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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144472
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20241003BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20241003BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20241003BHJP
【FI】
H02J7/00 303C
H02J50/20
H02J50/40
H02J7/00 301D
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024116995
(22)【出願日】2024-07-22
(62)【分割の表示】P 2023092933の分割
【原出願日】2015-01-27
(31)【優先権主張番号】P 2014017682
(32)【優先日】2014-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2014017776
(32)【優先日】2014-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 舜平
(57)【要約】
【課題】使用者が携帯する電子機器は、長時間使用することが望まれ、そのために大容量
のバッテリーを内蔵させればよい。電子機器に大容量のバッテリーを内蔵させると大容量
のバッテリーは大きく、重量がかさむ問題がある。また、体内に埋め込んで使用する電子
機器において、非常用電源を備えた電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器に複数のバッテリーを設け、異なるバッテリー間で無線充電を行う
送信部及び受信部を有し、電源管理回路によって臨機応変に充電または使用するバッテリ
ーを選択する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央演算処理部と、表示部と、受信部と、送信部と、電源管理回路とを有する電子機器であり、
前記中央演算処理部は、レギュレータと、第1のバッテリーと第1の受信部と第1の送信部とを有し、
前記レギュレータは、チャネル形成領域に酸化物半導体層を有するトランジスタを有し、
前記酸化物半導体層は、酸化インジウムであり、
前記第1の受信部は、前記第1のバッテリーに無線充電することができる機能を有し、
前記表示部は、第2のバッテリーと第2の受信部と第2の送信部を有し、
前記第2の受信部は、前記第2のバッテリーに無線充電することができる機能を有し、
前記受信部は、第3のバッテリーと第3の受信部と第3の送信部を有し、
前記第3の受信部は、前記第3のバッテリーに無線充電することができる機能を有し、
前記電源管理回路は、前記第1のバッテリー、前記第2のバッテリー、または、前記第3のバッテリーの少なくとも一つの電力を、前記第1のバッテリー、前記第2のバッテリーまたは前記第3のバッテリーのいずれかに無線充電することができる機能を有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一様態は、物、方法、又は、製造方法に関する。または、本発明は、プロセス、
マシン、マニュファクチャ、又は、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関する。
本発明の一態様は、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、照明装置、電子機器、
またはそれらの製造方法に関する。特に、電子機器およびそのオペレーションシステムに
関する。
【0002】
なお、本明細書中において電子機器とは、二次電池を有する装置全般を指し、二次電池
を有する電気光学装置、二次電池を有する情報端末などは全て電子機器である。
【背景技術】
【0003】
使用者が携帯する電子機器や、使用者が装着する電子機器が盛んに開発されている。
【0004】
使用者が携帯する電子機器や、使用者が装着する電子機器は、バッテリーを電源として動
作するため、消費電力を極力抑えている。特に電子機器にCPU(Central Pr
ocessing Unit)が含まれている場合、CPUは動作時に多くの電力を消費
するため、CPUの処理は消費電力に大きな影響を与える。
【0005】
プラスチックもしくはプラスチックフィルム基板に高機能集積回路(CPUなど)を有し
、無線で電力または信号の送受信を行う半導体装置が、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-32927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
使用者が携帯する電子機器は、長時間使用することが望まれ、そのために大容量のバッテ
リーを内蔵させればよい。電子機器に大容量のバッテリーを内蔵させると大容量のバッテ
リーは大きく、重量がかさむ問題がある。そこで携帯する電子機器に内蔵できる小型で大
容量のバッテリーの開発が進められている。なお、本明細書において、電子機器に内蔵と
いう定義は、取り外して交換できないように内蔵することは言うまでもなく、バッテリー
パックなどとして自由に取り外しできるものも内蔵と呼ぶ。
【0008】
また、あるCPUを含む電子機器における消費電力の詳細を説明する。消費電力は、大き
く分けてCPUによって消費される電力、CPU周辺のシステムによって消費される電力
、電子機器の内外に接続された複数の入出力機器および周辺機器によって消費される電力
、とに分けることができる。CPU周辺のシステムによって消費される電力には、コンバ
ータでのロス、配線パターンでのロス、及びバスやコントローラなどでの消費電力などが
含まれる。
【0009】
また、電子機器が小型化、薄型化すると、バッテリーもその制限を受ける。しかし、バッ
テリーは体積が小さくなると、容量が小さくなってしまう。従って、より小さなスペース
に回路やバッテリーなどを収納することとなる。
【0010】
また、バッテリーは、充電または放電によって発熱し、周囲に熱的影響を及ぼす恐れがあ
る。
【0011】
電子機器が小型化して、より小さなスペースに回路やバッテリーなどを収納するに従って
、消費電力と発熱をどう制御するかが、課題の一つとなっている。
【0012】
また、新規な構造の電子機器を提供する。具体的には、さまざまな外観形状にすることが
できる新規な構造の電子機器を提供する。より具体的には、体に装着して使用するウェア
ラブル型電子機器や、体内に埋め込んで使用する電子機器を提案する。
【0013】
特に、体内に埋め込んで使用する電子機器が何かの原因でバッテリーが破壊、消耗してし
まった場合には使用者に甚大な被害が及ぶ危険性がある。
【0014】
従って、使用者が携帯する電子機器、体に装着して使用するウェアラブル型電子機器、体
内に埋め込んで使用する電子機器において、非常用電源を備えた電子機器を提供する。
【0015】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一
態様は、必ずしも、これらの課題の全てを解決する必要はない。なお、これら以外の課題
は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図
面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
電子機器に使用する部品ごとにバッテリーを設け、複数の電源を有する電子機器とする。
複数の電源を有する電子機器として、使用する部品のみを選択的に駆動させるオペレーシ
ョンシステムにより、省電力化を図ることができる。
【0017】
また、電子機器は、上記複数の電源を管理するための電源管理回路(電源監視回路を含む
)を有する。
【0018】
本明細書で開示する構成は、中央演算処理部と、表示部と、受信部と、を有する電子機器
であって、中央演算処理部は、第1のバッテリーと第1の受信部とを有し、第1の受信部
は、第1のバッテリーに無線充電することができる機能を有し、表示部は、第2のバッテ
リーと第2の受信部とを有し、第2の受信部は、第2のバッテリーに無線充電することが
できる機能を有し、受信部は、第3のバッテリーと第3の受信部とを有し、第3の受信部
は、第3のバッテリーに無線充電することができる機能を有することを特徴とする電子機
器である。
【0019】
また、複数のバッテリー間で送受信可能な電子機器としてもよく、本明細書で開示する構
成は、中央演算処理部と、表示部と、受信部と、送信部と、電源管理回路とを有する電子
機器であり、中央演算処理部は、第1のバッテリーと第1の受信部と第1の送信部とを有
し、第1の受信部は、前記第1のバッテリーに無線充電することができる機能を有し、表
示部は、第2のバッテリーと第2の受信部と第2の送信部を有し、第2の受信部は、第2
のバッテリーに無線充電することができる機能を有し、受信部は、第3のバッテリーと第
3の受信部と第3の送信部を有し、第3の受信部は、第3のバッテリーに無線充電するこ
とができる機能を有し、電源管理回路は、第1のバッテリーの電力を第1の送信部から第
2のバッテリーまたは第3のバッテリーに無線充電することができる機能を有することを
特徴とする電子機器である。
【0020】
なお、それぞれのバッテリーには、それぞれ無線充電ができるように回路が接続されてお
り、少なくとも各二次バッテリーは、それぞれのレギュレータを介してそれぞれの無線受
信部と電気的に接続される構成とする。
【0021】
レギュレータとは、電子回路の一種であり、出力される電圧または電流を常に一定に保つ
ように制御する回路のことである。レギュレータは、電力負荷の程度などによって、リニ
アレギュレータとスイッチングレギュレータの2種類に分類される。なお、スイッチング
レギュレータはDCDCコンバータとも呼ばれる。
【0022】
さらに、あるバッテリーの電力を他のバッテリーに充電できる送信部をそれぞれ有してい
てもよい。また、それぞれのバッテリーの電力量を管理する電源管理回路は、定期的また
は常時にそれぞれのバッテリーの残量データを取得し、電力の調節を適宜行う。
【0023】
例えば、携帯電話や、スマートフォンなどの情報端末において、1つの電源を有している
デバイスは、その1つの電源をオフ状態にすると全部の機能が停止するが、電源をつけて
いる状態では、使っていない機能回路があっても待機状態であるので電力がわずかながら
も消費されてしまう。使っていない機能回路があれば、その使っていない機能回路とバッ
テリーの電気的接続をオフ状態とし、その分の消費電力を節約することができる。例えば
、情報端末の表示部に静止画のみを表示させる場合、使っていないCPUをオフ状態とす
るためにCPU用のバッテリーとの接続をオフ状態とし、使っている表示部の静止画を表
示するために駆動する回路用のバッテリーのみを使用する。この場合、この情報端末は、
静止画を表示しているもののCPUは動作させておらず、外から見てCPUの消費電力は
ゼロとみなすこともできる。
【0024】
このように、電子機器内の複数のバッテリーの中から使用する部品に対応するバッテリー
を適宜選択し、制御するオペレーションシステムにより、使用するバッテリーを決定し、
使用しないバッテリーの電力消費を抑えることで、1回の充電あたりの情報端末の使用可
能な時間を延長することができる。オペレーションシステムに関する本発明の構成は、第
1のバッテリーと、第2のバッテリーと、第3のバッテリーと、第1乃至第3のバッテリ
ーを管理する電源管理回路とを有し、無線を用いて、電源管理回路は、第1のバッテリー
から第2バッテリーまたは第3のバッテリーに電力を供給するオペレーションシステムで
ある。また、第1のバッテリーと、第2のバッテリーと、第3のバッテリーと、第1乃至
第3のバッテリーを管理する制御部とを有し、無線を用いて、第1、第2、及び第3のバ
ッテリーに、同時に充電を行うオペレーションシステムとしてもよい。
【0025】
さらに、電源管理回路によって、使用したい機能に接続されているバッテリーに他の使用
していない機能に接続されている他のバッテリーから電力を供給するように制御してもよ
い。電子機器内の複数のバッテリーの中から使用する部品に対応するバッテリーを適宜選
択し、それぞれのバッテリーの電力量を調節するオペレーションシステムにより、使用す
る機能の使用可能な時間を延長することができる。また、電源管理回路によって、いずれ
かのバッテリーを非常用電源として確保しておけば、電子機器を非常時に使用できるよう
にすることもできる。例えば、携帯電話などにおいては電源をオンすると表示部に画像を
表示させるため、その表示部に画像を表示する電力がなければ電話を掛けることができな
い場合がある。複数のバッテリーを有する電子機器とし、電源管理回路によって、あるバ
ッテリーを非常用電源として確保しておき、表示部への電力供給をオフ状態とし、通信機
能のみにその非常用電源を使用できるようにしておけば、表示部に画像を表示させること
なく通話が可能である。
【0026】
また、電子機器内部に小型のバッテリーを点在させ、外装体をフレキシブルな材料とすれ
ば、複雑な外観形状を有するフレキシブルなデバイスを実現できる。
【0027】
また、体に装着して使用するウェアラブル型電子機器において、小型のバッテリーを電子
機器内に点在させて配置することにより、一つの大きなバッテリーを有する電子機器より
も重量感を軽減することができる。また、個々の小型のバッテリーが発熱しても使用者の
装着感を阻害しない。
【0028】
また、人工臓器においても小型のバッテリーを電子機器内に点在させて配置することによ
り、形状に自由度を与えることができる。また、外装体をフレキシブルな材料とすれば、
フレキシブルな人工臓器を実現できる。フレキシブルな人工臓器とする場合、一つのバッ
テリーとするよりも複数のバッテリーに分けるほうが、曲がりやすい構成とする設計がで
きる。また、バッテリー1つとした場合よりも薄い人工臓器の外形形状を実現させる、或
いは小型化を図ることもできる。また、人工臓器の内部に点在させて配置したそれぞれの
バッテリーに無線充電できるようにすれば、電池が切れる前に定期的に人工臓器の摘出及
び埋め込みを繰り返す回数を低減できる。
【0029】
また、ペースメーカーや、人工内耳などの人工臓器においては、皮膚に埋め込んだ後に、
その人工臓器を埋め込んだ部分が盛り上がってしまい、皮膚が引っ張られ不自然な状態と
なりやすく、このような外見を気にする使用者も少なくない。従って、人工臓器の面積が
大きくなっても薄いほうがよく、小型のバッテリーを人工臓器内に点在させて配置するこ
とで、皮膚に埋め込んだ後、その部分が盛り上がることを抑えることは有用である。
【0030】
また、人工臓器などのように何かの原因でバッテリーが破壊、消耗してしまった場合には
使用者に甚大な被害が及ぶ危険性があるため、非常用電源を有していることは有用である
。人工臓器に複数のバッテリーを設け、それらを管理するための電源管理回路によって使
用できないバッテリー以外のバッテリーを用いて外部(例えば使用者の情報端末)に緊急
信号などを送信できることが望ましい。バッテリーに異常があるかどうかは判断しにくく
、あるバッテリーを非常用電源にすることを決定した人工臓器とする場合、そのバッテリ
ーが使えなくなってしまうと非常用電源の意味をなさなくなる恐れがある。電源管理回路
によって異常のあるバッテリーを特定してそのバッテリーからの電力供給を停止し、他の
バッテリーを非常用電源として選択し、緊急信号などを送信することは有用である。即ち
、電源管理回路によって臨機応変に使用するバッテリーを選択することが有用である。勿
論、使用者が電源管理回路に命令をして使用するバッテリーを選択することもできる。
【0031】
また、曲面や、複雑な形状を有する電子機器の場合、大型のバッテリーを一つ使用する場
合、そのバッテリーの配置に制限があり、大型のバッテリーによってデザイン性が損なわ
れる恐れがある。特にウェアラブルな電子機器、例えば腕に巻くような薄型の電子機器の
場合、大型のバッテリーを曲げることは困難である。複数の小型バッテリーを腕に巻くよ
うな薄型の電子機器に点在して配置すれば、個々の小型バッテリーを曲げることなく薄型
の電子機器に搭載することができる。また、ウェアラブルな電子機器は肌にも近いため、
大型のバッテリーで発熱がある場合、使用者が違和感を覚える恐れがあるが、小型のバッ
テリーを点在させて配置すれば、一つ当たりの発熱量を抑えることもできる。また、小型
のバッテリーを点在させて配置すれば、爆発などの危険性を抑えることができ、大型のバ
ッテリーよりも安全性も高い。
【0032】
電子機器を携帯していて使用者が落下させた場合、大型のバッテリーが一つであると、そ
のバッテリーの破損により電子機器の全機能が使用できなくなる。複数の小型のバッテリ
ーを用いる場合、小型のバッテリーの一つが破損しても、すくなくとも一つの小型バッテ
リーが使用できれば、一部の機能が使用できる。このように、部品ごとに小型バッテリー
を設けて複数の小型バッテリーを有する電子機器は、一部が壊れても一部使用できるため
、壊れにくい電子機器を実現できる。
【0033】
また、小型のバッテリーの一つが破損または電力量がゼロとなっても電源管理回路によっ
て、他のバッテリーで代用することで電子機器を使用することができる。また、小型のバ
ッテリーの一つの電力量がゼロとなっても電源管理回路によって、他のバッテリーに接続
された送信部から無線充電によって電力を供給して充電し、長時間の使用を可能とするこ
とができる。即ち、互いのバッテリーの電力を相互に供給しうる電源管理回路を有する電
子機器を実現できる。
【0034】
また、バッテリーは充電を繰り返す回数で劣化が進むデバイスである。電源管理回路によ
って充電する回数を調節または使用するバッテリーを適宜選択することによって、バッテ
リーの使用期間を延長させることができる。また、バッテリーの劣化の程度も電源管理回
路によって監視し、そのバッテリーの劣化の程度に合わせて電源管理回路が適宜使用する
バッテリーを選択することによっても電子機器の使用期間を延長させることができる。
【0035】
また、電子機器内に設けた複数の小型バッテリーは、少なくとも一つは、二次電池とし、
無線充電が可能なものを用いることが好ましい。
【0036】
二次電池としては、リチウムポリマー電池などのリチウムイオン二次電池、リチウムイオ
ンキャパシタ、電気二重層キャパシタ、レドックスキャパシタのいずれか一、または複数
種用いることができる。電子機器は、無線により電力を受電するアンテナと、受電された
電力を機能回路に供給する制御手段とを有している。
【0037】
また、電子機器に含まれるアンテナは、非接触充電機能を実現する通信モジュールを構成
する。通信モジュールは、Qi(チー)またはPowermatのような規格に対応する
充電方式を用いてもよい。また、充電する際には、複数のバッテリーに対して同時に充電
するように制御してもよい。また、電子機器に含まれるアンテナは、近距離無線通信機能
実現する通信モジュールを構成してもよい。
【0038】
また、小型のバッテリーを電子機器内に点在させて配置する電子機器にMEMSを組み合
わせることができる。例えば、MEMSを用いたセンサと検出回路とに供給する小型バッ
テリーと、CPUに供給する小型バッテリーと、センサで検出したデータを記憶するメモ
リに供給する小型バッテリーとを有する電子機器を実現できる。
【0039】
また、電子機器に複数種のセンサを搭載する場合、使用する部品ごとにバッテリーを設け
るため、使用者が使用したいセンサを選択的に搭載、または脱着を行うことができる。例
えば、腕に装着する電子機器に脈拍センサ、温度センサ、位置情報検出センサ(GPSな
ど)、加速度センサ、及び角速度センサなどが制御できる制御回路と、これらを接続する
ための接続部(接続用ソケット)を設けておけば、使用者が使いたい機能に合わせてセン
サを選択し、そのセンサを電子機器に接続すればよい。この場合、それぞれのセンサに小
型バッテリーとレギュレータを有しており、多くの機能を使用すればするほど多くの小型
バッテリーが接続され、複数の小型バッテリーを有する電子機器となる。
【0040】
また、レギュレータに用いるトランジスタとして酸化物半導体層を用いるトランジスタ(
OSトランジスタとも呼ぶ)を用いると、オフ電流が小さいため、省電力化を図ることが
できる。特に、OSトランジスタで制御回路が構成されたレギュレータ(DC-DCコン
バータ)は、150℃以上の高温下でも動作可能である。よって、このようなDC-DC
コンバータは、動作時に温度が上昇する可能性が高い電子機器に好適である。
【0041】
OSトランジスタのチャネル形成領域となる酸化物半導体層に用いる酸化物半導体として
は、少なくともインジウム(In)または亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。特にIn
及びZnを含むことが好ましい。また、それらに加えて、酸素を強く結びつけるスタビラ
イザーを有することが好ましい。スタビライザーとしては、ガリウム(Ga)、スズ(S
n)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)及びアルミニウム(Al)の少なくと
もいずれかを有すればよい。
【0042】
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(
Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム
(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホル
ミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ル
テチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を有してもよい。
【0043】
OSトランジスタの酸化物半導体層は、以下の酸化物から形成することができる。例えば
、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、In-Zn系酸化物、Sn-Zn系酸化物、A
l-Zn系酸化物、Zn-Mg系酸化物、Sn-Mg系酸化物、In-Mg系酸化物、I
n-Ga系酸化物、In-Ga-Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In-Al-
Zn系酸化物、In-Sn-Zn系酸化物、Sn-Ga-Zn系酸化物、Al-Ga-Z
n系酸化物、Sn-Al-Zn系酸化物、In-Hf-Zn系酸化物、In-Zr-Zn
系酸化物、In-Ti-Zn系酸化物、In-Sc-Zn系酸化物、In-Y-Zn系酸
化物、In-La-Zn系酸化物、In-Ce-Zn系酸化物、In-Pr-Zn系酸化
物、In-Nd-Zn系酸化物、In-Sm-Zn系酸化物、In-Eu-Zn系酸化物
、In-Gd-Zn系酸化物、In-Tb-Zn系酸化物、In-Dy-Zn系酸化物、
In-Ho-Zn系酸化物、In-Er-Zn系酸化物、In-Tm-Zn系酸化物、I
n-Yb-Zn系酸化物、In-Lu-Zn系酸化物、In-Sn-Ga-Zn系酸化物
、In-Hf-Ga-Zn系酸化物、In-Al-Ga-Zn系酸化物、In-Sn-A
l-Zn系酸化物、In-Sn-Hf-Zn系酸化物、In-Hf-Al-Zn系酸化物
等がある。
【0044】
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1、In:Ga:Zn=3:1:2、あるいはIn
:Ga:Zn=2:1:3の原子数比のIn-Ga-Zn系酸化物やその組成の近傍の酸
化物を用いるとよい。
【0045】
チャネル形成領域を構成する酸化物半導体膜に水素が多量に含まれると、酸化物半導体と
結合することによって、水素の一部がドナーとなり、キャリアである電子を生じてしまう
。これにより、トランジスタの閾値電圧がマイナス方向にシフトしてしまう。そのため、
酸化物半導体膜の形成後において、脱水化処理(脱水素化処理)を行い酸化物半導体膜か
ら、水素、または水分を除去して不純物が極力含まれないように高純度化することが好ま
しい。
【0046】
なお、酸化物半導体膜への脱水化処理(脱水素化処理)によって、酸化物半導体膜から酸
素が減少してしまうことがある。よって、酸化物半導体膜への脱水化処理(脱水素化処理
)によって増加した酸素欠損を補填するため酸素を酸化物半導体膜に加える処理を行うこ
とが好ましい。本明細書等において、酸化物半導体膜に酸素を供給する場合を、加酸素化
処理と記す場合がある、または酸化物半導体膜に含まれる酸素を化学量論的組成よりも多
くする場合を過酸素化処理と記す場合がある。
【0047】
このように、酸化物半導体膜は、脱水化処理(脱水素化処理)により、水素または水分が
除去され、加酸素化処理により酸素欠損を補填することによって、i型(真性)化または
i型に限りなく近く実質的にi型(真性)である酸化物半導体膜とすることができる。な
お、実質的に真性とは、酸化物半導体膜中にドナーに由来するキャリアが極めて少なく(
ゼロに近く)、キャリア密度が1×1017/cm以下、1×1016/cm以下、
1×1015/cm以下、1×1014/cm以下、1×1013/cm以下、8
×1011/cm未満、1×1011/cm未満であることをいう。また、キャリア
密度の下限値は1×10-9/cm以上である。
【0048】
また、このように、i型または実質的にi型である酸化物半導体膜を備えるトランジスタ
は、極めて優れたオフ電流特性を実現できる。例えば、酸化物半導体膜を用いたトランジ
スタがオフ状態のときのドレイン電流を、室温(25℃程度)にて1×10-18A以下
、好ましくは1×10-21A以下、更に好ましくは1×10-24A以下、または85
℃にて1×10-15A以下、好ましくは1×10-18A以下、更に好ましくは1×1
-21A以下とすることができる。なお、トランジスタがオフ状態とは、nチャネル型
のトランジスタの場合、ゲート電圧が閾値電圧よりも十分小さい状態をいう。具体的には
、ゲート電圧が閾値電圧よりも1V以上、2V以上または3V以上小さければ、トランジ
スタはオフ状態となる。
【0049】
また、成膜される酸化物半導体は、例えば非単結晶を有してもよい。酸化物半導体は、例
えばCAACを有してもよい。なお、CAACを有する酸化物半導体を、CAAC-OS
(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semico
nductor)と呼ぶ。CAAC-OSは、例えば、複数の結晶部を有し、当該複数の
結晶部においてc軸が被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に
揃っている場合がある。
【0050】
また、電子機器に使用する部品ごとにバッテリーを設け、複数の電源を有する電子機器は
、オペレーションシステムにも特徴を有している。例えば、オペレーションシステムは、
第1のバッテリーと、第2のバッテリーと、第3のバッテリーと、これらのバッテリーを
管理する制御部とを有し、無線を用いて同時に充電を行うことができる。また、オペレー
ションシステムは、少なくとも複数の電源(二次電池など)と、CPUなどの制御部とを
有し、制御部によって複数の電源の電力を管理する。また、電子機器の制御部は、1つに
限定されず、例えば、複数の電源の数と同じ数設けてもよい。
【0051】
また、複数の電源を有する電子機器のオペレーションシステムは、第1のバッテリーと、
第2のバッテリーと、第3のバッテリーと、第1乃至第3のバッテリーを管理する電源管
理回路とを有し、無線を用いて、第1のバッテリーは、第2のバッテリーまたは第3のバ
ッテリーに電力を供給するオペレーションシステムである。電源管理回路は、各バッテリ
ーの電力量を監視し、ある一つのバッテリーから他のバッテリーに電力を無線で供給して
充電することを自動または使用者の操作によって適宜実行することができる。
【発明の効果】
【0052】
複数のバッテリーを有し、互いのバッテリーの電力を相互に供給しうる電源管理回路を有
する電子機器を実現できる。この場合、複数のバッテリーのうち一つのバッテリーを交換
することで、他のバッテリーを交換することなく充電を行うこともできる。また、外部か
らの無線充電を複数のバッテリーのうち一つのバッテリーに対して充電を行った後、電源
管理回路によって外部からの充電を停止し、電子機器内部で他のバッテリーに無線充電を
行うことを繰り返すことで全てのバッテリーを満充電にすることもできる。
【0053】
電子機器に使用する部品ごとにバッテリーを設け、使用する部品のみを選択的に駆動させ
るオペレーションシステムにより、省電力化を図ることができる。また、新規な構造の電
子機器を実現する。なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない
。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、
これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるもので
あり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】本発明の一態様を示すブロック図である。
図2】本発明の一態様を示す電子機器を説明する図である。
図3】本発明の一態様を示すブロック図である。
図4】本発明の一態様を示す電子機器を説明する図である。
図5】本発明の一態様を示す電子機器を説明する図である。
図6】本発明の一態様を示す電子機器を説明する図である。
図7】本発明の一態様を示す電子機器を説明する図である。
図8】本発明の一態様を示すブロック図である。
図9】本発明の一態様を示す電子機器を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は
以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれ
ば容易に理解される。また、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈さ
れるものではない。
【0056】
(実施の形態1)
本実施の形態では、携帯情報端末などのデバイスの例を以下に説明する。
【0057】
図1は、デバイス110のブロック図を示している。
【0058】
本実施の形態にかかるデバイス110は、制御モジュール115と、表示モジュール12
1と、通信モジュール126と、電源管理回路127を有する。制御モジュール115は
、デバイス110全体の制御と、通信や、表示部116への情報の表示を制御するコント
ローラである。
【0059】
制御モジュール115は、CPU111、バッテリー112、レギュレータ113、無線
受信部114、及び無線送信部128を有する。
【0060】
また、表示モジュール121は、表示部116、表示駆動回路119、バッテリー117
、レギュレータ118、無線受信部120、及び無線送信部129を有する。また、図1
では、デバイス110が表示部116を有する例を示したが特に限定されず、表示部11
6に代えて他の機能部、例えばセンサ部などとすることもできる。
【0061】
また、通信モジュール126は、通信回路122、バッテリー123、レギュレータ12
4、無線受信部125、及び無線送信部130を有する。
【0062】
各モジュールは、それぞれレギュレータとバッテリーを有している。各レギュレータは、
接続されているバッテリーの電源を使って各機能回路に必要な電力または信号を生成し、
各機能回路に供給する。また、バッテリーへの充電時には、レギュレータは過充電などを
防止することもできる。また、図1では、一つのレギュレータに無線受信部及び無線送信
部が接続されている例を示しているが、無線受信部用のレギュレータと、無線送信部用の
レギュレータと別々に接続してもよい。
【0063】
デバイス110は、電源管理回路127によって、互いのバッテリーの電力を相互に供給
しうる。また、電源管理回路127は、バッテリー112、117、123の電力量を監
視し、ある一つのバッテリーから他のバッテリーに電力を無線で供給して充電することを
自動または使用者の操作によって適宜実行することができる。
【0064】
また、デバイス110は、それぞれのモジュールを独立してオン状態、或いはオフ状態と
することができる。使用するモジュールのみを選択的に駆動させるオペレーションシステ
ムにより、デバイス110の省電力化を図ることができる。
【0065】
例えば、使用者が通信機能を用いることなく、表示部116で情報を見る場合、通信モジ
ュール126においては、通信回路122への電力を遮断し、バッテリー123を使わな
いオフ状態とし、表示モジュール121及び制御モジュール115をオン状態とする。
【0066】
さらに、静止画であれば、表示モジュール121及び制御モジュール115をオン状態と
して表示部116で静止画を表示させた後、静止画を表示させたまま制御モジュール11
5をオフ状態としても、表示モジュール121のみをオン状態として静止画を表示し続け
ることができる。なお、表示部116のトランジスタがオフ電流の低い酸化物半導体層(
例えばIn、Ga、及びZnを含む酸化物材料など)を用いる、または画素ごとにメモリ
を有する構成とすれば、静止画表示後にバッテリー117からの電力供給を遮断しても一
定時間の間であれば、静止画を表示しつづけることもできる。
【0067】
また、本実施の形態では、表示モジュール121、制御モジュール115、及び通信モジ
ュール126がそれぞれバッテリーを有する例を示したが、特に合計3つのバッテリーに
限定されず、さらに機能モジュール及びそのバッテリーを加えて4つ以上のバッテリーを
有する電子機器としてもよい。
【0068】
図2に電子機器の一例としてバッテリーを4つ有する情報端末の例を示す。
【0069】
図2に示す電子機器8000は、上部カバー8001と下部カバー8002との間に、
FPC8003に接続されたタッチパネル8004、FPC8005に接続された表示パ
ネル8016、バックライトユニット8007、フレーム8009、プリント基板801
0、CPU8011、電源管理回路8116、バッテリー8012a、8012b、80
12c、8012dを有する。
【0070】
上部カバー8001及び下部カバー8002は、タッチパネル8004及び表示パネル
8016のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
【0071】
タッチパネル8004は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネル
8016に重畳して用いることができる。また、表示パネル8016の対向基板(封止基
板)に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。また、表示パネル8
016の各画素内に光センサを設け、光学式のタッチパネルとすることも可能である。タ
ッチパネル8004は、プリント基板とFPC8003を介して接続されており、そのプ
リント基板には、バッテリー8012aとレギュレータ8021と送受信部8119など
を有している。なお、本実施の形態では、送受信部8119として簡略化のため一つに図
示しているが、送信部と受信部とをそれぞれ分かれており、一部共通の回路や配線を有し
ていてもよい。この送受信部8119は無線充電用のアンテナまたは無線送信用のアンテ
ナを有しており、外部から無線で供給される電力はレギュレータを介してバッテリー80
12aに充電される。このバッテリー8012aを主に用いてタッチパネル8004は駆
動する。また、電源管理回路8116の指示によりバッテリー8012aの電力が送受信
部8119を介して他のバッテリーに送信されてそのバッテリーが充電される。
【0072】
また、表示パネル8016は、アクティブマトリクス方式の液晶表示モジュールであり、
プリント基板とFPC8005を介して接続されている。このプリント基板には、バッテ
リー8012b、レギュレータ8018、送受信部8120などを有している。この送受
信部8120は無線充電用のアンテナまたは無線送信用のアンテナを有しており、外部か
ら無線で供給される電力はレギュレータを介してバッテリー8012bに充電される。こ
のバッテリー8012bを主に用いて表示パネル8016は表示領域に映像を表示する。
また、電源管理回路8116の指示によりバッテリー8012bの電力が送受信部812
0を介して他のバッテリーに送信されてそのバッテリーが充電される。
【0073】
バックライトユニット8007は、LEDなどの光源8008を有する。また、バック
ライトユニット8007は、プリント基板とFPCを介して接続されている。このプリン
ト基板には、バッテリー8012c、レギュレータ8017、送受信部8115などを有
している。また、電源管理回路8116の指示によりバッテリー8012cの電力が送受
信部8115を介して他のバッテリーに送信されてそのバッテリーが充電される。
【0074】
なお、図2において、バックライトユニット8007上に光源8008を配置する構成に
ついて例示したが、これに限定さない。例えば、バックライトユニット8007の端部に
光源8008を配置し、さらに光拡散板を用いる構成としてよい。
【0075】
なお、バックライトユニット8007は、表示パネル8016が有機EL素子を用いた
表示装置や、反射型の液晶表示装置の場合、設けない構成としてもよい。バックライトユ
ニット8007は、例えば、透過型の液晶表示装置、または半透過型の液晶表示装置の場
合、設けられる。
【0076】
なお、表示パネル8016として、表示素子、表示素子を有する装置である表示装置、
発光素子、及び発光素子を有する装置である発光装置などには、様々な形態を用いること
、又は様々な素子を有することが出来る。表示素子、表示装置、発光素子又は発光装置は
、例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)素子(有機物及び無機物を含むEL素子、
有機EL素子、無機EL素子)、LED(白色LED、赤色LED、緑色LED、青色L
EDなど)、トランジスタ(電流に応じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、液晶
素子、電子インク、電気泳動素子、グレーティングライトバルブ(GLV)、プラズマデ
ィスプレイ(PDP)、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)を用
いた表示素子、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、DMS(デジタル・マイク
ロ・シャッター)、MIRASOL(登録商標)、IMOD(インターフェアレンス・モ
ジュレーション)素子、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のMEMS表示
素子、エレクトロウェッティング素子、圧電セラミックディスプレイ、カーボンナノチュ
ーブを用いた表示素子などの少なくとも一つを有している。これらの他にも、電気的また
は磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化する表示媒体を有
していてもよい。EL素子を用いた表示装置の一例としては、ELディスプレイなどがあ
る。電子放出素子を用いた表示装置の一例としては、フィールドエミッションディスプレ
イ(FED)又はSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface-condu
ction Electron-emitter Display)などがある。液晶素
子を用いた表示装置の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透
過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶
ディスプレイ)などがある。電子インク、電子粉流体(登録商標)、又は電気泳動素子を
用いた表示装置の一例としては、電子ペーパーなどがある。なお、半透過型液晶ディスプ
レイや反射型液晶ディスプレイを実現する場合には、画素電極の一部、または、全部が、
反射電極としての機能を有するようにすればよい。例えば、画素電極の一部、または、全
部が、アルミニウム、銀、などを有するようにすればよい。さらに、その場合、反射電極
の下に、SRAMなどの記憶回路を設けることも可能である。これにより、さらに、消費
電力を低減することができる。
【0077】
なお、表示パネル8016において、画素に能動素子を有するアクティブマトリクス方
式、または、画素に能動素子を有しないパッシブマトリクス方式を用いることが出来る。
【0078】
アクティブマトリクス方式では、能動素子(アクティブ素子、非線形素子)として、ト
ランジスタだけでなく、さまざまな能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用いるこ
とが出来る。例えば、MIM(Metal Insulator Metal)、又はT
FD(Thin Film Diode)などを用いることも可能である。これらの素子
は、製造工程が少ないため、製造コストの低減、又は歩留まりの向上を図ることができる
。または、これらの素子は、素子のサイズが小さいため、開口率を向上させることができ
、低消費電力化や高輝度化をはかることが出来る。
【0079】
アクティブマトリクス方式以外のものとして、能動素子(アクティブ素子、非線形素子
)を用いないパッシブマトリクス型を用いることも可能である。能動素子(アクティブ素
子、非線形素子)を用いないため、製造工程が少ないため、製造コストの低減、又は歩留
まりの向上を図ることができる。または、能動素子(アクティブ素子、非線形素子)を用
いないため、開口率を向上させることができ、低消費電力化、又は高輝度化などを図るこ
とが出来る。
【0080】
なお、表示パネル8016などにおいて、トランジスタが使用されている場合、様々な
基板を用いて、トランジスタを形成することが出来る。基板の種類は、特定のものに限定
されることはない。その基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコ
ン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレ
ス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タング
ステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙
、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス
、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板、貼り合
わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下のものがあげられる。例えば、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエー
テルサルフォン(PES)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、ア
クリル等の合成樹脂などがある。または、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル
、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミ
ド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。特に、
半導体基板、単結晶基板、又はSOI基板などを用いてトランジスタを製造することによ
って、特性、サイズ、又は形状などのばらつきが少なく、電流能力が高く、サイズの小さ
いトランジスタを製造することができる。このようなトランジスタによって回路を構成す
ると、回路の低消費電力化、又は回路の高集積化を図ることができる。
【0081】
また、基板として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、トランジスタを形成して
もよい。または、基板とトランジスタの間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に
半導体装置を一部あるいは全部完成させた後、基板より分離し、他の基板に転載するため
に用いることができる。その際、トランジスタは耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも転
載できる。なお、上述の剥離層には、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜との無機
膜の積層構造の構成や、基板上にポリイミド等の有機樹脂膜が形成された構成等を用いる
ことができる。
【0082】
つまり、ある基板を用いてトランジスタを形成し、その後、別の基板にトランジスタを転
置し、別の基板上にトランジスタを配置してもよい。トランジスタが転置される基板の一
例としては、上述したトランジスタを形成することが可能な基板に加え、紙基板、セロフ
ァン基板、アラミドフィルム基板、ポリイミドフィルム基板、石材基板、木材基板、布基
板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若し
くは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮
革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、特性のよいトラン
ジスタの形成、消費電力の小さいトランジスタの形成、壊れにくい装置の製造、耐熱性の
付与、軽量化、又は薄型化を図ることができる。
【0083】
なお、表示パネル8016などにおいて、トランジスタが使用されている場合、トラン
ジスタとして、様々な構造のトランジスタを用いることが出来る。よって、用いるトラン
ジスタの種類に限定はない。トランジスタの一例としては、単結晶シリコンを有するトラ
ンジスタ、または、非晶質シリコン、多結晶シリコン、微結晶(マイクロクリスタル、ナ
ノクリスタル、セミアモルファスとも言う)シリコンなどに代表される非単結晶半導体膜
を有するトランジスタなどを用いることが出来る。または、それらの半導体を薄膜化した
薄膜トランジスタ(TFT)などを用いることが出来る。TFTを用いる場合、様々なメ
リットがある。例えば、単結晶シリコンの場合よりも低い温度で製造できるため、製造コ
ストの削減、又は製造装置の大型化を図ることができる。製造装置を大きくできるため、
大型基板上に製造できる。そのため、同時に多くの個数の表示装置を製造できるため、低
コストで製造できる。または、製造温度が低いため、耐熱性の弱い基板を用いることがで
きる。そのため、透光性を有する基板上にトランジスタを製造できる。または、透光性を
有する基板上のトランジスタを用いて表示素子での光の透過を制御することが出来る。ま
たは、トランジスタの膜厚が薄いため、トランジスタを形成する膜の一部は、光を透過さ
せることが出来る。そのため、開口率が向上させることができる。
【0084】
なお、多結晶シリコンを製造するときに、触媒(ニッケルなど)を用いることにより、
結晶性をさらに向上させ、電気特性のよいトランジスタを製造することが可能となる。そ
の結果、ゲートドライバ回路(走査線駆動回路)、ソースドライバ回路(信号線駆動回路
)、及び信号処理回路(信号生成回路、ガンマ補正回路、DA変換回路など)を基板上に
一体形成することが出来る。
【0085】
なお、微結晶シリコンを製造するときに、触媒(ニッケルなど)を用いることにより、
結晶性をさらに向上させ、電気特性のよいトランジスタを製造することが可能となる。こ
のとき、レーザー照射を行うことなく、熱処理を加えるだけで、結晶性を向上させること
も可能である。その結果、ソースドライバ回路の一部(アナログスイッチなど)及びゲー
トドライバ回路(走査線駆動回路)を基板上に一体形成することが出来る。なお、結晶化
のためにレーザー照射を行わない場合は、シリコンの結晶性のムラを抑えることができる
。そのため、画質の向上した画像を表示することが出来る。ただし、触媒(ニッケルなど
)を用いずに、多結晶シリコン又は微結晶シリコンを製造することは可能である。
【0086】
なお、シリコンの結晶性を、多結晶又は微結晶などへと向上させることは、パネル全体
で行うことが望ましいが、それに限定されない。パネルの一部の領域のみにおいて、シリ
コンの結晶性を向上させてもよい。選択的に結晶性を向上させることは、レーザー光を選
択的に照射することなどにより可能である。例えば、画素以外の領域である周辺回路領域
にのみ、ゲートドライバ回路及びソースドライバ回路などの領域にのみ、又はソースドラ
イバ回路の一部(例えば、アナログスイッチ)の領域にのみ、にレーザー光を照射しても
よい。その結果、回路を高速に動作させる必要がある領域にのみ、シリコンの結晶化を向
上させることができる。画素領域は、高速に動作させる必要性が低いため、結晶性が向上
されなくても、問題なく画素回路を動作させることが出来る。こうすることによって、結
晶性を向上させる領域が少なくて済むため、製造工程も短くすることが出来る。そのため
、スループットが向上し、製造コストを低減させることが出来る。または、必要とされる
製造装置の数も少ない数で製造できるため、製造コストを低減させることが出来る。
【0087】
なお、トランジスタの一例としては、化合物半導体(例えば、SiGe、GaAsなど
)、又は酸化物半導体(例えば、Zn-O、In-Ga-Zn-O、In-Zn-O(I
ZO(登録商標))、In-Sn-O(ITO)、Sn-O、Ti-O、Al-Zn-S
n-O(AZTO)、In-Sn-Zn-O(ITZO(登録商標))など)などを有す
るトランジスタを用いることが出来る。または、これらの化合物半導体、又は、これらの
酸化物半導体を薄膜化した薄膜トランジスタなどを用いることが出来る。これらにより、
製造温度を低くできるので、例えば、室温でトランジスタを製造することが可能となる。
その結果、耐熱性の低い基板、例えばプラスチック基板又はフィルム基板などに直接トラ
ンジスタを形成することが出来る。なお、これらの化合物半導体又は酸化物半導体を、ト
ランジスタのチャネル部分に用いるだけでなく、それ以外の用途で用いることも出来る。
例えば、これらの化合物半導体又は酸化物半導体を配線、抵抗素子、画素電極、又は透光
性を有する電極などとして用いることができる。それらをトランジスタと同時に成膜又は
形成することが可能なため、コストを低減できる。
【0088】
なお、トランジスタの一例としては、インクジェット法又は印刷法を用いて形成したト
ランジスタなどを用いることが出来る。これらにより、室温で製造、低真空度で製造、又
は大型基板上に製造することができる。よって、マスク(レチクル)を用いなくても製造
することが可能となるため、トランジスタのレイアウトを容易に変更することが出来る。
または、レジストを用いらずに製造することが可能なので、材料費が安くなり、工程数を
削減できる。または、必要な部分にのみ膜を付けることが可能なので、全面に成膜した後
でエッチングする、という製法よりも、材料が無駄にならず、低コストにできる。
【0089】
なお、トランジスタの一例としては、有機半導体やカーボンナノチューブを有するトラ
ンジスタ等を用いることができる。これらにより、曲げることが可能な基板上にトランジ
スタを形成することが出来る。有機半導体やカーボンナノチューブを有するトランジスタ
を用いた装置は、衝撃に強くすることができる。
【0090】
なお、表示モジュール121、制御モジュール115、通信モジュール126、電子機器
8000などが有する回路において、トランジスタが使用されている場合、トランジスタ
としては、他にも様々な構造のトランジスタを用いることができる。例えば、トランジス
タとして、MOS型トランジスタ、接合型トランジスタ、バイポーラトランジスタなどを
用いることが出来る。トランジスタとしてMOS型トランジスタを用いることにより、ト
ランジスタのサイズを小さくすることが出来る。よって、多数のトランジスタを搭載する
ことができる。トランジスタとしてバイポーラトランジスタを用いることにより、大きな
電流を流すことが出来る。よって、高速に回路を動作させることができる。なお、MOS
型トランジスタとバイポーラトランジスタとを1つの基板に混在させて形成してもよい。
これにより、低消費電力、小型化、高速動作などを実現することが出来る。
【0091】
または、例えば、トランジスタの一例としては、ゲート電極が2個以上のマルチゲート
構造のトランジスタを用いることができる。マルチゲート構造にすると、チャネル領域が
直列に接続されるため、複数のトランジスタが直列に接続された構造となる。よって、マ
ルチゲート構造により、オフ電流の低減、トランジスタの耐圧向上(信頼性の向上)を図
ることができる。または、マルチゲート構造により、飽和領域で動作する時に、ドレイン
とソースとの間の電圧が変化しても、ドレインとソースとの間の電流があまり変化せず、
傾きがフラットである電圧・電流特性を得ることができる。傾きがフラットである電圧・
電流特性を利用すると、理想的な電流源回路、又は非常に高い抵抗値をもつ能動負荷を実
現することが出来る。その結果、特性のよい差動回路又はカレントミラー回路などを実現
することが出来る。
【0092】
なお、トランジスタの一例としては、チャネルの上下にゲート電極が配置されている構
造のトランジスタを適用することができる。チャネルの上下にゲート電極が配置される構
造にすることにより、複数のトランジスタが並列に接続されたような回路構成となる。よ
って、チャネル領域が増えるため、電流値の増加を図ることができる。または、チャネル
の上下にゲート電極が配置されている構造にすることにより、空乏層ができやすくなるた
め、S値の改善を図ることができる。
【0093】
なお、トランジスタの一例としては、チャネル領域の上にゲート電極が配置されている
構造、チャネル領域の下にゲート電極が配置されている構造、正スタガ構造、逆スタガ構
造、チャネル領域を複数の領域に分けた構造、チャネル領域を並列に接続した構造、又は
チャネル領域が直列に接続する構造などのトランジスタを用いることができる。または、
トランジスタとして、プレーナ型、FIN型(フィン型)、TRI-GATE型(トライ
ゲート型)、トップゲート型、ボトムゲート型、ダブルゲート型(チャネルの上下にゲー
トが配置されている)、など、様々な構成をとることが出来る。
【0094】
フレーム8009は、表示パネル8016の保護機能を有する。またフレーム8009
は、放熱板としての機能を有していてもよい。また、いずれかの受信部のアンテナを内蔵
させてもよい。
【0095】
制御部は、プリント基板8010上にCPU8011と、バッテリー8012d、レギュ
レータ8013、送受信部8114、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号
処理回路を有する。また、同じプリント基板8010上に電源管理回路8116を有する
例を示したが特に限定されず、CPU8011に電源管理回路8116と同じ機能を持た
せて一つのチップにしてもよい。また、電源管理回路8116は、複数のバッテリーを監
視し、管理するため、その電力を供給する電源も別途設けてもよいが、本実施の形態では
、同じプリント基板8010に設けられているバッテリー8012dを主電源としている
。また、他のプリント基板に設けられているバッテリー8012a、8012b、801
2cはそれぞれの電力量を送受信部8114を用いた無線通信によって電源管理回路81
16に監視され、副電源として用いることができる。例えば、バッテリー8012dの残
量が減ってきた場合には、バッテリー8012a、8012b、8012cから電力を無
線でバッテリー8012dに送信し、バッテリー8012dに充電を行うことができる。
【0096】
また、外部(充電器など)からの充電の際、各送受信部で同時に電力を受信できるように
してもよい。また、無線充電は、充電器と電子機器の重ね方、置き方によってはうまく充
電ができない場合もある。電子機器8000は、複数の送受信部を有しているため、その
位置を点在させて配置すると、充電器にどのような置き方をしてもいずれか一つの送受信
部で電力が受信できて一つのバッテリーに充電できれば、電源管理回路8116によって
、充電された一つのバッテリーから他の一つまたは複数のバッテリーに充電でき、結果的
にすべてのバッテリーを満充電にさせることができる。
【0097】
なお、電子機器8000は、情報端末であるので通信機能として通信モジュールを有して
おり、非接触充電機能を実現する通信モジュールが搭載されている。また、電子機器80
00は、電話などの行える近距離無線通信機能を実現する通信モジュールを搭載してもよ
い。その場合、通信モジュールも同様にバッテリーを有する構造としてもよい。また、他
の機能を搭載してもよく、例えば、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回
転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電
力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、
マイクロフォン等を設けてもよい。
【0098】
一つの機能回路ごとにそれぞれ1枚のプリント基板を用い、それぞれの機能回路に合わせ
て最適な出力ができるようなレギュレータ及びバッテリーを搭載しており、さらにバッテ
リーと機能回路の距離が近く、引き回し配線を短くすることができるため、省電力化を図
ることができる。
【0099】
また、図2ではプリント基板を機能ごとにそれぞれ1枚用い、合計として複数枚用いる例
を示しているが特に限定されず、すべての機能回路を1枚のプリント基板に設けてもよく
、その場合、1枚のプリント基板に複数のバッテリーを設けることとなる。また、複数の
機能をプリント基板1枚にまとめてもよく、その際にバッテリーもまとめて1つとしても
よい。また、図2の表示パネル8016、タッチパネル8004、バックライトユニット
8007のそれぞれは、図2に図示していない配線コードまたはFPCによって制御部と
電気的に接続する構成である。また、図2の電子機器8000は、それぞれのプリント基
板に送受信回路などを有しているため、それぞれを配線などで接続させなくとも駆動させ
ることができる。それぞれの回路間を無線通信や無線充電することによって、配線コード
の引き回しや、コネクタなどの設計を簡略化させて、設計の自由度を上げることができる
【0100】
さらに、電子機器8000は、SIMカードを挿入するためのスロットや、USBメモリ
などUSBデバイスを接続するコネクタ部などを設けてもよい。
【0101】
以上に示したように、電子機器8000は、電子機器に使用するユニット(モジュールや
、機能)ごとにバッテリーを設け、電源管理回路8116によって管理される複数の電源
を有する電子機器とする。複数の電源を有する電子機器8000として、使用する機能の
みを選択的に駆動させるオペレーションシステムにより、省電力化を図ることができる。
また、電源管理回路8116は、各バッテリーの電力量を監視し、ある一つのバッテリー
から他のバッテリーに電力を無線で供給して充電することを自動または使用者の操作によ
って適宜実行することができる。電子機器内の複数のバッテリーの中から使用する部品に
対応するバッテリーを適宜選択し、それぞれのバッテリーの電力量を調節するオペレーシ
ョンシステムにより、使用する機能の使用可能な時間を延長することができる。
【0102】
また、それぞれのバッテリーには非接触充電機能を実現する通信モジュールを有しており
、複数のバッテリーに対して同時に充電するように制御することができる。また、送受信
部を有し、電源管理回路によって電力量を調整できるため、互いのバッテリーの電力を相
互に供給しうる。
【0103】
また、本実施の形態は、外形が箱型の電子機器8000の例を示したが、特に限定されず
、複雑な外形形状の電子機器とすることもできる。複雑な外形形状の電子機器とする場合
、複数の小型のバッテリーを適宜、所定の場所に配置させることで、電子機器の設計の自
由度を上げることができる。
【0104】
(実施の形態2)
実施の形態1では、1枚のプリント基板にバッテリーと、無線受信部と、CPUとを実装
し、複数のプリント基板を有する電子機器の例を示したが、本実施の形態では、CPUを
作製する基板1190上にレギュレータ1188も作製し、さらに小さなバッテリーをC
PUとレギュレータ1188を介して接続する例を示す。レギュレータ1188は、接続
されている電源(バッテリーなど)から各機能回路に必要な電力または信号を生成し、供
給する。図3は、基板1190上にレギュレータ1188とCPUを形成する例を示す。
【0105】
CPUについて以下に説明する。
【0106】
図3(A)は、CPUの具体的な構成を示すブロック図である。図3(A)に示すCPU
は、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arithmetic logic
unit、演算回路)、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ11
93、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ1195、レジスタ
1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース1198(Bus I
/F)、書き換え可能なROM1199、及びROMインターフェース1189(ROM
I/F)を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを
用いる。ROM1199及びROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよ
い。もちろん、図3(A)に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、
実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。
【0107】
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクション
デコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタ
ラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ
1195に入力される。
【0108】
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントロー
ラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制
御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御する
ための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラ
ム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク
状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアド
レスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行なう。
【0109】
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ119
2、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、及びレ
ジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイ
ミングコントローラ1195は、基準クロック信号CLK1を元に、内部クロック信号C
LK2を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号CLK2を上記各
種回路に供給する。
【0110】
図3(A)に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レジ
スタ1196のメモリセルには、酸化物半導体層を用いたトランジスタを含むメモリセル
を用いることができる。
【0111】
図3(A)に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191か
らの指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。すなわち、レジスタ
1196が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、
容量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保
持が選択されている場合、レジスタ1196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行わ
れる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き
換えが行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することがで
きる。
【0112】
電源停止に関しては、図3(B)または図3(C)に示すように、メモリセル群と、電源
電位VDDまたは電源電位VSSの与えられているノード間に、スイッチング素子を設け
ることにより行うことができる。以下に図3(B)及び図3(C)の回路の説明を行う。
【0113】
図3(B)及び図3(C)では、メモリセルへの電源電位の供給を制御するスイッチング
素子に、酸化物半導体層を用いたトランジスタを含む記憶回路の構成の一例を示す。
【0114】
図3(B)に示す記憶装置は、スイッチング素子1141と、メモリセル1142を複数
有するメモリセル群1143とを有している。メモリセル群1143が有する各メモリセ
ル1142には、スイッチング素子1141を介して、ハイレベルの電源電位VDDが供
給されている。さらに、メモリセル群1143が有する各メモリセル1142には、信号
INの電位と、ローレベルの電源電位VSSの電位が与えられている。
【0115】
図3(B)では、スイッチング素子1141として、酸化物半導体層を用いたトランジス
タを用いており、該トランジスタは、そのゲート電極層に与えられる信号SigAにより
スイッチングが制御される。
【0116】
なお、図3(B)では、スイッチング素子1141がトランジスタを一つだけ有する構成
を示しているが、特に限定されず、トランジスタを複数有していてもよい。スイッチング
素子1141が、スイッチング素子として機能するトランジスタを複数有している場合、
上記複数のトランジスタは並列に接続されていてもよいし、直列に接続されていてもよい
し、直列と並列が組み合わされて接続されていてもよい。
【0117】
また、図3(B)では、スイッチング素子1141により、メモリセル群1143が有す
る各メモリセル1142への、ハイレベルの電源電位VDDの供給が制御されているが、
スイッチング素子1141により、ローレベルの電源電位VSSの供給が制御されていて
もよい。
【0118】
また、図3(C)には、メモリセル群1143が有する各メモリセル1142に、スイッ
チング素子1141を介して、ローレベルの電源電位VSSが供給されている、記憶装置
の一例を示す。スイッチング素子1141により、メモリセル群1143が有する各メモ
リセル1142への、ローレベルの電源電位VSSの供給を制御することができる。
【0119】
メモリセル群と、電源電位VDDまたは電源電位VSSの与えられているノード間に、ス
イッチング素子を設け、一時的にCPUの動作を停止し、電源電圧の供給を停止した場合
においてもデータを保持することが可能であり、消費電力の低減を行うことができる。具
体的には、例えば、パーソナルコンピュータのユーザーが、キーボードなどの入力装置へ
の情報の入力を停止している間でも、CPUの動作を停止することができ、それにより消
費電力を低減することができる。
【0120】
ここでは、CPUを例に挙げて説明したが、DSP(Digital Signal P
rocessor)、カスタムLSI、FPGA(Field Programmabl
e Gate Array)等のLSIにも応用可能である。
【0121】
本実施の形態は他の実施の形態と自由に組み合わせることができる。
【0122】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について、図4を用いて説明を行う。
【0123】
図4(A)乃至図4(F)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐体5
000、表示部5001、スピーカ5003、LEDランプ5004、操作キー5005
(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子5006、センサ5007(力、
変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音
声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又
は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン5008、等を有することができ
る。
【0124】
図4(A)はモバイルコンピュータであり、上述したものの他に、スイッチ5009、
赤外線ポート5010、等を有することができる。図4(B)は記録媒体を備えた携帯型
の画像再生装置(たとえば、DVD再生装置)であり、上述したものの他に、第2表示部
5002、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図4(C)はゴーグル型
ディスプレイであり、上述したものの他に、第2表示部5002、支持部5012、イヤ
ホン5013、等を有することができる。図4(D)は携帯型遊技機であり、上述したも
のの他に、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図4(E)はテレビ受像
機能付きデジタルカメラであり、上述したものの他に、アンテナ5014、シャッターボ
タン5015、受像部5016、等を有することができる。図4(F)は携帯型遊技機で
あり、上述したものの他に、第2表示部5002、記録媒体読込部5011、等を有する
ことができる。
【0125】
図4(A)乃至図4(F)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例え
ば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパ
ネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログ
ラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピ
ュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信
を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示
する機能、等を有することができる。さらに、複数の表示部を有する電子機器においては
、一つの表示部を主として画像情報を表示し、別の一つの表示部を主として文字情報を表
示する機能、または、複数の表示部に視差を考慮した画像を表示することで立体的な画像
を表示する機能、等を有することができる。さらに、受像部を有する電子機器においては
、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を自動または手動で補正す
る機能、撮影した画像を記録媒体(外部又はカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画
像を表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図4(A)乃至図4(F)
に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有するこ
とができる。
【0126】
本実施の形態において述べた電子機器は、複数のバッテリーを内蔵し、無線充電できる
無線受信部を有することを特徴とする。また、複数のバッテリーを管理するための電源管
理回路(電源監視回路を含む)を有する。また、異なるバッテリー間で無線充電を行う送
信部及び受信部を有し、電源管理回路によって臨機応変に充電または使用するバッテリー
を選択する。
【0127】
また、図5(A)及び図5(B)に電子機器の使用例について説明する。
【0128】
図5(A)は、車などの移動体の車内で情報端末を操作している例を示す。
【0129】
5103はハンドルであり、内部にアンテナを有している。ハンドル5103内部のアン
テナから電子機器5100に電力供給できるようにする。電子機器5100は複数のバッ
テリーを有しており、そのうちの少なくとも一つが無線充電によって充電される。ハンド
ル5103に電子機器5100を固定できるような治具を設けてもよい。ハンドル510
3に電子機器5100を固定すれば、ハンドフリーで電話、またはテレビ電話をかけるこ
ともできる。また、電子機器5100に設けたマイクで音声認証し、操縦者の音声によっ
て車を操縦することもできる。
【0130】
例えば、電子機器5100を停車中に操作して位置情報を表示部5102に表示させるこ
とができる。また、車の表示部5101に表示していない情報、例えばエンジン回転数、
ハンドル角度、温度、タイヤ空気圧などを表示部5102に表示させてもよい。表示部5
102はタッチ入力機能を有する。また、車外を撮影する1つまたは複数のカメラを用い
て車外の様子を表示部5102に表示させることもでき、例えばバックモニターとしても
用いることができる。また、居眠り運転を防止するために、車から走行速度などの情報を
無線で受信し、走行速度をモニタリングしながら走行時は、電子機器5100から運転手
を撮影し、目を閉じている状態が長いと電子機器5100を振動させる、または、警告音
や、音楽が流れるようにする設定などを運転手が適宜選択できる。また、車の停止時には
運転手の撮影を停止して省電力を図り、さらに停止中には無線で電子機器5100のバッ
テリーを充電することができるようにしてもよい。
【0131】
車などの移動体においては、上述したように様々な利用が考えられ、電子機器5100は
、そのいろいろな機能を持たせるために多くのセンサや、複数のアンテナが内蔵されるこ
とが望まれる。車などの移動体は、電源を有しているが制限があり、移動体を駆動させる
電力などを考慮すると、電子機器5100に使用する電力はなるべく少なく抑えることが
好ましく、特に電気自動車などは電子機器5100が使用する消費電力によって走行距離
が短くなる恐れがある。電子機器5100にいろいろな機能を持たせても同時に全ての機
能を使用することは少なく、必要に応じて1つの機能または2つの機能だけ使用すること
が多い。機能ごとにバッテリーを用意し、複数のバッテリーを有する電子機器5100に
いろいろな機能を持たせる場合、使用したい機能だけをオン状態としてそれぞれの機能に
対応するバッテリーから電力を供給することで省電力化が図れる。さらに、複数のバッテ
リーのうち、停止している機能に対応するバッテリーは、車に設けたアンテナから無線充
電することができる。
【0132】
また、図5(B)は、飛行機などの機内で情報端末を操作している例を示す。飛行機など
の機内においては個人の情報端末を使用できる時間などが制限されることもあり、長時間
のフライトである場合には飛行機に備え付けの情報端末が使用できることが望まれる。
【0133】
電子機器5200は、映画やゲームや宣伝などの映像を表示する表示部5202を有して
おり、通信機能により現在の飛行位置や、残りの到着時間などをリアルタイムに取得でき
る情報端末である。また、表示部5202はタッチ入力機能を有する。
【0134】
また、シート5201に設けられた凹部に電子機器5200をはめこみ、電子機器520
0と重なる位置にアンテナ設置部5203を設け、はめ込んでいる間は無線充電できるよ
うにする。また、電子機器5200は、使用者が体調不良などを乗務員に連絡したい場合
の電話や連絡ツールとしても機能させることができる。電子機器5200に翻訳機能など
を持たせておけば、乗務員とは言語の異なる乗員であっても電子機器5200の表示部5
202を用いてコミュニケーションをとることができる。また、隣り合った言語の異なる
乗員同士でも電子機器5200の表示部5202を用いてコミュニケーションをとること
ができる。また、例えば、乗員が寝ている間、表示部5202に「起こさないで下さい」
と英語表示させ続ける、など伝言板としても機能させることもできる。
【0135】
電子機器5200は、機能ごとにバッテリーを複数有し、複数のバッテリーを有する電子
機器であり、使用したい機能だけをオン状態とし、使用していない機能をオフ状態とし、
省電力化が図れる。さらに、複数のバッテリーのうち、停止している機能に対応するバッ
テリーは、アンテナ設置部5203から無線充電することができる。
【0136】
また、機内においては、危険物は持ち込むことが困難であり、小型バッテリーを複数有す
る電子機器5200は、安全性が高く、例え一つのバッテリーが爆発したとしてもサイズ
が小さいため、被害を最小限に抑えることができる。また、故障、爆発、または破壊によ
って、一つのバッテリーが使えなくなっても他のバッテリーを用いることで電子機器52
00が有する機能の一部は使用できる。
【0137】
また、飛行機の電力系統の異常があった場合、複数のシートにそれぞれある電子機器52
00の複数のバッテリーを非常用に使用できるように設計してもよい。複数のシートにそ
れぞれある電子機器5200は全て同じ製品であり、同じ設計であるため、非常用電源と
して直列接続できるようにシステムを構築してもよい。
【0138】
電子機器5200が有する複数の小型バッテリーとしては、リチウムポリマー電池などの
リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ、レドック
スキャパシタのいずれか一、または複数種用いることができる。
【0139】
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いること
ができる。
【0140】
(実施の形態4)
本実施の形態では、人工臓器の例を示す。
【0141】
図6は、ペースメーカの一例を示す断面模式図である。
【0142】
ペースメーカ本体5300は、バッテリー5301a、5301bと、レギュレータと、
電源管理回路5307と、制御回路と、アンテナ5304と、右心房へのワイヤ5302
、右心室へのワイヤ5303とを少なくとも有している。
【0143】
ペースメーカ本体5300は手術により体内に設置され、二本のワイヤは、人体の鎖骨下
静脈5305及び上大静脈5306を通過させて一方のワイヤ先端が右心室、もう一方の
ワイヤ先端が右心房に設置されるようにする。
【0144】
また、アンテナ5304で電力が受信でき、その電力は複数のバッテリー5301a、5
301bに充電され、ペースメーカの交換頻度を少なくすることができる。ペースメーカ
本体5300は複数のバッテリーを有しているため、安全性が高く、一方が故障したとし
てももう一方が機能させることができるため、補助電源としても機能する。また、電源管
理回路5307によって一方のバッテリー5301aを非常用電源とし、主としてもう一
方のバッテリー5301bを使用し、バッテリー5301bが何かの原因で破壊、消耗し
てしまった場合、バッテリー5301aを用いて外部(例えば使用者の情報端末、近隣の
医療機関)に緊急信号などを送信できることが望ましい。ペースメーカは、何かの原因で
バッテリーが破壊、消耗してしまった場合には使用者に甚大な被害が及ぶ危険性があるた
め、非常用電源を有していることは有用である。また、ペースメーカに設けるバッテリー
をさらに複数に分けて薄型のバッテリーとすれば、CPUなどを含む制御回路が設けられ
ているプリント基板に搭載し、ペースメーカ本体5300の小型化や、ペースメーカ本体
5300の厚さを薄くすることができる。
【0145】
また、電力を受信できるアンテナ5304とは別に、生理信号を送信できるアンテナを有
していてもよく、例えば、脈拍、呼吸数、心拍数、体温などの生理信号を外部のモニタ装
置で確認できるような心臓活動を監視するシステムを構成してもよい。
【0146】
本実施の形態により、小型化や薄型化が実現できれば、ペースメーカ本体5300を埋め
込んだ場所に生じる凸部を目立たない大きさにすることができる。
【0147】
なお、このペースメーカの設置方法も一例であって、心臓疾患に合わせて様々な形態とな
る場合がある。
【0148】
また、本実施の形態は、ペースメーカに限定されない。ペースメーカよりも普及している
人工臓器として人工内耳がある。人工内耳は音を電気信号に変え、蝸牛の中に入れた刺激
装置で聴神経を直接刺激する装置である。
【0149】
人工内耳は手術で耳の奥などに埋め込む第1の装置と、音をマイクで拾って埋め込んだ第
1の装置へ送る第2の装置とで構成される。第1の装置と第2の装置は電気的には接続さ
れておらず、ワイヤレスで送受信するシステムである。第1の装置は、音を変換した電気
信号を受信するアンテナと、蝸牛に達するワイヤとを少なくとも有している。また、第2
の装置は、音を電気信号に変換するための音声処理部と、その電気信号を第1の装置に送
信する送信回路とを少なくとも有している。
【0150】
本実施の形態では、第1の装置と第2の装置の両方に小型のバッテリーを設けることで、
人工内耳の小型化を図ることができる。
【0151】
また、人工内耳は小児の段階で手術して埋め込むことが多く、小型化が望まれている。
【0152】
本実施の形態により、人工内耳の小型化が実現できれば、人工内耳を埋め込んだ場所に生
じる凸部を目立たない大きさにすることができる。
【0153】
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いること
ができる。
【0154】
(実施の形態5)
本実施の形態では、ウェアラブルな電子機器の例を示す。
【0155】
複雑な外形形状の電子機器とする場合、複数の小型のバッテリーを適宜、所定の場所に配
置させることで、電子機器の設計の自由度を上げることができる。図7(A)に示すよう
に電子機器5400は、円筒形であり、人体に装着するためには、1つのバッテリーより
も複数のバッテリーに分けて適宜配置することで重量感を緩和させることができる。また
、多くの機能を持たせると、待機時のバッテリーの消費が多くなるため、機能ごとにバッ
テリーを用意する。複数のバッテリーを有する電子機器5400にいろいろな機能を持た
せる場合、使用したい機能だけをオン状態としてそれぞれの機能に対応するバッテリーか
ら電力を供給することで省電力化が図れる。
【0156】
図7(A)に示すように電子機器5400は、左腕の上腕部に位置する服5401の上か
ら装着している。服5401としては、軍服、防護服、スーツ、制服、宇宙服などの袖の
ある服が挙げられる。装着する方法としては特に限定されないが、上腕部に重なる服に縫
製加工によって縫い付ける方式や、上腕部に重なる服にマジックテープ(登録商標)など
を設けて電子機器5400を貼り付ける方式、バンドや留め金などで固定する方式、帯状
の板バネで巻きつける方式などがある。
【0157】
また、電子機器5400はアンテナを有しており、電子機器5400を肌の上から装着し
、無線充電を行っている場合の斜視図を図7(B)に示す。図7(B)では、上腕540
2に電子機器5400を装着している。皮膚に接するため、電子機器5400の肌に触れ
る表面は、肌に優しいフィルムや、皮革、紙、布などの天然素材を用いることが好ましい
。また、5412は、電力送信装置であり、電子機器5400に電波5413を用いて無
線で充電を行うことができる。
【0158】
また、無線充電は、充電器と電子機器の位置関係によってはうまく充電ができない場合も
ある。電子機器5400は、複数の送受信部を有しているため、その位置を点在させて配
置すると、充電器に対してどのような向きにしてもいずれか一つの送受信部で電力が受信
できて一つのバッテリーに充電できれば、電源管理回路によって、充電された一つのバッ
テリーから他のバッテリーに充電でき、結果的にすべてのバッテリーを満充電にさせるこ
とができる。特にウェアラブルな電子機器においては、人体に装着したまま充電ができる
ことが望まれており、複数のバッテリー及び複数の送受信部を有し、電源管理回路によっ
て自在に充電できることは有用である。
【0159】
また、電力だけでなく、その他の情報も送受信できるアンテナや回路を設けることで、そ
の他の情報も送受信できる。例えば、電子機器5400をスマートフォンのように用いる
こともできる。
【0160】
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いること
ができる。
【0161】
(実施の形態6)
本実施の形態では、携帯情報端末などのデバイスの例を以下に説明する。
【0162】
図8は、デバイス10のブロック図を示している。
【0163】
本実施の形態にかかるデバイス10は、制御モジュール15と、表示モジュール21と、
通信モジュール26とを有する。制御モジュール15は、デバイス10全体の制御と、通
信や、表示部16への情報の表示を制御するコントローラである。
【0164】
制御モジュール15は、CPU11、バッテリー12、レギュレータ13、無線受信部1
4を有する。
【0165】
また、表示モジュール21は、表示部16、表示駆動回路19、バッテリー17、レギュ
レータ18、無線受信部20を有する。また、図8では、デバイス10が表示部16を有
する例を示したが特に限定されず、表示部16に代えて他の機能部、例えばセンサ部など
とすることもできる。
【0166】
また、通信モジュール26は、通信回路22、バッテリー23、レギュレータ24、無線
受信部25を有する。
【0167】
各モジュールは、それぞれレギュレータとバッテリーを有している。各レギュレータは、
接続されているバッテリーの電源を使って各機能回路に必要な電力または信号を生成し、
各機能回路に供給する。また、バッテリーへの充電時には、レギュレータは過充電などを
防止することもできる。
【0168】
デバイス10は、それぞれのモジュールを独立してオン状態、或いはオフ状態とすること
ができる。使用するモジュールのみを選択的に駆動させるオペレーションシステムにより
、デバイス10の省電力化を図ることができる。
【0169】
例えば、使用者が通信機能を用いることなく、表示部16で情報を見る場合、通信モジュ
ール26においては、通信回路22への電力を遮断し、バッテリー23を使わないオフ状
態とし、表示モジュール21及び制御モジュール15をオン状態とする。
【0170】
さらに、静止画であれば、表示モジュール21及び制御モジュール15をオン状態として
表示部16で静止画を表示させた後、静止画を表示させたまま制御モジュール15をオフ
状態としても、表示モジュール21のみをオン状態として静止画を表示し続けることがで
きる。なお、表示部16のトランジスタがオフ電流の低い酸化物半導体層(例えばIn、
Ga、及びZnを含む酸化物材料など)を用いる、または画素ごとにメモリを有する構成
とすれば、静止画表示後にバッテリー17からの電力供給を遮断しても一定時間の間であ
れば、静止画を表示しつづけることもできる。
【0171】
また、本実施の形態では、表示モジュール21、制御モジュール15、及び通信モジュー
ル26がそれぞれバッテリーを有する例を示したが、特に合計3つのバッテリーに限定さ
れず、さらに機能モジュール及びそのバッテリーを加えて4つ以上のバッテリーを有する
電子機器としてもよい。
【0172】
図9に電子機器の一例としてバッテリーを4つ有する情報端末の例を示す。
【0173】
図9に示す電子機器8000は、上部カバー8001と下部カバー8002との間に、
FPC8003に接続されたタッチパネル8004、FPC8005に接続された表示パ
ネル8016、バックライトユニット8007、フレーム8009、プリント基板801
0、CPU8011、バッテリー8012a、8012b、8012c、8012dを有
する。
【0174】
上部カバー8001及び下部カバー8002は、タッチパネル8004及び表示パネル
8016のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
【0175】
タッチパネル8004は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネル
8016に重畳して用いることができる。また、表示パネル8016の対向基板(封止基
板)に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。また、表示パネル8
016の各画素内に光センサを設け、光学式のタッチパネルとすることも可能である。タ
ッチパネル8004は、プリント基板とFPC8003を介して接続されており、そのプ
リント基板には、バッテリー8012aとレギュレータ8021と受信部8019などを
有している。この受信部8019は無線充電用のアンテナを有しており、外部から無線で
供給される電力はレギュレータを介してバッテリー8012aに充電される。このバッテ
リー8012aを主に用いてタッチパネル8004は駆動する。
【0176】
また、表示パネル8016は、アクティブマトリクス方式の液晶表示モジュールであり、
プリント基板とFPC8005を介して接続されている。このプリント基板には、バッテ
リー8012b、レギュレータ8018、受信部8020などを有している。この受信部
8020は無線充電用のアンテナを有しており、外部から無線で供給される電力はレギュ
レータを介してバッテリー8012bに充電される。このバッテリー8012bを主に用
いて表示パネル8016は表示領域に映像を表示する。
【0177】
バックライトユニット8007は、LEDなどの光源8008を有する。また、バック
ライトユニット8007は、プリント基板とFPCを介して接続されている。このプリン
ト基板には、バッテリー8012c、レギュレータ8017、受信部8015などを有し
ている。
【0178】
なお、図9において、バックライトユニット8007上に光源8008を配置する構成に
ついて例示したが、これに限定さない。例えば、バックライトユニット8007の端部に
光源8008を配置し、さらに光拡散板を用いる構成としてよい。
【0179】
なお、バックライトユニット8007は、表示パネル8016が有機EL素子を用いた
表示装置や、反射型の液晶表示装置の場合、設けない構成としてもよい。バックライトユ
ニット8007は、例えば、透過型の液晶表示装置、または半透過型の液晶表示装置の場
合、設けられる。
【0180】
なお、表示パネル8016として、表示素子、表示素子を有する装置である表示装置、
発光素子、及び発光素子を有する装置である発光装置などには、様々な形態を用いること
、又は様々な素子を有することが出来る。
【0181】
フレーム8009は、表示パネル8016の保護機能を有する。またフレーム8009
は、放熱板としての機能を有していてもよい。また、いずれかの受信部のアンテナを内蔵
させてもよい。
【0182】
制御部は、プリント基板8010上にCPU8011と、バッテリー8012d、レギュ
レータ8013、受信部8014、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号処
理回路を有する。
【0183】
なお、電子機器8000は、情報端末であるので通信機能として通信モジュールを有して
おり、非接触充電機能を実現する通信モジュールが搭載されている。また、電子機器80
00は、電話などの行える近距離無線通信機能を実現する通信モジュールを搭載してもよ
い。その場合、通信モジュールも同様にバッテリーを有する構造としてもよい。また、他
の機能を搭載してもよく、例えば、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回
転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電
力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、
マイクロフォン等を設けてもよい。
【0184】
一つの機能回路ごとにそれぞれ1枚のプリント基板を用い、それぞれの機能回路に合わせ
て最適な出力ができるようなレギュレータ及びバッテリーを搭載しており、さらにバッテ
リーと機能回路の距離が近く、引き回し配線を短くすることができるため、省電力化を図
ることができる。
【0185】
また、図9ではプリント基板を機能ごとにそれぞれ1枚用い、合計として複数枚用いる例
を示しているが特に限定されず、すべての機能回路を1枚のプリント基板に設けてもよく
、その場合、1枚のプリント基板に複数のバッテリーを設けることとなる。また、複数の
機能をプリント基板1枚にまとめてもよく、その際にバッテリーもまとめて1つとしても
よい。また、図9の表示パネル8016、タッチパネル8004、バックライトユニット
8007のそれぞれは、図9に図示していない配線コードまたはFPCによって制御部と
電気的に接続する構成である。
【0186】
さらに、電子機器8000は、SIMカードを挿入するためのスロットや、USBメモリ
などUSBデバイスを接続するコネクタ部などを設けてもよい。
【0187】
以上に示したように、電子機器8000は、電子機器に使用するユニット(モジュールや
、機能)ごとにバッテリーを設け、複数の電源を有する電子機器とする。複数の電源を有
する電子機器8000として、使用する機能のみを選択的に駆動させるオペレーションシ
ステムにより、省電力化を図ることができる。
【0188】
また、それぞれのバッテリーには非接触充電機能を実現する通信モジュールを有しており
、複数のバッテリーに対して同時に充電するように制御することができる。
【0189】
また、本実施の形態は、外形が箱型の電子機器8000の例を示したが、特に限定されず
、複雑な外形形状の電子機器とすることもできる。複雑な外形形状の電子機器とする場合
、複数の小型のバッテリーを適宜、所定の場所に配置させることで、電子機器の設計の自
由度を上げることができる。
【0190】
本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて用いること
ができる。
【符号の説明】
【0191】
10 デバイス
11 CPU
12 バッテリー
13 レギュレータ
14 無線受信部
15 制御モジュール
16 表示部
17 バッテリー
18 レギュレータ
19 表示駆動回路
20 無線受信部
21 表示モジュール
22 通信回路
23 バッテリー
24 レギュレータ
25 無線受信部
26 通信モジュール
110 デバイス
111 CPU
112 バッテリー
113 レギュレータ
114 無線受信部
115 制御モジュール
116 表示部
117 バッテリー
118 レギュレータ
119 表示駆動回路
120 無線受信部
121 表示モジュール
122 通信回路
123 バッテリー
124 レギュレータ
125 無線受信部
126 通信モジュール
127 電源管理回路
128 無線送信部
129 無線送信部
130 無線送信部
1141 スイッチング素子
1142 メモリセル
1143 メモリセル群
1188 レギュレータ
1189 ROMインターフェース
1190 基板
1191 ALU
1192 ALUコントローラ
1193 インストラクションデコーダ
1194 インタラプトコントローラ
1195 タイミングコントローラ
1196 レジスタ
1197 レジスタコントローラ
1198 バスインターフェース
1199 ROM
5000 筐体
5001 表示部
5002 表示部
5003 スピーカ
5004 LEDランプ
5005 操作キー
5006 接続端子
5007 センサ
5008 マイクロフォン
5009 スイッチ
5010 赤外線ポート
5011 記録媒体読込部
5012 支持部
5013 イヤホン
5014 アンテナ
5015 シャッターボタン
5016 受像部
5100 電子機器
5101 表示部
5102 表示部
5103 ハンドル
5200 電子機器
5201 シート
5202 表示部
5203 アンテナ設置部
5300 ペースメーカ本体
5301a バッテリー
5301b バッテリー
5302 ワイヤ
5303 ワイヤ
5304 アンテナ
5305 鎖骨下静脈
5306 上大静脈
5307 電源管理回路
5400 電子機器
5401 服
5402 上腕
5413 電波
8000 電子機器
8001 上部カバー
8002 下部カバー
8003 FPC
8004 タッチパネル
8005 FPC
8007 バックライトユニット
8008 光源
8009 フレーム
8010 プリント基板
8011 CPU
8012a バッテリー
8012b バッテリー
8012c バッテリー
8012d バッテリー
8013 レギュレータ
8014 受信部
8015 受信部
8016 表示パネル
8017 レギュレータ
8018 レギュレータ
8019 受信部
8020 受信部
8021 レギュレータ
8114 送受信部
8115 送受信部
8116 電源管理回路
8119 送受信部
8120 送受信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-07-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央演算処理部と、表示部と、受信部と、送信部と、電源管理回路とを有する電子機器であり、
前記中央演算処理部は、レギュレータと、第1のバッテリーと第1の受信部と第1の送信部とを有し、
前記レギュレータは、チャネル形成領域に酸化物半導体層を有するトランジスタを有し、
前記酸化物半導体層は、酸化インジウムであり、
前記第1の受信部は、前記第1のバッテリーに無線充電することができる機能を有し、
前記表示部は、第2のバッテリーと第2の受信部と第2の送信部を有し、
前記第2の受信部は、前記第2のバッテリーに無線充電することができる機能を有し、
前記受信部は、第3のバッテリーと第3の受信部と第3の送信部を有し、
前記第3の受信部は、前記第3のバッテリーに無線充電することができる機能を有し、
前記電源管理回路は、前記第1のバッテリー、前記第2のバッテリー、または、前記第3のバッテリーの少なくとも一つの電力を、前記第1のバッテリー、前記第2のバッテリーまたは前記第3のバッテリーのいずれかに無線充電することができる機能を有する電子機器。
【請求項2】
中央演算処理部と、表示部と、受信部と、送信部と、電源管理回路とを有する電子機器であり、
前記中央演算処理部は、レギュレータと、第1のバッテリーと第1の受信部と第1の送信部とを有し、
前記レギュレータは、チャネル形成領域に酸化物半導体層を有するトランジスタを有し、
前記第1の受信部は、前記第1のバッテリーに無線充電することができる機能を有し、
前記表示部は、第2のバッテリーと第2の受信部と第2の送信部を有し、
前記第2の受信部は、前記第2のバッテリーに無線充電することができる機能を有し、
前記受信部は、第3のバッテリーと第3の受信部と第3の送信部を有し、
前記第3の受信部は、前記第3のバッテリーに無線充電することができる機能を有し、
前記電源管理回路は、前記第1のバッテリー、前記第2のバッテリー、または、前記第3のバッテリーの少なくとも一つの電力を、前記第1のバッテリー、前記第2のバッテリーまたは前記第3のバッテリーのいずれかに無線充電することができる機能を有する電子機器。
【請求項3】
請求項2において、
前記酸化物半導体層は、In-Zn酸化物である電子機器。