IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パイオニア株式会社の特許一覧

特開2024-144438制御装置、制御方法及び制御用プログラム
<>
  • 特開-制御装置、制御方法及び制御用プログラム 図1
  • 特開-制御装置、制御方法及び制御用プログラム 図2
  • 特開-制御装置、制御方法及び制御用プログラム 図3
  • 特開-制御装置、制御方法及び制御用プログラム 図4
  • 特開-制御装置、制御方法及び制御用プログラム 図5
  • 特開-制御装置、制御方法及び制御用プログラム 図6
  • 特開-制御装置、制御方法及び制御用プログラム 図7
  • 特開-制御装置、制御方法及び制御用プログラム 図8
  • 特開-制御装置、制御方法及び制御用プログラム 図9
  • 特開-制御装置、制御方法及び制御用プログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144438
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法及び制御用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20241003BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241003BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G06F1/16 312F
G06F1/16 312Z
G09F9/00 366Z
G02F1/1333
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024113193
(22)【出願日】2024-07-16
(62)【分割の表示】P 2022195038の分割
【原出願日】2016-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】和田 幸人
(72)【発明者】
【氏名】友野 瑞基
(72)【発明者】
【氏名】中根 昌夫
(57)【要約】
【課題】大型のディスプレイをコンソール部の前方で用いる場合に、簡易且つスムーズにそのディスプレイ自体を移動等させることが可能な制御装置を提供する。
【解決手段】筐体により支持される表示部Dへの接触による押圧力を検出するタッチセンサ群TSと、筐体に対する第1方向又は第2方向のいずれかへの表示部Dの回転又は移動を、タッチセンサ群TSにより検出された押圧力に基づいて制御する制御部3と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部により支持される表示部への接触による押圧力を検出する検出部と、
前記支持部に対する第1方向又は当該第1方向とは異なる第2方向のいずれかへの前記表示部の回転又は移動を、前記検出された押圧力に基づいて制御する制御部と、
を備えることを特徴とする制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、制御装置、制御方法及び制御用プログラムの技術分野に属する。より詳細には、液晶ディスプレイ等の表示部の回転又は移動を制御する制御装置及び制御方法並びに当該制御装置用のプログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ等の表示部を備えた車載装置が広く一般化している。この車載装置では、例えば上記表示部における地図表示を伴ったナビゲーション処理や、使用者(例えば当該車両の同乗者)の指定によるコンテンツの当該表示部を用いた再生処理等が実行される。このとき、上述したような用途を鑑みると、上記表示部は大型である方が好ましい。
【0003】
一方上記の点に対して、当該車両の車室はその大きさ(広さ)が限られており、また運転時における運転者の視界の確保等の必要性もあるため、表示部を大型化するには様々な工夫が必要となる。そして、このような工夫を考慮した従来技術の一例として、例えば下記特許文献1に記載された技術がある。
【0004】
この特許文献1には、長方形で大型のディスプレイを、その使用時において車両の車室内に突出させると共に、当該ディスプレイにおける表示内容に応じて、ディスプレイの横長使用と縦長使用(ディスプレイ自体の回転)を制御する構成が開示されている。このときの表示内容とは、例えば地図又は操作用のアイコン等が挙げられている。そして、当該回転の制御に関し、横長使用時のディスプレイの上辺位置と縦長使用時の当該上辺位置とを略一致させることで、回転させても運転者の視界を妨げないようにする構成も開示されている。また更に、いわゆる近接センサで運転者又は同乗者の手の接近を検出したときに上記回転制御を行うと共に、当該回転とディスプレイ自体のスライド移動とを連携させる構成も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-121768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記特許文献1に開示されているような大型のディスプレイを用いることは、その表示内容の視認の容易性や、一度に表示できる情報量の多さの点では有利である。しかしながら一方で、例えば操作ボタン等が元々配置されているコンソール部の前方(車内側)でそのディスプレイを用いる場合には、その大きさゆえに、その操作ボタン等がディスプレイの背後に隠れてしまって操作できない場合があるという問題点があった。この場合には、当該ディスプレイを例えば移動させてその操作ボタン等を操作可能とする必要がある。
【0007】
そこで、本願は上記の問題点及び要請に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、大型のディスプレイをコンソール部の前方で用いる場合に、簡易且つスムーズにそのディスプレイ自体を移動等させることが可能な制御装置及び制御方法並びに当該制御装置用のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、支持部により支持される表示部への接触による押圧力を検出する検出部と、前記支持部に対する第1方向又は当該第1方向とは異なる第2方向のいずれかへの前記表示部の回転又は移動を、前記検出された押圧力に基づいて制御する制御部と、を備える。
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項11に記載の発明は、支持部により支持される表示部への接触による押圧力を検出する検出部と、制御部と、を備える制御装置において実行される制御方法であって、前記支持部に対する第1方向又は当該第1方向とは異なる第2方向のいずれかへの前記表示部の回転又は移動を、前記検出された押圧力に基づいて前記制御部により制御する制御工程を含む。
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項12に記載の発明は、支持部により支持される表示部への接触による押圧力を検出する検出部を備える制御装置に含まれるコンピュータを、前記支持部に対する第1方向又は当該第1方向とは異なる第2方向のいずれかへの前記表示部の回転又は移動を、前記検出された押圧力に基づいて制御する制御部として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る制御装置の概要構成を示すブロック図である。
図2】実施例に係るナビゲーション装置の概要構成を示すブロック図等であり、(a)は当該ブロック図であり、(b)は実施例に係る表示部の細部構成を示すブロック図である。
図3】実施例に係るナビゲーション装置の一部の構成を左上前方から見た場合の透視斜視図である。
図4】実施例に係る表示部の外観を示す六面図であり、(a)は正面図であり、(b)は背面図であり、(c)は上面図であり、(d)は下面図であり、(e)は左側面図であり、(f)は右側面図である。
図5】実施例に係る表示部の背面を左上後方から見た場合の透視斜視図である。
図6】実施例に係るナビゲーション装置の設置例を示す正面模式図である。
図7】実施例に係る表示部の回転/移動制御等を示すフローチャートである。
図8】実施例に係る表示部の回転又は移動の態様を例示する図(I)であり、(a)は当該回転又は移動の態様の第1例を示す図であり、(b)は当該回転又は移動の態様の第2例を示す図であり、(c)は当該回転又は移動の態様の第3例を示す図であり、(d)は当該回転又は移動の態様の第4例を示す図である。
図9】実施例に係る表示部の回転又は移動の態様を例示する図(II)であり、(a)は当該回転又は移動の態様の第5例を示す図であり、(b)は当該回転又は移動の態様の第6例を示す図であり、(c)は当該回転又は移動の態様の第7例を示す図であり、(d)は当該回転又は移動の態様の第8例を示す図であり、(e)は当該回転又は移動の態様の第9例を示す図である。
図10】実施例に係る表示部の固定時の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本願を実施するための形態について、図1を用いて説明する。なお図1は、実施形態に係る制御装置の概要構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、実施形態に係る制御装置Sは、検出部1と、制御部3と、を備えて構成されている。
【0014】
この構成において検出部1は、支持部により支持される表示部Dへの接触による押圧力を検出する。
【0015】
これにより制御部3は、支持部に対する第1方向又は当該第1方向とは異なる第2方向のいずれかへの表示部Dの回転又は移動を、検出部1により検出された押圧力に基づいて制御する。
【0016】
以上説明したように、実施形態に係る制御装置Sによれば、表示部Dへの接触による押圧力に基づいて、支持部に対する第1方向又は第2方向のいずれかへの表示部Dの回転又は移動を制御するので、簡易な操作で自在に表示部Dを移動させることができる。
【実施例0017】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、図2乃至図10を用いて説明する。なお以下に説明する実施例は、車載用のナビゲーション装置に備えられ且つ液晶ディスプレイ等により構成される表示部の位置等の駆動制御に対して実施形態を適用した場合の実施例である。このとき上記表示部を備える装置であれば、上記ナビゲーション装置に限らず、例えば車載用のAV(Audio Visual)装置等に対して実施形態を適用することもできる。
【0018】
また、図2は実施例に係るナビゲーション装置の概要構成を示すブロック図等であり、図3は当該ナビゲーション装置の一部の構成を左上前方から見た場合の透視斜視図であり、図4は実施例に係る表示部の外観を示す六面図である。更に、図5は当該実施例に係る表示部の背面を左上後方から見た場合の透視斜視図であり、図6は実施例に係るナビゲーション装置の設置例を示す正面模式図であり、図7は実施例に係る表示部の回転/移動制御等を示すフローチャートである。更にまた、図8及び図9は実施例に係る表示部の回転又は移動の態様をそれぞれ例示する図であり、図10は実施例に係る表示部の固定時の処理を示すフローチャートである。このとき図2では、図1に示した実施形態に係る制御装置Sにおける各構成部材に対応する実施例の構成部材それぞれについて、当該制御装置Sにおける各構成部材と同一の部材番号を用いている。
【0019】
図2(a)に示すように、実施例に係るナビゲーション装置NVは、CPU、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等からなる制御部3と、インターフェース10と、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等からなる記録部11と、使用者により操作される操作ボタン又はリモコン等からなる操作部12と、GPS(Global Positioning System)又は自立型の位置センサ等からなるセンサ部13と、表示部Dと、表示部Dの空間的(三次元的)な移動及びその回転を駆動制御する駆動ユニット15と、それに挿入された図示しない光ディスクに対する情報の読み書きを行う光ディスクドライブDKと、を備えて構成される。このとき上記使用者とは、例えばナビゲーション装置NVが備えられた車両の運転者又は同乗者である。また表示部Dは、表示面F及びその前面に備えられたタッチパネル14と、後述するタッチセンサ群TSと、を備えて構成される。このとき表示部Dの表示面Fは、例えば当該表示部Dを構成する液晶ディスプレイの表示面である。一方駆動ユニット15は、駆動部15aと、回転モータ15bと、上下スライドモータ15cと、左右スライドモータ15dと、前後スライドモータ15eと、により構成されている。このとき、タッチセンサ群TSに含まれる後述の各タッチセンサ及びタッチパネル14が、実施形態に係る検出部1の一例に相当する。
【0020】
以上の構成においてインターフェース10は、例えば渋滞情報や天気情報等を例えばインターネット等の外部のネットワークを介して取得し、それらを制御部3に出力する。記録部11は、ナビゲーション装置NVとしての案内処理に用いられる例えば地図データ等を不揮発性に記録し、必要に応じて制御部3に出力する。センサ部13は、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両の現在位置を上記位置センサにより検出した結果を制御部3に出力すると共に、当該車両の速度、走行距離又は進行方向等を検出した結果を制御部3に出力する。操作部12は、当該操作部12においてナビゲーション装置NVに対する指示操作等が上記使用者により実行された場合、当該指示操作に対応する操作信号を生成して制御部3に出力する。そして制御部3は、上記インターフェース10からの渋滞情報等、上記センサ部13における各検出結果及び上記記録部11に記録されている地図データ等を用い、上記操作部12からの操作信号に基づいて、ナビゲーション装置NVとして必要な案内処理と共に、実施例に係る表示部Dの回転及び移動の制御を行う。このとき、光ディスクドライブDKに装填された上記図示しない光ディスクに記録されていた地図データや地点データ等を併せて用いて上記案内処理を行ってもよい。更に当該案内処理に必要な地図等は、制御部3の制御の下、表示部Dの表示面Fに表示される。
【0021】
以上の構成に加えて記録部11には、使用者による実施例に係る後述の「摘まみ操作」及び「把持操作」が行われたか否かをそれぞれ判定するための、予め設定された摘まみ接触パターン及び把持接触パターンをそれぞれ示す摘まみ接触パターンデータ及び把持接触パターンデータが予め記録されている。更に記録部11には、表示部Dのいずれか一ヶ所のみに対する使用者による接触が検出された場合の押圧力に対応する後述の第1閾値及び第2閾値をそれぞれ示す第1閾値データ及び第2閾値データが記録されている。なお以下の説明において「接触」とは、上記使用者の指又は手の平等によるタッチセンサ等への接触をいう。
【0022】
このとき当該摘まみ接触パターンとは、使用者の指等による表示部Dへの接触パターンのうち、表示部Dの前面の一ヶ所と背面の一ヶ所への上記接触であって、使用者が表示部Dを摘まむための実施例に係る摘まみ操作に相当する接触として予め設定された接触のパターンである。当該摘まみ接触パターンとは、例えば、表示部Dの前面の一ヶ所において使用者の指(例えば親指)による上記接触が検出され、且つ、当該接触が検出された前面の位置の裏側近辺に当たる表示部Dの背面において使用者の二本の指(例えば、人差し指と中指)による上記接触が検出される接触パターンである。
【0023】
これに対して上記把持接触パターンとは、使用者の指等による表示部Dへの接触パターンのうち、表示部Dの前面の左右二ヶ所と背面の左右二ヶ所への上記接触であって、使用者が表示部Dを掴む(即ち把持する)ための実施例に係る把持操作に相当する接触として予め設定された接触のパターンである。より具体的に当該把持接触パターンとは、例えば、表示部D前面の両側の一ヶ所ずつにおいて使用者の指(例えば両親指)による接触が検出され、且つ、当該接触がそれぞれ検出された前面の各位置の裏側近辺に当たる表示部Dの背面の両側の二ヶ所ずつにおいて使用者の二本以上の指(例えば、人差し指と中指と薬指)による接触がそれぞれ検出される接触パターンである。この場合には、表示部Dの前面では二ヶ所の接触が検出され、背面では計六ヶ所の接触が検出されることになる。
【0024】
一方上記第1閾値とは、上記摘まみ接触パターン又は上記把持接触パターンによる接触と異なり、表示部Dの前面又は側面のいずれか一ヶ所においてのみ使用者による接触が検出された場合において、その接触による押圧力の方向に相当する第1方向に表示部Dを回転又は移動させるか否かの判定に用いられる押圧力の閾値である。また上記第2閾値とは、使用者による接触が第1閾値と同様にして検出された場合において、その接触による押圧力の方向の反対の方向に相当する第2方向に表示部Dを回転又は移動させるか否かの判定に用いられる閾値である。そして実施例では、上記第1閾値は上記第2閾値より大きい値(即ち第1閾値>第2閾値)とされている。即ち実施例に係るナビゲーション装置NVでは、上記表示部Dの前面又は側面の一ヶ所においてのみ使用者による接触が検出され、且つその接触による押圧力が上記第1閾値以上であった場合、制御部3は表示部Dを上記第1方向に回転又は移動させる。一方当該押圧力が上記第2閾値以下であった場合、制御部3は上記第2方向に表示部Dを回転又は移動させる。そして、当該圧力が第2閾値より大きく第1閾値よりも小さい場合、たとえ使用者による上記接触があっても、制御部3は表示部Dの回転又は移動を行なわない。この場合、第1閾値より小さく第2閾値より大きい押圧力の範囲は、いわゆる不感帯として扱われるのであり、この不感帯の存在により、表示部Dの一ヶ所のみに対する使用者の誤った(即ち意図しない)接触により表示部Dが使用者の意図に反して回転又は移動されることを防止できる。
【0025】
なおナビゲーション装置NVは、例えば上記図示しない光ディスクや記録部11に記録されている音楽データ等を再生する機能を有していてもよい。この場合に制御部3は、例えば操作部12において指定された音楽に相当する音楽データを上記光ディスク又は記録部11から読み出して再生することにより、図示しないスピーカを駆動して当該音楽データに相当する音楽を車内に放音させる。このとき制御部3は、当該音楽に対応する画像等を上記表示面Fに表示させつつ、当該放音を行うように構成することもできる。
【0026】
一方実施例に係る表示面Fを有する表示部Dは、ナビゲーション装置NVが搭載されている車両のコンソール部から、図2において図示しない連結アームを介して薄型の当該表示部Dが車内側に突き出た形状を備えている。そして駆動ユニット15は、上記ディスプレイ等を備える表示部D全体を回転制御すると共に、上記コンソール部前方の空間における当該表示部Dの位置を制御する。より具体的に、駆動ユニット15を構成する回転モータ15bは、上記空間において、表示面Fが含まれる面内で表示部D全体を回転させる。また駆動ユニット15を構成する上下スライドモータ15cは、上記空間において、表示面Fが含まれる面内で表示部D全体を使用者から見て上下にスライドさせる(図3上下矢印参照)。更に駆動ユニット15を構成する左右スライドモータ15dは、上記空間において、表示面Fが含まれる面内で表示部D全体を使用者から見て左右にスライドさせる(図3左右矢印参照)。更に駆動ユニット15を構成する前後スライドモータ15eは、上記空間において、使用者から見て前後方向に表示部D全体をスライドさせる(図3前後矢印参照)。そして駆動部15aは、制御部3の制御の下、これら回転モータ15b、上下スライドモータ15c、左右スライドモータ15d及び前後スライドモータ15eを駆動する。
【0027】
次に、実施例に係る表示部Dの概要構成について、図2(b)を用いて説明する。
【0028】
図2(b)に示すように、実施例に係る表示部Dは、上記タッチパネル14をその前面に備えた上記表示面Fを有する上記ディスプレイと、当該表示部Dの表面への接触を検出可能に備えられた上記タッチセンサ群TSと、表示部Dの背面に備えられたカメラ16と、固定部17と、固定制御部18と、表示制御部19と、を備えて構成されている。
【0029】
この構成においてタッチセンサ群TSは、上記表示部Dの表面(より具体的には、表示部Dの前面における表示面F以外の周縁部、表示部Dの上下左右それぞれの側面部、及び表示部Dの背面)に備えられた複数のタッチセンサにより構成されている。これら各タッチセンサのそれぞれは、使用者の指又は手の平等による当該タッチセンサへの接触の有無と、当該接触があった場合のその押圧力を検出し、その検出された押圧力の値を示す圧力情報を含む接触情報をそれぞれ生成して制御部3に出力する。これらに加えて各タッチセンサは、当該検出した押圧力の変化を検出し、当該変化を示す変化情報を生成して制御部3にそれぞれ出力する。この場合の押圧力の変化には、タッチセンサにおける接触領域における押圧力を検出した位置の変化、及び、同じ接触位置における押圧力自体の大きさの変化が含まれている。このときの押圧力を検出した位置の変化は、タッチセンサへの接触を維持したまま、上記指又は手の平等が移動すること(換言すれば、タッチセンサをなぞること)により生じる。
【0030】
一方固定部17は、表示部Dを上記連結アームに物理的(機構的)に固定する固定部であり、固定制御部18の制御の下、表示部Dを上記連結アームに対して物理的(機構的)に固定すると共に、固定されている連結アームから表示部Dを取り外し可能な状態とする。連結アームから取り外された表示部Dは、上記使用者による運搬が可能な状態となる。この固定部17による表示部Dの上記連結アームへの固定、及び当該連結アームから取り外し可能な状態への移行については、後ほど詳述する。
【0031】
他方カメラ16は、表示部Dの背面に対向する範囲(換言すれば、当該背面に立てた垂線の方向の範囲)をその撮像範囲とし、当該撮像範囲を撮像して得られる画像情報を表示制御部19に出力する。このカメラ16は、例えばCCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)撮像素子等により構成されている。そして表示制御部19は、タッチセンサ群TSに含まれる各タッチセンサ又はタッチパネル14に対する後述する使用者の操作に基づいて、カメラ16から出力された画像情報に相当する画像を表示面Fに表示する。この表示制御部19による画像の表示についても、後ほど詳述する。
【0032】
次に、実施例に係る駆動ユニット15、及び当該駆動ユニット15によりその空間的な位置及びその回転が駆動制御される表示部Dについて、より具体的に図3乃至図5を用いて説明する。
【0033】
先ず図3に示すように、実施例に係る駆動ユニット15では、上記駆動部15a、上記回転モータ15b、上記上下スライドモータ15c、上記左右スライドモータ15d及び上記前後スライドモータ15e等をそれぞれ収める筐体CKに対して、連結アーム20を介して実施例に係る上記表示部Dが支持されている。このとき表示部Dの高さ及び幅の少なくともいずれか一方は、駆動ユニット15の高さ及び幅の少なくともいずれか一方よりも長くてもよい。また図3に示す場合は、上記光ディスクドライブDKも筐体CK内の下方に収められている。この筐体CKが本願に係る「支持部」の一例である。
【0034】
そして表示部Dは、上記タッチパネル14がその前面に備えられた上記表示面Fを備え、更にその表面には、図4を用いて後述するタッチセンサ1a等を含むタッチセンサ群TSが備えられている。なお図3に例示する場合、「前面」とは、駆動ユニット15から見た表示部Dを見る方向の面である。更に図3では、説明の簡略化のために当該タッチセンサ群TSの表示を省略している。なお図3に示す例では、表示部Dが横向き(横長)の使用状態であるが、連結アーム20の中心軸を中心とした表示部Dの回転によって、縦向き(縦長)の使用状態とすることも可能である。そして、横向きの使用状態であるか又は縦向きの使用状態であるかに応じて、表示部Dの画面に視認し易いように上記地図等の情報が表示される。
【0035】
更に、表示面Fの前面に備えられたタッチパネル14は、表示面Fにおける表示を透過する機能と位置入力機能を有する。このときの位置入力機能は、例えば静電容量方式又は抵抗膜方式等の素子により実現される。これらに加えてタッチパネル14は、上記タッチセンサ群TSと同様に、表示面Fに対する接触の有無等を検出する。この点に関し、タッチパネル14が抵抗膜方式の素子により構成されている場合は、上記接触の有無及びその際の押圧力の検出が可能である。これに対してタッチパネル14が静電容量方式の素子により構成されている場合は、上記接触等に加えて、タッチパネル14に対して上記指又は手の平等が(接触を伴わずに)近接したか否かの検出も可能である。なお近接の場合、上記押圧力は検出されない。
【0036】
次に図3に示すように筐体CK内には、表示部Dの背面中央に固定されている連結アーム20を支持し且つ図2(a)に示す回転モータ15b及び上下スライドモータ15cを内蔵する上下スライドステージ21と、上下スライドステージ21を貫通するガイド穴に通された上下ガイド22を挟持し且つ図2(a)に示す左右スライドモータ15dを内蔵する左右スライドステージ23及び左右スライドステージ24と、図2(a)に示す前後スライドモータ15eを内蔵し且つガイド溝25aを有する前後スライドステージ25と、対向するそれぞれの内側の面にガイド溝27aが形成され且つ筐体CKに固定された前後ガイド26及び前後ガイド27と、光ディスクドライブDKと、が収められている。
【0037】
この構成において連結アーム20は例えば円筒形状等とされている。そして、筐体CKの前面に円形に設けられたホールHLを通って、連結アーム20の一部が駆動ユニット15の前方に向かって露出している。そして連結アーム20の露出した部分の端は、表示部Dの背面の中央付近で表示部Dに対して略垂直に固定されている。
【0038】
一方上下スライドステージ21は、その中心軸を回転軸として連結アーム20(換言すれば表示部D)が回転可能なように、連結アーム20を支持する。上下スライドステージ21に内蔵されている上記回転モータ15bは連結アーム20を回転させる。これにより、上記コンソール部前方の空間において、表示面Fが含まれる面内で表示部D全体が時計回り又は反時計回りに回転される。
【0039】
次に左右スライドステージ23及び左右スライドステージ24は、上下ガイド22に沿って上下方向に移動可能に、上下スライドステージ21を支持する。そして上下スライドステージ21に内蔵されている上記上下スライドモータ15cは、上記空間において、表示面Fが含まれる面内で表示部D全体を使用者から見て上下にスライドさせるべく、左右スライドステージ23及び左右スライドステージ24に対し、上下スライドステージ21を上下ガイド22に沿って移動させる。これにより図3に示すように、連携アーム20及び表示部Dが、使用者から見て上下方向にスライドされる。このとき連結アーム20は、筐体CK前面のホールHLを通って表示部Dと共に上下方向にスライドされる。
【0040】
他方前後スライドステージ25は、ガイド溝25aに沿って左右方向に移動可能に、左右スライドステージ23及び左右スライドステージ24を支持する。左右スライドステージ23及び左右スライドステージ24に内蔵されている左右スライドモータ15dは、上記空間において、表示面Fが含まれる面内で表示部D全体を使用者から見て左右にスライドさせるべく、前後スライドステージ25に対し、左右スライドステージ23及び左右スライドステージ24をガイド溝25aに沿って左右方向に移動させる。これにより図3に示すように、上下スライドステージ21、連結アーム20及び表示部Dが、使用者から見て左右方向にスライドされる。このとき連結アーム20は、筐体CK前面のホールHLを通って表示部Dと共に左右方向にスライドされる。
【0041】
なお、上下スライドステージ21内の上下スライドモータ15cと、左右スライドステージ23及び左右スライドステージ24内の左右スライドモータ15dと、が同時に駆動されることで、連結アーム20及び表示部Dの斜め方向のスライドも可能となる。
【0042】
次に前後ガイド26及び前後ガイド27は、前後方向に移動可能に前後スライドステージ25を支持する。前後スライドステージ25に内蔵されている前後スライドモータ15eは、上記空間において、使用者から見て前後方向に表示部D全体をスライドさせるべく、前後ガイド26及び前後ガイド27に対し、前後スライドステージ25を各ガイド溝27aに沿って前後方向に移動させる。これにより図3に示すように、前後スライドステージ25、左右スライドステージ23及び左右スライドステージ24、上下スライドステージ21、連結アーム20並びに表示部Dが、使用者から見て前後方向にスライドされる。
【0043】
最後に光ディスクドライブDKは、既存の光ディスク(例えばDVD(Digital Versatile Disc)又はCD(Compact Disc)等)に記録された上記地図データ等を読み出して制御部3に出力する。この場合の光ディスクは、筐体CKの前面に設けられた挿入口SLから光ディスクドライブDKに挿入可能とされている。
【0044】
次に、実施例に係る表示部Dにおける、特にタッチセンサ群TSの構成について図4を用いて説明する。
【0045】
上述したように実施例に係るタッチセンサ群TSは、表示部Dの前面における表示面F以外の周縁部、表示部Dの上下左右それぞれの側面部、及び表示部Dの背面の周縁部にそれぞれ備えられた複数のタッチセンサにより構成されている。これら各タッチセンサのそれぞれは上述したように、使用者の指又は手の平等による当該タッチセンサへの接触の有無と、当該接触があった場合のその押圧力と、その押圧力の変化と、を検出し、その検出結果をそれぞれ制御部3に出力する。
【0046】
先ず表示部Dの正面図として図4(a)に示すように、表示部D前面の表示面Fの外側の左縁部には、その両端部にタッチセンサ1a及びタッチセンサ1cが備えられ、その中央部の長手方向にタッチセンサ1bが備えられている。なお図4においては、表示部Dの背面に固定されている連結アーム20の図示を省略している。また表示部D前面の表示面Fの外側の右縁部には、その両端部にタッチセンサ1d及びタッチセンサ1fが備えられ、その中央部の長手方向にタッチセンサ1eが備えられている。一方表示部Dの背面図として図4(b)に示すように、上記カメラ16を備える表示部D背面の右外縁部には、その両端部にタッチセンサ2a及びタッチセンサ2cが備えられ、その中央部の長手方向にタッチセンサ2bが備えられている。更に表示部D背面の左外縁部には、その両端部にタッチセンサ2d及びタッチセンサ2fが備えられ、その中央部の長手方向にタッチセンサ2eが備えられている。以上のタッチセンサ1a乃至タッチセンサ1fの配置(表示部Dの前面)及びタッチセンサ2a乃至タッチセンサ2fの配置(表示部Dの背面)により、表示部Dの前面及び背面の対応する位置に備えられたタッチセンサ(例えばタッチセンサ1aとタッチセンサ2a)によりそれぞれ接触が検出されている場合、表示部Dにおける当該対応する位置に対して使用者による上記摘まみ操作が行われていることになる。
【0047】
一方、表示部Dの上面図として図4(c)に示すように、表示部Dの上面には、その両側にタッチセンサ3a及びタッチセンサ3cが備えられ、その中央部にタッチセンサ3bが備えられている。また表示部Dの下面図として図4(d)に示すように、表示部Dの下面には、その両側にタッチセンサ4a及びタッチセンサ4cが備えられ、その中央部にタッチセンサ4bが備えられている。また表示部Dの左側面図として図4(e)に示すように、表示部Dの左側面には、その両側にタッチセンサ5a及びタッチセンサ5cが備えられ、その中央部にタッチセンサ5bが備えられている。更に表示部Dの右側面図として図4(f)に示すように、表示部Dの右側面には、その両側にタッチセンサ6a及びタッチセンサ6cが備えられ、その中央部にタッチセンサ6bが備えられている。
【0048】
更にこれらタッチセンサ1a乃至タッチセンサ6fに加えて、タッチパネル14自体も実施例に係るタッチセンサとしての機能を有している。この場合に、タッチパネル14に対しては上記位置入力機能としてのタッチ操作も行われる。そしてこのようなタッチ操作と実施例に係る接触とは区別される必要がある。このため制御部3は、一例として上記タッチ操作に用いられる指先やタッチペンにおける接触面積よりも広い面積(例えば手の平程度の面積)による接触があった場合に、実施例に係る接触がタッチパネル14に対して行われたと判定する。そして制御部3は、タッチパネル14に対する上記広い面積での接触を検出した場合、それが実施例に係る使用者による接触であると判定して、表示部D全体の位置を制御する。
【0049】
次に、表示部Dの背面に備えられた実施例に係る固定部17の構造及び機能について、図5を用いて説明する。なお説明の簡略化のため、図5においては表示部Dの背面及び側面にある上記タッチセンサ2a等及び固定部17の保護用カバーについては、記載を省略している。上述したように実施例に係る固定部17は、表示部Dを連結アーム20に物理的(機構的)に固定する固定部である。そして固定部17は、固定制御部18の制御の下、表示部Dを連結アーム20に対して機構的に固定すると共に、固定されている連結アーム20から表示部Dを取り外し可能な状態とする。
【0050】
即ち図5に示すように、連結アーム20の筐体CKと反対側の端部には、表示部Dの背面中央部に形成された凹部40に嵌まるような形状の受け部20aが固定されている。この受け部20aには、受け部20aが凹部40に嵌められた際に受け部20aから表示部Dに向かって左右方向に二本の貫通穴20b及び貫通穴20cが平行して設けられている。
【0051】
これに対し、固定部17を構成する移動部材30には、表示部Dの背面に向かって凹部40の左側傍に上下に固定されているガイドピン31及びガイドピン32がそれぞれ貫通するガイド穴30a及びガイド穴30bが形成されている。このガイドピン31及びガイドピン32の表示部Dへの固定端と反対側の端部には、移動部材30の左右移動をガイドするための皿状の留め部が形成されている。また、連結アーム20への表示部Dの固定時において上記貫通穴20b及び貫通穴20cに表示部Dに向かって左側から差し込まれる平行な固定棒30d及び固定棒30eが、当該固定時における貫通穴20b及び貫通穴20cの位置に対応する移動部材30の位置に一体的に形成されている。更に移動部材30の上部にはラック30cが一体的に形成されている。一方表示部Dの背面の移動部材30の図5における上方には、上記ラック30cと噛み合うピニオン34がその回転軸に固定され且つ固定部17を構成する固定モータ33が固定されている。このピニオン34がラック30cと噛み合った状態で、固定制御部18の制御の下で固定モータ33が駆動されると、ピニオン34の回転により、移動部材30がガイド穴30a及びガイド穴30bに沿って左右に移動する。このとき、受け部20aが凹部40に嵌められた状態で移動部材30が図5中右方向に移動されると、上記固定棒30d及び固定棒30eがそれぞれ受け部20aの貫通穴20b及び貫通穴20cに左側から差し込まれる。これにより、表示部Dが受け部20aを介して連結アーム20に固定される。
【0052】
一方、固定部17を構成する移動部材35には、表示部Dの背面に向かって凹部40の右側傍に上下に固定されているガイドピン36及びガイドピン37がそれぞれ貫通するガイド穴35a及びガイド穴35bが形成されている。このガイドピン36及びガイドピン37の表示部Dへの固定端と反対側の端部には、移動部材35の左右移動をガイドするための皿状の留め部が形成されている。また、上記固定時において上記貫通穴20b及び貫通穴20cに表示部Dに向かって右側から差し込まれる平行な固定棒35d及び固定棒35eが、当該固定時における貫通穴20b及び貫通穴20cの位置に対応する移動部材35の位置に一体的に形成されている。更に移動部材35の上部にはラック35cが一体的に形成されている。一方表示部Dの背面の移動部材35の図5における上方には、上記ラック35cと噛み合うピニオン39がその回転軸に固定され且つ固定部17を構成する固定モータ38が固定されている。このピニオン39がラック35cと噛み合った状態で、固定制御部18の制御の下で固定モータ38が駆動されると、ピニオン39の回転により、移動部材35がガイド穴35a及びガイド穴35bに沿って左右に移動する。このとき、受け部20aが凹部40に嵌められた状態で移動部材35が図5中左方向に移動されると、上記固定棒35d及び固定棒35eがそれぞれ受け部20aの貫通穴20b及び貫通穴20cに右側から差し込まれる。これにより、凹部40の反対側にある移動部材30の移動と相まって、表示部Dが受け部20aを介して連結アーム20に固定される。
【0053】
なお、固定部17により表示部Dが受け部20aを介して連結アーム20に固定されている状態において、固定制御部18の制御の下で固定モータ33及び固定モータ38が当該固定時と逆回転で駆動されると、移動部材30がガイド穴30a及びガイド穴30bに沿って図5中左方向に移動され、これと並行して移動部材35がガイド穴35a及びガイド穴35bに沿って図5中右方向に移動される。これにより、受け部20aの貫通穴20b及び貫通穴20cから固定棒30d及び固定棒30e並びに固定棒35d及び固定棒35eがそれぞれ図5中左方向又は図5中右方向に抜き取られることで、表示部Dが連結アーム30から取り外し可能な状態とされる。
【0054】
次に、実施例に係るナビゲーション装置NVが搭載されている車両のコンソール部に対する、駆動ユニット15(光ディスクドライブDKを含む)及び表示部D(図3参照)を含むナビゲーション装置NVの取り付けの態様について、図6を用いて説明する。
【0055】
図6に示すように、実施例に係るナビゲーション装置NVは、上記コンソール部の中央領域50に装着される。コンソール部の中央領域50には、ナビゲーション装置NV等を装着するための開口部51が設けられている。この開口部51を介してナビゲーション装置NVの駆動ユニット15等がコンソール部に挿入されて固定されることで、当該ナビゲーション装置NVがコンソール部に固定される。
【0056】
このとき、コンソール部の中央領域50には、例えばハザードスイッチ52、時計表示53、エアコンスイッチ54、温度計表示55、風速調整ダイヤル56、温度調整ダイヤル57、送風口選択ダイヤル58及び外気・内気切替スイッチ59等が備えられている。このうちハザードスイッチ52は、車両に搭載されたハザードランプを点滅及び消灯させるためのスイッチである。時計表示53はディスプレイを有し、現在時刻を表示する。温度表示55はディスプレイを有し、車内の温度の検出結果を表示する。エアコンスイッチ54乃至外気・内気切替スイッチ59は、それぞれ、車両に搭載されたエアコンの動作を制御するための操作部である。コンソール部の中央領域50に備えられる操作部の種類、及び中央領域50に備えられる機器により表示される情報の種類等は、一般に車種や車両の年式によって変わる。また、コンソール部の中央領域50における開口部51、操作部及び機器の配列も、一般に車種や車両の年式によって変わる。そして図6に例示するように、実施例に係る表示部Dの高さ及び幅は、駆動ユニット15及び開口部51の高さ及び幅よりも長い。よって、駆動ユニット15に対する表示部Dの位置、及び当該表示部Dが縦向きの状態にあるか横向きの状態にあるかによって、中央領域50上のハザードスイッチ52乃至外気・内気切替スイッチ59の少なくともいずれか一つが、当該表示部Dの背後に隠れる場合がある。また、光ディスクドライブDKの挿入口SLが表示部Dの背後に隠れる場合もある。そこで実施例に係る駆動ユニット15により表示部Dが移動又は回転されることにより、表示部Dの背後に隠れていた部分が使用者から見て視認可能となるのである。また同様に、ハザードスイッチ52乃至外気・内気切替スイッチ59や挿入口SLのうち、表示部Dの背後に隠れるものに対する操作も可能となる。
【0057】
次に、上述した構成を備える実施例に係る駆動ユニット15により制御部3の制御の下で実行される、実施例に係る表示部Dの回転又は移動の制御について、纏めて図7乃至図9を用いて説明する。なお図7乃至図9を用いた以下の説明においては、固定部17により表示部Dが連結アーム20に固定されている状態であるとする。また、図7に示す回転又は移動の制御は、ナビゲーション装置NVとしての上記案内処理の一環として、例えば一定時間ごとの時分割的な割込処理として開始されてもよい。
【0058】
図7に示すように実施例に係る表示部Dの回転又は移動の制御において、制御部3は、表示部Dの表面に備えられたタッチセンサ1a乃至タッチセンサ6f及びタッチパネル14のいずれかにおいて、使用者による実施例に係る接触が検出されたか否かを監視している(ステップS1、ステップS2)。ステップS1及びステップS2の監視においてタッチセンサ1a等のいずれにおいても当該接触が検出されない場合(ステップS2:NO)、制御部3は元の案内処理に戻る。
【0059】
一方ステップS1及びステップS2の監視においてタッチセンサ1a等のいずれかにおいて上記接触が検出された場合(ステップS2:YES)、制御部3は次に、表示部Dの前面と背面の対応する位置にある二つのタッチセンサ1a等(例えば、タッチセンサ1aとタッチセンサ2a)において上記接触が検出されているか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3の判定において、表示部Dの前面と背面の対応する位置にある二つのタッチセンサ1a等において上記接触が検出されていない場合(ステップS3:NO)、制御部3は後述するステップS11の判定に移行する。一方ステップS3の判定において、表示部Dの前面と背面の対応する位置にある二つのタッチセンサ1a等において上記接触が検出されている場合(ステップS3:YES)、制御部3は次に、当該前面及び当該背面での接触のパターンが上記摘まみ接触パターンであるか否かを判定する(ステップS4)。このステップS4の判定において制御部3は、ステップS3の判定において「YES」と判定された時点で記録部11から上記摘まみ接触パターンデータを読み出し、その時点で検出されている(ステップS3:YES参照)接触のパターンと比較することにより判定する。
【0060】
ステップS4の判定において、ステップS3で検出された接触のパターンが上記摘まみ接触パターンではない場合(ステップS4:NO)、制御部3は元の案内処理に戻る。一方ステップS4の判定において、ステップS3で検出された接触のパターンが上記摘まみ接触パターンであった場合(ステップS4:YES)、制御部3は次に、表示部Dの前面への接触の押圧力と、対応する表示部Dの背面の位置への接触の押圧力と、の間に、例えば予め設定された閾値以上の差があるか否かを判定する(ステップS5)。このとき当該予め設定された閾値は、上記摘まみ接触パターンを有する接触が誤操作によるものであった場合に、それによってステップS5の判定が「YES」となることを防止することが可能な閾値であり、より具体的には例えば実験的に又は経験的に予め設定される。ステップS5の判定において、表示部Dの前面への接触の押圧力と、対応する表示部Dの背面の位置への接触の押圧力と、の間に上記既定の閾値以上の差がある場合(ステップS5:YES)、制御部3は、当該摘まみ接触パターンによる表示部Dの前面及び背面への接触が、使用者から見て表示部Dを前方向又は後方向に移動させる旨の使用者の意思に基づくものであるとして、押圧力が大きい接触が検出された表示部Dの面と反対の面の方向に表示部Dを移動させるように駆動ユニット15を制御する(ステップS6)。このステップS6として制御部3は、
表示部Dの前面への接触の押圧力>対応する表示部Dの背面の位置への接触の押圧力
の場合は、表示部Dを使用者から見て後方に(即ち駆動ユニット15(コンソール部)に近付ける方向に)移動させるように駆動ユニット15を制御する。また制御部3は、
表示部Dの前面への接触の押圧力<対応する表示部Dの背面の位置への接触の押圧力
の場合は、表示部Dを使用者から見て前方に(即ち駆動ユニット15(コンソール部)から遠ざける方向に)移動させるように駆動ユニット15を制御する。
【0061】
その後制御部3は、ステップS6の移動を停止させるか否かを判定する(ステップS7)。このとき制御部3は、上記摘まみ接触パターンの接触のいずれか一方(表示部Dの前面への接触又は背面への接触のいずれか一方)が検出されなくなった場合に、ステップS6の移動を停止させるべきと判定する。一方制御部3は、上記摘まみ接触パターンの接触が継続して検出されている場合は、引き続きステップS6の移動を継続すべきと判定する。ステップS7の判定において、ステップS6の移動を継続すべきと判定される場合(ステップS7:継続)、制御部3は上記ステップS5に戻って当該ステップS5以降の上述した制御を繰り返す。一方ステップS7の判定において、ステップS6の移動を停止すべきと判定される場合(ステップS7:停止)、制御部3は表示部Dの移動を停止させて元の案内処理に戻る。
【0062】
他方、上記ステップS5の判定において、表示部Dの前面への接触の押圧力と、対応する表示部Dの背面の位置への接触の押圧力と、の間に上記既定の閾値以上の差がない場合、即ち、表示部Dの前面の接触の押圧力と、対応する表示部Dの背面の位置への接触の押圧力と、が同等である場合(ステップS5:NO)、制御部3は次に、ステップS4において上記摘まみ接触パターンに相当する接触がそれぞれ検出されているタッチセンサ1a等の表示部D上の位置を確認し(ステップS8)、更に当該接触における押圧力の変化として、その押圧力を検出した位置の変化を当該接触における押圧方向として検出する(ステップS9)。
【0063】
ここで上記ステップS8においては、例えばタッチセンサ1eとその裏側の背面にあるタッチセンサ2eとにおいて摘まみ接触パターンに相当する接触が検出されている場合、制御部3は、図4(a)の正面図における右外縁部において押圧力が同等(即ち、上記既定の閾値以上の差がないこと。以下、同様。)の摘まみ接触パターンに相当する接触が検出されていると確認する。また、例えばタッチセンサ1aとその裏側の背面にあるタッチセンサ2aとにおいて摘まみ接触パターンに相当する接触が検出されている場合、制御部3は、図4(a)の正面図における左上端部において押圧力が同等の摘まみ接触パターンに相当する接触が検出されていると確認する。
【0064】
一方ステップS9においては、例えばタッチセンサ1eとその裏側の背面にあるタッチセンサ2eとにおいて摘まみ接触パターンに相当する接触が検出されている場合、制御部3は、当該タッチセンサ1eとタッチセンサ2eそれぞれにおける押圧力を検出した位置の変化を、それぞれの接触における押圧方向として検出する。また、例えばタッチセンサ1aとその裏側の背面にあるタッチセンサ2aとにおいて摘まみ接触パターンに相当する接触が検出されている場合、制御部3は、当該タッチセンサ1aとタッチセンサ2aそれぞれにおける押圧力を検出した位置の変化を、それぞれの接触における押圧方向として検出する。
【0065】
そして制御部3は、ステップS8で確認した表示部D上の接触位置とステップS9で検出いた押圧方向に対応させて、表示部Dを回転させるか、表示部Dをその正面から見て左方向又は右方向に移動させるか、或いは、表示部Dをその正面から見て上方向又は下方向に移動させるか、のいずれかが行われるように駆動ユニット15を制御する(ステップS10)。
【0066】
その後制御部3は、ステップS10の移動を停止させるか否かを判定する(ステップS7)。このとき制御部3は、先に述べたステップS6の後のステップS7の場合と同様に、上記摘まみ接触パターンの接触のいずれか一方が検出されなくなった場合に、ステップS10の回転又は移動を停止させるべきと判定する。一方制御部3は、上記摘まみ接触パターンの接触が継続されている場合は、引き続きステップS10の回転又は移動を継続すべきと判定する。ステップS7の判定において、ステップS10の回転又は移動を継続すべきと判定される場合(ステップS7:継続)、制御部3は上記ステップS5に戻って当該ステップS5以降の上述した制御を繰り返す。一方ステップS7の判定において、ステップS10の回転又は移動を停止すべきと判定される場合(ステップS7:停止)、制御部3は表示部Dの移動を停止させて元の案内処理に戻る。
【0067】
以上のステップS5及びステップS8乃至ステップS10の制御が行われた結果、例えば図4(a)の正面図における右外縁部において押圧力が同等の摘まみ接触パターンに相当する接触が確認されており(ステップS8参照)、且つ当該接触における押圧方向が図4(a)の正面図における右方向であった場合(つまり、当該右外縁部を摘まんで外方向に引っ張る操作が行われた場合)、制御部3は、図8(a)に例示するように正面から見て表示部Dを右方向に移動させるように駆動ユニット15を制御する。また、同様に図4(a)の正面図における右外縁部において押圧力が同等の摘まみ接触パターンに相当する接触が検出されており(ステップS8参照)、且つ当該接触における押圧方向が図4(a)の正面図における左方向であった場合(つまり、当該右外縁部を摘まんで表示部Dの中心方向に押す操作が行われた場合)、制御部3は、図8(a)に例示するように正面から見て表示部Dを左方向に移動させるように駆動ユニット15を制御する。更に、例えばタッチセンサ1bとその裏側の背面にあるタッチセンサ2bとにおいて摘まみ接触パターンに相当する接触が検出されたことで、図4(a)の正面図における左外縁部において押圧力が同等の摘まみ接触パターンに相当する接触が確認されており(ステップS8参照)、且つ当該接触における押圧方向が図4(a)の正面図における右方向であった場合(つまり、当該左外縁部を摘まんで表示部Dの中心方向に押す操作が行われた場合)、制御部3は、図8(b)に例示するように正面から見て表示部Dを右方向に移動させるように駆動ユニット15を制御する。また、同様に図4(a)の正面図における左外縁部において押圧力が同等の摘まみ接触パターンに相当する接触が検出されており(ステップS8参照)、且つ当該接触における押圧方向が図4(a)の正面図における左方向であった場合(つまり、当該左外縁部を摘まんで外方向に引っ張る操作が行われた場合)、制御部3は、図8(b)に例示するように正面から見て表示部Dを左方向に移動させるように駆動ユニット15を制御する。
【0068】
更にまた、例えばタッチセンサ1dとその裏側の背面にあるタッチセンサ2dとにおいて摘まみ接触パターンに相当する接触が検出されたことで、図4(a)の正面図における右上端部において押圧力が同等の摘まみ接触パターンに相当する接触が確認されており(ステップS8参照)、且つ当該接触における押圧方向が図4(a)の正面図における反時計方向又は左上方向であった場合(つまり、当該右上端部を摘まんで表示部Dを反時計方向に回す操作が行われた場合)、制御部3は、図8(c)に例示するように正面から見て表示部Dを反時計方向に回転させるように駆動ユニット15を制御する。また、同様に図4(a)の正面図における右上端部において押圧力が同等の摘まみ接触パターンに相当する接触が確認されており(ステップS8参照)、且つ当該接触における押圧方向が図4(a)の正面図における時計方向又は右下方向であった場合(つまり、当該右上端部を摘まんで表示部Dを時計方向に回す操作が行われた場合)、制御部3は、図8(c)に例示するように正面から見て表示部Dを時計方向に回転させるように駆動ユニット15を制御する。更に、例えばタッチセンサ1aとその裏側の背面にあるタッチセンサ2aとにおいて摘まみ接触パターンに相当する接触が検出されたことで、図4(a)の正面図における左上端部において押圧力が同等の摘まみ接触パターンに相当する接触が確認されており(ステップS8参照)、且つ当該接触における押圧方向が図4(a)の正面図における反時計方向又は左下方向であった場合(つまり、当該左上端部を摘まんで表示部Dを反時計方向に回す操作が行われた場合)、制御部3は、図8(d)に例示するように正面から見て表示部Dを反時計方向に回転させるように駆動ユニット15を制御する。また、同様に図4(a)の正面図における左上端部において押圧力が同等の摘まみ接触パターンに相当する接触が確認されており(ステップS8参照)、且つ当該接触における押圧方向が図4(a)の正面図における時計方向又は右上方向であった場合(つまり、当該左上端部を摘まんで表示部Dを時計方向に回す操作が行われた場合)、制御部3は、図8(d)に例示するように正面から見て表示部Dを時計方向に回転させるように駆動ユニット15を制御する。
【0069】
一方、上記ステップS3の判定において、表示部Dの前面と背面の対応する位置にある二つのタッチセンサ1a等において上記接触が検出されていない場合(ステップS3:NO)、制御部3は次に、表示部Dの(外周)側面部に備えられたタッチセンサ3a乃至タッチセンサ6c又はタッチパネル14のいずれか一ヶ所のみにおいて上記接触が検出されたか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11の判定において、タッチセンサ3a乃至タッチセンサ6c及びタッチパネル14のいずれにおいても上記接触が検出されていない場合(ステップS11:NO)、制御部3は後述するステップS18の判定に移行する。一方ステップS11の判定において、タッチセンサ3a乃至タッチセンサ6c又はタッチパネル14のいずれか一ヶ所において上記接触が検出されている場合(ステップS11:YES)、制御部3は、当該接触における押圧力を当該接触が検出されたタッチパネル3a等を介して検出する(ステップS12)。次に制御部3は、ステップS12で検出された押圧力が上記第1閾値以上であるか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13の判定においてステップS12で検出された押圧力が第1閾値以上である場合(ステップS13:YES)、制御部3は、上記一ヶ所の接触が検出されたタッチセンサ3a等について上記第1閾値以上の押圧力に対応した第1方向に表示部Dを回転又は移動させるように駆動ユニット15を制御する(ステップS14)。その後制御部3は、ステップS14の回転又は移動を停止させるか否かを判定する(ステップS15)。このとき制御部3は、上記一ヶ所の接触が検出されなくなった場合に、ステップS14の回転又は移動を停止させるべきと判定する。一方制御部3は、上記一ヶ所の接触が継続して検出されている場合は、引き続きステップS14の回転又は移動を継続すべきと判定する。ステップS15の判定において、ステップS14の回転又は移動を継続すべきと判定される場合(ステップS15:継続)、制御部3は上記ステップS12に戻って当該ステップS12以降の上述した制御を繰り返す。一方ステップS15の判定において、ステップS14の回転又は移動を停止すべきと判定される場合(ステップS15:停止)、制御部3は表示部Dの移動を停止させて元の案内処理に戻る。
【0070】
他方ステップS13の判定において、ステップS13の判定においてステップS12で検出された押圧力が第1閾値以上でない場合(ステップS13:NO)、次に制御部3は、ステップS12で検出された押圧力が上記第2閾値以下であるか否かを判定する(ステップS16)。なお上述したように、第2閾値は第1閾値も小さい値である。ステップS16の判定においてステップS12で検出された押圧力が第2閾値以下でない場合(ステップS16:NO)、制御部3は表示部Dの回転及び移動をせずに元の案内処理に戻る。一方ステップS16の判定においてステップS12で検出された押圧力が第2閾値以下であった場合(ステップS16:YES)、制御部3は、上記一ヶ所の接触が検出されたタッチセンサ3a等について上記第2閾値以下の押圧力に対応した第2方向に表示部Dを回転又は移動させるように駆動ユニット15を制御する(ステップS17)。その後制御部3は、上記ステップS15の判定に移行する。このとき制御部3は、上記一ヶ所の接触が検出されなくなった場合に、ステップS17の回転又は移動を停止させるべきと判定する。一方制御部3は、上記一ヶ所の接触が継続して検出されている場合は、引き続きステップS17の回転又は移動を継続すべきと判定する。ステップS15の判定において、ステップS17の回転又は移動を継続すべきと判定される場合(ステップS15:継続)、制御部3は上記ステップS12に戻って当該ステップS12以降の上述した制御を繰り返す。一方ステップS15の判定において、ステップS17の回転又は移動を停止すべきと判定される場合(ステップS15:停止)、制御部3は表示部Dの移動を停止させて元の案内処理に戻る。
【0071】
以上のステップS11乃至ステップS17の制御が行われた結果、例えば図4(e)の左側面図におけるタッチセンサ5b一ヶ所において接触が確認されているとすると(ステップS11:YES、図9(a)「接触」矢印参照)、当該タッチセンサ5bについての上記第2方向は図9(a)に示す左方向であり、上記第1方向は図9(a)に示す右方向である。そして、当該タッチセンサ5bに対する接触における押圧力が第2閾値以下である場合、制御部3は、図9(a)に例示するように正面から見て表示部Dを左方向に移動させるように駆動ユニット15を制御する。また、同様に当該タッチセンサ5bに対する接触における押圧力が第1閾値以上である場合、制御部3は、図9(a)に例示するように正面から見て表示部Dを右方向に移動させるように駆動ユニット15を制御する。更に、例えば図4(f)の右側面図におけるタッチセンサ6b一ヶ所において接触が確認されているとすると(ステップS11:YES、図9(b)「接触」矢印参照)、当該タッチセンサ6bについての上記第2方向は図9(b)に示す右方向であり、上記第1方向は図9(b)に示す左方向である。そして、当該タッチセンサ6bに対する接触における押圧力が第2閾値以下である場合、制御部3は、図9(b)に例示するように正面から見て表示部Dを右方向に移動させるように駆動ユニット15を制御する。また、同様に当該タッチセンサ6bに対する接触における押圧力が第1閾値以上である場合、制御部3は、図9(b)に例示するように正面から見て表示部Dを左方向に移動させるように駆動ユニット15を制御する。
【0072】
更にまた、例えば図4(c)の上面図におけるタッチセンサ3b一ヶ所において接触が確認されているとすると(ステップS11:YES、図9(c)「接触」矢印参照)、当該タッチセンサ3bについての上記第2方向は図9(c)に示す上方向であり、上記第1方向は図9(c)に示す下方向である。そして、当該タッチセンサ3bに対する接触における押圧力が第2閾値以下である場合、制御部3は、図9(c)に例示するように正面から見て表示部Dを上方向に移動させるように駆動ユニット15を制御する。また、同様に当該タッチセンサ3bに対する接触における押圧力が第1閾値以上である場合、制御部3は、図9(c)に例示するように正面から見て表示部Dを下方向に移動させるように駆動ユニット15を制御する。
【0073】
また、例えば図4(f)の右側面図におけるタッチセンサ6a一ヶ所において接触が確認されているとすると(ステップS11:YES、図9(d)「接触」矢印参照)、当該タッチセンサ6aについての上記第2方向は図9(d)に示す時計方向であり、上記第1方向は図9(d)に示す反時計方向である。そして、当該タッチセンサ6aに対する接触における押圧力が第2閾値以下である場合、制御部3は、図9(d)に例示するように正面から見て表示部Dを時計方向に回転させるように駆動ユニット15を制御する。また、同様に当該タッチセンサ6aに対する接触における押圧力が第1閾値以上である場合、制御部3は、図9(d)に例示するように正面から見て表示部Dを反時計方向に回転させるように駆動ユニット15を制御する。
【0074】
更に、例えばタッチパネル14上の一ヶ所において接触が確認されているとすると(ステップS11:YES、図9(e)「接触」矢印参照)、当該タッチパネル14についての上記第2方向は図9(e)に示す前方(駆動ユニット15から表示部Dに向かう方向)であり、上記第1方向は図9(e)に示す後方(表示部Dから駆動ユニット15に向かう方向)である。そして、当該タッチパネル14に対する接触における押圧力が第2閾値以下である場合、制御部3は、図9(e)に例示するように表示部Dを前方に移動させるように駆動ユニット15を制御する。また、同様に当該タッチパネル14に対する接触における押圧力が第1閾値以上である場合、制御部3は、図9(e)に例示するように表示部Dを後方に移動させるように駆動ユニット15を制御する。
【0075】
他方、上記ステップS11の判定において、タッチセンサ3a等の一箇所のみにおいて上記接触が検出されていない場合(ステップS11:NO)、制御部3は次に、表示部Dの前面二ヶ所と背面二ヶ所(合計四ヶ所)以上のタッチセンサ1a等(例えば、タッチセンサ1b及びタッチセンサ1e(表示部D前面)と、タッチセンサ2b及びタッチセンサ2e(表示部D背面))において上記接触がそれぞれ検出されているか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18の判定において、当該四ヶ所以上のタッチセンサ1a等において上記接触がそれぞれ検出されていない場合(ステップS18:NO)、制御部3は元の案内処理に戻る。
【0076】
一方ステップS18の判定において、当該四ヶ所以上のタッチセンサ1a等において上記接触がそれぞれ検出されている場合(ステップS18:YES)、制御部3は次に、当該前面及び当該背面それぞれでの各接触のパターンが上記把持接触パターンであるか否かを判定する(ステップS19)。このステップS19の判定において制御部3は、ステップS18の判定において「YES」と判定された時点で記録部11から上記把持接触パターンデータを読み出し、その時点で検出されている(ステップS18:YES参照)接触のパターンと比較することにより判定する。
【0077】
ステップS19の判定において、ステップS18で検出された各接触のパターンが上記把持接触パターンではない場合(ステップS19:NO)、制御部3は元の案内処理に戻る。一方ステップS19の判定において、ステップS18で検出された各接触のパターンが上記把持接触パターンであった場合(ステップS19:YES)、制御部3は次に、固定制御部18を介して固定部17の固定モータ33及び固定モータ38を駆動して移動部材30及び移動部材35をそれぞれ表示部Dの裏面の中央から離れる方向に移動させる。これにより、固定棒30d及び固定棒30e並びに固定棒35d及び固定棒35eが貫通穴20b及び貫通穴20cから抜き取られることで、今まで受け部20aに固定されていた表示部Dが、使用者により把持されたまま(上記ステップS19:YES参照)、連結アーム20から取り外し可能な状態とされる(ステップS20)。その後制御部3は、元の案内処理に戻る。
【0078】
なお、連結アーム20から取り外された表示部Dについては、ナビゲーション装置NVの機能とは無関係の、例えば後部座席における動画の表示等の処理に供される。またこのとき、連結アーム20から取り外された後のナビゲーション装置NVと当該表示部Dとの距離を例えば無線式の距離センサ等を用いて検出し、当該検出された距離が予め設置された距離(例えば1メートル)以上となった場合に、上記無関係の処理を開始するように構成してもよい。
【0079】
次に、上記ステップS20を経て連結アーム20から取り外された表示部Dを再び連結アーム20に固定する場合に表示部Dにおいて実行される処理について、図10を用いて説明する。なお図10にフローチャートを示す処理は、表示部Dの固定制御部18及び表示制御部19を中心として実行される処理である。
【0080】
図10に示すように、表示部Dが連結アーム20から取り外された以降において表示制御部19は、表示部Dを再度連結アーム20に固定する旨の予め設定された指示操作が例えばタッチパネル14上において実行されたか否かを監視する(ステップS25)。ステップS25の監視において当該指示操作が実行されない場合(ステップS25:NO)、表示制御部19は、表示部Dとしての例えば電源がオフとされたか否かを判定する(ステップS29)。ステップS29の判定において電源がオフとされている場合(ステップS29:YES)、表示制御部19及び固定制御部18は、それぞれにおける処理をそのまま終了する。一方ステップS29の判定において電源がオフとされていない場合(ステップS29:NO)、表示制御部19は上記ステップS25の判定に戻る。
【0081】
他方、ステップS25の監視において上記指示操作が実行された場合(ステップS25:YES)、表示制御部19は、カメラ16を起動して表示部Dの背面に対向する撮像範囲を撮像し、その撮像結果を表示面Fに表示する(ステップS26)。これにより表示部Dを把持している使用者は、当該表示されている撮像結果に現れている受け部20aの画像を手掛かりとして、表示部D自体を連結アーム20への固定位置に移動させることができる。その後表示制御部19及び固定制御部18は、固定部17による表示部Dの連結アーム20への固定が完了したか否かを監視する(ステップS27)。ステップS27の監視において当該固定が完了していない場合(ステップS27:NO)、表示制御部19及び固定制御部18は上記ステップS26に戻る。一方ステップS27の監視において当該固定が完了した場合(ステップS27:YES)、表示制御部19はカメラ16の駆動を停止すると共に上記撮像結果の表示面Fへの表示を停止する(ステップS28)。その後表示制御部19及び固定制御部18は上記ステップS29の判定に移行する。
【0082】
以上それぞれ説明したように、実施例に係る表示部Dの回転/移動制御等によれば、表示部Dへの接触による押圧力に基づいて、筐体CKに対する第1方向又は当該第1方向とは異なる第2方向のいずれかへの表示部Dの回転又は移動を制御するので(図7ステップS14及び同ステップS15参照)、簡易な操作で自在に表示部Dを回転又は移動させることができる。
【0083】
また、検出された押圧力が第1閾値以上である場合は表示部Dの第1方向への回転又は移動を制御し(図7ステップS14参照)、検出された押圧力が第1閾値より小さい第2閾値以下である場合は第1方向とは反対向きの第2方向への表示部Dの回転又は移動を制御するので(図7ステップS17参照)、押圧力の加減により、自在に表示部Dを各方向に回転又は移動させることができる。また、第2閾値が第1閾値よりも小さいことで、第1閾値と第2閾値との間にいわゆる不感帯を形成することができ、誤動作による表示部Dの回転又は移動を抑制できる。
【0084】
更に、第1方向が表示部Dを筐体CKに接近させる方向であり、第2方向が表示部Dを筐体CKから遠ざける方向であり、当該接近させる方向又は当該遠ざける方向への表示部Dの移動を制御する場合は、筐体CKに接近させる方向又は遠ざける方向において、表示部Dを自在に移動させることができる。
【0085】
更にまた、上記第1方向及び上記第2方向として、(i)第1方向が筐体CKに対して鉛直上方向又は鉛直下方向のいずれか一方であり、第2方向が当該鉛直上方向又は当該鉛直下方向のいずれか他方であるか、(ii)第1方向が筐体CKに向かって右方向又は左方向のいずれか一方であり、第2方向が当該右方向又は当該左方向のいずれか他方であるか、のいずれかである場合は、当該第1方向又は当該第2方向への表示部Dの移動を制御することで、筐体CKに対して鉛直上方向又は鉛直下方向のいずれか等において、表示部Dを自在に移動させることができる。なお上記の効果は、上記第1方向が筐体CKに向かって斜めの一方向であり、第2方向が当該斜めの他方向である場合も同様である。
【0086】
また、第1方向が筐体CKに向かって回転における時計方向又は反時計方向のいずれか一方であり、第2方向が当該時計方向又は当該反時計方向のいずれか他方である場合は、当該第1方向又は当該第2方向への表示部Dの回転を制御することで、筐体CKに対して表示部Dを自在に回転させることができる。
【0087】
更に、表示部Dが複数の方向への回転又は移動が可能であり、表示部Dにおける接触の位置に基づいて第1方向及び第2方向が設定されるので、使用者の意図に応じて表示部Dの回転又は移動の方向を自在に設定することができる。
【0088】
更にまた、表示部Dの回転又は移動の制御を開始した後に押圧力が検出されなくなった場合に、その制御を停止させるので(図7ステップS15参照)、使用者の意思に基づいてより自在に表示部Dを回転又は移動させ、更に停止させることができる。
【0089】
また、タッチパネル14への接触の押圧力を用いる場合は、利便性良く且つ簡易に表示部Dを筐体CKに対して前後に移動させることができる。
【0090】
なお上述した実施例の構成に加えて、表示部Dの前面に備えられたタッチセンサ1a乃至タッチセンサ1fへの接触の押圧力に基づいて表示部Dの回転又は移動させてもよい。この場合、例えば図4(a)に示すタッチセンサ1eに対して、それに対応する第2閾値以下の押圧力による接触が検出された場合に、表示部Dを図4(a)における右方向(第2方向)に移動させるように駆動ユニット15を制御し、対応する第1閾値以上の押圧力による接触が検出された場合に、表示部Dを図4(a)における左方向(第1方向)に移動させるように駆動ユニット15を制御するように構成することができる。また、図4(a)に示すタッチセンサ1dに対して、それに対応する第2閾値以下の押圧力による接触が検出された場合に、表示部Dを図4(a)における反時計方向(第2方向)に回転させるように駆動ユニット15を制御し、対応する第1閾値以上の押圧力による接触が検出された場合に、表示部Dを図4(a)における時計方向(第1方向)に回転させるように駆動ユニット15を制御するように構成することができる。
【0091】
また上述した実施例の構成に加えて、表示部Dの予め設定された部分への接触が予め設定された時間(例えば1秒)以上継続して検出された場合に、図7ステップS11乃至ステップS17の回転又は移動の制御(換言すれば、表示部回転/移動モードとしての制御)を開始し、更に当該予め設定された時間中に検出された押圧力に基づいて、上記第1閾値及び上記第2閾値を設定するように構成してもよい。この場合には、使用者の意思に基づいて、より自在に表示部Dを回転又は移動させることができる。即ち、上記予め設定された時間以上継続して表示部Dの上記予め設定された部分への接触が検出された場合に上記表示部回転/移動モードに移行することで、使用者の意図しない接触により当該表示部回転/移動モードに移行してしまうことを抑制できる。そして、上記予め設定された時間内における当該接触による押圧力の平均値を算出し、当該平均値を基準として、例えば、
当該平均値×1.5=上記第1閾値 …(式1)
当該平均値×0.5=上記第2閾値 …(式2)
と設定するように構成してもよい。ここで一般に使用者には、押圧力が強い(無意識に強く押す)か、押圧力が弱い(無意識に弱く押す)か、の癖があることが考えられる。そこで、上記表示部回転/移動モードに移行する(表示部回転/移動モードを呼び出す)ための接触の際にその使用者の標準的な押圧力(例えば上記押圧力の平均値に相当する)を測定しておき、その押圧力を基準として例えば上記式(1)及び上記式(2)により上記第1閾値及び上記第2閾値を設定(即ち、強い押圧力で押すか又は弱い押圧力で押すかを設定)してもよい。これにより、その使用者に適した上記第1閾値及び上記第2閾値を設定することができる。
【0092】
更に誤動作防止の観点から、図7のステップS7の判定において、予め設定された接触のパターン(例えば指二本による同時接触)を検出した場合のみ、図7ステップS11乃至ステップS17の回転又は移動の制御を行うように構成してもよい。このとき、複数の指による接触を検出する場合には、各指による接触のうち押圧力が最も大きい接触の押圧力を用いてもよいし、当該複数の指による接触の押圧力の平均値を用いてもよい。
【0093】
更にまた、駆動ユニット15及び表示部Dを含むナビゲーション装置NVが車両に搭載されていることを考慮して、当該車両の移動等に伴う表示部Dの振動に基づいて第1閾値及び第2閾値を補正する(より具体的には、当該振動による押圧力の変化を打ち消すように補正する)ように構成してもよい。この場合は、表示部Dに加わる振動の影響を除外して、表示部Dを回転又は移動させることができる。
【0094】
また上述した実施例では、図7ステップS9に係る押圧方向につき、上記押圧力を検出した位置の変化として検出したが、これ以外に、例えば図5に示す受け部20aに備えられた図示しない加重センサにより、使用者の指又は手の平等により印加された加重の方向を検出することにより、当該押圧方向を検出するように構成してもよい。また、タッチセンサ1a等に対する接触の位置自体は変わらないが、その位置における上記指又は手の平等における加重の変化をタッチセンサ1a等により検出することにより、当該押圧方向を検出するように構成することもできる。
【0095】
また上述した実施例では、タッチパネル14に対する接触による押圧により表示部D自体を駆動ユニット15に対して前又は後に移動させる構成とした(図9(e)参照)が、これ以外に、表示部Dの背面に備えられたタッチセンサ2a乃至タッチセンサ2fのいずれかに対する接触による押圧力と、予め設定された二つの閾値と、の比較結果に基づいて表示部D自体を上記前又は後に移動させるように構成することもできる。
【0096】
更に、表示部Dの前面に備えられたタッチセンサ1a等、又は表示部Dの背面に備えられたタッチセンサ2a等、のいずれかに対する接触による押圧力と、予め設定された二つの閾値と、の比較結果に基づいて、表示部Dの中心を通る水平軸を中心として表示部D自体を上方又は下方に傾斜させたり、或いは表示部Dの中心を通る鉛直軸を中心として表示部D自体を左方又は右方に傾斜させたりする(即ち、上下方向又は左右方向にいわゆる「チルト」させる)ように構成することもできる。この場合は例えば、予め設定された閾値より大きい押圧力でタッチセンサ1aに接触した場合には表示部Dを後方に(即ち表示面Fが上を向く方向に)にチルトさせ、当該予め設定された閾値よりも小さい他の閾値よりも小さい押圧力でタッチセンサ1aに接触した場合には表示部Dを前方に(即ち表示面Fが下を向く方向に)チルトさせるように構成することができる。
【0097】
更にまた、図10に示す表示部Dの連結アーム20への再固定時において、固定部17と連結アーム20の端の受け部20aとの間で磁力の授受を可能とすると共に、予め設定された磁力パターンが互いに検出された場合において、受け部20aがそれに近付けられている表示部Dに対して接近するように、当該受け部20aを含む連結アーム20を移動(駆動)させるように構成してもよい。
【0098】
また、図7に示したフローチャートに相当するプログラムを、光ディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等に読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を実施例に係る制御部3として機能させることも可能である。
【符号の説明】
【0099】
1 検出部
1a、1b、1c、1d、1e、1f、2a、2b、2c、2d、2e、2f、3a、3b、3c、4a、4b、4c、5a、5b、5c、6a、6b、6c タッチセンサ
3 制御部
14 タッチパネル
15 駆動ユニット
15a 駆動部
15b 回転モータ
15c 上下スライドモータ
15d 左右スライドモータ
15e 前後スライドモータ
16 カメラ
17 固定部
18 固定制御部
19 表示制御部
20 連結アーム
S 制御装置
D 表示部
F 表示面
NV ナビゲーション装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10