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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014449
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】シャッターの遠隔操作システム
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/77 20150101AFI20240125BHJP
   E06B 9/11 20060101ALI20240125BHJP
   E06B 9/68 20060101ALI20240125BHJP
   E05F 15/79 20150101ALI20240125BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240125BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
E05F15/77
E06B9/11 A
E06B9/68 A
E05F15/79
H04Q9/00 301D
H04M11/00 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117275
(22)【出願日】2022-07-22
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【弁理士】
【氏名又は名称】畑添 隆人
(72)【発明者】
【氏名】大塚 啓成
(72)【発明者】
【氏名】和田 賢一
【テーマコード(参考)】
2E042
2E052
5K048
5K201
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042BA00
2E042CA01
2E042CA15
2E042CB01
2E042CB02
2E042CB12
2E052AA04
2E052BA04
2E052CA05
2E052EA09
2E052EB01
2E052EC02
2E052KA08
5K048AA06
5K048BA21
5K048DA02
5K048DB01
5K048DC01
5K048EB02
5K048EB03
5K048EB11
5K048FA08
5K048HA01
5K048HA02
5K201AA02
5K201BA01
5K201BC05
5K201CC01
5K201EA07
5K201EA08
5K201ED08
(57)【要約】
【課題】大規模施設の構内に設置された複数のシャッター装置の遠隔操作に適するシステムを提供する。
【解決手段】
構内空間には複数のエリアが設定されており、各エリアには複数のシャッター装置が設置されており、各エリアには、当該エリアに設置された各シャッター装置の送受信子機4とエリア別構内通信網で無線接続可能な送受信親機3が設けてあり、サーバ2は、各送受信親機3と広域公衆通信網で無線接続されており、端末装置1からサーバ2への入力に基づいて、広域公衆通信網を用いて、サーバ2から各送受信親機3に開閉情報が送信され、開閉情報を受信した各送受信親機3は、エリア別構内通信網を用いて、同じエリア内の各送受信子機4に開閉指令を送信し、開閉指令を受信した各送受信子機4は、対応するシャッター装置の開閉機に開閉信号を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構内空間には複数のエリアが設定されており、各エリアには複数のシャッター装置が設置されており、各エリアには、当該エリアに設置された各シャッター装置の受信子機とエリア別構内通信網で無線接続可能な受信親機が設けてあり、
サーバは、各受信親機と広域公衆通信網で無線接続されており、
端末装置から前記サーバへの入力に基づいて、広域公衆通信網を用いて、前記サーバから各受信親機に開閉情報が送信され、
開閉情報を受信した各受信親機は、エリア別構内通信網を用いて、同じエリア内の各受信子機に前記開閉情報に基づく開閉指令ないし前記開閉情報を送信し、
開閉指令ないし開閉情報を受信した各受信子機は、対応するシャッター装置の開閉機に開閉信号を出力する、
シャッターの遠隔操作システム。
【請求項2】
入力には、時刻及びエリア情報が含まれ、
サーバにおいて、エリア情報と受信親機の識別情報、複数の受信子機の識別情報が関連づけられており、
エリア情報によって特定された受信親機に開閉情報が送信される、
請求項1に記載のシャッターの遠隔操作システム。
【請求項3】
前記開閉情報には前記開閉指令に加えて時刻が含まれ、設定された時刻に先立って、前記サーバから所定の受信親機に前記開閉情報が送信され、
各受信親機は受信した開閉情報を記憶し、設定された時刻に前記開閉指令を同じエリア内の各受信子機にエリア別構内無線網を用いて送信し、
前記開閉指令を受信した各受信子機は、対応するシャッター装置の開閉機に開閉信号を出力する、
請求項1に記載のシャッターの遠隔操作システム。
【請求項4】
前記開閉情報には前記開閉指令に加えて時刻が含まれ、設定された時刻に先立って、前記サーバから所定の受信親機に前記開閉情報が送信され、
各受信親機は受信した開閉情報を同じエリア内の各受信子機にエリア別構内無線網を用いて送信し、各受信子機は前記開閉情報を記憶し、設定された時刻に開閉信号を対応する開閉機に出力する、
請求項1に記載のシャッターの遠隔操作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッターの遠隔操作システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、電動シャッター装置が設置された開口部の近くには、操作部が設けてあり、操作者が操作部の押ボタンスイッチを押すことで電動開放や電動閉鎖を行う。あるいは、操作者が、開口部の近くから特定小電力等によるリモコン操作で、電動開放や電動閉鎖を行うようになっている。
【0003】
大規模ショッピングモールや駅構内、複合施設では、シャッター装置を操作するためだけに警備員が勤務し、定時になると開店のためにシャッター装置を開放する等の操作を行っている。有人による操作では、シャッター装置の設置台数が多くなればなるほど、定時にシャッターを動作させるためには警備員の人数を増やす必要があり、人員確保が課題となる。
【0004】
警備室とシャッター装置とを有線で接続してなる遠隔警備システムは存在するが、有線での工事であり、システムの設置コストが高くなるという課題がある。特に、警備室とシャッター装置の設置場所が離れるほど(例えば、シャッター装置が地下街に設置されていたり、道路を挟んで反対側の建物に設置されているような場合)、配線工事が複雑となり、配線の変更も容易でない。
【0005】
遠隔操作で無線を用いて複数のシャッター装置を開放させることも行われている(特許文献1)。このものは、ホームネットワーク等の比較的小規模の範囲に設置したシャッター装置の遠隔操作に適するものであって、必ずしも、大規模ショッピングモールや駅構内、複合施設等の大規模施設の構内に設置された複数のシャッター装置の遠隔操作に適するものではない。
【特許文献1】特許第6616154号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、大規模施設の構内に設置された複数のシャッター装置の遠隔操作に適するシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するべく本発明が採用した技術手段は、
構内空間には複数のエリアが設定されており、各エリアには複数のシャッター装置が設置されており、各エリアには、当該エリアに設置された各シャッター装置の受信子機とエリア別構内通信網で無線接続可能な受信親機が設けてあり、
サーバは、各受信親機と広域公衆通信網で無線接続されており、
端末装置から前記サーバへの入力に基づいて、広域公衆通信網を用いて、前記サーバから各受信親機に開閉情報が送信され、
開閉情報を受信した各受信親機は、エリア別構内通信網を用いて、同じエリア内の各受信子機に前記開閉情報に基づく開閉指令ないし前記開閉情報を送信し、
開閉指令ないし開閉情報を受信した各受信子機は、対応するシャッター装置の開閉機に開閉信号を出力する、
シャッターの遠隔操作システム、である。
本明細書において、構内は、建物や敷地の中を意味するものとして広く解釈され、例えば、大規模ショッピングモール内、複合施設内、大型ビル内、駅内空間、駅地下空間等が含まれ、構内に設けたシャッター装置には、建物の開口部に設けたシャッター装置も含まれる。
【0008】
1つの態様では、公衆広域通信網はLTEであるが、他の公衆広域通信網、例えば4G、5G等であってもよい。
1つの態様では、構内無線通信網は特定小電力無線であるが、ブルートゥースやWiFi等であってもよい。
典型的には、上記受信親機、受信子機は、送信機能を備えており、すなわち、上記受信親機、受信子機は、送受信親機、送受信子機である。
各受信子機からシャッター装置の開閉機への開閉信号の出力は、直接、間接を問わない。例えば、受信子機から制御部(開閉機のシャッター制御盤とは別個の)を介して開閉信号が開閉機に出力されてもよい。
本明細書において、各受信子機が、前記開閉指令ないし前記開閉情報を前記受信親機からエリア別構内通信網で受信することには、前記開閉指令ないし前記開閉情報を自身以外の受信子機(送信機能を備えており、中継機として機能する)を介して受信する場合を含む。この場合、中継機として機能する受信子機は、各シャッター装置の開閉機に対応して設けた受信子機であってよく、あるいは、各シャッター装置の開閉機に対応して設けた受信子機と別個の中継用受信子機であってもよい。
【0009】
1つの態様では、入力には、時刻(典型的には日時情報)及びエリア情報が含まれ、
サーバにおいて、エリア情報と受信親機の識別情報、複数の受信子機の識別情報が関連づけられており、
エリア情報によって特定された受信親機に開閉情報が送信される。
【0010】
1つの態様では、設定された時刻に、前記サーバから設定された受信親機に開閉情報が送信される。
以下に述べる態様では、設定された時刻に先立って、開閉情報(開閉指令、設定時刻)を、シャッター装置が設置された構内に設置された受信親機ないし受信子機に送信して記憶させることによって、設定時刻において公衆広域通信網に通信障害が発生している場合であっても、構内無線通信網を用いてシャッター装置の開閉を実行することを可能とする。大規模施設では、例えば、定時に複数のシャッター装置を開放させたいような場合があるが、シャッター装置へ公衆広域通信網を用いて定時に開信号を送信してシャッター装置を開放させるような場合に、開信号の送信時に通信障害が生じた場合には、定時にシャッター装置を開放させることができないという不具合が生じる。
【0011】
1つの態様では、前記開閉情報には時刻が含まれ、設定された時刻に先立って、前記サーバから所定の受信親機に開閉情報(時刻を含む開閉指令)が送信され、
各受信親機は受信した開閉情報を記憶し、設定された時刻に前記開閉指令を同じエリア内の各受信子機にエリア別構内無線網を用いて送信し、
開閉指令を受信した各受信子機は、対応するシャッター装置の開閉機に開閉信号を出力する。
【0012】
上述の受信親機に開閉情報を記憶させる実施形態は、
構内に設置された複数のシャッター装置を遠隔操作するシステムにおいて、
各シャッター装置の開閉情報が設定されるサーバと、
前記開閉情報を前記サーバから広域公衆通信網で受信して記憶する受信親機と、
前記開閉情報に基づく開閉指令を前記受信親機からエリア別構内通信網で受信する各受信子機と、
を備え、
前記開閉情報には、開閉指令及び時刻が含まれ、
前記受信親機は、設定された時刻に前記開閉指令を各受信子機にエリア別構内通信網で送信し、
各受信子機は、前記開閉指令に基づく開閉信号を対応するシャッター装置の開閉機に出力する、
シャッターの遠隔操作システム、である。
1つの態様では、前記受信親機は、前記開閉情報を受信すると、前記第1の無線通信手段で前記サーバに前記開閉情報の受信確認信号を送信する。
1つの態様では、受信確認信号の有無は、端末装置から確認可能である。
1つの態様では、前記サーバは、所定時間内に上記受信確認信号を受信しない場合には、前記第1の無線通信手段で前記開閉情報を受信親機に再送信する。
1つの態様では、前記サーバは、複数回リトライしても前記受信確認信号が返信されない場合は、端末装置に対して異常通知を行う。
1つの態様では、前記受信子機は前記開閉信号を受信すると、前記第2の無線通信手段で前記受信親機に前記開閉信号の受信確認信号を送信する。
1つの態様では、前記受信親機は、所定時間内に上記受信確認信号(受信子機の識別情報を含む)が確認できない受信子機がある場合には、前記エリア別構内通信網で当該受信子機に開閉信号を再送信する。
1つの態様では、複数回リトライしても受信確認信号が返信されない場合は、受信確認信号が確認できない受信子機について、前記広域公衆通信網で受信未確認信号を前記サーバに送信し、サーバは端末装置に異常通知を行う。
なお、前記受信親機は各受信子機から受信した各受信確認信号を、前記広域公衆通信網で前記サーバに転送するようにしてもよい。サーバ側で、異常がある受信子機を特定して端末装置に異常通知を行ってもよい。
なお、設定した時刻において、広域公衆通信網に通信障害がある場合には、受信親機からサーバへの信号は送信されない。
【0013】
1つの態様では、前記開閉情報には時刻が含まれ、設定された時刻に先立って、前記サーバから所定の受信親機に開閉情報(時刻を含む開閉指令)が送信され、
各受信親機は受信した開閉情報(時刻を含む開閉指令)を同じエリア内の各受信子機にエリア別構内無線網を用いて送信し、各受信子機は前記開閉情報を記憶し、設定された時刻に開閉信号を対応する開閉機に出力する。
【0014】
上述の各受信子機に開閉情報を記憶させる実施形態は、
構内に設置された複数のシャッター装置を遠隔操作するシステムにおいて、
各シャッター装置の開閉情報が設定されるサーバと、
前記開閉情報を前記サーバから広域公衆通信網で受信する受信親機と、
前記開閉情報を前記受信親機からエリア別構内通信網で受信して記憶する各受信子機と、
を備え、
前記開閉情報には、開閉指令及び時刻が含まれ、
各受信子機は、設定された時刻に前記開閉指令に基づく開閉信号を対応するシャッター装置の開閉機に出力する、
シャッターの遠隔操作システム、である。
1つの態様では、前記受信親機は前記開閉情報を受信すると、前記広域公衆通信網で前記サーバに前記開閉情報の受信確認信号を送信する。
1つの態様では、前記サーバは、所定時間内に上記受信確認信号の受信が確認できない場合には、前記広域公衆通信網で前記開閉情報を受信親機に再送信する。
1つの態様では、前記サーバは、複数回リトライしても前記受信確認信号が返信されない場合は、端末装置に対して異常通知を行う。
1つの態様では、各受信子機は前記開閉情報を受信すると、前記エリア別構内通信網で前記受信親機に受信確認信号を送信し、前記受信親機は受信確認信号を受信すると、前記広域公衆通信網で前記サーバに前記受信確認信号を転送する。
1つの態様では、前記受信親機は、所定時間内に上記受信確認信号(受信子機の識別情報を含む)を受信しない場合には、前記エリア別構内通信網で開閉信号を当該受信子機に再送信する。
1つの態様では、複数回リトライしても受信確認信号が返信されない場合は、受信確認信号が得られない受信子機について、前記広域公衆通信網で受信未確認信号を前記サーバに送信し、サーバは端末装置に異常通知を行う。
1つの態様では、各受信子機からの受信確認信号の有無は、端末装置から確認可能である。
【発明の効果】
【0015】
大規模ショッピングモールや駅構内、複合施設の大規模施設の構内では、壁等に遮られて、公衆広域通信網による無線通信が行き渡らない場合がある。各エリアに少なくとも公衆広域通信網の電波が届く領域が含まれるように、構内を複数のエリアに分割し、各エリアの当該領域に送受信親機(例えば、LTEの通信装置)を設置し、送受信親機からエリア別構内通信網で各送受信子機に開閉信号を送信することで、大規模の構内に設置した複数のシャッター装置の遠隔操作を行うようにしている。
【0016】
構内に設置された複数のシャッター装置をエリアに分けることで、個々のエリア毎にシャッターカーテンの開放時間を変更することも容易である。例えば、エリア1の複数のシャッター装置の開放時間を9:30とし、エリア2の複数のシャッター装置の開放時間を10:00と設定することも可能である。
【0017】
本発明が採用した実施形態では、開閉情報(開閉指令、設定時刻)を、シャッター装置が設置された構内に設置された受信親機ないし受信子機に送信して記憶させることによって、設定時刻において公衆広域通信網に通信障害が発生している場合であっても、構内無線通信網を用いてシャッター装置の開閉を実行することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】複数エリアに設置されたシャッターの遠隔操作システムの概要図である。
図2】複数エリアに設置されたシャッターの遠隔操作システムのブロック図である。
図3】シャッターの遠隔操作の流れを例示するフロー図である。
図4】通信障害の影響が低減された遠隔操作システムの第1実施形態を示すフロー図である。
図5】第1実施形態に係るサーバ、送受信親機、送受信子機、開閉機の関係を示すブロック図である。
図6】通信障害の影響が低減された遠隔操作システムの第2実施形態を示すフロー図である。
図7】通信障害の影響が低減された遠隔操作システムの第3実施形態を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[A]複数エリアに設置されたシャッター装置の遠隔操作システムの概要
本実施形態に係るシャッター装置の遠隔操作システムについて説明する。本実施形態に係る遠隔操作システムは、構内の複数のエリアの各エリアに設置された複数の電動シャッター装置を遠隔で開閉操作するものである。図1図2に示すように、本実施形態に係る遠隔操作システムは、端末装置1、サーバ2、送受信親機3、送受信子機4、シャッター装置(開閉機)を備えており、端末装置1からの入力に基づいて、サーバ2から開閉情報が送受信親機3、送受信子機4に無線で送信され、送受信子機4から開閉機に開閉信号が出力されるようになっている。
【0020】
本実施形態に係るシャッター装置は、いわゆるスラットシャッターであり、開口幅方向に延びる長尺状のスラットを高さ方向に連結することでシャッターカーテンが構成されており、開閉機によって巻取シャフトを正逆回転させることで、シャッターカーテンを巻き取り、あるいは、繰り出すことで、開口部を開放ないし閉鎖するようになっている。開閉機は、動作信号(開放信号、閉鎖信号、停止信号)の入力にしたがって作動して、巻取シャフトを所定の方向に回転させ、あるいは、巻取シャフトの回転を停止するようになっている。
【0021】
図1に示す態様では、エリア1には、5台のシャッター装置A~Eが設置されており、エリア2には、5台のシャッター装置F~Jが設置されている。各シャッター装置A~E、F~Jは、各開閉機に対応する送受信子機4a~4e、4f~4jを備えており、例えば、各送受信子機が無線で開放指令を受信すると、対応する開閉機(シャッター制御盤)に、直接あるいは間接的(例えば、シャッター制御盤や送受信子機とは別個の制御部を介して)に、開放信号を出力して、開閉機を駆動させて、全閉姿勢にあるシャッターカーテンを上昇させて開口部を開放する。各送受信子機4と、各開閉機(シャッター制御盤を含む)と、から各シャッター装置の開閉装置が構成される。
【0022】
各エリアには、当該エリアに設置された各シャッター装置の送受信子機4とエリア別構内通信網で無線接続可能な送受信親機3が設けてある。より具体的には、エリア1には、シャッター装置A~Eの送受信子機4A~4Eとエリア別構内通信網で無線接続可能な送受信親機3xが設けてあり、エリア2には、シャッター装置F~Jの送受信子機4F~4Jとエリア別構内通信網で無線接続可能な送受信親機3yが設けてある。本実施形態では、エリア別構内通信網は特定小電力無線であるが、エリア別構内通信網は特定小電力無線に限定されない。図示の態様では、各エリアにおいて、エリア別構内通信網を用いて、1つの送受信親機から各送受信子機に開閉情報(開閉指令)が送信されるようになっているが、エリア別構内通信網を用いて、送受信親機から送受信子機(中継機として機能する)を介して送受信子機に開閉情報(開閉指令)が送信されるようにしてもよい。この場合、中継機として機能する送受信子機は、各シャッター装置の開閉機に対応して設けた送受信子機が兼務してもよく、あるいは、各シャッター装置の開閉機に対応して設けた送受信子機と別個の中継用受信子機であってもよい。
【0023】
各送受信親機3x、3yはサーバ2と公衆広域通信網で無線接続されており、端末装置1からサーバ2への入力に基づいて、公衆広域通信網を用いて、サーバ2から各送受信親機3x、3yに開閉情報が送信される。開閉情報を受信した各送受信親機3x、3yは、エリア別構内通信網を用いて、同じエリア内の各送受信子機4A~4E、4F~4Jに開閉指令を送信し、開閉指令を受信した各送受信子機4A~4E、4F~4Jは、対応するシャッター装置A~E、4F~4Jの開閉機に開閉信号を出力する。本実施形態では、公衆広域通信網はLTE通信網であるが、公衆広域通信網はLTE通信網に限定されない。
【0024】
各エリアには、1台の送受信親機3が配置されている。1つの態様では、各エリアに属する複数のシャッター装置の1つのシャッター装置を代表して、当該シャッター装置に送受信親機3が配置されている。各エリアにおいて、少なくとも送受信親機3は、サーバ2からの電波を確実に受信できる位置に設定される。図示の態様では、エリア1ではシャッター装置Eに送受信親機3xが配置されており、エリア2ではシャッター装置Fに送受信親機3yが配置されている。なお、送受信親機3は、各エリアにおいて、各シャッター装置から独立して配置されていてもよい。また、代表したシャッター装置の送受信親機が当該シャッター装置の送受信子機を兼用してもよい(1つの装置が送受信親機と送受信子機の機能を兼ね揃えている)。各エリアにおいて、送受信親機と複数台の送受信子機は、各エリア内で有効なエリア別構内通信網によって信号の送受信が可能となっている。なお、隣接するエリア別構内通信網が部分的に同じ空間に存在してもよい。
【0025】
各送受信子機4は、メモリと、プロセッサと、通信機能(送受信手段)を備えている。送受信親機3は、メモリと、プロセッサと、通信機能(送受信手段)を備えている。送受信親機3及び送受信子機4は、構内の所定のエリアに配置されており、少なくとも送受信親機3は、サーバ2からの電波を確実に受信できる位置に設定される。端末装置1は例えばシャッター装置から離れた構外の遠隔地にある。1つの態様ではサーバ2はクラウドサーバである。サーバ2は1つあるいは複数のコンピュータから構成されており、メモリ、プロセッサ、通信機能(送受信手段)を備えている。端末装置は、パーソナルコンピュータ(PC)やスマートフォンが例示される。端末装置1とサーバ2は同じコンピュータから構成されてもよい。
【0026】
各エリア、各送受信親機3、各送受信子機4、各シャッター装置は、それぞれ識別情報を備えている。各エリアの識別情報と各送受信親機3の識別情報は対応しており、共通の識別番号としてもよい。各送受信子機4の識別情報と各シャッター装置の識別情報は対応しており、共通の識別番号としてもよい。各エリア(各送受信親機)の識別番号と、当該エリアに属する複数のシャッター装置(送受信子機)の複数の識別番号は関連づけられている。
【0027】
各シャッター装置の動作は、サーバ2によって制御、管理されている。サーバ2のメモリには全シャッター装置のデータベースが格納されており、シャッター装置(エリア情報、各シャッタ装置の識別情報)、送受信親機3の識別情報、送受信子機4の識別番号が登録されている。送受信親機3のメモリには、各シャッター装置(各送受信子機4)の識別情報が登録されている。サーバ2は端末装置1の表示部に対して操作のための設定画面を提供し、メモリには、端末装置1からの操作ログが記憶される。
【0028】
シャッター装置の遠隔操作は、端末装置(パソコン、スマートフォン等)1から入力した開閉情報に基づいて実行される。端末装置1(例えば、PC)からサーバ2にアクセスし、ログイン(ID+パスワード、顔認証等)することで、端末装置1の表示部に設定画面が表示される。端末装置1から、設定画面上で開閉情報を設定すると、サーバ2から送受信親機3に開閉情報が送信される。開閉情報には、操作対象(シャッター識別情報)、開閉指令(開放指令あるいは閉鎖指令)、時刻(典型的には、日時情報)が含まれる。
【0029】
操作対象の指定については、エリアによる指定、各シャッター装置(シャッター識別情報)による指定が採用され得る。エリアで指定することで、当該エリアに属する全てのシャッター装置を指定することができる。例えば、エリアを指定した開閉情報には、各エリアを代表する送受信親機3の識別情報(及び、当該エリアに属する送受信子機4の識別情報)及び開閉指令が含まれる。また、操作対象として、シャッター装置毎に指定することで、同じエリアに属するシャッター装置の設定時刻を異ならしめることができる。
【0030】
操作対象(シャッター装置)及び動作(開放あるいは閉鎖)が予め決定されている場合には、時刻の設定(日時情報の送信)が開閉情報の送信とみなすことができる。例えば、端末装置1から、エリア、開放時間(例:2022年8月5日10:00 OPEN;2022年8月6日09:30 OPEN)を設定して、サーバ2から日時情報を開閉情報(開放情報)として送受信親機3に送信することで、当該送受信親機3で管理される全てのシャッター装置の所定時刻の開放指令としてもよい。
【0031】
操作端末1から設定された開閉情報が、サーバ2、送受信親機3、送受信子機4を介して各シャッター装置の開閉機に出力される仕組みには幾つかの形態がある。これらの態様を図3図4図6に示す。これらの図は、開閉機に開放信号を出力する場合(遠隔開放操作)を例示している点に留意されたい。図3に示す形態では、操作端末1から開閉情報(開操作信号、時刻)が設定されると、設定時刻において、サーバ2から公衆無線通信によって、開信号が送受信親機に送信される。開信号を受信した送受信親機は、無線通信によって開信号を送受信子機に送信する。開信号を受信した送受信子機は、開放信号をシャッター開閉機に出力する。送受信子機は開信号を受信すると、受信確認信号を送受信親機に送信し、送受信親機は送受信子機からの受信確認信号をサーバに送信する。図4図6に示す形態については、後に詳述する。
【0032】
本実施形態に係るシャッターの遠隔操作システムを用いた遠隔操作について、図1図3を参照しつつ、遠隔開放操作を例にとって説明する。端末装置(パソコンやスマートフォン)1からサーバ2にアクセスして、開閉情報設定画面において開閉情報を設定する。例えば、エリア1を選択して開放時間を入力する。1つの態様では、エリア1を選択することで、エリア1に含まれる全てのシャッター装置A~Eが選択され、開放時間の入力は、エリア1に含まれる全てのシャッター装置A~Eを設定時間に開放する指令を意味する。この場合、設定時刻にサーバ2からエリア1の送受信親機3xに開放指令が送信され、開放指令を受信した送受信親機3xから各シャッター装置A~Eの送受信子機4A~4Eに順次開放指令が送信され、送受信子機4A~4Eは開放指令を受信すると、対応する開閉機に開放信号を出力する。設定した開放時間は、エリア1に属するシャッター装置A~E群の全体としての開放開始時間である。
【0033】
同様に、エリア2を選択して開放時間を入力する。1つの態様では、エリア2を選択することで、エリア2に含まれる全てのシャッター装置F~Jが選択され、開放時間の入力は、エリア2に含まれる全てのシャッター装置F~Jを設定時間に開放する指令を意味する。この場合、設定時刻にサーバ2からエリア2の送受信親機3yに開放指令が送信され、開放指令を受信した送受信親機3yから各シャッター装置F~Jをの送受信子機4F~4Jに順次開放指令が送信され、送受信子機4F~4Jは開放指令を受信すると、対応する開閉機に開放信号を出力する。
【0034】
各送受信子機4A~4Eは開放指令を受信すると、送受信親機3xに受信確認信号を送信する。送受信親機3xは各送受信子機4A~4Eから確認信号を受信すると、サーバ2に確認信号を送信する。各送受信子機4F~4Jは開放指令を受信すると、送受信親機3yに受信確認信号を送信する。送受信親機3yは各送受信子機4F~4Jから確認信号を受信すると、サーバ2に確認信号を送信する。サーバ2は、所定時間内に、確認信号が受信されない送受信子機がある場合には、送受信親機を介して当該送受信子機への開放指令を再送信する。1つの態様では、サーバ2は、複数回リトライしても受信確認信号が返信されない場合は、端末装置1に対して当該送受信子機について異常通知を行う。1つの態様では、受信確認信号の有無は、端末装置1からサーバ2にアクセスすることで確認可能である。
【0035】
上記説明では、設定時刻にサーバ2から送受信親機3に開閉指令が送信されるようになっているが、後述するように、設定時刻に先立って、サーバ2から開閉情報を送受信親機3ないし送受信子機4に送信し、送受信親機3ないし送受信子機4で設定時刻を記憶しておき、設定時刻に送受信親機3ないし送受信子機4から開閉指令を送信することで、サーバ2と送受信親機3間の無線通信手段の通信障害による影響を低減することができる。また、上記説明では、同じエリア内の全てのシャッター装置について同時刻の開放時間を設定したが、同じエリア内の各シャッター装置の開放時間を個別に設定するようにしてもよい。
【0036】
各シャッター装置は、当該シャッター装置の状態(全開姿勢、全閉姿勢、障害物検知等)を検知する検知手段を備えていてもよい。シャッター装置の状態には、シャッターの開閉回数や異常履歴等のメンテナンス情報が含まれていてもよい。これらの情報は、例えば、シャッター装置に設けた制御部や送受信子機のメモリに記憶される。また、各シャッター装置から出力される検知信号やメンテナンス情報は、開閉信号の無線送信経路と逆経路で送信され、サーバ2のメモリに記憶されると共に、必要な情報を端末装置1に適宜通知するようにしてもよい。各シャッター装置は、本遠隔操作システムに加えて、シャッター設置現場に操作部(例えば、壁に埋設した操作スイッチ、近距離での遠隔操作を可能とするリモコンスイッチ)を備えていてもよい。
【0037】
大規模ショッピングモールや駅構内、複合施設の大規模施設の構内では、壁等に遮られて、公衆広域通信網による無線通信が行き渡らない場合がある。各エリアに少なくとも公衆広域通信網の電波が届く領域が含まれるように、構内を複数のエリアに分割し、各エリアの当該領域に送受信親機(例えば、LTEの通信装置)を設置し、送受信親機3からエリア別構内通信網で各送受信子機4に開閉信号を送信することで、大規模の構内に設置した複数のシャッター装置の遠隔操作を行うようにしている。構内に設置された複数のシャッター装置をエリアに分けることで、個々のエリア毎にシャッターカーテンの開放時間を変更することも容易である。例えば、エリア1のシャッター装置A~Eの開放時間を9:30とし、エリア2のシャッター装置F~Jの開放時間を10:00と設定することも可能である。
【0038】
[B]通信障害の影響が低減されたシャッター装置の遠隔操作システム
[B-1]第1実施形態(図4
第1実施形態に係るシャッターの遠隔操作システムは、端末装置1と、サーバ2と、サーバ2と公衆広域無線通信で信号を送受可能な送受信親機3と、複数のシャッター装置の各シャッター装置に設けられた送受信子機4と、を備えており、端末装置1からの入力によってサーバ2に開閉情報が設定される。第1実施形態に係るシャッターの遠隔操作システムは、サーバ2から送信された時刻を含む開閉情報を受信した送受信親機3において、送受信親機3のメモリに設定時刻を記憶させて、設定時刻に基づくタイマーによって、送受信親機3から送受信子機4に開閉指令を送信し、送受信子機4は開閉指令に基づいて開閉信号を開閉機に送信するものである。図示の態様では、便宜上、2機の送受信子機4a、4bが例示されているが、送受信子機の台数は限定されない。
【0039】
図4に示すように、第1実施形態に係るシャッターの遠隔操作システムは、各シャッター装置の開閉情報が設定されるサーバ2と、開閉情報(日時情報)をサーバ2から第1の無線通信手段で受信して記憶する送受信親機3と、開閉情報に基づく開閉指令(図示の態様では開信号)を送受信親機から第2の無線通信手段で受信する各送受信子機4a、4bと、を備え、開閉情報には、開閉指令及び時刻が含まれ、送受信親機3は、設定された時刻に開閉指令を各送受信子機4a、4bに第2の無線通信手段で送信し、各送受信子機4a、4bは、開閉指令に基づく開閉信号(図示の態様では開放信号)を対応するシャッター装置の開閉機に出力する。前記第1の無線通信手段は、公衆広域通信網(例えば、LTE)であり、前記第2の無線通信手段は、構内無線通信網(例えば、特定小電力無線)である。
【0040】
図5に示すように、第1実施形態に係る遠隔操作システムにおいて、送受信親機は、通信機能(送受信手段)と、プロセッサと、メモリと、時計と、を備えており、サーバから開閉情報(設定時刻、開閉指令)を受信すると、設定時刻がメモリに記憶されるようになっている。送受信親機はサーバから開閉情報を受信すると、サーバに受信確認信号を送信するようになっている。設定時刻に基づいて設定されたタイマーによって、設定時刻に開閉指令を送受信子機に送信し、送受信子機は開閉指令に基づいて開閉信号を開閉機に出力する。サーバと送受信親機が通信している間に、送受信親機に内蔵された時計の時刻は、サーバに内蔵された時計の時刻に基づいて更新されることで、送受信親機の時刻をサーバの時刻に合わせるようにしている。送受信子機は、送受信親機から開閉指令を受信すると、送受信親機に受信確認信号を送信する。送受信親機は、送受信子機から受信した受信確認信号(受信未確認信号)をサーバに送信する。
【0041】
送受信親機3は、サーバ2から開閉情報を受信すると、第1の無線通信手段でサーバ2に開閉情報の受信確認信号を送信する。1つの態様では、サーバ2は、所定時間内に上記受信確認信号を受信しない場合には、第1の無線通信手段で開閉情報を送受信親機3に再送信する。1つの態様では、サーバ2は、複数回リトライしても受信確認信号が返信されない場合は、端末装置1に対して異常通知を行う。1つの態様では、受信確認信号の有無は、端末装置1からサーバ2にアクセスすることで確認可能である。
【0042】
各送受信子機4は送受信親機3から開閉信号を受信すると、第2の無線通信手段で送受信親機4に開閉信号の受信確認信号を送信する。1つの態様では、送受信親機3は、所定時間内に上記受信確認信号(送受信子機の識別情報を含む)が確認できない送受信子機4がある場合には、第2の無線通信手段で当該送受信子機4に開閉信号を再送信する。1つの態様では、複数回リトライしても受信確認信号が返信されない場合は、受信確認信号が確認できない送受信子機4について、第1の無線通信手段で受信未確認信号をサーバ2に送信し、サーバ2は端末装置1に異常通知を行う。なお、送受信親機3は各送受信子機4から受信した各受信確認信号を、第1の無線通信手段でサーバ2に転送するようにしてもよい。この場合、サーバ側で、異常がある送受信子機4を特定して端末装置1に異常通知を行ってもよい。あるいは、サーバ2において、設定時間から所定時間内に確認信号が受信されない送受信子機4がある場合に、当該送受信子機4について端末装置1に異常通知を行うようにしてもよい。なお、設定した時刻において、第1の無線通信手段に通信障害がある場合には、送受信親機3からサーバ2への信号は送信されない点に留意されたい。
【0043】
第1実施形態において、構内に設置された複数のシャッター装置を遠隔操作する方法は、サーバ2において、シャッター装置の開閉指令及び時刻が含まれる開閉情報を設定する工程と、前記時刻に先立って、前記開閉情報をサーバ2から構内に配置された送受信親機3に送信して、前記開閉情報を送受信親機3に記憶させる工程と、前記時刻に、前記開閉指令に基づく開閉信号を、送受信親機3から各受信子機4(4a、4b)を介して各開閉機に送信する工程と、からなる。
【0044】
1つの態様では、端末装置1からサーバ2にアクセスし、Web画面で時間を設定したタイミング(例えば、送信ボタンをクリックする)で開閉情報が送受信親機3に送信される。開閉情報に含まれる時刻すなわち時間情報(典型的には日時情報)は、送受信親機3のメモリに登録される。1つの態様では、サーバ2と送受信親機3は定時通信(例えば、1時間毎)を行っており、定時通信時に、次に開放する時間情報と送受信親機に登録されている次回時間情報の確認・整合を行ってもよい。1つの態様では、開放時間前(例えば、10分前)に、送受信親機3からサーバ2に時間確認信号を送信して、サーバ2のメモリに記憶されている設定時間情報と照らし合わせ、相違する場合には、時間情報を修正するようにしてもよい。
【0045】
1つの態様では、各開閉機の作動の直前ないし作動開始時に、現場においてアラートを生成するようにしてもよい。例えば、設定時刻の直前に送受信親機3から各送受信子機4に予告信号を送信し、予告信号の受信に基づいてアラートを生成してもよい。あるいは、設定時刻の直前に送受信親機3から各送受信子機4に開閉指令を送信し、開閉指令を受信した各送受信子機4において、先ずアラートを生成し、設定時刻(タイマーで遅延させる)に開閉機に開閉信号を出力するようにしてもよい。アラートとしては、音声(音楽、ブザー、アナウンス)および/あるいはランプ表示等が例示される。音声情報は、例えば、送受信子機4のメモリに記憶されており、送受信子機4は音声出力部(スピーカを含む)を備えていてもよい。あるいは、送受信子機4と別個にアラート生成器(メモリに音声情報が記憶されている)を設けてもよい。
【0046】
1つの態様では、構内空間には複数のエリアが設定されており、各エリアには複数のシャッター装置が設置されており、各エリアには、当該エリアに設置された各シャッター装置の送受信子機4とエリア別構内通信網で無線接続可能な送受信親機3が設けてあり、サーバは、各送受信親機3と公衆広域通信網で無線接続されている(図1図2参照)。端末装置1からサーバ2への入力に基づいて、公衆広域通信網を用いて、サーバ2から各受信親機3に開閉情報が送信される。前記開閉情報には時刻が含まれ、設定された時刻に先立って、前記サーバから所定の送受信親機3に開閉情報(時刻を含む)が送信され、各送受信親機3は受信した開閉情報を記憶し、設定された時刻に前記開閉指令を同じエリア内の各送受信子機4にエリア別構内無線網を用いて送信し、開閉指令を受信した各送受信子機4は、対応するシャッター装置の開閉機に開閉信号を出力する。
【0047】
第1実施形態において、開閉情報(開閉指令、設定時刻)を、送受信親機3に記憶させて保持させることで、設定時刻において公衆広域通信網(例えば、LTE)に通信障害が発生している場合であっても、設定時刻に送受信親機3から構内無線通信網(例えば、特定小電力無線)で開閉指令を各送受信子機4に送信して、シャッター装置の開閉が実行される。また、送受信親機3に内蔵された時計を、サーバ2に内蔵された時計の時刻に基づいて更新しておくことで、最新の時間で安定的にタイマーに基づいた開閉が可能となる。また、サーバ2から送信される開閉情報(開閉指令、設定時刻)における設定時刻を変更して送受信親機3に送信することで、構内で開催されるイベントなどに合わせて随時時間の変更が容易である。
【0048】
[B-2]第2実施形態(図6
第2実施形態に係るシャッターの遠隔操作システムは、端末装置1と、サーバ2と、サーバ2と公衆広域無線通信で信号を送受可能な送受信親機3と、複数のシャッター装置の各シャッター装置に設けられた送受信子機4と、を備えており、端末装置1からの入力によってサーバ2に開閉情報が設定される。第2実施形態に係るシャッターの遠隔操作システムは、サーバ2から送信された時刻を含む開閉情報を送受信親機3から送受信子機4に送信し、送受信子機4のメモリに設定時刻を記憶させて、設定時刻に基づくタイマーによって、送受信子機4から開閉機に設定時刻に開閉信号を送信するものである。図示の態様では、便宜上、2機の送受信子機4a、4bが例示されているが、送受信子機の台数は限定されない。
【0049】
図6に示すように、構内に設置された複数のシャッター装置を遠隔操作するシステムは、各シャッター装置の開閉情報が設定されるサーバ2と、開閉情報(日時情報)をサーバ2から第1の無線通信手段で受信する送受信親機3と、開閉情報を送受信親機3から第2の無線通信手段で受信して記憶する各送受信子機4と、を備え、開閉情報には、開閉指令及び時刻が含まれ、各送受信子機は、設定された時刻に開閉指令に基づく開閉信号(図示の態様では開放信号)を対応するシャッター装置の開閉機に出力する。前記第1の無線通信手段は、公衆広域通信網(例えば、LTE)であり、前記第2の無線通信手段は、構内無線通信網(例えば、特定小電力無線)である。1つの態様では、送受信親機及び各送受信子機は時計を内蔵しており、送受信子機の時計は、送受信親機に内蔵された時計を介して、サーバに内蔵された時計の時刻に基づいて更新される。
【0050】
送受信親機3はサーバ2から開閉情報を受信すると、第1の無線通信手段でサーバ2に開閉情報の受信確認信号を送信する。1つの態様では、サーバ2は、所定時間内に上記受信確認信号の受信が確認できない場合には、第1の無線通信手段で開閉情報を送受信親機3に再送信する。1つの態様では、サーバ2は、複数回リトライしても前記受信確認信号が返信されない場合は、端末装置1に対して異常通知を行う。
【0051】
各送受信子機4は開閉情報を受信すると、第2の無線通信手段で送受信親機3に受信確認信号を送信し、送受信親機3は受信確認信号を受信すると、第1の無線通信手段でサーバ2に受信確認信号を転送する。1つの態様では、送受信親機3は、各送受信子機4に開閉信号を送信した時点では、当該開閉信号を記憶部に保持しており、各送受信子機4から受信確認信号を受信すると、開閉信号が記憶部から消去される。1つの態様では、送受信親機は、所定時間内に上記受信確認信号(送受信子機の識別情報を含む)を受信しない場合には、第2の無線通信手段で開閉信号を当該送受信子機4に再送信する。1つの態様では、複数回リトライしても受信確認信号が返信されない場合は、受信確認信号が得られない送受信子機4について、第1の無線通信手段で受信未確認信号をサーバ2に送信し、サーバ2は端末装置1に異常通知を行う。1つの態様では、各送受信子機4からの受信確認信号の有無は、端末装置1からサーバ2にアクセスすることで確認可能である。
【0052】
1つの態様では、構内空間には複数のエリアが設定されており、各エリアには複数のシャッター装置が設置されており、各エリアには、当該エリアに設置された各シャッター装置の送受信子機4とエリア別構内通信網で無線接続可能な送受信親機3が設けてあり、サーバ2は、各送受信親機3と公衆広域通信網で無線接続されている(図1図2参照)。端末装置1からサーバ2への入力に基づいて、公衆広域通信網を用いて、サーバ2から各受信親機3に開閉情報が送信される。前記開閉情報には時刻が含まれ、設定された時刻に先立って、サーバ2から所定の送受信親機3に開閉情報(時刻を含む)が送信され、各送受信親機3は受信した開閉情報を同じエリア内の各送受信子機4にエリア別構内無線網を用いて送信し、各送受信子機4は前記開閉情報を記憶し、設定された時刻に開閉信号を対応する開閉機に出力する。
【0053】
第2実施形態において、構内に設置された複数のシャッター装置を遠隔操作する方法は、サーバ2において、シャッター装置の開閉指令及び時刻が含まれる開閉情報を設定する工程と、前記時刻に先立って、前記開閉情報をサーバ2から構内に配置された送受信親機3に送信し、さらに、送受信親機3から各受信子機4(4a、4b)に送信して、前記開閉情報を各受信子機4(4a、4b)で記憶させる工程と、前記時刻に、前記開閉指令に基づく開閉信号を、各送受信子機4(4a、4b)から各シャッター装置の開閉機に送信する工程と、からなる。
【0054】
1つの態様では、端末装置1からサーバ2にアクセスし、Web画面で時間を設定したタイミング(例えば、送信ボタンをクリックする)で開閉情報が送受信親機3に送信され、送受信親機3から各送受信子機4に開閉情報が送信される。1つの態様では、構内において、複数のシャッター装置が設定されている場合に、各シャッター装置の状態(例えば、全開状態)を取得し、所定のシャッター装置(例えば全てのシャッター装置)が全開状態にあるタイミングで開閉情報を各送受信子機4に送信するようにしてもよい。開閉情報に含まれる時刻すなわち時間情報(典型的には日時情報)は、各送受信子機4のメモリに登録される。1つの態様では、サーバ2と送受信親機3は定時通信(例えば、1時間毎)を行っており、かつ、送受信親機3と各送受信子機4間でも定時通信を行うことで、次に開放する時間情報と送受信子機に登録されている次回時間情報の確認・整合を行ってもよい。1つの態様では、開放時間前(例えば、10分前)に、送受信子機4から送受信親機3を介してサーバ2に時間確認信号を送信して、サーバ2のメモリに記憶されている設定時間情報と照らし合わせ、相違する場合には、時間情報を修正するようにしてもよい。
【0055】
1つの態様では、各開閉機の作動の直前ないし作動開始時に、現場においてアラートを生成するようにしてもよい。例えば、設定時刻の直前に送受信子機4あるいは送受信子機4と別個に設けたアラート生成器からアラートを生成してもよい。アラートとしては、音声(音楽、ブザー、アナウンス)および/あるいはランプ表示等が例示される。音声情報は、例えば、送受信子機4のメモリに記憶されていてもよく、あるいは、アラート生成器のメモリに記憶されていてもよい。
【0056】
第2実施形態において、開閉情報(開閉指令、設定時刻)を、送受信子機4に記憶させて保持させることで、設定時刻において公衆広域通信網(例えば、LTE)に通信障害が発生している場合であっても、設定時刻に各送受信子機4から開閉機に開閉信号を出力して、シャッター装置の開閉が実行される。また、構内において、送受信親機3から各送受信子機4に開閉情報を送信する際に、シャッター装置が開放姿勢にある状態で開閉情報(例えば、開放指令と時刻)を送信することで、通信が容易な環境で事前に送受信子機4のメモリに設定時間を記憶させておくことができ、LTEの通信や構内間の機器(送受信親機3と送受信子機4)間の無線通信の障害が生じている場合であっても、メモリに記憶された設定時刻に基づいて各送受信子機4から開閉機に開閉信号を出力して、シャッター装置の開閉が実行される。
【0057】
[B-3]第3実施形態(図7
第3実施形態に係るシャッターの遠隔操作システムは、端末装置1と、サーバ2と、複数のシャッター装置の各シャッター装置に設けられた送受信機5a、5bと、を備えており、サーバ2と各送受信機5a、5bは公衆広域無線通信(例えばLTE)で信号を送受信可能であり、端末装置1からの入力によってサーバ2に開閉情報が設定される。第3実施形態に係るシャッターの遠隔操作システムは、サーバ2から各シャッター装置の対応する各送受信機に直接開閉情報を送信するものである。
【0058】
図7に示すように、構内に設置された複数のシャッター装置を遠隔操作するシステムは、各シャッター装置の開閉情報が設定されるサーバ2と、開閉情報(日時情報)をサーバ2から無線通信手段で受信して記憶する各送受信機5a、5bと、を備え、開閉情報には、開閉指令及び時刻が含まれ、各送受信機5a、5bは、設定された時刻に前記開閉指令に基づく開閉信号(図示の態様では開放信号)を対応するシャッター装置の開閉機に出力する。
【0059】
各送受信機5a、5bは、開閉情報を受信すると、無線通信手段でサーバ2に受信確認信号を送信する。1つの態様では、サーバ2は、所定時間内に上記受信確認信号を受信しない場合には、無線通信手段で開閉情報を当該送受信機5a、5bに再送信する。1つの態様では、サーバ2は、複数回リトライしても受信確認信号が返信されない場合は、受信確認信号が得られない送受信機5a、5bについて、端末装置1に異常通知を行う。1つの態様では、各送受信機5a、5bからの受信確認信号の有無は、端末装置1からサーバ2にアクセスすることで確認可能である。
【0060】
第3実施形態において、構内に設置された複数のシャッター装置を遠隔操作する方法は、サーバ2において、シャッター装置の開閉指令及び時刻が含まれる開閉情報を設定する工程と、前記時刻に先立って、前記開閉情報をサーバ2から構内に配置された複数の送受信機5a、5bに送信して、前記開閉情報を送受信機5a、5bに記憶させる工程と、前記時刻に、前記開閉指令に基づく開閉信号を、送受信機5a、5bから各シャッター装置の開閉機に送信する工程と、からなる。
【0061】
1つの態様では、端末装置1からサーバ2にアクセスし、Web画面で時間を設定したタイミング(例えば、送信ボタンをクリックする)で開閉情報が送受信機5a、5bに送信される。1つの態様では、構内において、複数のシャッター装置が設定されている場合に、各シャッター装置の状態(例えば、全開状態)を取得し、所定のシャッター装置(例えば全てのシャッター装置)が全開状態にあるタイミングで開閉情報を各送受信機に送信するようにしてもよい。
【0062】
開閉情報に含まれる時刻すなわち時間情報(典型的には日時情報)は、各送受信機のメモリに登録される。1つの態様では、サーバ2と送受信機は定時通信(例えば、1時間毎)を行っており、定時通信時に、次に開放する時間情報と送受信機に登録されている次回時間情報の確認・整合を行ってもよい。1つの態様では、開放時間前(例えば、10分前)に、送受信機4からサーバ2に時間確認信号を送信して、サーバ2のメモリに記憶されている設定時間情報と照らし合わせ、相違する場合には、時間情報を修正するようにしてもよい。
【0063】
1つの態様では、各開閉機の作動の直前ないし作動開始時に、現場においてアラートを生成するようにしてもよい。例えば、設定時刻の直前に送受信機あるいは送受信機と別個に設けたアラート生成器からアラートを生成してもよい。アラートとしては、音声(音楽、ブザー、アナウンス)および/あるいはランプ表示等が例示される。音声情報は、例えば、送受信機のメモリに記憶されていてもよく、あるいは、アラート生成器のメモリに記憶されていてもよい。
【0064】
第3実施形態において、開閉情報(開閉指令、設定時刻)を、送受信機5a、5bに記憶させて保持させることで、設定時刻において公衆広域通信網(例えば、LTE)に通信障害が発生している場合であっても、設定時刻に送受信機5a、5bから開閉機に開閉信号を出力して、シャッター装置の開閉が実行される。
【符号の説明】
【0065】
1 端末装置
2 サーバ
3、3x、3y 送受信親機
4、4A~4J、4a、4b 送受信子機
A~J シャッター装置
5a、5b 送受信機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7