(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144316
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】エネルギーデータ処理システム及びエネルギーデータ処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024050024
(22)【出願日】2024-03-26
(31)【優先権主張番号】P 2023054312
(32)【優先日】2023-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】盤若 明日香
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智之
(72)【発明者】
【氏名】長江 悠介
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC06
(57)【要約】
【課題】利用者の利便性の向上を図るエネルギーデータ処理システム及びエネルギーデータ処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】エネルギーデータ処理システムは、住宅設備機器を設置する住宅で使用するエネルギーの累積値に関するエネルギーデータを収集する情報処理端末2と、情報処理端末2から、予め設定された時間間隔である送信間隔でエネルギーデータを受信するサーバ3と、を備え、サーバ3は、情報処理端末2から送信されたエネルギーデータを受信するサーバ通信部と、サーバ通信部が受信したエネルギーデータの示す値が異常値であるか否かを判定する異常判定部と、エネルギーデータの示す値が異常値であると異常判定部によって判定されると、エネルギーデータの再送を情報処理端末2に対して要求する再送要求をサーバ通信部に送信させる再送要求部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅設備機器を設置する住宅で使用するエネルギーの累積値に関するエネルギーデータを収集する情報処理端末と、
前記情報処理端末から、予め設定された時間間隔である送信間隔で前記エネルギーデータを受信するサーバと、を備え、
前記サーバは、
前記情報処理端末から送信された前記エネルギーデータを受信するサーバ通信部と、
前記サーバ通信部が受信した前記エネルギーデータの示す値が異常値であるか否かを判定する異常判定部と、
前記エネルギーデータの示す値が前記異常値であると前記異常判定部によって判定されると、前記エネルギーデータの再送を前記情報処理端末に対して要求する再送要求を前記サーバ通信部に送信させる再送要求部と、を有するエネルギーデータ処理システム。
【請求項2】
前記再送要求部は、前記情報処理端末から再送された前記エネルギーデータの示す値が、前記異常判定部において前記異常値であると規定回数以上繰り返し判定されると、前記再送要求を中止させる請求項1に記載のエネルギーデータ処理システム。
【請求項3】
前記情報処理端末は、予め設定された時間間隔である指示要求間隔で前記サーバ通信部に対して指示要求を送信し、
前記再送要求部は、前記異常判定部において前記異常値であると判定された場合において、前記サーバ通信部が前記指示要求を受信した際に、前記情報処理端末に対する前記再送要求を前記サーバ通信部に送信させる請求項1に記載のエネルギーデータ処理システム。
【請求項4】
前記情報処理端末は、前記エネルギーデータを記憶する記憶部を更に有し、
前記サーバは、
前記異常判定部によって前記異常値を示すと判定された第1データの示す値と、前記再送要求に応じて前記情報処理端末から再送された第2データの示す値とを比較するデータ比較部と、
前記第1データの示す値を修正するデータ修正部と、を更に有し、
前記データ修正部は、前記第1データと前記第2データとが一致しないと前記データ比較部によって判定されると、前記第1データの値を前記第2データの示す値に修正する請求項1に記載のエネルギーデータ処理システム。
【請求項5】
前記情報処理端末は、前記エネルギーデータを記憶する記憶部を更に有し、
前記サーバは、
前記異常判定部によって前記異常値を示すと判定された第1データの示す値と、前記再送要求に応じて前記情報処理端末から再送された第2データの示す値とを比較するデータ比較部と、
前記エネルギーデータの示す値が前記異常値となった原因を判定する原因判定部と、を更に有し、
前記原因判定部は、
前記第1データの示す値と前記第2データの示す値とが一致すると前記データ比較部によって判定されると、前記第1データを受信する直前に前記情報処理端末から前記サーバ通信部が受信した第3データを参照し、
前記記憶部に記憶可能な前記エネルギーデータの上限値と前記第3データの示す値との差が、前記エネルギーデータの示す値が前記送信間隔の期間内で増大すると予測される予測値未満であるか否かを判定し、
前記上限値と前記第3データの示す値との差が前記予測値未満であると判定すると、前記異常値の発生した原因が前記エネルギーデータの前記上限値を超える桁あふれであると判定し、
前記上限値と前記第3データの示す値との差が前記予測値以上であると判定すると、前記異常値の発生した原因が前記桁あふれ以外であると判定し、前記第1データを欠損扱いとする請求項1に記載のエネルギーデータ処理システム。
【請求項6】
前記サーバは、前記第1データの示す値を修正するデータ修正部を更に有し、
前記データ修正部は、
前記異常値の発生した原因が前記桁あふれであると前記原因判定部によって判定されると、前記第1データの示す値に前記上限値を加算することで、前記第1データを修正する請求項5に記載のエネルギーデータ処理システム。
【請求項7】
住宅設備機器を設置する住宅で使用するエネルギーの累積値に関するエネルギーデータを、予め設定された時間間隔である送信間隔で受信する通信部と、
前記通信部が受信した前記エネルギーデータの示す値が異常値であるか否かを判定する異常判定部と、
前記エネルギーデータの示す値が前記異常値であると前記異常判定部によって判定されると、前記エネルギーデータの再送を前記エネルギーデータのデータ送信元である情報処理端末に要求する再送要求を前記通信部に送信させる再送要求部と、を有するエネルギーデータ処理装置。
【請求項8】
前記異常判定部によって前記異常値であると判定された第1データの示す値と、前記再送要求部によって再送が要求されることにより前記情報処理端末から再送された第2データの示す値とを比較するデータ比較部と、
前記第1データの示す値を修正するデータ修正部と、を更に有し、
前記データ修正部は、
前記第1データと前記第2データとが一致しないと前記データ比較部によって判定されると、前記第1データの値を前記第2データの示す値に修正する請求項7に記載のエネルギーデータ処理装置。
【請求項9】
前記異常判定部によって前記異常値であると判定された第1データの示す値と、前記再送要求部によって再送が要求されることにより前記情報処理端末から再送された第2データの示す値とを比較するデータ比較部と、
前記エネルギーデータの示す値が前記異常値となった原因を判定する原因判定部と、を更に有し、
前記原因判定部は、
前記第1データの示す値と前記第2データの示す値とが一致すると前記データ比較部によって判定されると、前記第1データを受信する直前に前記情報処理端末から前記通信部が受信した第3データを参照し、
前記情報処理端末の記憶部に記憶可能な前記エネルギーデータの上限値と前記第3データの示す値との差が、前記エネルギーデータの示す値が前記送信間隔の期間内で増大すると予測される予測値未満であるか否かを判定し、
前記上限値と前記第3データの示す値との差が前記予測値未満であると判定すると、前記異常値の発生した原因が前記エネルギーデータの前記上限値を超える桁あふれであると判定し、
前記上限値と前記第3データの示す値との差が前記予測値以上であると判定すると、前記異常値の発生した原因が前記桁あふれ以外であると判定し、前記第1データを欠損扱いとする請求項7に記載のエネルギーデータ処理装置。
【請求項10】
前記第1データの示す値を修正するデータ修正部を更に有し、
前記データ修正部は、
前記異常値の発生した原因が前記桁あふれであると前記原因判定部によって判定されると、前記第1データの示す値に前記上限値を加算することで、前記第1データを修正する請求項9に記載のエネルギーデータ処理装置。
【請求項11】
前記情報処理端末は、前記エネルギーデータを記憶する記憶部を更に有し、前記記憶部に記憶可能な前記エネルギーデータの上限値を超える桁あふれが発生した場合、前記桁あふれが発生したことを示す桁あふれ発生データを前記サーバ通信部へ送信し、
前記サーバは、前記エネルギーデータの示す値が前記異常値となった原因を判定する原因判定部を更に有し、
前記原因判定部は、前記サーバ通信部を介して前記桁あふれ発生データを受信した場合、前記異常値の発生した原因が前記桁あふれであると判定する請求項1に記載のエネルギーデータ処理システム。
【請求項12】
前記情報処理端末は、前記情報処理端末が交換されたことを示す第1端末交換データを前記サーバ通信部へ送信し、
前記サーバは、前記エネルギーデータの示す値が前記異常値となった原因を判定する原因判定部を更に有し、
前記原因判定部は、前記サーバ通信部を介して前記第1端末交換データを受信した場合、前記異常値の発生した原因が前記情報処理端末の機器交換であると判定する請求項1に記載のエネルギーデータ処理システム。
【請求項13】
前記サーバは、前記エネルギーデータの示す値が前記異常値となった原因を判定する原因判定部を更に有し、
前記原因判定部は、前記情報処理端末に対するメンテナンスデータを記憶するメンテナンスサーバを参照し、前記メンテナンスデータの中に前記情報処理端末の交換を示す第2端末交換データがある場合、前記異常値の発生した原因が前記情報処理端末の機器交換であると判定する請求項1に記載のエネルギーデータ処理システム。
【請求項14】
前記エネルギーデータの示す値が前記異常値となった原因を判定する原因判定部を更に有し、
前記原因判定部は、前記情報処理端末の記憶部に記憶可能な前記エネルギーデータの上限値を超える桁あふれが発生したことを示す桁あふれ発生データを、前記通信部を介して受信した場合、前記異常値の発生した原因が前記桁あふれであると判定する請求項7に記載のエネルギーデータ処理装置。
【請求項15】
前記エネルギーデータの示す値が前記異常値となった原因を判定する原因判定部を更に有し、
前記原因判定部は、前記情報処理端末が交換されたことを示す第1端末交換データを、前記通信部を介して受信した場合、前記異常値の発生した原因が前記情報処理端末の機器交換であると判定する請求項7に記載のエネルギーデータ処理装置。
【請求項16】
前記エネルギーデータの示す値が前記異常値となった原因を判定する原因判定部を更に有し、
前記原因判定部は、前記情報処理端末に対するメンテナンスデータを記憶するメンテナンスサーバを参照し、前記メンテナンスデータの中に前記情報処理端末の交換を示す第2端末交換データがある場合、前記異常値の発生した原因が前記情報処理端末の機器交換であると判定する請求項7に記載のエネルギーデータ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギーデータ処理システム及びエネルギーデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、給湯装置で使用するガス、水道等のエネルギー使用量を表示するエネルギー使用量表示装置が開示されている。特許文献1に開示のエネルギー使用量表示装置は、給湯装置のリモコンに適用される。リモコンは、集計処理部、表示制御部及び表示部を備え、集計処理部は、ガス等の使用量を集計する集計部と、集計部で集計する使用量のデータを所定期間単位で所定期間数分だけ過去に遡って記録する記憶部と、所定時刻となる毎に使用量のデータを集計部から記憶部への書き込みを行わせる集計制御部と、を備える。表示制御部は使用者が要求する期間単位に応じて集計部の集計値と記憶部の記録値との一方又は両方を読み出して使用量の表示用データを作成し、表示部は表示制御部で作成した表示用データに基づいて使用量表示を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のエネルギー使用量表示装置では、例えば、給湯装置の制御盤からリモコンの集計処理部に送信されるデータが異常値を示す場合であっても、異常値が利用者に提示されてしまう虞があり、利用者の利便性に欠ける。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、利用者の利便性の向上を図るエネルギーデータ処理システム及びエネルギーデータ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るエネルギーデータ処理システムの特徴構成は、住宅設備機器を設置する住宅で使用するエネルギーの累積値に関するエネルギーデータを収集する情報処理端末と、前記情報処理端末から、予め設定された時間間隔である送信間隔で前記エネルギーデータを受信するサーバと、を備え、前記サーバは、前記情報処理端末から送信された前記エネルギーデータを受信するサーバ通信部と、前記サーバ通信部が受信した前記エネルギーデータの示す値が異常値であるか否かを判定する異常判定部と、前記エネルギーデータの示す値が前記異常値であると前記異常判定部によって判定されると、前記エネルギーデータの再送を前記情報処理端末に対して要求する再送要求を前記サーバ通信部に送信させる再送要求部と、を有する点にある。
【0007】
このような構成により、情報処理端末から受信したエネルギーデータの示す値が異常値であることを判定できる。また、異常であると異常判定部によって判定されたエネルギーデータの再送を情報処理端末に対して要求することができる。したがって、利用者の利便性を向上させることができる。
【0008】
更に、本発明に係るエネルギーデータ処理システムの特徴構成は、前記再送要求部は、前記情報処理端末から再送された前記エネルギーデータの示す値が、前記異常判定部において前記異常値であると規定回数以上繰り返し判定されると、前記再送要求を中止させる点にある。
【0009】
このような構成により、エネルギーデータの再送が際限なく繰り返されることが防止される。
【0010】
更に、本発明に係るエネルギーデータ処理システムの特徴構成は、前記情報処理端末は、予め設定された時間間隔である指示要求間隔で前記サーバ通信部に対して指示要求を送信し、前記再送要求部は、前記異常判定部において前記異常値であると判定された場合において、前記サーバ通信部が前記指示要求を受信した際に、前記情報処理端末に対する前記再送要求を前記サーバ通信部に送信させる点にある。
【0011】
このような構成により、サーバの負荷を低減することができる。
【0012】
更に、本発明に係るエネルギーデータ処理システムの特徴構成は、前記情報処理端末は、前記エネルギーデータを記憶する記憶部を更に有し、前記サーバは、前記異常判定部によって前記異常値を示すと判定された第1データの示す値と、前記再送要求に応じて前記情報処理端末から再送された第2データの示す値とを比較するデータ比較部と、前記第1データの示す値を修正するデータ修正部と、を更に有し、前記データ修正部は、前記第1データと前記第2データとが一致しないと前記データ比較部によって判定されると、前記第1データの値を前記第2データの示す値に修正する点にある。
【0013】
このような構成により、異常値を示すと判定された第1データの値を修正することができる。
【0014】
更に、本発明に係るエネルギーデータ処理システムの特徴構成は、前記情報処理端末は、前記エネルギーデータを記憶する記憶部を更に有し、前記サーバは、前記異常判定部によって前記異常値を示すと判定された第1データの示す値と、前記再送要求に応じて前記情報処理端末から再送された第2データの示す値とを比較するデータ比較部と、前記エネルギーデータの示す値が前記異常値となった原因を判定する原因判定部と、を更に有し、前記原因判定部は、前記第1データの示す値と前記第2データの示す値とが一致すると前記データ比較部によって判定されると、前記第1データを受信する直前に前記情報処理端末から前記サーバ通信部が受信した第3データを参照し、前記記憶部に記憶可能な前記エネルギーデータの上限値と前記第3データの示す値との差が、前記エネルギーデータの示す値が前記送信間隔の期間内で増大すると予測される予測値未満であるか否かを判定し、前記上限値と前記第3データの示す値との差が前記予測値未満であると判定すると、前記異常値の発生した原因が前記エネルギーデータの前記上限値を超える桁あふれであると判定し、前記上限値と前記第3データの示す値との差が前記予測値以上であると判定すると、前記異常値の発生した原因が前記桁あふれ以外であると判定し、前記第1データを欠損扱いとする点にある。
【0015】
このような構成により、エネルギーデータの示す値が異常値となった原因を特定でき、利用者の利便性が向上する。
【0016】
更に、本発明に係るエネルギーデータ処理システムの特徴構成は、前記サーバは、前記第1データの示す値を修正するデータ修正部を更に有し、前記データ修正部は、前記異常値の発生した原因が前記桁あふれであると前記原因判定部によって判定されると、前記第1データの示す値に前記上限値を加算することで、前記第1データを修正する点にある。
【0017】
このような構成により、エネルギーデータの示す値が異常値となった原因に応じてエネルギーデータの示す値を修正できるため、利用者の利便性が向上する。
【0018】
更に、本発明に係るエネルギーデータ処理装置の特徴構成は、住宅設備機器を設置する住宅で使用するエネルギーの累積値に関するエネルギーデータを、予め設定された時間間隔である送信間隔で受信する通信部と、前記通信部が受信した前記エネルギーデータの示す値が異常値であるか否かを判定する異常判定部と、前記エネルギーデータの示す値が前記異常値であると前記異常判定部によって判定されると、前記エネルギーデータの再送を前記エネルギーデータのデータ送信元である情報処理端末に要求する再送要求を前記通信部に送信させる再送要求部と、を有する点にある。
【0019】
このような構成により、情報処理端末から受信したエネルギーデータの示す値が異常値であることを判定できる。また、異常であると異常判定部によって判定されたエネルギーデータの再送を情報処理端末に対して要求することができる。したがって、利用者の利便性を向上させることができる。
【0020】
更に、本発明に係るエネルギーデータ処理装置の特徴構成は、前記異常判定部によって前記異常値であると判定された第1データの示す値と、前記再送要求部によって再送が要求されることにより前記情報処理端末から再送された第2データの示す値とを比較するデータ比較部と、前記第1データの示す値を修正するデータ修正部と、を更に有し、前記データ修正部は、前記第1データと前記第2データとが一致しないと前記データ比較部によって判定されると、前記第1データの値を前記第2データの示す値に修正する点にある。
【0021】
更に、本発明に係るエネルギーデータ処理装置の特徴構成は、前記異常判定部によって前記異常値であると判定された第1データの示す値と、前記再送要求部によって再送が要求されることにより前記情報処理端末から再送された第2データの示す値とを比較するデータ比較部と、前記エネルギーデータの示す値が前記異常値となった原因を判定する原因判定部と、を更に有し、前記原因判定部は、前記第1データの示す値と前記第2データの示す値とが一致すると前記データ比較部によって判定されると、前記第1データを受信する直前に前記情報処理端末から前記通信部が受信した第3データを参照し、前記情報処理端末の記憶部に記憶可能な前記エネルギーデータの上限値と前記第3データの示す値との差が、前記エネルギーデータの示す値が前記送信間隔の期間内で増大すると予測される予測値未満であるか否かを判定し、前記上限値と前記第3データの示す値との差が前記予測値未満であると判定すると、前記異常値の発生した原因が前記エネルギーデータの前記上限値を超える桁あふれであると判定し、前記上限値と前記第3データの示す値との差が前記予測値以上であると判定すると、前記異常値の発生した原因が前記桁あふれ以外であると判定し、前記第1データを欠損扱いとする点にある。
【0022】
このような構成により、エネルギーデータの示す値が異常値となった原因を特定でき、利用者の利便性が向上する。
【0023】
更に、本発明に係るエネルギーデータ処理装置の特徴構成は、前記第1データの示す値を修正するデータ修正部を更に有し、前記データ修正部は、前記異常値の発生した原因が前記桁あふれであると前記原因判定部によって判定されると、前記第1データの示す値に前記上限値を加算することで、前記第1データを修正する点にある。
【0024】
このような構成により、エネルギーデータの示す値が異常値となった原因に応じてエネルギーデータの示す値を修正できるため、利用者の利便性が向上する。
【0025】
更に、本発明に係るエネルギーデータ処理システムの特徴構成は、前記情報処理端末は、前記エネルギーデータを記憶する記憶部を更に有し、前記記憶部に記憶可能な前記エネルギーデータの上限値を超える桁あふれが発生した場合、前記桁あふれが発生したことを示す桁あふれ発生データを前記サーバ通信部へ送信し、前記サーバは、前記エネルギーデータの示す値が前記異常値となった原因を判定する原因判定部を更に有し、前記原因判定部は、前記サーバ通信部を介して前記桁あふれ発生データを受信した場合、前記異常値の発生した原因が前記桁あふれであると判定する点にある。
【0026】
このような構成により、エネルギーデータの示す値が異常値となった原因を特定でき、利用者の利便性が向上する。また、情報処理端末から送信された桁あふれ発生データに基づいて原因(桁あふれ)を特定することができるため、異常値となった原因の特定精度が向上する。
【0027】
更に、本発明に係るエネルギーデータ処理システムの特徴構成は、前記情報処理端末は、前記情報処理端末が交換されたことを示す第1端末交換データを前記サーバ通信部へ送信し、前記サーバは、前記エネルギーデータの示す値が前記異常値となった原因を判定する原因判定部を更に有し、前記原因判定部は、前記サーバ通信部を介して前記第1端末交換データを受信した場合、前記異常値の発生した原因が前記情報処理端末の機器交換であると判定する点にある。
【0028】
このような構成により、エネルギーデータの示す値が異常値となった原因を特定でき、利用者の利便性が向上する。また、情報処理端末から送信された前記第1端末交換データに基づいて原因(機器交換)を特定することができるため、異常値となった原因の特定精度が向上する。
【0029】
更に、本発明に係るエネルギーデータ処理システムの特徴構成は、前記サーバは、前記エネルギーデータの示す値が前記異常値となった原因を判定する原因判定部を更に有し、前記原因判定部は、前記情報処理端末に対するメンテナンスデータを記憶するメンテナンスサーバを参照し、前記メンテナンスサーバに記憶されるメンテナンスデータの中に前記情報処理端末の交換を示す第2端末交換データがある場合、前記異常値の発生した原因が前記情報処理端末の機器交換であると判定する点にある。
【0030】
このような構成により、エネルギーデータの示す値が異常値となった原因を特定でき、利用者の利便性が向上する。また、メンテナンスサーバに記憶されるメンテナンスデータに基づいて原因(機器交換)を特定することができるため、異常値となった原因の特定精度が向上する。
【0031】
更に、本発明に係るエネルギーデータ処理装置の特徴構成は、前記エネルギーデータの示す値が前記異常値となった原因を判定する原因判定部を更に有し、前記原因判定部は、前記情報処理端末の記憶部に記憶可能な前記エネルギーデータの上限値を超える桁あふれが発生したことを示す桁あふれ発生データを、前記通信部を介して受信した場合、前記異常値の発生した原因が前記桁あふれであると判定する点にある。
【0032】
このような構成により、エネルギーデータの示す値が異常値となった原因を特定でき、利用者の利便性が向上する。また、情報処理端末から送信された桁あふれ発生データに基づいて原因(桁あふれ)を特定することができるため、異常値となった原因の特定精度が向上する。
【0033】
更に、本発明に係るエネルギーデータ処理装置の特徴構成は、前記エネルギーデータの示す値が前記異常値となった原因を判定する原因判定部を更に有し、前記原因判定部は、前記情報処理端末が交換されたことを示す第1端末交換データを、前記通信部を介して受信した場合、前記異常値の発生した原因が前記情報処理端末の機器交換であると判定する点にある。
【0034】
このような構成により、エネルギーデータの示す値が異常値となった原因を特定でき、利用者の利便性が向上する。また、情報処理端末から送信された前記第1端末交換データに基づいて原因(機器交換)を特定することができるため、異常値となった原因の特定精度が向上する。
【0035】
更に、本発明に係るエネルギーデータ処理装置の特徴構成は、前記エネルギーデータの示す値が前記異常値となった原因を判定する原因判定部を更に有し、前記原因判定部は、前記情報処理端末に対するメンテナンスデータを記憶するメンテナンスサーバを参照し、前記メンテナンスデータの中に前記情報処理端末の交換を示す第2端末交換データがある場合、前記異常値の発生した原因が前記情報処理端末の機器交換であると判定する点にある。
【0036】
このような構成により、エネルギーデータの示す値が異常値となった原因を特定でき、利用者の利便性が向上する。また、メンテナンスサーバに記憶されるメンテナンスデータに基づいて原因(機器交換)を特定することができるため、異常値となった原因の特定精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】実施形態に係るエネルギーデータ処理システムの概念図である。
【
図2】実施形態に係る熱源機の構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係るリモコンの構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【
図5】実施形態に係るサーバ記憶部が記憶するエネルギーデータの一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係るエネルギーデータ送信処理を示すシーケンス図である。
【
図7】実施形態に係る異常判定処理を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態に係るデータ判定修正処理を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態に係る原因判定処理を示すフローチャートである。
【
図10A】実施形態に係る原因判定処理時に参照されるエネルギーデータの一例を示す図である。
【
図10B】実施形態に係る原因判定処理時に参照されるエネルギーデータの他例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態に係るエネルギーデータ処理システム及びエネルギーデータ処理装置について、図面を参照して説明する。
【0039】
〔全体概要〕
エネルギーデータ処理システム100は、住宅設備機器を設置する住宅で使用するエネルギーに関するエネルギーデータを処理する。以下では、住宅で使用するエネルギーとしてガスを例に説明する。
【0040】
図1に示すように、エネルギーデータ処理システム100は、住宅設備機器の一例である給湯装置等の熱源機1と、熱源機1からエネルギーデータを収集するリモコン2(情報処理端末の一例)と、リモコン2からエネルギーデータを受信するサーバ3(エネルギーデータ処理装置の一例)とを備える。
【0041】
〔熱源機〕
図2に示すように、熱源機1は、計測部11と、熱源機通信部12と、熱源機制御部15とを有する。計測部11は、ガスが流通する流通経路に設けられる流量計を含む。本実施形態において、計測部11は、ガスの流量を計測し、計測した値を示すデータ(ガス使用量に相当)を出力する。なお、計測部11が出力するデータは、ガス使用量の累積値を示し、エネルギーデータに相当する。
【0042】
熱源機通信部12は、
図1を参照して説明したリモコン2と通信可能に構成される。熱源機通信部12は、有線又は無線の通信方式に対応した通信装置であり、通信装置は、例えば、NIC(Network Interface Card)等を含む。
【0043】
熱源機制御部15は、熱源機1の動作を制御する。熱源機制御部15は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(micro processor unit)等のプロセッサ、RAM(Random Access Memory)といった揮発性メモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)といった不揮発性メモリ等の半導体メモリを含む。
【0044】
不揮発性メモリには、熱源機1の動作を制御するための制御プログラム(以下、「熱源機制御プログラム」という)等が記憶される。熱源機制御部15は、熱源機制御プログラムを実行することにより、熱源機通信制御部151として機能する。
【0045】
熱源機通信制御部151は、計測部11から出力されるデータ、つまり、エネルギーデータを熱源機通信部12にリモコン2へ送信させる。本実施形態では、熱源機通信制御部151は、予め設定された時間間隔(以下、「熱源機送信間隔」という)で、計測部11から出力されるデータを熱源機通信部12にリモコン2へ送信させる。熱源機送信間隔は、エネルギーデータ処理システム100の設計者、利用者等によって任意に変更可能であるが、以下では、1時間であるものとする。すなわち、熱源機通信制御部151は、熱源機送信間隔(1時間)ごとのエネルギーデータ(ガス使用量の累積値を示すデータ)をリモコン2へ送信する。なお、エネルギーデータが送信される際には、どの時間帯のデータであるかを特定できる時間帯情報(時間帯を示すデータ)も送信される。
【0046】
〔リモコン〕
図1を参照して説明したリモコン2は、熱源機1から受信(収集)したエネルギーデータをサーバ3へ送信する。リモコン2は、エネルギーデータを予め設定された時間間隔(以下、「リモコン送信間隔」という)で、サーバ3へ送信する。リモコン送信間隔は、エネルギーデータ処理システム100の設計者、利用者等によって任意に変更可能であるが、本実施形態では、熱源機送信間隔に対応しており、1時間であるものとする。つまり、リモコン2は、熱源機1からエネルギーデータを受信すると、受信したエネルギーデータをサーバ3へ送信する。なお、エネルギーデータが送信される際には、どの時間帯のデータであるかを特定できる時間帯情報(時間帯を示すデータ)も送信される。
【0047】
図3に示すように、リモコン2は、リモコン操作部21と、リモコン表示部22と、リモコン通信部23と、リモコン記憶部24(記憶部の一例)と、リモコン制御部25とを有する。
【0048】
リモコン操作部21は、熱源機1及び/又はリモコン2に対する操作を受け付ける。リモコン操作部21は、タッチセンサー、複数の操作スイッチ等である。例えば、利用者が、所望の期間(1時間、1日間、1週間、1か月間、1年間等)を指定してエネルギーデータの集計を指示する操作をリモコン操作部21に対して行うと、リモコン制御部25は、リモコン記憶部24に記憶されているエネルギーデータに基づいて、指定された期間でエネルギーデータを集計し、集計結果をリモコン表示部22に表示させる。
【0049】
リモコン表示部22は、リモコン2に対する操作画面等の各種画面を表示する。リモコン表示部22は、液晶ディスプレー、有機EL(organic electro-luminescence)等である。
【0050】
リモコン通信部23は、熱源機1(
図1参照)及びサーバ3(
図1参照)と通信可能に構成される。リモコン通信部23は、有線又は無線の通信方式に対応した通信装置であり、通信装置は、例えば、NIC等を含む。リモコン通信部23は、有線又は無線によって熱源機1(
図2を参照して説明した熱源機通信部12)と通信を行い、インターネット等の通信回線を介してサーバ3と通信を行う。なお、リモコン通信部23は、熱源機1と通信を行う通信装置と、サーバ3と通信を行う通信装置とをそれぞれに別々に有してもよい。
【0051】
リモコン記憶部24は、リモコン通信部23が受信したエネルギーデータを含む各種データを記憶する。リモコン記憶部24は、例えばDRAMといった揮発性の半導体メモリで構成される。リモコン記憶部24の記憶領域の容量には上限があり、リモコン記憶部24に記憶することができるエネルギーデータの値には上限値がある。リモコン記憶部24に記憶されるエネルギーデータの値が上限値を超えると、桁あふれ(オーバーフロー)が発生する。
【0052】
リモコン制御部25は、リモコン2の動作を制御する。リモコン制御部25は、CPU、MPU等のプロセッサ、RAMといった揮発性メモリ、EEPROMといった不揮発性メモリ等の半導体メモリを含む。不揮発性メモリには、リモコン2を制御するための制御プログラム(以下、「リモコン制御プログラム」という)等が記憶される。リモコン制御部25は、リモコン制御プログラムを実行することにより、リモコン通信制御部251として機能する。
【0053】
リモコン通信制御部251は、リモコン通信部23の動作を制御する。本実施形態では、リモコン通信制御部251は、制御方式の一種であるポーリング方式によって、リモコン通信部23の動作を制御する。リモコン通信制御部251は、リモコン通信部23がエネルギーデータを受信すると、エネルギーデータをリモコン記憶部24に記憶させる。また、リモコン通信制御部251は、エネルギーデータをリモコン送信間隔でリモコン通信部23にサーバ3へ送信させる。以下、エネルギーデータをリモコン通信部23に送信させる処理を「送信処理」という。リモコン通信制御部251は、例えば、あるタイミング(例えば2023年3月3日7:00)にエネルギーデータを熱源機1からリモコン通信部23が受信すると、予め設定された時間(例えば、1分)経過した後(例えば2023年3月3日7:01)に、当該受信したエネルギーデータ(累積値を示すデータ)をリモコン通信部23にサーバ3へ送信させる。つまり、本実施形態では、熱源機送信間隔とリモコン送信間隔とは対応しており、同じ間隔である。
【0054】
また、本実施形態において、リモコン通信制御部251は、サーバ3からのリモコン2に対する指示の有無を確認するための指示要求(指示要求を示す信号)をリモコン通信部23に送信させる。リモコン通信制御部251は、送信処理を実行してから予め設定された時間(例えば1分)経過した後に、リモコン通信部23に指示要求を送信させる。つまり、リモコン通信部23が指示要求を送信する時間間隔(指示要求間隔)は、リモコン送信間隔と同じ間隔であって、リモコン通信部23は、指示要求間隔でサーバ3に対して指示要求を送信する。以下、指示要求をリモコン通信部23に送信させる処理を「指示要求送信処理」という。
【0055】
〔サーバ〕
図1を参照して説明したサーバ3は、リモコン2からエネルギーデータをリモコン送信間隔で受信する。サーバ3は、受信したエネルギーデータに対する処理(以下、「データ処理」という)を行う。データ処理は、例えば、エネルギーデータを集計する処理、集計した処理を出力する処理等を含む。
【0056】
図4に示すように、サーバ3は、サーバ操作部31と、サーバ表示部32と、サーバ通信部33と、サーバ記憶部34と、サーバ制御部35とを有する。
【0057】
サーバ操作部31は、サーバ3に対する操作を受け付ける。サーバ操作部31は、キーボード、マウス、タッチセンサー等である。例えば、利用者が通信に関する設定を変更する操作をサーバ操作部31に対して行うと、サーバ制御部35がサーバ記憶部34に記憶されている通信の設定に関するデータを変更する。あるいは、利用者が、所望の期間を指定してエネルギーデータの集計を指示する操作をサーバ操作部31に対して行うと、サーバ制御部35は、サーバ記憶部34に記憶されているエネルギーデータに基づいて、指定された期間でエネルギーデータを集計し、集計結果をサーバ表示部32に表示させる。
【0058】
サーバ表示部32は、サーバ3に対する操作画面等の各種画面を表示する。サーバ表示部32は、液晶ディスプレー、有機EL等である。
【0059】
サーバ通信部33は、有線又は無線の通信方式に対応した通信装置であって、インターネット等の通信回線を介してリモコン2と通信を行う。通信装置は、例えば、NIC等を含む。サーバ通信部33は、リモコン2から送信されたエネルギーデータを受信する。
【0060】
サーバ記憶部34は、サーバ通信部33が受信したエネルギーデータを含む各種データを記憶する。サーバ記憶部34は、SSD(Solid State Drive)といった不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク等で構成される補助記憶装置である。
【0061】
サーバ制御部35は、サーバ3の動作を制御する。サーバ制御部35は、CPU等のプロセッサ、RAMといった揮発性メモリ、EEPROMといった不揮発性メモリ等の半導体メモリを含む。不揮発性メモリには、サーバ3を制御するための制御プログラム(以下、「サーバ制御プログラム」という)等が記憶される。
【0062】
サーバ制御部35は、サーバ制御プログラムを実行することにより、サーバ通信制御部351、異常判定部352、再送要求部353、データ比較部354、予測値取得部355、原因判定部356、及びデータ修正部357として機能する。
【0063】
サーバ通信制御部351は、サーバ通信部33の動作を制御する。サーバ通信制御部351は、サーバ通信部33がエネルギーデータを受信すると、エネルギーデータをサーバ記憶部34に記憶させる。例えば、
図5に示すように、サーバ記憶部34は、リモコン送信間隔(本実施形態では1時間)ごとに受信したエネルギーデータを1レコードとして記憶する。なお、
図5は、サーバ記憶部34が記憶するエネルギーデータの一例を示す図である。
【0064】
図4に示される異常判定部352は、サーバ通信部33が受信したエネルギーデータの示す値が異常値であるか否かを判定する。以下、異常判定部352によって異常値を示すと判定されたエネルギーデータを「異常データ」(第1データの一例)といい、受信したエネルギーデータの示す値が異常値であるか否かを異常判定部352によって判定される処理を「異常判定処理」という。
【0065】
再送要求部353は、エネルギーデータの示す値が異常値であると異常判定部352によって判定されると、リモコン2に対してエネルギーデータの再送を要求する再送要求(再送要求を示す信号)を、サーバ通信制御部351を介してサーバ通信部33に送信させる(以下、「再送要求処理」という)。本実施形態では、再送要求部353は、サーバ通信部33が指示要求をリモコン通信部23から受信すると、再送要求を、サーバ通信制御部351を介してサーバ通信部33に送信させる。リモコン2(リモコン通信部23)は、再送要求を受信すると、直前に送信したエネルギーデータを再送する。以下、再送要求に応じてリモコン2から再送されたエネルギーデータを「再送データ」(第2データの一例)といい、リモコン通信部23がエネルギーデータを再送する処理を「再送処理」という。
【0066】
データ比較部354は、サーバ通信部33が再送データを受信すると、異常データの示す値と再送データの示す値とを比較し、異常データの示す値と再送データの示す値とが一致するか否かを判定する(以下、「比較処理」という)。
【0067】
予測値取得部355は、リモコン送信間隔において、エネルギーが使用されてエネルギーデータの示す値が増大すると予測される予測値を算出する。予測値取得部355は、例えば、過去の同一時間帯における使用実績(平日の朝、休日の朝等)、気温、湿度等の天候に基づいて予測値を取得する。
【0068】
原因判定部356は、エネルギーデータ(異常データ)の示す値が異常値となった原因を判定する(以下、「原因判定処理」という)。詳しくは、異常データの示す値と再送データの示す値とが一致するとデータ比較部354によって判定されると、異常データを受信する直前にリモコン2からサーバ通信部33が受信した直前データ(第3データの一例)を参照し、リモコン記憶部24に記憶可能なエネルギーデータの上限値と直前データの示す値との差が、リモコン送信間隔において、エネルギーデータの示す値が増大すると予測される予測値未満であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて異常値の発生した原因を判定する。
【0069】
データ修正部357は、異常データの示す値を修正する。詳しくは、データ修正部357は、データ比較部354による比較処理の結果に基づいて異常データの示す値を修正する(以下、「第1データ修正処理」という)。あるいは、データ修正部357は、原因判定部356による原因判定処理の結果に基づいて異常データの示す値を修正する(以下、「第2データ修正処理」という)。
【0070】
続いて、
図6~
図10Bを参照して、リモコン2からサーバ3へエネルギーデータが送信されるエネルギーデータ送信処理について説明する。
図6は、エネルギーデータ送信処理を示すシーケンス図である。なお、
図6は、エネルギーデータの示す値が異常値である場合のエネルギーデータ送信処理を示す。
図7は、異常判定処理を示すフローチャートであり、
図8は、データ判定修正処理を示すフローチャートであり、
図9は、原因判定処理を示すフローチャートである。
【0071】
図6に示すように、リモコン2がエネルギーデータを送信し、サーバ3がエネルギーデータを受信すると(送信処理;ST1)、サーバ3は、受信したエネルギーデータの示す値が異常値であるか否かを判定する(異常判定処理;ST2)。なお、リモコン2から受信したエネルギーデータは、サーバ記憶部34に記憶される。
【0072】
異常判定処理では、
図7に示すように、異常判定部352は、受信したエネルギーデータが欠損データであるか否かを判定する(ステップS101)。なお、本実施形態では、欠損データは、「NULL」、又は、受信したエネルギーデータの示す値が「0」であるデータをいい、以下では、欠損データの示す値を「欠損値」という。
【0073】
異常判定部352は、受信したエネルギーデータが欠損データであると判定すると(ステップS101;Yes)、エネルギーデータが異常(エネルギーデータの示す値が異常値)であると判定する(ステップS103)。
【0074】
一方、異常判定部352は、エネルギーデータが欠損データではないと判定すると(ステップS101;No)、受信したエネルギーデータの示す値が異常値(欠損値以外の異常値)であるか否かを判定するために、受信したエネルギーデータの示す値と直前データの示す値とを比較する。
【0075】
本実施形態では、エネルギーデータの示す値が累積値であるため、異常判定部352は、受信したエネルギーデータの示す値が直前データの示す値よりも小さいか否かを判定することにより受信したエネルギーデータの示す値が異常値であるか否かを判定する(ステップS105)。なお、直前データは、サーバ通信部33が異常データを受信する直前であって、リモコン送信間隔(本実施形態では1時間)分だけ前にリモコン2から受信したエネルギーデータである。
【0076】
例えば、
図5に示す例において、受信したエネルギーデータが2023年3月3日7:01である場合、直前データは、2023年3月3日6:01分(1時間前)にサーバ通信部33が受信したエネルギーデータに相当する。
【0077】
異常判定部352は、受信したエネルギーデータの示す値が直前データの示す値よりも小さいと判定すると(ステップS105;Yes)、当該受信したエネルギーデータが異常(異常データ)であると判定し、異常判定処理を終了する。
【0078】
例えば、
図5に示す例において、2023年3月3日7:01に受信したエネルギーデータの示す値が「155」でなく、「5」である場合、直前データ(2023年3月3日6:01に受信したエネルギーデータ)の示す値が「150」であることから、異常判定部352は、受信したエネルギーデータの示す値が直前データの示す値よりも小さいと判定する。
【0079】
一方、異常判定部352は、受信したエネルギーデータの示す値が直前データの示す値よりも小さくないと判定すると(ステップS105;No)、当該受信したエネルギーデータが正常であると判定して(ステップS107)、異常判定処理を終了する。
【0080】
例えば、
図5に示す例において、2023年3月3日7:01に受信したエネルギーデータの示す値が
図5に示す通り「155」である場合、直前データの示す値が「150」であることから、異常判定部352は、受信したエネルギーデータの示す値が直前データの示す値よりも小さくないと判定する。
【0081】
異常判定処理が終了すると、
図6に戻り、リモコン2からの指示要求を受信するまでサーバ3は、待機する。
【0082】
リモコン2は、送信処理(ST1)から予め設定された時間が経過すると、指示要求を送信する(指示要求送信処理;ST3)。
図6に示す例では、受信したエネルギーデータの示す値が異常値、すなわち、エネルギーデータが異常であると判定しているため、サーバ3は、指示要求を受信すると再送要求を送信する(再送要求処理;ST4)。なお、受信したエネルギーデータの示す値が異常値ではない、すなわち、エネルギーデータが正常であると判定された場合、再送要求処理ST4以降の処理は実行されず、リモコン送信間隔ごとに送信処理が実行される。
【0083】
リモコン2は、サーバ3から再送要求を受信すると、エネルギーデータを再送する(再送処理;ST5)。
【0084】
詳しくは、リモコン2のリモコン通信部23は、サーバ3へ送信したエネルギーデータのうち最新の(2023年3月3日7:01に送信した)エネルギーデータを再送する(ST5)。
【0085】
サーバ3は、再送されたエネルギーデータを受信すると、データ判定修正処理を実行する。データ判定修正処理では、サーバ3は、異常データの示す値の修正のための判定が行われる(データ判定修正処理;ST6)。
【0086】
詳しくは、
図8に示すように、データ比較部354は、異常データの示す値と再送データの示す値とが一致するか否かを判定する(ステップS201)。
【0087】
データ比較部354が異常データの示す値と再送データの示す値とが一致しないと判定すると(ステップS201;No)、データ修正部357は、異常であると判定されたエネルギーデータの示す値(当該再送データに対応するエネルギーデータであって、リモコン2から受信したエネルギーデータのうちの当該再送データの受信直前に受信した再送データ以外のエネルギーデータ)を修正する第1データ修正処理を実行する(ステップS203)。例えば、異常データの示す値が「5」であり、再送データの示す値が「155」である場合、データ比較部354は、異常データの示す値と再送データの示す値とが一致しないと判定する。
【0088】
第1データ修正処理では、データ修正部357は、異常であると判定されたエネルギーデータ、すなわち、異常データの示す値を再送データの示す値に修正する。例えば、データ修正部357は、異常データの示す値が「5」であり、再送データの示す値が「155」である場合、エネルギーデータ(異常データ)の示す値を「155」に修正する。なお、修正される対象のエネルギーデータ(異常データ)は、サーバ記憶部34に記憶されている。
【0089】
一方、データ比較部354が異常データの示す値と再送データの示す値とが一致すると判定すると(ステップS201;Yes)、原因判定部356によって原因判定処理が実行される(ステップS205)。例えば、異常データの示す値が「5」であり、再送データの示す値が「5」である場合、異常データの示す値と再送データの示す値とが一致するとデータ比較部354によって判定され、原因判定部356によって原因判定処理が実行される。
【0090】
ステップS205では、原因判定部356は、サーバ記憶部34に記憶されるエネルギーデータのうち、サーバ通信部33が異常データ(例えば、2023年3月3日7:01に受信したエネルギーデータ)を受信する直前に受信したエネルギーデータ(2023年3月3日6:01に受信したエネルギーデータ)を参照して、異常データが異常となった原因を判定する。
【0091】
原因判定部356は、異常データを受信する直前の直前データがリモコン記憶部24に記憶可能な値の上限値(以下、単に「上限値」という)に近い値か否かを判定することにより、リモコン2のリモコン記憶部24において桁あふれが発生したか否かを判定する。
【0092】
詳しくは、
図9に示すように、原因判定部356は、上限値と異常データを受信する直前の直前データの示す値との差が、リモコン送信間隔(本実施形態では1時間)において、エネルギーが使用されて、エネルギーデータの示す値が増大すると予測される予測値未満であるか否かを判定する(ステップS301)。なお、予測値は、予測値取得部355によって予め取得されている。
【0093】
原因判定部356は、上限値と異常データを受信する直前の直前データの示す値との差が予測値未満であると判定すると(ステップS301;Yes)、エネルギーデータに対する桁あふれの発生を異常値が発生した原因であると判定する(ステップS303)。
【0094】
一方、上限値と異常データを受信する直前の直前データの示す値との差が予測値未満ではないと判定すると(ステップS301;No)、異常値の発生した原因が桁あふれ以外であると判定し、異常データ(エネルギーデータ)を欠損データ扱い(欠損扱いであって、欠損データとみなす)とする(ステップS305)。
【0095】
例えば、
図10Aに示すように、リモコン記憶部24に記憶可能な値の上限値が「999」、異常データを受信する直前の直前データの示す値が「998」であって、予測値が「5」である場合、上限値と当該直前データの示す値との差は、「1」であり、予測値「5」未満である。このため、原因判定部356は、桁あふれの発生を異常値が発生した原因であると判定する。
【0096】
一方、
図10Bに示すように、上限値が「999」、予測値が「5」である場合において、異常データを受信する直前の直前データの示す値が「150」である場合、上限値と当該直前データの示す値との差は、「849」であり、予測値「5」以上である。このため、原因判定部356は、異常値の原因が桁あふれ以外であると判定し、異常データを欠損データ扱いとする。なお、
図10Aは、原因判定処理時に原因判定部356によって参照されるエネルギーデータの一例を示す図であり、
図10Bは、原因判定処理時に原因判定部356によって参照されるエネルギーデータの他例を示す図である。
【0097】
原因判定部356によって、異常の原因が判定されると、原因判定部356による異常の原因に基づいて異常であると判定されたエネルギーデータの示す値をデータ修正部357が修正する第2データ修正処理が実行される(ステップS307)。詳しくは、データ修正部357は、原因判定部356の原因判定結果に基づいて、異常であると判定されたエネルギーデータ(当該再送データに対応するエネルギーデータであって、リモコン2から受信したエネルギーデータのうちの当該再送データの受信直前に受信した再送データ以外のエネルギーデータ)の示す値を修正する。
【0098】
詳しくは、データ修正部357は、異常値の発生した原因が桁あふれであると原因判定部356によって判定されると、上限値と異常データの示す値とに基づいて、異常データ(異常データの示す値)を修正する。本実施形態では、データ修正部357は、エネルギーデータが累積値であるため、上限値に異常データの示す値を加算して得た値に異常データの示す値を修正する。データ修正部357は、例えば、上限値が「999」であり、異常データの示す値が「5」である場合、異常データの示す値として、「999」に「5」を加算した値である「1004」に修正し、データ判定修正処理を終了する。
【0099】
以降、
図6に示すエネルギーデータ送信処理がリモコン通信間隔で繰り返し実行される。
【0100】
〔実施形態の作用効果〕
以上のように、本実施形態に係るエネルギーデータ処理システム100によれば、リモコン2から受信したエネルギーデータの示す値が異常値であることを判定できる。したがって、利用者の利便性を向上させることができる。
【0101】
また、本実施形態によれば、異常であると異常判定部352によって判定されたエネルギーデータの再送をリモコン2に対して要求することができる。したがって、利用者の利便性を向上させることができる。
【0102】
また、本実施形態によれば、異常判定部352において異常値であると判定された場合において、リモコン2からの指示要求を受信した際に、リモコン2に対する再送要求をサーバ通信部33に送信させるため、サーバ3の負荷を低減することができる。
【0103】
また、本実施形態によれば、サーバ3は、異常判定部352によって異常値を示すと判定された異常データ(第1データ)が示す値と、再送要求に応じてリモコン2から再送された再送データ(第2データ)が示す値が一致しないと判定されると、異常データの示す値を再送データの示す値に修正するため、異常を示すと判定されたデータの値を修正することができる。
【0104】
また、本実施形態によれば、エネルギーデータの示す値が異常値となった原因に応じてエネルギーデータの示す値を修正できるため、利用者の利便性が向上する。
〔別実施形態〕
【0105】
(1)リモコン2は、桁あふれが発生した場合、リモコン通信部23を介して、桁あふれが発生したことを示す桁あふれ発生データ(オーバーフロー発生データ)を、リモコン通信部23を介してサーバ3(サーバ通信部33)に送信してもよい。桁あふれ発生データは、例えば、リモコン2を識別する識別データ(MACアドレス等)、桁あふれが発生した日時データ、及び、桁あふれが発生した累積回数データを含む。なお、桁あふれ発生データは、桁あふれが発生したことを示すフラグであってもよい。サーバ3の原因判定部356は、桁あふれ発生データを、サーバ通信部33を介して受信した場合、桁あふれ発生データを送信したリモコン2からのエネルギーデータ(異常データ)の示す値が異常値となった原因として、桁あふれが発生したと判定する。桁あふれ発生データは、エネルギーデータを送信するタイミングと同じタイミングでサーバ3に送信されてもよいし、異なるタイミングでサーバ3に送信されてもよい。
また、リモコン2は、故障等が発生した場合に旧端末から新端末へ交換されることもある。リモコン2が交換された場合、交換後の新端末であるリモコン2は、リモコン2の交換を示す第1端末交換データを、リモコン通信部23を介してサーバ3(サーバ通信部33)に送信してもよい。サーバ3の原因判定部356は、第1端末交換データを、サーバ通信部33を介して受信した場合、第1端末交換データを送信したリモコン2からのエネルギーデータ(異常データ)の示す値が異常値となった原因として、リモコン2が交換された(機器交換があった)と判定する。なお、第1端末交換データは、機器交換を示すフラグであってもよい。第1端末交換データは、エネルギーデータを送信するタイミングと同じタイミングでサーバ3に送信されてもよいし、異なるタイミングでサーバ3に送信されてもよい。
また、原因判定部356は、複数の住宅で使用される住宅設備機器(熱源機1、リモコン2等)に対するメンテナンスデータを記憶するメンテナンスサーバを参照し、メンテナンスサーバに記憶されるデータ(以下、「メンテナンスデータ」という)の中にリモコン2の交換を示すデータ(以下、「第2端末交換データ」という)があるか否か判定(第2端末交換データ検索)してもよい。なお、サーバ3は、サーバ通信部33を介してメンテナンスサーバと通信可能である。
原因判定部356は、メンテナンスサーバに記憶されるメンテナンスデータの中にリモコン2の交換を示すデータ(例えば、熱源機1に関連付けられるリモコン2の変更履歴のデータ)がある場合、当該リモコン2が送信するエネルギーデータ(異常データ)の示す値が異常値となった原因として、リモコン2が交換された(機器交換があった)と判定してもよい。なお、メンテナンスサーバは、リモコン2の交換を示すフラグデータを記憶し、原因判定部356は、リモコン2の交換を示すフラグデータを参照することにより、リモコン2の交換の有無を判定してもよい。
メンテナンスサーバは、エネルギーデータ処理システム100の外部に配置されるサーバであり、複数の住宅で使用される住宅設備機器に対するメンテナンスの履歴をメンテナンスデータとして記憶する。メンテナンスデータは、住宅設備機器に対するメンテナンスを担当したメンテナンス作業員によって更新される。メンテナンス作業員は、リモコン2を旧端末から新端末に交換すると、リモコン2の交換を示すメンテナンスデータをメンテナンスサーバに記憶させる。
【0106】
(2)本実施形態では、熱源機1からサーバ3へ送信されるエネルギーデータの示す値が累積値である場合を説明したが、熱源機1からサーバ3へ送信されるエネルギーデータの示す値は、累積値でなく差分値であってもよく、エネルギーデータは、住宅設備機器を設置する住宅で使用するエネルギーの累積値だけでなく、累積値に基づくエネルギーの差分値を含んでもよい。エネルギーの差分値は、例えば、熱源機1、リモコン2等によって算出される。この場合、予測値取得部355は、差分値として予測される予測値の範囲(下限値及び上限値)を予め取得し、異常判定部352は、受信したエネルギーデータの示す値(差分値)が予測値の範囲(下限値以上かつ上限値以下)であるか否かを判定することにより、エネルギーデータの示す値が異常値であるか否かを判定する。
【0107】
(3)本実施形態では、再送データを受信すると、データ比較部354によって、比較処理が実行されたが、データ比較部354による比較処理の前に、異常判定部352によって再送されたデータの示す値が異常値であるか否かが判定されてもよい。異常判定部352によって再送されたデータ(再送データ)の示す値が異常値ではないと判定されると、データ比較部354によって異常データの示す値と再送データの示す値とが一致するか否かを判定されてもよい。一方、異常判定部352によって再送データの示す値が異常値であると判定されると、リモコン通信部23からの指示要求に応じて、サーバ通信部33によって再送要求が送信されてもよい。
【0108】
(4)本実施形態において、再送要求部353は、リモコン2から受信したエネルギーデータが異常値であると判定されると、再送要求を1回だけサーバ通信部33に送信させたが、再送要求部353は、再送要求の上限回数として予め設定された回数(例えば5回)サーバ通信部33に再送要求を送信させてもよい。この場合において、再送要求部353は、異常判定部352においてリモコン2から送信されたエネルギーデータの示す値が異常であると判定されることが予め規定された規定回数(例えば、2回)連続すると、サーバ通信部33に再送要求の送信を中止させてもよい。つまり、再送されたエネルギーデータの示す値が異常判定部352によって異常であると判定されることが複数回以上繰り返されると、再送要求が中止されてもよい。これにより、エネルギーデータの再送が際限なく繰り返されることが防止される。なお、異常判定部352によって異常であると判定されることが複数回以上繰り返されて再送要求が中止された場合において、データ修正部357は、再送データの示す値のうち最も頻度の高い値に異常データを修正してもよい。あるいは、異常判定部352によって再送データが異常であるか否かを判定する場合、異常データが示す値を異常判定部352によって異常でないと判定された再送データが示す値に修正してもよい。
【0109】
(5)異常判定部352は、サーバ通信部33が受信したエネルギーデータの示す値が異常値であると判定した場合、エネルギーデータの示す値が異常値(欠損データ又は欠損データ扱い)である旨を出力部の一例としてのサーバ表示部32に表示させ、利用者に通知してもよい。あるいは、出力部の一例としてのサーバ通信部33を介して異常値であることを示す情報をリモコン2へ送信し、リモコン表示部22にエネルギーデータの示す値が異常値である旨を表示させてもよい。これにより、利用者は、エネルギーデータが異常値を示すことを知ることができ、利用者の利便性が向上する。
【0110】
(6)原因判定部356は、判定した原因を出力部の一例であるサーバ表示部32に表示させ、利用者に通知してもよい。あるいは、サーバ通信部33(出力部の一例)を介して判定した原因を示す情報をリモコン2へ送信し、リモコン表示部22に判定した原因を表示させてもよい。これにより、利用者は、エネルギーデータが異常となった原因を知ることができ、利用者の利便性が向上する。
【0111】
(7)また、本実施形態では、リモコン2及びサーバ3の双方でエネルギーデータを集計する場合を説明したが、エネルギーデータは、リモコン2又はサーバ3で集計されればよい。また、集計した結果もリモコン2のリモコン表示部22又はサーバ3のサーバ表示部32に表示されればよい。
【0112】
(8)本実施形態において、リモコン記憶部24がリモコン制御部25とは別で設けられたが、リモコン記憶部24は、リモコン制御部25に含まれてもよい。
【0113】
(9)本実施形態において、エネルギーデータがリモコン2を介してサーバ3へ送信されたが、エネルギーデータは、リモコン2を介さずに、熱源機1からサーバ3へ直接送信されてもよい。この場合、熱源機1の熱源機通信部12とサーバ3のサーバ通信部33とは、互いに通信可能に接続される。
【0114】
(10)本実施形態において、情報処理端末としてリモコン2を例に説明したが、このような情報処理端末は、リモコン2に限定されず、例えば、タブレット端末、携帯端末及びパーソナルコンピュータのいずれかであってもよい。
【0115】
(11)上記各実施形態では、エネルギーデータ処理システム100が、熱源機1、リモコン2及びサーバ3をそれぞれ1つずつ備え、サーバ3が1つの熱源機1のエネルギーデータを集計する場合を説明したが、エネルギーデータ処理システム100は、熱源機1及びリモコン2を複数備え、サーバ3が複数の熱源機1のエネルギーデータを集計してもよい。あるいは、複数の熱源機1のエネルギーデータを複数のサーバで分散して集計してもよい。
【0116】
(12)本実施形態では、住宅設備機器の一例として熱源機1を例に説明したが、住宅設備機器は、燃料電池装置、太陽光発電装置等であってもよい。また、住宅設備機器は、浴室乾燥暖房機、床暖房装置等のガス機器を含んでいてもよいし、当該ガス機器が設置される住宅で使用されるエネルギーに関するデータを取得するために必要なデータを計測するエネルギー計測装置(分電盤等に設けられる電力計測装置、水道メータなど)を含んでいてもよい。この場合、リモコン2は、太陽光発電装置、燃料電池装置(住宅設備機器の一例)等の熱源機1以外の機器から出力されるデータもエネルギーデータとして収集する。リモコン2は、例えば、エネルギーデータ処理システム100が燃料電池装置を備える場合において、ガス消費量(発電ユニット)(累積値)、水消費量(累積値)、CGS発電量(自家使用)(累積値)、BU熱利用量(累積値)、BU利用時間(累積値)、CGS発電量(ヒータ消費)等をエネルギーデータとして収集する。また、リモコン2は、例えば、エネルギーデータ処理システム100が太陽光発電装置を備える場合において、太陽光発電量(累積値)等をエネルギーデータとして収集する。つまり、本実施形態では、エネルギーデータの一例としてガス使用量を例に説明したが、エネルギーデータはガス使用量に限定されず、水消費量、湯消費量、給湯・風呂給湯使用熱量、暖房追い炊き使用ガス量、風呂給湯水量、電気使用量、購入電気料金、ガス料金、水道料金、光熱費合計、CO2排出量等であってもよい。また、エネルギーデータ処理システム100が燃料電池装置(発電ユニット)を備える場合において、エネルギーデータは、ガス使用量(発電ユニット)、CGS(Co-Generation System)発電量(自家使用)、逆潮発電量(売電電力量)、BU熱利用量、排熱利用量、CGS発電量(ヒータ消費)等であってもよい。また、エネルギーデータ処理システム100が太陽光発電装置を備える場合において、エネルギーデータは、太陽光発電量であってもよい。
【0117】
なお、上記の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、エネルギーデータ処理システム及びエネルギーデータ処理装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0119】
2 :リモコン(情報処理端末)
3 :サーバ(エネルギーデータ処理装置)
24 :リモコン記憶部(記憶部)
33 :サーバ通信部(通信部)
100 :エネルギーデータ処理システム
352 :異常判定部
353 :再送要求部
354 :データ比較部
356 :原因判定部
357 :データ修正部