(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144255
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】非接触化学センシングによる未固化複合材料構成要素の検証
(51)【国際特許分類】
B29C 70/54 20060101AFI20241003BHJP
B29C 70/06 20060101ALI20241003BHJP
G01N 21/3563 20140101ALI20241003BHJP
【FI】
B29C70/54
B29C70/06
G01N21/3563
【審査請求】未請求
【請求項の数】33
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024045062
(22)【出願日】2024-03-21
(31)【優先権主張番号】63/493,134
(32)【優先日】2023-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/416,717
(32)【優先日】2024-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523043898
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・ウィリアムソン・シャハン
(72)【発明者】
【氏名】アシュリー・マリー・ダスティン
(72)【発明者】
【氏名】ティファニー・アリソン・ステュワート
(72)【発明者】
【氏名】エカテリーナ・ストンケヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ユクセル・キャン・ヤバンス
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・エル・バウアー
(72)【発明者】
【氏名】グウェン・マリー・ランフィア・グロス
【テーマコード(参考)】
2G059
4F205
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB10
2G059DD12
2G059EE01
2G059HH01
2G059MM01
2G059MM03
2G059MM05
2G059MM10
4F205AC03
4F205AG01
4F205AH31
4F205AM23
4F205AM32
4F205AP20
4F205AQ01
4F205AR20
4F205HA06
4F205HB02
4F205HK23
4F205HM03
(57)【要約】
【課題】本発明は未固化複合材料のリアルタイム特性予測のための方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品を提供する。
【解決手段】材料化学的性質を検証するための方法。複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションのフーリエ変換赤外線走査が受信される。未固化複合材料のセクションの材料化学的性質が正しいかどうかの検証が、フーリエ変換赤外線走査及び走査分類器を使用して、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで検証される。
【選択図】
図30
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステム(3012)と、
未固化複合材料の赤外スペクトル内の周波数の吸収された赤外線エネルギーのフーリエ変換赤外線走査(3074)を生成するフーリエ変換赤外分光システム(3071)と、
前記未固化複合材料の前記フーリエ変換赤外線走査(3074)を使用して、未固化複合材料における材料化学的性質を分類する走査分類器(3032、3305)と、
分析器(3014)と、
を備える、材料化学的性質(3026)検証システム(3000)であって、
前記分析器が、
複合材料製造システム(3023)による未固化複合材料(3024)の製造中にリアルタイムで、前記未固化複合材料(3024)のセクション(3027)のフーリエ変換赤外線走査(3073)を生成するために前記フーリエ変換赤外分光システム(3071)を制御し、
前記フーリエ変換赤外線走査(3073)及び前記走査分類器(3032、3305)を使用して、前記複合材料製造システム(3023)による前記未固化複合材料(3024)の製造中にリアルタイムで、前記未固化複合材料(3024)の前記セクション(3027)の材料化学的性質(3026)が正しいかどうかを検証する、検証システム。
【請求項2】
前記分析器(3014)は、前記材料化学的性質(3026)が前記セクション(3027)において誤っていると判定したことに応答して複数の措置(3040)を行うように構成されている、請求項1に記載の検証システム。
【請求項3】
複数の前記措置(3040)は、
アラートを生成すること、
前記未固化複合材料(3024)の前記セクション(3027)を追跡すること、
前記未固化複合材料(3024)の前記セクション(3027)をマーキングすること、
前記前記未固化複合材料(3024)の前記セクション(3027)における未検証の材料化学的性質(3026)の存在をログに記録すること、及び
前記未固化複合材料(3024)の生産を停止すること
のうちの少なくとも1つから選択される、請求項2に記載の検証システム。
【請求項4】
前記フーリエ変換赤外分光システムは、
前記フーリエ変換赤外線走査(3073)を生成する際に、
前記未固化複合材料(3024)で赤外線エネルギーを放射し、
時間領域データを形成するために前記未固化複合材料(3024)で放射された前記赤外線エネルギーを検出し、
前記未固化複合材料(3024)の前記赤外スペクトル内の前記周波数の前記吸収された赤外線エネルギーの前記フーリエ変換赤外線走査(3073)を形成するために前記時間領域データを周波数領域データに変換するフーリエ変換を行う、
ように構成されている、請求項1に記載の検証システム。
【請求項5】
前記フーリエ変換赤外分光システム(3071)は、
前記複合材料製造システム(3023)内の異なる箇所(3037)にあるフーリエ変換赤外分光デバイス(3035)を備え、
前記フーリエ変換赤外分光デバイス(3035)が、前記複合材料製造システム(3023)による前記未固化複合材料(3024)の製造中にリアルタイムで、前記異なる箇所(3037)にある前記未固化複合材料(3024)の前記セクション(3027)の前記フーリエ変換赤外線走査(3074)を生成する、請求項1に記載の検証システム。
【請求項6】
前記走査分類器(3032、3305)は、標準化されたフーリエ変換赤外線走査(3110)を使用する分類工程(3101)である、請求項1に記載の検証システム。
【請求項7】
前記走査分類器(3032、3305)は、前記未固化複合材料の前記フーリエ変換赤外線走査(3074)を使用して、前記未固化複合材料における前記材料化学的性質を分類するように訓練された機械学習モデルシステム(3102)である、請求項1に記載の検証システム。
【請求項8】
機械学習モデルトレーナ(3233)をさらに備え、
前記機械学習モデルトレーナが、
サンプル材料のサンプルフーリエ変換赤外線走査を識別し、
前記サンプルフーリエ変換赤外線走査の平均値を算出し、
前記サンプルフーリエ変換赤外線走査の前記平均値との相関を決定し、
複数のサンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値未満の相関を有することに応答して、前記平均値との相関が最も低い前記サンプルフーリエ変換赤外線走査から選択されたサンプルフーリエ変換赤外線走査(3073)を除去し、
前記平均値を算出すること、前記相関を決定すること、及び複数の前記サンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値未満の前記相関を有することに応答して前記選択されたサンプルフーリエ変換赤外線走査(3073)を除去することを繰り返し、
残りの前記サンプルフーリエ変換赤外線走査が前記閾値よりも大きい前記相関を有することに応答して、残りの前記サンプルフーリエ変換赤外線走査を使用して前記機械学習モデルシステム(3102)を訓練し、
残りの前記サンプルフーリエ変換赤外線走査が、標準化されたフーリエ変換赤外線走査(3110)である、請求項7に記載の検証システム。
【請求項9】
機械学習モデルトレーナ(3233)をさらに備え、
前記機械学習モデルトレーナが、
異なる材料化学的性質を有する未固化複合材料(3024)サンプルにおける前記吸収された赤外線エネルギーの前記フーリエ変換赤外線走査(3074)を識別し、
前記フーリエ変換赤外線走査(3074)を使用して訓練データセットを生成し、
前記訓練データセットを使用して前記機械学習モデルシステム(3102)を訓練する、請求項7に記載の検証システム。
【請求項10】
前記複合材料製造システム(3023)は、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合処理システム、樹脂フィルム加工ライン、プリプレグシステム、及びスリット加工システムである、請求項1に記載の検証システム。
【請求項11】
前記未固化複合材料(3024)は、プリプレグ、航空宇宙用グレードのプリプレグ、熱硬化性プリプレグ、熱可塑性プリプレグ、織布プリプレグ、繊維トウプリプレグ、トウプリプレグ、一方向テーププリプレグ、樹脂被覆フィルム、ノンクリンプ織物、及び樹脂混合物のうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の検証システム。
【請求項12】
コンピュータシステム(3012)と、
未固化複合材料のフーリエ変換赤外線走査(3074)を使用して、前記未固化複合材料における材料化学的性質を分類する走査分類器(3032、3305)と、
前記コンピュータシステム(3012)内の分析器(3014)と、
を備え、
前記分析器(3014)が、
複合材料製造システム(3023)による未固化複合材料(3024)の製造中にリアルタイムで、前記未固化複合材料(3024)のセクション(3027)のフーリエ変換赤外線走査(3073)を受信し、
前記フーリエ変換赤外線走査(3073)及び前記走査分類器(3032、3305)を使用して、前記複合材料製造システム(3023)による前記未固化複合材料(3024)の製造中にリアルタイムで、前記未固化複合材料(3024)の前記セクション(3027)の材料化学的性質(3026)が正しいかどうかを検証する
ように構成されている、検証システム。
【請求項13】
前記フーリエ変換赤外線走査(3073)は、フーリエ変換赤外分光システム(3071)から受信される、請求項12に記載の検証システム。
【請求項14】
前記分析器(3014)は、
前記複合材料製造システム(3023)による前記未固化複合材料(3024)の製造中にリアルタイムで、前記未固化複合材料(3024)の前記セクション(3027)の前記フーリエ変換赤外線走査(3073)を生成するために前記フーリエ変換赤外分光システム(3071)を制御する、ように構成されている、請求項13に記載の検証システム。
【請求項15】
前記分析器(3014)は、
前記フーリエ変換赤外分光システム(3071)を制御する際に、
前記フーリエ変換赤外分光システム(3071)を制御して、
前記複合材料製造システム(3023)による前記未固化複合材料(3024)の製造中にリアルタイムで前記未固化複合材料(3024)の前記セクション(3027)で赤外線エネルギーを放射させ、
時間領域データを形成するために前記未固化複合材料(3024)で放射された前記赤外線エネルギーを検出し、
前記未固化複合材料(3024)の赤外スペクトル内の周波数の吸収された赤外線エネルギーの前記フーリエ変換赤外線走査(3073)を形成するために前記時間領域データを周波数領域データに変換するフーリエ変換を行う、
ように構成されている、請求項14に記載の検証システム。
【請求項16】
前記フーリエ変換赤外分光システム(3071)は、
前記複合材料製造システム(3023)内の異なる箇所(3037)にあるフーリエ変換赤外分光デバイス(3035)を備え、
前記フーリエ変換赤外分光デバイス(3035)が、前記複合材料製造システム(3023)による前記未固化複合材料(3024)の製造中にリアルタイムで、前記異なる箇所(3037)にある前記未固化複合材料(3024)の前記セクション(3027)の前記フーリエ変換赤外線走査(3074)を生成する、請求項13に記載の検証システム。
【請求項17】
前記走査分類器(3032、3305)は、標準化されたフーリエ変換赤外線走査(3110)を使用する分類工程(3101)である、請求項12に記載の検証システム。
【請求項18】
前記走査分類器(3032、3305)は、前記未固化複合材料の前記フーリエ変換赤外線走査(3074)を使用して、前記未固化複合材料における前記材料化学的性質を分類するように訓練された機械学習モデルシステム(3102)である、請求項12に記載の検証システム。
【請求項19】
機械学習モデルトレーナ(3233)をさらに備え、
前記機械学習モデルトレーナが、
サンプル材料のサンプルフーリエ変換赤外線走査を識別し、
前記サンプルフーリエ変換赤外線走査の平均値を算出し、
前記サンプルフーリエ変換赤外線走査の前記平均値との相関を決定し、
複数のサンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値未満の相関を有することに応答して、前記平均値との相関が最も低い前記サンプルフーリエ変換赤外線走査から選択されたサンプルフーリエ変換赤外線走査(3073)を除去し、
前記平均値を算出すること、前記相関を決定すること、及び複数の前記サンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値未満の前記相関を有することに応答して前記選択されたサンプルフーリエ変換赤外線走査(3073)を除去することを繰り返し、
残りの前記サンプルフーリエ変換赤外線走査が前記閾値よりも大きい前記相関を有することに応答して、残りの前記サンプルフーリエ変換赤外線走査を使用して前記機械学習モデルシステム(3102)を訓練し、
残りの前記サンプルフーリエ変換赤外線走査が、標準化されたフーリエ変換赤外線走査(3110)である、請求項18に記載の検証システム。
【請求項20】
前記複合材料製造システム(3023)は、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合処理システム、樹脂フィルム加工ライン、プリプレグシステム、及びスリット加工システムである、請求項12に記載の検証システム。
【請求項21】
前記未固化複合材料(3024)は、プリプレグ、航空宇宙用グレードのプリプレグ、熱硬化性プリプレグ、熱可塑性プリプレグ、織布プリプレグ、繊維トウプリプレグ、トウプリプレグ、一方向テーププリプレグ、樹脂被覆フィルム、ノンクリンプ織物、及び樹脂混合物のうちの少なくとも1つから選択される、請求項12に記載の検証システム。
【請求項22】
コンピュータシステム(3012)と、
未固化複合材料の電磁走査を使用して、前記未固化複合材料における材料化学的性質を分類する走査分類器(3032、3305)と、
前記コンピュータシステム(3012)内の分析器(3014)と、
を備え、
前記分析器(3014)が、
複合材料製造システム(3023)による未固化複合材料(3024)の製造中にリアルタイムで、前記未固化複合材料(3024)のセクション(3027)の電磁走査を受信し、
前記電磁走査及び前記走査分類器(3032、3305)を使用して、前記複合材料製造システム(3023)による前記未固化複合材料(3024)の製造中にリアルタイムで、前記未固化複合材料(3024)の前記セクション(3027)の材料化学的性質(3026)が正しいかどうかを検証する
ように構成されている、検証システム。
【請求項23】
材料化学的性質(3026)を検証するための方法であって、
前記方法は、
複合材料製造システム(3023)による未固化複合材料(3024)の製造中にリアルタイムで、前記未固化複合材料(3024)のセクション(3027)のフーリエ変換赤外線走査(3073)を受信するステップ(3400)と、
前記フーリエ変換赤外線走査(3073)及び走査分類器(3032、3305)を使用して、前記複合材料製造システム(3023)による前記未固化複合材料(3024)の製造中にリアルタイムで、前記未固化複合材料(3024)の前記セクション(3027)の前記材料化学的性質(3026)が正しいかどうかを検証するステップ(3402)と
を含む、方法。
【請求項24】
前記フーリエ変換赤外線走査(3073)は、フーリエ変換赤外分光システム(3071)から受信される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記複合材料製造システム(3023)による前記未固化複合材料(3024)の製造中にリアルタイムで、前記未固化複合材料(3024)の前記セクション(3027)の前記フーリエ変換赤外線走査(3073)を生成するために前記フーリエ変換赤外分光システム(3071)を制御する、ステップ(3500)
をさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記フーリエ変換赤外分光システム(3071)を制御するステップは、
前記フーリエ変換赤外分光システム(3071)を制御して、
前記複合材料製造システム(3023)による前記未固化複合材料(3024)の製造中にリアルタイムで前記未固化複合材料(3024)の前記セクション(3027)で赤外線エネルギーを放射させ、
時間領域データを形成するために前記未固化複合材料(3024)で放射された前記赤外線エネルギーを検出し、
前記未固化複合材料(3024)の赤外スペクトル内の周波数の吸収された赤外線エネルギーの前記フーリエ変換赤外線走査(3073)を形成するために前記時間領域データを周波数領域データに変換するフーリエ変換を行う、
ステップ(3600)
を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記フーリエ変換赤外分光システム(3071)は、前記複合材料製造システム(3023)内の異なる箇所(3037)にあるフーリエ変換赤外分光デバイス(3035)を備え、
前記フーリエ変換赤外分光デバイス(3035)は、前記複合材料製造システム(3023)による前記未固化複合材料(3024)の製造中にリアルタイムで、前記異なる箇所(3037)にある前記未固化複合材料(3024)の前記セクション(3027)のフーリエ変換赤外線走査(3074)を生成し、前記フーリエ変換赤外線走査(3073)は前記箇所のうちの1つから生成される、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記走査分類器(3032、3305)は、標準化されたフーリエ変換赤外線走査(3110)を使用する分類工程(3101)である、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記走査分類器(3032、3305)は、未固化複合材料のフーリエ変換赤外線走査(3074)を使用して、前記未固化複合材料における材料化学的性質を分類するように訓練された機械学習モデルシステム(3102)である、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
サンプル材料のサンプルフーリエ変換赤外線走査を識別するステップ(3700)と、
前記サンプルフーリエ変換赤外線走査の平均値を算出するステップ(3702)と、
前記サンプルフーリエ変換赤外線走査の前記平均値との相関を決定するステップ(3704)と、
複数のサンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値未満の相関を有することに応答して、前記平均値との相関が最も低い前記サンプルフーリエ変換赤外線走査から選択されたサンプルフーリエ変換赤外線走査(3073)を除去するステップ(3706)と、
前記平均値を算出するステップ、前記相関を決定するステップ、及び複数の前記サンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値未満の前記相関を有することに応答して前記選択されたサンプルフーリエ変換赤外線走査(3073)を除去するステップを繰り返すステップ(3708)と、
残りの前記サンプルフーリエ変換赤外線走査が前記閾値よりも大きい前記相関を有することに応答して、残りの前記サンプルフーリエ変換赤外線走査を使用して前記機械学習モデルシステム(3102)を訓練するステップ(3710)であって、残りの前記サンプルフーリエ変換赤外線走査が、標準化されたフーリエ変換赤外線走査(3110)である、ステップ(3710)と
をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
異なる材料化学的性質を有する未固化複合材料(3024)サンプルにおける吸収された赤外線エネルギーの前記フーリエ変換赤外線走査(3074)を識別するステップ(3800)と、
前記フーリエ変換赤外線走査(3074)を使用して訓練データセットを生成するステップ(3802)と、
前記訓練データセットを使用して機械学習モデルシステム(3102)を訓練するステップ(3804)と
をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記複合材料製造システム(3023)は、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合処理システム、樹脂フィルム加工ライン、プリプレグシステム、及びスリット加工システムである、請求項23に記載の方法。
【請求項33】
前記未固化複合材料(3024)は、プリプレグ、航空宇宙用グレードのプリプレグ、熱硬化性プリプレグ、熱可塑性プリプレグ、織布プリプレグ、繊維トウプリプレグ、トウプリプレグ、一方向テーププリプレグ、樹脂被覆フィルム、ノンクリンプ織物、及び樹脂混合物のうちの少なくとも1つから選択される、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2023年3月30日に出願された「Unconsolidated Composite Material Component Verification via Non-Contact Chemical Sensing」と題する米国仮特許出願第63/493,134号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、一部継続出願(CIP)であり、2022年7月8日に出願された「Property Prediction for Unconsolidated Composite Materials」と題する米国特許出願第17/811,433号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本出願は、以下の米国特許出願:本出願と同日付で出願された、「Real Time Characteristic Prediction for Unconsolidated Composite Materials」と題する米国特許出願第________号、代理人整理番号22-0421-US-CIP;本出願と同日付で出願された、「Real Time Inconsistency Detection During Composite Material Manufacturing」と題する米国特許出願第________号、代理人整理番号22-0421-US-CIP[2];及び本出願と同日付で出願された、「Real Time Contaminants Identification During Composite Material Manufacturing via Non-Contact Chemical Sensing」と題する米国特許出願第________号、代理人整理番号22-0421-US-CIP[3]、に関連し、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
技術分野
本開示は、一般に、複合材料の製造に関し、特に、未硬化複合材料の製造に関する。さらにより詳細には、本開示は、未硬化複合材料の製造中に、その未硬化複合材料の特性を予測するための方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0005】
航空機は、ますます高い割合の複合材料を用いて設計され、製造されている。複合材料は、航空機において、航空機の重量を削減し、設計によって空力効率を改善するために使用される。この重量の削減により、最大積載量の増加や燃料効率の向上などの性能機能が改善される。さらに、複合材料によって航空機内の様々な構成要素の耐用年数が延びる。
【0006】
複合材料は、2つ以上の機能構成要素を組み合わせることによって作成された、丈夫で軽量な材料である。例えば、複合材料は、ポリマー樹脂マトリックス中に結合された強化繊維を含んでもよい。繊維は一方向性であってもよいし、織布や織物の形態をとってもよい。繊維及び樹脂は、複合材料を形成するように配置及び硬化される。
【0007】
さらに、複合材料を使用して航空宇宙用複合材料構造体を作成することにより、航空機の各部分をより大きな部品又は部分として製造することが潜在的に可能になる。例えば、航空機の胴体が円筒形部分として作成され、次いで航空機の胴体を形成するように組み立てられもよい。他の例としては、限定はしないが翼を形成するように接合された翼部分、又は安定板を形成するように接合された安定板部分が挙げられる。
【0008】
複合材料構造体の製造においては、複合材料の層が、通常ツール上にレイアップ(積層)される。層は、シート状の繊維で構成されてもよい。これらのシートは、織物、テープ、トウの形態、又は他の適切な形態をとってもよい。場合によっては、樹脂がシート内に注入又は予め含侵されてもよい。これらのタイプのシートは、一般に、プリプレグと呼ばれる。プリプレグは、プリプレグが複合材料構造体を製造するために使用されるまでロールとして保管される長いシート状に製造することができる。
【0009】
プリプレグの異なる層は異なる向きにレイアップされ得、製造される複合材料構造体の厚さに応じて異なる数の層が使用され得る。これらの層は、手作業で、又はテープラミネート機や繊維配置システムなどの自動積層機器を使用してレイアップされてもよい。
【0010】
異なる複合材料の層がツール上にレイアップされた後、複合材料の層は、温度及び圧力に曝されると固化及び硬化されて、最終的な複合材料構造体を形成し得る。
【0011】
最終的な複合材料構造体の品質は、非破壊試験を含む試験を使用して判定することができる。さらに、複合材料構造体を製造するために使用される構成要素もまた、品質目的で監視し、試験することができる。複合材料構成要素の所望の品質を維持することにより、最終的な複合材料構造体の品質を高めることができる。例えば、プリプレグを検査して、厚さが指定された公差内にあるかどうかを判定することができる。プリプレグ構成要素などの複合材料構成要素の品質試験は、望むよりも多くの時間がかかる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、上述した問題の少なくとも一部、並びに他の起こり得る問題を考慮に入れた方法及び装置を有することが望ましい。例えば、プリプレグ構成要素の品質試験に伴う技術的問題を克服する方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示の一実施形態は、コンピュータシステムと、フーリエ変換赤外分光システムと、走査分類器と、コンピュータシステムに配置された分析器とを備える材料化学的性質検証システムを提供する。フーリエ変換赤外分光システムは、未固化複合材料の赤外スペクトル内の周波数の吸収された赤外線エネルギーのフーリエ変換赤外線走査を生成するように構成されている。走査分類器は、未固化複合材料のフーリエ変換赤外線走査を使用して、未固化複合材料における材料化学的性質を分類するように構成されている。分析器は、フーリエ変換赤外分光システムを制御して、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションのフーリエ変換赤外線走査を生成させるように構成されている。分析器は、フーリエ変換赤外線走査及び走査分類器を使用して、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションの材料化学的性質が正しいかどうかを検証するように構成されている。
【0014】
本開示の別の実施形態は、コンピュータシステムと、走査分類器と、コンピュータシステムに配置された分析器とを備える材料化学的性質検証システムを提供する。走査分類器は、未固化複合材料のフーリエ変換赤外線走査を使用して、未固化複合材料における材料化学的性質を分類するように構成されている。走査分類器は、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションのフーリエ変換赤外線走査を受信するように構成されている。走査分類器は、フーリエ変換赤外線走査及び走査分類器を使用して、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションの材料化学的性質が正しいかどうかを検証するように構成されている。
【0015】
本開示のさらに別の実施形態は、コンピュータシステムと、機械学習モデルシステムと、コンピュータシステムに配置された分析器とを備えるシステムを備える材料化学的性質検証システムを提供する。走査分類器は、未固化複合材料の電磁走査を使用して、未固化複合材料における材料化学的性質を分類するように構成されている。分析器は、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションの電磁走査を受信するように構成されている。分析器は、電磁走査及び走査分類器を使用して、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションの材料化学的性質が正しいかどうかを検証するように構成されている。
【0016】
本開示のさらに別の実施形態は、材料化学的性質を検証するための方法を提供する。複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションのフーリエ変換赤外線走査が受信される。未固化複合材料のセクションの材料化学的性質が正しいかどうかの検証が、フーリエ変換赤外線走査及び走査分類器を使用して、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで検証される。
【0017】
形態及び機能は、本開示の様々な実施形態において独立して達成することもできるし、以下の説明及び図面を参照すればさらなる詳細が理解され得る、さらに他の実施形態において組み合わされてもよい。
【0018】
例示的な実施形態の特性であると考えられる新規の特徴が、添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、例示的な実施形態、並びに好ましい使用の態様、さらなる目的及び特徴は、添付の図面と併せて本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を読めば最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】例示的な実施形態が実装され得るデータ処理システムのネットワークの絵図である。
【
図2】例示的な実施形態による、複合材料製造環境のブロック図である。
【
図3】例示的な実施形態による、未固化複合材料の各部分の予測特性を使用してとることができる措置のブロック図である。
【
図4】例示的な実施形態による、未固化複合材料を製造するための製造工程フローの図である。
【
図5】例示的な実施形態による、フィルム加工工程を行うように構成された複合材料製造システムの図である。
【
図6】例示的な実施形態による、プリプレグ生産工程を行うように構成された複合材料製造システムの図である。
【
図7】例示的な実施形態による、複合材料製造システムにおけるセンサ箇所のブロック図である。
【
図8】例示的な実施形態による、複合材料製造システムの一部分の側面図である。
【
図9】例示的な実施形態による、複合材料製造システムの一部分の上面図である。
【
図10】例示的な実施形態による、未固化複合材料の各部分の品質レベルを識別するための工程のフローチャートである。
【
図11】例示的な実施形態による、未固化複合材料をマーキングするための工程のフローチャートである。
【
図12】例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差外部分を使用不可としてマーキングするための工程のフローチャートである。
【
図13】例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差内部分を使用可能としてマーキングするための工程のフローチャートである。
【
図14】例示的な実施形態による、未固化複合材料の一部分を品質レベルでマーキングするための工程のフローチャートである。
【
図15】例示的な実施形態による、未固化複合材料の各部分の品質レベルを記録するための工程のフローチャートである。
【
図16】例示的な実施形態による、未固化複合材料の一部分の予測特性を決定するための工程のフローチャートである。
【
図17】例示的な実施形態による、未固化複合材料の製作を完了する前に未固化複合材料の特性を予測するように機械学習モデルを訓練するための工程のフローチャートである。
【
図18】例示的な実施形態による、未固化複合材料の各部分に対する是正措置を行うための工程のフローチャートである。
【
図19】例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差外部分に対する是正措置を行うための工程のフローチャートである。
【
図20】例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差外部分のパラメータを調整するための工程のフローチャートである。
【
図21】例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差内部分のパラメータを調整するための工程のフローチャートである。
【
図22】例示的な実施形態による、未固化複合材料の各部分が公差内にあるようにパラメータを調整するための工程のフローチャートである。
【
図23】例示的な実施形態による、未固化複合材料の後続部分のパラメータを調整するための工程のフローチャートである。
【
図24】例示的な実施形態による、原材料を変更するための工程のフローチャートである。
【
図25】例示的な実施形態による、未固化複合材料の予測特性を決定するための工程のフローチャートである。
【
図26】例示的な実施形態による、データ処理システムのブロック図である。
【
図27】例示的な実施形態による、航空機の製造及び保守点検方法の図である。
【
図28】例示的な実施形態が実装され得る航空機のブロック図である。
【
図29】例示的な実施形態による、製品管理システムのブロック図である。
【
図30】例示的な実施形態による、材料検証システムのブロック図である。
【
図31】例示的な実施形態による、走査分類器のブロック図である。
【
図32】例示的な実施形態による、機械学習モデルを訓練するためのブロック図である。
【
図33】例示的な実施形態による、機械学習モデルを使用した標準作成及び材料化学的性質の検証のブロック図である。
【
図34】例示的な実施形態による、材料化学的性質を検証するための工程のフローチャートである。
【
図35】例示的な実施形態による、フーリエ変換赤外分光システムを制御するための工程のフローチャートである。
【
図36】例示的な実施形態による、フーリエ変換赤外分光システムを制御するための工程のフローチャートである。
【
図37】例示的な実施形態による、未固化複合材料の材料化学的性質を検証するように機械学習モデルシステムを訓練するための工程のフローチャートである。
【
図38】例示的な実施形態による、未固化複合材料の材料化学的性質を検証するように機械学習モデルシステムを訓練するための工程のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
例示的な実施形態では、以下に記載するような1以上の異なる考慮事項を認識し考慮に入れる。例えば、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインによって製造されたプリプレグロールなどの未固化複合材料構成要素の現在の試験は、プリプレグロールからのサンプルを使用して行うことができる。サンプルが所望の品質レベルを満たさない場合、プリプレグロール全体が廃棄又はリサイクルされる。しかしながら、プリプレグロール全体が、望ましくない品質レベルを有しているのではない可能性もある。プリプレグロールの一部分のみが、所望の品質レベルの公差を満たしていない可能性もある。現在の技術では、プリプレグロール全体の複数の部分を試験するのでなければ、プリプレグロールのどの部分が公差外の特性を有する可能性があるかを識別することができない。プリプレグロール全体の複数の部分を試験することは、時間がかかり、非効率的である。
【0021】
また、プリプレグロールが望ましくない品質レベルの特性を有する原因を究明することも、現在のところ、製造工程中に行うことはできない。代わりに、プリプレグロールを製造した後に分析が行われ、プリプレグロールのサンプルを試験することにより、サンプルが所望の品質レベルを有しないことが指示される。さらに、原因を究明することができた場合、将来のプリプレグロールが所望の品質レベルを有することを確実にするために、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインの調整を行うことができる。多くのプリプレグロールが完成し、1以上のプリプレグロールが所望の品質レベルを有しないと判定されるまで、究明に必要な時間が不可能な場合もある。結果として、1つの解決策は、原因を究明することができ、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインの調整を行うことができるまでプリプレグロールを製造した炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインを使用したプリプレグロールの製造を停止することになる。このように炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインが利用できないと、プリプレグロールの製造能力が低下する。
【0022】
例示的な実施形態では、プリプレグ材料の特性を決定する能力を有することが望ましいことをさらに認識し、考慮に入れる。製造工程は、プリプレグが製造されている間の製造工程中にプリプレグを生産するために行われる樹脂混合、樹脂フィルム加工、樹脂浴操作、又は他の操作のうちの少なくとも1つとすることができる。リアルタイムで炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン内の異なる箇所から入手される異なるタイプのセンサデータを使用して、プリプレグがまだ製造されている間にプリプレグの特性を予測することができる。この情報を使用して、プリプレグロールのどの部分が公差内の特性を有するか、及び公差外のプリプレグロールの他の部分を決定することができる。製造中のプリプレグの各部分の特性のこのタイプの決定は、リアルタイムで、どの部分が公差内にあり、又は公差外にあるかのマーキング又は記録を可能にする方法で行うことができる。結果として、プリプレグロールのいくつかの部分が公差外にある場合、記録又はマーキングされた部分は使用されず、プリプレグロールのその他の部分は引き続き使用することができる。結果として、廃棄又はリサイクルされるプリプレグの量を減らすことができる。
【0023】
次に図を参照すると、特に
図1を参照すると、例示的な実施形態が実装され得るデータ処理システムのネットワークの図が図示されている。ネットワークデータ処理システム100は、例示的な実施形態が実装され得るコンピュータのネットワークである。ネットワークデータ処理システム100は、ネットワークデータ処理システム100内で互いに接続された様々なデバイスとコンピュータとの間の通信リンクを提供するために使用される媒体であるネットワーク102を含む。ネットワーク102は、配線、無線通信リンク、又は光ファイバーケーブルなどの接続を含んでもよい。
【0024】
図示の例では、サーバーコンピュータ104及びサーバーコンピュータ106は、記憶ユニット108と共にネットワーク102に接続する。さらに、クライアントデバイス110はネットワーク102に接続する。図示のように、クライアントデバイス110は、クライアントコンピュータ112と、クライアントコンピュータ114と、クライアントコンピュータ116と、を含む。クライアントデバイス110は、例えば、コンピュータ、ワークステーション、又はネットワークコンピュータとすることができる。図示の例では、サーバーコンピュータ104は、ブートファイル、オペレーティング・システム・イメージ、アプリケーションなどの情報をクライアントデバイス110に提供する。さらに、クライアントデバイス110はまた、プリプレグシステム118、タブレットコンピュータ120、スマートグラス122などの他のタイプのクライアントデバイスを含むこともできる。この例示的な例では、サーバーコンピュータ104、サーバーコンピュータ106、記憶ユニット108、及びクライアントデバイス110は、ネットワーク102をこれらのネットワークデバイスのための通信媒体とする、ネットワーク102に接続するネットワークデバイスである。クライアントデバイス110の一部又は全部が、これらの物理デバイスがネットワーク102に接続し、ネットワーク102を介して互いに情報を交換することができるモノのインターネット(IoT)を形成してもよい。
【0025】
クライアントデバイス110は、この例ではサーバーコンピュータ104に対するクライアントである。ネットワークデータ処理システム100は、追加のサーバーコンピュータ、クライアントコンピュータ、及び図示していない他のデバイスを含んでもよい。クライアントデバイス110は、有線接続、光ファイバー接続、又は無線接続のうちの少なくとも1つを利用してネットワーク102に接続する。
【0026】
ネットワークデータ処理システム100内に配置されたプログラム命令は、コンピュータ記録可能な記憶媒体に記憶し、使用のためにデータ処理システム又は他のデバイスにダウンロードすることができる。例えば、プログラム命令は、サーバーコンピュータ104上のコンピュータ記録可能な記憶媒体に記憶し、クライアントデバイス110上で使用するためにネットワーク102を介してクライアントデバイス110にダウンロードすることができる。
【0027】
図示の例では、ネットワークデータ処理システム100は、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)プロトコル群を使用して相互に通信するネットワーク及びゲートウェイの世界規模の集合体を表すネットワーク102を有するインターネットである。インターネットの中心には、データ及びメッセージをルーティングする何千もの商用、政府用、教育用、及び他のコンピュータシステムからなる主要ノード間又はホストコンピュータ間の高速データ通信回線のバックボーンがある。当然ながら、ネットワークデータ処理システム100はまた、いくつかの異なるタイプのネットワークを使用して実装されてもよい。例えば、ネットワーク102は、インターネット、イントラネット、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、又はワイド・エリア・ネットワーク(WAN)のうちの少なくとも1つで構成することもできる。
図1は、例を意図しており、異なる例示的な実施形態のアーキテクチャ上の限定を意図するものではない。
【0028】
本明細書で使用する場合、「いくつかの」は、項目に関して使用される場合、1以上の項目を意味する。例えば、「いくつか異なるタイプのネットワーク」とは、1以上の異なるタイプのネットワークである。
【0029】
さらに、「のうちの少なくとも1つ」という語句は、項目のリストと共に使用される場合、列挙された項目のうちの1以上の異なる組合せを使用できることを意味し、リスト内の各項目のうちの1つのみが必要とされてもよい。言い換えると、「のうちの少なくとも1つ」は、項目の任意の組合せを意味し、リストからのいくつかの項目が使用されてもよいが、リスト内のすべての項目が必要とされるとは限らない。項目は、特定の物体、物事、又はカテゴリとすることができる。
【0030】
例えば、限定はしないが、「項目A、項目B、又は項目Cのうちの少なくとも1つ」は、項目A、項目A及び項目B、又は項目Bを含み得る。この例はまた、項目A、項目B、及び項目C、又は項目B及び項目Cも含み得る。当然ながら、これらの項目の任意の組合せが存在し得る。いくつかの例示的な例では、「のうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定はしないが、2つの項目A、1つの項目B、及び10の項目C、4つの項目B及び7つの項目C、又は他の適切な組合せとすることができる。
【0031】
この例では、プリプレグシステム118は、複合材料製造施設130に配置されている。この箇所では、プリプレグシステム118を使用してプリプレグなどの未固化複合材料を製造する。図示のように、サーバーコンピュータ104の複合材料マネージャ132は、複合材料製造施設130のプリプレグシステム118と通信することができる。この通信は、センサデータ134、コマンド136、又はネットワーク102を介して送信することができる他のタイプの情報のうちの少なくとも1つから選択された情報の交換を含むことができる。
【0032】
この例では、複合材料マネージャ132は、プリプレグシステム118用のセンサシステムからセンサデータ134を受信することができる。センサシステムは、プリプレグシステム118又は複合材料製造施設130内の別の箇所の少なくとも一方に配置することができる。
【0033】
この例示的な例では、センサデータ134は、プリプレグシステム118からリアルタイムで受信される。言い換えると、リアルタイムでセンサデータ134を受信することは、プリプレグシステム118がプリプレグを製造するために動作している最中にセンサデータ134を受信することを意味する。センサデータ134がリアルタイムで送信されるとき、センサデータ134は、潜在的な遅延なしに可能な限り迅速に送信される。複合材料マネージャ132は、センサデータ134をリアルタイムで分析する際に、センサデータ134が受信されている最中にセンサデータ134を処理し、分析することができる。
【0034】
図示のように、センサデータ134は、複合材料マネージャ132によって、プリプレグの製造が完了したときのプリプレグの特性の予測を決定するために分析することができる。この特性の予測は、プリプレグがプリプレグシステム118によって製造されている間に行われる。予測特性は、プリプレグシステム118内で製造されているプリプレグのいくつかの部分の特性である。これらの特性は、例えば、プリプレグの厚さ、目付、及び完成したプリプレグの他の特性を含むことができる。言い換えると、複合材料マネージャ132は、プリプレグの製造が完了する前に、プリプレグシステム118によって製造されているプリプレグの特性のリアルタイム予測を行うことができる。予測特性に基づいて、複合材料マネージャ132は、プリプレグのどの部分が複合材料部品の製造に使用するための公差内にあるかを識別することができる。プリプレグに対して予測された設定特性に基づいて、複合材料マネージャ132は、複合材料部品の製造に使用するために公差内にある1以上の部分、並びに公差外にあり得る部分を記録することができる。さらに、複合材料マネージャ132は、各部分が公差内に留まる時間を決定することができる。場合によっては、未固化複合材料は、プリプレグに対して予測された特性に応じて異なり得る貯蔵寿命を有し得る。
【0035】
さらに、プリプレグの一部分の予測特性を知ることにより、複合材料マネージャ132は、その部分が未固化複合材料内の完成した製品である場合に、製造作業が完了する前に行われた未固化複合材料の特性の予測から未固化複合材料のその部分について決定された品質レベルに基づいて是正措置を行う。
【0036】
例えば、複合材料マネージャ132は、プリプレグのその部分をさらに処理して、当該部分が公差内になるか、又は所望の品質レベルを有するようにするために、どんな調整がプリプレグシステム118に必要かを決定することができる。この決定により、複合材料マネージャ132は、調整を行うためにプリプレグシステム118にコマンド136を送信することができる。
【0037】
複合材料マネージャ132は、コマンド136を使用して、プリプレグのその部分がまだ製造されている間にこれらの調整を行うことができる。これらの調整は、プリプレグのその部分をまだ処理していないプリプレグシステム118の各部分に対して行うことができる。これらの調整により、行われた措置がプリプレグの各部分を所望の品質レベルを有するように変更したかどうかを判定するための追加のセンサデータを受信することができる。このようにして、複合材料マネージャ132は、未固化複合材料の製造を、所望の品質レベルを満たす未固化複合材料の部分を増加させ、未固化複合材料の廃棄部分を削減することができる方法で管理することができる。
【0038】
この例示的な例では、機械学習モデル138を使用してこの予測を行うことができる。この例では、機械学習モデル138は、プリプレグシステム118によって以前に製造されたプリプレグから生成された履歴センサデータを使用して訓練されている。
【0039】
図1のネットワークデータ処理システム100の例示は、他の例示的な例を実装することができる方法を限定するためのものではない。例えば、複合材料マネージャ132を、サーバーコンピュータ104以外の別の箇所に配置することもできる。例えば、複合材料マネージャ132は、クライアントコンピュータ112、プリプレグシステム118内、又は複合材料製造施設130に配置された別のコンピュータに配置することもできる。他の例示的な例では、複合材料製造施設130に、又は複合材料マネージャ132が管理することができる他の箇所に追加のプリプレグシステムが配置されてもよい。
【0040】
次に
図2を参照すると、例示的な実施形態による、複合材料製造環境のブロック図が図示されている。この例示的な例では、複合材料製造環境200は、
図1のネットワークデータ処理システム100に示すハードウェアなどのハードウェアに実装することができる構成要素を含む。
【0041】
この例示的な例では、複合材料管理システム202は、複合材料部品205の製造に使用するための未固化複合材料204の製造を管理するように動作する。
【0042】
未固化複合材料204は、複合材料部品205を形成するように処理されていない複合材料である。例えば、圧力、加熱、又は硬化のうちの少なくとも1つなどの処理が、未固化複合材料204に適用されていない。言い換えると、未固化複合材料204は、最終的な複合材料部品を形成するように処理されていない。
【0043】
未固化複合材料204は、プリプレグ、航空宇宙用グレードのプリプレグ、熱硬化性プリプレグ、熱可塑性プリプレグ、織布プリプレグ、繊維トウプリプレグ、トウプリプレグ、一方向テーププリプレグ、樹脂被覆フィルム、ノンクリンプ織物、樹脂混合物、又は他の適切な未固化複合材料のうちの少なくとも1つから選択することができる。未固化複合材料204中の繊維は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、繊維や織物などの未固化複合材料204は、ガラス繊維、炭素繊維、ケブラー(登録商標)繊維、パラアラミド繊維、ハイブリッド繊維、ガラス糸を有する炭素織物、ワイヤが織り交ぜられた炭素繊維織物、ホウ素ケイ酸塩繊維、又は他の適切なタイプの材料のうちの少なくとも1つから選択することができる。複合材料部品205は、例えば、胴体部分、スキンパネル、翼、リブ、ドア、又は他の適切なタイプの部品とすることができる。
【0044】
別の例では、未固化複合材料204を使用して、別の未固化複合材料を製造することができる。例えば、未固化複合材料204は、フィルム加工紙とすることができる。このフィルム加工紙を使用して、プリプレグなどの別の未固化複合材料を製造することができる。
【0045】
例えば、複合材料管理システム202は、未固化複合材料204を製造するように複合材料製造システム208の動作を制御することができる。図示のように、複合材料製造システム208は、いくつかの形態をとることができる。例えば、複合材料製造システム208は、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合処理システム、樹脂フィルム加工ライン、プリプレグシステム、スリット加工システム、及び他の適切なタイプの複合材料製造システムのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0046】
図示のように、複合材料管理システム202は、コンピュータシステム210と、複合材料マネージャ212とを備える。複合材料マネージャ212は、コンピュータシステム210内に配置される。
【0047】
複合材料マネージャ212は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組合せとして実装することができる。ソフトウェアが使用される場合、複合材料マネージャ212によって行われる動作は、プロセッサユニットなどのハードウェア上で動作するように構成されたプログラム命令として実装することができる。ファームウェアが使用される場合、複合材料マネージャ212によって行われる動作は、プロセッサユニット上で動作するようにプログラム命令及びデータとして実装し、永続的メモリに記憶することができる。ハードウェアが採用される場合、ハードウェアは、複合材料マネージャ212において動作を行うように動作する回路を含むことができる。
【0048】
例示的な例では、ハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又はいくつかの動作を行うように構成された他の適切なタイプのハードウェアのうちの少なくとも1つから選択された形態をとることができる。プログラマブル論理デバイスの場合、いくつかの動作を行うようにデバイスを構成することができる。デバイスは、後で再構成することもできるし、又はいくつかの動作を行うように永続的に構成することもできる。プログラマブル論理デバイスには、例えば、プログラマブル論理アレイ、プログラマブルアレイ論理、フィールドプログラマブル論理アレイ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、及び他の適切なハードウェアデバイスが含まれる。さらに、工程は、無機構成要素と一体化された有機構成要素として実装することもでき、人間を除く有機構成要素から完全に構成することもできる。例えば、工程は、有機半導体内の回路として実装することができる。
【0049】
コンピュータシステム210は、物理的なハードウェアシステムであり、1以上のデータ処理システムを含む。コンピュータシステム210に複数のデータ処理システムが存在する場合、それらのデータ処理システムは、通信媒体を使用して互いに通信する。通信媒体は、ネットワークとすることができる。データ処理システムは、コンピュータ、サーバーコンピュータ、タブレットコンピュータ、又は何らかの他の適切なデータ処理システムのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0050】
図示のように、コンピュータシステム210は、例示的な例の工程を実装するプログラム命令216を実行することができるいくつかのプロセッサユニット214を含む。本明細書で使用する場合、いくつかのプロセッサユニット214内のプロセッサユニットは、ハードウェアデバイスであり、コンピュータを動作させる命令及びプログラムコードに応答して処理する集積回路上のハードウェア回路などのハードウェア回路から構成される。いくつかのプロセッサユニット214が工程のためのプログラム命令216を実行するとき、いくつかのプロセッサユニット214は、同じコンピュータ上又は異なるコンピュータ上にあり得る1以上のプロセッサユニットである。言い換えると、工程は、コンピュータシステム内の同じか又は異なるコンピュータ上のプロセッサユニット間に分散させることができる。さらに、いくつかのプロセッサユニット214は、同じタイププロセッサユニットとすることもでき、異なるタイプのプロセッサユニットとすることもできる。例えば、いくつかのプロセッサユニットは、シングル・コア・プロセッサ、デュアルコアプロセッサ、マルチプロセッサコア、汎用中央処理装置(CPU)、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は何らかの他のタイプのプロセッサユニットのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0051】
この例示的な例では、複合材料マネージャ212は、複合材料製造システム208用のセンサシステム220からセンサデータ218を受信するように構成される。センサデータ218は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、センサデータ218は、構成要素の温度、未固化複合材料の温度、周囲温度、湿度、ローラ速度、未固化複合材料の速度、一対のローラ間の圧力、一対のローラ間のギャップ、未固化複合材料の厚さ、フーリエ変換赤外(FTIR)スペクトル、ラマン分光データ、分光データ、材料の幅、繊維ウェブの幅、材料目付、繊維目付、樹脂粘度、未固化複合材料の寸法の両端の電気測定値、未固化複合材料の寸法の両端の電圧、未固化複合材料の寸法の両端の電磁測定値、未固化複合材料の寸法の両端の音響測定値、引張り、又は複合材料製造システム内の箇所におけるプリプレグの画像のうちの少なくとも1つから構成することができる。
【0052】
この例示的な例では、複合材料製造システム208用のセンサシステム220を、複合材料管理システム202、複合材料製造システム208、又はその両方の一部とみなすことができる。センサシステム220は、複合材料製造システム208の動作中に、未固化複合材料204又は複合材料製造システム208の少なくとも一方に関するセンサデータ218を生成するように動作することができる。センサデータ218は、複合材料製造システム208によって製造されている未固化複合材料204に関する情報とすることができる。センサデータ218は、複合材料製造システム208によって未固化複合材料204の製造中に受信される。センサデータ218は、センサシステム220によってリアルタイムで生成され、複合材料マネージャ212にリアルタイムで送信される。
【0053】
センサシステム220は、センサ222を備える。図示のように、センサ222は、複合材料製造システム208に対して箇所209にある。箇所209は、複合材料製造システム208上、複合材料製造システム208内、又は複合材料製造システム208近傍とすることができる。この例では、センサ222は、温度センサ、カメラ、赤外線カメラ、サーマルカメラ、ライン・スキャン・カメラ、引張りセンサ、密度センサ、ドロップゲージ、赤外線センサ、非接触レーザー距離センサ、ベータゲージ、速度センサ、フーリエ変換赤外(FTIR)分光計、ラマン分光計、力検出器、線形可変差動変圧器(LVDT)センサ、回転第三差動変圧器(RVDT)センサ、厚さセンサ、ギャップ幅センサ、粘度計、光反射センサ、電気伝導率センサ、電気抵抗センサ、静電容量センサ、電磁センサ、音響センサ、湿度センサ、レーザー・ドップラー・センサ、又は他の適切なセンサのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0054】
図示のように、複合材料マネージャ212は、センサデータ218を使用して複合材料製造システム208による製造から完成した未固化複合材料204のいくつかの部分226の予測特性224のセットを決定する。
【0055】
未固化複合材料204のいくつかの部分226は、未固化複合材料204の部分226の一部又は全部とすることができる。この図示の例では、複合材料製造システム208による製造から完成した未固化複合材料204は完成した製品255を形成し、完成した製品255を使用して複合材料部品205を製造することができる。いくつかの部分226は、未固化複合材料204の部分とすることができる。例えば、いくつかの部分226は、プリプレグロールを形成するプリプレグの部品又は部分とすることができる。これらの部分は、同じ長さを有することも、異なる長さをすることもあり得る。
【0056】
この例では、複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204の製造が完了したときに未固化複合材料204の部分226が有することになる特性228のセットを予測することができる。言い換えると、この予測は、未固化複合材料204の部分226がまだ製造されている間に行われる。部分226内の異なる部分は、複合材料製造システム208における製造の異なる状態又は段階にあり得る。
【0057】
特性228のセットは、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、特性228のセットは、プリプレグ繊維目付、プリプレグ樹脂含有量、プリプレグの厚さ、プリプレグ浸透レベル、プリプレグ・タック・レベル、樹脂フィルム目付、樹脂フィルムの厚さ、剥離ライナー目付、剥離ライナーの厚さ、又は積層構造特性のうちの少なくとも1つを含む。
【0058】
複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204のいくつかの部分226の予測特性224のセットに基づいて、未固化複合材料204のいくつかの部分226の品質レベル230を識別する。品質レベル230のこの識別が予測品質レベル232である。言い換えると、品質レベル230は、予測特性224を使用して決定される。実際の品質レベルを決定するための実際の特性を決定するために、いくつかの部分226の実際の試験を行うことができる。
【0059】
この例示的な例では、予測特性224のセットの決定を、複合材料マネージャ212によってモデル233のセットを使用して行うことができる。モデル233のセットは、機械学習モデル234のセット、物理モデル235のセット、ハイブリッドモデル237のセット、又は他の適切なタイプのモデルのうちの少なくとも1つを含むことができる。この例示的な例では、モデル233の任意の組合せを使用して、特性228を予測することができる。
【0060】
機械学習モデル234のセットが使用される場合、機械学習モデル234のセットを、センサデータ218を使用して特定のタイプの未固化複合材料204の特性228を予測するように訓練することができる。機械学習モデルは、人工知能モデルの一種であり、明示的にプログラムされることなく学習することができるデータ駆動型モデルである。機械学習モデルは、機械学習モデルに入力された訓練データに基づいて学習することができる。機械学習モデルは、様々なタイプの機械学習アルゴリズムを使用して学習することができる。機械学習アルゴリズムは、教師あり学習及び教師なし学習、特徴学習、スパース辞書学習、異常検出、強化学習、推奨学習、又は他のタイプの学習アルゴリズムのうちの少なくとも1つを含む。
【0061】
機械学習モデルの例には、人工ニューラルネットワーク、決定木、サポート・ベクター・マシン、ランダムフォレスト機械学習モデル、回帰機械学習モデル、分類機械学習モデル、ベイジアンネットワーク、及び他のタイプのモデルが含まれる。これらの機械学習モデルは、データを使用して訓練され、追加のデータを処理して所望の出力を提供することができる。
【0062】
例えば、機械学習モデル236は、訓練データセット240を使用して、プリプレグなどの未固化複合材料204の予測特性224を決定するように訓練することができる。訓練データセット240は、プリプレグの形態の未固化複合材料204を製造するために複合材料製造システム208から受信した履歴センサデータ242を使用して作成することができる。訓練データセット240は、履歴特性244の形態のラベルを含むことができる。履歴特性244は、複合材料製造システム208内の異なる箇所における未固化複合材料204の測定値から決定することができる。言い換えると、履歴特性244は、未固化複合材料204の製造が完了したときの未固化複合材料204の特性228を含むことができる。
【0063】
さらに、訓練データセット240はまた、履歴上流情報245も含むことができる。履歴上流情報245は、製造工程が履歴上流情報を含む未固化複合材料を製造するときに生成された履歴センサデータ242と関連付けることができる。履歴上流情報245は、未固化複合材料を製造する際に使用された構成要素又は設定に関する情報を含むことができる。例えば、履歴上流情報245は、強化情報、繊維情報、強化サイジング情報、樹脂情報、剥離ライナー情報、樹脂フィルム情報、又は履歴センサデータ242を生成するために測定され得る他の適切な情報のうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0064】
関心対象の特性228は、未固化複合材料204のタイプに応じていくつかの異なる形態をとることができる。例えば、未固化複合材料204がプリプレグである場合、特性228には、厚さ、繊維目付(FAW)、樹脂重量含有率(RC)、プリプレグ目付(PAW)、吸水、タック、しわ、又はプリプレグの形態の未固化複合材料204についての関心対象の他の特性のうちの少なくとも1つが含まれ得る。
【0065】
機械学習モデル236を使用して予測特性224を決定することにより、複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204の製造を完了する前にこれらの特性を予測することができる。言い換えると、完成又は製造された状態の未固化複合材料204の予測特性224を、未固化複合材料204の製造中の異なる時間に異なる箇所で作成することができる。
【0066】
別の例では、物理モデル235のセットを使用して、未固化複合材料204の予測特性224を決定することができる。この例では、物理モデル235のセット内の物理モデル239は、少なくとも数学的方程式に基づいて、未固化複合材料を製造するために材料に対して行われる措置の影響を記述することができる方程式を含む数学的モデルである。これらの措置は、例えば、センサデータ218内の熱、引張り、圧力、力、又は他のパラメータなどのパラメータに応答したものとすることができる。
【0067】
物理モデル235のセットは、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、物理モデルのセットは、機械動力学熱及び機械モデル、樹脂浸透モデル、粘度を含むダーシー浸透モデル、樹脂流動モデル、硬化反応モデル、浸透の有限要素解析(FEA)モデル、レイアップの有限要素解析(FEA)モデル、並びに他の適切なタイプの物理モデルのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0068】
ハイブリッドモデル237のセットは、物理構成要素と機械学習構成要素の両方を使用するハイブリッド物理学ベースのデータ駆動型モデルである。この例ではハイブリッドモデル237は、予測に組み込まれたセンサの分布/ノイズが他の項目と共に評価されるように、物理学(リアル・タイム・ソフトウェア)又は測定データを、学習/予測データと組み合わせて単一のモデルにする。
【0069】
モデル233には統計モデル243も存在することができる。統計モデル243は、カルマンフィルタ、拡張カルマンフィルタ、アンセンテッド・カルマン・フィルタ、又は他の適切な統計モデルのうちの少なくとも1つから選択することができる。例えば、測定されている特性の推定値の精度を高めるために、カルマンフィルタをノイズの多いデータと共に使用して測定されているシステムの特性を推定することもできる。
【0070】
未固化複合材料204のいくつかの部分226の予測特性224を決定するときに、複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204のいくつかの部分226について決定された予測特性224のセットを使用して未固化複合材料204のいくつかの部分226の品質レベル230を決定することができる。この例示的な例では、部分226内の異なる部分は、他の部分とは異なる品質レベルを有する可能性がある。
【0071】
品質レベル230の識別を用いて、複合材料マネージャ212は、いくつかの措置241を行うことができる。いくつかの部分226内の各部分に対して識別された品質レベル230に応じて、措置241内の異なる措置を当該部分に対して行うことができる。
【0072】
さらに、センサデータ218に加えて他の情報を、未固化複合材料204のいくつかの部分の予測特性224を決定するために使用することができる。例えば、複合材料マネージャ212によってセンサデータ218と共に上流情報246を使用して、いくつかの部分226の予測特性224を決定することもできる。上流情報246は、強化情報、繊維情報、強化サイジング情報、樹脂情報、剥離ライナー情報、樹脂フィルム情報、又はセンサデータ218と共に未固化複合材料204のいくつかの部分226の予測特性224を決定するために使用することができる他の適切な情報のうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0073】
モデル233は、デジタルツイン203として動作することができ、複合材料マネージャ212によって、未固化複合材料204のいくつかの部分226の予測特性224を決定するために使用することができる。結果として、複合材料製造システム208の箇所209におけるセンサシステム220内のセンサ222の配置は、デジタルツイン203のモデル233によって未固化複合材料204のいくつかの部分226のいくつかの特性228を予測するために使用されるセンサデータ218を提供することができる。モデル233をデジタルツイン203として使用することにより、未固化複合材料204のいくつかの部分226をサンプリングする必要なく、未固化複合材料204のいくつかの部分226の特性228を識別することができる未固化複合材料204のいくつかの部分226のリアルタイム検査及び認証が可能になる。実際の試験が望まれる場合、必要に応じて予測を検証するために、未固化複合材料204の部分226の識別を試験することができる。
【0074】
さらに、異なるタイプのモデル233の任意の組合せを使用して、予測特性224の精度を高めることができる。例えば、センサデータ218を使用して生成された機械学習モデル236から、未固化複合材料204の一部分に対して初期予測特性251の第1のセットを決定することができる。センサデータ218を使用して生成された物理モデル239から、未固化複合材料204の同じ部分に対して初期予測特性251の第2のセットを決定することができる。未固化複合材料204のその部分の予測特性224のセットを、初期予測特性の第1のセットと初期予測特性の第2のセットとの融合から決定することができる。
【0075】
予測特性のセットの決定により、複合材料マネージャ212は、予測特性224のセットを使用して、未固化複合材料204のいくつかの部分226の品質レベル230を決定することができる。品質レベル230は、未固化複合材料204のいくつかの部分226が、いくつかの部分226の製造が完了し、未固化複合材料204のいくつかの部分226が完成した製品227を形成するときに有すると予測又は予期される予測品質レベル232である。
【0076】
複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204のいくつかの部分226に対して予測された品質レベル230に基づいて、いくつかの措置241を行うことができる。この例では、品質レベル230は、未固化複合材料204のいくつかの部分226のいくつかの予測特性224を使用して決定される。例えば、いくつかの措置241は、是正措置291を含むことができる。複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204のいくつかの部分226の品質レベル230に基づいて是正措置291を行うことができる。
【0077】
この図示の例では、未固化複合材料204のいくつかの部分226の製造を完了して完成した製品227を形成する前に是正措置291を行うことができる。例示的な例では、未固化複合材料204のいくつかの部分226の製造を、未固化複合材料204の部分226内の他の部分の前又は後に完了することができる。言い換えると、未固化複合材料204のいくつかの部分226を完成した製品227とすることができる一方で、他の部分は、まだ完成した製品227になっておらず、複合材料製造システム208内で引き続き処理されている。
【0078】
結果として、是正措置291が行われた場合、複合材料部品205を製造するために未固化複合材料204のより多くの部分226を使用することができる。例えば、未固化複合材料204のいくつかの部分226の製造を完了する前に是正措置291を行うことによって、いくつかの部分226の廃棄、再加工、又はリサイクルの少なくとも1つを回避することができる。
【0079】
次に
図3を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の部分の予測特性を使用してとることができる措置のブロック図が図示されている。例示的な例では、複数の図で同じ参照符号を使用することがある。異なる図における参照符号のこの再使用は、異なる図における同じ要素を表す。
【0080】
図示のように、措置241は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、いくつかの部分226の製造が完了されている最中に未固化複合材料204のいくつかの部分226に対して措置241を行うことができる。
【0081】
措置241は、マーキング措置300を含むことができる。図示のように、マーキング措置300は、いくつかの部分226内の未固化複合材料204の部分302を、使用不可304、使用可能306、品質レベル308、及び複合材料部品タイプ310としてマーキングすることを含むことができる。
【0082】
この例では、使用不可304は、複合材料マネージャ212が、部分302の品質レベル230が公差312外にあることに基づいて未固化複合材料204のいくつかの部分226内の未固化複合材料204の部分302を使用不可としてマーキングする措置である。この例では、公差312は、許容可能又は許容範囲内とみなされる部分302の1以上の特性228の範囲又は閾値とすることができる。公差312内にある関心対象の1以上の特性を、部分302の品質レベル308が許容可能であるかどうかを決定するために使用することができる。
【0083】
図示のように、使用可能306は、複合材料マネージャ212が、部分302の品質レベル230が公差312内にあることに基づいて未固化複合材料204のいくつかの部分226内の未固化複合材料204の部分302を使用可能としてマーキングする措置である。品質レベル308は、複合材料マネージャ212が、未固化複合材料204のいくつかの部分226内の未固化複合材料204の部分302を、部分302に対して識別された品質レベルでマーキングする措置である。
【0084】
別の例として、複合材料部品タイプは、複合材料マネージャ212が、未固化複合材料204のいくつかの部分226内の未固化複合材料204の部分302を、部分302を製造に使用できる複合材料部品のタイプの識別でマーキングする措置である。例えば、品質レベルは、部分302が意図されたタイプの複合材料部品の使用に適さないというものであってもよい。しかしながら、品質レベルは、部分302を別のタイプの複合材料部品を製造するために使用できるというものであってもよい。結果として、部分302を、廃棄又はリサイクルするのではなく、引き続き使用することができる。
【0085】
これらの措置の識別を、マーカ314を使用して部分302にマーキングすることができる。マーカ314は、無線周波数(RFID)識別子、マイクロドット、量子ドットのセット、インクマーク、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、又は何らかの他の適切なタイプのマーカなどの識別子とすることができる。マーカ314は、措置を識別することができる。マーキング措置300はまた、マーカ314を使用して部分302に関する情報316を記録することも含むことができる。例えば、情報は、部分302の長さ、未固化複合材料204内の部分302の箇所、品質レベル、予測特性224、貯蔵寿命、又は部分302に関する他の情報を含むことができる。情報316は、部分302の予測特性224から決定することができる。マーカ314及びマーキング措置300はまた、ロール上の位置を記録すること、又はロール上の位置に対する部分302の品質の後の相関のために、
図26に示すようにメモリ2606内の部分302に関する情報316を記録することも含む。この使用の一例は、ロール上の品質を指定する位置情報を、ロール上の特定の位置に印刷出力することである。言い換えると、マーキングは、実際のマーキング部分302自体に加えて、又はその代わりに、品質に関する記録又はログに情報を指示すること又は記録することの少なくとも一方を含むことができる。結果として、マーキングの結果はまた、各ロールに「マーキング」を伴う印刷出力又はサムドライブとすることもできる。
【0086】
この例示的な例では、措置241はまた、是正措置301も含むことができる。是正措置301は、部分302を含むいくつかの部分226に対して行うことができる措置241である。この例示的な例では、いくつかの部分226の予測特性224のセットが未固化複合材料204に対して指定された公差312外にあることに応答して、複合材料マネージャ212によって是正措置301のセット内の是正措置291を行うことができる。
【0087】
これらの是正措置は、未固化複合材料204のいくつかの部分226の製造が完了して完成した製品227を形成したときに予測特性224のセットがいくつかの部分226の公差312内にあるように、いくつかの部分226の予測特性224のセットを変更するために行うことができる。
【0088】
図示のように、是正措置301は、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、是正措置301は、調整措置303、変更措置305、又は何らかの他の適切な是正措置のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0089】
例えば、是正措置301内の是正措置291が調整措置303の形態をとる場合、複合材料マネージャ212は、いくつかの部分226の予測特性224のセットが未固化複合材料204に対して指定された公差312外にあることに応答して、複合材料製造システム208におけるパラメータ307のセットを、未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを変更するように調整することができる。
【0090】
この図示の例では、複合材料製造システム208のパラメータのセットは、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、パラメータ307のセットは、速度、トルク、電圧、電流、ギャップ、ニップギャップ、力、引張り、箇所における厚さ、圧力、又は複合材料製造システム208において設定することができる他の適切なパラメータのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0091】
例えば、是正措置291は、複合材料製造システム208におけるパラメータ307のセットを調整することができる。パラメータ307のセットの調整は、未固化複合材料204のいくつかの部分226の予測特性224のセットが、未固化複合材料204の公差312内にあるようにするものとすることができる。
【0092】
さらに別の例では、調整は、予測特性224のセットが、未固化複合材料204の指定された使用に対する公差312を満たす未固化複合材料204のいくつかの部分226の公差312の範囲内に収まらせない場合もある。この図示の例では、未固化複合材料204のいくつかの部分226の予測特性224のセットは、未固化複合材料204の第1のタイプの使用311の第1の公差309外にある。
【0093】
この場合、未固化複合材料204のいくつかの部分226の品質レベル230に基づいて是正措置291を行うことは、複合材料製造システム208におけるパラメータ307のセットを、未固化複合材料204のいくつかの部分226の予測特性224のセットが、未固化複合材料204の第2のタイプの使用315の第2の公差313内にあるように調整することを含む。
【0094】
例えば、第1のタイプの使用311は、未固化複合材料204をスキンパネルにおいて使用するためのものとすることができる。第2のタイプの使用315は、未固化複合材料204を航空機内のモニュメントにおいて使用するためのものとすることができる。
【0095】
このタイプの是正措置291はまた、第1のタイプの使用311の代わりに第2のタイプの使用315のために未固化複合材料204のいくつかの部分を作成するために行うこともできる。言い換えると、この措置は、予測特性224のセットが公差312内にあるときでも行うことができる。結果として、第2のタイプの使用315のための未固化複合材料204の必要が生じたときに、第1のタイプの使用311のために製造された未固化複合材料204の一部を、第2のタイプの使用315に転用することができる。
【0096】
別の例示的な例では、是正措置291は、いくつかの部分226の予測特性224のセットが未固化複合材料204に対して指定された公差312外にあることに応答して、未固化複合材料204のいくつかの部分226の後続部分317の予測特性224のセットが未固化複合材料204の第2の公差313内にあるように、複合材料製造システム208におけるパラメータ307のセットを調整することを含むことができる。このタイプの是正措置は、パラメータ307を変更しても未固化複合材料204のいくつかの部分226が公差312内に入る予測特性224のセットを有しないときに行うことができる。しかしながら、この是正措置は、未固化複合材料204の後の部分が公差312内に入る予測特性224のセットを有するようにするために使用することができる。結果として、この例では、いくつかの部分226に対してマーキング措置が引き続き行われる。
【0097】
別の例示的な例では、是正措置291は、変更措置305内の変更措置とすることができる。例えば、是正措置291は、未固化複合材料204を形成するために使用されるいくつかの原材料319を変更することができる。いくつかの原材料319の変更は、いくつかの部分226の予測特性224のセットが未固化複合材料204に対して指定された公差312外にあることに応答して、後続部分の予測特性224のセットを、未固化複合材料204の公差312内にある未固化複合材料204のいくつかの部分226とすることができるようにするものである。
【0098】
この例示的な例では、原材料319内の原材料は、未固化複合材料204を製造するために複合材料製造システム208によって使用される任意の材料とすることができる。例えば、いくつかの原材料319は、樹脂、紙、フィルム、織物、トウ、スプレッドトウ織物、繊維タイプ、トウサイズ、繊維サイズ、又は未固化複合材料204を製造するために使用される他の材料のうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0099】
いくつかの例示的な例では、複数の是正措置をとることができる。例えば、調整措置と変更措置の両方を行うことができる。
【0100】
1つの例示的な例では、未固化複合材料の特性を要求どおりに迅速に決定できないという問題を克服する1以上の解決策が存在する。1以上の例示的な例は、未固化複合材料の異なる部分の製造が完了する前にそれらの部分の特性を予測することを可能にすることができる。このタイプの予測では、異なる部分をマーキングする、又は他の措置を行うなどの措置が、未固化複合材料の製造が完了した後にサンプルを試験するよりも迅速に行われ得る。
【0101】
コンピュータシステム210は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組合せを使用して、異なる例示的な例で説明したステップ、動作、又は措置のうちの少なくとも1つを行うように構成することができる。結果として、コンピュータシステム210は、コンピュータシステム210内の複合材料マネージャ212が、未固化複合材料の製造が完了する前に、未固化複合材料の製造中に未固化複合材料の特性を予測することを可能にする専用コンピュータシステムとして動作する。未固化複合材料の製造中に未固化複合材料に関するリアルタイムデータを使用することにより、未固化複合材料の製造中に未固化複合材料の予測特性を決定することが可能になる。さらに、機械学習モデルを使用することにより、未固化複合材料の製造が完了する前に未固化複合材料の予測特性を決定することが可能になる。言い換えると、予測特性の決定は、未固化複合材料の製造が完了した後の未固化複合材料のサンプリング及び試験を必要としない。さらに、この決定を、人間のオペレータが、未固化複合材料の製造が完了する前に未固化複合材料の特性の予測を取得するのに十分に迅速に行うことはできない。
【0102】
特に、複合材料マネージャ212は、複合材料マネージャ212のない現在利用可能な一般的なコンピュータシステムと比較して、コンピュータシステム210を専用コンピュータシステムに変換する。
【0103】
例示的な例では、コンピュータシステム210における複合材料マネージャ212の使用により、各工程が、未固化複合材料204の部分226の特性228を予測する際のコンピュータシステム210の性能を高める、未固化複合材料を製造するための実用的なアプリケーションに統合される。言い換えると、コンピュータシステム210内の複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204に対してより迅速に措置241をとることができるように、未固化複合材料204の特性228の予測をリアルタイムで生成するコンピュータシステム210内の複合材料マネージャ212に統合された各工程の実用的なアプリケーションを対象としている。複合材料マネージャ212を使用して、リアルタイムで受信したセンサデータ218からモデル233を使用して予測特性224を生成するこの工程は、未固化複合材料204の製造が完了する前に予測特性224を取得するためにリアルタイムで行うことができ、これは、人間のオペレータが手作業でセンサデータ218を分析する場合には不可能である。
【0104】
この例示的な例では、コンピュータシステム210内の複合材料マネージャ212は、未固化複合材料の製造を完了する前に、プリプレグや樹脂被覆フィルムなどの未固化複合材料の特性を予測することを可能にする。結果として、それらの部分の製造が完了されている最中にそれらの部分に対する措置を行うことができる。
【0105】
例えば、未固化複合材料の異なる部分を、未固化複合材料のそれらの部分の適合性又は品質を指示するために異なる部分が完成されている最中にマーキングすることができる。複合材料マネージャ212は、複合材料製造システム208に対して箇所209内の異なる箇所から取得されたセンサデータ218を使用して、未固化複合材料が製造されている最中に未固化複合材料を管理する実用的なアプリケーションを提供する。予測特性224は、未固化複合材料204の部分226をマーキングするために使用することができる。マーキングは、予測特性224を使用して予測品質レベル232に基づいて行うことができる。
【0106】
このタイプの管理は、ロール全体の品質を決定するためにロール内のプリプレグ材料のサンプルを採取し得る現在の技術とは対照的である。複合材料マネージャ212は、この決定をプリプレグロールの異なる部分に対して行い、かつプリプレグロールが製造されている最中に行うことができる改善策を提供する。結果として、複合材料マネージャ212を使用して未固化複合材料の品質レベル部分を予測して、未固化複合材料を製造するのに必要な時間の短縮が実現される。
【0107】
次に
図4を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料を製造するための製造工程フローの図が示されている。この例では、製造工程フロー400は、未固化複合材料生産工程投入402が未固化複合材料生産物理プラント404とデータ前処理406とに対して行われることから開始する。未固化複合材料生産工程投入402におけるこれらの投入は、材料及び設定408を含む。この例では、材料及び設定408は、未固化複合材料204の製造において使用されるべき材料を識別する情報である。未固化複合材料204がプリプレグである場合、材料は、例えば、繊維タイプ、繊維サイズ、樹脂フィルム仕様、強化情報、繊維情報、強化サイジング情報、樹脂情報、剥離ライナー情報、樹脂フィルム情報、又はプリプレグを製造するために使用される材料に関する他の適切な情報とすることができる。
【0108】
設定は、温度、圧力、引張り、及びプリプレグを製造するための未固化複合材料生産物理プラント404における設定に、又は複合材料製造システムを構成するために使用することができる他の情報などの情報とすることができる。材料及び設定408は、上流情報246の一部とすることができる。
【0109】
材料及び設定408を投入物として、未固化複合材料生産物理プラント404は、製造作業を行って、未固化複合材料204の形態の未固化複合材料生産工程出力410を生成することができる。これらの作業は、プラント内の複合材料製造システムなどの機器を使用して行うことができる。この例では、未固化複合材料204の部分を、未固化複合材料204の部分の製造が完了されている最中に、未固化複合材料生産工程出力410として出力することができる。
【0110】
データ前処理406は、いくつかのモデル233が予測特性224の決定に使用するために未固化複合材料生産工程投入402を処理する、コンピュータシステム210に配置された構成要素とすることができる。例えば、データ前処理406は、材料及び設定408を処理して、いくつかのモデル233に入力される上流情報246を形成することができる。
【0111】
センサ222は、未固化複合材料204が製造されている最中にリアルタイムで未固化複合材料204の製造を監視し、未固化複合材料204が製造されている最中にリアルタイムで複合材料マネージャ212にセンサデータを送信する。複合材料マネージャ212は、センサ222からセンサデータを取得し、そのセンサデータをいくつかのモデル233に送信する。
【0112】
この例では、センサデータを、モデル233内の単一のモデル、又はモデル233内の複数のモデルに送信することができる。いくつかのモデル233が単一のモデルである場合、モデルは機械学習モデルとすることができる。いくつかのモデル233が複数のモデルである場合、それらのモデルは、例えば、2つの機械学習モデル、機械学習モデル及び物理モデル、又はモデルの何らかの組合せとすることができる。モデル233内の複数のモデルが使用される場合、それらのモデルの出力を比較して予測特性224の最良の予測を識別するか、又はそれらのモデルの出力の組合せ若しくは融合を行って予測特性224を形成することができる。
【0113】
モデル233は、予測特性224を生成する。この予測は、未固化複合材料204の製造が完了する前にリアルタイムで行われる。例えば、予測特性224は、その製造が完了していない未固化複合材料204の一部分に対するものとすることができる。言い換えると、その部分が完成した製品として出力される前に、未固化複合材料204のその部分に対する予測特性224を決定することができる。完成した製品は、複合材料部品205を製造するために使用することができる。
【0114】
この例では、予測特性224を使用して、リアルタイム品質記録412の形態で措置241内の1つの措置を行うことができる。この記録は、他の未固化複合材料又は複合材料部品を製造するための追加の製造作業を行うために、未固化複合材料204の部分を追跡するために使用することができる。
【0115】
図2~
図4の複合材料製造環境200の図は、例示的な実施形態を実装することができる方法に対する物理的限定又はアーキテクチャ上の限定を示唆するためのものではない。例示の構成要素に加えて、又は例示の構成要素の代わりに他の構成要素を使用されてもよい。いくつかの構成要素は、不要な場合がある。また、ブロックは、いくつかの機能構成要素を示すために提示されている。これらのブロックのうちの1以上が、例示的な実施形態で実装されるときに異なるブロックに組み合わされても、分割されても、又は組み合わされかつ分割されてもよい。
【0116】
例えば、複合材料マネージャ212は、未固化複合材料204に加えて1以上の未固化複合材料の特性を予測するために使用することができる。これらの他の未固化複合材料は、複合材料製造システム208に加えて他の複合材料製造システムを使用して製造することができる。さらに、複合材料製造システムを使用して製造される追加の未固化複合材料は、異なるタイプの複合材料製造システムを使用して製造される異なるタイプの未固化複合材料とすることができる。
【0117】
図5及び
図6は、
図2の複合材料製造システム208を実装するために使用することができる複合材料製造システムの例である。これらの複合材料製造システムにセンサシステムを追加することもできるし、又は既存のセンサシステムを、未固化複合材料がこれらの複合材料製造システムによって製造されている最中に未固化複合材料の特性を予測するために必要なセンサデータを生成することができる構成として1以上のセンサを含むように増補することもできる。
【0118】
次に
図5を参照すると、例示的な実施形態による、フィルム加工工程を行うように構成された複合材料製造システムの図が図示されている。複合材料製造システム500は、
図2にブロック形式で示されている。
【0119】
図示のように、複合材料製造システム500は、樹脂がフィルム紙上に被覆されるフィルム加工工程を行うように構成されている。
【0120】
この例では、未フィルム加工紙ロール501が紙503をニップ502に供給する。ニップは、ローラ間にギャップが設定された一対のローラを備える。図示のように、ニップ502は、ローラ504とローラ506との間にギャップ508を有するローラ504とローラ506とを備える。ギャップは、固定することもでき、又は一定の圧力を提供するために変更することもできる。
【0121】
樹脂505は加熱され、ローラ504及びローラ506上に載置された樹脂ダム510内に配置される。樹脂ダム510は、紙503が紙巻き戻し機512によってギャップ508を通してフィルム加工紙ロール511上に引っ張られている間に、樹脂505をギャップ508に供給する。紙503は、樹脂ダム510からの樹脂505がギャップ508で紙503を被覆する際にフィルム加工紙514になる。フィルム加工紙514は、フィルム加工紙ロール511上に回収される。
【0122】
この例示的な例では、フィルム加工紙514の特性を、複合材料製造システム500用のセンサシステムによって生成されたセンサデータを使用して予測することができる。例えば、センサシステムは、紙503の引張り、紙503が移動する速度、ギャップ508のギャップ幅、樹脂ダム510内の樹脂505の樹脂粘度、坪量/目付、及び他のパラメータを測定することができる。ギャップ508のギャップ幅、及び樹脂ダム510内の樹脂の樹脂粘度は、フィルム加工紙514を形成するために紙503上にどれだけの樹脂が被覆されるかに影響を及ぼし得る。樹脂粘度は、液体樹脂の厚さであり、センチポアズ(cP)で通常測定される。
【0123】
樹脂ダム510内の樹脂505の樹脂粘度は、樹脂ダム510内のセンサ520を使用して測定することができる。センサ520は、粘度計とすることができる。ギャップ508のギャップ幅での樹脂粘度の測定を、フィルム加工紙514上の樹脂505の厚さを予測するために使用することができる。別の例として、樹脂粘度を、誘電率測定値を使用して決定することができる。例えば、センサ520は、樹脂ダム510内の樹脂505に振動電圧を印加し、電流を測定することができる。このタイプの測定は、センサ520が振動電圧を印加し、電流を測定するギャップ508の直後に配置されたセンサ522によって行うことができる。この測定値を使用して、フィルム加工紙ロール511上に回収されるフィルム加工紙514上に存在することになる樹脂の量を予測することができる。
【0124】
訓練データセットを作成するとき、センサデータを、フィルム加工紙514上の樹脂の実際の測定値でラベル付けすることができる。例えば、各ロールからの紙を、未フィルム加工紙ロール501の先頭と、フィルム加工紙ロール511の末端とで事前測定することができる。2つのロールの重量を差し引きして重量差を取得して、樹脂の量を決定することができる。この測定は、フィルム加工紙514の部分ではなく、フィルム加工紙514の全体の全樹脂を提供する。一定の面積の紙を切り取り、異なる部分の重さを量るための部分のサンプルを採取することができる。紙の重量は既知であり、その重量を差し引いてサンプルの重量を測定して、樹脂の重量を決定することができる。紙と樹脂の差を識別して、サンプル上の樹脂の量を取得することができる。
【0125】
図6を参照すると、例示的な実施形態による、プリプレグ生産工程を行うように構成された複合材料製造システムの図が図示されている。この例では、複合材料製造システム600は、
図2にブロック形式で示されている複合材料製造システム208の実装形態の別の例である。複合材料製造システム600は、プリプレグの形態の未固化複合材料を製造するように構成されている。プリプレグは、ホット・メルト・プリプレグ工程又は溶媒ベースのプリプレグ工程を使用して製造することができる。
【0126】
図示のように、複合材料製造システム600は、第1フィルム加工ロール602及び第2フィルム加工ロール604の2つのフィルム加工ロールを有する。これらのロール上のフィルム加工紙は、樹脂付きの紙である。例えば、第1フィルム加工ロール602はフィルム加工紙603の供給源であり、第2フィルム加工ロール604はフィルム加工紙605の供給源である。これらのフィルム加工ロールは、
図5の複合材料製造システム500を使用して製造することができる。
【0127】
この例では、複合材料製造システム600は4つのニップを有する。第1ニップ606は、2つのローラの間に第1ニップギャップ612を有するローラ608及びローラ610を有する。第2ニップ614は、第2ニップギャップ620を有するローラ616及びローラ618を有する。第3ニップ622は、第3ニップギャップ628を有するローラ624及びローラ626を有する。第4ニップ630は、第4ニップギャップ636を有するローラ632及びローラ634を有する。この例示的な例では、これらのニップは、ニップを通って移動する材料に圧力を印加することができる圧搾点として動作する。
【0128】
図示のように、複合材料製造システム600にはホットプレート640及びホットプレート642が存在する。このシステムはまた、コールドプレート644も有する。
【0129】
この例示的な例では、第1ニップ606、第2ニップ614、第3ニップ622、第4ニップ630、ホットプレート640、及びホットプレート642は、設定温度に保たれる。これらの構成要素の各々の温度は、他の構成要素とは別個に設定することができる。言い換えると、第1ニップ606の温度は、第2ニップ614とは異なる温度に設定することができる。
【0130】
この例示的な例では、繊維クリール637が繊維638の供給源である。これらの繊維は、第1ニップ606内に移動される前に、コーム639を通って、スプレッダーバー641上に供給される。
【0131】
図示のように、フィルム加工紙603及びフィルム加工紙605は両方とも、第1フィルム加工ロール602及び第2フィルム加工ロール604からそれぞれ第1ニップ606内に移動する。プリプレグ648が弛まないように、第1フィルム加工ロール602上のブレーキ645はフィルム加工紙603の引張りを維持し、第2フィルム加工ロール604上のブレーキ646はフィルム加工紙605の引張りを維持する。
【0132】
樹脂を有するフィルム加工紙603の側及びフィルム加工紙605の側は、繊維638に面している。この例では、温度及び圧力が第1ニップ606によって印加されて、第1ニップ606において樹脂をフィルム加工紙603及びフィルム加工紙605から繊維638に浸透させる。
【0133】
例えば、第1ニップ606における第1ニップギャップ612の幅は、フィルム加工紙603上とフィルム加工紙605上との樹脂間に挟まれた繊維638に圧力を印加するように選択される。さらに、第1ニップ606用のローラ608及びローラ610は、フィルム加工紙603上及びフィルム加工紙605上の繊維638及び樹脂を加熱するように選択された温度を有する。熱又は圧力の少なくとも一方により樹脂が繊維638に浸透して、繊維638、フィルム加工紙603、及びフィルム加工紙605が第1ニップ606から出るときにプリプレグ648を形成する。
【0134】
その他のニップ、すなわち、第2ニップ614、第3ニップ622、及び第4ニップ630は、プリプレグ648が複合材料製造システム600内をプリプレグロール650まで移動する際に所望の量の圧力及び加熱をもたらすように設定されたニップギャップ及びローラ温度を有することができる。ニップギャップ及びローラ温度は、樹脂の粘度を変化させ、さらに浸透工程の速度を変化させることができる。ホットプレート640は、第1ニップ606と第2ニップ614との間に配置されており、ホットプレート642は、第2ニップ614と第3ニップ622との間に配置されている。このホットプレートは、プリプレグ648がニップ間を移動する際にプリプレグ648を加熱する。コールドプレート644は、第3ニップ622の後、第4ニップ630の前に配置されている。このコールドプレートは、プリプレグ648の温度を低下させることができる。コールドプレート644は、樹脂の粘度を高める温度を低下させて、繊維への樹脂の浸透工程を低減又は停止させることができる。
【0135】
プリプレグ648の幅は、フィルム加工紙605が除去される前にスリッター656によって設定することができる。ローラ652において、フィルム加工紙605が除去され、紙ロール654上に巻き取られる。プリプレグ648はここで、フィルム加工紙603上の樹脂を注入され、プリプレグロール650上に巻き取られた繊維638で構成されている。
【0136】
この例示的な例では、センサは、複合材料製造システム600内の点間の異なる箇所に配置することができる。この例示的な例では、これらの点は、プリプレグ648を製造するために措置を行うことができる処理点とすることができる。これらの処理点は、例えば、第1ニップ606、第2ニップ614、第3ニップ622、第4ニップ630とすることができる。他の処理点は、プリプレグ648を加熱又は冷却するためにプリプレグ648に熱又は冷気が加えられる、ホットプレート640、ホットプレート642、又はコールドプレート644とすることができる。
【0137】
これらの処理点は、プリプレグ648がプリプレグロール650でその最終形態になるまで、プリプレグ648に製造されている最中にプリプレグ648の特性を変化させることができる。センサは、これらの点間に配置することができ、プリプレグロール650におけるプリプレグ648の製造から完成したプリプレグ648の特性を予測するために使用することができる。言い換えると、これらの処理点間のセンサからのセンサデータを用いて、プリプレグロール650の前の複合材料製造システム600内の他の箇所から、プリプレグロール650におけるプリプレグ648の予測特性を決定することができる。
【0138】
例えば、センサ箇所660は、第1ニップ606と第2ニップ614との間に配置されている。別の例として、センサ箇所662は、第2ニップ614と第3ニップ622との間に配置されており、センサ箇所664は、第3ニップ622とホットプレート640との間に配置されている。さらに別の例として、センサ箇所666は、第2ニップ614とホットプレート642との間に配置されている。さらに別の例として、センサ箇所667は、第3ニップ622とコールドプレート644との間に配置されている。
【0139】
この例では、別のセンサ箇所、すなわちセンサ箇所671を、第1フィルム加工ロール602と第1ニップ606との間に配置することができる。別の例として、センサ箇所669は、第4ニップ630とプリプレグロール650との間に配置されている。このセンサ箇所は、その箇所が2つの処理点間にない場合でも使用することができるセンサ箇所の一例である。フィルム加工紙603に関するセンサデータを、プリプレグロール650におけるプリプレグ648の特性を予測する際に使用することができる。
【0140】
この例では、複合材料製造システム600はホット・メルト・フィルム・プリプレグ・システムである。この例示的なプリプレグシステムは、使用可能なプリプレグシステムのタイプを限定するためのものではない。他の例として、バス、スラリー、スプレー、又は他の機構を利用して樹脂を支持繊維に塗布する他のタイプのプリプレグシステムを挙げることができる。
【0141】
次に
図7を参照すると、例示的な実施形態による、複合材料製造システムにおけるセンサ箇所のブロック図が図示されている。この例示的な例では、未固化複合材料702の部分700は、複合材料製造システム708において矢印707の方向に第1の点704から第2の点706まで移動する。
【0142】
この例示的な例では、未固化複合材料702の部分700が第1の点704を通過する際に、第1の点704で未固化複合材料702の部分700に対して措置710のセットを行うことができる。措置710のセットは、未固化複合材料702の製造において行われる1以上の措置とすることができる。この例では、措置710のセットは、加熱すること、圧力を印加すること、引張りを加えること、力を加えること、冷却すること、粘度を変化させること、又は他の適切な措置のうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0143】
例えば、未固化複合材料702がプリプレグ712であり、第1の点704がローラを有するニップなどの箇所構成要素である場合、措置710のセットは、部分700に圧力を加え、加熱することとすることができる。措置710のセットの結果として、第1の点704の後に特性714のセットが存在することになる。特性714のセットは、第1の点704で部分700に対して措置710のセットが行われる前に存在していたものから変化し得る。
【0144】
部分700の特性714のセットは、第1の点704での部分700に対して措置のセットが行われる前に存在していた特性とは異なり得る。言い換えると、第1の点704で行われる措置のセットは、未固化複合材料702の部分700の特性714のセットを変更することができる。
【0145】
未固化複合材料702の部分700に対して措置710のセットを行った後に存在する特性714のセットは、センサ箇所718においてセンサ716のセットを使用して検出することができる。センサ716のセットは、センサデータ722を生成することができる。センサデータ722は、測定値723及びメタデータ725を含むことができる。メタデータ725がセンサデータ722に存在する場合。メタデータ725は、例えば、タイムスタンプ、センサ箇所、センサ識別子、又は測定値723に関する他の適切な情報のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0146】
未固化複合材料702がプリプレグ712である場合、センサデータ722内の測定値723は、部分700などの領域に存在する樹脂の量を決定するために使用することができる。例えば、センサデータ722内の測定値723は、目付とすることができる。存在する樹脂の現在の量は、未固化複合材料702の部分700の製造工程が完了する前に存在することになる樹脂の量を予測するために使用することができる。
【0147】
このセンサデータは、未固化複合材料702の部分700の製造が完了したときに未固化複合材料702の部分700が有することになる特性714を予測するために使用することができる。センサ716のセットは、複合材料製造システム208に対するセンサシステム220内のセンサ222のうちの1以上とすることができる。
【0148】
この例示的な例では、センサ箇所718は、第1の点704の後、第2の点706の前に配置されている。センサ箇所718は、第1の点704で措置710を行うことによって引き起こされた特性714の変化をセンサ716によってセンサデータ722を生成するために測定することができるように、第1の点704に近接した特定の位置にあるように選択することができる。
【0149】
この例では、第2の点706は、未固化複合材料702の部分700に対して別の措置720のセットを行うことができる複合材料製造システム708内の箇所である。第2の点706で行われる措置720のセットは、特性714を変更することができる。
【0150】
結果として、第1の点704と第2の点706との間のセンサ箇所718におけるセンサ716のセットは、第1の点704で部分700に対して措置710を行った後に存在する特性714を測定することができる。この測定は、時間間隔715で行うことができる。例えば、毎秒測定を行うことができる。未固化複合材料702が移動する速度を知ることにより、部分700などの特定の部分719の特性を識別することができる。センサ716のセットは、未固化複合材料702の部分700の製造が完了したときに存在することになる未固化複合材料702の部分700の予測特性を決定する際に使用するために、特性714のセットの測定値からセンサデータ722を生成することができる。
【0151】
次に
図8を参照すると、例示的な実施形態による、複合材料製造システムの一部分の側面図が図示されている。この例示的な例では、第1点800及び第2点802は、
図7の第1の点704及び第2の点706の例である。ローラ804は第1点800に配置されており、ローラ806は第2点802に配置されている。
【0152】
プリプレグ807の形態の未固化複合材料は、矢印809の方向に第1点800から第2点802まで移動する。移動速度は、フィート/秒などの距離/時である。プリプレグ807が移動する速度を知ることにより、部分824が複合材料製造システム内を移動するときのその部分の長さ及び箇所を知ることが可能になる。
【0153】
この例では、センサ808及びセンサ810は、センサ箇所812に位置決めされている。センサ箇所812において、センサ808は、プリプレグ807の上側814に位置決めされている。センサ808は、プリプレグ807の底側816に位置決めされている。
【0154】
この例では、第1点800における引張り820、及び第2点802における引張り822が存在する。さらに、ローラ804は、プリプレグ807がローラ804上を移動する際にプリプレグ807に熱及び圧力を加える。センサ808及びセンサ810は、センサデータを生成するためにプリプレグ807に引張り、熱、及び圧力を加えることからもたらされる、センサ箇所812におけるプリプレグ807の部分824の厚さ及び反射率のリアルタイム測定を行うことができる。
【0155】
次に
図9を参照すると、例示的な実施形態による、複合材料製造システムの一部分の上面図が図示されている。この例では、
図8の例と比較して、異なるセンサの位置決めが存在する。この上面図に図示するように、センサ900は、センサ箇所812におけるプリプレグ807の第1の側902に位置決めされている。センサ904は、第1の側902の反対側の、センサ箇所812におけるプリプレグ807の第2の側906に位置決めされている。
【0156】
この例では、第1点800における引張り820、及び第2点802における引張り822が存在する。さらに、ローラ804は、プリプレグ807がローラ804上を移動する際にプリプレグ807に熱及び圧力を加える。
【0157】
図示のように、センサ900及びセンサ904は、センサデータを生成するためにプリプレグ807の部分824の幅、コンダクタンス、及び静電容量のリアルタイム測定を行うことができる。電気測定値のセンサデータを使用して、樹脂吸収量や幅などのプリプレグ807の部分824の特性を決定することができる。
【0158】
センサ箇所812又は他のセンサ箇所のうちの少なくとも1つからのセンサデータを用いて、プリプレグ807の部分824がプリプレグロールに巻き取られたときなど、プリプレグ807の部分824の製造が完了したときの部分824について、プリプレグ807の部分824の特性の予測を行うことができる。例えば、センサデータを使用して、プリプレグ807の部分824が有することになる、繊維目付(FAW)や吸水などの特性を予測することができる。
【0159】
点、センサ箇所、及びセンサの図は、一実装形態の一例として提供されており、他の例示的な例を実装することができる方法を限定するためのものではない。例えば、別の例示的な例では、単一のセンサのみが存在してもよいし、又は3つ以上のセンサが存在してもよい。さらに、追加のセンサは、センサ箇所812にあってもよいし、又は第1点800と第2点802との間の別のセンサ箇所にあってもよい。
【0160】
さらに別の例として、第1点800及び第2点802は、ローラ804及びローラ806以外のプリプレグ807に対して措置を行う他の構成要素のための箇所とすることができる。例えば、カラー、スプレッダーバー、コーム、カラー、ニップ、巻き戻し機、又は他の構成要素が、第1点800及び第2点802にあってもよい。
【0161】
図10を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の部分の品質レベルを識別するための工程のフローチャートが図示されている。
図10の工程は、ハードウェア、ソフトウェア、又は、その両方で実装することができる。ソフトウェアで実装される場合、工程は、1以上のコンピュータシステムにおいて1以上のハードウェアデバイス内に配置された1以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラムコードの形態をとることができる。例えば、工程は、
図2のコンピュータシステム210の複合材料マネージャ212に実装することができる。
【0162】
図示のように、工程は、複合材料製造システム用のセンサシステムからセンサデータを受信することによって開始し、センサデータは、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に受信される(動作1000)。工程は、センサデータを使用して、複合材料製造システムによる製造から完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを決定する(動作1002)。工程は、未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットに基づいて、未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルを識別する(動作1004)。その後工程は終了する。
【0163】
図11では、例示的な実施形態による、未固化複合材料をマーキングするための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図10の工程の動作内で使用することができる追加の動作の例である。
【0164】
図示のように、工程は、未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行う(動作1100)。その後工程は終了する。
【0165】
次に
図12に、例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差外部分を使用不可としてマーキングする工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図11の動作1100の実装形態の一例である。
【0166】
工程は、未固化複合材料のいくつかの部分内の未固化複合材料のいくつかの部分を、部分の品質レベルが公差外にあることに基づいて使用不可としてマーキングする(動作1200)。その後工程は終了する。
【0167】
次に
図13を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差内部分を使用可能としてマーキングするための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図11の動作1100の実装形態の一例である。
【0168】
工程は、未固化複合材料のいくつかの部分内の未固化複合材料のいくつかの部分を、部分の品質レベルが公差内にあることに基づいて使用可能としてマーキングする(動作1300)。その後工程は終了する。
【0169】
図14を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料のいくつかの部分を品質レベルでマーキングするための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図11の動作1100の実装形態の一例である。
【0170】
工程は、未固化複合材料のいくつかの部分内の未固化複合材料の一部分を品質レベルでマーキングする(動作1400)。その後工程は終了する。
【0171】
次に
図15を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の部分の品質レベルを記録するための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図11の動作1100の実装形態の一例である。
【0172】
工程は、未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルを記録する(動作1500)。その後工程は終了する。
【0173】
図16を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の一部分の予測特性を決定するための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図10の動作1002の一実装形態の一例である。
【0174】
図示のように、工程は、センサデータを使用して生成された機械学習モデルから、未固化複合材料の部分の初期予測特性の第1のセットを決定することから開始する(動作1600)。工程は、センサデータを使用して生成された物理モデルから、未固化複合材料の部分の初期予測特性の第2のセットを決定する(動作1602)。工程は、初期予測特性の第1のセットと初期予測特性の第2のセットとの融合から、未固化複合材料の部分の予測特性のセットを決定する(動作1604)。その後工程は終了する。
【0175】
次に
図17を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の製作を完了する前に未固化複合材料の特性を予測するように機械学習モデルを訓練するための工程のフローチャートが図示されている。
図17の工程は、ハードウェア、ソフトウェア、又は、その両方で実装することができる。ソフトウェアで実装される場合、工程は、1以上のコンピュータシステムにおいて1以上のハードウェアデバイス内に配置された1以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラムコードの形態をとることができる。例えば、工程は、
図2のコンピュータシステム210の複合材料マネージャ212に実装することができる。
【0176】
工程は、データ収集の範囲を設定することから開始する(動作1700)。動作1700において、範囲は、試験モデルを訓練し、検証するのに十分な分解能反復でデータが収集されるように設定される。
【0177】
工程はデータを収集する(動作1702)。この動作では、未固化複合材料の製造から履歴データが収集される。このデータは、センサデータ、上流データ、及び検査データを含むことができる。検査データは、関心対象の特性を決定するために製造された未固化複合材料をサンプリング試験することによって生成される。関心対象のこれらの特性は、未固化複合材料の品質、及び未固化複合材料が特定の用途に適しているかどうかを評価するために使用される。
【0178】
工程は、機械学習モデルのセットを訓練する(動作1704)。動作1704では、訓練のために1以上のモデルタイプを選択することができる。複数のタイプのモデルが選択される場合、どの機械学習モデルが最も正確な予測を提供するかを確認するために評価を行うことができる。
【0179】
動作1704では、訓練で使用するために特性及びパラメータが選択される。特性は、品質、及び未固化複合材料が使用に適しているかどうかを決定する際の関心対象となる未固化複合材料の特性である。パラメータは、選択された特性に対する相関又は影響を有するパラメータとして選択される。言い換えると、パラメータが変化するとき、それらの変化は、未固化複合材料に対して得られる特性に対して影響を及ぼし得る。
【0180】
動作1704はまた、モデル内のハイパーパラメータを、モデルを訓練するために選択されたパラメータ又は変数を実際に最適化する前に設定されるパラメータ又は変数として設定することができる、ハイパーパラメータ最適化も含むことができる。ハイパーパラメータは、例えば、モデル選択を含むことができる。
【0181】
工程は、特性の推定における誤差を決定する(動作1706)。動作1706では、検証データを使用して、特性を予測する際に発生する誤差を決定することができる。
【0182】
次いで、工程は、選択された機械学習モデルが所望のレベルの精度を有するかどうかを決定する(動作1708)。この所望のレベル精度を、試験データとして分割された履歴データの一部分を使用して試験することができる。精度のレベルが存在しない場合、工程は、実験計画法(DOE)を使用して試験データセットを生成する(動作1710)。次いで、工程は動作1702に戻り、実験計画法によって生成されたデータ生成手法を使用してデータを収集する。実験計画法は、訓練を生成するために実験の実行を導く統計的方法である。
【0183】
動作1708を再び参照すると、選択された機械学習モデルが所望のレベルの精度を有する場合には、工程は、未固化複合材料の部分の特性をリアルタイムで予測し、部分の製造を完了する前に未固化複合材料の部分に対して特性が予測される(動作1712)。その後工程は終了する。
【0184】
図18を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の部分に対して是正措置を行うための工程のフローチャートが図示されている。
図18の工程は、ハードウェア、ソフトウェア、又は、その両方で実装することができる。ソフトウェアで実装される場合、工程は、1以上のコンピュータシステムにおいて1以上のハードウェアデバイス内に配置された1以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラムコードの形態をとることができる。例えば、工程は、
図2のコンピュータシステム210の複合材料マネージャ212に実装することができる。
【0185】
図示のように、工程は、複合材料製造システム用のセンサシステムからセンサデータを受信することから開始し、センサデータは、複合材料製造システムによって未固化複合材料の製造中に受信される(動作1800)。工程は、センサデータを使用して未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを決定し、予測特性のセットは、完成した製品として未固化複合材料のいくつかの部分に対するものである(動作1802)。工程は、未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルに基づいて是正措置を行う(動作1804)。その後工程は終了する。
【0186】
図19を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差外部分に対して是正措置を行うための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の実装形態の一例である。
【0187】
図示のように、工程は、いくつかの部分の予測特性のセットが未固化複合材料に対して指定された公差外にあることに応答して、是正措置を行う(動作1900)。その後工程は終了する。
【0188】
次に
図20を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差外部分のパラメータを調整するための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の実装形態の一例である。
【0189】
図示のように、工程は、いくつかの部分の予測特性のセットが未固化複合材料に対して指定された公差外にあることに応答して、複合材料製造システムにおけるパラメータのセットを、未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを変更するように調整する(動作2000)。その後工程は終了する。
【0190】
図21を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の公差内部分のパラメータを調整するための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の実装形態の一例である。
【0191】
図示のように、工程は、複合材料製造システムにおけるパラメータのセットを、未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットが未固化複合材料の公差内にあるように調整する(動作2100)。その後工程は終了する。
【0192】
次に
図22を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の部分が公差内にあるようにパラメータを調整するための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の実装形態の一例である。
【0193】
図示のように、工程は、複合材料製造システムにおけるパラメータのセットを、未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットが未固化複合材料の第2のタイプの使用のための第2の公差内にあるように調整する(動作2200)。その後工程は終了する。
【0194】
図23を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の後続部分のパラメータを調整するための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の実装形態の一例である。
【0195】
図示のように、工程は、いくつかの部分の予測特性のセットが未固化複合材料に対して指定された公差外にあることに応答して、複合材料製造システムにおけるパラメータのセットを、未固化複合材料のいくつかの部分の後続部分の予測特性のセットが未固化複合材料の公差内にあるように調整する(動作2300)。その後工程は終了する。
【0196】
図24を参照すると、例示的な実施形態による、原材料を変更するための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図18の動作1804の実装形態の一例である。
【0197】
図示のように、工程は、いくつかの部分の予測特性のセットが未固化複合材料に対して指定された公差外にあることに応答して、未固化複合材料を形成するために使用されるいくつかの原材料を、未固化複合材料のいくつかの部分の後続部分の予測特性のセットが未固化複合材料の公差内にあるように変更する(動作2400)。その後工程は終了する。
【0198】
次に
図25を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の予測特性を決定するための工程のフローチャートが図示されている。この図の動作は、
図18の工程の動作内で使用することができる追加の動作の例である。
【0199】
図示のように、工程は、センサデータ、機械学習モデル、及び物理モデルを使用して、未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを決定する(動作2500)。その後工程は終了する。
【0200】
異なる図示の実施形態におけるフローチャート及びブロック図は、例示的な実施形態における装置及び方法のいくつかの可能な実装形態のアーキテクチャ、機能性、及び動作を示している。これに関して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、又は動作若しくはステップの一部分のうちの少なくとも1つを表することができる。例えば、ブロックのうちの1以上を、プログラムコード、ハードウェア、又はプログラムコードとハードウェアとの組合せとして実装することができる。ハードウェアで実装される場合、ハードウェアは、例えば、フローチャート又はブロック図における1以上の動作を行うように製造又は構成された集積回路の形態をとることができる。プログラムコードとハードウェアとの組合せとして実装される場合、実装形態はファームウェアの形態をとってもよい。フローチャート又はブロック図の各ブロックは、異なる動作を行う専用ハードウェアシステム、又は専用ハードウェアと専用ハードウェアによって実行されるプログラムコードとの組合せを使用して実装することができる。
【0201】
例示的な実施形態のいくつかの代替の実装形態では、ブロックに記されている1以上の機能は、図に記されている順序から外れて行われてもよい。例えば、場合によっては、連続して示される2つのブロックが実質的に同時に行われてもよいし、又はブロックは、関与する機能性に応じて、時には逆の順序で行われてもよい。また、フローチャート又はブロック図に示されたブロックに加えて、他のブロックが追加されてもよい。
【0202】
次に
図26を参照すると、例示的な実施形態による、データ処理システムのブロック図が図示されている。データ処理システム2600は、
図1のサーバーコンピュータ104、サーバーコンピュータ106、又はクライアントデバイス110を実装するために使用することができる。データ処理システム2600はまた、
図2のコンピュータシステム210を実装するために使用することもできる。この例示的な例では、データ処理システム2600は通信フレームワーク2602を含み、通信フレームワーク2602は、プロセッサユニット2604と、メモリ2606と、永続記憶装置2608と、通信ユニット2610と、入力/出力(I/O)ユニット2612と、ディスプレイ2614との間の通信を提供する。この例では、通信フレームワーク2602は、バスシステムの形態をとる。
【0203】
プロセッサユニット2604は、メモリ2606にロードすることができるソフトウェアのための命令を実行する役割を果たす。プロセッサユニット2604は、1以上のプロセッサを含む。例えば、プロセッサユニット2604は、マルチコアプロセッサ、中央処理装置(CPU)、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)、物理演算ユニット(PPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ、又は何らかの他の適切なタイプのプロセッサのうちの少なくとも1つから選択することができる。さらに、プロセッサユニット2604は、メインプロセッサがセカンダリプロセッサと共に単一のチップ上に存在する、1以上のヘテロジニアス・プロセッサ・システムを使用して実装することができる。別の例示的な例として、プロセッサユニット2604は、単一のチップ上に同じタイプの複数のプロセッサを含む対称型マルチプロセッサシステムとすることができる。
【0204】
メモリ2606及び永続記憶装置2608は、記憶デバイス2616の例である。記憶デバイスは、例えば、限定はしないが、データ、機能形式のプログラムコード、又は他の適切な情報のうちの少なくとも1つなどの情報を、一時的に、永続的に、若しくは一時的と永続的の両方で記憶することができる任意のハードウェアである。記憶デバイス2616はまた、これらの例示的な例においてコンピュータ読み取り可能な記憶デバイスと呼ぶ場合もある。メモリ2606は、これらの例では、例えば、ランダム・アクセス・メモリ、又は任意の他の適切な揮発性若しくは不揮発性の記憶デバイスとすることができる。永続記憶装置2608は、特定の実装形態に応じて様々な形態をとることができる。
【0205】
例えば、永続記憶装置2608は、1以上の構成要素又はデバイスを含んでもよい。例えば、永続記憶装置2608は、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュメモリ、書き換え可能な光ディスク、書き換え可能な磁気テープ、又は上記の何らかの組合せとすることができる。永続記憶装置2608によって使用される媒体は、取り外し可能とすることもできる。例えば、取り外し可能ハードドライブを永続記憶装置2608に使用することができる。
【0206】
通信ユニット2610は、これらの例示的な例では、他のデータ処理システム又はデバイスとの通信を提供する。これらの例示的な例では、通信ユニット2610はネットワーク・インターフェ-ス・カードである。
【0207】
入力/出力ユニット2612は、データ処理システム2600に接続することができる他のデバイスとのデータの出力及び出力を可能にする。例えば、入力/出力ユニット2612は、キーボード、マウス又は何らかの他の適切な入力デバイスのうちの少なくとも1つを介したユーザー入力のための接続を提供することができる。さらに、入力/出力ユニット2612はプリンタに出力を送信することができる。ディスプレイ2614は、ユーザーに情報を表示する機構を提供する。
【0208】
オペレーティングシステム、アプリケーション、又はプログラムのうちの少なくとも1つのための命令を、通信フレームワーク2602を介してプロセッサユニット2604と通信する記憶デバイス2616に配置することができる。異なる実施形態の工程は、メモリ2606などのメモリ内に配置することができるコンピュータ実装命令を使用してプロセッサユニット2604によって行うことができる。
【0209】
これらの命令は、プロセッサユニット2604内のプロセッサが読み出し実行することができるプログラム命令であり、プログラムコード、コンピュータ使用可能なプログラムコード、又はコンピュータ読み取り可能なプログラムコードとも呼ばれる。異なる実施形態におけるプログラムコードを、メモリ2606や永続記憶装置2608などの異なる物理的記憶媒体又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体上に具現化することができる。
【0210】
プログラム命令2618は、選択的に取り外し可能なコンピュータ読み取り可能な媒体2620上に機能的形態で配置されており、プロセッサユニット2604による実行のためにデータ処理システム2600にロードするか又は転送することができる。プログラム命令2618及びコンピュータ読み取り可能な媒体2620は、これらの例示的な例ではコンピュータプログラム製品2622を形成する。例示的な例では、コンピュータ読み取り可能な媒体2620は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2624である。
【0211】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2624は、プログラム命令2618を伝播又は伝送する媒体よりもむしろ、プログラム命令2618を記憶するために使用される物理的な、又は有形の記憶デバイスである。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2624は、本明細書で使用する場合、電波又はその他自由に伝播する電磁波、導波管又は他の伝送媒体を通って伝播する電磁波(例えば、光ファイバーケーブルを通る光パルス)や、配線を介して伝送される電気信号などの一時的な信号自体であると解釈されるべきではない。
【0212】
あるいは、プログラム命令2618は、コンピュータ読み取り可能な信号媒体を使用してデータ処理システム2600に転送することもできる。コンピュータ読み取り可能な信号媒体は信号であり、例えば、プログラム命令2618を含む伝播されたデータ信号とすることができる。例えば、コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、電磁信号、光信号、又は任意の他の適切なタイプの信号のうちの少なくとも1つとすることができる。これらの信号は、無線接続、光ファイバーケーブル、同軸ケーブル、配線、又は任意の他の適切なタイプの接続などの接続部を介して伝送することができる。
【0213】
さらに、本明細書で使用する場合、「コンピュータ読み取り可能な媒体2620」は、単数でも、複数でもよい。例えば、プログラム命令2618は、単一の記憶デバイス又はシステムの形態でコンピュータ読み取り可能な媒体2620に配置することができる。別の例では、プログラム命令2618は、複数のデータ処理システムに分散されたコンピュータ読み取り可能な媒体2620に配置することができる。言い換えると、プログラム命令2618内のある命令を1つのデータ処理システムに配置することができる一方で、プログラム命令2618内の他の命令を複数のデータ処理システムに配置することもできる。例えば、プログラム命令2618の一部分を、サーバーコンピュータ内のコンピュータ読み取り可能な媒体2620内に配置することができる一方で、プログラム命令2618の別の部分を、クライアントコンピュータのセット内に配置されたコンピュータ読み取り可能な媒体2620内に配置することもできる。
【0214】
データ処理システム2600に対して示されている異なる構成要素は、異なる実施形態を実装することができる方法に対してアーキテクチャ上の限定を与えるためのものではない。いくつかの例示的な例では、構成要素のうちの1以上が、別の構成要素に組み込まれてもよいし、又はそうではなく別の構成要素の一部分を形成してもよい。例えば、いくつかの例示的な例では、メモリ2606又はその部分を、プロセッサユニット2604に組み込むこともできる。異なる例示的な実施形態を、データ処理システム2600対して示されている構成要素に加えて、又はそれらの構成要素に代わる構成要素を含むデータ処理システムにおいて実装することができる。
図26に示す他の構成要素が図示の例示的な例とは異なっていてもよい。異なる実施形態を、プログラム命令2618を実行することができる任意のハードウェアデバイス又はシステムを使用して実装することができる。
【0215】
本開示の例示的な実施形態は、
図27に示すような航空機の製造及び保守点検方法2700、並びに
図28に示すような航空機2800との関連で説明され得る。まず
図27を参照すると、例示的な実施形態による、航空機の製造及び保守点検方法が図示されている。生産準備段階において、航空機の製造及び保守点検方法2700は、
図28の航空機2800の仕様及び設計2702と材料調達2704とを含み得る。
【0216】
生産段階においては、
図28の航空機2800の構成要素及び部分組立品の製造2706と、システム統合2708とが行われる。その後、
図28の航空機2800は、認証及び搬送2710を経て、就航中2712の状態にすることができる。顧客による就航中2712に、
図28の航空機2800には、修正、再構成、改修、及び他の整備又は保守点検を含み得る定期的な整備及び保守点検2714が計画される。
【0217】
航空機の製造及び保守点検方法2700の工程の各々は、システムインテグレーター、第三者、運用者、又はこれらの何らかの組合せによって行われ、又は実行され得る。これらの例では、運用者は、顧客であり得る。この説明の目的では、システムインテグレーターは、限定はしないが、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含んでもよく、第三者は、限定はしないが、任意の数の販売会社、下請業者、及び供給業者を含んでもよく、運用者は、航空会社、リース会社、軍事団体、保守点検組織などであってもよい。
【0218】
次に
図28を参照すると、例示的な実施形態が実装され得る航空機が図示されている。この例では、航空機2800は、
図27の航空機の製造及び保守点検方法2700によって生産され、複数のシステム2804及び内部2806を有する機体2802を含み得る。システム2804の例として、推進システム2808、電気システム2810、油圧システム2812、及び環境システム2814のうちの1以上が挙げられる。任意の数の他のシステムが含まれてもよい。航空宇宙の例が示されているが、異なる例示的な実施形態が自動車産業などの他の産業に適用されてもよい。
【0219】
本明細書において具現化される装置及び方法は、
図27の航空機の製造及び保守点検方法2700の段階のうちの少なくとも1つにおいて採用され得る。
【0220】
1つの例示的な例では、
図27の構成要素及び部分組立品の製造2706において生産される構成要素又は部分組立品を、航空機2800が
図27の就航中2712の状態にある間に生産される構成要素又は部分組立品と同様のやり方で製作又は製造することができる。さらに別の例として、1以上の装置実施形態、方法実施形態、又はそれらの組合せを、
図27の構成要素及び部分組立品の製造2706、システム統合2708などの生産段階において利用することができる。1以上の装置実施形態、方法実施形態、又はそれらの組合せは、航空機2800が就航中2712の状態にあるとき、
図27の整備及び保守点検2714において、又はそれらの両方において利用されもよい。いくつかの異なる例示的な実施形態を使用することにより、航空機2800の組立てが大幅に迅速化され、航空機2800のコストが削減され、又は航空機2800の組立ての迅速化と共に航空機2800のコストも削減される。構成要素及び部分組立品の製造2706又は整備及び保守点検2714の少なくとも一方の間の未固化複合材料の製造における品質向上により、未固化複合材料の製造に必要な時間又はコストの少なくとも一方を削減することができる。未固化複合材料のどの部分が所望の品質レベルを満たすかを決定する能力により、未固化複合材料の廃棄又は再加工を行うことをより少なくすることができる。
【0221】
次に
図29を参照すると、例示的な実施形態による、製品管理システムのブロック図が図示されている。製品管理システム2900は、物理的なハードウェアシステムである。この例示的な例では、製品管理システム2900は、製造システム2902又は整備システム2904の少なくとも一方を含む。
【0222】
製造システム2902は、
図28の航空機2800などの製品を製造するように構成されている。図示のように、製造システム2902は、製造機器2906を含む。製造機器2906は、製作機器2908又は組立機器2910の少なくとも一方を含む。
【0223】
製作機器2908は、
図28の航空機2800を形成するために使用される部品用の構成要素を製作するために使用される機器である。例えば、製作機器2908は、機械及びツールを含むことができる。これらの機械及びツールは、ドリル、油圧プレス、炉、オートクレーブ、金型、複合テープ敷設機、自動繊維配置(AFP)機、真空システム、ロボット・ピック・アンド・プレイス・システム、フラットベッド切断機、レーザーカッター、コンピュータ数値制御(CNC)切断機、旋盤、又は他の適切なタイプの機器のうちの少なくとも1つとすることができる。製作機器2908は、金属部品、複合材料部品、半導体、回路、締め具、リブ、スキンパネル、スパー、アンテナ、又は他の適切なタイプの部品のうちの少なくとも1つを製作するために使用することができる。
【0224】
組立機器2910は、部品を組み立てて
図28の航空機2800を形成するために使用される機器である。特に、組立機器2910は、構成要素及び部品を組み立てて
図28の航空機2800を形成するために使用される。組立機器2910はまた、機械及びツールを含むこともできる。これらの機械及びツールは、ロボットアーム、クローラ、高速設置システム、レールベースの穿孔システム、又はロボットのうちの少なくとも1つであってもよい。組立機器2910は、座席、水平安定板、翼、エンジン、エンジンハウジング、着陸装置システム、及び
図28の航空機2800用の他の部品などの部品を組み立てるために使用することができる。
【0225】
この例示的な例では、整備システム2904は、整備機器2912を含む。整備機器2912は、
図28の航空機2800の整備を行うために必要な任意の機器を含むことができる。整備機器2912は、
図28の航空機2800の部品に対して異なる作業を行うためのツールを含み得る。これらの作業は、部品の分解、部品の改修、部品の検査、部品の再加工、交換部品の製造、又は
図28の航空機2800の整備を行うための他の作業のうちの少なくとも1つを含むことができる。これらの作業は、定期的な整備、検査、アップグレード、改修、又は他のタイプの整備作業用とすることができる。
【0226】
例示的な例では、整備機器2912は、超音波検査デバイス、X線撮像システム、ビジョンシステム、ドリル、クローラ、及び他の適切なデバイスを含み得る。場合によっては、整備機器2912は、整備に必要な部品を生産して組み立てるために、製作機器2908、組立機器2910、又はその両方を含むことができる。
【0227】
製品管理システム2900はまた、制御システム2914も含む。制御システム2914は、ハードウェアシステムであり、ソフトウェア又は他のタイプの構成要素も含み得る。制御システム2914は、製造システム2902又は整備システム2904の少なくとも1つの動作を制御するように構成されている。特に、制御システム2914は、製作機器2908、組立機器2910、又は整備機器2912のうちの少なくとも1つの動作を制御することができる。
【0228】
制御システム2914内のハードウェアは、コンピュータ、回路、ネットワーク、及び他のタイプの機器を含み得るハードウェアを使用して実装することができる。制御は、製造機器2906の直接制御の形態をとってもよい。例えば、ロボット、コンピュータ制御機械、及び他の機器を、制御システム2914によって制御することができる。他の例示的な例では、制御システム2914は、航空機2800の製造又は整備を行う際に人間のオペレータ2916によって行われる作業を管理することができる。例えば、制御システム2914は、人間のオペレータ2916によって行われる作業を管理するために、タスクを割り当て、命令を提供し、モデルを表示し、又は他の動作を行うことができる。これらの例示的な例では、
図2の複合材料マネージャ212を制御システム2914に実装して、
図28の航空機2800の製造又は整備の少なくとも一方に使用するための未固化複合材料の製造を管理することができる。これらの未固化複合材料は、
図28の航空機2800の製造又は整備の少なくとも一方において複合材料部品を製造するために、又は複合材料部品を再加工するために使用することができる。
【0229】
異なる例示的な例では、人間のオペレータ2916は、製造機器2906、整備機器2912、又は制御システム2914のうちの少なくとも1つを操作するか、又は少なくとも1つと対話することができる。この対話は、
図28の航空機2800を製造するために行うことができる。
【0230】
当然ながら、製品管理システム2900は、
図28の航空機2800以外の他の製品を管理するように構成されてもよい。製品管理システム2900を航空宇宙産業における製造に関して説明したが、製品管理システム2900は、他の産業用の製品を管理するように構成することができる。例えば、製品管理システム2900は、自動車産業並びに他の適切な産業用の製品を製造するように構成することができる。
【0231】
例示的な例のいくつかの形態を以下の付記項に記載する。これらの付記項は、形態の例であり、他の例示的な例を限定することを意図するものではない。
【0232】
付記項1
コンピュータシステムと、
コンピュータシステム内の複合材料マネージャと、
を備え、
複合材料マネージャが、
複合材料製造システム用のセンサシステムから、センサデータを受信し、センサデータが複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に受信され、
センサデータを使用して、複合材料製造システムによる製造から完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを決定し、
未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットに基づいて未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルを識別する、
ように構成されている、複合材料管理システム。
【0233】
付記項2
複合材料マネージャは、
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行う、ように構成されている、付記項1に記載の複合材料管理システム。
【0234】
付記項3
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行い、
複合材料マネージャは、
部分の品質レベルが公差外にあることに基づいて未固化複合材料のいくつかの部分を使用不可としてマーキングする、ように構成されている、付記項2に記載の複合材料管理システム。
【0235】
付記項4
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行い、
複合材料マネージャは、
部分の品質レベルが公差内にあることに基づいて未固化複合材料のいくつかの部分を使用可能としてマーキングする、ように構成されている、付記項2又は3に記載の複合材料管理システム。
【0236】
付記項5
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行い、
複合材料マネージャは、
未固化複合材料のいくつかの部分を品質レベルでマーキングする、ように構成されている、付記項2から4のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0237】
付記項6
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行い、
複合材料マネージャは、
未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルを記録する、ように構成されている、付記項2から5のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0238】
付記項7
複合材料製造システムをさらに備える、付記項1から6のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0239】
付記項8
複合材料製造システムは、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合処理システム、樹脂フィルム加工ライン、プリプレグシステム、及びスリット加工システムのうちの1つである、付記項3から7のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0240】
付記項9
センサシステム内のセンサのセットは、複合材料製造システム内の第1の点と第2の点との間に配置されたセンサ箇所にあり、第1の点は、未固化複合材料の一部分が第1の点を通る際に未固化複合材料のその部分に対して措置のセットを行う点である、付記項1から8のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0241】
付記項10
機械学習モデル、
をさらに備え、複合材料マネージャは、センサデータ及び機械学習モデルを使用して未固化複合材料の部分の予測特性のセットを決定する、
付記項1から9のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0242】
付記項11
機械学習モデルと、
物理モデルと、
をさらに備え、
複合材料マネージャは、センサデータ、機械学習モデル、及び物理モデルを使用して未固化複合材料の部分の予測特性のセットを決定する、付記項1から10のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0243】
付記項12
複合材料マネージャは、
未固化複合材料の部分の予測特性のセットを決定する際に、
センサデータを使用して生成された機械学習モデルから未固化複合材料の部分の初期予測特性の第1のセットを決定し、
センサデータを使用して生成された物理モデルから未固化複合材料の部分の初期予測特性の第2のセットを決定し、
初期予測特性の第1のセットと初期予測特性の第2のセットとの融合から未固化複合材料の部分の予測特性のセットを決定する、ように構成されている、付記項11に記載の複合材料管理システム。
【0244】
付記項13
未固化複合材料は、プリプレグ、航空宇宙用グレードのプリプレグ、熱硬化性プリプレグ、熱可塑性プリプレグ、織布プリプレグ、繊維トウプリプレグ、トウプリプレグ、一方向テーププリプレグ、樹脂被覆フィルム、ノンクリンプ織物、又は樹脂混合物のうちの少なくとも1つから選択される、付記項1から12のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0245】
付記項14
センサデータは、構成要素の温度、未固化複合材料の温度、周囲温度、湿度、ローラ速度、未固化複合材料の速度、一対のローラ間の圧力、一対のローラ間のギャップ、未固化複合材料の厚さ、フーリエ変換赤外(FTIR)スペクトル、分光データ、材料の幅、繊維ウェブの幅、材料目付、繊維目付、樹脂粘度、未固化複合材料の寸法の両端の電気測定値、未固化複合材料の寸法の両端の電圧、未固化複合材料の寸法の両端の電磁測定値、未固化複合材料の寸法の両端の音響測定値、引張り、又は複合材料製造システム内の箇所におけるプリプレグの画像のうちの少なくとも1つを含む、付記項1から13のいずれか一項に記載の複合材料管理システム
。
【0246】
付記項15
複合材料マネージャは、強化情報、繊維情報、強化サイジング情報、樹脂情報、剥離ライナー情報、又は樹脂フィルム情報のうちの少なくとも1つから選択された上流情報を受信するように構成されている、付記項1から14のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0247】
付記項16
特性のセットは、プリプレグ繊維目付、プリプレグ樹脂含有量、プリプレグの厚さ、プリプレグ浸透レベル、プリプレグ・タック・レベル、樹脂フィルム目付、樹脂フィルムの厚さ、剥離ライナー目付、剥離ライナーの厚さ、又は積層構造特性のうちの少なくとも1つを含む、付記項1から15のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0248】
付記項17
繊維及び樹脂被覆フィルムからある長さのプリプレグを製造するように動作する炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインと、
センサシステムであって、センサシステムが、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインの動作中に、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインのためのセンサデータを生成するように動作する、センサシステムと、
複合材料マネージャと、
を備え、
複合材料マネージャは、
複合材料製造システム用のセンサシステムからセンサデータを受信し、センサデータが複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に受信され、
センサデータを使用して、複合材料製造システムによる製造から完成したときのプリプレグのいくつかの部分の予測特性のセットを決定し、
未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットに基づいてプリプレグのいくつかの部分の品質レベルを識別する、複合材料管理システム。
【0249】
付記項18
複合材料マネージャは、
未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットに基づいてプリプレグのいくつかの部分の品質レベルを識別する際に、
部分の品質レベルが公差外にあることに基づいてプリプレグのいくつかの部分内のプリプレグの一部分を使用不可としてマーキングする、ように構成されている、付記項17に記載の複合材料管理システム。
【0250】
付記項19
複合材料マネージャは、未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットに基づいて未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルを識別する際に、
部分の品質レベルが公差内にあることに基づいてプリプレグのいくつかの部分を使用可能としてマーキングする、
ように構成されている、付記項17又は18に記載の複合材料管理システム。
【0251】
付記項20
複合材料マネージャは、プリプレグのいくつかの部分の予測特性のセットに基づいてプリプレグのいくつかの部分の品質レベルを識別する際に、
プリプレグのいくつかの部分内のプリプレグの一部分を品質レベルでマーキングする、
ように構成されている、付記項17から19のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0252】
付記項21
繊維は、トウ、テープ、及び織布から選択される形態であり、樹脂被覆フィルムは、樹脂被覆紙である、付記項17から20のいずれか一項に記載の複合材料管理システム。
【0253】
付記項22
未固化複合材料を製造するための方法であって、方法は、
複合材料製造システム用のセンサシステムからセンサデータを受信するステップであって、センサデータが複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に受信される、ステップと、
センサデータを使用して、複合材料製造システムによる製造から完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを決定するステップと、
未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットに基づいて未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルを識別するステップと、
を含む、方法。
【0254】
付記項23
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行うステップ、
をさらに含む、付記項22に記載の方法。
【0255】
付記項24
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行うステップは、
部分の品質レベルが公差外にあることに基づいて未固化複合材料のいくつかの部分内の未固化複合材料の一部分を使用不可としてマーキングするステップ、を含む、付記項23に記載の方法。
【0256】
付記項25
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行うステップは、
部分の品質レベルが公差内にあることに基づいて未固化複合材料のいくつかの部分内の未固化複合材料の一部分を使用可能としてマーキングするステップ、を含む、付記項23又は24に記載の方法。
【0257】
付記項26
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行うステップは、
未固化複合材料のいくつかの部分内の未固化複合材料の一部分を品質レベルでマーキングするステップ、を含む、付記項23から25のいずれか一項に記載の方法。
【0258】
付記項27
未固化複合材料のいくつかの部分に対して識別された品質レベルに基づいてマーキング措置を行うステップは、
未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルを記録するステップ、を含む、付記項23から26のいずれか一項に記載の方法。
【0259】
付記項28
未固化複合材料の一部分の予測特性のセットは、センサデータ、機械学習モデル、及び物理モデルを使用して決定される、付記項22から27のいずれか一項に記載の方法。
【0260】
付記項29
未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを決定するステップは、
センサデータを使用して生成された機械学習モデルから未固化複合材料の一部分の初期予測特性の第1のセットを決定するステップと、
センサデータを使用して生成された物理モデルから未固化複合材料の該部分の初期予測特性の第2のセットを決定するステップと、
初期予測特性の第1のセットと初期予測特性の第2のセットとの融合から未固化複合材料の該部分の予測特性のセットを決定するステップと、
を含む、付記項22から28のいずれか一項に記載の方法。
【0261】
付記項30
未固化複合材料の一部分の予測特性のセットは、センサデータ及び機械学習モデルを使用して決定される、付記項22から29のいずれか一項に記載の方法。
【0262】
付記項31
複合材料製造システムは、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ラインである、付記項22から30のいずれか一項に記載の方法。
【0263】
付記項32
未固化複合材料は、プリプレグ、熱硬化性プリプレグ、織布プリプレグ、繊維トウプリプレグ、一方向テーププリプレグ、又は樹脂被覆フィルムうちの少なくとも1つから選択される、付記項22から31のいずれか一項に記載の方法。
【0264】
付記項33
センサデータは、構成要素の温度、未固化複合材料の温度、周囲温度、湿度、ローラ速度、未固化複合材料の速度、一対のローラ間のギャップ、未固化複合材料の厚さ、フーリエ変換赤外(FTIR)スペクトル、繊維ウェブの幅、繊維目付、樹脂粘度、未固化複合材料の寸法の両端の電圧、未固化複合材料の寸法の両端の電気測定値、未固化複合材料の寸法の両端の電磁測定値、未固化複合材料の寸法の両端の音響測定値、引張り、又は複合材料製造システム内の箇所でのプリプレグの画像のうちの少なくとも1つを含む、付記項22から32のいずれか一項に記載の方法。
【0265】
付記項34
未固化複合材料を製造するためのコンピュータプログラム製品であって、コンピュータプログラム製品は、プログラム命令が組み込まれているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み、プログラム命令は、コンピュータシステムに、
複合材料製造システム用のセンサシステムからセンサデータを受信し、センサデータが複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中に受信され、
センサデータを使用して、複合材料製造システムによる製造から完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを決定し、
未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットに基づいて未固化複合材料のいくつかの部分の品質レベルを識別する、
方法を行わせるためにコンピュータシステムによって実行可能である、コンピュータプログラム製品。
【0266】
したがって、例示的な例は、製造工程が行われている間に、未固化複合材料の製造が完了したときに未固化複合材料が有することになる特性を予測するための方法、装置、システム、及びコンピュータプログラム製品を提供する。さらに、例示的な例はまた、これらの予測を使用して是正措置を行って、完成した製品を形成するための製造から完成したときの、未固化複合材料が有することになる特性を変更することもできる。
【0267】
異なる例示的な例では、複合材料マネージャは、製造から完成したときの未固化複合材料のいくつかの部分の予測特性のセットを決定するための動作を行う。言い換えると、この予測は、未硬化複合材料のいくつかの部分の製造が完了して完成した製品を形成したときの未硬化複合材料の部分に対するものである。
【0268】
結果として、複合材料マネージャ212を使用して未固化複合材料の品質レベル部分を予測して、未固化複合材料を製造するのに必要な費用又は時間の少なくとも一方の削減を実現することができる。さらに、この削減は、公差内にある追加の量の未固化材料が生じるように、未固化複合材料の製造中に是正措置を行うことによっても生じさせることができる。結果として、未固化複合材料の追加の製造、再加工、又は廃棄を削減することができる。
【0269】
1つの例示的な例では、未固化複合材料の製造中にリアルタイムで未固化複合材料の材料化学的性質を検証することを可能にすることによって、複合材料製造システム208を複合材料管理システム202によってより高い効率で管理することができる。未固化複合材料の材料化学的性質のリアルタイムの検証により、いくつかの措置をとることができる。例えば、人又はユーザーに対して生成されるアラートにより、材料に指定された材料化学的性質を有しない未固化複合材料の承認又は使用を防止することができる。別の例として、未固化複合材料の生産を停止することができる。
【0270】
これらの例では、この材料検証を、フーリエ変換赤外(FTIR)分光計などのフーリエ変換センサを使用して行うことができる。このセンサは、材料化学的性質を検証するために使用される情報のデータベース又はライブラリを使用する走査分類器プログラムを採用するコンピュータシステムと組み合わせて使用することができる。いくつかの例示的な例では、走査分類器は、未固化複合材料の材料化学的性質を検証する機械学習モデルとすることができる。この材料検証は、完成形態で、又は未固化複合材料の製造を完了する前に他の箇所で未固化複合材料に対して行うことができる。言い換えると、材料配置を、未固化複合材料の製造の異なる段階に対して行うことができる。
【0271】
次に
図30を参照すると、例示的な実施形態による、材料検証システムのブロック図が図示されている。この例では、材料化学的性質検証システム3000は、複合材料製造システム3023によって製造された未固化複合材料3024の材料化学的性質3026を検証することができる。
【0272】
この例示的な例では、未固化複合材料3024の材料化学的性質3026は、未固化複合材料3024を構成する成分から構成される。これらの成分は、未固化複合材料3024中の異なる材料を構成する化学物質である。材料化学的性質3026はまた、未固化複合材料3024の配合を同定することを含むことができる。この配合は、未固化複合材料3024中の材料の化学組成及び構造を含むことができる。
【0273】
例えば、未固化複合材料3024の材料化学的性質3026は、樹脂配合物の形態の配合物を有することができる。例えば、この樹脂配合物は、ベース樹脂に他の品目を加えたものとすることができる。これらの他の品目は、例えば、硬化性化学物質及びアデージ(adages)とすることができる。添加剤としては、例えば、粒子、難燃剤、及び他の品目を挙げることができる。これらの添加剤は、未固化複合材料3024の性能を高めることができる。
【0274】
未固化複合材料3024の仕様外の材料化学的性質3026は所望通りに機能しない可能性があるため、材料化学的性質3026を検証することは重要である。例えば、難燃剤の量が指定の量よりも多い場合、材料化学的性質3026は、未固化複合材料3024に対して正しくない。この誤った量の難燃剤により、難燃性の性能向上が生じない可能性がある。しかしながら、未固化複合材料3024の製造時間は、所望よりも長い場合もある。別の例として、硬化剤が指定よりも多い場合、材料化学的性質3026は未固化複合材料3024に対して正しくない。この場合、硬化剤が多すぎると、未固化複合材料3024を強化又は硬化することができなくなる可能性がある。
【0275】
この例示的な例では、未固化複合材料3024は、プリプレグ、航空宇宙用グレードのプリプレグ、熱硬化性プリプレグ、熱可塑性プリプレグ、織布プリプレグ、繊維トウプリプレグ、トウプリプレグ、一方向テーププリプレグ、樹脂被覆フィルム、ノンクリンプ織物、樹脂混合物、又は他の適切な複合材料のうちの少なくとも1つから選択することができる。言い換えると、未固化複合材料3024は、これら及び他のタイプの複合材料のうちの1以上とすることができる。
【0276】
複合材料製造システム3023は、
図2の複合材料製造システム208の一例であり、いくつかの異なる形態をとることができる。例えば、複合材料製造システム3023は、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合処理システム、樹脂フィルム加工ライン、プリプレグシステム、スリット加工システム、及び未固化複合材料3024を製造するための他のタイプの製造システムとすることができる。
【0277】
この例示的な例では、材料化学的性質検証システム3000は、コンピュータシステム3012と、分析器3014とを備える。図示のように、分析器3014は、コンピュータシステム3012に配置されており、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組合せで実装することができる。ソフトウェアが使用される場合、分析器3014によって行われる動作は、プロセッサユニットなどのハードウェア上で動作するように構成されたプログラム命令として実装することができる。ファームウェアが使用される場合、分析器3014によって行われる動作は、プロセッサユニット上で動作するようにプログラム命令及びデータとして実装し、永続的メモリに記憶することができる。ハードウェアが採用される場合、ハードウェアは、分析器3014で動作を行うように動作する回路を含むことができる。
【0278】
例示的な例では、ハードウェアは、回路システム、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス、又はいくつかの動作を行うように構成された他の適切なタイプのハードウェアのうちの少なくとも1つから選択された形態をとることができる。プログラマブル論理デバイスの場合、いくつかの動作を行うようにデバイスを構成することができる。デバイスは、後で再構成することもできるし、又はいくつかの動作を行うように永続的に構成することもできる。プログラマブル論理デバイスには、例えば、プログラマブル論理アレイ、プログラマブルアレイ論理、フィールドプログラマブル論理アレイ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、及び他の適切なハードウェアデバイスが含まれる。さらに、工程は、無機構成要素と一体化された有機構成要素として実装することもでき、人間を除く有機構成要素から完全に構成することもできる。例えば、工程は、有機半導体内の回路として実装することができる。
【0279】
本明細書で使用する場合、「いくつかの」は、項目に関して使用される場合、1以上の項目を意味する。例えば、「いくつかの動作」は、1つ又はいくつかの動作である。
【0280】
さらに、「のうちの少なくとも1つ」という語句は、項目のリストと共に使用される場合、列挙された項目のうちの1以上の異なる組合せを使用できることを意味し、リスト内の各項目のうちの1つのみが必要とされてもよい。言い換えると、「のうちの少なくとも1つ」は、項目の任意の組合せを意味し、リストからのいくつかの項目が使用されてもよいが、リスト内のすべての項目が必要とされるとは限らない。項目は、特定の物体、物事、又はカテゴリとすることができる。
【0281】
例えば、限定はしないが、「項目A、項目B、又は項目Cのうちの少なくとも1つ」は、項目A、項目A及び項目B、又は項目Bを含み得る。この例はまた、項目A、項目B、及び項目C、又は項目B及び項目Cも含み得る。当然ながら、これらの項目の任意の組合せが存在し得る。いくつかの例示的な例では、「のうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定はしないが、2つの項目A、1つの項目B、及び10の項目C、4つの項目B及び7つの項目C、又は他の適切な組合せとすることができる。
【0282】
コンピュータシステム3012は、物理的なハードウェアシステムであり、1以上のデータ処理システムを含む。コンピュータシステム3012に複数のデータ処理システムが存在する場合、それらのデータ処理システムは、通信媒体を使用して互いに通信する。通信媒体は、ネットワークとすることができる。データ処理システムは、コンピュータ、サーバーコンピュータ、タブレットコンピュータ、又は何らかの他の適切なデータ処理システムのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0283】
図示のように、コンピュータシステム3012は、例示的な例の工程を実装するプログラム命令3018を実行することができるいくつかのプロセッサユニット3016を含む。言い換えると、プログラム命令3018はコンピュータ読み取り可能なプログラム命令である。
【0284】
本明細書で使用する場合、いくつかのプロセッサユニット3016内のプロセッサユニットは、ハードウェアデバイスであり、コンピュータを動作させる命令及びプログラムコードに応答して処理する集積回路上のハードウェア回路などのハードウェア回路から構成される。いくつかのプロセッサユニット3016が工程のためのプログラム命令3018を実行するとき、いくつかのプロセッサユニット3016は、同じコンピュータ内又は異なるコンピュータ内にある1以上のプロセッサユニットであってもよい。言い換えると、工程は、コンピュータシステム3012内の同じか又は異なるコンピュータ上のプロセッサユニット3016間に分散させることができる。
【0285】
さらに、いくつかのプロセッサユニット3016は、同じタイププロセッサユニットとすることもでき、異なるタイプのプロセッサユニットとすることもできる。例えば、いくつかのプロセッサユニット3016は、シングル・コア・プロセッサ、デュアルコアプロセッサ、マルチプロセッサコア、汎用中央処理装置(CPU)、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は何らかの他のタイプのプロセッサユニットのうちの少なくとも1つから選択することができる。
【0286】
この例示的な例では、分析器3014は、複合材料製造システム3023による未固化複合材料3024の製造中に、複合材料製造システム3023のセンサシステム3031内のセンサ3081からリアルタイムでセンサデータ3021を受信する。この例では、センサデータ3021は、分光システム3071によって生成された電磁走査3070を含む。
【0287】
この例では、分析器3014は、分光システム3071及びセンサ3081の動作を制御するように構成されている。分析器3014は、分光システム3071を制御して、複合材料製造システム3023による未固化複合材料3024の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料3024のセクション3027の電磁走査3070を生成させることができる。
【0288】
この例では、分光システム3071は、未固化複合材料3024で電磁放射を放射し、未固化複合材料3024で放射された電磁放射を検出して時間領域データを形成するように構成されている。分光システム3071はまた、時間領域データを周波数領域データに変換するフーリエ変換を行って、未固化複合材料3024の電磁スペクトル内の周波数の吸収された電磁放射のフーリエ変換赤外線走査3073を形成することもできる。このフーリエ変換赤外線走査を、FTIR走査と呼ぶこともできる。
【0289】
分析器3014は、複合材料製造システム3023による未固化複合材料3024の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料3024のセクション3027の電磁走査3070を受信する。分析器3014は、電磁走査3070及び走査分類器3032を使用して、複合材料製造システム3023による未固化複合材料3024の製造中にリアルタイムで、材料化学的性質3026が未固化複合材料3024のセクション3027に対して正しいかどうかを判定する。
【0290】
この例では、走査分類器3032は、未固化複合材料の電磁走査を使用して未固化複合材料の材料化学的性質3026を検証するソフトウェアである。例えば、未固化複合材料3024の材料化学的性質3026は、走査分類器3032によって、この材料化学的性質が未固化複合材料3024に対して正しいかどうかを判定するために分析される。
【0291】
1つの例示的な例では、分光システム3071は、フーリエ変換赤外分光システム3072の形態をとることができる。この例では、フーリエ変換赤外分光システム3072は、未固化複合材料の赤外スペクトル内の周波数の吸収された赤外線エネルギーのフーリエ変換赤外線走査を生成するように構成されている。
【0292】
この例では、電磁走査3070は、フーリエ変換赤外線走査3073の形態をとる。分析器3014は、フーリエ変換赤外分光システム3072を制御して、複合材料製造システム3023による未固化複合材料3024の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料3024のセクション3027のフーリエ変換赤外線走査3073を生成させる。分析器3014は、フーリエ変換赤外線走査3073及び走査分類器3032を使用して、複合材料製造システム3023による未固化複合材料3024の製造中にリアルタイムで、材料化学的性質3026が未固化複合材料3024のセクション3027に対して正しいかどうかを判定する。
【0293】
この例示的な例では、未固化複合材料3024のセクション3027の材料化学的性質3026は、材料化学的性質3026が予期される材料化学的性質3003である場合に正しい。予期される材料化学的性質は、仕様、製造仕様、材料データシート、業界標準、政府規格、政府規則、又は他の情報源のうちの少なくとも1つによって定義することができる。
【0294】
例示的な例では、分析器3014は、材料化学的性質3026が未固化複合材料3024のセクション3027に対して正しくないと判定したことに応答して、いくつかの措置3040を行うことができる。いくつかの措置は、アラートを生成すること、未固化複合材料のセクションを追跡すること、未固化複合材料のセクションをマーキングすること、未固化複合材料のセクションにおける未検証の材料化学的性質の存在をログに記録すること、未固化複合材料の生産を停止すること、又は他の適切な措置のうちの少なくとも1つとすることができる。この例では、未検証の材料化学的性質の存在をマーキングすることはまた、セクション3027の材料化学的性質3026を含むこともできる。
【0295】
さらに、1つの例示的な例では、分光システム3071を、複合材料製造システム3023内の異なる箇所3037にある分光デバイスから構成することができる。一例では、フーリエ変換赤外分光システム3772を、複合材料製造システム3023内の異なる箇所3037にあるフーリエ変換赤外分光デバイス3035から構成することができる。フーリエ変換赤外分光デバイス3035は、複合材料製造システム3023による未固化複合材料3024の製造中にリアルタイムで、異なる箇所3037にある未固化複合材料3024のセクション3027のフーリエ変換赤外線走査3074を生成する。これらの走査は、分析のために分析器3014に送信される。
【0296】
この分析は、特定の箇所内のセクション3027の材料化学的性質3026が正しいかどうかを判定することができる。材料化学的性質3026が正しい場合には、材料化学的性質3026は、その特定の箇所における未固化複合材料3024のセクション3027に対して検証される。これらの例示的な例では、セクション3027の材料化学的性質3026は、未固化複合材料3024の製造中にセクション3027が異なる箇所3037を移動するにつれて変化し得る。
【0297】
例えば、未固化複合材料3024のセクション3027に難燃剤を添加すると、難燃剤が添加される前の以前の箇所における材料化学的性質3026と比較して、材料化学的性質3026が変化する。異なる箇所3037における材料化学的性質3026を検証することにより、未固化複合材料3024の製造中に措置3040を行うことができる。これらの措置により、廃棄され得る未固化複合材料3024の量が削減され得る。さらに、未固化複合材料3024の他のセクションの材料化学的性質3026を検証できないことを回避するために、複合材料製造システム3023への設定又は入力の変更が行われてもよい。
【0298】
コンピュータシステム3012は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの組合せを使用して、異なる例示的な例で説明したステップ、動作、又は措置のうちの少なくとも1つを行うように構成することができる。その結果、コンピュータシステム3012は、コンピュータシステム3012内の分析器3014が未固化複合材料の材料化学的性質を検証することを可能にする専用コンピュータシステムとして動作する。特に、分析器3014は、コンピュータシステム3012を、分析器3014を有しない現在利用可能な一般的なコンピュータシステムと比較して専用コンピュータシステムに変換する。
【0299】
例示的な例では、コンピュータシステム3012において分析器3014を使用することにより、各工程が、未固化複合材料の材料化学的性質を検証するための実用的なアプリケーションに統合される。さらに、この分析器はまた、材料化学的性質が未固化複合材料に対して正しくないことに応答してステップを行うこともできる。これらの措置を使用して、未固化複合材料の箇所内の材料化学的性質における事前設定された成分の同定を提供することができる。さらに、これらの措置を使用して、材料化学的性質を正しいものに変更するための解決策を特定することもできる。例えば、分析器3014は、
図2の複合材料製造システム208の動作を管理するために、
図2の複合材料マネージャ212と共に使用することができる。この例では、分析器3014は、複合材料マネージャ212と通信する構成要素とすることもできるし、又は
図2の複合材料マネージャ212内の構成要素とすることもできる。
【0300】
図30の材料化学的性質検証システム3000の図は、例示的な実施形態を実装することができる方法に対する物理的限定又はアーキテクチャ上の限定を示唆するためのものではない。例示の構成要素に加えて、又は例示の構成要素の代わりに他の構成要素を使用されてもよい。いくつかの構成要素は、不要な場合がある。また、ブロックは、いくつかの機能構成要素を示すために提示されている。これらのブロックのうちの1以上が、例示的な実施形態で実装されるときに異なるブロックに組み合わされても、分割されても、又は組み合わされかつ分割されてもよい。
【0301】
例えば、分光システム3071は、材料化学的性質検証システム3000とは別個の構成要素として示されているが、他の例示的な例では、材料化学的性質検証システム3000内の構成要素とみなすことができる。別の例として、分光システム3071は、赤外線に加えて、又は赤外線の代わりに、他のスペクトルの走査を生成することもできる。例えば、走査は、近赤外線、紫外線、及び他の周波数の電磁エネルギーを使用して行うことができる。これらの例示的な例では、分光システム3071は、赤外分光システム、紫外線分光システム、可視光分光システム、核磁気共鳴システム、及び質量分析システムを含む群から選択することができる。
【0302】
図31を参照すると、例示的な実施形態による、走査分類器のブロック図が図示されている。この例示的な例では、走査分類器3032の分類工程は、分類工程3101及び機械学習モデルシステム3102の一方とすることができる。
【0303】
この例では、分類工程3101は、標準化されたフーリエ変換赤外線走査3110を使用する。この例では、標準化されたフーリエ変換赤外線走査は、所望の材料化学的性質を有する未固化複合材料を走査することから得られた所望の結果である。この工程は、これらの走査をフーリエ変換赤外線走査3073と比較して、未固化複合材料3024の材料化学的性質3026を検証することができる。この例示的な例では、検証工程は、材料化学的性質が正しいことを検証するために許容できる材料化学的性質からの偏差量を考慮に入れる。この偏差量は、標準化されたフーリエ変換赤外線走査3110内で、又は別のソースから定義することができる。
【0304】
この例では、走査分類器3032はまた、機械学習モデルシステム3102の形態をとることもできる。この例では、機械学習モデルシステム3102は、いくつかの機械学習モデル3103である。機械学習モデルは、明示的にプログラムされることなく学習することができる人工知能モデルの一種である。機械学習モデルは、機械学習モデルに入力された訓練データを学習することができる。機械学習モデルは、様々なタイプの機械学習アルゴリズムを使用して学習することができる。機械学習アルゴリズムは、教師あり学習、教師なし学習、特徴学習、スパース辞書学習、異常検出、強化学習、推奨学習、又は他のタイプの学習アルゴリズムのうちの少なくとも1つを含む。機械学習モデルの例としては、人工ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、決定木、サポート・ベクター・マシン、回帰機械学習モデル、分類機械学習モデル、ランダムフォレスト学習モデル、ベイジアンネットワーク、遺伝的アルゴリズム、及び他のタイプのモデルが挙げられる。これらの機械学習モデルは、データを使用して訓練され、追加のデータを処理して所望の出力を提供することができる。
【0305】
走査分類器3032の図は、一実装形態として提供されており、他の例示的な例を実装することができる方法を限定するためのものではない。例えば、他の分類工程は、標準化されたフーリエ変換赤外線走査3110に加えて、又はその代わりに、他のタイプの電磁走査を使用することができる。例えば、走査は、例えば、近赤外線走査、紫外線走査、及び他の周波数の電磁エネルギーを使用した走査とすることができる。
【0306】
次に
図32参照すると、例示的な実施形態による、機械学習モデルを訓練するためのブロック図が図示されている。例示的な例では、走査分類器3032を、機械学習モデルトレーナ3233によって訓練して、未固化複合材料の材料化学的性質を検証することができる。例えば、機械学習モデル3201は、未固化複合材料の材料化学的性質が正しいかどうかを指示するために電磁走査を分類するように訓練することができる。この例では、機械学習モデル3201は、
図31の機械学習モデルシステム3102内の機械学習モデルの一例である。
【0307】
この例では、訓練は、いくつかのフーリエ変換赤外分光システムによって生成されたフーリエ変換赤外線走査3206を使用して、未固化複合材料の材料化学的性質を検証することに関して説明されている。システムは、複合材料製造システム3023又は他の複合材料製造システムに配置することができる。
【0308】
図示のように、訓練データセット3200は、未固化複合材料及びラベル3207のフーリエ変換赤外線走査3206から構成されている。この例では、ラベル3207は、フーリエ変換赤外線走査3206が正しい材料化学的性質を有するか、それとも正しい材料化学的性質を有しないかを指示する。例えば、ラベル3207は、所望の材料化学的性質である材料化学的性質を有する未固化複合材料のフーリエ変換赤外線走査3206を識別する。ラベル3207は、所望の材料化学的性質を有しない材料化学的性質を有する未固化複合材料のフーリエ変換赤外線走査3206を識別する。
【0309】
未固化複合材料の材料化学的性質を検証するための訓練用走査分類器3032の図は、訓練を行うことができる一方法の一例であり、他の例示的な例を実装することができる方法を限定するためのものではない。例えば、訓練は、フーリエ変換赤外線走査3206に加えて、又はその代わりに、他のタイプの電磁走査を含む訓練データセット3200を使用して行うことができる。
【0310】
図33を参照すると、例示的な実施形態による、機械学習モデルを使用した標準作成及び材料化学的性質の検証のブロック図が図示されている。この例のデータフローは、
図32の機械学習モデルトレーナ3233及び
図30の分析器3014によって実装することができる。例えば、機械学習モデルトレーナ3233を作成段階3300で使用して確立された標準3391を生成することができ、確立された標準3391は、検証段階3301で使用するための走査分類器3305を作成するために使用される。
【0311】
走査分類器3305の作成は、プリプレグサンプルを抽出することを含む(ブロック3310)。例えば、サンプルは、プリプレグの完成したロール内の複数の箇所から得ることができる。プリプレグサンプルを使用してFTIR走査が生成される(ブロック3312)。ブロック3312において、プリプレグサンプルに対してフーリエ変換赤外(FTIR)分光法が行われて、FTIR走査が生成される。これらの走査は、
図30のフーリエ変換赤外分光システム3072などのフーリエ赤外(FTIR)分光システムを使用して作成することができる。
【0312】
この例示的な例では、プリプレグサンプルを、プリプレグサンプル中の特定の成分に対して正しい材料化学的性質を有するように選択することもできる。例えば、プリプレグサンプルは、正しい樹脂及び誤った樹脂を有する可能性がある。このようにして、樹脂を検証することができる。サンプルはまた、フィルムなどの他の構成要素に対しても正しい化学的性質及び誤った化学的性質を有する可能性がある。
【0313】
FTIR走査に対してデータ前処理が行われる(ブロック3314)。ブロック3314において、データ前処理を行って、ブロック3312におけるFTIR走査の生成中に導入され得るバイアス傾向を除去することができる。この前処理は、サンプルのFTIR走査のベースライン補正、FTIR走査の標準化、又は次元縮約技術の適用のうちの少なくとも1つを含む。これらの次元縮約技術は、主成分分析(PCA)、多次元尺度法(MDS)、線形判別分析(LDA)、又は他の適切な技術のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0314】
このブロックでは、プリプレグサンプル中の誤った材料化学的性質及び正しい材料化学的性質を有する走査を識別するために、FTIR走査にラベルを追加することができる。さらに、ラベルはまた、樹脂、フィルム、又は直接的若しくは間接的な材料化学的性質を有する他の成分などの特定の成分を識別することもできる。
【0315】
FTIR走査の平均が生成される(ブロック3307)。ブロック3315において、ブロック3314からの処理されたFTIR走査は、ブロック3307で平均値を決定するために使用される。この例では、平均値は、ブロック3310におけるプリプレグサンプルからの処理されたFTIR走査の平均値である。
【0316】
この例では、ブロック3306において、個々の走査の平均値との相関が生成される。このブロックでは、個々の走査の平均値との相関を生成する。この例では、各FTIR走査とFTIR走査の平均値とが相関される。
【0317】
相関のいずれかが閾値未満であるかどうかに関してチェックが行われる(ブロック3311)。ブロック3311において、選択される閾値は、異なるレベルの類似性を有するサンプルの検証に対する所望の許容レベルに依存する。例えば、0.98~0.99などのより高い閾値は、控えめなレベルに対応する。この閾値は、平均値と個々のサンプルとの間の差が小さいほど、排除が行われることを意味する。より低い閾値は、平均値と個々のFTIR走査との間にかなり大きな差が存在する場合でも、走査が標準に対して正しいことを検証する傾向がある。
【0318】
個々の走査の相関のいずれかが閾値未満である場合、最も低い相関を有するFTIR走査が除去される(ブロック3313)。次いで、残りのFTIR走査の平均値が生成される(ブロック3307)。ブロック3307において、平均値は、FTIR走査が除去されるにつれて変化する。この工程は、すべての相関が閾値よりも大きくなるまで繰り返される。
【0319】
プリプレグサンプルのすべての走査が閾値よりも高い相関を有する場合には、サンプルの平均値は材料化学的性質検証のための確立された標準3391になる。
【0320】
確立された標準3391は、検証段階3301で使用するための走査分類器3305を生成するために使用することができる。例えば、この確立された標準は、特定のタイプのプリプレグの標準化されたフーリエ変換赤外線走査とすることができる。別の例では、標準は、走査分類器3305の機械学習モデルを生成するための訓練データセットの一部として使用することができる。
【0321】
走査分類器3305は、検証段階3301で使用するためにコンピュータシステム3390に送信される。検証段階3301において、プリプレグ3317の材料検証は、プリプレグ機3303によるプリプレグ3317の製造中にリアルタイムで行われる。図示のように、仕上り又は完成形態のプリプレグ3317は、ロール3319上に格納される。
【0322】
図示のように、FTIR分光法3340は、プリプレグ機3303によるプリプレグ3317の製造中にプリプレグ3317の走査を生成する。この例では、FTIR分光法3340を、プリプレグ機3303のいくつかの異なる箇所で行うことができる。
【0323】
この例示的な例では、プリプレグ3317のFTIR分光法3340は、プリプレグ機3303のローラ3322とローラ3323との間の箇所3321にあるセクション3371に対して行われる。この例では、箇所3321は、プリプレグ3317がロール3319上の最終製品になる前のプリプレグ機3303のラインの終点付近にある。FTIR分光法3340が行われ得る別の箇所は、フィルムロール内のフィルム中の繊維の含浸前のフィルムロールを含む。
【0324】
この例では、FTIR分光法3340により、生FTIR走査3345が生成される。この例では、コンピュータシステム3390に送信されるFTIR走査3347の分析のためにコンピュータシステム3390に走査を送信する前に、生FTIR走査3345に対してFTIR走査の前処理3341を行うことができる。FTIR走査3347は、コンピュータシステム3390において走査分類器3305を使用して分析される。この分析は、セクション3371のプリプレグ3317の材料化学的性質が正しいかどうかを検証する。
【0325】
この検証は、プリプレグ3317がプリプレグ機3303によって製造されている間にリアルタイムで行われる。言い換えると、走査分類器3305は、FTIR走査3347で同定された材料化学的性質がプリプレグ3317に対して正しいかどうかを判定するためにセクション3371を分類することができる。一例では、走査分類器3305は、
図31の分類工程3101とすることができ、箇所3321でプリプレグ3317に対して予期された材料化学的性質について、FTIR走査3347を、
図31の標準化されたフーリエ変換(FTIR)走査3110などの予期される走査と比較することができる。別の例では、走査分類器3305を、材料化学的性質を検証するように訓練されており、FTIR走査3347を入力として使用する
図31の機械学習モデル3103とすることができる。
【0326】
さらに、走査分類器3305は、材料化学的性質が正しいかどうかを判定することに加えて、プリプレグ3317の材料化学的性質を同定するためにセクション3371を分類することもできる。この情報は、プリプレグ3317が正しい材料化学的性質を有しない場合に有用であり得る。例えば、この情報を使用して、プリプレグ3317の正しい材料化学的性質を得るためにプリプレグ機3303に対してどんな変更が加えられ得るか、又はプリプレグ機3303への入力を決定することができる。
【0327】
この例では、コンピュータシステム3390はいくつかの措置を行う。例えば、コンピュータシステム3390は、検証工程の一部として相関メトリック3360を出力することができる。この例では、相関メトリック3360は、FTIR走査3347から同定された材料化学的性質の、プリプレグ3317の予期される、又は所望の材料化学的性質との相関を指示する情報である。言い換えると、プリプレグ3317の材料化学的性質が所望の材料化学的性質にどれだけ近いかを指示する情報を含めることができる。この情報は、成分の量、成分の比率、及び化学物質、添加剤、粒子、又はプリプレグ3317中の他の成分などの他の情報を含むことができる。
【0328】
相関メトリック3360に基づいて、いくつかの異なる措置を行うことができる。例えば、相関メトリック3360が指定された閾値よりも低い場合、ブロック3361において工程を停止することができる。別の例では、警告を発することができる。これらの例では、プリプレグ3317の材料化学的性質の検証は自動化されており、介入のためのユーザー入力を必要としない。
【0329】
さらに、プリプレグ3317の同じ部分がプリプレグ機3303を通って移動するときに、異なる箇所を使用してその同じ部分を走査することによって、誤った材料化学的性質のソース又は原因を決定することができる。例えば、検出された正しい材料化学的性質が一箇所にあるが、そのライン内の前の箇所にはない場合には、誤った材料化学的性質のソース又は原因は、プリプレグ機3303内のそれら二箇所の間にあり得る。例えば、材料化学的性質は、難燃剤を添加する前のプリプレグ3317について正しい場合もある。例えば、樹脂の材料化学的性質は、この箇所では正しい場合がある。難燃剤を添加した後に材料化学的性質が誤っている場合がある。この難燃剤は、誤ったタイプの難燃剤に対する誤った量である可能性がある。これらの例では、走査分類器3032を、複合材料製造システム3023内の異なる箇所3037でセクション3027の正しい材料化学的性質を検出するように構成することができる。
【0330】
この図のデータフローの例示では、FTIR走査を使用して、材料化学的性質を検証するために走査分類器3305を生成する際に使用するための確立された標準3391を作成するためにすることは、一実施態様の一例として提供されており、他の例示的な例を実装することができる方法を限定するためのものではない。例えば、他の例示的な例では、他のタイプの電磁走査を使用することができる。さらに、走査分類器3305を作成するときに、ブロック3310において、プリプレグサンプルに加えて、又はプリプレグサンプルの代わりに他のサンプルを使用することもできる。例えば、確立された標準3391を、フィルムとして、他のタイプの未固化複合材料から作成することができる。
【0331】
次に
図34を参照すると、例示的な実施形態による、材料化学的性質を検証するための工程のフローチャートが図示されている。
図34の工程は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実装することができる。ソフトウェアで実装される場合、工程は、1以上のコンピュータシステムにおいて1以上のハードウェアデバイス内に配置された1以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラム命令の形態をとることができる。例えば、工程は、
図30のコンピュータシステム3012内の分析器3014に実装することができる。
【0332】
工程は、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションのフーリエ変換赤外線走査を受信することから開始する(動作3400)。動作3400において、フーリエ変換赤外線走査を、フーリエ変換赤外分光システムから受信することができる。
【0333】
工程は、フーリエ変換赤外線走査及び走査分類器を使用して、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションの材料化学的性質が正しいかどうかを検証する(動作3402)。その後工程は終了する。
【0334】
この例では、フーリエ変換赤外分光システムは、複合材料製造システム内の異なる箇所にフーリエ変換赤外分光デバイスを備える。フーリエ変換赤外分光デバイスは、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、異なる箇所にある未固化複合材料のセクションのフーリエ変換赤外線走査を生成することができる。フーリエ変換赤外線走査は、箇所のうちの1つから生成される。
【0335】
次に
図35を参照すると、例示的な実施形態による、フーリエ変換赤外分光システムを制御するための工程のフローチャートが図示されている。この図の工程は、
図34の措置と共に行うことができる追加の動作の一例である。
【0336】
工程は、フーリエ変換赤外分光システムを制御して、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションのフーリエ変換赤外線走査を生成する(動作3500)。その後工程は終了する。
【0337】
図36には、例示的な実施形態による、フーリエ変換赤外分光システムを制御するための工程のフローチャートが図示されている。このフローチャートは、
図35の動作3500のための実装形態の一例である。
【0338】
工程は、フーリエ変換赤外分光システムを制御して、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで未固化複合材料のセクションで赤外線エネルギーを放射させ、時間領域データを形成するために未固化複合材料で放射された赤外線エネルギーを検出し、未固化複合材料の赤外スペクトル内の周波数の吸収された赤外線エネルギーのフーリエ変換赤外線走査を形成するために時間領域データを周波数領域データに変換するフーリエ変換を行う(動作3600)。その後工程は終了する。
【0339】
次に
図37を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の材料化学的性質を検証するように機械学習モデルシステムを訓練するための工程のフローチャートが図示されている。この例の工程は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実装することができる。ソフトウェアで実装される場合、工程は、1以上のコンピュータシステムにおいて1以上のハードウェアデバイス内に配置された1以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラム命令の形態をとることができる。例えば、工程は、
図32の機械学習モデルトレーナ3233に実装することができる。
【0340】
工程は、サンプル材料のサンプルフーリエ変換赤外線走査を識別する(動作3700)。工程は、サンプルフーリエ変換赤外線走査の平均値を算出する(動作3702)。工程は、サンプルフーリエ変換赤外線走査の平均値との相関を決定する(動作3704)。動作3704において、相関は、動作3702で算出された平均値に対して個々のサンプルフーリエ変換ごとに決定される。
【0341】
工程は、いくつかのサンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値未満の相関を有することに応答して、平均値との相関が最も低いフーリエ変換赤外線走査から選択されたサンプルフーリエ変換赤外線走査を除去する(動作3706)。
【0342】
工程は、平均値を算出すること、相関を決定すること、及びいくつかのサンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値未満の相関を有することに応答してサンプルフーリエ変換赤外線走査を除去することを繰り返す(動作3708)。動作3708において、平均値は、選択されたサンプルフーリエ変換赤外線走査の除去後に平均値が算出されるたびに変化する。
【0343】
工程は、残りのサンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値よりも大きい相関を有することに応答して、残りのサンプルフーリエ変換赤外線走査を使用して機械学習モデルシステムを訓練し、残りのサンプルフーリエ変換赤外線走査は、標準化されたフーリエ変換赤外線走査である(動作3710)。その後工程は終了する。動作3710において、残りのフーリエ変換赤外線走査は、標準化されたフーリエ変換赤外線走査とすることができる。走査分類器が機械学習モデルシステムではなく分類工程の形態をとる場合、走査を、訓練データセットの一部としてではなく分類工程で使用することができる。
【0344】
次に
図38を参照すると、例示的な実施形態による、未固化複合材料の材料化学的性質を検証するように機械学習モデルシステムを訓練するための工程のフローチャートが図示されている。この例の工程は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方で実装することができる。ソフトウェアで実装される場合、工程は、1以上のコンピュータシステムにおいて1以上のハードウェアデバイス内に配置された1以上のプロセッサユニットによって実行されるプログラム命令の形態をとることができる。例えば、工程は、
図32の機械学習モデルトレーナ3233に実装することができる。
【0345】
工程は、異なる材料化学的性質を有する未固化複合材料サンプルにおける吸収された赤外線エネルギーのフーリエ変換赤外線走査を識別する(動作3800)。この例では、異なる材料化学的性質は、正しい材料化学的性質を有する未固化複合材料サンプルと、誤った材料化学的性質を有するサンプルとであり得る。さらに、未固化複合材料サンプルは、正しい材料化学的性質とみなされる異なる範囲の材料化学的性質を有することができる。
【0346】
工程は、フーリエ変換赤外線走査を使用して訓練データセットを生成する(動作3802)。動作3802において、訓練データセットは、未固化複合材料のフーリエ変換赤外線走査を含むことができる。この例では、これらの走査と、どのフーリエ変換赤外線走査が正しい材料化学的性質を有し、どのフーリエ変換赤外線走査が誤った材料化学的性質を有するかを識別するラベルを関連付けることができる。
【0347】
工程は、訓練データセットを使用して機械学習モデルシステムを訓練する(動作3804)。その後工程は終了する。
【0348】
異なる図示の実施形態におけるフローチャート及びブロック図は、例示的な実施形態における装置及び方法のいくつかの可能な実装形態のアーキテクチャ、機能性、及び動作を示している。これに関して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、又は動作若しくはステップの一部分のうちの少なくとも1つを表することができる。例えば、ブロックのうちの1以上を、プログラム命令、ハードウェア、又はプログラム命令とハードウェアとの組合せとして実装することができる。ハードウェアで実装される場合、ハードウェアは、例えば、フローチャート又はブロック図における1以上の動作を行うように製造又は構成された集積回路の形態をとることができる。プログラム命令とハードウェアとの組合せとして実装される場合、実装形態はファームウェアの形態をとってもよい。フローチャート又はブロック図の各ブロックは、異なる動作を行う専用ハードウェアシステム、又は専用ハードウェアと専用ハードウェアによって実行されるプログラム命令との組合せを使用して実装することができる。
【0349】
例示的な実施形態のいくつかの代替の実装形態では、ブロックに記されている1以上の機能は、図に記されている順序から外れて行われてもよい。例えば、場合によっては、連続して示される2つのブロックが実質的に同時に行われてもよいし、又はブロックは、関与する機能性に応じて、時には逆の順序で行われてもよい。また、フローチャート又はブロック図に示されたブロックに加えて、他のブロックが追加されてもよい。
【0350】
例えば、図示の異なる動作は、フーリエ変換赤外分光システムに加えて、又はその代わりに、他のタイプの分光システムを使用して行うことができる。言い換えると、フーリエ変換赤外線走査の代わりに、又はそれに加えて、他のタイプの電磁走査を使用することができる。
【0351】
例示的な例のいくつかの形態を以下の付記項に記載する。これらの付記項は、形態の例であり、他の例示的な例を限定することを意図するものではない。
【0352】
付記項1
コンピュータシステムと、
未固化複合材料の赤外スペクトル内の周波数の吸収された赤外線エネルギーのフーリエ変換赤外線走査を生成するフーリエ変換赤外分光システムと、
未固化複合材料のフーリエ変換赤外線走査を使用して、未固化複合材料における材料化学的性質を分類する走査分類器と、
分析器と、
を備え、
前記分析器が、
複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションのフーリエ変換赤外線走査を生成するためにフーリエ変換赤外分光システムを制御し、
フーリエ変換赤外線走査及び走査分類器を使用して、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションの材料化学的性質が正しいかどうかを検証する、材料化学的性質検証システム。
【0353】
付記項2
分析器は、材料化学的性質がセクションにおいて誤っていると判定したことに応答していくつかの措置を行うように構成されている、付記項1に記載の材料化学的性質検証システム。
【0354】
付記項3
いくつかの措置は、
アラートを生成すること、
未固化複合材料のセクションを追跡すること、
未固化複合材料のセクションをマーキングすること、
未固化複合材料のセクションにおける未検証の材料化学的性質の存在をログに記録すること、及び
未固化複合材料の生産を停止すること、
のうちの少なくとも1つから選択される、付記項2に記載の材料化学的性質検証システム。
【0355】
付記項4
フーリエ変換赤外システムは、フーリエ変換赤外線走査を生成する際に、
未固化複合材料で赤外線エネルギーを放射し、
未固化複合材料で放射された赤外線エネルギーを検出して時間領域データを形成し、
未固化複合材料の赤外スペクトル内の周波数の吸収された赤外線エネルギーのフーリエ変換赤外線走査を形成するために時間領域データを周波数領域データに変換するフーリエ変換を行う、
ように構成されている、付記項1から3のいずれか一項に記載の材料化学的性質検証システム。
【0356】
付記項5
フーリエ変換赤外分光システムは、
複合材料製造システム内の異なる箇所にあるフーリエ変換赤外分光デバイスを備え、
フーリエ変換赤外分光デバイスが、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、異なる箇所にある未固化複合材料のセクションのフーリエ変換赤外線走査を生成する、フーリエ変換赤外分光デバイスを備える、付記項1から4のいずれか一項に記載の材料化学的性質検証システム。
【0357】
付記項6
走査分類器は、標準化されたフーリエ変換赤外線走査を使用する分類工程である、付記項1から5のいずれか一項に記載の材料化学的性質検証システム。
【0358】
付記項7
走査分類器は、未固化複合材料のフーリエ変換赤外線走査を使用して、未固化複合材料における材料化学的性質を分類するように訓練された機械学習モデルシステムである、付記項1から6のいずれか一項に記載の材料化学的性質検証システム。
【0359】
付記項8
機械学習モデルトレーナをさらに備え、
機械学習モデルトレーナは、
サンプル材料のサンプルフーリエ変換赤外線走査を識別し、
サンプルフーリエ変換赤外線走査の平均値を算出し、
サンプルフーリエ変換赤外線走査の平均値との相関を決定し、
いくつかのサンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値未満の相関を有することに応答して、平均値との相関が最も低いサンプルフーリエ変換赤外線走査から選択されたサンプルフーリエ変換赤外線走査を除去し、
平均値を算出すること、相関を決定すること、及びいくつかのサンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値未満の相関を有することに応答して選択されたサンプルフーリエ変換赤外線走査を除去することを繰り返し、
残りのサンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値よりも大きい相関を有することに応答して、残りのサンプルフーリエ変換赤外線走査を使用して機械学習モデルシステムを訓練し、残りのサンプルフーリエ変換赤外線走査が、標準化されたフーリエ変換赤外線走査である、付記項7に記載の材料化学的性質検証システム。
【0360】
付記項9
機械学習モデルトレーナをさらに備え、
機械学習モデルトレーナは、
異なる材料化学的性質を有する未固化複合材料サンプルにおける吸収された赤外線エネルギーのフーリエ変換赤外線走査を識別し、
フーリエ変換赤外線走査を使用して訓練データセットを生成し、
訓練データセットを使用して機械学習モデルシステムを訓練する、付記項7に記載の材料化学的性質検証システム。
【0361】
付記項10
複合材料製造システムは、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合処理システム、樹脂フィルム加工ライン、プリプレグシステム、及びスリット加工システムである、付記項1、から9のいずれか一項に記載の材料化学的性質検証システム。
【0362】
付記項11
未固化複合材料は、プリプレグ、航空宇宙用グレードのプリプレグ、熱硬化性プリプレグ、熱可塑性プリプレグ、織布プリプレグ、繊維トウプリプレグ、トウプリプレグ、一方向テーププリプレグ、樹脂被覆フィルム、ノンクリンプ織物、又は樹脂混合物のうちの少なくとも1つから選択される、付記項1から10のいずれか一項に記載の材料化学的性質検証システム。
【0363】
付記項12
材料化学的性質検証システムであって、
コンピュータシステムと、
未固化複合材料のフーリエ変換赤外線走査を使用して、未固化複合材料における材料化学的性質を分類する走査分類器と、
コンピュータシステム内の分析器と、
を備え、
分析器が、
複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションのフーリエ変換赤外線走査を受信し、
フーリエ変換赤外線走査及び走査分類器を使用して、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションの材料化学的性質が正しいかどうかを検証する、
ように構成されている、材料化学的性質検証システム。
【0364】
付記項13
フーリエ変換赤外線走査は、フーリエ変換赤外分光システムから受信される、付記項12に記載の材料化学的性質検証システム。
【0365】
付記項14
分析器は、
複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションのフーリエ変換赤外線走査を生成するためにフーリエ変換赤外分光システムを制御する、
ように構成されている、付記項13に記載の材料化学的性質検証システム。
【0366】
付記項15
分析器は、
フーリエ変換赤外分光システムを制御する際に、フーリエ変換赤外分光システムを制御して、
複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで未固化複合材料のセクションで赤外線エネルギーを放射し、
未固化複合材料で放射された赤外線エネルギーを検出して時間領域データを形成し、
未固化複合材料の赤外スペクトル内の周波数の吸収された赤外線エネルギーのフーリエ変換赤外線走査を形成するために時間領域データを周波数領域データに変換するフーリエ変換を行う、
ように構成されている、付記項14に記載の材料化学的性質検証システム。
【0367】
付記項16
フーリエ変換赤外分光システムは、
複合材料製造システム内の異なる箇所にあるフーリエ変換赤外分光デバイスを備え、
フーリエ変換赤外分光デバイスが、
複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、異なる箇所にある未固化複合材料のセクションのフーリエ変換赤外線走査を生成する、フーリエ変換赤外分光デバイス、を備える、付記項13から15のいずれか一項に記載の材料化学的性質検証システム。
【0368】
付記項17
走査分類器は、標準化されたフーリエ変換赤外線走査を使用する分類工程である、付記項12から16のいずれか一項に記載の材料化学的性質検証システム。
【0369】
付記項18
走査分類器は、未固化複合材料のフーリエ変換赤外線走査を使用して、未固化複合材料における材料化学的性質を分類するように訓練された機械学習モデルシステムである、付記項12から17のいずれか一項に記載の材料化学的性質検証システム。
【0370】
付記項19
機械学習モデルトレーナをさらに備え、
機械学習モデルトレーナが、
サンプル材料のサンプルフーリエ変換赤外線走査を識別し、
サンプルフーリエ変換赤外線走査の平均値を算出し、
サンプルフーリエ変換赤外線走査の平均値との相関を決定し、
いくつかのサンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値未満の相関を有することに応答して、平均値との相関が最も低いサンプルフーリエ変換赤外線走査から選択されたサンプルフーリエ変換赤外線走査を除去し、
平均値を算出すること、相関を決定すること、及びいくつかのサンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値未満の相関を有することに応答して選択されたサンプルフーリエ変換赤外線走査を除去することを繰り返し、
残りのサンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値よりも大きい相関を有することに応答して、残りのサンプルフーリエ変換赤外線走査を使用して機械学習モデルシステムを訓練し、残りのサンプルフーリエ変換赤外線走査が、標準化されたフーリエ変換赤外線走査である、付記項18に記載の材料化学的性質検証システム。
【0371】
付記項20
複合材料製造システムは、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合処理システム、樹脂フィルム加工ライン、プリプレグシステム、及びスリット加工システムである、付記項12から19のいずれか一項に記載の材料化学的性質検証システム。
【0372】
付記項21
未固化複合材料は、プリプレグ、航空宇宙用グレードのプリプレグ、熱硬化性プリプレグ、熱可塑性プリプレグ、織布プリプレグ、繊維トウプリプレグ、トウプリプレグ、一方向テーププリプレグ、樹脂被覆フィルム、ノンクリンプ織物、及び樹脂混合物のうちの少なくとも1つから選択される、付記項12から20いずれか一項に記載の材料化学的性質検証システム。
【0373】
付記項22
材料化学的性質検証システムであって、
コンピュータシステムと、
未固化複合材料の電磁走査を使用して、未固化複合材料における材料化学的性質を分類する走査分類器と、
コンピュータシステム内の分析器と、
を備え、
分析器が、
複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションの電磁走査を受信し、
電磁走査及び走査分類器を使用して、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションの材料化学的性質が正しいかどうかを検証する、
ように構成されている、材料化学的性質検証システム。
【0374】
付記項23
材料化学的性質を検証するための方法であって、
方法は、
複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションのフーリエ変換赤外線走査を受信するステップと、
フーリエ変換赤外線走査及び走査分類器を使用して、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションの材料化学的性質が正しいかどうかを検証するステップと
を含む、方法。
【0375】
付記項24
フーリエ変換赤外線走査は、フーリエ変換赤外分光システムから受信される、付記項23に記載の方法。
【0376】
付記項25
複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、未固化複合材料のセクションのフーリエ変換赤外線走査を生成するためにフーリエ変換赤外分光システムを制御する、ステップ
をさらに含む、付記項24に記載の方法。
【0377】
付記項26
フーリエ変換赤外分光システムを制御するステップは、
複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで未固化複合材料のセクションで赤外線エネルギーを放射させ、
時間領域データを形成するために未固化複合材料で放射された赤外線エネルギーを検出して、
未固化複合材料の赤外スペクトル内の周波数の吸収された赤外線エネルギーのフーリエ変換赤外線走査を形成するために時間領域データを周波数領域データに変換するフーリエ変換を行う、
ようにフーリエ変換赤外分光システムを制御するステップ、
を含む、付記項25に記載の方法。
【0378】
付記項27
フーリエ変換赤外分光システムは、複合材料製造システム内の異なる箇所にあるフーリエ変換赤外分光デバイスを備え、
フーリエ変換赤外分光デバイスは、複合材料製造システムによる未固化複合材料の製造中にリアルタイムで、異なる箇所にある未固化複合材料のセクションのフーリエ変換赤外線走査を生成し、フーリエ変換赤外線走査はそれらの箇所のうちの1つから生成される、付記項24から26のいずれか一項に記載の方法。
【0379】
付記項28
走査分類器は、標準化されたフーリエ変換赤外線走査を使用する分類工程である、付記項23から27のいずれか一項に記載の方法。
【0380】
付記項29
走査分類器は、未固化複合材料のフーリエ変換赤外線走査を使用して、未固化複合材料における材料化学的性質を分類するように訓練された機械学習モデルシステムである、付記項23から28のいずれか一項に記載の方法。
【0381】
付記項30
サンプル材料のサンプルフーリエ変換赤外線走査を識別するステップと、
サンプルフーリエ変換赤外線走査の平均値を算出するステップと、
サンプルフーリエ変換赤外線走査の平均値との相関を決定するステップと、
いくつかのサンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値未満の相関を有することに応答して、平均値との相関が最も低いサンプルフーリエ変換赤外線走査から選択されたサンプルフーリエ変換赤外線走査を除去するステップと、
平均値を算出するステップ、相関を決定するステップ、及びいくつかのサンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値未満の相関を有することに応答して選択されたサンプルフーリエ変換赤外線走査を除去するステップを繰り返すステップと、
残りのサンプルフーリエ変換赤外線走査が閾値よりも大きい相関を有することに応答して、残りのサンプルフーリエ変換赤外線走査を使用して機械学習モデルシステムを訓練するステップであって、残りのサンプルフーリエ変換赤外線走査が、標準化されたフーリエ変換赤外線走査である、ステップと
をさらに含む、付記項29に記載の方法。
【0382】
付記項31
【0383】
異なる材料化学的性質を有する未固化複合材料サンプルにおける吸収された赤外線エネルギーのフーリエ変換赤外線走査を識別するステップと、
フーリエ変換赤外線走査を使用して訓練データセットを生成するステップと、
訓練データセットを使用して機械学習モデルシステムを訓練するステップと
をさらに含む、付記項29に記載の方法。
【0384】
付記項32
複合材料製造システムは、炭素繊維プリプレグ・コーティング・ライン、強化繊維樹脂含浸ライン、樹脂混合処理システム、樹脂フィルム加工ライン、プリプレグシステム、及びスリット加工システムである、付記項23から31のいずれか一項に記載の方法。
【0385】
付記項33
未固化複合材料は、プリプレグ、航空宇宙用グレードのプリプレグ、熱硬化性プリプレグ、熱可塑性プリプレグ、織布プリプレグ、繊維トウプリプレグ、トウプリプレグ、一方向テーププリプレグ、樹脂被覆フィルム、ノンクリンプ織物、及び樹脂混合物のうちの少なくとも1つから選択される、付記項23から32のいずれか一項に記載の方法。
【0386】
異なる例示的な実施形態の説明は、例示及び説明を目的として提示しており、網羅的であることも、開示の形態の実施形態に限定することも意図するものではない。異なる例示的な例は、措置又は動作を行う構成要素を説明している。例示的な実施形態では、構成要素を、記載の措置又は動作を行うように構成することができる。例えば、構成要素は、例示的な例において構成要素によって行われるものとして説明されている措置又は動作を行う能力を構成要素に与える構造の構成又は設計を有することができる。さらに、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「含有する(contains)」という用語、及びそれらの変形は、本明細書で使用される限りにおいて、いかなる追加要素又は他の要素も排除しないオープンな移行語としての「備える(comprises)」という用語と同様に包括的であることを意図されている。
【0387】
当業者には多くの修正及び変形が明らかであろう。さらに、異なる例示的な実施形態は、他の望ましい実施形態と比較して異なる形態を提供する場合がある。選択された1以上の実施形態は、実施形態の原理、実用的応用を最もよく説明すると共に、当業者が、企図される特定の用途に適した様々な修正を伴う様々な実施形態のために本開示を理解することを可能にするために選択され、説明されている。
【符号の説明】
【0388】
100 ネットワークデータ処理システム、102 ネットワーク、104 サーバーコンピュータ、106 サーバーコンピュータ、108 記憶ユニット、110 クライアントデバイス、112 クライアントコンピュータ、114 クライアントコンピュータ、116 クライアントコンピュータ、118 プリプレグシステム、120 タブレットコンピュータ、122 スマートグラス、130 複合材料製造施設、132 複合材料マネージャ、134 センサデータ、136 コマンド、138 機械学習モデル、200 複合材料製造環境、202 複合材料管理システム、203 デジタルツイン、204 未固化複合材料、205 複合材料部品、208 複合材料製造システム、209 箇所、210 コンピュータシステム、212 複合材料マネージャ、214 プロセッサユニット、216 プログラム命令、218 センサデータ、220 センサシステム、222 センサ、224 予測特性、226 部分、227 完成した製品、228 特性、230 品質レベル、232 予測品質レベル、233 モデル、234 機械学習モデル、235 物理モデル、236 機械学習モデル、237 ハイブリッドモデル、239 物理モデル、240 訓練データセット、241 措置、242 履歴センサデータ、243 統計モデル、244 履歴特性、245 履歴上流情報、246 上流情報、251 初期予測特性、255 完成した製品、291 是正措置、300 マーキング措置、301 是正措置、302 部分、303 調整措置、304 使用不可、305 変更措置、306 使用可能、307 パラメータ、308 品質レベル、309 第1の公差、310 複合材料部品タイプ、311 第1のタイプの使用、312 公差、313 第2の公差、314 マーカ、315 第2のタイプの使用、316 情報、317 後続部分、319 原材料、400 製造工程フロー、402 未固化複合材料生産工程投入、404 未固化複合材料生産物理プラント、408 材料及び設定、406 データ前処理、410 未固化複合材料生産工程出力、412 リアルタイム品質記録、500 複合材料製造システム、501 未フィルム加工紙ロール、502 ニップ、503 紙、504 ローラ、505 樹脂、506 ローラ、508 ギャップ、510 樹脂ダム、511 フィルム加工紙ロール、512 紙巻き戻し機、514 フィルム加工紙、520 センサ、522 センサ、600 複合材料製造システム、602 第1フィルム加工ロール、603 フィルム加工紙、604 第2フィルム加工ロール、605 フィルム加工紙、606 第1ニップ、608 ローラ、610 ローラ、612 第1ニップギャップ、614 第2ニップ、616 ローラ、618 ローラ、620 第2ニップギャップ、622 第3ニップ、624 ローラ、626 ローラ、628 第3ニップギャップ、630 第4ニップ、632 ローラ、634 ローラ、636 第4ニップギャップ、637 繊維クリール、638 繊維、639 コーム、640 ホットプレート、641 スプレッダーバー、642 ホットプレート、644 コールドプレート、645 ブレーキ、646 ブレーキ、648 プリプレグ、650 プリプレグロール、652 ローラ、654 紙ロール、656 スリッター、660 センサ箇所、662 センサ箇所、664 センサ箇所、666 センサ箇所、667 センサ箇所、669 センサ箇所、671 センサ箇所、700 部分、702 未固化複合材料、704 第1の点、706 第2の点、707 矢印、708 複合材料製造システム、710 措置、712 プリプレグ、714 特性、715 時間間隔、716 センサ、718 センサ箇所、719 特定の部分、720 措置、722 センサデータ、723 測定値、725 メタデータ、800 第1点、802 第2点、804 ローラ、806 ローラ、807 プリプレグ、808 センサ、809 矢印、810 センサ、812 センサ箇所、814 プリプレグの上側、816 プリプレグの底側、820 第1点における引張り、822 第2点における引張り、824 部分、900 センサ、902 プリプレグの第1の側、904 センサ、906 プリプレグの第2の側、2600 データ処理システム、2602 通信フレームワーク、2604 プロセッサユニット、2606 メモリ、2608 永続記憶装置、2610 通信ユニット、2612 入力/出力ユニット、2614 ディスプレイ、2616 記憶デバイス、2618 プログラム命令、2620 コンピュータ読み取り可能な媒体、2622 コンピュータプログラム製品、2624 コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、2700 航空機の製造及び保守点検方法、2702 仕様及び設計、2704 材料調達、2706 構成要素及び部分組立品の製造、2708 システム統合、2710 認証及び搬送、2712 就航中、2714 整備及び保守点検、2800 航空機、2802 機体、2804 システム、2806 内部、2808 推進システム、2810 電気システム、2812 油圧システム、2814 環境システム、2900 製品管理システム、2902 製造システム、2904 整備システム、2906 製造機器、2908 製作機器、2910 組立機器、2912 整備機器、2914 制御システム、2916 人間のオペレータ、3000 材料化学的性質検証システム、3003 予期される材料化学的性質、3012 コンピュータシステム、3014 分析器、3016 プロセッサユニット、3018 プログラム命令、3021 センサデータ、3023 複合材料製造システム、3024 未固化複合材料、3026 材料化学的性質、3027 セクション、3031 センサシステム、3032 走査分類器、3035 フーリエ変換赤外分光デバイス、3037 異なる箇所、3040 措置、3070 電磁走査、3071 分光システム、3072 フーリエ変換赤外分光システム、3073 フーリエ変換赤外線走査、3074 フーリエ変換赤外線走査、3081 センサ、3101 分類工程、3102 機械学習モデルシステム、3103 機械学習モデル、3110 標準化されたフーリエ変換赤外線走査、3200 訓練データセット、3201 機械学習モデル、3206 フーリエ変換赤外線走査、3207 ラベル、3233 機械学習モデルトレーナ、3300 作成段階、3301 検証段階、3303 プリプレグ機、3305 走査分類器、3306 個々の走査の平均値との相関、3307 FTIR走査の平均値、3310 プリプレグサンプル、3311 相関<閾値か?をチェックする、3312 FTIR走査、3313 相関が最も低い走査を除去する、3314 データ前処理、3315 処理されたFTIR走査、3317 プリプレグ、3319 ロール、3321 箇所、3322 箇所、3323 箇所、3340 FTIR分光法、3341 FTIR走査の前処理、3345 生FTIR走査、3347 FTIR走査、3360 相関メトリック、3361 メトリックが閾値より低い場合工程を停止する、3371 セクション、3390 コンピュータシステム、3391 確立された標準
【外国語明細書】