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特開2024-144319サンプル採取装置およびサンプル採取方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144319
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】サンプル採取装置およびサンプル採取方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/018 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A61B1/018 511
【審査請求】未請求
【請求項の数】36
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024050346
(22)【出願日】2024-03-26
(31)【優先権主張番号】63/492,823
(32)【優先日】2023-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/472,481
(32)【優先日】2023-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー アール. ピロッツィ
(72)【発明者】
【氏名】ケスター ジュリアン バチェラー
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF43
(57)【要約】
【課題】生体物質のサンプルを良好に収集すること。
【解決手段】サンプル採取装置は、近位端部、および凹凸のある掻取り体を有する遠位端部を含むシャフトと、シャフトの上で摺動して、凹凸のある掻取り体を交互に覆ったり覆いを取ったりするように構成されたシースとを備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端部、および凹凸のある掻取り体を有する遠位端部を含むシャフトと、
前記シャフトの上で摺動して、前記凹凸のある掻取り体を交互に覆ったり覆いを取ったりするように構成されたシースと、を備えるサンプル採取装置。
【請求項2】
前記シャフトを配置できる作業チャネルを有する挿入部と、
前記作業チャネルから延ばされたときに、前記凹凸のある掻取り体を視認可能に構成された撮像装置と、を含む内視鏡をさらに備える、請求項1に記載のサンプル採取装置。
【請求項3】
前記内視鏡を受けるように構成された十二指腸内視鏡をさらに備える、請求項2に記載のサンプル採取装置。
【請求項4】
前記シャフトは、前記凹凸のある掻取り体の遠位に配置された無外傷性先端をさらに備え、
前記無外傷性先端は、可撓性キャップを含む、請求項1に記載のサンプル採取装置。
【請求項5】
前記シャフトは、前記近位端部に接続されたハンドピースをさらに備える、請求項1に記載のサンプル採取装置。
【請求項6】
前記シースは、前記シャフトに沿って前記シースが摺動するのを容易にするためのアクチュエータを備える、請求項1に記載のサンプル採取装置。
【請求項7】
前記アクチュエータは、ノブを備える、請求項6に記載のサンプル採取装置。
【請求項8】
前記凹凸のある掻取り体は、
複数の歯と、
前記複数の歯が散在する複数のポケットと、を含む、請求項1に記載のサンプル採取装置。
【請求項9】
前記凹凸のある掻取り体は、
組織をスライスするかまたは擦るように構成された複数行の切断要素と、
前記複数行の切断要素から組織を受けるように構成された内部貯蔵空間と、を備える、請求項1に記載のサンプル採取装置。
【請求項10】
前記内部貯蔵空間は、前記シャフトの内側に凹んだ複数のポケットを含み、
前記切断要素のそれぞれは、前記複数のポケットのうちの1つの上に張り出し、軸線方向に突出した縁部を含む、請求項9に記載のサンプル採取装置。
【請求項11】
前記切断要素のそれぞれは、軸線方向に突出した鈍端を備える、請求項10に記載のサンプル採取装置。
【請求項12】
前記内部貯蔵空間は、
前記複数のポケットのそれぞれから延びている複数の径方向延長通路と、
前記シャフトを通って軸線方向に延びているルーメンと、をさらに備える、請求項10に記載のサンプル採取装置。
【請求項13】
前記複数のポケットのそれぞれは、前記シャフトに外接する環状ポケットを含む、請求項10に記載のサンプル採取装置。
【請求項14】
前記複数のポケットのそれぞれは、前記シャフトにわたって径方向に延びている軸線方向ポケットを含む、請求項10に記載のサンプル採取装置。
【請求項15】
前記内部貯蔵空間は、前記シャフトを通って軸線方向に延びているルーメンを含み、
前記切断要素のそれぞれは、
刃先と、
前記ルーメンに接続している前記シャフト内の開口部と、を形成するように、前記シャフトから所定の角度で外方に突出しているタブを含む、請求項10に記載のサンプル採取装置。
【請求項16】
前記内部貯蔵空間の少なくとも一部を画定するように、前記シャフト内に延びている長手方向ルーメンと、
前記シャフトの少なくとも一部に沿って延びているスリットと、
前記長手方向ルーメンに沿って摺動するように構成されたパドルと、
前記スリットを通って前記パドルから延びているハンドルと、をさらに備える、請求項9に記載のサンプル採取装置。
【請求項17】
前記内部貯蔵空間の少なくとも一部を画定するように、前記シャフト内に延びている長手方向ルーメンと、
前記長手方向ルーメンに接続された流体注入または吸引システムと、をさらに備える、請求項9に記載のサンプル採取装置。
【請求項18】
前記凹凸のある掻取り体は、前記シャフトに形成された複数の可撓性リンク機構を含む、請求項1に記載のサンプル採取装置。
【請求項19】
前記複数の可撓性リンク機構のそれぞれは、対向する台形の切欠き内に配置された台形の本体を備える、請求項18に記載のサンプル採取装置。
【請求項20】
前記凹凸のある掻取り体を偏向させるために、前記遠位端部に取り付けられた引きワイヤをさらに備える、請求項1に記載のサンプル採取装置。
【請求項21】
前記引きワイヤは、前記凹凸のある掻取り体の曲げを誘発するように構成される、請求項20に記載のサンプル採取装置。
【請求項22】
前記引きワイヤは、前記凹凸のある掻取り体の隆起を誘発するように構成される、請求項20に記載のサンプル採取装置。
【請求項23】
前記シャフトは、前記凹凸のある掻取り体に予め曲げられた部分を含む、請求項1に記載のサンプル採取装置。
【請求項24】
前記シャフトと前記凹凸のある掻取り体との間に配置された分離部をさらに備える、請求項1に記載のサンプル採取装置。
【請求項25】
サンプル採取装置を使用して生体物質を収集するサンプル採取方法であって、
前記サンプル採取装置を患者の解剖学的構造に挿入するステップと、
前記サンプル採取装置の凹凸のある掻取り体を対象組織へガイドするステップと、
前記凹凸のある掻取り体で前記対象組織をすりおろすステップと、
前記凹凸のある掻取り体で前記対象組織から生体物質を収集するステップと
を含むサンプル採取方法。
【請求項26】
前記サンプル採取装置が延びている内視鏡で、前記対象組織および前記凹凸のある掻取り体を視認するステップをさらに含む、請求項25に記載のサンプル採取方法。
【請求項27】
前記凹凸のある掻取り体で前記対象組織をすりおろすステップは、前記凹凸のある掻取り体の歯を使用して前記対象組織の部分をスライスすることを含む、請求項25に記載のサンプル採取方法。
【請求項28】
前記凹凸のある掻取り体で前記対象組織から生体物質を収集するステップは、前記凹凸のある掻取り体のポケットの中に前記対象組織の一部を捕捉することを含む、請求項25に記載のサンプル採取方法。
【請求項29】
前記対象組織のすりおろしを行うために、前記対象組織に対して前記凹凸のある掻取り体が露出するようにシースを後退させるステップをさらに含む、請求項25に記載のサンプル採取方法。
【請求項30】
前記凹凸のある掻取り体と前記シースとの間にすりおろした対象組織を捕えるために、前記シースを延ばすステップをさらに含む、請求項29に記載のサンプル採取方法。
【請求項31】
前記サンプル採取装置の無外傷性遠位先端を、前記対象組織の近位にある導管壁と係合させるステップをさらに含む、請求項25に記載のサンプル採取方法。
【請求項32】
掻取り縁部を露出させるために、前記凹凸のある掻取り体の曲げを誘発するようにアクチベータを引くステップをさらに含む、請求項25に記載のサンプル採取方法。
【請求項33】
前記アクチベータを引くステップは、前記凹凸のある掻取り体に接続された挿入シャフト内に延びている引きワイヤを引くこと、または前記凹凸のある掻取り体を囲むように構成された挿入シースを引くことを含む、請求項32に記載のサンプル採取方法。
【請求項34】
収集した生体物質を前記凹凸のある掻取り体から除去するために、流体システムを作動させるステップをさらに含む、請求項25に記載のサンプル採取方法。
【請求項35】
前記凹凸のある掻取り体から収集した生体物質の除去を容易にするために、前記凹凸のある掻取り体を挿入シャフトから切り離すステップをさらに含む、請求項25に記載のサンプル採取方法。
【請求項36】
前記凹凸のある掻取り体を、複数の相互接続した掻取りリンク機構に沿って曲げるステップをさらに含む、請求項25に記載のサンプル採取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2023年3月29日に出願された米国仮特許出願第63/492,823号、および2023年6月12日に出願された米国仮特許出願第63/472,481号の優先権の利益を主張し、その内容はその全体が参照することによって本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、診断または治療の動作を提供するために、患者の解剖学的構造の切開部または開口部に挿入されるように構成された、細長い本体を備える医療装置に関する。より具体的には、本開示は、分析用のサンプル組織を掻き取ったり切断したりすることによって生体物質の除去および収集工程を行うために、患者の解剖学的構造に挿入できる、生検装置などのサンプル採取装置およびサンプル採取方法に関する。
【背景技術】
【0003】
内視鏡は、1)様々な解剖学的構造の部分に向けて、治療装置または組織収集装置などの他の装置の通路を提供すること、および2)このような解剖学的構造の部分の画像を取得すること、のうちの1つ以上に使用することができる。このような解剖学的構造の部分は、消化管(例えば、食道、胃、十二指腸、膵胆管、腸、結腸)、腎領域(例えば、(1つまたは複数の)腎臓、尿管、膀胱、尿道)、および他の臓器(例えば、生殖器系、副鼻腔、粘膜下領域、気道)などを含み得る。
【0004】
従来の内視鏡は、1つ以上の疾患状態の照明、撮像、検出、および診断、解剖学的領域への流体の送出(流体チャネルを介した生理食塩水その他の調合液など)の提供、解剖学的領域のサンプル採取または治療用の、1つ以上の治療装置の(作業チャネルを介した)通路の提供、ならびに(生理食塩水その他の調合液などの)流体収集用の吸引通路の提供などを含む、様々な臨床手順に関わることができる。
【0005】
従来の内視鏡では、内視鏡の遠位部は、治療装置を支援し配向するように構成することができる。一部のシステムでは、2つの内視鏡が共に機能するように構成されてもよく、第1の内視鏡は、昇降機に補助されて、そこに挿入された第2の内視鏡をガイドする。このようなシステムは、到達することが困難な体内の解剖学的位置に、内視鏡をガイドするのに役立てることができる。例えば、一部の解剖学的位置は、内視鏡が迂回経路を通して挿入された後でしかアクセスできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示では、従来の医療装置、特に対象組織からのサンプル生体物質の回収に使用される内視鏡および十二指腸内視鏡で解決すべき問題は、1)患者の体内の奥にある解剖学的領域内の位置まで、内視鏡およびそこに挿入された器具をナビゲートすることの困難さ、2)サイズが小さい組織サンプルしか得られないという欠点、3)対象組織に適切に係合しなかった場合に、誤ったサンプル組織を取得する可能性、ならびに4)十分な量のサンプル物質を得るために、医療装置を繰り返し除去および再挿入するのにかかる時間および関連コストの増大、を特に含んでいるものと認識している。
【0007】
このような問題は特に、補助スコープ(子スコープ、または胆道鏡とも呼ばれる)が取り付けられて、主スコープ(親スコープ、または十二指腸内視鏡とも呼ばれる)の作業チャネルを通して進めることができる、十二指腸内視鏡検査手順(例えば内視鏡的逆行性胆管膵管造影、以後「ERCP」手順)に存在する場合がある。さらに、生検に使用される組織回収装置などの別の装置(治療装置など)を補助スコープに挿入することができる。このように、十二指腸内視鏡、補助スコープ、および組織回収装置はますます小型になり、操作、ならびに介入および治療を行うのがより困難になっている。
【0008】
ERCPの場合、外科医が組織サンプルを取得したいときは、胆道鏡の作業チャネルを通過できる装置があることが望ましい。そのため、装置は通常は直径1.2mm以下である。胆管鏡検査中、すなわち胆道鏡で組織をサンプル採取するには、通常は生検鉗子が唯一の選択肢である。胆道鏡と共に使用するための鉗子は、サイズが小さいことから、小型生検鉗子と呼ばれることがある。しかしながら小型生検鉗子は、いくつかの使用者のニーズを満たしていない。例えば、小型生検鉗子のカップサイズは、胆道鏡用の作業チャネルの直径によって制限されるので、小型生検鉗子は、通常は十分な量の組織サンプルを取得することができない。使用者は、胆道鏡を使用せずに、より大きいサイズの生検鉗子を使用する決定をしてもよい。しかしながら、胆道鏡の撮像性能を用いて、鉗子の直接目視を使用する性能は失われる。それに加えて、使用者が患者の体からサンプルを分離しようとしたときに、鉗子のカップに付いたままになって、サンプルの一部が取り残される場合がある。組織サンプルを捕捉するためのより効率的な方法が求められている。
【0009】
生検鉗子の代替物は、細胞診ブラシを含む。しかしながら、使用者は現在市場にある細胞診ブラシに満足しておらず、それは例えば、非常に多くの研究が、診断率が不十分なことを示しているからである。具体的には、使用者は、撹拌が直接目視によって行われていないために、悪性腫瘍が疑われる領域を撹拌する細胞診ブラシの性能に満足していない。例えば、現在市場にあるほとんどのブラシの毛は、軟らかすぎて十分な診断材料を取得できない。したがって、既存のブラシより多くの組織を掻き取れる装置が求められている。また、細胞診ブラシは、サイズが大きいため通常は胆道鏡内では使用されず、代わりに十二指腸内視鏡内で使用されている。実施例では、細胞診ブラシは、ガイドワイヤと共に使用することができる。これに加えて、使用者は、組織を捕える細胞診ブラシの性能に満足していない。例えば、収集した組織が、分析のために収集される前に、ブラシの毛から取れる状態になる可能性がある。そのため、組織を捕捉する、または組織が細胞診ブラシから落ちるのを防止する性能も求められている。
【0010】
本発明の目的は、生体物質のサンプルを良好に収集することができるサンプル採取装置およびサンプル採取方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示は、解剖学的導管の壁に沿って引っ張るための凹凸のある掻取り体を有することができるサンプル採取装置などの、組織回収装置に関するシステム、装置、および方法を提供して、このような問題に対する解決策を提供するのに役立てることができる。凹凸のある掻取り体は、切断要素、および切断要素に隣接する貯蔵空間を有する形状にすることができる。切断要素は、解剖学的構造から対象組織を分離するように構成でき、貯蔵空間は、分離した対象組織を保持するように構成することができる。凹凸のある掻取り体は、小径で長さを比較的長くすることができる。このような小径の凹凸のある掻取り体は、補助スコープの撮像性能を利用するために、組織回収装置を、胆道鏡などの補助スコープの作業チャネル内で使用できるようにすることができる。凹凸のある掻取り体が長いことにより、組織回収装置の性能を高めて、正しい対象組織と係合させることができる。さらに、凹凸のある掻取り体が長いことにより、組織回収装置が小サンプルを多く取得することが可能になって得られるサンプル全体の量が増加し、これによって、組織回収を何度も繰り返し行うために内視鏡を解剖学的構造から除去する必要性が低減されるかまたはなくなる。凹凸のある掻取り体は、補助スコープ、および対象組織に近接している組織を破壊するのを防止するため、かつサンプル採取装置の回収中に、収集した対象組織が失われるのを防止するために、使用者が動作させるシースで選択的に覆うことができる。
【0012】
このように、本開示は、本明細書で説明するように、シースで覆ったり覆いを取ったりできる、細長く小径でかつ可撓性の、凹凸のある掻取り体を使用することなどによって、1)補助スコープおよびその撮像システムと両立すること、2)挿入する毎に収集されるサンプル物質の容量を増やすこと、3)組織回収装置が意図した対象組織と係合する可能性を高めること、4)組織回収装置を解剖学的構造に挿入および再挿入することが必要な回数を減らすこと、および5)内視鏡の回収中に、収集したサンプル組織が失われる可能性を低減することによって、前述した問題および他の問題の解決に役立てることができる。
【0013】
実施例では、サンプル採取装置は、近位端部、および凹凸のある掻取り体を有する遠位端部を含むシャフトと、シャフトの上で摺動して、凹凸のある掻取り体を交互に覆ったり覆いを取ったりするように構成されたシースと、を備える。
【0014】
別の実施例では、サンプル採取装置を使用して生体物質を収集するサンプル採取方法は、サンプル採取装置を患者の解剖学的構造に挿入するステップと、サンプル採取装置の凹凸のある掻取り体を対象組織へガイドするステップと、凹凸のある掻取り体で対象組織をすりおろすステップと、凹凸のある掻取り体で対象組織から生体物質を収集するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示のサンプル採取装置が使用され得る、撮像および制御システムと、十二指腸内視鏡などの内視鏡とを備える、内視鏡システムの概略図である。
図2】内視鏡に接続された撮像および制御システムを示す、図1の撮像および制御システムの概略図である。
図3A】側視内視鏡用の光学部品および昇降機構を含むカメラモジュールを備える、図2の内視鏡の遠位部の概略上面図である。
図3B】光学部品を示す、図3Aの3B-3B平面における断面図である。
図3C】昇降機構を示す、図3Aの3C-3C平面における断面図である。
図4A図1および図2の内視鏡で使用できる、補助スコープとして使用するのに適した光学および機能部品を含む、カメラモジュールの端面図である。
図4B】先端視の構成で配置されたカメラモジュールの構成要素を示す、図4Aの4B-4B部分における断面図である。
図5】十二指腸の近位に補助スコープを配置するために使用されている内視鏡の遠位部であって、補助スコープが、本開示のサンプル採取装置を受けるように構成されている概略図である。
図6】本開示のサンプル採取装置の構成を説明する図である。
図7】内部通路を示す、図6の(d)の凹凸のある掻取り体の側断面図である。
図8A】シャフトを覆うシース、およびシャフト内の内部通路を示す、図7の凹凸のある掻取り体の断面図である。
図8B】歯を示す、図7の凹凸のある掻取り体の断面図である。
図8C】ポケットを示す、図7の凹凸のある掻取り体の断面図である。
図9】分離部を介してシャフトに接続された凹凸のある掻取り体を示す、図6の(a)のサンプル採取装置の概略側面図である。
図10】スリットを含む、本開示のサンプル採取装置のシャフトの斜視図である。
図11】スリットの中に延びる掻取り器パドルを有する、図10のシャフトの断面図である。
図12】摺動縁部と対向する刃先を備える、本開示の凹凸のある掻取り体の、対向する縁部の概略側面図である。
図13】傾いた刃先と対向する、真っ直ぐな刃先を備える、本開示の凹凸のある掻取り体の、対向する縁部の概略側面図である。
図14】可撓性リンクを含む可撓性部を備える、本開示の凹凸のある掻取り体の斜視図である。
図15A】静止時に拡張状態になっている、可撓性リンクの上面図である。
図15B】圧縮下で収縮状態になっている、図15Aの可撓性リンクの上面図である。
図15C】掻取り縁部を組み込んだ、図14の可撓性リンクの概略側面図である。
図16A】作動ワイヤを含む、本開示のサンプル採取装置用の、凹凸のある掻取り体の概略側面図である。
図16B】サンプル採取装置の曲げを誘発するために作動ワイヤが引かれている、図16Aの凹凸のある掻取り体の概略側面図である。
図16C】サンプル採取装置の隆起を誘発するために作動ワイヤが引かれている、図16Aの凹凸のある掻取り体の概略側面図である。
図17A】一方向を向くようにサンプル採取装置に沿って整列した、掻取り縁部を形成する拡張ポケットを含む、本開示のサンプル採取装置用の、凹凸のある掻取り体の概略側面図である。
図17B】拡張ポケットのトラフおよび側壁を示す、図17Aの拡張ポケットのうちの1つの断面図である。
図17C】トラフの上に張り出している掻取り縁部を示す、図17Aの拡張ポケットのうちの1つの上面図である。
図18】反対方向を向くように交互のパターンで配置された、掻取り縁部を形成する拡張ポケットを含む、本開示のサンプル採取装置用の、凹凸のある掻取り体の概略側面図である。
図19】外向きの掻取りタブを備える、本開示の凹凸のある掻取り体の斜視図である。
図20】外向きの掻取りタブからの分離を提供するためのスタンドオフを有する、図19の凹凸のある掻取り体で使用するシースの斜視図である。
図21】流体注入および吸引システムに接続された、本開示のサンプル採取装置の概略断面図である。
図22】凹凸のある掻取り体を有するサンプル採取装置などの、本開示の組織回収装置を使用して、患者から生体物質を収集する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、撮像および制御システム12と、内視鏡14とを含む、内視鏡システム10の概略図である。図1のシステムは、患者の分析または治療を行うために患者から除去される、組織その他の生体物質のサンプルを取得するのに使用され得る、組織収集、回収および貯蔵装置、ならびに生検器具などの、本明細書で説明するシステム、装置、および方法で使用するのに適した内視鏡システムの例示的な一例であり、凹凸のある掻取り体を有するサンプル採取装置を含んでいる。いくつかの例によれば、内視鏡14は、撮像のため、および/または1つ以上の生検用採取装置、もしくは解剖学的領域に関連する疾患状態を治療するための1つ以上の治療装置の通路を設けるために、解剖学的領域に挿入可能にすることができる。内視鏡14は、好適な態様において、撮像および制御システム12と連携し、かつこれに接続することができる。図示されている実施例では、内視鏡14は十二指腸内視鏡を含んでいるが、本開示の特徴および教示を用いて他の種類の内視鏡が使用されてもよい。
【0017】
撮像および制御システム12は、制御ユニット16、出力ユニット18、入力ユニット20、光源ユニット22、流体源24、および吸引ポンプ26を備えることができる。
【0018】
撮像および制御システム12は、内視鏡システム10と結合するための様々なポートを備えることができる。例えば、制御ユニット16は、内視鏡14からデータを受信し、かつデータを通信するためのデータ入力/出力ポートを備えることができる。光源ユニット22は、例えば、ファイバ光リンクを介して内視鏡14に光を送信するための出力ポートを備えることができる。流体源24は、内視鏡14に流体を送達するためのポートを備えることができる。流体源24は、ポンプおよび流体のタンクを備えてもよく、あるいは外部のタンク、容器、または貯蔵ユニットに接続されてもよい。吸引ポンプ26は、例えば、内視鏡14が挿入されている解剖学的領域から流体を抜くために、内視鏡14を真空に引いて吸引を生成するのに使用されるポートを備えることができる。出力ユニット18および入力ユニット20は、内視鏡システム10の操作者が、内視鏡システム10の機能を制御して、内視鏡14の出力を見るために使用することができる。制御ユニット16は、内視鏡14が挿入されている解剖学的領域を治療するための信号その他の出力を生成するために、さらに使用することができる。実施例では、制御ユニット16は、焼灼、切断、凍結などを用いて解剖学的領域を治療するための電気出力、音響出力、流体出力などを生成することができる。
【0019】
内視鏡14は、挿入部28、機能部30、およびハンドル部32を備えることができ、これらはケーブル部34およびカプラ部36に結合することができる。
【0020】
挿入部28は、ハンドル部32から遠位方向に延びていてもよく、ケーブル部34はハンドル部32から近位方向に延びていてもよい。挿入部28は細長くしてもよく、曲げ部、および機能部30を取り付けられる遠位端を含むことができる。曲げ部は、蛇行した解剖学的通路(胃、十二指腸、腎臓、尿管など)を通して遠位端を操作するために、(例えば、ハンドル部32の制御ノブ38によって)制御可能にすることができる。挿入部28は、細長くすることができ、かつ図5の補助スコープ134などの、機能部30の1つ以上の治療器具の挿入を支援できる1つ以上の作業チャネル(内部ルーメンなど)をさらに含むことができる。作業チャネルは、ハンドル部32と機能部30との間に延びていてもよい。挿入部28によって、流体通路、ガイドワイヤ、および引きワイヤなどの付加的な機能が、(吸引または灌流通路などを介して)さらに提供されてもよい。
【0021】
ハンドル部32は、制御ノブ38、ならびにポート40Aおよび40B(図2)を備えることができる。制御ノブ38は、挿入部28を通って延びている、引きワイヤその他の作動機構に結合することができる。ポート40A、ならびにポート40B(図2)などの他のポートは、挿入部28と結合するために、様々な電気ケーブル、ガイドワイヤ、補助スコープ、本開示のサンプル採取装置、流体チューブなどをハンドル部32に結合するように構成することができる。実施例では、ポート40Aは、挿入部28の中に補助スコープ、胆道鏡、またはサンプル採取装置を送り込むために使用することができる。例えば、本開示のサンプル採取装置は、ポート40Aに直接挿入できるか、またはポート40Aに挿入された胆道鏡に挿入することができる。
【0022】
撮像および制御システム12は、実施例によれば、光源ユニット22、吸引ポンプ26、画像処理ユニット42(図2)などを収容するための棚を有する、可動式のプラットフォーム(例えば、カート41)上に設けることができる。あるいは、図1および図2に示す、撮像および制御システム12の一部の構成要素は、内視鏡を「自蔵式」にするように、内視鏡14に直接設けられてもよい。
【0023】
機能部30は、患者の解剖学的構造を治療および診断するための構成要素を含むことができる。機能部30は、撮像装置、照明装置、および昇降機を備えることができ、例えば、図3A図3Cの昇降機54を参照してさらに説明される。機能部30はさらに、本明細書で説明されているような生体物質および組織の収集および回収装置、例えば、凹凸のある掻取り体を有するサンプル採取装置を含むか、またはこれと共に使用することができる。機能部30の一部または全部の機能の操作は、通常は撮像および制御システム12で行われる。
【0024】
図2は、撮像および制御システム12と、内視鏡14とを含む、図1の内視鏡システム10の概略図である。図2は、内視鏡14に結合された撮像および制御システム12の構成要素を概略的に示し、図示されている実施例では、十二指腸内視鏡を含む。撮像および制御システム12は制御ユニット16を含むことができ、制御ユニット16は画像処理ユニット42、治療生成器44、および駆動ユニット46、ならびに光源ユニット22、入力ユニット20、および出力ユニット18を含むかまたはこれらに結合することができる。実施例では、制御ユニット16は、サンプル採取装置200(図6)と通信するかまたはこれに結合され、組織と係合してその組織の一部を収集し貯蔵するように構成された装置を備えることができる。
【0025】
カプラ部36は、内視鏡14を、画像処理ユニット42および治療生成器44などの、制御ユニット16の複数の機能に接続するために、ケーブル49(図2に概略的に示す)を介して制御ユニット16に接続することができる。実施例では、ポート40Aは、子スコープ、補助スコープ、および/またはサンプル採取装置などの別の器具または装置を内視鏡14に挿入するために使用することができる。このような器具および装置は、ケーブル47を介して、制御ユニット16に独立して接続することができる。実施例では、ポート40Bは、カプラ部36を、映像、空気、光、および電気などの様々な入力および出力に接続するために使用することができる。制御ユニット16は、サンプル採取装置200が挿入部28から延びるように配置されているときに、サンプル採取装置200(図6)の遠位の対象組織を視認するために、カメラを作動させるように構成することができる。同様に、制御ユニット16は、サンプル採取装置200に光を照射するために、光源ユニット22を作動させるように構成することができる。
【0026】
画像処理ユニット42および光源ユニット22は、有線または無線の電気接続によって、(例えば、機能部30で)それぞれ内視鏡14と連携することができる。撮像および制御システム12は、したがって解剖学的領域を照射し、解剖学的領域を表す信号を収集し、解剖学的領域を表す信号を処理し、解剖学的領域を表す画像を出力ユニット18上に表示することができる。撮像および制御システム12は、所望のスペクトルの光(広帯域白色光、好ましい電磁波長を用いた狭帯域光観察など)を使用して解剖学的領域を照射するために、光源ユニット22を含むことができる。撮像および制御システム12は、信号送信(例えば、光源からの光出力、遠位端にある撮像システムからの映像信号、診断装置からの診断およびセンサ信号)のために、(例えば、内視鏡コネクタを介して)内視鏡14に接続することができる。
【0027】
流体源24(図1)は、制御ユニット16と通信でき、空気、生理食塩水その他の流体の1つ以上の供給源、ならびに関連する流体経路(空気チャネル、灌流チャネル、吸引チャネルなど)およびコネクタ(バーブ継手、流体シール、弁など)を含むことができる。流体源24は、本開示の付勢装置または圧力印加装置用の作動エネルギーとして使用することができる。撮像および制御システム12は、駆動ユニット46をさらに備えることができ、これは任意の構成要素であってもよい。駆動ユニット46は、少なくともFrassicaらによる「Rotate-to-Advance Catheterization System」という名称の国際公開第2011/140118号で説明されているような、内視鏡14の遠位部を進めるためのモータ式駆動装置を備えることができ、この特許は参照することによってその全体が本願に組み込まれる。
【0028】
図3A図3Cは、図2の内視鏡14の、機能部30の第1の実施例を示す。図3Aは、機能部30の上面図を示す。図3Bは、図3Aの3B-3B平面における機能部30の断面図を示す。図3Cは、図3Aの3C-3C平面における機能部30の断面図を示す。図3A図3Cは、十二指腸内視鏡で使用できるような、側視内視鏡カメラモジュール50を示す。側視内視鏡カメラモジュール50では、照明および撮像システムは、撮像システムの視野角が、内視鏡14の中心長手方向軸線A1の側方にある、対象となる解剖学的構造に対応するように配置される。しかしながら、本開示の生体物質採取装置およびサンプル採取装置は、図4Aおよび図4Bを参照して述べる先端視内視鏡などの、他の種類の内視鏡で使用することができる。
【0029】
図3Aおよび図3Bの実施例では、側視内視鏡カメラモジュール50は、ハウジング52、昇降機54、流体出口56、照明レンズ58、および対物レンズ60を備えることができる。ハウジング52は、挿入部28との液密結合を形成することができる。ハウジング52は、昇降機54用の開口部を備えることができる。昇降機54は、図5の補助スコープ134などの、挿入部28を通して挿入された装置を動かすための機構を備えることができる。特に、昇降機54は、軸線A1に沿って挿入部28を通って延びている細長い装置を曲げられる装置を備えることができ、これについては図3Cを参照してより詳細に述べる。昇降機54は、軸線A1に対してある角度で細長い装置を曲げるために使用でき、これによって側視内視鏡カメラモジュール50に隣接する解剖学的領域を治療するか、またはこれにアクセスする。昇降機54は、例えば軸線A1の径方向外方に、照明レンズ58および対物レンズ60の横に配置される。
【0030】
図3Bに見られるように、挿入部28は、機能部30をハンドル部32(図2)に接続するために、ここを通して様々な構成要素(補助スコープ134(図5)など)を延ばすことができる、中央ルーメン62を備えてもよい。例えば、照明レンズ58は光送信機64に接続でき、この光送信機64は光源ユニット22(図1)へと延びるファイバ光ケーブルまたはケーブル束を備えることができる。同様に、対物レンズ60はプリズム66および画像処理ユニット67に結合でき、この画像処理ユニット67は配線68に結合することができる。また、流体出口56Aは、流体源24(図1)まで延びるチューブを含むことができる流体ライン56Bに結合されてもよい。機能部30を、吸引ポンプ26(図1)および治療生成器44(図2)などの内視鏡システム10の構成要素に接続するために、チューブ、ワイヤ、ケーブルなどの他の細長い要素を中央ルーメン62を通して延ばしてもよい。
【0031】
図3Cは、昇降機54を示す、図3Aの3C-3C平面における概略断面図である。昇降機54は、ハウジング52の収容空間53に配置できる、偏向器55を備えることができる。偏向器55は、ハンドル部32に接続するために、チューブ59を通って延びることができるワイヤ57に接続されてもよい。ワイヤ57は、ハンドル部32のノブを回す、レバーを引く、またはボタンを押すことなどによって作動させることができる。ワイヤ57の動きによって、例えば時計回りに、偏向器55の第1の位置から、偏向器55’で示されている偏向器55の第2の位置まで、ピン61の周囲での回転を生じさせることができる。偏向器55は、ハウジング52内の窓65を通って延びている器具63の遠位部を動かすために、ワイヤ57によって作動させることができる。
【0032】
ハウジング52は、偏向器55を収容する収容空間53を含むことができる。器具63は、中央ルーメン62を通って延びる鉗子、ガイドワイヤ、カテーテルなどを含むことができる。器具63は、図5の補助スコープ134、または図6の(a)~図6の(d)のサンプル採取装置200のような組織収集装置、ならびに他の生検器具、または本明細書で説明するサンプル採取装置を含む、他の器具をさらに含むことができる。偏向器55の近位端は、側視内視鏡カメラモジュール50に設けられたピン61で、ハウジング52に取り付けることができる。偏向器55の遠位端は、偏向器55が下げられている状態、すなわち非作動状態のときは、ハウジング52内の窓65の下方に配置することができる。偏向器55の遠位端は、ワイヤ57によって偏向器55が持ち上げられている、すなわち作動されているときは、少なくとも部分的に窓65の外側に延びることができる。器具63は、最初に器具63の遠位端を窓65に向かって偏向させるために、偏向器55の傾いたランプ面51上で摺動することができる。傾いたランプ面51は、器具63の遠位部の延長部が、中央ルーメン62の軸線に対して、窓65から第1の角度で延びるのを容易にすることができる。傾いたランプ面51は、器具63を受けてガイドするために、Vノッチなどの溝69を含んでいてもよい。偏向器55は、中央ルーメン62の軸線に対して、第1の角度より垂直に近い第2の角度で器具63を曲げるように作動させることができる。ワイヤ57を押すかまたは緩めることによってワイヤ57が解放されると、偏向器55は、例えば反時計回りに回転して、下げられた位置に戻ることができる。実施例では、器具63は、胆道鏡または補助スコープ134(図5)を含むことができる。
【0033】
図3A図3Cの側視内視鏡カメラモジュール50は、画像信号を収集するための光学部品(対物レンズ60、プリズム66、画像処理ユニット67、配線68など)、光の送信または生成用の照明部品(照明レンズ58、光送信機64など)を含むことができる。側視内視鏡カメラモジュール50は、電荷結合素子(「CCD」センサ)または相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)センサなどの感光性素子をさらに含むことができる。いずれかの実施例において、画像処理ユニット67は、画像(映像信号など)を表す感光性素子から画像処理ユニット42へ信号を送信し、次に出力ユニット18などの表示装置に表示させるために、(例えば、有線または無線接続を介して)画像処理ユニット42(図2)に結合することができる。様々な実施例において、撮像および制御システム12および画像処理ユニット67は、内視鏡検査手順に適した望ましい解像度(少なくとも480p、少なくとも720p、少なくとも1080p、少なくとも4K UHDなど)で出力を提供するように構成することができる。
【0034】
したがって、図5を参照して説明するように、内視鏡が解剖学的構造の中にさらに挿入されるにつれて、操作したりねじ曲げたりしなければならない複雑さが増大する。
さらに、解剖学的構造内のさらに遠い位置に到達するために、補助スコープ134(図5)の形態の器具63などの付加装置が使用される場合がある。そのため、後で入れ子にされる装置の断面積、例えば直径はより小さくなり、これによってさらに小さい装置が必要になり、製造および操作、あるいは繰り返し介入する(例えば、患者と相互作用する)ことなく十分な結果を出すことが困難になる可能性がある。
【0035】
図4Aは、先端視内視鏡カメラモジュール70の端面図を示し、図4Bは、図4Aの4B-4B平面における、先端視内視鏡カメラモジュール70の断面図を示す。図4Aおよび図4Bは、胃カメラ、結腸鏡、胆道鏡などに使用するための先端視内視鏡カメラモジュール70をそれぞれ示す。先端視内視鏡カメラモジュール70では、照明および撮像システムは、撮像システムの視野角が、内視鏡14の(例えば、遠位方向の)端部に隣接し、かつ内視鏡14の中心長手方向軸線に沿って位置する、対象となる解剖学的構造に対応するように配置される。
【0036】
図4Aおよび図4Bの先端視内視鏡カメラモジュール70は、図1および図2の内視鏡14の、機能部30の代替実施例として使用することができる。また、先端視内視鏡カメラモジュール70は、図5の補助スコープ134などの胆道鏡で使用することができる。
【0037】
図4Aおよび図4Bの実施例では、先端視内視鏡カメラモジュール70は、ハウジング72、治療ユニット74、流体出口76、照明レンズ78、および対物レンズ80を備えることができる。ハウジング72は、挿入部28用のエンドキャップを備えることができ、これによってルーメン82に密封を提供する。
【0038】
図4Bに見られるように、挿入部28は、例えば、先端視内視鏡カメラモジュール70をハンドル部32(図2)に接続するために、ここを通して様々な構成要素を延ばすことができる、ルーメン82を備えてもよい。例えば、照明レンズ78は光送信機84に接続でき、この光送信機84は光源ユニット22(図1)へと延びるファイバ光ケーブルまたはケーブル束を備えることができる。同様に、対物レンズ80は撮像ユニット87に結合でき、この撮像ユニット87は配線88に結合することができる。また、流体出口76は、流体源24(図1)まで延びるチューブを含むことができる流体ライン89に結合することができる。実施例では、流体出口76のうちの1つは、洗浄および灌流流体を回収するために、例えば真空に接続されている、吸引用に構成された流体ライン89に接続された、入口を含むことができる。機能部30を、吸引ポンプ26(図1)および治療生成器44(図2)などの内視鏡システム10の構成要素に接続するために、チューブ、ワイヤ、ケーブルなどの他の細長い要素をルーメン82を通して延ばしてもよい。例えば、治療ユニット74は、切断装置、および組織分離装置を含む治療装置などの、他の治療部品を受けるための広径ルーメンを備えてもよい。
【0039】
先端視内視鏡カメラモジュール70は、電荷結合素子(「CCD」センサ)または相補型金属酸化膜半導体(「CMOS」)センサなどの感光性素子をさらに含むことができる。いずれかの実施例において、撮像ユニット87は、画像(映像信号など)を表す感光性素子から画像処理ユニット42へ信号を送信し、次に出力ユニット18などの表示装置に表示させるために、(例えば、有線または無線接続を介して)画像処理ユニット42(図1)に結合することができる。様々な実施例において、撮像および制御システム12および撮像ユニット87は、内視鏡検査手順に適した望ましい解像度(少なくとも480p、少なくとも720p、少なくとも1080p、少なくとも4K UHDなど)で出力を提供するように構成することができる。
【0040】
図5は、十二指腸D内に配置された、本開示による内視鏡100の遠位部の概略図である。内視鏡100は、機能モジュール102、挿入部モジュール104、および制御モジュール106を備えることができる。制御モジュール106は、コントローラ108を備えることができる。制御モジュール106は、内視鏡システム10(図1)を参照して説明したもののような他の構成要素、および制御ユニット16(図2)を含んでもよい。また、制御モジュール106は、撮像ユニット110、照明ユニット112、および動力ユニット114などの、補助スコープ134に接続されたカメラおよび光源を制御するための構成要素を含むことができる。内視鏡100は、図1および図2の内視鏡14と同様に構成することができる。
【0041】
十二指腸Dは、導管壁120、オッディ括約筋122、総胆管124、および主膵管126を含み得る。十二指腸Dは、小腸の上部を含む。総胆管124は、胆嚢および肝臓(図示せず)から胆汁を搬送し、オッディ括約筋122を通って十二指腸Dに流入させる。主膵管126は、膵臓外分泌腺(図示せず)から総胆管124へ膵液を搬送する。組織を分析して、例えば癌などの患者の疾病または疾患を診断するために、総胆管124または主膵管126から、生体物質、例えば組織を除去することが望ましい場合がある。
【0042】
機能モジュール102は、昇降機部130を備えることができる。内視鏡100は、ルーメン132および補助スコープ134をさらに備えることができる。補助スコープ134は、ルーメン136を含むことができる。補助スコープ134は、解剖学的構造を通る内視鏡100からの補助スコープ134のナビゲーションを容易にするため、およびルーメン132から延びる構成要素が視認するのを容易にするために、それ自体が、制御モジュール106に結合されたカメラレンズ137および光レンズ(図示せず)などの機能部品を含むことができる。
【0043】
いくつかの十二指腸内視鏡検査手順(例えば内視鏡的逆行性胆管膵管造影、以後「ERCP」手順)では、補助スコープ134などの補助スコープ(子スコープ、または胆道鏡とも呼ばれる)が取り付けられて、内視鏡100などの「主スコープ」(親スコープ、または十二指腸内視鏡とも呼ばれる)のルーメン132(または図3Bにおける内視鏡14の挿入部28の中央ルーメン62)を通して進めることができる。以下でさらに詳しく述べるように、補助スコープ134は、オッディ括約筋122の中へガイドされてもよい。それから、補助スコープ134を操作している外科医は、様々な手順を行うために、ルーメン132を通して、補助スコープ134を胆嚢、肝臓、または消化器系の他の場所に向かってナビゲートすることができる。外科医は、主膵管126の入口128を通り過ぎて総胆管124の通路129の中へ、または入口128の中へ補助スコープ134をナビゲートすることができる。補助スコープ134は、例えば、ルーメン136を通すかまたはこれに取り付けることなどによって、生体物質を取得するために、付加装置を解剖学的構造へガイドするのに使用することができる。付加装置は、治療手順用に、光源、カメラ、組織分離器、付属品、および生検チャネルなど、それ自身の機能装置を有することができる。図6の(a)~図6の(d)を参照して説明されているように、付加装置は、組織などの生体物質を集めるための、凹凸のある掻取り体210を含むサンプル採取装置200などの様々な機能を備えることができる。生体物質はその後、通常は付加装置を補助装置から除去することによって患者から除去することができ、その結果、除去された生体物質を患者の1つ以上の状態を診断するために分析することができる。いくつかの実施例によれば、内視鏡100は、癌または前癌物質(癌腫、肉腫、骨髄腫、白血病、リンパ腫など)の除去、子宮内膜症評価、胆管生検などに適している可能性がある。
【0044】
しかしながら、上述したように、内視鏡100、補助スコープ134、および付加装置のサイズが徐々に小さくなっているために、付加装置のサイズは通常は小さい。実施例では、内視鏡100のルーメン132は、通常は直径が約4.0mm、補助スコープ134のルーメン136は、通常は約1.2mmになっている場合がある。そのため、小型生検鉗子を含む従来の装置では、付加装置を繰り返し除去および再挿入することなく、正確な診断を保証するサイズの、十分に大きい組織サンプルを取得するのが困難な場合がある。同様に、補助スコープカメラの視線内に組織回収装置があることを含む複数の理由により、対象組織などの所望の物質を視認するのが困難な場合がある。したがってこれは、非癌物質などの望ましくない物質を収集することにつながる可能性がある。しかしながら、本開示のシステムおよび装置では、例えば組織回収装置、生検器具、または本開示のサンプル採取装置として構成されたときに、付加装置を1回挿入および除去するだけで、十分に大きい組織サンプルサイズを得ることが可能である。例えば、組織回収装置は、図6の(a)~図6の(d)を参照して説明したような、凹凸のある掻取り体210を含むサンプル採取装置200、または本明細書で説明する他のサンプル採取装置であってもよい。
【0045】
サンプル採取装置の構造
【0046】
本願のサンプル採取装置は、近位端に、ノブなどのアクチュエータを有する外シースを備えることができる。ノブは、添付の図面に示すような握りの形状、または他の形状を有することができる。シースを押したり引いたりするために、シースにアクチュエータを取り付けてもよい。アクチュエータはノブを備えることができ、クリップ装置または鉗子で使用され得る制御部またはボタンを備える必要はない。
【0047】
サンプル採取装置は、外シースから露出できる内カテーテルを含むことができる。内カテーテルは、関心領域を撹拌するために設計された、凹凸のあるサンプル採取部を有することができる。この凹凸は、組織をよく掻き取るために、鋭利な刃を有することができる。凹凸は、組織を捕捉するために、鋭利な刃同士の間にポケットを有してもよい。凹凸は、組織を掻き取って捕える性能を高めることによって、組織を撹拌する性能の向上に役立てることができる。内カテーテルは、外シースから内カテーテルを押したり引いたりするためにハンドルなどのアクチュエータを有してもよく、その結果、凹凸のあるサンプル採取部を外シースから露出させることができる。
【0048】
実施例では、サンプル採取装置の外径は約1.2mm以下にすることができ、その結果、装置は胆道鏡の作業チャネルを通過することができる。
【0049】
サンプル採取装置は、内視鏡を通って動作するのに十分な可撓性を有するように、可撓性材料(ニチノールなど)で作ることができる。少なくとも凹凸のあるサンプル採取部は、組織を掻き取るための十分な強度を有するように、他の部分よりも硬くてもよい。
【0050】
図6は、本開示のサンプル採取装置200の構成を説明する図である。具体的に、図6の(a)は、内カテーテル202および外シース204を備える、本開示のサンプル採取装置200の側面図である。内カテーテル202は、ハンドピース206、シャフト208、凹凸のある掻取り体210、および無外傷性先端212を備えることができる。外シース204は、アクチュエータ214および可撓性チューブ216を備えることができる。図6の(b)は、シャフト208の周囲に位置する外シース204のクローズアップ図である。図6の(c)は、無外傷性先端212を含む、凹凸のある掻取り体210の遠位端のクローズアップ図である。図6の(d)は、歯218およびポケット220を備える、図6の凹凸のある掻取り体210のクローズアップ図である。図6の(a)~図6の(d)は、同時に説明される。
【0051】
凹凸のある掻取り体210は、シャフト208によって患者の体内に配置された後で、患者の体内からの生体物質の分離および回収のうちの1つまたは両方を行うように構成することができる。凹凸のある掻取り体210は、対象組織に係合し、患者から対象組織を分離し、患者からシャフト208を除去することなどによって、患者から分離した対象組織を貯蔵するように構成することができる。外シース204は、凹凸のある掻取り体210が使用されていないときに組織および内視鏡部品を保護するために、かつ分離した対象組織を凹凸のある掻取り体210内に保持するために、凹凸のある掻取り体210の周囲に配置することができる。
【0052】
ハンドピース206は、サンプル採取装置200の操作および動作を容易にするのに適した任意の装置を備えることができる。ハンドピース206は、シャフト208の近位端、またはシャフト208に沿った別の適した場所に配置することができる。実施例では、ハンドピース206は、ピストル型の握り、ノブ、ハンドルバー握りなどを備えることができる。アクチュエータ214は、凹凸のある掻取り体210を露出させたり覆ったりするために、外シース204に取り付けることができる。アクチュエータ214は、ノブ、リングなどを含んでもよい。
【0053】
シャフト208は、ハンドピース206から延びていてもよく、凹凸のある掻取り体210を患者に挿入できるように構成された細長い部材を含むことができる。実施例では、シャフト208は、図5の補助スコープ134などの補助スコープ内に配置するためのサイズにすることができる。実施例では、シャフト208は、約2.0mm~約0.5mmの範囲の直径を有することができる。実施例では、シャフト208は、約1.2mmの直径を有することができる。そのため、シャフト208は、患者の表皮における切開部または開口部に挿入でき、患者の体腔を通って臓器の中に入る。したがって、シャフト208の直径または断面形状は、そこに取り付けられる構成部品と同様に、侵襲性の外科的手順を最小限にすることが容易になるように、できるだけ小さいことが望ましい。サンプル採取装置200に対するサイズの影響を最小にするために、凹凸のある掻取り体210は、したがってシャフト208に組み込まれてもよい。シャフト208は軸線方向に剛性を有するが、弾性的に曲げることができ、金属またはプラスチック材料で形成することができる。実施例では、シャフト208は、ニチノールなどのニッケルチタン合金で製作することができる。実施例では、シャフト208はステンレス鋼で製作でき、撮像で使用するための良好な放射線不透過性をもたらす。実施例では、シャフト208は、凹凸のある掻取り体210から収集した組織を受けるために、中空にすることができる。
【0054】
凹凸のある掻取り体210は、シャフト208の遠位端またはその近くに、あるいはシャフト208に沿った別の適した場所に配置することができる。組織を突き刺すのを防止する鈍端を与えるために、シャフト208の端部、または凹凸のある掻取り体210の端部に無外傷性先端212を配置することができる。実施例では、無外傷性先端212は、シリコンゴム、高度に可塑化されたPVCなどの軟らかい材料で製作されたキャップを備えることができる。実施例では、無外傷性先端212は、無外傷性先端212が容易に偏向するかまたは曲がるように、シャフト208から遠位方向に細長くすることができる。このため、無外傷性先端212は、サンプル採取装置200が、導管壁などの解剖学的な隔壁の中に進められているときのために、内視鏡14(図2)または補助スコープ134(図5)などで無外傷性先端212を観察している使用者に、視覚的なフィードバックをもたらすことができる。例えば、凹凸のある掻取り体210は、ルーメン136(図5)内に適合するサイズにすることができる。実施例では、凹凸のある掻取り体210はシャフト208と同じ直径を有することができる。実施例では、凹凸のある掻取り体210は、約5.0cm~約0.5cmの範囲の長さに沿って延ばすことができる。実施例では、凹凸のある掻取り体210は、約2.0cmの長さを有することができる。例えば、凹凸のある掻取り体210の長さは、生体物質が収集される、典型的なサイズの病変にわたって延びるサイズにすることができる。さらに、健康な組織が意図せず掻き取られたり擦られたりする可能性があるため、長さが過剰に長い凹凸のある掻取り体210は望ましくない場合がある。凹凸のある掻取り体210は、複数行の歯218およびポケット220を含むように十分に長くすることができる。凹凸のある掻取り体210は、掻き取る、擦る、すりおろす、切断する、スライスする、引く、のこで挽く、打つ、ねじる、または穴を開けるように構成されたものなどの、患者と相互作用する構成要素または装置を備えることができる。実施例では、凹凸のある掻取り体210は、患者から組織を除去するのに適した装置を備えることができる。具体的な実施例では、凹凸のある掻取り体210は、掻き取りまたはすりおろし装置などの、患者の組織をスライスするように構成された縁部を有する装置を備えることができる。例えば、歯218は、ポケット220の上に張り出している掻取り縁部219を含むことができる。歯218の掻取り縁部219は、組織の切断を容易にするために、例えばある程度、鋭利にすることができる。凹凸のある掻取り体210は、患者の体内の組織の他のより大きい部分から、患者の組織の一部を物理的に分離するように構成することができる。付加的な実施例において、凹凸のある掻取り体210は、粘液や体液のような物理的分離を必要としない生体物質、または別の装置などによってすでに分離された生体物質を、患者から単に収集するように構成することができる。実施例では、凹凸のある掻取り体210は、サンプル採取装置200で回収するために、患者の組織の一部を物理的に分離するように構成することができる。図示されている実施例では、凹凸のある掻取り体210は、円環状の材料が歯218を形成している筒状の本体を含むことができ、これはさらに、ポケット220を有するためにシャフト208の中に凹んだ、円形の隙間または空間を形成する。歯218およびポケット220は、シャフト208の中心軸線に外接することができる。このため、歯218は、シャフト208の中心軸線に対して360度の円弧に沿って、掻取りを行うことができる。一定の長さの掻取り性能を与えるために、複数行の歯218およびポケット220が含まれていてもよい。このため、凹凸のある掻取り体210は、収集した生体物質または組織の直接的な貯蔵を可能にする機能を有するように構成することができる。
【0055】
ハンドピース206は、凹凸のある掻取り体210を操作するために、使用者が操作することができる。ハンドピース206は、対象組織に対して凹凸のある掻取り体210を押すように、シャフト208を操作するために使用することができる。例えば、シャフト208は、凹凸のある掻取り体210が、患者に付いている対象組織からサンプル組織を分離するように、回転、振動、往復などを行って、凹凸のある掻取り体210を対象組織に沿って動かすことができる。アクチュエータ214はハンドピース206に結合でき、外シース204を動作させるように構成することができる。アクチュエータ214は、外シース204を軸線方向に移動させるのに適した任意の種類の装置を含むことができる。実施例では、アクチュエータ214は、レバー、引き金、ジョイスティック、ボタン、ホイールなどの1つ以上、ならびにこれらの組合せを含むことができる。外シース204の可撓性チューブ216は、シャフト208および凹凸のある掻取り体210を囲むことができる。可撓性チューブ216は、内カテーテル202がその中で摺動できるように、シャフト208および凹凸のある掻取り体210よりわずかに大きい内部ルーメンを含むことができる、ポリマーチューブなどを含んでもよい。外シース204は、解剖学的構造への挿入を容易にするためにハンドピース206に近接するなど、シャフト208に剛性を与えるために使用することができる。外シース204は、凹凸のある掻取り体210の上方に可撓性チューブ216を配置するために、アクチュエータ214を使用して、シャフト208に沿って遠位方向に進めることができ、かつ外シース204は、凹凸のある掻取り体210を覆うように、シャフト208に沿って近位方向に進めることができる。
【0056】
凹凸のある掻取り体210は、ルーメン136(図5)の中に完全に後退させることができる。そのため、シャフト208を操作することによってカメラレンズ137を自在に動かして、対象組織をカメラレンズ137の視野内に配置することができる。しかしながら、凹凸のある掻取り体210をルーメン136から延ばすことが望ましいときは、凹凸のある掻取り体210がカメラレンズ137の視野内に配置されるようにすることが可能である。
【0057】
図7は、内部通路230を示す、図6の(d)の凹凸のある掻取り体210の側断面図である。内部通路230は、長手方向ルーメン232、側ポート234A、側ポート234B、および側ポート234Cを含むことができる。内部通路230は、ポケット220から、収集した生体物質を受けるように構成することができる。内部通路230は、必要に応じて内カテーテル202に含まれてもよい。
【0058】
図8Aは、シャフト208を覆っている外シース204、およびシャフト208内の内部通路230を示す、図7の8A-8A平面における凹凸のある掻取り体210の断面図である。図8Bは、歯218を示す、図7の8B-8B平面における凹凸のある掻取り体210の断面図である。図8Cは、ポケット220を示す、図7の8C-8C平面における凹凸のある掻取り体210の断面図である。図7図8Cは、同時に説明される。
【0059】
図7の凹凸のある掻取り体210は、歯218およびポケット220を含むことなどによって、図6の凹凸のある掻取り体210と同様に構成することができる。図12および図13を参照して詳しく説明されるように、歯218は、組織をスライス、切断、擦る、すりおろす、または撹拌するように構成できる、掻取り縁部219を含むことができる。掻取り縁部219の一部は、いかなる刺激も生じさせることなく、組織の上方で、または横切って摺動するように構成することができる。
【0060】
長手方向ルーメン232は、凹凸のある掻取り体210を通って延びる、軸線方向に延びる通路を含むことができる。実施例では、長手方向ルーメン232は、その中のポケット220のそれぞれに接続するために、凹凸のある掻取り体210の全長にわたって延びることができる。長手方向ルーメン232は、無外傷性先端212までずっと延びている必要はない。しかしながら、長手方向ルーメン232は無外傷性先端212まで延びてもよく、無外傷性先端212は、内部通路230にアクセスするために除去可能であってもよい。同様に、長手方向ルーメン232は、シャフト208の中に延びる必要はないが、凹凸のある掻取り体210(図9)からのシャフト208の切り離し、または除去装置(図11)もしくはシステム(図21)への接続など、内部通路230へのアクセスを容易にするためにそのようにしてもよい。実施例では、長手方向ルーメン232は、ハンドピース206(図6)までずっと延ばすことができ、付加的な実施例では、図21に見られるように、ハンドピース206を貫通して延びることができる。長手方向ルーメン232は、中心線CLに沿って延びる筒状の通路を含むことができる。長手方向ルーメン232の直径または断面は、シャフト208を弱化することなく、生体物質がここを自在に通過できるように十分に大きくすることができる。
【0061】
側ポート234A、側ポート234B、および側ポート234Cは、1つ以上のポケット220から中心線CLに向かって径方向内方に延びることができる。側ポート234A~側ポート234Cは、ポケット220の中に延びる円筒孔を含むことができる。しかしながら、側ポート234A~側ポート234Cは、ポケット220から中心線CLに向かって、中心線CLを通過しない軸線に沿って非径方向に傾けてもよい。このように、ポケット220はそれぞれ、中心線CLに対して異なる径方向位置で生体物質を収集するために、側ポート234A~側ポート234Cのうちの1つ以上を備えることができる。側ポート234Aは、1つのポケット220から別のポケット220まで、凹凸のある掻取り体210を横切ってずっと径方向に延びることができる。側ポート234Aは、ポケット220の両側、またはポケット220などの環状のポケットの両側から生体物質を収集することができる。側ポート234Bおよび側ポート234Cは、生体物質が凹凸のある掻取り体210を通過するのを防止するために、ポケット220の片側から径方向内方に延びることができる。側ポート234A、側ポート234B、および側ポート234Cのうちの1つ以上の、異なる組合せが使用されてもよい。
【0062】
側ポート234A~側ポート234Cは、生体物質をポケット220の径方向内方に貯蔵できるようにすることによって、凹凸のある掻取り体210の荷重容量を増やすことができる。側ポート234A~側ポート234Cはさらに、生体物質がポケット220を通って、長手方向ルーメン232に入れるようにすることができる。長手方向ルーメン232は、凹凸のある掻取り体210に付加的な貯蔵空間を与えることができる。図10および図11を参照して説明するように、内部通路230は、凹凸のある掻取り体210からの生体物質の収集を容易にすることができる。図21を参照して説明するように、内部通路230は、流体注入または吸引システムを使用した生体物質の収集を容易にすることができる。
【0063】
図9は、分離部240を介してシャフト208に接続された凹凸のある掻取り体210を示す、図6のサンプル採取装置200の概略側面図である。分離部240は、凹凸のある掻取り体210をシャフト208から引き離せるように、材料の一部分を含むことができる。実施例では、分離部240は、シャフト208内の穿孔を含んでもよい。実施例では、分離部240は、薄くした部分などの、シャフト208の弱化部を含んでもよい。実施例では、分離部240は、サンプル採取装置200によって引き裂いたりスライスしたりするのを容易にするために、プラスチック、シリコーン、またはゴム材料など、シャフト208とは異なる材料を含むことができる。実施例では、分離部240は、シャフト208および凹凸のある掻取り体210に接続する複数の壊れやすい支柱を含むことができる。実施例では、分離部240は、シャフト208と凹凸のある掻取り体210との間に、ねじ結合またはスナップ嵌め結合などの解除可能な結合を含むことができる。実施例では、分離部240と同様の分離または解除可能な結合を含むカプラ241を介して、無外傷性先端212を凹凸のある掻取り体210に結合することができる。
【0064】
ポケット220が生体物質で満たされるかまたは部分的に満たされるように生体物質を収集するために凹凸のある掻取り体210が使用された後は、サンプル採取装置200は解剖学的構造から取り除かれてもよく、分離部240は、シャフト208から凹凸のある掻取り体210を除去するために、壊されるかまたは切り離されてもよい。その後、凹凸のある掻取り体210は、生体物質を収集して分析できる試験室に運ぶことができる。実施例では、生体物質で満たされた凹凸のある掻取り体210は、分析用の組織細胞を収集するために液槽に入れられてもよい。実施例では、無外傷性先端212は、組織分析が行われる前に、凹凸のある掻取り体210から除去することができる。実施例では、内部通路230などの、凹凸のある掻取り体210内の通路は、生検手順に使用される流体が凹凸のある掻取り体210を通過できるようにすることによって、生体物質の除去を容易にすることができる。
【0065】
図10は、スリット252を含む、サンプル採取装置のシャフト250の斜視図である。スリット252は、第1の縁部254Aおよび第2の縁部254Bを含むことができる。シャフト250は、環状の本体256およびルーメン258を含むことができる。シャフト250は、例えば、図6および図8Aのシャフト208を含むことができる。実施例では、シャフト250は、ロールシート材料または切断された継ぎ目のないチューブを含むことができる。実施例では、スリット252は、凹凸のある掻取り体210からハンドピース206(図6)まで、シャフト250に沿って延びることができる。他の実施例では、スリット252は、シャフト250の一部のみにわたって延びることができる。実施例では、ハンドピース206は、ルーメン258などの内部通路230(図7)へのアクセスを容易にするために、除去可能に構成することができる。スリット252は、別の器具が内部通路230と相互作用できるように構成することができる。スリット252は、第1の縁部254Aと第2の縁部254Bとを、距離D1で互いに離間することができる。距離D1は、生体物質がルーメン258から落ちる、あるいはルーメン258から離れるのを阻止または防止するために、小さくすることができる。しかしながら、図11に示すように、距離D1は、器具の一部がそこを通れるように十分な大きさにしてもよい。実施例では、距離D1は、約1.0mmにすることができる。実施例では、環状の本体256は、距離D1をばねで閉じるように構成することができ、その結果、第1の縁部254Aが第2の縁部254Bと接触する。しかしながら、このような実施例では、スリット252が開くように、第1の縁部254Aと第2の縁部254Bとの間に器具を挿入してもよい。
【0066】
図11は、スリット252の中に延びる掻取り器260を有する、図10のシャフト250の断面図である。掻取り器260は、ハンドル262およびパドル264を備えることができる。シャフト250のルーメン258は、直径D2を有することができ、パドル264は直径D3を有することができる。パドル264をルーメン258内で動かすことができるように、パドル264の直径D3は、ルーメン258の直径D2よりわずかに小さくすることができる。実施例では、パドル264は、ルーメン258を形成する環状の本体256の壁と接触して、これらの間に密封を形成することができる。実施例では、パドル264は、ルーメン258を形成する環状の本体256の壁から離間されてもよい。パドル264は、生体物質を押してシャフト250を通すために、ルーメン258を通って進むことができるディスクまたはプレートを備えることができる。パドル264は、ルーメン258に沿って生体物質を押すために、十分な剛性を有することができる。パドル264およびハンドル262は、厚さがわずか約0.5cm~約1.0cmなどの薄さにすることができる。
【0067】
ハンドル262は、軸線A1に沿って、パドル264からスリット252を通って延びることができる。ハンドル262は、サンプル採取装置の操作者が握れるように、シャフトまたはチューブなどの細長い本体を備えることができる。ハンドル262は、ルーメン258に沿って生体物質を押すために、十分な剛性を有することができる。ハンドル262は、距離D1よりわずかに小さい厚さを有することができる。実施例では、ハンドル262は、第1の縁部254Aおよび第2の縁部254Bと接触して、これらの間に密封を形成することができる。実施例では、ハンドル262は、第1の縁部254Aおよび第2の縁部254Bから離間させることができる。
【0068】
ポケット220が生体物質で満たされるかまたは部分的に満たされるように生体物質を収集するために凹凸のある掻取り体210が使用された後は、サンプル採取装置200は解剖学的構造から取り除かれてもよく、ルーメン258の中に掻取り器260が挿入されてもよい。実施例では、無外傷性先端212などの無外傷性先端は、ルーメン258内にパドル264を配置できるように、環状の本体256から分離することができる。したがって、パドル264は、パドル264の面が中心線CLに対して垂直になるようにルーメン258によって位置決めされ、そこを通って進むことができる。実施例では、パドル264は、例えばパドル264の面を中心線CLと平行に位置決めして、スリット252と位置合わせされてもよく、これによってパドル264をルーメン258の中に通し、次に、ルーメン258の中心軸線を横切るように、軸線A1の周囲で回転させてもよい。その後、パドル264は、生体物質をハンドピース206(図6)に向かって押すために、ハンドル262を使用して近位方向に進めるか、または生体物質を無外傷性先端212に向かって押すために遠位方向に進めることができる。実施例では、生体物質をルーメン258から押し出せるように、ハンドピース206および無外傷性先端212を除去することができる。実施例では、シャフト250の近位部は、吸引、またはスプーン、杓子、またはへらなどの別の器具を使用して生体物質を抜き出せるように、アクセスポートまたは窓を含むことができ、その結果、スリット252はハンドピース206までずっと延びている必要はなく、ハンドピース206が除去可能である必要はない。生体物質は容器に移されて、生体物質を分析できる試験室に運ぶことができる。
【0069】
図12は、本開示の第1の縁部272Aおよび第2の縁部272Bを有するシャフト271を備える、凹凸のある掻取り体270の概略側面図である。図示されている実施例では、第1の縁部272Aは摺動縁部を含むことができ、第2の縁部272Bは摺動縁部に対向する刃先を備えることができる。第1の縁部272Aは、中心線CLに向かって内方に偏向され、鈍端276で終わる本体274を含むことができる。第2の縁部272Bは、シャフト271から軸線方向外方に真っ直ぐに延び、点280で終わる本体278を備えることができる。シャフト271は、中心線CLの周囲を回る環状の本体を含むことができる。なお、図12はシャフト271の半分のみを示している。図12では、シャフト271の中心線CLからの距離は、縮尺通りに示されているとは限らない。
【0070】
図12の凹凸のある掻取り体270は、一方向の掻取り用に構成することができる。つまり、凹凸のある掻取り体270は、近位および遠位方向のうちの1つの方向に進んだときに生体物質を掻き取り、他方に進んだときは掻き取らないように構成することができる。このように、第1の縁部272Aおよび第2の縁部272Bのうちの1つのみが掻取り用に構成される。
【0071】
図12の実施例では、第1の縁部272Aは、掻取りを行わないように構成されている。第1の縁部272Aは、生体物質と接触するのを防止するために、中心線CLに向かって内方に丸められ傾けられている。具体的には、鈍端276は丸められるか、あるいは湾曲した表面を含むことができ、本体274は、図12において右に押されたときに、第1の縁部272Aが解剖学的構造に対して湾曲した表面のみを向けるように、内方に傾けることができる。このように、第1の縁部272Aは、組織を撹拌または刺激することなく、摺動して組織を横切ったり組織の上方で摺動したりすることができる。実施例では、第1の縁部272Aは、鈍端および傾いた本体のうちの1つのみを含んでもよい。例えば、第1の縁部272Aは、本体274によって内方に湾曲されていない鈍端276を含んでもよく、あるいは第1の縁部272Aは、内方に湾曲した本体274を有してもよく、その結果、本体274の先端または端部が組織に接触することはないので、(図13の第2の縁部292Bと同様に)組織と係合しない縁部を有することができる。
【0072】
図12の実施例では、第2の縁部272Bが、掻取りを行うように構成されている。第2の縁部272Bは鋭利で、生体物質と接触するように軸線方向に突出している。具体的には、点280は鋭利にするか、あるいは刃付きの表面を含むことができ、本体278は、図12において左に押されたときに、第2の縁部272Bが解剖学的構造に対して掻取り面のみを向けるように傾けることができる。点280は、径方向外方に突出しないように、シャフト271の外面と軸線方向に整列される。このように、点280は、外シース204(図6)、補助スコープ134(図5)、または内視鏡14(図1)と干渉することはない。点280は、生体物質を基底組織から分離するのに適した縁部を含むことができる。実施例では、点280は、剃刀または刃などの鋭利な縁部を含むことができる。しかしながら、点280は鋭利な縁部を含む必要はなく、組織を撹拌または擦ることができる粗面の縁部を含んでもよい。
【0073】
実施例では、第1の縁部272Aが第2の縁部272Bの遠位にあり(例えば、図12においてハンドピース206[図6]が右側にある)、凹凸のある掻取り体270は、遠位方向に押されると生体物質を掻き取り、近位方向に引かれると生体物質を掻き取らないように構成することができる。
【0074】
実施例では、第2の縁部272Bが第1の縁部272Aの遠位にあり(例えば、図12においてハンドピース206[図6]が左側にある)は、凹凸のある掻取り体270は、近位方向に引かれると生体物質を掻き取り、遠位方向に押されると生体物質を掻き取らないように構成することができる。
【0075】
図13は、本開示の第1の縁部292Aおよび第2の縁部292Bを有するシャフト291を備える、凹凸のある掻取り体290の概略側面図である。図示されている実施例では、第1の縁部292Aは刃先を含むことができ、第2の縁部292Bは摺動縁部を備えることができる。第1の縁部292Aは、シャフト291から軸線方向外方に真っ直ぐに延び、点296で終わる本体294を備えることができる。第2の縁部292Bは、中心線CLに向かって内向きに偏向され、摺動端300で終わる本体298を含むことができる。シャフト291は、中心線CLの周囲を回る環状の本体を含むことができる。なお、図13はシャフト291の半分のみを示している。図13では、シャフト291の中心線CLからの距離は、縮尺通りに示されているとは限らない。
【0076】
図13の凹凸のある掻取り体290は、一方向の掻取り用に構成することができる。つまり、凹凸のある掻取り体290は、近位および遠位方向のうちの1つの方向で進んだときに生体物質を掻き取り、他方に進んだときは掻き取らないように構成することができる。このため、第1の縁部292Aおよび第2の縁部292Bのうちの1つのみが掻取り用に構成される。
【0077】
図13の実施例では、第1の縁部292Aが、掻取りを行うように構成されている。第1の縁部292Aは鋭利で、生体物質と接触するように軸線方向に突出している。具体的には、点296は鋭利にするか、あるいは刃付きの表面を含むことができ、本体294は、図13において右に押されたときに、第1の縁部292Aが解剖学的構造に対して掻取り面のみを向けるように傾けることができる。点296は、径方向外方に突出しないように、シャフト291の外面と軸線方向に整列される。このように、点296は、外シース204(図6)、補助スコープ134(図5)、または内視鏡14(図1)と干渉することはない。点296は、生体物質を基底組織から分離するのに適した縁部を含むことができる。実施例では、点296は、剃刀または刃などの鋭利な縁部を含むことができる。しかしながら、点296は鋭利な縁部を含む必要はなく、組織を撹拌または擦ることができる粗面の縁部を含んでもよい。
【0078】
図13の実施例では、第2の縁部292Bは、掻取りを行わないように構成されている。第2の縁部292Bは、生体物質と接触するのを防止するために、中心線CLに向かって内方に傾けることができる。具体的には、摺動端300は内方に突出した縁部を含むことができ、その結果、第2の縁部292Bは、図13において左に押されたときに、解剖学的構造に対して傾いた、または傾斜した面のみを向ける。このように、第2の縁部292Bは、組織を撹拌または刺激することなく、摺動して組織を横切ったり組織の上方で摺動したりすることができる。実施例では、第2の縁部292Bは鈍端を含んでもよい。例えば、摺動端300は、丸めた先端をさらに含んでもよい。
【0079】
実施例では、第1の縁部292Aが第2の縁部292Bの遠位にあり(例えば、図13においてハンドピース206[図6]が右側にある)、凹凸のある掻取り体290は、近位方向に引かれると生体物質を掻き取り、遠位方向に押されると生体物質を掻き取らないように構成することができる。
【0080】
実施例では、第2の縁部292Bが第1の縁部292Aの遠位にあり(例えば、図13においてハンドピース206[図6]が左側にある)は、凹凸のある掻取り体290は、遠位方向に押されると生体物質を掻き取り、近位方向に引かれると生体物質を掻き取らないように構成することができる。
【0081】
図12および図13は、図6の歯218、または図7の掻取り縁部219で使用できる縁部の実施例を示す。図12および図13に示す様々な縁部、すなわち第1の縁部272A、第2の縁部272B、第1の縁部292A、および第2の縁部292Bは、異なる組合せで使用することができる。実施例では、凹凸のある掻取り体210は、例えば、一方向の掻き取りまたは双方向の掻取りを行うように構成することができる。したがって、実施例では、対向する縁部、すなわち第1の縁部272Aおよび第2の縁部272B、または第1の縁部292Aおよび第2の縁部292Bのうちの少なくとも1つの縁部を掻き取るように構成でき、あるいは対向する縁部の両方の縁部、すなわち第1の縁部272Aおよび第2の縁部272B、または第1の縁部292Aおよび第2の縁部292Bを掻き取るように構成することができる。しかしながら、いくつかの実施例では、対向する縁部のいずれの縁部も、掻き取るように構成されなくてもよい。実施例では、凹凸のある掻取り体210は、歯218のすべてが掻き取るとは限らないように構成することができる。例えば、図7の歯218の1つおきの歯が掻き取るように構成されてもよく、あるいは凹凸のある掻取り体210が、以前に切断またはほぐした生体物質を掻き取って収集するように構成されてもよい。
【0082】
図14は、切欠きまたはトレンチ316によって離間された可撓性リンク機構または可撓性リンク314を含む、可撓性掻取り部312を備える、本開示のサンプル採取装置310の斜視図である。可撓性掻取り部312は、シャフト318と先端320との間に配置することができる。
【0083】
可撓性掻取り部312は、解剖学的構造を通して挿入するのを容易にするために、かつ生体物質の収集を容易にするために、本開示の凹凸のある掻取り体を曲げられるように構成することができる。可撓性掻取り部312は、シャフト318の材料の延長部を含むことができ、あるいはシャフト318に取り付けられた分離部品を含むことができる。先端320は、可撓性掻取り部312に取り付けることができ、本明細書で説明されるような無外傷性先端として構成することができる。可撓性リンク314は、サンプル採取装置310に、曲げ、および切断または掻取り機能を同時に与えることができる。例えば、トレンチ316が、曲げられるように可撓性掻取り部312の材料内に空間を与えることができる一方で、可撓性リンクの縁部は、生体物質を分離するために鋭利にすることができる。
【0084】
可撓性リンク314は、可撓性掻取り部312をシャフト318の中心軸線(例えば、図15Cの中心線CL)に対して径方向に曲げられるように、離間した連動体を含むことができるが、これらは可撓性掻取り部312に剛性を与えるために軸線方向に接続される。曲げる際に、連動体は、さらに曲がるのを防止するために、最終的には互いに接触する。
【0085】
図15Aは、静止時に拡張した状態になっているためにトレンチ316がギャップ322を形成している、図14の可撓性リンク314の上面図である。図15Bは、圧縮下で収縮状態になっている、図15Aの可撓性リンク314の上面図である。可撓性リンク314は、周方向ストリップ324およびローブ326を含むことができる。図15Aおよび図15Bは、同時に説明される。
【0086】
周方向ストリップ324は、サンプル採取装置310に周方向の剛性を与える環状の本体を含むことができる。環状の本体は、曲げる性能を妨害することなく軸線方向の剛性を与えるために、延長部325を使用して、可撓性掻取り部312の長さに沿って異なる周方向位置で、軸線方向に互いに接続することができる。ローブ326は、周方向に延びる端面を有する台形の本体、およびシャフト318の中心軸線に対して斜めになっている2つの側面を備えることができる。周方向ストリップ324は、対向する軸方向側から交互に延びる、ローブ326を含むことができる。ローブ326は、隣接する周方向ストリップ324上のトレンチ316によって与えられる、対向する形状の切欠きの中に嵌めることができる。したがって、シャフト318が曲げられると、台形本体は、対向する周方向ストリップ324の隣接する台形本体に対して、接触するまで摺動することができる。延長部325は、シャフト318の連続性を維持するために、隣接する周方向ストリップ324間の少なくとも1つの周方向位置に設けることができる。
【0087】
図15Cは、掻取り縁部328を組み込んだ、図14の可撓性リンク314の概略側面図である。掻取り縁部328は、まくれ330を含むことができる。掻取り縁部328は、図12および図13の任意の掻取り縁部として構成することができる。
【0088】
可撓性掻取り部312は、図15Aおよび図15Bのパターンで切断された平坦な金属板で製作することができる。実施例では、トレンチ316は、第1の側面332にレーザービームを印加することなどによって、レーザー切断によって形成することができる。さらに、レーザー切断によって、材料を貫通したときに、掻取り縁部328にまくれ330が形成される可能性がある。まくれ330は、掻取り機能を与えるために付加的に使用することができる。
【0089】
付加的な実施例では、トレンチ316は、エッチングによって形成することができる。例えば、トレンチ316を形成するために、シャフト318の第1の側面332に酸が堆積されてもよい。酸は、接触がなされたシャフト318の材料を腐食する、または侵食することができる。重力その他の力が、材料を通って第2の側面334の方へ酸を移動させ得る。酸が材料を通って移動するにつれて、酸はエッチング経路を狭めながら消費されることができ、酸が第2の側面334を貫通すると、結果として掻取り縁部328が形成される。
【0090】
付加的な例では、例えば、レーザー切断または酸エッチングの後で、シャフト318は、1つ以上の掻取り縁部328を内方に押し込むために圧延工程にかけられてもよく、これは図12および図13を参照して説明されているものと同様に、一方向の掻取りを生じさせる非掻取り縁部を作るためである。
【0091】
図16Aは、作動ワイヤ340を含む、本開示のサンプル採取装置310用の、可撓性掻取り部312の概略側面図である。可撓性掻取り部312は、ローブ326および周方向ストリップ324の対向部から延びる、掻取り縁部328を含むことができる。作動ワイヤ340は、コネクタ342によって、可撓性掻取り部312の遠位部に取り付けることができる。作動ワイヤ340は、図14図15Cのサンプル採取装置310および可撓性掻取り部312を参照して説明されているが、本開示の他のサンプル採取装置および凹凸のある掻取り体と共に使用することができる。1つの作動ワイヤ340のみが図示されているが、必要に応じて複数の作動ワイヤが使用されてもよい。
【0092】
図16Aは、上側344および下側346を含むサンプル採取装置310の両側を示し、これは図16Aの配向を参照して標識されている。サンプル採取装置310は、サンプル採取装置310の成形、曲げ、反り、または隆起を誘発するために、アクチベータに接続することができる。実施例では、アクチベータは、引きワイヤまたは作動ワイヤ340を含むことができる。実施例では、アクチベータは、シース204(図6)を含むことができる。例えば、シース204は、一定の長さのワイヤによって、可撓性掻取り部312の遠位部に接続することができる。シース204は、シース204の遠位先端が、ワイヤが張った状態になる前に可撓性掻取り部312を部分的にまたは完全に通り過ぎるように、近位方向に進むように構成することができる。ワイヤが張られると、以下で説明するように、シース204がさらに近位方向へ動くことによって、可撓性掻取り部312の遠位部を引っ張ることができる。したがって、実施例では、以下で説明するように、作動ワイヤ340またはシース204の後方または近位方向への動きが、可撓性掻取り部312の遠位部の、後方または近位方向への動きを生じさせることができ、これによって1つ以上の掻取り縁部328が露出する。作動ワイヤ340またはシース204における引っ張りが解除されると、可撓性掻取り部312は、デフォルトの直線的な構成に戻ることができる。
【0093】
図16Bは、サンプル採取装置310の曲げを誘発するために作動ワイヤ340が引かれている、図16Aの可撓性掻取り部312の概略側面図である。図16Bは、湾曲したまたは曲げられた状態の可撓性掻取り部312を示し、上側344にある掻取り縁部328の1つは、シャフト318の周囲を越えて外方に露出しており、下側346にある掻取り縁部328の1つは、シャフト318の周囲の内方に引っ込んでいる。したがって、図16Bの配向を参照すると、可撓性掻取り部312の上部は、解剖学的構造を掻き取って組織標本を分離するために、上掻取り縁部328を、シャフト318の周囲を越えて露出させて組織と係合することができる。
【0094】
図16Cは、サンプル採取装置310の隆起を誘発するために作動ワイヤ340が引かれている、図16Aの可撓性掻取り部312の概略側面図である。図16Cは、反らされた、隆起した、または突き出た状態の可撓性掻取り部312を示し、上側344にある掻取り縁部328の1つが、シャフト318の周囲を越えて外方に露出しており、かつ下側346にある掻取り縁部328の1つが、シャフト318の周囲を越えて露出している。したがって、図16Cの配向を参照すると、可撓性掻取り部312の上部および下部は、解剖学的構造を掻き取って組織標本を分離するために、上下の掻取り縁部328を、シャフト318の周囲を越えて露出させて組織と係合することができる。
【0095】
図14を参照すると、シャフト318は、サンプル採取装置310の配置を容易にし、かつ可撓性掻取り部312の組織との係合を容易にするために、予め曲げられた部分をさらに含むことができる。実施例では、可撓性掻取り部312は、S字状、J字状、または疑問符状の、予め曲げられた部分を有することができる。このため、図16Bおよび図16Cを参照して説明される可撓性掻取り部312の形状は、作動源なしで実現することができる。実施例では、図6を参照すると、サンプル採取装置310の挿入および後退中に可撓性掻取り部312を真っ直ぐにするために、外シース204を使用することができる。しかしながら、可撓性掻取り部312が対象組織の部位にあるときは、可撓性掻取り部312およびシャフト318が動いて予め曲げられた形状になれるように、外シース204を後退させてもよい。本明細書で述べるように、予め曲げられた部分は、組織とよく係合するように、掻取り縁部328を露出または延長するのを容易にすることができる。
【0096】
可撓性掻取り部312に予め曲げられた部分を導入するために、可撓性掻取り部312の材料が、所望の湾曲に成形できる成形マンドレルの周囲に配置されてから、マンドレルの形状を取れるように加熱されてもよく、これはマンドレルの湾曲を保持するために、高分子結晶の成長率を遅くすることによって可能になる。例えば、可撓性掻取り部312は、華氏約280度(摂氏約138度)で加熱されてもよい。実施例では、ガイドカテーテル100およびそれに付与された予め曲げられた部分の製造は、当業者に知られている従来の製造技術を使用して行われてもよい。
【0097】
図17Aは、共通の方向を向くようにシャフト408に沿って整列した、掻取り縁部404および掻取り縁部406を形成する拡張ポケット402を含む、本開示のサンプル採取装置用の、凹凸のある掻取り体400の概略側面図である。図17Bは、トラフ412、および図示されているトラフの側壁414を示す、図17Aの17B-17B平面における拡張ポケット402のうちの1つの断面図である。図17Cは、図示されているトラフの上に張り出している掻取り縁部404および掻取り縁部406を示す、図17Aの拡張ポケット402のうちの1つの上面図である。図17A図17Cは、同時に説明される。
【0098】
拡張ポケット402は、掻取り縁部404および406を形成するように、シャフト408内に形成することができる。断面(例えば、図17A)において、拡張ポケット402は、図7の掻取り縁部219と同様の形状および機能であってもよい。しかしながら、中心線CLを囲むように、シャフト408の中に凹んだ環状の本体を含むのではなく、拡張ポケット402は、入口および出口を有する軸線方向通路を形成するように、シャフト408を真っ直ぐに通って延びることができる。拡張ポケット402は、トラフ412および側壁414を備えることができる。トラフ412は、掻取り縁部404および406に対して、中心線CLの反対側に配置することができる。しかしながら、図7のポケット220は、完全に中心線の片側に配置されている。このように、拡張ポケット402は、図7のポケット220より容量が大きくてもよい。
【0099】
また、掻取り縁部404および掻取り縁部406は、凹凸のある掻取り体400が、選択可能な径方向で、組織の掻取りを行えるようにすることができる。掻取り縁部404および掻取り縁部406は、中心線CLに対して径方向の配向を有するように、360度未満の円弧に沿って掻取りを行うことができる。凹凸のある掻取り体400によって、外科医は、凹凸のある掻取り体400の反対側にある組織を撹拌することなく、サンプル組織の収集を意図した方向にある組織のみを撹拌することができる。
【0100】
拡張ポケット402はさらに、シャフト408を曲げるのを容易にすることができる。トラフ412は、シャフト408をトラフ412で曲げられるように、シャフト408を薄くした部分を含むことができ、これによって掻取り縁部404および掻取り縁部406を、組織とよく係合するように外方に傾けることができる。実施例では、トラフ412は、シャフト408の直径の約50%から、シャフト408の直径の約8%の位置に配置でき、シャフト408は、トラフ412の位置で、直径の約50%~約20%の厚さを有したままになる。
【0101】
図18は、反対方向を向くように交互のパターンでシャフト428に沿って配置された、掻取り縁部424Aおよび426Aを形成する拡張ポケット422Aと、掻取り縁部424Bおよび426Bを形成する拡張ポケット422Bとを含む、本開示のサンプル採取装置用の、凹凸のある掻取り体420の概略側面図である。
【0102】
断面において、拡張ポケット422Aおよび422Bは、図7の掻取り縁部219と同様の形状および機能であってもよい。しかしながら、中心線CLを囲む環状の本体を含むのではなく、拡張ポケット422Aおよび422Bは、入口および出口を有する軸線方向通路を形成するように、シャフト428を真っ直ぐに通って延びることができる。拡張ポケット422Aは、掻取り縁部424Aおよび426Aに対して中心線CLの反対側に配置されたトラフ432Aを含むことができ、拡張ポケット422Bは、掻取り縁部424Bおよび426Bに対して中心線CLの反対側に配置されたトラフ432Bを含むことができる。このように、拡張ポケット422Aおよび422Bは、図7のポケット220より容量が大きくてもよい。
【0103】
凹凸のある掻取り体420は、凹凸のある掻取り体420が2つの径方向で掻取りを行えることを除いて、図17Aの機能的な掻取り体400と同様に機能できるが、やはり360度の円弧未満である。トラフ432Aおよび432Bは、図17Aのトラフ412と同様の位置に配置でき、可撓性を増すという同じ利点を有することができる。
【0104】
図19は、外向きの掻取りタブ452を備える、本開示の凹凸のある掻取り体450の斜視図である。外向きの掻取りタブ452は、シート454で円弧またはC字状の切り欠きを切り出すことなどによって、シート454から形成することができる。外向きの掻取りタブ452は、開口部456を形成するために、シート454から外方に曲げることができる。実施例では、外向きの掻取りタブ452は、チーズすりおろし器またはレモンの皮むき器と同様に機能するように構成することができる。外向きの掻取りタブ452は、軸線458に沿って延びる空間を形成するように、列状に配置することができる。したがって、外向きの掻取りタブ452は、凹凸のある掻取り体450の配列を形成するために、複数の行および列状に配置することができる。タブ452の縁部は、組織を分離させるために、鋭利または粗面にすることができる。分離された組織は、分析用の組織を収集するために、開口部456の中に押し込むかまたは移動させることができる。シート454は、本開示のサンプル採取装置の一部を形成するように、巻いて筒状のシャフトに入れることができる。
【0105】
図20は、外向きの掻取りタブ452からの分離を提供するためのスタンドオフ462を有する、図19の凹凸のある掻取り体450で使用するシース460の斜視図である。スタンドオフ462は、シート464から延びることができる。スタンドオフ462は、軸線466に沿って延びる列状に配置することができる。スタンドオフ462は、図19の外向きのタブ452の列同士の間に適合するサイズにすることができる。したがって、スタンドオフ462の列は、外向きのタブ452がシース460にくっついたり結合したりするのを防止するために、軸線458において、シート454に沿って摺動することができる。スタンドオフ462は、シート464に取り付けられた本体を含むことができ、あるいはシート464の中に形成された、丸められたディンプルなどの隆起または突起を含むことができる。実施例では、シース460は、図6のシース204を含むことができる。
【0106】
胆道鏡では、一方向にしか進まないシース/すりおろし器を作ることができる。歯は近位方向を向くことができるので、すりおろし器をシース内に延ばすことができるが、その後、両方を引き抜いてシースを切り落とすことになる。すりおろし器を遠位方向に突出するように押し、前後に操作し、削り器が突き出したまま、胆道鏡および削り器を除去する。この2つが十二指腸内視鏡から出たら、削り器をもう少し進めて、削り器の端部を切り落とす。こうして、損傷することなく、胆道鏡を通して歯のない削り器装置の残部を引き戻すことができる。十二指腸内視鏡は破損する可能性があるため、これが機能しない場合がある。
【0107】
図21は、流体システム502に接続された、本開示のサンプル採取装置500の概略断面図である。サンプル採取装置500は、先端504、凹凸のある掻取り体506、シャフト508、ハンドル510、および内部通路512を備えることができる。流体システム502は、注射器514、ポンプ516、流体ライン518、およびカプラ520を含むことができる。
【0108】
サンプル採取装置500は、図7のサンプル採取装置200と同様に構成することができる。サンプル採取装置500の内部通路512は、凹凸のある掻取り体506からシャフト508を通り、ハンドル510を通って延びることができる。
【0109】
流体ライン518は、1つ以上の長さの可撓性配管を含むことができる。カプラ520は、ルアーコネクタを含むことができる。注射器514およびポンプ516は、本開示のサンプル採取装置に流体を出入りさせる注入システムを含むことができる。実施例では、注射器514はシリンジを含むことができる。実施例では、ポンプ516は流体ポンプまたはコンプレッサを含むことができる。
【0110】
注射器514およびポンプ516の1つまたは両方を、サンプル採取装置が解剖学的構造に挿入されている間かまたはその後のいずれかに、生理食塩水、灌流流体、洗浄流体その他の流体などの流体をサンプル採取装置500の中に導入するために使用することができる。実施例では、注射器514およびポンプ516の1つまたは両方を、流体を使用して収集した生体物質をサンプル採取装置から押し出すために使用することができ、そうして生体物質を収集し分析することができる。実施例では、注射器514およびポンプ516の1つまたは両方を、サンプル採取装置から収集した生体物質を吸引するか、または真空にするために使用することができる。
【0111】
サンプル採取装置の操作方法の実施例
【0112】
1)胆道鏡の作業チャネルに装置を挿入する。装置は、スコープの先端まで進めることができる。装置が遠位端に達したら、外科医または使用者は、胆道鏡からの画像を見ることによって、装置の遠位先端を見ることができる。
【0113】
2)対象となる解剖学的構造が視覚化されたら、内シースを露出させるために、外シースアクチュエータを引き戻してもよい。
【0114】
3)外科医または使用者は、カテーテルを握って装置全体を内外へ動かすことができる。装置を数回内外に動かすことによって、凹凸のある掻取り体は、チーズすりおろし器と同様に、関心領域を撹拌して組織サンプルを捕捉することができる。
【0115】
4)組織サンプルが得られたら、内シースの凹凸のある掻取り体を覆うように外シースアクチュエータを前進させてもよい。
【0116】
5)外シースおよび内カテーテルを含む装置全体を除去する。
【0117】
6)まだ外シースに覆われている状態で内シースの凹凸のある掻取り体を切り取り、細胞学者による検査のために、細胞学的検体容器に入れる。
【0118】
図22は、凹凸のある掻取り体210を含むものなど、本開示の組織回収装置を使用して、患者から生体物質を収集するサンプル採取方法900の実施例を示すフローチャートである。サンプル採取方法900は、図6の(a)~図6の(d)のサンプル採取装置200、ならびに他の器具の使用を網羅することができる。サンプル採取方法900は、図7図21の装置およびシステムでさらに使用することができる。
【0119】
ステップ902において、十二指腸内視鏡などの内視鏡を、患者の解剖学的構造を通して挿入しナビゲートすることができる。例えば、内視鏡14(図1)は、挿入部28を患者の解剖学的導管を通してガイドするために、本来の撮像性能を使用することができる。挿入部28は、内視鏡14が方向転換するのを容易にするために、制御ノブ38を使用して曲げるまたは湾曲させることができる。
【0120】
ステップ904において、導管のさらに遠くに位置する解剖学的構造にアクセスするために、内視鏡に補助スコープを挿入することができる。例えば、内視鏡14が到達する解剖学的導管と交わる別の解剖学的導管に到達するように、中央ルーメン62(図3C)またはルーメン132(図5)に補助スコープ134(図5)を挿入することができる。昇降機54(図3C)は、補助スコープ134を曲げるかまたは方向転換するために使用することができる。
【0121】
ステップ906において、補助スコープの遠位にある対象組織に到達するように、組織回収装置またはサンプル採取装置を補助スコープに挿入することができる。対象組織は、病気の可能性がある、あるいは患者の病気の状態を示す組織を含んでいてもよい。例えば、サンプル採取装置200(図6)を、凹凸のある掻取り体210が補助スコープ134の遠位端を越えて延びるように挿入することができる。
【0122】
ステップ908において、組織収集装置を、患者内の対象組織の位置までナビゲートすることができる。例えば、サンプル採取装置200は、解剖学的導管を通って対象組織までナビゲートすることができる。対象組織は、病気の可能性がある、あるいは患者の病気の状態を示す組織を含んでいてもよい。
【0123】
ステップ910において、患者の生体物質を視認するために、補助スコープの視認装置を作動させることができる。例えば、カメラレンズ137(図5)の視野内で解剖学的構造を視認するために、撮像ユニット110(図5)を作動させることができる。
【0124】
ステップ912において、撮像ユニットおよび映像表示モニタを使用して対象組織を視認することができる。例えば、撮像ユニット110は、出力ユニット18上に対象組織を表示するために、対物レンズ80を使用することができる。対物レンズ80は、対象組織および凹凸のある掻取り体210を同時に視認することができる。対象組織を照らすために、光源からの光を使用してもよい。例えば、照明レンズ78からの光は、照明ユニット112によって生成され、対象組織に向けることができる。
【0125】
ステップ914において、凹凸のある掻取り体210を覆っている外シース204を後退させることができる。例えば、使用者は、凹凸のある掻取り体210を露出させるために、アクチュエータ214をハンドピース206に向かって近位方向に摺動させることができる。また、本明細書で説明されているように、外シース204を後退させることによって、掻取り体210の予め曲げられた部分を解放することができる。
【0126】
ステップ915において、組織収集装置を対象組織に対して押す、圧する、あるいは圧接させることができる。したがって、サンプル採取装置200は、凹凸のある掻取り体210が、患者の解剖学的構造から1つ以上の組織片を、例えばスライス、穿孔、または削って取り出すように、軸線方向に往復または回転させることができる。また、ステップ915において、切断歯219の組織との係合を容易にするために、凹凸のある掻取り体210を曲げる、反らせる、または湾曲させることができる。例えば、図16Bおよび図16Cに示すように、曲げまたは反りを誘発するために作動ワイヤ340を引くことができる。
【0127】
ステップ916において、ステップ914において患者から分離または収集されたサンプル組織または生体物質を、組織収集装置の内部の空間に貯蔵することができる。例えば、サンプル採取装置200を前後に操作または回転させると、分離されたサンプル組織をポケット220内に配置することができる。さらに、生体物質は、内部通路230(図7)内に貯蔵することができる。
【0128】
ステップ918において、凹凸のある掻取り体210を覆って組織を収集するために、外シース204を延ばすことができる。例えば、使用者は、外シース204で凹凸のある掻取り体210を覆うために、アクチュエータ214をハンドピース206から離れるように遠位方向に摺動させることができる。
【0129】
ステップ920において、補助スコープから除去するなどして組織収集装置を患者から除去してもよく、補助スコープは解剖学的構造の内部に残しておくことができる。外シース204は、患者の解剖学的構造を不注意に切断することのないように、サンプル採取装置200を確実に除去するための防護手段を与えることができる。
【0130】
ステップ922において、収集したサンプル組織を組織収集装置から除去することができる。実施例では、凹凸のある掻取り体210は、分析などのためにサンプル組織を除去するために、シャフト208から分離することができる。例えば、シャフト208は、収集した生体物質を乱すことなく運ぶために、凹凸のある掻取り体210を外シース204の一部と共に、分離するために切断することができる。同様に、分離部240(図9)は、凹凸のある掻取り体210を除去するために壊すことができる。また、凹凸のある掻取り体210から生体物質を押し出すために、掻取り器260(図11)を使用することができる。さらに、図21を参照して説明されているように、収集した生体物質を凹凸のある掻取り体210から押し出すために、流体または吸引を使用することができる。
【0131】
ステップ924において、補助スコープを内視鏡から除去することができる。例えば、補助スコープ134(図5)を内視鏡14(図1)から引き出してもよい。
【0132】
ステップ926において、内視鏡を患者から除去することができる。例えば、内視鏡100(図5)を十二指腸Dから引き出すことができる。患者はその後、適切に患部を閉じられたり、手術を終了する準備をされたりしてもよい。
【0133】
このように、サンプル採取方法900は、患者に対する手術装置の挿入および除去をなくすかまたは減らすために、例えば内部貯蔵を有する凹凸のある掻取り体を使用して、患者の内部通路から十分に多い量の生体物質を収集する方法の実施例を示す。
【0134】
実施例
実施例1は、近位端部、および凹凸のある掻取り体を有する遠位端部を含むシャフトと、シャフトの上で摺動して、凹凸のある掻取り体を交互に覆ったり覆いを取ったりするように構成されたシースとを備える、サンプル採取装置である。
【0135】
実施例2において、実施例1の主題は、必要に応じて、シャフトを配置できる作業チャネルを有する挿入部と、作業チャネルから延ばされたときに、凹凸のある掻取り体を視認可能に構成された撮像装置と、を含む内視鏡を含む。
【0136】
実施例3において、実施例2の主題は、必要に応じて、内視鏡を受けるように構成された十二指腸内視鏡を含む。
【0137】
実施例4において、実施例1~3のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、シャフトは、凹凸のある掻取り体の遠位に配置された無外傷性先端をさらに備え、無外傷性先端は、可撓性キャップを備えることを含む。
【0138】
実施例5において、実施例1~4のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、シャフトは、近位端部に接続されたハンドピースをさらに備えることを含む。
【0139】
実施例6において、実施例1~5のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、シースは、シャフトに沿ってシースが摺動するのを容易にするためのアクチュエータを備えることを含む。
【0140】
実施例7において、実施例6の主題は、必要に応じて、アクチュエータは、ノブを備えることを含む。
【0141】
実施例8において、実施例1~7のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、凹凸のある掻取り体は、複数の歯と、複数の歯が散在する複数のポケットと、含む。
【0142】
実施例9において、実施例1~8のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、凹凸のある掻取り体は、組織をスライスするかまたは擦るように構成された複数行の切断要素と、複数行の切断要素から組織を受けるように構成された内部貯蔵空間と、を備えることを含む。
【0143】
実施例10において、実施例9の主題は、必要に応じて、内部貯蔵空間は、シャフトの内側に凹んだ複数のポケットを含み、切断要素のそれぞれは、複数のポケットのうちの1つの上に張り出している、軸線方向に突出した縁部を含む、ことを含む。
【0144】
実施例11において、実施例10の主題は、必要に応じて、切断要素のそれぞれは、軸線方向に突出した鈍端を備えることを含む。
【0145】
実施例12において、実施例10~11のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、内部貯蔵空間は、複数のポケットのそれぞれから延びている複数の径方向延長通路と、シャフトを通って軸線方向に延びているルーメンと、をさらに備えることを含む。
【0146】
実施例13において、実施例10~12のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、複数のポケットのそれぞれは、シャフトに外接する環状ポケットを備えることを含む。
【0147】
実施例14において、実施例10~13のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、複数のポケットのそれぞれは、シャフトにわたって径方向に延びている軸線方向ポケットを含む、ことを含む。
【0148】
実施例15において、実施例10~14のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、内部貯蔵空間は、シャフトを通って軸線方向に延びているルーメンを含み、切断要素のそれぞれは、刃先と、ルーメンに接続しているシャフト内の開口部と、を形成するように、シャフトから所定の角度で外方に突出しているタブを含む、ことを含む。
【0149】
実施例16において、実施例9~15のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、内部貯蔵空間の少なくとも一部を画定するように、シャフト内に延びている長手方向ルーメンと、シャフトの少なくとも一部に沿って延びているスリットと、長手方向ルーメンに沿って摺動するように構成されたパドルと、スリットを通ってパドルから延びているハンドルと、を含む。
【0150】
実施例17において、実施例9~16のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、内部貯蔵空間の少なくとも一部を画定するように、シャフト内に延びている長手方向ルーメンと、長手方向ルーメンに接続された流体注入または吸引システムと、を含む。
【0151】
実施例18において、実施例1~17のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、凹凸のある掻取り体は、シャフトに形成された複数の可撓性リンク機構を備えることを含む。
【0152】
実施例19において、実施例18の主題は、必要に応じて、複数の可撓性リンク機構のそれぞれは、対向する台形の切欠き内に配置された台形の本体を備えることを含む。
【0153】
実施例20において、実施例1~19のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、凹凸のある掻取り体を偏向させるために、遠位端部に取り付けられた引きワイヤを含む。
【0154】
実施例21において、実施例20の主題は、必要に応じて、引きワイヤは、凹凸のある掻取り体の曲げを誘発するように構成されることを含む。
【0155】
実施例22において、実施例20~21のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、引きワイヤは、凹凸のある掻取り体の隆起を誘発するように構成されることを含む。
【0156】
実施例23において、実施例1~22のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、シャフトは、凹凸のある掻取り体に予め曲げられた部分を含む、ことを含む。
【0157】
実施例24において、実施例1~23のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、シャフトと凹凸のある掻取り体との間に配置された分離部を含む。
【0158】
実施例25は、サンプル採取装置を使用して生体物質を収集するサンプル採取方法であって、該サンプル採取方法は、サンプル採取装置を患者の解剖学的構造に挿入するステップと、サンプル採取装置の凹凸のある掻取り体を対象組織へガイドするステップと、凹凸のある掻取り体で対象組織をすりおろすステップと、凹凸のある掻取り体で対象組織から生体物質を収集するステップとを含む。
【0159】
実施例26において、実施例25の主題は、必要に応じて、サンプル採取装置が延びている内視鏡で、対象組織および凹凸のある掻取り体を視認するステップを含む。
【0160】
実施例27において、実施例25~26のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、凹凸のある掻取り体で対象組織をすりおろすステップは、凹凸のある掻取り体の歯を使用して対象組織の部分をスライスすることを含む、ことを含む。
【0161】
実施例28において、実施例25~27のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、凹凸のある掻取り体で対象組織から生体物質を収集するステップは、凹凸のある掻取り体のポケットの中に対象組織の一部を捕捉することを含む、ことを含む。
【0162】
実施例29において、実施例25~28のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、対象組織のすりおろしを行うために、対象組織に対して凹凸のある掻取り体が露出するようにシースを後退させるステップを含む。
【0163】
実施例30において、実施例29の主題は、必要に応じて、凹凸のある掻取り体とシースとの間にすりおろした対象組織を捕えるために、シースを延ばすステップを含む。
【0164】
実施例31において、実施例25~30のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、サンプル採取装置の無外傷性遠位先端を、対象組織の近位にある導管壁と係合させるステップを含む。
【0165】
実施例32において、実施例25~31のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、掻取り縁部を露出させるために、凹凸のある掻取り体の曲げを誘発するようにアクチベータを引くステップを含む。
【0166】
実施例33において、実施例32の主題は、必要に応じて、アクチベータを引くステップは、凹凸のある掻取り体に接続された挿入シャフト内に延びている引きワイヤを引くこと、または凹凸のある掻取り体を囲むように構成された挿入シースを引くことを含む、ことを含む。
【0167】
実施例34において、実施例25~33のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、収集した生体物質を凹凸のある掻取り体から除去するために、流体システムを作動させるステップを含む。
【0168】
実施例35において、実施例25~34のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、凹凸のある掻取り体から収集した生体物質を除去するのを容易にするために、凹凸のある掻取り体を挿入シャフトから切り離すステップを含む。
【0169】
実施例36において、実施例25~35のいずれか1つ以上の主題は、必要に応じて、凹凸のある掻取り体を、複数の相互接続した掻取りリンク機構に沿って曲げるステップを含む。
【0170】
これらの非限定的な実施例は、それぞれが独立したものであってもよく、あるいは1つ以上の他の実施例と様々な順列または組合せで組み合わされてもよい。
【0171】
注記
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成している添付の図面の参照を含む。図面は、図示することによって、本発明が実施され得る具体的な実施形態を示す。これらの実施形態は、本明細書では「実施例」とも呼ばれる。このような実施例は、図示または説明されている要素に加えてさらに要素を含むことができる。しかしながら、本発明の発明者は、図示または説明された要素のみが提供される実施例も想定している。さらに、本発明の発明者は、本明細書で図示または説明されている、特定の実施例(またはその1つ以上の態様)に関して、あるいは他の例(またはその1つ以上の態様)に関して、図示または説明したこれらの要素(またはその1つ以上の態様)の任意の組合せまたは順列を使用した実施例も想定している。
【0172】
本明細書と、参照することによって本明細書に組み込まれる任意の文書との間で用法が一致しない場合は、本明細書の用法が優先される。
【0173】
本明細書において、「a」または「an」という用語は、特許文書において共通している通り、1または1より多いことを含むものとして使用され、「少なくとも1つ」あるいは「1つ以上」のどの用例または用法とも無関係である。本明細書において、特に指示がない限り、「または」という用語は非排他的なものを示すものとして使用され、その結果「AまたはB」は、「AであってBではない」、「BであってAではない」、および「AおよびB」を含む。本明細書において、「including(含む)」および「in which」という用語は、それぞれの用語の平易な英語「comprising(含む、備える)」および「wherein」と等価なものとして使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「including(含む)」および「comprising(含む、備える)」という用語には制約がなく、つまり特許請求の範囲において、このような用語の後に列挙される要素に加えてさらに要素を含むシステム、装置、物品、組成物、配合物、または工程は、これらも特許請求の範囲内に含まれるとみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1の」、「第2の」、および「第3の」などの用語は単に標識として使用され、これらの対象となるものに数値的な要件を課すことは意図されていない。
【0174】
上記の説明は例示を意図しており、限定するものではない。例えば、上記の実施例(またはその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用されてもよい。例えば、当業者が上記の説明を検討するなどして、他の実施形態が使用されてもよい。発明の概要は、読者が技術的な開示の本質を速やかに確認できるように、37C.F.R.§1.72(b)に準拠して提供されている。本明細書は、特許請求の範囲またはその意味を判断または限定するために使用されないことの理解のもとに提出される。また、上記の「発明を実施するための形態」では、本開示を簡素化するために様々な特徴がまとめられている場合がある。これは、任意のクレームに対して、特許請求されていない開示された特徴が必須であることを意図していると解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない特徴の中にあってもよい。したがって、以下の特許請求の範囲は、実施例または実施形態として「発明を実施するための形態」に組み込まれ、各クレームは個別の実施形態としてそれぞれが独立しており、このような実施形態は、様々な組合せまたは順列で互いに組み合わせてもよいことが想定される。本発明の範囲は、このような特許請求の範囲の権利が与えられている等価物の全範囲と共に、添付の特許請求の範囲を参照して判断されるべきである。
【符号の説明】
【0175】
10 内視鏡システム
12 撮像および制御システム
14 内視鏡
16 制御ユニット
18 出力ユニット
20 入力ユニット
22 光源ユニット
24 流体源
26 吸引ポンプ
28 挿入部
30 機能部
32 ハンドル部
34 ケーブル部
36 カプラ部
38 制御ノブ
40A ポート
40B ポート
41 カート
42 画像処理ユニット
44 治療生成器
46 駆動ユニット
47 ケーブル
49 ケーブル
50 側視内視鏡カメラモジュール
51 ランプ面
52 ハウジング
53 収容空間
54 昇降機
55 偏向器
55’ 偏向器
56 流体出口
56A 流体出口
56B 流体ライン
57 ワイヤ
58 照明レンズ
59 チューブ
60 対物レンズ
61 ピン
62 中央ルーメン
63 器具
64 光送信機
65 窓
66 プリズム
67 画像処理ユニット
68 配線
69 溝
70 先端視内視鏡カメラモジュール
72 ハウジング
74 治療ユニット
76 流体出口
78 照明レンズ
80 対物レンズ
82 ルーメン
84 光送信機
87 撮像ユニット
88 配線
89 流体ライン
100 内視鏡、ガイドカテーテル
102 機能モジュール
104 挿入部モジュール
106 制御モジュール
108 コントローラ
110 撮像ユニット
112 照明ユニット
114 動力ユニット
120 導管壁
122 オッディ括約筋
124 総胆管
126 主膵管
128 入口
129 通路
130 昇降機部
132 ルーメン
134 補助スコープ
136 ルーメン
137 カメラレンズ
200 サンプル採取装置
202 内カテーテル
204 外シース
206 ハンドピース
208 シャフト
210 掻取り体
212 無外傷性先端
214 アクチュエータ
216 可撓性チューブ
218 歯
219 掻取り縁部、切断歯
220 ポケット
230 内部通路
232 長手方向ルーメン
234A 側ポート
234B 側ポート
234C 側ポート
240 分離部
241 カプラ
250 シャフト
252 スリット
254A 第1の縁部
254B 第2の縁部
256 環状の本体
258 ルーメン
260 掻取り器
262 ハンドル
264 パドル
270 掻取り体
271 シャフト
272A 第1の縁部
272B 第2の縁部
274 本体
276 鈍端
278 本体
280 点
290 掻取り体
291 シャフト
292A 第1の縁部
292B 第2の縁部
294 本体
296 点
298 本体
300 摺動端
310 サンプル採取装置
312 可撓性掻取り部
314 可撓性リンク
316 トレンチ
318 シャフト
320 先端
322 ギャップ
324 周方向ストリップ
325 延長部
326 ローブ
328 掻取り縁部
330 まくれ
332 第1の側面
334 第2の側面
340 作動ワイヤ
342 コネクタ
344 上側
346 下側
400 掻取り体
402 拡張ポケット
404 掻取り縁部
406 掻取り縁部
408 シャフト
412 トラフ
414 側壁
420 掻取り体
422A 拡張ポケット
422B 拡張ポケット
424A 掻取り縁部
424B 掻取り縁部
426A 掻取り縁部
426B 掻取り縁部
432A トラフ
432B トラフ
428 シャフト
450 掻取り体
452 外向きの掻取りタブ
454 シート
456 開口部
458 軸線
460 シース
462 スタンドオフ
464 シート
466 軸線
500 サンプル採取装置
502 流体システム
504 先端
506 掻取り体
508 シャフト
510 ハンドル
512 内部通路
514 注射器
516 ポンプ
518 流体ライン
520 カプラ
900 患者から生体物質を収集する方法
A1 中心長手方向軸線
CL 中心線
D 十二指腸
D1 距離
D2 ルーメンの直径
D3 パドルの直径
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図18
図19
図20
図21
図22