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特開2024-144337HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の充填方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144337
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の充填方法
(51)【国際特許分類】
   F25B 45/00 20060101AFI20241003BHJP
   C09K 5/04 20060101ALI20241003BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20241003BHJP
   F25B 13/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F25B45/00 B
C09K5/04 F
F25B1/00 396Z
F25B13/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024051223
(22)【出願日】2024-03-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-07-10
(31)【優先権主張番号】P 2023051242
(32)【優先日】2023-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 智仁
(72)【発明者】
【氏名】後藤 智行
(72)【発明者】
【氏名】山田 康夫
【テーマコード(参考)】
3L092
【Fターム(参考)】
3L092AA01
3L092AA11
3L092BA00
(57)【要約】
【課題】HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む非共沸混合冷媒の移充填時の組成変化を、冷媒性能の許容範囲内に収める事の出来る混合冷媒の充填方法を提供する事を目的とする。
【解決手段】HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の充填方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から移充填完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、
移充填開始前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y1)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする、混合冷媒の充填方法。
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、12≦x≦92、但し、y1>0となる範囲を除く)。
y1:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(1)で表される値である(重量%)。
1000y1= L1x3+ M1x2 + N1x + P1 (1)
L1= 0.00000021a2 + 0.00005357a + 0.00301429
M1= 0.00001630a2 - 0.02301211a - 0.78617143
N1= -0.00266429a2 + 1.70890000a + 55.79285714
P1= -0.02635714a2 - 2.82442857a - 4328.57142857
【請求項2】
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から移充填完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、
移充填開始前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y2)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする、混合冷媒の充填方法。
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、11.5≦x≦34.4、又は54.1≦x≦91.5、但し、y2>0となる範囲を除く)。
y2:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(2)で表される値である(重量%)。
1000y2= L2x3+ M2x2 + N2x + P2 (2)
L2= 0.00000018a2 + 0.00004664a + 0.00442857
M2= 0.00003791a2 - 0.02400804a - 0.90728571
N2= -0.00544464a2 + 1.98335357a + 50.41428571
P2= 0.04232143a2 - 10.78821429a - 3008.18571429
【請求項3】
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から移充填完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、
移充填開始前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y3)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする、混合冷媒の充填方法。
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、11≦x≦17.6、又は74.2≦x≦91、但し、y3>0となる範囲を除く)。
y3:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(3)で表される値である(重量%)。
1000y3= L3x3+ M3x2 + N3x + P3 (3)
L3= -0.00000746a2 + 0.00109679a - 0.03042857
M3= 0.00107004a2 - 0.16541279a + 3.77611429
N3= -0.04430179a2 + 7.22883929a - 123.14571429
P3= 0.40416071a2 - 56.68153571a - 507.98571429
【請求項4】
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から移充填完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、
移充填開始前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y4)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする、混合冷媒の充填方法。
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、12≦x≦92、但し、y4>0となる範囲を除く)。
y4:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(4)で表される値である(重量%)。
1000y4= L4x3+ M4x2 + N4x + P4 (4)
L4= 0.00000191a2 - 0.00019975a + 0.01294286
M4= -0.00022132a2 + 0.01221707a - 2.25342857
N4= 0.00507143a2 + 0.56545714a + 111.01142857
P4= -0.06323214a2 + 3.21625000a - 4672.82857143
【請求項5】
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から移充填完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、
移充填開始前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y5)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする、混合冷媒の充填方法。
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、11.5≦x≦29.9、又は60.2≦x≦91.5、但し、y5>0となる範囲を除く)。
y5:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(5)で表される値である(重量%)。
1000y5= L5x3+ M5x2 + N5x + P5 (5)
L5= 0.00000023a2 + 0.00002804a + 0.00555714
M5= 0.00005254a2 - 0.02547864a - 0.98317143
N5= -0.00620893a2 + 2.10902500a + 54.78428571
P5= 0.03244643a2 - 9.08525000a - 3109.01428571
【請求項6】
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から移充填完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、
移充填開始前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y6)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする、混合冷媒の充填方法。
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、11≦x≦16.1、又は76.6≦x≦91、但し、y6>0となる範囲を除く)。
y6:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(6)で表される値である(重量%)。
1000y6= L6x3+ M6x2 + N6x + P6 (6)
L6= -0.00000229a2 + 0.00040314a - 0.00802857
M6= 0.00040107a2 - 0.07670157a + 0.88952857
N6= -0.02104464a2 + 4.23275357a - 25.47571429
P6= 0.21416071a2 - 33.68810714a - 1107.64285714
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の充填方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、(a)HFC-32を含む第一の成分、(b)多フッ素化されたC2~C5のオレフィンから選択される第二の成分、及び(c)場合により、フッ素化されたC2~C3のアルカン、CF3I、及びこれらの組合せから選択される少なくとも1種の第三の成分を含む熱伝達組成物を開示する。特許文献2は、HFO-1234yf、HFC-134a、及びHFC-32を含む組成物を開示する。
【0003】
本出願人は、HFC-32、HFC-125、及びHFO-1234yfを含む冷媒組成物を開発している(特許文献3)。本出願人は、HFC-32、HFC-125、及びHFC-134aを含む非共沸混合冷媒の充填方法を開発している(特許文献4、及び5)。本出願人は、HFC-32、及びHFO-1234ze(E)を含む混合冷媒の充填方法を開発している(特許文献6)。本出願人は、HFC-32、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の充填方法を開発している(特許文献7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-047754号公報
【特許文献2】特表2011-522947号公報
【特許文献3】特表2011-525204号公報
【特許文献4】特開平10-197108号公報
【特許文献5】再表WO96/33377
【特許文献6】特開2015-168696号公報
【特許文献7】再表WO2014/038604
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含む非共沸混合冷媒の移充填時の組成変化を、冷媒性能の許容範囲内に収める事の出来る混合冷媒の充填方法を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、この様な密閉容器に貯蔵された2種の沸点の異なる液化ガスを含む非共沸混合物を液側から別の容器に移充填する際に生じる組成変化の問題を解決するために液化ガスの充填方法について鋭意検討を加えた。
【0007】
即ち、本開示は、下記のトランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含む非共沸混合冷媒の充填方法を提供する。
【0008】
本開示の混合冷媒の充填方法は、非共沸冷媒であるHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒において、その組成が液相において、HFO-1132(E):10wt%~92wt%のものを、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ移充填する際に、移充填する前の、供給元の容器内の、HFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事を特徴とする。
【0009】
容器への混合冷媒の充填を最大(充填量100重量%)とする場合の、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ混合冷媒の移充填を実施する際に、移充填を実施する前の、供給元の容器内における混合冷媒の混合比について説明する。
【0010】
充填量100重量%は、輸送に関する国際法、及び日本の高圧ガス保安法で定められている、容器に充填出来る最大の充填量の事を示す。
【0011】
日本の高圧ガス保安法では以下の様に算出する。
・G = V/C
・G:フルオロカーボンの質量(kg)
・V:容器の内容積(L)
・C:フルオロカーボン(ガス)の種類による定数
【0012】
ガスの充填定数Cは、日本国内では、1.05を48℃における当該ガスの比重で除した値と定められている。
【0013】
ガスの充填定数Cは、輸出を伴う際は国際法に依り、熱帯地方を通過する際は、1.05を65℃における当該ガスの比重で除した値と定められている。
【0014】
ガスの充填定数Cは、輸出を伴う際は国際法に依り、熱帯以外のその他の地方のみでは、1.05を45℃における当該ガスの比重で除した値と定められている。
【0015】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の用容器から供給先の容器及び/又は機器へ移充填する際に、供給元の容器における初期充填量が少ない方が、移充填開始から完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の組成変化は小さくなる。
【0016】
ガスの充填定数Cにおいて充填出来る最大量は、以下の順になる。
1.05を45℃におけるガスの比重で除した値を用いて算出した充填量
>1.05を48℃におけるガスの比重で除した値を用いて算出した充填量
>1.05を65℃におけるガスの比重で除した値を用いて算出した充填量
【0017】
本開示は、[1]1.05を65℃におけるガス(HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒)の比重で除した値を充填定数として採用し、算出した値を充填量100wt%とする場合の混合冷媒の充填方法である。
【0018】
本開示は、[2]1.05を45℃におけるガス(HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒)の比重で除した値を充填定数として採用し、算出した値を充填量100wt%とする場合の混合冷媒の充填方法である。
【0019】
本開示は、下記に掲げる態様を提供する。
【0020】
設定公差毎の充填方法
[1]1.05を65℃におけるガス(HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒)の比重で除した値を充填定数として採用し、算出した値を充填量100wt%とする場合の混合冷媒の充填方法
<65℃での混合冷媒の充填方法(上限(重量%)から(上限-4.0)(重量%)の範囲)>
項1.
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から移充填完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、
移充填開始前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y1)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする、混合冷媒の充填方法。
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、12≦x≦92、但し、y1>0となる範囲を除く)。
y1:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(1)で表される値(重量%)。
1000y1= L1x3+ M1x2 + N1x + P1 (1)
L1= 0.00000021a2 + 0.00005357a + 0.00301429
M1= 0.00001630a2 - 0.02301211a - 0.78617143
N1= -0.00266429a2 + 1.70890000a + 55.79285714
P1= -0.02635714a2 - 2.82442857a - 4328.57142857
【0021】
<65℃での混合冷媒の充填方法(上限(重量%)から(上限-3.0)(重量%)の範囲)>
項2.
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から移充填完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、
移充填開始前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y2)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする、混合冷媒の充填方法。
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、11.5≦x≦34.4、又は54.1≦x≦91.5、但し、y2>0となる範囲を除く)。
y2:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(2)で表される値である(重量%)。
1000y2= L2x3+ M2x2 + N2x + P2 (2)
L2= 0.00000018a2 + 0.00004664a + 0.00442857
M2= 0.00003791a2 - 0.02400804a - 0.90728571
N2= -0.00544464a2 + 1.98335357a + 50.41428571
P2= 0.04232143a2 - 10.78821429a - 3008.18571429
【0022】
<65℃での混合冷媒の充填方法(上限(重量%)から(上限-2.0)(重量%)の範囲)>
項3.
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から移充填完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、
移充填開始前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y3)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする、混合冷媒の充填方法。
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、11≦x≦17.6、又は74.2≦x≦91、但し、y3>0となる範囲を除く)。
y3:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(3)で表される値である(重量%)。
1000y3= L3x3+ M3x2 + N3x + P3 (3)
L3= -0.00000746a2 + 0.00109679a - 0.03042857
M3= 0.00107004a2 - 0.16541279a + 3.77611429
N3= -0.04430179a2 + 7.22883929a - 123.14571429
P3= 0.40416071a2 - 56.68153571a - 507.98571429
【0023】
設定公差毎の充填方法
[2]1.05を45℃におけるガス(HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒)の比重で除した値を充填定数として採用し、算出した値を充填量100wt%とする場合の混合冷媒の充填方法
<45℃での混合冷媒の充填方法(上限(重量%)から(上限-4.0)(重量%)の範囲)>
項4.
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から移充填完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、
移充填開始前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y4)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする、混合冷媒の充填方法。
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、12≦x≦92、但し、y4>0となる範囲を除く)。
y4:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(4)で表される値である(重量%)。
1000y4= L4x3+ M4x2 + N4x + P4 (4)
L4= 0.00000191a2 - 0.00019975a + 0.01294286
M4= -0.00022132a2 + 0.01221707a - 2.25342857
N4= 0.00507143a2 + 0.56545714a + 111.01142857
P4= -0.06323214a2 + 3.21625000a - 4672.82857143
【0024】
<45℃での混合冷媒の充填方法(上限(重量%)から(上限-3.0)(重量%)の範囲)>
項5.
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から移充填完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、
移充填開始前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y5)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする、混合冷媒の充填方法。
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、11.5≦x≦29.9、又は60.2≦x≦91.5、但し、y5>0となる範囲を除く)。
y5:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(5)で表される値である(重量%)。
1000y5= L5x3+ M5x2 + N5x + P5 (5)
L5= 0.00000023a2 + 0.00002804a + 0.00555714
M5= 0.00005254a2 - 0.02547864a - 0.98317143
N5= -0.00620893a2 + 2.10902500a + 54.78428571
P5= 0.03244643a2 - 9.08525000a - 3109.01428571
【0025】
<45℃での混合冷媒の充填方法(上限(重量%)から(上限-2.0)(重量%)の範囲)>
項6.
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から移充填完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、
移充填開始前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y6)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする、混合冷媒の充填方法。
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、11≦x≦16.1、又は76.6≦x≦91、但し、y6>0となる範囲を除く)。
y6:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(6)で表される値である(重量%)。
1000y6= L6x3+ M6x2 + N6x + P6 (6)
L6= -0.00000229a2 + 0.00040314a - 0.00802857
M6= 0.00040107a2 - 0.07670157a + 0.88952857
N6= -0.02104464a2 + 4.23275357a - 25.47571429
P6= 0.21416071a2 - 33.68810714a - 1107.64285714
【発明の効果】
【0026】
本開示の充填方法に従って、混合冷媒の充填を行うと、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む非共沸混合冷媒の移充填に伴う組成変化を、許容範囲内に収める事が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本開示に含まれる実施形態について詳細に説明する。
【0028】
<用語の定義>
本明細書において用語「冷媒」には、ISO817(国際標準化機構)で定められた、冷媒の種類を表すRで始まる冷媒番号(ASHRAE番号)が付された化合物が少なくとも含まれ、更に冷媒番号が未だ付されていないとしても、それらと同等の冷媒としての特性を有するものが含まれる。
【0029】
冷媒は、化合物の構造の面で、フルオロカーボン系化合物と非フルオロカーボン系化合物とに大別される。フルオロカーボン系化合物には、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、及びハイドロフルオロカーボン(HFC)が含まれる。非フルオロカーボン系化合物には、プロパン(R290)、プロピレン(R1270)、ブタン(R600)、イソブタン(R600a)等が含まれる。
【0030】
本明細書において、用語「冷媒を含む組成物」には、
(1)冷媒そのもの(冷媒の混合物(refrigerant mixtures)を含む)と、
(2)その他の成分を更に含み、少なくとも冷凍機油と混合する事に依り、冷凍機用作動流体を得る為に用いる事の出来る組成物と、
(3)冷凍機油を含む冷凍機用作動流体(refrigeration working fluid)と
が少なくとも含まれる。
【0031】
本明細書においては、(2)の組成物の事を、(1)冷媒そのもの(冷媒の混合物を含む)と区別して「冷媒組成物(refrigerant composition)」と表記する。
【0032】
本明細書においては、(3)の冷凍機用作動流体の事を、(2)「冷媒組成物」と区別して「冷凍機油含有作動流体(working fluid containing refrigeration oil)」と表記する。
【0033】
本明細書において、用語「含有」及び「含む」は、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」、及び「のみからなる」と言う概念を含む。
【0034】
本明細書において、数値範囲が段階的に記載されている場合、ある段階の数値範囲の上限値、又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせる事が出来る。
【0035】
本明細書において、記載されている数値範囲の上限値、又は下限値は、実施例に示されている値、又は実施例から一義的に導き出せる値に置き換えても良い。
【0036】
本明細書では、次の通り記す。
トランス-1,2-ジフルオロエチレン:HFO-1132(E)((E)-1,2-ジフルオロエチレン)
2,3,3,3-テトラフルオロプロペン:HFO-1234yf
【0037】
近年、地球温暖化防止の観点から、冷凍空調分野において冷媒の見直しが進められている。カーエアコン分野では、欧州のF-gas規制に因り、GWP 150(GWP:Global warming potential:地球温暖化係数)以上の冷媒が規制されている。
【0038】
現在使用されているR-410A(GWP 2088)、R-404A(GWP 3922)、R-407C(GWP 1770)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)(GWP 1430)等は、GWPが高い。先進国において、定置型冷凍空調機器では、CO2削減の観点だけでなく、HFC(Hydrofluorocarbon、フッ素化炭化水素)削減の観点からも規制があり、代替冷媒の開発がされている。
【0039】
冷媒の選定は、用途、運転条件等を考慮し、様々な冷媒の中から、環境性、安全性、性能、経済性等の多角的な観点から検討される。現在、フルオロカーボン、自然冷媒等と共に、様々な冷媒種が提案されている。
【0040】
現状、燃焼性、効率、GWP値等を全て満足する様な冷媒は存在せず、冷媒の選定は、用途、運転条件等に応じて、適材適所で選定される。
【0041】
冷媒の中でも、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)は、GWP 1未満(GWP AR5)であり、カーエアコン分野、大型冷凍空調分野への用途が検討されている。トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))は、GWP 1未満(GWP AR5)であり、大型冷凍空調分野への用途が検討されている。
【0042】
近年、冷媒の能力向上、及び冷媒の不燃化を図る為、各種冷媒を混合した非共沸混合冷媒が提案されている。HFCとHFO-1234yf等のHFO(Hydrofluoroolefin、ハイドロフルオロオレフィン)との混合物の多くは、非共沸混合物であるが故に、蒸発、及び凝縮の様に、相変化する場合は組成変動が生じる。これは、低沸点の成分が蒸発し易く、高沸点の成分が凝縮し易い為である。この傾向は、蒸発、即ち液から蒸気への相変化の場合に大きく、特に混合物の構成成分の沸点差が大きい程、著しい。従って、この様な非共沸混合物を、供給元の容器から供給先の容器に移す場合には、一般に、相変化を伴わない様に、液側から抜き出す事が行われる。
【0043】
液側から抜き出す場合、混合物の構成成分の沸点差が大きいと、数重量%(wt%)の組成変化を生じ得る。これは、抜き出しに依り、圧力の減少、気相部空間の増加等に因り、液相中の低沸点成分の蒸発を生じるからである。この数重量%の組成変化は、冷媒性能に大きな変化を与え得り、能力、効率等の低下を及ぼすだけでなく、燃焼性等の冷媒の安全性にも大きな影響を与え得る。
【0044】
次世代冷媒であるHFO-1132(E)とHFO-1234yfとの混合冷媒は、非共沸混合冷媒である為、移充填操作で組成変動が懸念される。
【0045】
HFO-1234yf(沸点-29.4℃)との混合冷媒として使用するHFO-1132(E)(沸点-52.5℃)は、非常に冷凍能力が高いものの、HFO-1234yfとの沸点差は約20℃近くもあり、ボンベ、タンクローリー等の供給元の容器から供給先の冷凍空調機器、ボンベ等へ移充填する際に生じる組成変化は、性能上無視出来ないレベルに成り得る。
【0046】
冷媒の性能面に加えて、混合冷媒の品質保証と言う点において、その混合冷媒の設定公差内に組成変化を収める事は重要である。
【0047】
何の対策もせずに、HFO-1132(E)、及び、HFO-1234yfを含む混合冷媒を40℃で移充填した場合、HFO-1132(E)の組成は、移充填元の全ての液が消失した時点で、狙いの組成から最大で3 wt%~4 wt%の組成のずれが生じ得る。この場合、狙いの組成から見るとその組成変動率は約±4 wt%となり、狙いの組成で見込んでいた、冷媒の冷凍能力、及びエネルギー消費効率(COP、Coefficient Of Performance)等の冷媒能力が保証出来なくなってしまう。その理由で、混合冷媒の組成変動率を出来るだけ小さく収める事が重要である。
【0048】
従来、混合冷媒の組成変動は、非共沸冷媒の種類、組成比等に因り、大きく異なる。混合冷媒の組成変動を、全くの実測無しに、予め、その混合冷媒の組成変動の幅を予想する事は困難である。
【0049】
本開示は、混合冷媒の組成変動を、予め、その混合冷媒の組成変動の幅を予想する事を可能とする。
【0050】
設定公差毎の充填方法
[1]1.05を65℃におけるガス(HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒)の比重で除した値を充填定数として採用し、算出した値を充填量100wt%とする場合の混合冷媒の充填方法
以下、移充填方法の一例として移充填時の取扱い温度が40℃の時を示す。日本の高圧ガス保安法においては、40℃を超える温度での容器の取り扱いを禁じている事から、日本における移充填時の取扱い温度は0℃~40℃である。
【0051】
移充填時(取扱い時)の温度が高い程、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、移充填による組成変化が大きくなる。よって、取扱い温度40℃時における移充填の条件を応用する事で、取扱い温度0℃~40℃についても適用可能である。
【0052】
(1)目標上限組成と目標下限組成との差が4.0重量%である場合の充填方法
<65℃での混合冷媒の充填方法(上限(重量%)から(上限-4.0)(重量%)の範囲)>
供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ混合冷媒を移充填する時に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内における混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為の、移充填を実施する前の供給元の容器内における混合冷媒の混合比について説明する。
【0053】
「目標上限組成:(x)重量%」は、供給先の容器、及び/又は機器において要求される、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)の組成が、この範囲内にある事を許容される、最大値である。
【0054】
x(重量%)は、12≦x≦92の範囲内の数値である。
【0055】
「目標下限組成:(x)重量%-4.0重量%」は、供給先の容器、及び/又は機器において要求される、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)の組成が、この範囲内にある事を許容される、最小値である。
【0056】
(1-1)目標上限組成と目標下限組成との差が4.0重量%である場合の充填方法
供給先の容器、及び/又は機器への混合冷媒の充填量が適宜調節される場合の、本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填を実施する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y1)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事を特徴とする。
【0057】
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、12≦x≦92、但し、y1>0となる範囲を除く)。
y1:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(1)で表される値である(重量%)。
【0058】
1000y1= L1x3+ M1x2 + N1x + P1 (1)
L1= 0.00000021a2 + 0.00005357a + 0.00301429
M1= 0.00001630a2 - 0.02301211a - 0.78617143
N1= -0.00266429a2 + 1.70890000a + 55.79285714
P1= -0.02635714a2 - 2.82442857a - 4328.57142857
【0059】
本開示の充填方法に従って、混合冷媒の充填を行うと、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填を実施する前の、供給元の容器内におけるHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める事が出来る。
【0060】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を、移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0061】
a(重量%)の値は、通常、60≦a≦100の範囲に設定する。
【0062】
供給元の容器における充填量に関しても、初期充填量が少ない程、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、移充填による組成変化の幅が小さくなる。よって、初期充填量がa重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量がa重量%以下である充填方法においても満たされる。
【0063】
初期充填量が100重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が100重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が90重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が90重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が80重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が80重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が70重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が70重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が60重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が60重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が50重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が50重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。
【0064】
供給元の容器内における混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比
本開示は、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内における混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y1)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が特徴である。
【0065】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成(重量%)であり、12≦x≦92の範囲である。Xは、但し、y1>0となる範囲を除く。
【0066】
y1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(重量%)とのずれの下限値である。
【0067】
(x+y1)重量%は、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)の最小値を示す。
【0068】
目標上限組成と目標下限組成との差は、公差(Composition Tolerances)と呼ばれる。公差は、混合冷媒の組成がASHRAE規格2013(Designation and Safety Classification of Refrigerants)等に登録された際に決まるものである。
【0069】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒において、HFO-1132(E)とHFO-1234yfとの混合比(重量%)が、例えば50:50である場合を説明する。
【0070】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒において、公差が、例えば、HFO-1132(E)は+2.0、及び-2.0、HFO-1234yfは+2.0、及び-2.0と設定された場合、HFO-1132(E)の目標上限組成は52.0重量%となり、HFO-1132(E)の目標下限組成は48.0重量%となる。目標上限組成と目標下限組成との差が4.0重量%と言う混合冷媒になる。
【0071】
[供給元の容器における混合冷媒の初期充填量の違いに依る充填方法]
(1-2)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%の場合(65℃/4.0wt%/100wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の100重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0072】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填を実施する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y1-1)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0073】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0074】
y1-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(1-1)で表される値である。
【0075】
1000y1-1= 0.0104x3 - 2.9042x2 + 198.94x - 4854.8 (1-1)
【0076】
本開示は、上記式(1-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-3.1重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0077】
供給先の容器、及び/又は機器内において、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標上限組成である。
【0078】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-3.1重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0079】
(1-3)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%の場合(65℃/4.0wt%/90wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の90重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0080】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填を実施する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y1-2)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0081】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、12≦x≦92を満たす)。
【0082】
y1-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(1-2)で表される値である。
【0083】
1000y1-2= 0.0097x3 - 2.748x2 + 189.39x - 4829.8 (1-2)
【0084】
本開示は、上記式(1-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-3.1重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0085】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-3.1重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0086】
(1-4)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%の場合(65℃/4.0wt%/80wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の80重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0087】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填を実施する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y1-3)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0088】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、12≦x≦92を満たす)。
【0089】
y1-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(1-3)で表される値である。
【0090】
1000y1-3= 0.0088x3 - 2.5389x2+ 175.79x - 4713.9 (1-3)
【0091】
本開示は、上記式(1-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-3.2重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0092】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-3.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0093】
(1-5)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%の場合(65℃/4.0wt%/70wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の70重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0094】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の70重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填を実施する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y1-4)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0095】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、12≦x≦92を満たす)。
【0096】
y1-4は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(1-4)で表される値である。
【0097】
1000y1-4= 0.0078x3 - 2.3335x2 + 164.09x - 4680 (1-4)
【0098】
本開示は、上記式(1-4)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-3.3重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0099】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-3.3重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0100】
(1-6)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%の場合(65℃/4.0wt%/60wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の60重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0101】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填を実施する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y1-5)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0102】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、12≦x≦92を満たす)。
【0103】
y1-5は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(1-5)で表される値である。
【0104】
1000y1-5= 0.0067x3 - 2.0367x2 + 144.26x - 4536.5 (1-5)
【0105】
本開示は、上記式(1-5)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-3.3重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0106】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-3.3重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0107】
(1-7)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%の場合(65℃/4.0wt%/50wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の50重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0108】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填を実施する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y1-6)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0109】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、12≦x≦92を満たす)。
【0110】
y1-6は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(1-6)で表される値である。
【0111】
1000y1-6= 0.0064x3 - 1.9324x2+ 136.71x - 4563.1 (1-6)
【0112】
本開示は、上記式(1-6)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-3.3重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0113】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-3.3重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0114】
(1-8)HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む非共沸混合冷媒の充填方法
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む非共沸混合冷媒の、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める充填方法について説明する。
【0115】
式(1)は、式(1-1)~(1-6)から導き出す事が出来る。式(1-1)~(1-6)の各係数の値を基に、目標上限組成(x)重量%から、初期充填量(a重量%)に対して、式(1)のL1、M1、N1、及びP1を導き出す事が出来る。
【0116】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y1)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事を特徴とする。
【0117】
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、12≦x≦92、但し、y1>0となる範囲を除く)。
y1:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(1)で表される値である(重量%)。
【0118】
1000y1= L1x3+ M1x2 + N1x + P1 (1)
L1= 0.00000021a2 + 0.00005357a + 0.00301429
M1= 0.00001630a2 - 0.02301211a - 0.78617143
N1= -0.00266429a2 + 1.70890000a + 55.79285714
P1= -0.02635714a2 - 2.82442857a - 4328.57142857
【0119】
(2)目標上限組成と目標下限組成との差が3.0重量%である場合の充填方法
<65℃での混合冷媒の充填方法(上限(重量%)から(上限-3.0)(重量%)の範囲)>
供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ混合冷媒を移充填する時に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内における混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為の、移充填を実施する前の供給元の容器内における混合冷媒の混合比について説明する。
【0120】
「目標上限組成:(x)重量%」は、供給先の容器、及び/又は機器において要求される、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)の組成が、この範囲内にある事を許容される、最大値である。
【0121】
X(重量%)は、11.5≦x≦91.5の範囲内の数値である。
【0122】
「目標下限組成:(x)重量%-3.0重量%」は、供給先の容器、及び/又は機器において要求される、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)の組成が、この範囲内にある事を許容される、最小値である。
【0123】
(2-1)目標上限組成と目標下限組成との差が3.0重量%である場合の充填方法
供給先の容器、及び/又は機器への混合冷媒の充填量が適宜調節される場合の、本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y2)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事を特徴とする。
【0124】
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、11.5≦x≦34.4、又は54.1≦x≦91.5、但し、y2>0となる範囲を除く)。
y2:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(2)で表される値である(重量%)。
【0125】
1000y2= L2x3+ M2x2 + N2x + P2 (2)
L2= 0.00000018a2 + 0.00004664a + 0.00442857
M2= 0.00003791a2 - 0.02400804a - 0.90728571
N2= -0.00544464a2 + 1.98335357a + 50.41428571
P2= 0.04232143a2 - 10.78821429a - 3008.18571429
【0126】
本開示の充填方法に従って、混合冷媒の充填を行うと、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填を実施する前の、供給元の容器内におけるHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める事が出来る。
【0127】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0128】
a(重量%)の値は、通常、60≦a≦100の範囲に設定する。
【0129】
供給元の容器における充填量に関しても、初期充填量が少ない程、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、移充填による組成変化の幅が小さくなる。よって、初期充填量がa重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量がa重量%以下である充填方法においても満たされる。
【0130】
初期充填量が100重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が100重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が90重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が90重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が80重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が80重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が70重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が70重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が60重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が60重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が50重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が50重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。
【0131】
供給元の容器内における混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比
本開示は、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内における混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y2)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が特徴である。
【0132】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成(重量%)であり、11.5≦x≦34.4、又は54.1≦x≦91.5の範囲である。Xは、但し、y2>0となる範囲を除く。
【0133】
y2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(重量%)とのずれの下限値である。
【0134】
(x+y2)重量%は、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)の最小値を示す。
【0135】
目標上限組成と目標下限組成との差は、公差(Composition Tolerances)と呼ばれる。公差は、混合冷媒の組成がASHRAE規格2013(Designation and Safety Classification of Refrigerants)等に登録された際に決まるものである。
【0136】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒において、HFO-1132(E)とHFO-1234yfとの混合比(重量%)が、例えば50:50である場合を説明する。
【0137】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒において、公差が、例えば、HFO-1132(E)は+1.5、及び-1.5、HFO-1234yfは+1.5、及び-1.5と設定された場合、HFO-1132(E)の目標上限組成は51.5重量%となり、HFO-1132(E)の目標下限組成は48.5重量%となる。目標上限組成と目標下限組成との差が3.0重量%と言う混合冷媒になる。
【0138】
[供給元の容器における混合冷媒の初期充填量の違いに依る充填方法]
(2-2)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%の場合(65℃/3.0wt%/100wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の100重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0139】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~34.4重量%、又は54.1重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y2-1)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0140】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11.5≦x≦34.4又は54.1≦x≦91.5を満たす)。
【0141】
y2-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(2-1)で表される値である。
【0142】
1000y2-1= 0.0109x3 - 2.9327x2 + 194.49x - 3663.9 (2-1)
【0143】
本開示は、上記式(2-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-2.1重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0144】
供給先の容器、及び/又は機器内において、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標上限組成である。
【0145】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-2.1重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0146】
(2-3)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%の場合(65℃/3.0wt%/90wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の90重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0147】
供給先の容器、及び/又は機器への混合冷媒の充填量が適宜調節される場合の、本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y2-2)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0148】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11.5≦x≦91.5を満たす)。
【0149】
y2-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(2-2)で表される値である。
【0150】
1000y2-2= 0.0101x3 - 2.7654x2 + 185.14x - 3656.3 (2-2)
【0151】
本開示は、上記式(2-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-2.1重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0152】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-2.1重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0153】
(2-4)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%の場合(65℃/3.0wt%/80wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の80重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0154】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y2-3)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0155】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11.5≦x≦91.5を満たす)。
【0156】
y2-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(2-3)で表される値である。
【0157】
1000y2-3= 0.0088x3 - 2.506x2 + 170.56x - 3537.6 (2-3)
【0158】
本開示は、上記式(2-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-2.2重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0159】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-2.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0160】
(2-5)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%の場合(65℃/3.0wt%/70wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の70重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0161】
供給先の容器、及び/又は機器への混合冷媒の充填量が適宜調節される場合の、本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の70重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y2-4)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0162】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11.5≦x≦91.5を満たす)。
【0163】
y2-4は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(2-4)で表される値である。
【0164】
1000y2-4= 0.0097x3 - 2.576x2 + 169.78x - 3623.4 (2-4)
【0165】
本開示は、上記式(2-4)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-2.3重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0166】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-2.3重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0167】
(2-6)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%の場合(65℃/3.0wt%/60wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の60重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0168】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y2-5)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事を特徴とする。
【0169】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11.5≦x≦91.5を満たす)。
【0170】
y2-5は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(2-5)で表される値である。
【0171】
1000y2-5= 0.0069x3 - 2.0649x2 + 144.19x - 3476.2 (2-5)
【0172】
本開示は、上記式(2-5)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-2.3重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0173】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-2.3重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0174】
(2-7)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%の場合(65℃/3.0wt%/50wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の50重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0175】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y2-6)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事を特徴とする。
【0176】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11.5≦x≦91.5を満たす)。
【0177】
y2-6は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(2-6)で表される値である。
【0178】
1000y2-6= 0.0075x3 - 2.0565x2 + 137.55x - 3444 (2-6)
【0179】
本開示は、上記式(2-6)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-2.4重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0180】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-2.4重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0181】
(2-8)HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む非共沸混合冷媒の充填方法
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む非共沸混合冷媒の、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める充填方法について説明する。
【0182】
式(2)は、式(2-1)~(2-6)から導き出す事が出来る。式(2-1)~(2-6)の各係数の値を基に、目標上限組成(x)重量%から、初期充填量(a重量%)に対して、式(2)のL2、M2、N2、及びP2を導き出す事が出来る。
【0183】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y2)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事を特徴とする。
【0184】
本開示の概念の通り、目標上限組成(x)重量%と目標下限組成の差が-3.0重量%の場合、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている場合、34.4<x<54.1ではy2>0となってしまう為、xの範囲は、11.5重量%~34.4重量%、又は54.1重量%~91.5重量%となる。
【0185】
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、11.5≦x≦34.4、又は54.1≦x≦91.5、但し、y2>0となる範囲を除く)。
y2:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(2)で表される値である(重量%)。
【0186】
1000y2= L2x3+ M2x2 + N2x + P2 (2)
L2= 0.00000018a2 + 0.00004664a + 0.00442857
M2= 0.00003791a2 - 0.02400804a - 0.90728571
N2= -0.00544464a2 + 1.98335357a + 50.41428571
P2= 0.04232143a2 - 10.78821429a - 3008.18571429
【0187】
(3)目標上限組成と目標下限組成との差が2.0重量%である場合の充填方法
<65℃での混合冷媒の充填方法(上限(重量%)から(上限-2.0)(重量%)の範囲)>
供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ混合冷媒を移充填する時に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内における混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為の、移充填を実施する前の供給元の容器内における混合冷媒の混合比について説明する。
【0188】
「目標上限組成:(x)重量%」は、供給先の容器、及び/又は機器において要求される、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)の組成が、この範囲内にある事を許容される、最大値である。
【0189】
x(重量%)は、11≦x≦91の範囲内の数値である。
【0190】
「目標下限組成:(x)重量%-2.0重量%」は、供給先の容器、及び/又は機器において要求される、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)の組成が、この範囲内にある事を許容される、最小値である。
【0191】
(3-1)目標上限組成と目標下限組成との差が2.0重量%である場合の充填方法
供給先の容器、及び/又は機器への混合冷媒の充填量が適宜調節される場合の、本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y3)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事を特徴とする。
【0192】
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、11≦x≦17.6、又は74.2≦x≦91、但し、y3>0となる範囲を除く)。
y3:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(3)で表される値である(重量%)。
【0193】
1000y3= L3x3+ M3x2 + N3x + P3 (3)
L3= -0.00000746a2 + 0.00109679a - 0.03042857
M3= 0.00107004a2 - 0.16541279a + 3.77611429
N3= -0.04430179a2 + 7.22883929a - 123.14571429
P3= 0.40416071a2 - 56.68153571a - 507.98571429
【0194】
本開示の充填方法に従って、混合冷媒の充填を行うと、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填を実施する前の、供給元の容器内におけるHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める事が出来る。
【0195】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0196】
a(重量%)の値は、通常、60≦a≦100の範囲に設定する。
【0197】
供給元の容器における充填量に関しても、初期充填量が少ない程、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、移充填による組成変化の幅が小さくなる。よって、初期充填量がa重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量がa重量%以下である充填方法においても満たされる。
【0198】
初期充填量が100重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が100重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が90重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が90重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が80重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が80重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が70重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が70重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が60重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が60重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が50重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が50重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。
【0199】
供給元の容器内における混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比
本開示は、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内における混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y3)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が特徴である。
【0200】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成(重量%)であり、11≦x≦17.6、又は74.2≦x≦91の範囲である。Xは、但し、y3>0となる範囲を除く。
【0201】
y3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(重量%)とのずれの下限値である。
【0202】
(x+y3)重量%は、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)の最小値を示す。
【0203】
目標上限組成と目標下限組成との差は、公差(Composition Tolerances)と呼ばれる。公差は、混合冷媒の組成がASHRAE規格2013(Designation and Safety Classification of Refrigerants)等に登録された際に決まるものである。
【0204】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒において、HFO-1132(E)とHFO-1234yfとの混合比(重量%)が、例えば50:50である場合を説明する。
【0205】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒において、公差が、例えば、HFO-1132(E)は+1.0、及び-1.0、HFO-1234yfは+1.0、及び-1.0と設定された場合、HFO-1132(E)の目標上限組成は51.0重量%となり、HFO-1132(E)の目標下限組成は49.0重量%となる。目標上限組成と目標下限組成との差が2.0重量%と言う混合冷媒になる。
【0206】
[供給元の容器における混合冷媒の初期充填量の違いに依る充填方法]
(3-2)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%の場合(65℃/2.0wt%/100wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の100重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0207】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~17.6重量%、又は74.2重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y3-1)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0208】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11≦x≦17.6又は74.2≦x≦91を満たす)。
【0209】
y3-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(3-1)で表される値である。
【0210】
1000y3-1= 0.0039x3 - 1.9763x2 + 153.64x - 2109 (3-1)
【0211】
本開示は、上記式(3-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.6重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0212】
供給先の容器、及び/又は機器内において、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標上限組成である。
【0213】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-1.6重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0214】
(3-3)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%の場合(65℃/2.0wt%/90wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の90重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0215】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~18.3重量%、又は73.0重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y3-2)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0216】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11≦x≦18.3又は73.0≦x≦91を満たす)。
【0217】
y3-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(3-2)で表される値である。
【0218】
1000y3-2= 0.0094x3 - 2.6505x2+ 176.28x - 2399.7 (3-2)
【0219】
本開示は、上記式(3-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.2重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0220】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-1.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0221】
(3-4)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%の場合(65℃/2.0wt%/80wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の80重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0222】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~20.1重量%、又は70.8重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y3-3)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0223】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11≦x≦20.1又は70.8≦x≦91を満たす)。
【0224】
y3-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(3-3)で表される値である。
【0225】
1000y3-3= 0.0087x3 - 2.4833x2 + 166.14x - 2404.9 (3-3)
【0226】
本開示は、上記式(3-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.3重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0227】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-1.3重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0228】
(3-5)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%の場合(65℃/2.0wt%/70wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の70重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0229】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~21.8重量%、又は68.4重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の70重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y3-4)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0230】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11≦x≦21.8又は68.4≦x≦91を満たす)。
【0231】
y3-4は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(3-4)で表される値である。
【0232】
1000y3-4= 0.0099x3 - 2.5803x2 + 167.02x - 2519.1 (3-4)
【0233】
本開示は、上記式(3-4)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.2重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0234】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-1.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0235】
(3-6)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%の場合(65℃/2.0wt%/60wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の60重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0236】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~24.3重量%、又は65.3重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y3-5)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0237】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11≦x≦24.3又は65.3≦x≦91を満たす)。
【0238】
y3-5は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(3-5)で表される値である。
【0239】
1000y3-5= 0.008x3 - 2.2468x2 + 149.82x - 2430.6 (3-5)
【0240】
本開示は、上記式(3-5)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.3重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0241】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-1.3重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0242】
(3-7)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%の場合(65℃/2.0wt%/50wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の50重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0243】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~29.8重量%、又は60.1重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y3-6)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0244】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11≦x≦29.8又は60.1≦x≦91を満たす)。
【0245】
y3-6は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(3-6)で表される値である。
【0246】
1000y3-6= 0.0061x3 - 1.8556x2 + 128.49x - 2343.6 (3-6)
【0247】
本開示は、上記式(3-6)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.4重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0248】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-1.4重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0249】
(3-8)HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む非共沸混合冷媒の充填方法
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む非共沸混合冷媒の、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める充填方法について説明する。
【0250】
式(3)は、式(3-1)~(3-6)から導き出す事が出来る。式(3-1)~(3-6)の各係数の値を基に、目標上限組成(x)重量%から、初期充填量(a重量%)に対して、式(3)のL3、M3、N3、及びP3を導き出す事が出来る。
【0251】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y3)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事を特徴とする。
【0252】
本開示の概念の通り、目標上限組成(x)と目標下限組成の差が-2.0重量%の場合、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている場合、17.6<x<74.2ではy3-1>0となってしまうため、xの範囲は、11重量%~17.6重量%、又は74.2重量%~91.0重量%となる。
【0253】
供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている場合、18.3<x<73.0ではy3-2>0となってしまう為、xの範囲は、11重量%~18.3重量%、又は73.0重量%~91重量%となる。
【0254】
供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている場合、20.1<x<70.8ではy3-3>0となってしまう為、xの範囲は、11重量%~20.1重量%、又は70.8重量%~91重量%となる。
【0255】
供給元の容器に最大充填量の70重量%以下の量で充填されている場合、21.8<x<68.4ではy3-4>0となってしまう為、xの範囲は、11重量%~21.8重量%、又は68.4重量%~91重量%となる。
【0256】
供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている場合、24.3<x<65.3ではy3-5>0となってしまう為、xの範囲は、11重量%~24.3重量%、又は65.3重量%~91重量%となる。
【0257】
供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている場合、29.8<x<60.1ではy3-5>0となってしまう為、xの範囲は、11重量%~29.8重量%、又は60.1重量%~91重量%となる。
【0258】
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、11≦x≦17.6、又は74.2≦x≦91、但し、y3>0となる範囲を除く)。
y3:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(3)で表される値である(重量%)。
【0259】
1000y3= L3x3+ M3x2 + N3x + P3 (3)
L3= -0.00000746a2 + 0.00109679a - 0.03042857
M3= 0.00107004a2 - 0.16541279a + 3.77611429
N3= -0.04430179a2 + 7.22883929a - 123.14571429
P3= 0.40416071a2 - 56.68153571a - 507.98571429
【0260】
設定公差毎の充填方法
[2]1.05を45℃におけるガス(HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒)の比重で除した値を充填定数として採用し、算出した値を充填量100wt%とする場合の混合冷媒の充填方法
以下、移充填方法の一例として移充填時の取扱い温度が40℃の時を示す。日本の高圧ガス保安法においては、40℃を超える温度での容器の取り扱いを禁じている事から、日本における移充填時の取扱い温度は0℃~40℃である。
【0261】
移充填時(取扱い時)の温度が高い程、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、移充填による組成変化が大きくなる。よって、取扱い温度40℃時における移充填の条件を応用する事で、取扱い温度0℃~40℃についても適用可能である。
(1)目標上限組成と目標下限組成との差が4.0重量%である場合の充填方法
<45℃℃での混合冷媒の充填方法(上限(重量%)から(上限-4.0)(重量%)の範囲)>
供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ混合冷媒を移充填する時に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内における混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為の、移充填を実施する前の供給元の容器内における混合冷媒の混合比について説明する。
【0262】
「目標上限組成:(x)重量%」は、供給先の容器、及び/又は機器において要求される、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)の組成が、この範囲内にある事を許容される、最大値である。
【0263】
x(重量%)は、12≦x≦92の範囲内の数値である。
【0264】
「目標下限組成:(x)重量%-4.0重量%」は、供給先の容器、及び/又は機器において要求される、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)の組成が、この範囲内にある事を許容される、最小値である。
【0265】
(1-1)目標上限組成と目標下限組成との差が4.0重量%である場合の充填方法
供給先の容器、及び/又は機器への混合冷媒の充填量が適宜調節される場合の、本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填を実施する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y4)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事を特徴とする。
【0266】
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、12≦x≦92、但し、y4>0となる範囲を除く)。
y4:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(4)で表される値である(重量%)。
【0267】
1000y4= L4x3+ M4x2 + N4x + P4 (4)
L4= 0.00000191a2 - 0.00019975a + 0.01294286
M4= -0.00022132a2 + 0.01221707a - 2.25342857
N4= 0.00507143a2 + 0.56545714a + 111.01142857
P4= -0.06323214a2 + 3.21625000a - 4672.82857143
【0268】
本開示の充填方法に従って、混合冷媒の充填を行うと、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填を実施する前の、供給元の容器内におけるHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める事が出来る。
【0269】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0270】
a(重量%)の値は、通常、60≦a≦100の範囲に設定する。
【0271】
供給元の容器における充填量に関しても、初期充填量が少ない程、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、移充填による組成変化の幅が小さくなる。よって、初期充填量がa重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量がa重量%以下である充填方法においても満たされる。
【0272】
初期充填量が100重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が100重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が90重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が90重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が80重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が80重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が70重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が70重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が60重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が60重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が50重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が50重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。
【0273】
供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比
本開示は、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内における混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y4)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が特徴である。
【0274】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成(重量%)であり、10≦x≦90の範囲である。Xは、但し、y4>0となる範囲を除く。
【0275】
y4は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(重量%)とのずれの下限値である。
【0276】
(x+y4)重量%は、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)の最小値を示す。
【0277】
目標上限組成と目標下限組成との差は、公差(Composition Tolerances)と呼ばれる。公差は、混合冷媒の組成がASHRAE規格2013(Designation and Safety Classification of Refrigerants)等に登録された際に決まるものである。
【0278】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒において、HFO-1132(E)とHFO-1234yfとの混合比(重量%)が、例えば50:50である場合を説明する。
【0279】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒において、公差が、例えば、HFO-1132(E)は+2.0、及び-2.0、HFO-1234yfは+2.0、及び-2.0と設定された場合、HFO-1132(E)の目標上限組成は52.0重量%となり、HFO-1132(E)の目標下限組成は48.0重量%となる。目標上限組成と目標下限組成との差が4.0重量%と言う混合冷媒になる。
【0280】
[供給元の容器における混合冷媒の初期充填量の違いに依る充填方法]
(1-2)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%の場合(45℃/4.0wt%/100wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の100重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0281】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填を実施する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y4-1)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0282】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、12≦x≦92を満たす)。
【0283】
y4-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(4-1)で表される値である。
【0284】
1000y4-1= 0.0119x3 - 3.221x2 + 217.37x - 4972.7 (4-1)
【0285】
本開示は、上記式(4-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-3.0重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0286】
供給先の容器、及び/又は機器内において、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標上限組成である。
【0287】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-3.0重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0288】
(1-3)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%の場合(45℃/4.0wt%/90wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の90重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0289】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填を実施する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y4-2)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0290】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、12≦x≦92を満たす)。
【0291】
y4-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(4-2)で表される値である。
【0292】
1000y4-2= 0.0107x3 - 2.9788x2 + 204x - 4902.8 (4-2)
【0293】
本開示は、上記式(4-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-3.0重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0294】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-3.0重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0295】
(1-4)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%の場合(45℃/4.0wt%/80wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の80重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0296】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填を実施する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y4-3)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0297】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、12≦x≦92を満たす)。
【0298】
y4-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(4-3)で表される値である。
【0299】
1000y4-3= 0.0092x3 - 2.7082x2+ 190.2x - 4857.3 (4-3)
【0300】
本開示は、上記式(4-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-3.1重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0301】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-3.1重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0302】
(1-5)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%の場合(45℃/4.0wt%/70wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の70重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0303】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の70重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填を実施する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y4-4)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0304】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、12≦x≦92を満たす)。
【0305】
y4-4は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(4-4)で表される値である。
【0306】
1000y4-4= 0.0085x3 - 2.4818x2 + 173.86x - 4711 (4-4)
【0307】
本開示は、上記式(4-4)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-3.1重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0308】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-3.1重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0309】
(1-6)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%の場合(45℃/4.0wt%/60wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の60重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0310】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填を実施する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y4-5)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0311】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、12≦x≦92を満たす)。
【0312】
y4-5は、HFO-1132(E)の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(4-5)で表される値である。
【0313】
1000y4-5= 0.0073x3 - 2.2628x2 + 162.31x - 4714.4 (4-5)
【0314】
本開示は、上記式(4-5)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-3.3重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0315】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-3.3重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0316】
(1-7)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%の場合(45℃/4.0wt%/50wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の50重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0317】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填を実施する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y4-6)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0318】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、12≦x≦92を満たす)。
【0319】
y4-6は、HFO-1132(E)の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(4-6)で表される値である。
【0320】
1000y4-6= 0.008x3 - 2.2272x2+ 152.82x - 4676.2 (4-6)
【0321】
本開示は、上記式(4-6)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-3.3重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0322】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-3.3重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0323】
(1-8)HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む非共沸混合冷媒の充填方法
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む非共沸混合冷媒の、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める充填方法について説明する。
【0324】
式(4)は、式(4-1)~(4-6)から導き出す事が出来る。式(4-1)~(4-6)の各係数の値を基に、目標上限組成(x)重量%から、初期充填量(a重量%)に対して、式(4)のL4、M4、N4、及びP4を導き出す事が出来る。
【0325】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-4.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y4)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事を特徴とする。
【0326】
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、12≦x≦92、但し、y4>0となる範囲を除く)。
y4:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(4)で表される値である(重量%)。
【0327】
1000y4= L4x3+ M4x2 + N4x + P4 (4)
L4= 0.00000191a2 - 0.00019975a + 0.01294286
M4= -0.00022132a2 + 0.01221707a - 2.25342857
N4= 0.00507143a2 + 0.56545714a + 111.01142857
P4= -0.06323214a2 + 3.21625000a - 4672.82857143
【0328】
(2)目標上限組成と目標下限組成との差が3.0重量%である場合の充填方法
<45℃℃での混合冷媒の充填方法(上限(重量%)から(上限-3.0)(重量%)の範囲)>
供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ混合冷媒を移充填する時に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内における混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為の、移充填を実施する前の供給元の容器内における混合冷媒の混合比について説明する。
【0329】
「目標上限組成:(x)重量%」は、供給先の容器、及び/又は機器において要求される、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)の組成が、この範囲内にある事を許容される、最大値である。
【0330】
x(重量%)は、11.5≦x≦91.5の範囲内の数値である。
【0331】
「目標下限組成:(x)重量%-3.0重量%」は、供給先の容器、及び/又は機器において要求される、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)の組成が、この範囲内にある事を許容される、最小値である。
【0332】
(2-1)目標上限組成と目標下限組成との差が3.0重量%である場合の充填方法
供給先の容器、及び/又は機器への混合冷媒の充填量が適宜調節される場合の、本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y5)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事を特徴とする。
【0333】
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、11.5≦x≦29.9、又は60.2≦x≦91.5、但し、y5>0となる範囲を除く)。
y5:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(5)で表される値である(重量%)。
【0334】
1000y5= L5x3+ M5x2 + N5x + P5 (5)
L5= 0.00000023a2 + 0.00002804a + 0.00555714
M5= 0.00005254a2 - 0.02547864a - 0.98317143
N5= -0.00620893a2 + 2.10902500a + 54.78428571
P5= 0.03244643a2 - 9.08525000a - 3109.01428571
【0335】
本開示の充填方法に従って、混合冷媒の充填を行うと、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填を実施する前の、供給元の容器内におけるHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める事が出来る。
【0336】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0337】
a(重量%)の値は、通常、60≦a≦100の範囲に設定する。
【0338】
供給元の容器における充填量に関しても、初期充填量が少ない程、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、移充填による組成変化の幅が小さくなる。よって、初期充填量がa重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量がa重量%以下である充填方法においても満たされる。
【0339】
初期充填量が100重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が100重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が90重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が90重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が80重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が80重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が70重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が70重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が60重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が60重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が50重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が50重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。
【0340】
供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比
本開示は、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内における混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y5)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が特徴である。
【0341】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成(重量%)であり、11.5≦x≦29.9、又は60.2≦x≦91.5の範囲である。Xは、但し、y5>0となる範囲を除く。
【0342】
y5は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(重量%)とのずれの下限値である。
【0343】
(x+y5)重量%は、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)の最小値を示す。
【0344】
目標上限組成と目標下限組成との差は、公差(Composition Tolerances)と呼ばれる。公差は、混合冷媒の組成がASHRAE規格2013(Designation and Safety Classification of Refrigerants)等に登録された際に決まるものである。
【0345】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒において、HFO-1132(E)とHFO-1234yfとの混合比(重量%)が、例えば50:50である場合を説明する。
【0346】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒において、公差が、例えば、HFO-1132(E)は+1.5、及び-1.5、HFO-1234yfは+1.5、及び-1.5と設定された場合、HFO-1132(E)の目標上限組成は51.5重量%となり、HFO-1132(E)の目標下限組成は48.5重量%となる。目標上限組成と目標下限組成との差が3.0重量%と言う混合冷媒になる。
【0347】
[供給元の容器における混合冷媒の初期充填量の違いに依る充填方法]
(2-2)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%の場合(45℃/3.0wt%/100wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の100重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0348】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~29.9重量%、又は60.2重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y5-1)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0349】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11.5≦x≦29.9又は60.2≦x≦91.5を満たす)。
【0350】
y5-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(5-1)で表される値である。
【0351】
1000y5-1= 0.0107x3 - 3.0135x2 + 203.89x - 3688.7 (5-1)
【0352】
本開示は、上記式(5-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-2.1重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0353】
供給先の容器、及び/又は機器内において、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標上限組成である。
【0354】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-2.1重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0355】
(2-3)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%の場合(45℃/3.0wt%/90wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の90重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0356】
供給先の容器、及び/又は機器への混合冷媒の充填量が適宜調節される場合の、本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~33.1重量%、又は56.9重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y2-2)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0357】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11.5≦x≦33.1又は56.9≦x≦91.5を満たす)。
【0358】
y5-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(5-2)で表される値である。
【0359】
1000y5-2= 0.0101x3 - 2.8585x2 + 194.42x - 3668.8 (5-2)
【0360】
本開示は、上記式(5-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-2.1重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0361】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-2.1重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0362】
(2-4)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%の場合(45℃/3.0wt%/80wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の80重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0363】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~39.3重量%、又は50.1重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y5-3)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0364】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11.5≦x≦39.3又は50.1≦x≦91.5を満たす)。
【0365】
y5-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(5-3)で表される値である。
【0366】
1000y5-3= 0.0091x3 - 2.6673x2 + 183.65x - 3649.7 (5-3)
【0367】
本開示は、上記式(5-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-2.2重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0368】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-2.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0369】
(2-5)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%の場合(45℃/3.0wt%/70wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の70重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0370】
供給先の容器、及び/又は機器への混合冷媒の充填量が適宜調節される場合の、本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の70重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y5-4)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0371】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11.5≦x≦91.5を満たす)。
【0372】
y5-4は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(5-4)で表される値である。
【0373】
1000y5-4= 0.0082x3 - 2.4381x2 + 168.73x - 3535.6 (5-4)
【0374】
本開示は、上記式(5-4)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-2.2重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0375】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-2.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0376】
(2-6)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%の場合(45℃/3.0wt%/60wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の60重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0377】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y5-5)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事を特徴とする。
【0378】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11.5≦x≦91.5を満たす)。
【0379】
y5-5は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(2-5)で表される値である。
【0380】
1000y5-5= 0.0089x3 - 2.4486x2 + 163.93x - 3575.7 (5-5)
【0381】
本開示は、上記式(5-5)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-2.2重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0382】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-2.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0383】
(2-7)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%の場合(45℃/3.0wt%/50wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の50重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0384】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y5-6)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事を特徴とする。
【0385】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11.5≦x≦91.5を満たす)。
【0386】
y5-6は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(2-6)で表される値である。
【0387】
1000y5-6= 0.0072x3 - 2.0734x2 + 142.73x - 3472.1 (5-6)
【0388】
本開示は、上記式(5-6)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-2.3重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0389】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-2.3重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0390】
(2-8)HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む非共沸混合冷媒の充填方法
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む非共沸混合冷媒の、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める充填方法について説明する。
【0391】
式(5)は、式(5-1)~(5-6)から導き出す事が出来る。式(5-1)~(5-6)の各係数の値を基に、目標上限組成(x)重量%から、初期充填量(a重量%)に対して、式(5)のL5、M5、N5、及びP5を導き出す事が出来る。
【0392】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-3.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y2)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事を特徴とする。
【0393】
本開示の概念の通り、目標上限組成(x)重量%と目標下限組成の差が-3.0重量%の場合、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている場合、29.9<x<60.2ではy5-1>0となってしまう為、xの範囲は、11.5重量%~29.9重量%、又は60.2重量%~91.5重量%となる。
【0394】
供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている場合、33.1<x<56.9ではy5-2>0となってしまう為、xの範囲は、11.5重量%~33.1重量%、又は56.9重量%~91.5重量%となる。
【0395】
供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている場合、39.3<x<50.1ではy5-3>0となってしまう為、xの範囲は、11.5重量%~39.3重量%、又は50.1重量%~91.5重量%となる。
【0396】
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、11.5≦x≦29.9、又は60.2≦x≦91.5、但し、y5>0となる範囲を除く)。
y5:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(5)で表される値である(重量%)。
【0397】
1000y5= L5x3+ M5x2 + N5x + P5 (5)
L5= 0.00000023a2 + 0.00002804a + 0.00555714
M5= 0.00005254a2 - 0.02547864a - 0.98317143
N5= -0.00620893a2 + 2.10902500a + 54.78428571
P5= 0.03244643a2 - 9.08525000a - 3109.01428571
【0398】
(3)目標上限組成と目標下限組成との差が2.0重量%である場合の充填方法
<45℃での混合冷媒の充填方法(上限(重量%)から(上限-2.0)(重量%)の範囲)>
供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ混合冷媒を移充填する時に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内における混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為の、移充填を実施する前の供給元の容器内における混合冷媒の混合比について説明する。
【0399】
「目標上限組成:(x)重量%」は、供給先の容器、及び/又は機器において要求される、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)の組成が、この範囲内にある事を許容される、最大値である。
【0400】
x(重量%)は、11≦x≦91の範囲内の数値である。
【0401】
「目標下限組成:(x)重量%-2.0重量%」は、供給先の容器、及び/又は機器において要求される、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)の組成が、この範囲内にある事を許容される、最小値である。
【0402】
(3-1)目標上限組成と目標下限組成との差が2.0重量%である場合の充填方法
供給先の容器、及び/又は機器への混合冷媒の充填量が適宜調節される場合の、本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y6)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事を特徴とする。
【0403】
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、11≦x≦16.1、又は76.6≦x≦91、但し、y6>0となる範囲を除く)。
y6:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(6)で表される値である(重量%)。
【0404】
1000y6= L6x3+ M6x2 + N6x + P6 (6)
L6= -0.00000229a2 + 0.00040314a - 0.00802857
M6= 0.00040107a2 - 0.07670157a + 0.88952857
N6= -0.02104464a2 + 4.23275357a - 25.47571429
P6= 0.21416071a2 - 33.68810714a - 1107.64285714
【0405】
本開示の充填方法に従って、混合冷媒の充填を行うと、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填を実施する前の、供給元の容器内におけるHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める事が出来る。
【0406】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0407】
a(重量%)の値は、通常、60≦a≦100の範囲に設定する。
【0408】
供給元の容器における充填量に関しても、初期充填量が少ない程、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、移充填による組成変化の幅が小さくなる。よって、初期充填量がa重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量がa重量%以下である充填方法においても満たされる。
【0409】
初期充填量が100重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が100重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が90重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が90重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が80重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が80重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が70重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が70重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が60重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が60重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。初期充填量が50重量%である充填方法を満たす数式は、初期充填量が50重量%~0重量%である充填方法においても満たされる。
【0410】
供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比
本開示は、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内における混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y6)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が特徴である。
【0411】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成(重量%)であり、11≦x≦16.1、又は76.6≦x≦91の範囲である。Xは、但し、y6>0となる範囲を除く。
【0412】
y6は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(重量%)とのずれの下限値である。
【0413】
(x+y6)重量%は、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)の最小値を示す。
【0414】
目標上限組成と目標下限組成との差は、公差(Composition Tolerances)と呼ばれる。公差は、混合冷媒の組成がASHRAE規格2013(Designation and Safety Classification of Refrigerants)等に登録された際に決まるものである。
【0415】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒において、HFO-1132(E)とHFO-1234yfとの混合比(重量%)が、例えば50:50である場合を説明する。
【0416】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒において、公差が、例えば、HFO-1132(E)は+1.0、及び-1.0、HFO-1234yfは+1.0、及び-1.0と設定された場合、HFO-1132(E)の目標上限組成は51.0重量%となり、HFO-1132(E)の目標下限組成は49.0重量%となる。目標上限組成と目標下限組成との差が2.0重量%と言う混合冷媒になる。
【0417】
[供給元の容器における混合冷媒の初期充填量の違いに依る充填方法]
(3-2)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%の場合(45℃/2.0wt%/100wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の100重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0418】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~16.1重量%、又は76.6重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y6-1)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0419】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11≦x≦16.1又は76.6≦x≦91を満たす)。
【0420】
y6-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(6-1)で表される値である。
【0421】
1000y6-1= 0.0097x3 - 2.8139x2 + 189.47x - 2363.2 (6-1)
【0422】
本開示は、上記式(6-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.1重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0423】
供給先の容器、及び/又は機器内において、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標上限組成である。
【0424】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-1.1重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0425】
(3-3)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%の場合(45℃/2.0wt%/90wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の90重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0426】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~17.1重量%、又は75.5重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y6-2)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0427】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11≦x≦17.1又は75.5≦x≦91を満たす)。
【0428】
y6-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(6-2)で表される値である。
【0429】
1000y6-2= 0.0092x3 - 2.6794x2+ 181.13x - 2358.5 (6-2)
【0430】
本開示は、上記式(6-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.2重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0431】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-1.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0432】
(3-4)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%の場合(45℃/2.0wt%/80wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の80重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0433】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~18.2重量%、又は73.8重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y6-3)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0434】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11≦x≦18.2又は73.8≦x≦91を満たす)。
【0435】
y6-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(6-3)で表される値である。
【0436】
1000y6-3= 0.0096x3 - 2.6718x2 + 177.45x - 2404.6 (6-3)
【0437】
本開示は、上記式(6-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.2重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0438】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-1.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0439】
(3-5)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%の場合(45℃/2.0wt%/70wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の70重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0440】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~20.1重量%、又は71.3重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の70重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y6-4)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0441】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11≦x≦20.1又は71.3≦x≦91を満たす)。
【0442】
y6-4は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(6-4)で表される値である。
【0443】
1000y6-4= 0.0095x3 - 2.6115x2 + 172.84x - 2493.5 (6-4)
【0444】
本開示は、上記式(6-4)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.2重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0445】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-1.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0446】
(3-6)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%の場合(45℃/2.0wt%/60wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の60重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0447】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~22.2重量%、又は69.1重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y6-5)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0448】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11≦x≦22.2又は69.1≦x≦91を満たす)。
【0449】
y6-5は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(6-5)で表される値である。
【0450】
1000y6-5= 0.0077x3 - 2.2204x2 + 150.41x - 2329.9 (6-5)
【0451】
本開示は、上記式(6-5)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.2重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0452】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-1.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0453】
(3-7)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%の場合(45℃/2.0wt%/50wt%)
供給元の容器における混合冷媒の初期充填量が最大充填量の50重量%であって、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める時を説明する。
【0454】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~25.6重量%、又は64.2重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y6-6)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事が好ましい。
【0455】
xは、HFO-1132(E)の目標上限組成である(但し、11≦x≦25.6又は64.2≦x≦91を満たす)。
【0456】
y6-6は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(6-6)で表される値である。
【0457】
1000y6-6= 0.0064x3 - 1.9435x2 + 133.5x - 2253.1 (6-6)
【0458】
本開示は、上記式(6-6)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.3重量%程度~x重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0459】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さい事から、HFO-1132(E)の初期組成が、目標上限組成に対して、-1.3重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標上限組成(x)-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)の範囲に収める事が出来る。
【0460】
(3-8)HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む非共沸混合冷媒の充填方法
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む非共沸混合冷媒の、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成(x)重量%の範囲に収める充填方法について説明する。
【0461】
式(6)は、式(6-1)~(6-6)から導き出す事が出来る。式(6-1)~(6-6)の各係数の値を基に、目標上限組成(x)重量%から、初期充填量(a重量%)に対して、式(3)のL6、M6、N6、及びP6を導き出す事が出来る。
【0462】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器から供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から移充填完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標上限組成(x)重量%から目標上限組成(x)重量%-2.0重量%(目標下限組成)の範囲に収める為、移充填開始前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y3)重量%(最小値)以上、(x)重量%(目標上限組成)以下にする事を特徴とする。
【0463】
本開示の概念の通り、目標上限組成(x)と目標下限組成の差が-2.0重量%の場合、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている場合、16.1<x<76.6ではy6-1>0となってしまうため、xの範囲は、11重量%~16.1重量%、又は76.1重量%~91.0重量%となる。
【0464】
供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている場合、17.1<x<75.5ではy6-2>0となってしまう為、xの範囲は、11重量%~17.1重量%、又は75.5重量%~91重量%となる。
【0465】
供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている場合、18.2<x<73.8ではy6-3>0となってしまう為、xの範囲は、11重量%~18.2重量%、又は73.8重量%~91重量%となる。
【0466】
供給元の容器に最大充填量の70重量%以下の量で充填されている場合、20.1<x<71.3ではy6-4>0となってしまう為、xの範囲は、11重量%~20.1重量%、又は71.3重量%~91重量%となる。
【0467】
供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている場合、22.2<x<69.1ではy6-5>0となってしまう為、xの範囲は、11重量%~22.2重量%、又は69.1重量%~91重量%となる。
【0468】
供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている場合、25.6<x<64.2ではy6-5>0となってしまう為、xの範囲は、11重量%~25.6重量%、又は64.2重量%~91重量%となる。
【0469】
a:供給元の容器における初期充填量(重量%)。
x:HFO-1132(E)の目標上限組成である(重量%、11≦x≦16.1、又は76.6≦x≦91、但し、y6>0となる範囲を除く)。
y6:HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値で、次の式(6)で表される値である(重量%)。
【0470】
1000y6= L6x3+ M6x2 + N6x + P6 (6)
L6= -0.00000229a2 + 0.00040314a - 0.00802857
M6= 0.00040107a2 - 0.07670157a + 0.88952857
N6= -0.02104464a2 + 4.23275357a - 25.47571429
P6= 0.21416071a2 - 33.68810714a - 1107.64285714
【0471】
充填量毎の充填方法
[3]1.05を65℃におけるガス(HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒)の比重で除した値を充填定数として採用し、算出した値を充填量100wt%とする場合の混合冷媒の充填方法
以下、移充填方法の一例として移充填時の取扱い温度が40℃の時を示す。日本の高圧ガス保安法においては、40℃を超える温度での容器の取り扱いを禁じている事から、日本における移充填時の取扱い温度は0℃~40℃である。
【0472】
移充填時(取扱い時)の温度が高い程、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、移充填による組成変化が大きくなる。よって、取扱い温度40℃時における移充填の条件を応用する事で、取扱い温度0℃~40℃についても適用可能である。
【0473】
(1)供給元の容器における最大充填量の100重量%充填量の混合冷媒の充填方法
<65℃での混合冷媒の充填方法(最大充填量の100重量%充填量)>
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、
移充填直前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y11)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする、混合冷媒の充填方法。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但し、y11>aとなる範囲を除く)。
Y11:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(11)で表される値である(重量%)。
1000y11= L11x3 - M11x2+ N11x - P11 (11)
L11= 0.00325a + (-0.00135)
M11= -0.46395a + (-1.21255)
N11= 22.65000a + (114.40667)
P11= -1372.90000a + (576.13333)
【0474】
「±a」(設定公差)は、HFO-1132(E)の目標組成(x)を基準値とする場合の、許容される範囲の最大値及び最小値との差であり、目標組成との許容される「ずれ」である。
【0475】
aの値は、好ましくは、2≦a≦4の範囲に設定する。
【0476】
本開示の混合冷媒の充填方法は、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填する前の、供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±a重量%の許容範囲に収める事が出来る。
【0477】
HFO-1132(E)の「目標組成」は、供給先の容器、及び/又は機器において求められる、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)濃度である。
【0478】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0479】
(1-1)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±2」である時、a=4の範囲である時を説明する。
【0480】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y11-1)重量%(最小値)以上、(x+2)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0481】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0482】
y11-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+2)とのずれの下限値で、次の式(11-1)で表される値である。
【0483】
1000y11-1= 0.0117(x+2)3 - 3.0684(x+2)2 + 205.01(x+2) - 4915.5 (11-1)
【0484】
本開示は、上記式(11-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、
移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.9重量%程度~x+2重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±2重量%の範囲に収める事が出来る。
【0485】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±2重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+2重量%である。
【0486】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.9重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±2重量%に収める事が出来る。
【0487】
(1-2)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1.5」である時、a=3の範囲である時を説明する。
【0488】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y11-2)重量%(最小値)以上、(x+1.5)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0489】
a=1.5の場合、34.5<x<55.2ではy11-2>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~34.5重量%、又は55.2重量%~90重量%となる。
【0490】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0491】
y11-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.5)とのずれの下限値で、次の式(11-2)で表される値である。
【0492】
1000y11-2= 0.0084(x+1.5)3 - 2.604(x+1.5)2 + 182.36(x+1.5) - 3542.6 (11-2)
【0493】
本開示は、上記式(11-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.7重量%程度~x+1.5重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1.5重量%の範囲に収める事が出来る。
【0494】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1.5重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1.5重量%である。
【0495】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.7重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1.5重量%に収める事が出来る。
【0496】
(1-3)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1」である時、a=2の範囲である時を説明する。
【0497】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y11-3)重量%(最小値)以上、(x+1)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0498】
a=1の場合、17.5<x<74.1ではy11-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~17.5重量%、又は74.1重量%~90重量%となる。
【0499】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0500】
y11-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.0)とのずれの下限値で、次の式(11-3)で表される値である。
【0501】
1000y11-3= 0.0052(x+1.0)3 -2.1405(x+1.0)2 + 159.71(x+1.0) - 2169.7 (11-3)
【0502】
本開示は、上記式(11-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.4重量%程度~x+1重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1重量%の範囲に収める事が出来る。
【0503】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1重量%である。
【0504】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.4重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1重量%に収める事が出来る。
【0505】
(1-4)供給元の容器における最大充填量の100重量%充填量の混合冷媒の充填方法
式(11)は、式(11-1)~(11-3)から導き出す事が出来る。式(11-1)~(11-3)の各係数の値を基に、目標組成(x)から、設定交差(a)に対して、式(11)のL11、M11、N11及びP11を導き出す事が出来る。
【0506】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y11)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但し、y11>aとなる範囲を除く)。
Y11:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(11)で表される値である(重量%)。
1000y11= L11x3 - M11x2+ N11x - P11 (11)
L11= 0.00325a + (-0.00135)
M11= -0.46395a + (-1.21255)
N11= 22.65000a + (114.40667)
P11= -1372.90000a + (576.13333)
【0507】
a=1.5の場合、34.5<x<55.2ではy11-2>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~34.5重量%、又は55.2重量%~90重量%となる。
【0508】
a=1の場合、17.5<x<74.1ではy11-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~17.5重量%、又は74.1重量%~90重量%となる。
【0509】
(2)供給元の容器における最大充填量の90重量%充填量の混合冷媒の充填方法
<65℃での混合冷媒の充填方法(最大充填量の90重量%充填量)>
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、
移充填直前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y12)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする、混合冷媒の充填方法。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy12>aとなる範囲を除く)。
y12:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(12)で表される値である(重量%)。
1000y12= L12x3 - M12x2+ N12x - P12 (12)
L12= 0.00015a + (0.00928)
M12= -0.04875a + (-2.57505)
N12= 6.55500a + (163.93833)
P12= -1215.05000a + (16.55000)
【0510】
「±a」(設定公差)は、HFO-1132(E)の目標組成(x)を基準値とする場合の、許容される範囲の最大値及び最小値との差であり、目標組成との許容される「ずれ」である。
【0511】
aの値は、好ましくは、2≦a≦4の範囲に設定する。
【0512】
本開示の混合冷媒の充填方法は、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填する前の、供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±a重量%の許容範囲に収める事が出来る。
【0513】
HFO-1132(E)の「目標組成」は、供給先の容器、及び/又は機器において求められる、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)濃度である。
【0514】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0515】
(2-1)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±2」である時、a=4の範囲である時を説明する。
【0516】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y12-1)重量%(最小値)以上、(x+2)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0517】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0518】
y12-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+2.0)とのずれの下限値で、次の式(12-1)で表される値である。
【0519】
1000y12-1= 0.0099(x+2.0)3 - 2.770(x+2.0)2 + 190.16(x+2.0) - 4843.7 (12-1)
【0520】
本開示は、上記式(12-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.1重量%程度~x+2重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±2重量%の範囲に収める事が出来る。
【0521】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±2重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+2重量%である。
【0522】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-1.1重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±2重量%に収める事が出来る。
【0523】
(2-2)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1.5」である時、a=3の範囲である時を説明する。
【0524】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y12-2)重量%(最小値)以上、(x+1.5)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0525】
a=1.5の場合、41.5<x<46.9ではy12-2>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~41.5重量%、又は46.9重量%~90重量%となる。
【0526】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0527】
y12-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.5)とのずれの下限値で、次の式(12-2)で表される値である。
【0528】
1000y12-2= 0.0097(x+1.5)3 - 2.721(x+1.5)2 + 183.60(x+1.5) - 3628.6 (12-2)
【0529】
本開示は、上記式(12-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.6重量%程度~x+1.5重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1.5重量%の範囲に収める事が出来る。
【0530】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1.5重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1.5重量%である。
【0531】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.6重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1.5重量%に収める事が出来る。
【0532】
(2-3)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1」である時、a=2の範囲である時を説明する。
【0533】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y12-3)重量%(最小値)以上、(x+1)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0534】
a=1の場合、18.4<x<72.9ではy12-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~18.4重量%、又は72.9重量%~90重量%となる。
【0535】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0536】
y12-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.0)とのずれの下限値で、次の式(12-3)で表される値である。
【0537】
1000y12-3= 0.0096(x+1.0)3 - 2.6726(x+1.0)2 + 177.05(x+1.0) - 2413.6 (12-3)
【0538】
本開示は、上記式(12-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.2重量%程度~x+1重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1重量%の範囲に収める事が出来る。
【0539】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1重量%である。
【0540】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1重量%に収める事が出来る。
【0541】
(2-4)供給元の容器における最大充填量の90重量%充填量の混合冷媒の充填方法
式(12)は、式(12-1)~(12-3)から導き出す事が出来る。式(12-1)~(12-3)の各係数の値を基に、目標組成(x)から、設定交差(a)に対して、式(12)のL12、M12、N12及びP12を導き出す事が出来る。
【0542】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y12)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy12>aとなる範囲を除く)。
y12:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(12)で表される値である(重量%)。
1000y12= L12x3 - M12x2+ N12x - P12 (12)
L12= 0.00015a + (0.00928)
M12= -0.04875a + (-2.57505)
N12= 6.55500a + (163.93833)
P12= -1215.05000a + (16.55000)
【0543】
a=1.5の場合、41.5<x<46.9ではy12-2>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~41.5重量%、又は46.9重量%~90重量%となる。
【0544】
a=1の場合、18.4<x<72.9ではy12-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~18.4重量%、又は72.9重量%~90重量%となる。
【0545】
(3)供給元の容器における最大充填量の80重量%充填量の混合冷媒の充填方法
<65℃での混合冷媒の充填方法(最大充填量の80重量%充填量)>
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、
移充填直前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y13)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする、混合冷媒の充填方法。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy13>aとなる範囲を除く)。
y13:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(13)で表される値である(重量%)。
1000y13= L13x3 - M13x2+ N13x - P13 (13)
L13= 0.00005a + (0.00862)
M13= -0.02780a + (-2.42600)
N13= 4.82500a + (156.35500)
P13= -1154.50000a + (-88.63333)
【0546】
「±a」(設定公差)は、HFO-1132(E)の目標組成(x)を基準値とする場合の、許容される範囲の最大値及び最小値との差であり、目標組成との許容される「ずれ」である。
【0547】
aの値は、好ましくは、2≦a≦4の範囲に設定する。
【0548】
本開示の混合冷媒の充填方法は、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填する前の、供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±a重量%の許容範囲に収める事が出来る。
【0549】
HFO-1132(E)の「目標組成」は、供給先の容器、及び/又は機器において求められる、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)濃度である。
【0550】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0551】
(3-1)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±2」である時、a=4の範囲である時を説明する。
【0552】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y13-1)重量%(最小値)以上、(x+2)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0553】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0554】
y13-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+2.0)とのずれの下限値で、次の式(13-1)で表される値である。
【0555】
1000y13-1= 0.0088(x+2.0)3 - 2.5372(x+2.0)2 + 175.66(x+2.0) - 4706.6 (13-1)
【0556】
本開示は、上記式(13-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.1重量%程度~x+2重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±2重量%の範囲に収める事が出来る。
【0557】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±2重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+2重量%である。
【0558】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-1.1重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±2重量%に収める事が出来る。
【0559】
(3-2)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1.5」である時、a=3の範囲である時を説明する。
【0560】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y13-2)重量%(最小値)以上、(x+1.5)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0561】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0562】
y13-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.5)とのずれの下限値で、次の式(13-2)で表される値である。
【0563】
1000y13-2= 0.0088(x+1.5)3 - 2.509(x+1.5)2 + 170.83(x+1.5) - 3552.1 (13-2)
【0564】
本開示は、上記式(13-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.7重量%程度~x+1.5重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1.5重量%の範囲に収める事が出来る。
【0565】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1.5重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1.5重量%である。
【0566】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.7重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1.5重量%に収める事が出来る。
【0567】
(3-3)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1」である時、a=2の範囲である時を説明する。
【0568】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y13-3)重量%(最小値)以上、(x+1)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0569】
a=1の場合、20<x<70.9ではy13-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~20重量%、又は70.9重量%~90重量%となる。
【0570】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0571】
y13-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.0)とのずれの下限値で、次の式(13-3)で表される値である。
【0572】
1000y13-3= 0.0087(x+1.0)3 - 2.4816(x+1.0)2 + 166.01(x+1.0) - 2397.6 (13-3)
【0573】
本開示は、上記式(13-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.2重量%程度~x+1重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1重量%の範囲に収める事が出来る。
【0574】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1重量%である。
【0575】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1重量%に収める事が出来る。
【0576】
(3-4)供給元の容器における最大充填量の80重量%充填量の混合冷媒の充填方法
式(13)は、式(13-1)~(13-3)から導き出す事が出来る。式(13-1)~(13-3)の各係数の値を基に、目標組成(x)から、設定交差(a)に対して、式(13)のL13、M13、N13及びP13を導き出す事が出来る。
【0577】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y13)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy13>aとなる範囲を除く)。
y13:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(13)で表される値である(重量%)。
1000y13= L13x3 - M13x2+ N13x - P13 (13)
L13= 0.00005a + (0.00862)
M13= -0.02780a + (-2.42600)
N13= 4.82500a + (156.35500)
P13= -1154.50000a + (-88.63333)
【0578】
a=1の場合、20<x<70.9ではy13-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~20重量%、又は70.9重量%~90重量%となる。
【0579】
(4)供給元の容器における最大充填量の70重量%充填量の混合冷媒の充填方法
<65℃での混合冷媒の充填方法(最大充填量の70重量%充填量)>
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の70重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、
移充填直前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y14)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする、混合冷媒の充填方法。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy14>aとなる範囲を除く)。
y14:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(14)で表される値である(重量%)。
1000y14= L14x3 - M14x2+ N14x - P14 (14)
L14= -0.00105a + (0.01228)
M14= 0.12340a + (-2.86680)
N14= -1.46500a + (171.35833)
P14= -1080.45000a + (-366.15000)
【0580】
「±a」(設定公差)は、HFO-1132(E)の目標組成(x)を基準値とする場合の、許容される範囲の最大値及び最小値との差であり、目標組成との許容される「ずれ」である。
【0581】
aの値は、好ましくは、2≦a≦4の範囲に設定する。
【0582】
本開示の混合冷媒の充填方法は、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填する前の、供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±a重量%の許容範囲に収める事が出来る。
【0583】
HFO-1132(E)の「目標組成」は、供給先の容器、及び/又は機器において求められる、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)濃度である。
【0584】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0585】
(4-1)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±2」である時、a=4の範囲である時を説明する。
【0586】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の70重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y14-1)重量%(最小値)以上、(x+2)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0587】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0588】
y14-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+2.0)とのずれの下限値で、次の式(14-1)で表される値である。
【0589】
1000y14-1= 0.0081(x+2.0)3 - 2.3732(x+2.0)2 + 165.50(x+2.0) - 4688 (14-1)
【0590】
本開示は、上記式(14-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.2重量%程度~x+2重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±2重量%の範囲に収める事が出来る。
【0591】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±2重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+2重量%である。
【0592】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-1.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±2重量%に収める事が出来る。
【0593】
(4-2)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1.5」である時、a=3の範囲である時を説明する。
【0594】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の70重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y14-2)重量%(最小値)以上、(x+1.5)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0595】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0596】
y14-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.5)とのずれの下限値で、次の式(14-2)で表される値である。
【0597】
1000y14-2= 0.0091(x+1.5)3 - 2.4966(x+1.5)2 + 166.96(x+1.5) - 3607.5 (14-2)
【0598】
本開示は、上記式(14-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.7重量%程度~x+1.5重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1.5重量%の範囲に収める事が出来る。
【0599】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1.5重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1.5重量%である。
【0600】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.7重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1.5重量%に収める事が出来る。
【0601】
(4-3)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1」である時、a=2の範囲である時を説明する。
【0602】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の70重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y14-3)重量%(最小値)以上、(x+1)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0603】
a=1の場合、21.7<x<68.2ではy14-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~21.7重量%、又は68.2重量%~90重量%となる。
【0604】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0605】
y14-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.0)とのずれの下限値で、次の式(14-3)で表される値である。
【0606】
1000y14-3= 0.0102(x+1.0)3 - 2.6200(x+1.0)2 + 168.43(x+1.0) - 2527.1 (14-3)
【0607】
本開示は、上記式(14-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.2重量%程度~x+1重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1重量%の範囲に収める事が出来る。
【0608】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1重量%である。
【0609】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1重量%に収める事が出来る。
【0610】
(4-4)供給元の容器における最大充填量の70重量%充填量の混合冷媒の充填方法
式(14)は、式(14-1)~(14-3)から導き出す事が出来る。式(14-1)~(14-3)の各係数の値を基に、目標組成(x)から、設定交差(a)に対して、式(14)のL14、M14、N14及びP14を導き出す事が出来る。
【0611】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の70&重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y14)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy14>aとなる範囲を除く)。
y14:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(14)で表される値である(重量%)。
1000y14= L14x3 - M14x2+ N14x - P14 (14)
L14= -0.00105a + (0.01228)
M14= 0.12340a + (-2.86680)
N14= -1.46500a + (171.35833)
P14= -1080.45000a + (-366.15000)
【0612】
a=1の場合、21.7<x<68.2ではy14-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~21.7重量%、又は68.2重量%~90重量%となる。
【0613】
(5)供給元の容器における最大充填量の60重量%充填量の混合冷媒の充填方法
<65℃での混合冷媒の充填方法(最大充填量の60重量%充填量)>
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、
移充填直前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y15)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする、混合冷媒の充填方法。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy15>aとなる範囲を除く)。
y15:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(15)で表される値である(重量%)。
1000y15= L15x3 - M15x2+ N15x - P15 (15)
L15= -0.00065a + (0.00915)
M15= 0.10505a + (-2.43128)
N15= -2.78000a + (154.43000)
P15= -1052.95000a + (-322.25000)
【0614】
「±a」(設定公差)は、HFO-1132(E)の目標組成(x)を基準値とする場合の、許容される範囲の最大値及び最小値との差であり、目標組成との許容される「ずれ」である。
【0615】
aの値は、好ましくは、2≦a≦4の範囲に設定する。
【0616】
本開示の混合冷媒の充填方法は、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填する前の、供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±a重量%の許容範囲に収める事が出来る。
【0617】
HFO-1132(E)の「目標組成」は、供給先の容器、及び/又は機器において求められる、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)濃度である。
【0618】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0619】
(5-1)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±2」である時、a=4の範囲である時を説明する。
【0620】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y15-1)重量%(最小値)以上、(x+2)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0621】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0622】
y15-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+2.0)とのずれの下限値で、次の式(15-1)で表される値である。
【0623】
1000y15-1= 0.0066(x+2.0)3 - 2.0111(x+2.0)2 + 143.31(x+2.0) - 4534.1 (15-1)
【0624】
本開示は、上記式(15-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.2重量%程度~x+2重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±2重量%の範囲に収める事が出来る。
【0625】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±2重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+2重量%である。
【0626】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-1.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±2重量%に収める事が出来る。
【0627】
(5-2)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1.5」である時、a=3の範囲である時を説明する。
【0628】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y15-2)重量%(最小値)以上、(x+1.5)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0629】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0630】
y15-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.5)とのずれの下限値で、次の式(15-2)で表される値である。
【0631】
1000y15-2= 0.0072(x+1.5)3 - 2.1161(x+1.5)2 + 146.09(x+1.5) - 3481.1 (15-2)
【0632】
本開示は、上記式(15-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.8重量%程度~x+1.5重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1.5重量%の範囲に収める事が出来る。
【0633】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1.5重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1.5重量%である。
【0634】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.8重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1.5重量%に収める事が出来る。
【0635】
(5-3)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1」である時、a=2の範囲である時を説明する。
【0636】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y15-3)重量%(最小値)以上、(x+1)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0637】
a=1の場合、24.4<x<65.4ではy15-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~24.4重量%、又は65.4重量%~90重量%となる。
【0638】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0639】
y15-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.0)とのずれの下限値で、次の式(15-3)で表される値である。
【0640】
1000y15-3= 0.0079(x+1.0)3 - 2.2212(x+1.0)2 + 148.87(x+1.0) - 2428.2 (15-3)
【0641】
本開示は、上記式(15-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.3重量%程度~x+1重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1重量%の範囲に収める事が出来る。
【0642】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1重量%である。
【0643】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.3重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1重量%に収める事が出来る。
【0644】
(5-4)供給元の容器における最大充填量の60重量%充填量の混合冷媒の充填方法
式(15)は、式(15-1)~(15-3)から導き出す事が出来る。式(15-1)~(15-3)の各係数の値を基に、目標組成(x)から、設定交差(a)に対して、式(15)のL15、M15、N15及びP15を導き出す事が出来る。
【0645】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y15)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy15>aとなる範囲を除く)。
y15:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(15)で表される値である(重量%)。
1000y15= L15x3 - M15x2+ N15x - P15 (15)
L15= -0.00065a + (0.00915)
M15= 0.10505a + (-2.43128)
N15= -2.78000a + (154.43000)
P15= -1052.95000a + (-322.25000)
【0646】
a=1の場合、24.4<x<65.4ではy15-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~24.4重量%、又は65.4重量%~90重量%となる。
【0647】
(6)供給元の容器における最大充填量の50重量%充填量の混合冷媒の充填方法
<65℃での混合冷媒の充填方法(最大充填量の50重量%充填量)>
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、
移充填直前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y16)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする、混合冷媒の充填方法。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy16>aとなる範囲を除く)。
y16:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(16)で表される値である(重量%)。
1000y16= L16x3 - M16x2+ N16x - P16 (16)
L16= 0.00015a + (0.00622)
M16= -0.03840a + (-1.83297)
N16= 4.11000a + (121.92000)
P16= -1109.75000a + (-120.98333)
【0648】
「±a」(設定公差)は、HFO-1132(E)の目標組成(x)を基準値とする場合の、許容される範囲の最大値及び最小値との差であり、目標組成との許容される「ずれ」である。
【0649】
aの値は、好ましくは、2≦a≦4の範囲に設定する。
【0650】
本開示の混合冷媒の充填方法は、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填する前の、供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±a重量%の許容範囲に収める事が出来る。
【0651】
HFO-1132(E)の「目標組成」は、供給先の容器、及び/又は機器において求められる、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)濃度である。
【0652】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0653】
(6-1)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±2」である時、a=4の範囲である時を説明する。
【0654】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y16-1)重量%(最小値)以上、(x+2)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0655】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0656】
y16-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+2.0)とのずれの下限値で、次の式(16-1)で表される値である。
【0657】
1000y16-1= 0.0068(x+2.0)3 - 1.9866(x+2.0)2 + 138.36(x+2.0) - 4560 (16-1)
【0658】
本開示は、上記式(16-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.3重量%程度~x+2重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±2重量%の範囲に収める事が出来る。
【0659】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±2重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+2重量%である。
【0660】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-1.3重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±2重量%に収める事が出来る。
【0661】
(6-2)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1.5」である時、a=3の範囲である時を説明する。
【0662】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y16-2)重量%(最小値)以上、(x+1.5)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0663】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0664】
y16-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.5)とのずれの下限値で、次の式(16-2)で表される値である。
【0665】
1000y16-2= 0.0067(x+1.5)3 -1.9482(x+1.5)2 + 134.25(x+1.5) - 3450.2 (16-2)
【0666】
本開示は、上記式(16-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.8重量%程度~x+1.5重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1.5重量%の範囲に収める事が出来る。
【0667】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1.5重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1.5重量%である。
【0668】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.8重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1.5重量%に収める事が出来る。
【0669】
(6-3)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1」である時、a=2の範囲である時を説明する。
【0670】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y16-3)重量%(最小値)以上、(x+1)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0671】
a=1の場合、29.3<x<60ではy16-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~29.3重量%、又は60重量%~90重量%となる。
【0672】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0673】
y16-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.0)とのずれの下限値で、次の式(15-3)で表される値である。
【0674】
1000y16-3= 0.0065(x+1.0)3 - 1.9098(x+1.0)2 + 130.14(x+1.0) - 2340.5 (16-3)
【0675】
本開示は、上記式(16-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.3重量%程度~x+1重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1重量%の範囲に収める事が出来る。
【0676】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1重量%である。
【0677】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.3重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1重量%に収める事が出来る。
【0678】
(6-4)供給元の容器における最大充填量の50重量%充填量の混合冷媒の充填方法
式(16)は、式(16-1)~(16-3)から導き出す事が出来る。式(16-1)~(16-3)の各係数の値を基に、目標組成(x)から、設定交差(a)に対して、式(16)のL16、M16、N16及びP16を導き出す事が出来る。
【0679】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y16)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy16>aとなる範囲を除く)。
y16:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(16)で表される値である(重量%)。
1000y16= L16x3 - M16x2+ N16x - P16 (16)
L16= 0.00015a + (0.00622)
M16= -0.03840a + (-1.83297)
N16= 4.11000a + (121.92000)
P16= -1109.75000a + (-120.98333)
【0680】
a=1の場合、29.3<x<60ではy16-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~29.3重量%、又は60重量%~90重量%となる。
【0681】
充填量毎の充填方法
[4]1.05を45℃におけるガス(HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒)の比重で除した値を充填定数として採用し、算出した値を充填量100wt%とする場合の混合冷媒の充填方法
以下、移充填方法の一例として移充填時の取扱い温度が40℃の時を示す。日本の高圧ガス保安法においては、40℃を超える温度での容器の取り扱いを禁じている事から、日本における移充填時の取扱い温度は0℃~40℃である。
【0682】
移充填時(取扱い時)の温度が高い程、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、移充填による組成変化が大きくなる。よって、取扱い温度40℃時における移充填の条件を応用する事で、取扱い温度0℃~40℃についても適用可能である。
【0683】
(1)供給元の容器における最大充填量の100重量%充填量の混合冷媒の充填方法
<45℃での混合冷媒の充填方法(最大充填量の100重量%充填量)>
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、
移充填直前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y17)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする、混合冷媒の充填方法。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy17>aとなる範囲を除く)。
y17:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(17)で表される値である(重量%)。
1000y17= L17x3 - M17x2+ N17x - P17 (17)
L17= 0.00110a + (0.00747)
M17= -0.20355a + (-2.40548)
N17= 13.95000a + (161.72667)
P17= -1304.75000a + (239.38333)
【0684】
「±a」(設定公差)は、HFO-1132(E)の目標組成(x)を基準値とする場合の、許容される範囲の最大値及び最小値との差であり、目標組成との許容される「ずれ」である。
【0685】
aの値は、好ましくは、2≦a≦4の範囲に設定する。
【0686】
本開示の混合冷媒の充填方法は、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填する前の、供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±a重量%の許容範囲に収める事が出来る。
【0687】
HFO-1132(E)の「目標組成」は、供給先の容器、及び/又は機器において求められる、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)濃度である。
【0688】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0689】
(1-1)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±2」である時、a=4の範囲である時を説明する。
【0690】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y17-1)重量%(最小値)以上、(x+2)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0691】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0692】
y17-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+2.0)とのずれの下限値で、次の式(17-1)で表される値である。
【0693】
1000y17-1= 0.0119(x+2.0)3 - 3.2197(x+2.0)2 + 217.53(x+2.0) - 4979.6 (17-1)
【0694】
本開示は、上記式(17-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.9重量%程度~x+2重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±2重量%の範囲に収める事が出来る。
【0695】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±2重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+2重量%である。
【0696】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.9重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±2重量%に収める事が出来る。
【0697】
(1-2)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1.5」である時、a=3の範囲である時を説明する。
【0698】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y17-2)重量%(最小値)以上、(x+1.5)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0699】
a=1.5の場合29.8<x<60.1ではy17-2>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~29.8重量%、又は60.1重量%~90重量%となる。
【0700】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0701】
y17-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.5)とのずれの下限値で、次の式(17-2)で表される値である。
【0702】
1000y17-2= 0.0108(x+1.5)3 - 3.0161(x+1.5)2 + 203.58(x+1.5) - 3674.9 (17-2)
【0703】
本開示は、上記式(17-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.5重量%程度~x+1.5重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1.5重量%の範囲に収める事が出来る。
【0704】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1.5重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1.5重量%である。
【0705】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.5重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1.5重量%に収める事が出来る。
【0706】
(1-3)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1」である時、a=2の範囲である時を説明する。
【0707】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y17-3)重量%(最小値)以上、(x+1)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0708】
a=1の場合、16.1<x<76.5ではy17-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~16.1重量%、又は76.5重量%~90重量%となる。
【0709】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0710】
y17-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.0)とのずれの下限値で、次の式(17-3)で表される値である。
【0711】
1000y17-3= 0.0097(x+1.0)3 - 2.8126(x+1.0)2 + 189.63(x+1.0) - 2370.1 (17-3)
【0712】
本開示は、上記式(17-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.1重量%程度~x+1重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1重量%の範囲に収める事が出来る。
【0713】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1重量%である。
【0714】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.1重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1重量%に収める事が出来る。
【0715】
(1-4)供給元の容器における最大充填量の100重量%充填量の混合冷媒の充填方法
式(17)は、式(17-1)~(17-3)から導き出す事が出来る。式(17-1)~(17-3)の各係数の値を基に、目標組成(x)から、設定交差(a)に対して、式(17)のL17、M17、N17及びP17を導き出す事が出来る。
【0716】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の100重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y17)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy17>aとなる範囲を除く)。
y17:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(17)で表される値である(重量%)。
1000y17= L17x3 - M17x2+ N17x - P17 (17)
L17= 0.00110a + (0.00747)
M17= -0.20355a + (-2.40548)
N17= 13.95000a + (161.72667)
P17= -1304.75000a + (239.38333)
【0717】
a=1.5の場合29.8<x<60.1ではy17-2>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~29.8重量%、又は60.1重量%~90重量%となる。
【0718】
a=1の場合、16.1<x<76.5ではy17-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~16.1重量%、又は76.5重量%~90重量%となる。
【0719】
(2)供給元の容器における最大充填量の90重量%充填量の混合冷媒の充填方法
<45℃での混合冷媒の充填方法(最大充填量の90重量%充填量)>
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、
移充填直前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y18)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする、混合冷媒の充填方法。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy18>aとなる範囲を除く)。
y18:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(18)で表される値である(重量%)。
1000y18= L18x3 - M18x2+ N18x - P18 (18)
L18= 0.00075a + (0.00775)
M18= -0.14970a + (-2.38980)
N18= 11.43500a + (158.87833)
P18= -1272.15000a + (173.08333)
【0720】
「±a」(設定公差)は、HFO-1132(E)の目標組成(x)を基準値とする場合の、許容される範囲の最大値及び最小値との差であり、目標組成との許容される「ずれ」である。
【0721】
aの値は、好ましくは、2≦a≦4の範囲に設定する。
【0722】
本開示の混合冷媒の充填方法は、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填する前の、供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±a重量%の許容範囲に収める事が出来る。
【0723】
HFO-1132(E)の「目標組成」は、供給先の容器、及び/又は機器において求められる、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)濃度である。
【0724】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0725】
(2-1)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±2」である時、a=4の範囲である時を説明する。
【0726】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y18-1)重量%(最小値)以上、(x+2)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0727】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0728】
y18-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+2.0)とのずれの下限値で、次の式(18-1)で表される値である。
【0729】
1000y18-1= 0.0108(x+2.0)3 - 2.9886(x+2.0)2 + 204.62(x+2.0) - 4915.5 (18-1)
【0730】
本開示は、上記式(18-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.0重量%程度~x+2重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±2重量%の範囲に収める事が出来る。
【0731】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±2重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+2重量%である。
【0732】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-1.0重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±2重量%に収める事が出来る。
【0733】
(2-2)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1.5」である時、a=3の範囲である時を説明する。
【0734】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y18-2)重量%(最小値)以上、(x+1.5)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0735】
a=1.5の場合、33<x<56.8ではy18-2>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~33重量%、又は56.8重量%~90重量%となる。
【0736】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0737】
y18-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.5)とのずれの下限値で、次の式(18-2)で表される値である。
【0738】
1000y18-2= 0.0100(x+1.5)3 - 2.8389(x+1.5)2 + 193.18(x+1.5) - 3643.4 (18-2)
【0739】
本開示は、上記式(18-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.5重量%程度~x+1.5重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1.5重量%の範囲に収める事が出来る。
【0740】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1.5重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1.5重量%である。
【0741】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.5重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1.5重量%に収める事が出来る。
【0742】
(2-3)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1」である時、a=2の範囲である時を説明する。
【0743】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y18-3)重量%(最小値)以上、(x+1)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0744】
a=1の場合、17.1<x<75.5ではy18-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~17.1重量%、又は75.5重量%~90重量%となる。
【0745】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0746】
y18-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.0)とのずれの下限値で、次の式(18-3)で表される値である。
【0747】
1000y18-3= 0.0093(x+1.0)3 - 2.6892(x+1.0)2 + 181.75(x+1.0) - 2371.2 (18-3)
【0748】
本開示は、上記式(18-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.1重量%程度~x+1重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1重量%の範囲に収める事が出来る。
【0749】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1重量%である。
【0750】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.1重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1重量%に収める事が出来る。
【0751】
(2-4)供給元の容器における最大充填量の90重量%充填量の混合冷媒の充填方法
式(18)は、式(18-1)~(18-3)から導き出す事が出来る。式(18-1)~(18-3)の各係数の値を基に、目標組成(x)から、設定交差(a)に対して、式(12)のL18、M18、N18及びP18を導き出す事が出来る。
【0752】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の90重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y18)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy18>aとなる範囲を除く)。
y18:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(18)で表される値である(重量%)。
1000y18= L18x3 - M18x2+ N18x - P18 (18)
L18= 0.00075a + (0.00775)
M18= -0.14970a + (-2.38980)
N18= 11.43500a + (158.87833)
P18= -1272.15000a + (173.08333)
【0753】
a=1.5の場合、33<x<56.8ではy18-2>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~33重量%、又は56.8重量%~90重量%となる。
【0754】
a=1の場合、17.1<x<75.5ではy18-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~17.1重量%、又は75.5重量%~90重量%となる。
【0755】
(3)供給元の容器における最大充填量の80重量%充填量の混合冷媒の充填方法
<45℃での混合冷媒の充填方法(最大充填量の80重量%充填量)>
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、
移充填直前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y19)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする、混合冷媒の充填方法。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy19>aとなる範囲を除く)。
y19:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(19)で表される値である(重量%)。
1000y19= L19x3 - M19x2+ N19x - P19 (19)
L19= -0.00020a + (0.00990)
M19= -0.01820a + (-2.62783)
N19= 6.37500a + (164.64167)
P19= -1226.35000a + (41.85000)
【0756】
「±a」(設定公差)は、HFO-1132(E)の目標組成(x)を基準値とする場合の、許容される範囲の最大値及び最小値との差であり、目標組成との許容される「ずれ」である。
【0757】
aの値は、好ましくは、2≦a≦4の範囲に設定する。
【0758】
本開示の混合冷媒の充填方法は、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填する前の、供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±a重量%の許容範囲に収める事が出来る。
【0759】
HFO-1132(E)の「目標組成」は、供給先の容器、及び/又は機器において求められる、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)濃度である。
【0760】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0761】
(3-1)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±2」である時、a=4の範囲である時を説明する。
【0762】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y19-1)重量%(最小値)以上、(x+2)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0763】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0764】
y19-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+2.0)とのずれの下限値で、次の式(19-1)で表される値である。
【0765】
1000y19-1= 0.0091(x+2.0)3 - 2.7006(x+2.0)2 + 190.14(x+2.0) - 4863.6 (19-1)
【0766】
本開示は、上記式(19-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.1重量%程度~x+2重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±2重量%の範囲に収める事が出来る。
【0767】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±2重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+2重量%である。
【0768】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-1.1重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±2重量%に収める事が出来る。
【0769】
(3-2)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1.5」である時、a=3の範囲である時を説明する。
【0770】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y19-2)重量%(最小値)以上、(x+1.5)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0771】
a=1.5の場合、38.9<x<50.4ではy19-2>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~38.9重量%、又は50.4重量%~90重量%となる。
【0772】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0773】
y19-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.5)とのずれの下限値で、次の式(19-2)で表される値である。
【0774】
1000y19-2= 0.0093(x+1.5)3 - 2.6824(x+1.5)2 + 183.77(x+1.5) - 3637.2 (19-2)
【0775】
本開示は、上記式(19-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.6重量%程度~x+1.5重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1.5重量%の範囲に収める事が出来る。
【0776】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1.5重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1.5重量%である。
【0777】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.6重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1.5重量%に収める事が出来る。
【0778】
(3-3)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1」である時、a=2の範囲である時を説明する。
【0779】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y19-3)重量%(最小値)以上、(x+1)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0780】
a=1の場合、18.2<x<73.6ではy19-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~18.2重量%、又は73.6重量%~90重量%となる。
【0781】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0782】
y19-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.0)とのずれの下限値で、次の式(19-3)で表される値である。
【0783】
1000y19-3= 0.0095(x+1.0)3 - 2.6642(x+1.0)2 + 177.39(x+1.0) - 2410.9 (19-3)
【0784】
本開示は、上記式(19-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.1重量%程度~x+1重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1重量%の範囲に収める事が出来る。
【0785】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1重量%である。
【0786】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.1重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1重量%に収める事が出来る。
【0787】
(3-4)供給元の容器における最大充填量の80重量%充填量の混合冷媒の充填方法
式(19)は、式(19-1)~(19-3)から導き出す事が出来る。式(19-1)~(19-3)の各係数の値を基に、目標組成(x)から、設定交差(a)に対して、式(19)のL19、M19、N19及びP19を導き出す事が出来る。
【0788】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の80重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y19)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy19>aとなる範囲を除く)。
y19:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(19)で表される値である(重量%)。
1000y19= L19x3 - M19x2+ N19x - P19 (19)
L19= -0.00020a + (0.00990)
M19= -0.01820a + (-2.62783)
N19= 6.37500a + (164.64167)
P19= -1226.35000a + (41.85000)
【0789】
a=1.5の場合、38.9<x<50.4ではy19-2>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~38.9重量%、又は50.4重量%~90重量%となる。
【0790】
a=1の場合、18.2<x<73.6ではy19-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~18.2重量%、又は73.6重量%~90重量%となる。
【0791】
(4)供給元の容器における最大充填量の70重量%充填量の混合冷媒の充填方法
<45℃での混合冷媒の充填方法(最大充填量の70重量%充填量)>
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の70重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、
移充填直前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y20)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする、混合冷媒の充填方法。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy20>aとなる範囲を除く)。
y20:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(20)で表される値である(重量%)。
1000y20= L20x3 - M20x2+ N20x - P20 (20)
L20= -0.00050a + (0.01023)
M20= -0.06485a + (-2.70502)
N20= 0.51000a + (170.28000)
P20= -1108.75000a + (-253.78333)
【0792】
「±a」(設定公差)は、HFO-1132(E)の目標組成(x)を基準値とする場合の、許容される範囲の最大値及び最小値との差であり、目標組成との許容される「ずれ」である。
【0793】
aの値は、好ましくは、2≦a≦4の範囲に設定する。
【0794】
本開示の混合冷媒の充填方法は、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填する前の、供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±a重量%の許容範囲に収める事が出来る。
【0795】
HFO-1132(E)の「目標組成」は、供給先の容器、及び/又は機器において求められる、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)濃度である。
【0796】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0797】
(4-1)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±2」である時、a=4の範囲である時を説明する。
【0798】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の70重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y20-1)重量%(最小値)以上、(x+2)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0799】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0800】
y20-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+2.0)とのずれの下限値で、次の式(20-1)で表される値である。
【0801】
1000y20-1= 0.0082(x+2.0)3 - 2.4456(x+2.0)2 + 172.32(x+2.0) - 4688.8 (20-1)
【0802】
本開示は、上記式(20-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.1重量%程度~x+2重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±2重量%の範囲に収める事が出来る。
【0803】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±2重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+2重量%である。
【0804】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-1.1重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±2重量%に収める事が出来る。
【0805】
(4-2)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1.5」である時、a=3の範囲である時を説明する。
【0806】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の70重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y20-2)重量%(最小値)以上、(x+1.5)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0807】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0808】
y20-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.5)とのずれの下限値で、次の式(20-2)で表される値である。
【0809】
1000y20-2= 0.0087(x+1.5)3 - 2.5105(x+1.5)2 + 171.81(x+1.5) - 3580 (20-2)
【0810】
本開示は、上記式(20-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.6重量%程度~x+1.5重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1.5重量%の範囲に収める事が出来る。
【0811】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1.5重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1.5重量%である。
【0812】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.6重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1.5重量%に収める事が出来る。
【0813】
(4-3)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1」である時、a=2の範囲である時を説明する。
【0814】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の70重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y20-3)重量%(最小値)以上、(x+1)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0815】
a=1の場合、20<x<71.2ではy20-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~20重量%、又は71.2重量%~90重量%となる。
【0816】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0817】
Y20-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.0)とのずれの下限値で、次の式(20-3)で表される値である。
【0818】
1000y20-3= 0.0092(x+1.0)3 - 2.5753(x+1.0)2 + 171.3(x+1.0) - 2471.3 (20-3)
【0819】
本開示は、上記式(20-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.2重量%程度~x+1重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1重量%の範囲に収める事が出来る。
【0820】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1重量%である。
【0821】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1重量%に収める事が出来る。
【0822】
(4-4)供給元の容器における最大充填量の70重量%充填量の混合冷媒の充填方法
式(20)は、式(20-1)~(20-3)から導き出す事が出来る。式(20-1)~(20-3)の各係数の値を基に、目標組成(x)から、設定交差(a)に対して、式(20)のL20、M20、N20及びP20を導き出す事が出来る。
【0823】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の70重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y20)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy20>aとなる範囲を除く)。
y20:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(20)で表される値である(重量%)。
1000y20= L20x3 - M20x2+ N20x - P20 (20)
L20= -0.00050a + (0.01023)
M20= -0.06485a + (-2.70502)
N20= 0.51000a + (170.28000)
P20= -1108.75000a + (-253.78333)
【0824】
a=1の場合、20<x<71.2ではy20-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~20重量%、又は71.2重量%~90重量%となる。
【0825】
(5)供給元の容器における最大充填量の60重量%充填量の混合冷媒の充填方法
<45℃での混合冷媒の充填方法(最大充填量の60重量%充填量)>
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、
移充填直前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y21)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする、混合冷媒の充填方法。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy21>aとなる範囲を除く)。
y21:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(21)で表される値である。
1000y21= L21x3 - M21x2+ N21x - P21 (21)
L21= -0.00020a + (0.00857)
M21= -0.02120a + (-2.24700)
N21= 5.95000a + (141.03333)
P21= -1192.25000a + (36.75000)
【0826】
「±a」(設定公差)は、HFO-1132(E)の目標組成(x)を基準値とする場合の、許容される範囲の最大値及び最小値との差であり、目標組成との許容される「ずれ」である。
【0827】
aの値は、好ましくは、2≦a≦4の範囲に設定する。
【0828】
本開示の混合冷媒の充填方法は、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填する前の、供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±a重量%の許容範囲に収める事が出来る。
【0829】
HFO-1132(E)の「目標組成」は、供給先の容器、及び/又は機器において求められる、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)濃度である。
【0830】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0831】
(5-1)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±2」である時、a=4の範囲である時を説明する。
【0832】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y21-1)重量%(最小値)以上、(x+2)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0833】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0834】
y21-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+2.0)とのずれの下限値で、次の式(21-1)で表される値である。
【0835】
1000y21-1= 0.0078(x+2.0)3 - 2.3318(x+2.0)2 + 164.83(x+2.0) - 4732.3 (21-1)
【0836】
本開示は、上記式(21-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.2重量%程度~x+2重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±2重量%の範囲に収める事が出来る。
【0837】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±2重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+2重量%である。
【0838】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-1.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±2重量%に収める事が出来る。
【0839】
(5-2)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1.5」である時、a=3の範囲である時を説明する。
【0840】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y21-2)重量%(最小値)以上、(x+1.5)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0841】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0842】
y21-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.5)とのずれの下限値で、次の式(21-2)で表される値である。
【0843】
1000y21-2= 0.0080(x+1.5)3 - 2.3106(x+1.5)2 + 158.88(x+1.5) - 3540 (21-2)
【0844】
本開示は、上記式(21-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.7重量%程度~x+1.5重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1.5重量%の範囲に収める事が出来る。
【0845】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1.5重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1.5重量%である。
【0846】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.7重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1.5重量%に収める事が出来る。
【0847】
(5-3)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1」である時、a=2の範囲である時を説明する。
【0848】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y21-3)重量%(最小値)以上、(x+1)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0849】
a=1の場合、22<x<68.7ではy21-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~22重量%、又は68.7重量%~90重量%となる。
【0850】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0851】
y21-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.0)とのずれの下限値で、次の式(21-3)で表される値である。
【0852】
1000y21-3= 0.0082(x+1.0)3 - 2.2894(x+1.0)2 + 152.93(x+1.0) - 2347.8 (21-3)
【0853】
本開示は、上記式(21-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.2重量%程度~x+1重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1重量%の範囲に収める事が出来る。
【0854】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1重量%である。
【0855】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1重量%に収める事が出来る。
【0856】
(5-4)供給元の容器における最大充填量の60重量%充填量の混合冷媒の充填方法
式(21)は、式(21-1)~(21-3)から導き出す事が出来る。式(21-1)~(21-3)の各係数の値を基に、目標組成(x)から、設定交差(a)に対して、式(21)のL21、M21、N21及びP21を導き出す事が出来る。
【0857】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の60重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y21)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy21>aとなる範囲を除く)。
y21:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(21)で表される値である。
1000y21= L21x3 - M21x2+ N21x - P21 (21)
L21= -0.00020a + (0.00857)
M21= -0.02120a + (-2.24700)
N21= 5.95000a + (141.03333)
P21= -1192.25000a + (36.75000)
【0858】
a=1の場合、22<x<68.7ではy21-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~22重量%、又は68.7重量%~90重量%となる。
【0859】
(6)供給元の容器における最大充填量の50重量%充填量の混合冷媒の充填方法
<45℃での混合冷媒の充填方法(最大充填量の50重量%充填量)>
混合冷媒の充填方法であって、
前記混合冷媒は、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を含み、
前記HFO-1132(E)、及び前記HFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、前記HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、
移充填開始から完了までの、前記供給元の容器内の前記混合冷媒中の前記HFO-1132(E)の液相混合比を、前記HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、
移充填直前の、前記供給元の容器内の前記混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y22)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする、混合冷媒の充填方法。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy22>aとなる範囲を除く)。
y22:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(22)で表される値である(重量%)。
1000y22= L22x3 - M22x2+ N2x - P22 (22)
L22= 0.00080a + (0.00480)
M22= -0.14185a + (-1.65582)
N22= 9.66000a + (114.03667)
P22= -1211.55000a + (167.51667)
【0860】
「±a」(設定公差)は、HFO-1132(E)の目標組成(x)を基準値とする場合の、許容される範囲の最大値及び最小値との差であり、目標組成との許容される「ずれ」である。
【0861】
aの値は、好ましくは、2≦a≦4の範囲に設定する。
【0862】
本開示の混合冷媒の充填方法は、供給元の容器における混合冷媒の充填量が最大充填量の100重量%であっても、移充填する前の、供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を特定の範囲に設定する事に依り、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±a重量%の許容範囲に収める事が出来る。
【0863】
HFO-1132(E)の「目標組成」は、供給先の容器、及び/又は機器において求められる、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の全体組成(液相+気相)におけるHFO-1132(E)濃度である。
【0864】
HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事から、HFO-1132(E)を移充填前の供給元の容器において、目標とする組成に比べて、より多く充填する事が好ましい。
【0865】
(6-1)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±2」である時、a=4の範囲である時を説明する。
【0866】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±2重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y22-1)重量%(最小値)以上、(x+2)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0867】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0868】
y22-1は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+2.0)とのずれの下限値で、次の式(22-1)で表される値である。
【0869】
1000y22-1= 0.008(x+2.0)3 - 2.2232(x+2.0)2 + 152.68(x+2.0) - 4678.7 (22-1)
【0870】
本開示は、上記式(22-1)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-1.2重量%程度~x+2重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±2重量%の範囲に収める事が出来る。
【0871】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±2重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+2重量%である。
【0872】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-1.2重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±2重量%に収める事が出来る。
【0873】
(6-2)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1.5」である時、a=3の範囲である時を説明する。
【0874】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91.5重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1.5重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y22-2)重量%(最小値)以上、(x+1.5)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0875】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0876】
y22-2は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.5)とのずれの下限値で、次の式(22-2)で表される値である。
【0877】
1000y22-2= 0.0072(x+1.5)3 - 2.0814(x+1.5)2 + 143.02(x+1.5) - 3467.1 (22-2)
【0878】
本開示は、上記式(22-2)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.7重量%程度~x+1.5重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1.5重量%の範囲に収める事が出来る。
【0879】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1.5重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1.5重量%である。
【0880】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.7重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1.5重量%に収める事が出来る。
【0881】
(6-3)HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める充填方法
設定公差(±a)が「±1」である時、a=2の範囲である時を説明する。
【0882】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~91重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±1重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒の前記HFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y22-3)重量%(最小値)以上、(x+1)(最大値)重量%以下にする事が好ましい。
【0883】
a=1の場合、25.7<x<64.3ではy22-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~25.7重量%、又は64.3重量%~90重量%となる。
【0884】
xは、HFO-1132(E)の目標組成である(但し、10≦x≦90を満たす)。
【0885】
y22-3は、HFO-1132(E)の、初期組成における目標上限組成(x+1.0)とのずれの下限値で、次の式(22-3)で表される値である。
【0886】
1000y22-3= 0.0064(x+1.0)3 - 1.9395(x+1.0)2 + 133.36(x+1.0) - 2255.6 (22-3)
【0887】
本開示は、上記式(22-3)から、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒を、供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、移充填を実施する際に、移充填を実施する前の供給元の容器内のHFO-1132(E)の液相混合比を、x-0.3重量%程度~x+1重量%にする事で、供給先の容器、及び/又は機器内での組成変化を、移充填が完了するまで、目標上限組成(x)±1重量%の範囲に収める事が出来る。
【0888】
供給先の容器、及び/又は機器内での、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の組成変化を、移充填が完了するまで、目標組成の±1重量%の許容範囲に収める混合冷媒の充填方法では、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比の上限値は、HFO-1132(E)の目標組成+1重量%である。
【0889】
HFO-1132(E)が90重量%含まれる場合、組成変化が小さいことから、HFO-1132(E)の初期組成が、目標組成(90重量%)に対して、-0.3重量%程度であったとしても、移充填が完了するまで、HFO-1132(E)の液相混合比を目標組成±1重量%に収める事が出来る。
【0890】
(6-4)供給元の容器における最大充填量の50重量%充填量の混合冷媒の充填方法
式(22)は、式(22-1)~(22-3)から導き出す事が出来る。式(22-1)~(22-3)の各係数の値を基に、目標組成(x)から、設定交差(a)に対して、式(22)のL22、M22、N22及びP22を導き出す事が出来る。
【0891】
本開示の混合冷媒の充填方法は、混合冷媒は、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、液相において、HFO-1132(E)が10重量%~90重量%の量で存在する混合冷媒を、供給元の容器に最大充填量の50重量%以下の量で充填されている供給元の容器から、供給先の容器、及び/又は機器へ、液で移充填する際に、移充填開始から完了までの、供給元の容器内の混合冷媒中のHFO-1132(E)の液相混合比を、HFO-1132(E)の目標組成(x)の±a重量%の範囲に収める為、移充填直前の、供給元の容器内の混合冷媒のHFO-1132(E)の液相混合比(初期組成)を、(x+y22)重量%(最小値)以上、(x+a)(最大値)重量%以下にする。
±a:設定公差(a≧0)
x:HFO-1132(E)の目標組成である(10≦x≦90、但しy22>aとなる範囲を除く)。
y22:HFO-1132(E)の、初期組成における目標組成とのずれの下限値で、次の式(22)で表される値である(重量%)。
1000y22= L22x3 - M22x2+ N2x - P22 (22)
L22= 0.00080a + (0.00480)
M22= -0.14185a + (-1.65582)
N22= 9.66000a + (114.03667)
P22= -1211.55000a + (167.51667)
【0892】
a=1の場合、25.7<x<64.3ではy22-3>aとなってしまう為、xの範囲は10重量%~25.7重量%、又は64.3重量%~90重量%となる。
【0893】
[5]混合冷媒に第3成分を添加する場合
本開示の混合冷媒は、特に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の内、
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfの合計100重量%に対して、HFO-1132(E)が10重量%~92重量%の量で存在する混合冷媒を対象としている。
【0894】
本開示の混合冷媒は、冷凍機油との相溶性向上、燃焼性抑制、GWP低減、冷凍能力向上等、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の特性を改良する目的として、混合冷媒の組成変動を大きく損なわない範囲において、他の非共沸化合物を添加する事を許容する。本開示では、「非共沸化合物」は、HFO-1132(E)、HFO-1234yf、或はHFO-1132(E)とHFO-1234yfとの混合冷媒と共沸しない化合物を意味する。
【0895】
本開示の混合冷媒では、混合冷媒がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含み、更に他の非共沸化合物を含む時に、その混合冷媒の合計100重量%に対して、他の非共沸化合物の添加量は、好ましくは、1重量%~10重量%程度である。
【0896】
本開示の混合冷媒が含んでも良い他の非共沸化合物は、特に限定されない。他の非共沸化合物は、好ましくは、HFC-125、HFC-152a、HFC-143a等のHFC、HFO-1234ze、HFO-1243zf、HFO-1225ye等のHFO、イソブタン、ブタン、プロパン、CO2等である。他の非共沸化合物は、これらの他の非共沸化合物を一種単独で用いても良く、或は二種以上を混合(ブレンド)して用いても良い。
【0897】
[6]供給元の容器
供給元の容器は、好ましくは、混合冷媒を貯蔵する事が出来、密閉された容器である。供給元の容器は、好ましくは、サービス缶、5L~1,000Lボンベ、ISOコンテナ、ローリータンク、定置式貯槽等の密閉容器である。
【0898】
供給元の容器の容量が小さく、1回の抜き出し量が大きい場合(つまり、供給元の容器の容量に対して、抜き出し量の割合が大きい場合)、混合冷媒は、組成変動の影響を受け易い。
【0899】
本開示の充填方法は、供給元の容器における混合冷媒の初期充填量を、最大充填量の60重量%~100重量%とする時、移充填完了まで、何回に分けて移充填を行っても良く、或は液相を全て移充填せずに、途中で移充填を中断するとしても成り立つ。
【0900】
[7]供給先の容器
供給先の容器、及び/又は機器は、好ましくは、供給元の容器から供給される混合冷媒を貯蔵する事が出来、密閉された容器である。
【0901】
供給先の容器は、好ましくは、サービス缶、5L~1,000Lボンベ、ISOコンテナ、ローリータンク、定置式貯槽等の密閉容器である。
【0902】
供給先の機器は、好ましくは、冷暖房機器、冷凍庫、冷蔵庫、給湯機器等の機器である。供給先の機器は、好ましくは、蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用した装置であり、より好ましくは、冷凍空調機器、冷蔵庫、給湯機器等である。
【0903】
本開示の充填方法を用いて製造される蒸気圧縮式冷凍装置は、冷媒と冷凍装置本体とからなり、冷凍装置本体については特に制限はなく、公知の冷凍装置本体をそのまま用いる事が出来る。
【0904】
[8]移充填の手段、応用例
本開示の充填方法では、移充填の手段は、常法に従えば良く、好ましくは、圧力差を利用するもの、ポンプ等を用いるもの等である。
【0905】
日本の高圧ガス保安法においては、40℃を超える温度での容器の取り扱いを禁じている事から、移充填時の取扱い温度は、基本的に、0℃~40℃である。国際法等でも、高温での取扱いを避ける事が求められている。
【0906】
移充填時(取扱い時)の温度が高い程、移充填による組成変化が大きくなる。本開示の充填方法に従い、取扱い温度40℃時における移充填の条件を応用する事に依り、取扱い温度0℃~40℃についても適用可能である。
【実施例0907】
以下に、実施例を挙げて更に詳細に説明する。ただし、本開示は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0908】
参考例
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、トランス-1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132(E))、及び2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)を、40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する直前の組成で充填出来る最大充填量を充填し、40℃に保持した。
【0909】
最大充填可能量は法で定められており、以下の様に算出する。
・G = V/C
・G:フルオロカーボンの質量(kg)
・V:容器の内容積(L)
・C:フルオロカーボンの種類による定数
【0910】
ガスの充填定数Cは、日本国内では、1.05を48℃における当該ガスの比重で除した値と定められている。
【0911】
ガスの充填定数Cは、輸出を伴う際は国際法に依り、熱帯地方を通過する際は、1.05を65℃における当該ガスの比重で除した値と定められている。
【0912】
ガスの充填定数Cは、輸出を伴う際は国際法に依り、熱帯以外のその他の地方のみでは、1.05を45℃における当該ガスの比重で除した値と定められている。
【0913】
今回は、1.05を、45℃又は65℃における当該ガスの比重で除した値を充填定数として採用した。
【0914】
移充填時の温度として40℃を選択した理由は、次の通りである。
・日本の高圧ガス保安法において、40℃を超えての容器の取り扱いを禁じている事
・国際法等でも高温での取扱いを避ける事が求められている事
・高温に成る程、組成変化が大きくなる事
40℃でのデータが最も条件の悪いケースとして想定される。
【0915】
次に、ポンプを使用して、液側から、徐々に、別の空容器(供給先の容器)に移充填した。液側の抜き出し配管の途中に設けたサンプリングバルブから、ガスを一部採取し、成分組成をガスクロマトグラフィーを用いて分析した。
【0916】
表1に、1.05を45℃における当該ガスの比重で除した値を充填定数として算出した充填量に充填した場合の、移充填時における参考例の組成変化の結果を示す。
【0917】
【表1】
【0918】
表1から、移充填完了時のHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒中のHFO-1132(E)の濃度は、移充填開始時に比べて、低い事が分かった。これは、HFO-1132(E)(沸点-52.5℃)の沸点がHFO-1234yf(沸点-29.4℃)に比べて低く、移充填時、冷媒が抜き出されて出来た空間に、液相側から蒸発して補充される際に、HFO-1132(E)の方が多く蒸発する為、液相のHFO-1132(E)濃度が低下する事が理由である。
【0919】
HFO-1132(E)の移充填を実施する前の供給元の容器において、目標組成に比べて、より多く充填する事が好ましい事が解った。
【0920】
表1から、ある目標組成があり、それを含む上下の組成幅を2重量%~4重量%に設定した際、何の措置も取らず、その組成幅内のある組成を初期組成として、移充填を始めた場合、移充填完了時(液消失時)の組成が、目標下限組成以下になってしまう可能性がある。
【0921】
目標組成で見込んでいた冷凍能力、COP等の冷媒能力が、移充開始時から移充完了時までの間で保証出来ない事に繋がる。
【0922】
ある目標組成とそれを含む目標上限組成と目標下限を設定した際、どの組成範囲に初期組成を設定すれば、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来るかを明らかにした。
【0923】
[1]1.05を65℃におけるガス(HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒)の比重で除した値を充填定数として採用し、算出した値を充填量100wt%とする場合の混合冷媒の充填方法
<65℃での混合冷媒の充填方法>
(1)目標上限組成と目標下限組成との差が4.0重量%である場合の充填方法
(1-1)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%の場合(65℃/4.0wt%/100wt%)
実施例1-1:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%である。
【0924】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量(充填量100重量%)を充填し、40℃に保持した。
【0925】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【0926】
表2に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【0927】
【表2】
【0928】
表2で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に12重量%~92重量%の範囲であれば、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【0929】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y1-1)を表3に示す。
【0930】
【表3】
【0931】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-3.1重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【0932】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y1-1)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【0933】
1000y1-1= 0.0104x3 - 2.9042x2 + 198.94x - 4854.8 (1-1)
【0934】
表3を基に、下限値(y1-1)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【0935】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy1-1~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【0936】
(1-2)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%の場合(65℃/4.0wt%/90wt%)
実施例1-2:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%である。
【0937】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の90重量%を充填し、40℃に保持した。
【0938】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【0939】
表4に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【0940】
【表4】
【0941】
表4で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に12重量%~92重量%の範囲であれば、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【0942】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y1-2)を表5に示す。
【0943】
【表5】
【0944】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-3.1重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【0945】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y1-2)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【0946】
1000y1-2= 0.0097x3 - 2.748x2 + 189.39x - 4829.8 (1-2)
【0947】
表5を基に、下限値(y1-2)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【0948】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy1-2~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【0949】
(1-3)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%の場合(65℃/4.0wt%/80wt%)
実施例1-3:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%である。
【0950】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の80重量%を充填し、40℃に保持した。
【0951】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【0952】
表6に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【0953】
【表6】
【0954】
表6で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に12重量%~92重量%の範囲であれば、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【0955】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y1-3)を表7に示す。
【0956】
【表7】
【0957】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-3.2重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【0958】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y1-3)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【0959】
1000y1-3= 0.0088x3 - 2.5389x2+ 175.79x - 4713.9 (1-3)
【0960】
表7を基に、下限値(y1-3)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【0961】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy1-3~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【0962】
(1-4)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%の場合(65℃/4.0wt%/70wt%)
実施例1-4:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%である。
【0963】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の70重量%(充填量100重量%)を充填し、40℃に保持した。
【0964】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【0965】
表8に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【0966】
【表8】
【0967】
表8で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に12重量%~92重量%の範囲であれば、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【0968】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y1-4)を表9に示す。
【0969】
【表9】
【0970】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-3.3重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【0971】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y1-4)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【0972】
1000y1-4= 0.0078x3 - 2.3335x2 + 164.09x - 4680 (1-4)
【0973】
表9を基に、下限値(y1-4)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【0974】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy1-4~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【0975】
(1-5)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%の場合(65℃/4.0wt%/60wt%)
実施例1-5:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%である。
【0976】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の60重量%を充填し、40℃に保持した。
【0977】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【0978】
表10に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【0979】
【表10】
【0980】
表10で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に12重量%~92重量%の範囲であれば、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【0981】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y1-5)を表11に示す。
【0982】
【表11】
【0983】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-3.3重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【0984】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y1-5)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【0985】
1000y1-5= 0.0067x3 - 2.0367x2 + 144.26x - 4536.5 (1-5)
【0986】
表11を基に、下限値(y1-5)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【0987】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy1-5~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【0988】
(1-6)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%の場合(65℃/4.0wt%/50wt%)
実施例1-6:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%である。
【0989】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の50重量%を充填し、40℃に保持した。
【0990】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【0991】
表12に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【0992】
【表12】
【0993】
表12で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に12重量%~92重量%の範囲であれば、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【0994】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y1-6)を表13に示す。
【0995】
【表13】
【0996】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-3.3重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【0997】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y1-6)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【0998】
1000y1-6= 0.0064x3 - 1.9324x2+ 136.71x - 4563.1 (1-6)
【0999】
表13を基に、下限値(y1-6)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1000】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy1-6~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1001】
(2)目標上限組成と目標下限組成との差が3.0重量%である場合の充填方法
(2-1)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%の場合(65℃/3.0wt%/100wt%)
実施例2-1:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%である。
【1002】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量(充填量100重量%)を充填し、40℃に保持した。
【1003】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1004】
表14に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1005】
【表14】
【1006】
表14で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11.5重量%~34.4重量%、又は54.1重量%~91.5重量%の範囲であれば、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1007】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y2-1)を表15に示す。
【1008】
【表15】
【1009】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-2.1重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1010】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y2-1)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1011】
1000y2-1= 0.0109x3 - 2.9327x2 + 194.49x - 3663.9 (2-1)
【1012】
表15を基に、下限値(y2-1)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1013】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy2-1~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1014】
(2-2)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%の場合(65℃/3.0wt%/90wt%)
実施例2-2:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%である。
【1015】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の90重量%を充填し、40℃に保持した。
【1016】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1017】
表16に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1018】
【表16】
【1019】
表16で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11.5重量%~91.5重量%の範囲であれば、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1020】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y2-2)を表17に示す。
【1021】
【表17】
【1022】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-2.1重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1023】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y2-2)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1024】
1000y2-2= 0.0101x3 - 2.7654x2 + 185.14x - 3656.3 (2-2)
【1025】
表17を基に、下限値(y2-2)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1026】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy2-2~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1027】
(2-3)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%の場合(65℃/3.0wt%/80wt%)
実施例2-3:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%である。
【1028】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の80重量%を充填し、40℃に保持した。
【1029】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1030】
表18に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1031】
【表18】
【1032】
表18で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11.5重量%~91.5重量%の範囲であれば、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1033】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y2-3)を表19に示す。
【1034】
【表19】
【1035】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-2.2重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1036】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y2-3)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1037】
1000y2-3= 0.0088x3 - 2.506x2 + 170.56x - 3537.6 (2-3)
【1038】
表19を基に、下限値(y2-3)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1039】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy2-3~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1040】
(2-4)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%の場合(65℃/3.0wt%/70wt%)
実施例2-4:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%である。
【1041】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の70重量%を充填し、40℃に保持した。
【1042】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1043】
表20に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1044】
【表20】
【1045】
表20で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11.5重量%~91.5重量%の範囲であれば、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1046】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y2-4)を表21に示す。
【1047】
【表21】
【1048】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-2.3重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1049】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y2-4)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1050】
1000y2-4= 0.0097x3 - 2.576x2 + 169.78x - 3623.4 (2-4)
【1051】
表21を基に、下限値(y2-4)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1052】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy2-4~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1053】
(2-5)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%の場合(65℃/3.0wt%/60wt%)
実施例2-5:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%である。
【1054】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の60重量%を充填し、40℃に保持した。
【1055】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1056】
表22に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1057】
【表22】
【1058】
表22で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11.5重量%~91.5重量%の範囲であれば、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1059】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y2-5)を表23に示す。
【1060】
【表23】
【1061】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-2.3重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1062】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y2-5)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1063】
1000y2-5= 0.0069x3 - 2.0649x2 + 144.19x - 3476.2 (2-5)
【1064】
表23を基に、下限値(y2-5)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1065】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy2-5~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1066】
(2-6)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%の場合(65℃/3.0wt%/50wt%)
実施例2-6:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%である。
【1067】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の50重量%を充填し、40℃に保持した。
【1068】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1069】
表24に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1070】
【表24】
【1071】
表24で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11.5重量%~91.5重量%の範囲であれば、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1072】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y2-6)を表25に示す。
【1073】
【表25】
【1074】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-2.4重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1075】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y2-6)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1076】
1000y2-6= 0.0075x3 - 2.0565x2 + 137.55x - 3444 (2-6)
【1077】
表25を基に、下限値(y2-6)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1078】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy2-6~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1079】
(3)目標上限組成と目標下限組成との差が2.0重量%である場合の充填方法
(3-1)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%の場合(65℃/2.0wt%/100wt%)
実施例3-1:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%である。
【1080】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量(充填量100重量%)を充填し、40℃に保持した。
【1081】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1082】
表26に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1083】
【表26】
【1084】
表26で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11重量%~17.6重量%、又は74.2重量%~91重量%の範囲であれば、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1085】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y3-1)を表27に示す。
【1086】
【表27】
【1087】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-1.6重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1088】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y3-1)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1089】
1000y3-1= 0.0039x3 - 1.9763x2 + 153.64x - 2109 (3-1)
【1090】
表27を基に、下限値(y3-1)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1091】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy3-1~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1092】
(3-2)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%の場合(65℃/2.0wt%/90wt%)
実施例3-2:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%である。
【1093】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の90重量%を充填し、40℃に保持した。
【1094】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1095】
表28に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1096】
【表28】
【1097】
表28で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11重量%~18.3重量%、又は73.0重量%~91重量%の範囲であれば、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1098】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y3-2)を表29に示す。
【1099】
【表29】
【1100】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-1.2重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1101】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y3-2)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1102】
1000y3-2= 0.0094x3 - 2.6505x2+ 176.28x - 2399.7 (3-2)
【1103】
表29を基に、下限値(y3-2)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1104】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy3-2~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1105】
(3-3)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%の場合(65℃/2.0wt%/80wt%)
実施例3-3:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%である。
【1106】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の80重量%を充填し、40℃に保持した。
【1107】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1108】
表30に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1109】
【表30】
【1110】
表30で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11重量%~20.1重量%、又は70.8重量%~91重量%の範囲であれば、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1111】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y3-3)を表31に示す。
【1112】
【表31】
【1113】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-1.3重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1114】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y3-3)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1115】
1000y3-3= 0.0087x3 - 2.4833x2 + 166.14x - 2404.9 (3-3)
【1116】
表31を基に、下限値(y3-3)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1117】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy3-3~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1118】
(3-4)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%の場合(65℃/2.0wt%/70wt%)
実施例3-4:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%である。
【1119】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の70重量%を充填し、40℃に保持した。
【1120】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1121】
表32に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1122】
【表32】
【1123】
表32で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11重量%~21.8重量%、又は68.4重量%~91重量%の範囲であれば、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1124】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y3-4)を表33に示す。
【1125】
【表33】
【1126】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-1.2重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1127】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y3-4)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1128】
1000y3-4= 0.0099x3 - 2.5803x2 + 167.02x - 2519.1 (3-4)
【1129】
表33を基に、下限値(y3-4)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1130】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy3-4~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1131】
(3-5)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%の場合(65℃/2.0wt%/60wt%)
実施例3-5:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%である。
【1132】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の60重量%を充填し、40℃に保持した。
【1133】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1134】
表34に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1135】
【表34】
【1136】
表34で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11重量%~24.3重量%、又は65.3重量%~91重量%の範囲であれば、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1137】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y3-5)を表35に示す。
【1138】
【表35】
【1139】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-1.3重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1140】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y3-5)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1141】
1000y3-5= 0.008x3 - 2.2468x2 + 149.82x - 2430.6 (3-5)
【1142】
表35を基に、下限値(y3-5)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1143】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy3-5~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1144】
(3-6)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%の場合(65℃/2.0wt%/50wt%)
実施例3-6:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%である。
【1145】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の50重量%を充填し、40℃に保持した。
【1146】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1147】
表36に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1148】
【表36】
【1149】
表36で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11重量%~29.8重量%、又は60.1重量%~91重量%の範囲であれば、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1150】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y3-6)を表37に示す。
【1151】
【表37】
【1152】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-1.4重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1153】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y3-6)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1154】
1000y3-6= 0.0061x3 - 1.8556x2 + 128.49x - 2343.6 (3-6)
【1155】
表37を基に、下限値(y3-6)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1156】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy3-6~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1157】
[2]1.05を45℃におけるガス(HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒)の比重で除した値を充填定数として採用し、算出した値を充填量100wt%とする場合の混合冷媒の充填方法
<45℃での混合冷媒の充填方法>
(4)目標上限組成と目標下限組成との差が4.0重量%である場合の充填方法
(4-1)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%の場合(45℃/4.0wt%/100wt%)
実施例4-1:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%である。
【1158】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量(充填量100重量%)を充填し、40℃に保持した。
【1159】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1160】
表38に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1161】
【表38】
【1162】
表38で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に12重量%~92重量%の範囲であれば、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1163】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y4-1)を表39に示す。
【1164】
【表39】
【1165】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-3.0重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1166】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y4-1)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1167】
1000y4-1= 0.0119x3 - 3.221x2 + 217.37x - 4972.7 (4-1)
【1168】
表39を基に、下限値(y4-1)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1169】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy4-1~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1170】
(4-2)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%の場合(45℃/4.0wt%/90wt%)
実施例4-2:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%である。
【1171】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の90重量%)を充填し、40℃に保持した。
【1172】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1173】
表40に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1174】
【表40】
【1175】
表40で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に12重量%~92重量の範囲であれば、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1176】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y4-2)を表41に示す。
【1177】
【表41】
【1178】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-3.0重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1179】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y4-2)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1180】
1000y4-2= 0.0107x3 - 2.9788x2 + 204x - 4902.8 (4-2)
【1181】
表41を基に、下限値(y4-2)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1182】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy4-2~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1183】
(4-3)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%の場合(45℃/4.0wt%/80wt%)
実施例4-3:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%である。
【1184】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の80重量%)を充填し、40℃に保持した。
【1185】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1186】
表42に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1187】
【表42】
【1188】
表42で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に12重量%~92重量の範囲であれば、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1189】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y4-3)を表43に示す。
【1190】
【表43】
【1191】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-3.1重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1192】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y4-3)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1193】
1000y4-3= 0.0092x3 - 2.7082x2+ 190.2x - 4857.3 (4-3)
【1194】
表43を基に、下限値(y4-3)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1195】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy4-3~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1196】
(4-4)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%の場合(45℃/4.0wt%/70wt%)
実施例4-4:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%である。
【1197】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の70重量%)を充填し、40℃に保持した。
【1198】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1199】
表44に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1200】
【表44】
【1201】
表44で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に12重量%~92重量の範囲であれば、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1202】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y4-4)を表45に示す。
【1203】
【表45】
【1204】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-3.1重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1205】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y4-4)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1206】
1000y4-4= 0.0085x3 - 2.4818x2 + 173.86x - 4711 (4-4)
【1207】
表45を基に、下限値(y4-4)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1208】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy4-4~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1209】
(4-5)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%の場合(45℃/4.0wt%/60wt%)
実施例4-5:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%である。
【1210】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の60重量%)を充填し、40℃に保持した。
【1211】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1212】
表46に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1213】
【表46】
【1214】
表46で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に12重量%~92重量の範囲であれば、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1215】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y4-5)を表47に示す。
【1216】
【表47】
【1217】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-3.3重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1218】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y4-5)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1219】
1000y4-5= 0.0073x3 - 2.2628x2 + 162.31x - 4714.4 (4-5)
【1220】
表47を基に、下限値(y4-5)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1221】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy4-5~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1222】
(4-6)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%の場合(45℃/4.0wt%/50wt%)
実施例4-6:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%である。
【1223】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の50重量%)を充填し、40℃に保持した。
【1224】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1225】
表48に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1226】
【表48】
【1227】
表48で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に12重量%~92重量の範囲であれば、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1228】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y4-6)を表49に示す。
【1229】
【表49】
【1230】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-3.3重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1231】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y4-6)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1232】
1000y4-6= 0.008x3 - 2.2272x2+ 152.82x - 4676.2 (4-6)
【1233】
表49を基に、下限値(y4-6)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1234】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy4-6~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-4.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1235】
(5)目標上限組成と目標下限組成との差が3.0重量%である場合の充填方法
(5-1)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%の場合(45℃/3.0wt%/100wt%)
実施例5-1:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%である。
【1236】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量(充填量100重量%)を充填し、40℃に保持した。
【1237】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1238】
表50に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1239】
【表50】
【1240】
表50で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11.5重量%~29.9重量%、又は60.2重量%~91.5重量%の範囲であれば、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1241】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y5-1)を表51に示す。
【1242】
【表51】
【1243】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-2.1重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1244】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y5-1)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1245】
1000y5-1= 0.0107x3 - 3.0135x2 + 203.89x - 3688.7 (5-1)
【1246】
表51を基に、下限値(y5-1)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1247】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy5-1~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1248】
(5-2)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%の場合(45℃/3.0wt%/90wt%)
実施例5-2:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%である。
【1249】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の90重量%を充填し、40℃に保持した。
【1250】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1251】
表52に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1252】
【表52】
【1253】
表52で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11.5重量%~33.1重量%、又は56.9重量%~91.5重量%の範囲であれば、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1254】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y5-2)を表53に示す。
【1255】
【表53】
【1256】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-2.1重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1257】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y5-2)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1258】
1000y5-2= 0.0101x3 - 2.8585x2 + 194.42x - 3668.8 (5-2)
【1259】
表53を基に、下限値(y5-2)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1260】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy5-2~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1261】
(5-3)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%の場合(45℃/3.0wt%/80wt%)
実施例5-3:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%である。
【1262】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の80重量%を充填し、40℃に保持した。
【1263】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1264】
表54に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1265】
【表54】
【1266】
表54で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11.5重量%~39.3重量%、又は50.1重量%~91.5重量%の範囲であれば、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1267】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y5-3)を表55に示す。
【1268】
【表55】
【1269】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-2.2重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1270】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y5-3)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1271】
1000y5-3= 0.0091x3 - 2.6673x2 + 183.65x - 3649.7 (5-3)
【1272】
表55を基に、下限値(y5-3)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1273】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy5-3~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1274】
(5-4)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%の場合(45℃/3.0wt%/70wt%)
実施例5-4:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%である。
【1275】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の70重量%を充填し、40℃に保持した。
【1276】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1277】
表56に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1278】
【表56】
【1279】
表56で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11.5重量%~91.5重量%の範囲であれば、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1280】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y5-4)を表57に示す。
【1281】
【表57】
【1282】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-2.2重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1283】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y5-4)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1284】
1000y5-4= 0.0082x3 - 2.4381x2 + 168.73x - 3535.6 (5-4)
【1285】
表57を基に、下限値(y5-4)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1286】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy5-4~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1287】
(5-5)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%の場合(45℃/3.0wt%/60wt%)
実施例5-5:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%である。
【1288】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の60重量%を充填し、40℃に保持した。
【1289】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1290】
表58に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1291】
【表58】
【1292】
表58で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11.5重量%~91.5重量%の範囲であれば、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1293】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y5-5)を表59に示す。
【1294】
【表59】
【1295】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-2.2重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1296】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y5-5)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1297】
1000y5-5= 0.0089x3 - 2.4486x2 + 163.93x - 3575.7 (5-5)
【1298】
表59を基に、下限値(y5-5)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1299】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy5-5~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1300】
(5-6)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%の場合(45℃/3.0wt%/50wt%)
実施例5-6:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%である。
【1301】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の50重量%を充填し、40℃に保持した。
【1302】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1303】
表60に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1304】
【表60】
【1305】
表60で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11.5重量%~91.5重量の範囲であれば、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1306】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y5-6)を表61に示す。
【1307】
【表61】
【1308】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-2.3重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1309】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y5-6)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1310】
1000y5-6= 0.0072x3 - 2.0734x2 + 142.73x - 3472.1 (5-6)
【1311】
表61を基に、下限値(y5-6)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1312】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy5-6~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-3.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1313】
(6)目標上限組成と目標下限組成との差が2.0重量%である場合の充填方法
(6-1)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%の場合(45℃/2.0wt%/100wt%)
実施例6-1:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の100重量%である。
【1314】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量(充填量100重量%)を充填し、40℃に保持した。
【1315】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1316】
表62に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1317】
【表62】
【1318】
表62で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11重量%~16.1重量%、又は76.6重量%~91重量%の範囲であれば、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1319】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y6-1)を表63に示す。
【1320】
【表63】
【1321】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-1.1重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1322】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y6-1)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1323】
1000y6-1= 0.0097x3 - 2.8139x2 + 189.47x - 2363.2 (6-1)
【1324】
表63を基に、下限値(y6-1)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1325】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy6-1~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1326】
(6-2)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%の場合(45℃/2.0wt%/90wt%)
実施例6-2:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の90重量%である。
【1327】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の90重量%を充填し、40℃に保持した。
【1328】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1329】
表64に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1330】
【表64】
【1331】
表64で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11量%~17.1重量%、又は75.5重量%~91重量%の範囲であれば、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1332】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y6-2)を表65に示す。
【1333】
【表65】
【1334】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-1.2重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1335】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y6-2)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1336】
1000y6-2= 0.0092x3 - 2.6794x2+ 181.13x - 2358.5 (6-2)
【1337】
表65を基に、下限値(y6-2)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1338】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy6-2~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1339】
(6-3)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%の場合(45℃/2.0wt%/80wt%)
実施例6-3:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の80重量%である。
【1340】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の80重量%を充填し、40℃に保持した。
【1341】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1342】
表66に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1343】
【表66】
【1344】
表66で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11重量%~18.2重量%、又は73.8重量%~91重量%の範囲であれば、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1345】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y6-3)を表67に示す。
【1346】
【表67】
【1347】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-1.2重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1348】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y6-3)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1349】
1000y6-3= 0.0096x3 - 2.6718x2 + 177.45x - 2404.6 (6-3)
【1350】
表67を基に、下限値(y6-3)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1351】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy6-3~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1352】
(6-4)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%の場合(45℃/2.0wt%/70wt%)
実施例6-4:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の70重量%である。
【1353】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の70重量%を充填し、40℃に保持した。
【1354】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1355】
表68に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1356】
【表68】
【1357】
表68で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11重量%~20.1重量%、又は71.3重量%~91重量%の範囲であれば、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1358】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y6-4)を表69に示す。
【1359】
【表69】
【1360】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-1.2重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1361】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y6-4)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1362】
1000y6-4= 0.0095x3 - 2.6115x2 + 172.84x - 2493.5 (6-4)
【1363】
表69を基に、下限値(y6-4)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1364】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy6-4~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1365】
(6-5)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%の場合(45℃/2.0wt%/60wt%)
実施例6-5:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の60重量%である。
【1366】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の60重量%を充填し、40℃に保持した。
【1367】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1368】
表70に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1369】
【表70】
【1370】
表70で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11重量%~22.2重量%、又は69.1重量%~91重量%の範囲であれば、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1371】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y6-5)を表71に示す。
【1372】
【表71】
【1373】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-1.2重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1374】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y6-5)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1375】
1000y6-5= 0.0077x3 - 2.2204x2 + 150.41x - 2329.9 (6-5)
【1376】
表71を基に、下限値(y6-5)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1377】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy6-5~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1378】
(6-6)供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%の場合(45℃/2.0wt%/50wt%)
実施例6-6:供給元の容器における初期充填量が最大充填量の50重量%である。
【1379】
10Lの密閉容器(供給元の容器)に、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを40℃で液相がある一定の組成に成る様に、移充填する前の組成で充填出来る最大充填量の50重量%を充填し、40℃に保持した。
【1380】
移充填前のHFO-1132(E)の液相における初期組成を、目標上限組成に成る様に調整した。次に、参考例と同様に、ポンプを使用して、液側から、徐々に別の空容器(供給先の容器)に移充填し、成分組成を分析した。
【1381】
表72に、目標上限組成に調製した場合の移充填時における組成変化の結果を示す。
【1382】
【表72】
【1383】
表72で示す様に、移充填前の初期組成を、目標上限組成に成る様にする事で、充填初め(移充填する前)から、液が無くなるまで(移充填が完了するまで)の組成の内、そのHFO-1132(E)組成がHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中に11重量%~25.6重量%、又は64.2重量%~91重量%の範囲であれば、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1384】
移充填が完了した時点でのHFO-1132(E)組成が、目標下限組成に成る様な、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の移充填前組成を求めた。この時の初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y6-6)を表73に示す。
【1385】
【表73】
【1386】
この結果から、HFO-1132(E)が90重量%の目標組成において最も組成変動が小さく、HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成を目標組成の-1.3重量%であっても、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1387】
この結果から、初期組成における目標上限組成とのずれの下限値(y6-6)は、目標組成(x)を用いて以下の式で表す事が出来る。
【1388】
1000y6-6= 0.0064x3 - 1.9435x2 + 133.5x - 2253.1 (6-6)
【1389】
表73を基に、下限値(y6-6)を設定する事に依り、何れの目標上限組成であっても、移充填開始から移充填完了時までの組成を全て目標下限~上限組成内に収める事が出来る。
【1390】
HFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む液相混合冷媒中のHFO-1132(E)の初期組成をy6-6~目標上限組成にする事で、移充填する前から移充填が完了するまで、目標上限組成-2.0重量%(目標下限組成)から目標上限組成の範囲に収める事が出来る。
【1391】
(5)考察
本開示の方法を用いると、非共沸混合冷媒を充填する時に、移充填に伴う組成変化を何の対策も行わずに移充填した場合と比べ、移充填する前から、移充填が完了するまで、狙う組成に対してある一定の範囲内に収める事が出来、液相の全量使用を可能とする。
【1392】
本開示の方法を用いると、蒸気圧縮式冷凍サイクル用作動媒体として使用される非共沸性のHFO-1132(E)、及びHFO-1234yfを含む混合冷媒の移充填時に生じる組成変化を、冷媒能力に支障をきたさない範囲内に収める事が出来る。