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特開2024-144364射出成型刃とそのための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144364
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】射出成型刃とそのための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/77 20060101AFI20241003BHJP
   B29C 45/37 20060101ALI20241003BHJP
   B29C 45/26 20060101ALI20241003BHJP
   B29C 45/64 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B29C45/77
B29C45/37
B29C45/26
B29C45/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024052740
(22)【出願日】2024-03-28
(31)【優先権主張番号】63/455,708
(32)【優先日】2023-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/417,371
(32)【優先日】2024-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503096421
【氏名又は名称】ダート コンテナー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル エー.ブランディ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー エー.ワーナー
(72)【発明者】
【氏名】マーカス ジェフリー ノーマン
(72)【発明者】
【氏名】カイル クーチー
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AA01
4F202AG28
4F202AH52
4F202AR02
4F202AR11
4F202AR12
4F202AR14
4F202CA11
4F202CB01
4F202CK06
4F202CK11
4F202CK89
4F206AA01
4F206AG28
4F206AH52
4F206AR02
4F206AR11
4F206AR12
4F206AR14
4F206JA07
4F206JF01
4F206JL02
4F206JM04
4F206JN11
4F206JN32
4F206JP13
4F206JQ81
4F206JQ82
(57)【要約】
【課題】射出成型刃とそのための方法およびシステムを提供する。
【解決手段】本願開示の態様は、ハンドル部と器具部とを画定する本体を備え、前記本体部の中央部に射出ゲートマークを有する射出成型刃である。その本体は本体部の端部に射出に必要な射出圧の60%未満の圧力で射出された生体材料から作られる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドル部と器具部とを画定する本体を備え、前記本体部の中央部に射出ゲートマークを有する射出成型刃であって、前記本体は前記本体部の端部に射出に必要な射出圧の60%未満の圧力で射出された生体材料から作られる射出成型刃。
【請求項2】
請求項1の射出成型刃であって、
前記中央部は、前記本体の全容積の20%を備え、前記本体の体積中心を含んでいる射出成型刃。
【請求項3】
請求項1の射出成型刃であって、
前記本体は表面積に対する体積の比が0.0242以下である射出成型刃。
【請求項4】
請求項3の射出成型刃であって、
前記本体は0.0450インチから0.0508インチの厚さを有する射出成型刃。
【請求項5】
請求項3の射出成型刃であって、
前記生体材料はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を含む射出成型刃。
【請求項6】
請求項5の射出成型刃であって、
前記中央部は前記ハンドル部の一部を含み、前記射出ゲートマークが前記ハンドル部の前記一部に位置する射出成型刃。
【請求項7】
請求項1の射出成型刃であって、
前記本体は堆肥化可能である射出成型刃。
【請求項8】
請求項1の射出成型刃であって、
前記本体は20℃から30℃の温度範囲を有する環境において12ヶ月以内に少なくとも90%において生分解可能である射出成型刃。
【請求項9】
請求項1の射出成型刃であって、
前記本体は1平方インチ当たり3トン以下のクランプ圧力で形成され、前記本体の長さが少なくとも5.5インチである射出成型刃。
【請求項10】
刃形モールドキャビティを形成する少なくとも2つのモールド部を有するモールド内でプラスチック刃を射出成型する方法であって、
前記刃形モールドキャビティの中央部に、前記刃形モールドキャビティの端部で射出に要する射出圧の60%未満の射出圧で生分解可能な溶融物の射出を行うことを備えることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10の方法であって、
前記生分解可能なプラスチックの溶融物の射出は2秒以下の後に停止する方法。
【請求項12】
請求項11の方法であって、
前記生分解可能なプラスチックの溶融物の射出は前記刃形モールドキャビティを充填し、前記中央部に射出ゲートマークを形成する方法。
【請求項13】
請求項13に記載の方法であって、
前記刃形モールドキャビティの前記端部で射出に必要なクランプ力の60%未満のクランプ力を前記モールドに加えることをさらに含む方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法であって、
前記少なくとも2つのモールド部は複数の追加刃形モールドキャビティを形成する方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法であって、
前記プラスチック刃は、ハンドル部と器具部とを備え、
前記モールドキャビティは、(i)前記ハンドル部を形成するハンドル区画と、(ii)前記器具部を形成する道具区画と、を備え、
前記方法は、前記射出の間に、前記器具部から前記道具区画を介して、および前記ハンドル部から前記ハンドル区画を介して、空気を排出することを備える方法。
【請求項16】
生体材料から堆肥化可能な射出成型刃を形成するためのシステムであって、
それぞれが中央部を有する複数の刃形モールドキャビティを含むモールドであって、前記中央部は前記刃の本体の前記中央部に対応するモールドと、
前記複数のモールドキャビティの前記中央部と流体的に連通する複数のゲートと、
前記複数のゲートを介して前記複数のモールドキャビティに前記生体材料を提供するために前記モールドに結合された射出アセンブリと、
前記モールドに動作可能に結合されたプレスと、を備えるシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、
前記生体材料は、1000l/sのせん断速度および240℃の温度で、少なくとも100Pa・sの粘度を有するシステム。
【請求項18】
請求項16に記載のシステムであって、
前記複数のモールドキャビティは、第1式のモールドキャビティと第2式のモールドキャビティと、を備え、
前記第1式のモールドキャビティは、互いに平行であって、
前記第2式のモールドキャビティは、前記第1式のモールドキャビティとは平行ではないシステム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムであって、
前記複数のモールドキャビティの合計数は少なくとも48であって、射出のための前記クランプアセンブリによって提供されるクランプ力は1平方インチあたり2.5トン以下であって、前記本体は少なくとも5.5インチの長さであり、前記射出アセンブリによって提供される射出圧がキャビティあたり8,000PSI以下であって、かつ充填時間は2秒以下であるシステム。
【請求項20】
請求項16に記載のシステムであって、
前記複数のゲートは、射出中の前記生体材料の流路の最大長が前記複数のモールドキャビティの一のモールドキャビティの長さの55%以下であるように配置されるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成型、射出成型された刃並びにその方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
フォーク、ナイフおよびスプーン等のプラスチック刃又は調理器具は、広く使用されており、典型的には、製造される調理器具の形状に複数のキャビティを画定するモールドセットに基づく射出成型によって製造される。溶融プラスチックは、プラスチックがキャビティの一方の端部から他方の端部へ流れてキャビティを充填することを確実にする射出圧で、典型的には調理器具のハンドルを形成するキャビティの端部において、各キャビティに射出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
射出成型機は、一般に、射出、プラテンおよびプレスを含む。プラテンは、一般に、射出に結合され、モールドの第1の部分を支持する固定プラテンと、プレスによって固定プラテンに向かって駆動され、モールドの第2の部分を支持する可動プラテンとを有し、第1および第2のモールド部分が一緒になってキャビティを形成する。プレスは、射出からの射出圧に対抗する力を加えて、モールド部分を閉じた状態に保つ。
【0004】
射出成型機には、通常、プレスによって生成される圧力に基づいて定格される標準サイズがあり、そのサイズは、「圧力トン」又は「トン数」の観点から分類される(例えば、「5トンマシン」)。プラテンは、固定サイズである傾向があり、特定の物理的サイズのモールド又は複数のモールドのみを収容することができる。射出成型機の1回の動作サイクルで形成できる治具の数は、必要な射出圧、プレスのトン数定格、およびプラテン上の面積の関数である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の態様では、射出成型刃は、ハンドル部と器具部とを画定する本体を備え、前記本体部の中央部に射出ゲートマークを有する。本体は、前記本体部の端部に射出に必要な射出圧の60%未満の圧力で射出された生体材料から作られる。
【0006】
他の態様では、道具形モールドキャビティを形成する少なくとも2つのモールド部を有するモールド内でプラスチック刃を射出成型する方法は、道具形モールドキャビティの中央部に、本体の端部で射出に要する射出圧の60%未満の射出圧で生分解可能な溶融物の射出を行うことを備えることを特徴とする。
【0007】
他の態様では、生体材料から堆肥化可能な射出成型刃を形成するためのシステムは、それぞれが中央部を有する複数の刃形モールドキャビティを含むモールドであって、前記中央部は前記刃の本体の前記中央部に対応するモールドと、前記複数のモールドキャビティの前記中央部と流体的に連通する複数のゲートと、前記複数のゲートを介して前記複数のモールドキャビティに前記生体材料を提供するために前記モールドに結合された射出アセンブリと、前記モールドに動作可能に結合されたプレスと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一態様に刃を射出成型するための例示的なシステムの概略図である。
図2】本開示の一態様による刃を射出成型するための例示的なモールド部分の断面図である。
図3】本開示の一態様による刃を射出成型するための例示的な方法の流れ図である。
図4】本開示の一態様による射出前、射出中、および射出後の例示的なモールドキャビティの斜視図である。
図5】本開示の一態様による射出前、射出中、および射出後の例示的なモールドキャビティの斜視図である。
図6】本開示の一態様による射出前、射出中、および射出後の例示的なモールドキャビティの斜視図である。
図7】本開示の一態様による刃を射出成型するための斜視図である。
図8】本開示の一態様による刃を射出成型するための斜視図である。
図9】本開示の一態様による刃を射出成型するための例示的なシステムの概略図である。
図10】本開示の一態様による刃を射出成型するための例示的なシステムの概略図である。
図11】本開示の一態様による刃を射出成型するための例示的なシステムの概略図である。
【0009】
(本発明を実施するための構成)
射出成型機は、プレスを使用してクランプ力 (トンまたはトン数) を加え、溶融樹脂の射出圧に対してモールド部品を一緒に保持する。射出圧は、溶融樹脂をモールドに供給する押出機によって提供されます。射出成型機のプラテンは、通常、異なる大きさのモールドや複数のモールドに対応できる大きさになっている。
モールドの大きさおよび/または数は、プラテンの面積、所定のモールドの樹脂に必要な射出圧、および射出成型機のトン数によって制限される。射出成型機のクランプ力は、1以上のモールドに適用される射出圧より大きい必要がある。射出圧が増加すると、他のすべての条件が等しい場合、モールドキャビティの数は減少します。
【0010】
プラスチック刃の射出成型では、従来、プラスチックとしてポリプロピレンやポリスチレンが使用されており、これをハンドルの先端に射出して刃の先端に流していた。ポリプロピレンやポリスチレンは生分解性プラスチックではない。粘度の高い生分解性プラスチックに切り替えると、射出圧は非生分解性プラスチックの約2倍になることがわかった。生分解性プラスチックで射出圧を2倍にすると、非生分解性プラスチックの場合と比較して、1サイクルで成型できる刃の数が逆に減少する。非生分解性プラスチックの生産速度を達成するためには、新しいトン数の大きい射出成型機に投資するか (望ましくない)、何らかの方法で射出圧を下げる必要がある。また、同じ生産速度を維持するためには、同じ射出時間を維持することが望ましい。
【0011】
生分解性プラスチックを使用する場合、射出位置をハンドルの端部から刃のほぼ体積中心に移動することで、他の点では同一の刃キャビティに対してハンドルの端部から射出した場合と同等の射出圧まで射出圧を低減できることがわかった。体積中心の射出位置でも同様の射出時間が可能である。適切な射出時間は通常約1秒である。体積中心の射出位置で同じ射出圧と同じ射出時間を使用すれば、同じ射出成型機で同じ速度で生分解性プラスチック刃を製造することができ、より堅牢な射出成型機に投資する必要がなくなる。
【0012】
図1は、刃を射出成型するための例示的なシステム100を示す。システム100は、モールド110、射出アセンブリ112、および/またはプレス114を含むことができる。モールド110は、一以上のキャビティ124を提供することができる第1モールド部分120および第2モールド部分122を含むことができる。一以上のキャビティ124は、刃形とすることができる。射出アセンブリ112は、材料126を一以上のキャビティ124に注入して刃200(例えば図7から図9参照)を形成することができる。プレス114は、材料126を一以上のキャビティ124に注入する間などに、モールド部分120,122を一緒にクランプするために、モールド部分120,122の一方または両方にクランプ力を加えることができる。キャビティ124は、フォークの形状で示され、理解を容易にするためにサイズが誇張されている。キャビティは、任意の刃の形状とすることができ、実際の使用では、射出アセンブリ112および請求項114に対して小さくなる。
【0013】
射出アセンブリ112は、ホッパー130、バレル132、ノズル134、スクリュー136、および/またはスクリューアクチュエータ138を含むことができる。ホッパー130は、通常はペレット状の原料126を貯蔵し、重力フィードなどを介してペレットをバレル132に供給することができる。スクリュー136は、ホッパー130からバレル132に入ったプラスチック126をノズル134に向かって押すためにバレル132内に配置することができる。バレル132は、スクリュー136からの熱と圧力の組み合わせが固体ペレットを溶融プラスチックに変換するように加熱することができる。スクリューアクチュエータ138は、バレル132内のスクリュー136を駆動するように動作可能に結合することができる。例えば、スクリューアクチュエータ138は、スクリュー136を回転させるモータを含むことができ、および/またはスクリュー136の直線/軸運動を引き起こす直線アクチュエータ(例えば、シリンダ、ラム、プレスなど)を含むことができる。
【0014】
スクリュー136を回転させる、および/または溶融プラスチック126をノズル134に向かって押し込むことにより、マニホールド140に供給される、および/またはキャビティ124に注入される溶融プラスチック126の圧力を高めることができる。射出アセンブリ112は、いくつかの構成において、最高20,000PSIまたはそれ以上の射出圧を提供することができる。高い射出圧は、キャビティ充填時間を減少させることができるが、射出中にモールド部分120,122を一緒にクランプしたままにするためにプレス114から必要とされる対応するクランプ力を増加させることもできる。プレス114は、最大クランプ力を有し、必要なクランプ力は、キャビティ124の数および射出圧の関数であってもよい。キャビティ124の数を増加させるか、または射出圧を増加させると、必要なクランプ力を増加させることができる。したがって、射出圧を減少させると、特定のサイズのモールド110のキャビティ124の数を増加させることができ、これにより、成型効率(すなわち、単位時間当たりの生産床面積当たりの刃片/器具)を増加させることができる。
【0015】
射出アセンブリ112は、溶融プラスチック126をある温度範囲で加熱、溶融、および/または維持する一つ以上のヒータ150を含むことができる。一つ以上のヒータ150は、ホッパー130および/またはバレル132などの射出アセンブリ112の一つ以上の部分の上、中、および/または隣接して配置することができる。いくつかの生分解性プラスチックでは、温度範囲は約330°Fから360°Fであり、および/または材料の融点の関数であり得る。温度範囲は、射出アセンブリ112の異なる部分に対して同じであっても、そうでなくてもよい。例えば、いくつかの構成では、バレル132内の溶融プラスチック126の温度範囲は、ホッパー130内の溶融プラスチック126よりも高くてもよく、他の構成では、温度範囲は実質的に同じであってもよい。
【0016】
本開示の態様によれば、システム100は、各モールド100またはキャビティ124のグループのための射出アセンブリ112、または各プレス114のための射出アセンブリ112を含むことができる。例えば、射出アセンブリ112は、溶融プラスチック126をバレル132およびノズル134からマニホールド140の一以上の内部通路142を介して、各々が一以上のモールド100のそれぞれのキャビティ124に接続された複数のマニホールドノズル144,146に分配するマニホールド140 (すなわち加熱マニホールド)を含むことができる。マニホールドノズル146は、一つのキャビティ124のみが示されているため、説明のために図1に箱として示されているが、マニホールドノズル146は、それぞれの他のキャビティ124に結合され、図示されたマニホールドノズル144と同じまたは類似の構成を有することができる(例えば図11参照)。射出アセンブリ112は、独立したアセンブリであってもよく、または一以上の構成要素を共有してもよい。例えば、複数の射出アセンブリ112は、共通のホッパー130を共有することができる。
【0017】
さらに図1を参照すると、キャビティ124は刃形とすることができる。フォーク形状のキャビティは、図示の目的で図面に示されているが、本開示は、フォーク形状のキャビティまたは射出成型フォークに限定されるものではなく、本開示の態様は、とりわけ、スプーンおよびナイフなどの他の刃または器具に適用することができる。第1モールド部分120および第2モールド部分122は、協働してキャビティ124を画定することができる。例えば、第1モールド部分120および第2モールド部分122は、それぞれ、キャビティ124の部分(例えば、壁、表面など)を含むことができる。
【0018】
モールド110は、キャビティ124内の溶融プラスチック126をある温度範囲に維持する一つ以上のヒータ152を含むことができる。一つ以上のヒータ152は、モールド110の一つ以上の部分の上、中、および/または隣接して配置することができる。いくつかの例では、温度範囲は、約130°Fから160°Fとすることができる。
【0019】
本開示の一態様によれば、第1モールド部分120および第2モールド部分122の一方または両方は、他方に向かって移動可能である。一例示的な構成では、第1モールド部分120は、固定プラテン154などを介して固定することができ、第2モールド部分122は、可動プラテン156などを介してプレス114に動作可能に結合することができる。プラテン154,156は、レール158によって動作可能に結合することができる。プレス114は、可動プラテン156および第2モールド部分122を第1モールド部分120に向かって移動させることができ、射出アセンブリ112を介して加圧された溶融プラスチック126を射出する間、モールド部分120,122を一緒に維持するように、モールド部分120,122にクランプ力を加えることができる。プレス114は、他の構成の中でも、プレス、ラム、および/または油圧シリンダを含むことができる。
【0020】
本開示の一態様によれば、マニホールドノズル144,146の部分は、ノズル144,146のそのような部分を受容するための対応する空隙160を含むことができるモールド部分120,122の一つに配置することができる。空隙160は、モールド部分120,122の外側にある第1開口162と、キャビティ124にある第2開口164とを含むことができる。第2開口164は、ゲート164と呼ぶこともできる。ゲート164のサイズ(例えば、面積、直径など。)は、キャビティ124への溶融プラスチック126の圧力および/または流量を少なくとも部分的に規定することができる。いくつかの態様では、ゲート164は、バルブゲートとして構成することができる。
【0021】
本開示の一態様によれば、図1および図2に一般的に示されるように、ゲート164は、キャビティ124の中央部170に配置され、および/またはキャビティ124の端部に近接しない。中央部170は、キャビティ124の体積中心172を中心とするキャビティ124の全体積の20%以下(例:15%以下、10%以下、5%以下など)を構成することができる。キャビティ124を介して形成されるキャビティ124および/または刃200の全体積は、例えば、限定されるものではないが、いくつかの構成において約0.22立方インチ~約0.25立方インチであり得る。ゲート164を中央部170に配置することにより、充填時間の増加を維持および/または制限しながら、高粘度材料などの射出圧を低減することができる。射出圧を低減することにより、モールド110当たりのモールドキャビティ124の数を増加させることができ、および/またはプレス114から必要とされるクランプ力を低減することができる。
【0022】
本開示の一態様によれば、モールド110(またはモールド110’)は、第1キャビティ124および一以上の追加のキャビティを含むことができる。例えば、図2に示す第1モールド部分120に関連して一般的に示されるように、モールド110(またはモールド110’)は、それぞれが関連する追加のゲート(例えば、ゲート164~16412)を有することができる追加のキャビティ124~12412を含むことができる。第2モールド部分122は、第1モールド部分120と協働して、キャビティ124および/または一以上の追加のキャビティ124~12412を完全に画定することができる。いくつかの構成において、複数の追加のキャビティは、第1セットの追加のキャビティ124~124および第2セットの追加のキャビティ124~12412を含むことができる。第1セットの追加のキャビティ124~124は、互いにおよび/または第1キャビティ124と平行であってもよい。第2セットの追加のキャビティ124~12412は、互いに平行であり、第1キャビティ124と反平行であり、および/または第1キャビティ124および追加のキャビティ124~124のセットと交互のパターンで配置されてもよい。複数の追加のゲート164~16412は、複数の追加のキャビティ124~12412のそれぞれの中央部170~17012に配置されてもよい。
【0023】
12個の総キャビティ124が示されているが、モールド110は12個のキャビティ124に限定されず、他の数のキャビティ124を含むことができる。プレス114に連結されたすべてのモールド110,110’のキャビティ124の総数は、射出圧と共に、プレス114によって提供され得る最大クランプ力に従って規定され、および/または少なくとも部分的に、プレス114から要求される最小クランプ力を指示することができる。いくつかの構成は、少なくとも48個の総キャビティ124を含むことができる。
【0024】
本開示の一態様によれば、キャビティ124は、ハンドル部180および器具部182を含むことができる。ハンドル部180は、刃200のハンドル部204を形成するように適合させることができる。器具部182は、刃200の器具部206を形成するように適合させることができる。例えば、刃200がフォークである場合、器具部182は、複数の歯モールド部分を含むことができ、刃200がナイフである場合、器具部182は、刃部を含むことができ、刃200がスプーンである場合、器具部182は、ボウルモールド部分を含むことができ、および/または、器具部182は、他の刃または器具のための他の構成を含むことができる。中央部170は、ハンドル部180および器具部182のいずれかまたは両方の部分を含むことができる。
【0025】
本開示の態様によれば、キャビティ124は、第1ベント184および/または一つ以上の第2ベント186などの複数のベントを含むことができる。第1ベント184は、キャビティ124の第1端部174に配置することができ、および/または一つ以上の第2ベント186は、キャビティ124の第2端部176に配置することができる。第1ベント184は、ハンドル部ベントであってもよい。一つ以上の第2ベント186は、器具部ベントであってもよい。キャビティ124は、例えば、キャビティ124がフォーク形状である場合、フォークの各歯のための第2ベント186を含むことができる。
【0026】
図3に全体的に示すように、本開示の一態様は、プラスチック刃200を、刃形モールドキャビティ124を形成する少なくとも2つのモールド部分120,122を有するモールド110内に射出成型する方法300を含む。方法300は、ペレット形態などのプラスチック材料126(生分解性プラスチック)を射出アセンブリ112のホッパー130に供給することを含むことができる(ブロック302)。方法は、プレス114を介して(例えば、平方インチ当たり約2.5トン以下)3トン/平方インチ以下のクランプ力をモールド110に加えることをさらに含むことができる(ブロック304)。クランプ力は、キャビティ124の端部での射出に必要なクランプ力の60%未満(例:50%未満)とすることができ、これは約4.5トン/平方インチ以上(例えば、長さ約6~8インチの刃200の場合)とすることができる。
【0027】
方法300は、射出アセンブリ112のスクリュー136を操作してプラスチック材料126を加熱および/または加圧し、材料126を溶融することを含む(ブロック306)。
【0028】
方法300は、スクリュー136(ブロック308)の操作などを介して、溶融した生分解性プラスチック材料126をモールドキャビティ124に注入することを含むことができる。例えば、これに限定されるものではないが、剪断速度1000l/sおよび温度180℃で少なくとも100Pa・sの粘度を有する溶融した生分解性プラスチック材料126を、キャビティ当たり8,000PSI以下の注入圧力で、刃形キャビティ124の中央部170に注入することができる。いくつかの構成では、溶融した生分解性プラスチック126の注入は、2秒以下の後に停止する。溶融した生分解性プラスチック126の注入は、刃形キャビティ124を充填することができる。溶融した生分解性プラスチック126の注入は、ノズル134を通して、マニホールド144の内部通路142およびノズル144,146を通して、ゲート164を通してキャビティ124内に溶融した生分解性プラスチック126を押し込むようにスクリュー136を作動させるスクリューアクチュエータ138を介して行うことができる。
【0029】
ブロック302のクランプ力は、射出前および/または射出開始時に加えられてもよく、射出中に加え続けてもよい。この方法は、(例えば、ブロック308における注入の間)ハンドル部通気孔184を介してハンドル部180から、および器具部通気孔186を介して器具部182から空気を排出するステップを含むことができる。
【0030】
方法300は、アクティブまたはパッシブ冷却などによって材料126を冷却することを含むことができる (ブロック310) 。方法300は、モールド部分120,122のクランプを外し、形成された刃200をキャビティ124から排出することを含むことができる (ブロック312) 。
【0031】
他の設計と比較して、本開示の一態様(ブロック308)によるキャビティ124への材料126の注入は、一般に図4から図6に示すように、注入された材料126がゲート164を通ってキャビティ124の両端174,176に向かってキャビティ124に流入することによって生じる注入圧力の低減を利用することができる。図4は、注入前のキャビティ124を示す。図5は、注入された材料126が中央部170のゲート164から第1端部174および第2端部176に向かって流れる、注入中のキャビティ124を示す(例えば、反対方向に同時に)。図6は、注入が完了した後または実質的に完了した後のキャビティ124を示し、注入された材料126は中央部170から両端174,176に向かって流れた。
【0032】
本開示の態様は、いくつかの他の設計で行われるように、一端で注入する代わりに中央部170に材料126を注入し、注入された材料126が実質的にキャビティ124の長さ124L全体を流れるように要求することを含むことができる。例えば、一部またはすべての注入された材料126の流路166の長さは、キャビティ124の長さ124Lの60%以下とすることができ、長さ124Lの55%以下および/または約50%とすることができる。いくつかの構成では、長さ124Lは、少なくとも6インチ、少なくとも7インチ、および/または約6インチから約7.75インチの範囲とすることができる。例えば、5.5インチから8.0インチの範囲が考えられる。流路長を短くすると、射出中の材料126の冷却を減らすことができ、これにより射出圧を減らすことができる。例えば、流路を長くすると、材料126の温度が低くなり、これにより粘度が増加し、充填時間を維持するために充填時間の増加または射出圧の増加が必要となることがある。
【0033】
また、キャビティ末端に射出を設ける設計は、コールドランナー用途から開発され、サーマルゲートおよびバルブゲート技術に適用された。これらの設計は、低粘度(ポリエチレン、ポリスチレンなど)の非生分解性材料で使用されているため、高い射出圧は不要であり、高い射出圧に伴う高いクランプ圧も問題となっていない。
【0034】
本開示の一態様によれば、図7から図9に一般的に示されるように、システム100および/または方法300の一以上の態様を介して形成されるような射出成型刃200は、ハンドル部204および器具部分206を画定し、本体202の中央部210に配置された射出ゲートマーク208を有する本体202を含むことができる。刃200の中央部210は、キャビティ124の中央部170に対応することができる。例えば、中央部210は、刃200の全体積の20%を含むことができ、刃200の体積中心212を含むおよび/またはその中央に配置することができる。中央部210は、ハンドル部204および器具部206のいずれかまたは両方の部分を含むことができる。本開示の一態様によれば、本体202は、本体202の端部に注入するために必要な注入圧力の60%未満の圧力で注入された生体材料126から作ることができる。例えば、2秒以内などの特定の時間枠で特定のキャビティ124を充填するために、中央部170で注入する本開示の態様による注入は、キャビティ124の端部に注入することによって同じ時間枠で同じキャビティ124を充填するために必要な注入圧力の60%未満の注入圧力を利用することができる。
【0035】
図7図9に全体的に示すような本開示の一態様では、刃200は、中央部210に配置された射出ゲートマーク208を含む。射出ゲートマーク208は、刃200の射出成型中にゲート164を介して形成することができる(ブロック308 。射出ゲートマーク208は、本体202から少なくともある程度延びる突出部、ある形態の変形/押し込み、および/または射出中のゲート164の位置の本体202上の他の可視表示を含むことができる。射出ゲートマーク208は、刃200の第1側面(例えば上面)または第2側面(例えば底面)に配置することができるが、キャビティ124に対するゲート164の位置に応じて他の位置に配置することができる。いくつかの構成では、中央部210は、ハンドル部204の区画を含み、射出ゲートマーク208は、ハンドル部204のその区画に配置することができる。
【0036】
本開示の一態様によれば、刃200の本体202は、ポリヒドロキシアルカノエート (PHA)などの生体材料または生分解性プラスチックを用いた射出成型によって製造することができる。さらにまたは代替的に、生体材料または生分解性材料は、酢酸セルロースおよび/または生体樹脂ベースの材料を含む。生体材料または生分解性プラスチックの粘度は、限定されるものではないが、例えば、せん断速度1000l/sおよび温度180℃において少なくとも100Pa・sであり得る。非生分解性材料(例えばポリプロピレン)は、せん断速度1000l/sおよび温度240℃において60Pa・sなどのかなり低い粘度を含むことができる。生体材料のこの高い粘度は、キャビティの端部に注入する場合にほぼ2倍の注入圧力を使用する結果となり得る。また、増加した注入圧力は、クランプ力を増加させ、および/またはモールド当たりのキャビティ数を減少させる。本開示の実施形態は、これらの増加した注入圧力、増加した充填時間、増加したクランプ力、および/またはキャビティ減少の影響を低減または排除することができる。例えば、本開示の実施形態は、生体材料がキャビティの端部に注入される場合よりも50~100%効率的であり得る。
【0037】
本開示の一態様によれば、射出成型された200は、堆肥化施設においておよび/または家庭/裏庭での堆肥化のためのように、生分解性および/または堆肥化可能である。場合によっては、刃200は、ASTM D6400 (例えばASTM D6400-22)、ASTM D6868、欧州規格EN 13432 (例:BS EN 13432:2000)、欧州規格14995、国際生分解性製品協会(BPI)BPI商業堆肥化性認証スキーム(例えば、バージョン2.4)、および/またはテュフオーストリア認証「OK compost HOME」などの一以上の規格または認証要件に適合するように十分に生分解性および/または堆肥化可能である。例えば、刃200は、特定の時間枠および/または環境、例えば都市、商業、および/または産業の堆肥化施設(例えば55~60℃)において12週間以内、または家庭/裏庭の堆肥化環境(例えば20~30℃)において6ヶ月以内または180日以内において、崩壊率90%に達するか、またはそれを超えるように形成されてもよい。さらにまたは代替的に、刃200は、特定の時間枠および/または環境、例えば都市、商業、および/または産業の堆肥化施設(例えば55~60℃)において6ヶ月以内または180日以内、または家庭/裏庭の堆肥化環境(例えば20~30℃)において12ヶ月以内または365日以内において、生分解率90%(例えば、刃200内の炭素の二酸化炭素への変換)に達するように形成されてもよい。都市、商業、および/または産業の堆肥化施設は、家庭/裏庭の環境よりも高温の環境を提供することがあるため、都市、商業、および/または産業の堆肥化性に関する規格/要件の試験は、家庭での堆肥化性(例えば20~30℃)よりも高温(例えば55~60℃)で実施されてもよい。
【0038】
本開示の一態様によれば、刃200は、堆肥化を促進するように設計および/または形成することができる。例えば、刃200は、特定の最大断面積および/または最大厚さ(例えば、壁の厚さ)を含むことができる。少なくとも一つの例示的態様において、本体202は、0.0242以下の体積対表面積比、および0.0508インチ以下の最大厚さを含む。本体202の全表面積は、例えば、限定されるものではないが、約10平方インチ~約12.5平方インチであり得る。いくつかの例では、体積対表面積比は、0.022平方インチ以下であり得る。堆肥化可能であることと両立する小さな体積対表面積比は、射出圧または充填時間を増加させることもできるので、中央部170にゲート164を利用するなど、そうでなければ射出圧を低減することができる構成は、堆肥化可能な刃類にとって特に有利であり得る。
【0039】
少なくとも一つの例示的な態様において、刃200の本体202及び/又はハンドル部204は、刃として使用するために本体202に少なくとも最小限の強度を与えるように、0.0450インチの最小厚さ202Tを含む。
【0040】
図11を参照すると、本開示の態様によれば、システム100は、同じプレス114に結合された複数のモールド110,110’を含むことができる。例えば、プレス114は、第1モールド110および第2モールド110’のそれぞれの部分120,122にそれぞれ結合されたプラテン154,156を含むことができるが、二つ以上のモールドに結合されてもよい。第2モールド110’は、第1モールド110と同じ構成を含んでもよいし、含まなくてもよい。例えば、第2モールド110’は、一以上の刃形キャビティ124を含むことができる。場合によっては、複数のモールド110,110’の代わりに、より大きなモールド110を利用することができる。いくつかの構成では、射出アセンブリ112が各モールド110,110’に接続される。他の構成では、共通マニホールド140を各モールド110,110’に接続するなどして、一つの射出アセンブリ112を複数のモールド110,110’に接続することができる。
【0041】
種々の温度、圧力、および粘度の例は、説明のみを目的として、生体材料PHAの一例について本明細書に提供されるが、本開示はこれらの値に限定されない。温度、圧力、および粘度は、使用される特定の材料の関数とでき、材料および材料のバージョンの間で変化し得る。例えば、PHAの異なるバリエーションは、異なる粘度を有することができ、本明細書に明示的に列挙されたものとは異なる温度および圧力で利用することができる。
【0042】
以下の節は、本明細書に包含される本開示の追加の態様を定義する。これらの態様は、本開示に包含される組み合わせを形成するよう、要求に応じて組み合わせられる。
【0043】
1.ハンドル部と器具部とを画定する本体を備え、前記本体部の中央部に射出ゲートマークを有する射出成型刃である。前記本体は、前記本体部の端部に射出に必要な射出圧の60%未満の圧力で射出された生体材料から作られる。
【0044】
2.上記1の射出成型刃では、前記中央部は、前記本体の全容積の20%を備え、前記本体の体積中心を含む。
【0045】
3.上記1または2の射出成型刃では、前記本体は表面積に対する体積の比が0.0242以下である。
【0046】
4.上記1から3のいずれかの射出成型刃では、前記本体は0.0450インチから0.0508インチの厚さを有する。
【0047】
5.上記1から4のいずれかの射出成型刃では、前記生体材料はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を含む。
【0048】
6.上記1から5のいずれかの射出成型刃では、前記中央部は前記ハンドル部の一部を含む。
【0049】
そして、前記射出ゲートマークが前記ハンドル部の前記一部に位置する。
【0050】
7.上記1から6のいずれかの射出成型刃では、前記本体は堆肥化可能である。
【0051】
8.上記1から7のいずれかの射出成型刃では、前記本体は20℃から30℃の温度範囲を有する環境において12ヶ月以内に少なくとも90%において生分解可能である。
【0052】
9.上記1から8のいずれかの射出成型刃では、前記本体は1平方インチ当たり3トン以下のクランプ圧力で形成され、前記本体の長さが少なくとも5.5インチである。
【0053】
10.刃形モールドキャビティを形成する少なくとも2つのモールド部を有するモールド内でプラスチック刃を射出成型する方法では、前記刃形モールドキャビティの中央部に、前記刃形モールドキャビティの端部で射出に要する射出圧の60%未満の射出圧で生分解可能な溶融物の射出を行うことを備えることを特徴とする。
【0054】
11.上記1から10のいずれかの方法では、前記生分解可能なプラスチックの溶融物の射出は2秒以下の後に停止する。
【0055】
12.上記1から11のいずれかの方法では、前記生分解可能なプラスチックの溶融物の射出は前記刃形モールドキャビティを充填し、前記中央部に射出ゲートマークを形成する。
【0056】
13.上記1から12のいずれかの方法では、前記刃形モールドキャビティの前記端部で射出に必要なクランプ力の60%未満のクランプ力を前記モールドに加えることをさらに含む。
【0057】
14.上記1から14のいずれかに記載の方法では、前記少なくとも2つのモールド部は複数の追加刃形モールドキャビティを形成する。
【0058】
15.上記1から14のいずれかに記載の方法では、前記プラスチック刃は、ハンドル部と器具部とを備える。
【0059】
前記モールドキャビティは、(i)前記ハンドル部を形成するハンドル区画と(ii)前記器具部を形成する道具区画と、とを備える。
【0060】
前記方法は、前記射出の間に、前記器具部から前記道具区画を介して、および前記ハンドル部から前記ハンドル区画を介して、空気を排出することを備える。
【0061】
16.生体材料から堆肥化可能な射出成型刃を形成するためのシステムであって、それぞれが中央部を有する複数の刃形モールドキャビティを含むモールドであって、前記中央部は前記刃の本体の前記中央部に対応するモールドと、前記複数のモールドキャビティの前記中央部と流体的に連通する複数のゲートと、前記複数のゲートを介して前記複数のモールドキャビティに前記生体材料を提供するために前記モールドに結合された射出アセンブリと、前記モールドに動作可能に結合されたプレスと、を備える。
【0062】
17.上記16に記載のシステムでは、前記生体材料は、1000l/sのせん断速度および240℃の温度で、少なくとも100Pa・sの粘度を有する。
【0063】
18.上記16に記載のシステムでは、前記複数のモールドキャビティは、第1式のモールドキャビティと第2式のモールドキャビティと、を備え、前記第1式のモールドキャビティは、互いに平行であって、前記第2式のモールドキャビティは、前記第1式のモールドキャビティとは平行ではない。
【0064】
19.上記18に記載のシステムでは、前記複数のモールドキャビティの合計数は少なくとも48であって、射出のための前記クランプアセンブリによって提供されるクランプ力は1平方インチあたり2.5トン以下であって、前記本体は少なくとも5.5インチの長さであり、前記射出アセンブリによって提供される射出圧がキャビティあたり8,000PSI以下であって、かつ充填時間は2秒以下である。
【0065】
20.上記19に記載のシステムでは、前記複数のゲートは、射出中の前記生体材料の流路の最大長が前記複数のモールドキャビティの一のモールドキャビティの長さの55%以下であるように配置される。
【0066】
まだ説明されていない範囲で、本開示の様々な態様の異なる特徴および構造は、必要に応じて互いに組み合わせて使用することができる。例えば、本開示の態様の1つに関して図示および/または説明された1つ以上の特徴は、他の態様に関して図示および/または説明された1つ以上の特徴と共に使用するか、またはそれらと組み合わせることができる。1つの特徴が本開示の全ての態様において図示されていないことは、それが不可能であると解釈されることを意味されるものではなく、説明の簡潔のためである。したがって、異なる態様の様々な特徴は、新しい態様が明示的に説明されているかどうかにかかわらず、新しい態様を形成するために必要に応じて混合および適合させることができる。
【0067】
本開示の態様は、その特定の態様に関連して具体的に説明されているが、これは例示のためのものであり、限定するものではないことを理解されたい。添付の特許請求の範囲に定義される本開示の精神から逸脱することなく、前述の開示および図面の範囲内で合理的な変更および修正が可能である。
【0068】
本出願は、2023年3月30日に出願された米国仮特許出願第63/455,708号および2024年1月19日に出願された米国特許出願第18/417,371号の利益を主張するものであり、これらの開示は、その全体が参照により援用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-07-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドル部と器具部とを画定する本体を備え、前記本体の中央部に射出ゲートマークを有する射出成型刃であって、前記本体は前記本体の端部に射出に必要な射出圧の60%未満の圧力で射出された生体材料から作られる射出成型刃。
【請求項2】
請求項1の射出成型刃であって、
前記中央部は、前記本体の全容積の20%を備え、前記本体の体積中心を含んでいる射出成型刃。
【請求項3】
請求項の射出成型刃であって、
前記本体は表面積に対する体積の比が0.0242以下である射出成型刃。
【請求項4】
請求項3の射出成型刃であって、
前記本体は0.0450インチから0.0508インチの厚さを有する射出成型刃。
【請求項5】
請求項3の射出成型刃であって、
前記生体材料はポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を含む射出成型刃。
【請求項6】
請求項5の射出成型刃であって、
前記中央部は前記ハンドル部の一部を含み、前記射出ゲートマークが前記ハンドル部の前記一部に位置する射出成型刃。
【請求項7】
請求項1の射出成型刃であって、
前記本体は堆肥化可能である射出成型刃。
【請求項8】
請求項1の射出成型刃であって、
前記本体は20℃から30℃の温度範囲を有する環境において12ヶ月以内に少なくとも90%において生分解可能である射出成型刃。
【請求項9】
請求項1の射出成型刃であって、
前記本体は1平方インチ当たり3トン以下のクランプ圧力で形成され、前記本体の長さが少なくとも5.5インチである射出成型刃。
【請求項10】
刃形モールドキャビティを形成する少なくとも2つのモールド部を有するモールドの内部でプラスチック刃を射出成型する方法であって、
前記刃形モールドキャビティの中央部に、前記刃形モールドキャビティの端部で射出に要する射出圧の60%未満の射出圧で生分解可能な溶融物の射出を行うことを備えることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10の方法であって、
前記生分解可能なプラスチックの溶融物の射出は2秒以下の後に停止する方法。
【請求項12】
請求項11の方法であって、
前記生分解可能なプラスチックの溶融物の射出は前記刃形モールドキャビティを充填し、前記中央部に射出ゲートマークを形成する方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記刃形モールドキャビティの前記端部で射出に必要なクランプ力の60%未満のクランプ力を前記モールドに加えることをさらに含む方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法であって、
前記少なくとも2つのモールド部は複数の追加刃形モールドキャビティを形成する方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法であって、
前記プラスチック刃は、ハンドル部と器具部とを備え、
前記刃形モールドキャビティは、(i)前記ハンドル部を形成するハンドル区画と、(ii)前記器具部を形成する道具区画と、を備え、
前記方法は、前記射出の間に、前記器具部から前記道具区画を介して、および前記ハンドル部から前記ハンドル区画を介して、空気を排出することを備える方法。
【請求項16】
生体材料から堆肥化可能な射出成型刃を形成するためのシステムであって、
それぞれが中央部を有する複数の刃形モールドキャビティを含むモールドであって、前記中央部は前記刃の本体の前記中央部に対応するモールドと、
前記複数のモールドキャビティの前記中央部と流体的に連通する複数のゲートと、
前記複数のゲートを介して前記複数のモールドキャビティに前記生体材料を提供するために前記モールドに結合された射出アセンブリと、
前記モールドに動作可能に結合されたプレスと、を備えるシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、
前記生体材料は、1000l/sのせん断速度および240℃の温度で、少なくとも100Pa・sの粘度を有するシステム。
【請求項18】
請求項16に記載のシステムであって、
前記複数のモールドキャビティは、第1式のモールドキャビティと第2式のモールドキャビティと、を備え、
前記第1式のモールドキャビティは、互いに平行であって、
前記第2式のモールドキャビティは、前記第1式のモールドキャビティとは平行ではないシステム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムであって、
前記複数のモールドキャビティの合計数は少なくとも48であって、射出のために前記モールドに付与されるクランプ力は1平方インチあたり2.5トン以下であって、前記本体は少なくとも5.5インチの長さであり、前記射出アセンブリによって提供される射出圧がキャビティあたり8,000PSI以下であって、かつ充填時間は2秒以下であるシステム。
【請求項20】
請求項16に記載のシステムであって、
前記複数のゲートは、射出中の前記生体材料の流路の最大長が前記複数のモールドキャビティの一のモールドキャビティの長さの55%以下であるように配置されるシステム。
【外国語明細書】