(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144427
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】使用者に空気流を提供する装置
(51)【国際特許分類】
A61M 16/06 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A61M16/06 A
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024105943
(22)【出願日】2024-07-01
(62)【分割の表示】P 2022026365の分割
【原出願日】2016-10-21
(31)【優先権主張番号】62/245,463
(32)【優先日】2015-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/367,879
(32)【優先日】2016-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513259285
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】クリガー ドナルド ロイ
(72)【発明者】
【氏名】フリーストーン ポール マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ボーンホルト メリッサ キャサリン
(57)【要約】
【課題】業界に対して有用な選択肢を提供する装置を提供する。
【解決手段】患者インタフェースは、ブロワと、使用者の顔面と接触するクッションと、使用者の顔面上でクッションを支持するマスク本体および/またはフレームとを含む。クッションおよび/またはマスク本体もしくはフレームは、ブロワからガス流を受け取る内部空間を画定する。ブロワは、ブロワが少なくとも部分的にマスク本体またはフレーム内にあるようにマスク本体またはフレームに取り付けられる。ブロワは、マスク本体またはフレームの低圧側からマスク本体またはフレームの高圧側を実質的に分離し、かつ/またはマスク本体またはフレームは、ブロワと内部空間との間に実質的に壁を有さない。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インペラと、前記インペラの回転を駆動するモータと、前記インペラを収容するインペラ空間を提供するブロワハウジングと、ブロワ入口と、ブロワ出口とを含むブロワと、
使用者の顔面と接触するクッションと、
使用者の顔面上で前記クッションを支持するマスク本体および/またはフレームであって、前記クッションおよび/または前記マスク本体もしくはフレームは、前記ブロワからガス流を受け取る内部空間を画定する、マスク本体および/またはフレームと
を含み、
前記ブロワは、前記ブロワが少なくとも部分的に前記マスク本体またはフレーム内にあるように前記マスク本体またはフレームに取り付けられ、
前記ブロワは、前記マスク本体またはフレームの低圧側から前記マスク本体またはフレームの高圧側を実質的に分離し、かつ/または前記マスク本体またはフレームは、前記ブロワと前記内部空間との間に実質的に壁を有さない、患者インタフェース。
【請求項2】
前記ブロワは、前記インペラおよびインペラ空間の半径方向外側でありかつ/またはそれらを包囲する前記ブロワハウジングの部分によって前記マスク本体またはフレームに取り付けられている、請求項1に記載の患者インタフェース。
【請求項3】
前記ブロワは、前記ブロワハウジングの外周部または周方向部分によって前記マスク本体またはフレームに取り付けられている、請求項1または2に記載の患者インタフェース。
【請求項4】
前記ブロワは、前記マスク本体および/または前記フレーム内に実質的に完全に位置する、請求項1~3のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項5】
前記ブロワは、前記マスク本体の開放前部または後部の周囲で前記マスク本体の周縁部によって囲まれる、請求項1~4のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項6】
前記マスク本体またはフレームは、前記内部空間への入口を含み、前記ブロワは、前記入口内に受け入れられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項7】
前記マスク本体および前記フレームを含み、前記フレームは、前記クッションを有するクッションモジュール内に組み込まれたクッションフレームであり、前記クッションフレームおよび/またはクッションは、前記内部空間を画定し、および
前記マスク本体は、使用者の顔面上でヘッドギアを前記クッションモジュールに取り付け、かつ前記クッションモジュールを支持するように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項8】
前記ブロワは、前記クッションモジュール内に少なくとも部分的に受け入れられるように前記マスク本体または前記クッションフレームに取り付けられている、請求項7に記載の患者インタフェース。
【請求項9】
前記マスク本体またはフレームは、前記内部空間への入口を含み、前記ブロワは、前記入口内に受け入れられ、前記入口は、前記ブロワの前記インペラおよびインペラ空間を包囲し、かつ/または前記インペラおよびインペラ空間は、前記入口内で半径方向にある、請求項7または8に記載の患者インタフェース。
【請求項10】
前記入口は、前記モータを包囲し、および/または前記モータは、前記入口内で半径方向に位置する、請求項9に記載の患者インタフェース。
【請求項11】
前記ブロワは、前記入口内に実質的に完全に位置する、請求項9または10に記載の患者インタフェース。
【請求項12】
前記マスク本体は、前記入口を含み、前記入口は、前記ブロワが少なくとも部分的に前記クッションモジュール内にあるように前記クッションモジュール内に延在する、請求項9~11のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項13】
前記クッションフレームは、前記内部空間内にガスが入るためのアパーチャを含み、前記アパーチャは、前記クッションモジュールを前記マスク本体に取り付けるように前記入口を受け入れる、請求項12に記載の患者インタフェース。
【請求項14】
前記入口は、前記ブロワを受け入れるリングを含む、請求項9~13のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項15】
前記マスク本体もしくは前記フレームに、または前記ブロワハウジングに取り付けられて前記ブロワを覆うカバーを含み、前記カバーは、前記ブロワ入口へのガス流を可能にするカバー入口を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項16】
前記インタフェースの前記低圧側と前記高圧側との間の唯一の実質的な空気接続は、前記ブロワ入口から前記ブロワ出口まで前記ブロワを通る流路を介する、請求項1~15のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項17】
前記ブロワハウジングと前記マスク本体または前記クッションフレームとの間にシールを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項18】
前記シールは、前記ブロワハウジングまたは前記マスク本体もしくは前記クッションフレームに設けられた弾性かつ/または高コンプライアンスの封止材料を含む、請求項17に記載の患者インタフェース。
【請求項19】
前記封止材料は、前記ブロワハウジングに、または前記マスク本体にもしくは前記クッションフレームにオーバーモールドされている、請求項18に記載の患者インタフェース。
【請求項20】
前記弾性材料は、前記クッションフレームにオーバーモールドされており、かつ前記クッションと同じ材料のものである、請求項19に記載の患者インタフェース。
【請求項21】
前記シール材料および前記クッションは、前記マスク本体または前記クッションフレームにオーバーモールドされた一体部材として一体形成されている、請求項18または19に記載の患者インタフェース。
【請求項22】
前記インペラの回転軸は、使用者の顔面または冠状面に対しておよそ垂直であるか、または前記使用者の画面に向かって延在する、請求項1~21のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項23】
前記ブロワの直径または横方向寸法全体は、前記ブロワの軸方向長さより実質的に大きい、請求項1~22のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項24】
前記ブロワは、軸方向出口、または軸方向入口および軸方向出口を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項25】
前記ブロワは、半径方向出口、または軸方向入口および半径方向出口を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の患者インタフェース。
【請求項26】
前記半径方向出口は、前記マスク本体もしくはフレームまたはクッションの側壁から内方に配置され、それにより前記出口と前記側壁との間に間隙がある、請求項25に記載の患者インタフェース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、使用者に空気流を提供する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
呼吸器疾患は、患者が環境との十分なガスの交換を行うことができず、それによって患者の体内でガスが不均衡になることに関係する。これらの疾患は、気道の閉塞、肺が陰圧を十分に発生させないこと、脳幹の神経機能が不規則であること、または他の何らかの病理学的合併症の病理学的帰結として発生する可能性がある。こうした疾患の治療は、種々であり、標的とされている特定の呼吸器疾患によって決まる。第1例では、別名、閉塞性無呼吸または呼吸低下(まとめて閉塞性睡眠時無呼吸またはOSAと呼ぶ)として知られる気道の狭窄は、通常、患者の体内で気道を開放した状態で維持する筋肉が、昏睡状態中、気道が圧迫されるかまたは完全に閉鎖される程度まで弛緩する場合に発生する可能性があり、いびきの形態で現れることが多い現象である。これが長期間発生する場合、患者の脳が、通常、低酸素症の脅威を認識し、正常な呼吸が再開することができるように気道を開放するために患者を部分的に覚醒させる。患者は、睡眠のセッション毎に数百回程度発生する可能性があるこれらの発生に気付かない可能性がある。この部分的覚醒により、患者の睡眠の質が著しく低下する可能性があり、経時的に、慢性疲労、高心拍数、高血圧、体重増加、頭痛、苛立ち、うつ病および不安を含む種々の症候に至る可能性がある。
【0003】
閉塞性睡眠時無呼吸は、一般に、気道陽圧(PAP)療法を適用することによって治療される。PAP療法は、無呼吸、呼吸低下および/または気流制限の頻度および/または持続時間を低減させることができる、大気圧を超える治療圧で患者にガス流を送達することを含む。この療法は、気道陽圧装置(PAP装置またはブロワ)を使用して、患者の顔面に位置するインタフェースまたはマスクを通して、導管を通る患者への加圧空気流を推進することにより、送達することができる。
【0004】
空気流は、略体温まで加熱される場合がある。空気流は、加湿される場合がある。加湿は、空気流を、水を収容する呼吸加湿器および水を加熱するヒータを通るように強制的に移動させることによって行うことができる。こうしたシステムでは、ヒータは、水の蒸発を促進し、それにより空気流に水分および/または熱が部分的にまたは完全に染み込む。この水分および/または熱は、非加湿PAP療法の使用から発生する可能性のある不快感を緩和するのに役立ち得る。
【0005】
図1に、典型的な持続性気道陽圧(CPAP)システム100を示す。図示する構成では、呼吸システム1は、流れ発生器2を含む。流れ発生器2は、ガス入口3およびガス出口4を含む。流れ発生器は、ブロワ6を含む。ブロワ6は、モータを含む。使用時、モータは、ブロワのインペラを駆動して、ガス入口3からガスを引き込むように回転させる。流れ発生器2は、1つまたは複数のボタン、つまみ、ダイヤル、スイッチ、レバー、タッチスクリーンおよび/またはディスプレイを含むことができるユーザインタフェース8を含むことができ、それにより、使用者は、流れ発生器2に、その動作または呼吸治療システム1の他の態様の動作を制御するように動作パラメータを入力することができる。
【0006】
流れ発生器2は、ガスを、ガス出口4を通って第1導管10まで通す。第1導管10は、加湿器12にガスを渡すことができ、加湿器12は、ガスに水分を閉じ込めて加湿ガス流を提供することができる。加湿器12は、加湿器入口16と、加湿器出口18と、水または他の何らかの加湿剤で充填され得るリザーバ14とを含む。加湿器12は、加熱要素13も含む。加熱要素13を使用してリザーバ14内の加湿剤を加熱して、ガス流における加湿剤の蒸発および/または閉込めを促進し、かつ/または加湿器12を通過するガスの温度を上昇させることができる。加湿器12は、1つまたは複数のボタン、つまみ、ダイヤル、スイッチ、レバー、タッチスクリーンおよび/またはディスプレイを含むユーザインタフェース20を有することができ、それにより、使用者は、加湿器12に、加熱要素13の動作、加湿器12の他の態様の動作および/または呼吸治療システム1の他の態様の動作を制御するように動作パラメータを入力することができる。
【0007】
したがって、ガスは、加湿器出口18から第2導管22まで進むことができる。第2導管22は、ヒータを含むことができる。ヒータを用いて、第2導管22の壁に沿ったガス流に閉じ込められた水分の結露を防止するために、第2導管22を通過するガスに熱を追加することができる。第2導管22を通過するガスは、患者インタフェース24に入り、患者インタフェース24は、呼吸治療システム1を患者の気道に空気的に連結する。患者インタフェース24は、たとえば、鼻マスク、口マスク、口-鼻マスク、フルフェイスマスク、鼻ピローマスク、鼻カニューレ、気管内チューブまたはこれらの組合せを含むことができる。流れ発生器2、加湿器12、および/または呼吸治療システム1の他の部分は、コントローラ(図示せず)を含むことができる。コントローラは、マイクロプロセッサであり得る。コントローラは、流れ発生器2、加湿器12および/もしくは他の態様の動作または呼吸治療システムの動作パラメータを制御するのに役立ち得る。
【0008】
典型的なCPAPシステムの1つの不都合は、患者が、導管22を介してシステムに接続される患者インタフェースを装着しなければならないことである。患者の顔面に装着される患者インタフェースから延在する導管は、患者の睡眠を妨げる可能性がある。導管は、患者インタフェースから垂れ下がる可能性があり、かつ/またはインタフェースに力を加える可能性があり、それによりインタフェースが患者の顔面で移動するかまたは患者の顔面に圧力を加える可能性がある。国際公開第2014/168489号は、取り付けられた導管から患者インタフェースにかけられる可能性のある力のさらなる説明を提供する。使用者の顔面におけるインタフェースの移動またはその移動による圧力の上昇により、患者が睡眠中に覚醒し、かつ/またはシステムによる有効な治療が阻止される可能性がある。場合により、たとえば、ベッドにおける患者の寝返りとしての導管に対する張力が、患者の顔面から患者インタフェースを押しのける可能性がある。または患者が導管によって不快を感じ、睡眠中であってもインタフェースを取り外して放棄する可能性がある。
【0009】
呼吸インタフェースまたはマスクは、たとえば、例としてVPAPおよびBiPAPシステムを含むCPAP療法、またはNIVもしくは高流量療法等、1種または複数種の呼吸ガスを提供するために使用される。
【0010】
一般に、呼吸インタフェースは、装着されると使用者の頭部の適所にインタフェースを保持する、たとえばヘッドギアが取り付けられるマスクフレームまたは本体と、使用者の口および/または鼻にインタフェースして使用者に呼吸ガスを送達するシールまたはクッションとを含む。呼吸インタフェースは、鼻、口または口-鼻(フルフェイスとも呼ぶ)シールモジュールを含む場合がある。さらに、インタフェースは、鼻、口または両方を覆う間接的インタフェース、または装着者の鼻孔内に入りそれに対してもしくはその中で封止する鼻ノズルもしくはピローもしくは同様のもの、もしくは封止せずに鼻孔に入るカニューレを含むインタフェース等の直接インタフェースであり得る。シールモジュールは、一般にシリコーン材料等、装着者の顔面に対して快適な軟質材料から完全にまたは略完全に形成することができ、またはシールモジュールは、剛性もしくは半剛性材料から形成されかつマスクフレームに結合する剛性もしくは半剛性フレームインタフェース部と、比較的軟質な材料から形成されたシール部とを含むことができる。
【0011】
本明細書において、特許明細書、他の外部文献または他の情報源を参照した場合、これは、概して本発明の特徴について考察するための状況を提供するためである。特に別段の定めがない限り、こうした外部文献に対する参照は、こうした文献またはこうした情報源が、いかなる法域でも先行技術であるか、または当技術分野における共通の一般知識の一部を形成することを認めるものとして解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本明細書に開示するいくつかの実施形態の目的は、上述した問題に対処することを少なくともいくらか促進するか、または少なくとも業界に対して有用な選択肢を提供する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本明細書に開示する実施形態の少なくとも1つの第1態様によれば、患者インタフェースは、
インペラと、インペラの回転を駆動するモータと、インペラを収容するインペラ空間を提供するブロワハウジングと、ブロワ入口と、ブロワ出口とを含むブロワと、
使用者の顔面と接触するクッションと、
使用者の顔面上でクッションを支持するマスク本体および/またはフレームであって、クッションおよび/またはマスク本体もしくはフレームは、ブロワからガス流を受け取る内部空間を画定する、マスク本体および/またはフレームと
を含み、
ブロワは、ブロワが少なくとも部分的にマスク本体またはフレーム内にあるようにマスク本体またはフレームに取り付けられ、
ブロワは、マスク本体またはフレームの低圧側からマスク本体またはフレームの高圧側を実質的に分離し、かつ/またはマスク本体またはフレームは、ブロワと内部空間との間に実質的に壁を有さない。
【0014】
いくつかの実施形態では、ブロワは、インペラおよびインペラ空間の半径方向外側でありかつ/またはそれらを包囲するブロワハウジングの部分によってマスク本体またはフレームに取り付けられている。
【0015】
いくつかの実施形態では、ブロワは、ブロワハウジングの外周部または周方向部分によってマスク本体またはフレームに取り付けられている。
【0016】
いくつかの実施形態では、ブロワは、マスク本体および/またはフレーム内に実質的に完全に位置する。
【0017】
いくつかの実施形態では、ブロワは、マスク本体の開放前部または後部の周囲でマスク本体の周縁部によって囲まれる。
【0018】
いくつかの実施形態では、マスク本体またはフレームは、内部空間への入口を含み、ブロワは、その入口内に受け入れられる。
【0019】
いくつかの実施形態では、患者インタフェースは、マスク本体およびフレームを含み、フレームは、クッションを有するクッションモジュール内に組み込まれたクッションフレームであり、クッションフレームおよび/またはクッションは、内部空間を画定し、および
マスク本体は、使用者の顔面上でヘッドギアをクッションモジュールに取り付け、かつクッションモジュールを支持するように構成されている。
【0020】
いくつかの実施形態では、ブロワは、クッションモジュール内に少なくとも部分的に受け入れられるようにマスク本体またはクッションフレームに取り付けられている。
【0021】
いくつかの実施形態では、マスク本体またはフレームは、内部空間への入口を含み、ブロワは、入口内に受け入れられ、入口は、ブロワのインペラおよびインペラ空間を包囲し、かつ/またはインペラおよびインペラ空間は、(少なくとも患者インタフェースの正面から見た場合に)入口内で半径方向にある。
【0022】
いくつかの実施形態では、入口は、モータを包囲し、および/またはモータは、(少なくとも患者インタフェースの正面から見た場合に)入口内で半径方向に位置する。
【0023】
いくつかの実施形態では、ブロワは、(少なくとも患者インタフェースの正面から見た場合に)前記入口内に実質的に完全に位置する。
【0024】
いくつかの実施形態では、マスク本体は、入口を含み、入口は、ブロワが少なくとも部分的にクッションモジュール内にあるようにクッションモジュール内に延在する。
【0025】
いくつかの実施形態では、クッションフレームは、内部空間内にガスが入るためのアパーチャを含み、アパーチャは、クッションモジュールをマスク本体に取り付けるように入口を受け入れる。
【0026】
いくつかの実施形態では、入口は、ブロワを受け入れるリングを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、患者インタフェースは、マスク本体もしくはフレームに、またはブロワハウジングに取り付けられてブロワを覆うカバーを含み、カバーは、ブロワ入口へのガス流を可能にするカバー入口を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、インタフェースの低圧側と高圧側との間の唯一の実質的な空気接続は、ブロワ入口からブロワ出口までブロワを通る流路を介する。
【0029】
いくつかの実施形態では、患者インタフェースは、ブロワハウジングとマスク本体またはクッションフレームとの間にシールを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、シールは、ブロワハウジングまたはマスク本体もしくはクッションフレームに設けられた弾性かつ/または高コンプライアンスの封止材料を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、封止材料は、ブロワハウジングに、またはマスク本体にもしくはクッションフレームにオーバーモールドされている。
【0032】
いくつかの実施形態では、弾性材料は、クッションフレームにオーバーモールドされており、かつクッションと同じ材料のものである。
【0033】
いくつかの実施形態では、シール材料およびクッションは、マスク本体またはクッションフレームにオーバーモールドされた一体部材として一体形成されている。
【0034】
いくつかの実施形態では、インペラの回転軸は、使用者の顔面または冠状面に対しておよそ垂直であるか、または使用者の画面に向かって延在する。
【0035】
いくつかの実施形態では、ブロワの直径または横方向寸法全体は、ブロワの軸方向長さより実質的に大きい。
【0036】
いくつかの実施形態では、ブロワは、軸方向出口、または軸方向入口および軸方向出口を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、ブロワは、半径方向出口、または軸方向入口および半径方向出口を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、半径方向出口は、マスク本体もしくはフレームまたはクッションの側壁から内方に配置され、それにより出口と側壁との間に間隙がある。いくつかの実施形態では、ブロワは、ねじもしくは回転係合、またはスナップフィットもしくは押込み式の係合等の並進係合により、マスク本体またはフレームに取り付けられている。いくつかの実施形態では、ブロワは、マスク本体またはフレームに永久的に取り付けられ、それにより、使用者がインタフェースを破壊することなくマスク本体またはフレームからブロワを取り外すことができない。
【0039】
いくつかの実施形態では、ブロワは、渦巻ハウジングを含み、渦巻ハウジングは、インペラ空間と渦巻との間の通路を介してインペラ空間から空気を受け取る渦巻空間を提供し、ブロワは、ブロワの出口を介して渦巻空間から空気流を送出し、
インペラ空間および渦巻空間は、隔壁によって分離され、通路は、隔壁の縁部と渦巻ハウジングの側壁との間の間隙である。
【0040】
いくつかの実施形態では、通路は、三日月形状である。
【0041】
いくつかの実施形態では、三日月形状の通路の最も広い箇所は、ブロワの出口に対して180度反対側である。
【0042】
いくつかの実施形態では、ブロワハウジングは、渦巻ハウジングを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、渦巻空間は、環状であり、かつモータを包囲し、モータは、環状渦巻空間内に半径方向に位置する。
【0044】
いくつかの実施形態では、ブロワハウジングは、ハウジングおよびキャップを含み、渦巻空間は、ハウジング内に形成され、キャップは、ハウジングの端部に取り付けられてハウジングとともにインペラ空間を形成し、ブロワ入口は、キャップに形成される。
【0045】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、モータを収容するモータ空間を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、出口は、ブロワ入口半径方向外側に位置する。
【0047】
いくつかの実施形態では、出口は、上方もしくは「12時」位置または下方もしくは「6時」位置に配置されている。
【0048】
いくつかの実施形態では、インタフェースは、ブロワ出口にまたはブロワ出口とクッションとの間に位置するHME材料を含む。
【0049】
インタフェースのいくつかの実施形態では、クッションは、マスク本体から分離可能である。
【0050】
インタフェースのいくつかの実施形態では、マスク本体は、クッションまたはクッションモジュールの正面の周囲に巻き付くように前後方向に深さを有する。いくつかの実施形態では、クッションモジュールのクッションフレームは、中空内部を画定するように前後方向に深さを有する。いくつかの実施形態では、クッションフレームは、クッションモジュール内にガスが入るためのアパーチャを有し、それにより、クッションモジュールは、マスク本体に取り付けられている。いくつかの実施形態では、マスク本体は、中心部分と左側部分および右側部分とを含み、左側部分および右側部分は、インタフェースが装着されたときに後方にかつ/または使用者の口もしくは頬の左側および右側の上に延在し、ヘッドギアに結合するかまたはヘッドギアと一体的である。いくつかの実施形態では、マスク本体は、クッションまたはクッションモジュールの正面を部分的に覆うかまたは覆い隠すような高さも有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、インタフェースは、ケーブルを介してマスクに接続されるバッテリを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、インタフェースは、充電するためにバッテリを受け入れるように構成された充電ベースまたはクレードルとともに提供される。
【0053】
いくつかの実施形態では、インタフェースは、インタフェースのヘッドギアアセンブリに組み込まれたバッテリを含む。いくつかの実施形態では、インタフェースは、インタフェースのトップヘッドギアストラップに組み込まれたバッテリを含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、インタフェースは、インタフェースまたはヘッドギアに設けられた充電ポートを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、インタフェースは、使用されていないときにインタフェースを支持するように構成された充電クレードルとともに提供される。
【0056】
いくつかの実施形態では、インタフェースは、インタフェースの上にブロワオン-オフスイッチを含む。いくつかの実施形態では、インタフェースは、マスク本体の正面にボタンまたはタッチパッドのブロワオン-オフスイッチを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、インタフェースは、少なくとも部分的にテキスタイルで覆われたプラスチック材料から構成されたヘッドギアまたはヘッドギアアセンブリを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、インタフェースは、鼻インタフェースである。クッションは、使用者の鼻を覆うかまたは他の方法で使用者の鼻孔とインタフェースすることができ、たとえば、クッションは、鼻孔とインタフェースするかまたは鼻孔に対して封止する鼻プロングまたはピローを含むことができる。いくつかの実施形態では、インタフェースは、フルフェイスインタフェースである。インタフェースクッションは、鼻および口の両方を覆うことができる。インタフェースは、口を覆いかつ鼻の真下に1つまたは複数の鼻出口を有するクッションを含むことができる。このクッションは、クッションの上部鼻部に、鼻の外側面と接触するが鼻尖部と接触しない左パドルまたはウィング部分および右パドルまたはウィング部分を含むことができる。
【0059】
本明細書に開示する実施形態の少なくとも1つの第2態様によれば、患者インタフェースは、
インペラと、インペラの回転を駆動するモータと、インペラを収容するインペラ空間を提供するブロワハウジングと、ブロワ入口と、ブロワ出口とを含むブロワと、
使用者の顔面と接触するクッションと、
使用者の顔面上で前記クッションを支持するマスク本体および/またはフレームであって、クッションおよび/またはマスク本体もしくはフレームは、ブロワからガス流を受け取る内部空間を画定する、マスク本体および/またはフレームと、
内部空間への入口であって、ブロワは、入口内に受け入れられる、入口と
を含む。
【0060】
第2態様による患者インタフェースの実施形態は、第1態様による患者インタフェースの実施形態に関連して上述した任意の1つまたは複数を含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、入口は、ブロワのインペラおよびインペラ空間を包囲し、および/またはインペラおよびインペラ空間は、(少なくとも患者インタフェースの正面から見た場合に)入口内で半径方向にある。いくつかの実施形態では、入口は、モータを包囲し、および/またはモータは、(少なくとも患者インタフェースの正面から見た場合に)入口内で半径方向に位置する。いくつかの実施形態では、ブロワは、入口内に実質的に完全に位置する。
【0061】
いくつかの実施形態では、患者インタフェースは、マスク本体およびフレームを含み、フレームは、クッションを含むクッションモジュール内に組み込まれたクッションフレームであり、クッションフレームおよび/またはクッションは、内部空間を画定し、
マスク本体は、使用者の画面上でクッションモジュールにヘッドギアを取り付け、かつクッションモジュールを支持するように構成されている。
【0062】
いくつかの実施形態では、マスク本体は入口を含み、入口は、ブロワが少なくとも部分的にクッションモジュール内にあるようにクッションモジュール内に延在する。
【0063】
いくつかの実施形態では、クッションフレームは、内部空間内にガスが入るためのアパーチャを含み、アパーチャは、クッションモジュールをマスク本体に取り付けるように入口を受け入れる。
【0064】
いくつかの実施形態では、クッションフレームは、ブロワを受け入れる入口を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、入口は、ブロワを受け入れるリングを含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、ブロワは、少なくとも部分的にマスク本体またはフレーム内にあり、かつマスク本体またはフレームの低圧側からマスク本体またはフレームの高圧側を実質的に分離するようにマスク本体またはフレームに取り付けられている。
【0067】
いくつかの実施形態では、マスク本体またはフレームは、ブロワと内部空間との間に壁を有さない。
【0068】
いくつかの実施形態では、インタフェースの低圧側と高圧側との間の唯一の実質的な空気接続は、ブロワ入口からブロワ出口までブロワを通る流路を介する。
【0069】
いくつかの実施形態では、患者インタフェースは、ブロワハウジングとマスク本体またはクッションフレームとの間にシールを含む。
【0070】
本明細書に開示する実施形態の少なくとも1つの第3態様によれば、患者インタフェースは、
ブロワと、
使用者の顔面と接触するクッションと、
使用者の顔面上でクッションを支持するマスク本体および/またはフレームであって、クッションおよび/またはマスク本体もしくはフレームは、ブロワからのカス流を受け取る内部空間を画定する、マスク本体および/またはフレームと
を含み、
ブロワは、インペラと、インペラの回転を駆動するモータであって、ステータと、インペラに結合されたロータとを含むモータと、インペラを収容するインペラ空間を含むブロワハウジングと、ブロワ入口およびブロワ出口と、インペラとステータとの間および/またはステータとブロワハウジングとの間の少なくとも1つの防振(振動絶縁)部材とを含み、
ブロワは、ブロワとマスク本体またはフレームとの間に防振部材なしにマスク本体またはフレームに取り付けられている。
【0071】
第3態様による患者インタフェースの実施形態は、第1態様または第2態様による患者インタフェースの実施形態に関連して上述した任意の1つまたは複数を含むことができる。
【0072】
本明細書に開示する実施形態の少なくとも1つの第4態様によれば、
インペラと、インペラの回転を駆動するモータと、インペラを収容するインペラ空間を提供するブロワハウジングと、ブロワ入口と、ブロワ出口とを含むブロワと、
使用者の顔面と接触するクッションと、
使用者の顔面上で前記クッションを支持するマスク本体および/またはフレームであって、クッションおよび/またはマスク本体もしくはフレームは、ブロワからガス流を受け取る内部空間を画定する、マスク本体および/またはフレームと
を含み、
ブロワは、マスク本体またはフレームに取り付けられ、マスク本体および/またはフレームは、1つまたは複数の排気アパーチャ等の排気口を有さず、内部空間との間の唯一の空気流路は、ブロワ出口を介する。
【0073】
第4態様による患者インタフェースの実施形態は、第1態様、第2態様または第3態様による患者インタフェースの実施形態に関連して上述した任意の1つまたは複数を含むことができる。
【0074】
本発明のインタフェースは、使用者(U)に、使用者が装着するインタフェースを通して、加熱された、加湿されていてもよい空気流を提供する持続気道陽圧(CPAP)システムにおいて、または別法としてたとえばVPAP(可変気道陽圧)システム、BiPAP(二相式気道陽圧)システム等の他の形態の呼吸システムにおいて、またはたとえば非侵襲的換気(NIV)もしくは高流量(必ずしも同様に周囲圧力を超えるとは限らない)療法において使用することができ、本明細書では概して単に例としてCPAP療法を参照して説明する。インタフェースは、約0.5cmH2O~40cmH2Oの範囲の空気圧でCPAP療法に対して特に有用であり得る。しかしながら、インタフェースは、空気または他のガスが加熱および/または加湿されないシステムまたは療法でも使用することができる。
【0075】
本明細書で用いる「含んでいる」という用語は、「~から少なくとも部分的になる」を意味する。本明細書における「含んでいる」という用語を含む各記述を解釈するとき、その用語に続く1つまたは複数の特徴以外の特徴も存在する可能性がある。「含む(comprise)」および「含む(comprises)」等の関連用語は、同様に解釈されるべきである。
【0076】
本明細書に開示するある範囲の数字(たとえば、1~10)に対する言及は、その範囲内のすべての有理数(たとえば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9および10)に対する言及、およびその範囲内の任意の範囲の有理数(たとえば、2~8、1.5~5.5および3.1~4.7)に対する言及も組み込み、したがって、本明細書において明示的に開示されるすべての範囲のすべての部分範囲がこれにより明示的に開示されることが意図されている。これらは、具体的に意図されるものの単なる例であり、列挙される最低値から最大値までの数値のあり得るすべての組合せが本明細書において同様に明示的に述べられているとみなされるべきである。
【0077】
本明細書で用いる「および/または」という用語は、「および」もしくは「または」または両方を意味する。
【0078】
本明細書で用いる名詞に続く「(s)」は、その名詞の複数形および/または単数形を意味する。
【0079】
本発明が関連する技術分野における当業者であれば、添付の特許請求の範囲において定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく、構造における多くの変更形態ならびに本発明の広く異なる実施形態および応用を想到するであろう。本開示および本明細書における記載は、単に例示的なものであり、いかなる意味でも限定するように意図されていない。
【0080】
本発明は上記を含み、下記が単に例を与える構造も想定する。
【0081】
実施形態について、単に例として図面を参照して限定する意図なしに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【
図2B】
図2Aの患者インタフェースの組立分解側面図である。
【
図2C】
図2Aの患者インタフェースの中心線における断面図である。
【
図2D】
図2Aの患者インタフェースの後部かつ上方からの組立分解図である。
【
図2E】
図2Aの患者インタフェースの正面かつ上方からの組立分解図である。
【
図2G】
図2Aの患者インタフェースの背面図であり、インタフェースのクッションが図から取り除かれている。
【
図2H】
図2Aの患者インタフェースのマスク本体の背面図である。
【
図2I】
図2Aの患者インタフェースを装着している使用者の側面図である。インタフェースは、使用者の顔面の正面にブロワを位置決めし、ブロワのインペラの回転軸は、使用者の顔面に対しておよそ垂直に配置されている。
【
図3A】後部かつ上方から見た
図2Aの患者インタフェースのブロワのハウジングの組立分解図である。
【
図3B】正面かつ上方から見た
図3Aのハウジングの組立分解図である。
【
図4】あり得るモータ構成を示すブロワの断面図である。
【
図5B】
図5Aの患者インタフェースの組立分解側面図である。
【
図5C】
図5Aの患者インタフェースの中心線における断面図である。
【
図5D】
図5Aの患者インタフェースの後部かつ上方からの組立分解図である。
【
図5E】
図5Aの患者インタフェースの正面かつ上方からの組立分解図である。
【
図5G】
図5Aの患者インタフェースの背面図であり、インタフェースのシールが図から取り除かれている。
【
図6A】背面かつ上方から見た
図5Aの患者インタフェースのブロワのハウジングの組立分解図である。
【
図6B】正面かつ上方から見た
図5Aのハウジングの組立分解図である。
【
図7A】ブロワを含む患者インタフェースを装着している使用者の正面図である。
【
図7B】ブロワを含む患者インタフェースを装着している使用者の側面図である。
【
図8A】ブロワを含む患者インタフェースを装着している使用者の正面図である。
【
図8B】ブロワを含む患者インタフェースを装着している使用者の側面図である。
【
図9A】患者インタフェースの別の実施形態の斜視図である。
【
図10】
図9と同様の患者インタフェースの別の実施形態の斜視図である。
【
図11A】患者インタフェースの別の実施形態の斜視図である。
【
図12】患者インタフェースの別の実施形態の斜視図である。
【
図13】
図9A~
図11Eの患者インタフェースのインタフェース本体に取り付けられたクッションモジュールの断面図である。
【
図14A】
図9A~
図11Eの患者インタフェースのクッションモジュール、マスク本体およびブロワの組立分解斜視図である。
図14Aは、インタフェースの正面からである。
【発明を実施するための形態】
【0083】
本発明は、装着型PAPシステムに関する。装着型PAPシステムは、一体型PAPシステムを含む患者インタフェース、または一体型流れ発生器もしくはブロワを含む患者インタフェース、または流れ発生器を含む患者インタフェースと呼ばれる場合もある。本明細書および特許請求の範囲において、一体型PAPシステム、流れ発生器またはブロワを含む患者インタフェースを単に患者インタフェースと呼ぶものとする。いくつかの実施形態では、インタフェースは、たとえば、持続気道陽圧(「CPAP」)システム、可変気道陽圧(「VPAP」)システムおよび/もしくは二相式気道陽圧(「BiPAP」)システム、またはNIVもしくは高流量療法システムを組み込むことができる。
図2A~
図2Iに、いくつかの実施形態による患者インタフェースを示す。図示する患者インタフェースは、間接的鼻マスクであるが、少なくとも部分的に患者の鼻を覆うことによって患者の鼻と空気的に接続する。上述したように、
図2A~
図2Iの実施形態では、鼻マスクは、使用者の鼻の周囲をかつ使用者の顔面に対して封止するシールまたはクッションを含む。他の実施形態では、マスクは、別法として、フルフェイス(鼻および口)インタフェース、口のみインタフェースであり得るか、または装着者の鼻孔内に入りかつ鼻孔に対してまたは鼻孔内で封止する鼻ノズルもしくはピローもしくは同様のもの、もしくは封止せずに鼻孔に入るカニューレ等の直接鼻インタフェースを含むことができる。さらに、フルフェイスインタフェースは、鼻および口の両方を覆う完全に間接的なインタフェース、または口を覆いかつ鼻孔に入る鼻ノズルもしくはピローもしくは同様のものを含むか、もしくは鼻孔の真下に配置される出口を有する、鼻の下側に接触する鼻部を有するシールを含むハイブリッドフルフェイスインタフェースであり得る。いくつかの実施形態では、フェイスシールまたはクッションは、使用者の顔面または鼻に対して空気的に封止しない場合があるが、シールを形成することなく使用者の気道に空気流を向けることができる。本明細書および特許請求の範囲では、「クッション」という用語は、文脈において別段の示唆がない限り、患者インタフェースを使用者の気道に空気的に結合するように使用者の顔面と接触する封止および非封止の両方のフェイスシールまたはクッションを指すように意図される。
【0084】
図2A~
図2Iに示す患者インタフェース100は、マスクフレームまたは本体120を含む。患者インタフェース100は、ヘッドギア(図示せず)がマスク本体120に固定された状態で使用者の鼻の周囲に配置される。マスククッション110がマスク本体に取り付けられるか、またはマスク本体とともに形成される。患者インタフェースは、ヘッドギアを含み、または使用時にヘッドギアに取り付けられる。ヘッドギアは、マスク本体の少なくとも1つの取付箇所121または取付細部を介してマスク本体に取り付けることができる。中空本体120に対してヘッドギアによって提供される拘束力が患者の顔面に対して有効なシールを提供するように、患者の顔面に対してマスククッション110上に十分な圧縮力を確実にする。
図2Aにおいて、インタフェースは、前頭部支持体122があるように示されており、それにもヘッドギアを取り付けることができる。他の実施形態では、インタフェースは前頭部支持体を有さない。
図2Iでは、インタフェースは、使用者の顔面に配置されるように示されている。
【0085】
いくつかの実施形態では、本体120は、比較的非可撓性材料から構成されている。たとえば、中空本体120は、ポリカーボネートプラスチックまたは他の好適なプラスチック材料から形成することができる。こうした材料は、クッション110を支持するために必要な剛性を提供する。マスク本体は、透明である場合があり、比較的優れた絶縁体であり得る。使用者によってマスク本体内に放出される呼気ガスは、弁、またはマスク本体および/もしくはクッションを通る1つもしくは複数の排気路を通して放出または排出することができる。たとえば、マスク本体(図示せず)に1つまたは複数の排気アパーチャがあり得る。いくつかの実施形態では、図示するように、マスク本体は排気路を有さず、それにより、使用者は、ブロワ150を通して吐き出さなければならない。図示する実施形態では、電源および/または信号ケーブルがブロワのモータに電力および/または信号を提供するためのアクセスを可能にするアパーチャ123がある。たとえば、
図2Iおよび
図7A~
図8Bにケーブル60を示す。
【0086】
いくつかの実施形態では、使用者の顔面に有効なシールを提供するように、マスク本体120の周縁部にマスククッション110が設けられている。マスクシール110は、患者の顔面の輪郭におよそ沿うような形状であり得る。たとえば、フルフェイスシールは、使用者の顎先およびそれより広い頬領域の顔面輪郭に近似するように構成され、使用者の鼻梁領域の上にまたはそれに隣接し得る。鼻マスクでは、シールは、鼻梁から続けて使用者の鼻の両側に隣接する頬領域を下って使用者の人中または上唇領域を横切って、使用者の鼻の周囲で使用者の顔面輪郭におよそ一致するように輪郭をつけることができる。マスクシール110は、多くの異なる使用者の個々の輪郭に適合するように、ヘッドギアによって圧力が加えられたときに変形するように弾性がある。いくつかの実施形態では、シールは、シリコーン材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、シールは、マスク本体の一部にオーバーモールドすることができる。図示する実施形態では、シール110は、孔124を通してマスク本体の後周縁部にオーバーモールドされる。いくつかの実施形態では、マスク本体に弾性シールをクリップ留めするために、比較的剛性のシールクリップにシールを取り付けることができる。たとえば、インタフェースはシールアセンブリを含むことができ、シールアセンブリは、シール110と、比較的剛性のあるシールクリップ(図示せず)とを含む。シールクリップは、マスク本体120にシール110を解除可能に取り付けることができる。クリップは、シールがマスク本体に複数回容易に取り付けられかつそれから取り外されることを可能にするように、解除可能な剛性または半剛性インタフェースを提供する。
図2Aの実施形態では、シールは、使用者の鼻を取り囲む。他の実施形態では、シールは、鼻および口の両方または口のみを包囲することができ、または使用者の鼻孔に対して封止することができる。たとえば、
図7Aおよび
図7Bでは、使用者の口を包囲し使用者の鼻の下方部分の周囲を封止するシールを含む患者インタフェース300が示されている。たとえば、シール110は、使用者の鼻の外側面に対してかつ/または使用者の鼻の底面に対して封止することができる。いくつかの実施形態では、患者インタフェース300は、使用者の鼻の側面に対する封止に役立ち、かつ/または使用者の鼻尖部が露出することを可能にするウィング部分を含むことができる。
図8Aおよび
図8Bに、インタフェース300と同様の患者インタフェース400を示す。
図7Aおよび
図7Bの患者インタフェースは、インタフェースのマスク本体の正面に複数のアパーチャを含む入口125を有する。
図8Aおよび
図8Bの患者インタフェースは、メッシュもしくはフィルタ材料、または熱湿度交換(HME)材料を含む入口125を有する。
【0087】
患者インタフェースは、使用者に対するガス流を生成するように動作可能な流れ発生器(ブロワ)を含む。いくつかの実施形態では、患者インタフェースが使用のために使用者の顔面に配置されると、使用者の顔面の正面またはその近くにブロワが位置する。たとえば、使用者の口および/または鼻の正面にブロワを配置することができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、ブロワ150はマスク本体120に取り付けられる。
図2Cに示すように、いくつかの実施形態では、ブロワはマスク本体内に取り付けられる。中空マスク本体は、ブロワが配置される内部空洞または容積を提供する。いくつかの実施形態では、マスク本体は、クッションとともに、ブロワ150の出口151からガス流を受け取る内部空洞または空間112を提供する。内部空間は、使用者が呼吸するためにブロワからの加圧空気が蓄積することができるリザーバ112を形成することができる。別法としてまたはさらに、シールは、ブロワから空気を受け取る内部空洞または容積を提供することができる。いくつかの実施形態では、マスク本体および/またはシールは、マスク内の「デッドスペース」を低減させるように、マスク本体および/またはシールの内部空間または容積を可能な限り低減させるように設計される。デッドスペースを低減させることは、マスク内に放出されている患者の呼吸からのマスク内における二酸化炭素の蓄積を低減させるために有益であり得る。好ましい実施形態では、マスク本体120は、内部空間112とブロワとの間の壁を有さない。いくつかの実施形態では、マスク本体は、ブロワと内部空間との間に壁を有さない場合があり、患者インタフェースは、ブロワまたはブロワ出口と内部空間および/またはクッションとの間にフィルタもしくはディフューザ材またはHME材料を含むことができる。フィルタもしくはディフューザまたはHME材料は、患者インタフェースの内部でブロワが見えないようにブロワを実質的に完全に覆うことができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、マスク本体120は、ブロワが空気を引き込む入口125と、加圧空気がシール110を介して患者に提供される出口151とを含む。シールは、マスク本体の出口にまたはその周囲に取り付けられる。いくつかの実施形態では、入口125は、マスク本体の正面部分上にまたは正面部分に位置する。図示するようないくつかの実施形態では、入口は、アレイで配置された複数のアパーチャ等の複数のアパーチャまたは開口部を含むことができる。ブロワは、たとえば、クッションをマスク本体に取り付ける前に、マスク本体の後側からまたはクッションを通してマスク本体に組み付けることができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、マスク本体は、ベース127および別個のカバー128を含む。マスクシール110は、ベース127に取り付けられる。ブロワはベースに取り付けられ、カバーは、ベースに取り付けられて、マスク本体内にブロワを収容するようにブロワを覆う。換言すれば、マスク本体は、マスク本体内でブロワを固定するように合わせて組み立てられる2つの部品127、128であり得る。シールは、好ましくは、ベースの後周縁部に取り付けられ、ブロワは、ベースの正面側129からベースに取り付けられる。いくつかの実施形態では、ベース127は、クッションとともに、ブロワ150の出口151からガス流を受け取る内部空洞または空間を提供する。空間は、使用者が呼吸するためにブロワからの加圧空気が蓄積することができるリザーバを形成することができる。いくつかの実施形態では、カバー128は、ブロワを覆うようにベースの正面側129に取り付けられる。ブロワは、マスク本体にクリップで留まるか、または保持部品もしくはクリップによって保持され得る。いくつかの実施形態では、ブロワは、カバーによってベースに対して適所に保持される。たとえば、いくつかの実施形態では、マスク本体内の適所にブロワを保持するようにベースとカバーとの間にブロワを挟挿することができる。別法として、いくつかの実施形態では、ブロワは、カバーの後部側からカバーに取り付けられ、カバーおよびベースは、ブロワを収容するように合わせて組み立てられる。
【0091】
いくつかの実施形態では、ブロワは、マスク本体から解除可能である。ブロワをマスク本体から取り除くために、ベースからカバーが取り除かれて、取り除くためにブロワが露出される。いくつかの実施形態では、マスク本体は、ブロワのハウジングと一体的に形成することができる。
【0092】
図2A~
図2Iに示すように、いくつかの実施形態では、ヘッドギアを取り付けるための取付細部または箇所121は、マスク本体のベース127に設けられる。したがって、ベースは、シールおよびブロワを支持し、ヘッドギアによって使用者の頭部に取り付けられる。しかしながら、いくつかの実施形態では、取付細部または箇所121は、たとえば、
図5A~
図5Hの実施形態200に示すように、カバー128に設けることができる。いくつかの実施形態では、ブロワが空気を引き込む入口125はカバー128に位置する。
【0093】
いくつかの実施形態では、カバーは、マスク本体の一部を形成しない場合がある。たとえば、ブロワは、マスク本体とは別個のカバーを含むことができ、またはブロワのハウジングは、患者インタフェースの正面に通じている場合がある。この実施形態では、上述したベース127をマスク本体と呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、ブロワは、マスク本体の正面側からマスク本体127に取り付けられる。たとえば、ブロワは、マスク本体の正面側を介してマスク本体127にクリップによって留まることができる。カバー128は、ブロワのハウジングに取り付けられるブロワアセンブリの一部であり得る。図示する実施形態では、マスク本体127は、内部空間112とブロワとの間の壁を有さない。マスク本体127は、ブロワがマスク本体に取り付けられる開放前部を含む。ブロワは、マスク本体127の開放前部に受け入れられ、かつその周縁部によって包囲され得る。ブロワは、マスク本体の開放前部の周縁部によって周囲が完全に囲まれ得る。マスク本体の開放前部の周縁部にカバーを取り付けることができる。いくつかの実施形態では、マスク本体は、壁を有さず、患者インタフェースは、ブロワまたはブロワ出口と内部空間および/またはクッションとの間にフィルタまたはディフューザ材を含むことができる。フィルタまたはディフューザ材は、患者インタフェースの内部でブロワが見えないようにブロワを実質的に完全に覆うことができる。
【0094】
上述した実施形態では、ブロワ150は、ブロワのインペラおよびインペラ空間の半径方向外側にありかつ/またはそれらを包囲しているブロワハウジングの一部によってマスク本体120、127に取り付けられ、それにより、ブロワは、患者インタフェースの内部空間に実質的に通じる。いくつかの実施形態では、ブロワは、ブロワハウジングの外周部または周方向部分を介してマスク本体に取り付けられる。したがって、ブロワとクッションとの間、またはブロワと、マスク本体120、127および/またはクッション110によって提供される内部空間との間に実質的に壁がない。こうした配置により、ブロワの出口から患者インタフェースの内部空間までダクト構造または配管なしに、患者インタフェースにブロワを設けることができる。ブロワは、ブロワがガス流を送出するマスク本体120、127の高圧側をマスク本体の低圧側、たとえば、マスク本体の外側、またはマスク本体の、ブロワの入口が配置される側、たとえばマスク本体の、カバー128もしくはマスク本体入口125が配置される側から実質的に分離するようにマスク本体に取り付けられる。いくつかの実施形態では、マスク本体120、127の高圧側は、マスク本体の、内部空間112に面するかまたはその境界を定める側であり、マスク本体の低圧側は、マスク本体の外側である。
【0095】
いくつかの実施形態では、ブロワは、ねじまたは回転係合によってマスク本体120、127(たとえば、マスク本体のベース)に取り付けられる。たとえば、ブロワは、ねじ切り外周面を含むことができ、マスク本体またはマスク本体のベースは、ブロワの外面をねじ式係合で受け入れるように相補的なねじ切り内周面を含むことができる。別法として、ブロワは、たとえば押込み式またはスナップフィット係合によって本体に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、ブロワおよびマスク本体は、相補的な固定関係を有し、それにより、ブロワは、本体に正確な向きで嵌められるかまたは取り付けられる。
図2A~
図2Iに示す実施形態では、ブロワは、30度回転等の制限された回転を介してマスク本体に取り付けられる。マスク本体120、127は、肩部または前方に面する面130を含み、ブロワは、対応する肩部または後方に面する面131を含む。ブロワが本体に取り付けられると、面130、131は接触する。ブロワは、1つまたは複数の突起133も含み、本体120、127は、突起を受け入れる対応する数の凹部132を含む。ブロワは、突起133が凹部132に位置合わせされた状態で本体120、127に嵌められる。面130、131が接触すると、ブロワは、本体120、127に対して回転することができ、それにより、突起は、ブロワをマスク本体に対して軸方向に保持するように、周方向に延在する隆起134の後方に嵌まる。
図2Hに示すように、いくつかの実施形態では、本体は3つの凹部を含み、ブロワは3つの突起を含む。図示する実施形態では、ブロワは、30度回転してマスク本体にブロワを係止するかまたは取り付ける。図示する取付機構は、バヨネット取付具と呼ぶことができる。他の回転嵌合配置が可能であり、たとえば、ブロワは、開口部を有する溝を含むことができ、それによりマスク本体の突起が溝に入ることができ、マスクベースに対するブロワの後続する回転により、ブロワが患者インタフェース内の適所に固定される。マスク本体へのブロワの回転係合は、好ましい係合である可能性があり、それは、好ましいブロワ構成が、回転インペラを収容する円形ハウジングを含むブロワであるためである。そのため、ブロワとマスクベースとの間の回転係合が好ましい場合がある。上述した配置は、患者インタフェースのマスク本体またはフレームにブロワを解除可能に係合するために好適であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、マスク本体またはフレームにブロワを永久的に取り付けることができ、それにより、使用者は、工具なしに、または患者インタフェースを損傷もしくは破壊することなくマスク本体またはフレームからブロワを容易に取り除くことができない。
【0096】
いくつかの実施形態では、マスク本体の後部側からマスク本体にブロワを取り付けることができる。いくつかの実施形態では、シールは、マスク本体の後部から取外し可能とすることができ、シールが取り外されるとき、マスク本体内にブロワを設置することができる。マスク本体にブロワが取り付けられると、マスク本体の後部にシールを取り付けることができる。ブロワは、マスク本体にクリップによって留まるか、または保持部品もしくはクリップによって保持され得る。いくつかの実施形態では、インタフェースが、フェイスシール110と、フェイスシールをマスク本体にクリップ留めするクリップとを含むシールアセンブリを含む場合、シールアセンブリのクリップはまた、マスク本体内にまたはマスク本体にブロワを保持するように機能することができる。たとえば、マスク本体の後部側からマスク本体にブロワを組み付けることができ、その後、シールおよびシールクリップを含むシールアセンブリがマスク本体の後部側に取り付けられる。シールアセンブリのクリップは、マスク本体内またはマスク本体上の適所にブロワを保持することができる。たとえば、シールクリップとマスク本体との間にブロワを挟挿することができる。マスク本体の出口を介してマスク本体にブロワを組み付けることができる。
【0097】
図3A~
図3Dを参照して、
図2A~
図2Iの患者インタフェースに組み込むことができるブロワについて説明する。マスク本体に取り付けるのに好適なブロワは、ブロワハウジングまたはケーシング152を含む。いくつかの実施形態では、ブロワハウジングは、マスク本体にブロワハウジングを取り付ける細部を含む。たとえば、上述したように、ブロワハウジングは、マスク本体の対応する数の凹部132に受け入れられるように、1つまたは複数の突起133を含むことができる。いくつかの実施形態では、ブロワハウジングは、マスク本体に直接取り付けることができる。上述したように、ブロワのインペラおよびインペラ空間の半径方向外側にありかつ/またはそれらを包囲しているブロワハウジングの部分により、マスク本体120、127にブロワ150を取り付けることができる。いくつかの実施形態では、ブロワは、ブロワハウジングの外周部または周方向部分を介してマスク本体に取り付けられる。
【0098】
いくつかの実施形態では、ブロワとマスク本体との間に空気シールがもたらされる。マスク本体は、ブロワの入口側の低圧側とブロワの出口側の高圧側とを有することができる。ブロワの入口側および出口側は、ブロワとマスク本体との間のシールによって分離することができ、それにより、マスク本体の低圧側と高圧側との間の唯一のまたは主な空気接続は、ブロワを通る流路を介する(後述する)。いくつかの実施形態では、ブロワハウジングに弾性材料を設けることができる。たとえば、ハウジング152に弾性材料をオーバーモールドすることができる。ブロワハウジングの弾性材料は、マスク本体に対してシールを形成することができる。別法として、マスク本体は、ブロワハウジングと接触してシールを形成する、たとえばマスク本体の表面にオーバーモールドされた弾性材料を含むことができる。シールの材料は、マスク本体にオーバーモールドされた単一部材においてクッションの材料と一体形成することができる。いくつかの実施形態では、本体とブロワとの間に別個の封止部材を設けて本体とブロワとの間にシールを形成することができる。いくつかの実施形態では、ブロワまたはマスク本体にOリングシールを取り付けて本体とブロワとの間を封止することができる。いくつかの実施形態では、弾性材料なしにブロワとマスク本体との間に空気シールをもたらすことができる。たとえば、ブロワハウジングおよびマスク本体は、ブロワハウジングとマスク本体との間に迷路型シールまたは蛇行経路を形成するように相補的に適合させることができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、ブロワとマスク本体との間に防振(振動絶縁)部材を設けることができる。いくつかの実施形態では、防振部材もブロワとマスク本体との間に空気シールを形成することができる。防振部材は、ブロワ、マスク本体とともに形成することができ、または別個の組立部品であり得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、マスク本体は、放出される呼吸のバイアス流排気を可能にするように1つまたは複数のバイアス流アパーチャを含む。バイアス流アパーチャは、ブロワの出口側においてマスク本体に設けることができる。たとえば、
図2Aにおいて参照番号119によって識別されるマスク本体の領域にバイアス流孔を設けることができる。いくつかの実施形態では、マスク本体は、バイアス流アパーチャを有さない。こうした実施形態では、使用者は、マスク内にかつブロワの通路を通して、たとえばブロワ出口151内にかつブロワ入口153から出るように息を吐いて、マスクから、たとえばマスク入口125を介して排気することができる。こうした配置により、マスク本体内に位置するブロワからの騒音のレベルを使用者に達しないように低下させることができる。こうした配置では、内部空間112が最小化されることが好ましい。
【0101】
ハウジングを
図3Aおよび
図3Bにおいて組立分解図で、
図3Cにおいて断面図で示す。いくつかの実施形態では、上述したように、ブロワハウジング152は、マスク本体との回転係合に役立つように円形である。ブロワハウジングは、ブロワのインペラがブロワ内に空気を引き込む入口153を有する。いくつかの実施形態では、入口は、ハウジングの一端(入口端)においておよそ中心に配置される。たとえば、図示する実施形態では、入口は、中心に配置され、中心ハブ154の周囲に配置された複数のアパーチャを含み、アパーチャは、半径方向のリブまたはスポーク155によって分離される。図示する実施形態では、アパーチャはセグメント形状である。他の実施形態では、入口は、円形アパーチャであり、好ましくはハウジングの中心に位置することができる。
【0102】
ブロワは、ブロワのインペラに対してインペラ空間156を提供するインペラハウジングを含む。インペラの回転は、ブロワのモータによって駆動される。インペラ空間内のインペラの回転により、ブロワの入口153を介してインペラ空間156内に空気が引き込まれる。いくつかの実施形態では、ブロワハウジング152はインペラハウジングを含む。入口153は、好ましくは、インペラの回転軸183に対して中心に位置する。
【0103】
ブロワは、渦巻空間158を提供する渦巻ハウジング157を含む。典型的には、ポンプにおける「渦巻」は、ポンプの出口に向かって面積が増大する湾曲したじょうごである。しかしながら、本明細書および特許請求の範囲において、「渦巻」という用語は、インペラによってインペラ空間から圧送される空気を受け取るハウジングを意味するように広く解釈されるべきであり、そこでは、空気の速度が低下して高圧をもたらす。したがって、渦巻157は、必ずしも渦巻形状ではない。
【0104】
いくつかの実施形態では、ブロワハウジング152は渦巻ハウジング157を含む。
図3A~
図3Dのハウジング例によって示すように、いくつかの実施形態では、渦巻空間は環状である。インペラは、インペラ空間156内で回転すると入口153からインペラ空間内に空気を引き込み、インペラ空間156と渦巻空間158との間の通路159を介してインペラ空間156から渦巻空間158内に空気を押し込む。渦巻空間内に集まった空気は、使用者または患者が呼吸するために、渦巻ハウジングからブロワ出口151を介してマスク本体またはシール内に進む。
【0105】
いくつかの実施形態では、
図3A~
図3Dに示すように、ブロワ150は、ブロワハウジングの出口端に位置する軸方向出口151を有する。軸方向出口はまた、
図2Gにおいて、シールが取り除かれた状態で患者インタフェースの端面図に見える。いくつかの実施形態では、軸方向出口は、ブロワからの空気を患者の顔面に向かってマスク本体および/またはシールの内部112内に向ける。いくつかの実施形態では、ブロワ出口は、軸方向であり、ブロワ入口の半径方向外側である半径方向位置に位置する。
図2C~
図2Gに示すように、いくつかの実施形態では、ブロワ軸方向出口は、マスク本体内の上方または「12時」位置に配置される。別法として、いくつかの実施形態では、ブロワ軸方向出口151は、マスク本体内の下方または「6時」位置に配置され、または他の周方向位置にあり、たとえば、マスク本体の左側または右側に向かって位置することができる。いくつかの実施形態では、出口は、10度~90度、または20度~80度の周方向角度にわたる。
【0106】
いくつかの実施形態では、インペラ空間156および渦巻空間158は、隔壁によって分離される。いくつかの実施形態では、インペラ空間は、ハウジングの隔壁160によって渦巻空間から分離される。いくつかの実施形態では、インペラ空間156と渦巻空間158との間の通路159は、隔壁におけるアパーチャである。図示するように、いくつかの実施形態では、隔壁は、渦巻ハウジングの側壁161まで完全には延在せず、通路は、隔壁160の縁部162と側壁161との間の間隙159である。側壁は、ブロワハウジングの周方向側壁であり得る。いくつかの実施形態では、通路159は、三日月形状である。いくつかの実施形態では、隔壁と側壁との間の間隙159は、三日月形状である。たとえば、
図3Dに最もよく示すように、間隙159は、三日月形状であり、通路の最も広い箇所163の両側において、最も広い箇所の両側の狭い箇所164までテーパ状である。好ましくは、最も広い箇所163は、
図3Dに示すように、ブロワの出口151の180度反対側である(出口は破線で示され、図から隠れている)。インペラ空間と渦巻空間との間の通路159は、ブロワ入口153の半径方向外側である。いくつかの実施形態では、ブロワ入口は、たとえば、マスク本体がカバーを含んでいない患者インタフェース入口であり得る。
【0107】
ブロワは、インペラの回転を駆動するモータを含む。いくつかの実施形態では、ハウジングは、ブロワのハウジング内にモータを収容するモータ空間165を提供する。いくつかの実施形態では、渦巻空間158は、モータ空間165の周囲に延在する。換言すれば、モータは、環状渦巻空間157の半径方向内側に位置する。いくつかの実施形態では、モータは、環状渦巻空間の半径方向内側に位置する。モータのシャフトまたはインペラがインペラとモータとの間に延在してモータにインペラを結合することができるように、モータ空間とインペラ空間との間にアパーチャ166が設けられる。環状渦巻空間の半径方向内側にモータを位置決めすることにより、平坦な(軸方向長さの小さい)ブロワ構成が達成される。
【0108】
いくつかの実施形態では、患者インタフェースは、1つまたは複数の電子回路基板を含むことができ、たとえば、ブロワは、モータ制御電子回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、電子回路は、患者インタフェースから遠隔に設けることができる。こうした実施形態では、患者インタフェースへのケーブル60は、リモートモータコントローラからモータに通信ならびにモータ制御電流および/または電圧を提供することができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、ブロワハウジング152は、2つの部品、すなわちハウジング167およびキャップ168を含み、ハウジング167に渦巻ハウジング157が形成され、キャップ168はハウジング167の端部に取り付けられて、ハウジング167とともにインペラ空間156を画定する。いくつかの実施形態では、キャップに入口153が形成される。キャップは、ねじまたは任意の他の好適な取付配置によってハウジングに取り付けることができる。たとえば、図示する実施形態では、ハウジングは、キャップのラジアルピン170を受け入れる、それぞれ長手方向に延在する部分を有する周方向に延在する凹部169を含み、それにより、キャップをハウジングに押し込んで回す動き(バヨネット取付)で取り付けることができる。図示する例は、6つのピン170および対応する凹部169を含むが、それより多いかまたは少ない凹部およびピンを設けることができる。例では、キャップは、キャップをハウジングに取り付けるためにおよそ10度回す必要がある。いくつかの実施形態では、たとえば清掃のために使用者がハウジングの内部にアクセスすることができるように、ハウジングからキャップを取り外すことができる。いくつかの実施形態では、使用者が取り外さないように、ハウジングにキャップを固定することができる。たとえば、ハウジングにキャップを溶接することができる。他の取付方法を使用することができ、たとえば、ねじ締結具がキャップをハウジングに取り付けることができる。キャップ168は、たとえばブロワの入口側を覆うカバーのないマスク本体を含む実施形態では、患者インタフェースのカバーを形成することができる。
【0110】
図5A~
図5Hに、ブロワを含む患者インタフェース200に対するさらなる実施形態を示し、
図6A~
図6Dに、対応するブロワハウジング252を示す。
図2A~
図3Dを参照して記載する部分と同様または同じである部分は、同じ参照数字によって参照する。
【0111】
図5A~
図5Hの実施形態は、
図2A~
図2Iの実施形態を参照して上述したマスク本体と同様のマスク本体120を含む。
図5A~
図5Hの実施形態は、クッションフレーム137をさらに含む。図示する実施形態では、クッションフレーム137は、クッションモジュール138のクッション110と一体的に形成される。クッションフレーム137は、好ましくは比較的剛性があり、比較的軟質かつ高コンプライアンスなクッション110を支持し、クッション110をマスク本体120に取り付ける。クッションモジュール138は、マスク本体120に解除可能に取り付けられる。いくつかの実施形態では、図示するように、マスク本体120およびクッションフレーム137は、両方とも排気路、たとえばバイアス排気アパーチャを有さず、それにより、使用者は、ブロワ250を通して吐き出さなければならない。マスク本体120は、開放後部を含み、それを通してブロワ250がマスク本体120に取り付けられる。ブロワをマスク本体120の開放後部の周囲に受け入れそれによって包囲することができる。ブロワは、マスク本体の開放後部の周囲によって完全に周囲が囲まれ得る。クッションモジュールは、マスクの開放後部の周囲に取り付けることができる。
【0112】
図5A~
図5Hの実施形態では、ブロワ250は、半径方向出口を含む。
図3A~
図3Dをブロワ250のブロワハウジング252を示す
図6A~
図6Dと比較することにより、ブロワ入口153、インペラ空間156、渦巻空間158、インペラ空間と渦巻空間との間の通路、および2つのブロワ150、250のモータ空間は、同じ構成であることが分かる。患者インタフェース200のブロワを通る流路と患者インタフェース100のブロワ150を通る流路との相違は、患者インタフェース200のブロワ250が半径方向ブロワ出口251を有し、一方、患者インタフェース100のブロワ150は、上述したように軸方向ブロワ出口151を有することである。ブロワ150、250は、交換して使用することができ、たとえば、
図2A~
図2Iおよび
図5A~
図5Hの2つの図示する実施形態間で交換することができる。
【0113】
図5Cに最もよく示すように、いくつかの実施形態では、半径方向出口251は、ブロワ出口を使用者の顔面に対して横方向にマスク本体120またはクッションフレーム137の側壁113に向ける。
図5Cおよび
図5Hに示すように、いくつかの実施形態では、クッションフレームは、半径方向出口251と側壁113との間に間隙114があるように、半径方向出口がマスク本体120またはフレーム137の側壁113から半径方向内側に配置されるような形状である。ブロワからの流れを、半径方向に向けられた出口251から使用者の顔面に対して横方向にマスクベースまたはマスクシールの内側に向けることにより、ブロワからの流れを拡散することができ、または患者の気道内への流速を低下させることができる。いくつかの実施形態では、ブロワ半径方向出口は、たとえば
図5B~
図5Hに示すように、マスク本体内の上方または「12時」位置に配置される。別法として、いくつかの実施形態では、ブロワ半径方向出口151は、マスク本体内の下方または「6時」位置に配置されるか、またはたとえばマスク本体の左側もしくは右側に向かって位置する他の周方向位置にあり得る。いくつかの実施形態では、半径方向出口は、10度~90度、または20度~80度の周方向角度にわたる。
【0114】
図2A~
図3Dおよび
図5A~
図6Dからは、モータおよびインペラが省略されている。しかしながら、
図4には、ブロワ150、250に対するあり得るモータ構成を示す。モータ180は、ステータ181およびロータ182を含む。好ましくは、ステータは、回転しないようにハウジングに固定される。いくつかの実施形態では、ロータは、ステータの内部に位置する。別法として、内側ステータ外側ロータ構成を使用することができる。ロータは、ロータ極を形成するために永久磁石を含むことができ、ステータは、ステータ極を形成するために巻線を含むことができる。ロータは、その間にボールまたはローラ要素があるインナレースおよびアウタレースを含むことができる軸受要素184または単純な軸受もしくは他の好適な軸受配置において、軸183を中心に回転するように回転支持される。いくつかの実施形態では、図示するように、軸受要素は、たとえば軟質取付具185を介してステータ181によって支持され得る。いくつかの実施形態では、ステータは、1つまたは複数の軟質取付具186を介してハウジングによって支持される。インペラ187は、ロータおよびインペラの回転軸183上で回転するように、たとえばシャフト188を介してロータに結合される。好ましくは、入口は、回転軸と同心である。インペラは、たとえば、ハウジングのハブ(たとえば、
図3A~
図3Cに示すハブ154)に位置する軸受要素により、入口端部に回転支持され得る。ハブにおける軸受要素は、回転方向および軸方向の両方にインペラを支持することができる。
図2A~
図2Iの実施形態では、ブロワは、モータ180が、(モータ空間165内において)ブロワの入口端部とは反対側のブロワの出口端部に位置決めされるように配置される。ブロワ出口151は、モータ180の半径方向外側にある。
【0115】
軟質または高コンプライアンス取付具185は、ステータ181から回転インペラおよびインペラシャフトの振動を絶縁する防振部材である。1つまたは複数の軟質または高コンプライアンスステータ取付具186は、ブロワハウジングまたはステータ支持体からインペラの回転によってもたらされるステータの振動を絶縁する。いくつかの実施形態では、モータは、軸受用の軟質取付具を含み、ステータとブロワハウジングとの間に1つまたは複数の軟質取付具を有さない場合があり、またはモータは、軟質ステータ取付具186を含み、軸受用の軟質取付具185を有さない場合がある。いくつかの実施形態では、ブロワはまた、ブロワハウジングとマスク本体120、127またはクッションフレーム137との間に軟質取付具または防振手段を含むことができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、防振部材185および/または186は、ブロワ150、250とマスク本体120、127またはクッションフレーム137との間に防振部材が不要であるように十分なレベルまで振動を低減させるように適合される。
【0116】
図2Cおよび
図2Iに示すように、いくつかの実施形態では、ブロワは、モータおよびインペラの回転軸183が使用者の顔面または使用者の冠状面に対しておよそ垂直であるか、または使用者の顔面内に延在する状態で患者インタフェース内に配置される。いくつかの実施形態では、ブロワの直径または横方向寸法全体は、ブロワの軸方向長さより実質的に大きい。たとえば、
図3A~
図3Dのブロワハウジングは、約55mmの外径および約20mmの軸方向長さを有する。したがって、軸方向長さは、ブロワの外径の約1/3である。好ましくは、ブロワは、使用者の顔面に対して平坦であるように、または使用者の顔面から遠くに延在しないように構成される。回転軸を使用者の顔面に対しておよそ垂直であるように配置することにより、ブロワは、使用者の顔面の近くで実質的に平坦な構成で配置される。患者インタフェース100、200、300、400が使用者の顔面で使用されるように位置決めされ、使用者が直立姿勢にある状態では、軸183は、
図2Iに示すようにおよそ水平である。いくつかの実施形態では、回転軸183は、使用者の鼻もしくは口または
図2Iに示すように使用者の鼻もしくは口の間の領域を通って延在する。いくつかの実施形態では、インペラの主平面は、使用者の顔面の主平面に対してまたは使用者の冠状面に対しておよそ平行である。好ましくは、ブロワは、ブロワ入口からブロワ出口まで(回転軸の方向において)最小軸方向長さを有するように構成され、それにより、患者インタフェースは、使用者の顔面で薄型である。好ましい実施形態では、インペラの直径は、インペラの軸方向長さより著しく大きい。インペラの直径は、ブロワハウジングの全体サイズを大きく決定する。インペラ回転軸を使用者の顔面に向けることにより、インペラ直径は、使用者の顔面と並んで(使用者の顔面におよそ平行に)配置され、それにより、ブロワ、したがって患者インタフェースに対して、使用者の顔面において薄型構成が与えられる。理想的には、患者インタフェースが使用者の顔面から延在する距離は、可能な限り小さい。患者インタフェースは、使用者の顔面に対して可能な限り平坦であるべきである。好ましくは、ブロワの質量中心は、可能な限り使用者の顔面に近い。
【0117】
図9~
図12は、フレーム本体からシールが分離可能であるさらなる実施形態を示す。たとえば、清掃のために、またはたとえば最初に患者にインタフェースを取り付けるときに異なるサイズのシールが試行されることを可能にするために、シールを分離することができる(かつインタフェースに異なるサイズのシールを設けることができる)。いくつかの実施形態では、シールは、インタフェースの本体に取り付けられる場所で厚くなるシリコーン材等の軟質材料から完全に形成され得る。他の実施形態では、シールまたはシールモジュールは、シールをマスク本体にたとえばスナップフィットで解除可能に取り付けるために、比較的剛性のある1つまたは複数のシールクリップまたは他の部品を含むことができる。
【0118】
図7および
図8の実施形態とともにこれらの実施形態に示すインタフェースはまた、内容全体が参照により本明細書に援用される、本出願人の国際公開第2014/062070号に記載されているタイプの、鼻孔の真下に配置される出口を有する、口を覆いかつ鼻の下側に接触するハイブリッドフルフェイスインタフェースである。本出願人による国際公開第2014/175753号、同第2015/020535号、同第2015/193821号および同第2016/075658号も参照により本明細書に援用される。別法として、インタフェースは、鼻および口の両方を覆うフルフェイスインタフェース、口を覆い、鼻孔内に入る鼻ノズルもしくはピローもしくは同様のもの等を含むハイブリッドフルフェイスインタフェース、患者の鼻を覆うかまたは装着者の鼻孔内に入りかつ鼻孔に対してまたは鼻孔内を封止する鼻ノズルもしくはピローもしくは同様のもの、または封止せずに鼻孔に入るカニューレを含む間接的または直接鼻インタフェース、または口(のみ)インタフェースであり得る。
【0119】
具体的には、
図9~
図12の実施形態では、シールは、使用者の口を包囲し、装着者の口へのガス流のための口アパーチャ500を有し、鼻の真下に1つまたは複数の鼻出口501を有する。シールは、好ましくは、シールの上鼻部において、鼻の側面に対して封止しかつ/または少なくとも鼻尖部を露出することができる左パドルまたはウィング512および右パドルまたはウィング514部分も含む。鼻の真下の1つまたは複数の鼻出口501は、上面516が鼻の下にあるように少なくとも使用者の鼻尖部に適応する、パドル512および514間に画定された谷部の底部にある。シールのバンド505は、口開口部500と鼻開口部501との間に配置されるが、口開口部および鼻開口部が結合された口鼻開口部になるように省略することができる。好ましくは、パドル512および514は、中空であり、シールの装着者側内部と流体連通し、それにより、シール内の圧力はパドル512および514を膨張させる傾向がある。
【0120】
上述したように、いくつかの実施形態では、マスク本体にシールまたはクッションをオーバーモールドすることができ、またはマスク本体にクッションを分離可能にクリップ留めするように、比較的剛性のあるシールクリップにシールを取り付けることができる。
図13~
図14B、特に
図9~
図11Eの実施形態の、マスク本体520に取り付けられたシールモジュール519を通る断面である
図13を参照すると、上述したようなシリコーン材等の比較的軟質の高コンプライアンス材料のシール550は、たとえばオーバーモールドにより、たとえばポリカーボネートのより剛性のあるシールフレーム部551に取り付けられる。2つの部品、シール550およびシールフレーム551は、たとえば、上述した
図5A~
図5Hの実施形態のクッションモジュール138のように、シールまたはクッションモジュール519を形成する。図示するように、より剛性のあるシールフレーム部品551は、中空内部552を画定するように前後方向に深さを有し、クッションモジュール内にガスが入るためのアパーチャ555を含む。クッションモジュールは、ブロワからガス(たとえば、空気)流を受け取るための内部空間または容積を提供する。いくつかの実施形態では、クッションモジュールは、アパーチャ555によってインタフェース本体520に取り付けられる。図示する実施形態では、マスク本体520は、クッションモジュールの内部空間への入口553を含み、入口はブロワを受け入れる。図示する実施形態では、入口は、ブロワが少なくとも部分的にクッションモジュール内に受け入れられるようにブロワを受け入れる。入口553は、少なくとも患者インタフェースの正面から見たときにブロワのインペラおよびインペラ空間が入口内に位置するように、ブロワを包囲する。図示する実施形態では、ブロワのインペラおよびモータが入口内に、たとえば入口内に半径方向に配置されるように、ブロワは、入口内に実質的に完全に位置する。こうした配置により、小型設計が可能になる。図示する実施形態では、入口は、ブロワハウジング554を受け入れるリング553を含む。リングは、たとえば円筒状または管状の壁を含む管状リングであり得る。クッションモジュールは、入口の上に嵌まるかまたは入口を受け入れるアパーチャ、たとえばリング553によって患者インタフェースのマスク本体またはフレーム520に取り付けることができ、それにより、ガス流は、ブロワ350から後方にシールモジュール519の内部に出る。別法として、マスク本体リング553は、ブロワハウジングの環状フランジまたは後方に面するタブ内に嵌まることができ、またはブロワハウジングの凹部内に挿入されるマスクフレームの係止タブ等、任意の他の形態の締まり嵌め/摩擦またはクリップ留め構造をリングおよび/またはブロワハウジングに隣接してもしくはその周囲に、またはシールモジュールのシールフレーム部品および/またはマスク本体もしくはフレームの他の部品に設けることができる。好ましくは、ブロワは、ブロワハウジングのインペラの半径方向外側の部分、ならびに/またはブロワハウジングのインペラおよびインペラ空間を包囲する部分により、マスク本体またはクッションモジュールフレームに取り付けられる。この構成により、インペラは、患者インタフェースの外側から患者インタフェースの内部空間までの直接(たとえば、直線状)流路と一直線になるようにインペラが位置決めされる。
図13に示すもの等のいくつかの実施形態では、ブロワは、実質的にマスク本体内に位置し、好ましくは、実質的にマスク本体520および/またはフレーム551内に位置する。図示する実施形態では、マスク本体520およびフレーム551は、ブロワが、実質的にブロワと患者インタフェースの内部空間との間にマスク本体またはフレームの壁なしに患者インタフェース内に位置するように配置される。こうした配置により、ブロワの出口から患者インタフェースの内部空間までダクト構造または配管なしに患者インタフェースにブロワを設けることができる。ブロワには、内部空間内に直接通じるブロワの出口が設けられる。いくつかの実施形態では、ブロワは、ブロワハウジングの外周部または周方向部分によってマスク本体520またはフレーム551に取り付けられる。いくつかの実施形態では、ブロワは、マスク本体またはフレームの高圧側をマスク本体またはフレームの低圧側から実質的に分離するようにマスク本体またはフレームに取り付けられる。上述したように、高圧側は、マスク本体またはフレームの、ブロワがガス流を送出する側であり、低圧側は、マスク本体またはフレームの、ブロワがガス流を引き出す側であり、ブロワの入口、たとえばマスク本体またはフレームの外側に一致する。いくつかの実施形態では、マスク本体またはフレームの高圧側は、マスク本体の内部空間に面するかまたはその境界を定める側である。いくつかの実施形態では、図示するように、マスク本体520およびクッションフレーム551は、通気路を有さず、それにより、使用者は、ブロワを通してブロワ出口からブロワ入口まで吐き出さなければならない。いくつかの実施形態では、ブロワは、実質的にブロワと患者インタフェースの内部空間との間にマスク本体またはフレームの壁なしに患者インタフェース内に位置し、患者インタフェースは、ブロワまたはブロワ出口と内部空間および/またはクッションとの間にフィルタもしくはディフューザ材またはHME材料を含むことができる。フィルタもしくはディフューザまたはHME材料は、ブロワが患者インタフェースの内部で見えないようにブロワを実質的に完全に覆うことができる。
【0121】
図13に示す実施形態は、上述したブロワ150、250のいずれかを含むことができる。リング553は、ガスがブロワからクッションモジュール519の内部空間に入るための、ブロワ250の半径方向出口253と一致する切取部またはアパーチャを含むことができる。
【0122】
上述したような図示する実施形態では、マスク本体はリング553を含むが、代替実施形態では、クッションフレーム551は、患者インタフェースの内部空間への入口を形成するリング553を含むことができる。こうした実施形態では、マスク本体は、クッションフレームの外側に取り付けることができる。マスク本体は、ブロワが空気をブロワの入口に引き込むアパーチャまたは開放前部を含むことができ、マスク本体は、クッションフレーム551のリング553の前方端部の上にクリップで留まるかまたは取り付けられ得る。
【0123】
図示する実施形態では、マスクフレームまたは本体520は、クッションモジュールの正面の周囲に巻き付くように前後方向に深さを有する。具体的には、マスクフレーム520は、中心部分521と、インタフェースが装着されたときに後方にかつ/または使用者の口または頬の左側および右側の上に延在し、さらに記載するようにヘッドギアに結合されるかまたはヘッドギアと一体的である左側部分522および右側部分523とを含む。マスクフレーム520は、シールモジュールの正面を部分的に覆うかまたは覆い隠すような高さも有する。
【0124】
インタフェースにカバー、たとえばカバー526を設けることができる。図示する実施形態では、カバー526はブロワに取り付けられ、ブロワハウジングの一部を形成することができる。別法として、カバーは、マスク本体520またはクッションフレーム551に取り付けることができる。カバーは、入口(
図2Aにおける入口125と同様)を提供するアパーチャ(図示せず)を含むことができる。図示するようにインタフェースの正面上にまたは正面において、大きい容易に操作されるボタンまたはタッチパッド525等のブロワ用のオンオフスイッチがインタフェースに設けられ得る。ボタンは、カバーの後方でブロワのボタンにアクセスすることを可能にするカバー526の押下可能部であり得る。ボタンまたはタッチパッドならびにブロワモータの関連する制御回路は、ボタンまたはパッドを押すかまたはそれに触れることにより、各操作によりブロワを順にオン、オフ、オン等にするように配置することができる。別法としてまたはさらに、連続したボタンまたはパッド操作により、使用者調整可能である場合に使用者に適合するようにブロワ速度を増減させることができる。
【0125】
電源
図9の実施形態では、マスク内のブロワには、ケーブル901を介してマスクに接続されるバッテリパックから電力が供給される。バッテリパック900は、バッテリパックを充電器に差し込むことによって充電可能であり得るか、または充電器を組み込み、充電器を主電源に差し込むことによってバッテリパックが充電されるようにすることができる。バッテリパックは、ケーブル903を介して主電源に接続された充電ベース902またはクレードルに結合することによって充電電源に接続することができる。バッテリパック900を充電ベース902の上または中に配置することにより、バッテリパック900の接点を充電ベース902の接点に機械的に接続することができ、またはバッテリパック900および充電ベース902内の回路を誘導的に接続して、たとえば電磁誘導電力伝送によって充電ベース902からバッテリパック900を充電することができる。ケーブル901の長さは、たとえば、バッテリパックを使用者の衣類または寝間着のポケット内にまたは枕の下に配置することができるのに十分である、たとえば0.5メートル~1メートルの長さであり得るか、またはたとえば、バッテリパックを患者のベッドに隣接するナイトテーブルまたはベッドサイドテーブルの上に配置することができるのに十分である、たとえば1メートル~2メートルであり得る。ケーブルは、ケーブルをその長さに沿った途中の使用者の衣類もしくは寝間着または枕もしくは寝具類に取り付けるためのクリップを含むことができる。
【0126】
図10の実施形態では、マスク内のブロワは、ケーブル903aを介して主電源から直接電力が供給される。他の点では、
図10の実施形態は、上述したような
図9の実施形態と同様であり、同じ参照数字は同じ構成要素を指す。
【0127】
図11A~
図11Eの実施形態では、マスク内のブロワは、ヘッドギアのトップストラップまたは頭頂部ストラップ920に組み込まれた1つまたは複数のバッテリから電力が供給される。別法として、バックストラップもしくはサイドストラップまたはインタフェースの本体等のヘッドギアの別の部分に1つまたは複数のバッテリを組み込むことができる。1つまたは複数のバッテリは、たとえば交換のための取外し可能バッテリパックを含むことができる。バッテリは、ヘッドギアストラップ内の空洞内に収容されるか、またはヘッドギアストラップの構造部分を形成することができる。図示する実施形態では、トップヘッドギアストラップは、ヘッドギアストラップ内にかつヘッドギアストラップの長さに沿ってバッテリ空洞を画定するように、使用者の頭部と接触する実質的に平坦な装着者側と、断面形状がおよそ半円形等の弓形である外側側壁とを有する。ストラップの装着者側に装着者の快適さのために軟質または高コンプライアンス面を設けることができる。たとえば、トップヘッドギアストラップおよびバックヘッドギアストラップまたは左サイドヘッドギアストラップおよび右サイドヘッドギアストラップ等、2つ以上のヘッドギアストラップにバッテリを組み込むことができる。バッテリは、インタフェースのヘッドギアの好ましくは内部に組み込まれたワイヤを介してブロワに接続される。インタフェースに充電ポートを設けることができ、またはインタフェースを充電するために充電器からのケーブルがインタフェースに接続されることを可能にするヘッドギアが充電器を組み込むことができ、それにより、充電器を主電源に差し込むことによってバッテリパックが充電される。インタフェースに、目的に合うように設計された充電クレードルを提供することができ、それは、患者のベッドに隣接したナイトベッドまたはベッドサイドテーブルに配置することができ、使用しないときにインタフェースを支持し、主電源に接続され、日中、インタフェースは充電するためにその上に位置する。バッテリパック900を充電ベース902の上または中に配置することにより、バッテリパック900の接点を充電ベース902の接点に機械的に接続することができ、またはバッテリパック900および充電ベース902内の回路を誘導的に接続して、電磁誘導電力伝送により充電ベース902からバッテリパック900を充電することができる。
【0128】
図12の実施形態は、
図9および
図10の実施形態と同様であり、同じ参照数字は同じ構成要素を示すが、ブロワがバッテリパック900に組み込まれ、ブロワの出口が、スイベルエルボであり得る、コネクタ941を介してインタフェース本体またはフレーム920に接続する導管940を介してインタフェースに接続される点が異なる。
【0129】
インタフェースは、装着されているときに使用者の頭部の適所にインタフェースを保持するヘッドギアまたはヘッドギアアセンブリを含む。
図9~
図12に示すもの等の少なくともいくつかの実施形態では、ヘッドギアアセンブリは、装着者の頭部の後部の周囲に延在するリアストラップ921および装着者の頭部の頂部の上に延在するトップストラップ920と、左サイドストラップおよび右サイドストラップとを含み、左サイドストラップおよび右サイドストラップは、ヘッドギアの両側のトップストラップおよびサイドストラップの接合部から左側および右側において前方に延在してマスクフレーム520に接続する。リアストラップ921は、装着者の頭部の後下部の周囲に延在し、特に後頭骨の下方部の上に延在することができる。トップストラップ920は、頭頂部ストラップまたは前頭部ストラップであり得る。ヘッドギアは、後頭部ループを画定することができ、ヘッドギアは、さまざまな他の形態であり得る。たとえば、ヘッドギアは、耳の上方に延在する上部サイドストラップと耳の下方に延在する下部サイドストラップとを含むことができる。ヘッドギアの後部は、バックストラップ、トップストラップおよび直立ストラップの対を含む略環状構成要素を含むことができる。
【0130】
本明細書に記載するインタフェースのヘッドギアは、本出願人の国際公開第2016/043603号に記載されている可能性があり、その内容全体が参照により本明細書に援用される。ヘッドギアまたは少なくともヘッドギア部品は、成形型内に配置されたテキスタイル構成要素の上に溶融プラスチックを塗布するか、または中空テキスタイル構成要素内に溶融プラスチックを注入し、溶融プラスチックおよびテキスタイル構成要素を結合することによって形成することができる。中空テキスタイル構成要素は、ヘッドギアまたはヘッドギア部品の複雑な最終形状に編むかまたは織ることができる。こうした方法を利用して、より軟質な材料をヘッドギアまたはヘッドギア部分の少なくとも1つの表面に、そのより軟質な材料を取り付ける成形後ステップを必要とすることなく、かつそのより軟質な材料を成形された材料に取り付ける接着剤、スリーブまたは他の方法を必要とすることなく配置されるようにしながら、ヘッドギアのストラップの長さ方向等の少なくとも一方向において実質的に非弾性であり得る、ヘッドギアアセンブリまたはその一部を生成することができる。
【0131】
図9~
図12のヘッドギア実施形態では、軟質部分930は、各側において装着者の耳の上方でヘッドギアストラップ間の接合部を越えて、各側において装着者の耳の頂部を覆い、装着者に対する快適さを最大限にするように、非常に優れた軽量の伸縮性ファブリック製であり得る。
【0132】
少なくともいくつかの実施形態では、1つまたは複数のヘッドギアストラップの長さは調整可能である。たとえば、トップストラップを2つの部分で形成することができ、そのうちの一方はループで終端し、そのうちの他方はトングで終端し、トングは、ループを通過し、ストラップ部の上に折り返して固定されて、トングの端部の上のフックもしくはループファスナパネルまたはそのトングの端部からのタブ、およびストラップの上のループもしくはフックパネルにより、またはストラップの布カバーに対してトップストラップの長さを固定することができる(ループおよびトング調整)。リアストラップは、左側および右側の長さ調整のためのまたは別法として一方の側もしくは中心で調整するためのバックルおよびトングを有することができる。
【0133】
他の実施形態では、ヘッドギアは、たとえば超音波/RF溶着を使用して互いに取り付けられた部品から形成することができ、または(別個の取り付けられた部品から形成されない)単一の一体品であり得る。ヘッドギアストラップの1つまたは複数の長さは調整可能であり得る。ヘッドギアは、一般に、少なくとも部分的に、たとえばBREATHE-O-PRENE材料等の布で覆われた発泡材料等の軟質可撓性材料から形成されるが、全体としてまたは部分的に、たとえばより軟質な材料で覆われていてもよい半剛性プラスチック材料等の任意の他の好適な材料から形成することができる。ヘッドギアは、たとえば、内容全体が参照により本明細書に援用される本出願人の国際公開第2015/151019号に開示されているように、たとえば超音波溶着を使用して互いに取り付けられた部分から形成することができ、または(別個の取り付けられた部品から形成されない)単一の一体品であり得る。ヘッドギアは、たとえば、ヘッドギアの縁部に熱および圧力を加えることにより、任意の好適な方法で形成された1つまたは複数の曲線状の縁を含むことができる。ヘッドギアアセンブリは、クリップを使用することなくマスクアセンブリに直接結合するように構成することができる。いくつかの構成では、上部サイドストラップの対および下部サイドストラップの対は、マスクアセンブリのヘッドギア取付具を通って輪になる締結具を有する端部を含むことができ、締結具は、上部サイドストラップの対および下部サイドストラップの対の側部の相補的な締結具と結合するように構成することができる。ヘッドギアに関するさらなる開示は、本明細書の最後にある。
【0134】
図2および
図5の実施形態等のいくつかの実施形態では、患者インタフェースは、前頭部支持体122を含む。いくつかの実施形態では、
図2Cに示すように、前頭部支持体は、ブロワがマスク本体内に位置するマスク本体の軸方向位置から延在する。前頭部支持体は、ブロワの上方でマスク本体から延在する。いくつかの実施形態では、ブロワの質量中心は、前頭部支持体がマスク本体から延在する場所からマスク本体の軸方向位置においてまたはその後方に配置される。
図7~
図12の実施形態等の他の実施形態では、インタフェースは前頭部支持体を含んでいない。
【0135】
いくつかの実施形態では、患者インタフェースは、フィルタ材または他の空気処理媒体を含むことができる。いくつかの実施形態では、処理媒体は、マスク本体の入口側に設けられる。たとえば、いくつかの実施形態では、患者インタフェースの入口125に、またはブロワ入口153に、またはインタフェース入口125とブロワ入口153との間に処理媒体を設けることができる。いくつかの実施形態では、マスク本体の出口側、たとえばブロワ出口151に処理媒体を設けることができる。
図8Aおよび
図8Bに示すように、患者インタフェース400は、入口125に処理媒体115を含む。いくつかの実施形態では、処理媒体は、フィルタ材、またはブロワによって提供される空気を加湿するように使用者の呼吸から水分を抽出する熱湿度交換媒体である。好適なHME材料は、国際公開第2015/052681号として公開されたPCT出願PCT/IB2014/065194号明細書に記載されている。
【0136】
本明細書に記載する実施形態では、ブロワは、
図1に示すもの等の従来のシステムにおけるように、患者インタフェースから遠隔ではない。記載した実施形態では、患者インタフェースはブロワを含み、それにより患者インタフェースからいかなるホースまたは呼吸導管も延在する必要はない。
【0137】
好ましくは、ブロワは軽量である。いくつかの実施形態では、ブロワは、約25グラム~100グラム、または約25グラム~35グラム、または約35グラム~60グラム、または約60グラム~100グラムの総重量を有する。いくつかの実施形態では、ブロワは、約40cc~80cc、または約40cc、または約55ccまたは約70ccの総体積を有する。ブロワは、およそ円形であり、外径が約50mm~70mmまたは約50mm~60mmであり得る。いくつかの実施形態では、ブロワは、約15mm~30mm、または約20mm~25mm、または約18mm、または約22mmの軸方向長さを有することができる。好ましくは、ブロワは静音である。いくつかの実施形態では、ブロワは、動作中、約50dBa未満、または約40dBa未満、または約30dBa未満、または約30dBa~40dBaの騒音レベルを発する。いくつかの実施形態では、ブロワは、マスククッションにおいて、約0cmH2O~約30cmH2O、または約0cmH2O~4cmH2O、または約4cmH2O~10cmH2O、または約4cmH2O~20cmH2O、または約4cmH2O~30cmH2Oの圧力レベルを発生する。
【0138】
上述した記載において、完全体またはその既知の均等物を有する構成要素について言及している場合、それらの完全体は、個々に示されているかのように本明細書に援用される。
【0139】
本発明はまた、個々にまたはまとめて、本出願の明細書において言及しまたは示す部品、要素および特徴を、前記部品、要素または特徴の2つ以上の任意のまたはすべての組合せで含むと広義に言うことも可能である。
【0140】
本開示のいくつかの構成のいくつかの特徴、態様および利点について、CPAP療法を参照して説明した。しかしながら、記載したような構成のいくつかの特徴、態様および利点は、他の呼吸治療設定においてまたは他の目的で有利に使用することができる。たとえば、ブロワを含む患者インタフェースは、危険な環境においてフィルタ材とともに有用である場合があり、それは、ブロワが、使用者がフィルタ材を通して空気を引き込むのに役立ち得るためである。
【0141】
本発明の上述した説明は、その好ましい形態を含む。本発明の範囲から逸脱することなく、それに対する変更形態がなされ得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インペラと、前記インペラの回転を駆動するモータと、前記インペラを収容するインペラ空間を提供するブロワハウジングと、ブロワ入口と、ブロワ出口とを含むブロワと、
使用者の顔面と接触するクッションと、
使用者の顔面上で前記クッションを支持するマスク本体および/またはフレームであって、前記クッションおよび/または前記マスク本体もしくはフレームは、前記ブロワからガス流を受け取る内部空間を画定する、マスク本体および/またはフレームと
を含み、
前記ブロワは、前記ブロワが少なくとも部分的に前記マスク本体またはフレーム内にあるように前記マスク本体またはフレームに取り付けられ、
前記ブロワは、前記マスク本体またはフレームの低圧側から前記マスク本体またはフレームの高圧側を実質的に分離し、かつ/または前記マスク本体またはフレームは、前記ブロワと前記内部空間との間に実質的に壁を有さない、患者インタフェース。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者にガス流を提供する呼吸装置であって、
バッテリパックを備え、
ブロワを備え、該ブロワは、
インペラと、
前記インペラの回転を駆動するモータであって、ステータと前記インペラに結合されたロータとを有するモータと、
前記インペラを収容するインペラ空間を提供するブロワハウジングと、
ブロワ入口と、
ブロワ出口と、を備え、
前記ブロワは、前記バッテリパック内に又は少なくとも部分的に前記バッテリパック内に、取り付けられ、
前記ブロワはさらに、前記インペラと前記ステータとの間および/または前記ステータと前記ブロワハウジングとの間の少なくとも1つの第1の防振部材を備え、
前記装置は、さらに、前記ブロワ又はブロワハウジングと前記バッテリパックとの間に第2の防振部材を備え、前記第2の防振部材は前記ブロワ又はブロワハウジングと前記バッテリパックとの間に空気シールを形成する、呼吸装置。
【請求項2】
前記ブロワはさらに、前記インペラを前記ロータに結合するインペラシャフトを備え、前記少なくとも1つの第1の防振部材は、前記インペラの回転によってもたらされる前記インペラ及び前記インペラシャフトの振動を前記ステータから絶縁するように構成される又は設けられる、請求項1に記載の呼吸装置。
【請求項3】
前記ブロワはさらに、前記ロータを軸を中心に回転するように回転支持するように構成される又は設けられる、軸受要素を備え、前記軸受要素は前記少なくとも1つの第1の防振部材を介して前記ステータによって支持される、請求項1または2に記載の呼吸装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1の防振部材は、前記インペラの回転によってもたらされる前記ステータの振動を前記ブロワハウジングから絶縁するように構成される又は設けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載の呼吸装置。
【請求項5】
前記ステータは、前記少なくとも1つの第1の防振部材を介して、前記ブロワハウジングによって支持される、請求項1~4のいずれか一項に記載の呼吸装置。
【請求項6】
前記空気シールは、前記ブロワハウジングに設けられた弾性かつ/または高コンプライアンスの封止材料を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の呼吸装置。
【請求項7】
前記ブロワは、動作中、約50dBa未満、または約40dBa未満、または約30dBa未満、または約30dBa~40dBaの騒音レベルを発する、請求項1~6のいずれか一項に記載の呼吸装置。
【請求項8】
前記ブロワ出口は、導管を介して患者インタフェースに接続される、請求項1~7のいずれか一項に記載の呼吸装置。
【請求項9】
前記導管は、コネクタを介して、前記患者インタフェースに接続される、請求項8に記載の呼吸装置。
【請求項10】
前記コネクタは、スイベルエルボである、請求項9に記載の呼吸装置。
【請求項11】
前記バッテリパックは、前記バッテリパックを充電器に差し込むことによって充電可能であり、または、前記バッテリパックに充電器を組み込み、該充電器を主電源に差し込むことによって前記バッテリパックが充電される、請求項1~10のいずれか一項に記載の呼吸装置。
【請求項12】
前記バッテリパックは、ケーブルを介して前記主電源に接続される、請求項11に記載の呼吸装置。
【請求項13】
前記バッテリパックを、前記主電源に接続された充電ベース又はクレードルに結合することによって、前記バッテリパックは、主電源に接続される、請求項11に記載の呼吸装置。
【請求項14】
前記充電ベース又はクレードルは、ケーブルを介して前記主電源に接続される、請求項13に記載の呼吸装置。
【請求項15】
前記充電ベース又はクレードルは、前記バッテリパックの接点を前記充電ベース又はクレードルの接点に機械的に接続する、請求項13または14に記載の呼吸装置。
【請求項16】
前記充電ベース又はクレードルは、前記バッテリパック内の回路と前記充電ベース又はクレードル内の回路を、誘導的に接続して、電磁誘導電力伝送によって前記充電ベースから前記バッテリパックを充電する、請求項13または14に記載の呼吸装置。
【外国語明細書】