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特開2024-14426情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014426
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20240125BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117241
(22)【出願日】2022-07-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】下平 正人
(72)【発明者】
【氏名】江田 哲平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】暗号資産の利用を促進させる。
【解決手段】決済サーバ2は、第1ユーザが保有する暗号資産を第2ユーザに移転させる移転処理部232と、暗号資産の移転の履歴を特定するための情報を参照し、暗号資産を第1ユーザの前に保有していたユーザであって、当該暗号資産を第1ユーザに移転させた第3ユーザを特定するユーザ特定部234と、第1ユーザが暗号資産を第2ユーザに移転させたことに対する特典であって、第1ユーザ、第2ユーザ及び第3ユーザとは異なる他のユーザが提供する特典を第3ユーザに付与する特典付与部235と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザが保有する暗号資産を第2ユーザに移転させる移転処理部と、
前記暗号資産の移転の履歴を特定するための情報を参照し、前記暗号資産を前記第1ユーザの前に保有していたユーザであって、当該暗号資産を前記第1ユーザに移転させた第3ユーザを特定するユーザ特定部と、
前記第1ユーザが前記暗号資産を第2ユーザに移転させたことに対する特典であって、前記第1ユーザ、前記第2ユーザ及び前記第3ユーザとは異なる他のユーザが提供する前記特典を前記第3ユーザに付与する特典付与部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記暗号資産は通貨であり、
前記特典付与部は、決済に利用された利用額に応じて前記特典を付与する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特典付与部は、移転させた前記暗号資産を前記第1ユーザが保有していた保有期間又は移転させた前記暗号資産を前記第3ユーザが保有していた保有期間に応じて前記特典を付与する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記暗号資産は通貨であり、
前記暗号資産が流通する単位である資産単位ごとに、過去において決済に利用された利用回数を特定する回数特定部をさらに有し、
前記移転処理部は、前記第1ユーザが保有する前記暗号資産のうち、利用回数が相対的に少ない暗号単位を優先して移転させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特典付与部は、前記特典の金額が当該特典の原資の残高より小さい場合に、前記特典を前記第3ユーザに付与する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記暗号資産を利用した前記第1ユーザに関する情報を、前記特典が付与された第3ユーザに通知する通知部をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特典付与部は、前記第2ユーザと前記第3ユーザとが同一のユーザではない場合に、前記特典を前記第3ユーザに付与する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する、
第1ユーザが保有する暗号資産を第2ユーザに移転させるステップと、
前記暗号資産の移転の履歴を特定するための情報を参照し、前記暗号資産を前記第1ユーザの前に保有していたユーザであって、当該暗号資産を前記第1ユーザに移転させた第3ユーザを特定するステップと、
前記第1ユーザが前記暗号資産を第2ユーザに移転させたことに対する特典であって、前記第1ユーザ、前記第2ユーザ及び前記第3ユーザとは異なる他のユーザが提供する前記特典を前記第3ユーザに付与するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
第1ユーザが保有する暗号資産を第2ユーザに移転させる移転処理部、
前記暗号資産の移転の履歴を特定するための情報を参照し、前記暗号資産を前記第1ユーザの前に保有していたユーザであって、当該暗号資産を前記第1ユーザに移転させた第3ユーザを特定するユーザ特定部、及び
前記第1ユーザが前記暗号資産を第2ユーザに移転させたことに対する特典であって、前記第1ユーザ、前記第2ユーザ及び前記第3ユーザとは異なる他のユーザが提供する前記特典を前記第3ユーザに付与する特典付与部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暗号資産に関する情報を処理するための情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、暗号資産(仮想通貨ともいう)で決済するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-77640公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
経済循環を活性化させることを目的として、決済に利用可能な暗号資産を発行することが行われている。しかしながら、発行された暗号資産がユーザに給付されても、ユーザが暗号資産ではなく法定通貨(日本円や米国ドル等)を優先して利用するという問題が生じる場合があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、暗号資産の利用を促進させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、第1ユーザが保有する暗号資産を第2ユーザに移転させる移転処理部と、前記暗号資産の移転の履歴を特定するための情報を参照し、前記暗号資産を前記第1ユーザの前に保有していたユーザであって、当該暗号資産を前記第1ユーザに移転させた第3ユーザを特定するユーザ特定部と、前記第1ユーザが前記暗号資産を第2ユーザに移転させたことに対する特典であって、前記第1ユーザ、前記第2ユーザ及び前記第3ユーザとは異なる他のユーザが提供する前記特典を前記第3ユーザに付与する特典付与部と、を有する。
【0007】
前記暗号資産は通貨であってもよいし、前記特典付与部は、決済に利用された利用額に応じて前記特典を付与してもよい。
前記特典付与部は、移転させた前記暗号資産を前記第1ユーザが保有していた保有期間又は移転させた前記暗号資産を前記第3ユーザが保有していた保有期間に応じて前記特典を付与してもよい。
【0008】
前記暗号資産は通貨であってもよいし、前記情報処理装置は、前記暗号資産が流通する単位である資産単位ごとに、過去において決済に利用された利用回数を特定する回数特定部をさらに有してもよいし、前記移転処理部は、前記第1ユーザが保有する前記暗号資産のうち、利用回数が相対的に少ない暗号単位を優先して移転させてもよい。
【0009】
前記特典付与部は、前記特典の金額が当該特典の原資の残高より小さい場合に、前記特典を前記第3ユーザに付与してもよい。
前記情報処理装置は、前記暗号資産を利用した前記第1ユーザに関する情報を、前記特典が付与された第3ユーザに通知する通知部をさらに有してもよい。
前記特典付与部は、前記第2ユーザと前記第3ユーザとが同一のユーザではない場合に、前記特典を前記第3ユーザに付与してもよい。
【0010】
本発明の第2の態様に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する、第1ユーザが保有する暗号資産を第2ユーザに移転させるステップと、前記暗号資産の移転の履歴を特定するための情報を参照し、前記暗号資産を前記第1ユーザの前に保有していたユーザであって、当該暗号資産を前記第1ユーザに移転させた第3ユーザを特定するステップと、前記第1ユーザが前記暗号資産を第2ユーザに移転させたことに対する特典であって、前記第1ユーザ、前記第2ユーザ及び前記第3ユーザとは異なる他のユーザが提供する前記特典を前記第3ユーザに付与するステップと、を有する。
【0011】
本発明の第3の態様に係るプログラムは、コンピュータを、第1ユーザが保有する暗号資産を第2ユーザに移転させる移転処理部、前記暗号資産の移転の履歴を特定するための情報を参照し、前記暗号資産を前記第1ユーザの前に保有していたユーザであって、当該暗号資産を前記第1ユーザに移転させた第3ユーザを特定するユーザ特定部、及び前記第1ユーザが前記暗号資産を第2ユーザに移転させたことに対する特典であって、前記第1ユーザ、前記第2ユーザ及び前記第3ユーザとは異なる他のユーザが提供する前記特典を前記第3ユーザに付与する特典付与部、として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、暗号資産の利用を促進させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
図2】本実施形態に係る決済サーバのブロック図である。
図3】情報処理システムが暗号資産を管理する方法を説明するための模式図である。
図4】本実施形態に係る情報処理システムが実行する例示的な情報処理方法のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[情報処理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの模式図である。情報処理システムSは、暗号資産管理システム1と、決済サーバ2と、ユーザ端末3を含む。情報処理システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0015】
暗号資産管理システム1は、暗号資産に関する情報を管理するための一以上のコンピュータである。暗号資産は、代金の決済等に利用可能であり、法定通貨とは異なる電子的な資産(通貨)である。暗号資産は、法定通貨を裏付けとした電子的な資産、例えば法定通貨と同等の価値及び保証を有する電子的な資産であってもよい。暗号資産は、所定の変換比率で所定の通貨に変換可能である。暗号資産は、例えば記憶装置において当該暗号資産を保有するユーザに関連付けられており、決済に利用される際に顧客であるユーザから店舗であるユーザに移転される。
【0016】
暗号資産は、例えば、ブロックチェーンによって管理される電子的な資産である。また、暗号資産は、ブロックチェーンに限られず、データベース等によって管理される電子的な資産であってもよい。暗号資産は、決済に利用される所定の単位(例えば、流通する単位)である資産単位で管理される。以下、暗号資産の資産単位をコインと呼ぶが、その他の名称であってもよい。
【0017】
暗号資産は、所定の地域において利用可能な地域デジタル通貨であってもよい。例えば、地域デジタル通貨である暗号資産を用いた決済は、所定の地域内の店舗において実行可能であり、当該地域外の店舗において実行不可能である。また、地域デジタル通貨である暗号資産を用いた決済は、所定の地域内の所定の店舗(例えば、登録された店舗)のみにおいて実行可能であってもよい。
【0018】
暗号資産は、所定のユーザが利用可能な地域デジタル通貨であってもよい。例えば、地域デジタル通貨である暗号資産を用いた決済は、所定のユーザによる要求に応じて所定の地域内の店舗において実行可能であり、所定のユーザ以外のユーザによる要求に応じて当該地域内外の店舗において実行不可能である。所定の地域及び所定のユーザにおいては、例えば、暗号資産を発行させるために原資を負担した負担者によって定められる。
【0019】
暗号資産管理システム1は、各ユーザが保有する暗号資産を、当該ユーザに関連付けられた暗号資産口座において管理する。暗号資産管理システム1は、例えば、決済サーバ2から受信した移転要求に応じて、暗号資産をあるユーザの暗号資産口座から別のユーザの暗号資産口座に移転する。暗号資産管理システム1は、ネットワークを介して決済サーバ2及びユーザ端末3と通信可能である。
【0020】
決済サーバ2(情報処理装置)は、暗号資産を用いて代金の決済を行うためのコンピュータである。決済サーバ2は、例えば、ユーザ端末3から決済要求を受信したことに応じて、暗号資産管理システム1に対して決済対象の金額に対応する暗号資産をあるユーザから他のユーザに移転させる移転要求を送信する。決済サーバ2は、ネットワークを介して暗号資産管理システム1及びユーザ端末3と通信可能である。
【0021】
ユーザ端末3は、ユーザが利用するコンピュータである。ユーザは、例えば、店舗である他のユーザに対して、商品(物品、サービス等)の代金を、暗号資産を利用して支払う顧客である。また、ユーザは、店舗である他のユーザに対して、暗号資産を利用して代金を支払う店舗であってもよい。ユーザ端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータである。ユーザ端末3は、操作を受け付けるためのタッチパネルやキーボード等の操作部と、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部と、情報を読み取るためのカメラ等の撮像部と、を有する。ユーザ端末3は、ネットワークを介して決済サーバ2と通信可能である。
【0022】
以下において、図1を用いて本実施形態に係る情報処理システムSが実行する処理の概要を説明する。図1に示す例においては、暗号資産が第3ユーザによる決済で第1ユーザに移転(第1移転)した後に、当該暗号資産が第1ユーザによる決済で第2ユーザに移転(第2移転)する場合における情報処理システムSが実行する処理の例を説明する。図1において、第1ユーザ端末3aは第1ユーザが使用するユーザ端末3であり、第2ユーザ端末3bは第2ユーザが使用するユーザ端末3であり、第3ユーザ端末3cは第3ユーザが使用するユーザ端末3である。
【0023】
この場合において、まず、第1ユーザ端末3aは、第1ユーザによる操作に応じて決済要求を決済サーバ2に送信する(図1における(1))。決済要求は、例えば、第1ユーザを識別するための識別情報(第1ユーザのID(Identification))と、第2ユーザのIDと、第1ユーザが入力した暗号資産の決済金額とを含む。
【0024】
決済サーバ2は、第1ユーザ端末3aから受信した決済要求に含まれる決済金額に対応する暗号資産を第1ユーザから第2ユーザに移転するための移転要求を暗号資産管理システム1に送信する(図1における(2))。移転要求は、例えば、決済金額と、第1ユーザのIDと、第2ユーザのIDとを含む。
【0025】
暗号資産管理システム1は、決済サーバ2から受信した移転要求に含まれる決済金額に対応する暗号資産を、第1ユーザの暗号資産口座から第2ユーザの暗号資産口座に移転する(図1における(3))。暗号資産管理システム1は、例えば、ブロックチェーンに対して、決済金額に対応する暗号資産の保有者を第1ユーザから第2ユーザに変更することを示すデータを追加する。
【0026】
決済サーバ2は、暗号資産の移転の履歴を特定するための特定情報を参照し、第1ユーザから第2ユーザに移転された暗号資産(以下、「対象資産」という。)を第1ユーザの前に保有していたユーザであって、対象資産を第1ユーザに移転させた第3ユーザを特定する(図1における(4))。特定情報の詳細については後述する。
【0027】
そして、決済サーバ2は、第1ユーザが対象資産を第2ユーザに移転させたことに対する特典を、特定した第3ユーザに付与する(図1における(5))。特典は、第1ユーザ、第2ユーザ及び第3ユーザとは異なる他のユーザ(例えば、所定のサービスを提供する事業者、自治体、決済サーバ2を管理する決済事業者等)が提供する特典であり、例えば、特典を負担する負担者が提供するサービスにおいて利用可能なポイントである。
【0028】
このように、情報処理システムSは、第1ユーザが対象資産を第2ユーザに移転させたことに対する特典を、第3ユーザに付与する。これにより、情報処理システムSは、法定通貨よりも暗号資産を優先して利用する動機づけをユーザに提供することができる。その結果、情報処理システムSは、暗号資産の利用を促進させることができる。
以下、決済サーバ2の構成について説明する。
【0029】
[決済サーバ2の構成]
図2は、本実施形態に係る決済サーバ2のブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0030】
決済サーバ2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を有する。決済サーバ2は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、決済サーバ2は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0031】
通信部21は、ネットワークを介して暗号資産管理システム1及びユーザ端末3との間でデータを送受信するための通信コントローラを有する。通信部21は、暗号資産管理システム1又はユーザ端末3からネットワークを介して受信したデータを制御部23に通知する。また、通信部21は、ネットワークを介して、制御部23から出力されたデータを暗号資産管理システム1又はユーザ端末3に送信する。
【0032】
記憶部22は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部22は、決済サーバ2の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部23との間でデータの授受を行ってもよい。
【0033】
制御部23は、受信部231と、移転処理部232と、回数特定部233と、ユーザ特定部234と、特典付与部235と、通知部236と、を有する。制御部23は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部231、移転処理部232、回数特定部233、ユーザ特定部234、特典付与部235及び通知部236として機能する。受信部231、移転処理部232、回数特定部233、ユーザ特定部234、特典付与部235及び通知部236それぞれが行う処理については後述する。
【0034】
[口座の説明]
まず、情報処理システムSが暗号資産を管理する方法を説明する。図3は、情報処理システムSが暗号資産を管理する方法を説明するための模式図である。
【0035】
暗号資産管理システム1は、複数のユーザそれぞれが保有する暗号資産を、暗号資産口座において管理する。複数のユーザそれぞれの暗号資産口座は、当該ユーザのID(例えば、暗号資産口座のID)に関連付けられている。暗号資産管理システム1は、暗号資産の管理として、暗号資産口座に対して暗号資産を入金及び出金し、又は複数の暗号資産口座間で暗号資産を移転する。
【0036】
暗号資産管理システム1は、例えば、ブロックチェーンを用いて、コインを資産単位として暗号資産を管理する。暗号資産管理システム1は、例えば、ユーザのIDと、当該ユーザの暗号資産口座における取引の内容と、を関連付けたブロック(データ)を、ネットワーク上の一又は複数の記憶装置上にブロックチェーンとして記憶する。ブロックチェーン内の各ブロックには所定の規則で生成されたハッシュ値が含まれており、ブロック間のハッシュ値の整合性を確認することによりブロックチェーン全体の正しさが担保される。
【0037】
暗号資産管理システム1は、ブロックチェーンに限られず、例えば、ユーザのIDと、当該ユーザの暗号資産口座の残高と、当該ユーザの暗号資産口座における一又は複数の取引の内容と、を関連付けたデータを、暗号資産管理システム1が有する記憶部上にデータベースとして記憶してもよい。
【0038】
[決済処理の説明]
次に、情報処理システムSが暗号資産を用いて決済する処理を実行するための構成を以下に説明する。決済サーバ2において、受信部231は、ユーザ端末3から決済要求を受信する。決済要求は、第1ユーザに関連付けられている暗号資産口座から第2ユーザに関連付けられている暗号資産口座に決済金額の移転を暗号資産管理システム1に実行させるための要求であり、例えば、第1ユーザのIDと、第2ユーザのIDと、決済金額とを含む。
【0039】
具体的には、まず、ユーザ端末3は、決済要求を決済サーバ2に送信する。例えば、ユーザ端末3は、第2ユーザから提示されたQR(Quick Response)コード(登録商標)を読み取ることによって第2ユーザのIDを取得し、ユーザ端末3に関連付けられている第1ユーザのIDと、取得した第2ユーザのIDと、第1ユーザが入力した暗号資産による決済金額とを含む決済要求を決済サーバ2に送信する。そして、決済サーバ2において、受信部231は、決済要求をユーザ端末3から取得する。
【0040】
移転処理部232は、受信部231が決済要求を受信すると、第1ユーザが保有する暗号資産を第2ユーザに移転させる。具体的には、移転処理部232は、暗号資産管理システム1に対して、第1ユーザに関連付けられている暗号資産口座から第2ユーザに関連付けられている暗号資産口座に決済金額を移転するための移転要求を通知することにより、第1ユーザが保有する暗号資産を第2ユーザに移転させる。移転要求は、第1ユーザのIDと、第2ユーザのIDと、決済金額とを含む。
【0041】
暗号資産管理システム1は、決済サーバ2から移転要求を取得すると、移転要求に含まれる決済金額に対応する暗号資産を、第1ユーザの暗号資産口座から第2ユーザの暗号資産口座に移転する。暗号資産管理システム1は、例えば、ブロックチェーンを用いて暗号資産を管理している場合、ブロックチェーンに対して、決済金額に対応するコインの保有者を第1ユーザから第2ユーザに変更することを示すブロックを追加する。また、暗号資産管理システム1は、例えば、データベースを用いて暗号資産を管理している場合、データベースにおいて、第1ユーザの暗号資産口座から決済金額に対応するコインを減算し、第2ユーザの暗号資産口座に決済金額に対応するコインを加算してもよい。
【0042】
移転処理部232は、利用回数が少ない暗号資産を優先して移転させてもよい。具体的には、まず、回数特定部233は、暗号資産が流通する単位である資産単位ごとに、過去において決済に利用された利用回数を特定する。
【0043】
例えば、暗号資産管理システム1がブロックチェーンを用いて暗号資産を管理している場合、回数特定部233は、資産単位ごとに、ブロックチェーンに格納されているトランザクションを参照し、当該資産単位の利用回数を特定する。例えば、暗号資産管理システム1がデータベースを用いて暗号資産を管理している場合、回数特定部233は、資産単位ごとに、データベースに記憶されている暗号資産の移転の履歴を参照し、当該資産単位の利用回数を特定する。
【0044】
そして、移転処理部232は、第1ユーザが保有する暗号資産のうち、利用回数が相対的に少ない暗号単位を優先して移転させる。移転処理部232は、例えば、第1ユーザが保有する暗号資産のうち、利用回数が最も少ない暗号単位を移転させる。このようにすることで、決済サーバ2は、利用回数のばらつきを小さくすることができる。
【0045】
移転処理部232は、第2ユーザが暗号資産の利用許可条件を満たすか否かを判定し、第2ユーザが暗号資産の利用許可条件を満たすと判定した場合に、第1ユーザが保有する暗号資産を第2ユーザに移転させてもよい。利用許可条件は、代金の支払いに対する利用が許可されている条件が定められている暗号資産の利用を許可するための条件であり、例えば、第2ユーザである店舗が存在する地域が暗号資産の利用が可能な地域であるか否か、又は店舗が暗号資産の利用が可能な店舗であるか否か等である。利用許可条件は、第2ユーザが暗号資産口座を保有しているか否かであってもよい。
【0046】
移転処理部232は、第1ユーザが支払条件を満たすか否かを判定し、第1ユーザが支払条件を満たすと判定した場合に、第1ユーザが保有する暗号資産を第2ユーザに移転させてもよい。支払条件は、利用元ユーザが暗号資産で代金を支払うための条件であり、例えば、第1ユーザが暗号資産を利用可能なユーザであるか否か等である。移転処理部232は、例えば、第1ユーザの暗号資産口座が存在するか否かを暗号資産管理システム1に問い合わせ、当該問い合わせに応じて暗号資産管理システム1が送信した情報に基づいて、第1ユーザが支払条件を満たすか否かを判定する。
【0047】
移転処理部232は、第2ユーザが暗号資産の利用許可条件を満たさないと判定した場合、又は第1ユーザが支払条件を満たさないと判定した場合、暗号資産を利用できない旨を第1ユーザに通知してもよい。
【0048】
[付与処理の説明]
次に、情報処理システムSが特典を付与する処理を実行するための構成を以下に説明する。決済サーバ2において、移転処理部232が第1ユーザから第2ユーザに暗号資産を移転させると、ユーザ特定部234は、暗号資産の移転の履歴を特定するための特定情報を参照し、第3ユーザを特定する。特定情報は、例えば、ブロックチェーンを用いて暗号資産を管理する場合におけるブロック、又はデータベースを用いて暗号資産を管理する場合におけるデータベースに記憶されている情報である。第3ユーザは、暗号資産を第1ユーザの前に保有していたユーザであって、当該暗号資産を第1ユーザに移転させたユーザである。
【0049】
例えば、暗号資産管理システム1がブロックチェーンを用いて暗号資産を管理している場合、ユーザ特定部234は、ブロックチェーンに格納されているトランザクションを参照し、第1ユーザの直前に暗号資産を保有していた第3ユーザを特定する。暗号資産管理システム1がデータベースを用いて暗号資産を管理している場合、ユーザ特定部234は、データベースにおいて第1ユーザが利用した暗号資産の移転の履歴を参照し、第1ユーザの直前に暗号資産を保有していた第3ユーザを特定する。
【0050】
特典付与部235は、第1ユーザが暗号資産を第2ユーザに移転させたことに対する特典であって、第1ユーザ、第2ユーザ及び第3ユーザとは異なる他のユーザが提供する特典を第3ユーザに付与する。例えば、記憶部22には、複数のユーザそれぞれが保有するポイント(特典)が記憶されており、特典付与部235は、第3ユーザが保有するポイントに、付与するポイントを加算することにより、第3ユーザに特典を付与する。
【0051】
特典付与部235は、決済に利用された対象資産(第1ユーザが第2ユーザに移転させた暗号資産)の利用額に応じて特典を付与してもよい。特典付与部235は、例えば、対象資産の利用額が大きいほどポイントを多く付与し、対象資産の利用額が小さいほどポイントを少なく付与する。例えば、記憶部22には、ポイントを算出するための係数が予め定められており、特典付与部235は、第1ユーザが利用した対象資産の利用額に係数を乗算することによってポイントを算出し、算出したポイントを第3ユーザに付与する。このようにすることで、決済サーバ2は、第1ユーザによる対象資産の利用に応じて第3ユーザに特典を付与することができる。
【0052】
特典付与部235は、対象資産を第1ユーザが保有していた保有期間又は対象資産を第3ユーザが保有していた保有期間に応じて特典を付与してもよい。特典付与部235は、例えば、対象資産の保有期間が長いほどポイントを少なく付与し、対象資産の保有期間が短いほどポイントを多く付与する。
【0053】
例えば、まず、特典付与部235は、対象資産の資産単位ごとに保有期間を特定する。そして、特典付与部235は、資産単位ごとに特定した保有期間それぞれに対応する係数を合計することによりポイントを算出し、算出したポイントを付与する。係数は、保有期間ごとに予め定められた数値である。例えば、決済サーバ2には、保有期間が長いほど小さく、保有期間が短いほど大きい係数が予め定められている。このようにすることで、決済サーバ2は、暗号資産を早く利用する動機づけを提供することができる。
【0054】
特典付与部235は、特典の原資の残高に応じて特典を付与してもよい。具体的には、特典付与部235は、特典の金額が当該特典の原資の残高より小さい場合に、特典を第3ユーザに付与する。一方、特典付与部235は、特典の金額が当該特典の原資の残高より大きい場合、第3ユーザへの特典の付与を禁止する。このようにすることで、決済サーバ2は、特典の原資を超えて特典を付与することを防ぐことができる。
【0055】
特典付与部235は、第2ユーザと第3ユーザとが同一のユーザではない場合に、特典を第3ユーザに付与してもよい。特典付与部235は、例えば、第2ユーザのIDと第3ユーザのIDとが同一ではない場合に、特典を第3ユーザに付与し、第2ユーザのIDと第3ユーザのIDとが同一である場合、第3ユーザへの特典の付与を禁止する。このようにすることで、決済サーバ2は、特定のユーザ間で暗号資産の移転が繰り返されることによって特典を繰り返し付与することを防ぐことができる。
【0056】
決済サーバ2は、暗号資産を利用した第1ユーザに関する情報を提供してもよい。第1ユーザに関する情報は、例えば、第1ユーザの名称等である。具体的には、通知部236は、暗号資産を利用した第1ユーザに関する情報を、特典が付与された第3ユーザに通知する。このようにすることで、決済サーバ2は、暗号資産の利用実績がある第1ユーザに暗号資産を利用する動機づけを第3ユーザに提供することができる。
【0057】
[情報処理方法のシーケンス]
図4は、本実施形態に係る情報処理システムSが実行する例示的な情報処理方法のシーケンス図である。図4に示すS4、S5の処理は、S2、S3の処理の前に実行されてもよい。本処理は、第1ユーザ端末3aが、第1ユーザのIDと、第2ユーザのIDと、決済金額とを含む決済要求を決済サーバ2に送信したことを契機として開始する(S1)。
【0058】
決済サーバ2において、受信部231が決済要求を第1ユーザ端末3aから取得すると、移転処理部232は、移転要求を暗号資産管理システム1に通知する(S2)。暗号資産管理システム1は、決済サーバ2から移転要求を取得すると、移転要求に含まれる決済金額に対応する暗号資産を、第1ユーザのIDに関連付けられている暗号資産口座から第2ユーザのIDに関連付けられている暗号資産口座に移転する(S3)。
【0059】
ユーザ特定部234は、特定情報を参照し、第3ユーザが存在するか否かを判定する(S4)。ユーザ特定部234は、第3ユーザが存在しないと判定した場合(S4においてNO)、処理を終了させる。一方、第3ユーザが存在するとユーザ特定部234が判定した場合(S4においてYES)、すなわち、ユーザ特定部234が第3ユーザを特定した場合、特典付与部235は、特定された第3ユーザに特典を付与する(S5)。
【0060】
[変形例]
上記において、情報処理システムSは、第1ユーザが対象資産を第2ユーザに移転させたことに対する特典を、第3ユーザに付与する例を説明したが、これに限らない。例えば、情報処理システムSは、対象資産を第2ユーザに移転させた第1ユーザに対して特典を付与してもよい。
【0061】
また、例えば、情報処理システムSは、対象資産を第3ユーザの前に保有していた他のユーザに対して特典を付与してもよい。他のユーザは、第3ユーザの直前に保有していた第4ユーザと、第4ユーザの前に保有していた第5ユーザとを含む。情報処理システムSは、第1ユーザが対象資産を第2ユーザに移転させた場合に、過去において当該対象資産を保有していた全てのユーザ(第3ユーザ、第4ユーザ及び第5ユーザ等)に対して特典を付与する。
【0062】
情報処理システムSは、過去において当該対象資産を保有していたユーザのうち、対象資産を保有していた保有世代が所定の範囲以内であるユーザに対して特典を付与してもよい。例えば、対象資産において第1の保有世代が第5ユーザであり、第2の保有世代が第4ユーザであり、第3の保有世代が第3ユーザであり、第4の保有世代が第1ユーザであり、第5の保有世代が第2ユーザであり、上記所定の範囲が第2の保有世代から第3の保有世代までであるとする。この場合において、情報処理システムSは、過去において当該対象資産を保有していたユーザのうち、第2の保有世代から第3の保有世代に該当する第3ユーザ及び第4ユーザに対して特典を付与する。
【0063】
複数の世代にポイントを付与する場合、情報処理システムSは、世代数が小さい保有世代(例えば第1の保有世代)であるほどポイントを少なく付与し、世代数が大きい保有世代(例えば第5の保有世代)であるほどポイントを多く付与してもよい。例えば、情報処理システムSは、第3の保有世代である第3ユーザ及び第2の保有世代である第4ユーザに対して特典を付与する場合、第3ユーザに付与するポイントを、第4ユーザに付与するポイントよりも多く付与する。なお、情報処理システムSは、世代数が小さい保有世代であるほどポイントを多く付与し、世代数が大きい保有世代であるほどポイントを少なく付与してもよい。
【0064】
[本実施形態における効果]
以上説明したとおり、情報処理システムSは、第1ユーザが対象資産を第2ユーザに移転させたことに対する特典を、第3ユーザに付与する。これにより、情報処理システムSは、法定通貨よりも暗号資産を優先して利用する動機づけをユーザに提供することができる。その結果、情報処理システムSは、暗号資産の利用を促進させることができる。
【0065】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0066】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0067】
1 暗号資産管理システム
2 決済サーバ
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
231 受信部
232 移転処理部
233 回数特定部
234 ユーザ特定部
235 特典付与部
236 通知部
3 ユーザ端末
S 情報処理システム

図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
代金の支払元である第1ユーザが利用するユーザ端末から、前記第1ユーザのIDと、代金の支払先である第2ユーザのIDと、ブロックチェーンによって管理される暗号資産の決済金額とを含む決済要求を受信する受信部と、
前記受信部が前記決済要求を受信すると、ユーザが保有する前記暗号資産を前記ユーザに関連付けられている暗号資産口座において管理する暗号資産管理システムに対して、前記第1ユーザに関連付けられている前記暗号資産口座から前記第2ユーザに関連付けられている前記暗号資産口座に前記決済金額を移転するための移転要求であって、前記決済要求に含まれる前記第1ユーザのIDと前記第2ユーザのIDと前記決済金額とを含む前記移転要求を通知することにより、前記第1ユーザが保有する前記暗号資産を前記第2ユーザに移転させる移転処理部と、
前記ブロックチェーンに格納されているトランザクションを参照し、前記暗号資産を前記第1ユーザの前に保有していたユーザであって、当該暗号資産を前記第1ユーザに移転させた第3ユーザを特定するユーザ特定部と、
前記第1ユーザが前記暗号資産を第2ユーザに移転させたことに対する特典であって、前記第1ユーザ、前記第2ユーザ及び前記第3ユーザとは異なる他のユーザが提供する前記特典を示す情報前記第3ユーザに関連付けて記憶部に記憶させることにより、前記第3ユーザに前記特典を付与する特典付与部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記暗号資産は通貨であり、
前記特典付与部は、決済に利用された利用額に応じて前記特典を付与する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特典付与部は、移転させた前記暗号資産を前記第1ユーザが保有していた保有期間又は移転させた前記暗号資産を前記第3ユーザが保有していた保有期間に応じて前記特典を付与する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記暗号資産は通貨であり、
前記暗号資産が流通する単位である資産単位ごとに、過去において決済に利用された利用回数を特定する回数特定部をさらに有し、
前記移転処理部は、前記第1ユーザが保有する前記暗号資産のうち、利用回数が相対的に少ない暗号単位を優先して移転させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特典付与部は、前記特典の金額が当該特典の原資の残高より小さい場合に、前記特典を前記第3ユーザに付与する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記暗号資産を利用した前記第1ユーザの名称を、前記特典が付与された第3ユーザに通知する通知部をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特典付与部は、前記第2ユーザと前記第3ユーザとが同一のユーザではない場合に、前記特典を前記第3ユーザに付与する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する、
代金の支払元である第1ユーザが利用するユーザ端末から、前記第1ユーザのIDと、代金の支払先である第2ユーザのIDと、ブロックチェーンによって管理される暗号資産の決済金額とを含む決済要求を受信するステップと、
前記決済要求を受信すると、ユーザが保有する前記暗号資産を前記ユーザに関連付けられている暗号資産口座において管理する暗号資産管理システムに対して、前記第1ユーザに関連付けられている前記暗号資産口座から前記第2ユーザに関連付けられている前記暗号資産口座に前記決済金額を移転するための移転要求であって、前記決済要求に含まれる前記第1ユーザのIDと前記第2ユーザのIDと前記決済金額とを含む前記移転要求を通知することにより、前記第1ユーザが保有する前記暗号資産を前記第2ユーザに移転させるステップと、
前記ブロックチェーンに格納されているトランザクションを参照し、前記暗号資産を前記第1ユーザの前に保有していたユーザであって、当該暗号資産を前記第1ユーザに移転させた第3ユーザを特定するステップと、
前記第1ユーザが前記暗号資産を第2ユーザに移転させたことに対する特典であって、前記第1ユーザ、前記第2ユーザ及び前記第3ユーザとは異なる他のユーザが提供する前記特典を示す情報前記第3ユーザに関連付けて記憶部に記憶させることにより、前記第3ユーザに前記特典を付与するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
代金の支払元である第1ユーザが利用するユーザ端末から、前記第1ユーザのIDと、代金の支払先である第2ユーザのIDと、ブロックチェーンによって管理される暗号資産の決済金額とを含む決済要求を受信する受信部、
前記受信部が前記決済要求を受信すると、ユーザが保有する前記暗号資産を前記ユーザに関連付けられている暗号資産口座において管理する暗号資産管理システムに対して、前記第1ユーザに関連付けられている前記暗号資産口座から前記第2ユーザに関連付けられている前記暗号資産口座に前記決済金額を移転するための移転要求であって、前記決済要求に含まれる前記第1ユーザのIDと前記第2ユーザのIDと前記決済金額とを含む前記移転要求を通知することにより、前記第1ユーザが保有する前記暗号資産を前記第2ユーザに移転させる移転処理部、
前記ブロックチェーンに格納されているトランザクションを参照し、前記暗号資産を前記第1ユーザの前に保有していたユーザであって、当該暗号資産を前記第1ユーザに移転させた第3ユーザを特定するユーザ特定部、及び
前記第1ユーザが前記暗号資産を第2ユーザに移転させたことに対する特典であって、前記第1ユーザ、前記第2ユーザ及び前記第3ユーザとは異なる他のユーザが提供する前記特典を示す情報前記第3ユーザに関連付けて記憶部に記憶させることにより、前記第3ユーザに前記特典を付与する特典付与部、
として機能させるためのプログラム。