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特開2024-144507情報処理装置、顔認証システム、及び、情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144507
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、顔認証システム、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G07C 9/37 20200101AFI20241003BHJP
   G07C 9/38 20200101ALI20241003BHJP
   G07C 9/20 20200101ALI20241003BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20241003BHJP
【FI】
G07C9/37
G07C9/38
G07C9/20
G07B15/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024117654
(22)【出願日】2024-07-23
(62)【分割の表示】P 2020030493の分割
【原出願日】2020-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】窪田 賢雄
(72)【発明者】
【氏名】國枝 賢徳
(72)【発明者】
【氏名】山本 優
(57)【要約】
【課題】特定の領域を通過する人の顔画像を用いた照合(の処理速度を向上できる情報処理装置、顔認証システム、及び、情報処理方法の提供に資する。
【解決手段】情報処理装置は、第1地点から第2地点へ移動する乗り物に搭乗し得る人物を第1地点において撮影した画像を取得する取得部と、画像に含まれる顔画像の情報に基づいて、乗り物によって第2地点に到達可能な人物の候補を決定する処理部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1地点から第2地点へ移動する乗り物に搭乗し得る人物を前記第1地点において撮影した画像と、前記人物の前記第1地点及び前記第2地点の少なくとも一方の利用頻度に関する情報とを取得する取得部と、
前記画像に含まれる顔画像の情報および前記利用頻度に関する情報に基づいて、前記乗り物によって前記第2地点に到達可能であり、前記第2地点における顔照合の対象となる人物の候補を、前記利用頻度が高い人物ほど優先されるように決定する処理部と、
を備え、
前記処理部は、前記第1地点において撮影した画像に含まれる顔画像が撮影された時刻情報と、前記第1地点から前記第2地点までの前記乗り物による移動時間の情報と、に基づいて、所定時刻までに前記乗り物によって前記第2地点に到達し得ない人物を前記候補から除外する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記乗り物の運行予定に関する情報に基づいて、前記移動時間を推定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記乗り物の運行状況を示す情報を取得し、
前記処理部は、前記運行状況を示す情報に基づいて、推定した前記移動時間を補正する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記第1地点と前記第2地点との間の距離の情報に基づいて、前記移動時間を推定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
第1地点から第2地点へ移動する乗り物に搭乗し得る人物を前記第1地点において撮影した画像を取得する取得部と、
現在時刻から前記第1地点から前記第2地点までの前記乗り物による移動時間を減じた第1時刻が、前記画像に含まれる顔画像が撮影された第2時刻以降の場合、前記第2時刻に撮影された前記顔画像の人物を、前記第2地点における顔照合の対象となる人物の候補に決定し、一定時間毎に前記候補を更新する処理部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項6】
第1地点から第2地点へ移動する乗り物に搭乗し得る人物を前記第1地点において撮影した画像と、前記第2地点において顔照合を行う予定時刻とを取得する取得部と、
前記予定時刻から前記第1地点から前記第2地点までの前記乗り物による移動時間を減じた第1時刻が、前記画像に含まれる顔画像が撮影された第2時刻以降の場合、前記第2時刻に撮影された前記顔画像の人物を、前記第2地点における顔照合の対象となる人物の候補に決定する処理部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、更に、現在時刻と前記予定時刻との間に、前記第1地点において撮影した画像を取得し、
前記処理部は、更に、前記現在時刻と前記予定時刻との間に前記第1地点において撮影した画像に含まれる顔画像の情報に基づいて前記乗り物によって前記第2地点に到達可能な人物を決定して前記候補に追加する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記乗り物を利用する人物の顔画像の情報を、前記第1地点において撮影した画像に含まれる顔画像の情報に基づいて絞り込むことにより、前記乗り物によって前記第2地点に到達可能な前記候補を決定する、
請求項1、請求項5または請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記乗り物によって前記第2地点に到達可能な前記第1地点は複数存在し、
前記取得部は、複数の前記第1地点それぞれにおいて撮影した画像を取得する、
請求項1、請求項5または請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
第1地点から第2地点へ移動する乗り物に搭乗し得る人物を前記第1地点において撮影するカメラと、
前記カメラによって撮影された画像と前記人物の前記第1地点及び前記第2地点の少なくとも一方の利用頻度に関する情報とを取得し、前記画像に含まれる顔画像の情報および前記利用頻度に関する情報に基づいて、前記乗り物によって前記第2地点に到達可能であり、前記第2地点における顔照合の対象となる人物の候補を、前記利用頻度が高い人物ほど優先されるように決定する情報処理装置と、
を含み、
前記情報処理装置は、前記第1地点において撮影した画像に含まれる顔画像が撮影された時刻情報と、前記第1地点から前記第2地点までの前記乗り物による移動時間の情報と、に基づいて、所定時刻までに前記乗り物によって前記第2地点に到達し得ない人物を前記候補から除外する、
顔認証システム。
【請求項11】
第1地点から第2地点へ移動する乗り物に搭乗し得る人物を前記第1地点において撮影するカメラと、
現在時刻から前記第1地点から前記第2地点までの前記乗り物による移動時間を減じた第1時刻が、前記カメラによって撮影された画像に含まれる顔画像が撮影された第2時刻以降の場合、前記第2時刻に撮影された前記顔画像の人物を、前記第2地点における顔照合の対象となる人物の候補に決定し、一定時間毎に前記候補を更新する情報処理装置と、
を含む、顔認証システム。
【請求項12】
第1地点から第2地点へ移動する乗り物に搭乗し得る人物を前記第1地点において撮影するカメラと、
前記第2地点で顔照合を行う予定時刻を取得し、前記予定時刻から前記第1地点から前記第2地点までの前記乗り物による移動時間を減じた第1時刻が、前記カメラによって撮影された画像に含まれる顔画像が撮影された第2時刻以降の場合、前記第2時刻に撮影された前記顔画像の人物を、前記第2地点における顔照合の対象となる人物の候補に決定する情報処理装置と、
を含む、顔認証システム。
【請求項13】
情報処理装置およびカメラを有する顔認証システムにおいて、
前記カメラは、
第1地点から第2地点へ移動する乗り物に搭乗し得る人物を前記第1地点において撮影し、
前記情報処理装置は、
前記カメラによって撮影された画像と、前記人物の前記第1地点及び前記第2地点の少なくとも一方の利用頻度に関する情報とを取得し、
前記画像に含まれる顔画像の情報および前記利用頻度に関する情報に基づいて、前記乗り物によって前記第2地点に到達可能であり、前記第2地点における顔照合の対象となる人物の候補を、前記利用頻度が高い人物ほど優先されるように決定し、
前記第1地点において撮影した画像に含まれる顔画像が撮影された時刻情報と、前記第1地点から前記第2地点までの前記乗り物による移動時間の情報と、に基づいて、所定時刻までに前記乗り物によって前記第2地点に到達し得ない人物を前記候補から除外する、
情報処理方法。
【請求項14】
情報処理装置およびカメラを有する顔認証システムにおいて、
前記カメラは、
第1地点から第2地点へ移動する乗り物に搭乗し得る人物を前記第1地点において撮影し、
前記情報処理装置は、
前記カメラによって撮影された画像を取得し、
現在時刻から前記第1地点から前記第2地点までの前記乗り物による移動時間を減じた第1時刻が、前記画像に含まれる顔画像が撮影された第2時刻以降の場合、前記第2時刻に撮影された前記顔画像の人物を、前記第2地点における顔照合の対象となる人物の候補に決定し、一定時間毎に前記候補を更新する、
情報処理方法。
【請求項15】
情報処理装置およびカメラを有する顔認証システムにおいて、
前記カメラは、
第1地点から第2地点へ移動する乗り物に搭乗し得る人物を前記第1地点において撮影し、
前記情報処理装置は、
前記カメラによって撮影された画像と、前記第2地点において顔照合を行う予定時刻とを取得し、
前記予定時刻から前記第1地点から前記第2地点までの前記乗り物による移動時間を減じた第1時刻が、前記画像に含まれる顔画像が撮影された第2時刻以降の場合、前記第2時刻に撮影された前記顔画像の人物を、前記第2地点における顔照合の対象となる人物の候補に決定する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、顔認証システム、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
顔認証によって、駅や空港などに設置されるゲートを通過する人の入退出を管理する技術が知られている。特許文献1には、人のゲートへの円滑な通過を実現する技術が開示される。特許文献1の技術は、ゲートの通過前領域を撮影した撮影画像内の対象の特徴量を抽出し、予め登録されている照合情報(人の特徴量に関する情報など)と、ゲートに近づく人からゲートまでの推定距離とに基づいて、照合判定を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-133364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲートを人が通過する時間は数秒程度であるため、ゲートを通過する人を顔画像によって照合(あるいは認証)する場合、短時間での処理が期待される。
【0005】
本開示の非限定的な実施例は、ゲートのような特定の領域を通過する人の顔画像を用いた照合(以下「顔画像照合」又は「顔画像認証」と略称することがある)の処理速度を向上できる情報処理装置、顔認証システム、及び、情報処理方法の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施例に係る情報処理装置は、第1地点から第2地点へ移動する乗り物に搭乗し得る人物を前記第1地点において撮影した画像を取得する取得部と、前記画像に含まれる顔画像の情報に基づいて、前記乗り物によって前記第2地点に到達可能であり、前記第2地点における顔照合の対象となる人物の候補を決定する処理部と、
を備える。
【0007】
本開示の一実施例に係る顔認証システムは、第1地点から第2地点へ移動する乗り物に搭乗し得る人物を前記第1地点において撮影するカメラと、前記第1のカメラによって撮影された画像を取得し、前記画像に含まれる顔画像の情報に基づいて、前記乗り物によって前記第2地点に到達可能であり、前記第2地点における顔照合の対象となる人物の候補を決定する情報処理装置と、を含む。
【0008】
本開示の一実施例に係る情報処理方法は、第1地点から第2地点へ移動する乗り物に搭乗し得る人物を前記第1地点において撮影した画像を取得し、前記画像に含まれる顔画像の情報に基づいて、前記乗り物によって前記第2地点に到達可能であり、前記第2地点における顔照合の対象となる人物の候補を決定する。
【0009】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、又は、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一実施例によれば、特定の領域を通過する人の顔画像照合の処理速度を向上できる。
【0011】
本開示の一実施例における更なる利点及び効果は、明細書及び図面から明らかにされる。かかる利点及び/又は効果は、いくつかの実施形態並びに明細書及び図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つ又はそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示に係る顔認証システムが有する機能の概要を示す図
図2】実施の形態1に係る顔認証システムの構成例を示す図
図3】顔認証サーバ及び入場顔認証装置のハードウェア構成例を示す図
図4】実施の形態1に係る顔認証サーバ及びゲートの機能構成例を示す図
図5】実施の形態1に係る顔認証システムの動作例を説明するためのフローチャート
図6】実施の形態2に係る顔認証サーバ及びゲートの機能構成例を示す図
図7】実施の形態2に係る顔認証システムの動作例を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は本開示に係る顔認証システム100が有する機能の概要を示す図である。顔認証システム100は、顔認証(顔検索)機能100a、入退場管理機能100cなどを備える。
【0015】
顔認証機能100aは、顔登録データベース(DB)100bに登録された顔画像に、空港、駅、イベント会場などの施設に設置されるゲート(入場ゲート、退場ゲートなど)を通行する人の顔画像を照合することにより、顔認証を行う。
【0016】
顔登録DB100bには、例えば、スマートフォン、券売機などで撮影された顔画像の情報が記憶されている。
【0017】
照合とは、登録された顔画像と、ゲートを通過する人の顔画像とを照らし合わせることにより、事前に登録された顔画像とゲートを通過する人の顔画像とが一致するか否か、あるいは、事前に登録された顔画像とゲートを通過する人の顔画像とが同一人物の顔画像であるか否かを判定することである。
【0018】
一方、認証とは、事前に登録された顔画像に一致する顔画像の人が本人であること(別言すると、ゲートの通過を許可してよい人であること)を外部(例えば、ゲート)に証明することである。
【0019】
ただし、本開示において、「照合」と「認証」とは相互に可換な用語として用いることがある。
【0020】
入退場管理機能100cは、入退場履歴情報DB100dから入退場に係る情報(入退場したゲートを識別する識別情報、ゲートの入退場時刻など)を取得し、照合結果に応じて、開閉ドア機構の開閉動作を制御する。
【0021】
また、入退場管理機能100cは、例えばスマートフォン会員サービスSに対して、入退場記録に関する情報を送信する。入退場記録に関する情報は、例えば、ゲートへ入場した時刻、ゲートから退場した時刻、などである。
【0022】
スマートフォン会員サービスSは、例えば、顔認証による入退場管理システムを提供するサービスである。このサービスを受けるスマートフォンのユーザは、スマートフォンに付属するカメラによって、人の顔を撮影することにより、顔認証用の顔画像を顔登録DB100bに登録する。例えば、このサービスには、ゲートの入退出記録に関する情報をユーザに通知するなどのサービスが含まれる。
【0023】
次に図2を参照して顔認証システムの構成例について説明する。なお、以下では、一例として、顔認証システムが、鉄道網の各駅の出入り口に設置されるゲートでの顔認証を用いた入退場管理に適用される例を説明する。
【0024】
図2は本実施の形態に係る顔認証システムの構成例を示す図である。本実施の形態に係る顔認証システム100は、例えば、駅の出入り口に設置されるゲート(改札ゲートなど)を制御するシステムである。本実施の形態に係る顔認証システム100では、例示的に、施設を利用する利用者の入退場の管理が、顔認証によって実行される。例えば、利用者がゲートを通過して施設内(例えば、駅構内)へ入場する場合、利用者が施設内への入場を許可された人物であるか否かが顔認証によって判定される。また、利用者がゲートを通過して施設外へ退場する場合、利用者が施設外への退場を許可された人物であるか否かが顔認証によって判定される。なお、「顔認証」とは、「顔画像を用いた照合」に含まれる概念と捉えてよい。
【0025】
顔認証システム100は、ゲート400を制御するゲート制御装置20及び顔認証サーバ200を備える。また、顔認証システム100は、顔撮影用のカメラ1、QRコード(登録商標)リーダ2、通過管理光電センサ3、開閉ドア機構4、入場案内インジケータ5、通過案内LED(Light Emitting Diode)6、及び案内表示ディスプレイ7を備える。また、顔認証システム100は、スピーカ8、インタフェースボード9、インタフェースドライバ10、ネットワークハブ30などを備える。
【0026】
ゲート制御装置20は、ネットワークハブ30に接続され、ネットワークハブ30及びネットワーク300を介して、サーバ200と通信可能である。サーバ200は、顔認証に係る処理を行う。そのため、サーバ200は、顔認証サーバ200と称されてよい。ゲート制御装置20は、例えば、駅に設置されるゲートを制御する装置である。ゲート制御装置20は、ゲート400の開閉ドア機構4を制御する。例えば、顔認証により許可された人については、ゲート400が開かれる。一方、顔認証に失敗した人については、ゲートが閉じられる。
【0027】
ゲート制御装置20は、入場顔認証装置21a及び退場顔認証装置21bを備える。ゲート制御装置20は、入場顔認証装置21a及び退場顔認証装置21bからの出力に基づいて、ゲートの開閉動作を含むゲート制御をおこなう。
【0028】
入場顔認証装置21a及び退場顔認証装置21bの顔認証には、例えば数十万人~数千万人のそれぞれの顔画像の情報が用いられる。この情報は、少なくとも、顔認証サーバ200に記録されている。以下では、顔認証に用いられる情報を「認証情報」又は「照合情報」と称する場合がある。例えば、認証情報は、顔認証による入退場管理サービスを利用する利用者の利用手続きを通じて、予め、顔認証サーバ200に登録されてよい。
【0029】
なお、入場顔認証装置21a及び退場顔認証装置21bは、顔認証サーバ200と通信可能に配置されていればよい。入場顔認証装置21a及び退場顔認証装置21bは、ゲート制御装置20に組み込まれていてもよいし、入場顔認証装置21a及び退場顔認証装置21bの少なくとも1つは、ゲート制御装置20の外部に設けられていてもよい。また、図2では、ゲート400が入場と退場との双方を兼ねる場合の例を示すが、ゲート400は、入場専用であってもよいし、退場専用であってもよい。ゲート400が入場専用の場合、ゲート制御装置20には、退場顔認証装置21bが含まれなくてよい。ゲート400が退場専用の場合、ゲート制御装置20には、入場顔認証装置21aが含まれなくてよい。
【0030】
カメラ1は、ゲート400を通過する人の顔を撮影するためのカメラである。
【0031】
QRコードリーダ2は、ゲートを通過する人を識別する情報を含むQRコードの読み取りを行う。例えば、ゲートを通過する人の中で、顔認証を使用しない入退場管理を行う人は、QRコードリーダ2に、QRコードを読み取らせることで、認証を行う。
【0032】
通過管理光電センサ3は、ゲートに人が進入してきたか否か、および、ゲートの通過を許可された人がゲートを通過し終えたか否かを検出する。例えば、通過管理光電センサ3は、ゲートに人が進入してきたか否かを検出する箇所、及び、ゲートを通過し終えたか否かを検出する箇所を含む複数の位置に設けられてよい。通過管理光電センサ3は、例えば、インタフェースボード9を介して、ゲート制御装置20に接続される。なお、人の進入と通過を検知する方法は、光電センサを用いる方法に限らず、天井等に設置したカメラから撮影した人の動きを監視する等他の方法でも実現できる。すなわち、通過管理のセンサとして光電センサは一例であり、他のセンサを用いてもよい。
【0033】
開閉ドア機構4は、例えば、インタフェースボード9を介して、ゲート制御装置20に接続される。
【0034】
入場案内インジケータ5は、ゲート400への通過が許可されたか否かを、報知する。入場案内インジケータ5は、例えば、インタフェースドライバ10を介して、ゲート制御装置20に接続される。
【0035】
通過案内LED6は、例えばゲート400が通過可能な状態か否かを知らせるため、ゲート400の状態に対応した色で発光する。
【0036】
案内表示ディスプレイ7は、例えば、通過許否に関する情報などを表示する。
【0037】
スピーカ8は、例えば、通過許否を示す音を発生する。
【0038】
次に図3を参照して顔認証サーバ200及び入場顔認証装置21aのハードウェア構成について説明する。なお、退場顔認証装置21bは入場顔認証装置21aと同様のハードウェア構成を有するため、退場顔認証装置21bのハードウェア構成については説明を省略する。図3は顔認証サーバ及び入場顔認証装置のハードウェア構成例を示す図である。
【0039】
顔認証サーバ200は、プロセッサ601と、メモリ602と、各種情報の伝送に利用される入出力インタフェース603とを備える。プロセッサ601は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算装置である。メモリ602は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを用いて実現される記憶装置である。プロセッサ601、メモリ602及び入出力インタフェース603は、バス604に接続され、バス604を介して、各種情報の受け渡しを行う。プロセッサ601は、例えばROMに記憶されたプログラム、データなどを、RAM上に読み出し、処理を実行することで、顔認証サーバ200の機能を実現する。
【0040】
入場顔認証装置21aは、プロセッサ701と、メモリ702と、各種情報の伝送に利用される入出力インタフェース703とを備える。プロセッサ701は、CPU、GPUなどの演算装置である。メモリ702は、RAM、ROMなどを用いて実現される記憶装置である。プロセッサ701、メモリ702及び入出力インタフェース703は、バス704に接続され、バス704を介して、各種情報の受け渡しを行う。プロセッサ701は、例えばROMに記憶されたプログラム、データなどを、RAM上に読み出し、処理を実行することで、入場顔認証装置21aの機能を実現する。
【0041】
図4は、本実施の形態1に係る顔認証サーバ及びゲートの機能構成例を示す図である。入場ゲート400a、退場ゲート400b、及び、顔認証サーバ200は、ネットワーク300を介して互いに接続する。
【0042】
入場ゲート400aは、入場顔認証装置21a、及び、カメラ1aを備える。
【0043】
カメラ1aは、例えば、入場ゲート400aに向かって移動する人を撮影する。
【0044】
入場顔認証装置21aは、ネットワーク300を介して顔認証サーバ200と通信を行う通信部101aと、処理部102aとを備える。
【0045】
退場ゲート400bは、退場顔認証装置21b、及び、カメラ1bを備える。
【0046】
カメラ1bは、例えば、退場ゲート400bに向かって移動する人を撮影する。
【0047】
退場顔認証装置21bは、ネットワーク300を介して顔認証サーバ200と通信を行う通信部101bと、処理部102bと、各種情報を記録するバッファ103bとを備える。
【0048】
顔認証サーバ200は、ネットワーク300を介して入場顔認証装置21a及び退場顔認証装置21bとの間で通信する通信部201と、認証情報を管理する顔登録DB203と、処理部202と、入場者DB204とを備える。顔登録DB203が管理する認証情報は、例えば数十万人~数千万人の利用者のそれぞれの顔画像の情報を含み、入場者DB204が管理する認証情報は、そのうちの一部である。また、認証情報には、登録者それぞれの移動の履歴に関する情報(入退場履歴情報)が含まれてよい。移動の履歴に関する情報は、例えば、登録者が過去の入場地点(例えば、入場した駅)、入場した時刻、退場地点(例えば、退場した駅)、退場した時刻、及び、登録者の定期券に関する情報等を含んでよい。
【0049】
なお、図4では、1つの顔認証サーバ200と、1つの入場ゲート400aと、1つの退場ゲート400bとがネットワーク300と接続する例を示すが、本開示はこれに限定されない。例えば、複数の入場ゲート400aと退場ゲート400bとがネットワーク300に接続されてよい。例えば、鉄道網の場合、各駅の入場ゲート400aと退場ゲート400bとが、ネットワーク300に接続されてよい。また、1つのゲート400が、図4に示す入場顔認証装置21aと退場顔認証装置21bとの両方の機能構成を有してもよい。
【0050】
次に、本実施の形態1に係る顔認証サーバ200と、入場顔認証装置21aと、退場顔認証装置21bとの動作例について説明する。
【0051】
図5は、本実施の形態1に係る顔認証システムの動作例を説明するためのフローチャートである。
【0052】
なお、以下では、或る利用者Yの入退場を対象に動作例を説明する。また、以下では、入場ゲート400aは、利用者Yが入場するゲートを指し、退場ゲート400bは利用者Yが退場するゲートを指す。なお、本実施の形態1は、鉄道網を例に挙げて説明するため、入場ゲート400a及び退場ゲート400bは、鉄道網に含まれる各駅に設けられる。ここで、入場ゲート400aが設けられる駅から退場ゲート400bが設けられる駅までの列車での移動は、入場ゲート400aから退場ゲート400bまでの移動に相当してよい。
【0053】
はじめに、利用者Yが入場ゲート400aから入場する場合について説明する。
【0054】
利用者Yが入場ゲート400aへ進入する(S100)。利用者Yの入場ゲート400aへの進入は、例えば、通過管理光電センサ3によって検知されてよい。
【0055】
入場ゲート400aのカメラ1aは、利用者Yの顔を含む範囲を撮影し、入場顔認証装置21aの処理部102aは、カメラ1aによって撮影された画像から顔の領域(撮影顔画像)を検出する(S101)。
【0056】
処理部102aは、通信部101aを介して、顔認証サーバ200に顔検索の依頼を送信する(S102)。顔検索の依頼には、撮影顔画像が含まれてよい。
【0057】
顔認証サーバ200の処理部202は、通信部201を介して、顔検索の依頼を受信する(S103)。
【0058】
顔認証サーバ200の処理部202は、顔検索を実行する(S104)。例えば、処理部202は、2つの顔画像が同一人物である可能性の高さを示すスコアに基づいて、顔検索を実行する。例えば、処理部202は、顔登録DB203に含まれる登録者それぞれの認証情報の顔画像(候補顔画像)と、利用者Yの撮影顔画像との間のスコアを算出し、利用者Yが、最も高いスコアを示した候補顔画像の人物に相当する、と判定する。そして、処理部202は、判定した利用者Yの情報に基づき、利用者Yが入場ゲート400の通過を許可された人物か否かを判定する。
【0059】
通信部201は、S104における判定結果を含む検索結果を入場顔認証装置21aへ送信する(S105)。
【0060】
入場顔認証装置21aの処理部102aは、通信部101aを介して、検索結果を受信する(S106)。処理部102aは、受信した検索結果に基づいて、利用者Yの通過を許可するか否かを判定する(S107)。
【0061】
通過を許可する場合(S107にてYes)、入場ゲート400aは、扉を開放し、通過の許可を示す情報を通知する(S108a)。例えば、通過の許可は、インジケータによる表示、及び/又は、音声による通知によって、利用者Yに通知されてよい。
【0062】
通過を許可しない場合(S107にてNo)、入場ゲート400aは、扉を閉じた状態を維持し、通過の不許可を示す情報を通知する(S108b)。そして、S101の処理が実行される。
【0063】
処理部102aは、利用者Yの通過を検知し、利用者Yが入場ゲート400aを通過した旨の登録の依頼を、通信部101aを介して、送信する(S109)。なお、入場ゲート400aを通過した旨の登録依頼には、通過した利用者の識別情報(Identification(ID))、通過した時刻、通過した駅又はゲートの情報が含まれてよい。
【0064】
顔認証サーバ200の処理部202は、通信部201を介して、利用者Yの通過完了登録依頼を受信する(S110)。
【0065】
顔認証サーバ200の処理部202は、利用者Yについての入場完了処理を実行する(S111)。例えば、処理部202は、利用者Yの認証情報を顔登録DB203から抽出し、入場者DB204に記憶させる。入場者DB204に記憶される認証情報は、登録者のうち、入場が完了した人(以下、「入場者」と記載する場合がある)の認証情報である。入場者は、退場ゲート400bから退場する退場候補者の一例である。退場候補者は、退場ゲート400bに到達可能であり、退場ゲート400bにおいて顔照合の対象となる人物の候補の一例である。例えば、鉄道網の場合、入場者は、或る駅の入場ゲート400a(第1地点)から、或る駅の退場ゲート400b(第2地点)へ移動する電車(乗り物の一例)に乗車(あるいは、搭乗)し得る人物の一例である。なお、入場者が入場した駅と、退場する駅とは、同一であってもよい。
【0066】
なお、以下では、入場者DB204に入場者の認証情報を記憶させることは、入場者DB204を生成(作成)すると記載される場合がある。他の後述するDBについても同様に、DBに情報を記憶させることは、DBを生成(作成)すると記載される場合がある。また、DBに記憶された情報を使用することは、DBを使用する、略記されることがある。また、DBに記憶された情報を送信(又は受信)することは、DBを送信(又は受信)する、と略記される場合がある。別言すると、「DB」は、情報(あるいは、データ)を記憶する物理的又は仮想的な構成要件と解されてもよいし、記憶された情報(あるいは、データ)と解されてもよい。
【0067】
入場者DB204には、鉄道網の各駅の入場ゲート400aからの入場者の認証情報が記憶される。
【0068】
そして、入場ゲート400aでは、利用者Yの後に入場ゲート400aへ進入する利用者について、S101以降の処理が実行される。
【0069】
次に、利用者Yが退場ゲート400bから退場する場合について説明する。
【0070】
利用者Yが退場ゲート400bへ進入する(S160)。利用者Yの退場ゲート400bへの進入は、例えば、通過管理光電センサ3によって検知されてよい。
【0071】
退場ゲート400bのカメラ1bは、利用者Yの顔を含む範囲を撮影し、退場顔認証装置21bの処理部102bは、カメラ1bによって撮影された画像から撮影顔画像を検出する(S161)。
【0072】
処理部102bは、通信部101bを介して、顔認証サーバ200に顔検索の依頼を送信する(S162)。顔検索の依頼には、撮影顔画像が含まれてよい。
【0073】
顔認証サーバ200の処理部202は、通信部201を介して、顔検索の依頼を受信する(S163)。
【0074】
顔認証サーバ200の処理部202は、顔検索を実行する(S164)。例えば、処理部202は、入場者DB204に含まれる入場者それぞれの認証情報の候補顔画像と、利用者Yの撮影顔画像との間のスコアを算出し、利用者Yが、最も高いスコアを示した候補顔画像の人物に相当する、と判定する。そして、処理部202は、判定した利用者Yの情報に基づき、利用者Yが退場ゲート400bの通過を許可された人物か否かを判定する。
【0075】
処理部202は、S164における判定結果を含む検索結果を退場顔認証装置21bへ送信する(S165)。
【0076】
退場顔認証装置21bの処理部102bは、通信部101bを介して、検索結果を受信する(S166)。処理部102bは、受信した検索結果に基づいて、利用者Yの通過を許可するか否かを判定する(S167)。
【0077】
通過を許可する場合(S167にてYes)、退場ゲート400bは、扉を開放し、通過の許可を示す情報を通知する(S168a)。
【0078】
通過を許可しない場合(S167にてNo)、退場ゲート400bは、扉を閉じた状態を維持し、通過の不許可を示す情報を通知する(S168b)。そして、S161の処理が実行される。
【0079】
処理部102bは、利用者Yの通過を検知し、利用者Yが退場ゲート400bを通過した旨の登録の依頼を、通信部101bを介して、送信する(S169)。なお、退場ゲート400bを通過した旨の登録依頼には、通過した利用者の識別情報(Identification(ID))、通過した時刻、通過した駅又はゲートの情報が含まれてよい。
【0080】
顔認証サーバ200の処理部202は、通信部201を介して、利用者Yの通過完了登録依頼を受信する(S170)。
【0081】
処理部202は、利用者Yについての退場完了処理を実行する(S171)。例えば、処理部202は、利用者Yの認証情報を入場者DB204から削除する消込処理を実行する。
【0082】
そして、退場ゲート400bでは、利用者Yの後に退場ゲート400bへ進入する利用者について、S161以降の処理が実行される。
【0083】
このような処理により、退場ゲート400bを通過する利用者についての顔検索は、認証情報の中で、入場ゲート400aから入場した人物の情報を対象にできるため、顔認証処理を高速にできる。すなわち、退場ゲート400bを通過する利用者の顔検索の範囲を入場者DB204が管理する認証情報に絞り込めるため、顔登録DB203が管理する認証情報を顔検索の範囲とする場合と比べて顔認証処理を高速化できる。
【0084】
なお、図5の例では、入場完了処理(図5におけるS111)において、入場者DB204に入場者(例えば、上述した利用者Y)の認証情報が記憶される例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、入場完了処理において、処理部202は、顔登録DB203における利用者Yの認証情報に、入場したことを示すフラグを設定してもよい。この場合、処理部202は、処理部102bからの顔検索の依頼に対する顔検索(図5におけるS163)においては、顔登録DB203の認証情報の中で、入場したことを示すフラグが設定された登録者それぞれの候補顔画像と、利用者Yの撮影顔画像との間のスコアを算出してよい。すなわち、顔登録DB203の認証情報のうち、フラグが設定されている認証情報の集合が仮想的な入場者DB204として扱われてよい。そして、処理部202は、利用者Yが、最も高いスコアを示した候補顔画像の人物に相当する、と判定してもよい。また、この場合、処理部202は、退場完了処理(図5におけるS171)においては、顔登録DB203の利用者Yの認証情報に設定された入場フラグを解除(消去)してもよい。
【0085】
以上、本実施の形態1では、顔認証サーバ200(情報処理装置の一例)の通信部201は、入場ゲート400a(第1地点の一例)から退場ゲート400b(第2地点の一例)へ移動する列車(乗り物の一例)に乗車し得る人物を入場ゲート400aにおいて撮影した画像を取得する。処理部202は、入場ゲート400aにおいて撮影した画像に含まれる顔画像の情報に基づいて、列車によって退場ゲート400bに到達可能な人物の候補(例えば、入場者)を決定する。この構成により、退場ゲート400bにおける顔検索が、入場ゲート400aから入場した人物を対象にできるため、ゲートのような特定の領域を通過する人の顔画像照合の処理速度を向上できる。
【0086】
また、本実施の形態1では、入場ゲート400aにおける認証及び退場ゲート400bにおける認証が、顔画像を用いて実行されるため、ICカードなどの携帯者を識別しにくい媒体を使用する場合と比べて、不正な入退場(例えば、なりすまし)を防止し易く、入退場管理におけるセキュリティを向上できる。
【0087】
なお、上述した実施の形態1では、顔認証サーバ200が、入場者DB204を有する例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、入場者DBは、各駅の退場ゲート400bに備えられてよい。この場合、顔認証サーバ200は、顔登録DB203から入場者の認証情報を抽出した入場者情報を生成し、各駅に入場者情報を配信してよい。この場合、退場ゲート400bの退場顔認証装置21bは、配信された入場者情報を入場者DBに記憶してよい。そして、この場合、退場顔認証装置21bの処理部102bは、入場者DBに含まれる入場者それぞれの候補顔画像と、撮影顔画像との間のスコアを算出し、撮影顔画像の人物が、最も高いスコアを示した候補顔画像の人物に相当する、と判定してよい。このようにすることで、退場者の顔の照合を退場ゲート400bで完結させることができるので更なる高速化を図ることができる。また、この場合、各退場ゲート400bは、顔認証サーバ200との間で退場者の情報を共有することにより、入場者DB204に消込処理を反映してもよい。
【0088】
また、上述した実施の形態1において、顔認証サーバ200と入場ゲート400aまたは退場ゲート400bとの間の通信を中継する装置が存在していてもよい。例えば、各駅に入場ゲート400aと退場ゲート400bの通信を取りまとめる中継サーバが設置されており、その中継サーバ経由でネットワーク300への通信が行われてもよい。この場合、上述した入場者DB204の情報は、顔認証サーバ200から中継サーバに配信されて、中継サーバによって保持されてもよい。別言すると、中継サーバが、上述した入場者DB204を有してもよい。この入場者DB204を用いて中継サーバが顔認証を行うことにより、退場者の消込などの処理結果を中継サーバ傘下の退場ゲート400bのそれぞれの間で同期させることが容易にできる。また、この場合、退場ゲート400bは、退場者一人一人の顔照合を遠隔にある顔認証サーバ200に依頼しなくてもよいため、顔認証処理の高速化が期待できる。また、この場合、ある中継サーバでの消込処理の結果を他の中継サーバの入場者DBに反映するため、顔認証サーバ200および中継サーバ間での入場者DBを定期的に同期させる処理を行ってもよい。
【0089】
また、上述した本実施の形態1では、入場者DB204に含まれる入場者の認証情報が、退場ゲート400bにおける顔認証に用いられる例を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、入場者の認証情報は、不審者、迷子、病人等の検出に用いられてもよい。例えば、入場者Zの認証情報が、一定期間(例えば、1日)、入場者DB204に残っている場合、顔認証サーバ200の処理部202は、入場者Zが、当該一定期間、退場していない、と判定する。この場合、処理部202は、入場者Zが、不審者、迷子、又は、病人であると判定し、各駅の係員に対して警告を行ってよい。警告の方法については、特に限定されないが、例えば、各駅の係員の保有する情報端末に警告を示す情報が通知たり、各駅の電光掲示板に警告を示す情報が通知されてよい。また、入場者Zの認証情報として年齢等の情報も利用したり、顔情報から年齢推定等をおこなうことにより、入場者Zの年齢に応じて、不審者、迷子、又は、病人それぞれを区別して判定してもよい。例えば、入場者Zが子供の場合は迷子の可能性が高く、入場者Zが高齢者の場合は病人の可能性が高く、入場者Zがその他の年齢の場合は不審者の可能性が高い、と推定することなどが考えられる。この場合、判定結果に応じて、警告の方法を変えてもよい。例えば、迷子の可能性が高い入場者Zの情報は電光掲示板によって広く報知され、病人の可能性が高い入場者Zの情報は救護室に通知され、不審者の可能性が高い入場者Zの情報は警備員に通知されることなどが考えられる。
【0090】
(実施の形態2)
本実施の形態2では、或る地点から入場した入場者の移動範囲に基づいて、入場者を更に絞り込む例を説明する。以下の実施の形態2では、一例として或る駅から入場した入場者の移動範囲を用いる例を説明する。
【0091】
図6は、本実施の形態2に係る顔認証サーバ及びゲートの機能構成例を示す図である。なお、図6において、図4と同様の構成については、同一の符番を付し、説明を省略する場合がある。
【0092】
図6における顔認証サーバ800は、ネットワーク300を介して入場顔認証装置21a及び退場顔認証装置21bとの間で通信する通信部201と、認証情報を管理する顔登録DB203と、処理部202と、移動範囲推定処理部801と、移動時間DB802と、退場候補者DB803とを備える。なお、処理部202と移動範囲推定処理部801とは、纏めて、「処理部」と称されてもよい。
【0093】
移動範囲推定処理部801は、入場者DB204に含まれる入場者の認証情報及び移動時間DB802に記憶される移動時間に関する情報に基づいて、入場者の移動範囲を推定する処理を行う。移動範囲推定処理部801は、推定結果に基づいて、退場ゲート400bから退場し得る退場候補者に関する情報(退場候補者情報)を生成し、退場候補者DB803に記憶する。退場候補者情報は、退場ゲート400b毎(例えば、駅毎)に生成されてよい。また、駅と対応付けられた退場候補者情報が、退場候補者DB803に記憶されてよい。以下では、A駅と対応付けられた退場候補者情報は、A駅の退場候補者情報と略記される場合がある。A駅の退場候補者情報とは、A駅に設けられる退場ゲート400bから退場し得る候補者に関する情報である。別言すると、A駅の退場候補者とは、入場者の中から、A駅から退場し得ない人物(A駅の退場ゲート400bに到達し得ない人物)を除外した人物に相当する。
【0094】
例えば、移動範囲推定処理部801は、入場者が入場した駅(入場駅)、入場者が入場した時刻、駅間の理論上の移動時間、及び、退場候補者情報を生成する時刻(例えば、現在時刻)に基づいて、入場者の移動範囲を推定する。なお、入場者が入場した時刻は、例えば、入場ゲート400aのカメラ1aが当該入場者を撮影した時刻であってよい。入場者が入場した駅(入場駅)及び入場者が入場した時刻は、入場者DB204に入場者の認証情報と関連付けて記憶されてよい。また、移動範囲推定処理部801は、所定の間隔毎に、入場者の移動範囲を推定し、退場候補者情報を生成(更新)してよい。
【0095】
駅間の理論上の移動時間は、例えば、駅間の最短移動時間であってもよいし、最短移動時間に運行情報等に基づくマージンを追加した時間でもよい。例えば、A駅とB駅との間の最短移動時間は、A駅の入場ゲート400aから入場した時刻から、B駅の退場ゲートから退場する時刻までにかかる最短の時間である。例えば、最短移動時間には、駅の構内を移動する時間が含まれてもよい。
【0096】
理論上の移動時間は、例えば、駅間の距離、及び/又は、当該駅を含む鉄道網の時刻表に基づいて決定されてもよい。例えば、時刻表は、鉄道網を走行する列車が駅に到着する時刻、及び、列車が駅から出発する時刻を含む列車の運行予定を示す。
【0097】
また、理論上の移動時間は、例えば、列車の遅延及び運休などの運行状況に関する情報に基づいて、動的に変更(補正)されてよい。この補正は、最短移動時間そのものの補正であってもよいし、マージンの補正であってもよい。
【0098】
以下では、移動範囲推定処理部801における移動範囲の推定と、退場候補者情報の例を説明する。
【0099】
一例として、A駅、B駅、及び、C駅の3つの駅を有し、A駅とB駅との間の最短移動時間が10分、A駅とC駅との間の最短移動時間が20分、及び、B駅とC駅との間の最短移動時間が15分である鉄道網の例を挙げる。
【0100】
この例において、入場者Xが午前9時にA駅から入場した場合、入場者XがB駅から退場する最短時刻は午前9時10分であり、入場者XがC駅から退場する最短時刻は午前9時20分である。この場合、入場者Xの移動範囲(例えば、退場可能な駅)が、午前9時10分、及び、午前9時20分を境に変わる、と推定される。
【0101】
例えば、午前9時10分よりも前の時刻では、入場者XはB駅及びC駅から退場可能ではないため、午前9時から、午前9時10分よりも前の時刻までの間に、B駅及びC駅の退場候補者情報には、入場者Xの認証情報が含まれない。
【0102】
時刻が午前9時10分以降では、入場者XはB駅から退場可能であるため、B駅の退場候補者情報には、入場者Xの認証情報が含まれる。なお、時刻が午前9時10分以降の場合でも、午前9時20分よりも前に入場者XはC駅から退場可能ではないため、C駅の退場候補者情報には、入場者Xの認証情報が含まれない。
【0103】
時刻が午前9時20分以降では、入場者XはB駅及びC駅から退場可能であるため、B駅及びC駅の退場候補者情報には、入場者Xの認証情報が含まれる。ただし、午前9時20分よりも前に入場者XがB駅から退場していた場合、入場者Xの認証情報の消し込み処理が行われるため、時刻が午前9時20分以降であっても、B駅及びC駅の退場候補者情報には、入場者Xの認証情報が含まれなくてよい。
【0104】
上述のように、入場者Xの認証情報が各駅(例えば、B駅、又は、C駅)の退場候補者情報に含まれるか否かは、入場者XがA駅から入場した時刻と、A駅と各駅との間の移動時間と、退場候補者情報を決定する時刻(例えば、現在時刻)と、によって決定される。
【0105】
なお、入場者Xが午前9時に入場した場合、午前9時以降のA駅の退場候補者情報には、入場者Xの認証情報が含まれてよい。
【0106】
次に、上述した鉄道網の例において、例えば、A駅の退場候補者情報と、時刻との関係、及び、B駅に配信される退場候補者情報と、時刻との関係を説明する。
【0107】
例えば、現在時刻が午前9時10分の場合、A駅から退場可能な人は、現在時刻から10分引いた午前9時以前にB駅から入場した入場者b1、及び、現在時刻から20分を引いた午前8時50分以前にC駅から入場した入場者c1である。午前9時10分に生成されるA駅の退場候補者情報には、入場者b1、及び、入場者c1の認証情報が含まれてよい。なお、この場合、午前9時よりも後にB駅から入場した入場者b2、及び、午前8時50分よりも後にC駅から入場した入場者c2の認証情報は、午前9時10分のA駅の退場候補者情報に含まれない。
【0108】
また、例えば、現在時刻が午前9時10分の場合、B駅から退場可能な人は、現在時刻から10分引いた午前9時以前にA駅から入場した入場者a3、及び、現在時刻から15分を引いた午前8時55分以前にC駅から入場した入場者c3である。午前9時10分のB駅の退場候補者情報には、入場者a3、及び、入場者c3の認証情報が含まれる。なお、この場合、午前9時よりも後にA駅から入場した入場者a4、及び、午前8時55分よりも後にC駅から入場した入場者c4の認証情報は、午前9時10分のB駅の退場候補者情報に含まれない。
【0109】
このように、移動範囲推定処理部801は、各駅の退場候補者情報を、入場者の入場時刻と、入場者が入場した駅と、駅間の理論上の移動時間(例えば、最短移動時間)と、退場候補者情報が生成(更新)される時刻(例えば、現在時刻)と、によって決定する。
【0110】
例えば、移動範囲推定処理部801は、現在時刻から理論上の移動時間を引いた第1時刻が、或る入場者が入場した第2時刻以降の場合、第2時刻に入場した或る入場者の認証情報(例えば、顔画像)を、退場候補者情報に決定する。
【0111】
なお、移動範囲推定処理部801は、現在時刻の代わりに、退場ゲート400bにおいて顔認証を行う予定時刻を用いてもよい。例えば、移動範囲推定処理部801は、現在時刻の時点で、現在時刻よりも後の顔認証を行う予定時刻における移動範囲の推定を行い、各駅の退場候補者情報を生成してよい。例えば、既知の到着予定時刻に電車が到着し、多くの人が当該電車から下車することが予想できる環境では、予め、移動範囲推定処理部801は、既知の到着予定時刻を基に顔認証を行う予定時刻を設定し、設定した予定時刻を用いて、移動範囲を推定しておくとよい。より具体的には、現在時刻から10分間電車が到着しないことが分かっている場合に、移動範囲推定処理部801は、現在時刻から10分後の時刻を、顔認証を行う予定時刻として用いてよい。例えば、現在時刻を用いる場合だと10分後まで行うことのない処理を予め開始することができる。このようにすることで、移動範囲の推定の処理を早めに開始できるため、処理を高速化できる。また、例えば、退場顔認証装置21bにおいて顔認証を行う予定時刻に関する情報は、退場顔認証装置21bから取得されてよい。
【0112】
なお、退場候補者DB803には、或る時刻Tn(例えば、現在時刻)において入場していないが、時刻Tnよりも後に入場する人物の情報が含まれないため、顔認証を行う予定時刻として用いる時刻が時刻Tnから後になるほど、直近の入場者が、退場候補者DB803から漏れてしまう可能性が高まる。例えば、移動範囲推定処理部801は、時刻Tnよりも1時間後の時刻を、顔認証を行う予定時刻に設定し、設定した予定時刻を用いて、退場候補者DB803を作成する場合、時刻Tnではまだ入場していないが、時刻Tnから1時間以内に入場する人物の情報が、入場者DB204に含まれない。そのため、入場者DB204に含まれる情報に基づいて作成される、退場候補者DB803には、時刻Tnから1時間以内に入場する人物の情報が含まれない。
【0113】
そこで、移動範囲推定処理部801が、顔認証を行う予定時刻(以下、時刻Tx)を用いる形態の場合、更に、時刻Txよりも前の時刻Tnにおいて作成された退場候補者DB803に対して、補完処理を行ってもよい。例えば、現在時刻が、時刻Tnから時刻Txに推移した場合、移動範囲推定処理部801は、時刻Tnと時刻Txとの間に入場した入場者に絞って移動範囲を推定し、補完する退場候補者情報を決定してよい。そして、移動範囲推定処理部801は、時刻Tnにおいて作成された退場候補者DB803に、時刻Txにおいて決定した退場候補者情報を追加(補完)してよい。このようにすると、退場候補者DB803を複数回生成する手順が発生する一方、現在時刻(上述の時刻Tx)において補完する退場候補者DB803の作成のために確認する入場者の範囲を狭めることができるので、現在時刻において行うべき処理時間を大きく短縮できる。
【0114】
なお、上述の例において、時刻Tnと時刻Txとの間に退場ゲート400bから退場した退場者についての補完処理が行われてもよい。例えば、現在時刻が時刻Tnから時刻Txに推移した場合に、時刻Tnと時刻Txとの間に退場ゲート400bから退場した退場者が、時刻Tnにおいて作成された退場候補者DB803から削除する補完処理が実行されてもよい。なお、退場者を削除する補完処理は、実行されなくてもよい。
【0115】
また、上述の例では、移動範囲推定処理部801が、現在時刻の代わりに、退場ゲート400bにおいて顔認証を行う予定時刻を用いる場合の、補完処理について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、移動範囲推定処理部801は、現在時刻の時点で、現在時刻における移動範囲の推定を行い、退場候補者DB803を生成する場合に、退場候補者DB803を作成し直す代わりに、1つ前の時点で作成された退場候補者DB803に対する補完処理を行ってもよい。
【0116】
次に、本実施の形態2に係る顔認証サーバ800と、入場顔認証装置21aと、退場顔認証装置21bとの動作について説明する。
【0117】
図7は、本実施の形態2に係る顔認証システムの動作例を説明するためのフローチャートである。図7は、図5と同様に、或る利用者Yの入退場を対象に動作例を説明する。なお、図7において、図5と同様の処理については同一の符番を付し、説明を省略する。
【0118】
図7のフローチャートでは、移動範囲推定処理が追加される。
【0119】
顔認証サーバ800の移動範囲推定処理部801は、移動範囲推定処理を行う(S201)。移動範囲推定処理部801は、駅毎の退場候補者情報を退場候補者DB803に記憶させる。退場候補者DB803は、顔認証サーバ800の処理部202が、顔検索の依頼を退場ゲート400bから受信した場合に使用される。
【0120】
処理部102bは、通信部101bを介して、顔認証サーバ800に顔検索の依頼を送信する(S162)。顔検索の依頼には、撮影顔画像が含まれてよい。
【0121】
顔認証サーバ800の処理部202は、通信部201を介して、退場ゲート400bからの顔検索の依頼を受信する(S163)。
【0122】
顔認証サーバ800の処理部202は、顔検索を実行する(S202)。例えば、処理部202は、退場ゲート400bを備える駅の退場候補者DB803に含まれる退場候補者それぞれの顔画像と、利用者Yの撮影顔画像との間のスコアを算出し、利用者Yが、最も高いスコアを示した顔画像の退場候補者に相当する、と判定する。そして処理部202は、判定した利用者Yの情報に基づき、利用者Yが退場ゲート400bの通過を許可された人物か否かを判定する。
【0123】
処理部202は、S202における判定結果を含む検索結果を退場顔認証装置21bへ送信する(S165)。
【0124】
顔認証サーバ800の処理部202は、通信部201を介して、利用者Yの通過完了登録依頼を受信する(S170)。
【0125】
処理部202は、利用者Yについての退場完了処理を実行する(S171)。例えば、処理部202は、利用者Yの認証情報を入場者DB204から削除する消込処理を実行する。
【0126】
上述したように、移動範囲推定処理は、入場者DB204に含まれる認証情報に基づいて実行される。そのため、利用者Yの認証情報が入場者DB204から削除された後に実行される移動範囲推定処理では、利用者Yの認証情報は、各駅の退場候補者情報に含まれない。顔認証サーバ800は、或る駅の退場ゲート400bを通過して退場が完了した人(以下、「退場者」と記載する場合がある)を入場者DB204から削除することによって、退場者が実際に退場した駅及び退場者が退場していない駅の退場候補者情報から当該退場者を除外できる。
【0127】
以上、本実施の形態2では、退場ゲート400bにおける顔検索が、入場ゲート400aから入場した人物の中で、退場ゲート400bに到達可能な人物(退場ゲート400bから退場し得る人物)を対象にできるため、ゲートのような特定の領域を通過する人の顔画像照合の処理速度を向上できる。別言すると、本実施の形態2によれば、退場ゲート400bにおける顔検索において、退場ゲート400bに到達可能ではない人を検索対象から除外できる。
【0128】
なお、上述した実施の形態2では、顔認証サーバ800が、各駅の退場候補者DB803を有する例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、退場候補者DBは、各駅の退場ゲート400bに備えられてよい。この場合、顔認証サーバ800は、各駅の退場候補者情報を生成し、駅毎に退場候補者情報を配信してよい。この場合、退場ゲート400bの退場顔認証装置21bは、配信された退場候補者情報を退場候補者DBに記憶してよい。そして、この場合、退場顔認証装置21bの処理102bは、退場候補者DBに含まれる退場候補者それぞれの候補顔画像と、撮影顔画像との間のスコアを算出し、撮影顔画像の人物が、最も高いスコアを示した顔画像の退場候補者に相当する、と判定してよい。このようにすることで、退場者の顔の照合を退場ゲート400bで完結させることができるので更なる高速化を図ることができる。この場合、各退場ゲート400bは、顔認証サーバ800との間で退場者の情報を共有することにより、入場者DB204に消込処理を反映してもよい。なお、各退場ゲート400b間で退場者情報を共有し、消込処理を退場候補者DBへ反映する処理が行われてもよいし、行われなくともよい。退場候補者DBは、入場者DB204に基づいて随時作り直されるものであるため、退場候補者DBが十分な頻度で更新されているのであれば、入場者DB204に消込処理が反映されていれば結果的に退場候補者DBにも消込処理が反映されるためである。
【0129】
また、上述した実施の形態2において、顔認証サーバ800と入場ゲート400aまたは退場ゲート400bとの間の通信を中継する装置が存在していてもよい。例えば、各駅に入場ゲート400aと退場ゲート400bの通信を取りまとめる中継サーバが設置されており、その中継サーバ経由でネットワーク300への通信が行われてもよい。この場合、上述した入場者DB204の情報は、中継サーバに配信されてもよい。このようにすることで、退場の処理を中継サーバ傘下の退場ゲート400bのそれぞれの間で同期させることが容易にできる。また、この場合、退場ゲート400bは、退場者一人一人の顔照合を遠隔にある顔認証サーバ800に依頼する必要がなくなるため、顔認証処理の高速化が期待できる。また、この場合、ある中継サーバの傘下にある退場ゲート400bで行われた消込処理を反映するため、顔認証サーバ800および中継サーバ間での入場者DBの同期を定期的に行ってもよい。なお、上記と同様の理由により、消込処理を各中継サーバの保有する退場候補者DBへ反映する処理は、行ってもよいし、行わなくともよい。
【0130】
また、退場候補者DBが、退場ゲート400bに備えられる場合、顔認証サーバ800は、退場ゲート400bの退場顔認証装置21bからのフィードバック情報に基づいて、マージンを設定してよい。そして、顔認証サーバ800は、設定したマージンを含む理論上の移動時間に基づいて、退場候補者情報を生成してよい。例えば、フィードバック情報には、退場ゲート400bの退場候補者DBの容量に関する情報、及び/又は、退場ゲート400bにおける照合の誤りに関する情報が含まれてよい。顔認証サーバ800は、フィードバック情報に基づいて、駅毎に動的にマージンを設定してよい。一般的には、マージンが広いほど、退場候補者DBの大きさは大きくなる一方、照合される顔の情報が増加するため、顔照合に失敗しにくくなる。そこで、例えば、バッファ103bの容量が小さい場合には、マージンを小さくすることで、退場候補者DBの大きさを抑えてもよい。また、顔認証の失敗が多ければ多いほどマージンを多くすることで顔照合の精度の向上を図ってもよい。
【0131】
また、上述した本実施の形態2では、退場候補者DB803に含まれる退場候補者の認証情報が、退場ゲート400bにおける顔認証に用いられる例を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、退場候補者の認証情報は、不審者、迷子、病人等の検出に用いられてもよい。例えば、退場候補者Zの認証情報が、一定期間(例えば、1日)、退場候補者DB803に残っている場合、顔認証サーバ800の処理部202は、退場候補者Zが、当該一定期間、退場していない、と判定する。この場合、処理部202は、退場候補者Zが、不審者、迷子、又は、病人であると判定し、各駅の係員に対して警告を行ってよい。警告の方法については、特に限定されないが、例えば、各駅の係員の保有する情報端末に警告を示す情報が通知たり、各駅の電光掲示板に警告を示す情報が通知されてよい。また、入場者Zの認証情報として年齢等の情報も利用したり、顔情報から年齢推定等をおこなうことにより、入場者Zの年齢に応じて、不審者、迷子、又は、病人それぞれを区別して判定してもよい。例えば、入場者Zが子供の場合は迷子の可能性が高く、入場者Zが高齢者の場合は病人の可能性が高く、入場者Zがその他の年齢の場合は不審者の可能性が高い、と推定することなどが考えられる。この場合、判定結果に応じて、警告の方法を変えてもよい。例えば、迷子の入場者Zの情報は電光掲示板によって広く報知され、病人の入場者Zの情報は救護室に通知し、不審者の入場者Zの情報は警備員に通知することなどが考えられる。
【0132】
また、上述した実施の形態2において、退場候補者情報における退場候補者の検索順位が、変更されてもよい。例えば、A駅とB駅との間の最短移動時間が10分の場合、A駅から入場した入場者Xは、入場時刻に10分とマージンとを追加した時刻T1において、B駅から退場する可能性が最も高い、と想定されてよい。この場合、時刻T1から時間が経過すると共に、入場者XがB駅から退場する可能性が低下するため、B駅の退場候補者情報において、入場者Xの検索順位が下げられてよい。また、時刻T1から経過した時間が極端に長い場合には、入場者Xが、入場者DB204または退場候補者DB803から削除されてもよい。現在の交通系ICカードによる入退出の管理では、入場してから5~6時間以上経過後の出場は拒否される例があるが、本実施の形態2でも入場者Xを入場者DB204または退場候補者DB803から削除することで、同様の処理を実現できる。
【0133】
また、上述した実施の形態2では、入場者の移動範囲の推定において、上述した例と異なる情報が使用されてよい。例えば、入場者の駅の利用頻度、及び/又は、入場者の定期券情報が、入場者の移動範囲の推定に使用されてよい。入場者の駅の利用頻度、及び/又は、入場者の定期券情報は、例えば、或る入場駅から或る退場駅までの移動頻度に相当する。例えば、入場者XがB駅から退場する頻度がB駅以外の駅から退場する頻度よりも高い場合、B駅の退場候補者情報において、入場者Xの認証情報が、相対的に、顔検索の上位に設定されてよい。この場合、B駅以外の退場候補者情報において、入場者Xの認証情報が、相対的に、顔検索の下位に設定されてよい。退場候補者情報において、利用頻度等に応じた順位を設定することによって、顔検索の処理において、利用頻度の高い入場者が、より早く検索対象に設定されるため、顔検索処理を高速にできる。
【0134】
また、上述した実施の形態2では、入場者の移動範囲の推定において、駅間の理論上の移動時間が使用される例を説明したが、駅間の理論上の移動時間に利用者毎のマージンが追加されてよい。例えば、利用者の駅構内での滞在時間がマージンに追加されてよい。また、理論上の移動時間およびマージンの少なくとも一方は、実際の入場者および退場者の行動の実測値に基づいて設定されてもよい。電車等の時刻表に掲載されている時刻と、入退場の実際の時刻との差は、入場ゲートを通過した時刻と退場ゲートを通過した時刻との差から計測することができる。
【0135】
また、理論上の移動時間およびマージンの少なくとも一方は、時間帯ごとに異なる値を用いてもよい。例えば、通勤ラッシュの発生する時間帯では、他の時間帯と比べて駅構内の混雑が予想されるため、理論上の移動時間およびマージンの少なくとも一方を他の時間帯よりも長めに設定した方が、現実の利用環境に合致する可能性が高い。
【0136】
なお、上記の各実施の形態において、顔検索、顔認証に用いられる情報、及び、装置間で送受信される情報は、顔画像そのものであってもよいし、顔画像から抽出した特徴量であってもよい。ここで、特徴量の一例としては、顔の色、形、明るさの分布など考えられる。機械学習の分野で使用される、より複雑な処理によって生成される特徴量であってもよい。特徴量を利用することにより、顔認証サーバと退場顔認証装置との間でやり取りする情報のサイズを抑制することができる。また、使用する特徴量によっては、実環境で変化し易いパラメータの影響が抑制されるのでロバストな顔認証が可能になる。
【0137】
また、上記の各実施の形態は、鉄道網を例に挙げて説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、本開示は、路線バス、船舶、及び、航空路線等の交通機関に適用されてよい。
【0138】
また、本開示は、複数の出入り口を有するビル及びショッピングモールなどの施設の入退場管理に適用されてよい。複数の出入り口には、例えば、施設内への入退場を管理するゲート(例えば、メインゲート)と、施設内の特定の部屋への入退室を管理するゲートとが含まれてよい。
【0139】
この場合、例えば、施設内の或る入場ゲートから入場した利用者の認証情報が、入場者DBに記憶される。この場合、当該利用者が施設内の或る退場ゲートから退場する場合の顔照合において、入場者DBの認証情報が利用される。退場ゲートを通過する利用者についての顔検索は、認証情報の中で、入場ゲートから入場した人物の情報を対象にできるため、顔認証処理を高速にできる。
【0140】
例えば、本開示によれば、ビルの特定の部屋を退室したビルの利用者が当該ビルから退場するまでの入退場の管理における顔認証処理を高速にできる。
【0141】
また、上記の各実施の形態では、退場者の顔認証を行うことを目的としていたが、本開示はこれに限られるものではない。或る特定領域に入場した入場者が、更に、入場者の一部が利用できる特定領域内の部分領域へ入場しようとしている場合の、部分領域への入場における顔認証にも同様の思想を適用することができる。具体的には、ビル(特定領域の一例)のメインゲートを通過してビル内に入った利用者が、特定の階層、又は、特定の部屋(例えば、利用者が利用するオフィス又は会議室)(部分領域の一例)に到着するまでの管理における顔認証処理を高速にできる。
【0142】
また、本開示が複数の出入り口を有するビル及びショッピングモールなどの施設に適用される場合、上述した実施の形態2と同様に、入場者の施設内の移動範囲に基づいて、入場者を更に絞り込んでもよい。この場合、施設の退場者を絞り込む用途のみならず、施設内の部分領域へ入場しようとする入場者を絞り込む用途で、退場候補者DB相当の情報(例えば、部分領域への入場候補者の情報)を使用してもよい。
【0143】
また、上記の各実施の形態では、消込処理を利用者の通過が検知された場合に行っているが、これに限られるものではない。通過管理光電センサ3または他の通過検知用のデバイスが搭載されていない場合などには、利用者の顔照合が成功した時点で消込処理を行ってもよい。
【0144】
また、上記の各実施の形態では、入場者DBは、顔登録DBから入場者の認証情報を抽出することで作成していたが、これに限られるものではない。入場者が確実に退場したか否かを管理する目的であれば、入場時に撮影した画像から抽出された顔画像の情報をそのまま入場者DBに登録してもよい。また、この場合、入場時に入場者を認証しなくてもよい場合は、顔登録DB自体を省略してもよい。
【0145】
また、上記の各実施の形態では、入場者DBまたは退場候補者DBを用いても退場者の顔認証が成功しなかった場合には、そのまま通過を規制していたが、これに限られるものではない。例えば、顔登録DBを用いて追加の顔照合を行ってもよい。これによれば、入場者DBまたは退場候補者DBの作成に失敗していた場合であっても追加の顔照合を行うことができる。なお、顔登録DBを用いた顔照合には時間がかかるが、本変形例で顔登録DBを使用することは稀であるため、毎回顔登録DBを用いて顔照合を行う場合と比べて、平均的には顔照合は高速化される。
【0146】
また、上記の各実施の形態において、入場者DBまたは退場候補者DBに記憶させる情報と、照合結果を得る際に使用する情報との種類をそれぞれ異ならせてもよい。例えば、各DBの作成には顔の輪郭の特徴量を使い、照合結果を得る際には顔のパーツの特徴量を使うことなどが考えられる。異なる情報を用いて絞り込み、および、照合結果を得る処理を行うことで精度の向上が期待できる。
【0147】
一方、各DBの作成に使う情報、および、照合結果を得る際に使用する情報の種類として同じ情報を使用してもよい。このようにすると絞り込みと顔認証の処理において、同じ観点から評価を行うため、判断結果のずれの発生を抑制することができる。その結果、顔認証の失敗による顔認証サーバへの依頼が発生する頻度を下げることができるので、顔認証処理の高速化が期待できる。
【0148】
また、上記の実施の形態において、入場者DBまたは退場候補者DBに含まれる顔画像は、画像そのものではなく、その特徴量であってもよい。なお、「顔画像の情報」は、顔画像そのもの、および、顔画像の特徴量を含む概念である。特に、顔認証サーバから退場顔認証装置に入場者DBまたは退場候補者DBを送信する構成では、特徴量からなるデータベースの方が通信量を抑制することができる。ただし、顔認証サーバ内で退場者の顔照合を行う場合など、入場者DBまたは退場候補者DBのサイズが通信量に影響しにくい状況では顔画像そのものを入場者DBまたは退場候補者DBとしてもよい。
【0149】
また、上記の各実施の形態では、ゲート400は、開閉ドア機構4を備えていたが、顔照合が失敗した場合に人の移動を規制する手段(規制部)は、これに限定されない。例えば、サイレン及び/又はアラームなど心理的に規制する機構を採用してもよい。また、ゲートを通過しようとする人本人に対しては通知せず、近隣に配置されたガードマン及び/又はロボットなどに通知を行うことによって、間接的に移動を規制する機構を採用しても良い。なお、どのような規制部を採用するかに応じて、顔照合に失敗してから規制が行われるまでの時間は異なるが、どの手段を用いる場合であっても、人が規制部に到達するまでに顔照合の結果を得るために顔照合の高速化が有用であることは同様である。
【0150】
別言すると、顔照合が失敗した場合に人の移動を規制する手段(規制部)は、ゲート400における、人の移動経路の途中に設けられる開閉ドア機構4のように、人の移動を物理的に規制(遮断)する例に限らない。例えば、ゲート400には特定の地点(または、特定の範囲)が設定され、ゲート400は、人の移動方向において、特定の地点よりも上流から、特定の地点よりも下流への人の移動を規制してよい。そして、この場合の規制の手段は、上述のように、サイレン及び/又はアラーム等であってもよいし、ガードマン及び/又はロボットなどへの通知であってよい。
【0151】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。
【0152】
上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部又は全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0153】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0154】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0155】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置は無線送受信機(トランシーバー)と処理/制御回路を含んでもよい。無線送受信機は受信部と送信部、またはそれらを機能として、含んでもよい。無線送受信機(送信部、受信部)は、RF(Radio Frequency)モジュールと1または複数のアンテナを含んでもよい。RFモジュールは、増幅器、RF変調器/復調器、またはそれらに類するものを含んでもよい。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0156】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0157】
また、近年、IoT(Internet of Things)技術において、フィジカル空間とサイバー空間の情報連携により新たな付加価値を作りだすという新しいコンセプトであるCPS(Cyber Physical Systems)が注目されている。上記の実施の形態においても、このCPSコンセプトを採用することができる。
すなわち、CPSの基本構成として、例えば、フィジカル空間に配置されるエッジサーバと、サイバー空間に配置されるクラウドサーバとを、ネットワークを介して接続し、双方のサーバに搭載されたプロセッサにより、処理を分散して処理することが可能である。ここで、エッジサーバまたはクラウドサーバにおいて生成される各処理データは、標準化されたプラットフォーム上で生成されることが好ましく、このような標準化プラットフォームを用いることで、各種多様なセンサ群やIoTアプリケーションソフトウェアを含むシステムを構築する際の効率化を図ることができる。
【0158】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0159】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサが含まれる。
【0160】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0161】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0162】
以上、本開示の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本開示の一実施例は、顔認証システムに好適である。
【符号の説明】
【0164】
1、1a、1b カメラ
2 QRコードリーダ
3 通過管理光電センサ
4 開閉ドア機構
5 入場案内インジケータ
6 通過案内LED
7 案内表示ディスプレイ
8 スピーカ
9 インタフェースボード
10 インタフェースドライバ
20 ゲート制御装置
21a 入場顔認証装置
21b 退場顔認証装置
30 ネットワークハブ
100 顔認証システム
101、201 通信部
102、202 処理部
103b バッファ
200、800 顔認証サーバ
203 顔登録DB
204 入場者DB
300 ネットワーク
400 ゲート
400a 入場ゲート
400b 退場ゲート
601、701 プロセッサ
602、702 メモリ
603、703 入出力インタフェース
604、704 バス
801 移動範囲推定処理部
802 移動時間DB
803 退場候補者DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-09-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1地点から第2地点へ移動する乗り物に搭乗し得る人物を前記第1地点において撮影した画像を取得する取得部と、
前記画像に含まれる顔画像の情報に基づいて、前記乗り物によって前記第2地点に到達可能であり、前記第2地点における顔照合の対象となる人物の候補を決定する処理部と、
を備え、
前記処理部は、前記顔画像が撮影された時刻情報および、前記第1地点から前記第2地点までの前記乗り物による理論上の移動時間の情報と実測値の移動時間との少なくともひとつ、に基づ、所定時刻までに前記乗り物によって前記第2地点に到達し得ない人物を前記候補から除外する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記人物の前記第1地点及び前記第2地点の少なくとも一方の利用頻度に関する情報に基づいて、前記利用頻度が高い人物ほど前記候補に優先して決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記乗り物の運行予定に関する情報に基づいて、前記移動時間を推定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記乗り物の運行状況を示す情報を取得し、
前記処理部は、前記運行状況を示す情報に基づいて、推定した前記移動時間を補正する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記第1地点と前記第2地点との間の距離の情報に基づいて、前記移動時間を推定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記所定時刻は、現在時刻であり、
前記処理部は、前記現在時刻から前記移動時間を減じた第1時刻が、前記顔画像が撮影された第2時刻以降の場合、前記第2時刻に撮影された前記顔画像の人物を、前記候補に決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記処理部は、一定時間毎に前記候補を更新する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記所定時刻は、前記顔認証を行う予定時刻であり、
前記取得部は、前記顔認証を行う予定時刻を示す情報を前記第2地点から取得し、
前記処理部は、前記予定時刻から前記移動時間を減じた第1時刻が、前記顔画像が撮影された第2時刻以降の場合、前記第2時刻に撮影された前記顔画像の人物を、前記候補に決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記取得部は、更に、現在時刻と前記予定時刻との間に、前記第1地点において撮影した画像を取得し、
前記処理部は、更に、前記現在時刻と前記予定時刻との間に前記第1地点において撮影した画像に含まれる顔画像の情報に基づいて前記乗り物によって前記第2地点に到達可能な人物を決定して前記候補に追加する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記処理部は、前記乗り物を利用する人物の顔画像の情報を、前記第1地点において撮影した画像に含まれる顔画像の情報に基づいて絞り込むことにより、前記乗り物によって前記第2地点に到達可能な前記候補を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記乗り物によって前記第2地点に到達可能な前記第1地点は複数存在し、
前記取得部は、複数の前記第1地点それぞれにおいて撮影した画像を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
第1地点から第2地点へ移動する乗り物に搭乗し得る人物を前記第1地点において撮影するカメラと、
前記カメラによって撮影された画像を取得し、前記画像に含まれる顔画像の情報に基づいて、前記乗り物によって前記第2地点に到達可能であり、前記第2地点における顔照合の対象となる人物の候補を決定する情報処理装置と、
を含み、
前記情報処理装置は、前記顔画像が撮影された時刻情報、前記第1地点から前記第2地点までの前記乗り物による理論上の移動時間の情報と実測値の移動時間との少なくともひとつ、に基づ、所定時刻までに前記乗り物によって前記第2地点に到達し得ない人物を前記候補から除外する、
顔認証システム。
【請求項13】
第1地点から第2地点へ移動する乗り物に搭乗し得る人物を前記第1地点において撮影した画像を取得し
前記画像に含まれる顔画像の情報、前記顔画像が撮影された時刻情報、前記第1地点から前記第2地点までの前記乗り物による理論上の移動時間の情報と実測値の移動時間との少なくともひとつ、に基づいて、前記乗り物によって前記第2地点に到達可能であり、前記第2地点における顔照合の対象となる人物の候補を決定する
情報処理方法。