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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144346
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 25/304 20060101AFI20241003BHJP
   B41J 2/32 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B41J25/304 H
B41J2/32 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024051663
(22)【出願日】2024-03-27
(31)【優先権主張番号】P 2023054618
(32)【優先日】2023-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】弁理士法人グローバル・アイピー東京
(72)【発明者】
【氏名】穀田 博
(72)【発明者】
【氏名】陣内 孝賢
【テーマコード(参考)】
2C064
2C065
【Fターム(参考)】
2C064CC02
2C064CC06
2C064DD13
2C065AA01
2C065AB01
2C065AB02
2C065AD02
2C065CZ10
(57)【要約】
【課題】プリンタにおける印字ヘッドの交換作業性を良好にする。
【解決手段】本発明のある一態様に係るプリンタは、印字ヘッドを含むヘッド組立体と、ヘッド組立体を着脱可能に保持するヘッド保持部と、ヘッド保持部に対して揺動可能であって、印字ヘッドの少なくとも一部を覆うヘッドカバーと、ヘッド組立体とヘッドカバーに設けられ、ヘッド組立体をプリンタ本体に挿入するとき、及び、前記プリンタ本体から抜き出すときの少なくともいずれかにおいてヘッド組立体をガイドするガイド部と、を備える。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字ヘッドを含むヘッド組立体と、
前記ヘッド組立体を着脱可能に保持するヘッド保持部と、
前記ヘッド保持部に対して揺動可能であって、前記印字ヘッドの少なくとも一部を覆うヘッドカバーと、
前記ヘッド組立体と前記ヘッドカバーに設けられ、前記ヘッド組立体をプリンタ本体に挿入するとき、及び、前記プリンタ本体から抜き出すときの少なくともいずれかにおいて前記ヘッド組立体をガイドするガイド部と、
を備えた、プリンタ。
【請求項2】
前記ガイド部は、
前記ヘッド組立体に設けられ、ガイド面が形成された第1係合部と、
前記ヘッドカバーに設けられ、前記ヘッド組立体の挿抜方向に沿って前記ガイド面上を摺動するための摺動面が形成された第2係合部と、を有する、
請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項3】
前記第1係合部は、2つのガイド面が形成され、前記印字ヘッドの挿抜方向に延びる突起を含み、
前記第2係合部は、前記2つのガイド面の各面上を摺動するための2つの摺動面が形成され、前記突起を挟むU字状部を含む、
請求項2に記載されたプリンタ。
【請求項4】
前記ヘッドカバーは、前記ヘッド保持部に当接して前記ヘッドカバーの揺動を規制する規制部を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載されたプリンタ。
【請求項5】
前記印字ヘッドは、第1コネクタを有し、
前記第1コネクタは、前記第1コネクタと対となる第2コネクタに対して、前記ヘッド連結体の挿抜方向において連結され、又は非連結にされるように構成される、
請求項1から3のいずれか一項に記載されたプリンタ。
【請求項6】
前記ガイド部は、前記ヘッド組立体を前記プリンタ本体に挿入する場合に、前記第1コネクタと前記第2コネクタが接触を開始する前に前記ヘッド組立体に対するガイドを開始するように構成されている、
請求項5に記載されたプリンタ。
【請求項7】
前記ヘッド保持部は、前記ヘッド組立体が自重で落下しないように前記ヘッド組立体を保持するとともに、所定の操作に応じて前記ヘッド組立体に対する保持を解除する、
請求項1から3のいずれか一項に記載されたプリンタ。
【請求項8】
前記印字ヘッドにより印字済みの印字媒体が進む方向を前方とした場合に、前後方向に前記ヘッド組立体の位置を調整可能とする位置調整機構を備え、
前記位置調整機構は、
前記ヘッド保持部に軸支され、回転操作に応じて前後方向に前記ヘッド組立体を移動させる調整用軸部と、
前記ヘッド組立体に設けられ、前記調整用軸部に嵌合するU字状の嵌合部と、を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載されたプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタの印字ヘッドとしてサーマルヘッドが用いられている。サーマルヘッドは消耗品であるために交換する必要がある。
例えば特許文献1に記載されたプリンタでは、印字ヘッドユニットに取り付けられた印字ヘッドにヘッド側電源用接続端子とヘッド側信号用接続端子が備わっており、プリンタ側のブラケット側電源用接続端子とブラケット側信号用接続端子にそれぞれ手作業で接続し、又は非接続とすることで、印字ヘッドの交換を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-53159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した従来のプリンタでは、印字ヘッドユニットをプリンタから取り外すことなく印字ヘッドを交換することになるため、作業性が悪い。
【0005】
そこで、本発明は、プリンタにおける印字ヘッドの交換作業性を良好にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、
印字ヘッドを含むヘッド組立体と、
前記ヘッド組立体を着脱可能に保持するヘッド保持部と、
前記ヘッド保持部に対して揺動可能であって、前記印字ヘッドの少なくとも一部を覆うヘッドカバーと、
前記ヘッド組立体と前記ヘッドカバーに設けられ、前記ヘッド組立体をプリンタ本体に挿入するとき、及び、前記プリンタ本体から抜き出すときの少なくともいずれかにおいて前記ヘッド組立体をガイドするガイド部と、
を備えた、プリンタである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のある態様によれば、プリンタにおける印字ヘッドの交換作業性が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態のプリンタの斜視図である。
図2】内部が見える状態の一実施形態のプリンタの斜視図を連続紙の構成とともに示す図である。
図3】内部が見える状態の一実施形態のプリンタの側面図である。
図4】一実施形態のプリンタにおいて、印字ヘッドユニットが開放状態のときの印字部の斜視図である。
図5】開放状態の印字ヘッドユニットの斜視図である。
図6】一実施形態のプリンタのヘッド機構部の一部の上方から見た斜視図である。
図7】一実施形態のプリンタのヘッド機構部の一部の下方から見た斜視図である。
図8】ヘッド機構部に組み込まれるヘッド組立体の分解斜視図とサーマルヘッドの断面図を含む。
図9】ヘッド付属部材の平面図と矢視Aから見た拡大図(側面図)である。
図10図6のヘッド機構部の一部の分解斜視図である。
図11】一実施形態のプリンタにおいてヘッド位置調整機能を説明する図である。
図12】プリンタからヘッド組立体を挿抜する動作を示す図である。
図13】プリンタからヘッド組立体を挿抜する動作を示す図である。
図14】一実施形態のプリンタに設けられるガイド部の変形例を示す図である。
図15図13に示したコネクタの連結態様とは異なる実施形態において、ヘッド組立体のコネクタが接続された状態を示す図である。
図16図13に示したコネクタの連結態様とは異なる実施形態において、ヘッド組立体のコネクタが接続されていない状態を示す図である。
図17】プリンタから図15に示したヘッド組立体を抜き出すときの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に記載する形態は、図面の簡単な説明により説明される図面に限定されるものではない。
【0010】
本発明のある態様の第1の態様は、
印字ヘッドを含むヘッド組立体と、
前記ヘッド組立体を着脱可能に保持するヘッド保持部と、
前記ヘッド保持部に対して揺動可能であって、前記印字ヘッドの少なくとも一部を覆うヘッドカバーと、
前記ヘッド組立体と前記ヘッドカバーに設けられ、前記ヘッド組立体をプリンタ本体に挿入するとき、及び、前記プリンタ本体から抜き出すときの少なくともいずれかにおいて前記ヘッド組立体をガイドするガイド部と、
を備えた、プリンタである。
なお、「プリンタ本体」とは、挿抜対象であるヘッド組立体を除くプリンタの部分を総称したものである。
【0011】
本発明のある態様の第1の態様によれば、ヘッド組立体をプリンタ本体から挿抜するときにヘッド組立体がガイドされるため、プリンタの利用者がヘッド組立体を挿抜する作業を円滑に行うことができる。
【0012】
本発明のある態様の第2の態様は、前記ガイド部が、
前記ヘッド組立体に設けられ、ガイド面が形成された第1係合部と、
前記ヘッドカバーに設けられ、前記ヘッド組立体の挿抜方向に沿って前記ガイド面上を摺動するための摺動面が形成された第2係合部と、を有する、前記第1の態様に記載のプリンタである。
【0013】
本発明のある態様の第2の態様によれば、ガイド面と摺動面の面接触により円滑にガイドを行うことが実現できる。
【0014】
本発明のある態様の第3の態様は、前記第1係合部が、2つのガイド面が形成され、前記印字ヘッドの挿抜方向に延びる突起を含み、
前記第2係合部は、前記2つのガイド面の各面上を摺動するための2つの摺動面が形成され、前記突起を挟むU字状部を含む、前記第2の態様に記載のプリンタである。
【0015】
本発明のある態様の第3の態様によれば、2つのガイド面と2つの摺動面とが同時に接触して第1係合部と第2係合部が係合するため、より安定的にヘッド組立体に対するガイドを行うことができる。
【0016】
本発明のある態様の第4の態様は、前記ヘッドカバーが、前記ヘッド保持部に当接して前記ヘッドカバーの揺動を規制する規制部を有する、前記第1から第3の態様のいずれか一つに記載のプリンタである。
【0017】
本発明のある態様の第4の態様によれば、ヘッドカバーの揺動量が規制されるため、ヘッド組立体をヘッド保持部から取り外したときのヘッド組立体の移動量を制限することができ、ヘッド組立体の挿抜作業をさらに容易にすることができる。
【0018】
本発明のある態様の第5の態様は、前記印字ヘッドが、第1コネクタを有し、
前記第1コネクタは、前記第1コネクタと対となる第2コネクタに対して、前記ヘッド連結体の挿抜方向において連結され、又は非連結にされるように構成される、前記第1から第4の態様のいずれか一つに記載のプリンタである。
【0019】
本発明のある態様の第5の態様によれば、ヘッド連結体の挿抜とともにコネクタを連結し、又は非連結とすることができ、ヘッド組立体の挿抜作業が容易になる。
【0020】
本発明のある態様の第6の態様は、前記ガイド部が、前記ヘッド組立体を前記プリンタ本体に挿入する場合に、前記第1コネクタと前記第2コネクタが接触を開始する前に前記ヘッド組立体に対するガイドを開始するように構成されている、前記第5の態様に記載のプリンタである。
【0021】
本発明のある態様の第6の態様によれば、ヘッド組立体をプリンタ本体に挿入する場合にコネクタ間の連結作業を容易にすることができる。
【0022】
本発明のある態様の第7の態様は、前記ヘッド保持部が、前記ヘッド組立体が自重で落下しないように前記ヘッド組立体を保持するとともに、所定の操作に応じて前記ヘッド組立体に対する保持を解除する、前記第1から第6の態様のいずれか一つに記載のプリンタである。
【0023】
本発明のある態様の第7の態様によれば、プリンタの利用者による所定の操作によってヘッド組立体をヘッド保持部から簡単に取り外すことができる。
【0024】
本発明のある態様の第8の態様は、前記印字ヘッドにより印字済みの印字媒体が進む方向を前方とした場合に、前後方向に前記ヘッド組立体の位置を調整可能とする位置調整機構を備え、
前記位置調整機構は、
前記ヘッド保持部に軸支され、回転操作に応じて前後方向に前記ヘッド組立体を移動させる調整用軸部と、
前記ヘッド組立体に設けられ、前記調整用軸部に嵌合するU字状の嵌合部と、を有する、前記第1から第7の態様のいずれか一つに記載のプリンタである。
【0025】
本発明のある態様の第8の態様によれば、ヘッド組立体の円滑な挿抜作業と、印字ヘッドの前後位置調整と、を両立させることが可能となる。
【0026】
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。
図1に一実施形態のプリンタ1の外観を示す。以下では、説明の便宜のために、図1に示すように、XYZ座標を定義する。すなわち、+X,-Xはそれぞれプリンタ1の左右方向を示し、+Y,-Yはそれぞれプリンタ1の前後方向を示し、+Z,-Zはそれぞれプリンタ1の上下方向を示す。
プリンタ1の前面には、印字したラベルを発行(排出)するための発行口5が設けられている。プリンタ1の片側側面には、オープンカバー6が2箇所のヒンジ7により上下方向に開閉自在の状態で装着されている。
なお、以下の説明において適宜参照される「奥行き方向」とは、後述するヘッド組立体の挿抜方向と実質的に同じ方向であり、ヘッド組立体を抜き出す方向を「奥行き方向において前方」と表記し、ヘッド組立体を挿入する方向を「奥行き方向において後方」と表記することもある。以下の説明において適宜参照される「幅方向」とは、搬送される連続紙CPの幅方向であり、プリンタ1の左右方向に等しい。
【0027】
図2及び図3はそれぞれ、内部が見える状態のプリンタ1の要部の斜視図及び側面図である。
プリンタ1の内部には、後方に配置された用紙供給部10と、前方に配置された印字部11と、上方に配置されたインクリボン部12とが設置されている。
【0028】
用紙供給部10には、ロール紙Rが装填されている。図2に示すように、ロール紙Rは、連続紙CPがロール状に巻回されたものである。連続紙CPは、帯状の台紙PMと、台紙PM上に間隔を空けて剥離可能に取り付けられた複数枚のラベルPLと、を含む。台紙PMにおいてラベルPLの粘着面が接触する面(表面)には、シリコーン等のような剥離剤がコーティングされており、ラベルPLを容易に剥離することが可能になっている。また、台紙PMにおいてラベルPLが貼られていない面(裏面)には、長手方向に沿って予め決められた間隔毎にラベルの位置を示す位置検出マークIMが形成されていてもよい。ラベルPLは、感熱紙を使用する場合と普通紙を使用する場合とがある。感熱紙の場合は、その表面に、予め決められた温度領域に達すると特定の色(黒や赤等)に発色する感熱発色層が形成されている。図示しないが、用紙供給部10には、印字面の裏側に粘着剤が塗布された粘着面が形成された台紙無しラベルをロール状に巻回されたロール紙を装填することもできる。
【0029】
用紙供給部10は、支持軸10aとロールガイド10bを備え、ロール紙Rを保持するとともにロール紙Rから繰り出される連続紙CPを印字部11に供給する。支持軸10aは、ロール紙Rを回転自在の状態で支持する。ロールガイド10bは、ロール紙Rを固定するとともに、ロール紙Rの幅に応じて位置を変えられるように支持軸10aの軸方向に沿って移動自在の状態で設置されている。
【0030】
連続紙CPには、表巻きラベルと裏巻きラベルとの2種類がある。表巻きラベルは、連続紙CPのラベルPLがロール紙Rの外周面に位置する状態で巻回されており、図3で示すように、連続紙CPs(破線)が用紙供給部10の高さ方向中央あたりから印字部11の底部に向けて繰り出されている。これに対して、裏巻きラベルは、連続紙CPのラベルPLがロール紙Rの内周面に位置する状態で巻回されており、図3に示すように、連続紙CPb(実線)がプリンタ1の内部底面あたりから印字部11の底部に向けて繰り出されている。なお、表巻きでも裏巻きでも印字部11での連続紙CP(CPs,CPb)の通紙ルートは同じである。表巻きラベルでも裏巻きラベルでも連続紙CPはラベルPLが印字面を上に向けた状態で搬送される。
【0031】
印字部11は、印字ヘッドユニット13と、印字ヘッドユニット13の下方に配置された支持台14と、ダンパ15とを備え、連続紙CPのラベルPLに印字を行う。
印字ヘッドユニット13は、後述するように開閉自在の状態でプリンタ1の内部に設置されている。印字ヘッドユニット13が閉止状態の場合に、印字ヘッドユニット13と支持台14との間に通紙ルートが形成される。通紙ルートは、発行口5(図1参照)に繋がっている。
支持台14には、印字ヘッドユニット13の閉止状態を維持するヘッドロックレバー16が設置されている。ヘッドロックレバー16を操作すると印字ヘッドユニット13の閉止状態が解除され、印字ヘッドユニット13の前方部が持ち上がり、印字ヘッドユニット13が開く(プラテンローラ23に対して離間する)ようになっている。
ダンパ15は、連続紙CPに張力を付与する。本実施形態では、ダンパ15が、アウターダンパ15aとインナーダンパ15bとを備えているとともに、印字ヘッドユニット13の開閉に連動して上下に移動(開閉)するようになっている。ただし、印字ヘッドユニット13の閉止状態時において、アウターダンパ15aおよびインナーダンパ15bは、それぞれ連続紙CPに張力を付与可能なように揺動自在の状態で設置されている。
【0032】
インクリボン部12は、リボン供給部12aとリボン巻き取り部12bとを備え、印字用インクを塗布したインクリボンRBを供給し、巻き取る。リボン供給部12aは、ロール状に巻き取られたインクリボンRBを回転自在の状態で支持する。リボン巻き取り部12bは、印字済みのインクリボンRBを巻き取り回収する。インクリボンRBを使用する場合は、リボン供給部12aから引き出されたインクリボンRBを印字ヘッドユニット13の下に通してリボン巻き取り部12bで巻き取る。
【0033】
このようなプリンタ1においては、用紙供給部10にあるロール紙Rから繰り出された連続紙CP(CPs,CPb)は、ダンパ15を介して印字ヘッドユニット13と支持台14との間の通紙ルートに搬送され、その途中において連続紙CPのラベルPLに印字処理がなされる。印字処理の後、連続紙CPは、発行口5からプリンタ1の外部に排出されるようになっている。
【0034】
次に、上記した印字部11の構成について図4及び図5を参照して説明する。
図4は、印字ヘッドユニット13が開放状態のときの印字部11の斜視図である。図5は、図4とは別の視点からみたときの、印字部11に設けられたヘッド機構部35の斜視図である。
【0035】
図4に示すように、印字ヘッドユニット13が後方に設けられる揺動軸S1を中心にX軸回りに揺動(すなわち、開閉)自在となるように、揺動軸S1がプリンタ1のメインフレーム(図示せず)に支持されている。
【0036】
印字ヘッドユニット13の下面(通紙ルートを向く面)には、サーマルヘッド18(印字ヘッドの一例)が発熱部18L(図5参照)を通紙ルートに向けた状態で設置されている。サーマルヘッド18の発熱部18Lは、サーマルヘッド18の基板に対して所定量(例えば数10μm)突出したグレーズ層によって構成され、通電により発熱する複数の発熱抵抗体(発熱素子)を含み、連続紙CPのラベルPLに印字を行う。この複数の発熱抵抗体は、連続紙CPの幅方向(連続紙CPの搬送方向に対し直交する方向)に沿って並んで配置されている。
【0037】
印字ヘッドユニット13の前方側の下面にはサーマルヘッド18の軸を挟むように一対の係合爪19(図4参照)が設けられている。印字ヘッドユニット13において係合爪19の後方には、印字ヘッドユニット13の両側面から外方に突出するピン20が設けられている。
【0038】
印字ヘッドユニット13は、揺動軸S1に装着された捩りばね21(図5参照)により開方向に付勢されているが、印字ヘッドユニット13の下部の一対のピン20に、支持台14の一対のロック爪22がそれぞれ引っ掛かることにより閉止状態が維持されている。ロック爪22は、ヘッドロックレバー16を後方に操作すると、それに連動して後方に移動し、ピン20から外れるようになっている。ロック爪22がピン20から外れると、図4に示すように、印字ヘッドユニット13は、捩りばね21の付勢力により自動的に開くようになっている。
【0039】
印字ヘッドユニット13の閉止状態時には、印字ヘッドユニット13の一対の係合爪19(図4参照)がプラテンローラ23の回転軸の両端部に嵌められるようになっている。
【0040】
プラテンローラ23は、用紙供給部10から繰り出された連続紙CPを通紙ルートに沿って発行口5(図1参照)へ搬送する。プラテンローラ23は、正逆方向に回転可能な状態で支持台14の上部に設置され、印字時にはサーマルヘッド18とともに連続紙CPを挟持しながら回転する。プラテンローラ23の回転軸の軸方向一端には、ギアG1が接続されている。このギアG1は、ステッピングモータ(図示せず)の回転軸に係合されている。
連続紙CPが普通紙である場合、プラテンローラ23は、印字時にはサーマルヘッド18とともに連続紙CPとインクリボンRBを挟持しながら回転する。この場合、インクリボンRBは、リボン供給部12aから、印字ヘッドユニット13に設けられているリボンローラ121,122(図4参照)を介して搬送されて、リボン巻き取り部12bに巻き取られる。
【0041】
図5に示すように、印字ヘッドユニット13が開放状態である場合にヘッド保持解除部30が露出するようにして設けられている。後に詳述するが、ヘッド保持解除部30を方向D1(+X方向)に操作することにより、ヘッドカバー39を下方に揺動させることができ、サーマルヘッド18を交換する作業を行うことができる。
【0042】
次に、印字ヘッドユニット13に設けられたヘッド機構部35について図6図10を参照して説明する。ヘッド機構部35は、印字ヘッドユニット13から支持板17、リボンローラ121,122、揺動軸S1等を取り外した状態の、サーマルヘッド18に関連する機構である。
図6は、ヘッド機構部35の要部を上から見たときの斜視図である。図7は、ヘッド機構部35の要部を下から見たときの斜視図である。
図6及び図7に示すように、ヘッド機構部35は、サーマルヘッド18、ヘッド保持部36、ピン押圧部37、ヘッドカバー39、揺動軸40、回転軸41等を有する。
【0043】
図6及び図7では見えないが、サーマルヘッド18には、ヘッド付属部材38が固定されている。ヘッド付属部材38は、「サーマルヘッドブラケット」と表記されることもある。
図8は、サーマルヘッド18とヘッド付属部材38の取付方法を示す分解斜視図とサーマルヘッド18の断面図(長手方向の中央で切断した断面図)を含む。図9は、ヘッド付属部材38の平面図と矢視Aから見た拡大図(側面図)である。
図8に示すように、ヘッド付属部材38は、板状部材であり、中央板381と、一対の端部板382と、を有する。中央板381は、サーマルヘッド18に取り付けられ、奥行き方向及び幅方向に延びている。一対の端部板382の各々は、横方向において中央板381の一端側及び他端側に配置され、奥行き方向と高さ方向に延びている。端部板382は、中央板381の端381Lから下方に延びている。
中央板381の上面には、上方に突出するピン38Pが取り付けられている。ピン38Pは、中央板381の表面から上方に延びる柱状部38Pcと、柱状部38Pcの上部において先細りするテーパ部38Ptと、を有する。柱状部38Pcには、+X側に向けて凹む凹部38Prが形成されている。後述するが、ピン38Pは、サーマルヘッド18をヘッド保持部36に保持させるために必要となる。
【0044】
サーマルヘッド18は、ヒートシンク181と、基板183と、コネクタ184(第1コネクタの一例)と、を含む。基板183は、2以上の基板が接続されていてもよく、前述した発熱部18Lが形成されている。ヒートシンク181は、基板183で発生した熱を効率良く放熱するために設けられている。ヒートシンク181には2箇所のねじ穴181aが形成されている。
図8のサーマルヘッド18の断面図に示すように、基板183は、発熱部18Lが配置されている第1基板部183a、コネクタ184と連結されている第2基板部183b、及び第1基板部183aと第2基板部183bを接続するフレキシブル基板部183cを含む。ヒートシンク181は、最も発熱する第1基板部183aからの熱を効率良く放熱されるように、基板183のうち第1基板部183aにおいて最も厚くなるように設定されている。
コネクタ184は、発熱部18Lの発熱素子と動作可能に接続され、後述するヘッド組立体18Aのヘッドカバー39に対する後方への移動に応じてコネクタ501(後述する;図13参照)に取り外し可能に接続するように構成されている。図13に示すように、コネクタ501は、奥行き方向において前方に突出している。
ヒートシンク181の先端には、第1基板部183aの先端部を覆うように下方に突出する突部1811が形成されている。これによって、連続紙CP(特に厚紙の場合)がバックフィード(逆方向に搬送)されたときにジャムが発生することを防止できる。
【0045】
図8に示すように、ヘッド付属部材38の中央板381には2箇所の孔381aが形成され、この孔381aを介してねじ383がサーマルヘッド18のねじ穴181aで締結されることによって、ヘッド付属部材38がサーマルヘッド18に固定される。以下の説明では適宜、サーマルヘッド18とヘッド付属部材38が一体となったものを「ヘッド組立体18A」と表記する。ヘッド組立体18Aは、ヘッドカバー39に脱着可能である。なお、「ヘッド組立体」は、「サーマルヘッド組立体」と同義である。
ヘッド付属部材38の中央板381には2箇所の孔381aが形成され、この孔381aを介してねじ383がサーマルヘッド18のねじ穴181aで締結されることによって、ヘッド付属部材38がサーマルヘッド18に固定される。以下の説明では適宜、サーマルヘッド18とヘッド付属部材38が一体となったものを「ヘッド組立体18A」と表記する。「ヘッド組立体」は、「サーマルヘッド組立体」と表記されることもある。
【0046】
ヘッド付属部材38の両側の端部板382の前方端には一対の切り欠き部382aが形成されている。切り欠き部382aは、上方に向けて開口したU字状の形態を有する。切り欠き部382aは、端部板382の前方側において端部板382の上方端に配置され、回転軸41に係合するように構成されている(図6参照)。図9の側面図(矢視Aの拡大図)からよく見えるように、切り欠き部382aは、端部板382において中央板381の上面を越えて上方に突出した部分に形成されている。この突出した部分と、中央板381の端381Lと、の間に、裂状切り欠き部385が形成されている。
後述するが、切り欠き部382aは、サーマルヘッド18の前後位置の調整のために設けられている。切り欠き部382b(第1係合部の一例)は、ヘッドカバー39のガイド突起393を挟むU字状部の一例である。切り欠き部382bはまた、ヘッド組立体18Aをプリンタ1から挿抜する作業を円滑に行うことができるようにするためのガイド部の一部である。
【0047】
ヘッド付属部材38の両側の端部板382の後方端には、切り欠き部382bが形成されている。切り欠き部382bは、ヘッド組立体18Aのヘッドカバー39に対する後方への移動に応じてヘッドカバー39のガイド突起393(後述する;図13参照)とスライド可能に係合するように構成されている。図9に示すように、端部板382の切り欠き部382bは、端部板382の後端において後方に延びる上方突起382b1及び下方突起382b2によって規定される。中央板381の端381Lは、上方突起382b1の後端から裂状切り欠き部385の後端まで直線状に延びている。
【0048】
一対の端部板382の各々は、切り欠き部382a,382bを備える限り、同一の形状でなくてもよい。
一実施形態では、ヘッド付属部材38が一対の端部板382を有しておらず、一方の側にのみ端部板382を備える。その場合、ヘッドカバー39は、後述する一対のガイド突起393の両方を備える必要はなく、いずれか一方のガイド突起393を備えればよい。一方の側において、切り欠き部382bがガイド突起393と係合する。
【0049】
次に、図10を参照して、ヘッド機構部35の要部の構成について説明する。図10は、図6に示したヘッド機構部35の分解斜視図である。なお、図6に示した回路基板50は、ヘッドカバー39に固定されるが、図10では、ヘッドカバー39の視認性のために表示していない。
図10に示すように、ヘッド機構部35は、上から順に、ヘッド保持部36、ヘッド組立体18A、及び、ヘッドカバー39が組付けられて構成されている。ヘッド保持部36とヘッドカバー39は、揺動軸40により支持されている。図4及び図5に示したように、揺動軸40は、支持板17に支持されるとともに、支持板17の内側にあって支持板17と一体的に構成されている内部フレーム(図示せず)に固定されている。
【0050】
ヘッド保持部36は、ヘッド組立体18Aが自重で落下しないようにヘッド組立体18Aを保持するとともに、ヘッド保持解除部30(図5参照)に対する所定の操作に応じてヘッド組立体18Aに対する保持を解除する。ヘッド保持解除部30に対する操作によってヘッド組立体18Aをヘッド保持部36から簡単に取り外すことができる。
ヘッド保持部36は、支持板361、及び支持板361の左右両端に設けられる側壁362を含む板状部材と、ピン押圧部37と、を含み、ヘッド組立体18Aを着脱可能に保持する。ヘッド保持部36の両側の側壁362の前端部には、プラテンローラ23の回転軸の両端に係合する一対の係合爪19が形成されている。ヘッド保持部36の両側の側壁362の後端部には、揺動軸40を挿通させる挿通孔362a,362bが形成されている。
【0051】
操作部42は、ヘッド組立体18Aを前後に移動させることでサーマルヘッド18の位置を前後に調整するための回転操作手段である。ここで、前後方向とは、サーマルヘッド18により印字済みのラベルPLが進む方向を前方とした場合の前後方向である。サーマルヘッド18の位置の前後方向の調整は、ラベルの種類(厚さや硬さ等)に応じて最適な印字品質を得るために行われる。
ヘッド保持部36の支持板361の両側にある側壁362には、操作部42に対する回転操作に応じて回転する回転軸41(調整用軸部の一例)が軸支されている。ヘッド組立体18Aの両端にあるU字状の切り欠き部382a(嵌合部の一例)が回転軸41の両端に下から嵌り込むことで、ヘッド組立体18Aが回転軸41と係合される。回転軸41と係合するヘッド組立体18Aの切り欠き部382aとは、位置調整機構を構成する。回転軸41による回転に応じてヘッド組立体18Aが前後に移動することでヘッド組立体18A(サーマルヘッド組立体)の位置が調整されるため、回転軸41は、「ヘッドカバー組立体調整シャフト」ということもできる。
ヘッド位置調整の詳細については、後述する。
【0052】
ピン押圧部37は、押さえ板37aとコイルばね37bとを有し、ヘッド組立体18Aがヘッド保持部36に保持されるときに、ヘッド組立体18Aのピン38Pを押圧する。押さえ板37aは、その長手方向(連続紙CPの幅方向)に沿って僅かに移動可能な状態でピン37f,37gにより支持板361上に設置されている。ピン37f,37gは、押さえ板37aから抜けないように止め輪等により固定されている。押さえ板37aから下方に折り曲げられた部分として、ヘッド保持解除部30が形成されている。つまり、押さえ板37aとヘッド保持解除部30は一体成形されている。ヘッド保持解除部30は、支持板361に形成された孔36fと、ヘッド付属部材38に形成された孔381b(図8参照)とを貫通し、ヘッド機構部35から突出している(図5参照)。
ヘッド保持部36の支持板361には孔36gが形成され、ピン押圧部37の押さえ板37aには孔37dが形成されている。ヘッド組立体18Aのピン38Pは、孔36gと孔37dを貫通し、孔37dから上方に突出している。
押さえ板37aには、孔37dとピン37gの間において上方に突出する突起37jが形成されている。押さえ板37aには、孔37dの縁部において、突起37jに向かって凸形状の凸部37iが形成されている。
ピン押圧部37のコイルばね37bは、ピン37gと突起37jの間に装着されている。押さえ板37aは、コイルばね37bにより-X方向(図5の方向D1とは反対方向)に付勢されている。コイルばね37bにより押さえ板37aが付勢されているときには、図10において「ピン38Pが係合した状態」を拡大断面図により示すように、孔37dから上方に突出するピン38Pの凹部38Prに凸部37iが係合する。それによって、ピン38Pが押さえ板37aにロックされ、ヘッド組立体18Aがヘッド保持部36に保持される。
【0053】
図6及び図10に示すように、ピン押圧部37は、ピン当接片37hを有する。ピン当接片37hは、孔37dから上方に突出するピン38Pのテーパ部38Ptから僅かに-X側に配置される。つまり、ピン当接片37hは、ヘッド保持解除部30がD1方向(+X方向)に操作された場合にピン38Pのテーパ部38Ptに当接する位置に配置されている。
【0054】
ヘッド保持部36のヘッド組立体18Aに対する保持を解除するには、前述したようにヘッド保持解除部30を+X方向(図5の方向D1)に操作すればよい。つまり、押さえ板37aのヘッド保持解除部30をコイルばね37bの付勢力に抗して逆方向(+X方向)に移動させる。押さえ板37aが+X方向に移動することで、ピン当接片37hがピン38Pのテーパ部38Ptに当接してピン38Pを押し下げるとともに、ピン38Pの凹部38Prとピン押圧部37の凸部37iとの係合が解除される。その結果、ヘッド組立体18Aは自重で落下する。
【0055】
ヘッドカバー39は、ヘッド保持部36に対して揺動可能であって、サーマルヘッド18の少なくとも一部を下から覆うように構成されている。ヘッドカバー39には、揺動軸40を挿通させる挿通孔395が形成され、揺動軸40を中心に揺動可能となっている。
ヘッドカバー39の両側の側部には、一対のガイド突起393が形成されている。一対のガイド突起393はそれぞれ、幅方向においてヘッドカバー39の横方向において一端側及び他端側に配置されている。この一対のガイド突起393がヘッド組立体18Aの切り欠き部382bと係合することにより、ヘッド組立体18Aとヘッドカバー39が連結されている。ガイド突起393(第2係合部の一例)は、ヘッド組立体18Aをプリンタ1から挿抜する作業を円滑に行うことができるようにするためのガイド部の一部である。
また、仮にガイド突起393と切り欠き部382bとが係合していないならば、ヘッド組立体18Aとヘッドカバー39の連結はコネクタのみ(コネクタ184とコネクタ501(図13参照))となり、コネクタの負荷が大きくなる。それに対して、ガイド突起393と切り欠き部382bとが係合することで、コネクタの機械的負荷を軽減できる。
【0056】
ヘッドカバー39は、前方のサーマルヘッド載置部391と後方の回路基板固定部392を含む。サーマルヘッド載置部391には、ヘッド組立体18Aのヘッドカバー39が載置される。回路基板固定部392には、ねじ切り部392aが形成されており、回路基板50を介してねじをねじ切り部392aにねじ込むことで回路基板50が固定される(図6参照)。
コネクタ501を有する回路基板50はヘッドカバー39に固定されるため、コネクタ501を備えたヘッドカバー39を「ヘッドカバー」と同視することもできる。
【0057】
次に、図11を参照して、ヘッド位置調整機構の作用について説明する。
図11は、回転軸41の近傍の部分において、ヘッド保持部36、及びヘッド組立体18Aを側面から見た図であり、サーマルヘッド18の前後方向における異なる位置P1~P3について示している。
回転軸41では、切り欠き部382aが嵌め込まれている嵌合部41aが、中央の回転軸部分に対して偏心している。このため、操作部42により回転軸41を回転させたときの嵌合部41aは、前後方向に変位する軌跡を描き、それに応じて切り欠き部382aが前後に変位する(つまり、ヘッド組立体18Aが前後に変位する)。図11において、位置P2は、位置P1に対して嵌合部41aがL1だけ後方に移動した位置である。位置P3は、位置P1に対して嵌合部41aがL2(>L1)だけ後方に移動した位置である。
【0058】
なお、プリンタ1では、サーマルヘッド18のプラテンローラ23に対する押圧力を調整する機構が採用されてもよい。押圧力調整機構を設けた例については、本願の出願人による特開2015-123628号公報を参照されたい。
【0059】
次に、図12及び図13を参照して、プリンタ1におけるサーマルヘッド18の交換方法について説明する。図12及び図13はそれぞれ、プリンタ1からヘッド組立体18Aを抜き出すときの動作を示す図である。
【0060】
先ず、図5に示したように、利用者が、印字ヘッドユニット13を開放させた状態で露出するヘッド保持解除部30を方向D1に向けて押し込む操作を行うと、ピン押圧部37のコイルばね37bの付勢力に抗して押さえ板37aが方向D1(+X方向)に移動する(図10参照)。すると、ピン38Pに対する押圧力が解除されるとともに押さえ板37aのピン当接片37hがピン38Pのテーパ部38Ptに当接してピン38Pを押し下げるため、ヘッド組立体18Aの自重により、図12に示すように、ヘッド組立体18Aとヘッドカバー39が一体的に揺動軸40を中心に揺動する(図3の反時計回りの揺動)。ここで、ヘッド組立体18Aの切り欠き部382aは上向き方向に開口したU字状であるため、ヘッド組立体18Aの揺動を阻害しない。
【0061】
なお、この時点で、ヘッド組立体18Aのコネクタ184と、ヘッドカバー39に固定されている回路基板50のコネクタ501(図13参照;第2コネクタの一例)とが連結され、かつヘッド組立体18Aの切り欠き部382bと、ヘッドカバー39のガイド突起393とが係合している。そのため、ヘッド組立体18Aとヘッドカバー39が一体となっている。ヘッド組立体18Aとヘッドカバー39の揺動は、ヘッドカバー39のピン394がヘッド保持部36のピン当接部362cに当接することで停止する。つまり、ピン当接部362cは、ヘッド組立体18Aとヘッドカバー39の揺動を規制する規制部として機能する。この規制部によりヘッドカバー39の揺動量が規制されるため、ヘッド組立体18Aをヘッド保持部36から取り外したときのヘッド組立体18Aの移動量を制限することができ、ヘッド組立体18Aの挿抜作業を容易にすることができる。
【0062】
次いで、図13を参照すると、一体となっているヘッド組立体18Aとヘッドカバー39から、ヘッド組立体18Aのみを抜き出す動作が示される。
ヘッド組立体18Aを抜き出す場合、図13の抜き出し方向D2に利用者がヘッド組立体18Aに対して力を加えればよい。この力は、ヘッド組立体18Aのコネクタ184をヘッドカバー39に固定されているコネクタ501から抜去する力に等しい。ヘッド組立体18Aをヘッドカバー39から抜き出す場合、ヘッド組立体18Aの切り欠き部382bは、抜き出し方向D2とは反対側に開口したU字状であるため、円滑に係合を解除することができる。また、切り欠き部382bとガイド突起393は、ヘッド組立体18Aを抜き出す際に抜き出し方向D2に沿って摺動しながら係合が解除されるため、ヘッド組立体18Aを抜き出すときのガイド部として機能する。
【0063】
図4に示したように、上述したプリンタ1では、印字ヘッドユニット13が開放時において大きく上向きに揺動する。すなわち、図2に示したヘッド組立体18Aの挿抜方向(方向D2及び方向D3)は、プリンタ1を水平面に載置したときに斜め上方向を向くため、プリンタ1の正面にいる利用者にとってヘッド組立体18Aの交換がし易いという利点がある。
【0064】
ヘッド組立体18Aからサーマルヘッド18を取り外すことも可能である。その場合、図8に示したように、ねじ383を外してサーマルヘッド18とヘッド付属部材38を分離させ、新たなサーマルヘッド18をヘッド付属部材38に組み付ければよい。このとき、孔381aが前後方向に長孔となっているため、正確な前後方向の取付位置の調整を行うために専用の治具を使用することが好ましい。
交換後のヘッド組立体18Aをプリンタ1に取り付ける場合には、図12及び図13に示した手順と逆の手順で行う。この場合、図13の挿入方向D3に沿ってヘッド組立体18Aを挿入すると(押し込むと)、コネクタ184がコネクタ501と連結し、ヘッド組立体18Aがヘッドカバー39に取り付けられる。このとき、切り欠き部382bとガイド突起393は、ヘッド組立体18Aを挿入方向D3に沿って摺動しながら係合するため、ヘッド組立体18Aを挿入するときのガイド部として機能する。仮にこのガイド部がないとすると、コネクタ184とコネクタ501の連結位置を目視できない状態で方向合わせをしなければならず、コネクタ同士の連結が困難となる。
次いで、利用者がヘッド組立体18Aをヘッドカバー39に向かって押し込むことで、ヘッド組立体18A側のコネクタ184がヘッドカバー39側のコネクタ501と連結し、切り欠き部382bがガイド突起393と係合する。
【0065】
一実施形態では、ヘッド組立体18A側のコネクタ184がヘッドカバー39側のコネクタ501と接触を開始する前にヘッド組立体18Aの切り欠き部382bがガイド突起393との接触を開始し、ヘッド組立体18Aに対するガイドを開始する。言い換えれば、ヘッド組立体18Aのヘッドカバー39に対する後方への移動に応じて、切り欠き部382bが、コネクタ184がコネクタ501と接続する前にガイド突起393とスライド可能に、かつ少なくとも部分的に係合するように、ヘッド組立体18Aが構成されている。それによって、挿入方向D3にヘッド組立体18Aがガイドされながらコネクタの連結が円滑に行われる。
ヘッド組立体18Aとヘッドカバー39が一体となった後は、利用者が図12の矢印とは逆方向にヘッドカバー39を揺動させる(上に押し上げる)ことで、ヘッド組立体18Aがロックされる。つまり、ヘッド組立体18Aのピン38Pがヘッド保持部36に保持される。すなわち、ピン38Pがコイルばね37bの付勢力に抗して押さえ板37aを方向D1(図5)とは逆方向に移動させて孔37dから上方に突出し、その状態で押圧力により保持される。
【0066】
以上説明したように、上述したプリンタ1は、サーマルヘッド18を含むヘッド組立体18Aと、ヘッド組立体18Aを着脱可能に保持するヘッド保持部36と、ヘッド保持部36に対して揺動可能であってサーマルヘッド18の少なくとも一部を覆うヘッドカバー39と、を備える。そして、ヘッド組立体18Aの切り欠き部382bとヘッドカバー39のガイド突起393により構成されるガイド部がヘッド組立体18Aをプリンタ本体から挿抜するときガイドするようにしたことから、プリンタ1におけるサーマルヘッド18の交換作業性を良好にすることができる。
また、ヘッド組立体18Aの切り欠き部382aを上向きに開口したU字状で成形したため、ヘッド組立体18Aを挿抜するときに容易に回転軸41から着脱することができる。すなわち、ヘッド組立体18Aの円滑な挿抜作業とサーマルヘッド18の前後位置調整と、を両立させることが可能となる。
【0067】
一実施形態では、図13に示したように、ヘッド組立体18A側のコネクタ184とヘッドカバー39側のコネクタ501は、ヘッド組立体18Aの挿抜方向(方向D2及び方向D3)において連結され、又は非連結にされるように構成される。それによって、ヘッド組立体18Aの挿抜とともにコネクタを連結し、又は非連結とすることができるため、ヘッド組立体18Aの挿抜作業とコネクタ連結作業とを別個に行う必要がない。
【0068】
図13に示した例示的なガイド部は、ヘッド組立体18Aの切り欠き部382bと、ヘッドカバー39のガイド突起393とを含むように構成されるが、その限りではない。プリンタ1からヘッド組立体18Aを挿抜するときにヘッド組立体18Aをガイドする限り、ガイド部は様々な形態を採ることができる。
【0069】
図14は、ガイド部の変形例を説明するための図である。
図14Aは、図13に示す切り欠き部382bとガイド突起393の断面を示している。切り欠き部382bに2つの対向するガイド面382bs1,382bs2が形成されている。ガイド突起393には、挿抜方向(図13の方向D2及び方向D3)に沿ってガイド面382bs1,382bs2上をそれぞれ摺動するための摺動面393s1,393s2が形成されている。ヘッド組立体18Aをガイドする際には、2つのガイド面と2つの摺動面とが同時に接触し、しかも摺動面に直交する2方向からガイドされながらヘッド組立体18Aが挿抜方向を移動することになるため、安定的にガイド可能となる利点がある。
しかし、2つのガイド面と、対応する2つの摺動面とを形成する場合に限られない。ガイド部は、1つのガイド面と、対応する1つの摺動面とを含むようにしてもよい。例えば図14Bに示すように、一実施形態では、ガイド部は、挿抜方向に沿って1つのガイド面393Asが形成されたガイド突起393Aと、ガイド面393As上を摺動するための1つの摺動面382bAsが形成されたガイド突起382bAと、を有する。この場合もヘッド組立体18Aを挿抜するときのガイド機能を発揮することができる。
【0070】
一実施形態では、2つの摺動面が互いに平行ではなく、各摺動面に対応する2つのガイド面が互いに平行でない。例えば図14Cに示す切り欠き部382bBの2つのガイド面は平行ではなく、ガイド突起393Bの2つの摺動面は平行ではない。この場合も、切り欠き部382bBとガイド突起393Bが係合してヘッド組立体18Aを挿抜するときのガイド機能を発揮することができる。
【0071】
図13では、ヘッド組立体側に形成された切り欠き部と、ヘッドカバー側に形成されたガイド突起とでガイド部を構成したが、その限りではなく、逆であってもよい。すなわち、一実施形態では、図14Dに示すように、ヘッド組立体側に形成されたガイド突起384と、ヘッドカバー側に形成された切り欠き部396とでガイド部が構成される。
ガイド部を構成する切り欠き部の数とガイド突起の数は1つに限られず、任意の数に設定可能である。例えば図14Eでは、2つの切り欠き部が形成された切り欠き部382bCと、対応する2つの突起が形成されたガイド突起393Cとでガイド部が構成されている。
【0072】
次に、上述したヘッド組立体18Aとは異なるヘッド組立体18Bが搭載されるプリンタ1Aについて、図15および図16を参照して説明する。なお、プリンタ1Aでは、ヘッド組立体18Bと後述するヘッドカバー39A以外の構成については、プリンタ1と同様とすることができる。
図13に示したように、ヘッド組立体18Aのコネクタ184は、ヘッドカバー39に配置されるコネクタ501と直接的に連結され、又は非連結にされるように構成される。それに対して、ヘッド組立体18Bは、図示しない制御ユニットから延びる配線の先に設けられたコネクタに接続される点で、ヘッド組立体18Aと異なる。
【0073】
図15に示すプリンタ1Aは、ヘッド組立体18Bとヘッドカバー39Aを備える。ヘッド組立体18Bは、サーマルヘッドの基板に連結されているコネクタ184a,184bを有する。コネクタ184a,184bはそれぞれ、図示しない制御ユニットから延びる配線の先に設けられたコネクタ501a,501bに接続される。なお、図16は、コネクタ184a,184bとコネクタ501a,501bを非接続にした状態を示している。
【0074】
ヘッド組立体18Bのヘッド付属部材には、ヘッド組立体18Aと同様に、両側に一対の切り欠き部382bDが形成されている。一実施形態では、切り欠き部382bDの切り欠き長は、ヘッド組立体18Aの切り欠き部382b(図10参照)よりも長い。
他方、ヘッドカバー39Aには、ヘッドカバー39(図13参照)と異なり、回路基板およびコネクタが実装されていない。ヘッドカバー39Aの両側の側部には、一対のガイド突起393Dが形成されている。一実施形態では、ガイド突起393Dの突起長は、ガイド突起393(図10参照)よりも長い。ヘッドカバー39Aの揺動軸40に対する挿通孔は、ヘッドカバー39の挿通孔362a(図10参照)と異なり、円形(丸孔)となっている。
ヘッド組立体18Bの切り欠き部382bDは、ヘッド組立体18Bのヘッドカバー39Aに対する後方への移動に応じてヘッドカバー39Aのガイド突起393Dとスライド可能に係合するように構成されている。
【0075】
前述したように、プリンタ1(図13参照)では、ヘッド組立体18Aとヘッドカバー39の連結(又は非連結)に応じて、コネクタ同士が連結(又は非連結)される。それに対して、プリンタ1A(図15)では、コネクタ501a,501bがヘッドカバー39Aに搭載されていないため、ヘッド組立体18Bとヘッドカバー39Aの連結(又は非連結)は、コネクタ同士の連結(又は非連結)と無関係である。
ヘッドカバー39Aは、ヘッドカバー39と異なり、ガイド突起393Dと切り欠き部382bDの係合によってのみヘッド組立体18Bと連結している。言い換えれば、ヘッドカバー39Aは、ヘッド組立体18Bの切り欠き部382bDによって保持されている。そのため、ヘッドカバー39Aが上下方向にガタつかないように、ガイド突起393Dの突起長と切り欠き部382bDの切り欠き長をそれぞれ、ガイド突起393と切り欠き部382bよりも長くしている。
【0076】
以下、プリンタ1Aにおいて、ヘッド組立体18Bのサーマルヘッドの交換方法について、図15図17を参照して説明する。図17は、プリンタ1Aからヘッド組立体18Bを抜き出すときの動作を示す図である。
ヘッド組立体18Bの交換方法は、プリンタ1のヘッド組立体18Aの場合と基本的には同じであるため、以下では主として、ヘッド組立体18Aの場合と異なる部分について説明する。
【0077】
先ず、図5に示したのと同様に、利用者が、印字ヘッドユニット13を開放させた状態で露出するヘッド保持解除部30を方向D1に向けて押し込む操作を行うと、ヘッド組立体18Bとヘッドカバー39Aが一体的に揺動軸40を中心に揺動する。
なお、この時点で、ヘッド組立体18Bの切り欠き部382bDと、ヘッドカバー39Aのガイド突起393Dとが係合している。そのため、ヘッド組立体18Bとヘッドカバー39Aが一体となっている。ヘッド組立体18Bとヘッドカバー39Aの揺動は、ヘッドカバー39Aのピン394がヘッド保持部36のピン当接部362cに当接することで停止する。
この停止した状態が図17に示される。図17に示した状態では、ヘッド組立体18Bは水平面に対して斜め上方を向いている(つまり、ガイド突起393Dが水平面よりも斜め上方を向いた状態である)ため、ヘッド組立体18Bは脱落(落下)しない。
【0078】
図17の状態では、利用者がヘッド組立体18Bを抜き出し方向D2(図15参照)に引き出すことで、ヘッド組立体18Bの切り欠き部382bDとヘッドカバー39Aのガイド突起393Dの係合が解除されて、ヘッド組立体18Bを抜き出すことができる。抜き出されたヘッド組立体18Bでは、図15に示すように、コネクタ184a,184bが相手方のコネクタ501a,501bと連結された状態である。そこで利用者は、図16に示すように、コネクタの連結を解除する作業を行う。それにより、ヘッド組立体18Bをプリンタ1Aから取り外すことができる。
【0079】
ヘッド組立体18Bのサーマルヘッドを交換する方法は、ヘッド組立体18Aと同じである。
【0080】
交換後のヘッド組立体18Bをプリンタ1に取り付ける場合、上述した手順と逆の手順で行う。すなわち、利用者は、交換後のヘッド組立体18Bのコネクタ184a,184bを、引き出されている相手方のコネクタ501a,501bと連結させ、図15の挿入方向D3に沿ってヘッド組立体18Bを挿入する。利用者がヘッド組立体18Bを押し込むことで、ヘッド組立体18Bの切り欠き部382bDとヘッドカバー39Aのガイド突起393Dが係合し、ヘッド組立体18Bとヘッドカバー39Aが連結する(一体となる)。このとき、ヘッド組立体18Bの切り欠き部382bDとヘッドカバー39Aのガイド突起393Dは、ヘッド組立体18Bを挿入方向D3に沿って摺動しながら係合するため、利用者がヘッド組立体18Bを挿入するときのガイド部として機能する。
その後は、利用者がヘッドカバー39Aを揺動させる(上に押し上げる)ことで、ヘッド組立体18Bがロックされる点は、プリンタ1の場合(図12参照)と同じである。
【0081】
以上、本発明のプリンタの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。
【0082】
以上説明した実施形態に関し、以下の付記を開示する。
[付記1]
サーマルヘッド組立体調整シャフトを有するヘッドカバー組立体取付ブラケットと、
前記ヘッドカバー組立体取付ブラケットに対して回転するように構成されたヘッドカバー組立体と、を備えるプリンタボディ組立体であって、
前記ヘッドカバー組立体は、ヘッドカバーとサーマルヘッド組立体を備え、
前記ヘッドカバーは、
奥行き方向において前方に突出する第1コネクタと、
幅方向において前記ヘッドカバーの第1側に配置された第1ガイド突起と、を有し、
前記サーマルヘッド組立体は、前記ヘッドカバーに脱着可能であり、サーマルヘッドとサーマルヘッドブラケットを備え、
前記サーマルヘッドは、
印字するように構成された発熱素子と、
前記発熱素子と動作可能に接続された第2コネクタであって、前記サーマルヘッド組立体の前記ヘッドカバーに対する後方への移動に応じて前記ヘッドカバーの前記第1コネクタに取り外し可能に接続するように構成された第2コネクタと、を有し、
前記サーマルヘッドブラケットは、
前記サーマルヘッドに取り付けられ、奥行き方向及び幅方向に延びている中央板部と、
前記中央板部の第1側に配置され、奥行き方向と高さ方向に延びている第1端板部と、を有し、
前記第1端板部は、
前記第1端板部の前方側において前記第1端板部の上方端に配置され、前記サーマルヘッド組立体調整シャフトに係合するように構成された第1切り込み部と、
前記第1端板部の後方端に配置され、前記サーマルヘッド組立体の前記ヘッドカバーに対する後方への移動に応じて前記第1ガイド突起とスライド可能に係合するように構成された第2切り込み部と、を有する、
プリンタボディ組立体。
[付記2]
前記ヘッドカバーはさらに、幅方向において前記ヘッドカバーの第2側に配置された第2ガイド突起を有し、
前記サーマルヘッドブラケットは、
前記中央板部の第2側に配置され、奥行き方向と高さ方向に延びている第2端板部と、を有し、
前記第2端板部は、
前記第2端板部の前方側において前記第2端板部の上方端に配置され、前記サーマルヘッド組立体調整シャフトに係合するように構成された第3切り込み部と、
前記第2端板部の後方端に配置され、前記サーマルヘッド組立体の前記ヘッドカバーに対する後方への移動に応じて前記第2ガイド突起とスライド可能に係合するように構成された第4切り込み部と、を有する、付記1に記載のプリンタボディ組立体。
[付記3]
前記第1端板部は、前記中央板部の第1端から下方に延びている、付記1に記載のプリンタボディ組立体。
[付記4]
前記第1切り込み部は、前記第1端板部において前記中央板部の上面を越えて上方に突出した部分に形成されている、付記3に記載のプリンタボディ組立体。
[付記5]
前記サーマルヘッドブラケットは、前記中央板部の前記第1端と、前記第1端板部において前記中央板部の上面を越えて上方に突出した前記部分と、の間に配置された第1裂状切り欠き部を有する、付記4に記載のプリンタボディ組立体。
[付記6]
前記第1端板部の前記第2切り欠き部は、前記第1端板部の後端において後方に延びる上方突起及び下方突起によって規定され、
前記中央板部の前記第1端は、前記上方突起の後端から前記第1裂状切り欠き部の後端まで直線状に延びている、付記5に記載のプリンタボディ組立体。
[付記7]
前記サーマルヘッド組立体の前記ヘッドカバーに対する後方への移動に応じて、前記第2切り欠き部が、前記第2コネクタが前記ヘッドカバーの前記第1コネクタと接続する前に前記第1ガイド突起とスライド可能に、かつ少なくとも部分的に係合するように、前記サーマルヘッド組立体が構成されている、付記1に記載のプリンタボディ組立体。
【符号の説明】
【0083】
1,1A…プリンタ
2…フロントカバー
3…入力ボタン
4…表示パネル
5…発行口
6…オープンカバー
7…ヒンジ
10…用紙供給部
10a…支持軸、10b…ロールガイド
11…印字部
12…インクリボン部
12a…リボン供給部、12b…リボン巻き取り部、121,122…リボンローラ
13…印字ヘッドユニット
14…支持台
15…ダンパ
15a…アウターダンパ、15b…インナーダンパ
16…ヘッドロックレバー
17…支持板
18A,18B…ヘッド組立体
18…サーマルヘッド、18L…発熱部、181…ヒートシンク、181a…ねじ穴、183…基板、184,184a,184b…コネクタ
38…ヘッド付属部材
38P…ピン、38Pr…凹部、381…中央板、381a,381b…孔、382…端部板、382a…切り欠き部、382b,382bD…切り欠き部、382b1…上方突起、382b2…下方突起、383…ねじ、384…突部、385…裂状切り欠き部
19…係合爪
20…ピン
21…捩りばね
22…ロック爪
23…プラテンローラ
35…ヘッド機構部
36…ヘッド保持部
36f,36g…孔、361…支持板、362…側壁、362a,362b…貫通孔、362c…ピン当接部、37…ピン押圧部、37a…押さえ板、37b…コイルばね、37d…孔、37f,37g…ピン、37h…ピン当接片、37i…凸部、37j…突起、30…ヘッド保持解除部
39,39A…ヘッドカバー
39h…貫通孔、391…サーマルヘッド載置部、392…回路基板固定部、392a…ねじ切り部、393,393D…ガイド突起、394…ピン、395…挿通孔、396…切り欠き部、397…センサ収容部、398…ねじ穴、399…貫通孔
40…揺動軸
41…回転軸、41a…嵌合部
42…操作部
50…回路基板、501,501a,501b…コネクタ
51…配線
CP…連続紙、PM…台紙、PL…ラベル、RB…インクリボン、R…ロール紙
G1…ギア
S1…揺動軸
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