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特開2024-144369混合用インペラ及びスラリー製造装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144369
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】混合用インペラ及びスラリー製造装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 27/96 20220101AFI20241003BHJP
   B01F 23/53 20220101ALI20241003BHJP
   B01F 27/808 20220101ALI20241003BHJP
   B01F 27/111 20220101ALI20241003BHJP
   B01F 27/117 20220101ALI20241003BHJP
   B01F 27/192 20220101ALI20241003BHJP
   B01F 101/22 20220101ALN20241003BHJP
   B01F 101/06 20220101ALN20241003BHJP
【FI】
B01F27/96
B01F23/53
B01F27/808
B01F27/111
B01F27/117
B01F27/192
B01F101:22
B01F101:06
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024053619
(22)【出願日】2024-03-28
(31)【優先権主張番号】202310370736.7
(32)【優先日】2023-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522022018
【氏名又は名称】深▲セン▼市尚水智能股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGSHUI SMARTECH LTD.
【住所又は居所原語表記】NO. 201, Pingzhui Main Plant, Huakong Sege Plant, No. 6, Lanzhu East Road, Zhukeng Community, Longtian Street, Pingshan District Shenzhen, Guangdong 518118 CN
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】バイ,シュジュアン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ,バオドン
(72)【発明者】
【氏名】ジン,スードン
(72)【発明者】
【氏名】シー,チャオ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ワン
【テーマコード(参考)】
4G035
4G078
【Fターム(参考)】
4G035AB46
4G035AE13
4G078AA01
4G078AB09
4G078AB20
4G078BA05
4G078CA01
4G078CA13
4G078DA21
4G078DA28
4G078DC01
4G078EA10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】固体材料と液体材料との混合界面の高さを上げ、混合効率を向上させる混合用インペラ及びスラリー製造装置を提供する。
【解決手段】混合用インペラはインペラ本体21を含む。インペラ本体の基端に、先端へ延びるキャビティーが形成されており、インペラ本体の側壁に、キャビティーに連通する流体通過孔213が形成されている。インペラ本体がその軸線回りに回転することができ、回転中に、固体材料がインペラ本体の外部流路に沿って上から下に向かって輸送され、液体材料がインペラ本体にあるキャビティーを通って下から上に向かって輸送され、液体材料がキャビティーを流れてインペラ本体の側壁に形成された流体通過孔から流出し、固体材料と混合される。インペラ本体にキャビティー及び流体通過孔を形成することにより、液体材料の液面を上昇させ、固体材料と液体材料との混合界面の高さを上げ、混合効率を一層向上させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インペラ本体(21)を含む混合用インペラであって、
前記インペラ本体(21)の基端に、先端へ延びるキャビティー(214)が形成されており、前記インペラ本体(21)の側壁に、前記キャビティー(214)に連通する流体通過孔(213)が形成されている、
ことを特徴とする混合用インペラ。
【請求項2】
前記流体通過孔(213)は複数あり、複数の前記流体通過孔(213)は離間して前記インペラ本体(21)の側壁を周回するように形成され、前記流体通過孔(213)は前記インペラ本体(21)の先端に近い側壁に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の混合用インペラ。
【請求項3】
前記流体通過孔(213)は、前記インペラ本体(21)の内壁から外壁に向かう方向に沿って、前記インペラ本体(21)の先端から前記インペラ本体(21)の基端に向かう方向に傾斜している、
ことを特徴とする請求項1に記載の混合用インペラ。
【請求項4】
前記インペラ本体(21)において前記流体通過孔(213)の上方にバッフル(215)が設けられており、前記バッフル(215)は、前記インペラ本体(21)の先端から基端に向かう方向に傾斜している、
ことを特徴とする請求項1に記載の混合用インペラ。
【請求項5】
前記流体通過孔(213)は、前記インペラ本体(21)の内壁から外壁に向かう方向に沿って、前記インペラ本体(21)の基端から前記インペラ本体(21)の先端に向かう方向に傾斜している、
ことを特徴とする請求項4に記載の混合用インペラ。
【請求項6】
前記流体通過孔(213)は、前記インペラ本体(21)の径方向に沿って形成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の混合用インペラ。
【請求項7】
前記流体通過孔(213)は、前記インペラ本体(21)の回転方向と逆方向に沿って、内から外に向かう方向に且つ同じ側に向かって傾斜している、
ことを特徴とする請求項3に記載の混合用インペラ。
【請求項8】
前記流体通過孔(213)は、前記インペラ本体(21)の回転方向と逆方向に沿って、内から外に向かう方向に且つ同じ側に向かって傾斜している、
ことを特徴とする請求項5に記載の混合用インペラ。
【請求項9】
前記流体通過孔(213)は、円孔、楕円形孔、多角形孔、又は扁平孔である、
ことを特徴とする請求項1に記載の混合用インペラ。
【請求項10】
前記インペラ本体(21)は、円筒セグメント(212)と、前記円筒セグメント(212)に滑らかに接続された錐台セグメント(211)とを含み、前記錐台セグメント(211)の大きな端部は前記円筒セグメント(212)に接続され、前記キャビティー(214)は前記円筒セグメント(212)を貫通して前記錐台セグメント(211)内に延びる、
ことを特徴とする請求項1に記載の混合用インペラ。
【請求項11】
前記流体通過孔(213)は、前記錐台セグメント(211)の側壁に設けられている、
ことを特徴とする請求項10に記載の混合用インペラ。
【請求項12】
前記キャビティー(214)は環状キャビティーであり、前記環状キャビティーは前記インペラ本体(21)と同軸に形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の混合用インペラ。
【請求項13】
前記キャビティー(214)は、離間して形成された複数のサブキャビティーを含み、前記複数のサブキャビティーは共同で前記キャビティー(214)を形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の混合用インペラ。
【請求項14】
前記インペラ本体(21)の外壁に複数のブレード(22)が離間して設けられており、隣り合う2つの前記ブレード(22)の間の領域に少なくとも1つの前記流体通過孔(213)が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の混合用インペラ。
【請求項15】
前記インペラ本体(21)の外壁に複数のブレード(22)が離間して設けられており、前記バッフル(215)の両端はそれぞれ、両側に前記バッフル(215)と隣り合う前記ブレード(22)に当接している、
ことを特徴とする請求項4に記載の混合用インペラ。
【請求項16】
筐体(1)と、請求項1~15のいずれか一項に記載の混合用インペラ(2)と、を含むスラリー製造装置であって、
前記混合用インペラ(2)は前記筐体(1)内に設けられている、
ことを特徴とするスラリー製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スラリー製造装置の技術分野に関し、具体的には、混合用インペラ及びスラリー製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スラリー製造装置は、製薬、食品、化学工業等の業界に広く用いられている。準備工程の段階で、液体と固体を十分に混合して予備調製混合物を取得して、後の加工の効率を向上させる。
【0003】
従来の装置では、固体と液体の分散及び混合が同一の装置に集積されているが、従来の構成では、固体と液体の界面が低く、固体と液体の接触面積が小さく、且つ接触時間が短いため、固体と液体の混合度が低く、混合効率が低下する問題があり、スラリー製造効率に影響する。
【発明の概要】
【0004】
そこで、本発明は、従来技術における、固体と液体の界面が低いことにより、固体と液体の混合度が低く、混合効率が低下するという欠点を克服するために、混合用インペラ及びスラリー製造装置を提供する。
【0005】
上記技術的問題を解決するために、本発明の技術的解決策は以下の通りである。
【0006】
混合用インペラが提供されている。混合用インペラはインペラ本体を含む。インペラ本体の基端に、先端へ延びるキャビティーが形成されており、インペラ本体の側壁に、キャビティーに連通する流体通過孔が形成されている。
【0007】
本発明のいくつかの実施例に基づいて、流体通過孔は複数あり、複数の流体通過孔は離間してインペラ本体の側壁を周回するように形成され、流体通過孔はインペラ本体の先端に近い側壁に形成されている。
【0008】
本発明のいくつかの実施例に基づいて、流体通過孔は、インペラ本体の内壁から外壁に向かう方向に沿って、インペラ本体の先端からインペラ本体の基端に向かう方向に傾斜している。
【0009】
本発明のいくつかの実施例に基づいて、インペラ本体において流体通過孔の上方にバッフルが設けられており、バッフルは、インペラ本体の先端から基端に向かう方向に傾斜している。
【0010】
本発明のいくつかの実施例に基づいて、流体通過孔は、インペラ本体の径方向に沿って形成されている。
【0011】
本発明のいくつかの実施例に基づいて、流体通過孔は、インペラ本体の内壁から外壁に向かう方向に沿って、インペラ本体の基端からインペラ本体の先端に向かう方向に傾斜している。
【0012】
本発明のいくつかの実施例に基づいて、流体通過孔は、インペラ本体の回転方向と逆方向に沿って、内から外に向かう方向に且つ同じ側に向かって傾斜している。
【0013】
本発明のいくつかの実施例に基づいて、流体通過孔は、円孔、楕円形孔、多角形孔、又は扁平孔である。
【0014】
本発明のいくつかの実施例に基づいて、インペラ本体は、円筒セグメントと、円筒セグメントに滑らかに接続された錐台セグメントとを含み、錐台セグメントの大きな端部は円筒セグメントに接続され、キャビティーは円筒セグメントを貫通して錐台セグメント内に延びる。
【0015】
本発明のいくつかの実施例に基づいて、流体通過孔は、錐台セグメントの側壁に設けられている。
【0016】
本発明のいくつかの実施例に基づいて、キャビティーは環状キャビティーであり、環状キャビティーはインペラ本体と同軸に形成され、又は、キャビティーは、離間して形成された複数のサブキャビティーを含み、複数のサブキャビティーは共同でキャビティーを形成する。
【0017】
本発明のいくつかの実施例に基づいて、インペラ本体の外壁に複数のブレードが離間して設けられており、隣り合う2つのブレードの間の領域に少なくとも1つの流体通過孔が設けられている。
【0018】
本発明のいくつかの実施例に基づいて、インペラ本体の外壁に複数のブレードが離間して設けられており、バッフルの両端はそれぞれ、両側にバッフルと隣り合うブレードに当接している。
【0019】
本発明はスラリー製造装置をさらに提供する。スラリー製造装置は筐体と、上記混合用インペラと、を含む。混合用インペラは筐体内に設けられている。
【0020】
本発明の技術的解決策は、以下の利点を有する。
【0021】
1.本発明に係る混合用インペラにおいて、インペラ本体がその軸線回りに回転することができ、回転中に、粉体等の固体材料がインペラ本体の外部流路に沿って上から下に向かって輸送され、液体材料がインペラ本体にあるキャビティーを通って下から上に向かって輸送され、液体材料がキャビティーを流れてインペラ本体の側壁に形成された流体通過孔から流出し、固体材料と混合される。インペラ本体にキャビティー及び流体通過孔を形成することにより、液体材料の液面を上昇させ、固体材料と液体材料との混合界面の高さを上げ、混合効率を一層向上させる。
【0022】
2.本発明に係る混合用インペラにおいて、流体通過孔がインペラ本体の先端の側壁に形成されており、液体材料が下から上に向かって輸送され、キャビティーを流れて流体通過孔から流出し、即ちインペラの頂部の側壁から流出することにより、固体材料と液体材料との混合界面を上昇させる。複数の流体通過孔が離間して形成されており、インペラ本体がその軸線回りに回転するとき、キャビティー内の液体材料が遠心力で複数の流体通過孔から振り切られることで、液体材料に対して分散の役割を果たすにより、固体材料と液体材料との混合効率をさらに向上させる。
【0023】
3.本発明に係る混合用インペラにおいて、流体通過孔が、インペラ本体の内壁から外壁に向かう方向に沿って、インペラ本体の先端からインペラ本体の基端に向かう方向に傾斜しており、固体材料と液体材料との接触領域に傾斜面が形成されることにより、固体と液体を混合するときの接触面積を増やし、固体と液体の混合効率を向上させ、固体の下向きに輸送される速度を上げるとともに、スラリー戻りの確率を下げ、固体と液体の混合品質を向上させ、スラリーの製造効率を向上させる。そのほか、固体材料と液体材料が混合されるときに生じるダマが流体通過孔に目詰まりを起こして混合効率に影響することも回避できる。
【0024】
4.本発明に係る混合用インペラにおいて、流体通過孔がインペラ本体の基端からインペラ本体の先端に向かう方向に傾斜している場合、又は、流体通過孔がインペラ本体の径方向に沿って形成されている場合、流体通過孔の上方にバッフルが設けられており、バッフルが、インペラ本体の先端から基端に向かう方向に傾斜していることで、固体材料が上から下に向かって流れるとき、固体材料が、バッフルの遮断役割により、インペラの外壁から離れる方向に流れる。これにより、固体材料と液体材料が混合されるときに生じるダマが流体通過孔に目詰まりを起こして混合効率に影響することを回避する。
【0025】
5.本発明に係る混合用インペラにおいて、流体通過孔が、インペラ本体の内壁から外壁に向かう方向に沿って、インペラ本体の基端からインペラ本体の先端に向かう方向に傾斜していることにより、液体材料と固体材料との混合界面の高さを上げ、混合効率を一層向上させる。
【0026】
6.本発明に係る混合用インペラにおいて、複数のサブキャビティーが共同でキャビティーを形成し、インペラ本体の回転中に、液体材料が、複数のサブキャビティーでインペラに伴って回転し、液体材料が回転中に、遠心力で分散されることにより、流体通過孔から流出する液体材料の分散度を一層高め、固体材料と液体材料の混合効率を一層向上させる。
【0027】
7.本発明に係る混合用インペラにおいて、2つのブレードの間の領域に少なくとも1つの流体通過孔が設けられており、流体通過孔は、インペラ本体の回転方向と逆方向に沿って、内から外に向かう方向に且つ同じ側に向かって傾斜している。インペラ本体がその軸線回りに回転するとき、キャビティー内の液体材料は、回転による遠心力で流体通過孔から振り切られるように駆動され、ブレードに衝突した後にさらに分散されることにより、固体材料と液体材料をより均一に混合し、ダマの発生を低減し、混合効率を向上させる。
【0028】
8.本発明に係るスラリー製造装置において、上記混合用インペラを筐体の内部に装着し、さらに当該スラリー製造装置における固体材料と液体材料との混合界面の高さを上げることにより、材料の供給速度を上げ、スラリーの製造効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
以下、本発明の実施形態又は従来技術に係る技術的解決策をより明確に説明するために、実施形態又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、説明される図面は本発明のいくつかの実施形態であり、当業者にとって、創造的な努力なしに、これらの図面によって他の図面を得ることができる。
図1図1は、本発明のいくつかの実施例に係る混合用インペラの構成を示す概略図である。
図2図2は、図1に示された混合用インペラの片側断面図である。
図3図3は、本発明のいくつかの実施例に係る、流体通過孔が扁平孔である混合用インペラの構成を示す概略図である。
図4図4は、本発明のいくつかの実施例に係る、バッフル付きの混合用インペラの構成を示す概略図である。
図5図5は、図4に示された混合用インペラの片側断面図である。
図6図6は、本発明のいくつかの実施例に係る、混合用インペラを装着したスラリー製造装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら、本発明の技術的解決策を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力なしに得られるすべての他の実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【0031】
なお、本発明の記述において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」等の用語によって示される方向又は位置関係は図面に基づいて示される方向又は位置関係であり、単に本発明を説明し、説明を簡略化するためのものであり、指される装置又は要素が必ず特定の方向を有し、特定の方向で構成され又は操作されることを示したり暗示したりするためのものではなく、従って本発明に対する制限と理解されることができない。また、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、説明のためだけに使用され、相対的な重要性を示したり暗示したりするためのものと理解されることができない。
【0032】
本発明の記述において、「実装」、「接続」、「連結」という用語は、別の明示的な規定及び限定がない限り、広い意味で理解されるべきである。例えば、固定的な接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体的な接続であってもよい。機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよい。直接接続、又は中間媒体を介する間接接続、又は2つのコンポーネントの内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0033】
また、以下に述べられる本発明の異なる実施形態に係る技術的特徴は、矛盾がない限り、組み合わせられることができる。
【0034】
図1図5に示すように、本発明は混合用インペラを提供する。混合用インペラはインペラ本体21を含む。インペラ本体21の基端に、先端へ延びるキャビティー214が形成されており、インペラ本体21の側壁に、キャビティー214に連通する流体通過孔213が形成されている。
【0035】
具体的に説明すると、インペラ本体21がその軸線回りに回転することができ、回転中に、固体材料がインペラ本体21の外部流路に沿って上から下に向かって輸送され、液体材料がインペラ本体21にあるキャビティー214を通って下から上に向かって輸送され、液体材料がキャビティー214を流れてインペラ本体21の側壁に形成された流体通過孔213から流出し、固体材料と混合される。インペラ本体21にキャビティー214及び流体通過孔213を形成することにより、液体材料の液面を上昇させ、固体材料と液体材料との混合界面の高さを上げ、混合効率を一層向上させる。
【0036】
図1図5を参照すると、本発明のいくつかの実施例において、流体通過孔213は複数あり、複数の流体通過孔213は離間してインペラ本体21の側壁を周回するように形成され、流体通過孔213はインペラ本体21の先端に近い側壁に形成されている。
【0037】
具体的に説明すると、流体通過孔213がインペラ本体21の先端の側壁に形成されており、液体材料が下から上に向かって輸送され、キャビティー214を流れて流体通過孔213から振り切られ、即ちインペラの頂部の側壁から流出することにより、固体材料と液体材料との混合界面を上昇させる。複数の流体通過孔213が離間して形成されており、インペラ本体21がその軸線回りに回転するとき、キャビティー214内の液体材料が遠心力で複数の流体通過孔213から振り切られることで、液体材料に対して分散の役割を果たすことにより、固体材料と液体材料をより均一に混合し、固体材料と液体材料との混合効率をさらに向上させる。
【0038】
図2を参照すると、本発明のいくつかの実施例において、流体通過孔213は、インペラ本体21の内壁から外壁に向かう方向に沿って、インペラ本体21の先端からインペラ本体21の基端に向かう方向に傾斜している。
【0039】
具体的に説明すると、流体通過孔213がインペラ本体21の先端からインペラ本体21の基端に向かう方向に傾斜している場合、液体材料が流体通過孔から振り切られた後、下向きに流れ、固体材料も下向きに流れることで、固体材料と液体材料との混合界面が傾斜面として形成されることにより、固体材料と液体材料を混合するときの接触面積を増やし、固体材料と液体材料の混合効率を向上させ、固体材料の下向きに輸送される速度を上げるとともに、スラリー戻りの確率を下げ、固体材料と液体材料の混合品質を向上させる。そのほか、固体材料と液体材料が混合されるときに生じるダマが流体通過孔213に目詰まりを起こして混合効率に影響することも回避できる。
【0040】
図4及び図5を参照すると、本発明のいくつかの実施例において、インペラ本体21において流体通過孔213の上方にバッフル215が設けられており、バッフル215は、インペラ本体21の先端から基端に向かう方向に傾斜している。
【0041】
具体的に説明すると、固体材料と液体材料の混合中に、ダマが発生しやすい。流体通過孔213がインペラ本体21の基端からインペラ本体21の先端に向かう方向に傾斜している場合、又は、流体通過孔213がインペラ本体21の径方向に沿って形成されている場合、固体材料と液体材料が流体通過孔213において接触して混合される。ダマが発生すると、ダマが大きすぎるため、ダマが流体通過孔213内に落ち込み、流体通過孔213の目詰まりを起こしやすくて、液体材料の供給に影響する。
【0042】
流体通過孔213の上方にバッフル215が設けられており、バッフル215が、インペラ本体21の先端から基端に向かう方向に傾斜していることで、固体材料が上から下に向かって流れるとき、固体材料が、バッフル215の遮断役割により、インペラの外壁から離れる方向に流れる。これにより、固体材料と液体材料が流体通過孔213で混合されることを回避し、即ち生じるダマが流体通過孔213に目詰まりを起こして混合効率に影響することを回避する。
【0043】
本発明のいくつかの実施例において、流体通過孔213は、インペラ本体21の内壁から外壁に向かう方向に沿って、インペラ本体21の基端からインペラ本体21の先端に向かう方向に傾斜している。
【0044】
具体的に説明すると、流体通過孔213がインペラ本体21の基端からインペラ本体21の先端に向かう方向に傾斜するように形成されていることにより、液体材料と固体材料との混合界面の高さを一層上げるため、混合品質を向上させ、混合速度を上げる。
【0045】
本発明のいくつかの実施例において、流体通過孔213は、インペラ本体21の回転方向と逆方向に沿って、内から外に向かう方向に且つ同じ側に向かって傾斜している。
【0046】
具体的に説明すると、液体材料の分散度を高め、液体材料を固体材料とよりよく混合するために、流体通過孔213が内から外に向かう方向に、インペラ本体21の回転方向と逆方向に沿って、同じ側に向かって傾斜して設けられている。インペラ本体21がその軸線回りに回転するとき、液体材料の流れ方向が遠心力で、遠心力と同方向になるため、液体材料が流体通過孔213から振り切られやすく、液体材料が分散される。液体の分散度が高いほど、固体材料との混合品質はより良好になる。
【0047】
本発明のいくつかの実施例において、流体通過孔213は、インペラ本体21の径方向に沿って形成されている。
【0048】
本発明のいくつかの実施例において、流体通過孔213は、円孔、楕円形孔、多角形孔、又は扁平孔である。
【0049】
図3を参照して具体的に説明すると、扁平孔の形成は、液体材料を分散し、液体材料の分散度を高め、固体材料品と液体材料の混合品質を向上させることに有利である。
【0050】
図1図5を参照すると、本発明のいくつかの実施例において、インペラ本体21は、円筒セグメント212と、円筒セグメント212に滑らかに接続された錐台セグメント211とを含み、錐台セグメント211の大きな端部は円筒セグメント212に接続され、キャビティー214は円筒セグメント212を貫通して錐台セグメント211内に延びる。
【0051】
本発明のいくつかの実施例において、流体通過孔213は、錐台セグメント211の側壁に設けられている。
【0052】
具体的に説明すると、錐台セグメント211の配置は固体材料の下向きの輸送に有利であり、錐台セグメント211の側壁は傾斜面であるため、固体材料の供給速度を上げる。錐台セグメント211の下方に円筒セグメント212が設けられることで、インペラ本体21の高さを上げる。キャビティー214は、円筒セグメント212と錐台セグメント211を貫通し、流体通過孔213は、錐台セグメント211の側壁に形成され且つキャビティー214に連通している。液体材料が、下から上に向かって輸送されるとき、キャビティー214を流れて錐台セグメント211の側壁にある流体通過孔213から振り切られて、錐台セグメント211の側壁にある固体材料と混合される。錐台セグメント211の側壁が傾斜面であるため、固体材料と液体材料の混合界面の面積を増やして、材料の供給速度を上げ、混合効率を向上させる。
【0053】
本発明のいくつかの実施例において、キャビティー214は環状キャビティーであり、環状キャビティーはインペラ本体21と同軸に形成され、又は、キャビティー214は、離間して形成された複数のサブキャビティーを含み、複数のサブキャビティーは共同でキャビティー214を形成する。
【0054】
具体的に説明すると、キャビティー214の役割は、液体材料に一時保管スペースを提供することである。インペラ本体21が回転するとき、キャビティー214内に一時保管された液体材料が遠心力で流体通過孔213から振り切られて、液体材料の分散度を高めることができる。キャビティー214が環状キャビティーである場合、キャビティー214の容積が大きくなることで、液体材料が流出するときに十分に分散され、液体材料と固体材料の混合品質を向上させることができる。
【0055】
理解できるように、キャビティー214が複数のサブキャビティーからなる場合、液体材料は下から上に向かって複数のサブキャビティー内に流れ込み、インペラ本体21の回転中に、液体材料は、サブキャビティー内で予備分散を経て、遠心力で流体通過孔213から振り切られるときに再び分散される。サブキャビティーが共同でキャビティー214を形成する配置は、液体材料の分散度を高め、ひいては固体材料品と液体材料の混合品質を向上させ、混合効率を向上させることができる。
【0056】
本発明のいくつかの実施例において、インペラ本体21の外壁に複数のブレード22が離間して設けられており、隣り合う2つのブレード22の間の領域に少なくとも1つの流体通過孔213が設けられている。
【0057】
具体的に説明すると、ブレード22は、固体材料の下向きの輸送をガイドする役割を果たすことができ、2つの隣り合うブレード22の間に、上から下に向かって固体材料を輸送する流路が形成されている。流体通過孔213は、2つの隣り合うブレード22の間に設けられ、即ち、流路に設けられている。インペラ本体21の回転中に、流体通過孔213は、インペラ本体21の回転方向と逆方向に沿って、内から外に向かう方向に且つ同じ側に向かって傾斜している。インペラ本体21がその軸線回りに回転するとき、キャビティー214内の液体材料は、遠心力で流体通過孔213から振り切られ、ブレード22に衝突した後にさらに分散されることにより、固体材料と液体材料をより均一に混合し、ダマの発生を低減し、混合効率を向上させる。
【0058】
理解できるように、流体通過孔213の数及び孔径は本発明で限定されなく、流体通過孔213の数及び孔径は液体材料の流れ速度と正の相関関係があり、流体通過孔213の孔径は液体材料の分散度と負の相関関係がある。流体通過孔213の数が多く、孔径が大きいほど、液体材料の流れ速度が、駆動ポンプのある程度の圧力で、速くなる。流体通過孔213の数が少なく、孔径が小さいほど、液体材料の流れ速度が遅くなる。さらに、流体通過孔213の孔径が小さいほど、液体材料の分散度が高くなる。したがって、流体通過孔213の数と孔径との具体的なパラメータは、液体材料の性質及び駆動ポンプの圧力に応じて選択され決定される。
【0059】
本発明のいくつかの実施例において、インペラ本体21の外壁に複数のブレード22が離間して設けられており、バッフル215の両端はそれぞれ、両側にバッフル215と隣り合うブレード22に当接している。
【0060】
具体的に説明すると、バッフル215は、その両端がバッフル215と隣り合う2つのブレード22に当接するように設けられてもよく、流体通過孔213の孔径のみを覆うように設けられてもよいので、バッフル215の幅は、本発明で限定されない。しかし、バッフル215において固体が多く堆積されて、固体材料の供給効率に影響することを回避するように、バッフル215の遠端とインペラ本体21の外壁の表面との距離は、ブレード22の弦長より小さくする必要がある。
【0061】
図6を参照すると、本発明はスラリー製造装置をさらに提供する。スラリー製造装置は筐体1と、上記混合用インペラ2とを含む。混合用インペラ2は筐体1内に設けられている。
【0062】
具体的に説明すると、筐体1の底部にある周壁に液体注入口11が設けられており、液体材料が液体注入口11から注入される。筐体1の底部に液体分散装置3が設けられており、液体材料が液体分散装置3によって分散されて混合用インペラ2に流れる。筐体1の頂部には固体注入口12が設けられており、筐体1の頂部には固体分散装置4が設けられており、固体材料が固体分散装置4によって分散されて混合用インペラ2に流れる。分散された液体材料は、インペラ本体21の底部からキャビティー214に入り、遠心力で流体通過孔213から振り切られ、固体材料は、インペラ本体21の外部流路を通って下向きに輸送され、固体材料と液体材料は、インペラ本体21の頂部にある側壁で十分に混合された後、筐体1の側壁にある混合物排出口13から流出する。
【0063】
液体材料は、液体注入口11から入り、分散装置によって分散された後、駆動ポンプにより上向きに流れる。液体分散装置3と混合用インペラ2との間には、液体をインペラのキャビティー214内に流入させる役割を果たすガイド板が設けられている。固体は、固体分散装置4によって分散された後、混合用インペラ2に流れる。混合用インペラ2の回転中に、固体材料は、ブレード22のガイドと押し下げの役割で、2つの隣り合うブレード22の間の流路を通って下向きに輸送され、流体通過孔213の近くで混合される。この混合用インペラ2は、固体と液体との混合界面の高さを上げて、材料の供給速度を上げ、スラリー製造の効率を向上させる。
【0064】
明らかに、上記実施例は、明確に説明するために例示したものに過ぎず、実施形態を限定するものではない。当業者は、上記説明に基づいて他の異なる形の変化又は変動を行うことができる。ここで、全ての実施例を挙げる必要はなく、全ての実施例を挙げることもできないが、本実施形態から派生した明らかな変化又は変動は、依然として本発明の保護範囲内にある。
【符号の説明】
【0065】
1…筐体
2…混合用インペラ
3…液体分散装置
4…固体分散装置
11…液体注入口
12…固体注入口
13…混合物排出口
21…インペラ本体
22…ブレード
211…錐台セグメント
212…円筒セグメント
213…流体通過孔
214…キャビティー
215…バッフル
図1
図2
図3
図4
図5
図6