのプロセッサのうちの少なくとも1つから選択することができる。さらに、プロセッサユニット2604は、メインプロセッサがセカンダリプロセッサと共に単一のチップ上に存在する、1以上のヘテロジニアス・プロセッサ・システムを使用して実装することができる。別の例示的な例として、プロセッサユニット2604は、単一のチップ上に同じタイプの複数のプロセッサを含む対称型マルチプロセッサシステムとすることができる。
【0204】
メモリ2606及び永続記憶装置2608は、記憶デバイス2616の例である。記憶デバイスは、例えば、限定はしないが、データ、機能形式のプログラムコード、又は他の適切な情報のうちの少なくとも1つなどの情報を、一時的に、永続的に、若しくは一時的と永続的の両方で記憶することができる任意のハードウェアである。記憶デバイス2616はまた、これらの例示的な例においてコンピュータ読み取り可能な記憶デバイスと呼ぶ場合もある。メモリ2606は、これらの例では、例えば、ランダム・アクセス・メモリ、又は任意の他の適切な揮発性若しくは不揮発性の記憶デバイスとすることができる。永続記憶装置2608は、特定の実装形態に応じて様々な形態をとることができる。
【0205】
例えば、永続記憶装置2608は、1以上の構成要素又はデバイスを含んでもよい。例えば、永続記憶装置2608は、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュメモリ、書き換え可能な光ディスク、書き換え可能な磁気テープ、又は上記の何らかの組合せとすることができる。永続記憶装置2608によって使用される媒体は、取り外し可能とすることもできる。例えば、取り外し可能ハードドライブを永続記憶装置2608に使用することができる。
【0206】
通信ユニット2610は、これらの例示的な例では、他のデータ処理システム又はデバイスとの通信を提供する。これらの例示的な例では、通信ユニット2610はネットワーク・インターフェ-ス・カードである。
【0207】
入力/出力ユニット2612は、データ処理システム2600に接続することができる他のデバイスとのデータの出力及び出力を可能にする。例えば、入力/出力ユニット2612は、キーボード、マウス又は何らかの他の適切な入力デバイスのうちの少なくとも1つを介したユーザー入力のための接続を提供することができる。さらに、入力/出力ユニット2612はプリンタに出力を送信することができる。ディスプレイ2614は、ユーザーに情報を表示する機構を提供する。
【0208】
オペレーティングシステム、アプリケーション、又はプログラムのうちの少なくとも1つのための命令を、通信フレームワーク2602を介してプロセッサユニット2604と通信する記憶デバイス2616に配置することができる。異なる実施形態の工程は、メモリ2606などのメモリ内に配置することができるコンピュータ実装命令を使用してプロセッサユニット2604によって行うことができる。
【0209】
これらの命令は、プロセッサユニット2604内のプロセッサが読み出し実行することができるプログラム命令であり、プログラムコード、コンピュータ使用可能なプログラムコード、又はコンピュータ読み取り可能なプログラムコードとも呼ばれる。異なる実施形態におけるプログラムコードを、メモリ2606や永続記憶装置2608などの異なる物理的記憶媒体又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体上に具現化することができる。
【0210】
プログラム命令2618は、選択的に取り外し可能なコンピュータ読み取り可能な媒体2620上に機能的形態で配置されており、プロセッサユニット2604による実行のためにデータ処理システム2600にロードするか又は転送することができる。プログラム命令2618及びコンピュータ読み取り可能な媒体2620は、これらの例示的な例ではコンピュータプログラム製品2622を形成する。例示的な例では、コンピュータ読み取り可能な媒体2620は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2624である。
【0211】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2624は、プログラム命令2618を伝播又は伝送する媒体よりもむしろ、プログラム命令2618を記憶するために使用される物理的な、又は有形の記憶デバイスである。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2624は、本明細書で使用する場合、電波又はその他自由に伝播する電磁波、導波管又は他の伝送媒体を通って伝播する電磁波(例えば、光ファイバーケーブルを通る光パルス)や、配線を介して伝送される電気信号などの一時的な信号自体であると解釈されるべきではない。
【0212】
あるいは、プログラム命令2618は、コンピュータ読み取り可能な信号媒体を使用してデータ処理システム2600に転送することもできる。コンピュータ読み取り可能な信号媒体は信号であり、例えば、プログラム命令2618を含む伝播されたデータ信号とすることができる。例えば、コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、電磁信号、光信号、又は任意の他の適切なタイプの信号のうちの少なくとも1つとすることができる。これらの信号は、無線接続、光ファイバーケーブル、同軸ケーブル、配線、又は任意の他の適切なタイプの接続などの接続部を介して伝送することができる。
【0213】
さらに、本明細書で使用する場合、「コンピュータ読み取り可能な媒体2620」は、単数でも、複数でもよい。例えば、プログラム命令2618は、単一の記憶デバイス又はシステムの形態でコンピュータ読み取り可能な媒体2620に配置することができる。別の例では、プログラム命令2618は、複数のデータ処理システムに分散されたコンピュータ読み取り可能な媒体2620に配置することができる。言い換えると、プログラム命令2618内のある命令を1つのデータ処理システムに配置することができる一方で、プログラム命令2618内の他の命令を複数のデータ処理システムに配置することもできる。例えば、プログラム命令2618の一部分を、サーバーコンピュータ内のコンピュータ読み取り可能な媒体2620内に配置することができる一方で、プログラム命令2618の別の部分を、クライアントコンピュータのセット内に配置されたコンピュータ読み取り可能な媒体2620内に配置することもできる。
【0214】
データ処理システム2600に対して示されている異なる構成要素は、異なる実施形態を実装することができる方法に対してアーキテクチャ上の限定を与えるためのものではない。いくつかの例示的な例では、構成要素のうちの1以上が、別の構成要素に組み込まれてもよいし、又はそうではなく別の構成要素の一部分を形成してもよい。例えば、いくつかの例示的な例では、メモリ2606又はその部分を、プロセッサユニット2604に組み込むこともできる。異なる例示的な実施形態を、データ処理システム2600対して示されている構成要素に加えて、又はそれらの構成要素に代わる構成要素を含むデータ処理システムにおいて実装することができる。
図26に示す他の構成要素が図示の例示的な例とは異なっていてもよい。異なる実施形態を、プログラム命令2618を実行することができる任意のハードウェアデバイス又はシステムを使用して実装することができる。
【0215】
本開示の例示的な実施形態は、
図27に示すような航空機の製造及び保守点検方法2700、並びに
図28に示すような航空機2800との関連で説明され得る。まず
図27を参照すると、例示的な実施形態による、航空機の製造及び保守点検方法が図示されている。生産準備段階において、航空機の製造及び保守点検方法2700は、
図28の航空機2800の仕様及び設計2702と材料調達2704とを含み得る。
【0216】
生産段階においては、
図28の航空機2800の構成要素及び部分組立品の製造2706と、システム統合2708とが行われる。その後、
図28の航空機2800は、認証及び搬送2710を経て、就航中2712の状態にすることができる。顧客による就航中2712に、
図28の航空機2800には、修正、再構成、改修、及び他の整備又は保守点検を含み得る定期的な整備及び保守点検2714が計画される。
【0217】
航空機の製造及び保守点検方法2700の工程の各々は、システムインテグレーター、第三者、運用者、又はこれらの何らかの組合せによって行われ、又は実行され得る。これらの例では、運用者は、顧客であり得る。この説明の目的では、システムインテグレーターは、限定はしないが、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含んでもよく、第三者は、限定はしないが、任意の数の販売会社、下請業者、及び供給業者を含んでもよく、運用者は、航空会社、リース会社、軍事団体、保守点検組織などであってもよい。
【0218】
次に
図28を参照すると、例示的な実施形態が実装され得る航空機が図示されている。この例では、航空機2800は、
図27の航空機の製造及び保守点検方法2700によって生産され、複数のシステム2804及び内部2806を有する機体2802を含み得る。システム2804の例として、推進システム2808、電気システム2810、油圧システム2812、及び環境システム2814のうちの1以上が挙げられる。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。航空宇宙の例が示されているが、異なる例示的な実施形態が自動車産業などの他の産業に適用されてもよい。
【0219】
本明細書において具現化される装置及び方法は、
図27の航空機の製造及び保守点検方法2700の段階のうちの少なくとも1つにおいて採用され得る。
【0220】
1つの例示的な例では、
図27の構成要素及び部分組立品の製造2706において生産される構成要素又は部分組立品を、航空機2800が
図27の就航中2712の状態にある間に生産される構成要素又は部分組立品と同様のやり方で製作又は製造することができる。さらに別の例として、1以上の装置実施形態、方法実施形態、又はそれらの組合せを、
図27の構成要素及び部分組立品の製造2706、システム統合2708などの生産段階において利用することができる。1以上の装置実施形態、方法実施形態、又はそれらの組合せは、航空機2800が就航中2712の状態にあるとき、
図27の整備及び保守点検2714において、又はそれらの両方において利用されもよい。いくつかの異なる例示的な実施形態を使用することにより、航空機2800の組立てが大幅に迅速化され、航空機2800のコストが削減され、又は航空機2800の組立ての迅速化と共に航空機2800のコストも削減される。構成要素及び部分組立品の製造2706又は整備及び保守点検2714の少なくとも一方の間の未固化複合材料の製造における品質向上により、未固化複合材料の製造に必要な時間又はコストの少なくとも一方を削減することができる。未固化複合材料のどの部分が所望の品質レベルを満たすかを決定する能力により、未固化複合材料の廃棄又は再加工を行うことをより少なくすることができる。
【0221】
次に
図29を参照すると、例示的な実施形態による、製品管理システムのブロック図が図示されている。製品管理システム2900は、物理的なハードウェアシステムである。この例示的な例では、製品管理システム2900は、製造システム2902又は整備システム2904の少なくとも一方を含む。
【0222】
製造システム2902は、
図28の航空機2800などの製品を製造するように構成されている。図示のように、製造システム2902は、製造機器2906を含む。製造機器2906は、製作機器2908又は組立機器2910の少なくとも一方を含む。
【0223】
製作機器2908は、
図28の航空機2800を形成するために使用される部品用の構成要素を製作するために使用される機器である。例えば、製作機器2908は、機械及びツールを含むことができる。これらの機械及びツールは、ドリル、油圧プレス、炉、オートクレーブ、金型、複合テープ敷設機、自動繊維配置(AFP)機、真空システム、ロボット・ピック・アンド・プレイス・システム、フラットベッド切断機、レーザーカッター、コンピュータ数値制御(CNC)切断機、旋盤、又は他の適切なタイプの機器のうちの少なくとも1つとすることができる。製作機器2908は、金属部品、複合材料部品、半導体、回路、締め具、リブ、スキンパネル、スパー、アンテナ、又は他の適切なタイプの部品のうちの少なくとも1つを製作するために使用することができる。
【0224】
組立機器2910は、部品を組み立てて
図28の航空機2800を形成するために使用される機器である。特に、組立機器2910は、構成要素及び部品を組み立てて
図28の航空機2800を形成するために使用される。組立機器2910はまた、機械及びツールを含むこともできる。これらの機械及びツールは、ロボットアーム、クローラ、高速設置システム、レールベースの穿孔システム、又はロボットのうちの少なくとも1つであってもよい。組立機器2910は、座席、水平安定板、翼、エンジン、エンジンハウジング、着陸装置システム、及び
図28の航空機2800用の他の部品などの部品を組み立てるために使用することができる。
【0225】
この例示的な例では、整備システム2904は、整備機器2912を含む。整備機器2912は、
図28の航空機2800の整備を行うために必要な任意の機器を含むことができる。整備機器2912は、
図28の航空機2800の部品に対して異なる作業を行うためのツールを含み得る。これらの作業は、部品の分解、部品の改修、部品の検査、部品の再加工、交換部品の製造、又は
図28の航空機2800の整備を行うための他の作業のうちの少なくとも1つを含むことができる。これらの作業は、定期的な整備、検査、アップグレード、改修、又は他のタイプの整備作業用とすることができる。
【0226】
例示的な例では、整備機器2912は、超音波検査デバイス、X線撮像システム、ビジョンシステム、ドリル、クローラ、及び他の適切なデバイスを含み得る。場合によっては、整備機器2912は、整備に必要な部品を生産して組み立てるために、製作機器2908、組立機器2910、又はその両方を含むことができる。
【0227】
製品管理システム2900はまた、制御システム2914も含む。制御システム2914は、ハードウェアシステムであり、ソフトウェア又は他のタイプの構成要素も含み得る。制御システム2914は、製造システム2902又は整備システム2904の少なくとも1つの動作を制御するように構成されている。特に、制御システム2914は、製作機器2908、組立機器2910、又は整備機器2912のうちの少なくとも1つの動作を制御することができる。
【0228】
制御システム2914内のハードウェアは、コンピュータ、回路、ネットワーク、及び他のタイプの機器を含み得るハードウェアを使用して実装することができる。制御は、製造機器2906の直接制御の形態をとってもよい。例えば、ロボット、コンピュータ制御機械、及び他の機器を、制御システム2914によって制御することができる。他の例示的な例では、制御システム2914は、航空機2800の製造又は整備を行う際に人間のオペレータ2916によって行われる作業を管理することができる。例えば、制御システム2914は、人間のオペレータ2916によって行われる作業を管理するために、タスクを割り当て、命令を提供し、モデルを表示し、又は他の動作を行うことができる。これらの例示的な例では、
図2の複合材料マネージャ212を制御システム2914に実装して、
図28の航空機2800の製造又は整備の少なくとも一方に使用するための未固化複合材料の製造を管理することができる。これらの未固化複合材料は、
図28の航空機2800の製造又は整備の少なくとも一方において複合材料部品を製造するために、又は複合材料部品を再加工するために使用することができる。
【0229】
異なる例示的な例では、人間のオペレータ2916は、製造機器2906、整備機器2912、又は制御システム2914のうちの少なくとも1つを操作するか、又は少なくとも1つと対話することができる。この対話は、
図28の航空機2800を製造するために行うことができる。
【0230】
当然ながら、製品管理システム2900は、
図28の航空機2800以外の他の製品を管理するように構成されてもよい。製品管理システム2900を航空宇宙産業における製造に関して説明したが、製品管理システム2900は、他の産業用の製品を管理するように構成することができる。例えば、製品管理システム2900は、自動車産業並びに他の適切な産業用の製品を製造するように構成することができる。
【0231】
例示的な例のいくつかの形態を以下の付記項に記載する。これらの付記項は、形態の例であり、他の例示的な例を限定することを意図するものではない。
【0232】
付記項1
コンピュータシステムと、
コンピュータシステム内の複合材料マネージャと、
を備え、
複合材料マネージャが、
複合材料製造システム用のセンサシステムから、センサデータを受信し、センサデータが複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に受信され、
センサデータを使用して、複合材料製造システムによる製造から完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを決定し、
未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットに基づいて未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルを識別する、ように構成されている、複合材料管理システム。
【0233】
付記項2
複合材料マネージャは、
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行う、
ように構成されている、付記項1に記載の複合材料管理システム。
【0234】
付記項3
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行い、複合材料マネージャは、
部分の品質レベルが公差外にあることに基づいて未固化複合材料のいくつかの部分を使用不可としてマーキングする、
ように構成されている、付記項2に記載の複合材料管理システム。
【0235】
付記項4
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行い、複合材料マネージャは、
部分の品質レベルが公差内にあることに基づいて未固化複合材料のいくつかの部分を使用可能としてマーキングする、
ように構成されている、付記項2又は3に記載の複合材料管理システム。
【0236】
付記項5
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行い、複合材料マネージャは、
未固化複合材料のいくつかの部分を品質レベルでマーキングする、
ように構成されている、付記項2から4のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0237】
付記項6
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行い、複合材料マネージャは、
未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルを記録する、
ように構成されている、付記項2から5のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0238】
付記項7
複合材料製造システムをさらに備える、付記項1から6のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0239】
付記項8
複合材料製造システムは、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合処理システム、樹脂フィルム加工ライン、プリプレグシステム、及びスリット加工システムのうちの1つである、付記項3から7のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0240】
付記項9
センサシステム内のセンサのセットは、複合材料製造システム内の第1の点と第2の点との間に配置されたセンサ箇所にあり、第1の点は、未固化複合材料の一部分が第1の点を通る際に未固化複合材料のその部分に対して措置のセットを行う点である、付記項1から8のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0241】
付記項10
機械学習モデル、をさらに備え、
複合材料マネージャは、センサデータ及び機械学習モデルを使用して未固化複合材料の部分の予測特性のセットを決定する、付記項1から9のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0242】
付記項11
機械学習モデルと、
物理モデルと、
をさらに備え、
複合材料マネージャは、センサデータ、機械学習モデル、及び物理モデルを使用して未固化複合材料の部分の予測特性のセットを決定する、付記項1から10のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0243】
付記項12
複合材料マネージャは、
未固化複合材料の部分の予測特性のセットを決定する際に、
センサデータを使用して生成された機械学習モデルから未固化複合材料の部分の初期予測特性の第1のセットを決定し、
センサデータを使用して生成された物理モデルから未固化複合材料の部分の初期予測特性の第2のセットを決定し、
初期予測特性の第1のセットと初期予測特性の第2のセットとの融合から未固化複合材料の部分の予測特性のセットを決定する、
ように構成されている、付記項11に記載の複合材料管理システム。
【0244】
付記項13
未固化複合材料は、プリプレグ、航空宇宙用グレードのプリプレグ、熱硬化性プリプレグ、熱可塑性プリプレグ、織布プリプレグ、繊維トウプリプレグ、トウプリプレグ、一方向テーププリプレグ、樹脂被覆フィルム、ノンクリンプ織物、又は樹脂混合物のうちの少なくとも1つから選択される、付記項1から12のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0245】
付記項14
センサデータは、構成要素の温度、未固化複合材料の温度、周囲温度、湿度、ローラ速度、未固化複合材料の速度、一対のローラ間の圧力、一対のローラ間のギャップ、未固化複合材料の厚さ、フーリエ変換赤外(FTIR)スペクトル、分光データ、材料の幅、繊維ウェブの幅、材料目付、繊維目付、樹脂粘度、未固化複合材料の寸法の両端の電気測定値、未固化複合材料の寸法の両端の電圧、未固化複合材料の寸法の両端の電磁測定値、未固化複合材料の寸法の両端の音響測定値、引張り、又は複合材料製造システム内の箇所におけるプリプレグの画像のうちの少なくとも1つを含む、付記項1から13のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0246】
付記項15
複合材料マネージャは、強化情報、繊維情報、強化サイジング情報、樹脂情報、剥離ライナー情報、又は樹脂フィルム情報のうちの少なくとも1つから選択された上流情報を受信するように構成されている、付記項1から14のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0247】
付記項16
特性のセットは、プリプレグ繊維目付、プリプレグ樹脂含有量、プリプレグの厚さ、プリプレグ浸透レベル、プリプレグ・タック・レベル、樹脂フィルム目付、樹脂フィルムの厚さ、剥離ライナー目付、剥離ライナーの厚さ、又は積層構造特性のうちの少なくとも1つを含む、付記項1から15のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0248】
付記項17
繊維及び樹脂被覆フィルムからある長さのプリプレグを製造するように動作する炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインと、
センサシステムであって、センサシステムが、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインの動作中に、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインのためのセンサデータを生成するように動作する、センサシステムと、
複合材料マネージャと、
を備え、
複合材料マネージャは、
複合材料製造システム用のセンサシステムからセンサデータを受信し、センサデータが複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に受信され、
センサデータを使用して、複合材料製造システムによる製造から完成したときのプリプレグのいくつかの部分の予測特性のセットを決定し、
未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットに基づいてプリプレグのいくつかの部分の品質レベルを識別する、複合材料管理システム。
【0249】
付記項18
複合材料マネージャは、
未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットに基づいてプリプレグのいくつかの部分の品質レベルを識別する際に、
部分の品質レベルが公差外にあることに基づいてプリプレグのいくつかの部分内のプリプレグの一部分を使用不可としてマーキングする、ように構成されている、付記項17に記載の複合材料管理システム。
【0250】
付記項19
複合材料マネージャは、
未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットに基づいて未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルを識別する際に、
部分の品質レベルが公差内にあることに基づいてプリプレグのいくつかの部分を使用可能としてマーキングする、ように構成されている、付記項17又は18に記載の複合材料管理システム。
【0251】
付記項20
複合材料マネージャは、プリプレグのいくつかの部分の予測特性のセットに基づいてプリプレグのいくつかの部分の品質レベルを識別する際に、
プリプレグのいくつかの部分内のプリプレグの一部分を品質レベルでマーキングする、ように構成されている、付記項17から19のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0252】
付記項21
繊維は、トウ、テープ、及び織布から選択される形態であり、樹脂被覆フィルムは、樹脂被覆紙である、付記項17から20のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0253】
付記項22
未固化複合材料を製造するための方法であって、
方法は、
複合材料製造システム用のセンサシステムからセンサデータを受信するステップであって、センサデータが複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に受信される、ステップと、
センサデータを使用して、複合材料製造システムによる製造から完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを決定するステップと、
未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットに基づいて未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルを識別するステップと、
を含む、方法。
【0254】
付記項23
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行うステップ、をさらに含む、付記項22に記載の方法。
【0255】
付記項24
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行うステップは、
部分の品質レベルが公差外にあることに基づいて未固化複合材料のいくつかの部分内の未固化複合材料の一部分を使用不可としてマーキングするステップ、
を含む、付記項23に記載の方法。
【0256】
付記項25
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行うステップは、
部分の品質レベルが公差内にあることに基づいて未固化複合材料のいくつかの部分内の未固化複合材料の一部分を使用可能としてマーキングするステップ、
を含む、付記項23又は24に記載の方法。
【0257】
付記項26
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行うステップは、
未固化複合材料のいくつかの部分内の未固化複合材料の一部分を品質レベルでマーキングするステップ、
を含む、付記項23から25のいずれか一項に記載の方法。
【0258】
付記項27
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行うステップは、
未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルを記録するステップ、
を含む、付記項23から26のいずれか一項に記載の方法。
【0259】
付記項28
未固化複合材料の一部分の予測特性のセットは、センサデータ、機械学習モデル、及び物理モデルを使用して決定される、付記項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【0260】
付記項29
未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを決定するステップは、
センサデータを使用して生成された機械学習モデルから未固化複合材料の一部分の初期予測特性の第1のセットを決定するステップと、
センサデータを使用して生成された物理モデルから未固化複合材料の該部分の初期予測特性の第2のセットを決定するステップと、
初期予測特性の第1のセットと初期予測特性の第2のセットとの融合から未固化複合材料の該部分の予測特性のセットを決定するステップと、
を含む、付記項22から28のいずれか一項に記載の方法。
【0261】
付記項30
未固化複合材料の一部分の予測特性のセットは、センサデータ及び機械学習モデルを使用して決定される、付記項22から29のいずれか一項に記載の方法。
【0262】
付記項31
複合材料製造システムは、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインである、付記項22から30のいずれか一項に記載の方法。
【0263】
付記項32
未固化複合材料は、プリプレグ、熱硬化性プリプレグ、織布プリプレグ、繊維トウプリプレグ、一方向テーププリプレグ、又は樹脂被覆フィルムうちの少なくとも1つから選択される、付記項22から31のいずれか一項に記載の方法。
【0264】
付記項33
センサデータは、構成要素の温度、未固化複合材料の温度、周囲温度、湿度、ローラ速度、未固化複合材料の速度、一対のローラ間のギャップ、未固化複合材料の厚さ、フーリエ変換赤外(FTIR)スペクトル、繊維ウェブの幅、繊維目付、樹脂粘度、未固化複合材料の寸法の両端の電圧、未固化複合材料の寸法の両端の電気測定値、未固化複合材料の寸法の両端の電磁測定値、未固化複合材料の寸法の両端の音響測定値、引張り、又は複合材料製造システム内の箇所でのプリプレグの画像のうちの少なくとも1つを含む、付記項22から32のいずれか一項に記載の方法。
【0265】
付記項34
未固化複合材料を製造するためのコンピュータプログラム製品であって、コンピュータプログラム製品は、プログラム命令が組み込まれているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み、プログラム命令は、コンピュータシステムに、
複合材料製造システム用のセンサシステムからセンサデータを受信し、センサデータが複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に受信され、
センサデータを使用して、複合材料製造システムによる製造から完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを決定し、
未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットに基づいて未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルを識別する、方法を行わせるためにコンピュータシステムによって実行可能である、コンピュータプログラム製品。
【0266】
したがって、例示的な例は、製造工程が行われている間に、未固化複合材料の製造が完了したときに未固化複合材料が有することになる特性を予測するための方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品を提供する。さらに、例示的な例はまた、これらの予測を使用して是正措置を行って、完成した製品を形成するための製造から完成したときの、未固化複合材料が有することになる特性を変更することもできる。
【0267】
異なる例示的な例では、複合材料マネージャは、製造から完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを決定するための動作を行う。言い換えると、この予測は、未硬化複合材料のいくつかの部分の製造が完了して完成した製品を形成したときの未硬化複合材料の部分に対するものである。
【0268】
結果として、複合材料マネージャ212を使用して未固化複合材料の品質レベル部分を予測して、未固化複合材料を製造するのに必要な費用又は時間の少なくとも一方の削減を実現することができる。さらに、この削減は、公差内にある追加の量の未固化材料が生じるように、未固化複合材料の製造中に是正措置を行うことによっても生じさせることができる。結果として、未固化複合材料の追加の製造、再加工、又は廃棄を削減することができる。
【0269】
一例では、プリプレグなどの未固化複合材料の1以上の特性のリアルタイム予測の改善によって、複合材料製造システム208を複合材料管理システム202によってより高い効率で管理することができる。プリプレグが複合材料製造システム208においてまだ製造又は処理されている間に、特性をリアルタイムで予測することによって、製造中のプリプレグの他の部分が公差外にならないように複合材料製造システム208に対して調整を行うことができる。結果として、未固化複合材料の1以上の特性をリアルタイムで予測することによって、廃棄又はリサイクルされるプリプレグの量を削減することができる。
【0270】
これらの例では、複合材料製造システム208からデータをリアルタイムで受信することができる。言い換えると、センサデータをリアルタイムで受信することは、複合材料製造システム208が未固化複合材料を製造するように動作している最中にセンサデータが受信されることを意味する。センサデータは、意図的な遅延なしに可能な限り迅速にリアルタイムで送信される。センサデータをリアルタイムで分析する際に、このデータは、センサデータが受信されている最中に可能な限り迅速に処理される。
【0271】
この特性の予測は、特性予測システムを使用して行うことができる。この特性予測システムは、複合材料マネージャ212による使用のために複合材料管理システム202に実装することができる。このシステムによって予測される特性を、特性228などの未固化複合材料の特性と呼ぶこともできる。この特性は、プリプレグ繊維目付、プリプレグ樹脂含有量、材料の厚さ、プリプレグの厚さ、プリプレグ浸透レベル、プリプレグ・タック・レベル、樹脂フィルム目付、樹脂フィルムの厚さ、剥離ライナー目付、剥離ライナーの厚さ、積層構造特性、又は他の特性のうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0272】
この例示的な例では、未固化複合材料のいくつかの特性の予測をリアルタイムで行うことができる。
【0273】
次に
図30を参照すると、例示的な実施形態による、特性予測システムのブロック図が図示されている。この例では、特性予測システム3000を、複合材料製造システム3023を使用した未固化複合材料3024の製造中に、完成形態3027の未固化複合材料3024のいくつかの特性3026を予測するために使用することができる。言い換えると、未固化複合材料3024の製造が完了する前に、未固化複合材料3024に対していくつかの特性3026が予測される。1つの例示的な例では、複合材料製造システム3023は、
図2の複合材料製造システム208の一例であり、例えば、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合処理システム、樹脂フィルム加工ライン、プリプレグシステム、スリット加工システム、及び他の適切な複合材料製造システムとすることができる。
【0274】
この例では、特性予測システム3000は、コンピュータシステム3012と、予測マネージャ3014とを備える。
【0275】
図示のように、予測マネージャ3014は、コンピュータシステム3012内に配置されている。予測マネージャ3014は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又は、それらの組合せとして実装することができる。ソフトウェアが使用される場合、予測マネージャ3014によって行われる動作は、プロセッサユニットなどのハードウェア上で動作するように構成されたプログラム命令として実装することができる。ファームウェアが使用される場合、予測マネージャ3014によって行われる動作は、プロセッサユニット上で動作するようにプログラム命令として実装し、データを永続的メモリに記憶することができる。ハードウェアが採用される場合、ハードウェアは、予測マネージャ3014で動作を行うように動作する回路を含むことができる。
【0276】
例示的な例では、ハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又はいくつかの動作を行うように構成された他の適切なタイプのハードウェアのうちの少なくとも1つから選択された形態をとることができる。プログラマブル論理デバイスの場合、いくつかの動作を行うようにデバイスを構成することができる。デバイスは、後で再構成することもできるし、又はいくつかの動作を行うように永続的に構成することもできる。プログラマブル論理デバイスには、例えば、プログラマブル論理アレイ、プログラマブルアレイ論理、フィールドプログラマブル論理アレイ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、及び他の適切なハードウェアデバイスが含まれる。さらに、工程は、無機構成要素と一体化された有機構成要素として実装することもでき、人間を除く有機構成要素から完全に構成することもできる。例えば、工程は、有機半導体内の回路として実装することができる。
【0277】
本明細書で使用する場合、「いくつかの」は、項目に関して使用される場合、1以上の項目を意味する。例えば、「いくつかの動作」は、1つ又はいくつかの動作である。
【0278】
さらに、「のうちの少なくとも1つ」という語句は、項目のリストと共に使用される場合、列挙された項目のうちの1以上の異なる組合せを使用できることを意味し、リスト内の各項目のうちの1つのみが必要とされてもよい。言い換えると、「のうちの少なくとも1つ」は、項目の任意の組合せを意味し、リストからのいくつかの項目が使用されてもよいが、リスト内のすべての項目が必要とされるとは限らない。項目は、特定の物体、物事、又はカテゴリとすることができる。
【0279】
例えば、限定はしないが、「項目A、項目B、又は項目Cのうちの少なくとも1つ」は、項目A、項目A及び項目B、又は項目Bを含み得る。この例はまた、項目A、項目B、及び項目C、又は項目B及び項目Cも含み得る。当然ながら、これらの項目の任意の組合せが存在し得る。いくつかの例示的な例では、「のうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定はしないが、2つの項目A、1つの項目B、及び10の項目C、4つの項目B及び7つの項目C、又は他の適切な組合せとすることができる。
【0280】
コンピュータシステム3012は、物理的なハードウェアシステムであり、1以上のデータ処理システムを含む。コンピュータシステム3012に複数のデータ処理システムが存在する場合、それらのデータ処理システムは、通信媒体を使用して互いに通信する。通信媒体は、ネットワークとすることができる。データ処理システムは、コンピュータ、サーバーコンピュータ、タブレットコンピュータ、又は何らかの他の適切なデータ処理システムのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0281】
図示のように、コンピュータシステム3012は、例示的な例の工程を実装するプログラム命令3018を実行することができるいくつかのプロセッサユニット3016を含む。言い換えると、プログラム命令3018はコンピュータ読み取り可能なプログラム命令である。
【0282】
本明細書で使用する場合、いくつかのプロセッサユニット3016内のプロセッサユニットは、ハードウェアデバイスであり、コンピュータを動作させる命令及びプログラムコードに応答して処理する集積回路上のハードウェア回路などのハードウェア回路から構成される。いくつかのプロセッサユニット3016が工程のためのプログラム命令3018を実行するとき、いくつかのプロセッサユニット3016は、同じコンピュータ内又は異なるコンピュータ内にある1以上のプロセッサユニットであってもよい。言い換えると、工程は、コンピュータシステム3012内の同じか又は異なるコンピュータ上のプロセッサユニット3016間に分散させることができる。
【0283】
さらに、いくつかのプロセッサユニット3016は、同じタイププロセッサユニットとすることもでき、異なるタイプのプロセッサユニットとすることもできる。例えば、いくつかのプロセッサユニット3016は、シングル・コア・プロセッサ、デュアルコアプロセッサ、マルチプロセッサコア、汎用中央処理装置(CPU)、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は何らかの他のタイプのプロセッサユニットのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0284】
この例示的な例では、予測マネージャ3014は、複合材料製造システム3023による未固化複合材料3024の製造中に、複合材料製造システム3023のセンサシステム3021内のセンサ3081からリアルタイムでセンサデータ3020を受信する。
【0285】
これらの例では、センサシステム3021は、いくつかの異なるタイプのセンサ3081を含む。例えば、センサシステム3021は、ベータゲージセンサ、厚さセンサ、幅センサ、温度センサ、速度センサ、ギャップセンサ、光学センサ、フーリエ変換赤外(FTIR)分光計、引張りセンサ、カメラ、サーマルカメラ、光学センサ、重量センサ、化学分光センサ、又は他の適切なタイプのセンサのうちの少なくとも1つから選択されたセンサを備えることができる。センサ3081は、複合材料製造システム3023に統合されたセンサ、又は複合材料製造システム3023に対して配置されたセンサの少なくとも一方から選択することができる。
【0286】
センサ3081は、複合材料製造システム3023に対して箇所3082にある。例えば、センサ3081は、経路3083に沿った箇所3082に位置決めすることができる。この例では、経路3083は、処理が完成形態3027の未固化複合材料3024を製造するために複合材料製造システム3023内で投入材料がとる経路である。
【0287】
この例では、未固化複合材料製造システムは、
図2の複合材料製造システム208、
図4の未固化複合材料生産物理プラント404、
図5のフィルム紙上に樹脂が被覆されるフィルム加工工程を行うように構成された複合材料製造システム500、及び
図6のプリプレグの形態の未固化複合材料を製造するように構成された複合材料製造システム600、又は他のタイプの複合材料製造システムの一例とすることができる。
【0288】
予測マネージャ3014は、モデルシステム3030を使用して、複合材料製造システム3023における未固化複合材料3024の製造中に、完成形態3027の未固化複合材料3024のいくつかの特性3026の初期予測3025をリアルタイムで生成する。この例では、モデルシステム3030は、いくつかの物理モデル3031と、履歴センサデータを使用して訓練されたいくつかの機械学習モデル3032とを含む。
【0289】
いくつかの特性3026は、未固化複合材料3024の1以上の特性である。1つの例示的な例では、いくつかの特性3026は、未固化複合材料3024を評価する際の関心対象である未固化複合材料3024の特性又は属性である。これらの特性は、未固化複合材料3024が複合材料構成要素の製造で使用するための基準又は規格を満たすかどうかを判定するために使用することができる。レベル特性に応じて、未固化複合材料3024は、使用に適する場合も、適さない場合もある。さらに、いくつかの特性3026の値のレベルに応じて、未固化複合材料3024は、異なる用途又は異なる複合材料構成要素の製造に適する場合もある。
【0290】
さらに、例示的な例では、いくつかの特性3026を、未固化複合材料3024の製造中に複合材料製造システム3023内の異なる時間又は箇所で決定することができる。言い換えると、これらの特性は、完成形態3027の未固化複合材料3024に限定されない。
【0291】
この例示的な例では、いくつかの物理モデル3031を、熱モデル、浸透モデル、レオロジーモデル、樹脂の濾過レベルを算出する浸透性モデル、複合プリプレグの厚さの低減を算出する厚さモデル、又は樹脂の濾過レベルを算出する樹脂浸透モデルのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0292】
予測マネージャ3014は、初期予測3025に基づいて、いくつかの特性3026に対してリアルタイムで最終予測3028を決定する。未固化複合材料3024の製造中に最終予測3028をリアルタイムで生成することにより、コントローラ3050は、最終予測3028に基づいて複合材料製造システム3023のいくつかの処理条件3051を調整することができる。この例示的な例では、コントローラ3050は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、コントローラ3050は、
図2の複合材料マネージャ212内の複合材料とすることができる。
【0293】
別の例示的な例では、予測マネージャ3014は、複合材料製造システム3023用のセンサシステム3021からリアルタイムで受信したセンサデータ3020、いくつかの物理モデル3031、及びいくつかの機械学習モデル3032を使用して、複合材料製造システム3023における未固化複合材料3024の製造中にリアルタイムで、完成形態3027の未固化複合材料3024のいくつかの特性3026の初期予測3025を生成する。この例では、いくつかの初期予測3025を生成するために、機械学習モデル3032が履歴センサデータを使用して訓練される。
【0294】
さらに、予測マネージャ3014は、未固化複合材料3024の製造中にリアルタイムで、いくつかの物理モデル3031及び履歴センサデータを使用して訓練されたいくつかの機械学習モデル3032から、完成形態3027の未固化複合材料3024のいくつかの特性3026の初期予測3025の不確実性3011を決定する。言い換えると、センサデータ3020をリアルタイムで受信したことに応答して不確実性3011をリアルタイムで決定することができる。
【0295】
これらの例示的な例では、不確実性3011はいくつかの異なるソースを有する。例えば、不確実性3011は、機械学習モデル3032によって生成された初期予測3025の不確実性であり得る。これらの機械学習モデルは、初期予測が正確である確率を含み得る。この確率は、初期予測の確実性のレベルを指示する。別の例として、物理モデル3031も不確実性を有する可能性がある。例えば、浸透性の物理モデルは、異なる厚さを提供し得る異なる値の範囲を有する可能性がある。この分布は、物理モデル3031によって生成された初期予測3025の不確実性を特定するために使用することができる。
【0296】
別の例として、不確実性がセンサデータ3020に存在する可能性がある。例えば、厚さセンサは、材料の同じ厚さの測定値の範囲を生成することができる。この範囲は、初期予測3025の不確実性3011を特定するために使用することができる。
【0297】
不確実性3011は、異なるソースからのものであり得る。例えば、不確実性3011は、モデル、モデルによって使用されたセンサデータ、又は投入材料のうちの少なくとも1つによって引き起される可能性がある。モデルは、未固化複合材料の特性と一致する特性を予測しない場合がある。この予測は、特性の実際の測定に対する予測とは異なり、その差を使用して、モデルによって行われた予測の不確実性を決定することができる。
【0298】
別の例では、モデルは特性を予測する際に正確であり得るが、モデルによって使用されたセンサデータは不確実性を有する場合がある。例えば、温度センサは、実際の温度とは異なる温度測定値の範囲を生成する場合がある。この分散は、モデル自体が正確であっても、モデルによって行われる特性の予測が未固化複合材料の特性と一致しない原因となり得る不確実性である。
【0299】
さらに、投入材料もまた、指定された値からの不確実性を有する場合がある。例えば、繊維の形態の投入材料のロール重量が不確実性を有する可能性がある。例えば、投入材料の紙重量又は樹脂重量の少なくとも一方に不確実性が存在する可能性がある。
【0300】
不確実性3011を用いて、予測マネージャ3014は、不確実性3011を使用して、いくつかの特性3026の初期予測3025と重み3019を関連付ける。この例では、予測マネージャ3014は、初期予測3025及び初期予測3025と関連付けられた重み3019に基づいて、いくつかの特性3026の最終予測3028を決定する。例えば、いくつかの特性3026の最終予測3028は、投票回帰、スタッキング回帰、バギング推定器、又は複数の候補を融合するか、若しくは複数の候補から最終候補若しくは選択肢を選択するための他のキャノピーのうちの少なくとも1つを使用して、初期予測3025及び初期予測と関連付けられた重み3019を決定したことに基づいて、予測マネージャ3014によって決定することができる。
【0301】
次に
図31を参照すると、例示的な環境による、処理条件についてのブロック図が図示されている。例示的な例では、複数の図で同じ参照符号を使用することがある。異なる図における参照符号のこの再使用は、異なる図における同じ要素を表す。
【0302】
この例示的な例では、未固化複合材料3024の製造を開始する前に、いくつかの処理条件3051及びパラメータが選択のために設定される。これらの処理条件を、事前設定条件と呼ぶこともできる。
【0303】
この例では、いくつかの処理条件3051は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、処理条件3051は、複合材料製造システム3023への投入材料3100又は複合材料製造システム3023のための設定3102の少なくとも一方を含むことができる。
【0304】
これらの例では、投入材料3100は、未固化複合材料3024を製造するための複合材料製造システム3023への投入物として使用することができる異なるタイプの材料を含む。投入材料3100は、樹脂、ある種の繊維、フィルム、いくつかのトウ、又は未固化複合材料3024の製造に使用するために複合材料製造システム3023に投入することができる何らかの他の材料のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0305】
プリプレグを製造するために使用される繊維のタイプは、繊維目付などの特性3026に影響を及ぼす可能性がある。例えば、収率(グラム/メートル)が高い繊維は、他のすべての条件が固定されている場合、収率がより低い繊維と比較してより高い繊維目付(FAW)をもたらす。別の例として、トウを増やすことは、単位面積内により多くの繊維が存在することを意味する。この増加により、製造されたプリプレグの厚さ、繊維目付、樹脂含有量などの特性3026を変化させることができる。
【0306】
さらに、この例では、設定3102は、温度、樹脂溜り温度、速度、周囲温度、ニップギャップ、及びニップローラ間の初期ニップギャップ、圧力、周囲湿度、繊維コーム角度、又は複合材料製造システム3023に対して行うことができる何らかの他の設定のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0307】
この例では、繊維コーム角度は、処理が開始される前に繊維トウ同士がどれだけ近いかを決定する設定3102の一例である。繊維トウが近づくにつれて、単位面積内により多くの繊維が存在する。単位面積内の繊維のこの増加により、より高い繊維目付をもたらすことができる。設定3102、温度は、ニップローラで設定することができる。ニップローラは、繊維を通して樹脂を浸透させるためにプリプレグに圧力を加えるローラ対である。これらのニップローラは内部から加熱され、温度は、プリプレグの製造運転前に設定される。これらの例では、この温度は運転全体を通して固定される。
【0308】
また、この例では、加熱プレート及び冷却プレートで温度が設定される。例えば、2つの加熱プレートを使用して、プリプレグの温度を、樹脂の浸透がより容易になるようなレベルに保つことができる。冷却プレートは、最後のニップローラの後に配置することができる。これらのプレートは、プリプレグを最終製品まで圧延する前にプリプレグを室温まで冷却する。
【0309】
別の設定がライン走行速度であり、これは、ニップローラとプレートの設定温度の設定と関連して設定することができる。速度は、材料が複合材料製造システム内をどれほど速く移動するかの尺度であり、運転中は通常一定である。フィルムのセットオフ及び巻き戻し機に対してライン引張りを設定することができる。運転のために周囲温度及び湿度も設定することができる。
【0310】
次に
図32を参照すると、例示的な実施形態による、センサデータのブロック図が図示されている。図示のように、センサシステム3021によって生成されたセンサデータ3020は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、センサデータ3020は、特性データ3200又は生産データ3202の少なくとも一方とすることができる。1つの例示的な例では、いくつかの特性データは、未固化複合材料3024を評価する際の関心対象であるいくつかの特性3026についてのデータである。
【0311】
この例では、特性データ3200は、製造されているときの未固化複合材料3024に関する情報である。この特性データは、完成形態3027の未固化複合材料3024を製造するために使用される材料を含むことができる。例えば、特性データ3200は、目付、プリプレグ繊維目付(FAW)、プリプレグ樹脂含有量、樹脂材料の樹脂粘度、プリプレグの厚さ、プリプレグ浸透レベル、プリプレグ・タック・レベル、樹脂フィルム目付、樹脂フィルムの厚さ、剥離ライナー目付、剥離ライナーの厚さ、又は未固化複合材料3024を製造する異なる段階中の未固化複合材料3024の他の特性のうちの少なくとも1つを含むことができる。例えば、特性データ3200は、完成形態3027に加えて、複合材料製造システム3023内の異なる箇所における未固化複合材料3024についてのものとすることができる。これらの特性は、未固化複合材料3024を評価するために使用することができる。この評価は、複合材料部品の製造における未固化複合材料3024の使用又は他の用途に対する適合性を識別するために行うことができる。
【0312】
生産データ3202は、材料を処理して完成形態3027の未固化複合材料3024を形成するために使用される工程に関する情報である。例えば、生産データ3202は、温度、引張り、圧力、力、未固化複合材料の厚さ、速度、ギャップ幅、投入物として使用される樹脂の樹脂粘度のうちの少なくとも1つを含むことができる。この例では、生産データ3202は、
図31の設定3102とは異なり得る。設定3102は、複合材料製造システム3023における処理条件を構成又は設定するために使用される設定である。生産データ3202は、設定3102に基づくパラメータの測定値とすることができる。言い換えると、生産データ3202は設定3102とは異なり得る。
【0313】
次に
図33を参照すると、例示的な実施形態による、機械学習モデルのブロック図が図示されている。機械学習モデル3331は、第1の機械学習モデル3301と、第2の機械学習モデル3302と、第3の機械学習モデル3303とを含むことができる。これらの機械学習モデルは、訓練データセット3305内のデータの異なる組合せを使用して予測マネージャ3014によって訓練することができる。
【0314】
図示のように、訓練データセット3305は、履歴センサデータ3307及び履歴処理条件3308などの履歴データ3306を含む。この例では、履歴センサデータ3307は、未固化複合材料を製造するために行われた以前の製造作業から生成又は収集されたデータである。例えば、履歴データ3307は、未固化複合材料の製造中のいくつかの複合材料製造システムからのものとすることができる。いくつかの複合材料製造システムは、訓練された機械学習モデルを使用して追加が行われる複合材料製造システムを含むことができる。
【0315】
この例示的な例では、履歴センサデータ3307は、履歴特性データ3330及び履歴生産データ3332を含み、これらは、未固化複合材料の以前の製造から生成された
図32のセンサデータ3020内の特性データ3200及び生産データ3202とすることができる。履歴処理条件3308は、未固化複合材料の以前の製造から生成された
図31の処理条件3051内の投入材料3100及び設定3102などの履歴投入材料3300及び履歴設定3309とすることができる。
【0316】
これらの例では、履歴データ3306は、同じタイプの複合材料製造システムについてのものである。ホット・メルト・プリプレグ機によって製造された堆積プリプレグの特性を予測するように機械学習モデル3331を訓練する場合、その特性の予測が行われるべきホット・メルト・プリプレグ機と同じタイプの他のホット・メルト・プリプレグ機から履歴データ3306を取得することができる。言い換えると、履歴データ3306は、溶媒ベースのプリプレグ機、又はバス、スラリー、スプレー、若しくは他の機構を利用して支持繊維に樹脂を塗布する他のシステムからの履歴データを含まない場合もある。
【0317】
このデータは、同じタイプの他のホット・メルト・プリプレグ機について特性の予測が行われる実際のホット・メルト・プリプレグ機の少なくとも1つからのものとすることができる。同じタイプとは、それらの他の機械が同じ製造業者、モデル、又は製造工程のタイプからのものであり得ることを意味する。
【0318】
この例示的な例では、第1の機械学習モデル3301は、履歴センサデータ3307を使用して訓練される。第2の機械学習モデル3302は、履歴センサデータ3307及び履歴処理条件3308を使用して訓練される。さらに、この例では、第3の機械学習モデル3303は、履歴処理条件3308及び履歴特性データ3330を使用して訓練される。これらの例では、履歴処理条件3308は、履歴投入材料3300又は履歴設定3309の少なくとも一方を含むことができる。言い換えると、これらのタイプの処理条件の一方又は両方を訓練に使用することができる。
【0319】
履歴特性データ3330は、履歴処理条件3308の使用から存在したいくつかの履歴特性を指示する。1つの例示的な例では、訓練は、履歴処理条件3308、及びそれらの履歴処理条件から生じるいくつかの履歴特性を使用する。言い換えると、第3の機械学習モデル3303を訓練するために使用される訓練データは、履歴処理条件3308、及びそれらの処理条件の使用から生じる履歴特性を含む。
【0320】
次に
図34を参照すると、例示的な実施形態による、複合プリプレグの特性のリアルタイム予測のためのデータフローが図示されている。この例では、このデータフローにおいて、特性予測システム3400を、
図30の特性予測システム3000を使用して実装することができる。
【0321】
この例では、特性予測システム3400は、オンライン物理検知システム3404からセンサデータ3402を受信する。オンライン物理検知システム3404は、プリプレグ機3406からのセンサデータ3402を生成するセンサの集合を備える。この例では、オンライン物理検知システム3404は、
図30のセンサシステム3021の実装形態の一例である。
【0322】
オンライン物理検知システム3404は、プリプレグ機3406上又はプリプレグ機内に統合することができる。このシステムは、例えば、ベータゲージセンサ、厚さセンサ、幅センサ、温度センサ、速度センサ、ギャップセンサ、光学センサ、フーリエ変換赤外(FTIR)分光計、引張りセンサ、及び他の適切なタイプのセンサを含むことができる。これらのセンサは、この材料が製造されているときの複合プリプレグ3407の物理的状態に関するリアルタイムデータとしてセンサデータ3402を生成し、プリプレグ機3406に関するデータも含める。
【0323】
プリプレグ機3406は、複合プリプレグ3407を製造するシステムであり、
図30の複合材料製造システム3023の実装形態の一例である。複合プリプレグ3407は、
図30の未固化複合材料3024の一例である。
【0324】
センサデータ3402を受信したことに応答して、特性予測システム3400は、複合プリプレグ3407のいくつかの重要な特性3408をリアルタイムで予測する。この例では、いくつかの重要な特性3408は、
図30のいくつかの特性3026の一例である。さらに、この例では、重要な特性は、関連するものとして選択されるか、又は複合プリプレグ3407を評価する際に使用される特性である。この例では、いくつかの重要な特性3408を、複合プリプレグ3407の自動非破壊評価に使用することができる。この例示的な例では、いくつかの重要な特性3408は、繊維目付(FAW)、樹脂含有量(RC)、厚さ、浸透のレベル、又はこの材料を評価する際の関心対象である複合プリプレグ3407に関する他の特性のうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0325】
いくつかの重要な特性3408の予測により、プリプレグ機3406の動作を、複合プリプレグ3407が製造されている間にリアルタイムで調整することができる。この例では、特性予測システム3400は、いくつかの措置3450を行うことができる。この例では、いくつかの措置3450は、プリプレグ機3406の動作を調整するためにプリプレグ機3406に命令を送信すること、警告を発すること、プリプレグ機3406によって行われる製造工程を停止すること、又は何らかの他の適切な措置を行うことのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0326】
結果として、複合プリプレグ3407が製造されているときにリアルタイムでこれらの調整を行うことにより、重要な特性3408に対して所望の特性を満たす複合プリプレグ3407の部分を増やすことができる。
【0327】
次に
図35を参照すると、例示的な実施形態による、モデルからの初期予測を使用して複合プリプレグの特性のリアルタイム予測を生成するデータフローが図示されている。この例では、このデータフローは、重要な特性3408のリアルタイム予測を生成するために特性予測システム3400に実装することができる。
【0328】
この例では、モデルは、物理モデル3500、センサデータ3402で訓練された第1の機械学習モデル、センサデータ及び処理条件で訓練された第2の機械学習モデル3502、並びに処理条件3530で訓練された第3の機械学習モデルを含む。図示のように、センサデータで訓練された第1の機械学習モデル3501は、
図33の第1の機械学習モデル3301の一例であり、センサデータ及び処理条件で訓練された第2の機械学習モデル3502は、
図33の第2の機械学習モデル3302の一例であり、処理条件3503で訓練された第3の機械学習モデルは、
図33の第3の機械学習モデル3303の一例である。
【0329】
この例では、センサデータ3402は、物理モデル3500、センサデータで訓練された第1の機械学習モデル3501、センサデータ及び処理条件で訓練された第2の機械学習モデル3502に入力される。この例では、処理条件3530は、センサデータ及び処理条件で訓練された第2の機械学習モデル3502、及び処理条件3503で学習された第3の機械学習モデルに入力される。
【0330】
この例では、処理条件3530は、プリプレグ機3406の全体的な設定を反映する事前設定条件とすることができる。これらの条件は、複合プリプレグ3407の製造が開始する前に設定することができる。これらの設定は、プリプレグ機3406による複合プリプレグ3407の製造中に設定又は調整することができる。この例では、これらの設定は、例えば、樹脂溜りの温度、ニップローラ間の初期ギャップ、周囲温度、周囲湿度、及び繊維コームの角度などの設定とすることができる。これらの処理条件は、通常、特定のプリプレグ生産運転に対して固定される。これらの設定は、より高いコーム角度値などの複合プリプレグ3407の重要な特性3408に大きく影響する可能性があり、より高い繊維目付をもたらすことができる。
【0331】
処理条件3530は、センサで追跡される必要はない。これらの処理条件は、通常、複合プリプレグの製造中に変化しない。処理条件3530は、例えば、プリプレグ機の投入材料又は設定とすることができる。
【0332】
これらの例では、いくつかの異なる処理条件が存在する複合プリプレグの製造からの複数の運転から収集されたデータを使用することができる。このデータは、いくつかの処理条件から生じる重要な特性についてのものとすることができる。複合材料に対して検出された重要な特性及びいくつかの処理条件は、処理条件3530で訓練された第3の機械学習モデルを訓練するために使用するための訓練データセットを形成することができる。
【0333】
例えば、異なる数の繊維トウを使用した運転から得られた複合プリプレグの繊維目付を、処理条件3530で訓練された第3の機械学習モデルを訓練する際に使用することができる。この例では、トウの数及び運転から得られた複合プリプレグの繊維目付が訓練データセットを形成する。例えば、異なる運転における34本の繊維トウ、32本の繊維トウ、及び40本の繊維トウを使用した結果として得られた複合プリプレグの繊維目付を、この機械学習モデルを訓練するために使用される訓練データセット内の訓練データとして収集することができる。
【0334】
別の例では、異なる繊維コーム角度を使用した運転から得られた複合プリプレグの特性について訓練データを収集することができる。例えば、複合プリプレグの特性は、0度の繊維コーム角度及び31度の繊維コームを使用して複合プリプレグを製造する運転から決定することができる。さらに、これらの訓練データセットで訓練された結果として生じる処理条件3530で訓練された第3の機械学習モデルは、入力として処理条件を受け取り、入力された1以上の処理条件に基づいて特性の予測を出力することができる。
【0335】
これらの入力を用いて、モデルは初期予測を生成する。例えば、物理モデル3500は初期予測3561を出力し、センサデータ3402で訓練された第1の機械学習モデルは初期予測3561を出力し、センサデータ及び処理条件で訓練された第2の機械学習モデル3502は初期予測3562を出力し、処理条件3403で訓練された第3の機械学習モデルは初期予測3563を出力する。
【0336】
物理モデル3500は、複合プリプレグの製造のために以前の運転からのデータに依拠しない。例えば、物理モデル3500は、浸透性方程式を実装することができる。この方程式は、初期予測3561として、浸透のレベル又は複合プリプレグの厚さの減少を算出するために使用される。浸透のレベルは、プリプレグの厚さの圧縮又は減少を提供する。浸透のレベルは、乾燥繊維中に浸透した樹脂の量である。厚さのこの特性は、距離又は厚さの割合として定義することができる。このタイプのモデルは、リアルタイムのセンサデータ、及び浸透現象を規定する微分方程式を使用する。
【0337】
この例では、センサデータで訓練された第1の機械学習モデル3501は、以前の複合プリプレグ生産運転中に収集されたセンサデータの履歴を使用して訓練されている。例えば、この機械学習モデルは、以前のプリプレグの実行中に収集された坪量センサの履歴、及び以前の複合プリプレグの分析から得られた繊維目付(FAW)値を使用して訓練されている。一度訓練されると、このモデルは、プリプレグ機3406内のベータゲージセンサから坪量値をリアルタイムで受信し、初期予測3562として繊維目付予測をリアルタイムで出力することができる。
【0338】
さらに、この例示的な例では、センサデータ及び処理条件で訓練された第2の機械学習モデル3502は、以前に実行された複合プリプレグ運転からのセンサデータと事前設定条件の両方を使用して訓練される。例えば、この機械学習モデルは、繊維コーム角度とスリッティング事前設定条件の両方、及び坪量の履歴センサデータで訓練することができる。この訓練により、機械学習モデルは、繊維コーム角度の事前設定条件及び坪量のリアルタイムセンサデータを入力として、繊維目付の初期予測3562をリアルタイムで出力することができる。
【0339】
さらに、これらの例では、処理条件3530で訓練された第3の機械学習モデルは、処理条件及び予測されるべき履歴の重要な特性を使用して訓練されている。例えば、以前に実行された複合プリプレグ生産からの繊維目付の以前の測定値を、この機械学習モデルを訓練するために、それらの運転からの異なる繊維コーム角度と共に使用することができる。
【0340】
この機械学習モデルは、選択された繊維コーム角度に対する繊維目付の初期予測3563を出力する。
【0341】
これらの初期予測は、融合部3506に送られる。融合部3506は、特性予測システム3400に実装することができる。この構成要素は、これらの初期予測をマージ、融合、結合、又は他の方法で使用してリアルタイム予測3507を生成することができる。このリアルタイム予測は、
図30の最終予測3028の一例である。
【0342】
この例では、融合部3506は、異なるモデルからの2つ以上の初期予測の任意の組合せを使用することができる。言い換えると、融合部3506は、これらのモデルからの初期予測の全部又は一部の組合せを使用して、リアルタイム予測3507を生成することができる。
【0343】
例えば、リアルタイム予測の繊維目付及び樹脂含有量が所望の特性であってもよい。この例では、センサデータ3402は、ベータゲージセンサの出力である。ベータゲージセンサのデータは、繊維目付及び樹脂含有量のリアルタイム情報源を得るために、プリプレグ工程で使用された紙及び樹脂の重量と共に物理モデル3500において使用される。さらに、この例では、処理条件3530で訓練された第3の機械学習モデルを、以前に行われたプリプレグ運転の最終品目検査の繊維目付と繊維コーム角度との間に構築することができる。この機械学習モデルから得られる繊維目付予測の初期予測は、繊維コーム角度及び繊維目付に基づくものである。物理モデル3500から得られる樹脂含有量予測は、坪量センサデータに基づくものである。これらの予測は、繊維目付及び樹脂含有量のリアルタイム予測を得るためにこの段階で互いに融合される。
【0344】
融合部3506は、これらの初期予測からリアルタイム予測3507を生成するために、いくつかの異なる技術を実装する。例えば、限定はしないが、融合操作は、複数のモデルからリアルタイム予測3507を生成することができ、いくつかの異なる融合方法を含むことができる。
【0345】
例えば、重要な特性の値の初期予測の平均値が、その形態の異なるモデルを形成する。例えば、2つの機械学習モデル及び1つの物理モデルを用いて、繊維目付の初期予測を得ることができる。これらの予測を、FAW_(ML_1)、FAW_(ML_2)、FAW_PBと呼ぶことができる。融合操作は、FAW_final=(FAW_(ML_1)+FAW_(ML_2)+FAW_PB)/3とすることができる。融合は、異なるモデルからの異なる予測を単一の予測に結合する操作である。
【0346】
さらに、各予測に重み付けして、リアルタイム予測3507を生成する際に異なる予測に異なるレベル及び影響を与えることができる。これは、1つのモデルの初期予測が他のモデルからの初期予測よりも正確で信頼できると考えられる場合に有用になる。これらの重みは、いくつかの方法で決定することができる。例えば、重み付けは、モデルから算出されたユーザー経験又は不確実性に基づくものとすることができる。例えば、ベイズ線形回帰やガウス過程回帰などのベイズ機械学習モデルは、予測だけでなく、予測と関連付けられた不確実性も提供する。
【0347】
これらの不確実性は、予測を重み付けする際に使用することができる。例えば、逆分散重み付けは、複数のモデル予測の融合においてこれらの不確実性を使用することができる。逆分散重み付けは、各モデルの予測をその不確実性に反比例して重み付けする。モデルからの予測の不確実性が高いほど、そのモデルからの予測に低い重み付けが与えられることを意味する。
【0348】
2つのモデル予測の融合では、第1のモデルの不確実性が第2のモデルよりも低い場合、融合の結果は第1のモデルの結果により近くなる。また、異なるモデルからの結果の融合は、単一の操作で行われる必要はない。異なる融合操作を連続して行うことができ、各融合操作は異なるアルゴリズムを使用することができる。
【0349】
例えば、繊維目付の初期予測が2つの機械学習モデル及び1つの物理モデルからのものである場合、逆分散重み付けを使用して、機械学習モデルの結果を単一の繊維目付予測に融合することができる。次いで、この予測を、カルマンフィルタを使用して物理モデルからの繊維目付予測と融合することができる。
【0350】
言い換えると、融合は、異なるモデルからの予測を一緒にして最終予測を得る操作である。したがって、融合部3506による予測は、平均化、逆分散重み付け、カルマンフィルタ、投票回帰器、バギング回帰器、スタッキング回帰器、又は他の適切な技術のうちの少なくとも1つを含むことができる。さらに、この例では、融合部3506によって実装される選択された融合技術をすべてのモデルの予測に適用することもできるし、又は複数のタイプの融合技術を連続的にモデルのサブセットに適用することもできる。
【0351】
図34及び
図35のデータフローの図は、特性予測システムに実装することができるデータフローの一例として提示されており、他の例においてデータフローを実装することができる方法を限定するためのものではない。例えば、融合部3506は、センサデータ3402を、モデルのうちの1つによって行われた初期予測のうちの1つと融合することができる。例えば、厚さのリアルタイム予測3507を、センサデータ3402内の生の厚さを、厚さの減少を予測する浸透性の物理モデル3500と融合することによって得ることができる。
【0352】
次に
図36を参照すると、例示的な実施形態による、リアルタイム厚さ予測のためのデータフローが図示されている。この例では、圧縮モデル3600は物理モデルであり、厚さ機械学習モデル3601は履歴処理条件を使用して訓練された機械学習モデルである。
【0353】
圧縮モデル3600は、温度3611の形式のセンサデータを使用して初期厚さ予測3661を出力する。厚さ機械学習モデル3601は、繊維コーム角度3621の形式の処理条件を使用して訓練された機械学習モデルである。厚さ機械学習モデル3601は、繊維コーム角度3621を入力として初期厚さ予測3662を出力する。
【0354】
この例では、これらの初期厚さ予測は、リアルタイム厚さ予測3671を生成する処理のために融合部3670に送られる。
【0355】
さらに、初期厚さ予測3661を生成するために使用される温度3611などのセンサデータは、プリプレグ機3406内の経路3680の始点3681と終点3682との間の異なる箇所の温度センサによって作成することができる。この例では、繊維3886が経路3680の始点3681で導入され、複合プリプレグ3407が経路3680の終点3682で出力される。
【0356】
経路3680に沿った異なる箇所で温度3611を測定することによって、圧縮モデル3600は、経路3680に沿ったそれらの箇所に対して繊維の初期厚さ予測を生成することができる。
【0357】
例えば、圧縮モデル3600は、プリプレグ機3406内の経路3680に沿った異なる箇所に対して初期厚さ予測3661を生成することができる。これらの異なる予測は、成功までの経路に沿った箇所に配置され得るセンサによる厚さの異なる測定値と融合することができる。
【0358】
この例では、経路3680に沿って温度3611が測定される箇所に応じて、圧縮モデル3600によって生成された初期厚さ予測3661に異なる量の不確実性が存在する可能性がある。例えば、処理されている繊維が複合プリプレグ3407の完成形態により近くなっていくときに、モデルによって使用される測定値が経路3680の終点3682のより近くで取られるようになるにつれて不確実性が減少する可能性がある。
【0359】
この例では、圧縮モデル3600によって行われた初期厚さ予測3661の確実性を決定するために、融合部3670によって厚さ3612を使用することができる。例えば、温度3611が測定された箇所に対応する1以上の箇所で、厚さセンサを使用して厚さ3612の測定値が生成される。これらの厚さを、融合部3670によって、圧縮モデル3600によって生成された初期厚さ予測と比較して、それらの初期予測の不確実性を決定することができる。
【0360】
別の例として、不確実性はまた、経路3680に沿って異なるセンサによって行われた測定の精度が変化するにつれて変化する可能性もある。言い換えると、経路3680に沿った異なるセンサは、センサによって生成されるセンサデータに異なるレベルの不確実性をもたらす異なるレベルの精度を有する可能性がある。この例では、公差外で動作しているセンサは、公差内で動作しているセンサデータを使用して生成された初期予測と比較して、より高いレベルの不確実性を有する初期予測をもたらす。
【0361】
さらに、厚さ機械学習モデル3601もまた、初期厚さ予測3662が正しい確率を出力することができる。この確率もまた、当該予測の不確実性としても使用することができる。結果として、融合部3670は、これらの予測を融合してリアルタイム厚さ予測3671を形成する際に、初期厚さ予測3661及び初期厚さ予測3662の不確実性を使用することができる。
【0362】
したがって、リアルタイム厚さ予測3671は、融合部3670によって、初期厚さ予測3661及び初期厚さ予測3662を融合することによって生成される。これらの例では、これらの予測の融合は、予測の不確実性を考慮に入れる。これらの例では、予測の不確実性は、モデルによって引き起こされる不確実性又は予測に使用されるセンサデータの確実性の少なくとも一方に影響を及ぼす可能性がある。
【0363】
次に
図37を参照すると、例示的な実施形態による、リアルタイム繊維目付予測ためのデータフローが図示されている。この例では、繊維目付物理モデル3700は物理モデルであり、繊維目付機械学習モデル3702は、繊維コーム角度の形式の履歴処理条件を使用して訓練された機械学習モデルである。
【0364】
この例では、繊維目付物理モデル3700は、ベータゲージセンサ3750から坪量3711を受信したことに応答して、初期繊維目付予測3761をリアルタイムで出力する。このモデルは、坪量3711から樹脂及び紙の重量を減算して、初期繊維目付予測を生成する。
【0365】
繊維目付機械学習モデル3702は、繊維コーム角度、及びそれらの角度を使用して測定された結果として得られた繊維角度重みを使用して訓練されている。繊維目付機械学習モデル3702は、入力として繊維コーム角度3721の形式の処理条件を受け取ったことに応答して、初期繊維目付予測3762を出力する。
【0366】
これらの初期目付予測は、融合部3670によって受け取られる。この融合構成要素は、これらの初期予測を使用して、リアルタイム繊維目付予測3771を生成する。
【0367】
この例では、ベータゲージセンサの読み取り値は不確実性を有する。ベータゲージセンサの読み取り値及び不確実性は、それぞれ、β及び
【数1】
で表される。フィルムロール重量(RW
1,RW
2)は、紙重量及び樹脂重量を含む。これらのフィルムロール重量も不確実性を有する可能性がある。物理モデル(FAW
M1)及び不確実性による繊維目付の予測、物理モデルの
【数2】
は、以下の通りである。
FAW
M1=β-RW
1-RW
2
【数3】
【0368】
次に
図38を参照すると、例示的な実施形態による、リアルタイム繊維目付予測のためのデータフローが図示されている。この例では、繊維目付機械学習モデル3800及び繊維目付機械学習モデル3801が、初期繊維目付予測を生成するために使用される。
【0369】
図示のように、繊維目付機械学習モデル3800は、入力として坪量3711を受け取ったことに応答して初期繊維目付予測3861を出力するように訓練されている。坪量3711は、ベータゲージセンサ3650からリアルタイムで受信される。この例では、繊維目付機械学習モデル3801は、カメラ3651からプリプレグ幅3616をリアルタイムで受信したことに応答して初期繊維目付予測3862を出力するように訓練されている。
【0370】
これらの初期予測は、融合部3670に送られる。この構成要素は、これらの初期予測を使用してリアルタイム繊維目付予測3871を生成する。
【0371】
この例では、ベータゲージセンサ3650及びカメラ3651は、プリプレグ機3406内の経路3680に沿った異なる箇所にあってもよい。この例では、ベータゲージセンサ3650はベータゲージセンサ箇所3850にあり、カメラ3651は経路3680に沿ったカメラ箇所3851にある。この例では、カメラ3651は、ベータゲージセンサ3650よりも経路3680内で先に配置されている。
【0372】
この例では、初期予測は、これらのモデルによってリアルタイムで行われ、タイムスタンプを使用して互いに相関させることができる。例えば、樹脂が経路3680に沿って移動する速度で、経路3680の特定の部分の箇所を追跡することができる。結果として、繊維のその特定の部分について繊維目付機械学習モデル3800及び繊維目付機械学習モデル3801によって行われた樹脂のその部分内の繊維の初期予測を、互いに相関させることができる。結果として、リアルタイム繊維目付予測3871を形成するために融合部3670によって行われる初期予測の融合は、繊維の同じ部分に対して行われる。
【0373】
図36~
図38の機械学習モデルのデータフローの図は、厚さや繊維目付などの特性のリアルタイム予測を生成するために使用することができるボトルのいくつかの組合せの例である。これらの図は、他の例示的な例を実装することができる方法を限定するためのものではない。
【0374】
例えば、モデルの組合せを使用することができ、他のタイプの特性を予測することができる。例えば、2つの物理モデル及び1つの機械学習モデルを使用して、重要な特性を予測することができる。別の例では、4つの物理モデル及び2つの機械学習モデルを使用して、重要な特性を予測することができる。
【0375】
さらに別の例示的な例では、モデルは、2つ以上の重要な特性を予測することができる。さらに、樹脂粘度及び樹脂含有量を含む繊維目付及び厚さに加えて、又はその代わりに、他のタイプの重要な特性を予測することもできる。
【0376】
図39を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料のいくつかの特性を予測するための工程のフローチャートが図示されている。
図39の工程は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実装することができる。ソフトウェアで実装される場合、工程は、1以上のコンピュータシステムにおいて1以上のハードウェアデバイス内に配置された1以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラムコードの形態をとることができる。例えば、工程は、
図30のコンピュータシステム3012内の予測マネージャ3014に実装することができる。
【0377】
工程は、未固化複合材料の製造中に複合材料製造システム用のセンサシステムからリアルタイムで受信したセンサデータ、いくつかの物理モデル、及びいくつかの機械学習モデルを使用して、複合材料製造システムにおける未固化複合材料の製造中にリアルタイムで完成形態の未固化複合材料のいくつかの特性の初期予測を生成し、いくつかの機械学習モデルは、センサデータを使用していくつかの初期予測を生成するように訓練される(動作3900)。工程は、未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、いくつかの物理モデル及びいくつかの機械学習モデルから、完成形態の未固化複合材料のいくつかの特性の初期予測の不確実性を決定する(動作3902)。
【0378】
工程は、不確実性を使用していくつかの特性の初期予測と重みを関連付ける(動作3904)。工程は、初期予測及び初期予測と関連付けられた重みに基づいていくつかの特性の最終予測を決定する(動作3906)。その後工程は終了する。
【0379】
次に
図40を参照すると、例示的な実施形態による、処理条件を調整するための工程のフローチャートが図示されている。この図に示す工程は、
図39の動作と共に行うことができる追加の動作の一例である。
【0380】
工程は、最終予測に基づいて複合材料製造システムのいくつかの処理条件を調整する(動作4000)。その後工程は終了する。動作4000において、いくつかの処理条件は、複合材料製造システムに投入される材料、複合材料製造システムの設定の少なくとも一方から選択することができる。
【0381】
図41を参照すると、例示的な実施形態による、最終予測を決定するための工程のフローチャートが図示されている。この図の工程は、
図39の動作3906のための実装形態の一例である。
【0382】
工程は、投票回帰、スタッキング回帰、又はバギング推定器のうちの少なくとも1つを使用して、初期予測及び初期予測と関連付けられた重みに基づいていくつかの特性の最終予測を決定する(動作4100)。その後工程は終了する。
【0383】
次に
図42を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料のいくつかの特性を予測するための工程のフローチャートが図示されている。
図42の工程は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実装することができる。ソフトウェアで実装される場合、工程は、1以上のコンピュータシステムにおいて1以上のハードウェアデバイス内に配置された1以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラムコードの形態をとることができる。例えば、工程は、
図30のコンピュータシステム3012内の予測マネージャ3014に実装することができる。
【0384】
工程は、未固化複合材料の製造中に複合材料製造システムからリアルタイムでセンサデータを受信する(動作4200)。工程は、いくつかの物理モデル、及びデータを使用して訓練されたいくつかの機械学習モデルを使用して、複合材料製造システムにおける未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、完成形態の未固化複合材料のいくつかの特性の初期予測を生成する(動作4202)。
【0385】
工程は、初期予測に基づいていくつかの特性に対してリアルタイムで最終予測を決定する(動作4204)。その後工程は終了する。
【0386】
例示的な例のいくつかの形態を以下の付記項に記載する。これらの付記項は、形態の例であり、他の例示的な例を限定することを意図するものではない。
【0387】
付記項1
コンピュータシステムと、
コンピュータシステムに配置された予測マネージャと、
を備え、
予測マネージャが、
未固化複合材料の製造中に複合材料製造システム用のセンサシステムからリアルタイムで受信したセンサデータ、いくつかの物理モデル、及びいくつかの機械学習モデルを使用して、複合材料製造システムにおける未固化複合材料の製造中にリアルタイムで完成形態の未固化複合材料のいくつかの特性の初期予測を生成し、いくつかの機械学習モデルが、センサデータを使用していくつかの初期予測を生成するように訓練され、
未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、いくつかの物理モデル及びいくつかの機械学習モデルから、完成形態の未固化複合材料のいくつかの特性の初期予測の不確実性を決定し、
不確実性を使用していくつかの特性の初期予測と重みを関連付け、
初期予測及び初期予測と関連付けられた重みに基づいていくつかの特性の最終予測を決定する、
ように構成されている、特性予測システム。
【0388】
付記項2
最終予測に基づいて複合材料製造システムのいくつかの処理条件を調整するように構成されているコントローラ
をさらに備える、付記項1に記載の特性予測システム。
【0389】
付記項3
いくつかの処理条件は、複合材料製造システムに投入される材料、複合材料製造システムの設定の少なくとも一方から選択される、付記項2に記載の特性予測システム。
【0390】
付記項4
いくつかの物理モデルは、熱モデル、浸透モデル、レオロジーモデル、樹脂の濾過レベルを算出する浸透性モデル、複合プリプレグの厚さの低減を算出する厚さモデル、又は樹脂の濾過レベルを算出する樹脂浸透モデルのうちの少なくとも1つから選択される、付記項1から3のいずれか一項に記載の特性予測システム。
【0391】
付記項5
いくつかの機械学習モデルは、未固化複合材料の製造中にいくつかの複合材料製造システムからの履歴センサデータを使用して訓練された第1の機械学習モデル、履歴センサデータ及び履歴処理条件を使用して訓練された第2の機械学習モデル、又は履歴処理条件及びいくつかの履歴特性を使用して訓練された第3の機械学習モデルのうちの少なくとも1つから選択される、付記項1から4のいずれか一項に記載の特性予測システム。
【0392】
付記項6
不確実性は、初期予測の生成の一部としていくつかの機械学習モデルによって生成される、付記項1から5のいずれか一項に記載の特性予測システム。
【0393】
付記項7
予測マネージャは、
最終予測を決定する際に、
投票回帰、スタッキング回帰、又はバギング推定器のうちの少なくとも1つを使用して、初期予測及び初期予測と関連付けられた重みに基づいていくつかの特性の最終予測を決定する、
ように構成されている、付記項1から6のいずれか一項に記載の特性予測システム。
【0394】
付記項8
いくつかの特性は、繊維目付、樹脂含有量、プリプレグの厚さ、プリプレグ浸透レベル、プリプレグ・タック・レベル、プリプレグ繊維目付、樹脂フィルム目付、樹脂フィルムの厚さ、剥離ライナー目付、剥離ライナーの厚さ、又は積層構造特性のうちの少なくとも1つから選択される、付記項1から7のいずれか一項に記載の特性予測システム。
【0395】
付記項9
センサデータは、特性データ及び生産データを含む、付記項1から8のいずれか一項に記載の特性予測システム。
【0396】
付記項10
複合材料製造システムは、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合処理システム、樹脂フィルム加工ライン、プリプレグシステム、及びスリット加工システムのうちの1つである、付記項1から9のいずれか一項に記載の特性予測システム。
【0397】
付記項11
特性予測システムであって、
コンピュータシステムと、
コンピュータシステムに配置された予測マネージャと、
を備え、
予測マネージャが、
未固化複合材料の製造中に複合材料製造システム用のセンサシステムからリアルタイムでセンサデータを受信し、
いくつかの物理モデル、及びセンサデータを使用して初期予測を生成するように訓練されたいくつかの機械学習モデルを使用して、複合材料製造システムにおける未固化複合材料の製造中にリアルタイムで完成形態の未固化複合材料のいくつかの特性の初期予測を生成し、
初期予測に基づいていくつかの特性に対してリアルタイムで最終予測を決定する、
ように構成されている、特性予測システム。
【0398】
付記項12
予測マネージャは、
未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、いくつかの物理モデル及びいくつかの機械学習モデルから、未固化複合材料のいくつかの特性の初期予測の不確実性を受け取り、
不確実性を使用していくつかの特性の初期予測と重みを関連付ける、ように構成され、
予測マネージャが、
最終予測を決定する際に、
初期予測及び初期予測と関連付けられた重みに基づいていくつかの特性の最終予測を決定する、ように構成されている、付記項11に記載の特性予測システム。
【0399】
付記項13
いくつかの物理モデルは、熱モデル、浸透モデル、レオロジーモデル、樹脂の濾過レベルを算出する浸透性モデル、複合プリプレグの厚さの低減を算出する厚さモデル、又は樹脂の濾過レベルを算出する樹脂浸透モデルのうちの少なくとも1つから選択される、付記項11又は12に記載の特性予測システム。
【0400】
付記項14
いくつかの機械学習モデルは、未固化複合材料の製造中にいくつかの複合材料製造システムからの履歴センサデータを使用して訓練された第1の機械学習モデル、履歴センサデータ及び履歴処理条件を使用して訓練された第2の機械学習モデル、又は履歴処理条件及びいくつかの履歴特性を使用して訓練された第3の機械学習モデルのうちの少なくとも1つから選択される、付記項11から13のいずれか一項に記載の特性予測システム。
【0401】
付記項15
未固化複合材料のいくつかの特性を予測するための方法であって、方法は、
未固化複合材料の製造中に複合材料製造システム用のセンサシステムからリアルタイムで受信したセンサデータ、いくつかの物理モデル、及びいくつかの機械学習モデルを使用して、複合材料製造システムにおける未固化複合材料の製造中にリアルタイムで完成形態の未固化複合材料のいくつかの特性の初期予測を生成するステップであって、いくつかの機械学習モデルが、センサデータを使用していくつかの初期予測を生成するために履歴センサデータを使用して訓練される、ステップと、
未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、いくつかの物理モデル及びいくつかの機械学習モデルから、完成形態の未固化複合材料のいくつかの特性の初期予測の不確実性を決定するステップと、
不確実性を使用していくつかの特性の初期予測と重みを関連付けるステップと、
初期予測及び初期予測と関連付けられた重みに基づいていくつかの特性の最終予測を決定するステップと、
を含む、方法。
【0402】
付記項16
最終予測に基づいて複合材料製造システムのいくつかの処理条件を調整するステップ、をさらに含む、付記項15に記載の方法。
【0403】
付記項17
いくつかの処理条件は、複合材料製造システムに投入される材料、複合材料製造システムの設定の少なくとも一方から選択される、付記項16に記載の方法。
【0404】
付記項18
いくつかの物理モデルは、熱モデル、浸透モデル、レオロジーモデル、樹脂の濾過レベルを算出する浸透性モデル、複合プリプレグの厚さの低減を算出する厚さモデル、又は樹脂の濾過レベルを算出する樹脂浸透モデルのうちの少なくとも1つから選択される、付記項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【0405】
付記項19
いくつかの機械学習モデルは、履歴センサデータを使用して訓練された第1の機械学習モデル、履歴センサデータ及び履歴処理条件を使用して訓練された第2の機械学習モデル、又は履歴処理条件及びいくつかの履歴特性を使用して訓練された第3の機械学習モデルのうちの少なくとも1つから選択される、付記項15から18のいずれか一項に記載の方法。
【0406】
付記項20
履歴センサデータは、履歴データ及び生産データを含む、付記項19に記載の方法。
【0407】
付記項21
不確実性は、いくつかの機械学習モデルによって初期予測の生成の一部として生成される、付記項15から20のいずれか一項に記載の方法。
【0408】
付記項22
最終予測を決定するステップは、
投票回帰、スタッキング回帰、又はバギング推定器のうちの少なくとも1つを使用して、初期予測及び初期予測と関連付けられた重みに基づいていくつかの特性の最終予測を決定するステップ、
を含む、付記項15から21のいずれか一項に記載の方法。
【0409】
付記項23
いくつかの特性は、繊維目付、樹脂含有量、プリプレグの厚さ、プリプレグ浸透レベル、プリプレグ・タック・レベル、プリプレグ繊維目付、樹脂フィルム目付、樹脂フィルムの厚さ、剥離ライナー目付、剥離ライナーの厚さ、又は積層構造特性のうちの少なくとも1つから選択される、付記項15から22のいずれか一項に記載の方法。
【0410】
付記項24
センサデータは、特性データ及び生産データを含む、付記項15から23のいずれか一項に記載の方法。
【0411】
付記項25
複合材料製造システムは、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合処理システム、樹脂フィルム加工ライン、プリプレグシステム、及びスリット加工システムである、付記項15から24のいずれか一項に記載の方法。
【0412】
付記項26
未固化複合材料のいくつかの特性を予測するための方法であって、
方法は、
未固化複合材料の製造中の複合材料製造システムからリアルタイムでセンサデータを受信するステップと、
いくつかの物理モデル及びデータを使用して訓練されたいくつかの機械学習モデルを使用して、複合材料製造システムにおける未固化複合材料の製造中にリアルタイムで完成形態の未固化複合材料のいくつかの特性の初期予測を生成するステップと、
初期予測に基づいていくつかの特性に対してリアルタイムで最終予測を決定するステップと、
を含む、方法。
【0413】
異なる例示的な実施形態の説明は、例示及び説明を目的として提示しており、網羅的であることも、開示の形態の実施形態に限定することも意図するものではない。異なる例示的な例は、措置又は動作を行う構成要素を説明している。例示的な実施形態では、構成要素を、記載の措置又は動作を行うように構成することができる。例えば、構成要素は、例示的な例において構成要素によって行われるものとして説明されている措置又は動作を行う能力を構成要素に与える構造の構成又は設計を有することができる。さらに、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「含有する(contains)」という用語、及びそれらの変形は、本明細書で使用される限りにおいて、いかなる追加要素又は他の要素も排除しないオープンな移行語としての「備える(comprises)」という用語と同様に包括的であることを意図されている。
【0414】
当業者には多くの修正及び変形が明らかであろう。さらに、異なる例示的な実施形態は、他の望ましい実施形態と比較して異なる形態を提供する場合がある。選択された1以上の実施形態は、実施形態の原理、実用的応用を最もよく説明すると共に、当業者が、企図される特定の用途に適した様々な修正を伴う様々な実施形態のために本開示を理解することを可能にするために選択され、説明されている。
【符号の説明】
【0415】
100 ネットワークデータ処理システム、102 ネットワーク、104 サーバーコンピュータ、106 サーバーコンピュータ、108 記憶ユニット、110 クライアントデバイス、112 クライアントコンピュータ、114 クライアントコンピュータ、116 クライアントコンピュータ、118 プリプレグシステム、120 タブレットコンピュータ、122 スマートグラス、130 複合材料製造施設、132 複合材料マネージャ、134 センサデータ、136 コマンド、138 機械学習モデル、200 複合材料製造環境、202 複合材料管理システム、203 デジタルツイン、204 未固化複合材料、205 複合材料部品、208 複合材料製造システム、209 箇所、210 コンピュータシステム、212 複合材料マネージャ、214 プロセッサユニット、216 プログラム命令、218 センサデータ、220 センサシステム、222 センサ、224 予測特性、226 部分、227 完成した製品、228 特性、230 品質レベル、232 予測品質レベル、233 モデル、234 機械学習モデル、235 物理モデル、236 機械学習モデル、237 ハイブリッドモデル、239 物理モデル、240 訓練データセット、241 措置、242 履歴センサデータ、243 統計モデル、244 履歴特性、245 履歴上流情報、246 上流情報、251 初期予測特性、255 完成した製品、291 是正措置、300 マーキング措置、301 是正措置、302 部分、303 調整措置、304 使用不可、305 変更措置、306 使用可能、307 パラメータ、308 品質レベル、309 第1の公差、310 複合材料部品タイプ、311 第1のタイプの使用、312 公差、313 第2の公差、314 マーカ、315 第2のタイプの使用、316 情報、317 後続部分、319 原材料、400 製造工程フロー、402 未固化複合材料生産工程投入、404 未固化複合材料生産物理プラント、406 データ前処理、408 材料及び設定、410 未固化複合材料生産工程出力、412 リアルタイム品質記録、500 複合材料製造システム、501 未フィルム加工紙ロール、502 ニップ、503 紙、504 ローラ、505 樹脂、506 ローラ、508 ギャップ、510 樹脂ダム、511 フィルム加工紙ロール、512 紙巻き戻し機、514 フィルム加工紙、520 センサ、522 センサ、600 複合材料製造システム、602 第1フィルム加工ロール、603 フィルム加工紙、604 第2フィルム加工ロール、605 フィルム加工紙、606 第1ニップ、608 ローラ、610 ローラ、612 第1ニップギャップ、614 第2ニップ、616 ローラ、618 ローラ、620 第2ニップギャップ、622 第3ニップ、624 ローラ、626 ローラ、628 第3ニップギャップ、630 第4ニップ、632 ローラ、634 ローラ、636 第4ニップギャップ、637 繊維クリール、638 繊維、639 コーム、640 ホットプレート、641 スプレッダーバー、642 ホットプレート、644 コールドプレート、645 ブレーキ、646 ブレーキ、648 プリプレグ、650 プリプレグロール、652 ローラ、654 紙ロール、656 スリッター、660 センサ箇所、662 センサ箇所、664 センサ箇所、666 センサ箇所、667 センサ箇所、669 センサ箇所、671 センサ箇所、700 部分、702 未固化複合材料、704 第1の点、706 第2の点、707 矢印、708 複合材料製造システム、710 措置、712 プリプレグ、714 特性、715 時間間隔、716 センサ、718 センサ箇所、719 特定の部分、720 措置、722 センサデータ、723 測定値、725 メタデータ、800 第1点、802 第2点、804 ローラ、806 ローラ、807 プリプレグ、808 センサ、809 矢印、810 センサ、812 センサ箇所、814 プリプレグの上側、816 プリプレグの底側、820 第1点における引張り、822 第2点における引張り、824 部分、900 センサ、902 プリプレグの第1の側、904 センサ、906 プリプレグの第2の側、2600 データ処理システム、2602 通信フレームワーク、2604 プロセッサユニット、2606 メモリ、2608 永続記憶装置、2610 通信ユニット、2612 入力/出力ユニット、2614 ディスプレイ、2616 記憶デバイス、2618 プログラム命令、2620 コンピュータ読み取り可能な媒体、2622 コンピュータプログラム製品、2624 コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、2700 航空機の製造及び保守点検方法、2702 仕様及び設計、2704 材料調達、2706 構成要素及び部分組立品の製造、2708 システム統合、2710 認証及び搬送、2712 就航中、2714 整備及び保守点検、2800 航空機、2802 機体、2804 システム、2806 内部、2808 推進システム、2810 電気システム、2812 油圧システム、2814 環境システム、2900 製品管理システム、2902 製造システム、2904 整備システム、2906 製造機器、2908 製作機器、2910 組立機器、2912 整備機器、2914 制御システム、2916 人間のオペレータ、3000 特性予測システム、3011 不確実性、3012 コンピュータシステム、3014 予測マネージャ、3016 プロセッサユニット、3018 プログラム命令、3019 重み、3020 センサデータ、3021 センサシステム、3023 複合材料製造システム、3024 未固化複合材料、3025 初期予測、3026 特性、3027 完成形態、3028 最終予測、3030 モデルシステム、3031 物理モデル、3032 機械学習モデル、3050 コントローラ、3051 処理条件、3081 センサ、3082 箇所、3083 経路、3100 投入材料、3102 設定、3200 特性データ、3202 生産データ、3300 履歴投入材料、3301 第1の機械学習モデル、3302 第2の機械学習モデル、3303 第3の機械学習モデル、3305 訓練データセット、3306 履歴データ、3307 履歴センサデータ、3308 履歴処理条件、3309 履歴設定、3330 履歴特性データ、3331 機械学習モデル、3332 履歴生産データ、3400 特性予測システム、3402 センサデータ、3404 オンライン物理検知システム、3406 プリプレグ機、3407 複合プリプレグ、3408 重要な特性、3450 措置、3500 物理モデル、3501 センサデータで訓練された第1の機械学習モデル、3502 センサデータ及び処理条件で訓練された第2の機械学習モデル、3503 処理条件で訓練された第3の機械学習モデル、3506 融合部、3507 リアルタイム予測、3530 処理条件、3561 初期予測、3562 初期予測、3563 初期予測、3600 圧縮モデル、3601 厚さ機械学習モデル、3611 温度、3616 プリプレグ幅、3612 厚さ、3621 繊維コーム角度、3650 ベータゲージセンサ、3651 カメラ、3661 初期予測、3661 初期厚さ予測、3662 初期厚さ予測、3670 融合部、3671 リアルタイム厚さ予測、3680 経路、3681 経路の始点、3682 経路の終点、3700 繊維目付物理モデル、3702 繊維目付機械学習モデル、3711 坪量、3721 繊維コーム角度、3750 ベータゲージセンサ、3761 初期繊維目付予測、3762 初期繊維目付予測、3771 リアルタイム繊維目付予測、3800 繊維目付機械学習モデル、3801 繊維目付機械学習モデル、3850 ベータゲージセンサ箇所、3851 カメラ箇所、3861 初期繊維目付予測、3862 初期繊維目付予測、3871 リアルタイム繊維目付予測、3886 繊維
【外国語明細書】