特開 2024-144301 コネクタハウジング、コネクタ及びコネクタアセンブリ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024144301

(43)【公開日】2024-10-11

(54)【発明の名称】コネクタハウジング、コネクタ及びコネクタアセンブリ

(51)【国際特許分類】

   H01R 13/40 20060101AFI20241003BHJP

【ＦＩ】

H01R13/40 Z

【審査請求】未請求

【請求項の数】18

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2024048982

(22)【出願日】2024-03-26

(31)【優先権主張番号】202310322951.X

(32)【優先日】2023-03-29

(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN

(71)【出願人】

【識別番号】521523202

【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス （スーヂョウ） リミテッド

(71)【出願人】

【識別番号】508079120

【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス （シャンハイ） カンパニー リミテッド

(74)【代理人】

【識別番号】110004347

【氏名又は名称】弁理士法人大場国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】タァオ トムソン ドォン

(72)【発明者】

【氏名】ヂュイン ヅォン

(72)【発明者】

【氏名】フゥアイハァン ジャスティン リィー

【テーマコード（参考）】

5E087

【Ｆターム（参考）】

5E087EE02

5E087EE14

5E087FF06

5E087FF13

5E087GG15

5E087GG22

5E087GG24

5E087GG31

5E087GG32

5E087MM05

5E087RR04

5E087RR25

5E087RR29

(57)【要約】      （修正有）

【課題】横方向に隣接する二つの端子の間の間隔を小さくすることができ且つジャックの側壁の縦方向における延伸長さを小さくすることができハウジングの成形難易度と製造コストを低減するコネクタハウジング、コネクタ及びコネクタアセンブリを提供する。
【解決手段】コネクタハウジング１において、その縦方向に沿って延伸するジャック１１が形成され、ジャックはコネクタの端子を収容するための第１の収容部とコネクタのケーブルを収容するための第２の収容部とを含む。ジャックはコネクタハウジングの横方向において対向する二つの側壁を有し、且つ二つの側壁は横方向において所定の距離を離れている。ジャックの第２の収容部の側壁には切り欠き及び／又は凹溝が形成されることにより、ケーブルの外周面の一部が切り欠き及び／又は凹溝に入ることを許容する。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

コネクタハウジングであって、
前記コネクタハウジング（１）において、その縦方向（Ｙ）に沿って延伸するジャック（１１）が形成され、前記ジャック（１１）はコネクタの端子（２）を収容するための第１の収容部（１１１）とコネクタのケーブル（３）を収容するための第２の収容部（１１２）とを含み、
前記ジャック（１１）は前記コネクタハウジング（１）の横方向（Ｘ）において対向する二つの側壁（１２）を有し、且つ前記二つの側壁（１２）は前記横方向（Ｘ）において所定の距離Ｄを離れ、
前記ジャック（１１）の第２の収容部（１１２）の側壁（１２）には切り欠き（１２２ａ）及び／又は凹溝（１２２ｂ）が形成されることにより、前記ケーブル（３）の外周面の一部が前記切り欠き（１２２ａ）及び／又は前記凹溝（１２２ｂ）に入ることを許容し、これによって、直径が前記所定の距離（Ｄ）よりも大きなケーブル（３）は前記ジャック（１１）の第２の収容部（１１２）に収容されることができる、ことを特徴とするコネクタハウジング。

【請求項2】

前記側壁（１２）は前記ジャック（１１）の第１の収容部（１１１）を画定するための第１の側壁部（１２１）と前記ジャック（１１）の第２の収容部（１１２）を画定するための第２の側壁部（１２２）とを含み、
前記コネクタハウジング（１）において複数のジャック（１１）が形成され、且つ横方向に隣接する二つのジャック（１１）の間にある第２の側壁部（１２２）に切り欠き（１２２ａ）が形成されることにより、横方向に隣接する二つのジャック（１１）の第２の収容部（１１２）は前記切り欠き（１２２ａ）を介して互いに連通する、ことを特徴とする請求項１に記載のコネクタハウジング。

【請求項3】

横方向に隣接する二つのジャック（１１）の間にある第１の側壁部（１２１）には何の開孔も形成されていないことで、横方向に隣接する二つのジャック（１１）の第１の収容部（１１１）は互いに連通せず、これによって、前記二つのジャック（１１）にそれぞれ収容される二つの端子（２）を電気的に絶縁する、ことを特徴とする請求項２に記載のコネクタハウジング。

【請求項4】

前記コネクタハウジング（１）は、その縦方向（Ｙ）において対向する前端面（１ａ）と後端面（１ｂ）とを有し、前記ジャック（１１）は前記コネクタハウジング（１）の前端面（１ａ）と後端面（１ｂ）にそれぞれ位置する前端口と後端口とを有し、前記端子（２）と前記ケーブル（２）は前記ジャック（１１）の後端口を経由して前記ジャック（１１）に挿入される、ことを特徴とする請求項２に記載のコネクタハウジング。

【請求項5】

前記第２の側壁部（１２２）は前記コネクタハウジング（１）の後端面（１ｂ）から前記縦方向（Ｙ）に沿って前へ第１の長さ（Ｌ１）を延伸し、前記切り欠き（１２２ａ）は前記コネクタハウジング（１）の後端面（１ｂ）から前記縦方向（Ｙ）に沿って前へ第２の長さ（Ｌ２）を延伸しており、且つ前記第１の長さ（Ｌ１）は前記第２の長さ（Ｌ２）より大きい、ことを特徴とする請求項４に記載のコネクタハウジング。

【請求項6】

前記第２の側壁部（１２２）には前記ケーブル（３）の外周面の一部と嵌合する凹溝（１２２ｂ）がさらに形成され、前記凹溝（１２２ｂ）は前記切り欠き（１２２ａ）から前記縦方向（Ｙ）に沿って前へ前記第１の側壁部（１２１）まで延伸する、ことを特徴とする請求項５に記載のコネクタハウジング。

【請求項7】

前記凹溝（１２２ｂ）は前記縦方向（Ｙ）に沿って第３の長さ（Ｌ３）を延伸し、且つ前記第３の長さ（Ｌ３）は前記第２の長さ（Ｌ２）より小さい、ことを特徴とする請求項６に記載のコネクタハウジング。

【請求項8】

前記コネクタハウジング（１）において、複数列のジャック（１１）が形成され、前記複数列のジャック（１１）は前記コネクタハウジング（１）の高さ方向（Ｚ）において互いに隣接するように配置される、ことを特徴とする請求項１に記載のコネクタハウジング。

【請求項9】

前記ハウジング（１）の上壁の外面には、収容凹部（１８）が形成されており、前記収容凹部（１８）は相手コネクタの弾性ラッチを収容するために用いられ、
前記収容凹部（１８）の底面に突起（１９）が形成され、前記突起（１９）は前記弾性ラッチ上の係止溝と接合するために用いられ、これによって、前記コネクタハウジング（１）を前記相手コネクタにロックする、ことを特徴とする請求項１に記載のコネクタハウジング。

【請求項10】

前記コネクタハウジング（１）内には弾性ロッキングアーム（１３）がさらに形成されており、前記弾性ロッキングアーム（１３）は前記端子（２）を前記ジャック（１１）にロックするために前記ジャック（１１）に伸びる、ことを特徴とする請求項１～９のいずれか一項に記載のコネクタハウジング。

【請求項11】

コネクタであって、
請求項１～１０のいずれか一項に記載のコネクタハウジング（１）と、
前記コネクタハウジング（１）のジャック（１１）の第１の収容部（１１１）に収容される端子（２）と、
その一部が前記コネクタハウジング（１）のジャック（１１）の第２の収容部（１１２）に収容されるケーブル（３）とを含む、ことを特徴とするコネクタ。

【請求項12】

前記端子（２）は、
相手コネクタの相手端子と組み合わせ接続するための相手部（２１）と、
前記ケーブル（３）のケーブル本体（３２）に圧着されるケーブル本体圧着部（２２）と、
前記相手部（２１）と前記ケーブル本体圧着部（２２）との間に接続され、且つ前記ケーブル（３）の導体（３１）に圧着される導体圧着部（２３）とを含み、
前記端子（２）のケーブル本体圧着部（２２）は前記ジャック（１１）の第１の収容部（１１１）に完全に収容されることで、隣接する二つの端子（２）のケーブル本体圧着部（２２）が互いに電気的に接触することを防止する、ことを特徴とする請求項１１に記載のコネクタ。

【請求項13】

前記端子（２）の相手部（２１）には係止溝（２０３）が形成され、前記係止溝（２０３）は前記ハウジング（１）内の弾性ロッキングアーム（１３）に接合することで、前記端子（２）を前記ハウジング（１）のジャック（１１）にロックする、ことを特徴とする請求項１２に記載のコネクタ。

【請求項14】

前記端子（２）の先端部（２ａ）を位置決めするために前記ハウジング（１）の先端に組み立てられるエンドキャップ（４）をさらに含み、
前記エンドキャップ（４）の内側には位置決め溝（４２）が形成され、前記端子（２）の先端部（２ａ）は前記エンドキャップ（４）の位置決め溝（４２）に位置決めされる、ことを特徴とする請求項１１に記載のコネクタ。

【請求項15】

前記エンドキャップ（４）の外側には、前記ハウジング（１）におけるジャック（１１）と連通するテーパ状のガイド孔（４１）が形成され、前記テーパ状のガイド孔（４１）は相手コネクタの相手端子を前記端子（２）に挿入するようにガイドするために用いられる、ことを特徴とする請求項１４に記載のコネクタ。

【請求項16】

前記エンドキャップ（４）にはロッキング突起（４７）が形成され、前記ハウジング（１）の先端にはロッキング孔（１７）が形成され、前記ロッキング突起（４７）が前記ロッキング孔（１７）に接合されることにより、前記エンドキャップ（４）を前記ハウジング（１）の先端にロックする、ことを特徴とする請求項１４に記載のコネクタ。

【請求項17】

前記端子（２）の横方向におけるサイズは前記ジャック（１１）の横方向におけるサイズ以下であり、且つ前記ジャック（１１）の横方向におけるサイズは前記ケーブル（３）の直径より小さい、ことを特徴とする請求項１１～１６のいずれか一項に記載のコネクタ。

【請求項18】

コネクタアセンブリであって、
請求項１１～１７のいずれか一項に記載のコネクタと、
前記コネクタと組み合わせ接続する相手コネクタとを含む、ことを特徴とするコネクタアセンブリ。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明はコネクタハウジング、該コネクタハウジングを含むコネクタ、該コネクタを含むコネクタアセンブリに関するものである。

【背景技術】

【0002】

従来技術では、コネクタは通常、ハウジング、端子及びケーブルを含む。ハウジングにおいてジャックが形成され、端子はケーブルに圧着される圧着部と、相手端子と組み合わせ接続するための相手部とを含む。端子とケーブルはハウジングのジャックに挿着される。通常、ケーブルのケーブル本体の直径が端子の横方向におけるサイズより大きくなるが、ケーブルを収容できるように、ハウジング上のジャックの横方向におけるサイズは通常、ケーブルの直径に等しいように設定され、これは横方向に隣接する二つの端子の間の間隔が大きくなることをもたらす。

【0003】

さらに、従来技術では、ケーブルの外周面はジャックの内壁により完全に包まれ、これは、ハウジングの縦方向におけるジャックの内壁の延伸長さが大きくなりすぎることを招き、そのため、ハウジングの成形が困難となり、コストが高くなる。

【発明の概要】

【0004】

本発明の目的は、従来技術における上記の問題と欠陥のうちの少なくとも１つの面を解決することである。

【0005】

本発明の一態様によれば、コネクタハウジングを提供する。前記コネクタハウジングにおいて、その縦方向に沿って延伸するジャックが形成され、前記ジャックはコネクタの端子を収容するための第１の収容部とコネクタのケーブルを収容するための第２の収容部とを含み、前記ジャックは前記コネクタハウジングの横方向において対向する二つの側壁を有し、且つ前記二つの側壁は前記横方向において所定の距離を離れ、前記ジャックの第２の収容部の側壁には切り欠き及び／又は凹溝が形成されることにより、前記ケーブルの外周面の一部が前記切り欠き及び／又は前記凹溝に入ることを許容し、これによって、直径が前記所定の距離よりも大きなケーブルは前記ジャックの第２の収容部に収容されることができる。

【0006】

本発明の一例示的な実施例によれば、前記側壁は前記ジャックの第１の収容部を画定するための第１の側壁部と前記ジャックの第２の収容部を画定するための第２の側壁部とを含む。前記コネクタハウジングにおいて複数のジャックが形成され、且つ横方向に隣接する二つのジャックの間にある第２の側壁部には切り欠きが形成されることにより、横方向に隣接する二つのジャックの第２の収容部は前記切り欠きを介して互いに連通する。

【0007】

本発明の別の一例示的な実施例によれば、横方向に隣接する二つのジャックの間にある第１の側壁部には何の開孔も形成されていないことで、横方向に隣接する二つのジャックの第１の収容部は互いに連通せず、これによって、前記二つのジャックにそれぞれ収容される二つの端子を電気的に絶縁する。

【0008】

本発明の別の一例示的な実施例によれば、前記コネクタハウジングは、その縦方向において対向する前端面と後端面とを有し、前記ジャックは前記コネクタハウジングの前端面と後端面にそれぞれ位置する前端口と後端口とを有し、前記端子と前記ケーブルは前記ジャックの後端口を経由して前記ジャックに挿入される。

【0009】

本発明の別の一例示的な実施例によれば、前記第２の側壁部は前記コネクタハウジングの後端面から前記縦方向に沿って前へ第１の長さを延伸し、前記切り欠きは前記コネクタハウジングの後端面から前記縦方向に沿って前へ第２の長さを延伸しており、且つ前記第１の長さは前記第２の長さより大きい。

【0010】

本発明の別の一例示的な実施例によれば、前記第２の側壁部には前記ケーブルの外周面の一部と嵌合する凹溝がさらに形成され、前記凹溝は前記切り欠きから前記縦方向に沿って前へ前記第１の側壁部まで延伸する。

【0011】

本発明の別の一例示的な実施例によれば、前記凹溝は前記縦方向に沿って第３の長さを延伸し、且つ前記第３の長さは前記第２の長さより小さい。

【0012】

本発明の別の一例示的な実施例によれば、前記コネクタハウジングにおいて複数列のジャックが形成され、前記複数列のジャックは前記コネクタハウジングの高さ方向において互いに隣接するように配置される。

【0013】

本発明の別の一例示的な実施例によれば、前記ハウジングの上壁の外面には、収容凹部が形成されており、前記収容凹部は相手コネクタの弾性ラッチを収容するために用いられる。前記収容凹部の底面に突起が形成され、前記突起は前記弾性ラッチ上の係止溝と接合するために用いられ、これによって、前記コネクタハウジングを前記相手コネクタにロックする。

【0014】

本発明の別の一例示的な実施例によれば、前記コネクタハウジング内には弾性ロッキングアームがさらに形成されており、前記弾性ロッキングアームは前記端子を前記ジャックにロックするために前記ジャックに伸びる。

【0015】

本発明の別の一態様によれば、コネクタを提供する。前記コネクタは、コネクタハウジング、端子及びケーブルを含む。端子は前記コネクタハウジングのジャックの第１の収容部に収容される。ケーブルの一部は前記コネクタハウジングのジャックの第２の収容部に収容される。

【0016】

本発明の一例示的な実施例によれば、前記端子は、相手コネクタの相手端子と組み合わせ接続するための相手部と、前記ケーブルのケーブル本体に圧着されるケーブル本体圧着部と、前記相手部と前記ケーブル本体圧着部との間に接続され、且つ前記ケーブルの導体に圧着される導体圧着部とを含む。前記端子のケーブル本体圧着部は前記ジャックの第１の収容部に完全に収容されることで、隣接する二つの端子のケーブル本体圧着部が互いに電気的に接触することを防止する。

【0017】

本発明の一例示的な実施例によれば、前記端子の相手部には係止溝が形成され、前記係止溝は前記ハウジング内の弾性ロッキングアームに接合することで、前記端子を前記ハウジングのジャックにロックする。

【0018】

本発明の別の一例示的な実施例によれば、前記コネクタはエンドキャップをさらに含み、エンドキャップは前記端子の先端部を位置決めするために前記ハウジングの先端に組み立てられる。前記エンドキャップの内側には位置決め溝が形成され、前記端子の先端部は前記エンドキャップの位置決め溝に位置決めされる。

【0019】

本発明の別の一例示的な実施例によれば、前記エンドキャップの外側には、前記ハウジングにおけるジャックと連通するテーパ状のガイド孔が形成され、前記テーパ状のガイド孔は相手コネクタの相手端子を前記端子に挿入するようにガイドするために用いられる。

【0020】

本発明の別の一例示的な実施例によれば、前記エンドキャップにはロッキング突起が形成され、前記ハウジングの先端にはロッキング孔が形成され、前記ロッキング突起が前記ロッキング孔に接合されることにより、前記エンドキャップを前記ハウジングの先端にロックする。

【0021】

本発明の別の一例示的な実施例によれば、前記端子の横方向におけるサイズは前記ジャックの横方向におけるサイズ以下であり、且つ前記ジャックの横方向におけるサイズは前記ケーブルの直径より小さい。

【0022】

本発明の別の一態様によれば、コネクタアセンブリを提供する。前記コネクタアセンブリは、コネクタと、相手コネクタとを含む。前記相手コネクタは前記コネクタと組み合わせ接続する。

【0023】

本発明による前述の各実例的な実施例において、ジャックの側壁には、ケーブルの外周面の一部が入ることを許容する切り欠き及び／又は凹溝が形成され、これによって、直径が端子の横方向におけるサイズよりも大きなケーブルもジャックに収容されることができ、それによって横方向に隣接する二つの端子の間の間隔を小さくすることができる。

【0024】

なお、本発明による前述のいくつかの実例的な実施例において、ジャックの第２の側壁部にハウジングの縦方向に沿って延伸する切り欠きが形成されることにより、ジャックの側壁の縦方向における長さを小さくすることができ、ハウジングの成形難易度と製造コストを低減する。

【0025】

図面を参照した本発明の下記説明によって、本発明の他の目的とメリットは明らかになり、本発明を全面的に理解することに寄与できる。

【図面の簡単な説明】

【0026】

【図1】本発明の一実例的な実施例によるコネクタの裏面から見た斜視概略図を示す。

【図2】本発明の一実例的な実施例によるコネクタの正面から見た斜視概略図を示す。

【図3】本発明の一実例的な実施例によるコネクタの裏面から見た分解概略図を示す。

【図4】本発明の一実例的な実施例によるコネクタの正面から見た分解概略図を示す。

【図5】本発明の一実例的な実施例によるコネクタの水平方向に沿った断面図を示し、ここで、ハウジングにおける一部のジャックのみを示す。

【図6】本発明の一実例的な実施例によるコネクタの鉛直方向に沿った断面図を示す。

【図7】本発明の一実例的な実施例によるコネクタの水平方向に沿った断面平面図を示し、ここで、ハウジングにおける一部のジャックのみを示す。

【図8】本発明の一実例的な実施例によるコネクタのケーブルアセンブリの斜視概略図を示す。

【図9】本発明の一例示的な実施例によるコネクタのケーブルアセンブリの分解概略図を示す。

【発明を実施するための形態】

【0027】

以下、実施例を通じて、図面を参照しながら、本発明の技術的解決手段をさらに説明する。明細書では、同じ又は類似する図面符号は、同じ又は類似する部材を指す。図面を参照した本発明の実施形態の下記説明は、本発明の全体的な発明思想を解釈するためのものであり、本発明を制限するものとして理解すべきではない。

【0028】

なお、以下の詳しい説明では、解釈しやすく本開示の実施例を全面的に理解するように、多くの具体的な細部が述べられている。しかしながら、１つ又は複数の実施例は、これらの具体的な細部がなくても実施可能であることが明らかである。場合によって、図面を簡略化するために、公知の構造および装置は図示の形で表されている。

【0029】

本発明の全体的な技術思想によれば、コネクタハウジングを提供する。前記コネクタハウジングにおいて、その縦方向に沿って延伸するジャックが形成され、前記ジャックはコネクタの端子を収容するための第１の収容部とコネクタのケーブルを収容するための第２の収容部とを含む。前記ジャックは前記コネクタハウジングの横方向において対向する二つの側壁を有し、且つ前記二つの側壁は前記横方向において所定の距離を離れている。前記ジャックの第２の収容部の側壁には切り欠き及び／又は凹溝が形成されることにより、前記ケーブルの外周面の一部が前記切り欠き及び／又は前記凹溝に入ることを許容し、これによって、直径が前記所定の距離よりも大きなケーブルは前記ジャックの第２の収容部に収容されることができる。

【0030】

本発明の別の全体的な技術思想によれば、コネクタを提供する。前記コネクタは、コネクタハウジング、端子及びケーブルを含む。端子は前記コネクタハウジングのジャックの第１の収容部に収容される。ケーブルの一部は前記コネクタハウジングのジャックの第２の収容部に収容される。

【0031】

本発明の別の全体的な技術思想によれば、コネクタアセンブリを提供する。前記コネクタアセンブリは、コネクタと、相手コネクタとを含む。前記相手コネクタは前記コネクタと組み合わせ接続する。

【0032】

図１は本発明の一実例的な実施例によるコネクタの裏面から見た斜視概略図を示す。図２は本発明の一実例的な実施例によるコネクタの正面から見た斜視概略図を示す。図３は本発明の一実例的な実施例によるコネクタの裏面から見た分解概略図を示す。図４は本発明の一実例的な実施例によるコネクタの正面から見た分解概略図を示す。図５は本発明の一実例的な実施例によるコネクタの水平方向に沿った断面図を示し、ここで、ハウジング１における一部のジャック１１のみを示す。図６は本発明の一実例的な実施例によるコネクタの鉛直方向に沿った断面図を示す。図７は本発明の一実例的な実施例によるコネクタの水平方向に沿った断面平面図を示し、ここで、ハウジング１における一部のジャック１１のみを示す。

【0033】

図１～図７に示すように、本発明の一例示的な実施例では、コネクタハウジング１を開示する。コネクタハウジング１において、その縦方向Ｙに沿って延伸するジャック１１が形成される。ジャック１１はコネクタの端子２を収容するための第１の収容部１１１及びコネクタのケーブル３を収容するための第２の収容部１１２を含む。ジャック１１はコネクタハウジング１の横方向Ｘにおいて対向する二つの側壁１２を有し、且つ二つの側壁１２は横方向Ｘにおいて所定の距離Ｄを離れている。

【0034】

図１～図７に示すように、図示した実施例では、ジャック１１の第２の収容部１１２の側壁１２には切り欠き１２２ａ及び／又は凹溝１２２ｂが形成されることにより、ケーブル３の外周面の一部が切り欠き１２２ａ及び／又は凹溝１２２ｂに入ることを許容し、これによって、直径が前述の所定の距離Ｄよりも大きなケーブル３はジャック１１の第２の収容部１１２に収容されることができる。このように、横方向に隣接する二つの端子２の間の間隔を小さくすることができる。

【0035】

図１～図７に示すように、図示した実施例では、ジャック１１の側壁１２はジャック１１の第１の収容部１１１を画定するための第１の側壁部１２１とジャック１１の第２の収容部１１２を画定するための第２の側壁部１２２とを含む。コネクタハウジング１において複数のジャック１１が形成され、且つ横方向に隣接する二つのジャック１１の間にある第２の側壁部１２２には切り欠き１２２ａが形成されることにより、横方向に隣接する二つのジャック１１の第２の収容部１１２は切り欠き１２２ａを介して互いに連通する。

【0036】

図１～図７に示すように、図示した実施例では、横方向に隣接する二つのジャック１１の間にある第１の側壁部１２１には何の開孔も形成されていないことで、横方向に隣接する二つのジャック１１の第１の収容部１１１は互いに連通せず、これによって、二つのジャック１１にそれぞれ収容される二つの端子２を電気的に絶縁する。

【0037】

図１～図７に示すように、図示した実施例では、コネクタハウジング１は、その縦方向Ｙにおいて対向する前端面１ａと後端面１ｂとを有する。ジャック１１はコネクタハウジング１の前端面１ａと後端面１ｂにそれぞれ位置する前端口と後端口とを有し、端子２とケーブル２はジャック１１の後端口を経由してハウジング１のジャック１１に挿入される。

【0038】

図１～図７に示すように、図示した実施例では、ジャック１１の第２の側壁部１２２はコネクタハウジング１の後端面１ｂから縦方向Ｙに沿って前へ第１の長さＬ１を延伸し、前述の切り欠き１２２ａはコネクタハウジング１の後端面１ｂから縦方向Ｙに沿って前へ第２の長さＬ２を延伸しており、且つ第１の長さＬ１は第２の長さＬ２より大きい。このように、ジャック１１の側壁１２の縦方向Ｙにおける延伸長さを小さくすることができ、これによって、ハウジング１の成形難易度を低減し、ハウジング１の製造コストを低減することができる。

【0039】

図１～図７に示すように、図示した実施例では、第２の側壁部１２２にはケーブル３の外周面の一部と嵌合する凹溝１２２ｂがさらに形成される。凹溝１２２ｂは切り欠き１２２ａから縦方向Ｙに沿って前へ第１の側壁部１２１まで延伸する。

【0040】

図１～図７に示すように、図示した実施例では、第２の側壁部１２２における凹溝１２２ｂは円弧状を呈し、且つハウジング１の縦方向Ｙに沿って第３の長さＬ３を延伸し、且つ第３の長さＬ３は第２の長さＬ２より小さい。従って、図示した実施例では、ジャック１１の内壁により完全に包まれたケーブル３の長さは第３の長さＬ３に等しい。

【0041】

図１～図７に示すように、図示した実施例では、コネクタハウジング１において複数列のジャック１１（例えば、２列、３列、またはより多い列のジャック１１）が形成され、複数列のジャック１１はコネクタハウジング１の高さ方向Ｚにおいて互いに隣接するように配置される。

【0042】

図１～図７に示すように、図示した実施例では、ハウジング１の上壁の外面には、収容凹部１８が形成されており、該収容凹部１８は相手コネクタ（図示せず）の弾性ラッチ（図示せず）を収容するために用いられる。収容凹部１８の底面には突起１９が形成され、該突起１９は弾性ラッチ上の係止溝（図示せず）と接合するために用いられ、これによって、コネクタハウジング１を相手コネクタにロックする。

【0043】

図１～図７に示すように、図示した実施例では、コネクタハウジング１内には弾性ロッキングアーム１３がさらに形成されており、弾性ロッキングアーム１３は端子２をジャック１１にロックするためにジャック１１に伸びる。

【0044】

図１～図７に示すように、本発明の別の一例示的な実施例では、コネクタをさらに開示する。該コネクタは、主に、ハウジング１、端子２及びケーブル３を含む。端子２はコネクタハウジング１のジャック１１の第１の収容部１１１に収容される。ケーブル３の一部はコネクタハウジング１のジャック１１の第２の収容部１１２に収容される。

【0045】

図８は本発明の一実例的な実施例によるコネクタのケーブルアセンブリの斜視概略図を示す。図９は本発明の一例示的な実施例によるコネクタのケーブルアセンブリの分解概略図を示す。

【0046】

図１～図９に示すように、図示した実施例では、端子２は、相手部２１、ケーブル本体圧着部２２及び導体圧着部２３を含む。端子２の相手部２１は相手コネクタの相手端子（図示せず）と組み合わせ接続するために用いられる。端子２のケーブル本体圧着部２２はケーブル３のケーブル本体３２に圧着される。端子２の導体圧着部２３は相手部２１とケーブル本体圧着部２２との間に接続され、且つケーブル３の導体３１に圧着される。

【0047】

図１～図９に示すように、図示した実施例では、端子２のケーブル本体圧着部２２はジャック１１の第１の収容部１１１に完全に収容されることで、横方向に隣接する二つの端子２のケーブル本体圧着部２２が互いに電気的に接触することを防止する。

【0048】

図１～図９に示すように、図示した実施例では、端子２の相手部２１には係止溝２０３が形成され、該係止溝２０３はハウジング１内の弾性ロッキングアーム１３に接合することで、端子２をハウジング１のジャック１１にロックする。

【0049】

図１～図９に示すように、図示した実施例では、コネクタはエンドキャップ４をさらに含み、該エンドキャップ４は端子２の先端部２ａを位置決めするためにハウジング１の先端に組み立てられる。エンドキャップ４の内側には位置決め溝４２が形成され、端子２の先端部２ａがエンドキャップ４の位置決め溝４２に位置決めされる。

【0050】

図１～図９に示すように、図示した実施例では、エンドキャップ４の外側には、ハウジング１におけるジャック１１と連通するテーパ状のガイド孔４１が形成され、該テーパ状のガイド孔４１は相手コネクタの相手端子を端子２に挿入するようにガイドするために用いられる。

【0051】

図１～図９に示すように、図示した実施例では、エンドキャップ４にはロッキング突起４７が形成され、ハウジング１の先端にはロッキング孔１７が形成される。ロッキング突起４７がロッキング孔１７に接合されることにより、エンドキャップ４をハウジング１の先端にロックする。

【0052】

図１～図９に示すように、図示した実施例では、端子２の横方向におけるサイズ（即ち、図示したＸ方向におけるサイズ）はジャック１１の横方向におけるサイズ（即ち、前述の所定の距離Ｄ）以下であり、且つジャック１１の横方向におけるサイズはケーブル３の直径より小さい。

【0053】

図１～図９に示すように、本発明の別の一例示的な実施例では、コネクタアセンブリをさらに開示する。該コネクタアセンブリは、コネクタと相手コネクタとを含む。相手コネクタはコネクタと組み合わせ接続する。

【0054】

当業者であれば理解できるように、以上に述べられた実施例は全て例示的なものであり、当業者がそれを改善することができ、各種の実施例において述べられた構造は、構造又は原理の面の矛盾がない限り、自由に組み合わせることができ、これらの変化は本発明の保護範囲内に含まれることが当然である。

【0055】

図面を参照しながら本発明を説明したが、図面に開示された実施例は、本発明の好ましい実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明を制限するものとして理解されることができない。

【0056】

本発明の全体的な思想のいくつかの実施例を示して説明したが、当業者に理解されるように、本発明の全体的な思想の原則と精神から逸脱することなく、これらの実施例を変更することができ、本発明の範囲は、特許請求の範囲およびそれらの同等物によって限定される。

【0057】

用語「含む」は、他の素子又はステップを除外するものではなく、用語「１つ」又は「１つの」は、複数のものを除外するものではないことに留意されたい。なお、特許請求の範囲における如何なる素子の符号も、本発明の範囲を制限するものとして理解されるべきではない。

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】