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  • 特開-マッサージ装置 図1
  • 特開-マッサージ装置 図2
  • 特開-マッサージ装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014451
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】マッサージ装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 23/02 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
A61H23/02 357
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117279
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】511268188
【氏名又は名称】株式会社ドリームファクトリー
(74)【代理人】
【識別番号】110004152
【氏名又は名称】弁理士法人お茶の水内外特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100187193
【弁理士】
【氏名又は名称】林 司
(74)【代理人】
【識別番号】100181766
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 均
(72)【発明者】
【氏名】中村 知義
(72)【発明者】
【氏名】原田 剛
【テーマコード(参考)】
4C074
【Fターム(参考)】
4C074AA03
4C074AA04
4C074AA05
4C074BB05
4C074CC01
4C074DD03
4C074EE01
4C074GG01
(57)【要約】
【課題】身体に振動を与えるマッサージ装置において、付加価値の向上を図ることが可能な機能を備えるマッサージ装置を提供する。
【解決手段】本発明のマッサージ装置(1)は、装置本体部(10)と、装置本体部(10)内に設置されるモーター(21)と、アタッチメント(50)と、モーター(21)の回転運動を変換してアタッチメント(50)を振動させる振動発生部(30)とを有するマッサージ装置(1)であって、装置本体部(10)内でモーター(21)が固定されるベース部(22)と、装置本体部(10)に配されるとともに突出した形状を有する補助振動部(14)と、ベース部(22)及び補助振動部(14)間を連結してベース部(22)の振動を補助振動部(14)に伝える振動伝達部(23)とが設けられていることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体部と、前記装置本体部内に設置されるモーターと、前記装置本体部に取り外し可能に取り付けられるアタッチメントと、前記モーターの回転運動を変換して前記アタッチメントを振動させる振動発生部とを有するマッサージ装置であって、
前記装置本体部内で前記モーターが固定されるベース部と、前記装置本体部に配されるとともに突出した形状を有する補助振動部と、前記ベース部及び前記補助振動部間を連結して前記ベース部の振動を前記補助振動部に伝える振動伝達部とが設けられている
ことを特徴とするマッサージ装置。
【請求項2】
前記振動発生部は、前記アタッチメントを第1方向に沿って振動させ、
前記補助振動部は、前記装置本体部から前記第1方向に沿って突出し、且つ、先端部に向けて細くなる略円錐の形状を有する
請求項1記載のマッサージ装置。
【請求項3】
前記装置本体部は、前記振動発生部を収容するケース部を有し、
前記ケース部における前記第1方向の一端部に、前記アタッチメントが取り付けられるアタッチメント取付部が配され、前記ケース部における前記第1方向の他端部に、前記補助振動部が配されている
請求項2記載のマッサージ装置。
【請求項4】
前記ベース部及び前記振動伝達部は、金属により形成されている
請求項1~3のいずれかに記載のマッサージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の身体に振動を与えるマッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、使用者の身体に振動を与えてマッサージを行うマッサージ装置が知られている。このようなマッサージ装置を使用して身体に強い振動を付与することにより、筋肉のこりをほぐすことや、血行を促進すること等の効果を得ることができる。また近年では、銃のような形態を有する小型のマッサージ装置が注目されてきている。このような小型のマッサージ装置の1つが、例えば実用新案登録第3237623号公報に開示されている。
【0003】
小型のマッサージ装置は、携帯性を備えているため、自宅の色々な場所で気軽にマッサージを行うことができ、また、外出先でのマッサージも可能にしている。更に、小型のマッサージ装置は、手に持って使用できることから、身体の様々な部分に振動を与えてマッサージを行うことが可能となる。
【0004】
また小型のマッサージ装置として、例えば形状や硬さ等が異なる数種類のアタッチメントを交換して使用できるものが知られている。アタッチメントの交換が可能なマッサージ装置は、身体のそれぞれの部位に適したアタッチメントを用いて振動を与えることができるため、マッサージの効果をより高めることができる。更に、その日の体調や気分に応じてアタッチメントを交換できるため、使用者の満足感を高めることも期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3237623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したような小型のマッサージ装置については、身体の疲れを手軽にケアできるアイテムとして市場が拡大してきており、現在では、多くの企業から様々な製品が販売されている。このため、小型のマッサージ装置は、更なる販売促進を図るために、付加価値を高めて競合製品との差別化を図ることが求められている。
【0007】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、身体に振動を与えるマッサージ装置において、付加価値の向上を図ることが可能な機能を備えるマッサージ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明により提供されるマッサージ装置は、装置本体部と、前記装置本体部内に設置されるモーターと、前記装置本体部に取り外し可能に取り付けられるアタッチメントと、前記モーターの回転運動を変換して前記アタッチメントを振動させる振動発生部とを有するマッサージ装置であって、前記装置本体部内で前記モーターが固定されるベース部と、前記装置本体部に配されるとともに突出した形状を有する補助振動部と、前記ベース部及び前記補助振動部間を連結して前記ベース部の振動を前記補助振動部に伝える振動伝達部とが設けられていることを特徴とするマッサージ装置である。
【0009】
本発明のマッサージ装置において、前記振動発生部は、前記アタッチメントを第1方向に沿って振動させ、前記補助振動部は、前記装置本体部から前記第1方向に沿って突出し、且つ、先端部に向けて細くなる略円錐の形状を有することが好ましい。
この場合、前記装置本体部は、前記振動発生部を収容するケース部を有し、前記ケース部における前記第1方向の一端部に、前記アタッチメントが取り付けられるアタッチメント取付部が配され、前記ケース部における前記第1方向の他端部に、前記補助振動部が配されていることが好ましい。
【0010】
また本発明において、前記ベース部及び前記振動伝達部は、金属により形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のマッサージ装置は、アタッチメントを振動させたときに、そのアタッチメントの振動を受けて生じるモーターの振動を、振動伝達部を介して補助振動部に直接的に伝えることができ、それによって、補助振動部をアタッチメントよりも小さく(又は弱く)振動させることができる。従って、本発明のマッサージ装置によれば、アタッチメントの振動と、補助振動部のアタッチメントよりも小さな振動という少なくとも2種類の振動を身体に与えることが可能となるため、マッサージ装置の使用時に使用者が選択できる範囲を広げて、付加価値の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例に係るマッサージ装置を側方から模式的に示す側面図である。
図2図1に示したマッサージ装置の内部構造を模式的に示す斜視図である。
図3図1に示したマッサージ装置の要部を拡大して模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら説明する。
【実施例0014】
図1は、本実施例に係るマッサージ装置の側面図である。図2は、本実施例に係るマッサージ装置の内部構造の斜視図である。図3は、本実施例に係るマッサージ装置の要部の断面図である。
【0015】
なお、マッサージ装置に関する説明に関し、マッサージ装置の前後方向は、アタッチメントが振動する方向に沿った方向であり、図1の図面上の左右方向になる。この場合、前後方向において、マッサージ装置の後述する装置本体部に対してアタッチメントが配される側の向きを前方とし、その反対側の向きを後方とする。マッサージ装置の上下方向は、マッサージ装置の後述するグリップ部が延びる方向に沿った方向であり、図1の図面上の上下方向になる。マッサージ装置の左右方向は、前後方向と上下方向とに直交する方向であり、図1の図面における紙面表裏方向になる。
【0016】
本実施例のマッサージ装置1は、銃のような形態を有するガンタイプの小型マッサージ装置1として形成されている。このマッサージ装置1は側面視にて略T字状を示す装置本体部10と、装置本体部10に取り外し可能に取り付けられるアタッチメント50とを有する。
【0017】
図1に示したアタッチメント50は、球面が設けられたアタッチメント本体部51と、アタッチメント本体部51の内側に筒状に設けられる挿入軸部(不図示)とを有する球形アタッチメント50である。この球形アタッチメント50は、その挿入軸部(不図示)を装置本体部10の後述するアタッチメント取付部13に前方側から挿入して嵌着させることによって、アタッチメント取付部13に振動可能に取り付けられる。また、装置本体部10に取り付けられた球形アタッチメント50は、例えば球形アタッチメント50を手で掴んで前方に強く引っ張ることによって、球形アタッチメント50を装置本体部10のアタッチメント取付部13から引き抜いて、容易に取り外すことができる。
【0018】
また本実施例のマッサージ装置1は、図1の球形アタッチメント50に代えて、例えば、アタッチメント本体部が円錐形に近い尖った形状を有する円錐形アタッチメントや、アタッチメント本体部が略U字状の立体的な形状を有するU字型アタッチメント等のその他のアタッチメントを、装置本体部10のアタッチメント取付部13に取り付けて、当該その他のアタッチメントを振動させることができる。
【0019】
本実施例において、マッサージ装置1の装置本体部10は、前後方向に延びるケース部11と、ケース部11から下方に向けて延びるグリップ部12とを有する。また、装置本体部10には、ケース部11の前端部に配されるアタッチメント取付部13と、ケース部11の後端部に配される補助振動部14及び操作部15とが設けられている。この場合、アタッチメント取付部13と補助振動部14とは、互いに、ケース部11における前後方向(第1方向)の反対側に配されている。
【0020】
本実施例のケース部11は、前後方向に延びる第1内側空間部11aが設けられた略円筒状又は略樽状の中空形状を有する。このケース部11は、前後方向に直交する直径方向の寸法を前方に向けて減少させる前側湾曲部11bと、前記直径方向の寸法を後方に向けて減少させる後側湾曲部11cと、前側湾曲部11b及び後側湾曲部11c間に配されるケース本体部11dとを有する。ケース部11の内部には、図2に示すように、ケース本体部11dの底部から上方に向けて円柱状に延びる4本の支柱11eが設けられており、これらの支柱11eに、後述するベース部22が取り付けられて固定されている。なお、図2では、ケース部11を断面で示しているため、4本の支柱11eのうちの左右方向の一方側に配される2本の支柱11eのみが図示されている。
【0021】
グリップ部12は、マッサージ装置1の使用時に使用者が手で握る部分である。本実施例において、グリップ部12は、ケース部11のケース本体部11dから、ケース部11の長手方向に直交する下方に向けて延びている。これにより、使用者は、例えばマッサージ装置1の前側に配される球形アタッチメント50を身体に接触させるときであっても、また、マッサージ装置1の後側に配される補助振動部14を身体に接触させるときであっても、グリップ部12を同じように握ってマッサージ装置1を使用できるため、マッサージ装置1の使い易さを向上させることができる。
【0022】
本実施例のグリップ部12は、略円筒状のグリップ本体部12aと、下方に向けてすぼむような形状に形成されたグリップ下端部12bと、グリップ部12の下端に設けられる底面部12cとを有する。また、グリップ部12のグリップ本体部12aは、手で持ちやすい太さで形成されている。
【0023】
このグリップ部12の内部には、ケース部11の第1内側空間部11aに連通する第2内側空間部が設けられている。このグリップ部12の第1内側空間部11aには、図示しない充電式電池が取り付けられている。この充電式電池は、ケース部11に設けられた充電用挿し込み口(不図示)にACアダプタの接続プラグが接続されて電気が供給されることによって充電される。
【0024】
アタッチメント取付部13は、円筒状の外側カバー部13aと、外側カバー部13a内に配されるとともに球形アタッチメント50の挿入軸部(不図示)を嵌着させて保持する軸保持部(不図示)とを備えている。また、アタッチメント取付部13は、この軸保持部に保持された球形アタッチメント50を、後述する振動発生部30から伝えられる往復運動によって前後方向(第1方向)に振動させることが可能な構造を有する。なお本発明において、アタッチメント取付部13の構造は限定されるものではなく、アタッチメント取付部13は、従来から知られている一般的な構造を有することができる。
【0025】
ケース部11の後端部には、補助振動部14及び操作部15が配置されている。本実施例の補助振動部14は、硬質の合成樹脂により形成されている。また、補助振動部14は、先端部に向けて細くなる略円錐の形状を有する振動本体部14aと、振動本体部14aの先端部の内面から前方に向けて円柱状に延びる固定軸部14bとを有する。
【0026】
略円錐状の振動本体部14aは、ケース部11から前後方向に沿って突出しており、その振動本体部14aの先端部(略円錐形状の頂点部)は後方に向いている。また、振動本体部14aの先端部の内周面には、固定軸部14bが連結されている。
【0027】
本実施例において、補助振動部14は、例えばマッサージ装置1を後方側から見た背面視(不図示)において、ケース部11の中央部に配されている。またこの場合、補助振動部14は、球形アタッチメント50における前後方向に直交する断面の中心部と、振動本体部14aの先端部(後端部)とを仮想的にまっすぐな直線で結んだときに(図1を参照)、その仮想直線5が前後方向に沿って配されるように配置されている。なお、補助振動部14の形状(特に、振動本体部14aの形状)は、特に限定さるものではない。補助振動部14(振動本体部14a)は、本実施例のように略円錐状に形成されていることが好ましいものの、ケース部11から突出する形状を有していれば、例えば先端部を丸めた細長い円柱状等のその他の形状に形成されていてもよい。
【0028】
マッサージ装置1の前記背面視(不図示)において、補助振動部14の回りには、操作部15が、補助振動部14を取り囲むようなドーナツ状に設けられている。この操作部15には、ファンクションボタン15aと、図示を省略する動作ランプ、充電ランプ、及び通風孔とが設けられている。ファンクションボタン15aは、例えば使用者によって長く押されることによって、マッサージ装置1の電源のON/OFFを切り換えることができる。また、電源がONの状態でファンクションボタン15aが(短く)押されることによって、アタッチメント50の振動レベルを変更できる。
【0029】
ここで、アタッチメント50の振動レベルは、アタッチメント50を振動させる速さ(回数)及び/又は強さを異ならせる段階を意味しており、例えば本実施例のマッサージ装置1は、ファンクションボタン15aを押すことによって、アタッチメント50の振動レベルを複数段階で切り換えられるように形成されている。より具体的には、本実施例のマッサージ装置1の場合、球形アタッチメント50の振動回数は、振動レベルA(例えば、2300(±10%)回/分)、振動レベルB(例えば、2900(±10%)回/分)、及び振動レベルC(例えば、3500(±10%)回/分)の3段階から使用者が選択可能に設定されている。
【0030】
操作部15の動作ランプ(不図示)は、アタッチメント50の上述した振動レベルを表示するランプであり、例えば、振動レベルの違いによって、点灯させるランプの数を変えるように形成されている。操作部15の充電ランプ(不図示)は、充電式電池の電池残量を表示するように形成されている。
【0031】
本実施例のマッサージ装置1において、装置本体部10の内部には、図2及び図3に示すように、モーター21と、モーター21を固定するベース部22と、モーター21の回転運動を直線的な往復運動に変換してアタッチメント50に伝える振動発生部30と、ベース部22の振動を補助振動部14に伝える振動伝達部23と、マッサージ装置1の各種制御を行う電子回路基板部(不図示)と、充電式電池(不図示)が収容されている。本実施例の場合、図示しない電子回路基板部は、補助振動部14及び操作部15の前側に配されるとともに、装置本体部10に固定されている。
【0032】
モーター21は、装置本体部10のケース部11とグリップ部12とに跨って配されている。モーター21は、第1固定ビス41によってベース部22に固定されている(図3を参照)。また、ベース部22には貫通孔部が上下方向に沿って設けられており、モーター21の回転軸部は、ベース部22の貫通孔部に挿通されて、振動発生部30に接続されている。
【0033】
ベース部22は、略四角形状の金属製平板部材により形成されている。このベース部22の4つの角部は、第2固定ビス42によって、ケース部11の内部に設けられた4本の支柱11eに固定されている。この場合、ベース部22の各角部と、ケース部11の各支柱11eとの間には合成樹脂製のブッシュ45が配されており、ベース部22に生じる振動がケース部11に伝わることを抑制している。
【0034】
本実施例の振動発生部30は、装置本体部10のケース部11内に収容されている。この振動発生部30は、モーター21の回転軸部に固定される偏心回転部31と、偏心回転部31を保持するとともにアタッチメント取付部13に連結する連結ロッド32とを有する。偏心回転部31は、円柱の形状を有するとともに、その円柱の中心軸から偏心した位置でモーター21の回転軸部に接続されている。
【0035】
連結ロッド32は、直線状のロッド本体部32aと、ロッド本体部32aの一端部に設けられるとともに偏心回転部31を回転可能に保持する回転保持部32bとを有する。ロッド本体部32aの他端部は、アタッチメント取付部13の軸保持部(不図示)に接続されている。このような構造を有する振動発生部30は、モーター21の回転運動を往復運動に変換して、アタッチメント取付部13の軸保持部(不図示)に伝えることができ、それによって、軸保持部に取り付けられた球形アタッチメント50を前後方向に沿って振動させることができる。
【0036】
振動伝達部23は、左右側方から見たときにL字状を呈する金属製の部品により形成されている。この振動伝達部23と上述したベース部22とが金属により形成されていることにより、ベース部22の振動を補助振動部14に伝え易くすることができる。この振動伝達部23は、前後方向に沿って配される第1板部23aと、上下方向に沿って配される第2板部23bとを有する。
【0037】
振動伝達部23の第1板部23aは、ベース部22に直接接触するとともに、2つの第2固定ビス42によってブッシュ45とともにベース部22に固定されている。振動伝達部23の第2板部23bは、第1板部23aに対して直角に折れ曲がって上方に延びるように形成されている。また、第2板部23bの上端部は、補助振動部14の固定軸部14bに直接接触するとともに、その固定軸部14bに第3固定ビス43によって固定されている。
【0038】
以上のような本実施例のマッサージ装置1においては、例えばマッサージ装置1が停止状態にあるときに、操作部15のファンクションボタン15aが長く押されることによって、マッサージ装置1の電源をONにして、モーター21の回転を開始する。また、モーター21が回転することにより、そのモーター21の回転は、振動発生部30において直線的な往復運動に変換されてアタッチメント取付部13に伝達され、それによって、アタッチメント取付部13に取り付けられている球形アタッチメント50を前後方向に沿って速く振動させることができる。
【0039】
例えば本実施例のマッサージ装置1の場合、アタッチメント50の振動について、上述した3段階の振動レベルA~振動レベルCが予め設定されている。従って、使用者が、マッサージ装置1のファンクションボタン15aを押して、3段階の中から1つの振動レベル(例えば、振動レベルB)を選択することによって、その選択した振動レベル(例えば、振動レベルB)の条件で球形アタッチメント50を前後方向に沿って連続的に振動させることができる。
【0040】
また本実施例のマッサージ装置1では、上述のように球形アタッチメント50が前後方向に振動することによって、その球形アタッチメント50の振動が、モーター21と、そのモーター21を固定する金属製のベース部22に伝えられる。これにより、モーター21及びベース部22を、球形アタッチメント50の振動よりも小さく(又は弱く)振動させることができる。
【0041】
更に、マッサージ装置1のベース部22と補助振動部14とは、金属製の部品からなる振動伝達部23によって直接連結されている。このため、モーター21及びベース部22が、上述したように球形アタッチメント50の振動を受けて小さく振動することによって、そのベース部22の小さな振動(微振動)を、振動伝達部23を介して補助振動部14に効率的に伝達できる。
【0042】
特に、本実施例の補助振動部14では、略円錐状の振動本体部14aの先端部(後端部)の内面から固定軸部14bが前方に延出し、その延出する固定軸部14bが、第3固定ビス43によって、振動伝達部23の第2板部23bに直接接続されている。このため、振動伝達部23は、ベース部22に生じる微振動を振動本体部14aに直接的に伝達して、振動本体部14a(特に、振動本体部14aの先端部)に、球形アタッチメント50の振動よりもかなり小さい微振動を安定して生じさせることができる。
【0043】
また本実施例の場合、ケース部11の前端部に、前後方向に振動する球形アタッチメント50が取り付けられている。一方、ケース部11の後端部には、補助振動部14が、その先端部を後方に突出させて設けられている。すなわち、球形アタッチメント50と補助振動部14とは、互いに、ケース部11における前後方向の反対側に配されている。その上、球形アタッチメント50の前後方向に直交する断面の中心部と、振動本体部14aの先端部とは、図1に示すように、前後方向に沿った1つの仮想直線5上に配されるように設置されている。これにより、球形アタッチメント50が前後方向に沿って振動したときに、後側に配される補助振動部14に対して、例えば補助振動部がケース部11のケース本体部11d等に前後方向に沿わないような形態で設けられる場合に比べて、前後方向の微振動をより安定して効率的に生じさせることができる。
【0044】
以上のような本実施例のマッサージ装置1によれば、マッサージ装置1の電源が入れられてモーター21が回転することにより、球形アタッチメント50の強い振動と、補助振動部14の弱い微振動という2種類の異なる振動を、同時に安定して発生させることができる。更に本実施例では、複数段階の振動レベルの中からファンクションボタン15aで選択された振動レベルでアタッチメント50を振動させることによって、補助振動部14には、その選択された球形アタッチメント50の振動レベルに応じた微振動を生じさせることが可能である。
【0045】
従って、本実施例のマッサージ装置1では、アタッチメント50の交換により、使用者の身体に異なる振動を与えることができるだけでなく、比較的簡単な構造で球形アタッチメント50と補助振動部14とに対して異なる振動を安定して発生させることができる。このため、使用者は、ケアしたい身体の部位に応じて、また、その日の体調や気分等に応じて、様々な振動を使い分けてマッサージを行うことが可能となる。例えば、肩のケアをするときには、球形アタッチメント50の振動を肩の筋肉に与えることによって、肩のこりをほぐすことができる。一方、例えば補助振動部14の微振動を顔の肌に与えることにより、肌のケアやツボの刺激等を行うことができる。
【0046】
このように、本実施例のマッサージ装置1は、製造コストの大幅な増大を招くことなく、身体に付与できる振動の種類を増やして、使用者の選択肢の幅を拡大できるため、従来のマッサージ装置に比べて、付加価値を向上させることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 マッサージ装置
5 仮想直線
10 装置本体部
11 ケース部
11a 第1内側空間部
11b 前側湾曲部
11c 後側湾曲部
11d ケース本体部
11e 支柱
12 グリップ部
12a グリップ本体部
12b グリップ下端部
12c 底面部
13 アタッチメント取付部
13a 外側カバー部
14 補助振動部
14a 振動本体部
14b 固定軸部
15 操作部
15a ファンクションボタン
21 モーター
22 ベース部
23 振動伝達部
23a 第1板部
23b 第2板部
30 振動発生部
31 偏心回転部
32 連結ロッド
32a ロッド本体部
32b 回転保持部
41 第1固定ビス
42 第2固定ビス
43 第3固定ビス
45 ブッシュ
50 アタッチメント(球形アタッチメント)
51 アタッチメント本体部
図1
図2
図3