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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144280
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】金融商品売買運用手法教習システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q50/20
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024047342
(22)【出願日】2024-03-22
(31)【優先権主張番号】P 2023053701
(32)【優先日】2023-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】300080847
【氏名又は名称】株式会社シンプレクス・インスティテュート
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】安藤 希
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】所定期間にわたる教習コースの終了後に、全教習を振り返って受講者の投資行動の適切性を定量的及び定性的に評価した上で、受講者ごとに投資行動の改善点を指摘し、受講者の適正に応じて採用すべき戦略を示唆するための定性的なフィードバックに加えて定量的フィードバックを行うことができる金融商品売買運用手法教習システムを提供すること。
【解決手段】内生的に価格が形成される仮想市場に参加した受講者の投資行動履歴データを記録、保持する投資行動記録手段140と、投資行動記録手段140に記録されている投資行動履歴データに基づいて受講者ごとに投資行動の適切性を定量的及び定性的に評価する投資行動評価手段170とを備えている金融商品売買運用手法教習システム100。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想市場プログラムを備えて仮想市場を内生的に価格形成して運用する教習運営処理手段と、
前記仮想市場及び仮想金融商品に対し予め定められたシナリオ別データセット群を保持しているシナリオ記憶手段と、
前記仮想金融商品の注文データ及び約定データを金融商品市場管理ファイルとして保持する市場管理データベースと、前記仮想金融商品の注文データ、約定データ及び残高データを証券会社管理ファイルとして保持している機関管理データベースとを備えている管理用記憶手段と、
管理者が金融商品売買運用手法教習を運営するために操作する管理者端末手段と、
前記管理者の入力に応じて登録属性情報と設定属性情報を編集し及び/又は前記シナリオ別データセット群を作成する機能を備えている編集手段と、
前記管理者端末手段と前記編集手段と前記市場管理データベースと前記機関管理データベースと前記管理者端末との間の情報を伝達する通信手段とを備えてコンピュータネットワークシステムを構成し、
前記コンピュータネットワークシステムが、インターネットを介して、残高データ及び最終売買価格を表示して受講者の操作に応じて注文を入力する機能を備えている受講者端末手段と接続してクライアント=サーバ系を構成している金融商品売買運用手法教習システムであって、
前記コンピュータネットワークシステムが、前記仮想市場に参加した前記受講者の投資行動履歴データを記録する投資行動記録手段と、該投資行動記録手段に記録されている前記投資行動履歴データに基づいて前記受講者の投資行動の適切性を定量的に評価する投資行動評価手段とを備えていることを特徴とする金融商品売買運用手法教習システム。
【請求項2】
仮想市場プログラムを備えて仮想市場を内生的に価格形成して運用する教習運営処理手段と、
仮想金融商品の注文データ及び約定データを金融商品市場管理ファイルとして保持する市場管理データベースと、前記仮想金融商品の注文データ、約定データ及び残高データを証券会社管理ファイルとして保持している機関管理データベースとを備えている管理用記憶手段と、
管理者が金融商品売買運用手法教習を運営するために操作する管理者端末手段と、
残高データ及び最終売買価格を表示して受講者の操作に応じて注文を入力する機能を備えている受講者端末手段と、
前記教習運営処理手段と前記管理用記憶手段と前記管理者端末手段と前記受講者端末手段との間の情報を伝達する通信手段とを備えているコンピュータネットワークシステムによりクライアント=サーバ系を構成し、
前記仮想市場及び前記仮想金融商品に対し予め定められたシナリオ別データセット群を保持しているシナリオ記憶手段と、前記管理者の入力に応じて登録属性情報と設定属性情報を編集し及び/又はシナリオ別データセット群を作成する機能を備えている編集手段と、前記管理者端末手段と前記編集手段と前記市場管理データベースと前記機関管理データベースと前記管理者端末手段とが、インターネットを介して、前記コンピュータネットワークシステムに接続している金融商品売買運用手法教習システムであって、
前記仮想市場に参加した前記受講者の投資行動履歴データを記録する投資行動記録手段と、該投資行動記録手段に記録されている前記投資行動履歴データに基づいて前記受講者の投資行動の適切性を定量的に評価する投資行動評価手段とが、インターネットを介して前記コンピュータネットワークシステムに接続していることを特徴とする金融商品売買運用手法教習システム。
【請求項3】
仮想市場及び仮想金融商品に対し予め定められた登録属性情報と前記仮想金融商品の仮想銘柄ごとに定められる設定属性情報とからなるシナリオ別データセット群を保持しているシナリオ記憶手段と、管理者が金融商品売買運用手法教習を運営するために操作する管理者端末手段と、前記管理者の入力に応じて登録属性情報と設定属性情報を編集し及び/又は前記シナリオ別データセット群を作成する機能を備えている編集手段とを通信手段を介して相互に接続し構成しているコンピュータネットワークシステムと、
残高データ及び最終売買価格を表示して受講者の操作に応じて注文を入力する機能を備えて、インターネットを介して、前記コンピュータネットワークシステムに接続して前記仮想市場を内生的に価格形成して運用する仮想市場プログラムと前記シナリオ別データセット群とをダウンロードして記録、保持している受講者端末手段とからなる金融商品売買運用手法教習システムであって、
前記受講者端末手段が、前記仮想市場に参加した前記受講者の投資行動履歴データを記録する投資行動記録手段と、該投資行動記録手段に記録されている前記投資行動履歴データに基づいて前記受講者の投資行動の適切性を定量的に評価する投資行動評価手段とを備えていることを特徴とする金融商品売買運用手法教習システム。
【請求項4】
前記シナリオ別データセット群が、同一シナリオに係る複数のシナリオ別データセットを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の金融商品売買運用手法教習システム。
【請求項5】
前記投資行動評価手段が、評価結果を受講者ごとに記録する投資行動評価データベースを備え、該投資行動評価データベースに同一の受講者に係る同一の仮想市場における複数回の教習に係る評価結果が蓄積された後に、異時点間の評価結果を相互に比較して、当該受講者に対する教習効果を定量的に評価する投資行動評価プログラムを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の金融商品売買運用手法教習システム。
【請求項6】
前記投資行動評価手段が、評価結果を受講者ごとに記録する投資行動評価データベースを備え、該投資行動評価データベースに同一の受講者に係る異なる仮想市場における評価結果が蓄積された後に、異なる仮想市場における評価結果を相互に比較して、当該受講者の適性を定量的に相対評価する投資行動評価プログラムを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の金融商品売買運用手法教習システム。
【請求項7】
前記投資行動評価手段が、評価結果を受講者ごとに記録する投資行動評価データベースを備え、該投資行動評価データベースに記録された複数の受講者の評価結果を相互に比較して定量的に相対評価する投資行動評価プログラムを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の金融商品売買運用手法教習システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融商品の売買、運用の手法を受講者に習得させるための金融商品売買運用手法教習システムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融商品売買運用手法教習システムに関しては、これまでに、仮想商品の売買運用データを処理する処理手段と、ネットワークを通じて複数の受講者端末との間で売買運用データを送受信する通信手段とを備え、処理手段が受講者端末からの入力指示のみに基づいて仮想商品の価格を決定する商品売買運用手法の教習システム(特許文献1)、複数のゲーム参加者がネットワークを介してサーバ装置にアクセスしてそれぞれポートフォリオを構築し、サーバ装置がネットワークを介して取得する実際の取引市場における情報に基づいて構築された各ポートフォリオの運用をシュミレーションする投資運用ゲームシステム(特許文献2)、顧客毎の時系列口座データを取得すると共に、取引データを取得するデータ取得部と、入金・入庫及び出勤・出庫のデータから補正値を算出する補正値算出部と、補正値を時系列口座データに遡及的に適用する評価基準用顧客データ生成部と、基準時系列口座データとして記憶装置に記憶する記憶制御部とを備える資産運用評価装置(特許文献3)、コンピュータネットワークによりクライアント=サーバ系を形成して仮想金融商品を売買する仮想市場を形成し、複数の仮想トレーダーを売買に関与させることにより、コンピュータネットワーク上にリアリティの高い仮想市場を構築して、市場に影響を与え得るニュースと仮想市場の動きとの関係にリアリティを与え、受講者が取るべき行動をリアルタイムに示唆する金融商品売買運用手法教習システム(特許文献4)が知られている。
【特許文献1】特開2001-318993号公報
【特許文献2】特開2012-24127号公報
【特許文献3】特開2016-95800号公報
【特許文献4】特許第4600801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、金融商品売買運用手法教習システムを運用して金融商品の売買、運用の手法を受講者に効果的に習得させるためには、(1)とるべき行動を受講者に対しリアルタイムに示唆すると共に、(2)全教習を振り返って受講者の投資行動の適切性を定量的に評価し、(3)所定期間にわたる教習コースの終了後に、受講者に投資行動の改善点を指摘し、(4)受講者の適正に応じて選択すべき市場及び/又は採用すべき戦略を示唆するフィードバックが必要である。
【0004】
また、金融商品売買運用手法教習において修得し、高めることが期待される能力には、知識のみならず投資行動に関する経験知もまた含まれる。ここで、経験知が獲得された状況とは、「以前と同じ状況下で、それまでより良い結果を出せること」ではなく、「以前と類似するがやや異なる状況でも、以前の経験から得られた知見を拡張して適切に対処し、これまでより良い結果を出せること」を指す。
【0005】
なぜならば、市場では過去と似たような状況が繰り返し起きるが、全く同一の状況は発生しないからであり、現実の市場で利益を出すには、まさに「以前と類似するがやや異なる状況でも、以前の経験から得られた知見を拡張して適切に対処し、これまでより良い結果を出せる」能力が要求されるからである。
【0006】
従って、金融商品売買運用手法教習システムを運用して金融商品の売買、運用の手法を受講者に効果的に習得させるためには、(5)市場や金融取引における経験知を増やす教習システムにより投資行動の経験知を増やす教習を行い、更に、(6)そのような経験知が身についたか否かを判定し、フィードバックすることもまた重要である。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、リアリティを保ったまま仮想市場の市況を一定方向に誘導することが困難であるため、教習において多様な経験知を効率的に獲得させるためのコントロールが難しく、特許文献2に記載の発明は、参加者の投資成績をランキングとして示すのみであり、また、特許文献3に記載の発明は、顧客口座毎の金融資産の運用パフォーマンスを評価する指標として期間損益を定量的に提供するに過ぎず、いずれの発明にしても市場参加のリアリティに欠け、(1)とるべき行動を受講者に対しリアルタイムに示唆することができず、(2)所定期間にわたる教習コースの終了後に、全教習を振り返って受講者の投資行動の適切性を定量的に評価された結果に基づき、受講者ごとに投資行動の改善点を指摘し、受講者の適正に応じて選択すべき市場及び採用すべき戦略を示唆するための定量的フィードバック指導を行うことができず、また、(3)市場や金融取引における経験知を獲得するための教習を行った上で、受講者にその経験知が定着したか否かを判定し、フィードバック指導を行うこともできない。
【0008】
これらに対し、特許文献4に記載の発明は、複数の仮想トレーダーを売買に関与させることにより市場参加のリアリティが高く、教習において多様な経験知を効率的に獲得させるためのコントロールを行うことができ、(1)とるべき行動を受講者に対しリアルタイムに示唆することができるものの、(2)所定期間にわたる教習コースの終了後に、全教習を振り返って受講者の投資行動の適切性を定量的に評価された結果に基づき、受講者ごとに投資行動の改善点を指摘し、受講者の適正に応じて選択すべき市場及び採用すべき戦略を示唆するための定量的フィードバック指導を行うことができず、また、(3)市場や金融取引における経験知を獲得するための教習を行った上で、受講者にその経験知が定着したか否かを定量的に判定して、定量的フィードバック指導を行うことも困難である。
【0009】
そこで本発明の目的は、従来技術の課題を解決すること、すなわち、リアリティを保ちながらとるべき行動を受講者に対しリアルタイムに示唆する教習を行うことができるばかりでなく、所定期間にわたる教習コースの終了後に、全教習を振り返って各受講者の投資行動の適切性を定量的及び定性的に評価した上で、受講者ごとに投資行動の改善点を指摘し、受講者の適正に応じて採用すべき戦略を示唆するために定性的フィードバックに加えて定量的フィードバックを行うことができる金融商品売買運用手法教習システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本請求項1に係る発明の金融商品売買運用手法教習システムは、仮想市場プログラムを備えて仮想市場を内生的に価格形成して運用する教習運営処理手段と、前記仮想市場及び仮想金融商品に対し予め定められたシナリオ別データセット群を保持しているシナリオ記憶手段と、前記仮想金融商品の注文データ及び約定データを金融商品市場管理ファイルとして保持する市場管理データベースと、前記仮想金融商品の注文データ、約定データ及び残高データを証券会社管理ファイルとして保持している機関管理データベースとを備えている管理用記憶手段と、管理者が金融商品売買運用手法教習を運営するために操作する管理者端末手段と、前記管理者の入力に応じて登録属性情報と設定属性情報を編集し及び/又は前記シナリオ別データセット群を作成する機能を備えている編集手段と、前記管理者端末手段と前記編集手段と前記市場管理データベースと前記機関管理データベースと前記管理者端末との間の情報を伝達する通信手段とを備えてコンピュータネットワークシステムを構成し、前記コンピュータネットワークシステムが、インターネットを介して、残高データ及び最終売買価格を表示して受講者の操作に応じて注文を入力する機能を備えている受講者端末手段と接続してクライアント=サーバ系を構成している金融商品売買運用手法教習システムであって、前記コンピュータネットワークシステムが、前記仮想市場に参加した前記受講者の投資行動履歴データを記録する投資行動記録手段と、該投資行動記録手段に記録されている前記投資行動履歴データに基づいて前記受講者の投資行動の適切性を定量的に評価する投資行動評価手段とを備えていることにより、前述した課題を解決するものである。
【0011】
本請求項2に係る発明の金融商品売買運用手法教習システムは、仮想市場プログラムを備えて仮想市場を内生的に価格形成して運用する教習運営処理手段と、仮想金融商品の注文データ及び約定データを金融商品市場管理ファイルとして保持する市場管理データベースと、前記仮想金融商品の注文データ、約定データ及び残高データを証券会社管理ファイルとして保持している機関管理データベースとを備えている管理用記憶手段と、管理者が金融商品売買運用手法教習を運営するために操作する管理者端末手段と、残高データ及び最終売買価格を表示して受講者の操作に応じて注文を入力する機能を備えている受講者端末手段と、前記教習運営処理手段と前記管理用記憶手段と前記管理者端末手段と前記受講者端末手段との間の情報を伝達する通信手段とを備えているコンピュータネットワークシステムによりクライアント=サーバ系を構成し、前記仮想市場及び前記仮想金融商品に対し予め定められたシナリオ別データセット群を保持しているシナリオ記憶手段と、前記管理者の入力に応じて登録属性情報と設定属性情報を編集し及び/又はシナリオ別データセット群を作成する機能を備えている編集手段と、前記管理者端末手段と前記編集手段と前記市場管理データベースと前記機関管理データベースと前記管理者端末手段とが、インターネットを介して、前記コンピュータネットワークシステムに接続している金融商品売買運用手法教習システムであって、前記仮想市場に参加した前記受講者の投資行動履歴データを記録する投資行動記録手段と、該投資行動記録手段に記録されている前記投資行動履歴データに基づいて前記受講者の投資行動の適切性を定量的に評価する投資行動評価手段とが、インターネットを介して前記コンピュータネットワークシステムに接続していることにより、前述した課題を解決するものである。
【0012】
本請求項3に係る発明の金融商品売買運用手法教習システムは、仮想市場及び仮想金融商品に対し予め定められた登録属性情報と前記仮想金融商品の仮想銘柄ごとに定められる設定属性情報とからなるシナリオ別データセット群を保持しているシナリオ記憶手段と、管理者が金融商品売買運用手法教習を運営するために操作する管理者端末手段と、前記管理者の入力に応じて登録属性情報と設定属性情報を編集し及び/又は前記シナリオ別データセット群を作成する機能を備えている編集手段とを通信手段を介して相互に接続し構成しているコンピュータネットワークシステムと、残高データ及び最終売買価格を表示して受講者の操作に応じて注文を入力する機能を備えて、インターネットを介して、前記コンピュータネットワークシステムに接続して前記仮想市場を内生的に価格形成して運用する仮想市場プログラムと前記シナリオ別データセット群とをダウンロードして記録、保持している受講者端末手段とからなる金融商品売買運用手法教習システムであって、前記受講者端末手段が、前記仮想市場に参加した前記受講者の投資行動履歴データを記録する投資行動記録手段と、該投資行動記録手段に記録されている投資行動履歴データに基づいて前記受講者の投資行動の適切性を定量的に評価する投資行動評価手段とを備えていることにより、前述した課題を解決するものである。
【0013】
本請求項4に係る発明の金融商品売買運用手法教習システムは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る発明の構成に加えて、前記シナリオ別データセット群が、同一シナリオに係る複数のシナリオ別データセットを備えていることにより、前述した課題を更に解決するものである。
【0014】
本請求項5に係る発明の金融商品売買運用手法教習システムは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る発明の構成に加えて、前記投資行動評価手段が、評価結果を受講者ごとに記録する投資行動評価データベースを備え、該投資行動評価データベースに同一の受講者に係る同一の仮想市場における複数回の教習に係る評価結果が蓄積された後に、異時点間の評価結果を相互に比較して、当該受講者に対する教習効果を定量的に評価する投資行動評価プログラムを備えていることにより、前述した課題を更に解決するものである。
【0015】
本請求項6に係る発明の金融商品売買運用手法教習システムは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る発明の構成に加えて、前記投資行動評価手段が、評価結果を受講者ごとに記録する投資行動評価データベースを備え、該投資行動評価データベースに同一の受講者に係る異なる仮想市場における評価結果が蓄積された後に、異なる仮想市場における評価結果を相互に比較して、当該受講者の適性を定量的に相対評価する投資行動評価プログラムを備えていることにより、前述した課題を更に解決するものである。
【0016】
本請求項7に係る発明の金融商品売買運用手法教習システムは、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に係る発明の構成に加えて、前記投資行動評価手段が、評価結果を受講者ごとに記録する投資行動評価データベースを備え、該投資行動評価データベースに記録された複数の受講者の評価結果を相互に比較して定量的に相対評価する投資行動評価プログラムを備えていることにより、前述した課題を更に解決するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の請求項1に係る発明の金融商品売買運用手法教習システムによれば、仮想市場プログラムを備えて仮想市場を内生的に価格形成して運用する教習運営処理手段と、仮想市場及び仮想金融商品に対し予め定められたシナリオ別データセット群を保持しているシナリオ記憶手段と、仮想金融商品の注文データ及び約定データを金融商品市場管理ファイルとして保持する市場管理データベースと、仮想金融商品の注文データ、約定データ及び残高データを証券会社管理ファイルとして保持している機関管理データベースとを備えている管理用記憶手段と、管理者が金融商品売買運用手法教習を運営するために操作する管理者端末手段と、管理者の入力に応じて登録属性情報と設定属性情報を編集し及び/又は前記シナリオ別データセット群を作成する機能を備えている編集手段と、管理者端末手段と編集手段と市場管理データベースと機関管理データベースと管理者端末との間の情報を伝達する通信手段とを備えてコンピュータネットワークシステムを構成し、コンピュータネットワークシステムが、インターネットを介して、残高データ及び最終売買価格を表示して受講者の操作に応じて注文を入力する機能を備えている受講者端末手段と接続してクライアント=サーバ系を構成していることにより、コンピュータネットワーク上にリアリティの高い仮想市場を構築して、市場に影響を与えうるニュースと仮想市場の動きとの関係にリアリティを与えるため、受講者がとるべき行動を、リアリティを保ちながらリアルタイムに示唆する教習を行うことができるばかりでなく、本発明に固有の以下の構成により、本発明に固有の以下の効果を奏する。
【0018】
すなわち、コンピュータネットワークシステムが、仮想市場に参加した受講者の投資行動履歴データを記録する投資行動記録手段と、投資行動記録手段に記録されている投資行動履歴データに基づいて受講者の投資行動の適切性を定量的及び定性的に評価する投資行動評価手段とを備えていることにより、所定期間にわたる教習コースの終了後に、全教習を振り返って各受講者の投資行動の適切性を定量的及び定性的に評価するため、受講者ごとに投資行動の改善点を指摘し、受講者の適正に応じて採用すべき戦略を示唆するために定性的フィードバックに加えて定量的フィードバックを行うことができる。
【0019】
本発明の請求項2に係る発明の金融商品売買運用手法教習システムによれば、仮想市場プログラムを備えて仮想市場を内生的に価格形成して運用する教習運営処理手段と、仮想金融商品の注文データ及び約定データを金融商品市場管理ファイルとして保持する市場管理データベースと、仮想金融商品の注文データ、約定データ及び残高データを証券会社管理ファイルとして保持している機関管理データベースとを備えている管理用記憶手段と、管理者が金融商品売買運用手法教習を運営するために操作する管理者端末手段と、残高データ及び最終売買価格を表示して受講者の操作に応じて注文を入力する機能を備えている受講者端末手段と、教習運営処理手段と管理用記憶手段と管理者端末手段と受講者端末手段との間の情報を伝達する通信手段とを備えているコンピュータネットワークシステムによりクライアント=サーバ系を構成し、仮想市場及び仮想金融商品に対し予め定められたシナリオ別データセット群を保持しているシナリオ記憶手段と、管理者の入力に応じて登録属性情報と設定属性情報を編集し及び/又はシナリオ別データセット群を作成する機能を備えている編集手段と、管理者端末手段と前記編集手段と前記市場管理データベースと機関管理データベースと管理者端末手段とが、インターネットを介して、コンピュータネットワークシステムに接続していることにより、コンピュータネットワーク上にリアリティの高い仮想市場を構築して、市場に影響を与えうるニュースと仮想市場の動きとの関係にリアリティを与えるため、受講者がとるべき行動を、リアリティを保ちながらリアルタイムに示唆する教習を行うことができるばかりでなく、本発明に固有の以下の構成により、本発明に固有の以下の効果を奏する。
【0020】
すなわち、仮想市場に参加した受講者の投資行動履歴データを記録する投資行動記録手段と、投資行動記録手段に記録されている投資行動履歴データに基づいて受講者の投資行動の適切性を定量的及び定性的に評価する投資行動評価手段とが、インターネットを介してコンピュータネットワークシステムに接続していることにより、所定期間にわたる教習コースの終了後に、全教習を振り返って各受講者の投資行動の適切性を定量的及び定性的に評価するため、受講者ごとに投資行動の改善点を指摘し、受講者の適正に応じて採用すべき戦略を示唆するために定性的なフィードバックに加えて定量的なフィードバック指導を行うことができる。
【0021】
本発明の請求項3に係る発明の金融商品売買運用手法教習システムによれば、仮想市場及び仮想金融商品に対し予め定められた登録属性情報と前記仮想金融商品の仮想銘柄ごとに定められる設定属性情報とからなるシナリオ別データセット群を保持しているシナリオ記憶手段と、管理者が金融商品売買運用手法教習を運営するために操作する管理者端末手段と、管理者の入力に応じて登録属性情報と設定属性情報を編集し及び/又は前記シナリオ別データセット群を作成する機能を備えている編集手段とを通信手段を介して相互に接続し構成しているコンピュータネットワークシステムと、残高データ及び最終売買価格を表示して受講者の操作に応じて注文を入力する機能を備えて、インターネットを介して、前記コンピュータネットワークシステムに接続して仮想市場を内生的に価格形成して運用する仮想市場プログラムとシナリオ別データセット群とをダウンロードして記録、保持している受講者端末手段とからなることにより、コンピュータネットワーク上にリアリティの高い仮想市場を構築して、市場に影響を与えうるニュースと仮想市場の動きとの関係にリアリティを与えて、受講者がとるべき行動を、リアリティを保ちながらリアルタイムに示唆する教習を行うことができるばかりでなく、本発明に固有の以下の構成により、本発明に固有の以下の効果を奏する。
【0022】
すなわち、受講者端末手段が、仮想市場に参加した受講者の投資行動履歴データを記録する投資行動記録手段と、投資行動記録手段に記録されている投資行動履歴データに基づいて受講者の投資行動の適切性を定量的及び定性的に評価する投資行動評価手段とを備えていることにより、所定期間にわたる教習コースの終了後に、全教習を振り返って各受講者の投資行動の適切性が定量的及び定性的に評価されるため、受講者ごとに投資行動の改善点を指摘し、受講者の適正に応じて採用すべき戦略を示唆するための定性的なフィードバックに加えて、定量的なフィードバックを行うことができる。
【0023】
本発明の請求項4に係る発明の金融商品売買運用手法教習システムによれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明が奏する効果に加えて、シナリオ別データセット群が、同一シナリオに係る複数のシナリオ別データセットを備えていることにより、仮想市場において類似の市況が繰り返し生じるため、特定の市況を効率的に繰り返し受講者に経験させて、特定の市況における経験知を確実に獲得させ、定着させることができる。
【0024】
本請求項5に係る発明の金融商品売買運用手法教習システムによれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明が奏する効果に加えて、投資行動評価手段が、評価結果を受講者ごとに記録する投資行動評価データベースを備え、この投資行動評価データベースに同一の受講者に係る同一の仮想市場における複数回の教習に係る評価結果が蓄積された後に、異時点間の評価結果を相互に比較して、当該受講者に対する教習効果を定量的に評価する投資行動評価プログラムを備えていることにより、市場や金融取引における経験知を増やす教習を複数回行った際の経験知の変動が定量的に評価されて提示されるため、受講者にそのような経験知が定着したか否かに係る教習効果について定量的なフィードバックを行うことができる。
【0025】
本請求項6に係る発明の金融商品売買運用手法教習システムによれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明が奏する効果に加えて、投資行動評価手段が、評価結果を受講者ごとに記録する投資行動評価データベースを備え、この投資行動評価データベースに同一の受講者に係る異なる仮想市場における評価結果が蓄積された後に、異なる仮想市場における評価結果を相互に比較して、当該受講者の適性を定量的に相対評価する投資行動評価プログラムを備えていることにより、受講者ごとに各仮想市場に対する適性が定量的に比較評価されて提示されるため、現実の投資行動を行うにあたり受講者の適性に応じて選択すべき現実の市場について定量的なフィードバックを行うことができる。
【0026】
本請求項7に係る発明の金融商品売買運用手法教習システムによれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明が奏する効果に加えて、投資行動評価手段が、評価結果を受講者ごとに記録する投資行動評価データベースを備え、この投資行動評価データベースに記録された複数の受講者の評価結果を相互に比較して定量的に相対評価する投資行動評価プログラムを備えていることにより、受講者ごとに教習中の投資行動の適切性が定量的に相対評価されて提示されるため、競争環境にある投資家間の競争優位性について定量的なフィードバックを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に係る金融商品売買運用手法教習システムの第一実施例に係る構成を示す機能ブロック図。
図2】仮想トレーダープログラムを示す機能ブロック図。
図3】管理用記憶手段の構成を示す機能ブロック図。
図4】受講者端末手段に表示される板画面の一例を示す模式図。
図5】ザラバ方式の株式市場プロセスにおける処理手順のフローチャート。
図6図5のサブルーチンSUB1のフローチャート。
図7図6のサブルーチンSUB2のフローチャート。
図8図6のサブルーチンSUB3のフローチャート。
図9】編集手段とシナリオ別データセットとの関係を示す模式図。
図10】受講者の投資行動を各種データベースに記録・更新する処理手順を示すフローチャート。
図11】投資行動評価プロセスにおける処理手順を示すフローチャート。
図12】本発明に係る金融商品売買運用手法教習システムの第ニ実施例に係る構成を示す機能ブロック図。
図13】金融商品売買運用手法教習システムの第三の実施例に係る構成を示す機能ブロック図。
図14図13の受講者端末手段を表した機能ブロック図。
図15図14の受講者端末手段に係るアドレステーブルの一例を表す図。
図16図13において、シナリオ別データセットをシナリオ記憶手段から受講者端末手段に追加的にダウンロードする場合の一例を表すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る金融商品売買運用手法教習システムは、仮想市場プログラムを備えて仮想市場を内生的に価格形成して運用する教習運営処理手段と、仮想市場及び仮想金融商品に対し予め定められたシナリオ別データセット群を保持しているシナリオ記憶手段と、仮想金融商品の注文データ及び約定データを金融商品市場管理ファイルとして保持する市場管理データベースと、仮想金融商品の注文データ、約定データ及び残高データを証券会社管理ファイルとして保持している機関管理データベースとを備えている管理用記憶手段と、管理者が金融商品売買運用手法教習を運営するために操作する管理者端末手段と、管理者の入力に応じて登録属性情報と設定属性情報を編集し及び/又は前記シナリオ別データセット群を作成する機能を備えている編集手段と、管理者端末手段と編集手段と前記市場管理データベースと機関管理データベースと管理者端末との間の情報を伝達する通信手段とを備えてコンピュータネットワークシステムを構成し、コンピュータネットワークシステムが、インターネットを介して、残高データ及び最終売買価格を表示して受講者の操作に応じて注文を入力する機能を備えている受講者端末手段と接続してクライアント=サーバ系を構成して、受講者がとるべき行動を、リアリティを保ちながらリアルタイムに示唆する教習を行い、受講者ごとに投資行動の改善点を指摘し、受講者の適正に応じて選択すべき市場と採用すべき戦略を示唆するための定性的なフィードバックに加えて定量的なフィードバックを行うことができるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0029】
また、本発明に係る金融商品売買運用手法教習システムは、仮想市場プログラムを備えて仮想市場を内生的に価格形成して運用する教習運営処理手段と、仮想金融商品の注文データ及び約定データを金融商品市場管理ファイルとして保持する市場管理データベースと、前記仮想金融商品の注文データ、約定データ及び残高データを証券会社管理ファイルとして保持している機関管理データベースとを備えている管理用記憶手段と、管理者が金融商品売買運用手法教習を運営するために操作する管理者端末手段と、残高データ及び最終売買価格を表示して受講者の操作に応じて注文を入力する機能を備えている受講者端末手段と、前記教習運営処理手段と前記管理用記憶手段と前記管理者端末手段と前記受講者端末手段との間の情報を伝達する通信手段とを備えているコンピュータネットワークシステムによるクライアント=サーバ系を構成し、前記仮想市場及び前記仮想金融商品に対し予め定められたシナリオ別データセット群を保持しているシナリオ記憶手段と、前記管理者の入力に応じて登録属性情報と設定属性情報を編集し及び/又はシナリオ別データセット群を作成する機能を備えている編集手段と、前記管理者端末手段と前記編集手段と前記市場管理データベースと前記機関管理データベースと前記管理者端末手段とが、インターネットを介して、前記コンピュータネットワークシステムに接続して、受講者がとるべき行動を、リアリティを保ちながらリアルタイムに示唆する教習を行い、受講者ごとに投資行動の改善点を指摘し、受講者の適正に応じて選択すべき市場と採用すべき戦略を示唆するための定性的なフィードバックに加えて定量的なフィードバックを行うことができるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0030】
更に、本発明に係る金融商品売買運用手法教習システムは、仮想市場及び仮想金融商品に対し予め定められた登録属性情報と前記仮想金融商品の仮想銘柄ごとに定められる設定属性情報とからなるシナリオ別データセット群を保持しているシナリオ記憶手段と、管理者が金融商品売買運用手法教習を運営するために操作する管理者端末手段と、前記管理者の入力に応じて登録属性情報と設定属性情報を編集し及び/又は前記シナリオ別データセット群を作成する機能を備えている編集手段とを通信手段を介して相互に接続し構成しているコンピュータネットワークシステムと、残高データ及び最終売買価格を表示して受講者の操作に応じて注文を入力する機能を備えて、インターネットを介して、前記コンピュータネットワークシステムに接続して仮想市場を内生的に価格形成して運用する仮想市場プログラムとシナリオ別データセット群をダウンロードして記録、保持している受講者端末手段とからなり、受講者がとるべき行動を、リアリティを保ちながらリアルタイムに示唆する教習を行うことができ、受講者ごとに投資行動の改善点を指摘し、受講者の適正に応じて選択すべき市場と採用すべき戦略を示唆するための定性的なフィードバックに加えて定量的なフィードバックを行うことができるものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0031】
すなわち、本発明に係る金融商品売買運用手法教習システムは、教習運営管理者端末手段等と受講者端末手段とが、インターネット等のコンピュータネットワークを介していわゆるクライアント=サーバ系を構成するものであり、このようなクライアント=サーバ系が実現する限りにおいて、システムの構成は自由に設定することができる。
【0032】
例えば、金融商品売買運用手法教習システムは、プライベートクラウドとして構築することができるが、パブリッククラウドを利用することもでき、例えば、マイクロソフト社のAzure(登録商標)、Google社のGCP(Google Cloud Platform)又はアマゾンウェブサービス社のAWS(登録商標)等が提供するIaaS、PaaS及び/又はSaaSを利用して構築してもよい。
【0033】
また、市場管理データベース、機関管理データベース、受講者別残高・リスクデータベース及び/又は投資行動評価データベースを、教習運営管理者端末手段内に設けてもよく、また、編集手段及び/又は投資行動評価手段を独立の構成とせずに、管理者端末の一機能として構成してもよい。
【0034】
更に、投資行動記録手段及び/又は投資行動評価手段は、それぞれ独立の構成とすることができるが、同様の機能を有するプログラムを教習基幹プログラムの一部として構成すれば、教習基幹プログラムを受講者端末にダウンロードすることにより、スタンドアローンで受講する受講者に対して、所定期間にわたる教習コースの終了後に、全教習を振り返って各受講者の投資行動の適切性を受講者端末において定量的及び定性的に評価することができるため、受講者ごとに投資行動の改善点を指摘し、選択すべき市場と採用すべき戦略を示唆するための定性的フィードバックに加えて定量的なフィードバックを行うことができる。
【0035】
受講者選別手段による選別基準は、レベル診断手段によるレベル診断結果に連動させることができるが、受講者レベルや教習の目的・用途等に応じて自由に設定することができる。
【0036】
また、受講者を選別した後に、各受講者端末手段から市場プログラム群へのアクセスを一括で制限することができるが、各市場プログラムへのアクセスを個別に制限するようにしてもよい。
【0037】
本発明では、教習基幹プログラムとシナリオ別データセットとを、相互に独立な構成要素とするプログラムにより構成することができるが、一体化したプログラムとして構成してもよい。
【0038】
また、金融商品売買運用手法教習プログラムを、それぞれ独立な構造を有する基幹教習プログラム、シナリオ別データセット及び仮想市場プログラムから構成しているが、一体化したプログラムとして構成してもよい。
【0039】
シナリオ別データセットは、仮想市場又は金融商品ごとに予め定めることのできる登録属性情報と、個別銘柄ごとに自由に設定することができる設定属性情報から構成することができるが、単一の仮想市場のみを想定し、複数の局面(例えばバブルの局面と大不況の局面)についての教習を行うような場合には、登録属性情報を教習基幹プログラムと一体に構成することにより、シナリオ別データセットを設定属性情報のみから構成することもできる。
【0040】
この場合には、シナリオ別データセットを追加するためのプログラム開発のコスト・時間が更に少なくなり、受講者端末手段へのダウンロードの時間及びそのためのトラフィック数が一層減少する。
【0041】
本発明に係る機関プログラム群は、現実の証券会社と同等の行動特性を示す仮想機関プログラム、現実の銀行や生命保険会社と同等の行動特性を示す仮想機関プログラム、現実の運用機関と同等の行動特性を示す仮想機関プログラム及び現実の個人投資家と同等の行動特性を示す仮想個人投資家プログラム等を備えることができ、必要に応じて、AIによる自動売買と同等の行動特性を示すものとすることができる。
【0042】
特に、仮想個人投資家プログラムの実行により実現する個人投資家に係る行動特性は、現実の個人投資家が備えている典型的な行動特性を備えるものとすることができるが、後述の仮想トレーダーが有する行動特性を備えていてもよく、また、複数種の仮想トレーダーが備えている行動特性を適宜混合した行動特性を備えていてもよい。
【0043】
本発明に係るトレーダープログラム群の実行により仮想市場に投入する仮想トレーダーは、市場プログラム群の実行により実現している市場プロセスに直接参入するようにしてもよいし、機関プログラム群の実行により実現している機関プロセスを経由して市場プロセスに参加するようにしてもよい。
【0044】
仮想トレーダーの種類や数、行動特性等については、適宜自由に定めることができる。
【0045】
例えば、インパクトトレーダーの行動特性は、仮想市場に所定のインパクトを与えられる限り、自由に設定することができる。
【0046】
ここで、インパクトトレーダーの行動を規定するパラメータと、個別銘柄又は市場に対するインパクト(価格変動の量や変化率)との関係を定性的に説明する。
【0047】
インパクト発生時間(ニュース配信から行動までの時間)は、一般に短いほど他の受講者の素早い反応を誘発することにより、市場に大きなインパクトを与え、逆に長すぎると、他の受講者による売買行動に埋もれてしまい、市場へのインパクトが薄れることとなる。
【0048】
インパクト乖離率(値付け額の現値からの乖離率)については、一般に大きいほど市場与えるインパクトも大きくなるものと考えられる。
【0049】
すなわち、現値よりも高い価格における「買い」注文は、当該銘柄の価格上昇を誘発し、現値よりも低い価格における「売り」注文は、当該銘柄の価格下落を誘発すると共に、その価格が現値よりも乖離しているほど、大きな影響を与えるものと考えられる。
【0050】
ただし、現値からの乖離が大きすぎると売買が成立せず、市場に適切なインパクトを与えられない場合もある。
【0051】
インパクト回数(「売り」又は「買い」の繰返し回数)と、インパクトの量は、当然ながら繰返し回数が多く、注文量が多いほど市場に与えるインパクトも大きいものとなる。
【0052】
配当金額又は金利は、その金額又はパーセンテージが大きいほど、市場に与えるインパクトが大きいものとなる。例えば、配当金額のより大きな上昇は、より多くの買い注文を誘発し、価格を上昇に誘導するものと考えられる。
【0053】
本発明に係る金融商品売買運用手法教習システムは、仮想市場における内生的価格形成機能を有しており、受講者は各受講者端末手段において、例えば架空の金融機関のトレーダーとして、実戦さながらの仮想金融商品(例えば、仮想株式)の売買を擬似体験することができ、効率的に金融商品売買手法を学ぶことができる。
【0054】
市場における内生的価格形成に関しては、これまでに理論的な、又は、実証的な研究がなされてきた。ある情報環境下にある資産市場での資産の均衡価格に関する理論モデルに関し、例えば、「GROSSMAN, S. J., AND J. E. STIGLITZ,1980,“On the Impossibility of Informationally Efficient Markets,” American Economic Review, 70, 393-408.」は、資産市場における均衡のノイズについて議論しているが、情報提供者がコスト回収可能な利益を得るとの示唆を得ることから、その後、資産市場と情報市場に関する合理的期待均衡モデルが広く検討されてきており、例えば、「Shyam Sunder,1992,Market for information: experimental evidence, Econometrica 60,667-695.」は、実験的株式市場において内生的に形成される取引価格と情報価格に関する実証研究として、一定条件下における取引価格と情報価格との関係を明らかにしている。
【0055】
また、「増川純一,2012,『株式市場の不安定性と内生的価格形成メカニズムの研究』科学研究費助成事業 研究成果報告書」は、各市場参加者が自らの情報と他の市場参加者の行動から最適な行動をベイズ推定し、推定した確率に従って発注行動を行うことにより、内生的価格形成が実現することを示している。
【0056】
本発明に係る金融商品売買運用手法教習システムは、これらの学術的な知見を踏まえて、現実の資産市場において内生的に形成される取引価格を仮想市場において再現するために、後述するように、トレーダープログラム群の実行によって各種の仮想トレーダーを仮想市場に参加させることにより、仮想市場における取引価格が受講者同士、若しくは、受講者と仮想の金融機関・投資家との間の、又は、仮想の金融機関・投資家同士のインタラクティブな仮想売買行為のみにより逐次形成して、内生的価格形成機能を発揮するものである。
【0057】
しかも、本発明に係る金融商品売買運用手法教習システムが稼働して、教習基幹プログラムを実行している限り、受講者が参加していなくとも、仮想の金融機関・投資家同士のインタラクティブな仮想売買行為のみにより、内生的価格形成が逐次行われる。
【0058】
本発明に係る金融商品売買運用手法教習システムが実現する仮想市場においては、インパクトトレーダーによる値付け額の極めて微細な差(例えば1%の違い)が、一定期間後の当該銘柄及び仮想市場全体の動向に大きな影響を与えることがある。
【0059】
これは、ニュース配信後の初期の値付けによって、他の市場参加者の行動が量的に影響を受けるばかりか、質的な影響をも受けるからである。
【0060】
例えば、100円の買い注文に対して100円で株式を売却すれば利益が出る市場参加者であっても、それより1%低い99円では利益が出なくなる場合があり、このような場合には、初期値の小さな変動が、株式売買成立価格ばかりでなく、他の参加者による売却・購入のタイミングや、その後の売買戦略等に影響を与えるため、初期値における微小な変動の影響が、時間と共に指数関数的に拡大され、一定期間後には予想外に大きい影響を及ぼすからである。
【0061】
このような、初期条件に対する系の感応度の鋭敏性は、マルチエージェント系におけるエージェントがカオス的な行動特性を示すことにより発生し(Ott,E.,Chaos in Dynamical Systems,Cambridge Univ.Pres,Cambridge,1993)、複雑系における「バタフライ効果」として知られているものであるが、本発明における仮想市場は、独立の行動指針に従う複数の仮想トレーダーがエージェントとして仮想市場に参加することにより、マルチエージェント系を構成しているため、現実の市場と同様に複雑系としての価格形成が創発されていくものであると考えられる。
【0062】
また、各仮想トレーダーの行動は、ある銘柄の価格変動に対して正のフィードバックを与えるものと負のフィードバックを与えるものとがあり、更にある株式銘柄の価格変化に対して、デリバティブ市場、借株市場等の他の市場における対応する銘柄の価格変動を経由し、時間差をおいて再び当該株式銘柄にこれらの正又は負のフィードバックが与えられ得るので、価格に関する状態不安定性をも実現している。
【0063】
このような価格形成の創発、バタフライ効果又は状態不安定性は、参加者が複数の仮想トレーダーのみの場合でも起こり得る。これは、本発明の仮想市場が価格変動の特性において、受講者の有無や多寡に関わりなく、現実の金融市場を創発的に精度良く再現していることの傍証であると考えられる。
【0064】
従って、本発明に係る金融商品売買運用手法教習システムの仮想市場は、複雑系におけるバタフライ効果を積極的に使用し、インパクトトレーダーの値付けにおける極めて小さな設定値の変動を、時間と共に指数関数的に拡大し、一定時間後における「予想外の効果」として得ることにより、リアリティを保ったまま、極めて自然に教習効果を期待できる所定の市況を繰り返し出現させることにより、受講者に多様な経験知を効率的に獲得させるためのコントロールを行うことができるものである限り、その具体的な構成や動作プロセスを自由に設定することができる。
【実施例0065】
以下、本発明の第1の実施例について、図1乃至図9に基づいて説明する。
【0066】
ここで、図1は、本発明に係る金融商品売買運用手法教習システムの第一実施例に係る構成を示す機能ブロック図であり、図2は、仮想トレーダープログラムを示す機能ブロック図であり、図3は、管理用記憶手段の構成を示す機能ブロック図であり、図4は、受講者端末手段に表示される板画面の一例を示す模式図であり、図5は、ザラバ方式の株式市場プロセスにおける処理手順のフローチャートであり、図6は、図5のサブルーチンSUB1のフローチャートであり、図7は、図6のサブルーチンSUB2のフローチャートであり、図8は、図6のサブルーチンSUB3のフローチャートであり、図9は、編集手段とシナリオ別データセットとの関係を示す模式図である。
【0067】
まず、本実施例に係る金融商品売買運用手法教習システム100の構成を説明する。
【0068】
金融商品売買運用手法教習システム100は、図1に示すように、仮想市場を運用する教習運営処理手段110、シナリオ記憶手段120、管理用記憶手段130、投資行動記録手段140、管理者端末手段150、編集手段160、投資行動評価手段170及び通信手段180を備えてコンピュータネットワークを構成しており、更に、インターネットWを介して複数の受講者端末手段190がこのコンピュータネットワークに接続されてクライアント=サーバ系を構成し、仮想金融商品を売買する仮想市場を形成している。
【0069】
金融商品売買運用手法教習システム100は、教習基幹プログラム100exeを記憶・保持している。
【0070】
ここで教習基幹プログラム100exeとは、受講者端末手段190からの要求に応じてダウンロードされ、受講者端末手段190における制御、実行を担って、金融商品売買運用手法教習システム100が提供する教習サービスが実現するよう受講者端末手段190内で情報処理を行うプログラムである。
【0071】
本実施例に係る金融商品売買運用手法教習システム100の構成は、受講者が個別に、インターネットを介して金融商品売買手法教習を受講するものであるため、例えば、事前に登録している受講者個人が、インターネットWを介して本発明に係る金融商品売買運用手法教習システム100を利用する教習に参加し、他の受講者とのインタラクティブな関係を体験する場合に使用するものである。
【0072】
教習運営処理手段110は、仮想市場プログラムとしての市場プログラム群111、仮想金融機関プログラムとしての機関プログラム群112、管理当局プログラム113、ニュースサービスプログラム114、トレーダープログラム群115、プライサー提供手段116、レベル診断手段117、受講者選別手段118を備えて各種の情報処理を行う単位を指しており、例えば汎用コンピュータにより構成することができる。
【0073】
市場プログラム群111は、現実の原資産市場である株式市場、債券市場、為替市場、借株市場、商品市場、暗号資産市場とそれぞれ同等の挙動特性を示す仮想市場プログラムとしての株式市場プログラム111ss、債券市場プログラム111bd、為替市場プログラム111ec、借株市場プログラム111bs及び現物商品市場プログラム111cs及び暗号資産市場プログラム111ca並びに現実の派生商品市場であるデリバティブ市場と同等の挙動特性を示す仮想市場プログラムとしてのデリバティブ市場プログラム111op等を備えている。
【0074】
本明細書においては、市場プログラム群111のうち、株式市場プログラム111ss、債券市場プログラム111bd、為替市場プログラム111ec、借株市場プログラム111bs及び現物商品市場プログラム111cs及び暗号資産市場プログラム111ca並びにデリバティブ市場プログラム111opの実行により実現する仮想市場の運営処理過程を、それぞれ、株式市場プロセス、債券市場プロセス、為替市場プロセス、借株市場プロセス及び商品市場プロセス、暗号資産市場プロセス並びにデリバティブ市場プロセスと呼ぶ。
【0075】
機関プログラム群112は、現実の証券会社と同等の行動特性を示す仮想機関プログラムとしてのA証券会社プログラム112sa、B証券会社プログラム112sb、現実の銀行や生命保険会社と同等の行動特性を示す仮想機関プログラムとしてのC銀行プログラム112bk、D生命保険プログラム112ls、現実の運用機関と同等の行動特性を示す仮想機関プログラムとしてのE運用機関プログラム112am及び現実の個人投資家と同等の行動特性を示す仮想個人投資家プログラムとしてのF個人投資家プログラム112ii等を備えている。
【0076】
市場プログラム群111では、現実には存在しない仮想商品が売買対象となっており、同様に機関プログラム群112に含まれる各機関・投資家は、現実には存在しない仮想の金融機関・投資家である。
【0077】
本明細書においては、機関プログラム群112のうち、A証券会社プログラム112sa、B証券会社プログラム112sb、C銀行プログラム112bk、D生命保険プログラム112ls、E運用機関プログラム1121am及びF個人投資家プログラム112iiの実行により実現する仮想の金融機関・投資家の行動処理過程を、それぞれ、A証券会社プロセス、B証券会社プロセス、C銀行プロセス、D生命保険プロセス、E運用機関プロセス及びF個人投資家プロセスと呼ぶ。
【0078】
管理当局プログラム113は、市場プログラム群111や機関プログラム群112の動向を常にチェックし、その結果を管理者端末手段150に画面表示する機能を有している。
【0079】
また、管理当局プログラム113は、各受講者端末手段190を使用している受講者が極端に偏ったポジションを採用している際に、そのポジションを自動的に強制解消したり、市場の異常事態を検知して市場プログラム群111に介入し、例えば実弾介入を行ったり、仮想ニュースを流すようニュースサービスプログラム114の実行を指示したりすることを通じて、仮想市場が適正に運用されるように誘導する役割も果たす。
【0080】
管理当局プログラム113は、管理者端末手段150からの入力による実行指示により、その行動をコントロールすることもできるが、仮想市場のリアリティを保つために、管理者端末手段150を使用している管理者は、実弾投入等の直接的な介入を市場プログラム群111に対して行うことはできず、間接的に仮想市場を誘導する入力指示のみを行うように構成されている。
【0081】
本明細書においては、管理当局プログラム113の実行により実現する仮想の管理当局の行動処理過程を管理当局プロセスと呼ぶ。
【0082】
ニュースサービスプログラム114は、仮想ニュースを各受講者端末手段190に配信する機能を有している。
【0083】
ニュースサービスプログラム114が配信する仮想ニュースの内容やそのリリースタイミング等は予めプログラムされているが、仮想ニュースの内容やそのリリースタイミングを管理者端末手段150からの入力指示により変更することができる。
【0084】
本明細書においては、ニュースサービスプログラム114の実行により実現する仮想ニュースの配信処理過程をニュースサービスプロセスと呼ぶ。
【0085】
<仮想トレーダー>
トレーダープログラム群115は、図2に示すように、ばらまきトレーダープログラム115s、マーケットメーカープログラム115m、逆張りトレーダープログラム115r、インパクトトレーダープログラム115i、日計トレーダープログラム115d、提灯トレーダープログラム115f及び鞘取トレーダープログラム115e等を備えており、現実のトレーダーと同等の行動特性を示す仮想トレーダーを仮想市場に参加させるプログラムであり、必要に応じて、AIによる自動売買と同等の行動特性を示すものとすることができる。
【0086】
本明細書においては、トレーダープログラム群115のうち、ばらまきトレーダープログラム115s、マーケットメーカープログラム115m、逆張りトレーダープログラム115r、インパクトトレーダープログラム115i、日計トレーダープログラム115d、提灯トレーダープログラム115f及び鞘取トレーダープログラム115eの実行により仮想市場に参加させる仮想トレーダーを、それぞれ、ばらまきトレーダー、マーケットメーカー、逆張りトレーダー、インパクトトレーダー、日計トレーダー、提灯トレーダー及び鞘取トレーダーと呼ぶ。
【0087】
<シナリオ>
シナリオ記憶手段120は、本実施例では、教習運営処理手段110の一構成要素に位置付けている。
【0088】
シナリオ記憶手段120は、シナリオ別データセット群121を記憶しており、シナリオ別データセット群121は、シナリオ別データセット121(1)、121(2)…から構成されている。
【0089】
シナリオ別データセット群121を構成するシナリオ別データセット121(1)、121(2)…は、それぞれ、仮想市場又は金融商品ごとに予め定めることのできる登録属性情報と、個別銘柄ごとに自由に設定することができる設定属性情報とからなるデータ及びパラメータの集合であり、教習基幹プログラム100exeにこれらのデータ及びパラメータを提供することで、本発明の受講者端末手段190における教習環境を形成するものである。
【0090】
ここで、登録属性情報とは、銘柄、ニュース、仮想トレーダー等に関する情報であって、仮想市場を構成する要素の基本的な属性についての情報を指し、一方、設定属性情報とは、あるシナリオにおけるこれらの要素の関連属性若しくは追加属性、又はシナリオそのものの属性についての情報である。
【0091】
管理用記憶手段130は、図3に示すように、教習運営処理手段110の市場プログラム群111の実行により発生した各種データを記録する市場管理データベース131と、教習運営処理手段110の機関プログラム群112の実行により発生した各種データを記録する機関管理データベース132とを備えている。
【0092】
市場管理データベース131は、市場プログラム群111に含まれる株式市場プログラム111ss、債券市場プログラム111bd、為替市場プログラム111ec、借株市場プログラム111bs、現物商品市場プログラム111cs及びデリバティブ市場プログラム111opを実行するプロセスで行われた注文や約定のデータを、それぞれ対応する金融商品市場管理ファイルとしての株式市場管理ファイル131ss、債券市場管理ファイル131bd、為替市場管理ファイル131ec、借株市場管理ファイル131bs、現物商品市場管理ファイル131cs、デリバティブ市場管理ファイル131op等として記録する。
【0093】
市場管理データベース131に記録されたデータは、必要に応じて管理者端末手段150から閲覧できるように構成されている。
【0094】
同様に、機関管理データベース132は、機関プログラム群112に含まれるA証券会社プログラム112sa、B証券会社プログラム112sb、C銀行プログラム112bk及びD生命保険プログラム112lsを実行するプロセスで発生した注文データや約定データ、残高データ等を、それぞれ対応するA証券会社管理ファイル132sa、B証券会社管理ファイル132sb、C銀行管理ファイル132bk、D生命保険管理ファイル132lsとして記録する。
【0095】
機関管理データベース132に記録されたデータは、必要に応じて管理者端末手段150から閲覧できるように構成されている。
【0096】
投資行動記録手段140は、受講者別投資行動データベース141と受講者別残高・リスクデータベース142とを備えている。
【0097】
管理者端末手段150は、管理者が使用して、教習運営処理手段110に各種の処理命令を出し、シナリオ記憶手段120、管理用記憶手段130及び投資行動記録手段140、編集手段160及び投資行動評価手段170との間で各種データを入出力するように構成されている。
【0098】
投資行動評価手段170は、投資行動評価プログラム171と投資行動評価データベース172とを備えている。
【0099】
通信手段180は、本実施例においては、教習運営処理手段110、シナリオ記憶手段120、管理用記憶手段130、投資行動記録手段140、管理者端末手段150、編集手段160、投資行動評価手段170及び教習運営処理手段110とインターネットWとを接続するように構成されている。
【0100】
受講者端末手段190は、例えばパーソナルコンピュータから構成することができ、インターネットWに接続されており、受講者が使用して、少なくとも教習運営処理手段110に各種の処理命令を出し、シナリオ記憶手段120、管理用記憶手段130及び投資行動記録手段140との間で各種データを入出力するように構成されている。
【0101】
各受講者端末手段190には、教習基幹プログラム100exeが組み込まれている。
【0102】
教習基幹プログラム100exeは、受講者がアクセスすることのできる仮想市場の種類や数に依存せず、教習を通じて各受講者に共通の受講環境を提供する。
【0103】
次に、本実施例に係る金融商品売買運用手法教習システム100を使用して教習を運営する方法とそのプロセスを説明する。
【0104】
金融商品売買運用手法教習システム100を使用して教習を運営する際には、ある受講者端末手段190を使用する受講者はA証券会社のトレーダーとして活動し、別の受講者端末手段190を使用する受講者はB証券会社のトレーダーとして活動し、更に別の受講者端末手段190を使用する受講者はC銀行の投資担当者として活動する等のように、各受講者は必ずいずれかの機関に属して活動することを前提とする。
【0105】
<仮想金融商品市場プロセス>
以上のように構成された金融商品売買運用手法教習システム100では、仮想市場としての市場プログラム群111において、複数の受講者端末手段190を使用する受講者間で、若しくは、受講者と仮想の金融機関・投資家との間で、又は、仮想の金融機関・投資家同士で様々な仮想金融商品の売買運用が行われて、仮想金融商品の価格が逐次決定されていく。
【0106】
ここで、図4乃至図7を参照しながら、仮想金融商品としての仮想株式を例に、株式市場プログラム111ssの実行により実現する、ザラバ方式の株式市場プロセスにおける注文や約定の処理手順を説明する。
【0107】
なお、説明の便宜上、ここで着目している受講者端末手段190を利用している受講者は、A証券会社に所属するトレーダーとして行動していることを前提とする。
【0108】
図4は、板画面が表示されている受講者端末手段190を操作して、星電気の株式(銘柄コード:6700)を99円の指値で1000株売ろうとするトレーダーが、同画面下部の「注文入力・取消・訂正」フィールドの銘柄コードボックスa、売/買ボックスb、売買株数ボックスc、値段ボックスdに、それぞれ「6700」、「S(売りはS、買いはB)」、「1000」、「99」と入力し、注文ボタンeをクリックして送信する場合の様子を示している。
【0109】
<仮想市場の注文・約定処理プロセス>
まず、図5のS1において、A証券会社のトレーダーとして仮想市場に参加する受講者は、株式市場プログラム111ssから受講者端末手段190に提供される板画面(図4)を見ながら、またニュースサービスプログラム114から提供される仮想ニュースを分析しながら相場を読み、売買の意思決定をして注文の入力を行う。
【0110】
なお、予定株数ボックスfに売買予定総数を入力しておけば、その売買予定総数を超えるような数値を売買株数ボックスcに入力できないようになっているため、特に初心者による売買株数の入力ミスが未然に防止される。
【0111】
送信された注文データは通信手段180を経由してA証券会社プロセスにおいて受信され、ここでS2として注文形式の確認が行われる。つまりS2では、銘柄、売買の別、数量、価格等が正しく指定された注文かどうかをチェックする。
【0112】
S2で注文形式にエラーが発見された場合、その旨のメッセージが注文データを入力したトレーダーに返信される。
【0113】
S2で注文形式にエラーが発見されなかった場合、S3において注文データが、管理用注文番号データや注文受付時刻データ等と共にA証券会社管理ファイル132saに記録される。
【0114】
これらのデータは実務上の注文伝票と同様に、約定との照合等、注文の管理に使用される。
【0115】
その後、S3でA証券会社管理ファイル132saに記録された注文データは株式市場プログラム111ssを実行する株式市場プロセスに送られ、S4で金融商品市場管理ファイルとしての株式市場管理ファイル131ssに記録される。
【0116】
これに続くS5では、ザラバ方式に従って約定決定処理を行うサブルーチンSUB1をコールする。
【0117】
サブルーチンSUB1からリターンしたらS6に復帰する。
【0118】
ここで、図6を参照しつつ、サブルーチンSUB1の処理を説明する。最初のS51では売り注文か買い注文かが判別され、売り注文であればS52に移行してサブルーチンSUB2をコールし、買い注文であればS53に移行してサブルーチンSUB3をコールする。
【0119】
図7に示すように、売り注文マッチング処理を行うサブルーチンSUB2では、まずS521において成行の買い注文があるかどうかがチェックされる。
【0120】
成行の買い注文があればS522に移行してマッチングが行われ、そうでなければS523に移行して、注文値段以上の指値買い注文があるかどうかがチェックされる。
【0121】
注文値段以上の指値買い注文があれば、S524に移行して値段の高いものから順にマッチングされる。
【0122】
S522で成行のマッチングが行われた後、又はS524で指値のマッチングが行われた後は、S525において注文全数が約定されたか否かがチェックされる。
【0123】
すなわち、約定数と注文数とを比較し、前者が後者よりも少なければ未約定注文があるとしてS521に戻り、前者と後者とが等しければ注文全数が約定されたとしてリターンしS54に移行する。
【0124】
また、S523で注文値段以上の指値買い注文がない場合にも、マッチングできないとしてリターンしS54に移行する。
【0125】
一方、図8に示すように、買い注文マッチング処理を行うサブルーチンSUB3でも同様に、まずS531において成行の売り注文があるかどうかがチェックされる。
【0126】
成行の売り注文があればS532に移行してマッチングが行われ、そうでなければS533に移行して、注文値段以下の指値売り注文があるかどうかがチェックされる。
【0127】
注文値段以下の指値売り注文があれば、S534に移行して値段の安いものから順にマッチングされる。
【0128】
S532で成行のマッチングが行われた後、又はS534で指値のマッチングが行われた後は、S535において注文全数が約定されたか否かがチェックされる。
【0129】
すなわち、約定数と注文数とを比較し、前者が後者よりも少なければ未約定注文があるとしてS531に戻り、前者と後者とが等しければ注文全数が約定されたとしてリターンしS54に移行する。
【0130】
また、S533で注文値段以下の指値売り注文がない場合にも、マッチングできないとしてリターンしS54に移行する。
【0131】
このようにサブルーチンSUB2又はサブルーチンSUB3からリターンしたら図7に示すS54に復帰する。
【0132】
S54ではサブルーチンSUB2又はサブルーチンSUB3で約定があったかどうかがチェックされ、約定があった場合にはS55に移行し、ここで約定結果に基づいて最終売買価格が更新される。
【0133】
最終売買価格の更新後、あるいはS54で約定がなかったと判断された場合には、リターンして図5のS6に復帰する。
【0134】
以上のようにサブルーチンSUB1からリターンしてS6に復帰した後に板情報が更新され、更にS7で約定データが金融商品市場管理ファイルとしての株式市場管理ファイル131ssに記録される。
【0135】
この約定データがA証券会社プログラム112saを実行するプロセスに送られ、S8でA証券会社管理ファイル132saに記録される。
【0136】
更に続くS9では、この約定データと、S3でA証券会社管理ファイル132saに記録済の注文データとを照合した上で残高を更新し、これもA証券会社管理ファイル132saに記録する。
【0137】
最後に、残高データが通信手段180を経由して受講者端末手段190に通知され、S10においてこれを受講者が確認する。
【0138】
なお、受講者が極端に偏ったポジションをとり続けてほとんど売買を行っていない場合や、徒らに市場を混乱させるだけの目的と評価し得る有害なポジションをとっている場合には、管理当局プログラム113がそのようなポジションを自動的に検知し、あるいは管理当局プログラム113を通じて各受講者の全ポジションを監視できる管理者端末手段150からの入力指示により、管理当局プログラム113が該当トレーダーの該当ポジションを強制的に解除する。
【0139】
また、トレーダープログラム群115の実行により、日計トレーダー、提灯トレーダー又は鞘取トレーダー等の仮想トレーダーが適宜、仮想市場に参入しており、しかも各受講者端末手段190を使用しているトレーダーとの間だけでなく、仮想トレーダー同士でも売買を行わせ、市場を活性化しているため、各受講者端末手段190を使用しているトレーダーからは、売買の相手が他の受講者端末手段190を使用しているトレーダーであるのか、仮想トレーダーであるのかは、区別できないように構成している。
【0140】
このように株式市場プロセスでは、売買がザラバ方式で行われ、仮想市場における取引価格は予めプログラムされていたり、現実の株式市場等と連動したりするわけではなく、受講者同士、若しくは、受講者と仮想の金融機関・投資家との間の、又は、仮想の金融機関・投資家同士の仮想売買行為によって逐次形成されていくように、即ち、内生的に価格が形成される内生的価格形成機能を備えて構成されている。
【0141】
この、内生的価格形成機能により、受講者は各受講者端末手段190において、架空の証券会社のトレーダーとして、実戦さながらの株式売買を擬似体験することができ、効率的に株式売買手法を学ぶことができる。
【0142】
なお、仮想デリバティブ市場その他の市場プログラム、及び、これらに対応する市場プロセスについては、仮想株式市場の説明に基づいて当業者が容易に想定し、理解し得るものであるから、本明細書においてはその説明を省略する。
【0143】
<仮想トレーダープロセス>
本実施例に係る金融商品売買運用手法教習システム100は、トレーダープログラム群115が備えている各仮想トレーダープログラムを実行することにより、各プログラムに対応する仮想トレーダーを仮想市場に参加させる。
【0144】
具体的には、日計トレーダーは、一日のうちに必ずポジションを閉じ、提灯トレーダーは、大きな成行注文があると必ず同方向のポジションをとり、鞘取トレーダーは、ビッドサイドで買えたらすぐにオファーサイドに注文を指して鞘をぬく。
【0145】
また、ばらまきトレーダーは、現値をはさんで「売り」及び「買い」の両サイドにそれぞれ数種類(例えば3種類)の指値を発注し、一定時間(例えば60秒)後に未約定のものを解約した後に、再度、数種類の指値を発注するところから繰り返すという動作を行う。
【0146】
ばらまきトレーダープログラム115sを実行することにより、各時点における市況に応じて、上述のような独自のルールに従った行動を一定時間(例えば60秒)ごとに繰り返す仮想トレーダーを市場に参加させることができる。
【0147】
なお、ばらまきトレーダーは、後述のインパクトトレーダーの市場参加が設定されている場合には、その仮想トレーダーとしての行動に干渉しないようなタイミングで実行するように調整される。
【0148】
ばらまきトレーダーの市場投入は、現値における膠着状態に対して刺激を与え、絶えず取引のきっかけを与えて市場を活性化する機能を有しており、個別銘柄につき一体の参加を設定すれば、当該個別銘柄におけるこの活性化機能を実現することができるが、個別銘柄に対して複数体のばらまきトレーダーを市場に参加させるように設定してもよい。
【0149】
なお、ばらまきトレーダーの行動は、特定銘柄及び仮想市場全体の長期的価格変動に対して中立的である。
【0150】
マーケットメーカーは、一定時間(例えば15秒)ごとに50%の確率で「買い」又は「売り」の行動を意思決定し、「買い」の場合は現値の1ティック上(1ティックは値付けの最低単位)に指値買い注文を最低売買単位で発注し、「売り」の場合は1ティック下に指値売り注文を最低売買単位で発注する。
【0151】
もし、所定時間(この場合は15秒)以内に約定したら、「売り」又は「買い」の意思決定から同じ動作を繰返し、所定時間以内に約定しない場合は、注文をキャンセルした上で、同様に「売り」又は「買い」の意思決定から動作を繰り返す。
【0152】
マーケットメーカーは、各時点における市況に応じて、上述のような独自のルールに従って行動する。
【0153】
マーケットメーカーの市場投入は、現値における膠着状態に対して刺激を与え、絶えず取引のきっかけを与えて仮想市場を活性化する機能を有しており、個別銘柄につき一体の参加を設定すれば、当該個別銘柄におけるこの活性化機能を実現することができるが、個別銘柄に対して複数体のマーケットメーカーを市場投入するように設定してもよい。
【0154】
なお、マーケットメーカーの行動は、特定銘柄及び仮想市場全体の長期的価格変動に対して中立的である。
【0155】
逆張りトレーダーは、他のトレーダーの行動を予測した上で、その逆の売買行動を選択する。
【0156】
例えば、ある銘柄について、配当金の割合が下がるとのニュースが流れた場合に、通常のトレーダーであれば直ちに「売り」注文を出すところ、逆張りトレーダーは、豊富な資金力を背景に「買い」続けるという行動をとる。
【0157】
当然ながら、この仮想トレーダーは、他の個々のトレーダーが特定の銘柄に関わる時間よりも相対的に長期にわたり当該銘柄に関わることになる。
【0158】
この場合、その特定の銘柄に関する平均購入価格は時間と共に下がり続けるので、価格が小反発をした段階で「売り」に転じれば、逆張りトレーダーにおいても利益を出す行動をとることができる。
【0159】
これらの仮想トレーダーに対しインパクトトレーダーは、ニュースの配信等に対して反応し、特定のニュースに応じて特定の銘柄を、一回乃至数回繰り返して「買う」(ニュース内容と銘柄の組合せによっては、一回乃至数回繰り返して「売る」)ことにより、各銘柄及び仮想市場にインパクトを与える機能を有する。
【0160】
インパクトトレーダーの行動は、1)インパクト発生時間(ニュース配信から行動までの時間)、2)インパクト乖離率(値付け額の現値からの乖離率)、3)インパクト数(「売り」又は「買い」)の繰返し回数、4)配当金額又は金利、という複数のパラメータに依存する。
【0161】
そして、インパクトトレーダーの行動は、配信予定のニュースごとに、各銘柄(個別銘柄、指数先物、配当又は金利等)に対して予め指定された上述のパラメータに基づいて決定される。
【0162】
インパクトトレーダーは、上述のように、配信されたニュース内容に応じて特定の銘柄を一回又は数回繰り返して「売る」(又は「買う」)ので、ばらまきトレーダーやマーケットメーカー等の他の仮想トレーダーとは異なり、個別銘柄の値動きを短期的に一定方向に誘導することができ、ひいては市場全体の動向を一定方向に誘導する機能を有する。
【0163】
プライサー提供手段116は、各受講者端末手段190を利用している受講者からデリバティブ市場プログラム111opへのアクセスがあった場合に、各受講者端末手段190からの数値入力に対してデリバティブ売買のための基礎値(例えば株式オプションであれば、原株の現値、高値、安値、前日引値、出来高、VWAP、ヒストリカルボラティリティー、債券イールド、株借料、為替レート等)を計算し、これを当該受講者端末手段190に表示する機能を有している。
【0164】
プライサー提供手段116は、全ての受講者端末手段190に対して共通のプライサー機能を提供するようになっているため、いずれの受講者端末手段190からでも同じ入力値に対しては同じ結果が出力される。
【0165】
レベル診断手段117は、受講者が仮想市場に参加できる程度に商品に関する知識やテクニックを習得しているか否かを診断する機能を有している。
【0166】
レベル診断手段117は、例えば受講者端末手段190に商品の知識の定着度を試すテスト問題を表示し、入力された解答を採点して各受講者のレベルを診断し、更に、受講者端末手段190において仮想市場には連動していない株式オプションのデルタヘッジをさせるミニゲームを提供し、その得点を集計することにより、各受講者のレベルを診断する。
【0167】
受講者選別手段118は、各受講者端末手段190を使用している受講者を所定の基準に従って選別する役割を果たし、例えば、レベル診断手段117による診断結果が不合格となった受講者が利用している受講者端末手段190からの市場プログラム群111へのアクセスを必要に応じて制限する機能を有している。
【0168】
受講者選別手段118によるアクセス制限は、例えばレベル診断手段117によって受講者に提供される特定の市場に関するミニゲームで一定以上の得点を挙げた者だけに当該市場プログラムへのアクセスを許容し、それ以外の者に対しては当該市場プログラムへのアクセスを禁止することにより、必要に応じて実施することができる。
【0169】
<シナリオ編集>
編集手段160は、登録属性エディタ160r及び設定エディタ160sを備えており、図9に示すように、シナリオ記憶手段120に記録された各シナリオ別データセット121(1)、121(2)…を編集する機能を備えている。
【0170】
登録属性エディタ160rは、各シナリオ別データセット121(1)、121(2)…のうちの登録属性情報をオブジェクトコードとして編集することができ、一方、設定属性エディタEd(S)は、各シナリオ別データセット121(1)、121(2)…のうちの設定属性情報をオブジェクトコードとして編集することができる。
【0171】
編集手段160は、既存のシナリオ別データセット121(1)、121(2)…を編集するのみならず、新たなシナリオ別データセット群121及びこれを構成する新たなシナリオ別データセット121(1)、121(2)…を作成する機能をも有する。
【0172】
この機能により、教習基幹プログラム100exeほか各種プログラムの開発とは独立に、教習の現場にいる管理者、例えば教育機関の教育者が、自由に登録属性及び設定属性を定め、又は新たなシナリオ別データセット群121を作成・更新することができる。
【0173】
ここで登録属性エディタ160rは、不図示の銘柄登録属性エディタ、ニュース登録属性エディタ、画面登録属性エディタ及び仮想トレーダー登録属性エディタの各編集機能を有し、これらの機能により、銘柄、ニュース、画面構成及び仮想トレーダーに関する登録属性情報をそれぞれ編集することができる。
【0174】
銘柄登録属性エディタ機能により編集することのできる、銘柄に関する登録属性情報は、銘柄名、種別、表示法、呼値、売買単位、板上表示、取引単位、最終売買回、最終清算値及び計算式に関する情報を含んでいる。銘柄登録属性エディタは、各銘柄がどのシナリオ別データセット121(1)、121(2)…において使用されているかを確認する機能を備えている。
【0175】
ニュース登録属性エディタ機能により編集することのできる、ニュースに関する登録属性情報は、ニュース番号、ニュースタイプ、ヘッドラインに関する情報を含んでいる。
【0176】
ニュース登録属性エディタ機能は、ファイルや図等の画像の張り付け機能を含んでおり、仮想市場に影響を与え得る各種ニュースの具体的な内容を作成、編集する機能を有している。
【0177】
画面登録属性エディタ機能により編集することのできる、画面構成に関する登録属性情報は、ポジション管理画面、注文管理画面、注文入力画面及び板画面について、これらの画面を複数個同時に表示する場合の画面相互の配置・構成を決定することができる。
【0178】
画面構成は、予め複数個のパターンが用意されており、受講者の好みに応じて選択できるように構成されている。
【0179】
登録属性エディタ機能により編集することのできる、仮想トレーダーに関する登録属性情報は、仮想トレーダーの種類及び各仮想トレーダーの具体的行動特性を規定する各パラメータである。
【0180】
例えば、ばらまきトレーダーに関して言えば、行動特性を規定するパラメータは、指値の本数及び繰返しの時間であり、他の種類の仮想トレーダーに関しても同様に、それぞれの行動特性を具体的に規定するパラメータを決定することができる。
【0181】
ただし、インパクトトレーダーは、配信されるニュースごとに、後述のニュース設定エディタによって設定されたパラメータに従って行動することとなる。
【0182】
なお、ある種類の仮想トレーダー(例えば、ばらまきトレーダー)を、複数体用意して、個体ごとにパラメータを変化させることにより、同種の仮想トレーダーであっても様々な行動特性を有する個体を、必要な数だけ登録することができる。
【0183】
また、設定エディタ160sは、不図示のメイン設定エディタ、銘柄設定エディタ、ニュース設定エディタ及び画面設定エディタの各編集機能を有し、これらの機能により、メイン設定、銘柄、ニュース及び画面構成に関する設定属性情報をそれぞれ編集することができる。
【0184】
メイン設定エディタ機能により編集することのできる、メイン設定に関する設定属性情報は、シナリオ題名、ジャンル、仮想期間、ゲーム継続時間、休日設定、使用言語に関する情報を含んでいる。
【0185】
メイン設定エディタ機能には、他のエディタで設定した各種設定を閲覧し、必要に応じて当該エディタの機能により、設定属性情報を修正する機能が含まれる。
【0186】
銘柄設定エディタ機能により編集することのできる、銘柄に関する設定属性情報は、予め銘柄登録属性エディタにより登録されている各銘柄に対して、売買の可・不可、価格表示位置、初期持高、初期価格、売買代金(買い・空売り)、手数料率、委託証拠金(売り・買い)、値洗い有・無、空売り可・不可、各種仮想トレーダーの参加の有・無に関する情報を含んでいる。
【0187】
銘柄設定エディタ機能により、各銘柄に関して上述の設定属性情報を編集することができ、予め仮想トレーダー登録属性エディタによって登録されている各種仮想トレーダー(特にインパクトトレーダー)が、銘柄ごとに参加するか否かを決定する機能を含んでいる。
【0188】
ニュース設定エディタ機能により編集することのできる、ニュースに関する設定属性情報は、配信時間、進行制御及びインパクトパラメータである。
【0189】
ここで進行制御とは、ニュース配信後に一定時間、時間の進行を止めることを指し、特に受講者が初心者である場合に、十分な判断時間を与えることを目的とするものである。
【0190】
また、インパクトパラメータとは、前述のインパクトトレーダーの具体的行動を規定するパラメータを指し、1)インパクト発生時間(ニュース配信から行動までの時間)、2)インパクト乖離率(値付け額の現値からの乖離率)、3)インパクト回数(「売り」又は「買い」の繰返し回数)、4)配当金額又は金利、についての情報を含んでいる。
【0191】
従って、例えば、シナリオ別データセット121(1)には、市場に対してある影響(例えば、資産価格が高騰する影響)を与え得るニュースに関する登録属性情報と、このニュースに対してインパクトトレーダーがとる具体的行動を規定するインパクトパラメータとがセットになって登録されており、シナリオ別データセット121(2)には、シナリオ別データセット121(1)とは独立に、市場に対してある影響(例えば、資産価格が下落する影響)を与え得るニュースに関する登録属性情報と、このニュースに対してインパクトトレーダーがとる具体的行動を規定するインパクトパラメータと、がセットになって登録されている。
【0192】
すなわち、シナリオ別データセット121(1)、121(2)…の登録により、教習の開始前に、仮想市場を任意のタイミングで特定の市況に誘導するようなシナリオを設定しておくことができる。
【0193】
<経験知獲得のための設定・登録>
このシナリオ別データセット121(1)、121(2)…を設定・登録するにあたり、複数のシナリオ別データセットが、(表面的な内容が相互に異なるが)市場に対して所定の影響を与え得る内容のニュースと、所定値のインパクトパラメータとの組み合わせとして設定・登録されている場合、すなわち、市場に与え得る影響が事実上同一の複数のシナリオ別データセットが設定・登録されている場合には、事実上同一の影響を与え得るニュース内容とインパクトパラメータとのセットに基づく内生的価格形成のシナリオ(以下、「同一シナリオ」と呼ぶ。)に誘導されて、仮想市場においては同様の市況が自然に生じ得ることとなる。
【0194】
特に、教習の目的として、特定の市況における経験知を定着させたい場合には、当該特定の市況に誘導するための「同一シナリオ」に係る複数のシナリオ別データセット、すなわち、市場に与え得る影響が事実上同一となる複数のシナリオ別データセットを用意して、教習開始前に予め設定・登録しておけば、教習中に仮想市場において当該特定の市況が時間をおいて繰返し生じるため、受講者に特定の市況を効率的に繰返し経験させて、経験知を獲得させることができる。
【0195】
なお、教習の途中であっても、管理者は管理者端末手段150からの指示により、登録属性エディタ機能及び設定属性エディタ機能を利用してシナリオ別データセットを追加・削除・変更する編集を行うことにより、同一シナリオを増減させて、適時に教習効果を高める対応を行うことが可能である。
【0196】
画面設定エディタ機能により編集することのできる、画面構成に関する設定属性情報は、ポジション管理画面、注文管理画面、注文入力画面及び板画面の、それぞれの画面内の項目表示幅、表示方法(桁数等)に関する情報を含んでいる。
【0197】
なお、あるデータ又はパラメータを登録属性情報とするか、設定属性情報とするかについては、更新の頻度、編集作業の便宜等に基づいて実施者が適宜振り分けることができるものであり、上述の例に限定されるものではない。
【0198】
<仮想市場への参加準備>
受講者が、このような仮想市場にトレーダーとして参加するためには、商品に関する相当に高度な知識とテクニックとが必要とされる。
【0199】
このため、本実施例においては、レベル診断手段117が、仮想市場にトレーダーとして参加するだけの知識やテクニックを受講者が備えているか否かを診断するようになっている。
【0200】
具体的には、各受講者端末手段190に様々な教材を表示した後で、教材の習得度合いをチェックするミニテストを実施し、各受講者端末手段190から入力された解答の正否をチェックする。
【0201】
また、レベル診断手段117は、仮想市場で行われる売買運用行為で必要となる素早いプライサー入力操作等に関する様々なミニゲームも実施し、その得点を集計・チェックする。
【0202】
そして、レベル診断手段117によるレベル診断の結果、不合格となった受講者の使用する受講者端末手段190は、受講者選別手段118により、市場プログラム群111へのアクセスが禁止され、合格となった受講者の使用する受講者端末手段190からのみ市場プログラム群111へのアクセスが解除される。
【0203】
このように、受講者選別手段118が、市場プログラム群111にアクセスできる受講者を選別することにより、仮想市場に参加するトレーダーのレベルが保たれ、受講者に実戦さながらの商品の売買運用を擬似体験させることが可能となる。
【0204】
<投資行動評価>
次に、仮想市場に参加した受講者の投資行動の適切性等を記録・評価するプロセスを説明する。
【0205】
投資行動の適切性等を評価するに際しては、投資行動記録手段140の受講者別投資行動データベース141と受講者別残高・リスクデータベース142とが保持している、受講者ごと、市場ごとの投資行動履歴データを、投資行動評価手段170の投資行動評価プログラム171により評価し、その結果を評価結果データとして投資行動評価データベース172に記録し、この評価結果データを管理者端末手段150、及び/又は、受講者端末手段190に画面表示する。
【0206】
受講者別投資行動データベース141は、各受講者端末手段190を利用している受講者ごとに、売買に参加した各仮想市場における投資行動を時系列データとして記憶しており、具体的には、売買回数、未実現益保有時間、未実現損保有時間、銘柄分散度、ニュース配信後の取引までの所要時間、ニュース閲覧時間、ニュース閲覧頻度、入力ミスの回数等の値を数値、及び/又は、テキスト形式のデータとして記憶している。
【0207】
また、受講者別残高・リスクデータベース142は、各受講者端末手段190を利用している受講者ごとに、その全投資行動に基づく残高及びリスクを時系列データとして記憶しており、具体的には、商品ごとの価格、売買日時、最大ポジション量、平均ポジション量、最大証拠金額、平均証拠金額、最大現金保有量、平均現金保有量、最大評価益額、最大評価損失額、最大実現益額、最大実現損額、平均実現益額、平均実現損額、最終損益、最大デルタ値、最大ガンマ値、最大セータ値、最大ベガ値、最大ロー値、平均デルタ値、平均ガンマ値、平均セータ値、平均ベガ値、平均ロー値、シャープレシオ、手数料、買いポジション数、売りポジション数、買い評価損益、売り評価損益、評価損益合計、買い実現損益、売り実現損益、実現損益合計、買いポジション増減数、売りポジション増減数、買いポジション平均保有時間、売りポジション平均保有時間、買いポジション最大保有時間、売りポジション最大保有時間、買い利確額、売り利確額、利確額合計、買い損切額、売り損切額、損切額合計、買い平均コスト、売り平均コスト、買い売買コスト、売り売買コスト等の値を数値、及び/又は、テキスト形式のデータとして記憶している。
【0208】
以下、必要に応じて、投資行動記録手段140の受講者別投資行動データベース141と受講者別残高・リスクデータベース142に、受講者ごと、市場ごとの投資行動履歴データを記録するプロセスを投資行動記録プロセスと呼び、投資行動評価手段170の投資行動評価プログラム171の実行により実現する、受講者の投資行動の適切性等を評価するプロセスを投資行動評価プロセスと呼ぶ。
【0209】
次に、投資行動記録プロセス及び投資行動評価プロセスについて、図10及び図11を参照しながら説明する。ここで、図10は、受講者の投資行動を各種データベースに記録・更新する処理手順を示すフローチャートであり、図11は、投資行動評価プロセスにおける処理手順を示すフローチャートである。
【0210】
<投資行動記録プロセス>
図10において、教習が開始すると(S01)、金融商品売買運用手法教習システム100では、仮想市場としての市場プログラム群111において、ニュースサービスプロセスによる仮想ニュースの配信に反応して、複数の受講者端末手段190を使用する受講者間で、若しくは、受講者と仮想の金融機関・投資家との間で、又は、仮想の金融機関・投資家同士で様々な仮想商品の売買の注文が行われて約定し、価格が内生的に逐次決定するステップを処理する(S02)。
【0211】
この、複数の受講者端末手段190を使用する受講者間で、若しくは、受講者と仮想の金融機関・投資家との間で、又は、仮想の金融機関・投資家同士で様々な仮想商品の売買の注文が行われて約定し、価格が内生的に逐次決定するステップ(S02)が、図5乃至図8に基づいて、仮想市場の注文・約定処理プロセスとして説明した、いわゆるザラ場方式の株式市場を仮想市場において再現する処理プロセスであるため、ここでは繰返しの説明を省略する。
【0212】
この際、教習の受講者は、仮想の金融機関(例えば、A証券会社のトレーダー)として取引の意思決定を行っており、個々の受講者が取引行動をとるたびに、その取引行動内容に応じて、市場管理データベース131、受講者別投資行動データベース141及び受講者別投資残高・リスクデータベース142をそれぞれ更新するステップを処理する(S03、S04、S05)。
【0213】
ステップS06において、教習を終了する所定の条件が満たされたか否かを判定し、NOの場合には、ステップS02に戻って繰り返すステップを処理するが(S06)、所定の条件が満たされた後には、教習を終了する準備として次のステップS07に移る。
【0214】
教習を終了する条件が満たされた後、市場管理データベース131、受講者別投資行動データベース141及び受講者別投資残高・リスクデータベース142をそれぞれ更新するステップを処理し(S07、S08、S09)、サブルーチンSUB4をコールするステップ(S10)を処理し、サブルーチンSUB4からのリターン後に教習が終了する。
【0215】
<投資行動評価プロセス>
サブルーチンSUB4は、図11に示すように、投資行動評価プログラム171のフローであり、まず、サブルーチンとして投資行動評価プログラム171の実行を開始した後に(S11)、投資行動評価データベース172からデータを取得するステップを処理し(S111)、評価項目はシナリオ別の評価が必要か否か判定するステップを処理する(S112)。
【0216】
ステップS112でYESの場合は、市場管理データベース131、受講者別投資行動データベース141及び受講者別残高・リスクデータベース142に対し、対象となる評価項目の同一シナリオに対応する評価マスタを更新するステップを処理し(S113)、受講者別の評価値を算出するステップを処理した上で(S114)、投資行動評価データベース172を更新するステップを処理して(S117)、リターンする。
【0217】
S112でNOの場合は、市場管理データベース131、受講者別投資行動データベース141及び受講者別残高・リスクデータベース142に対し、対象評価項目の評価マスタを更新するステップを処理し(S115)、受講者別の評価値を算出するステップを処理した上で(S116)、投資行動評価データベース172を更新するステップを処理して(S117)、リターンする。
【0218】
投資行動評価プログラム171は、受講者別投資行動データベース141及び受講者別残高・リスクデータベース142に記録されている定性データ及び定量データに基づいて、各受講者端末手段190を利用している受講者ごとに、その投資行動の適切性を定量的及び定性的に評価するものであり、その評価結果は、事前の設定に基づき、又は、管理者端末手段150からの指示により、教習中に、又は、教習終了後に、各受講者が利用している受講者端末手段190に表示される。
【0219】
より具体的には、ニュース配信に対応した投資行動の有無、投資した銘柄の適切性、参加した仮想市場の適切性及び売買行動の適切さ、投資判断を誤った場合の行動修正の有無等の定性データ、並びに、行動を起こした場合のタイミング、現金残高・ポジション残高・リスクの変動及び損益の変動と安定性等の定量データに基づき、投資行動の適切性を評価する。
【0220】
特に、定量評価を行う際には、重回帰分析や機械学習等の手法を組み合わせた算定プロセスにより、受講者ごとに投資行動の適切性を定量化して評価する。
【0221】
投資行動評価においては、(1)収益性、(2)収益の安定性、(3)リスク許容度、(4)リスク分散度、(5)DE(Disposition Effect)、(6)情報に対する感応度、(7)目標達成度、(8)投資手法の多様性、(9)投資手法の習熟度、(10)成長性、の各指標をそれぞれ10段階で評価し、指標毎に個別に、又は、全指標の総合点により、投資行動の適切性(巧拙)を評価する。
【0222】
各指標の具体的な評価法は、(1)収益性については、期間収益率を教習毎、個人毎に計測し、(2)収益の安定性については、期間収益率の変動率を個人ごとに計測し、(3)リスク許容度については、各リスクパラメータ―の最大値と平均値を教習毎、個人毎に計測し、(4)リスク分散度については、同時に売買している銘柄数と1銘柄当たりに割り当てる投資資金の割合の分散度合いを教習ごと、個人毎に計測し、(5)DE(Disposition Effect)については、未実現損益有時間、未実現損保有時間、最大評価損額、最大評価益額に基づいて教習毎、個人毎に計測し、(6)情報に対する感応度については、ニュース配信後の取引までの所要時間、ニュース閲覧時間、ニュース閲覧頻度に基づいて個人毎に計測し、(7)目標達成度については、目標指示のある教習において目標指示を達成しているかどうかを教習毎、個人毎に計測し、(8)投資手法の多様性については、教習中に使用した投資手法の種類の数を個人毎に計測し、(9)投資手法の習熟度については、ヘッジ手法、売買のタイミングが事前に学習した理論に則っているか否かを個人毎に計測し、(10)成長性については、一回又は複数回の教習において複数の同一シナリオが登録されていた際に、上述の(1)~(9)の項目について改善されているか否かを個人毎に計測する。
【0223】
投資行動評価データベース172は、投資行動評価プログラム171による評価結果を、受講者ごとに記録し、それ以降の相対評価の基準となるデータの一部とする。
【0224】
投資行動評価プログラム171は、投資行動評価データベース172に記録された複数の受講者の評価結果を相互に比較して定量的に相対評価することにより、受講者ごとに教習中の投資行動の適切性が定量的に相対評価されて提示されるため、競争環境にある投資家間の競争優位性について定量的なフィードバックを行うことができる。
【0225】
また、投資行動評価プログラム171は、投資行動評価データベース172に同一の受講者に係る同一仮想市場における複数回の教習に係る評価結果が蓄積された後には、異時点間の評価結果を相互に比較して、当該受講者に対する教習効果を定量的に評価することにより、市場や金融取引における経験知を増やす教習を複数回行った際の経験知の変動が定量的に評価されて提示されるため、受講者にそのような経験知が定着したか否かに係る教習効果について定量的なフィードバックを行うことができる。
【0226】
更に、投資行動評価プログラム171は、投資行動評価データベースに172に同一の受講者に係る異なる仮想市場における評価結果が蓄積された後には、仮想市場毎に当該受講者の適性を定量的に相対評価することにより、受講者ごとに教習中の投資行動の適切性が定量的に相対評価されて提示されるため、受講者の適性に応じて選択すべき現実の市場について定量的なフィードバックを行うことができる。
【0227】
以上のように、本実施例に係る金融商品売買運用手法教習システム100の構成は、仮想市場を運用する教習運営処理手段110、シナリオ記憶手段120、管理用記憶手段130、投資行動記録手段140、管理者端末手段150、編集手段160、投資行動評価手段170及び、教習運営処理手段110を備えてコンピュータネットワークを形成してインターネットWに接続するための通信手段180を備えており、更に、インターネットWを介して複数の受講者端末手段190が接続されてクライアント=サーバ系を構成して仮想金融商品を売買する仮想市場を形成するものである。
【0228】
また、本実施例に係る金融商品売買運用手法教習システム100を構成する各要素の機能は、
教習運営処理手段110のうちシナリオ記憶手段120が、仮想市場及び仮想金融商品ごとに予め定められたシナリオ別データセット群121を保持し、
管理用記憶手段130のうち、市場管理データベース131が、仮想金融商品としての仮想株式の注文データ及び約定データを金融商品市場管理ファイルとしての株式市場管理ファイル131ssとして保持し、機関管理データベース132が、仮想株式の注文データ、約定データ及び残高データをA証券会社管理ファイル132saとして保持し、
投資行動記録手段140が、受講者端末手段190を利用して仮想市場に参加した受講者の投資行動履歴データを投資行動記録手段140に記録、保持し、
編集手段160が、管理者端末手段150からの入力に応じて登録属性情報と設定属性情報を編集し及び/又はシナリオ別データセット群121を作成する機能を備え、
投資行動評価手段170が、投資行動記録手段140に記録されているデータに基づいて、受講者ごとに投資行動の適切性を評価し、
通信手段180が、教習運営処理手段110、編集手段160、管理用記憶手段130、管理者端末手段150及びインターネットを介して接続される受講者端末手段190の間の情報を伝達し、
受講者端末手段190が、通信手段180及びインターネットWを介して送信された残高データ及び最終売買価格を表示する機能と、受講者の操作に応じて注文を入力する機能と、教習中、及び/又は、教習終了後に、定性的フィードバック、及び/又は、定量的フィードバックの内容を表示する機能とを備えるものである。
【実施例0229】
次に、本発明の第二の実施例について説明する。
【0230】
ここで、図12は、本発明に係る金融商品売買運用手法教習システムの第二の実施例に係る構成を示す機能ブロック図である。
【0231】
なお、実施例2の説明においては、実施例1における100番台の附番で示す構成要素に対応する構成要素を、それぞれ200番台の附番により示すこととし、特段の説明がない限り、実施例2の各構成要素は、実施例1における対応する構成要素と、それぞれ同様の構成により同様の機能を有するため、繰返しの説明を省略するものとする。
【0232】
本実施例に係る金融商品売買運用手法教習システム200は、複数の受講者が相互にLANにより接続されると共に、インターネットWを介してシナリオ別データセット121(1)、121(2)…にアクセスして、金融商品売買手法教習を受講するように構成されている。
【0233】
この構成は、例えば、企業内研修や大学の授業において、構内のサーバ等を使用してLANを構築し、金融商品売買運用手法の教習を行う場合に適している。
【0234】
図12は、このようなLANを介して受講者が教習に参加する場合のシステム構成の一例を示している。
【0235】
本実施例では、教習運営処理手段210が市場プログラム群211、機関プログラム群212、管理当局プログラム213、ニュースサービスプログラム214及びトレーダープログラム群215等を備えてコンピュータネットワークであるLANを形成しており、各受講者端末手段290は、このLANを構成している教習運営処理手段210に接続されている。
【0236】
また本実施例では、シナリオ別データセット群221が、教習運営処理手段210内ではなく、シナリオ記憶手段220内に格納されている。
【0237】
従って、各受講者はまずLANを形成している教習運営処理手段210を介し、更にインターネットを介してシナリオ別データセット群221にアクセスする構成となっている。
【0238】
他の構成は実施例1と同様に構成することができる。
【実施例0239】
次に、本発明の第三の実施例について説明する。
【0240】
ここで、図13は、金融商品売買運用手法教習システムの第三の実施例に係る構成を示す機能ブロック図であり、図14は、図13の受講者端末手段を表した機能ブロック図であり、図15は、図14の受講者端末手段に係るアドレステーブルの一例を表す図であり、図16は、図13において、シナリオ別データセットをシナリオ記憶手段から受講者端末手段に追加的にダウンロードする場合の一例を表すフローチャートである。
【0241】
なお、実施例3の説明においては、実施例1における100番台の附番で示す構成要素に対応する構成要素を、それぞれ300番台の附番により示すこととし、特段の説明がない限り、実施例3の各構成要素は、実施例1における対応する構成要素と、それぞれ同様の構成により同様の機能を有するため、繰返しの説明を省略するものとする。
【0242】
本実施例は、各受講者が、スタンドアローンの状態で教習を受講する場合のシステム構成である。これは例えば、インターネット常時接続が不都合な環境下や、他の受講者とのインタラクティブな関係を必要としないようなときに、受講者が単独で仮想トレーダーを相手に、本発明に係る金融商品売買運用手法教習を受講する場合に適用可能である。
【0243】
図13において、各受講者端末手段390には教習基幹プログラム300exe及び教習運営処理プログラム310mpが格納されている。
【0244】
ここで教習運営処理プログラム310mpとは、教習運営処理手段内の全プログラムと同様の機能を有するプログラムであり、具体的には、市場プログラム群311、機関プログラム群312、管理当局プログラム313、ニュースサービスプログラム314及びトレーダープログラム群315等が含まれるプログラムであり、仮想市場において内生的に価格を形成する機能を有する。
【0245】
教習基幹プログラム300exe及び教習運営処理プログラム310mpは、予め各受講者端末手段390にダウンロード乃至ハードコーディングしておくことができるが、インターネットWを介してオンデマンドでダウンロードする構成としてもよい。
【0246】
一方、シナリオ別データセット群321は、シナリオ記憶手段320内に格納されている。
【0247】
各受講者は、インターネットWを介して、シナリオ別データセット321(1)、321(2)…にアクセスすることになる。
【0248】
なお図13は、ある受講者端末手段390にはシナリオ別データセット321(1)及び321(2)が、また、他の受講者端末手段390にはシナリオ別データセット321(1)のみがダウンロードされており、更に、その他の受講者端末手段390にはシナリオ別データセットがいまだダウンロードされていないことを示している。
【0249】
また、編集手段360は、実施例1と同様に、ネットワークを介してシナリオ別データセット群321内のシナリオ別データセット321(1)、321(2)…の編集作業を行うことできる。
【0250】
受講者端末手段390には、図14に示すように中央演算手段391、主記憶手段392、通信制御手段398及び補助記憶手段393が設けられており、これらはバス395を介して相互に接続されている。
【0251】
中央演算手段391は、この受講者端末手段390全体を制御するためのものであり、主記憶手段392におけるオペレーティングシステム392os及び金融商品売買運用手法教習プログラム300aplを実行する。主記憶手段392は、オペレーティングシステム392osと金融商品売買運用手法教習プログラム300aplを格納する。
【0252】
オペレーティングシステム392osは、受講者端末手段390を管理するための各種プログラムから構成されており、シナリオ別データセット321(1)、321(2)…をダウンロードするためのロード管理手段399lと、アドレステーブル392atの情報を書き換えるためのテーブル管理手段399tを有している。
【0253】
このようなオペレーティングシステム392osは、専用OSとして構成しても良いが、市販のパーソナルコンピュータに搭載された汎用OSを用いても良い。
【0254】
汎用OSを用いる場合には、金融商品売買運用手法教習プログラム300aplを汎用の表計算ソフトウェアにおけるマクロ、及び/又は、アドインソフトとして構成することが可能である。
【0255】
以上説明した受講者端末手段390は、インターネットWに接続されている。
【0256】
ロード管理手段399lは、教習基幹プログラム300exe及びシナリオ別データセット321(1)、321(2)…をインターネットWから主記憶手段392の空き領域又は補助記憶手段393にローディングする。
【0257】
テーブル管理手段399tは、アドレステーブル392atを主記憶手段392上に確保し、アドレステーブル392atの内容を管理する。このテーブル管理手段399tは、ロード管理手段399lによって新たなシナリオ別データセット321(1)、321(2)、321(3)…が主記憶手段392にローディングされると、そのシナリオコードに応じて、アドレステーブル392atの対応する個所にエントリアドレスを書き込む。
【0258】
補助記憶手段393から読み込んで主記憶手段392上に保持される場合にも同様に、必要に応じてアドレステーブル392atの内容が書き換えられる。
【0259】
ここで、金融商品売買運用手法教習プログラム300aplとは、教習基幹プログラム300exe、教習運営処理プログラム310mp及びダウンロードされたシナリオ別データセット321(1)、321(2)、321(3)…の総称であり、全体として本発明に係る金融商品売買運用手法教習の受講環境を形成するためのプログラムである。
【0260】
さて、この金融商品売買運用手法教習プログラム300aplは、複数のシナリオ別データセット321(1)、321(2)、321(3)…を読み込むことにより、それぞれのシナリオに応じた複数の市場を同時に、受講者に提供することができる。
【0261】
金融商品売買運用手法教習プログラム300aplにおいて、シナリオコール命令とは、提供する仮想市場に対応するシナリオ別データセット321(1)、321(2)、321(3)…を呼び出す命令であるが、その呼び出し先のエントリアドレスはシナリオコール命令には含まれておらず、そのエントリアドレスはアドレステーブル392atを参照することにより求める。
【0262】
例えば、図15に示すアドレステーブル392atは、シナリオ別データセット321(1)のシナリオコード="1"のアドレスとして"80001000"を示している場合は、シナリオコード="1"を引数としてシナリオ別データセット321(1)をコールすると、対応するエントリアドレス"80001000"に格納されている株式市場用のシナリオ別データセット321(1)が読み込まれる。
【0263】
アドレステーブル392atは、金融商品売買運用手法教習プログラム300aplが必要とするシナリオ別データセット321(1)、321(2)、321(3)…ごとに、その識別子としてのシナリオコード、主記憶手段392上のエントリアドレス、アドレス有効フラグ、アクセス許可フラグを保持・記録する。
【0264】
例えば、シナリオコード="1"の株式市場用のシナリオ別データセット321(1)を使用した後に、新たにシナリオコード="2"のデリバティブ市場用データセット321(2)を使用する場合には、デリバティブ市場用のシナリオ別データセット321(2)がローディングされた後、アドレステーブル392atのシナリオコード="2"に対応するエントリアドレスが書き込まれる。
【0265】
アドレス有効フラグは、当初"0"にリセットされているが、何れかのシナリオ別データセットがローディングされて有効なエントリアドレスを定義できるようになると"1"にセットされる。これにより何らかの操作ミス等による無効なデータの読み込みが防止される。
【0266】
また、アクセス許可フラグは、当初"0"にリセットされているが、受講者が特定のシナリオ別データセット321(1)、321(2)、321(3)…にアクセスする許可を得た場合には"1"にセットされて、対応する仮想市場にアクセスできるようになる。
【0267】
これにより、アクセスが許可されていない受講者による、勝手なシナリオ別データセット321(1)、321(2)…へのアクセスが防止される。
【0268】
ただし、受講者がアクセスを許可されるたびに、新たなシナリオコードに対応するシナリオ別データセット321(1)、321(2)…がローディングされるように制御されていれば、必ずしもアドレス有効フラグとアクセス許可フラグの両方を必要とするものではない。
【0269】
通信制御手段398は、インターネットWを介して金融商品売買手法教習システムの他の構成要素との間の通信を制御・実行するためのものであり、例えば、受講者のレベルアップに応じて許可された、新たなシナリオ別データセット321(1)、321(2)、321(3)…を、インターネットWを経由して受講者端末手段390にダウンロードするために用いられる。
【0270】
補助記憶手段393は、受講者端末手段390において二次的な記憶装置として用いられる磁気記憶装置等から構成することができ、必要に応じて金融商品売買運用手法教習プログラム300aplやシナリオ別データセット321(1)、321(2)、321(3)…その他の各種プログラムやファイルが格納される。
【0271】
次に図15を参照しながら、アドレステーブル392atの具体的な内容の一例を説明する。
【0272】
ここでは、金融商品売買運用手法教習プログラム300aplが、シナリオコード="1"の株式市場用データセット321(1)を保有している場合に、更にシナリオコード="2"のデリバティブ市場用データセット321(2)を追加する場合を説明する。
【0273】
追加前のアドレステーブル392atには、シナリオコード="1"の株式市場用データセット321(1)に関して、シナリオコード="1"の欄に、エントリアドレス="80001000"、データ有効フラグ="1"及びアクセス許可フラグ="1"がすでに書き込まれている。
【0274】
シナリオコード="2"のデリバティブ市場用データセット321(2)を追加する場合には、そのデリバティブ市場用データセット321(2)がロード管理手段399lにより主記憶手段392にロードされると、テーブル管理手段399tがそのエントリアドレス"80002000"をアドレステーブル392atの、シナリオコード="2"に対応する欄に書き込み、データ有効フラグを"1"にセットする。
【0275】
デリバティブ市場用データセット321(2)の追加が、受講者に対するアクセス許可に基づくものであれば、このときすでにアクセス許可フラグは"0"から"1"にセットされていることになる。
【0276】
以後、金融商品売買運用手法教習プログラム300aplにおいては、デリバティブ市場用データセットDS2(シナリオコード="2")にアクセスするシナリオコール命令に対しては、アドレステーブル392atの情報に基づいて、対応するエントリアドレス"80002000"がコールされることになる。
【0277】
<プログラム転送>
次に、図16を参照して、本実施例の金融商品売買運用手法教習プログラム300aplにおけるシナリオ別データセット321(1)、321(2)、321(3)…を追加するために、受講者端末手段390にダウンロードする手順を説明する。
【0278】
ここでは、ある特定のシナリオ別データセット321(1)、321(2)、321(3)…に対して、管理者が受講者のレベルに応じて、又は、受講者の希望に応じて、管理者端末手段150からの指示によりアクセス許可を与えることにより、シナリオ記憶手段320からそのシナリオ別データセット321(1)、321(2)…を受講者端末手段390にダウンロードし、使用可能となる場合について説明する。
【0279】
この場合、例えばシナリオコード="2"のデリバティブ市場へのアクセスを、特定の受講者に対して新たに許可する場合には、管理者が管理者端末手段150からの指示によりアドレステーブル392atのシナリオコード="2"に対応するアクセス許可フラグを"1"にセットする。
【0280】
そこで、まずS1において、シナリオコード="2"に対応するアクセス許可フラグが"1"にセットされているか判断する。もし、アクセス許可フラグが"0"にリセットされたままなら、S5においてアクセス不許可である旨の表示を行い、そのままS6において終了する。一方、S1でアクセス許可フラグが"1"にセットされていたら、S2において、シナリオコード="2"のシナリオ別データセット321(1)、321(2)、321(3)…のオブジェクトコードを、インターネットWを介してシナリオ記憶手段320から読み込み、受講者端末手段390の主記憶手段392の空き領域に追加する。
【0281】
ここでは追加されたエントリアドレスが"80002000"であるものとして説明する。続いてS3で、アドレステーブル392atのシナリオコード="2"に対応するアドレス欄に、エントリアドレス"80002000"を書き込む。続いてS4で、アドレステーブル392atのシナリオコード="2"に対応するアドレス有効フラグを"1"にセットし、S6で終了する。
【0282】
この受講者がデリバティブ市場に対応した、新たなシナリオ別データセット321(1)、321(2)、321(3)…にアクセスする場合には、アクセス許可フラグ、アドレス有効フラグの両方が"1"にセットされている場合にのみ可能となるように受講者端末手段390を構成することができる。
【0283】
なお、本実施例においては、投資行動記憶手段及び投資行動評価手段と同様の機能を発揮するプログラムを教習基幹プログラム300exeの一部として構成しているため、受講者端末手段390に教習基幹プログラム300exeをダウンロードして実行することにより、受講者端末手段390が投資行動記憶機能及び投資行動評価機能を有することとなるため、受講者端末手段390内に投資行動記憶手段及び投資行動評価手段を備えることとなる。
【0284】
このように、投資行動記憶機能及び投資行動評価機能を教習基幹プログラム300exeの一部を構成するプログラムとして提供するため、金融商品売買運用手法教習システム300は、スタンドアローンで受講する受講者に対しても、その投資行動の適切性を評価し、評価結果をフィードバックする。
【産業上の利用可能性】
【0285】
本発明は、金融商品の売買運用手法を受講者に習得させるための教習システムとして利用可能である。なお、本発明は、本発明と均等な技術思想・実施物・実施行為等を包含するものである。従って、仮想市場で取り扱う商品は既存の金融商品に限られることなく、一定の流動性があれば、既存の一般の商品、又は本願出願後に出現する新規の商品であっても、同様に取り扱うことができ、本発明を適用することができる。また、プログラミング手法、プログラム構造、プログラム転送方法、システム構成等についても、本願出願後に新規に実現する均等物を排除しない。
【符号の説明】
【0286】
100、200、300・・・・・・・・・・・・金融商品売買運用手法教習システム
100exe、200exe、300exe・・・教習基幹プログラム
110、210・・・・・・・・・・・・・・・教習運営処理手段
111、211、311・・・・・・・・・・市場プログラム群
111ss・・・・・・・・・・・・・・・株式市場プログラム
111bd・・・・・・・・・・・・・・・債券市場プログラム
111ec・・・・・・・・・・・・・・・為替市場プログラム
111bs・・・・・・・・・・・・・・・借株市場プログラム
111cs・・・・・・・・・・・・・・・現物商品市場プログラム
111ca・・・・・・・・・・・・・・・暗号資産市場プログラム
111op・・・・・・・・・・・・・・・デリバティブ市場プログラム
112、212、312・・・・・・・・・・機関プログラム群
112sa・・・・・・・・・・・・・・・A証券会社プログラム
112sb・・・・・・・・・・・・・・・B証券会社プログラム
112bk・・・・・・・・・・・・・・・C銀行プログラム
112ls・・・・・・・・・・・・・・・D生命保険プログラム
112am・・・・・・・・・・・・・・・E運用機関プログラム
112ii・・・・・・・・・・・・・・・F個人投資家プログラム
113、213、313・・・・・・・・・・管理当局プログラム
114、214、314・・・・・・・・・・ニュースサービスプログラム
115、215、315・・・・・・・・・・トレーダープログラム群
115s・・・・・・・・・・・・・・・・ばらまきトレーダープログラム
115m・・・・・・・・・・・・・・・・マーケットメーカープログラム
115r・・・・・・・・・・・・・・・・逆張りトレーダープログラム
115i・・・・・・・・・・・・・・・・インパクトトレーダープログラム
115d・・・・・・・・・・・・・・・・日計トレーダープログラム
115f・・・・・・・・・・・・・・・・提灯トレーダープログラム
115e・・・・・・・・・・・・・・・・鞘取トレーダープログラム
116・・・・・・・・・・・・・・・・・・プライサー提供プログラム
117・・・・・・・・・・・・・・・・・・レベル診断プログラム
118・・・・・・・・・・・・・・・・・・受講者選別プログラム
120、220、320・・・・・・・・・・・・シナリオ記憶手段
121、221、321・・・・・・・・・・・シナリオ別データセット群
121(1)、121(2)・・・・・・・・・・シナリオ別データセット
221(1)、221(2)、221(3)・・・・シナリオ別データセット
321(1)、321(2)、321(3)・・・・シナリオ別データセット
130、230、330・・・・・・・・・・・・管理用記憶手段
131、231・・・・・・・・・・・・・・・市場管理データベース
131ss・・・・・・・・・・・・・・・・株式市場管理ファイル
131bd・・・・・・・・・・・・・・・・債券市場管理ファイル
131ec・・・・・・・・・・・・・・・・為替市場管理ファイル
131bs・・・・・・・・・・・・・・・・借株市場管理ファイル
131cs・・・・・・・・・・・・・・・・現物商品市場管理ファイル
131op・・・・・・・・・・・・・・・・デリバティブ市場管理ファイル
132、232・・・・・・・・・・・・・・・機関管理データベース
132sa・・・・・・・・・・・・・・・・・A証券会社管理ファイル
132sb・・・・・・・・・・・・・・・・・B証券会社管理ファイル
132bk・・・・・・・・・・・・・・・・・銀行管理ファイル
132ls・・・・・・・・・・・・・・・・・生命保険管理ファイル
140、240・・・・・・・・・・・・・・・・投資行動記録手段
141・・・・・・・・・・・・・・・・・・・受講者別投資行動データベース
142・・・・・・・・・・・・・・・・・・・受講者別残高・リスクデータベース
150、250、350・・・・・・・・・・・・管理者端末手段
160、260、360・・・・・・・・・・・・編集手段
160r・・・・・・・・・・・・・・・・・・登録属性エディタ
160s・・・・・・・・・・・・・・・・・・設定エディタ
170、270・・・・・・・・・・・・・・・・投資行動評価手段
171・・・・・・・・・・・・・・・・・・・投資行動評価プログラム
172・・・・・・・・・・・・・・・・・・・投資行動評価データベース
180、280、380・・・・・・・・・・・通信手段
190、290、390・・・・・・・・・・・受講者端末手段
300apl・・・・・・・・・・・・・・・・・金融商品売買運用手法教習プログラム
310mp・・・・・・・・・・・・・・・・・教習運営処理プログラム
391・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中央演算手段
392・・・・・・・・・・・・・・・・・・・主記憶手段
392os・・・・・・・・・・・・・・・・オペレーティングシステム
392at・・・・・・・・・・・・・・・・アドレステーブル
393・・・・・・・・・・・・・・・・・・・補助記憶手段
395・・・・・・・・・・・・・・・・・・・バス
396・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ロード管理手段
397・・・・・・・・・・・・・・・・・・・テーブル管理手段
398・・・・・・・・・・・・・・・・・・・通信制御手段
399l・・・・・・・・・・・・・・・・・・ロード管理手段
399t・・・・・・・・・・・・・・・・・・テーブル管理手段
W・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16