(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144456
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】消火栓装置
(51)【国際特許分類】
A62C 35/20 20060101AFI20241003BHJP
A62C 3/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A62C35/20
A62C3/00 J
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024116659
(22)【出願日】2024-07-22
(62)【分割の表示】P 2023176428の分割
【原出願日】2019-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】茨木 博
(72)【発明者】
【氏名】梅原 寛
(72)【発明者】
【氏名】羽鳥 みのり
(72)【発明者】
【氏名】松本 修次
(72)【発明者】
【氏名】根之木 正浩
(72)【発明者】
【氏名】楠見 真希
(72)【発明者】
【氏名】松熊 秀成
(57)【要約】
【課題】本願の課題を解決することが可能となる消火栓装置を提供すること。
【解決手段】トンネル内に設置される消火栓装置100であって、透光部を介してトンネル内の監視領域の火災を検知する火災検知器81Aと、情報を知らせるために用いる赤色表示灯82A等と、監視領域に面するパネル面を有するパネル部1A1、1A2と、を備え、消火栓装置100は、消火用ホースを収納するホース収納部と、消火栓装置100の外部からの消火用水を供給するための配管類を含む供給手段を収納する配管類収納空間と、消火器を収納する消火器収納部と、を備え、ホース収納部と消火器収納部とが、消火栓装置100の設置状態における横方向に沿って配置されており、火災検知器81Aは、横方向におけるホース収納部及び配管類収納空間よりも消火器収納部側であって、消火器収納部の上方に設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル内に設置される消火栓装置であって、
光入射部を介して前記トンネル内の監視領域の火災を検知する火災検知器と、
情報を知らせるために用いる通報装置と、
前記監視領域に面するパネル面を有するパネル部と、
を備え、
前記消火栓装置は、
消火用ホースを収納するホース収納部と、
前記消火栓装置の外部からの消火用水を前記消火用ホースへ供給するための配管類を含む供給手段を収納する配管類収納空間と、
消火器を収納する消火器収納部と、を備えており、
前記ホース収納部と前記消火器収納部とが、前記消火栓装置の設置状態における横方向に沿って配置されており、
前記火災検知器は、前記ホース収納部、前記通報装置、前記配管類収納空間、及び前記消火器収納部よりも上方に設けられている、
消火栓装置。
【請求項2】
前記パネル部は、前記火災検知器が配置される第1パネル部と、前記通報装置が配置される第2パネル部と、を備えている、
請求項1に記載の消火栓装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トンネル内に設置されるトンネル消火栓装置が知られていた(例えば、特許文献1参照)。このトンネル消火栓装置は、火災検知器と赤色表示灯とを備えていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のトンネル消火栓装置においては、例えば、火災検知器と赤色表示灯とがホース収納部を中心として当該ホース収納部の両側に設けられており、火災検知器と赤色表示灯とが相互に離れていたので、火災検知器及び赤色表示灯の配線の引き回しが煩雑となる可能性があった。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、配線作業を単純化し作業性やメンテナンス性を向上することが可能となる消火栓装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の消火栓装置は、トンネル内に設置される消火栓装置であって、光入射部を介して前記トンネル内の監視領域の火災を検知する火災検知器と、情報を知らせるために用いる通報装置と、前記監視領域に面するパネル面を有するパネル部と、を備え、前記消火栓装置は、消火用ホースを収納するホース収納部と、前記消火栓装置の外部からの消火用水を前記消火用ホースへ供給するための配管類を含む供給手段を収納する配管類収納空間と、消火器を収納する消火器収納部と、を備えており、前記ホース収納部と前記消火器収納部とが、前記消火栓装置の設置状態における横方向に沿って配置されており、前記火災検知器は、前記ホース収納部、前記通報装置、前記配管類収納空間、及び前記消火器収納部よりも上方に設けられている。
【0007】
また、請求項2に記載の消火栓装置は、請求項1に記載の消火栓装置において、前記パネル部は、前記火災検知器が配置される第1パネル部と、前記通報装置が配置される第2パネル部と、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の消火栓装置によれば、例えば、本願の課題を解決することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の正面図である。
【
図4】消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の側面図である。
【
図8】消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の正面図である。
【
図10】消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の正面図である。
【
図14】消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の正面図である。
【
図15】消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の側面図である。
【
図16】消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る消火栓装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、各実施の形態の基本的概念について説明する。各実施の形態は、概略的に、消火栓装置に関するものである。
【0012】
「消火栓装置」とは、防災のために用いられる装置であり、具体的には、トンネル内に設置される装置であり、例えば、火災検知器、通報装置、パネル面を備え、供給手段、及びホース収納部を備える装置である。
【0013】
「火災検知器」とは、光入射部を介してトンネル内の監視領域からの光を受光して火災を検知する装置であり、具体的には、パネル面から監視領域側に光入射部を突出して配置された装置である。ここで、「光入射部」とは、外部の光を火災検知器内の受光部(検知素子)へ入射させるための構成要素であって、火災検知器が火災を検知する(火災を判定する)ため有効に光が入射し得る部分である。なお、「パネル面から監視領域側に光入射部を突出して配置」とは、例えば、火災検知器における光入射部の周辺の少なくとも一部がパネル面から監視領域側に突出することにより、光入射部がパネル面よりも監視領域側に設けられること等を示す概念である。なお、「監視領域」とは、火災検知器による火災の検知の対象となる領域であり、具体的には、トンネル内の領域である。また、「検知範囲」とは火災検知器が有効に火災を検知可能な領域範囲であり、監視領域はこの検知範囲に包含される。
【0014】
「通報装置」とは、情報を知らせる装置であり、具体的には、少なくとも当該通報装置の一部がパネル面から監視領域側に露出して配置されている装置である。「通報装置」とは、例えば、操作部又は表示部を含む装置であって、一例としては、電気的に配線される装置であり、赤色表示灯、手動発信機、及び応答ランプ等を含む概念である。
【0015】
「パネル面」とは、監視領域に面する面であり、例えば、消火栓装置における監視領域側と対向する少なくとも一部の面であって、当該監視領域側に露出している面である。また、「パネル面」の具体的な構成は任意であり、例えば、火災検知器及び通報装置の両方が配置される共通のパネル面として構成してもよいし、あるいは、火災検知器及び通報装置が別々に配置される複数のパネル面として構成してもよい。なお、「パネル面」を火災検知器及び通報装置が別々に配置される複数のパネル面として構成した場合、火災検知器が配置されるパネル面が「第1パネル面」に相当し、また、通報装置が配置されるパネル面が「第2パネル面」に相当する。後述する実施形態において「パネル部」の監視領域側と対向する面が「パネル面」であるが、説明の便宜上これらを区別せず、「パネル面」を「パネル部」とすることがある。
【0016】
「供給手段」とは、消火栓装置の外部から消火用水が供給される構成要素であり、具体的には、消火用ホースへ消火用水を供給するための配管類、また消防隊が使用する給水栓及び当該給水栓へ給水するための配管類等を含む概念である。供給手段は、消火栓装置の設置状態においてホース収納部の横方向の中心を基準にして、横方向の一方側に設けられている構成要素である。なお、「消火栓装置の設置状態」とは、例えば、消火栓装置がトンネル内に設置された状態を示す概念である。「ホース収納部の横方向の中心」とは、ホース収納部の中心であり、具体的には、消火栓装置の横方向におけるホース収納部の中心であり、以下の実施の形態において一例を図示して説明する。また、「ホース収納部」とは、供給手段に供給された消火用水を放水するための消火用ホースを収納する部分である。
【0017】
そして、前述の火災検知器及び通報装置の配置は、少なくとも、火災検知器及び通報装置が相互に近傍に設けられる限りにおいて任意である。「火災検知器及び通報装置が相互に近傍に設けられる」とは、例えば、火災検知器及び通報装置が相互に比較的近い位置に設けられることであり、例えば、通報装置が複数存在する場合においては、火災検知器及び少なくとも1個の通報装置が相互に隣接して設けられることを示す概念である。なお、「火災検知器及び少なくとも1個の通報装置が相互に隣接して設けられる」とは、例えば、火災検知器及び少なくとも1個の通報装置が、消火栓装置における任意の方向(例えば、消火栓装置の設置状態における横方向、あるいは縦方向等)において、消火栓装置の任意の構成要素(例えば、ホース収納部等)の配置領域を介さずに、相互に隣接して設けられること等を含む概念である。
【0018】
また、火災検知器及び通報装置については、例えば、以下のように配置してもよい。具体的には、供給手段が消火栓装置の設置状態においてホース収納部の横方向の中心を基準にして横方向の一方側に設けられている場合において、火災検知器及び通報装置を、ホース収納部の横方向の中心を基準にして横方向の一方側に設けてもよいし、あるいは、ホース収納部の横方向の中心を基準にして横方向の他方側に設けてもよい。火災検知器及び通報装置を、例えば、消火栓装置の設置状態における縦方向において相互に高さが異なる位置に設けてもよい。
【0019】
また、火災検知器の配置も任意であるが、例えば、火災検知器を第2パネル面の上方側に載置し、且つ、火災検知器の光入射部及び、当該光入射部以外の部分の少なくとも一部が、少なくとも第1パネル面よりも監視領域側に位置するように設けてもよい。
【0020】
また、消火栓装置の構成要素の外形は、火災検知器の光入射部に対する有効視野空間に入らないように構成してもよい。なお、「有効視野空間」については、後述する。
【0021】
そして、以下に示す各実施の形態では、通報装置が、赤色表示灯、手動発信機、及び応答ランプである場合について説明する。特に、実施の形態1~4において、供給手段がホース収納部の横方向の中心を基準にして一方側に設けられている場合において、火災検知器及び通報装置を、ホース収納部の横方向の中心を基準にして、供給手段が設けられていない他方側に設ける場合について説明し、実施の形態5において、火災検知器及び通報装置を、ホース収納部の横方向の中心を基準にして供給手段が設けられているのと同じ一方側に設ける場合について説明する。
【0022】
[各実施の形態の具体的内容]
次に、各実施の形態の具体的内容について説明する。なお、各実施形態の説明図に符号900で示した線は、消火栓装置の筐体の高さ方向の中心を示す。
【0023】
(実施の形態1)
最初に、実施の形態1について説明する。この実施の形態では、消火栓装置は消火器を収納する消火器収納部を備えており、消火栓装置の縦方向において火災検知器が消火器収納部の上方側に設けられている形態である。
【0024】
(構成)
まず、本実施の形態の消火栓装置の構成について説明する。
図1は、消火栓装置の設置状態を示す図であり、また、
図2は、消火栓装置の正面図であり、また、
図3は、消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の正面図であり、
図4は、消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の側面図である。なお、
図1は、トンネルにおける車両が走行する方向と直交する断面から見た状態が図示されている。また、
図4では、消火栓装置100の側面の一部が破断して内部が視認可能となった状態が図示されている。
【0025】
なお、各図では、X-Y-Z軸は相互に直交していることとし、Z軸が、垂直方向(つまり、消火栓装置100の設置状態における縦方向)を示しており、+Z方向を上方側と称し、また、-Z方向が下方側と称して説明する。また、Y軸が、水平方向(つまり、消火栓装置100の設置状態における横方向又は幅方向)を示しており、+Y方向を一方側と称し、また、-Y方向を他方側と称して説明する。また、X軸が、前後方向(つまり、消火栓装置100の設置状態における奥行方向)を示しており、+X方向を正面又は前方と称し、また、-X方向を背面又は後方と称して説明する。なお、ここでの+X方向が「監視領域側」に相当する。
【0026】
消火栓装置100は、例えば、
図1に示すように、トンネル内に設置される装置である。このトンネルには、例えば、車両等が通行する路面91、監視員が通行する監視員通路92、トンネル壁面93が設けられている。車両はY軸に沿って通行する。また、トンネル壁面93には、例えば、消火栓装置100を収容するための収容部94が設けられている。また、このトンネルには、消火栓装置100に消火用水を供給するための外部配管95が設けられている。そして、消火栓装置100は、収容部94に設置され、当該消火栓装置100の前方側(+X方向)が露出した状態となる。
【0027】
消火栓装置100は、
図2に示すように、例えば、筐体1、火災検知器81A、赤色表示灯82A、手動発信機83A、及び応答ランプ84Aを備える。
【0028】
(構成-筐体)
筐体1は、消火栓装置100の本体であり、具体的には、消火栓装置100の外形を形成するものである。この筐体1の具体的な構成は任意であるが、例えば、平面視において横方向(Y軸方向)に延在する箱形状のものである。なお、ここで図示されている例では、筐体1は、箱形状となっているが、これに限らず、例えば、筐体1の前方側(+X方向)以外については、枠体(つまり、骨組みのみ)として構成してもよい。また、筐体1は、例えば、消火器収納部11、消火栓部12、及びパネル部1A1、1A2を備える。
【0029】
(構成-筐体-消火器収納部)
消火器収納部11は、消火器を収納する空間であり、消火器扉111によって開閉可能となっている。本実施形態においては、消火器扉111の一部に透明な窓を設けており、収納状態の消火器外部から視認可能としている。
【0030】
(構成-筐体-消火栓部)
消火栓部12は、消火栓装置100の構成要素を収納する空間であり、消火栓扉121、及び保守扉122によって開閉可能となっている。また、消火栓部12は、
図3に示すように、ホース収納空間13、及び配管類収納空間14を備える。
【0031】
(構成-筐体-消火栓部-ホース収納空間)
ホース収納空間13は、前述のホース収納部であり、具体的には、放水ホース131を収納する空間であり、例えば、横方向(Y軸方向)において、区画壁13Aによって配管類収納空間14側と区画されている空間であり、また、区画壁13Bによって
図2の消火器収納部11側と区画されている空間である。そして、横方向(Y軸方向)において区画壁13Aから区画壁13Bに至る幅の略中央がホース収納空間13の横方向の中心である収納部中心130となる。なお、この収納部中心130については、説明の便宜上、一点鎖線にて図示されている。
【0032】
放水ホース131とは、消火栓装置100の外部から外部配管95及び消火栓接続口142を介して内部配管141に供給された消火用水を放水するための消火用ホースであり、例えば、一方の端部にノズル132が設けられており、また、他方の端部は、内部配管141側に接続されている。また、放水ホース131は、ホース収納空間13内に巻かれた状態で収納されている。放水時には、ノズル132を保持して放水ホース131を引き出しつつ、目的の放水地点に向けて放水する。
【0033】
(構成-筐体-消火栓部-配管類収納空間)
配管類収納空間14は、内部配管141等を収納する空間である。
図1の外部配管95が消火栓接続口142に接続されている。図示しないポンプ設備により、外部配管95から消火用水が消火栓接続口142を介して内部配管141に供給される。内部配管141は当該消火用水を、放水ホース131に供給するための配管である。また、内部配管141及び消火栓接続口142は、収納部中心130を基準にして、横方向の一方側(+Y方向)に設けられている「供給手段」を構成する。また、トンネル内には消火栓装置が例えば50m間隔で複数台設置されるが、このうち200m間隔に1台は給水栓144を備えている。給水栓144は消防隊の消火活動のための消火用水を供給するものであり、例えば、給水栓に消防用放水ホースを接続し、バルブハンドル148を回転操作することによりバルブを開いて開栓し、続いてポンプ起動スイッチ146を起動操作すると、防災センサー等に設置されている不図示の防災受信盤へポンプ起動信号が送信され、防災受信盤はこれを受信すると不図示のポンプを起動制御して外部配管95から給水栓144へ消火用水が供給されるようになる。外部配管95からは分岐配管を介して放水ホース131及び給水栓144の両方へ(或いは選択された一方へ)消火用水が供給できるようになっている。この分岐配管は内部配管141を構成する。ポンプ起動スイッチ146は、常時は保守扉122の裏側に位置して隠れており、一般の利用者が操作しないようにしている。このような給水栓144を備えた消火栓装置100における給水栓144、ポンプ起動スイッチ146、バルブハンドル148も「供給手段」を構成するものである。
【0034】
(構成-筐体-パネル部)
パネル部1A1、1A2は、筐体1における前方側(+X方向)における消火器扉111、消火栓扉121、及び保守扉122を避けた位置に固定して設けられている部分である。なお、このパネル部1A1、1A2における前方側(+X方向)の面は、例えば、監視領域であるトンネル内と対向しており、また、YZ平面に平行な面となっており、前述の「パネル面」に相当する。特に、パネル部1A1における前方側(+X方向)の面が、「第1パネル面」に相当し、また、パネル部1A2における前方側(+X方向)の面が、「第2パネル面」に相当する。本実施形態において、パネル部1A1、1A2は消火器扉111、消火栓扉121及び保守扉122と、監視領域側の面を略面一となるようにしている。なお、パネル部1A1、1A2は消火栓扉121、保守扉122と同様に扉構造としてもよい。
【0035】
(構成-火災検知器)
図5は、
図4の一部の拡大図であり、また、
図6は、
図2のA-A断面図である。なお、火災検知器81A自体は、公知の火災検知器を適用することができるので、
図6においては、一部の構成要素(傾斜基板814を支持する部材等)が、説明の便宜省略されている。また、火災検知器81Aは、横方向(Y軸方向)における当該火災検知器81Aの中心820を基準にして対称となっているので、図面左側の構成要素にみに符号を付して説明する。
【0036】
図2の火災検知器81Aは、後述する
図6の有効視野空間で発生する火災を検知して防災受信盤に火災検知信号を送信する装置である。この火災検知器81Aの具体的な構成は任意であるが、消火栓装置100の前方側(+X方向)に向けて一部が突出している。また、火災検知器81Aは、例えば、筐体1のパネル部1A1に設けられている。つまり、火災検知器81Aは、パネル部1A1に設けた開口から監視領域側(+X方向)に、後述する透光部812Aを突出して配置されている。また、火災検知器81Aは、例えば、赤色表示灯82A、手動発信機83A、及び応答ランプ84Aの近傍に設けられており、また、筐体1における
図3の収納部中心130よりも横方向における他方側(-Y方向)に設けられている。そして、火災検知器81Aは、例えば、縦方向(Z軸方向における)
図2の消火器収納部11の上方側(+Z方向)に設けられている。
【0037】
また、火災検知器81Aは、例えば、
図6の本体811、外カバー812、主基板813、傾斜基板814、及び検知素子815を備える。本体811は、火災検知器81Aの外形を形成するものである。外カバー812は、本体811と共に火災検知器81Aの外形を形成するものであり、一部(透光部812A)を除いて遮光性となっているものであり、透光部812Aを備えている。透光部812Aは、外部の光を通過させて、外カバー812の内部に当該光を入射させる光入射部であり、例えば、透光性の任意の材料(例えば、サファイアガラス等)にて形成されている部分である。主基板813は、火災検知器81Aの制御用の回路基板であり、筐体1のパネル部1A1、1A2と平行となっているものである。傾斜基板814は、火災検知器81Aの受光用の回路基板であり、主基板813に対して所定角度を有して傾斜しているものである。検知素子815は、火災からの光を検出するための例えば焦電素子であり、外カバー812の透光部812A、及び不図示の光学フィルタを介して外カバー812の外部(監視領域)から入射した光、例えば燃焼炎から放射されるCO
2共鳴放射波長帯域の赤外線を選択的に受光し、当該受光した赤外線エネルギーを電気信号に変換して出力する素子である。
【0038】
そして、この火災検知器81Aは、このような透光部812A及び検知素子815の構成により、
図6の有効視野空間内で発生する火災を検知することが可能となる。「有効視野空間」とは、火災検知器81Aが火災を正確に検知可能な空間であり、即ち前述した検知範囲である。具体的には、発生した光が透光部812Aへ有効入射できる空間であり、例えば、要求仕様等に基づいて予め定められている火災監視が必要とされる空間(監視領域)を含むものである。「有効入射」とは、例えば、火災検知器81Aにおいて火災を正確に検知できる程度の強度で光が入射することを示す概念である。つまり、有効視野空間内で火災の炎が発生した場合、当該炎の光は、当該火災を正確に検知できる程度の強度で火災検知器81Aの透光部812Aに入射することになる。
【0039】
また、「有効視野空間」について詳細には、例えば、
図6に示すように、平面視において、火災検知器81Aの側方の検知限界面810Bを境界として当該検知限界面810Bよりも前方側(+X方向)の空間である。検知限界面810Bとは、有効視野空間と有効視野空間以外の空間(つまり、火災に伴い発生した光が透光部812Aへ有効入射できない可能性のある空間)との境界となる面であり、従来一般的に、火災検知器の中心820を通るX方向断面(中心断面)とこの境界面との成す角θは90度を確保することが火災検知器81Aの要求仕様により定められている。本実施形態においてはθを90度よりやや大きい角度としている。また、火災検知器81Aの前方の検知限界面810Aは、監視領域側で火災検知器の中心断面と交わるようにしている。このように火災検知器81Aが構成されていることにより、火災検知器81AはY軸方向に180度以上を有効視野空間(検知範囲)とすることができ、有効視野空間内の監視領域で生じる火災を正確に検知することが可能となる。なお、火災検知器81Aは、例えばY軸方向に左右(+Y、-Y方向)各々50m、X軸方向(+X方向)に20mといった範囲を有効視野空間に収める。
【0040】
この火災検知器81Aは、
図6に図示されているように、例えば、本体811の一部である検知器側取付部811Aの貫通孔と筐体1のパネル部1A1に固定されている筐体側取付部1Bの螺合孔に対して取付ボルト811Bを挿通螺合させることにより、筐体1のパネル部1A1に取り付けられることとする。必要に応じボルト長に合わせ周知のスペーサ等を用いてよい。なお、ここで説明した火災検知器81Aを取り付ける手法は例示であり、他の任意の手法を用いて取り付けられることとしてもよい。
【0041】
(構成-赤色表示灯)
図2の赤色表示灯82Aは、通報装置であって表示部であり、具体的には、消火栓装置100の位置を表示して知らせるための装置である。この赤色表示灯82Aの具体的な構成は任意であるが、例えば、光源と、光源からの光を監視領域側へ透過する赤色のカバー部材とを備え、カバー部材が監視領域側に露出している。赤色表示灯82Aは、例えば、筐体1におけるパネル部1A2に設けられており、また、筐体1における
図3の収納部中心130よりも横方向における他方側(-Y方向)に設けられている。また、赤色表示灯82Aは、例えば、縦方向(gZ軸方向)において火災検知器81Aと高さが略同じ位置に設けられている。なお、ここでの「高さが略同じ位置」とは、赤色表示灯82Aの露出部と、火災検知器81Aの突出部とが縦方向(Z軸方向)において略同じ高さとなっていることを示す概念である。この場合、赤色表示灯82Aの露出部の表示部分の高さ寸法を火災検知器81Aの突出部の高さ寸法以下とすると火災検知器81Aが設置されている側の側方(-Y方向)からの赤色表示灯82Aの表示部の視認性が阻害されるため、赤色表示灯82Aの表示部の高さ寸法を火災検知器81Aの突出部の高さ寸法よりも相対的に大きくしてもよい。
【0042】
また、赤色表示灯82Aの露出部は、例えば、消火栓装置100の前方側(+X方向)に向けて突出している。なお、この赤色表示灯82Aにおける前方側(+X方向)への突出量は任意であるが、例えば、赤色表示灯82Aの露出部を含む外形の全部が少なくとも監視領域内、より好ましくは前述の有効視野空間(検知範囲)内に入らない程度の突出量に設定されていることとする。このように構成することにより、例えば、横方向における一方側(+Y方向)で火災が発生した場合であっても、赤色表示灯82Aが有効視野空間に入っていないので、火災検知器81A本来の火災検知性能を損なうことがない。
【0043】
(構成-手動発信機)
図2の手動発信機83Aは、通報装置であって操作部であり、具体的には、火災の発生を知らせるための装置であって、不図示の防災センタに設置されている防災受信盤に火災発生信号を電気的に送信する契機を発生させる装置であり、利用者に押下された場合に防災受信盤に対して火災発生信号を電気的に送信する装置である。この手動発信機83Aの具体的な構成は任意であるが、例えば、押しボタン等を備えている。また、手動発信機83Aは、例えば、筐体1におけるパネル部1A2に設けられており、また、筐体1における
図3の収納部中心130よりも横方向における他方側(-Y方向)に設けられている。
【0044】
(構成-応答ランプ)
図2の応答ランプ84Aは、通報装置であって表示部であり、具体的には、火災発生信号を不図示の防災センタ側に設置されている防災受信盤で受信して応答したことを知らせる装置である。この応答ランプ84Aの具体的な構成は任意であるが、例えば、光源等を備えている。また、応答ランプ84Aは、例えば、筐体1におけるパネル部1A2に設けられており、また、筐体1における
図3の収納部中心130よりも横方向における他方側(-Y方向)に設けられている。
【0045】
(構成-火災検知器、赤色表示灯、手動発信機、及び応答ランプの配線作業)
次に、火災検知器81A、赤色表示灯82A、手動発信機83A、及び応答ランプ84A(以下、これらの機器を「対象機器」と称する)の配線作業について説明する。この配線作業は任意であるので、概要のみ説明する。具体的には、公知の端子盤又は端子台を任意の位置(実施の形態1では、例えば、筐体1の内部にける火災検知器81Aの後方側(-X方向))に設け、各対象機器に電気的に接続されている導電線(例えば、信号線、あるいは、電力供給線)を当該端子盤又は端子台に配線することにより、この対象機器を当該端子盤又は端子台を介して所定の機器(例えば、防災受信盤等)と電気的に接続する。そして、ここでは、各対象機器が相互に近傍に設けられているので、配線作業を単純化することが可能となる。端子盤又は端子台は、例えば防水ケースに収容して結線部を露滴等から防護する。
【0046】
(動作)
次に、このように構成された消火栓装置100の動作について説明する。赤色表示灯82Aは、パネル部1A2からの露出部から監視領域側へ常時赤色光を出力することにより、消火栓装置100の位置を表示して利用者へ知らせる。また、火災発生時等にこれを発見した利用者が手動発信機83Aを押下した場合、防災受信盤へ火災発生信号が送信される(手動通報)。また、火災発生信号を防災受信盤で受信した後に、当該防災受信盤から消火栓装置100に応答信号が送信され、消火栓装置100の応答ランプ84Aを発光させる。また、消火栓装置100の周辺で火災が発生した場合、火災検知器81Aは、当該火災を検知し、防災受信盤へ火災検知信号を送信する(自動通報)。また、消火栓装置100の周辺の利用者が、
図2の消火栓扉121を開いて放水するための所定操作(例えば、ポンプ起動スイッチ146とは別に設けられたスイッチレバーの操作)を行った場合、この操作に応じて
図1の外部配管95側からの消火用水が、
図3の消火栓接続口142、内部配管141を介して放水ホース131に供給され、当該放水ホース131のノズル132から放水可能となる。
【0047】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、火災検知器81A、赤色表示灯82A、手動発信機83A、及び応答ランプ84Aが、相互に近傍に設けられていることにより、例えば、火災検知器81A、赤色表示灯82A、手動発信機83A、及び応答ランプ84Aの配線の引き回しを単純化することができ、配線作業を単純化し、またメンテナンス性を向上することが可能となる。
【0048】
また、内部配管141及び消火栓接続口142がホース収納空間13の収納部中心130を基準にして横方向の一方側(+Y)に設けられており、また、火災検知器81A、赤色表示灯82A、手動発信機83A、及び応答ランプ84Aがホース収納空間13の収納部中心130を基準にして横方向の他方側(-Y)に設けられていることにより、例えば、火災検知器81A、赤色表示灯82A、手動発信機83A、及び応答ランプ84Aを内部配管141及び消火栓接続口142から遠ざけることができるので、内部配管141及び消火栓接続口142周辺の水滴等に起因して火災検知器81A、赤色表示灯82A、手動発信機83A、及び応答ランプ84A側で漏電が発生するのを防止することが可能となる。本実施形態においては更に、
図3のように供給手段を消火栓装置100における筐体1の比較的下方(-Z)寄りに、そして火災検知器、通報装置、及び結線部としての端子盤又は端子台を比較的上方(+Z)寄りに配置しており、このため供給手段側からの水滴、露滴、或いは飛沫等が火災検知器、通報装置及びこれらに付随する電気的結線部に達して被水させ故障等を引き起こすことを、一層確実に防止できるので、火災発生後の早期段階に機能すべき火災検知器及び通報装置が機能不全に陥る事態を確実に回避することができる。
【0049】
また、消火栓装置100の構成要素の外形(例えば、赤色表示灯82A)は、火災検知器81Aの透光部812Aに対する有効視野空間に入らないことにより、例えば、火災検知器81Aを用いて火災を確実に検知することが可能となる。
【0050】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態では、火災検知器及び赤色表示灯が、縦方向において相互に高さが異なる位置に設けられている形態である。なお、実施の形態2では、本実施の形態で特徴的な構成についてのみ説明し、実施の形態1で説明した構成と同様な構成については、説明を省略する(他の実施の形態も同様とする)。また、実施の形態2の各要素は、特記する場合を除いて、実施の形態1の同一名称の要素と同様であることとする(他の実施の形態も同様とする)。
【0051】
(構成)
本実施の形態の消火栓装置の構成について説明する。なお、本実施の形態の消火栓装置の配線作業及び動作は、実施の形態1の消火栓装置100の配線作業及び動作と同様であるので、説明を省略する(他の実施の形態も同様とする)。
図7は、消火栓装置の正面図であり、また、
図8は、消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の正面図である。
【0052】
消火栓装置200は、
図1に示すように、実施の形態1の消火栓装置100と同様にしてトンネルに設置され、
図7に示すように、例えば、筐体2、火災検知器81B、赤色表示灯82B、手動発信機83B、及び応答ランプ84Bを備える。
【0053】
(構成-筐体)
筐体2は、例えば、消火器収納部21、消火栓部22、及びパネル部2Aを備える。なお、パネル部2Aにおける前方側(+X方向)の面が、「パネル面」に相当する。
【0054】
(構成-筐体-消火栓部)
消火栓部22は、
図8に示すように、ホース収納空間23、及び配管類収納空間24を備える。
【0055】
(構成-火災検知器)
図7の火災検知器81Bは、例えば、赤色表示灯82B、手動発信機83B、及び応答ランプ84Bの近傍に設けられており、また、パネル部2Aに設けられており、また、筐体2における
図8の収納部中心230よりも横方向における他方側(-Y方向)に設けられている。火災検知器81Bは、例えば、
図7の赤色表示灯82B等の上方側(+Z方向)に設けられている。
【0056】
(構成-赤色表示灯、手動発信機、及び応答ランプ)
図7の赤色表示灯82B、手動発信機83B、及び応答ランプ84Bは、通報装置であり、例えば、パネル部2Aに設けられており、また、筐体2における
図8の収納部中心230よりも横方向における他方側(-Y方向)に設けられている。また、通報装置のうち少なくとも赤色表示灯82B(
図7の形態にあっては通報装置の全部)は、例えば、縦方向(Z軸方向)において火災検知器81Bと高さが異なる位置に設けられており、赤色表示灯82Bの露出部の表示部分(のZ方向最上部から最下部までの長さ)の少なくとも一部(
図7の形態にあっては全部)が火災検知器81Bの突出部(のZ方向最上部から最下部までの長さ)に高さ方向で相互に重複していない配置、つまり、側面視で(+Y又は-Y側から見たときに)、赤色表示灯82Bの露出部の表示部分の少なくとも一部が高さ方向(Z軸方向)で火災検知器81Bの突出部に重ならない配置としている。
【0057】
ここで、
図7の形態では赤色表示灯82Bを筐体2の高さ方向(Z軸方向)の中心900の下方側(-Z方向)に配置しているが、中心900の上方側(+Z方向)に配置するのがより好ましい。この際、手動発信機83B及び応答ランプ84Bとの相対的位置を調整すればよいが、操作性や視認性、また電気的構成要素を相互に近傍に設けるという観点から、
図7及び
図8の図示に拘らず、手動発信機83B及び応答ランプ84Bも、支障のない範囲で上方(+Z方向)寄りに配置するのがよい。この点は他の実施形態についても同様である。
【0058】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、赤色表示灯82Bについての、消火栓装置200の横方向からの視認性を向上させることが可能となる。そして、各通報装置は火災検知器81Bの下方(-Z方向)に配置しているので、いずれかの通報装置がパネル部2Aからやや突出していても、路面91から上方へ立ち上がる火災炎が火災検知器81Bの有効視野空間内に入るので、また火災検知器の横方向には死角が生じないので確実に火災を検知することができる。また、本実施の形態によれば、実施の形態1の効果と同様な効果(つまり、例えば、配線作業性やメンテナンス性の向上効果、被水防止効果)も奏するが、実施の形態1で詳述したので、ここでの説明は省略する。
【0059】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。この実施の形態では、火災検知器が消火栓部に設けられている形態である。
【0060】
(構成)
本実施の形態の消火栓装置の構成について説明する。
図9は、消火栓装置の正面図であり、また、
図10は、消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の正面図である。
【0061】
消火栓装置300は、
図1に示すように、実施の形態1の消火栓装置100と同様にしてトンネルに設置され、
図9に示すように、例えば、筐体3、火災検知器81C、赤色表示灯82C、手動発信機83C、及び応答ランプ84Cを備える。
【0062】
(構成-筐体)
筐体3は、例えば、
図9に示すように、消火器収納部31、消火栓部32、及びパネル部3A1、3A2を備える。なお、パネル部3A1、3A2における前方側(+X方向)の面は、例えば、監視領域であるトンネル内と対向しており、また、YZ平面に平行な面となっており、前述の「パネル面」に相当する。特に、パネル部3A1における前方側(+X方向)の面が、「第1パネル面」に相当し、また、パネル部3A2における前方側(+X方向)の面が、「第2パネル面」に相当する。
【0063】
(構成-筐体-消火栓部)
消火栓部32は、
図10に示すように、ホース収納空間33、及び配管類収納空間34を備える。
【0064】
(構成-火災検知器)
図9の火災検知器81Cは、例えば、赤色表示灯82C、手動発信機83C、及び応答ランプ84Cの近傍に設けられており、また、パネル部3A1に設けられており、また、筐体3における
図10の収納部中心330よりも横方向における他方側(-Y方向)に設けられている。
【0065】
(構成-赤色表示灯、手動発信機、及び応答ランプ)
図9の赤色表示灯82C、手動発信機83C、及び応答ランプ84Cは、通報装置であり、例えば、パネル部3A2に設けられており、また、筐体3における
図10の収納部中心330よりも横方向における他方側(-Y方向)に設けられている。また、赤色表示灯82Cは、例えば、縦方向(Z軸方向)において火災検知器81Cと高さが略同じ位置に設けられている。ここで、消火栓部32以外の部分、即ち消火栓部32の-Y方向側の消火器収納部31及び通報装置を設けたパネル部3A2を含むユニットは、火災検知器を設けない従来の消火栓装置の一般的構成を適用している。
【0066】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、消火栓部32に火災検知器81Cを設けているので、消火栓部32以外の消火器収納部及び通報装置を設けたパネル部を含むユニットを従来と共通の構成とすることができ、生産効率を向上する。また、本実施の形態によれば、実施の形態1の効果と同様な効果(つまり、例えば、配線作業性やメンテナンス性の向上効果、被水防止効果)も奏するが、実施の形態1で詳述したので、ここでの説明は省略する。
【0067】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。この実施の形態では、火災検知器がパネル面の上方側に載置されており、且つ、火災検知器の光入射部及び、当該光入射部以外の部分の少なくとも一部が、パネル面よりも監視領域側に設けられている形態である。
【0068】
(構成)
本実施の形態の消火栓装置の構成について説明する。
図11及び
図12は、消火栓装置の設置状態を示す図であり、
図13は、消火栓装置の正面図であり、また、
図14は、消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の正面図であり、
図15は、消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の側面図である。なお、
図15では、消火栓装置400の側面の一部が破断して内部が視認可能となって状態が図示されている。
【0069】
消火栓装置400は、例えば、
図11に示すように、他の実施の形態の消火栓装置と同様に、トンネル壁面93の収容部94に設置されたり、あるいは、
図12に示すように、監視員通路92に埋め込んで設置されたりする。
【0070】
消火栓装置400は、
図13に示すように、例えば、筐体4、取付箱700、火災検知器81D、赤色表示灯82D、手動発信機83D、及び応答ランプ84Dを備える。
【0071】
(構成-筐体)
筐体4は、例えば、
図13に示すように、消火器収納部41、消火栓部42、及びパネル部4A2を備える。なお、パネル部4A2における前方側(+X方向)の面が、「パネル面」に相当し、特に、「第2パネル面」に相当する。
図13及び後述する
図14、
図15においてパネル部4A1(第1パネル面)とパネル部4A2(第2パネル面)はZ軸に平行となっている。
【0072】
(構成-筐体-消火栓部)
消火栓部42は、
図14に示すように、ホース収納空間43、及び配管類収納空間44を備える。
【0073】
(構成-取付箱)
取付箱700は、火災検知器81Dを筐体4に取り付けるための部材である。この取付箱700の具体的な構成は任意であるが、例えば、火災検知器81Dの透光部812A及び当該透光部812Aの周辺部以外の一部(例えば、
図6の本体811)を収容して筐体4に取り付けるためのものである。また、取付箱700は、例えば、パネル部4A1を備える。
【0074】
(構成-取付箱-パネル部)
パネル部4A1は、取付箱700における前方側(+X方向)に設けられている部分であり、また、
図15に示すように、筐体4における前方側(+X方向)の面よりも更に前方側(+X方向)に設けられている部分である。なお、パネル部4A1における前方側(+X方向)の面が、「パネル面」に相当し、特に、「第1パネル面」に相当する。
【0075】
(構成-火災検知器)
図13の火災検知器81Dは、例えば、赤色表示灯82D、手動発信機83D、及び応答ランプ84Dの近傍に設けられており、また、筐体4における
図14の収納部中心430よりも横方向における他方側(-Y方向)に設けられている。火災検知器81Dは、例えば、筐体4のパネル部4A2よりも上方側(+Z方向)に設けられており、且つ、火災検知器81Dは、
図15の筐体4のパネル部4A2における前方側(+X方向)の面よりも消火栓装置400の前方側(+X方向)の面よりも前方側(+X方向)に設けられている。
【0076】
この火災検知器81Dを設ける具体的な手法は任意であるが、例えば、
図14及び
図15に示すように、取付箱700を用いて筐体4に取り付ける手法を用いてもよい。より具体的には、例えば、火災検知器81Dの一部を取付箱700の開口部から露出させた状態で、火災検知器81Dを取付箱700のパネル部4A1に当該取付箱700の内部からボルト等の固定手段を用いて固定し、当該取付箱700を取付金具701等の固定手段を用いて筐体4の上部(+Z方向)に固定することにより取り付けることとしてもよい。そして、このようにして取り付けた場合、火災検知器81Dは、パネル部4A2の上方側(+Z方向)に載置される(つまり、筐体4の上部に載置される)ことになる。
【0077】
なお、ここでの取付金具701の構成を任意に変更してもよい。例えば、
図15の側面視において、取付箱700が斜め下方を向いた状態で取り付けられるように(つまり、パネル部4A1に垂直な線が前方(+X方向)で下方(-Z方向)に傾くように、即ち
図15の側面視において、角度α(図示においては90°)が90°より小さくなるように)、例えば当該取付金具701の構成を変更してもよい。あるいは、
図15の側面視において、取付箱700の下端部(-Z方向)におけるY軸に平行な回動軸を中心に、筐体4に対して取付箱700を回動させて所定角度で固定可能となるように、取付金具701の構成を変更してもよい。このように構成することにより、消火栓装置400を
図11に示す収容部94に設置する場合に、取付箱700がトンネル壁面93における曲率部分(収容部94の上部(+Z方向)の一部)と干渉することを防止することができる。
【0078】
なお、ここでは、
図15の側面視において、角度αが90°より小さくなるように、取付金具701の構成を変更してもよいと説明したが、ここでの角度については、取付箱700をトンネル壁面93における曲率部分と干渉させないように、任意の角度を選択してもよい。また、設置環境の各種事情に応じて角度αが90°より大きくなるように傾斜させることも妨げない。
【0079】
(構成-赤色表示灯、手動発信機、及び応答ランプ)
図13の赤色表示灯82D、手動発信機83D、及び応答ランプ84Dは、通報装置であり、例えば、筐体4における
図14の収納部中心430よりも横方向における他方側(-Y方向)に設けられている。また、通報装置のうち少なくとも赤色表示灯82D(
図13の形態にあっては通報装置の全部)は、例えば、縦方向(Z軸方向)において火災検知器81Dと高さが異なる位置に設けられており、赤色表示灯82Dの露出部の表示部分の少なくとも一部(
図13の形態にあっては全部)が火災検知器81Dの突出部に高さ方向で相互に重複していない配置としている。
【0080】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、火災検知器81Dはパネル部4A2の上方側に載置されていることにより、例えば、火災検知器81Dを比較的高い位置に設けることができるので、火災の検知精度又は検知範囲を向上又は拡大させることが可能となる。即ち、例えば監視領域の下部側(路面91側)の車両のヘッドライトからの光を近距離から火災検知器81Dが受光することによる火災検知精度の低下を抑制し、また例えば消火栓装置400前方付近での停止車両による死角の発生を低減し、更に、例えば火災検知器81Dを低い位置に設置することによる監視領域上方側の火災検出感度低下(検知範囲の縮小)を防止することが可能となる。また、火災検知器81Dの透光部812A及び当該火災検知器81Dの透光部812A以外の部分の少なくとも一部は、パネル部4A1よりも監視領域側(+X方向)に位置するように設けられていることにより、
図11に示すように、例えばトンネル壁面93の曲率の影響を避けて、同壁面に干渉しない位置に火災検知器81Dを設けることができる。また、例えば、
図12に示すように、消火栓装置400を監視員通路92の刳り貫き部に埋め込み設置する場合は、監視員通路92上の通行を妨げない位置に火災検知器81Dを配置することが可能となる。また、本実施の形態によれば、実施の形態1の効果と同様な効果(つまり、例えば、配線作業性やメンテナンス性の向上効果、被水防止効果)も奏するが、実施の形態1で詳述したので、ここでの説明は省略する。
【0081】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について説明する。この実施の形態では、火災検知器及び通報装置が、ホース収納部の横方向の中心を基準にして一方側に設けられている形態である。
【0082】
(構成)
本実施の形態の消火栓装置の構成について説明する。
図16は、消火栓扉及び保守扉を開いた状態の消火栓装置の正面図である。
【0083】
消火栓装置500は、
図1に示すように、実施の形態1の消火栓装置100と同様にしてトンネルに設置され、
図16に示すように、例えば、筐体5、火災検知器81E、赤色表示灯82E、手動発信機83E、及び応答ランプ84Eを備える。
【0084】
(構成-筐体)
筐体5は、例えば、消火器収納部51、消火栓部52、及びパネル部5A1、5A2を備える。なお、パネル部5A1、5A2における前方側(+X方向)の面は、例えば、監視領域であるトンネル内と対向しており、また、YZ平面に平行な面となっており、前述の「パネル面」に相当する。特に、パネル部5A1における前方側(+X方向)の面が、「第1パネル面」に相当し、また、パネル部5A2における前方側(+X方向)の面が、「第2パネル面」に相当する。
【0085】
(構成-筐体-消火栓部)
消火栓部52は、ホース収納空間53、及び配管類収納空間54を備える。
【0086】
(構成-火災検知器)
火災検知器81Eは、例えば、赤色表示灯82E、手動発信機83E、及び応答ランプ84Eの近傍に設けられており、また、パネル部5A1に設けられており、また、筐体5における収納部中心530よりも横方向における一方側(+Y方向)に設けられている。火災検知器81Eは、例えば、縦方向(Z軸方向)において内部配管141の上方側(+Z方向)に設けられている。
【0087】
(構成-赤色表示灯、手動発信機、及び応答ランプ)
赤色表示灯82E、手動発信機83E、及び応答ランプ84Eは、通報装置であり、例えば、また、パネル部5A2に設けられており、筐体5における収納部中心530よりも横方向における一方側(-Y方向)に設けられている。また、赤色表示灯82Eは、例えば、縦方向(Z軸方向)において火災検知器81Eと高さが略同じ位置に設けられている。
【0088】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、内部配管141及び消火栓接続口142がホース収納空間53の収納部中心530を基準にして横方向の一方側(+Y方向)に設けられており、また、火災検知器81E、赤色表示灯82E、手動発信機83E、及び応答ランプ84Eがホース収納空間53の収納部中心530を基準にして横方向の一方側(-Y方向)に設けられていることにより、例えば、内部配管141、消火栓接続口142、火災検知器81E、赤色表示灯82E、手動発信機83E、及び応答ランプ84Eのメンテナンスを、消火栓装置500の一方側(+Y方向)のみで行うことができるので、メンテナンス性を向上させることが可能となる。また、供給手段近傍に設けられた電気的構成要素であるポンプ起動スイッチ146(消防隊用給水栓からの放水を開始するための起動スイッチ)を備える場合には、ポンプ起動スイッチ146についても火災検知器81E及び通報装置の近傍に位置することになるため、火災検知器81E及び通報装置とあわせて電気的なメンテナンスを行うことが容易になる。
【0089】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0090】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の詳細に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0091】
(分散や統合について)
また、上述した構成は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。
【0092】
(各実施の形態の効果について)
また、上記各実施の形態については、以下の効果も奏する。例えば、実施の形態1の消火栓装置100においては、筐体1の内部における火災検知器81Aの後方側(-X方向))に公知の端子盤又は端子台を設けた場合に、当該端子盤又は端子台の前方側(+X方向)に火災検知器81Aが設けられることになるので、端子盤又は端子台周辺のデッドスペースを有効活用することが可能となる。また、実施の形態2の消火栓装置200においては、消火器収納部21に比較的長い消火器を収容することが可能となる。また、実施の形態3、4の消火栓装置300、400においては、従来の消火栓装置(例えば、火災感知器が設けられていない消火栓装置)に対する比較的少ない設計変更にて、本願の消火栓装置300、400を提供することが可能となる。また、実施の形態4の消火栓装置400においては、
図12の監視員通路92の刳り貫き部に消火栓装置400を設けた場合、火災検知器81Dを監視員通路92を避けた位置に設けることが可能となる。また、実施の形態5の消火栓装置500においては、供給手段と各対象機器を筐体5の一方側(+Y方向)にまとめることができるので、当該一方側で電気的なメンテナンス及び給水に関するメンテナンスを行うことができ、メンテナンス性を向上させることが可能となる。
【0093】
(有効視野空間と消火栓装置の構成要素との関係について)
また、上記実施の形態1では、赤色表示灯82Aが火災検知器81Aの有効視野空間に入らないものと説明したが、これに限らず、例えば、消火栓装置100における火災検知器81A以外の一部の構成要素(例えば、パネル部1A1、1A2等)、あるいは、全ての構成要素が火災検知器81Aの有効視野空間に入らないように構成してもよい。
【0094】
(赤色表示灯の突出量について)
また、上記実施の形態1では、
図1の赤色表示灯82Aが火災検知器81Aの有効視野空間に入らない程度に突出するものと説明したが、これに限らない。例えば、赤色表示灯82Aを突出させずに、筐体1のパネル部1A2と同一平面上に設けてもよいし、パネル部1A2に対して凹ませて設けてもよいし、あるいは、赤色表示灯82Aの視認性を向上させる観点から、火災検知器81Aの有効視野空間に入る程度突出させてもよい。この場合、例えば、赤色表示灯82Aの前方側(+X方向)への突出量が、火災検知器81Aの前方側(+X方向)への突出量よりも大きくなるように、構成してもよい。
【0095】
(表示灯の表示色について)
また、上記各実施の形態では、表示灯を赤色表示灯として説明したが、例えば、法律、規則、又は要求仕様に基づいて、表示灯の色を任意に変更してもよい。例えば、表示灯の発光色を緑色に変更して、赤色表示灯ではなく緑色表示灯として構成してもよいし、他の色を発光させるように構成してもよい。
【0096】
(ホース収納部の横方向の中心について)
また、上記実施の形態では、「ホース収納部の横方向の中心」が、
図3の横方向(Y軸方向)において区画壁13Aから13Bに至る幅の略中央であるものと説明したが、ここで、「区画壁」13A、13Bは必ずしも物理的な壁面である必要はなく、他の適宜の区画構造や、仮想的な区画境界を含むものである。また、「ホース収納部の横方向の中心」について以下のように解釈してもよい。具体的には、ホース収納部が区画壁によって区画されていない場合は、消火栓装置内に巻かれた状態で収納されている放水ホースの巻かれた部分のY軸方向における両端の距離の略中心を「ホース収納部の横方向の中心」と解釈してもよい。より具体的には、放水ホースの巻かれた部分における横方向(Y軸方向)における一方側(+Y方向)の端と他方側(-Y方向)の端との相互間の真ん中を通る縦方向(Z軸方向)に沿った仮想的な線を、「ホース収納部の横方向の中心」と解釈してもよい。また、放水ホースの巻かれた部分における略中心(巻き取り中心)を通る縦方向(Z軸方向)に沿った仮想的な線を、「ホース収納部の横方向の中心」と解釈してもよい。また、放水ホースの収まり具合等を考慮して、消火栓装置の設計時にホース収納空間の中心を定義することが想定されるが、この定義されたホース収納空間の中心を「ホース収納部の横方向の中心」と解釈してもよい。
【0097】
(特徴について)
また、上記実施の形態の構成、及び変形例の特徴を、任意に組み合わせてもよい。
【0098】
(付記)
付記1の消火栓装置は、トンネル内に設置される消火栓装置であって、光入射部を介して前記トンネル内の監視領域からの光を受光して火災を検知する火災検知器と、通報装置と、前記監視領域に面するパネル面と、を備え、前記火災検知器は、前記パネル面から前記監視領域側に前記光入射部を突出して配置され、前記通報装置は、少なくとも当該通報装置の一部を前記パネル面から前記監視領域側に露出して配置され、更に、前記火災検知器及び前記通報装置は、相互に近傍に設けられている。
【0099】
付記2の消火栓装置は、付記1に記載の消火栓装置において、前記消火栓装置の外部から消火用水が供給される供給手段と、前記供給手段に供給された消火用水を放水するための消火用ホースを収納するホース収納部と、を備えており前記供給手段は、前記消火栓装置の設置状態において前記ホース収納部の横方向の中心を基準にして、横方向の一方側に設けられており、前記火災検知器及び前記通報装置は、前記ホース収納部の横方向の中心を基準にして、横方向の他方側に設けられている。
【0100】
付記3の消火栓装置は、付記1に記載の消火栓装置において、前記消火栓装置の外部から消火用水が供給される供給手段と、前記供給手段に供給された消火用水を放水するための消火用ホースを収納するホース収納部と、を備えており前記供給手段は、前記消火栓装置の設置状態において前記ホース収納部の横方向の中心を基準にして、横方向の一方側に設けられており、前記火災検知器及び前記通報装置は、前記ホース収納部の横方向の中心を基準にして、横方向の一方側に設けられている。
【0101】
付記4の消火栓装置は、付記1から3の何れか一項に記載の消火栓装置において、前記パネル面は、前記火災検知器が配置される第1パネル面と、前記通報装置が配置される第2パネル面と、を備えており、前記火災検知器は、前記第2パネル面の上方側に載置され、前記火災検知器の前記光入射部及び、当該光入射部以外の部分の少なくとも一部は、少なくとも前記第1パネル面よりも前記監視領域側に位置するように設けられている。
【0102】
付記5の消火栓装置は、付記1から4の何れか一項に記載に消火栓装置において、前記火災検知器及び前記通報装置は、前記消火栓装置の設置状態における縦方向において相互に高さが異なる位置に設けられている。
【0103】
付記6の消火栓装置は、付記1から5の何れか一項に記載消火栓装置において、前記消火栓装置の構成要素の外形は、前記火災検知器の前記光入射部に対する有効視野空間に入らない。
【0104】
(付記の効果)
付記1に記載の消火栓装置によれば、火災検知器及び通報装置が、相互に近傍に設けられていることにより、例えば、火災検知器及び通報装置の配線の引き回しを単純化することができ、配線作業を単純化し配線作業効率を向上し、火災検知器と通報装置の配線確認等の作業も効率的に行うことが可能となる。
【0105】
付記2に記載の消火栓装置によれば、供給手段がホース収納部の横方向の中心を基準にして横方向の一方側に設けられており、また、火災検知器及び通報装置がホース収納部の横方向の中心を基準にして横方向の他方側に設けられていることにより、例えば、火災検知器及び通報装置を供給手段から離すことができるので、供給手段周辺の水滴等に起因して火災検知器及び通報装置側で漏電が発生するのを防止することが可能となる。
【0106】
付記3に記載の消火栓装置によれば、供給手段がホース収納部の横方向の中心を基準にして横方向の一方側に設けられており、また、火災検知器及び通報装置がホース収納部の横方向の中心を基準にして横方向の一方側に設けられていることにより、例えば、供給手段、及び火災検知器及び通報装置のメンテナンスを、消火栓装置の一方側のみで行うことができるので、メンテナンス性を向上させることが可能となる。また、供給手段近傍に設けられた電気的構成要素であるポンプ起動スイッチ(消防隊用給水栓からの放水を開始するための起動スイッチ)を備える場合には、ポンプ起動スイッチについても火災検知器及び通報装置の近傍に位置することになるため、火災検知器及び通報装置とあわせて電気的なメンテナンスを行うことが容易になる。
【0107】
付記4に記載の消火栓装置によれば、火災検知器は第2パネル面の上方側に載置されていることにより、例えば、火災検知器を比較的高い位置に設けることができるので、火災の検知精度又は検知範囲を向上又は拡大させることが可能となる。即ち、例えば監視領域の下部側(道路面側)の車両のヘッドライトからの光を近距離から火災検知器が受光することによる火災検知精度の低下を抑制し、また例えば消火栓装置前方付近での停止車両による死角の発生を低減し、更に火災検知器を低い位置に設置することによる監視領域上方側の火災検出感度低下(検知範囲の縮小)を防止することが可能となる。また、火災検知器の光入射部及び当該光入射部以外の部分の少なくとも一部は、パネル面よりも監視領域側に位置するように設けられていることにより、例えば、トンネル側壁面の曲率の影響を避けて、同壁面に干渉しない位置に火災検知器を設けることができる。また、例えば、消火栓装置を監視員通路の刳り貫き部に埋め込み設置する場合は、監視員通路上の通行を妨げない位置に火災検知器を配置することが可能となる。
【0108】
付記5に記載の消火栓装置によれば、火災検知器及び通報装置は、消火栓装置の設置状態における縦方向において相互に高さが異なる位置に設けられていることにより、例えば、火災検知器の横方向で発生した火災を確実に検出することが可能となる。また、通報装置の一例である表示手段(例えば、赤色表示灯、又は応答ランプ)についての、消火栓装置の横方向からの視認性を向上させることが可能となる。また、手動発信機についても同様に、利用者が操作を要する場合にその位置を横方向から視認するにあたって、火災検知器に妨げられることを防止することができる。
【0109】
付記6に記載の消火栓装置によれば、消火栓装置の構成要素の外形は、火災検知器の光入射部に対する有効視野空間に入らないことにより、例えば、火災検知器を用いて火災を確実に検知することが可能となる。
【符号の説明】
【0110】
1 筐体
1A1 パネル部
1A2 パネル部
1B 筐体側取付部
2 筐体
2A パネル部
3 筐体
3A1 パネル部
3A2 パネル部
4 筐体
4A1 パネル部
4A2 パネル部
5 筐体
5A1 パネル部
5A2 パネル部
11 消火器収納部
12 消火栓部
13 ホース収納空間
13A 区画壁
13B 区画壁
14 配管類収納空間
21 消火器収納部
22 消火栓部
23 ホース収納空間
24 配管類収納空間
31 消火器収納部
32 消火栓部
33 ホース収納空間
34 配管類収納空間
41 消火器収納部
42 消火栓部
43 ホース収納空間
44 配管類収納空間
51 消火器収納部
52 消火栓部
53 ホース収納空間
54 配管類収納空間
81A 火災検知器
81B 火災検知器
81C 火災検知器
81D 火災検知器
81E 火災検知器
82A 赤色表示灯
82B 赤色表示灯
82C 赤色表示灯
82D 赤色表示灯
82E 赤色表示灯
83A 手動発信機
83B 手動発信機
83C 手動発信機
83D 手動発信機
83E 手動発信機
84A 応答ランプ
84B 応答ランプ
84C 応答ランプ
84D 応答ランプ
84E 応答ランプ
91 路面
92 監視員通路
93 トンネル壁面
94 収容部
95 外部配管
100 消火栓装置
111 消火器扉
121 消火栓扉
122 保守扉
130 収納部中心
131 放水ホース
132 ノズル
141 内部配管
142 消火栓接続口
144 給水栓
146 ポンプ起動スイッチ
148 バルブハンドル
200 消火栓装置
230 収納部中心
300 消火栓装置
330 収納部中心
400 消火栓装置
430 収納部中心
500 消火栓装置
530 収納部中心
700 取付箱
701 取付金具
810A 検知限界面
810B 検知限界面
811 本体
811A 検知器側取付部
811B 取付ボルト
812 外カバー
812A 透光部
813 主基板
814 傾斜基板
815 検知素子
820 中心
900 中心
θ 角
α 角