(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144339
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】ピックアンドプレースラインのためのピックアンドプレース材料補充のための時間を予測すること
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024051333
(22)【出願日】2024-03-27
(31)【優先権主張番号】10 2023 107 885.2
(32)【優先日】2023-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】514076766
【氏名又は名称】エーエスエムピーティー・ゲーエムベーハー・ウント・コ・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】バスティアン・クノーブレヒナー
(72)【発明者】
【氏名】マティアス・ミックシュ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンツェント・プファイファー
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC25
5E353EE36
5E353EE89
5E353HH23
5E353HH25
5E353NN18
5E353QQ03
5E353QQ05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ピックアンドプレースラインの効率を向上させること。
【解決手段】(a)構成要素材料の現在の充填レベルを第1の構成要素支給装置から検出するステップと、(b)第1の支給走路に割り当てられる構成要素材料によって、計画されたピックアンドプレース動作を決定するステップであって、装着動作は、第1のピックアンドプレースステーションにおける現在のバッチ生産のすべての構成要素担体(PCB)に装着するためにまだ必要とされている、ステップと、(c)第2のピックアンドプレースステーションにおいて装着されており、第1のピックアンドプレースステーションにおいてなおも装着されることになる構成要素担体の、輸送経路に沿っての位置を決定するステップと、(d)現在の充填レベル、決定された計画された装着動作、および決定された現在の位置に基づいて、第1の支給走路において材料を補充するための時間を予測するステップとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピックアンドプレースライン(100)の第1のピックアンドプレースステーション(P1)のためのピックアンドプレース材料(C)を補充するための時間を予測するための方法であって、前記ピックアンドプレースライン(100)は、
(i) 第1の構成要素支給装置(F)によって第1の支給走路においてピックアンドプレース材料(C)が供給される前記第1のピックアンドプレースステーション(P1)と、
(ii) 第2の構成要素支給装置(F)によって第2の支給走路においてピックアンドプレース材料(C)が供給される第2のピックアンドプレースステーション(P2)であって、構成要素担体(PCB)に装着するために、輸送経路(Tp)に沿って前記第1のピックアンドプレースステーション(P1)の上流に配置される第2のピックアンドプレースステーション(P2)と
を少なくとも備え、前記方法は、
ピックアンドプレース材料(C)の現在の充填レベルを前記第1の構成要素支給装置(F)から検出するステップと、
少なくとも前記第1の支給走路に割り当てられる前記ピックアンドプレース材料(C)によって、計画されたピックアンドプレース動作を決定するステップであって、前記ピックアンドプレース動作は、前記第1のピックアンドプレースステーション(P1)における現在のバッチ生産のすべての構成要素担体(PCB)に装着するためにまだ必要とされている、ステップと、
前記第2のピックアンドプレースステーション(P2)において装着されており、前記第1のピックアンドプレースステーション(P1)においてなおも装着されることになる少なくとも1つの構成要素担体(PCB)の、前記輸送経路(Tp)に沿った現在の位置を決定するステップと、
(i)検出された前記現在の充填レベル、(ii)決定された前記計画されたピックアンドプレース動作、および(iii)決定された前記現在の位置に基づいて、前記第1の支給走路においてピックアンドプレース材料(C)を補充するための時間を予測するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記ピックアンドプレース材料(C)は、具体的には構成要素ベルトまたは構成要素マガジンで保持される電子構成要素を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記現在のバッチ生産のバッチサイズを決定するステップであって、それによって、前記第1の支給走路においてピックアンドプレース材料(C)を補充するための前記時間を予測する前記ステップは、決定された前記バッチサイズにも基づいている、ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、前記第2のピックアンドプレースステーション(P2)において装着されており、前記第1のピックアンドプレースステーション(P1)においてなおも装着されることになる前記少なくとも1つの構成要素担体(PCB)を、前記第2のピックアンドプレースステーション(P2)から前記第1のピックアンドプレースステーション(P1)へと輸送するための時間の長さを決定するステップをさらに含み、
前記第1の支給走路においてピックアンドプレース材料(C)を補充するための前記時間を予測する前記ステップは、決定された前記時間の長さにも基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
予測された前記時間の前に、前記第1の支給走路において前記ピックアンドプレース材料(C)を補充するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ピックアンドプレース材料(C)を補充する前記ステップは、
前記第1の構成要素支給装置(F)を前記第1の支給走路から取り外すステップであって、残りの未使用のピックアンドプレース材料(C)が前記第1の構成要素支給装置(F)と共に取り外される、ステップと、
他の第1の構成要素支給装置(F)を新たなピックアンドプレース材料(C)と共に前記第1の支給走路に取り付けるステップであって、前記新たなピックアンドプレース材料(C)は前記他の第1の構成要素支給装置(F)内に、またはその支給装置(F)に位置付けられる、ステップと
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の構成要素支給装置(F)の前記取り外しと前記他の第1の構成要素支給装置(F)の前記取り付けとはロボット(R)を用いて自動化される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第3のピックアンドプレースステーション(P3)において装着されており、前記第1のピックアンドプレースステーション(P1)および/または前記第2のピックアンドプレースステーション(P2)においてなおも装着されることになる少なくとも1つのさらなる構成要素担体(PCB)の、前記輸送経路(Tp)に沿ったさらなる現在の位置を決定するステップであって、
前記第3のピックアンドプレースステーション(P3)は、前記輸送経路(Tp)に沿って、前記第2のピックアンドプレースステーション(P2)の上流に配置され、
前記第1の支給走路においてピックアンドプレース材料(C)を補充するための前記時間を予測する前記ステップは、決定された前記さらなる現在の位置にも基づいている、
ステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ピックアンドプレースライン(100)の少なくとも1つの第1のピックアンドプレースステーション(P1)の異なる所定の支給走路においてピックアンドプレース材料(C)を補充するための時間を予測するための方法であって、前記ピックアンドプレースライン(100)は、構成要素担体(PCB)に装着するために、前記ピックアンドプレースライン(100)の輸送経路(Tp)に沿って連続して配置される複数のピックアンドプレースステーションを有し、前記方法は、
請求項1に記載の方法を実施するステップであって、前記第1の支給走路は、前記ピックアンドプレースライン(100)の第1の所定の支給走路であり、予測された前記時間は、前記第1の所定の支給走路と関連付けられる第1の補充時間である、ステップと、
請求項1に記載の方法を実施するステップであって、前記第1の支給走路は、前記ピックアンドプレースライン(100)の第2の所定の支給走路であり、予測された前記時間は、前記第2の所定の支給走路と関連付けられる第2の補充時間である、ステップと
を含む、方法。
【請求項10】
前記第1の補充時間および前記第2の補充時間に基づいて、(i)前記第1の所定の支給走路におけるピックアンドプレース材料(C)の補充、および、(ii)前記第2の所定の支給走路におけるピックアンドプレース材料(C)の補充のための時間的な順番(t1、t2)を決定するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
決定された前記時間的な順番は優先度を確立し、前記優先度に従って、前記ピックアンドプレース材料(C)は、前の前記補充時間が割り当てられる前記所定の支給走路において初めに補充される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の補充時間は前記第2の補充時間の前であり、前記方法は、
ピックアンドプレース材料(C)を前記第2の所定の支給走路において補充するステップと、
次に、ピックアンドプレース材料(C)を前記第1の所定の支給走路において補充するステップと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
構成要素担体(PCB)に装着するための少なくとも2つのピックアンドプレースステーション(P1、P2、P3、P4)を有するピックアンドプレースライン(100、700)の少なくとも2つの支給走路においてピックアンドプレース材料(C)を補充するための時間的な順番を決定するための方法であって、各々のピックアンドプレースステーション(P1、P2、P3、P4)は、ピックアンドプレース領域(Pa)と、構成要素担体(PCB)をバッファリングするための少なくとも2つのバッファ領域(Pb)とを有し、前記ピックアンドプレース領域(Pa)と前記バッファ領域(Pb)とは、前記ピックアンドプレースライン(100、700)の輸送経路(Tp)に沿って配置され、各々の上流のピックアンドプレース領域(Pa)は、各々の場合で、前記2つのバッファ領域(Pb)のうちの1つに割り当てられ、前記方法は、
前記2つのバッファ領域(Pb)のうちの少なくとも1つのバッファ領域(Pb)の占有状態を検出するステップと、
検出された前記少なくとも1つの占有状態に基づいて前記時間的な順番を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項14】
前記方法は、前記少なくとも2つの支給走路の各々においてピックアンドプレース材料(C)の現在の充填レベルを検出するステップをさらに含み、
前記時間的な順番を決定する前記ステップは、検出された前記充填レベルにも基づいている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
現在のバッチ生産のすべての構成要素担体(PCB)に装着するために、前記少なくとも2つの支給走路のうちの少なくとも1つの支給走路に割り当てられるピックアンドプレース材料(C)に少なくともよってなおも行われる計画されたピックアンドプレース動作を決定するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
構成要素担体(PCB)に電子構成要素を自動的に装着するためのピックアンドプレースライン(100)であって、前記電子構成要素は、各々の場合で、構成要素支給装置(F)を用いて、支給走路における前記ピックアンドプレースライン(100)の個々のピックアンドプレースステーション(P1、P2)に、ピックアンドプレース材料(C)として支給され、前記ピックアンドプレースライン(100)は、
請求項1に記載の方法を実行するように構成されるデータ処理デバイス(102)を有する、ピックアンドプレースライン(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、少なくとも1つ、典型的にはいくつかの直列に連結されたピックアンドプレース機械を備えるピックアンドプレースラインを用いる電子組立体の製造に関する。本発明は、詳細には、(i)ピックアンドプレースラインの第1のピックアンドプレースステーションのためのピックアンドプレース材料を補充するための時間を予測するための方法と、(ii)ピックアンドプレースラインの少なくとも1つのピックアンドプレースステーションの異なる所定の支給走路においてピックアンドプレース材料を補充するための時間を予測するための方法と、(iii)ピックアンドプレースラインの少なくとも2つの支給走路におけるピックアンドプレース材料の補充のための時間的な順番を決定するための方法と、(iv)前記方法を実行するように、または前記方法の順序を制御するように構成されるデータ処理デバイスを伴うピックアンドプレースラインとに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷回路基板または基材などの構成要素担体に、ピックアンドプレース機械を使用して、電子構成要素が装着される。ピックアンドプレース機械は、(i)構成要素支給装置の取り上げ位置において電子構成要素を取り上げ、(ii)電子構成要素を、装着される構成要素担体が位置付けられるピックアンドプレース機械のピックアンドプレース領域に移動させ、(iii)取り上げられた構成要素を所定のピックアンドプレース位置において構成要素担体に配置するピックアンドプレースヘッドを有する。
【0003】
各々の場合で1つの構成要素担体と複数の異なる種類の構成要素とから成る電子組立体を生産するために、当該の構成要素担体には、典型的にはいくつかのピックアンドプレース機械で装着される。それによって、いくつかの構成要素支給装置が各々のピックアンドプレース機械に割り当てられ、それによって、異なる種類の電子構成要素がピックアンドプレース過程へと支給される。
【0004】
組立体を製造するために使用されるピックアンドプレース機械は、典型的にはピックアンドプレースラインにおいて前後して配置され、構成要素担体は、輸送デバイスを用いて、様々なピックアンドプレース機械のピックアンドプレース領域を通じて輸送される。そのため、それぞれの構成要素担体には、各々の場合で、異なるピックアンドプレース領域において少なくとも部分的に装着される。
【0005】
ピックアンドプレースラインができるだけ少ない中断で動作することを確保するために、各々の構成要素支給装置について、十分な量のピックアンドプレース材料または十分な数の構成要素が常にあることが確保されなければならない。これは、異なる方法(A)および(B)で行うことができる。
【0006】
(A)閾値の監視
この変形では、ピックアンドプレース材料の現在の充填レベルが、常に各々の個々の構成要素支給装置に割り当てられる。構成要素が装着される場合、充填レベルは更新される。最適に動作するピックアンドプレースラインについてのピックアンドプレース材料の消費は、ソフトウェアを使用して予測できる。材料が特定の閾値未満に下がった場合、当該の構成要素支給装置においてピックアンドプレース材料を補充するための順番が生成される。次に、この順番は操作者またはロボットによって行われ、新たなピックアンドプレース材料を当該の構成要素支給装置へと移動する。
【0007】
(B)ピックアンドプレース材料要件を計算する。
これは、ピックアンドプレースラインにおけるピックアンドプレース材料の連続的な供給を確保および監視する、ソフトウェアによって支援された物流ワークフローの解決策を用いて行われる。ピックアンドプレースラインにおける計画された材料消費、実際の材料消費、および現在の材料の在庫に基づいて、構成要素ベルトにおいて包装される必要な電子構成要素が中央材料倉庫において取り上げられる。この取り上げ過程は、適切な長さの構成要素ベルトをベルトリールへと巻き付けることを伴う。代替で、すでに巻き付けられた構成要素ベルトを伴うベルトリールが、製造者または販売者によって中央材料貯蔵所に送達されてもよい。必要な取り上げられるベルトリールの量の決定とピックアンドプレースラインへの移動とは、例えば、1時間ごとのサイクルで行われる。当該のピックアンドプレース機械における実際の補充過程、またはより正確には、当該の構成要素支給装置における実際の補充過程は、監視されない。
【0008】
構成要素支給装置におけるピックアンドプレース材料の連続的な供給は、現在では、いわゆるスプライシングを伴う。スプライシング過程では、構成要素が取り除かれることで使い果たされようとしている構成要素ベルトの端が、連結要素を用いて、新たな構成要素ベルトの始めに連結される。この方法では、使い果たされようとしている構成要素ベルトが延長され、ピックアンドプレース材料の連続的な供給が確保される。スプライシングは、典型的には操作者によって手作業で行われる。構成要素支給装置が空になるのを防止するために、操作者には、スプライシング過程を行うかまたは完了するために、限られた時間の長さしかない。
【0009】
構成要素補充過程を自動化するために、ベルトリールを収容する筐体を伴う構成要素支給装置が知られている。次に、ピックアンドプレース機械のいわゆる構成要素支給走路への構成要素または材料の補充過程が、構成要素支給装置全体を取り替えることで行われ、これはロボットによって自動的に行うことができる。ピックアンドプレース機械が停止することになるのを防止するために、空にされるとすぐに構成要素支給装置を交換することが必要である。そのため、このような交換の時間をできるだけ正確に予測する正確な予測が必要とされる。そのとき、ピックアンドプレースラインを、ピックアンドプレース機械のうちの少なくとも一部の長いダウンタイムなしで、高い効率のレベルで動作させることが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、具体的には自動化された手法で、ピックアンドプレース機械にピックアンドプレース材料が支給されるピックアンドプレースラインの効率を向上させる目的に基づかれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、独立請求項の主題によって達成される。本発明の有利な実施形態が従属請求項に記載されている。
【0012】
本発明の第1の態様によれば、ピックアンドプレースラインの第1のピックアンドプレースステーションのためのピックアンドプレース材料を補充するための時間を予測するための方法であって、ピックアンドプレースラインは、(i)第1の構成要素支給装置によって(選択された)第1の支給走路においてピックアンドプレース材料が供給される第1のピックアンドプレースステーションと、(ii)第2の構成要素支給装置によって第2の支給走路においてピックアンドプレース材料が供給される第2のピックアンドプレースステーションであって、構成要素担体に装着するために、輸送経路(所定の輸送の方向)に沿って第1のピックアンドプレースステーションの上流に配置される第2のピックアンドプレースステーションとを少なくとも備える、方法が記載されている。記載されている方法は、(a)構成要素材料の現在の充填レベルを第1の構成要素支給装置から検出するステップと、(b)第1の支給走路に割り当てられる構成要素材料に少なくともよって、計画されたピックアンドプレース動作を決定するステップであって、装着動作は、第1のピックアンドプレースステーションにおける現在のバッチ生産のすべての構成要素担体に装着するためにまだ必要とされている、ステップと、(c)第2のピックアンドプレースステーションにおいて装着されており、第1のピックアンドプレースステーションにおいてなおも装着されることになる少なくとも1つの構成要素担体の、輸送経路に沿っての現在の位置を決定するステップと、(d)(d1)検出された現在の充填レベル、(d2)決定された計画された装着動作、および(d3)決定された現在の位置に基づいて、第1の支給走路においてピックアンドプレース材料を補充するための時間を予測するステップとを特徴とする。
【0013】
記載されている方法は、ピックアンドプレース材料が第1の支給走路において補充されなければならない時間の予測が、ピックアンドプレースラインの理想的な動作についての情報だけでなく、ピックアンドプレースラインの現在の実際の動作についての情報にも基づかれることの実現に基づかれる。現在の現実の動作は、理想化されたピックアンドプレース動作と比較して、理想的なピックアンドプレース動作からの逸脱を引き起こす大きな混乱が多かれ少なかれあるかによって特徴付けられる。したがって、本発明による方法は、理想的なピックアンドプレース動作についての動作状態だけが考慮される既知の方法で可能であるとされるよりも優れた正確性でピックアンドプレース材料を補充するための時間を決定することができる。
【0014】
記載されている方法であれば、ピックアンドプレースラインの望ましくないダウンタイムが防止できるように、実用的な動作または現実の動作においてであっても、いくつかのピックアンドプレースステーションを伴うピックアンドプレースラインと、1つのピックアンドプレースラインあたりでの典型的にはいくつかの構成要素支給装置とに、十分なピックアンドプレース材料を常に供給することが確保できる。明確には、ピックアンドプレース材料の補充がそれぞれの支給走路において必要とされる時間を正確に予測することで、ピックアンドプレース材料の十分な供給が現場においてちょうどいいときにあることが確保できる。
【0015】
十分なピックアンドプレース材料は操作者によって手作業で提供できる。代替で、または選択された支給走路について、ピックアンドプレース材料は、補充の前にロボットによって提供されてもよい。異なる支給走路について、好ましくはすべての支給走路について、補充時間を正確に予測することで、異なる支給走路においてピックアンドプレース材料を補充するための順序も決定することができる。これは、現在は利用可能なピックアンドプレース材料の減少によって次に「脅かされる」支給走路におけるピックアンドプレース材料の補充を優先することを可能にする。さらに、異なるピックアンドプレースステーションにおける支給走路が、一時的の保管された構成要素担体を伴うバッファ領域の占有または利用に依存して優先させることもでき、そのバッファ領域は、ピックアンドプレースステーションのピックアンドプレース領域の前および/または後に、輸送経路に沿って、既知の手法で提供される。したがって、例えば、多くの構成要素担体が前で集まっているピックアンドプレース領域の支給ステーションは、より高い優先度で割り当てられ得る。これは、望ましくない混雑をできるだけ素早く解消させることができる。これらの検討は、具体的には、少なくとも1つのロボットを用いるピックアンドプレース材料の自動化された補充に当てはまり、そのロボットは、新たなピックアンドプレース材料を(中間の)貯蔵所から集め、それをそれぞれの支給走路へと輸送する。さらに、走行路も、いくつかの種類のピックアンドプレース材料を同時に輸送できるロボットのために最適化され得る。したがって、例えば、実際には次に必要とされる第1のピックアンドプレース材料の補充は、その間に他の支給走路における第2のピックアンドプレース材料のより緊急性のない補充を行うために、対応する予測された時間までなおも十分な時間がある場合には、後に延ばすことができる。上記の輸送経路の優先付けと最適化との両方が、当然ながら、ピックアンドプレース材料の手作業の補充の間に操作者によって行われてもよい。
【0016】
理想化されたピックアンドプレース動作からの逸脱は、様々な異なる小さな混乱または大きな混乱によって引き起こされる可能性がある。小さい混乱は、具体的には、ピックアンドプレースライン、または対応するピックアンドプレース機械によって、独立して自動的に修正することができる。このような小さい障害には、例えば、具体的には、構成要素取り上げ位置における構成要素取り上げの失敗のため、および/または、ピックアンドプレースヘッドにおける吸引把持部として設計された構成要素保持デバイスの先端における非最適な(負の)吸引圧力のため、装着される構成要素の喪失がある。操作者による修正の介入のみによって典型的には排除できる大きな混乱は、例えば、構成要素がいわゆる保持ポケットにおいて既知の手法で保持され、構成要素取り上げ位置へと支給される構成要素ベルトのカバーフォイルにおける破れである。このようなカバーフォイルは、ピックアンドプレースヘッド、またはより正確には、ピックアンドプレースヘッドの吸引把持部が、取り上げられる構成要素に上方からアクセスすることができるように、関連する構成要素取り上げ位置における構成要素の計画された取り上げの直前に、同様に既知の手法で除去される。ピックアンドプレース動作への混乱が、例えば、少なくとも1つのピックアンドプレースステーションの保護カバーの(偶発的または必要な)開口から生じる可能性もある。安全性の理由のため、このような開口は、検討されているピックアンドプレースステーションのピックアンドプレース動作の停止をもたらす。
【0017】
混乱がピックアンドプレース動作における遅れを必ずしももたらさないことは、指摘されている。混乱は、例えば、いくつかのいわゆる個別のパネルを有するより大きい構成要素担体の装着の前または最中に、(少なくとも)1つの個別のパネルに有意な方法でもはや装着させられないことが明らかになる場合にも、生じる可能性がある。これは、例えば、特に当該の個別のパネルの領域において、構成要素担体が損傷させられているという事実のためであり得、そのため、さらなる処理、具体的には、この個別のパネルのさらなる装着は、もはや理にかなっていない。これは、この特定の構成要素担体について、すべての個別のパネルに装着させられるわけではないことを意味するため、構成要素担体により素早く装着させることができる。そのため、構成要素担体は、理想化されたピックアンドプレース動作においてより早く、1つのピックアンドプレースステーションから輸送経路に沿って次のピックアンドプレースステーションへと移動させることができる。
【0018】
記載された2つのピックアンドプレースステーションは、輸送経路に沿って直接的に隣接することができ、つまり、輸送される構成要素担体の視点から、互いに直接的に続くことができる。代替で、2つのピックアンドプレースステーションは、さらなるピックアンドプレースステーションまたはピックアンドプレースラインにおける他のステーションが、第2のピックアンドプレースステーションと第1のピックアンドプレースステーションとの間に配置されている状態で、さらに離して分けられてもよい。1つのこのような他のステーションは、例えば測定ステーションとすることができ、その測定ステーションを用いて、第2のピックアンドプレースステーションにおける成功したピックアンドプレース動作が光学的に検出され、それによって、このような測定ステーションの測定結果が、例えば、ピックアンドプレース動作の品質監視のために使用できる。
【0019】
第2のピックアンドプレースステーションは、輸送経路に沿う最後のピックアンドプレースステーションを除いて、ピックアンドプレースラインの任意の選択されたピックアンドプレースステーションとできる。本明細書で使用されている記載の状況において、第1のピックアンドプレースステーションは、第2のピックアンドプレースステーションの下流に位置付けられる限り、任意の選択されたピックアンドプレースステーション(ピックアンドプレースラインの最後のピックアンドプレースステーションを含む)とできる。そのため、輸送経路に沿って輸送される構成要素担体の観点から、第2のピックアンドプレースステーションにおける装着は、第1のピックアンドプレースステーションにおける装着の前に行われる。
【0020】
本発明による方法は、(原則として)下流の第1のピックアンドプレースステーションの観点から、より正確には、選択された第1の支給走路、または、選択された第1の支給走路に割り当てられた(選択された)第1の構成要素支給装置の観点から、本文書において記載されている。しかしながら、記載されている方法が、少なくとも1つのさらなる第1の支給走路のために、または、さらなる第1の支給走路に割り当てられた第1のピックアンドプレースステーションのさらなる第1の構成要素支給装置のために、(同時に)実施されてもよいことは、指摘されている。これは、第1の支給走路における補充時間が予測できるだけでなく、原理的には、第1のピックアンドプレースステーションのすべての他の第1の支給走路における補充時間も予測できることを意味する。これは、第1のピックアンドプレースステーションのいくつかの第1の支給走路、好ましくはすべての第1の支給走路における補充時間の総合的で正確な予測を可能にする。
【0021】
第3の構成要素支給装置によって(少なくとも)第3の支給走路においてピックアンドプレース材料が供給される第3のピックアンドプレースステーションが、第2のピックアンドプレースステーションの上流に配置される、少なくとも3つのピックアンドプレースステーションが輸送経路に沿って配置されているピックアンドプレースラインにおいて、記載されている方法が、第2のピックアンドプレース位置の第2の支給走路のうちの少なくとも1つの視点から行うこともできることは、指摘されている。この場合、関連する第2の構成要素支給装置の充填レベルが次に(追加的に)検出される。さらに、第2のピックアンドプレースステーションにおける現在のバッチ生産のすべての構成要素担体に装着するためになおも必要とされる計画されたピックアンドプレース動作が(追加的に)決定される。さらに、第3のピックアンドプレースステーションにおいて装着されており、第2のピックアンドプレースステーションにおいて(および第1のピックアンドプレースステーションにおいて)なおも装着される必要がある少なくとも1つの構成要素担体の、輸送経路に沿っての現在の位置が(追加的に)決定される。これは、ピックアンドプレース材料の補充時間が、ピックアンドプレースラインによる構成要素担体の装着が開始するピックアンドプレースステーションに割り当てられる支給走路を除いて、すべての支給走路についてのピックアンドプレースラインに関する高い度合いの正確性が原理的に予測できることを意味する。
【0022】
はっきりと言えば、本発明による少なくとも1つの「ピックアンドプレース材料補充時間」の予測は、下流に配置されたそれぞれの(第1の)ピックアンドプレースステーションによってなおも装着される必要がある(少なくとも)1つの構成要素担体の現在の位置を決定することによって、輸送経路に沿う輸送に関する可及的な混雑を特定することで、ピックアンドプレース動作の「現実」を考慮する。この状況において、構成要素担体のさらなる輸送が、下流に配置された第1のピックアンドプレースステーションにおける遅れによっても妨げられず、それによって、このような遅れが、ピックアンドプレース材料の遅れた補充によって明らかな形で引き起こされる場合にのみ、このような混雑を解決することができること、および/または、混雑の悪化を防止することができることは、明らかである。
【0023】
(選択された)第1の構成要素支給装置からのピックアンドプレース材料の充填レベルを検出することは、適切なセンサを使用する既知の手法で行うことができる。代替または組み合わせで、充填レベルは、関連するピックアンドプレースステーションまたはピックアンドプレースライン全体の(中央)機械制御システムによって検出することもでき、その(中央)機械制御システムは、ピックアンドプレース動作を制御または調整し、通常は、現在使用されているすべての構成要素支給装置の充填レベルを分かっている。
【0024】
第1の支給走路に割り当てられたピックアンドプレース材料による現在のバッチ生産のためになおも必要とされるピックアンドプレース動作を決定することは、機械制御システムによって、具体的には、ピックアンドプレースライン全体についての機械制御システムによって、行うこともできる。この状況において、なおも必要とされるピックアンドプレース動作の数は、どれだけのピックアンドプレース材料が現在のバッチ生産のための(選択された)第1の支給走路においてなおも必要とされるかを指示するため、特に重要である。はっきりと言えば、先に記載されているような計画されたピックアンドプレース動作(の数)を決定することで、ピックアンドプレース材料の予測される消費に関する予後が行え、これは当然ながら、補充時間の信頼できる予測のために決定的に重要である。
【0025】
本文書では、「ピックアンドプレース動作」という用語は、具体的には構成要素の装着を意味すると理解される。これは、(i)構成要素取り上げ位置からピックアンドプレースヘッドの構成要素保持デバイスを用いて構成要素を取り上げることと、(ii)取り上げられた構成要素を、検討されているピックアンドプレースステーションのピックアンドプレース領域へと輸送することと、(iii)輸送された構成要素を、所定のピックアンドプレース位置における関連する構成要素担体に配置することと、(iv)次の構成要素を次のピックアンドプレース動作のために取り上げることができるように、ピックアンドプレースヘッドを、構成要素取り上げ位置、または複数の構成要素支給装置を有する構成要素支給装置システムの隣接する構成要素取り上げ位置へと戻すように移動させることとを含む。
【0026】
本文書では、「ピックアンドプレースステーション」という用語は、単一のピックアンドプレース機械を参照している。より大きなピックアンドプレース機械の場合、ピックアンドプレースステーションは、それ自体のピックアンドプレース領域を伴うピックアンドプレース機械の一部とすることもでき、それによって、ピックアンドプレース領域は、典型的には、ガントリシステムを用いて、(i)構成要素取り上げ位置と(ii)ピックアンドプレース領域で保持される構成要素担体との間で移動させることができる少なくとも1つのピックアンドプレースヘッドに割り当てられる。
【0027】
本文書では、「バッチ生産」という用語は、具体的には、生産バッチの一部として、および/または、特定の装着の順番で、(全体として)ピックアンドプレースラインに装着される特定の種類の構成要素担体の装着または製造に言及している。
【0028】
第2のピックアンドプレースステーションにおいて装着されており、第1のピックアンドプレースステーションにおいてなおも装着されることになる、輸送経路に沿っての少なくとも1つの構成要素担体の現在の位置は、適切なセンサを用いて、および/または、(中央)機械制御システムを用いて、決定することもできる。別の言い方をすれば、少なくとも部分的に装着させられた構成要素担体の位置、または、いくつかの少なくとも部分的に装着させられた構成要素担体の位置が決定され、この構成要素担体は輸送の方向に対して、選択された第1のピックアンドプレースステーションの上流に位置付けられる。
【0029】
先に記載されている位置決定は、次の構成要素担体が第1のピックアンドプレースステーションになり得るまで、または第1のピックアンドプレースステーションへと支給されるまで、どれくらい掛かるかについての情報を提供する。次の構成要素担体は、装着が第2のピックアンドプレースステーションにおいてすでに完了されており、そのため、第1のピックアンドプレースステーションへと支給でき、最適なピックアンドプレース動作の間に(第1のピックアンドプレースステーションにおいて)構成要素担体の混雑なしで支給もされる構成要素担体である。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、ピックアンドプレース材料は、具体的には構成要素ベルトまたは構成要素マガジンで保持される電子構成要素を有する。構成要素マガジンは、複数のマガジンピックアップ領域が2つの好ましくは相互に垂直な軸に沿って空間的に配置され二次元の配列の構造を有することができる。構成要素マガジンは、いくつかのマガジンピックアップ領域がマガジンの長手方向に沿って配置される一次元の配列の構造を有することもできる。
【0031】
電子構成要素を構成要素ベルトにおいて保管し、構成要素取り上げ過程で、構成要素ベルトの受部またはポケットから直接的に一度に1つの構成要素を取り上げることができるピックアンドプレースヘッドへと電子構成要素を支給することは、関連するピックアンドプレース材料の充填レベルが特に信頼できる手法で検出できるという利点を有する。構成要素をバルク材料として支給することと比較して、構成要素ベルトにおける構成要素は、既知の手法において確実に分離され、それによって、これまで使用された構成要素と、構成要素ベルトに初期に存在した構成要素の数が分かっている場合、当該の構成要素ベルトになおも存在する構成要素の数、または、まだ使用されていないピックアンドプレース材料の量とが、容易に検出することができる。
【0032】
本発明のさらなる実施形態によれば、方法は、現在のバッチ生産のバッチサイズを決定するステップであって、第1の支給走路においてピックアンドプレース材料を補充するための時間を予測するステップは、決定されたバッチサイズにさらに基づかれる、ステップをさらに含む。
【0033】
本文書では、「バッチサイズ」という用語は、具体的には、現在のバッチ生産において装着される構成要素担体の数に言及している。バッチサイズは、生産バッチの一部として、および/または特定の装着の順番で装着される(または、装着されることになる)構成要素担体の全体の数であり得る。しかしながら、代替で、「バッチサイズ」という用語は、現在のバッチ生産の開始の後に装着される必要がなおもある構成要素担体の数として理解されてもよく、それによって、バッチサイズは、現在のバッチ生産が進行するにつれて連続的に変化する。
【0034】
バッチサイズは、ピックアンドプレースラインの動作を特徴付ける変数を決定するのが非常に容易である。補充時間を予測するためにバッチサイズを考慮することは、特に現在のバッチ生産の開始または初期の局面において、予測された補充時間の高い予測精度に寄与する。この状況において、より多くの量のピックアンドプレース材料が支給走路の開始において常に提供されるわけではないため、ピックアンドプレース材料がバッチ生産の開始において補充される必要があり得ることも、言及されるべきである。これは、バッチ生産が、少なくとも個々の支給走路において、以前のバッチ生産の実行からなおも残されており、当然ながらコストの理由のため使い果たされるべきである残留ピックアンドプレース材料でしばしば始まるためである。
【0035】
本発明のさらなる実施形態によれば、方法は、第2のプレースステーションにおいて装着されており、第1のプレースステーションにおいてなおも装着されることになる少なくとも1つの構成要素担体を、第2のプレースステーションから第1のプレースステーションへと輸送するための時間の長さを決定するステップをさらに含み、第1の支給走路においてピックアンドプレース材料を補充するための時間を予測するステップは、決定された時間の長さにさらに基づかれる。
【0036】
記載されている構成要素担体輸送のための時間の長さも、期待される補充時間のための重要な因子である。この時間の長さは、実際、第1のピックアンドプレースステーション内での、またはそのピックアンドプレースステーションにおける当該の構成要素担体の「到着」を直接的に表している。結果として、それらを考慮することは、補充時間の予測の精度を(さらに)向上させることに寄与することができる。
【0037】
記載されている時間の長さは、例えば、関連する構成要素担体と輸送経路における第1のピックアンドプレースステーションとの間に位置付けられる他の構成要素担体を光学的に検出するセンサを使用して決定することができる。この状況において、当該の構成要素担体は「列に並ぶ」必要があるため、少なくとも1つのこのような他の構成要素担体が第1のピックアンドプレースステーションへの当該の構成要素担体の輸送を妨げることは、明らかである。
【0038】
本発明のさらなる実施形態によれば、方法は、予測された時間の前に、時間内に(または、ちょうどいいときに)、(選択された)第1の支給走路においてピックアンドプレース材料を補充するステップをさらに含む。これは、選択された支給走路に(十分な量の)ピックアンドプレース材料が常にあることを確保する。
【0039】
すでに先に説明されているように、本発明による方法は、本質的に、第1のピックアンドプレースステーションの1つの第1の支給走路または選択された第1の支給走路の観点から、本文書において記載されている。しかしながら、本発明による方法は、第1の支給走路の他の支給走路または他のピックアンドプレースステーションの他の支給走路についても(同時に)行うこともでき、それによって、輸送経路に沿う少なくとも1つの(部分的に装着された)構成要素担体の現在の位置の記載されている決定は、(下流の)第1の支給走路においてなおも(さらに)装着される上流に位置付けられた構成要素担体に関することが唯一必要である。したがって、本明細書に記載されている補充は、輸送の方向に沿って直接的に位置付けられる、または、輸送ラインの正に始まりに位置付けられるピックアンドプレースステーションを除いて、ピックアンドプレースラインのすべての可能なピックアンドプレースステーションからのすべての可能な支給走路にも言及することができる。
【0040】
本発明のさらなる実施形態によれば、配置材料を補充するステップは、(a)第1の構成要素支給装置を第1の輸送走路から取り外すステップであって、残りの未使用のピックアンドプレース材料が第1の構成要素支給装置と共に取り外される、ステップと、(b)他の第1の構成要素支給装置を新たなピックアンドプレース材料と一緒に(選択された)第1の支給走路に取り付けるステップであって、新たなピックアンドプレース材料は他の第1の構成要素支給装置内に、またはその支給装置に位置付けられる、ステップとを含む。
【0041】
構成要素支給装置の再配置と関連付けられるピックアンドプレース材料の記載されている補充は、補充が単純なエラー耐性のある手法で実現できるという利点を有する。(選択された第1の)構成要素支給装置が(選択された第1の)支給走路に残っており、ピックアンドプレース材料が、例えば、ベルトリールに巻き付けられた構成要素ベルトの形態だけである補充と比較して、完全な構成要素支給装置の交換は、例えば、配置ライン全体へのピックアンドプレース材料の中断のない供給を確保するために、大きな時間のプレッシャの下で操作者によって実際にはしばしば行われる必要がある、当構成要素ベルトの先頭を当該の構成要素支給装置の案内通路へと通す手作業のエラーを起こしやすい作業を必要としない。ピックアンドプレース材料が取り付けまたは保持される構成要素支給装置は、ピックアンドプレース材料を伴う構成要素支給装置の交換が、特には確実に行うことができるだけでなく、特には素早く行うことができるように、生産場所の(中間)倉庫においてあらかじめ組み立てることができる。
【0042】
本発明のさらなる実施形態によれば、第1の構成要素支給装置の取り外しと他の第1の構成要素支給装置の取り付けとはロボットを用いて自動化される。
【0043】
先に記載されている構成要素支給装置の自動化された交換は、ピックアンドプレースラインを動作させるために必要とされる手作業の労力を相当に低減することができる。結果として、電子組立体の製造コストが有利な方法で低減できる。
【0044】
本発明のさらなる実施形態によれば、方法は、第3のピックアンドプレースステーションにおいて装着されており、第1のピックアンドプレースステーションおよび/または第2のピックアンドプレースステーションにおいてなおも装着されることになる少なくとも1つのさらなる構成要素担体の、輸送経路に沿ってのさらなる現在の位置を決定するステップをさらに含む。それによって、第3のピックアンドプレースステーションは、輸送経路に沿って、第2のピックアンドプレースステーションから上流に配置される。また、第1の支給走路においてピックアンドプレース材料を補充するための時間を予測するステップは、決定されたさらなる現在の位置にも基づかれる。
【0045】
輸送の方向に沿って、先に記載されている(少なくとも1つの)第1の構成要素担体の後に位置付けられる少なくとも1つのさらなる構成要素担体の位置の記載されている包含は、第1のピックアンドプレースステーションの前または上流における現在の「構成要素担体の混雑」の特に分かりやすい描写を可能にする。結果として、特に高いレベルの正確性が、(選択された)第1のピックアンドプレースステーションの(選択された)第1の支給走路において補充時間を予測するときに達成できる。
【0046】
本発明のさらなる態様によれば、ピックアンドプレースラインの少なくとも1つの第1のピックアンドプレースステーションの異なる所定の支給走路においてピックアンドプレース材料を補充するための(少なくとも2つの)時間を予測するための方法が記載されており、ピックアンドプレースラインは、構成要素担体に装着するために、ピックアンドプレースラインの輸送経路に沿って(輸送の所定の方向において)連続して配置される複数のピックアンドプレースステーションを有する。記載されている方法は、2つの異なる支給走路について(別々に)行われる。したがって、記載されている方法は、一方で、先に記載されている方法を実施するステップであって、第1の支給走路は、ピックアンドプレースラインの第1の所定の支給走路であり、予測された時間は、第1の所定の支給走路と関連付けられる第1の補充時間である、ステップを含む。記載されている方法は、他方で、先に記載されている方法を実施するステップであって、(ここでは)第1の支給走路は、ピックアンドプレースラインの第2の所定の支給走路であり、予測された時間は、第2の所定の支給走路と関連付けられる第2の補充時間である、ステップを含む。
【0047】
少なくとも2つの補充時間を予測するための記載されている方法は、ピックアンドプレース材料の補充が、すべての関連する支給走路において、ちょうどいいときに、つまり、それぞれの決定された補充時間の前に行われることが確保される限り、ピックアンドプレース材料の中断のない供給が、いくつかの所定の支給走路において確保でき、好ましくはピックアンドプレースラインのすべての支給走路において確保できることの実現に基づかれている。これは、ピックアンドプレースライン全体に沿ってのピックアンドプレース材料の連続的な供給を高い信頼性で確保し、ピックアンドプレースラインの望ましくないダウンタイム、または、さらにはピックアンドプレースラインの区域だけの望ましくないダウンタイムを最小限にする。
【0048】
さらなる実施形態によれば、方法は、第1の補充時間および第2の補充時間に基づいて、(i)第1の所定の支給走路においてピックアンドプレース材料を補充すること、および、(ii)第2の所定の支給走路においてピックアンドプレース材料を補充することための時間的な順番を決定するステップをさらに含む。ピックアンドプレースラインにピックアンドプレース材料を供給する物流は、記載されているような少なくとも2つの「補充」の時間的な順番を決定することで最適化することができる。これは、少なくとも1つのロボットを使用するピックアンドプレース材料の自動的な補充だけでなく、少なくとも一人の操作者による手作業の補充にも当てはまる。
【0049】
本発明のさらなる実施形態によれば、決定された時間的な順番は優先度を確立し、その優先度に従って、(第1の所定の支給走路および第2の所定の支給走路からの)ピックアンドプレース材料は、(第1の補充時間および第2の補充時間の)より早期の補充時間が割り当てられる所定の支給走路において初めに補充される。補充の記載されている優先度は、少なくともより早期の補充時間に至るのに時間が掛からない場合、および/または、2つの補充時間が近い場合、ピックアンドプレース材料の信頼できる提供に特に関係する。この場合、迅速さは、より早期の補充時間を逃さないようにするのが非常に重要である。
【0050】
本発明のさらなる実施形態によれば、第1の補充時間は第2の補充時間の前であり、記載されている方法は、(a)ピックアンドプレース材料を第2の所定の支給走路において補充するステップと、その後に、(b)ピックアンドプレース材料を第1の所定の支給走路において補充するステップとをさらに含む。様々な所定の支給走路における対応する補充または補充手順に関する決定された時間的な順番のこの種類の一時的な反転は、具体的には、2つの補充時間に達せられるまで比較的長い時間の期間がなおも掛かる場合に行うことができる。記載されている一時的な反転の1つの利点は、例えば、いくつかの動作の状況において、ピックアンドプレース材料の自動の補充に向けてのロボットについての進行距離、または、ピックアンドプレース材料の補充を手作業で行う操作者の歩く距離が短くできるという事実において見ることができる。これは、具体的には、当該のロボットまたは操作者が、2つの種類のピックアンドプレース材料をそれぞれの所定の支給走路に同時に輸送することができる場合に当てはめることができる。記載されている反転のおかげで、ピックアンドプレース材料の中断のない供給の全体の物流が、少なくともいくつかの動作の状況において、より効率的に実現できる。実際に生じる多くの場合における記載されている一時的な反転のさらなる利点は、ピックアンドプレース領域の前で輸送経路に沿って提供される中間貯蔵所における構成要素担体の望ましくない混雑ができるだけ素早く解消できることでもあり得る。
【0051】
ピックアンドプレース材料の実際の補充について、予測された補充時間に従って、決定された時間的な順番を反転へと変更すること、または、反転から先に記載された優先度へと戻すように変更することは、具体的には、ピックアンドプレース材料の自動の補充のためのロボットがピックアンドプレース材料の(中間の)貯蔵所を離れる前の時間において行うことができることは、指摘されている。いくつかの動作の状況において、時間的な順番は、より後の時点において、つまり、ロボットがすでに支給走路への途中にあるときに、変更することもできる。はっきりと言えば、これは、特定の時間的な順番における変更が、それぞれのロボットに、ピックアンドプレース材料を輸送している間に「進行中の」その経路および/または補充の順序を変更させることを意味する。
【0052】
本発明のさらなる態様によれば、構成要素担体に装着するための少なくとも2つのピックアンドプレースステーションを有するピックアンドプレースラインの少なくとも2つの支給走路においてピックアンドプレース材料を補充するための時間的な順番を決定するための方法であって、各々のピックアンドプレースステーションは、ピックアンドプレース領域と、構成要素担体をバッファリングするための少なくとも2つのバッファ領域とを有し、ピックアンドプレース領域とバッファ領域とは、ピックアンドプレースラインの輸送経路(輸送の所定の方向)に沿って配置され、各々の上流(つまり、輸送の方向の反対)のピックアンドプレース領域は、各々の場合で、2つのバッファ領域のうちの1つに割り当てられる、方法が記載されている。本発明のこの態様によって記載されている方法は、(a)2つのバッファ領域のうちの少なくとも1つの占有状態を検出するステップと、(b)検出された少なくとも1つの占有状態に(とりわけ)基づいて時間的な順番を決定するステップとを含む。
【0053】
この記載されている方法は、輸送経路において上流に配置されるバッファ領域の(他の現在の動作状態の変数に加えての)構成要素担体占有状態が、先の構成要素担体が装着された後に次の構成要素担体が次の(下流の)ピックアンドプレースステーションにおいて開始できるときの重要な指標であることの実現に基づかれている。次の構成要素担体に装着することが開始する時間は、ピックアンドプレース材料の消費に必然的に影響を有し、延いては、ピックアンドプレース材料の望ましくない欠乏を防止し、延いては、少なくとも関連するピックアンドプレースステーションにおいて、ピックアンドプレース動作の中断を防止するために、新たなピックアンドプレース材料が関連する支給走路において遅くとも利用可能にされなければならない時間に必然的に影響を有する。
【0054】
特定の順番は、実際の補充の優先度を決定することができる。しかしながら、先に記載されているように、実際の補充のための特定の時間的な順番は変更または反転させられてもよい。
【0055】
本文書において記載されている技術の意味の中でのバッファ領域は、構成要素担体のための中間貯蔵所の任意の構成であり得る。バッファ領域の構成要素担体占有状態は、例えば、適切な(光学)センサを使用して検出することができる。代替または組み合わせで、現在の成要素担体占有状態が、関連するピックアンドプレースステーションの制御システムによって、具体的には、ピックアンドプレースライン全体の中央制御システムによって、監視および/または制御され、(次に)出力されてもよい。
【0056】
本発明のさらなる実施形態によれば、記載されている方法は、少なくとも2つの支給走路の各々においてピックアンドプレース材料の現在の充填レベルを検出するステップをさらに含み、時間的な順番の決定は、検出された充填レベルにさらに基づかれる。
【0057】
先に記載されているように、充填レベルを検出することは、関連する構成要素支給装置の適切なセンサ、または、関連する構成要素支給装置における適切なセンサによって行うことができる。代替または組み合わせで、充填レベルは、関連するピックアンドプレースステーションまたはピックアンドプレースライン全体の(中央)機械制御システムによって検出することもでき、その(中央)機械制御システムは、ピックアンドプレース動作を制御または調整し、通常は、現在使用されているすべての構成要素支給装置の充填レベルを分かっている。
【0058】
本発明のさらなる実施形態によれば、方法は、(a)現在のバッチ生産のすべての構成要素担体に装着するために、少なくとも2つの支給走路のうちの少なくとも1つの支給走路に割り当てられるピックアンドプレース材料に少なくともよってなおも行われる計画されたピックアンドプレース動作を決定するステップをさらに含む。
【0059】
計画されたピックアンドプレース動作を記載されているように決定するとき、現在のバッチ生産の完了までなおも必要とされるピックアンドプレース動作の数が具体的に決定できる。結果として、ピックアンドプレース材料補充についての時間的な順番は、特に高い信頼性の度合いで決定することができる。例えば、バッチ生産の充填レベルが低く、現在のバッチ生産がほとんど完了しており、現在のバッチ生産にもはや必要とされず、次のバッチ生産にまったく必要とされないピックアンドプレース材料が(次のバッチ生産に切り替わる前に)提供される場合、ピックアンドプレース材料の不必要な補充を回避することが可能である。大まかに言えば、ピックアンドプレース材料のあらゆる不必要な補充を効率的に防止することができる。
【0060】
本発明のさらなる態様によれば、構成要素担体に電子構成要素を自動的に装着するためのピックアンドプレースラインが記載されており、電子構成要素は、各々の場合で、構成要素支給装置を用いて、支給走路におけるピックアンドプレースラインの個々のピックアンドプレースステーションに、ピックアンドプレース材料として支給される。記載されているピックアンドプレースラインは、(数ある中でも)先に記載されている方法のうちの1つを行うために構成(プログラム)されるデータ処理デバイスを備える。
【0061】
記載されているピックアンドプレースラインは、データ処理デバイスがピックアンドプレースラインの理想的な動作についての情報を考慮するだけでなく、ピックアンドプレース材料が少なくとも1つの支給ラインにおいて補充されなければならない時間を予測するために、ピックアンドプレースラインの現在の実際の動作についての情報も考慮することの実現にも基づかれている。現在の現実の動作は、理想化されたピックアンドプレース動作と比較して、理想的なピックアンドプレース動作からの逸脱を引き起こす大きな混乱が多かれ少なかれあるかによって特徴付けられる。これは、選択された支給走路またはいくつかの選択された支給走路について、ピックアンドプレース材料を補充するための時間を、理想的なピックアンドプレース動作についての動作状態だけがピックアンドプレース材料補充時間を予測するために考慮される既知のピックアンドプレースライン(本発明によるデータ処理デバイスがない)で可能な精度より優れた精度で決定することを可能にする。
【0062】
記載されているデータ処理デバイスは、ピックアンドプレースラインの(中央)制御デバイスまたは少なくとも1つのピックアンドプレースステーションの一部であり得る。データ処理デバイスは、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせを用いて実現され得る。
【0063】
本発明の実施形態が本発明の異なる目的を参照して記載されていることは、指摘されている。具体的には、本発明のいくつかの実施形態はデバイスの請求項で記載されており、本発明の他の実施形態は手続き上の請求項で記載されている。しかしながら、本文書を読むとき、他に明確に述べられていない場合、本発明のある種類の目的に属する特徴の組み合わせに加えて、本発明の異なる種類の目的に属する特徴の任意の組み合わせが可能であることは、当業者にはすぐに明らかとなる。
【0064】
本発明のさらなる利点および特徴は、現在好ましい実施形態の以下の例示の記載から発生する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】構成要素支給装置に各々が含まれている構成要素ベルトにおいて保持される構成要素を備える、ピックアンドプレース材料を伴うピックアンドプレースラインの自動化された供給のブロック図である。
【
図2】ピックアンドプレース材料で満たされた構成要素支給装置を中間貯蔵所からピックアンドプレースラインへと移動させるための、および、ピックアンドプレース材料が少なくとも一部で空にされた構成要素支給装置を中間貯蔵所へと戻すように移動させるためのロボットの動作の図である。
【
図3】構成要素担体の中間保管所のためのピックアンドプレース領域およびバッファ領域を各々が有する3つの連続して連結されたピックアンドプレースステーションを伴うピックアンドプレースラインの図である。
【
図4A】ピックアンドプレースラインの理想的な動作における構成要素担体の輸送の図である。
【
図4B】実際において定期的に起こるピックアンドプレースラインの現実の動作における構成要素担体の輸送の図である。
【
図5A】ピックアンドプレースステーションにおいて利用可能なピックアンドプレース材料が(おそらく)使い果たされるときの時間の計算の流れ図である。
【
図5B】次の構成要素担体がピックアンドプレースステーションのピックアンドプレース領域に(おそらく)存在することになるときの時間の計算の流れ図である。
【
図6A】ピックアンドプレースラインの理想的な動作における構成要素担体の輸送の図である。
【
図6B】構成要素担体がピックアンドプレースステーションの前のバッファ領域において混雑させられているピックアンドプレースラインの現実の動作における構成要素担体の輸送の図である。
【
図7A】(構成要素担体の混乱した輸送を伴う)ピックアンドプレースラインの現実の動作について、理想的なピックアンドプレース動作との比較に基づかれた、4つのピックアンドプレースステーションを伴うピックアンドプレースラインのために構成要素支給装置を交換するための順序における感知可能な変更を示す図である。
【
図7B】(構成要素担体の混乱した輸送を伴う)ピックアンドプレースラインの現実の動作について、理想的なピックアンドプレース動作との比較に基づかれた、4つのピックアンドプレースステーションを伴うピックアンドプレースラインのために構成要素支給装置を交換するための順序における合理的な変更を示す図である。
【
図8A】ピックアンドプレースラインの現実の動作について、理想的なピックアンドプレース動作との比較に基づかれた、4つのピックアンドプレースステーションを伴うピックアンドプレースラインのために構成要素支給装置を交換するための順序の合理的な保持を示す図である。
【
図8B】ピックアンドプレースラインの現実の動作について、理想的なピックアンドプレース動作との比較に基づかれた、4つのピックアンドプレースステーションを伴うピックアンドプレースラインのために構成要素支給装置を交換するための順序の合理的な保持を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
以下の詳細な記載において、他の実施形態の対応する特徴または構成要素と同一または少なくとも機能的に同一である異なる実施形態の以下の詳細な記載、特徴または構成要素には、同じ符号が提供される、または、対応する同一もしくは少なくとも機能的に同一の特徴もしくは構成要素の符号の下二桁において同一である符号が提供されることが指摘される。不必要な繰り返しを回避するために、先に記載された実施形態に基づいてすでに説明された特徴または構成要素は、その後においてはもはや詳細に説明されない。
【0067】
さらに、以下の記載されている実施形態が本発明の実施形態の可能な変形のうちの限られた選択だけを描写していることは、留意されている。具体的には、多数の異なる実施形態が、本明細書おいて明示的に記載されている実施形態で当業者にとって明らかに開示されているとして見なすことができるように、個々の実施形態の特徴を適切な手法で組み合わせることが可能である。
【0068】
図1は、電子構成要素を備えるピックアンドプレース材料Cで、ピックアンドプレースライン100の自動化された供給のブロック図である。電子構成要素は、構成要素ベルトにおいて、詳細に示されていない既知の手法で保持されており、いわゆる支給走路において、構成要素ベルトと適切に設計された構成要素支給装置Fとを用いてピックアンドプレース過程へと支給される。ここに示されている実施形態によれば、構成要素ベルトは構成要素支給装置Fの取り上げ領域Aにおいて保持される。構成要素ベルトが電子構成要素の連続的な取り外しによって空にされた場合、当該の構成要素支給装置Fは、まだ使い果たされていない構成要素ベルトの形態での新たなピックアンドプレース材料Cを含む新たな構成要素支給装置Fによって遅くとも交換されなければならない。
【0069】
ピックアンドプレースライン100はいくつかのピックアンドプレースステーションを有する。ここに示されている実施形態によれば、ピックアンドプレースライン100は、2つのピックアンドプレースステーション、すなわち、第1のピックアンドプレースステーションP1と第2のピックアンドプレースステーションP2とを有する。2つのピックアンドプレースステーションP1およびP2は輸送経路Tpを介して互いと連結されており、輸送経路Tpにおいて、
図1に示されていない構成要素担体または印刷回路基板が、輸送の方向Tdに沿って第2のピックアンドプレースステーションP2から第1のピックアンドプレースステーションP1へと移動させられ得る。これは、第2のピックアンドプレースステーションP2が輸送の方向Tdに関して第1のピックアンドプレースステーションP1の上流に配置されることを意味する。したがって、ここに示されている実施形態では、構成要素担体には、初めに、第2のピックアンドプレースステーションP2を用いて既知の手法で電子構成要素のセットが(部分的に)装着され得る。このような部分的な装着の後、構成要素担体には、次に、第2のピックアンドプレースステーションP2を用いて電子構成要素の他のセットが装着され得る。
【0070】
当然ながら、さらなるピックアンドプレースステーションが輸送経路Tpに沿って配置でき、これは、構成要素担体の装着へのさらなる寄与を行うことができる。3つ以上のピックアンドプレース機械を伴う以下に記載されている実施形態では、構成要素担体に装着することは、第3のピックアンドプレースステーションまたは第4のピックアンドプレースステーションで始まる。
【0071】
ピックアンドプレースライン100を用いたピックアンドプレース動作はデータ処理デバイス102によって制御される。データ処理デバイス102は個々のピックアンドプレースステーションP1、P2を直接的に制御することができる。代替または組み合わせで、データ処理デバイス102は、ピックアンドプレースステーションP2、P1の下位のデータ処理デバイスを介して、個々のピックアンドプレースステーションP2、P1によってピックアンドプレース動作を制御するより高いレベルのデータ処理デバイスとすることもできる。
【0072】
ここに示されている実施形態によれば、ピックアンドプレース材料が少なくともほとんど使い果たされている「古い」構成要素支給装置が、ロボットRを用いて、「未使用の」ピックアンドプレース材料を伴う「新たな」構成要素支給装置によって自動的に交換される。ロボットRは、ピックアンドプレース材料で満たされた「新たな」構成要素支給装置を中間貯蔵所120から取り外してピックアンドプレースステーションP2またはP1へと輸送し、そのピックアンドプレースステーションP2またはP1において、ピックアンドプレース材料が少なくともほとんど空にされている関連する「古い」構成要素支給装置Fがピックアンドプレースステーションの支給走路に位置付けられる。関連するピックアンドプレースステーションP2/P1に到着すると、次にロボットRは、「古い」構成要素支給装置Fを、それに割り当てられた支給走路から取り外し、「新たな」構成要素支給装置Fを、ピックアンドプレースステーションP2/P1の関連する支給走路に取り付ける。
図1では、中間貯蔵所120からピックアンドプレースライン100へのロボットRの外側経路が矢印Rfによって指示されている。ピックアンドプレースライン100から中間貯蔵所120への戻り経路は矢印Rbによって指示されている。ロボットRが、いくつかの「新たな」構成要素支給装置Fを外側経路Rfに沿って輸送することもできることは、指摘されている。同じことが戻り経路Rbに当てはまり、戻り経路Rbでは、ロボットRは、いくつかの「古い」構成要素支給装置Fを中間貯蔵所120へと戻すように輸送することができる。
【0073】
図2は、ピックアンドプレースライン100にピックアンドプレース材料を自動的に供給するためのロボットRの動作を示している。ここに示されている実施形態によれば、ピックアンドプレースライン100は、4つのピックアンドプレースステーション、すなわち、第4のピックアンドプレースステーションP4と、第3のピックアンドプレースステーションP3と、第2のピックアンドプレースステーションP2と、第1のピックアンドプレースステーションP1と備える。したがって、輸送経路Tpにおいて輸送の方向Tdに沿って装着される図示されていない構成要素担体の輸送経路は、第4のピックアンドプレースステーションP4から第3のピックアンドプレースステーションP3および第2のピックアンドプレースステーションP2を介して第1のピックアンドプレースステーションP1へと延びる。
【0074】
ロボットRは、ピックアンドプレース材料で満たされた「新たな」構成要素支給装置Fを、図示されている中間貯蔵所120からピックアンドプレースライン200へと移動させる。これは外側経路Rfに沿って行われる。さらに、ロボットRは、ピックアンドプレース材料が少なくともほとんど使い果たされている「古い」構成要素支給装置Fを、ピックアンドプレースライン200から中間貯蔵所120へと戻すように移動させる。これは戻り経路Rbに沿って行われる。ロボットRは、いくつかの支給デバイスFを保持することができるような方法で好ましくは構成される。これは、1回の大きな輸送または動作において、異なるピックアンドプレースステーションP4、P3、P2、およびP1の各々のうちの1つの支給走路において、いくつかの「古い」構成要素支給装置Fを「新たな」構成要素支給装置Fと交換することができることを意味する。
【0075】
図3は、3つの連続して連結されたピックアンドプレースステーションP3、P2、およびP1を伴うピックアンドプレースライン300を示している。3つのピックアンドプレースステーションP3、P2、P1の各々が、ピックアンドプレース領域Paと、構成要素担体PCBの中間保管所のための2つのバッファ領域Pbとを有する。ここに示されている実施形態によれば、2つのバッファ領域Pbの一方は、3つのピックアンドプレースステーションP3、P2、P1の各々において、輸送の方向Tdに沿ってピックアンドプレース領域Paの上流に配置され、2つのバッファ領域Pbの他方はピックアンドプレース領域Paの下流に配置される。
【0076】
図3に示されているピックアンドプレースライン300の動作状態において、構成要素担体PCBの輸送の混雑が、第2のピックアンドプレースステーションP2のピックアンドプレース領域Paの前において起こっている。これは、第3のピックアンドプレースステーションP3によってすでに装着された構成要素担体PCBが第2のピックアンドプレースステーションP2の上流のバッファ領域Pbに位置付けられていることを意味する。これは、第2のピックアンドプレースステーションP2のピックアンドプレース領域Paにおける「以前の」構成要素担体PCBの装着がまだ完了されていないという事実のためである。
【0077】
ここで示されているピックアンドプレースライン300の例示の動作状態によれば、さらなる構成要素担体PCBは第3のピックアンドプレースステーションP3へまだ移動されていない。これは、第3のピックアンドプレースステーションP3のピックアンドプレース領域Paが構成要素担体PCBによってまだ占有されていないことを意味する。
【0078】
図4Aは、ピックアンドプレースライン300の理想的な動作における構成要素担体PCBの輸送を示している。
図4Bは、実際において定期的に起こるピックアンドプレースライン300の現実の動作の間の構成要素担体の輸送を示している。
【0079】
図4Aから見ることができるように、輸送の方向Tdに沿っての構成要素担体材料の流れの視点から、第1の構成要素担体PCB1が、第1のピックアンドプレースステーションP1に位置付けられており、そのピックアンドプレース領域Paにおいて電子構成要素が装着される。第2の構成要素担体PCB2が第2のピックアンドプレースステーションP2において現在装着されており、第3の構成要素担体PCB3が第3のピックアンドプレースステーションP3において現在装着されている。
【0080】
ピックアンドプレースライン300の次のサイクルにおいて、第1の構成要素担体PCB1は、装着されており、第1のピックアンドプレースステーションP1から輸送されている。ここで、第2の構成要素担体PCB2が第1のピックアンドプレースステーションP1に装着されており、第3の構成要素担体PCB3が第2のピックアンドプレースステーションP2に装着されている。さらに、他の第4の構成要素担体PCB4が第3のピックアンドプレースステーションP3に装着される。
【0081】
図4Bに示されているピックアンドプレースラインの動作では、第2のピックアンドプレースステーションP2に構成要素担体がない(構成要素担体材料の流れにおける一時的な混乱のため)。結果として、第1の構成要素担体PCB1が第1のピックアンドプレースステーションP1に装着されており、第2の構成要素担体PCB2が第3のピックアンドプレースステーションP3に装着されている。
【0082】
ピックアンドプレースライン300の次のサイクルにおいて、第1の構成要素担体PCB1は、装着されており、第1のピックアンドプレースステーションP1から輸送されている。第1のピックアンドプレースステーションP1のピックアンドプレース領域Paはここでは何もない。さらに、第2の構成要素担体PCB2は、ここでは第2のピックアンドプレースステーションP2にあり、ここに装着されている。また、ここで第3の構成要素担体PCB3が、第3のピックアンドプレースステーションP3へと輸送されており、第3のピックアンドプレースステーションP3において装着されている。
【0083】
ピックアンドプレースライン300の次の1つのサイクルにおいて、第2の構成要素担体PCB2が第1のピックアンドプレースステーションP1に位置付けられており、第3の構成要素担体PCB3が第2のピックアンドプレースステーションP2に位置付けられている。さらに、ここで第4の構成要素担体PCB4が、第3のピックアンドプレースステーションP3へと輸送されており、装着されている。
【0084】
図5Aは、ピックアンドプレースステーションにおいて利用可能なピックアンドプレース材料が(おそらく)使い果たされるときの時間の計算の流れ図を示している。この計算は、新たなピックアンドプレース材料が(おそらく)いつ必要とされるかを常に知るために、関連するピックアンドプレースステーションのすべての可能な支給走路について、繰り返し行われる。
【0085】
図5Aに示されている計算順序は、「開始」において始まる。ステップS1において、構成要素担体が当該のピックアンドプレースステーションに存在するかどうかについての質問が行われる。存在する場合には、この構成要素担体と、現在のバッチサイズの残りの構成要素担体とに装着するために、関連するピックアンドプレース材料が(おそらく)使い果たされる時間が、ステップS3aにおいて、関連する支給走路のピックアンドプレース材料がなおも必要とされるピックアンドプレース動作の数に基づいて計算される。
【0086】
質問のステップS1が、構成要素担体がピックアンドプレースステーションにおいて現在利用可能ではないことを示す場合、ステップS2は、次の構成要素担体がこのピックアンドプレースステーションのピックアンドプレース領域において(おそらく)いつ利用可能になるかを計算する。この目的のために、ピックアンドプレースステーションの上流に位置付けられる、少なくとも、輸送経路に沿っての1つまたは次の構成要素担体の位置が考慮される。この構成要素担体の利用可能性の計算が行われると、この構成要素担体の利用可能性の計算結果も、先に記載されているステップS3aにおいて考慮される。
【0087】
図5Bは、次の構成要素担体がピックアンドプレースステーションのピックアンドプレース領域に(おそらく)存在することになるときの時間の計算の流れ図を示している。上流のピックアンドプレースステーションの現在の動作状態は、この計算のために考慮される。
【0088】
図5Aおよび
図5Bの比較から分かるように、ステップS1とS2とは、両方の計算順序について同一である。しかしながら、
図5Bの計算ステップS3bでは、現在の当該のピックアンドプレースステーションにおいて構成要素担体に装着するための(期待される)残りの生産時間が報告される。
【0089】
図5Bに示されている計算の順序は、
図5Aに示されている計算の順序の前に行うことができる、または呼び出すことができる。さらに、
図5Bの計算の順序は、例えば、構成要素担体が当該のピックアンドプレースステーションにおいて現在利用可能でない場合、自動的に呼び出すこともできる。
【0090】
図6Aおよび
図6Bは、ピックアンドプレースライン600の理想的な動作(
図6A参照)、または、ピックアンドプレースライン600の現実の動作における構成要素担体PCBの輸送を示している。理想的な動作の間、各々のピックアンドプレースステーションP1、P2、P3にちょうど1つのPCB構成要素担体がある。ここでは図示されていないピックアンドプレースステーションP1、P2、P3のバッファ領域は、占有されていない。
【0091】
図6Bに示されているピックアンドプレースライン600の現実の動作の間、予測されていない混乱が第1のピックアンドプレースステーションP1に起こっている。この種類の混乱は、例えば、機械のフードが開いており、ピックアンドプレースステーションP1におけるピックアンドプレース動作が安全の理由のために中断された場合に起こる可能性がある。結果として、構成要素担体の輸送は、2つの構成要素担体PCBが、第1のピックアンドプレースステーションP1のなおも占有されているピックアンドプレース領域Paの上流で混雑させられるような方法で妨げられており、そのため、2つのピックアンドプレースステーションP1およびP2の各々の1つのバッファ領域が占有されている。
【0092】
図7Aおよび
図7Bは、(構成要素担体の混乱した輸送を伴う)ピックアンドプレースライン700の現実の動作について、理想的なピックアンドプレース動作との比較に基づかれた、4つのピックアンドプレースステーションP1、P2、P3、およびP4を伴うピックアンドプレースライン700のために構成要素支給装置を交換するための順序における合理的な変更を示している。
【0093】
図7Aに示されている理想的なピックアンドプレース動作では、各々のピックアンドプレースステーションP1、P2、P3、P4においてちょうど1つの構成要素担体PCBがある。
図5Aおよび
図5Bに示されている計算処理に基づいて(各々の場合でステップS2なしで)、当該のピックアンドプレース材料は、初めに、第3のピックアンドプレースステーションP3の構成要素支給装置Fの支給走路について時間t1において使い果たされることになり、次に、第2のピックアンドプレースステーションP2の構成要素支給装置Fの支給走路について後の時間t2において使い果たされることになることが、決定されている。結果として、ピックアンドプレース材料の補充は、第3のピックアンドプレースステーションP3の関連する支給走路のためのピックアンドプレース材料が初めに補充され、第2のピックアンドプレースステーションP2の関連する支給走路のためのピックアンドプレース材料が次に補充されるような方法で調整される。
【0094】
図7Bに示されている現実のピックアンドプレース動作では、構成要素担体の輸送は、第3のピックアンドプレースステーションP3のピックアンドプレース領域Paが占有されないような方法で混乱させられる(混乱させられた)。結果として、最初に、時間t1において第2のピックアンドプレースステーションP2の関連する支給走路においてピックアンドプレース材料を再充填し、次に第3のピックアンドプレースステーションP3の関連する支給走路においてピックアンドプレース材料を再充填することが、ここでは理にかなっている。
【0095】
記載されている実施形態によれば、構成要素材料による補充は、構成要素材料が少なくとも部分的に空となっている「古い」構成要素支給装置を、新たなピックアンドプレース材料を含む「新たな」構成要素支給装置と交換することで、先に記載されているように行われる。構成要素支給装置は、好ましくは、ロボットを使用して自動的に交換される。
【0096】
図8Aおよび
図8Bは、ピックアンドプレースライン800の理想的なピックアンドプレース動作(
図8A参照)との比較に基づいて、ピックアンドプレースライン800の現実の動作について(
図8B参照)、4つのピックアンドプレースステーションP1、P2、P3、およびP4を伴うピックアンドプレースライン800に関する、構成要素支給装置の交換のための、または、ピックアンドプレース材料の補充のための時間的な順番の合理的な保持を示している。
【0097】
明確には、ここに示されている実施形態によれば、それぞれのピックアンドプレース材料は、初めに、第1のピックアンドプレースステーションP1の構成要素支給装置Fの支給走路について時間t1において使い果たされることになり、次に、第4のピックアンドプレースステーションP4の構成要素支給装置Fの支給走路について後の時間t2において使い果たされることになることが、
図5Aおよび
図5Bに示されている計算順序に基づいて(各々の場合でステップS2なしで)、決定されている。結果として、ピックアンドプレース材料の補充は、第1のピックアンドプレースステーションP1の関連する支給走路のためのピックアンドプレース材料が初めに補充され、第4のピックアンドプレースステーションP4の関連する支給走路のためのピックアンドプレース材料が次に補充されるような方法で調整される。
【0098】
図8Bに示されているピックアンドプレースライン800の状態では、2つのピックアンドプレースステーションP2およびP3のピックアンドプレース領域Paは、構成要素担体の混乱した輸送のため、(不幸にも)何もないままであった。それでもなお、
図5Aおよび
図5Bの計算順序(計算ステップS2を含む)は、数ある中でも、この場合、ピックアンドプレースライン800全体におけるピックアンドプレース材料の中断のない供給を確保するために、ピックアンドプレース材料の補充の順番を変更することが理にかなっていないことを示している。
【0099】
「~を有する」という用語が他の要素を排除しないことと、「1つ(oneまたはa)」という言葉が複数を排除しないこととは、留意されている。異なる例示の実施形態との関連で記載されている要素は、組み合わせることもできる。請求項における符号が請求項の範囲を限定するとして解釈されるべきではないことも、留意されている。
【符号の説明】
【0100】
100 ピックアンドプレースライン
102 データ処理デバイス
120 中間貯蔵所
P1 第1のピックアンドプレースステーション
P2 第2のピックアンドプレースステーション
Tp 輸送経路
Td 輸送の方向
F 構成要素支給装置
A 取り上げ領域
C ピックアンドプレース材料/構成要素ベルト/電子構成要素
R ロボット
Rf 外側経路
Rb 戻り経路
200 ピックアンドプレースライン
P3 第3のピックアンドプレースステーション
P4 第4のピックアンドプレースステーション
300 ピックアンドプレースライン
Pa ピックアンドプレース領域
Pb バッファ領域
PCB 構成要素担体
PCB1 第1の構成要素担体
PCB2 第2の構成要素担体
PCB3 第3の構成要素担体
PCB4 第4の構成要素担体
S1 第1のステップ(質問)
S2 第2のステップ(計算)
S3a/b 第3のステップ(計算) 600 ピックアンドプレースライン
700 ピックアンドプレースライン
800 ピックアンドプレースライン t1、t2 「構成要素支給装置が空になる」ための時間
【外国語明細書】