(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144366
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】プラスチック材料を調製する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B29B 7/48 20060101AFI20241003BHJP
B29B 7/58 20060101ALI20241003BHJP
B29B 9/06 20060101ALI20241003BHJP
B29B 7/84 20060101ALI20241003BHJP
B29C 48/335 20190101ALI20241003BHJP
B29C 48/40 20190101ALI20241003BHJP
B29C 48/69 20190101ALI20241003BHJP
B29C 48/76 20190101ALI20241003BHJP
B29C 48/25 20190101ALI20241003BHJP
B29C 48/58 20190101ALI20241003BHJP
B29C 48/74 20190101ALI20241003BHJP
【FI】
B29B7/48
B29B7/58
B29B9/06
B29B7/84
B29C48/335
B29C48/40
B29C48/69
B29C48/76
B29C48/25
B29C48/58
B29C48/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024052900
(22)【出願日】2024-03-28
(31)【優先権主張番号】23164886
(32)【優先日】2023-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】501164665
【氏名又は名称】コペリオン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】レオニド リベル
(72)【発明者】
【氏名】ヨッヘン ショーファー
(72)【発明者】
【氏名】フェリクス ドレーアー
(72)【発明者】
【氏名】マリーナ マッタ
(72)【発明者】
【氏名】アレヤナ ヤーマン
【テーマコード(参考)】
4F201
4F207
【Fターム(参考)】
4F201AJ08
4F201AR02
4F201BA01
4F201BA02
4F201BC02
4F201BC13
4F201BK02
4F201BK13
4F201BK26
4F201BK36
4F201BK80
4F201BL08
4F207AJ08
4F207AR02
4F207KA01
4F207KA17
4F207KK13
4F207KL07
4F207KL38
4F207KL41
4F207KL64
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プラスチック材料を調製する装置及び方法を提供する。
【解決手段】供給されたプラスチック材料(102)を可塑化するためにハウジング(108)内に少なくとも1つの処理要素シャフト(132)を備えるスクリューマシン(104)であって、可塑化ゾーン(146)、コンパウンドゾーン(150)、及び、可塑化ゾーンとコンパウンドゾーンとの間に配置され、プラスチック溶融物(106)を滞留させる滞留要素(162)を有する滞留ゾーン(148)、を備え、スクリューマシンと、少なくとも1つの滞留ゾーンを橋渡しし、可塑化ゾーンとコンパウンドゾーンとを相互に接続する溶融物チャネル(164)と、プラスチック溶融物をフィルタリングするために、溶融物チャネル内に効果的に配置された、少なくとも1つの溶融物フィルタユニット(166)とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック材料を調製する装置であって、
- 供給されるプラスチック材料を可塑化してプラスチック溶融物にするためにハウジング内で支持された少なくとも1つの処理要素シャフトを備えるスクリューマシンであって、前記スクリューマシンは、可塑化ゾーン、コンパウンドゾーン、及び、前記可塑化ゾーンと前記コンパウンドゾーンとの間に配置され、前記プラスチック溶融物を滞留させる少なくとも1つの滞留要素を有する滞留ゾーン、を備える、スクリューマシンと、
- 前記可塑化ゾーンと前記コンパウンドゾーンとを相互に接続し、前記滞留ゾーンを橋渡しする、少なくとも1つの溶融物チャネルと、
- 前記プラスチック溶融物をフィルタリングするために、前記溶融物チャネル内に効果的に配置された、少なくとも1つの溶融物フィルタユニットと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記ハウジング内で、溶融物フィルタユニットに通じる溶融物チャネルへの出口開口が、前記滞留ゾーンの直前に設けられており、かつ、
前記ハウジング内で、前記溶融物フィルタユニットから来る前記溶融物チャネルの入口開口が前記滞留ゾーンの直後に設けられている、
請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの溶融物フィルタユニットは、連続的又は非連続的に作動可能である溶融物フィルタを備える、
請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの溶融物フィルタユニットは、溶融圧力を構成するための圧力構成ユニット、特に溶融ポンプを備える、
請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記コンパウンドゾーンは、
少なくとも1つの添加物を前記スクリューマシンに供給する供給セクション及び
前記添加物を溶融し及び/又は前記添加物を前記プラスチック溶融物に混合するために、供給方向において前記供給セクションの下流に配置された混合セクションを備える
請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記ハウジング内には脱ガスのために少なくとも1つの脱ガス口が設けられており、
前記少なくとも1つの脱ガス口は、前記スクリューマシンの入口ゾーン、前記可塑化ゾーン、前記滞留ゾーン、前記コンパウンドゾーン、又は、排出ゾーン内に配置されている、
請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの脱ガス口は、脱ガスユニット、特に真空脱ガスユニットに接続されているか、又は
前記少なくとも1つの脱ガス口は、脱ガス及び/又は雰囲気に対して換気若しくは排気するように構成されている、
請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記スクリューマシンは、多軸スクリューマシン、特に、ダブルスクリュー押し出し機などの2軸スクリューマシンである、
請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記ハウジングの、搬送方向において最後段のハウジングセクションに排出口が設けられており、前記排出口を介してコンパウンドされた前記プラスチック溶融物を取り出し可能であり、
前記排出口に、押出ツール、ストランドヘッドツール、ノズル装置若しくはスクリューマシンが接続されているか、又は
前記排出口に、フィルタリングユニット及び/又は造粒ユニットが接続されている、
請求項1記載の装置。
【請求項10】
プラスチック材料を調製する方法であって、
- プラスチック材料をスクリューマシンに供給するステップと、
- 供給された前記プラスチック材料を、前記スクリューマシンを用いて可塑化し、プラスチック溶融物にする、ステップと、
- 前記スクリューマシンから前記プラスチック溶融物の少なくとも一部を送出し、送出された前記プラスチック溶融物を、溶融物フィルタリングユニットを用いてフィルタリングし、フィルタリングされた前記プラスチック溶融物を前記スクリューマシンに戻す、ステップと、
- 前記プラスチック溶融物を、前記スクリューマシンを用いてコンパウンドするステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記プラスチック材料及び/又は前記プラスチック溶融物に少なくとも1つの添加物を添加し、及び/又は
前記可塑化するステップの間及び/又は前記コンパウンドするステップの間に、前記プラスチック溶融物に少なくとも1つの添加物を混合する
請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの添加物の添加及び/又は混合は、前記プラスチック溶融物のフィルタリングの後に行う、
請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記プラスチック溶融物は、均質化され及び/又は脱ガスされる、
請求項10記載の方法。
【請求項14】
コンパウンドされた前記プラスチック溶融物を前記スクリューマシンから排出し、その後、フィルタリングユニットを用いてフィルタリングし及び/又は造粒ユニットを用いて造粒する、
請求項10記載の方法。
【請求項15】
コンパウンドされた前記プラスチック溶融物を前記スクリューマシンから排出し、その後、押出ツール、ストランドヘッドツール、ノズル装置又はスクリューマシンに供給する、
請求項10記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック材料、例えばプラスチックリサイクル材料及び/又はプラスチック廃棄物を調製する装置に関する。本発明はまた、プラスチック材料、例えばプラスチックリサイクル材料及び/又はプラスチック廃棄物を調製する方法に関する。
【0002】
消費者使用後の廃棄物(Post-Consumer-Abfall)などのプラスチックリサイクル材料は、重要な原料源である。しかしながら、プラスチックリサイクル材料では、プラスチックは通常、バイオマス、砂、紙、ガラス、アルミニウムなどで汚染されている。経済的有意に利用するためには、プラスチックリサイクル材料を選別し、洗浄などによって汚染物質を取り除き、細断しなければならない。その後、押出システムを用いてさらに加工することができる。調製されたプラスチック材料は、造粒システムを用いて粒状物(Granulat)に加工され、新たな製品のための価値のある高品質の出発材料となる。
【0003】
メカニカルリサイクルでは、プラスチックリサイクル材料は通常、第1押出システムを用いて溶融され、プラスチック溶融物はフィルタリング及び造粒システムに供給される。その後第2押出システムにプラスチック粒状物が供給され、そこで再び溶融され、その後コンパウンドされ、脱ガスされた後、再造粒される。こうして得られた再粒状化物から新たな製品を製造することができる。二度の溶融工程があるため、これらのシステムは極めてエネルギー効率が悪く、コスト高になる。
【0004】
しかしながら、エネルギーとコストを節約するためには、プラスチックリサイクルにおいて、フィルタリングとコンパウンドがより効率的で経済的であることが望ましい。
【0005】
本発明は、プラスチック材料を調製するための冒頭に述べた装置を構造的及び/又は機能的に改良するという課題に基づいている。さらに、本発明は、プラスチック材料を調製するための冒頭に述べた方法を構造的及び/又は機能的に改良するという課題に基づいている。したがって、本発明の課題は、先行技術に関連して特定された問題点を低減又は解消する調製装置及び調製方法を提供することである。例えば、エネルギー効率を高め、運転、物流等のコストを削減することが課題である。
【0006】
この課題は、請求項1の特徴を有する装置によって解決される。さらに、この課題は、請求項10の特徴を有する方法によって解決される。有利な実施形態及び/又はさらなる実施形態は、従属請求項、明細書、及び/又は添付の図面の主題である。特に、請求項の1つのカテゴリの独立請求項は、請求項の別のカテゴリの従属請求項と同様にさらに発展及び/又は組み合わせることもできる。同様に、以下に記載される装置及び方法の特徴は、組み合わせ及び/又はさらなる発展が可能である。
【0007】
一つの態様は、プラスチック材料を調製する装置に関する。この装置は調製システム(Aufbereitungsanlage)とすることができる。
【0008】
プラスチック材料は、プラスチックリサイクル材料であってもよいし、プラスチックリサイクル材料を含んでもよい。プラスチックリサイクル材料は、プラスチック廃棄物、例えば最終消費者のプラスチック廃棄物(post consumer waste)であってもよい。プラスチックリサイクル材料は、好ましくは、洗浄及び/又は浄化(gewaschen und/oder gereinigt)され得るプラスチック粒子の形態である。プラスチック粒子は、粒子サイズ及び/又は粒子形状に応じて、例えば、プラスチック粒状物、プラスチックフレーク、プラスチック繊維又はプラスチック粉末の形態とすることができる。プラスチック粒子はリサイクル品とすることもできる。プラスチック粒子は、小片状及び/又はフレーク状であることもできる。再生プラスチック材料は、細断又は粉砕されていることもある。特に、プラスチックリサイクル材料又はプラスチック粒子はバルク材料を形成する。プラスチック材料は、ポリマー、特に熱可塑性ポリマーを含むことができる。
【0009】
装置は、好ましくは、供給されたプラスチック材料をプラスチック溶融物に可塑化するためにハウジング内で支持された少なくとも1つの処理要素シャフトを有するスクリューマシンを備える。少なくとも1つの処理要素シャフトは、プラスチック溶融物を可塑化及び/又は調製するように設計することができる。ハウジングは、少なくとも1つの処理要素シャフトが収容される円筒形ハウジングであることができる。
【0010】
プラスチック材料をスクリューマシンに供給するために、スクリューマシンは供給開口を有することができる。好ましくは、供給開口は、スクリューマシンの入口ゾーンに設けることができる。一変形例では、供給開口は、スクリューマシンの主供給開口、例えば主インレットであることができる。装置は、プラスチック材料を供給するための供給ユニット及び/又はドーピングユニット(Dosiereinrichtung)をさらに含むことができる。プラスチック材料の供給は、例えば、連続的及び/又は計量的(dosiert)に行われることができる。あるいは、プラスチック材料の供給は不連続に行われることができる。
【0011】
スクリューマシンは、可塑化ゾーン、コンパウンドゾーン、及び可塑化ゾーンとコンパウンドゾーンとの間に配置された滞留ゾーンを有することができる。好ましくは、可塑化ゾーンは、滞留ゾーンのすぐ上流又は直接上流にあることができ、コンパウンドゾーンは、滞留ゾーンのすぐ下流又は直接下流にあることができる。滞留ゾーンは、例えば、溶融プラスチックを滞留させる少なくとも1つの滞留要素を有することができる。少なくとも1つの滞留要素は、ハウジング内に配置することができる。例えば、少なくとも1つの滞留要素は、少なくとも1つの処理要素シャフトによって形成することができ、及び/又は処理要素シャフトに接して若しくは処理要素シャフトの上方に(an bzw. auf)配置することができる。
【0012】
この装置はさらに、可塑化ゾーンとコンパウンドゾーンとを相互に接続し、滞留ゾーンを橋渡しする、少なくとも1つの溶融物チャネルを有することができる。したがって、この装置は、可塑化ゾーンから溶融物チャネルを通ってコンパウンドゾーンに溶融プラスチックを導くように設計されることができる。
【0013】
好ましい変形例によれば、装置は、プラスチック溶融物をフィルタリングするための少なくとも1つの溶融物フィルタユニットを有することができる。少なくとも1つの溶融物フィルタユニットは、溶融物チャネルに効果的に(wirksam)配置することができる。例えば、溶融物チャネルセクションは、溶融物フィルタユニットに通じるか、又は溶融物フィルタユニットの入口に接続することができる。さらに、別の溶融物チャネルセクションを溶融物フィルタユニットの出口に接続することができる。スクリューマシンのハウジング内で、溶融物フィルタユニットに通じる溶融物チャネルへの出口開口が滞留ゾーンの直前に設けられることができる。さらに、スクリューマシンのハウジング内で、溶融物フィルタユニットから来る前記溶融物チャネルの入口開口が滞留ゾーンの直後に設けられることができる。したがって、溶融物チャネルセクションは、その一端をハウジング内の出口開口に接続し、その他端を溶融物フィルタユニットの入口に接続することができる。別の溶融流路部は、一端を溶融物フィルタ装置の出口に、他端をハウジング内の入口開口に接続することができる。出口開口も入口開口もハウジングの開口部であることができ、プラスチック溶融物をスクリューマシンから導出したり、スクリューマシンに再導入したりすることができる。
【0014】
少なくとも1つの溶融物フィルタユニットは、少なくとも1つの溶融物フィルタを有することができる。少なくとも1つの溶融物フィルタは、連続的又は不連続的に作動させることができる。溶融物フィルタは、フィルタ要素を有する1つ以上のフィルタユニットを備えることができる。フィルタ要素は、例えば、プラスチック溶融物をフィルタリングするように設計されたフィルタスクリーン及び/又はフィルタシリンダであることができる。一実施形態では、少なくとも1つの溶融物フィルタ装置は、溶融圧力を蓄積するための圧力蓄積ユニットを有することができる。圧力構成ユニットは、例えば、溶融ポンプ及び/又はギアポンプとすることができる。好ましくは、例えば、圧力構成ユニットが特定の溶融圧力でプラスチック溶融物を溶融物フィルタに押圧して通すことができるように、圧力構成ユニットは溶融物フィルタの上流に接続されることができる。
【0015】
一実施形態では、コンパウンドゾーンは、少なくとも1つの添加物をスクリューマシンに供給するための供給セクションを有することができる。供給セクションは、供給ゾーンであることができる。添加物は、添加剤(Additiv)、補助剤(Hilfsstoff)、充填剤、タルク、安定剤、改質剤、衝撃改質剤(Schlagzaehmodifier)、酸化防止剤、着色剤又は水であるか、又はこれらを含むことができる。例えば、添加物は粉末状、粒状、繊維状又は液体であることができる。添加物はまた、中空球体の形態であることもできる。少なくとも1つの添加物を添加することにより、プラスチック特性及び/又はプラスチック構造を具体的に変更及び/又は調整することができる。添加物を供給するために、少なくとも1つの供給開口を供給セクションに設けることができる。一変形例では、装置は、少なくとも1つの添加物をプラスチック溶融物中に供給するための少なくとも1つの供給ユニット及び/又はドーピングユニットを有することができる。添加物は、連続的及び/又は計量的に供給されることができる。あるいは、添加物は不連続に供給されることができる。供給ユニットは、例えば、供給スクリューマシンであるか、又はこれを含むことができ、特に、例えば2軸の、スクリューマシンであるか、又はこれを含むことができる。さらに、コンパウンドゾーンは、添加物を溶融するため及び/又は添加物をプラスチック溶融物中に混合するために、搬送方向において供給セクションの下流に混合セクションを有することができる。混合セクションは、混合ゾーンであることができる。したがって、コンパウンドゾーンでは、プラスチック溶融物のフィルタリングの後に、少なくとも1つの添加物を添加及び/又は混合することができる。有利にはプラスチック溶融物のフィルタリングとそれに続くコンパウンドは、シングルスクリューマシンによって実施されることができる。
【0016】
さらに、脱ガスのために少なくとも1つの脱ガス口をスクリューマシンのハウジングに設けることができる。少なくとも1つの脱ガス口は、スクリューマシンの入口ゾーン、可塑化ゾーン、滞留ゾーン、コンパウンドゾーン、又は排出ゾーンに配置することができる。例えば、少なくとも1つの脱ガス口は、脱ガスユニット、例えば真空脱ガスユニットに接続することができる。あるいは、脱ガス口は、脱ガス及び/又は雰囲気に対して換気若しくは排気するように(zur Entgasung und/oder Entlueftung gegenueber Atmosphaere)構成されていることができる。また、複数の脱ガス口を、例えばスクリューマシンの全部又は様々なゾーンに設けることもできる。
【0017】
スクリューマシンは、処理要素シャフトを有する単軸スクリューマシン、例えばシングルスクリュー押出機であることができる。好ましい実施形態では、スクリューマシンは、多軸スクリューマシン、例えば2軸スクリューマシンであることができる。スクリューマシンは、同一回転方向又は反対回転方向に回転駆動され、及び/又は稠密な噛み合いを有する多軸スクリューマシンとして設計されることができる。例えば、スクリューマシンは、ハウジング内に回転可能に支持された2つの処理要素シャフトを有することができる。特に、2軸スクリューマシンは、ダブルスクリュー押出機とすることができる。少なくとも1つの処理要素シャフトは、押出機スクリューとすることができる。可塑化及び/又は調製は、スクリューマシンの処理要素シャフトによって行うことができる。
【0018】
ハウジングの、搬送方向における最高段のハウジングセクションには、排出口を設けることができる。コンパウンドされ又は調製されたプラスチック溶融物は、排出口から排出することができる。排出口には、押出工具、ストランドヘッド工具、ノズル装置又はスクリューマシンを接続することができる。あるいは、フィルタユニット及び/又は造粒ユニット又は別のさらなる処理システムを排出口に接続することもできる。
【0019】
さらなる態様は、プラスチック材料、特に上述及び/又は後述のプラスチック材料を調製する方法に関する。したがって、プラスチック材料は、例えばプラスチックリサイクル材料であってもよい。この方法は、調製方法とすることができる。本方法は、上述及び/又は後述の装置を用いて実施することもできる。
【0020】
本方法では、まずプラスチック材料をスクリューマシンに供給することができる。少なくとも1つの添加物をプラスチック材料に添加することができる。プラスチック材料の供給は、例えば、供給装置及び/又はドーピング装置によって行うことができる。プラスチック材料は、連続的及び/又は計量的に供給することができる。あるいは、プラスチック材料を不連続的に供給することもできる。例えば、プラスチック材料の供給は、スクリューマシンの供給開口を介して行うことができる。一変形例では、供給開口は、スクリューマシンの主供給開口、例えば主インレットとすることができる。
【0021】
供給されたプラスチック材料は、スクリューマシンを用いてプラスチック溶融物に可塑化される。可塑化とは、プラスチック材料の溶融を意味すると理解できる。一変形例では、可塑化中に少なくとも1つの添加剤をプラスチック溶融物に混合することができる。特定の溶融温度に到達し及び/又はそれを維持できるように、可塑化が実施され及び/又はスクリューマシンを制御することができる。可塑化は、例えばスクリューマシンの可塑化ゾーンにおいて、スクリューマシンの少なくとも1つの処理要素シャフトによって行うことができる。好ましい実施形態では、可塑化は、スクリューマシンの2つの処理要素シャフトによって行われ得る。
【0022】
本方法において、プラスチック溶融物の少なくとも一部をスクリューマシンから送出することができる。例えば、プラスチック溶融物をスクリューマシンから完全に及び/又は連続的に送出することができる。次いで、送出されたプラスチック溶融物は、溶融物フィルタユニットによってフィルタリングすることができる。フィルタリングされたプラスチック溶融物は、その後、スクリューマシンに再び供給することができる。
【0023】
プラスチック溶融物は、コンパウンド及び/又は調製されることができる。好ましくは、再供給及び/又はフィルタリングされたプラスチック溶融物は、スクリューマシンを用いてコンパウンド及び/又は調製されることができる。少なくとも1つの添加物をプラスチック溶融物に添加することができる。そのために、添加物はスクリューマシンに供給されることができる。したがって、特にプラスチック特性及び/又はプラスチック構造を所期のように変更及び/又は調整するために、コンパウンド中に少なくとも1つの添加物をプラスチック溶融物に混合することができる。添加物の供給は、連続的に、及び/又は計量的に行うことができる。あるいは、添加物の供給は不連続的に行うこともできる。例えば、添加物の供給は、スクリューマシンの供給口を介して行うことができる。一変形例では、添加物は、供給ユニット及び/又はドーピングユニットによって供給することができる。
【0024】
有利には、特に、プラスチック溶融物のフィルタリングの後に、少なくとも1つの添加物を添加及び/又は混合できる。したがって、本発明によれば、プラスチック溶融物のフィルタリングとその後のコンパウンドは、シングルスクリューマシンによって実施することができる。
【0025】
さらなる実施形態において、プラスチック溶融物は、均質化及び/又は脱ガスされ得る。脱ガスは、例えば、脱ガス口を介して、及び/又は脱ガスユニットを用いて行うことができる。さらに、脱ガスは、スクリューマシンの入口ゾーン、可塑化ゾーン、滞留ゾーン、コンパウンドゾーン及び/又は排出ゾーンで行うことができる。
【0026】
その後、調製又はコンパウンドされ及び/又は脱ガスされたプラスチック溶融物は、スクリューマシンから排出されることができる。スクリューマシンから排出されたコンパウンドされたプラスチック溶融物は、その後、フィルタユニットを用いてフィルタリングされ、及び/又は造粒ユニットを用いて造粒され得る。あるいは、スクリューマシンから排出されたコンパウンドされたプラスチック溶融物は、押出工具、ストランドヘッド工具、ノズル装置、スクリューマシン、又は別のさらなる処理システムに供給されることができる。
【0027】
要約及び換言すると、本発明は、とりわけ、プラスチック溶融物のフィルタリング及びコンパウンド化のために、押出機などのスクリューマシンのみを有する押出システムなどの装置を提供する。プラスチック材料は、スクリューマシン内で溶融することができ、汚染されたプラスチック溶融物は、フィルタリングのためにスクリューマシンから排出することができ、その後、コンパウンド化及び/又は脱ガスのために同じスクリューマシンに戻すことができる。この装置及び/又はスクリューマシンは、フィルタリングコンパウンダーとも称されることができ、プラスチック溶融物の溶融、フィルタリング及び充填/コンパウンド化を単一の押出機によって実施することができる。
【0028】
本発明によれば、特にプラスチック材料は一度だけ溶融すればよいので、エネルギー効率を顕著に向上させることができる。システムの運転コストや物流コストも削減できる。より少ない押出機及び造粒技術を使用することで、より小さな設置面積を達成することができる。システムの複雑さも軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
以下では、本発明の実施形態を、模式的かつ例示的に示す図を参照しながら、より詳細に説明する。
【
図1】
図1は、プラスチック材料を調製する装置の部分断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、プラスチックリサイクル材料102を調製するための調製装置100を示している。調製装置100は、多軸スクリューマシン104を備え、プラスチックリサイクル材料102を可塑化してプラスチック溶融物106にし、溶融したプラスチック溶融物106をフィルタリングし、かつその後プラスチック溶融物106を調製し又はコンパウンドするために使用される。
【0031】
多軸スクリューマシン104は、同一回転方向に回転する2軸スクリューマシンとして設計されている。多軸スクリューマシン104は、相前後して配置された複数のハウジングセクション110~128を備えており、それらはハウジング108を構成するために互いに接続されている。ハウジング108には、互いに平行で相互に貫通する2つのハウジング孔130が形成されており、このハウジング孔130は断面が8の字が横たわった形状を有する(die im Querschnitt die Form einer liegenden Acht haben)。多軸スクリューマシン104は、ハウジング孔130内に同心状に配置された2つの処理要素シャフト132をさらに備え、これらの処理要素シャフト132は、駆動モータ134によって関連する回転軸136を中心に回転駆動され得る。処理要素シャフト132と駆動モータ134との間には、分岐ギア138とクラッチ140とが配置されている。駆動モータ134によって、2つの処置要素シャフト132は、回転軸136を中心として同じ方向に、すなわち同一回転方向に回転駆動される。処理要素シャフト132は、供給されたプラスチックリサイクル材料102を可塑化してプラスチック溶融物106にし、プラスチック溶融物106を調製又はコンパウンドするために構成されている。
【0032】
図1に示すように、多軸スクリューマシン104は、搬送方向142において相前後して、入口ゾーン144、可塑化ゾーン146、滞留ゾーン148、コンパウンドゾーン150及び排出ゾーン152を有する。
【0033】
入口ゾーン144において、ハウジングセクション110は、プラスチックリサイクル材料102を多軸スクリューマシン104に供給するための主インレットホッパ156を有する供給開口154を有する。処理要素シャフト132は、入口ゾーン144においてプラスチックリサイクル材料102を搬送方向142に搬送するためのスクリュー要素158を有する。
【0034】
プラスチックリサイクル材料102の溶融は、可塑化ゾーン146で行われる。溶融のために、可塑化ゾーン146における処理要素シャフト132は、混錬ディスク(Knetscheiben)の形態の混錬要素(Knetelemente)160を有する。可塑化ゾーン146では、プラスチックリサイクル材料102が溶融されてプラスチック溶融物106になる。さらに、可塑化ゾーン146では、プラスチック溶融物106を均質化することができる。
【0035】
滞留ゾーン148は、可塑化ゾーン146とコンパウンドゾーン150との間に配置されている。溶融プラスチック106の滞留は、滞留ゾーン148において行われる。このために、処理要素シャフト132は、滞留ゾーン148において滞留要素162、例えば滞留ディスク(Stauscheibe)を有する。滞留によって、溶融プラスチック106は、実質的に搬送方向142に対して押し戻される。処理装置100はまた、滞留ゾーン148を橋渡しする溶融物チャネル164を有し、この溶融物チャネル164は可塑化ゾーン146とコンパウンドゾーン150とを接続している。プラスチック溶融物106をフィルタリングするための溶融物フィルタユニット166が、溶融物チャネル164に効果的に配置されている。滞留要素162によって押し戻されたプラスチック溶融物106は、ハウジング108において滞留ゾーン148の直前に設けられた出口開口168を通って、溶融物フィルタユニット166に通じる溶融物チャネル164に押し込まれる。
【0036】
溶融物フィルタユニット166は、連続的又は非連続的に作動可能な溶融物フィルタ172を有する。溶融物フィルタ172は、プラスチック溶融物106をフィルタリングするように設計された1つ以上のフィルタ要素を有する。さらに、溶融物フィルタユニット166は、溶融圧力を構成するための、溶融ポンプとして形成された圧力構成ユニット174を有する。圧力構成ユニット174によって、プラスチック溶融物106を特定の圧力で溶融物フィルタ172を通して押圧することができる。
【0037】
溶融プラスチック106が溶融物フィルタユニット166によってフィルタリングされた後、ハウジング108内で滞留ゾーン148の直後に存在する、溶融物フィルタユニット166から来る溶融物チャネル164の入口開口170を通って多軸スクリューマシン104に再び供給され、フィルタリングされたプラスチック溶融物106がコンパウンドゾーン150に入る。
【0038】
コンパウンドゾーン150は、少なくとも1つの添加物178を多軸スクリューマシン104に供給するための供給セクション又は供給ゾーン176と、添加剤178を溶融し、及び/又は添加物178を溶融プラスチック106に混合するための、供給ゾーン176の搬送方向142下流側に配置された混合セクション又は混合ゾーン180とを有する。
【0039】
コンパウンドゾーン150の供給ゾーン176では、少なくとも1つの添加物178が、戻されたフィルタリングされたプラスチック溶融物106に添加される。添加物178は、例えば、添加剤、衝撃改質剤などの改質剤、酸化防止剤、着色剤又は水であることができる。添加物178を添加することにより、プラスチック特性及び/又はプラスチック構造を所期のように調整することができる。このために、ハウジングセクション120に供給開口182が形成され、そこに供給ホッパ184が開口する。添加物178は、例えば、計量ユニットによって供給ホッパ184に供給され、及び/又は、供給スクリューマシン(図示せず)を介して多軸スクリューマシン104に供給される。供給ゾーン176において、処理要素シャフト132は、プラスチック溶融物106及び少なくとも1つの添加物178を搬送方向142に搬送するための、例えば搬送スクリュー要素であるスクリュー要素186を有する。
【0040】
コンパウンドゾーン150の混合ゾーン180では、少なくとも1つの添加物178が溶融され及び/又はプラスチック溶融物106に混合される。混合物は、その過程で均質化され得る。処理要素シャフト132は、混合ゾーン180に混練ディスクとして形成された混練要素188を有する。
【0041】
排出ゾーン152において、処理要素シャフト132は、調製又はコンパウンドされたプラスチック溶融物106を排出するためのスクリューコンベア要素190を有する。さらに、ハウジングセクション126には、プラスチック溶融物106を脱ガスするための脱ガス口192が形成されている。脱ガス口192は真空脱ガスユニット194に接続されており、真空脱ガスユニット194によってプラスチック溶融物106が脱ガス口192を介して脱ガスされるようになっている。真空脱ガスユニット194は真空ポンプ196を備え、この真空ポンプ196はセパレータ198を介して脱ガス口192に接続されている。あるいは、脱ガス口192は、脱ガス及び/又は雰囲気に対して換気若しくは排気するように構成されることもできる。最後段のハウジングセクション128には、ハウジング108を終端し、排出口202を形成するノズルプレート200が配置される。フィルタリングされコンパウンドされたプラスチック溶融物106は、排出口202を通して排出され得る。排出口202には、フィルタリング装置及び/又は造粒装置、あるいは別のさらなる処理システムを接続することができる(
図1には詳細に示されていない)。
【0042】
調製装置100又はその多軸スクリューマシン104は、特に、プラスチック溶融物106をフィルタリングし、その後、同じ多軸スクリューマシン104でコンパウンドするように設計されている。このようにして、プラスチック溶融物106の溶融、フィルタリング及び充填/コンパウンドを単一の押出機で行うことができる。このようにして、エネルギー効率が大幅に改善され、運転コストが削減される。
【0043】
以下では、プラスチックリサイクル材料102の調製、あるいは調製装置100を用いた調製方法について説明する。
【0044】
細断されたプラスチックリサイクル材料102は、例えば供給装置を用いて及び/又は主インレットホッパ156を介して多軸スクリューマシン104に供給され、入口ゾーン144に入る。入口ゾーン144において、プラスチックリサイクル材料102は、搬送方向142において可塑化ゾーン146に搬送される。その後、供給されたプラスチックリサイクル材料102は、可塑化ゾーン146において、処理要素シャフト132又はそれらの混練要素160によって溶融される。
【0045】
滞留ゾーン148のすぐ上流で、溶融プラスチック106の少なくとも一部が多軸スクリューマシン104から送り出され、その後、溶融物フィルタユニット166によってフィルタリングされる。フィルタリングされたプラスチック溶融物106は、その後、多軸スクリューマシン104に戻され、そこでコンパウンドゾーン150に入る。
【0046】
コンパウンドゾーン150では、フィルタリングされたプラスチック溶融物106が多軸スクリューマシン104によってコンパウンドされる。その際、供給ゾーン176において、例えば添加剤、改質剤、酸化防止剤又は水などの少なくとも1つの添加物178が、供給開口182を介してプラスチック溶融物106に供給される。混合ゾーン180では、少なくとも一つの添加物178が溶融され、プラスチック溶融物106に混合される。混合物はここで均質化されることもできる。こうして、少なくとも1つの添加物178の添加及び/又は混合はプラスチック溶融物106のフィルタリング後に行われる。プラスチック溶融物106から抜けるガスは、排出ゾーン152において、真空脱ガスユニット194を用いて排出される。その後、フィルタリングされコンパウンドされたプラスチック溶融物106は、多軸スクリューマシン104から排出される。
【0047】
排出されたプラスチック溶融物106は、その後、プラスチック溶融物106をフィルタリング又は造粒するフィルタユニット及び/又は造粒ユニットに供給することができる。あるいは、排出されたプラスチック溶融物106は、押出工具、ストランドヘッド工具、ノズル装置又は他のスクリューマシンに供給することができる。
【0048】
「ことができる、ことがある、得る(kann)」という用語は、特に本発明の任意の特徴を指す。従って、追加的又は代替的にそれぞれの1つ以上の特徴を有する本発明のさらなる実施形態及び/又は実施例も存在する。
【0049】
必要に応じて、単離された特徴を、本明細書に開示された特徴の組み合わせから選択し、他の特徴と組み合わせて使用することにより、特徴間に存在し得る構造的及び/又は機能的関係を解決しながら、請求項の主題を定義することもできる。方法のステップの順序及び/又は数は変更され得る。
【符号の説明】
【0050】
100 調製装置(Aufbereitungsvorrichtung)
102 プラスチックリサイクル材料(Kunststoff-Recyclingmaterial)
104 多軸スクリューマシン(Mehrwellenschneckenmaschine)
106 プラスチック溶融物(Kunststoffschmelze)
108 ハウジング(Gehaeuse)
110-128 ハウジングセクション(Gehaeuseabschnitte)
130 ハウジング孔(Gehaeusebohrungen)
132 処理要素シャフト(Behandlungselement-Wellen)
134 駆動モータ(Antriebsmotor)
136 回転軸(Drehachsen)
138 分岐ギアボックス(Verzweigungsgetriebe)
140 クラッチ(Kupplung)
142 搬送方向(Foerderrichtung)
144 入口ゾーン(Einzugszone)
146 可塑化ゾーン(Plastifizierzone)
148 滞留ゾーン(Stauzone)
150 コンパウンドゾーン(Compoundierzone)
152 排出ゾーン(Austragszone)
154 供給開口(Zufuehroeffnung)
156 主インレットホッパ(Haupt-Einlauftrichter)
158 搬送スクリュー要素(Foerder-Schneckenelemente)
160 混練要素(Knetelemente)
162 滞留要素(Stauelement)
164 溶融物チャネル(Schmelzekanal)
166 溶融物フィルタユニット(Schmelzefiltereinrichtung)
168 出口開口(Ausmuendung)
170 入口開口(Einmuendung)
172 溶融物フィルタ(Schmelzefilter)
174 圧力構成ユニット(Druckaufbaueinheit)
176 供給ゾーン(Zufuehrzone)
178 添加物(Zusatzstoff)
180 混合ゾーン(Mischzone)
182 供給開口(Zufuehroeffnung)
184 供給ホッパ(Zufuehrtrichter)
186 搬送スクリュー要素(Foerder-Schneckenelemente)
188 混練要素(Knetelemente)
190 搬送スクリュー要素(Foerder-Schneckenelemente)
192 脱ガス口(Entgasungsoeffnung)
194 真空脱ガスユニット(Vakuum-Entgasungseinrichtung)
196 真空ポンプ(Vakuumpumpe)
198 セパレータ(Abscheider)
200 ノズルプレート(Duesenplatte)
202 排出口(Austragsoeffnung)
【0051】
[付記1]
プラスチック材料を調製する装置であって、
- 供給されるプラスチック材料を可塑化してプラスチック溶融物にするためにハウジング内で支持された少なくとも1つの処理要素シャフトを備えるスクリューマシンであって、前記スクリューマシンは、可塑化ゾーン、コンパウンドゾーン、及び、前記可塑化ゾーンと前記コンパウンドゾーンとの間に配置され、前記プラスチック溶融物を滞留させる少なくとも1つの滞留要素を有する滞留ゾーン、を備える、スクリューマシンと、
- 前記可塑化ゾーンと前記コンパウンドゾーンとを相互に接続し、前記滞留ゾーンを橋渡しする、少なくとも1つの溶融物チャネルと、
- 前記プラスチック溶融物をフィルタリングするために、前記溶融物チャネル内に効果的に配置された、少なくとも1つの溶融物フィルタユニットと、
を備える、装置。
[付記2]
前記ハウジング内で、溶融物フィルタユニットに通じる溶融物チャネルへの出口開口が、前記滞留ゾーンの直前に設けられており、かつ、
前記ハウジング内で、前記溶融物フィルタユニットから来る前記溶融物チャネルの入口開口が前記滞留ゾーンの直後に設けられている、
付記1記載の装置。
[付記3]
前記少なくとも1つの溶融物フィルタユニットは、連続的又は非連続的に作動可能である溶融物フィルタを備える、
付記1又は2記載の装置。
[付記4]
前記少なくとも1つの溶融物フィルタユニットは、溶融圧力を構成するための圧力構成ユニット、特に溶融ポンプを備える、
付記1乃至3いずれか1項記載の装置。
[付記5]
前記コンパウンドゾーンは、
少なくとも1つの添加物を前記スクリューマシンに供給する供給セクション及び
前記添加物を溶融し及び/又は前記添加物を前記プラスチック溶融物に混合するために、供給方向において前記供給セクションの下流に配置された混合セクションを備える
付記1乃至4いずれか1項記載の装置。
[付記6]
前記ハウジング内には脱ガスのために少なくとも1つの脱ガス口が設けられており、
前記少なくとも1つの脱ガス口は、前記スクリューマシンの入口ゾーン、前記可塑化ゾーン、前記滞留ゾーン、前記コンパウンドゾーン、又は、排出ゾーン内に配置されている、
付記1乃至5いずれか1項記載の装置。
[付記7]
前記少なくとも1つの脱ガス口は、脱ガスユニット、特に真空脱ガスユニットに接続されているか、又は
前記少なくとも1つの脱ガス口は、脱ガス及び/又は雰囲気に対して換気若しくは排気するように構成されている、
付記6記載の装置。
[付記8]
前記スクリューマシンは、多軸スクリューマシン、特に、ダブルスクリュー押し出し機などの2軸スクリューマシンである、
付記1乃至7いずれか1項記載の装置。
[付記9]
前記ハウジングの、搬送方向において最後段のハウジングセクションに排出口が設けられており、前記排出口を介してコンパウンドされた前記プラスチック溶融物を取り出し可能であり、
前記排出口に、押出ツール、ストランドヘッドツール、ノズル装置若しくはスクリューマシンが接続されているか、又は
前記排出口に、フィルタリングユニット及び/又は造粒ユニットが接続されている、
付記1乃至8いずれか1項記載の装置。
[付記10]
プラスチック材料を調製する方法であって、
- プラスチック材料をスクリューマシンに供給するステップと、
- 供給された前記プラスチック材料を、前記スクリューマシンを用いて可塑化し、プラスチック溶融物にする、ステップと、
- 前記スクリューマシンから前記プラスチック溶融物の少なくとも一部を送出し、
送出された前記プラスチック溶融物を、溶融物フィルタリングユニットを用いてフィルタリングし、
フィルタリングされた前記プラスチック溶融物を前記スクリューマシンに戻す、ステップと、
- 前記プラスチック溶融物を、前記スクリューマシンを用いてコンパウンドするステップと、
を含む方法。
[付記11]
前記プラスチック材料及び/又は前記プラスチック溶融物に少なくとも1つの添加物を添加し、及び/又は
前記可塑化するステップの間及び/又は前記コンパウンドするステップの間に、前記プラスチック溶融物に少なくとも1つの添加物を混合する
付記10記載の方法。
[付記12]
前記少なくとも1つの添加物の添加及び/又は混合は、前記プラスチック溶融物のフィルタリングの後に行う、
付記11記載の方法。
[付記13]
前記プラスチック溶融物は、均質化され及び/又は脱ガスされる、
付記10乃至12いずれか1項記載の方法。
[付記14]
コンパウンドされた前記プラスチック溶融物を前記スクリューマシンから排出し、その後、フィルタリングユニットを用いてフィルタリングし及び/又は造粒ユニットを用いて造粒する、
付記10乃至13いずれか1項記載の方法。
[付記15]
コンパウンドされた前記プラスチック溶融物を前記スクリューマシンから排出し、その後、押出ツール、ストランドヘッドツール、ノズル装置又はスクリューマシンに供給する、
付記10乃至13いずれか1項記載の方法。
【外国語明細書】