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特開2024-144340配置構成が改良された吸気インタークーラを備える自動車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144340
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】配置構成が改良された吸気インタークーラを備える自動車両
(51)【国際特許分類】
   F02B 29/04 20060101AFI20241003BHJP
   B60K 11/02 20060101ALI20241003BHJP
   B60K 11/06 20060101ALI20241003BHJP
   B60K 13/02 20060101ALI20241003BHJP
   B62D 35/02 20060101ALI20241003BHJP
   F02B 39/00 20060101ALI20241003BHJP
   F02M 35/16 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F02B29/04 K
B60K11/02
B60K11/06
B60K13/02 C
B62D35/02
F02B39/00 T
F02M35/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024051342
(22)【出願日】2024-03-27
(31)【優先権主張番号】102023000005865
(32)【優先日】2023-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519463178
【氏名又は名称】フェラーリ エッセ.ピー.アー.
【氏名又は名称原語表記】FERRARI S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Emilia Est, 1163, 41100 MODENA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(72)【発明者】
【氏名】ファブリツィオ・ファヴァレット
【テーマコード(参考)】
3D038
3G005
【Fターム(参考)】
3D038AA10
3D038AB01
3D038AC01
3D038AC23
3D038BB01
3D038BC01
3D038BC15
3D038BC19
3G005EA04
3G005EA14
3G005FA51
3G005FA54
(57)【要約】
【課題】エンジン動作のための補機類の適切な構成を決めることによって空力的に改良された車両の設計を行うこと。
【解決手段】自動車両は、内燃エンジン(3)と、吸気マニホールドおよび吸気マニホールドに空気を運ぶための少なくとも1つの吸気ライン(34)を有する吸気アセンブリ(29)と、を備え、吸気ライン(34)は、吸気マニホールドに運ばれる空気の圧力を高めるように構成された圧縮アセンブリ(37)と、圧縮アセンブリ(37)の下流側の少なくとも1つのインタークーラ(39)と、を有し、圧縮アセンブリ(37)は車両のロール軸に沿って内燃エンジン(3)の背後に配置され、インタークーラ(39)が空気/液体タイプのものであり、圧縮アセンブリ(37)と並列に配置されることを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクケース(117)および前記クランクケース(117)内の複数のシリンダ(118)を有する内燃エンジン(3)と、
前記シリンダ(118)と連通する吸気マニホールドと、前記吸気マニホールドに空気を運ぶように構成された少なくとも1つの吸気ライン(34)と、を備える吸気アセンブリ(29)と、
を備える自動車両であって、
前記吸気ライン(34)が、前記吸気マニホールドに運ばれる空気の圧力を高めるように構成された圧縮アセンブリ(37)と、前記圧縮アセンブリ(37)の下流側に少なくとも1つのインタークーラ(39)と、を備え、
前記圧縮アセンブリ(37)が、前記自動車両のロール軸に沿って前記内燃エンジン(3)の背後に配置された自動車両において、
前記インタークーラ(39)が空気/液体タイプのものであり、前記圧縮アセンブリ(37)と並列に配置されることを特徴とする自動車両。
【請求項2】
前記圧縮アセンブリ(37)が、特に、ロール軸と平行な方向に沿って、前記内燃エンジン(3)と位置合わせされた、請求項1に記載の自動車両。
【請求項3】
追加の空気/液体タイプのインタークーラ(39)をさらに備え、前記圧縮アセンブリ(37)が自動車両のピッチ軸に沿って前記インタークーラ(39)の間に配置された、請求項1または2に記載の自動車両。
【請求項4】
複数の車輪(2)と、前記内燃エンジン(3)を前記車輪(2)と連結するように構成された動力伝達装置と、をさらに備え、前記動力伝達装置が、前記ロール軸に沿って前記内燃エンジン(3)と位置合わせされたギアボックス(4)であって、前記内燃エンジン(3)の背後に配置されたギアボックス(4)を備え、前記インタークーラ(39)が前記ギアボックス(4)と並列に配置された、請求項1から3のいずれか一項に記載の自動車両。
【請求項5】
前記インタークーラ(39)の少なくとも1つの部分が前記ギアボックス(4)の上方に配置された、請求項4に記載の自動車両。
【請求項6】
前記圧縮アセンブリ(37)が前記ギアボックス(4)の直上に配置された少なくとも1つの部分を有する、請求項4または5に記載の自動車両。
【請求項7】
前記圧縮アセンブリ(37)が前記内燃エンジン(3)に連結され、前記内燃エンジン(3)が使用時に前記圧縮アセンブリ(37)を駆動するようにされた、請求項1から6のいずれか一項に記載の自動車両。
【請求項8】
前記内燃エンジン(3)が、前記クランクケース(117)に結合されたシリンダヘッド(121)であって、特に、前記シリンダ(118)を下から閉ざすように前記クランクケース(117)の下に配置されたシリンダヘッド(121)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の自動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、参照により開示全体が本明細書に組み込まれる2023年3月28日出願のイタリア国特許出願第102023000005865号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、内燃エンジンと、エンジンの吸気を冷却するためのインタークーラの特有の配置構成と、を備える自動車両に関する。
【背景技術】
【0003】
自動車両市場では、たとえば、性能、運転の喜び、効率などの向上などを目的とした技術改良が常に追求されている。
【0004】
それだけにとどまらず、技術改良では、重量、サイズおよびコストの削減も同時に、またはひたすらそれこそが目指される場合もある。
【0005】
そうした改良の中でも主要な、または特に求められる側面のひとつが車両の空力の全般的な改良である。
【0006】
その種の改良を果たすに当たり、車両メーカーはシャーシや車体の再設計を試みるのが通例である。
【0007】
一方、シャーシの形状や構造の変更の可能性は、車両の駆動系の動作に必要な機器のことを特に考えた場合、全体寸法の正当かつ効率的な配分の要件としばしばぶつかり合う。
【0008】
駆動系が内燃エンジンである場合、シャーシによって決定される利用可能な体積内に設置される機器には、エンジン本体に加え、歯車箱、タンク、吸気装置、排気装置、配電装置が少なくとも含まれ、好ましくは、さらにエンジン出力増強のための機器が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、空力的に改良された車両の設計を行うこと、特にエンジン動作のための補機類の適切な構成を決めることによってそれを行う必要性がある。
【0010】
本発明の目的の1つは、そのような要件を満たすこと、好ましくはシンプルで信頼性のある形でそれを満たすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
その目的は請求項1に規定する自動車両によって果たされる。
【0012】
従属請求項は本発明の具体的な実施形態を規定する。
【0013】
以下では、本発明のよりよい理解を目的に、添付の図面を参照しながら限定的でない例として本発明の1つの実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明による自動車両の斜視図である。
図2図1の自動車両の後部の斜視図であって、拡大した縮尺による斜視図である。
図3図2の後部を後方から見た斜視図である。
図4】自動車両1のタンクアセンブリについて、少なくとも一部分をカットアウェイ図で表した斜視図であって、さらに拡大した縮尺による斜視図である。
図5図2の後部の側面図である。
図6図2の後部を下から見た斜視図である。
図7】タンクアセンブリの配置を強調するために一部パーツを取り外した図2の後部の正面図である。
図8】タンクアセンブリの側面図である。
図9】わかりやすくするために一部パーツを取り外してタンクアセンブリ下方の詳細を示した斜視図である。
図10図1の自動車両の内燃エンジンの構成品の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1では、内燃エンジン3からトルクを与えられる2つの後輪2、特に駆動輪、を備える自動車両全体を表すために符号1が使用されている。
【0016】
図1には、それぞれが自動車両1のロール軸、ピッチ軸およびヨー軸に相当するX、Y、Zの各軸からなる直交座標系が示されている。X軸は自動車両1の移動方向と一致し、Y軸は水平でX軸と直交し、Z軸はX、Y両軸と直交する。
【0017】
エンジン3は、ギアボックス4および、好ましくは既知のタイプの差動装置(図示せず)を備える動力伝達装置によって車輪2に連結される。
【0018】
自動車両1は、シャーシ6、およびシャーシ6によって支えられてとりわけ自動車両1の外面を画定するボディワーク7をそれ自体が有する車体5をさらに備える。
【0019】
自動車両1は、自動車両1が、その使用時、走行する道路と向かい合う表面をもつボトム8をさらに備える。
【0020】
エンジン3は、たとえば、ガソリン、軽油、合成燃料などを含む、様々なタイプの燃料を、好ましくはその燃料が通常、液体の状態である限り、その動力源とすることができる。明瞭さを期して付言すれば、用語「通常」とは、周囲温度および雰囲気圧力の条件に関していうものである。
【0021】
燃料を収容するため、自動車両1は、エンジン3のそれぞれの側、とりわけエンジン3の前方またはエンジン3の前面に配置された2つのタンク10をさらに備える。
【0022】
明瞭さを期して付言すると、前、後、前方、後方、背後などの用語は使用時の自動車両1の移動方向に関していうものである。
【0023】
そのため、内燃エンジン3は、自動車両1のピッチ軸に沿ってタンク10間に配置される。より詳細には、内燃エンジン3は、ピッチ軸に沿ってタンク10間に直接配置される。つまり、ピッチ軸沿いには、内燃エンジン3とタンク10との間にそれ以外の構成要素が挟み込まれることはない。
【0024】
タンク10はシャーシ6によってシャーシ6に対して固定位置に保持される。
【0025】
好ましくは、タンク10のうちのその少なくとも1つは、水平面、より正確には、ロール軸または自動車両1の移動方向を含む水平面、すなわち、自動車両1のヨー軸と直交する平面に沿って概ね三角形または台形の形状をもつ少なくとも1つの断面を有する。
【0026】
たとえば図面からもうかがえるように、ここで用語「概ね」とは、厳密な形状に対して技術的に類似するものの、一方で、たとえば、面取りされた頂角、つながれた縁部、1つまたは複数の縁部の代わりのやや曲線的な部位、1つまたは複数の縁部の一部のわずかな不規則な部分、局所的な凹部等々が含まれる形状を含意する。
【0027】
上述の断面の形状は絞り込まれ、より詳細には、自動車両1の後部に向けて絞り込まれる。
【0028】
好ましくは、両方のタンク10は、ヨー軸と直交する断面に沿って絞り込まれた形状の断面をそれぞれ有しており、さらに詳細には、それぞれの断面は自動車両1の後部に向けて絞り込まれる。
【0029】
具体的には、シャーシ6は、セル6bを形成する部位、特に後部部位を有しており、その部位がエンジン3を収容する区画、すなわち自動車両1のエンジンコンパートメントを画定する。
【0030】
セル6bは、ロール軸と直交する2つの平面上に概ね延びるグリッドまたはバックボーンを形成するビーム6cを備えており、その2つの平面が台形形の底辺部を実際上形成し、2つの理想表面に台形形の斜辺部が実際上形成されることで、セル6bは概ね台形の形を有する。
【0031】
台形形の短底辺部は長底辺部に対して後方になる。
【0032】
理想表面、すなわち斜辺部は好ましくは湾曲し、その凹面が自動車両1の外側を向く。
【0033】
凹面は後輪2でロール軸に向かう最大の凹みとなる区域をそれぞれ有する。
【0034】
それにより、車体5は、セル6bの斜辺部と後輪2との間のそれぞれの側面空力チャネル12を形成する。
【0035】
より一般的には、斜辺部はロール軸の方へ収束する傾向を有しており、それによって斜辺部自体と後輪2との間に側面空力チャネル12を形成する。
【0036】
実際問題として、斜辺部はたとえば平坦であることも可能である。
【0037】
つまり、後部に向けて車体5が絞られるか、または斜辺部が絞られ、それによって側面空力チャネル12が形成される。
【0038】
具体的には、セル6bは自動車両1のヨー軸、すなわち鉛直軸と直交する平面上に上部グリッド構造6dを有する。
【0039】
上部グリッド構造6dは上のエンジンコンパートメントの境界を画定し、ピッチ軸と平行な2つのクロスビーム11と、セル6bの斜辺部に延びてクロスビーム11とともに台形を基本的に形成する2つのビーム13と、を備える。
【0040】
さらに、上部グリッド構造6dは、2つの斜向ビーム14であって、クロスビーム11の1つ、とりわけ最も手前の1つの中間ゾーンから分岐し、ビーム13と他方のクロスビーム11との交点によって形成されるそれぞれの頂点で終わる斜向ビーム14を備える。
【0041】
それによって、斜向ビーム14は、上で3つの三角形の区域にそれぞれ境界を画定されたエンジンコンパートメントの3つの部分に相当する3つの三角形の区域の境界を画定する。エンジンコンパートメントの3つの部分は、三角形の、より詳細には三角形の底面をもつプリズム様の形状を有する。
【0042】
エンジンコンパートメントの3つの部分のうち、中央の1つはエンジン3を受け、その他はタンク10をそれぞれ受ける。
【0043】
とりわけ、両タンク10は、少なくとも対応する2つの三角形の区域を完全に占有し、好ましくはエンジンコンパートメントの2つの部分すべてを占有する。
【0044】
好ましくは、両タンク10は、ピッチ軸に関して同一または類似の幅を有し、ロール軸に関して同一または類似の深さを有する。
【0045】
さらに、両タンク10はヨー軸に沿って異なる高さを有する。
【0046】
そこで、タンク10のうち高い方を第1のタンク、もう一方を第2のタンクとする。
【0047】
第1のタンクは、第2のタンクの内部容積10bと同等以上の高さをもつ部位10aを備える内部容積を有するか、または画定し、さらに、第1のタンクの内部容積は部位10aと直接連通する部位10cを部位10aの下に備える。
【0048】
つまり、両タンク10は同じ高さまたは地上高レベルをもつ上端をそれぞれ有している一方、第1のタンクは第2のタンクの下端よりも低い高さまたは地上高レベルをもつ下端を有している。
【0049】
さらに別の言い方をすれば、部位10a、10cの間の境界は、第2のタンクまたはその内部容積10bの底の高さもしくは地上高と同様、ヨー軸に沿って同じ高さまたは同じ地上高に配置される。
【0050】
なお別の言い方をすれば、第2のタンクは部位10cよりも上に、すなわち部位10cよりも上の高さまたは地上高レベルを有するゾーンまで延びる。
【0051】
実際においては、部位10cは第1のタンクの「補助タンク」を画定する。
【0052】
両タンク10は互いに連通しており、自動車両1は両タンク10を連通させる管15を備える。
【0053】
管15は部位10aと第2のタンクの内部容積10bとに2つの開放端をそれぞれ有している。言葉を換えれば、管15の両端部は第1の部位10aおよび内部容積10bとそれぞれ直接連通する。
【0054】
管15は、ヨー軸と直交する平面全体に延びることができる軸を有する。
【0055】
あるいは、管15の2つの端部の各々はヨー軸と直交する平面に対して多少下方に傾斜することができる。ここで、用語「多少」とは20°未満、より好ましくは10°未満である傾斜をいう。
【0056】
後者の場合、管15の軸はヨー軸と直交する平面内に延びる中間部をもつことができる。たとえば、管15の端部または傾斜した端部は、中間部からそれぞれのタンク10の方へ直接延びる。
【0057】
一般に、管15は、ピッチ軸と平行な直線軸をもつ中間部を有することができる。具体的には、その中間部は、自動車両1の移動方向に沿ってタンク10に対して前方に配置される。
【0058】
図8はピッチ軸と直交する断面上の第1のタンクの断面図を示したものである。図8で見ることができる管15の端部は外形16で終わっているが、断面に対するその投影はヨー軸と直交する平面に対して傾斜しており、下向きになっている。
【0059】
換言すれば、管15の端部は、第1のタンクの底に向き合う入口開口で終わっており、すなわち、部位10cと向き合うか、または下向きになっているが、開口は部位10aと直接連通する。
【0060】
自動車両1は、図示していない既知の供給ラインを経由するなどして、タンク10から燃料を引いてエンジン3に燃料を供給するための1つまたは複数のポンプ17を備える。
【0061】
好ましくは、ポンプ17はすべて部位10c内に、より正確には部位10c、すなわち第1のタンクの底に配置される。
【0062】
図8を見るとわかるように、部位10cは第1のタンクの1つの部位、すなわちシェル20によって外形を画定されている。同様に、部位10aは、第1のタンクの別の部位、すなわちシェル20cによって境界を画定されている。
【0063】
一方、部位20は、ロール軸に沿って部位20の他の部分に対して前方に、すなわち自動車両1の前部の方へ突き出た端部20bを備える。
【0064】
そのため、端部20bは、ロール軸に沿って部位20cに対して前方に、すなわち自動車両1の前部の方へ突き出る。
【0065】
端部20bは、第1のタンクの底の一部を形成する下部壁21と、その下部壁21に対向する上部壁22と、を備える。
【0066】
上部壁22は、上に延びる壁23に対してロール軸沿いに片持ちで突き出る。壁23は端部20bの一部であることができるが、それは必要条件ではない。より一般的には壁23は第1のタンクの一部であり、部位10cのゾーンの代わりに、またはそれに加えて部位10aのゾーンの境界を画定することができる。
【0067】
好ましくは、上部壁22は、その直下に配置されたポンプ17の1つを点検するための開口を備える。
【0068】
上述の開口の有無にかかわらず、壁23は、端部20bによって境界を直接画定されない部位10c、すなわち部位20の端部20b以外のゾーン内に、すなわち部位10aの直下に配置されたもう1つのポンプ17を点検するためのもう1つの開口を有する。
【0069】
第1のタンクは、ポンプ17を点検するための壁22、23の開口を閉ざすカバー24、25であって、必要に応じて手動で開けることができるカバー24、25を備える。
【0070】
端部20bによって境界を画定されて部位10cの一部分を形成する容積は、自動車両1の移動方向から見て部位10aよりも前進した位置に配置される。
【0071】
ポンプ17、詳細には壁22、23の開口によって点検することができるポンプ17は、ロール軸に従って位置合わせされ、詳細には第1のタンクの底または部位10cに位置することが好ましい。
【0072】
より詳細には、すべてのポンプ17はロール軸と平行な単一の直線軸に沿って位置合わせされる。
【0073】
自動車両1は、具体的には第1のタンク内に1つまたは複数のフロート26と、フロート26の位置を決定するように構成されたそれぞれの検出装置27と、を備える。
【0074】
フロート26および関連する検出装置27の機能および構造的な特徴は周知のものであり、詳しくは説明しない。
【0075】
好ましくは、すべてのフロート26は第1のタンク内に配置される。
【0076】
そのため、自動車両1は第2のタンク内にはポンプおよび/またはフロートをもたない。つまり、第2のタンクの中にポンプおよび/またはフロートは含まれない。
【0077】
より詳しくは、第2のタンクはその中にいかなるタイプの装置も含んでおらず、すなわち、第2のタンクは、当然のことながら環境中に通常存在する空気は別として、燃料だけを排他的に含むように適合されている。
【0078】
図5に示されているところによれば、内燃エンジン3はクランクケース117を備え、そこに複数のシリンダ118を得る。
【0079】
必須ではないが、好ましくは、シリンダ118は一列に、すなわち1つの直線軸に沿って整列され、具体的にはロール軸と平行に、また、より正確にはロール軸と一致するように配置される。これは、そのような方法をとることによってエンジン3の横断方向のサイズを小さくすることができ、それによってとりわけタンク10のためにより多くのスペースを空けることができるためである。添付の図面に示した実施形態では、直列6気筒118が設けられているが、言うまでもなく、シリンダ118の数および配列はそれとは異なるものであってよい。
【0080】
各々のシリンダ118は、それぞれの燃焼室と、燃焼によって発生した力をクランクシャフト120自体に伝達するために(それぞれのコネクティングロッドによって)クランクシャフト120と機械的に連結されたそれぞれのピストン119と、を備える。
【0081】
シリンダヘッド121は、クランクケース117に結合(連結)され、とりわけシリンダ118の天蓋部(すなわち、シリンダ118を閉じる蓋、特に「フレームプレート(flame plate)」)を形成する。シリンダ118が直列に構成される場合は単一のシリンダヘッド121が設けられ、シリンダ118がV型構成の場合には2つのシリンダ118バンクのためにツイン型シリンダヘッド121が設けられる。
【0082】
クランクケース117とシリンダヘッド121とをあわせたセットは内燃エンジン3のシリンダブロックを形成する。
【0083】
シリンダヘッド121は、クランクケース117に収められたシリンダ118を閉ざすように構成される。
【0084】
添付の図面に示された実施形態では、内燃エンジン3は長手方向に配置されて(向けられて)おり、すなわち、クランクシャフト120は長手方向に配置され(向けられ)、すなわちロール軸に対して平行に配置されて(向けられて)おり、この方法をとることにより、内燃エンジン3の横断方向の設置面積を減らすことができ、それによってとりわけタンク10のためにより多くのスペースを空けることが可能となる。図示されていないその他の実施形態によれば、内燃エンジン3は横断方向に配置され(向けられ)、すなわち、クランクシャフト120がピッチ軸と平行な向きになるように、配置される。
【0085】
添付の図面で示した実施形態では、内燃エンジン3はロール軸に沿って中央および/または後方位置に配置される。すなわち、内燃エンジン3は自動車両1の乗員室(図示せず)の背後に配置されて乗員室と後輪2との間に位置(添付の図面に示されたような中央配置)するか、または後輪2を越えた先に位置(図示されていない後方配置)する。
【0086】
さらに、添付の図面に示された実施形態では、内燃エンジン3はピッチ軸沿いの中央位置、すなわちロール軸沿いに配置される。
【0087】
各々のシリンダ118は、ベルト駆動機構124(図10)によってクランクシャフト120から動作を得るカムシャフト123によって制御される2つの吸気バルブを備える。ベルト駆動機構124の代替手段として、チェーン駆動または歯車駆動など、別タイプの駆動機構を用いることもできる。さらに、各々のシリンダ118は、ベルト駆動機構124によってクランクシャフト120から動作を得るカムシャフト126によって制御される2つの排気バルブを備える。吸気バルブ、排気バルブおよびそれらに対応する制御手段であって、戻しばねおよびカムシャフト123、126を含む周知の制御手段はシリンダヘッド121内に収容される。
【0088】
各々のシリンダ118は、シリンダ118内に燃料を周期的に噴射するように構成された(少なくとも)1つのインジェクタ127(概略図で示す)をさらに備える。
【0089】
インジェクタ127は、前述の供給ラインを通してポンプ17による供給を受ける。
【0090】
シリンダ118における燃料噴射は、一般性を失うことなく、直接的であることも、一部または全面的に間接的であることもできる。
【0091】
各々のシリンダ118は、燃焼室内に存在する空気(燃焼剤)と燃料との混合物の発火を、詳細には圧縮段階の最後に、トリガするために周期的に起動されるように適合された少なくとも1つの点火装置、すなわちスパークプラグ(図示せず)をさらに備える。
【0092】
添付の図面で示されているところによれば、内燃エンジン3は、シリンダ118よりクランクシャフト120が高くされた配置で鉛直向きにされる。つまり、内燃エンジン3は、シリンダ118が上に、クランクシャフト120が下に来るようにされる従来型の配置とは「上下逆さま」に配置される。
【0093】
シリンダ118の天蓋部を形成するシリンダヘッド121はクランクケース117の下に配置され、詳細には内燃エンジン3の最下部をなす。
【0094】
換言すれば、シリンダヘッド121は、使用時、自動車両1が移動する道路の方を向く。
【0095】
シリンダヘッド121はシリンダ118を底部から、または下方向から閉ざす。
【0096】
自動車両1は、外部環境から空気を引き込み、引き込んだ空気を内燃エンジン3のシリンダ118内に運ぶように構成された吸気アセンブリ29を備える(シリンダ118内への空気の流入は前述の吸気バルブによって調整される)。
【0097】
吸気アセンブリ29はすべてのシリンダ118と連通する吸気マニホールドを備え、好ましくは、吸気マニホールドへの空気の流入はスロットルバルブによって調整される。
【0098】
さらに、自動車両1は、内燃エンジン3のシリンダ118から外部環境へ排気ガスを排出するように構成された排気アセンブリ32を備える。
【0099】
排気アセンブリ32は、とりわけ、たとえば既知のタイプの触媒(図示せず)を含むものなど、(少なくとも)1つの排気ガス処理装置33を備える。
【0100】
図2および図3に示したところによれば、吸気アセンブリ29は2つの吸気ライン34、特に自動車両1の両側に配置された2つの吸気ライン34を備える。
【0101】
ライン34は吸気マニホールドに空気を運ぶように構成される。
【0102】
ライン34は、それに対応する空気取入れ口35、特に車体7を貫いて設けられる空気取入れ口35によって画定されるそれぞれの端部を備える。
【0103】
各々のライン34は、空気取入れ口35自体を通して吸い込まれる空気をろ過するための空気フィルタ36をそれぞれの空気取入れ口35に備えることが好ましい。
【0104】
各々の吸気ライン34は、吸気マニホールドに運ばれる空気の圧力を高めてシリンダ118の体積効率が上がるように構成されたコンプレッサ装置37をさらに備える。
【0105】
各々の吸気ライン34は、関連するコンプレッサ装置37の下流側にそれぞれ対応するインタークーラ39を備える。
【0106】
つまり、インタークーラ39はコンプレッサ装置37と吸気マニホールドとの間の吸気ライン34に配置される。
【0107】
さらに、吸気ライン34は、単一吸気ダクト40のインタークーラ39の下流側で、詳細には内燃エンジン3の直上で、終端する。
【0108】
一方、その吸気ダクト40は吸気マニホールド30に連結され、または連通する。
【0109】
吸気ダクト40は不可欠なものではなく、そのため、吸気ライン34は吸気マニホールド内で直接終端してもよい。
【0110】
あるいは、インタークーラ39は、今し方説明した実施形態のように平行ではなく、直列に配置されていてもよい。その場合、吸気ライン34はコンプレッサ装置37で終端し、一方、吸気ダクト40は直列のインタークーラ39を通ってコンプレッサ装置37の両方の圧縮空気出口を吸気マニホールドに連結する。
【0111】
好ましくは、コンプレッサ装置37はインタークーラ39の間にピッチ軸に沿って配置される。つまり、インタークーラ39は、コンプレッサ装置37によって画定される圧縮アセンブリのそれぞれ反対側に、詳細にはピッチ軸沿いの反対側に位置する。
【0112】
自動車両1がコンプレッサ装置37を1つだけ備える場合、圧縮アセンブリはそのコンプレッサ装置37によって画定される。また、その場合、関連するインタークーラ39は圧縮アセンブリと、詳細にはピッチ軸に沿って、すなわち、圧縮アセンブリの側方に、詳細にはピッチ軸沿いの最も外側に、並列に配置されることになる。
【0113】
インタークーラ39の1つまたは両方は空気/液体タイプ、特に空気/水タイプのものである。
【0114】
それは、より詳細には、インタークーラ39の一方またはそれぞれが、空気のための第1のダクト(図示せず)であって、吸気ライン34に属する第1のダクトと、冷却材、特に水のための第2のダクト(図示せず)であって、自動車両1の冷却回路(図示せず)に属する第2のダクトと、を備えることを意味する。
【0115】
第1のダクトと第2のダクトとは互いに熱的に接触するように配置され、それによって第2のダクトを通る冷却材が、コンプレッサ装置37によって圧縮されて第1のダクトを通る空気から熱を奪う。
【0116】
冷却回路は第2のダクトに冷却材を循環させるように構成される。詳細には、冷却回路は、第2のダクトを通る冷却材から自動車両1の外部の空気に熱を伝えるように構成されたラジエータまたは熱交換器を備える。
【0117】
そのため、インタークーラ39は、それと同等の空気/空気タイプのインタークーラよりも小さなサイズのものとすることができる。そこで、インタークーラ39は、コンプレッサ装置37によって画定される圧縮アセンブリの側面に配置することで、ピッチ軸沿いのインタークーラ39およびコンプレッサ装置37の外形寸法は最小化される。それにより、自動車両1の後部でシャーシ6を最大限絞り込むことができるようになり、空力チャネル12を効果的に形成することができる。
【0118】
図9に示されているところによれば、排気アセンブリ32は、内燃エンジン3のシリンダ118から排気ガスを受けるように配置された排気ダクト41を備える。
【0119】
排気ダクト41は、シリンダ118に発して排気ダクト41の入口を終端とするそれぞれの流路によってシリンダ118に連結される。
【0120】
排気ダクト41は、1つまたは複数の直列に配置された排気ガス処理装置33を備える。
【0121】
排気ガス処理装置33の下流側では、排気ダクト41は出口開口46に開口する単一の管で終わることが好ましい。図示していない他の実施形態では、排気ダクト33はそれぞれの出口開口46に開口する複数の管で終わることができる。
【0122】
好ましくは、設けられるすべての出口開口46はシャーシ6のセル6bの斜辺部のいずれか1つに配置される。
【0123】
つまり、出口開口46は自動車両1の片側だけに非対称に配置され、その位置は自動車両1の同じ側の後輪2と前輪2bとの間である。
【0124】
詳細には、出口開口46は車体7の一方の側面を貫いて設けられる。
【0125】
好ましくは、ギアボックス4はロール軸に沿って内燃エンジン3と位置合わせされ、内燃エンジン3の背後に配置される。詳細には、ギアボックス4は内燃エンジン3のエンジンブロック(クランクケース117およびシリンダヘッド121)の上部位と位置合わせされる。つまり、ギアボックス4はクランクケース117の上部と位置合わせされる。
【0126】
より詳細には、ギアボックス4は、既知のタイプのものであり、たとえば歯車、および/またはデュアルマスフライホイール等を備える図示しないトランスミッションによって駆動シャフト120と連結された少なくとも1つのプライマリシャフト(図示せず)を備える。
【0127】
ギアボックス4は、後部の方へ絞り込まれた形状のアウターケーシング73を備えており、ケーシング73の高さは前から後ろに向かうにつれて次第に低くなる。つまり、ケーシング73の前方壁の高さはケーシング73の後方壁よりも高い。
【0128】
詳細には、ケーシング73には壁74があり、その下は絞り込まれたケーシング73の形状のためにロール軸に対して傾斜している。
【0129】
さらに、図3を見るとわかるように、インタークーラ39はギアボックス4のそれぞれの側に(つまり、ギアボックス4のケーシング73の両側に)配置される。言い方を換えれば、各々のインタークーラ39はギアボックス4のそれぞれ1つの側に独立して配置され、ピッチ軸沿いにギアボックス4に対して少なくとも部分的に位置合わせされる。
【0130】
さらに、インタークーラ39は、好ましくはギアボックス4の上方に(すなわち、ギアボックス4のケーシング73の上方に)配置される。より詳細には、インタークーラ39の少なくとも1つの部位はギアボックス4またはそのケーシング73よりも高く、またはそれより上の地上高に配置されるが、インタークーラ39全体がギアボックス4またはそのケーシング73よりも高くある必要はない。ただし、図示されていない実施形態ではそのようなものであってもよい。
【0131】
図示されている実施形態によれば、2つのコンプレッサ装置37、特に対をなすか、または同一のコンプレッサ装置37を備える圧縮アセンブリは、エンジン3のエンジンブロック(クランクケース117およびシリンダヘッド121からなるもの)の背後(後方)に、すなわちエンジン3の背後に配置される。
【0132】
とりわけ、圧縮アセンブリはエンジン3に対して、すなわち直列に配置されたシリンダ118に対して位置合わせされ、より詳細には、ロール軸と平行な方向または一致する方向に沿って位置合わせされる。
【0133】
また、圧縮アセンブリは内燃エンジン3のエンジンブロックよりも高く配置される。換言すれば、圧縮アセンブリの少なくとも1つの部位、またはより詳細にはコンプレッサ装置37の少なくとも2つのそれぞれの部位は、内燃エンジン3のエンジンブロックに対して、その上方またはそれを上回る地上高に配置される。
【0134】
さらに、圧縮アセンブリは、ギアボックス4またはそのケーシング73よりも高く配置される。換言すれば、圧縮アセンブリの少なくとも1つの部位、またはより詳細にはコンプレッサ装置37の少なくとも2つのそれぞれの部位は、ギアボックス4またはそのケーシング73に対して、その上方またはそれを上回る地上高に配置される。
【0135】
詳細には、圧縮アセンブリまたはその一部はギアボックス4またはそのケーシング73の直上に配置される。
【0136】
同様に、詳細には、インタークーラ39は内燃エンジン3のエンジンブロックよりも高く配置され、内燃エンジン3のエンジンブロックの背後に位置する。
【0137】
コンプレッサ装置37は、たとえば対の(同一の)2つのコンプレッサを備え、またはそれらによって画定される。2つのコンプレッサは好ましくはターボ機械であり、より好ましくは遠心型コンプレッサである。
【0138】
コンプレッサ装置37はピッチ軸沿いに互いに位置合わせされ、すなわち、同じ高さで並列に配置される。
【0139】
コンプレッサ装置37は、内燃エンジン3によって、より正確にはクランクシャフト120の回転によって動力を与えられることが好ましい。
【0140】
換言すれば、圧縮アセンブリは内燃エンジン3から動力供給を受けるために内燃エンジン3に連結され、それによって内燃エンジン3は圧縮アセンブリに動力供給を行い、またはその駆動を行う。
【0141】
詳細には、自動車両1は、トランスミッション、より詳細には歯車型で、クラッチを備えるトランスミッションであって、エンジン3から発揮される出力またはクランクシャフト120の回転の少なくとも一部を選択的に(具体的にはクラッチが噛み合っているときに)両コンプレッサ装置37に伝達し、それらに動力を与えるように構成されたトランスミッションを備える。
【0142】
より詳細には、その後者のトランスミッションはギアボックス4のプライマリシャフトを備える。換言すれば、コンプレッサ装置37はそのギアボックス4のプライマリシャフトから動力を受け取る。
【0143】
別法の実施形態では、トランスミッションはギアボックス4またはその一部を備え、駆動シャフト120の回転がギアボックス4の歯車、すなわち伝達比の1つによって減速された形でコンプレッサ装置37に伝達される。
【0144】
好ましくは、自動車両1は、内燃エンジン3に対して過給を行うように構成されたターボチャージャーを備えない。
【0145】
つまり、コンプレッサ装置37は、内燃エンジン3の排気ガスで駆動されるタービンを動力源としない。
【0146】
そのため、タービンは不要であり、空力チャネル12の画定や、車両1の後部に向けたシャーシ6の絞り込みのためなどに有効スペースをとっておくことができる。
【0147】
好ましくは、排気アセンブリ32は、図9を見るとよりよくわかるように、第2のタンクの下に設けられたコンパートメント内に少なくとも部分的に収容される。
【0148】
詳細には、排気アセンブリ32が少なくとも部分的にその中に収容されるコンパートメントは部位10cと同じ地上高に、より詳細には、内燃エンジン3に関して反対側に配置される。
【0149】
図5に示されているところによれば、自動車両1は、使用時に自動車両1が走行する道路と向かい合う後部空力抽出器75であって、内燃エンジン3の(クランクケース117とシリンダヘッド121を含む)エンジンブロックの後方壁から始まり、ギアボックス4の下に(つまりケーシング73の下に)配置される後部空力抽出器75を備える。
【0150】
好ましい実施形態によれば、ケーシング73の壁74は後部空力抽出器75と同じ傾斜を有する。
【0151】
換言すれば、壁74は後部空力抽出器75の形にならっており、それと同じ傾斜を有する。そのため、後部空力抽出器75はギアボックス4の下(すなわち、ケーシング73の下)の利用可能なスペースのすべてを活用する。
【0152】
抽出器75は、ボトム8が広がる水平面に対して傾斜している。
【0153】
上述してきたところから、本発明による自動車両1の利点は明らかである。
【0154】
内燃エンジン3に対するインタークーラ39の配置は、顕著なサイズ面での節減と、それに伴う内燃エンジン3の動作のための他の補機の位置決めの自由度に関する利点と、をもたらす。
【0155】
そのことは、シャーシ6の絞り込みと、その結果としての空力チャネル12の設計と、を可能にすることに寄与する。
【0156】
より一般的には、サイズ面での節減は、主にインタークーラ39が空気/液体タイプ、より正確には空気/水タイプであることによって担保されるものである。
【0157】
最後に、請求項に規定された保護対象の範囲を外れることなく、本発明による出力増強のための装備に変更や変形を加えることが可能であることは明らかである。
【0158】
とりわけ、図面に概略的に図示された各装置はそれ以外の詳細とは独立したものであり、他の詳細とは切り離されたものとして特定の技術的課題を解決するために個別に考案されたものである。
【0159】
さらに、構成要素の数は、説明されているものと図示されているものとで異なっている場合がある。とりわけ、これはすべての複数タイプの構成要素、すなわち、対をなすか、または同一である構成要素に関して当てはまる。実際、2つまたはそれ以上の数として言及されているすべての構成要素は単一の当該構成要素によって置き換えることができる。つまり、その数は1に減らすことができる。
【符号の説明】
【0160】
1 自動車両
2 後輪
3 内燃エンジン
4 ギアボックス
5 車体
6 シャーシ
6b セル
6c ビーム
6d 上部グリッド構造
7 ボディワーク
8 ボトム
10 タンク
11 クロスビーム
12 空力チャネル
13 ビーム
14 斜向ビーム
15 管
16 外形
17 ポンプ
20 部位
21 下部壁
22 上部壁
23 壁
24、25 カバー
26 フロート
29 吸気アセンブリ
32 排気アセンブリ
33 排気ガス処理装置
34 吸気ライン
35 空気取入れ口
36 空気フィルタ
37 コンプレッサ装置、圧縮アセンブリ
39 インタークーラ
40 吸気ダクト
73 ケーシング
74 壁
75 後部空力抽出器
117 クランクケース
118 シリンダ
119 ピストン
120 クランクシャフト
121 シリンダヘッド
124 ベルト駆動装置
127 インジェクタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】