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特開2024-144517データセンタのマルチポイント光学系による最適化されたスイッチングファブリック
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144517
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】データセンタのマルチポイント光学系による最適化されたスイッチングファブリック
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/272 20130101AFI20241003BHJP
   H04J 14/02 20060101ALI20241003BHJP
   H04B 10/61 20130101ALI20241003BHJP
【FI】
H04B10/272
H04J14/02
H04B10/61
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024117676
(22)【出願日】2024-07-23
(62)【分割の表示】P 2023561741の分割
【原出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099324
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 正剛
(72)【発明者】
【氏名】ロバート デビッド ハイロック
(72)【発明者】
【氏名】アーロン ジェイソン カルアナ
(57)【要約】
【課題】データセンタのエッジとリーフノードとの間の待ち時間が短縮された高速経路を提供する。
【解決手段】光通信システムは、ハブ光トランシーバ、パワースプリッタ、及び複数のスポークトランシーバを有する。ハブ光トランシーバは、スペクトルの波長を受信するように構成されている。パワースプリッタは、ハブ光トランシーバに結合され、スペクトルの波長を複製し、複数の複製されたスペクトルの波長を出力するように構成された受動式デバイスとして動作し、各複製されたスペクトルの波長は、ハブ光トランシーバから受信された総パワーの一部である対応するパワーを有する。複数のスポークトランシーバはパワースプリッタに結合され、複数のスポークトランシーバの各々は、複数の複製されたスペクトルの波長の対応する1つを受信するように構成されている。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光通信システムであって、
スペクトルの波長を受信するように構成されたハブ光トランシーバを有し、
前記ハブ光トランシーバに結合されたパワースプリッタを有し、前記パワースプリッタは、前記スペクトルの波長を複製し、複数の複製されたスペクトルの波長を出力するように構成された受動式デバイスとして動作し、前記複数の複製されたスペクトルの波長の各複製されたスペクトルの波長は、前記ハブ光トランシーバから受信された総パワーの一部である対応するパワーを有し、
前記パワースプリッタに結合された複数のスポークトランシーバを有し、前記複数のスポークトランシーバの各々は、前記複数の複製されたスペクトルの波長の対応する1つを受信するように構成されており、各スポークトランシーバは、前記各スポークトランシーバのために帯域幅を設定する波長の帯域を選択するように調整可能である、光通信システム。
【請求項2】
前記複数のスポークトランシーバにおけるスポークトランシーバは、複数のサーバにサービスするラック内部に配備されたトップオブラック型スイッチを有する、請求項1に記載の光通信システム。
【請求項3】
前記スポークトランシーバに結合され、第1の帯域の波長を受信するように構成されたサーバと、
データを送信及び受信するために前記第1の帯域の波長から1つまたは複数の波長を選択するように調整可能である、前記サーバのコヒーレント受信機と、
をさらに有する、請求項2に記載の光通信システム。
【請求項4】
前記パワースプリッタが、前記複数の複製されたスペクトルの波長内で前記総パワーを均等にまたは不均等に分割する、請求項1に記載の光通信システム。
【請求項5】
前記各スポークトランシーバは、受信された、前記複数の複製されたスペクトルの波長のうちの前記対応する1つから前記波長の帯域を選択するように構成されたコヒーレント受信機を有する、請求項1に記載の光通信システム。
【請求項6】
前記複数のスポークトランシーバの複数のコヒーレント受信機に結合された制御システムをさらに有し、前記制御システムは、前記帯域の波長を選択するために前記各スポークトランシーバの前記コヒーレント受信機を調整する、請求項5に記載の光通信システム。
【請求項7】
前記各スポークトランシーバの前記帯域幅は、毎秒25ギガビットの倍数である、請求項1に記載の光通信システム。
【請求項8】
スポークトランシーバと前記パワースプリッタとの間に結合される増幅器をさらに有し、前記増幅器は、前記スポークトランシーバにより受信された複製されたスペクトルの波長のパワーを増幅するように構成されている、請求項1に記載の光通信システム。
【請求項9】
前記光通信システムは、データセンタの一部の内部に実装されている、請求項1に記載の光通信システム。
【請求項10】
前記スペクトルの波長は、データ配信用の総帯域幅を配信し、
前記複数のスポークトランシーバは、前記総帯域幅に基づいて複数の帯域幅を設定するように調整可能である、請求項1に記載の光通信システム。
【請求項11】
光通信システムであって、
スペクトルの波長を受信するように構成されたハブ光トランシーバを有し、
前記ハブ光トランシーバに結合されており、複数の複製されたスペクトルの波長を出力するように構成され、各複製されたスペクトルの波長は、前記光トランシーバから受信された総パワーの一部である対応するパワーを有するパワー分割層を有し、前記パワー分割層は、1つ以上のカスケード層に構成された複数のパワースプリッタを含み、各パワースプリッタは、受動式デバイスとして動作し、
前記パワー分割層に結合された複数のスポークトランシーバを有し、前記複数のスポークトランシーバの各々は、前記複数の複製されたスペクトルの波長の対応する1つを受信するように構成されており、各スポークトランシーバは、前記各スポークトランシーバのために帯域幅を設定する波長の帯域を選択するように調整可能である、光通信システム。
【請求項12】
各パワースプリッタは、低減されたパワーで受信されたスペクトルの波長を複製するように構成されている、請求項11に記載の光通信システム。
【請求項13】
前記パワー分割層は、
前記ハブ光トランシーバに結合されており、前記スペクトルの波長を複製し、複数の第1の複製されたスペクトルの波長を出力するように構成された第1のパワースプリッタを有し、
第2のパワースプリッタを有し、前記第2のパワースプリッタは、前記第1のパワースプリッタに結合されており、前記複数の第1の複製されたスペクトルの波長を複製し、前記第2のパワースプリッタに結合されたスポークトランシーバに送信される前記複数の複製されたスペクトルの波長を出力するように構成されている、請求項11に記載の光通信ネットワーク。
【請求項14】
前記複数のスポークトランシーバにおけるスポークトランシーバは、複数のサーバにサービスするラック内部に配備されたトップオブラック型スイッチを有する、請求項11に記載の光通信システム。
【請求項15】
前記スポークトランシーバに結合され、第1の帯域の波長を受信するように構成されたサーバと、
データを送信及び受信するために前記第1の帯域の波長から1つまたは複数の波長を選択するように調整可能である前記サーバのコヒーレント受信機と、をさらに有する、請求項14に記載の光通信システム。
【請求項16】
前記各スポークトランシーバは、受信された、前記複数の複製されたスペクトルの波長のうちの前記対応する1つから前記対応する帯域の波長を選択するように構成された、対応するコヒーレント受信機を有する、請求項11に記載の光通信システム。
【請求項17】
前記複数のスポークトランシーバのコヒーレント受信機に結合され、前記対応する帯域の波長を選択するように前記各スポークトランシーバを調整するように構成された、制御システムをさらに有する、請求項16に記載の光通信システム。
【請求項18】
前記光通信システムは、データセンタの一部の内部に実装されている、請求項11に記載の光通信システム。
【請求項19】
光通信システムであって、
スペクトルの波長を受信するように構成されたハブ光トランシーバを有し、
前記ハブ光トランシーバに結合された第1のパワースプリッタを有し、前記第1のパワースプリッタは、前記スペクトルの波長を複製し、第1の複数の複製されたスペクトルの波長を出力するように構成された受動式デバイスとして動作し、前記第1の複数の複製されたスペクトルの波長の各複製されたスペクトルの波長は、前記ハブ光トランシーバから受信された総パワーの一部である対応するパワーを有し、
前記第1のパワースプリッタに結合されており、前記第1の複数の複製されたスペクトルの波長から複製されたスペクトルの波長を受信するように構成されたスポークトランシーバを有し、
前記スポークトランシーバに結合された第2のパワースプリッタを有し、前記第1の複数の複製されたスペクトルの波長から前記複製されたスペクトルの波長を受信し、第2の複数の複製されたスペクトルの波長を出力するように構成されており、
前記第2のパワースプリッタに結合されており、前記第2の複数の複製されたスペクトルの波長から複製されたスペクトルの波長を受信するように構成されたサーバのコヒーレントトランシーバを有し、前記コヒーレントトランシーバは、前記コヒーレントトランシーバの帯域幅を設定する、前記第2の複数の複製されたものからの前記複製されたスペクトルの波長から対応する帯域の波長を選択するように調整可能である、前記光通信システム。
【請求項20】
前記スポークトランシーバが、複数のサーバにサービスするラックの内部に配備されたトップオブラック型スイッチを備え、
前記光通信システムは、データセンタの内部に実装される、請求項19に記載の光通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インターネットプロトコル(IP)スイッチングファブリック及び/またはトポロジに関し、より詳細には、フルIPクロースファブリックの利点を提供し、データセンタのエッジとリーフノードとの間の高速経路を、最先端のフレキシブル光学技術を用いて提供する光データセンタファブリック(ODCF)に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クラウドゲームサーバとネットワークを介して接続されたクライアントとの間でストリーミング形式のオンラインまたはクラウドゲームを可能にするオンラインサービスが継続的に推進されている。ストリーミング形式は、オンデマンドのゲームタイトルの利用可能性、より複雑なゲームが実行できること、マルチプレイヤーゲームのためプレイヤー間でネットワークが築けること、プレイヤー間の資産の共有、プレイヤー及び/または観客間のインスタントエクスペリエンスの共有、友人がフレンドプレイビデオゲームを見ることを可能にすること、友人を友人の進行中のゲームプレイに参加させることなどにより、いっそう人気が高まっている。
【0003】
残念ながら、需要はまた、ネットワーク接続の機能の限界に反し、押し上げられている。特に、複数のマルチステージ回路スイッチングネットワークを提供する、クロススイッチングトポロジまたはファブリックに基づくインターネットプロトコル(IP)ファブリックは、クッキーカッター要素を通じてスケーリングする能力及びそれらの高度にフレキシブルなルーティング設計のため、近年クラウド業界に優位を占めている。しかしながら、必要とされるホスト接続性を提供するためには5ステージまたはそれよりもひと際高いCLOSスイッチングトポロジが必要になるので、「スパイン」機能専用の、ユーザ/ホスト接続性を有さないデバイスの数は急速に増大する。これらのスパイン専用デバイスは、スイッチングハードウェア及びトランシーバの両方にコストを追加し、管理が必要な動作の複雑性及び能動的な障害ポイントを追加する。
【0004】
大規模なスイッチングトポロジまたはファブリックの資本、運用コスト、及び複雑さを低減し、さらにホストとエンドユーザのサービスとの間の待ち時間を短縮することも有利である。本開示の実施形態は、このような背景の下になされたものである。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、フルインターネットプロトコル(IP)のマルチステージスイッチングファブリックの利点を提供し、さらに複雑さ及びコストがなくとも待ち時間を短縮し、さらに最先端のフレキシブル光学技術を使用して、データセンタのエッジとリーフノードとの間の高速経路を提供する、光データセンタIPスイッチングファブリック(ODCF)及び/またはトポロジに関する。
【0006】
本開示の実施形態は、光通信システムを開示する。光通信システムは、スペクトルの波長を受信するように構成されたハブ光トランシーバを含む。光通信システムは、ハブ光トランシーバに結合されたパワースプリッタを含む。パワースプリッタは、スペクトルの波長を複製(あるいはレプリケーションを行う)するように構成された受動式デバイスとして動作し、複数の複製されたスペクトルの波長を出力する。複数の複製されたスペクトルの波長の各スペクトルの波長は、ハブ光トランシーバから受信される総パワーの一部分である対応するパワーを有する。光通信システムは、パワースプリッタに結合された複数のスポークトランシーバを含む。複数のスポークトランシーバのそれぞれは、複数の複製されたスペクトルの波長のうちの対応する1つを受信するように構成されている。各スポークトランシーバは、各スポークトランシーバのための帯域幅を設定する波長の帯域を選択するように調整可能である。例えば、スポークトランシーバを、1つまたは複数の波長に調整することができ、ここで、複数の調整された波長は、連続的であっても非連続的であってもよい。
【0007】
本開示の実施形態は、光通信システムを開示する。光通信システムは、スペクトルの波長を受信するように構成されたハブ光トランシーバを含む。光通信システムは、ハブ光トランシーバに結合されたパワー分割層を含む。パワー分割層は、複数の複製されたスペクトルの波長を出力するように構成されている。複数の複製されたスペクトルの波長の各複製されたスペクトルの波長は、光トランシーバから受信される総パワーの一部分である対応するパワーを有する。パワー分割層は、1つ以上のカスケード層に構成された複数のパワースプリッタを含み、各パワースプリッタは受動式デバイスとして動作する。光通信システムは、パワー分割層に結合された複数のスポークトランシーバを含む。複数のスポークトランシーバのそれぞれは、複数の複製されたスペクトルの波長のうちの対応する1つを受信するように構成されている。各スポークトランシーバは、各スポークトランシーバのための帯域幅を設定する波長の帯域を選択するように調整可能である。例えば、スポークトランシーバを、1つまたは複数の波長に調整することができ、複数の調整された波長は、連続的であっても非連続的であってもよい。
【0008】
本開示の実施形態は、光通信システムを開示する。光通信システムは、スペクトルの波長を受信するように構成されたハブ光トランシーバを含む。光通信システムは、ハブ光トランシーバに結合された第1のパワースプリッタを含む。第1のパワースプリッタは、スペクトルの波長を複製するように構成された受動式デバイスとして動作し、第1の複数の複製されたスペクトルの波長を出力する。第1の複数の複製されたスペクトルの波長の各スペクトルの波長は、ハブ光トランシーバから受信される総パワーの一部分である対応するパワーを有する。光通信システムは、第1のパワースプリッタに接続されたスポークトランシーバを含む。スポークトランシーバは、第1の複数の複製されたスペクトルの波長から複製されたスペクトルの波長を受信するように構成されている。光通信システムは、スポークトランシーバに結合された第2のパワースプリッタを含む。第2のパワースプリッタは、第1の複数の複製されたスペクトルの波長から複製されたスペクトルの波長を受信し、第2の複数の複製されたスペクトルの波長を出力するように構成されている。光通信システムは、第2のパワースプリッタに結合された、サーバのコヒーレントトランシーバを含む。コヒーレントトランシーバは、第2の複数の複製されたスペクトルの波長から複製されたスペクトルの波長を受信するように構成されている。また、コヒーレントトランシーバは、第2の複数の複製されたものから複製されたスペクトルの波長から、対応する帯域の波長を選択するように調整可能であり、この帯域の波長は、コヒーレントトランシーバのための帯域幅を設定する。例えば、コヒーレントトランシーバを、1つまたは複数の波長に調整することができ、ここで、複数の調整された波長は、連続的であっても非連続的であってもよい。
【0009】
本開示の他の態様は、本開示の原理の例として示される添付図面と併せて、下記の発明を実施するための形態から明らかになる。
【0010】
本開示は、添付図面と併せて、以下の詳細な説明を参照することにより、最も良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態による、1つまたは複数のデータセンタに位置付けられた1つまたは複数の計算ノード間でネットワークを介してゲームを提供するためのゲームクラウドシステムの図である。
図2A】本開示の一実施形態による、ゲームクラウドシステムの代表的なデータセンタにおける複数の計算ノードを含む複数のラックアセンブリの図である。
図2B】本開示の一実施形態による、フルスペクトルの波長を受信するように構成されたトップオブラック型スイッチを含むラックアセンブリの図である。
図3A】本開示の一実施形態による、マルチポイント光学系を備え、1つの複数のスーパースパインで構成された光スイッチングファブリックを示す。
図3B】本開示の一実施形態による、マルチポイント光学系を備え、1つまたは複数のスーパースパインで構成された光スイッチングファブリックを示す。
図4A】本開示の一実施形態による、ポイント・ツー・マルチポイント光学系で構成された光スイッチングファブリックを示す。
図4B】本開示の一実施形態による、図4Aの光データセンタスイッチングファブリックのコンポーネント間の接続を示す。
図5A】本開示の一実施形態による、単一のスプリッタ層を含むデータセンタの光スイッチングファブリックのコンポーネントの例示的なレイアウトを示す。
図5B】本開示の一実施形態による、複数のカスケード式スプリッタ層を含むデータセンタの光スイッチングファブリックを示す。
図6A】本開示の一実施形態による、スーパースパインスイッチング層に接続された3つのカスケード式スプリッタ層にわたる1×4(1*4)スプリッタの使用を含む、データセンタのスイッチングファブリックを示す図である。
図6B】本開示の一実施形態による、図6Aのスイッチングファブリックを実装する物理的なデータセンタのレイアウトを示す図である。
図7】本開示の一実施形態による、ホスト/サーバラック層においてスイッチングを実行するように構成されたデータセンタのスイッチングファブリックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明には、説明の目的上、多くの特定の詳細が含まれているが、当業者であれば分かるように、以下の詳細に対する多くの変形及び修正も本開示の範囲内である。したがって、以下に説明する本開示の態様は、この説明に続く特許請求の範囲に対する一般性を何ら失うことなく、また特許請求の範囲に限定を課すことなく、述べられている。
【0013】
一般的に言えば、本開示の実施形態は、フルインターネットプロトコル(IP)のマルチステージスイッチングネットワークの利点を提供する光データセンタファブリック(ODCF)及び/またはトポロジを提供し、さらに、フレキシブル光学技術を使用して提供されるデータセンタのエッジとリーフノードとの間の高速経路を提供する。特に、スイッチの中間層を、データファブリックにおける受動式光パワースプリッタに置き換えることができる。利点としては、大型の光学データセンタファブリックの資本及び運用コストの削減、ならびに光学データセンタファブリックを実装するための簡便性の向上が挙げられる。追加の利点は、中間層での待ち時間が、スイッチよりむしろ受動式光スプリッタを使用することによって改善されるため、ホストとエンドユーザのサービスとの間で超低度の待ち時間の経路となることを含む。なぜならば、従来式のスイッチが、待ち時間をもたらす一部のルーティング及び/またはスイッチング動作(例えば、パケットキューイングなど)と共に光電気光学(OEO)変換を実行するのに対し、光パワースプリッタは、実質的に待ち時間を追加しない純粋な受動式光デバイスであるからである。すなわち、本開示の実施形態は、中間のスイッチ層(複数可)を取り外し、中間のパワー分割層(複数可)に交換することにより(例えば、光ファイバインフラストラクチャにおけるより少ない数の費用対効果の高い受動式光デバイスに、高額のスイッチハードウェアを置き換える)、また同時に、運用費を削減することにより(例えば、電力使用量の削減及び必要性が少ないメンテナンス)、資本の歳出を削減しながら、光データセンタファブリックによる待ち時間を大幅に削減する。さらに、本開示の実施形態は、ネットワークトポロジーを簡素化し、より容易な拡張(例えば、スケーリング、またはより多い地理的ロケーションにおける複数の建物の実装など)及びトラブルシューティングの活動をもたらす。
【0014】
種々の実施形態の前述した全般的な理解に基づき、次に実施形態の詳細例について、種々の図面を参照して説明する。
【0015】
本明細書全体を通して、「アプリケーション」または「ゲーム」または「ビデオゲーム」または「ゲームアプリケーション」または「ゲームタイトル」に対する言及は、入力コマンドの実行を通して指示されるいずれかのタイプのインタラクティブアプリケーションを表現することを意味する。例示のみを目的として、対話型アプリケーションには、ゲーミング、文書処理、ビデオ処理、ビデオゲーム処理などに対するアプリケーションが含まれる。さらに、前述で導入した用語は交換可能である。
【0016】
本開示の実施形態は、コンピューティングシステムの多数の倍数をサポートし、データセンタ内部に実装される。それぞれのコンピューティングシステムは、対応するコンピューティングシステムで実行されているアプリケーションに応じて1つまたは複数の機能を実行するように構成することができる。特定のデータセンタ内のコンピューティングシステムは、主に、一般にサービス(例えば、クラウドゲーム、クラウドストレージなど)を提供するように構成することができるか、または、クライアントに固有のサービスを提供するようにそれぞれ個別に構成することができる。例えば、データセンタは、一般に、複数のクライアント(例えば、それぞれが対応するユーザに関連付けられたリモートコンピューティングデバイス)にクラウドゲームサービスを提供するように構成され得る。別の例では、データセンタは、金融証券の高頻度での取引(例えば株式など)を容易にするなど、多くの顧客に金融サービスプラットフォームを一般に提供するように構成され得る。本開示の実施形態によって提供される低度の待ち時間、インフラストラクチャのコストの削減、スケーリングの簡単さ、及びマルチビルディングの実装という特徴を有するこれらのデータセンタは、これらの様々なサービスを提供することが望ましい。例えば、クラウドゲームサービスの場合、これらのデータセンタは、処理及び/または表示の中断がほとんどないかまたはまったく存在せず、任意のゲームタイトルの実際のオンデマンドゲームが存在するため、複雑なゲームをプレイするゲーマーに最良のユーザエクスペリエンスを提供するのに非常に適している。また、金融サービスに関しては、これらのデータセンタは、より伝統的に構成されたデータセンタよりも取引の頻度の増加及び取引速度の向上(すなわち、取引注文の提示時における速い応答時間など)をもたらすのに良好に適している。簡潔かつ説明しやすくするために、本開示の実施形態を、クラウドゲーミングを提供するデータセンタのコンテキスト内部で説明するが、データセンタは、例えば金融サービスなどの他のサービス及び/または機能を提供するように構成可能であることが理解される。
【0017】
図1は、本開示の一実施形態による、1つ以上のデータセンタに配置された1つ以上の計算ノード間のネットワーク150を介したゲームを提供するシステム100の図であり、データセンタはそれぞれ、データセンタのエッジとリーフノードとの間の高速経路を、短縮された待ち時間、実現容易性、及び低減されたコストで提供する受動式光パワースプリッタデバイスを用いて使用するIPスイッチングファブリックを用いて構成する。本開示の一実施形態によれば、システムは、1つまたは複数のクラウドゲームサーバ間のネットワークを介してゲームを提供するように構成され、より具体的には、計算ノードから、ラックアセンブリ内などのネットワークストレージに高速アクセスするように構成される。クラウドゲーミングには、サーバにおいてビデオゲームを実行して、ゲームレンダリングされたビデオフレームを生成することが含まれ、これは次に、クライアントに送られて表示される。他の実施形態では、1つ以上のデータセンタを含むシステム100は、例えば金融サービスなどの他のサービスを提供するように構成されていてよい。
【0018】
クラウドゲームは、様々な実施形態(例えば、クラウドゲーム環境またはスタンドアロンシステム内)で、物理マシン(例えば、中央処理装置--CPU--及びグラフィックス処理装置--GPU)、または仮想マシン、または両方の組み合わせを使用して実行できるということも理解される。例えば、仮想マシン(例えば、インスタンス)は、複数のCPU、メモリモジュール、GPU、ネットワークインターフェース、通信コンポーネントなどのようなハードウェア層の1つまたは複数のコンポーネントを利用するホストハードウェア(例えば、データセンタに位置付けられている)のハイパーバイザを使用して作成することができる。これらの物理リソースは、CPUのラック、GPUのラック、メモリのラックなどのラックに配置でき、それにおいてラックの物理リソースは、インスタンスに使用されるコンポーネントの組み立てとアクセスのためのファブリックを促進するトップオブラック型スイッチを使用してアクセスできる(インスタンスの仮想化されたコンポーネントを構築するときなど)。一般に、ハイパーバイザは、仮想リソースによって構成される複数のインスタンスの複数のゲストオペレーティングシステムを提示することができる。すなわち、各オペレーティングシステムは、(例えば、対応するデータセンタに配置された)1つ以上のハードウェアリソースによってサポートされる仮想化リソースの対応するセットを用いて構成され得る。例えば、各オペレーティングシステムは、仮想CPU、複数の仮想GPU、仮想メモリ、仮想化された通信コンポーネントなどでサポートされる場合がある。さらに、待ち時間を短縮するためにあるデータセンタから別のデータセンタに転送され得るインスタンスの構成である。ユーザまたはゲームに対して定義された即時使用は、ユーザのゲームセッションを保存するときに使用できる。即時使用は、ゲームセッション用のビデオフレームの高速レンダリングを最適化するために、本明細書で説明する任意の数の構成を含むことができる。一実施形態では、ゲームまたはユーザに対して定義された即時使用は、構成可能な設定としてデータセンタ間で転送することができる。即時使用設定を転送できることにより、ユーザが異なる地理的な位置からゲームをプレイするために接続する場合に、データセンタからデータセンタへのゲームプレイの効率的な移行が可能になる。
【0019】
システム100は、1つまたは複数のデータセンタ(例えば、データセンタ1からN)を通じて実装されるゲームクラウドシステム190を含む。図示されているように、ゲームクラウドシステム190のインスタンスは、管理機能を提供するデータセンタNに位置付けることができ、それにおいてゲームクラウドシステム190の管理機能は、各データセンタでゲームクラウドシステム190の複数のインスタンスを通じて分散させることができる。一部の実装形態では、ゲームクラウドシステム管理機能は、データセンタのいずれかの外部に位置付けられる場合がある。
【0020】
そのゲームクラウドシステム190は、クライアントデバイス(例えば、1~N)のそれぞれを対応するデータセンタ内の対応するリソースに割り当てるように構成されたアサイナ191を含む。特に、クライアントデバイス110がゲームクラウドシステム190にログインするとき、クライアントデバイス110は、データセンタNでゲームクラウドシステム190のインスタンスと接続されてもよく、データセンタNはクライアントデバイス110に地理的に最も近くてもよい。アサイナ191は、診断テストを実行して、クライアントデバイス110への利用可能な送信及び受信帯域幅を決定することができる。テストに基づいて、アサイナ191は、リソースをクライアントデバイス110に非常に特異的に割り当てることができる。例えば、アサイナ191は、特定のデータセンタをクライアントデバイス110に割り当てることができる。さらに、アサイナ191は、特定の計算スレッド、特定のストリーミングアレイ、特定のラックアセンブリの特定の計算ノードをクライアントデバイス110に割り当てることができる。割り当ては、計算ノードで利用可能なアセット(ゲームなど)の知識に基づいて実行され得る。以前は、クライアントデバイスは一般的にデータセンタに割り当てられており、ラックアセンブリにはそれ以上割り当てられていなかった。このようにすると、アサイナ191は、計算集約型の特定のゲームアプリケーションの実行を要求しているクライアントデバイスを、計算集約型アプリケーションを実行していない可能性のある計算ノードに割り当てることができる。さらに、クライアントによって要求された計算集約型ゲームアプリケーションの割り当ての負荷管理は、アサイナ191で実行され得る。例えば、短期間に要求されている同じ計算集約型ゲームアプリケーションは、特定の計算ノード、計算スレッド及び/またはラックアセンブリの負荷を軽減するために、1つのラックアセンブリまたは異なるラックアセンブリ内の異なる計算ノードに分散される場合がある。
【0021】
いくつかの実施形態では、割り当ては、機械学習に基づいて実行され得る。特に、リソースの需要は、特定のデータセンタとそれに対応するリソースについて予測される場合がある。例えば、データセンタが計算集約型ゲームアプリケーションを実行する多くのクライアントをすぐに処理することが予測できる場合、アサイナ191はその知識についてクライアントデバイス110を割り当て、そのリソースの全能力を現在利用していない可能性のあるリソースを割り当てることができる。別のケースでは、アサイナ191は、データセンタNでの負荷の増加を見越して、クライアントデバイス110を、データセンタNのゲームクラウドシステム190から、データセンタ3で利用可能なリソースに切り替えることができる。さらに、未来のクライアントは、リソースの負荷と需要が、ゲームクラウドシステム全体に、複数のデータセンタに亘り、複数のラックアセンブリに亘り、複数の計算スレッドに亘り、及び/または複数の計算ノードに亘り分散され得るように、分散された方法でリソースに割り当てられることができる。例えば、クライアントデバイス110は、データセンタN(例えばパス1を介して)及びデータセンタ3(例えばパス2を介して)の両方のゲームクラウドシステムからリソースを割り当てられ得る。
【0022】
クライアントデバイス110が、対応するストリーミングアレイの対応する計算スレッドの特定の計算ノードに割り当てられると、クライアントデバイス110は、ネットワークを介して対応するデータセンタに接続する。すなわち、クライアントデバイス110は、データセンタ3など、割り当てを実行するデータセンタとは異なるデータセンタと通信し得る。
【0023】
システム100は、ゲームクラウドシステム190を介してゲームを提供し、本開示の一実施形態によれば、ゲームは、ゲームをプレイしている対応するユーザのクライアントデバイス(例えば、シンクライアント)からリモートで実行されている。システム100は、シングルプレイヤーモードまたはマルチプレイヤーモードのいずれかで、ネットワーク150を介して、クラウドゲームネットワークまたはゲームクラウドシステム190により、1つまたは複数のゲームをプレイする1人または複数のユーザに、ゲームのコントロールをもたらすことができる。いくつかの実施形態において、クラウドゲームネットワークまたはゲームクラウドシステム190は、ホストマシンのハイパーバイザで実行する複数の仮想マシン(VM)を含むことができ、1つ以上の仮想マシンは、ホストのハイパーバイザに利用可能であるハードウェアリソースを利用するゲームプロセッサモジュールを実行するように構成される。いくつかの実装形態では、ゲームプロセッサモジュールは、異なるプロセッサ及び/またはオペレーティングシステムによって構成され得る処理エミュレータで実行されるように、1つのプロセッサまたはオペレーティングシステム用に構成されたソフトウェアアプリケーションを実行するための処理エミュレータを含み得、それにおいて処理エミュレータは仮想化されても、またはされなくてもよい。ネットワーク150は、1つまたは複数の通信技術を含み得る。いくつかの実施形態では、ネットワーク150は、高度な無線通信システムを有する第5世代(5G)ネットワーク技術を含んでいてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、通信は、無線技術を使用して促進され得る。このような技術には、例えば、5G無線通信技術が含まれていてもよい。5Gは第5世代のセルラーネットワーク技術である。5Gネットワークはデジタルセルラーネットワークであり、ここでは、プロバイダがカバーするサービスエリアが、セルと言われる小さい地理的領域に分割される。音及び映像を表すアナログ信号は、電話でデジタル化され、アナログ-デジタルコンバータによって変換され、ビットストリームとして伝送される。セル内のすべての5Gワイヤレスデバイスは、他のセルで再利用される周波数プールからトランシーバによって割り当てられた周波数チャネルを介して、セル内のローカルアンテナアレイ及び低電力自動トランシーバ(送信器及び受信機)と電磁波で通信する。ローカルアンテナは、高帯域幅光ファイバまたは無線バックホール接続によって、電話網及びインターネットに接続される。他のセルネットワークと同様に、あるセルから別のセルに移動するモバイルデバイスは、新しいセルに自動的に転送される。5Gネットワークは単なる一例のタイプの通信ネットワークであり、本開示の実施形態は、5Gに続く後の世代の有線または無線技術と同様に、前世代の無線または有線通信を利用することができることを理解されたい。
【0025】
図示のように、ゲームクラウドシステム190を含むシステム100は、複数のゲームアプリケーションへのアクセスを提供することができる。特に、クライアントデバイスのそれぞれは、クラウドゲームネットワークからの異なるゲームアプリケーションへのアクセスを要求している可能性がある。例えば、ゲームクラウドシステム190は、対応するゲームアプリケーションを実行するために1つ以上のホストで実行される1つ以上の仮想マシンとして構成され得る1つ以上のゲームサーバを提供し得る。例えば、ゲームサーバは、ユーザのゲームアプリケーションのインスタンスをインスタンス化するゲームプロセッサをサポートする仮想マシンを管理し得る。よって、複数の仮想マシンに対応付けられた1つまたは複数のゲームサーバの複数のゲームプロセッサは、複数のユーザのゲームプレイに関連付けられた1つまたは複数のゲームアプリケーションの複数のインスタンスを実行するように構成される。そのようにして、バックエンドサーバサポートは、複数のゲームアプリケーションのゲームプレイのメディア(例えばビデオ、オーディオなど)のストリーミングを、対応する複数のユーザに提供する。つまり、ゲームクラウドシステム190のゲームサーバは、ネットワーク150を介して、データ(例えば、対応するゲームプレイのレンダリングされた画像及び/またはフレーム)を対応するクライアントデバイスにストリーミング返信するように構成される。そのようにして、クライアントデバイスによって受信されて転送されたコントローラの入力に応答して、計算の複雑なゲームアプリケーションが、バックエンドサーバで実行し続けることができる。各サーバは、画像及び/またはフレームをレンダリングし、次いでそれらを符号化(例えば圧縮)して、対応するクライアントデバイスにストリーミングして表示することが可能である。
【0026】
一実施形態では、ゲームクラウドシステム190のクラウドゲームネットワークは、分散型ゲームサーバシステム及び/またはアーキテクチャである。具体的には、ゲームロジックを実行する分散型ゲームエンジンが、対応するゲームアプリケーションの対応するインスタンスとして構成されている。一般に、分散型ゲームエンジンは、ゲームエンジンの各機能を取り込み、それらの機能を分散させて多数の処理エンティティによって実行する。個々の機能は、さらに1つ以上の処理エンティティにわたって分散させることができる。処理エンティティは、物理ハードウェア、及び/または仮想コンポーネントまたは仮想マシン、及び/または仮想コンテナなど、様々な構成で構成され得、それにおいてコンテナは、仮想化されたオペレーティングシステム上で動作するゲームアプリケーションのインスタンスを仮想化するものであるため、仮想マシンとは異なる。処理エンティティは、クラウドゲームネットワークまたはゲームクラウドシステム190の1つ以上のサーバ(計算ノード)上のサーバ及びその基礎となるハードウェアを利用し、及び/またはそれらに依拠してもよく、サーバは1つ以上のラック上に位置付けられ得る。種々の処理エンティティに対するそれらの機能の実行の協調、割り当て、及び管理は、分散同期層によって行われる。このように、これらの機能の実行を分散同期層が制御して、プレイヤーによるコントローラ入力に応じたゲーミングアプリケーションに対する媒体(例えばビデオフレーム、オーディオなど)の生成を可能にする。分散同期層は、重要なゲームエンジンコンポーネント/機能が、より効率的な処理のために分散されて再構築されるように、分散処理エンティティ全体で(例えば、負荷分散を介して)それらの機能を効率的に実行することが可能である。
【0027】
図2Aは、本開示の一実施形態による、ゲームクラウドシステムの代表的なデータセンタ200Aにおける複数の計算ノードを含む複数のラックアセンブリ220の図である。例えば、北米、ヨーロッパ、及び日本など、世界中に複数のデータセンタが分散し得る。一実施形態では、ラックアセンブリ(例えば、ゲームストリーミングのために構成される)は、計算ノードの周囲に中心化され、これは、ゲームアプリケーション、ビデオゲームを実行し、及び/または1つまたは複数のクライアントへゲームセッションのオーディオ/ビデオをストリーミングする。
【0028】
データセンタ200Aは、複数のラックアセンブリ220(例えば、ラックアセンブリ220Aから220N)を含む。ラックアセンブリのそれぞれは、対応するトップオブラック(TOR)型スイッチ及び複数の計算スレッドを含む。例えば、代表的なラックアセンブリ220Nは、トップオブラック型スイッチ240N及び複数の計算スレッド230(例えば、スレッド230Aから230N)を含む。他のラックアセンブリは、変更を加えてまたは加えずに同様に構成することができる。特に、計算スレッドのそれぞれは、ハードウェアリソース(例えば、プロセッサ、CPU、GPUなど)を提供する1つまたは複数の計算ノードを含む。例えば、ラックアセンブリ220Nの複数の計算スレッド230における計算スレッド230Nは、4つの計算ノードを含むように示されているが、ラックアセンブリは1つまたは複数の計算ノードを含み得ることが理解される。各ラックアセンブリは、対応するデータセンタの管理用に構成された管理サーバ210との通信を提供するように構成されたトップオブラック型スイッチに結合される。トップオブラック型スイッチは、データセンタ全体にデータを伝送するように構成された光学データセンタファブリックに結合することができる。例えば、ラックアセンブリ220Nはトップオブラック型スイッチ240Nに結合される。トップオブラック型スイッチは、外部通信ネットワーク(インターネットなど)への通信も提供する。
【0029】
示されるように、データセンタ200Aの管理サーバ210は、アサイナ191(図1に示される)と通信して、リソースをクライアントデバイス110に割り当てる。特に、管理サーバ210は、ゲームクラウドシステム190’のインスタンスと連携し、ゲームクラウドシステム190の最初のインスタンス(例えば、図1の)と連携して、リソースをクライアントデバイス110に割り当てることができる。実施形態では、割り当ては、どのリソースと帯域幅が必要であるかということ、及びそれがデータセンタに存在することを知るなど、アセットの認識に基づいて実行される。したがって、本開示の実施形態は、説明のために、対応するラックアセンブリ220Bの対応する計算スレッド231の特定の計算ノード232にクライアントデバイス110を割り当てるように構成される。
【0030】
付加的に、データセンタ200Aの管理サーバ210は、複数のトップオブラック(TOR)スイッチ240の各々と通信するスイッチコントローラ215を含む。前述のように、各ラックアセンブリは、対応するクラスタまたはトップオブラック型スイッチを備えて構成され得る。例えば、ラックアセンブリ220Aはトップオブラック型スイッチ240Aを含み、ラックアセンブリ220Bはトップオブラック型スイッチ240Bを含み、ラックアセンブリ220Cはトップオブラック型スイッチ240Cを含み、・・・、ラックアセンブリ220Nはトップオブラック型スイッチ240Nを含む。特に、スイッチコントローラ215は、選択可能な波長の帯域に合わせて調整するように、各トップオブラック型スイッチを構成することができ、この帯域は、対応するラックアセンブリのスポークトランシーバのための帯域幅を設定する。このようにして、各ラックアセンブリは、対応するラックアセンブリにおける計算ノードがどのように利用されるかに応じて、様々な時点で再構成され得る。例えば、ピークゲーム期間の間、ラックアセンブリは、ゲームをサポートするのに十分な帯域の波長を受信するように調整されてもよい。オフピークゲーム期間(例えば、夜の期間)の間、同じラックアセンブリが異なる帯域の波長を受信するように調整されてもよい。例えば、オフピーク期間中は、ゲームに対する最小限の量の接続性を維持するのに十分である、より少ない(すなわち、ピーク期間中に受信される帯域幅と比較して)帯域幅を受信するように、ラックアセンブリを調整することができる。このようにして、追加の帯域幅(すなわち、ラックアセンブリによって使用されていない帯域幅)を、データのバックアップまたはメンテナンスを実行する計算ノードを有する、ディープラーニングアルゴリズム実行するなどのラックアセンブリのような、より大きな需要が現在生じている他のラックアセンブリに、動的に割り当てることができる。
【0031】
図2Bは、光データセンタファブリックの一部としてフルスペクトルの波長を受信するように構成されているトップオブラック型スイッチ250を含むラックアセンブリの図であり、トップオブラック型スイッチ250は、本開示の一実施形態による、フルスペクトルの波長の別々の部分(例えば、ラックアセンブリの帯域幅を設定する選択された帯域の波長)で受信及び通信するようにさらに調整されている。このように、光データセンタファブリックは、1つ以上の受動式光パワースプリッタデバイスを使用して、データセンタのエッジ(例えばスーパースパインスイッチ)とリーフノード(例えばトップオブラック型スイッチ)との間の高速経路を提供する。
【0032】
特に、ラックアセンブリ220Xは、1つ以上のゲームアプリケーションを実行する計算ノードを使用してゲームストリーミング機能を提供するように構成され得る。他の実施態様では、計算ノードは、他のタイプのアプリケーションを実行するために使用されてもよい。ラックアセンブリ220Xは、1つ以上の計算ノード及び/またはサーバ(280A~280N)による高速アクセスのために、ゲームコンテンツ(例えば、ゲームロジック、ゲームアプリケーション、ゲームデータ、ユーザデータなど)を格納するように構成されたネットワークストレージ(図示せず)を含んでもよい。1つもしくは複数の計算ノード及び/またはサーバは、ストリーミングアレイとして構成可能である。他の実施形態では、ネットワークストレージは、複数のゲームアプリケーション(例えば、ゲームクラウドシステムのためのゲームタイトルパッケージの完全補完)を格納するように構成された分散ストレージ内など、ラックアセンブリ220Xから離れている。図示したように、図2Bの図は、図2Aの複数のラックアセンブリ220のうちの1つまたは複数を表し得る、ラックアセンブリ220Xのためのハイレベルラック設計を示している。例えば、ラックアセンブリ220Xは、ラックアセンブリ220Nを表すことができる。
【0033】
加えて、ラックアセンブリ220Xは、リーフノードまたはリーフノードスイッチとも呼ぶことができるトップオブラック型スイッチ250を含む。トップオブラック型スイッチ250は、データセンタ全体のデータネットワーク化に使用される光データセンタファブリック内部で提供されるフルスペクトルの波長を受信するように構成され、さらにフルスペクトルの波長の個別の部分を受信し、通信するように調整される。例えば、トップオブラック型スイッチ250は、1つまたは複数の受動式光パワー分割層からフルスペクトルの波長を受信する。特に、トップオブラック型スイッチ250は、光学データセンタファブリックを介して、同じラックアセンブリまたは異なるラックアセンブリの他の計算ノード及び/またはサーバに通信可能に結合されてもよい。例えば、トップオブラック型スイッチは、ラックアセンブリ及び/またはデータセンタの外部のネットワーク通信を提供するために、通信ネットワーク(例えば、インターネット)に通信可能に接続することができる。
【0034】
図示のように、トップオブラック型スイッチ250は、ラックアセンブリ220Xと光学データセンタファブリックとの間で(例えば、フルスペクトルの波長を介して)通信を提供するように構成されたネットワークインタフェースカードまたはコントローラ(NIC)260を含む。一実施形態では、NIC260は、ラックアセンブリ220Xを調整して、トップオブラック型スイッチで受信したフルスペクトルの波長から波長の帯域を選択する(例えば、トップオブラック型スイッチ250の帯域幅を設定する波長の帯域を選択する)ように構成されたコヒーレント受信機275Xを含む。一実施形態では、コヒーレント受信機275Xは、ホットプラグ可能なデバイス270の内部に構成されている。例えば、ホットプラグ可能なデバイスは、光データセンタファブリックへのアクセスを提供するトランシーバを含む、スモールフォームファクタプラグ可能(SFP)ホットプラグ可能なネットワークインタフェースモジュール270であってよく、トップオブラック型スイッチは、スポークトランシーバとして構成される。別の実施形態では、ホットプラグ可能なデバイス270は、高速データアクセス及びより大きな帯域幅を提供する光データセンタファブリックへのアクセスを提供するトランシーバを含み、トップオブラック型スイッチが、スポークトランシーバとして構成されている、4つのスモールフォームファクタプラグ(QSFP)ホットプラグ可能なネットワークインタフェースモジュールである。
【0035】
別の実施形態では、計算ノード及び/またはサーバ280A~280Nの各々は、任意選択で、対応するコヒーレント受信機を含むことができる。例えば、サーバ280Aはコヒーレント受信機275Aを含むことができ、サーバ280Bはコヒーレント受信機275Bを含むことができ、・・・、サーバ280Nはコヒーレント受信機275Nを含むことができる。このようにして、波長の帯域に対する調整は、対応するラックアセンブリ220Xのトップオブラック型スイッチ250の代わりに、各計算ノード及び/またはサーバで実行されてもよい。計算ノード及び/またはサーバで調整を提供するためのより詳細な説明が、図7で提供される。
【0036】
上述したように、トップオブラック型スイッチ250は、制御経路(図示せず)を介して管理サーバによって制御され得る。例えば、トップオブラック型スイッチ250は、トップオブラック型スイッチのための帯域幅を設定する特定の帯域の波長を受信するように動的に調整することができる。
【0037】
図3Aは、本開示の一実施形態による、スーパースパインハブ光トランシーバ(例えば、スイッチングデバイス)301Aと複数のリーフノード320(例えば、スポークトランシーバ)との間に構成されたポイント・ツー・マルチポイント光学系を有する光データセンタスイッチングファブリック300Aを示す。リーフノードは、データセンタにおける複数のラックアセンブリのトップオブラック型スイッチであってよい。図示のように、スーパースパインハブ光トランシーバ301Aは、光データセンタスイッチングファブリック300Aがデータセンタ(すなわち、ハブ光トランシーバ301A)のエッジと、フレキシブル光学技術(例えば、受動式光パワースプリッタ)を使用して供給されるリーフノードとの間の高速経路を効果的に提供するように、複数のリーフノード320(例えば、リーフスイッチまたはトップオブラック型スイッチ)の各々に通信可能に結合されている。
【0038】
特に、光データセンタスイッチングファブリック300Aは、フルスペクトルの波長を周波数によって分割する代わりに、フルスペクトルの波長を使用してデータをリーフノードに伝送する。このことは、例えば図4A図4Bに関連してさらに以下で説明するように、スイッチングデバイスを使用する代わりに、光パワースプリッタなどの1つ以上の中間層(図示せず)における受動式光デバイスの使用によって達成することができる。例えば、スーパースパインハブ光トランシーバ301Aは、データを伝送及び受信するための複数のポート(例えば、2つのレーンよりも長いポート)を備えるように構成されていてよい。リーフノードの数に応じて、1つまたは複数の中間層を、スーパースパインハブ光トランシーバ301Aと複数のリーフノード320との間に挿入することができる。すなわち、リーフスイッチの数が増加したら、スーパースパインハブ光トランシーバ301Aから来る1つのレーンは、スーパースパインハブ光トランシーバ301Aによって出力されたフルスペクトルの波長を2つ以上のリーフノードに送信するため、受動式光パワースプリッタの1つ以上の層に結合させ得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、増幅器は、送信信号の信号対雑音比を改善するために、スーパースパインハブ光トランシーバ301Aと複数のリーフノード320との間に実装され得るが、データセンタ内部で典型的に遭遇するデータの長さの経路を考慮すると、増幅は必要ないと予想される。すなわち、光データセンタスイッチングファブリック300A内部の光学系からの既存のパワーは、データセンタの実装において十分に高くなるはずであり、したがって増幅器は不要であるが、必要に応じて、またはいくつかの他の使用事例、例えば、ハブの端部において増幅を提供する場合、増幅ステージを実装することができる。
【0040】
図示のように、スイッチコントローラ215Aは、スーパースパインハブ光トランシーバ301A内部に構成されていてよい。スイッチコントローラ215Aは、制御経路350を介して、複数のリーフノード320の各々に通信可能に接続されていてよい。このようにして、スイッチコントローラ215Aは、光データセンタスイッチングファブリック300A内部でスーパースパインハブ光トランシーバ301Aから送信されたフルスペクトルの波長からの帯域の波長を受信及び/または処理するために、各リーフノードを調整することができる。いくつかの場合に、スイッチコントローラ215Aは、図2Aに示されているような管理サーバ210内部に実装されてよく、管理サーバ210は、前述のように、スーパースパインハブ光トランシーバ301A内部に構成されていてよいか、またはハブ光トランシーバ301Aから離れて配置されていてよい。例えば、対応するリーフノードでのコヒーレント受信機は、そのリーフノードに対して帯域幅を設定する帯域の波長を受信及び/または処理するように調整されてもよい。
【0041】
光データセンタスイッチングファブリック300Aは、ハブ及び複数のスポーク構成におけるハブとして作用する単一のスーパースパインハブ光トランシーバ301Aを含み、スポークはリーフノードである。スーパースパインハブ光トランシーバ301Aは、フルスペクトルの波長にわたってデータを提供することができる。純粋に例示のため、フルスペクトルは、特定のデータレート(例えば毎秒16または32または64ギガビットなど)を有する選択可能な波長で毎秒400ギガビット(400G)で伝送することができる。フルスペクトルの波長はさらに、種々の多重化技術によってサブキャリア(例えば25Gまたは任意の他の数のサブキャリア波長)に区分され得る。一実施形態では、フルスペクトルの波長は、25Gのサブキャリア波長に区分される。このようにして、スポークトランシーバの各々は、1つまたは複数の25Gのサブキャリア波長を受信するように調整することができる。例えば、スポークトランシーバは、25Gのサブキャリア波長、または50Gのサブキャリア波長、または75Gのサブキャリア波長、または100Gのサブキャリア波長、または25Gのサブキャリア波長の任意の増分もしくは倍数を受信するように調整することができる。
【0042】
図3Bは、本開示の一実施形態による、マルチポイント光学系を備え、1つまたは複数のスーパースパインで構成された光データセンタスイッチングファブリック300Bを示す。各スーパースパインは、複数のリーフノード(例えば、スポークトランシーバまたはトップオブラック型スイッチ)320に通信可能に結合されている。例えば、スーパースパインハブ光トランシーバ(例えば、スイッチングデバイス)301A及び301Bの各々は、複数のリーフノード320に通信可能に結合されている。リーフノードは、データセンタにおける複数のラックアセンブリのトップオブラック型スイッチであってよい。このようにして、光データセンタスイッチングファブリック300Bは、データセンタ(すなわち、ハブ光トランシーバ301A及び301B)のエッジと、フレキシブル光学技術(例えば、受動式光パワースプリッタ)を使用して提供されるリーフノードとの間の高速経路を効果的に提供する。
【0043】
光データセンタスイッチングファブリック300Bにおけるスーパースパインハブ光トランシーバ301A及び301Bのそれぞれと複数のリーフノード320との間の結合は、図3Aに記載されたスーパースパインハブ光トランシーバ301Aと複数のリーフノード320との間の結合に類似している。このようにして、図3Bの光データセンタスイッチングファブリック300Bは、データがスーパースパイン光トランシーバ301A及び301Bの両方を使用して送信される場合、図3Aの光データセンタスイッチングファブリック300Aの約2倍の動作容量(例えば、スループット、帯域幅など)を提供することができる。純粋に例示のため、図3Aの光データセンタスイッチングファブリック300Aが、スーパースパインハブ光トランシーバ301Aを使用して毎秒400ギガビット(すなわち、400G)で伝送されるフルスペクトルの波長を提供する場合、図3Bの光データセンタスイッチングファブリック300Bは、スーパースパインハブ光トランシーバ301Aと301Bの両方を使用して、毎秒800ギガビット(すなわち800G)で伝送されるフルスペクトルの波長を提供するように構成可能である。また、図3Bの光データセンタスイッチングファブリック300Bは、図3Aの光データセンタスイッチングファブリック300Aと同じ動作容量を提供することができるが、バックアップまたはフェイルオーバサービスを提供することもできる。すなわち、スーパースパインハブ光トランシーバ301Aの1つ以上のポートを介したデータの配信経路が不良になった場合、これらのデータ経路は、スーパースパインハブ光トランシーバ301Bの1つ以上のポートを使用して復活され得る。
【0044】
図示のように、スイッチコントローラ215Bは、スーパースパインハブ光トランシーバ301B内部に構成され得る。スイッチコントローラ215Bは、制御経路355を介して複数のリーフノード320のそれぞれに通信可能に結合され得る。このようにして、スイッチコントローラ215Bは、光データセンタスイッチングファブリック300B内部でスーパースパインハブ光トランシーバ301Bから送信されたフルスペクトルの波長からの帯域の波長を受信及び/または処理するために、リーフノードの各々を調整することができる。いくつかの場合に、スイッチコントローラ215Bは、図2Aに示されているような管理サーバ210内部に実装されてよく、管理サーバ210は、前述のように、スーパースパインハブ光トランシーバ301B内部に構成されていてよいか、またはハブ光トランシーバ301Bから離れて配置されていてよい。例えば、対応するリーフノードでのコヒーレント受信機は、そのリーフノードに対して帯域幅を設定する波長の帯域を受信及び/または処理するように調整され得る。リーフノードの調整は、スーパースパインハブ局所トランシーバ301A及び301Bのスイッチコントローラ215A及び215Bの間で協調して行われる。
【0045】
図4Aは、本開示の一実施形態による、ポイント・ツー・マルチポイント光学系で構成された光データセンタスイッチングファブリック400を示す。特に、光データセンタスイッチングファブリックは、1つまたは複数の受動式光デバイスを含む1つまたは複数の中間層を介して、ハブ光トランシーバ410を複数のスポーク光トランシーバ430(例えばリーフスイッチ)に直接通信可能に結合するために、ポイント・ツー・マルチポイント光学系を使用する。
【0046】
図示のように、光データセンタスイッチングファブリック400は、データセンタを介して処理されるフルスペクトルの波長とも称されるスペクトルの波長を受信するように構成されたハブ光トランシーバ410(例えば、スーパースパインスイッチ)を含む。フルスペクトルの波長420は、光データセンタスイッチングファブリック400内でのデータ配信のために総帯域幅を配信する。純粋に説明のため、フルスペクトルは、選択可能なデータレートで、毎秒400ギガビット(例えば、400G)または毎秒800ギガビット(800G)の集合体で伝送され得る。前述したように、光データセンタスイッチングファブリック400の光デバイスは、さらに、種々の多重化技術を使用する25Gの倍数の波長及び/またはチャネルなどのサブキャリアに区分され得る。例えば、図4Aに示されるように、フルスペクトルの波長420を、32の異なる25G波長または波長帯域に分割することができる。
【0047】
ハブ光トランシーバ410は、光パワースプリッタ460に通信可能に結合されてよい。すなわち、光データセンタスイッチングファブリック400のポイント・ツー・マルチポイント光学系は、従来式のスイッチを含む1つ以上のスイッチング層を排除することによりデータセンタ全体にわたる待ち時間の短縮をもたらす光パワースプリッタを使用して分離することができる。待ち時間の短縮は、光パワースプリッタが、実質的に待ち時間を追加しない純粋な受動式光デバイスである場合に達成され、一方、従来式のスイッチは、待ち時間をもたらす一部のルーティング及び/またはスイッチング動作(例えばパケットキューイングなど)と共に光電気光学(OEO)変換を実行する。さらに、光パワースプリッタは、従来式のスイッチングファブリックに見られる中間層で使用されるスイッチよりも複雑ではなく、コストが低くなり得る。例えば、いくつかの実施態様では、任意の標準的な光パワースプリッタを光データセンタスイッチングファブリック400内部で使用することができる。パワースプリッタ460は、スペクトルの波長420を複製するように構成された受動式デバイスとして動作し、複数の複製されたスペクトルの波長420’を出力する。例えば、複数の複製されたスペクトルの波長420’は、複製されたスペクトルの波長420A、複製されたスペクトルの波長420B、・・・、及び複製されたスペクトルの波長420Nを含む。
【0048】
実施形態では、各複製されたスペクトルの波長は、ハブ光トランシーバ410によって伝送されるフルスペクトルの波長420(例えば800Gの波長)を含むが、より低い電力である。すなわち、複数の複製されたスペクトルの波長420’の各複製されたスペクトルの波長は、光パワースプリッタ460によって、ハブ光トランシーバ410から受信される総パワーの一部分である対応するパワーを有する。一実施形態では、パワースプリッタは、総パワー、またはフルスペクトルまたは複製されたフルスペクトルの波長で受信されたパワーを、均等または不均等に分割する。例えば、パワースプリッタは、複数の複製されたスペクトルの波長の内部で、フルスペクトルの波長の総パワーを、均等または不均等に分割することができる。
【0049】
光データセンタスイッチングファブリック400は、パワースプリッタに結合された複数のスポークトランシーバ430を含む。例えば、各スポークトランシーバは、別個の接続(例えば光ファイバケーブル)を介してパワースプリッタ460に結合される。一実施態様では、各スポークトランシーバは、対応するデータセンタの各ラックアセンブリにおけるトップオブラック型スイッチなどのリーフスイッチまたはリーフノードである。より具体的には、複数のスポークトランシーバのそれぞれは、複数の複製されたスペクトルの波長のうちの対応する1つを受信するように構成される。すなわち、各スポークトランシーバはフルスペクトルの波長を受信し、光データセンタスイッチングファブリック400は、フルスペクトルの波長を周波数で分割する代わりに、フルスペクトルの波長を用いてデータをスポークトランシーバに送信する。そのようにして、ハブ光トランシーバ410と各スポーク光トランシーバとの間で使用されるポイント・ツー・マルチポイント光学系は、電力を分割またはブレイクするが、依然としてフルスペクトルの波長を転送する。例えば、スポーク光トランシーバ430Aは、複製されたスペクトルの波長420Aを受信するように構成されており、スポーク光トランシーバ430Bは、複製されたスペクトルの波長420Bを受信するように構成されており、・・・、スポーク光トランシーバ430Nは、複製されたスペクトルの波長420Nを受信するように構成されている。
【0050】
複数のスポーク光トランシーバ430は、フルスペクトルの波長420によって提供される総帯域幅に基づいて複数の帯域幅を設定するように調整可能である。より詳細には、各スポークトランシーバは、対応するスポークトランシーバのための帯域幅を設定する波長の帯域を選択するように(すなわち、複製される対応するフルスペクトルの波長の個別の部分を選択するように)調整可能である。例えば、各スポークトランシーバは、複数のホスト及び/またはサーバにサービスする対応するラックアセンブリ内部に配備されたリーフスイッチまたはトップオブラック型スイッチを含んでいてよい。これは、スポーク光トランシーバに調整可能なコヒーレント受信機を使用することによって達成することができる。特に、各スポークトランシーバは、複製されたスペクトルの波長(例えば、フルスペクトルの波長)を選択可能な波長帯域に分割するように構成された光コヒーレント受信機を含み、各スポークトランシーバは、対応するスポークトランシーバの帯域幅を定める選択可能な波長帯域を受信するように動的に調整することができる。例えば、各スポークトランシーバは、スポークトランシーバによって受信された、複数の複製されたスペクトルの波長のうちの対応する1つから波長の帯域を選択するように構成されたコヒーレント受信機を含む。
【0051】
特に、各スポークトランシーバを、少なくとも1つのサブキャリアの波長(例えば、25Gの波長)に調整することができるが、対応するスポークトランシーバ(例えば、トップオブラック型スイッチ)などの個々の接続を介して帯域幅を増加させるために、複数のサブキャリアに調整することができる。例えば、スポーク光トランシーバ430Aは、その帯域幅に対して合計50Gの波長で25Gのサブキャリア波長を2つ受信するように調整されたコヒーレント受信機440Aを含み、スポーク光トランシーバ430Bは、その帯域幅に対して合計25Gの波長で1つの25Gのサブキャリア波長を受信するように調整されたコヒーレント受信機440Bを含み、・・・、スポーク光トランシーバ430Nは、帯域幅に対して合計100Gの4つの25Gのサブキャリア波長を受信するように調整されたコヒーレント受信機440Nを含む。さらに、別のスポーク光トランシーバは、25Gの任意の倍数のサブキャリア波長(例えば、25G、50G、75G、100G、125Gなど)を受信するように調整されたコヒーレント受信機を含むことができ、または25G超もしくは25G未満の任意の倍数のサブキャリア波長を受信するように調整することができる。つまり、一部のコンポーネントが、25Gの倍数の増分を選択するように調整されている場合があるが、他のコンポーネントは、現在の技術またはデータセンタ内の通信の生成に基づいて、より大きいまたはより小さい増分を選択するように調整されている場合がある。
【0052】
光データセンタスイッチングファブリック400は、スイッチの中間層(複数可)を除去することにより、ハブ光トランシーバ410と複数のスポーク光トランシーバ430の各々との間の待ち時間を短縮することで、性能の向上を達成させる。スイッチの1つまたは複数の中間層における1つまたは複数のスイッチは、動作のために投入する電力を必要としない受動式デバイスであるポイント・ツー・マルチポイント光学系に置き換えられている。一実施形態では、ポイント・ツー・マルチポイント光学系は、受動式光パワースプリッタを含む。データセンタ内部で必要なスポーク光トランシーバの数に応じて、各層が1つ以上のパワースプリッタを含む受動式光パワースプリッタの1つ以上の中間層を実装することができる。一実施形態では、複数の層は、パワースプリッタのカスケード層を含むことができる。
【0053】
一実施形態では、ハブ光トランシーバ410の各々、光パワースプリッタ460、及び複数のスポーク光トランシーバ430の各々は、ホットプラグ可能であってよい。例えば、前述のように、各デバイスは、QSFPフォームファクタ内部に含まれ得る。一実施態様では、1つもしくは複数のハブ光トランシーバ及び1つもしくは複数の光パワースプリッタ(すなわち、1つもしくは複数の層またはカスケード層で構成されている)がラックアセンブリ内部に設置可能である。上述したように、スポーク光トランシーバの各々は、対応するトップオブラック型スイッチとして、対応するラックアセンブリに設置することができる。
【0054】
一実施形態では、制御システムは、複数のスポークトランシーバの複数のコヒーレント受信機に結合され、制御システムは、対応する波長帯域を選択するために各スポークトランシーバのコヒーレント受信機を調整するように構成されている。例えば、制御システムは、ハブ光トランシーバ410内部に構成されたスイッチコントローラ215Cを含むことができる。スイッチコントローラ215Cは、制御経路450を介して、複数のスポーク光トランシーバ430の各々に通信可能に結合することができる。このようにして、スイッチコントローラ215Cは、光データセンタスイッチングファブリック400内部でハブ光トランシーバ410から送信されたフルスペクトルの波長からの帯域の波長を受信及び/または処理するために、スポーク光トランシーバの各々を調整することができる。いくつかの場合に、スイッチコントローラ215Cは、図2Aに示されているような管理サーバ210内部に実装されてよく、管理サーバ210は、前述のように、ハブ光トランシーバ410内部に構成されていてよいか、またはハブ光トランシーバ410から離れて配置されていてよい。例えば、対応するスポーク光トランシーバでのコヒーレント受信機は、当該スポーク光トランシーバのための帯域幅を設定する波長の帯域を受信及び/または処理するように調整することができる。
【0055】
一実施形態では、光データセンタスイッチングファブリック400は、スポーク光トランシーバに帯域幅を動的に割り当てることもできる。トラフィックの要件は時間と共に変化するため、光データセンタスイッチングファブリック400は、必要に応じて容量を増大及び/または低減するように構成可能である。例えば、大規模なビジネスシステムに使用される光データセンタスイッチングファブリック400は、業務時間中に大量に使用されることがあり、そのため、業務時間またはピーク時間中に選択されたラックアセンブリ及びその対応するホスト/サーバに割り当てられる帯域幅をより大きくすることができる。オフピーク時間または夜の時間の間、各ラックアセンブリに割り当てられる帯域幅は、より多くの負担がかかるまたはより少ない負担がかかる可能性がある動作を実行するラックアセンブリ間の帯域幅の動的割り当てを可能にするように動的に調整されてもよい。例えば、データのバックアップ、管理動作、機械学習アルゴリズムの実行、または他のオフピークアプリケーションの実行を目的として、様々なラックアセンブリの様々なサーバ/ネットワークセグメントに割り当て及び/または再配置されるように、帯域幅を調整することができる。さらに、要件が規定するのに応じて帯域幅を動的かつ自動的に割り当てることができるように、ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)を、帯域幅の割り当てを自動化するように構成することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、増幅器は、送信信号の信号対雑音比を改善するために、ハブ光トランシーバ410と複数のスポーク光トランシーバ430との間に実装されてよいが、データセンタ内部で典型的に遭遇するデータの長さの経路を考慮すると、増幅は必要ないと予想される。つまり、増幅器は、スポークトランシーバとパワースプリッタ460との間に結合可能であり、この増幅器は、スポークトランシーバにより受信された複製されたスペクトルの波長のパワーを増幅するように構成されている。また、増幅器は、ハブ光トランシーバ410とパワースプリッタ460との間に結合されてもよく、増幅器は、パワースプリッタ460によって受信されたフルスペクトルの波長のパワーを増幅するように構成されている。
【0057】
図4Bは、本開示の一実施形態による、ポイント・ツー・マルチポイント光学系で構成された図4Aにおいて導入された光データセンタスイッチングファブリック400を示す。図4A及び図4Bに示されているスイッチングファブリック400は、同一に構成されている。すなわち、光データセンタスイッチングファブリック400は、1つまたは複数の受動式光デバイスを含む1つまたは複数の中間層を介して、ハブ光トランシーバ410を複数のスポーク光トランシーバ430(例えばリーフスイッチ)に直接通信可能に結合するために、ポイント・ツー・マルチポイント光学系を使用する。
【0058】
より詳細には、図4Bに示されている光データセンタスイッチングファブリック400は、構成要素間の接続を示している。図示されているように、ハブ光トランシーバ410と光パワースプリッタ460との間の接続、ならびにパワースプリッタ460と複数のスポーク光トランシーバ430の各々との間の接続は、単一または二重光ファイバ配線であってよい光ファイバ配線によって実装することができる。単一光ファイバケーブル配線では、信号は1つの方向(すなわち上流または下流)に流れる。二重光ファイバ配線では、信号は双方向に(すなわち、上流及び下流に)流れることができる。
【0059】
一実施形態では、ハブ光トランシーバ410と光パワースプリッタ460との間の接続は、単一光ファイバ配線であり、したがって、上流のデータトラフィック及び下流のデータトラフィックに別々の配線が必要である。別の実施形態では、ハブ光トランシーバ410と光パワースプリッタ460との間の接続は、上流及び下流のデータトラフィックの両方を処理するための二重光ファイバ配線である。
【0060】
一実施形態では、パワースプリッタ460と対応するスポーク光トランシーバとの間の接続は、単一光ファイバ配線であり、したがって、上流のデータトラフィック及び下流のデータトラフィックに別々の配線が必要である。別の実施形態では、パワースプリッタ460と対応するスポーク光トランシーバとの間の接続は、上流及び下流のデータトラフィックの両方を処理するための二重光ファイバ配線である。
【0061】
図5A図5Bは、データセンタ環境における光分割の例を示す。データセンタの目的、容量、及びラックアセンブリあたりの帯域幅の提供におけるばらつきに応じて、様々な実施形態で、複数の物理的な光ファイバインフラストラクチャトポロジを使用することができる。説明のためのみで、図5A図5Bにはいくつかの例が示されているが、トポロジはこれらの例に限定されないことが理解される。どのようなトポロジが実装されても、本開示の実施形態の光データセンタスイッチングファブリックのためのトポロジによって、最小限の光ファイバ数で最大の柔軟性が可能となり、このことは、データセンタ内部の同じラックアセンブリ数に対する従来式のスイッチングファブリック設計(例えば中間スイッチング層(複数可)を使用)と比較して、使用されるファイバが大幅に削減され、また能動式スイッチングインフラストラクチャが削減されることを意味する(すなわち、中間層(複数可)の能動式スイッチの数と比較して、使用される受動式光デバイスが少ない)。
【0062】
特に、図5Aは、本開示の一実施形態による、単一のパワースプリッタ層を含むデータセンタの光スイッチングファブリック500Aを示す。光データセンタスイッチングファブリック500Aは、スーパースパインを複数のラックアセンブリ530に配置された複数のスポーク光トランシーバ550に直接通信可能に接続するようにポイント・ツー・マルチポイント光学系を使用する。図示されているように、光スイッチングファブリック500Aは、ハブ光トランシーバ、パワースプリッタ層、及び複数のスポーク光トランシーバ550を含む。
【0063】
特に、光スイッチングファブリック500Aは、データ配信に対して総帯域幅を配信するスペクトルの波長(例えば、フルスペクトルの波長)420を受信するように構成されるスーパースパインスイッチングデバイス(例えば、スイッチ、ハブ光トランシーバなど)を含み、それにおいてフルスペクトルの波長420は総パワーを有する。スーパースパインスイッチングデバイスは、受動式光学デバイスも含むスーパースパインラックアセンブリ501A内部に構成され得る。
【0064】
加えて、光スイッチングファブリック500Aは、ラックアセンブリ501A(例えば、ハブ光トランシーバ)においてスーパースパインに結合されるパワー分割層を含む。パワー分割層は、複数の複製されたスペクトルの波長を出力するように構成されており、各複製されたスペクトルの波長は、スーパースパイン501Aから受信された総パワーの一部である対応するパワーを有する。一実施形態では、パワー分割層は、1つ以上のカスケード層において構成された複数のパワースプリッタを含み、各パワースプリッタは、受動式デバイスとして動作し、低減されたパワーで受信されるスペクトルの波長を複製するように構成されている。パワー分割層はまた、ラックアセンブリ501A内部に含まれ得る。
【0065】
図5Aに示されるように、パワー分割層は、1つの層を含み、より具体的には、1対16(1*16)のパワースプリッタとして構成された1つのパワースプリッタ460Aを含む。すなわち、フルスペクトルの波長は、16の複製されたスペクトルの波長に分割される。上述したように、複製されたスペクトルの波長の各々は、スーパースパインスイッチングデバイスから受信される総パワーの一部である対応するパワーを有する。一実施形態では、複製されたスペクトルの波長に関連する一部は、均一に分布される。別の実施形態では、複製されたスペクトルの波長に関連する一部は、不均一に分布される。
【0066】
図示のように、パワースプリッタ460は、複数の出力部(例えばチャネル)540A~540P、例えば16チャネルを有する。各出力部は、対応する複製のスペクトルの波長を有する。出力部は、複数のラックアセンブリ530の複数のトップオブラック型スイッチ550に結合されている。例えば、パワースプリッタ460Aからのチャネル540Aの出力部は、ラックアセンブリ530Aのトップオブラック型スイッチ550Aに結合されており、チャネル540Bは、ラックアセンブリ530Bのトップオブラック型スイッチ550Bに結合されており、チャネル540Cは、ラックアセンブリ530Cのトップオブラック型スイッチ550Cに結合されており、チャネル540Dは、ラックアセンブリ530Dのトップオブラック型スイッチ550Dに結合されており、チャネル540Eは、ラックアセンブリ530Eのトップオブラック型スイッチ550Eに結合されており、チャネル540Fは、ラックアセンブリ530Fのトップオブラック型スイッチ550Fに結合されており、チャネル540Gは、ラックアセンブリ530Gのトップオブラック型スイッチ550Gに結合されており、チャネル540Hは、ラックアセンブリ530Hのトップオブラック型スイッチ550Hに結合されており、チャネル540Iは、ラックアセンブリ530Iのトップオブラック型スイッチ550Iに結合されており、チャネル540Jは、ラックアセンブリ530Jのトップオブラック型スイッチ550Jに結合されており、チャネル540Kは、ラックアセンブリ530Kのトップオブラック型スイッチ550Kに結合されており、チャネル540Lは、ラックアセンブリ530Lのトップオブラック型スイッチ550Lに結合されており、チャネル540Mは、ラックアセンブリ530Mのトップオブラック型スイッチ550Mに結合されており、チャネル540Oは、ラックアセンブリ530Oのトップオブラック型スイッチ550Oに結合されており、チャネル540Pは、ラックアセンブリ530Pのトップオブラック型スイッチ550Pに結合されている。このようにして、1つのスーパースパインスイッチポートを16個のリーフスイッチまたはトップオブラック型スイッチに接続することができる。パワー分割層の実装される個数に応じて、1つのスイッチポートを任意の個数のトップオブラック型スイッチに接続することができる。
【0067】
特に、光データセンタスイッチングファブリック500Aは、パワー分割層に結合された複数のスポークトランシーバ(例えば、トップオブラック型スイッチ)を含む。複数のスポークトランシーバの各々は、複数の複製されたスペクトルの波長の対応する1つを受信するように構成されており、各スポークトランシーバは、各スポークトランシーバのために帯域幅を設定する波長の帯域を選択するように調整可能である。図5Aに示されるように、複数のトップオブラック型スイッチ530が、パワー分割層またはパワースプリッタ460Aに結合されている。前述したように、各トップオブラック型スイッチは、複製されたスペクトルの波長を受信し、対応するトップオブラック型スイッチの帯域幅を設定する波長の帯域を選択するようにさらに調整することができる。これは、複製されたスペクトルの波長を、対応するトップオブラック型スイッチの帯域幅を規定する選択可能な波長帯域に分割するように構成されている、各トップオブラック型スイッチでの対応するコヒーレント光受信機を使用して達成される。
【0068】
前述したように、制御システムは、複数のトップオブラック型スイッチ530のコヒーレント受信機に結合されており、この制御システムは、対応する波長帯域を選択するように各トップオブラック型スイッチを調整するように構成されている。制御システムは図5Aに示されていないが、制御システムは、フルスペクトルの波長420から対応する帯域の波長を受信するようにトップオブラック型スイッチの各々を調整するために、各コヒーレント受信機に通信可能に結合されているスイッチコントローラを含むことができる。
【0069】
図5Bは、本開示の一実施形態による、複数のカスケードのスプリッタ層を含むデータセンタの光スイッチングファブリック500Bを示す。光データセンタスイッチングファブリック500Bは、スーパースパインを複数のラックアセンブリ530に配置された複数のスポーク光トランシーバ560に直接通信可能に接続するようにポイント・ツー・マルチポイント光学系を使用する。図示されているように、光スイッチングファブリック500Bは、ハブ光トランシーバ、カスケード式パワー分割層、及び複数のスポーク光トランシーバ550を含む。
【0070】
特に、光スイッチングファブリック500Bは、データ配信に対して総帯域幅を配信するスペクトルの波長(例えば、フルスペクトルの波長)420を受信するように構成されるスーパースパインスイッチングデバイス(例えば、スイッチ、ハブ光トランシーバなど)を含み、それにおいてフルスペクトルの波長420は総パワーを有する。スーパースパインスイッチングデバイスは、カスケード式パワー分割層における受動式光学デバイスも含むスーパースパインラックアセンブリ501B内部で構成され得る。
【0071】
特に、光スイッチングファブリック500Aは、複数の複製されたスペクトルの波長を出力するように構成されたカスケード式パワー分割層を含み、各複製されたスペクトルの波長は、ラックアセンブリ501Bのスーパースパインから受信された総パワーの一部である対応するパワーを有する。一実施形態では、カスケード式パワー分割層は、1つ以上のカスケード層において構成された複数のパワースプリッタを含み、各パワースプリッタは、受動式デバイスとして動作し、低減されたパワーで受信されるスペクトルの波長を複製するように構成されている。カスケード式パワー分割層はまた、ラックアセンブリ501B内部に含まれ得る。
【0072】
図示のように、カスケード式パワー分割層は、1対4の(1*4)パワースプリッタとして構成された1つのパワースプリッタ460Bを含む第1の層を含む。すなわち、フルスペクトルの波長は、4の複製されたスペクトルの波長に分割される。例えば、パワースプリッタ460は、チャネル560にわたる出力として複製されたスペクトルの波長を提供し、チャネル561にわたる別の出力として複製されたスペクトルの波長を提供し、チャネル562にわたる別の出力として複製されたスペクトルの波長を提供し、チャネル563にわたる別の出力として複製されたスペクトルの波長を提供する。上述したように、複製されたスペクトルの波長の各々は、スーパースパインスイッチングデバイスから受信される総パワーの一部である対応するパワーを有するパワースプリッタ460Bからの出力として提供される。一実施形態では、複製されたスペクトルの波長に関連する一部は、均一に分布される。別の実施形態では、複製されたスペクトルの波長に関連する一部は、不均一に分布される。
【0073】
特に、光データセンタスイッチングファブリック500Bは、カスケード式パワー分割層に結合された複数のスポークトランシーバ(例えば、トップオブラック型スイッチ)を含む。複数のスポークトランシーバの各々は、複数の複製されたスペクトルの波長の対応する1つを受信するように構成されており、各スポークトランシーバは、各スポークトランシーバのために帯域幅を設定する波長の帯域を選択するように調整可能である。図5Bに示されるように、複数のトップオブラック型スイッチ530は、カスケード式パワー分割層に結合されている。前述したように、各トップオブラック型スイッチは、複製されたスペクトルの波長を受信し、対応するトップオブラック型スイッチの帯域幅を設定する波長の帯域を選択するようにさらに調整することができる。これは、複製されたスペクトルの波長を、対応するトップオブラック型スイッチの帯域幅を規定する選択可能な波長帯域に分割するように構成されている、各トップオブラック型スイッチでの対応するコヒーレント光受信機を使用して達成される。
【0074】
図示のように、カスケード式パワー分割層は、複数のラックアセンブリ530における複数のトップオブラック型スイッチ550に結合されている。特に、パワースプリッタ460Bからの各出力は、対応するパワースプリッタを介して、対応するトップオブラック型スイッチに結合されている。例えば、チャネル560を介した出力は、1対4の(1*4)パワースプリッタとして構成されたパワースプリッタ460Cに結合されており、チャネル561を介した出力は、1対4の(1*4)パワースプリッタとして構成されたパワースプリッタ460Dに結合されており、チャネル562を介した出力は、1対4の(1*4)パワースプリッタとして構成されたパワースプリッタ460Eに結合されており、チャネル563を介した出力は、1対4の(1*4)パワースプリッタとして構成されたパワースプリッタ460Fに結合されている。出力の各々は、複製されたスペクトルの波長を提供する。
【0075】
さらに、パワースプリッタ460C、460D、460E、及び460Fの各々は、対応するラックアセンブリの複数のトップオブラック型スイッチに結合されている。図示したように、パワースプリッタ460C、460D、460E、及び460Fは、対応するラックアセンブリに設置されてもよいが、パワースプリッタは、別のラックアセンブリなどの他のどこかに配置されてもよい。特に、パワースプリッタ460Cは、チャネル560A、560B、560C及び560Dを介して4つの出力を提供する。各チャネルは、さらに、対応するトップオブラック型スイッチに通信可能に接続されている。例えば、パワースプリッタ460Cから、チャネル560Aは、ラックアセンブリ530Aのトップオブラック型スイッチ550Aに結合されており、チャネル560Bは、ラックアセンブリ530Bのトップオブラック型スイッチ550Bに結合されており、チャネル560Cは、ラックアセンブリ530Cのトップオブラック型スイッチ550Cに結合されており、チャネル560Dは、ラックアセンブリ530Dのトップオブラック型スイッチ550Dに結合されている。また、パワースプリッタ460Dから、チャネル561Aは、ラックアセンブリ530Eのトップオブラック型スイッチ550Eに結合されており、チャネル561Bは、ラックアセンブリ530Fのトップオブラック型スイッチ550Fに結合されており、チャネル561Cは、ラックアセンブリ530Gのトップオブラック型スイッチ550Gに結合されており、チャネル561Dは、ラックアセンブリ530Hのトップオブラック型スイッチ550Hに結合されている。また、パワースプリッタ460Eから、チャネル562Aは、ラックアセンブリ530Iのトップオブラック型スイッチ550Iに結合されており、チャネル562Bは、ラックアセンブリ530Jのトップオブラック型スイッチ550Jに結合されており、チャネル562Cは、ラックアセンブリ530Kのトップオブラック型スイッチ550Kに結合されており、チャネル562Dは、ラックアセンブリ530Lのトップオブラック型スイッチ550Lに結合されている。また、パワースプリッタ460Fから、チャネル563Aは、ラックアセンブリ530Mのトップオブラック型スイッチ550Mに結合されており、チャネル563Bは、ラックアセンブリ530Nのトップオブラック型スイッチ550Nに結合されており、チャネル563Cは、ラックアセンブリ530Oのトップオブラック型スイッチ550Oに結合されており、チャネル563Dは、ラックアセンブリ530Pのトップオブラック型スイッチ550Pに結合されている。
【0076】
前述したように、制御システムは、複数のトップオブラック型スイッチ530のコヒーレント受信機に結合されており、この制御システムは、対応する波長帯域を選択するように各トップオブラック型スイッチを調整するように構成されている。制御システムは図5Bに示されていないが、制御システムは、フルスペクトルの波長420から対応する帯域の波長を受信するようにトップオブラック型スイッチの各々を調整するために、各コヒーレント受信機に通信可能に結合されているスイッチコントローラを含むことができる。
【0077】
図6Aは、本開示の一実施形態による、スーパースパインスイッチング層610に接続された3つのカスケードパワースプリッタ層にわたる1×4(1*4)スプリッタの使用を含む、データセンタのスイッチングファブリック600Aを示す図である。特に、光データセンタスイッチングファブリック600Aは、1つまたは複数の受動式光デバイスを含む1つまたは複数の中間層を介して、スーパースパインスイッチング層(例えば、ハブ光トランシーバ)を複数のスポーク光トランシーバ(例えば、リーフスイッチ、トップオブラック型スイッチ)に直接通信可能に結合するために、ポイント・ツー・マルチポイント光学系を使用する。
【0078】
図示のように、光データセンタスイッチングファブリック600Aは、データセンタを介して処理されるフルスペクトルの波長とも称されるスペクトルの波長を受信するように構成されたスーパースパインスイッチング層610を含む。フルスペクトルの波長は、光データセンタスイッチングファブリック600A内部でのデータ配信のために総帯域幅を配信する。純粋に説明のため、フルスペクトルは、選択可能なデータレートで、毎秒400ギガビット(例えば、400G)または毎秒800ギガビット(800G)の集合体で伝送され得る。前述したように、光データセンタスイッチングファブリック400の光デバイスは、さらに、種々の多重化技術を使用する25Gの倍数の波長などのサブキャリアに区分され得る。例えば、フルスペクトルの波長を、32の異なる25G波長または波長帯域に分割することができる。
【0079】
光スイッチングファブリック600Aは、スーパースパインスイッチング層610に結合された3つのカスケード式パワースプリッタ層を含む。例えば、カスケード式パワースプリッタ層及びスーパースパインスイッチング層を、データセンタの1つのラックアセンブリ内部に配置することができる。3つのカスケード式スプリッタ層は、第1のカスケードステージのパワースプリッタ、第2のカスケードステージのパワースプリッタ、及び第3のカスケードステージのパワースプリッタを含む。3つのカスケード式パワー分割層は、複数の複製されたスペクトルの波長を出力するように構成されており、各複製されたスペクトルの波長は、スーパースパインスイッチング層610から受信された総パワーの一部である対応するパワーを有する。一実施形態では、カスケード式パワースプリッタ層は、1つ以上のカスケード層において構成された複数のパワースプリッタを含み、各パワースプリッタは受動式デバイスとして動作し、低減されたパワーで受信されるスペクトルの波長を複製するように構成されている。
【0080】
特に、第1のカスケードステージは、チャネルを介して4つの出力を提供する単一の1×4(1*4)のパワースプリッタ460Gを含んでいる。出力の各々は、スーパースパインスイッチング層610によって提供されるフルスペクトルの波長に対する総パワーの一部であるパワーを有する、複製されたスペクトルの波長を提供する。
【0081】
第2のカスケードステージは4つのパワースプリッタを含み、各パワースプリッタは、1×4(1*4)のパワースプリッタであり、各パワースプリッタは、第1のカスケードステージにおけるパワースプリッタ460Gに結合されている。例えば、パワースプリッタ460Hは、第1のカスケードステージにおけるパワースプリッタ460Gから、チャネルを介して、複製されたスペクトルの波長を受信し、チャネルを介して、4つの追加の出力を提供し、各々は、複製されたスペクトルの波長を提供する。また、パワースプリッタ460Iは、第1のカスケードステージにおけるパワースプリッタ460Gからチャネルを介して複製されたスペクトルの波長を受信し、チャネルを介して4つの追加の出力を提供し、各出力は、複製されたスペクトルの波長を提供する。また、パワースプリッタ460Jは、第1のカスケードステージにおけるパワースプリッタ460Gからチャネルを介して複製されたスペクトルの波長を受信し、チャネルを介して4つの追加の出力を提供し、各出力は、複製されたスペクトルの波長を提供する。さらに、パワースプリッタ460Kは、第1のカスケードステージにおけるパワースプリッタ460Gからチャネルを介して複製されたスペクトルの波長を受信し、チャネルを介して4つの追加の出力を提供し、各出力は、複製されたスペクトルの波長を提供する。
【0082】
第3のカスケードステージは、16個のパワースプリッタ460L、460M、460N、460O、・・・、460Xを含む。各パワースプリッタも同様に構成されており、各パワースプリッタは、第3のカスケードステージのパワースプリッタのうちの1つからの出力部に結合されている。代表的な例として、第2のカスケードステージからのパワースプリッタ460Hは、パワースプリッタ460L、460M、460N、及び460Oに結合された4つの出力部を提供する。例えば、パワースプリッタ460L~460Oのそれぞれは、対応するチャネルを介して、パワースプリッタ460Hから、対応する複製されたスペクトルの波長を受信する。
【0083】
3つのカスケード式パワースプリッタ層は、複数のスポーク光トランシーバ、例えば複数のラックアセンブリのトップオブラック型スイッチに結合されている。複数のスポークトランシーバのそれぞれは、対応する複製されたスペクトルの波長を受け取るように構成されており、各スポークトランシーバは、上述したように、フルスペクトルの波長を提供するスーパースパインスイッチング層610によって出力される総パワーから、フルスペクトルの波長を、ただし低減されたパワーで受信する。そのようにして、各スポークトランシーバは、複製されたスペクトルの波長(例えばフルスペクトルの波長)を、対応する光コヒーレント受信機を用いて選択可能な帯域の波長に分割するように構成されている。つまり、各スポークトランシーバは、対応するスポークトランシーバの帯域幅を定める選択可能な波長の帯域を受信するように動的に調整することができる。
【0084】
図6Bは、本開示の一実施形態による、複数のカスケード式パワースプリッタ層を含む、図6Aの光データセンタスイッチングファブリック600Aを実装する物理データセンタレイアウトを示す図である。光データセンタスイッチングファブリック600Bは、スーパースパインスイッチング層を複数のラックアセンブリ530に配置された複数のスポーク光トランシーバ550に直接通信可能に接続するようにポイント・ツー・マルチポイント光学系を使用する。図示のように、光スイッチングファブリック600Bは、スーパースパインスイッチング層690(例えば、スパインスイッチ、ハブ光トランシーバなど)、カスケード式パワー分割層、及び複数のスポーク光トランシーバ550を含む。
【0085】
スーパースパインスイッチング層(例えば、スイッチ、ハブ光トランシーバなど)は、データ配信に対して総帯域幅を配信するスペクトルの波長(例えば、フルスペクトルの波長)を受信するように構成され、フルスペクトルの波長は総パワーを有する。
【0086】
光スイッチングファブリック600Bは、複数の複製されたスペクトルの波長を出力するように構成されているカスケード式パワー分割層を含み、各複製されたスペクトルの波長は、スーパースパインスイッチング層から受信された総パワーの一部である対応するパワーを有する。一実施形態では、カスケード式パワー分割層は、1つ以上のカスケード層において構成された複数のパワースプリッタを含み、各パワースプリッタは、受動式デバイスとして動作し、低減されたパワーで受信されるスペクトルの波長を複製するように構成されている。
【0087】
第1のカスケードステージ631は、1対4の(1*4)パワースプリッタとして構成された1つのパワースプリッタ460Pを含む。すなわち、フルスペクトルの波長は、4の複製されたスペクトルの波長に分割される。例えば、パワースプリッタ460Pは、4つのチャネルにわたる出力部として提供され、各チャネルは複製されたスペクトルの波長を有する。上述したように、複製されたスペクトルの波長の各々は、スーパースパインスイッチング層から受信される総パワーの一部である対応するパワーを有するパワースプリッタ460Pからの出力として提供される。
【0088】
パワースプリッタの第2のカスケードステージ632は、4つのパワースプリッタを含み、各々は1対4の(1*4)パワースプリッタとして構成されている。例えば、第2のカスケードステージ632は、パワースプリッタ460R、460S、460T、及び460Uを含んでおり、各々は、第1のカスケードステージ631においてパワースプリッタ460Pに結合されている。各パワースプリッタは、ラックアセンブリの対応する列においてトップオブラック型スイッチに結合されている。
【0089】
例えば、パワースプリッタ460Rは、対応するチャネルを介してパワースプリッタ460Pからスペクトルの波長を受信し、さらに、ひと際少ないパワーの付加的なスペクトルの波長を、ラックアセンブリ551の第1列におけるトップオブラック型スイッチ550A、550B、550C、及び550Dの各々に4つの対応するチャネルを介して提供する。また、パワースプリッタ460Sは、対応するチャネルを介してパワースプリッタ460Pからスペクトルの波長を受信し、さらに、ひと際少ないパワーの付加的なスペクトルの波長を、ラックアセンブリ552の第2列におけるトップオブラック型スイッチ550E、550F、550G、及び550Hの各々に4つの対応するチャネルを介して提供する。また、パワースプリッタ460Tは、対応するチャネルを介してパワースプリッタ460Pからスペクトルの波長を受信し、さらに、ひと際少ないパワーの付加的なスペクトルの波長を、ラックアセンブリ553の第3列におけるトップオブラック型スイッチ550I、550J、550K、及び550Lの各々に4つの対応するチャネルを介して提供する。さらに、パワースプリッタ460Uは、対応するチャネルを介してパワースプリッタ460Pからスペクトルの波長を受信し、さらに、ひと際少ないパワーの付加的なスペクトルの波長を、ラックアセンブリ554の第4列におけるトップオブラック型スイッチ550M、550N、550O、及び550Pの各々に4つの対応するチャネルを介して提供する。
【0090】
前述のように、複数のスポークトランシーバ530(例えば、トップオブラック型スイッチ)の各々は、複数の複製されたスペクトルの波長の対応する1つを受信するように構成されており、各スポークトランシーバは、各スポークトランシーバのために帯域幅を設定する波長の帯域を選択するように調整可能である。図6Bに示されるように、複数のトップオブラック型スイッチ530は、カスケード式パワー分割層に結合されている。前述したように、各トップオブラック型スイッチは、複製されたスペクトルの波長を受信し、対応するトップオブラック型スイッチの帯域幅を設定する波長の帯域を選択するようにさらに調整することができる。これは、複製されたスペクトルの波長を、対応するトップオブラック型スイッチの帯域幅を規定する選択可能な波長の帯域に分割するように構成されている、各トップオブラック型スイッチでの対応するコヒーレント光受信機を使用して達成される。
【0091】
図6Bに示されているように、光データセンタスイッチングファブリックは、反復可能なステップを使用して実装され得る。特に、各ラックアセンブリの物理的接続性は、同じままであり、例えば電力の接続、及び光データセンタスイッチングファブリックに接続するファイバケーブルがある。このようにして、提供される帯域幅は、それが光データセンタファブリックに追加されると、各ラックタイプに合わせて動的に調整することができる。これにより、必要な光接続の数が低減され、データセンタアーキテクチャがシンプルになり、また、物理的な提供及びケーブル配線プロセスが簡略的になる。
【0092】
一実施形態では、1つ以上のパワースプリッタの第1のカスケードステージ631及び第2のカスケードステージ632が、オーバーヘッドまたはアンデフロアのケーブルトレイ620内部に配置され得る。2つのカスケードステージ631及び632を、ラックアセンブリ551~554の各列のトップオブラック型スイッチに接続する光ファイバケーブルは、ケーブルトレイ620を通って経由されてもよい。特に、1つの一貫したファイバケーブルドロップが、設置時に、ラックアセンブリ551~554の列における各ラックアセンブリのために提供され得る。前述したように、各ラックアセンブリの制御は、対応する各ラックアセンブリで受信される帯域幅の動的調整を提供するので、各ラックアセンブリは、任意の時点で選択可能な帯域幅を受信するように動的に構成することができる。
【0093】
図7は、本開示の一実施形態による、ホスト/サーバラック層においてスイッチングを実行するように構成されたデータセンタのスイッチングファブリックを示す図である。光データセンタスイッチングファブリックは、スーパースパインスイッチング層を複数のラックアセンブリに配置された複数のスポーク光トランシーバに直接通信可能に接続するようにポイント・ツー・マルチポイント光学系を使用する。特に、データ配信はラックアセンブリ700に示されており、対応するラックアセンブリのトップオブラック型スイッチにコヒーレント受信機を提供する代わりに、コヒーレント受信機を、データをラックアセンブリに提供するスイッチングファブリックから、1つ以上のラックアセンブリ内部でトラフィックを生成するホスト/サーバへ、さらに分配スタックを下って移動させることができる。帯域幅の要件が大きくなり、短い待ち時間の経路がより重要になると、ネットワークのエンドポイント間のステップ数を減少させることで、エンドポイント(例えば、ホスト及び/またはサーバ)に対してより高い帯域幅を提供することができる。
【0094】
例えば、上述したように、トップオブラック型スイッチ550’(例えばスポーク光トランシーバ)は、コヒーレント受信機によって光学的に構成可能である。しかしながら、以下でさらに説明するように、コヒーレント受信機によって実行される動作を、ラックアセンブリの各計算ノードに、さらにプッシュすることができる。
【0095】
特に、トップオブラック型スイッチ550’は、パワースプリッタから、複製されたスペクトルの波長を受信するように、構成することができる。上述したように、ハブ光トランシーバは、データ配信のための総帯域幅を配信するスペクトルの波長(例えば、フルスペクトルの波長)を受信するように構成されており、フルスペクトルの波長は、総パワーを有している。カスケード式パワー分割層は、各々が対応する複製されたスペクトルの波長を出力するように構成された1つ以上のパワースプリッタを含み、各々の複製されたスペクトルの波長は、ハブ光トランシーバによって提供されるフルスペクトルの波長に関連付けられた総パワーの一部である対応するパワーを有する。例えば、パワースプリッタは、スペクトルの波長を複製し、複数の複製されたスペクトルの波長を提供するように構成され得る。
【0096】
図示のように、トップオブラック型スイッチ550’は、ポート0を介して、1×8(1*8)のパワースプリッタとして構成可能な別のパワースプリッタ460Xに出力部を提供することができる。パワースプリッタ460Xは、出力として、対応するチャネル711A、711B、・・・、711Hを介して、セット701の8つのサーバ及び/または計算ノード(例えばサーバ0からサーバ7)のそれぞれに、対応する複製されたスペクトルの波長を提供する。また、トップオブラック型スイッチ550’は、出力を、ポート1を介して、1×8(1*8)のパワースプリッタとして構成可能な別のパワースプリッタ460Yに提供し得る。パワースプリッタ460Yは、出力として、対応するチャネル712A、712B、・・・、712Hを介して、セット702の8つのサーバ(例えばサーバ0からサーバ7)のそれぞれに、対応する複製されたスペクトルの波長を提供する。また、トップオブラック型スイッチ550’は、出力を、ポート2を介して、1×8(1*8)のパワースプリッタとして構成可能な別のパワースプリッタ460Zに提供し得る。パワースプリッタ460Zは、対応するチャネル713A、713B、・・・、713Hを介して、セット703の8つのサーバ(例えば、サーバ0~サーバ7)のそれぞれに、対応する複製されたスペクトルの波長を、出力として提供する。トップオブラック型スイッチ550’のポート3~7は、同様に、対応する複製されたスペクトルの波長の出力を8つのサーバ(図示せず)の付加的なセットに提供するように構成され得る。
【0097】
さらに、各サーバは、対応するコヒーレントトランシーバによって構成され得る。このように、パワースプリッタに結合されたサーバのコヒーレントトランシーバは、複製されたスペクトルの波長を受信するように構成され得る。さらに、コヒーレント受信機は、コヒーレントトランシーバ、及び相応に、対応するサーバのために、帯域幅を設定する、複製されたスペクトルの波長から、対応する帯域の波長を選択するように調整可能である。すなわち、サーバのコヒーレント受信機は、複製されたスペクトルの波長を、対応するサーバのための帯域幅を規定する選択可能な波長の帯域に分割するように構成されている。
【0098】
したがって、本開示は、フルインターネットプロトコル(IP)のマルチステージスイッチングネットワークの利点を提供する光データセンタファブリック(ODCF)及び/またはトポロジについて記載しており、さらに、フレキシブル光学技術を使用して提供されるデータセンタのエッジとリーフノードとの間の高速経路を提供する。
【0099】
本明細書で定義される様々な実施形態は、本明細書で開示される様々な特徴を使用する特定の実装形態に組み合わされてもよい、または組み立てられ得ることを、理解されたい。したがって、提供される例は、可能な例の一部にすぎず、様々な要素を組み合わせることでより多くの実装形態を規定することが可能な様々な実装形態に制限を加えるものではない。ある例では、ある実装形態は、開示されたまたは同等の実装形態の趣旨から逸脱することなく、より少ない要素を含んでもよい。
【0100】
本開示の実施形態は、ハンドヘルドデバイス、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラマブル民生用エレクトロニクス、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む種々のコンピュータシステム構成によって実施してもよい。本開示の実施形態はまた、有線ベースネットワークまたは無線ネットワークを介してリンクされる遠隔処理デバイスによりタスクが行われる分散コンピューティング環境においても、実施することができる。
【0101】
前述の実施形態を念頭において、当然のことながら、本開示の実施形態は、コンピュータシステムに記憶されたデータを伴う種々のコンピュータ実装動作を用いることができる。これらの動作は、物理量の物理的操作を必要とする動作である。本開示の実施形態の一部を形成する、本明細書で説明される動作のうちのいずれも、有用な機械動作である。また本開示の実施形態は、これらの動作を行うためのデバイスまたは装置に関する。装置は必要な目的に対して特別に構成することもできるし、または装置を、コンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に作動または構成される汎用コンピュータとすることもできる。詳細には、本明細書の教示にしたがって書かれたコンピュータプログラムと共に様々な汎用マシンを使用することができる。または、必要な動作を実行するためにさらに特化した装置を構築するほうがより好都合な場合もある。
【0102】
また本開示を、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして具体化することができる。コンピュータ可読媒体は、データを記憶することができる任意のデータ記憶装置とすることができる。データはその後にコンピュータシステムによって読み取ることができる。コンピュータ可読媒体の例は、ハードドライブ、ネットクワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、並びに他の光学及び非光学データストレージデバイスを含む。コンピュータ可読媒体には、コンピュータ可読コードが分散方式で格納され実行されるように、ネットワーク接続されたコンピュータシステムにわたり分散されたコンピュータ可読有形媒体が含まれ得る。
【0103】
方法動作が特定の順序で説明されたが、他のハウスキーピング操作が動作の間に実行されてもよく、または動作が、わずかに異なる時刻に生じるように調整されてもよく、もしくはオーバーレイ動作の処理が所望の手法で実行される限り、処理に関連する様々な間隔で処理動作の発生を可能にするシステム内に分散されてもよいことが理解されるべきである。
【0104】
前述の開示は、理解を明確にするためにある程度詳細に説明されたが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正を実施できることは明らかであろう。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示としてみなされるべきであり、本開示の実施形態は、本明細書に提供される詳細に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内及び均等物内で変更されてもよい。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光通信システムであって、
スペクトルの波長から対応する帯域の波長を選択するよう複数のスポークトランシーバのそれぞれを調整するように構成されたコントローラを有し、前記スペクトルの波長は複数のサブキャリアを含み、前記複数のサブキャリアは、前記スペクトルの波長のうち、それぞれに対応してかつ固有の帯域の波長を含み、
前記複数のスポークトランシーバは、前記スペクトルの波長を受信する第1パワースプリッタに結合され、前記第1パワースプリッタは複数の複製されたスペクトルの波長を生成するように構成され、前記複数のスポークトランシーバのそれぞれは、前記複数の複製されたスペクトルの波長のうちの対応する1つを第1パワーで受信するように構成され、
第1パワースプリットステージに配置された前記第1パワースプリッタは、第2パワースプリットステージに配置された第2パワースプリッタから、前記スペクトルの波長を第2パワーで受信し、前記第2パワーは前記第1パワーよりも大きい、光通信システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記複数の複製されたスペクトルの波長のうちの前記対応する1つから前記対応する帯域の波長を選択するように、前記複数のスポークトランシーバの各々を調整するよう構成される、
請求項1に記載の光通信システム。
【請求項3】
前記複数のスポークトランシーバのそれぞれは、
前記コントローラに結合されたコヒーレント受信機を有し、
前記コヒーレント受信機は、前記コントローラにより、前記複数の複製されたスペクトルの波長のうちの前記対応する1つから前記対応する帯域の波長を選択するように調整可能である、
請求項2に記載の光通信システム。
【請求項4】
スポークトランシーバによって受信された複製されたスペクトルの波長は、前記スペクトルの波長を前記第1パワースプリットステージ及び第2パワースプリットステージ内のパワースプリッタに提供するよう構成されたハブ光トランシーバから受信した、前記スペクトルの波長に対する総パワーの一部であるパワーを有する、
請求項1に記載の光通信システム。
【請求項5】
前記第1パワースプリッタは、前記第2パワースプリッタから受信した前記スペクトルの波長に対する前記第2パワーを、前記複数の複製されたスペクトルの波長内で均等にまたは不均等に分割する、
請求項1に記載の光通信システム。
【請求項6】
光通信システムであって、
スペクトルの波長を総パワーで受信するように構成されたハブ光トランシーバを有し、前記スペクトルの波長は複数のサブキャリアを含み、前記複数のサブキャリアのそれぞれは、前記スペクトルの波長のうち、それぞれに対応してかつ固有の帯域の波長を含み、
前記ハブ光トランシーバに光学的に結合され、前記スペクトルの波長を前記総パワーで受信するように構成されたパワースプリッタを有し、前記パワースプリッタは一つ以上の複製されたスペクトルの波長を低減されたパワーで生成するように構成され、
前記パワースプリッタに結合されて複数のサーバーにサービスするラックアセンブリ内に配備されたスポークトランシーバを有し、前記スポークトランシーバは、複製されたスペクトルの波長を、前記総パワーの一部であるパワーで受信するように構成され、
前記スポークトランシーバに結合された制御システムを有し、前記制御システムは、前記複製されたスペクトルの波長から波長の帯域を選択するように、前記スポークトランシーバを調整するよう構成される、
光通信システム。
【請求項7】
前記スポークトランシーバのネットワークインターフェース内にコヒーレント受信機を有し、
前記コヒーレント受信機は、前記制御システムに結合され、
前記コヒーレント受信機は、前記制御システムにより、前記複製されたスペクトルの波長から前記波長を選択するように調整可能である、
請求項6に記載の光通信システム。
【請求項8】
前記コヒーレント受信機はホットプラグ可能なデバイスである、
請求項7に記載の光通信システム。
【請求項9】
前記スポークトランシーバによって受信された前記複製されたスペクトルの波長は、前記ハブ光トランシーバから受信した、前記スペクトルの波長に対する前記総パワーの前記一部である前記パワーを有する、
請求項6に記載の光通信システム。
【請求項10】
前記スポークトランシーバと前記パワースプリッタとの間に結合されて、前記複製されたスペクトルの波長に対する前記パワーを生成するよう構成された増幅器をさらに有する、
請求項9に記載の光通信システム。
【請求項11】
前記ハブ光トランシーバおよび前記パワースプリッタおよび前記スポークトランシーバの1つ以上は、4つのスモールフォームファクタプラグ(QSFP)可能なデバイスである、
請求項6に記載の光通信システム。
【請求項12】
前記パワースプリッタおよび前記制御システムに結合された複数のスポークトランシーバを有し、前記複数のスポークトランシーバは複数のラックアセンブリ内に配備され、前記複数のラックアセンブリは対応する複数のサーバにサービスし、
前記複数のスポークトランシーバのそれぞれは、前記パワースプリッタで生成された前記一つ以上の複製されたスペクトルの波長から、対応する複製されたスペクトルの波長を受信するように構成され、
前記制御システムは、前記対応する複製されたスペクトルの波長から対応する帯域の波長を選択するように、前記複数のスポークトランシーバの各々を調整するよう構成される、
請求項6に記載の光通信システム。
【請求項13】
光通信システムであって、
スペクトルの波長を総パワーで受信するように構成されたハブ光トランシーバを有し、
前記スペクトルの波長は複数のサブキャリアを含み、前記複数のサブキャリアのそれぞれは、前記スペクトルの波長のうち、それぞれに対応してかつ固有の帯域の波長を含み、
前記ハブ光トランシーバに光学的に結合されて複数の複製されたスペクトルの波長を出力するように構成された複数のパワースプリッタを備えるパワー分割層を有し、
前記パワー分割層に結合された複数のスポークトランシーバを有し、前記複数のスポークトランシーバの各々は、前記複数の複製されたスペクトルの波長の対応する1つを、前記総パワーの一部である対応するパワーで受信するように構成されており、
前記複数のスポークトランシーバに結合された制御システムを有し、前記制御システムは、前記複数の複製されたスペクトルの波長のうちの前記対応する1つから対応する帯域の波長を選択するように、前記複数のスポークトランシーバの各々を調整するよう構成される、
光通信システム。
【請求項14】
前記複数のパワースプリッタの各々は、低減されたパワーで受信されたスペクトルの波長を複製するように構成されている、
請求項13に記載の光通信システム。
【請求項15】
前記パワー分割層は、一つ以上のカスケード層に構成されており、このカスケード層は、
前記ハブ光トランシーバに結合され、前記スペクトルの波長を複製し、複数の第1の複製されたスペクトルの波長を出力するように構成された第1パワースプリッタを有し、
前記第1パワースプリッタに結合され、前記複数の複製された第1スペクトルの波長を複製し、複数の第2の複製されたスペクトルの波長を出力するように構成された第1のパワースプリッタを有する、
請求項13に記載の光通信システム。
【請求項16】
前記複数のスポークトランシーバのそれぞれは、
前記制御システムに結合されたネットワークインターフェース内にコヒーレント受信機を有し、
前記コヒーレント受信機は、前記制御システムにより、前記複数の複製されたスペクトルの波長のうちの前記対応する1つから前記対応する帯域の波長を選択するように調整可能である、
請求項13に記載の光通信システム。
【請求項17】
前記コヒーレント受信機は、ホットプラグ可能なデバイスである、
請求項16に記載の光通信システム。
【請求項18】
前記複数の複製されたスペクトルの波長のそれぞれは、前記ハブ光トランシーバから受信された前記スペクトルの波長に対する前記総パワーの前記一部である対応するパワーを有する、
請求項13に記載の光通信システム。
【請求項19】
さらに、スポークトランシーバと前記パワー分割層のパワースプリッタとの間に結合されて、前記スポークトランシーバにより受信された複製されたスペクトルの波長に対するパワーを生成するよう構成された増幅器をさらに有する、
請求項13に記載の光通信システム。
【請求項20】
前記ハブ光トランシーバおよび前記複数のパワースプリッタおよび前記複数のスポークトランシーバの1つ以上は、4つのスモールフォームファクタプラグ(QSFP)可能なデバイスである、
請求項13に記載の光通信システム。