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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144539
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】カート用の送風機
(51)【国際特許分類】
   A63B 55/60 20150101AFI20241003BHJP
   B60H 1/24 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A63B55/60 B
A63B55/60 F
B60H1/24 621
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024118048
(22)【出願日】2024-07-23
(62)【分割の表示】P 2022046474の分割
【原出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】弁理士法人青海国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 優
(72)【発明者】
【氏名】赤木 裕
(57)【要約】
【課題】搭乗者にとって快適な送風機能を実現する。
【解決手段】カート用の送風機は、複数の翼体が回転方向に配列された回転体と、回転体が収容される収容部を有する本体ケース102と、本体ケース102に設けられ、回転体の回転軸方向に開口する吸気口108と、回転体の径方向外側に設けられ、回転軸方向と直交する方向に開口する送風口166aと、送風口166aが設けられ、回転軸方向に沿った軸中心周りに作動する可動体と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の翼体が回転方向に配列された回転体と、
前記回転体が収容される収容部を有する本体と、
前記本体に設けられ、前記回転体の回転軸方向に開口する吸気口と、
前記回転体の径方向外側に設けられ、前記回転軸方向と直交する方向に開口する送風口と、
前記送風口が設けられ、前記回転軸方向に沿った軸中心周りに作動する可動体と、
を備えるカート用の送風機。
【請求項2】
複数の翼体が回転方向に配列された回転体と、
前記回転体が収容される収容部を有する本体と、
前記本体に設けられ、前記回転体の回転軸方向に開口する吸気口と、
前記吸気口に設けられ、弾力性を有するサイドカバーと、
前記回転体の径方向外側に設けられ、前記回転軸方向と直交する方向に開口する送風口と、
を備えるカート用の送風機。
【請求項3】
複数の翼体が回転方向に配列された回転体と、
前記回転体が収容される収容部を有する本体と、
前記本体に設けられ、前記回転体の回転軸方向に開口する吸気口と、
前記回転体の径方向外側に設けられ、前記回転軸方向と直交する方向に開口する送風口が形成された、弾力性を有する連結カバーと、
を備えるカート用の送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カート用の送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示されるゴルフカートのように、小型の運搬車であるカートが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-271255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゴルフカートのように、屋外で利用されるカートには、暑さ対策の一環として送風機を設けることが考えられる。しかしながら、カートは、設置スペースの制約が大きく、搭乗者にとって快適な送風機能を実現するのが難しいという課題がある。
【0005】
本発明は、搭乗者にとって快適な送風機能を実現するカートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のカート用の送風機は、複数の翼体が回転方向に配列された回転体と、前記回転体が収容される収容部を有する本体と、前記本体に設けられ、前記回転体の回転軸方向に開口する吸気口と、前記回転体の径方向外側に設けられ、前記回転軸方向と直交する方向に開口する送風口と、前記送風口が設けられ、前記回転軸方向に沿った軸中心周りに作動する可動体と、を備える。
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のカート用の送風機は、複数の翼体が回転方向に配列された回転体と、前記回転体が収容される収容部を有する本体と、前記本体に設けられ、前記回転体の回転軸方向に開口する吸気口と、前記吸気口に設けられ、弾力性を有するサイドカバーと、前記回転体の径方向外側に設けられ、前記回転軸方向と直交する方向に開口する送風口と、を備える。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のカート用の送風機は、複数の翼体が回転方向に配列された回転体と、前記回転体が収容される収容部を有する本体と、前記本体に設けられ、前記回転体の回転軸方向に開口する吸気口と、前記回転体の径方向外側に設けられ、前記回転軸方向と直交する方向に開口する送風口が形成された、弾力性を有する連結カバーと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、搭乗者にとって快適な送風機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るカートの側面図である。
図2】本実施形態に係るカートの斜視図である。
図3】本実施形態に係る送風機の斜視図である。
図4】本実施形態に係る送風機の背面図である。
図5】(a)は、送風機の上面図であり、(b)は、(a)のVb線断面図である。
図6】本実施形態に係る本体ユニットの斜視図である。
図7】(a)は、本体ユニットの上面図である。(b)は、(a)のVIIb断面図である。
図8】一部の部品を取り外した状態の本体ユニットの斜視図である。
図9】角度調整機構を説明する図である。
図10】(a)は、送風機の第1の状態を示す斜視図であり、(b)は、送風機の第2の状態を示す斜視図である。
図11】(a)は、送風機の第1の状態を示す側面図であり、(b)は、送風機の第2の状態を示す側面図である。
図12】台座ユニットの斜視図である。
図13】台座ユニットへの送風機の取り付け方法を説明する図である。
図14】プレート本体の上面側の斜視図である。
図15】カバー部材を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施例について詳細に説明する。かかる実施例に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0012】
図1は、本実施形態に係るカート1の側面図であり、図2は、本実施形態に係るカート1の斜視図である。本実施形態に係るカート1は、不図示のエンジンあるいはモータ等からなる動力源を備える自走式の4輪走行車両である。以下の各図においては、カート1の走行方向のうち、前進方向を符号Fで示し、後進方向を符号Bで示す。また、カート1の前進方向を向いて左方向を符号Lで示し、右方向を符号Rで示す。
【0013】
カート1の前方には、透過性を有する樹脂パネル3が設けられる。また、カート1の左前方には、ステアリング5が設けられる。運転者は、ステアリング5を操舵することで、カート1の進行方向を変更することができる。
【0014】
ステアリング5の後方には、カート1の幅方向に延在するフロントシート7およびリアシート9が設けられる。フロントシート7およびリアシート9は、カート1の前後方向に離隔して配置されている。フロントシート7およびリアシート9には、それぞれ2人の搭乗者がカート1の幅方向に並んで着席することができる。したがって、カート1には、最大で4人が乗車することができる。
【0015】
また、カート1は、天井面11を備える。天井面11は、樹脂パネル3の上方から、カート1の後進方向に、リアシート9の後方まで延在する。また、天井面11の幅は、フロントシート7およびリアシート9の幅よりも僅かに大きい。天井面11は、フロントシート7およびリアシート9の上方に位置しており、天井面11の下方に、搭乗者が着席する乗車スペースが確保されている。
【0016】
そして、カート1の天井面11には、4つの送風機100が設けられている。4つの送風機100は、それぞれフロントシート7およびリアシート9に着席する搭乗者に向けて空気を送風する。4つの送風機100のうちの2つは、フロントシート7の直上よりも前進方向にずれた位置において、カート1の幅方向に互いに離隔して配置されている。ここでは、1つの送風機100が、ステアリング5の直上に位置している。
【0017】
また、残りの2つの送風機100は、リアシート9の直上よりも前進方向にずれた位置において、カート1の幅方向に互いに離隔して配置されている。ここでは、2つの送風機100が、フロントシート7とリアシート9との間に位置している。
【0018】
天井面11には、カート1の前後方向あるいは幅方向に延在する複数のフレームが設けられている。天井面11のフレームには、4つの台座ユニット200が設けられており、それぞれの台座ユニット200に送風機100が着脱自在に設けられる。つまり、送風機100は、台座ユニット200を介して天井面11に取り付けられている。以下に、送風機100および台座ユニット200の構成について詳述する。
【0019】
図3は、本実施形態に係る送風機100の斜視図である。送風機100がカート1に取り付けられた状態では、送風機100の正面がカート1の後進方向に臨み、送風機100の背面がカート1の前進方向に臨む。したがって、送風機100の正面側から見て左側が、カート1の左方向と一致し、送風機100の正面側から見て右側が、カート1の右方向と一致する。以下の図では、送風機100の正面側が図中B方向と示され、送風機100の背面側が図中F方向と示される。
【0020】
送風機100は、本体ケース102を備える。本体ケース102(本体)は、上面102a、正面102b、背面102c、下面102dを備える。上面102aは、送風機100の幅方向および前後方向に延在する。なお、送風機100の幅方向は図中LR方向であり、カート1に取り付けられた状態では、カート1の幅方向と一致する。また、送風機100の前後方向は図中FB方向であり、カート1に取り付けられた状態では、カート1の前後方向と一致する。以下では、送風機100の幅方向を単に幅方向と称し、送風機100の前後方向を単に前後方向と称する。また、幅方向および前後方向の双方に直交する方向を高さ方向と称する。
【0021】
上面102aは、前後方向よりも幅方向に長く延在する略平面形状である。正面102bは、上面102aの前縁側に連続し、上面102aから下方に向けて延在する。背面102cは、上面102aの後縁側に連続し、上面102aから下方に向けて延在する。したがって、背面102cおよび正面102bは、互いに前後方向に離隔して対向する。
【0022】
背面102cは、正面102bよりも下方に長く延在する。下面102dは、正面102bの下端から、背面102cの下端まで連続する。下面102dには、下面開口104が形成されている。下面開口104は、下面102dを貫通する開口であり、下面102dのほぼ全面に亘って形成されている。したがって、下面102dは、幅方向の両端近傍にのみ形成されている。なお、本体ケース102は、前後方向に分割された2つの部材を組み付けて構成される。
【0023】
本体ケース102は、上面102a、正面102b、背面102cおよび下面102dによって四辺が囲繞され、後述する本体ユニット130を収容する収容部106が内部に形成される。また、本体ケース102は、幅方向の両側それぞれに吸気口108を備える。吸気口108は、本体ケース102の幅方向に形成される開口であり、収容部106の開口とも言える。
【0024】
吸気口108には、サイドカバー110が設けられている。サイドカバー110は、複数のフィン110aを有する。フィン110aは、互いに離隔して形成されており、フィン110aの間に隙間が形成されている。サイドカバー110に形成される隙間により、吸気口108を介して、本体ケース102内に空気が取り込まれる。フィン110aにより、吸気口108への粉塵や雨水の侵入が抑制される。
【0025】
なお、フィン110aは、サイドカバー110の幅方向の端面に対して、本体ケース102の内側にオフセットされている。フィン110aがオフセットされることで、本体ケース102内への雨水の侵入がより一層抑制される。また、サイドカバー110の材質は特に限定されないが、サイドカバー110は、シリコン等、弾力性を有する材質、あるいは、軟質の部材で構成することが好ましい。
【0026】
カート1の搭乗者は、カート1の幅方向からフロントシート7、リアシート9に乗り込む。送風機100がカート1に取り付けられた状態では、サイドカバー110が、送風機100の中で最もカート1の幅方向外側に位置する。そのため、カート1に乗り込む搭乗者の頭がサイドカバー110に衝突するおそれがある。サイドカバー110をシリコン製とすることで、搭乗者の安全性が向上する。
【0027】
また、本体ケース102の上面102aには、着脱フレーム112が固定されている。着脱フレーム112は、ボルトあるいはネジからなる固定部材114により、本体ケース102に固定される。着脱フレーム112は、前後方向に延在する4つの前後フレーム112aと、4つの前後フレーム112aの端部を接続し、幅方向に延在する横フレーム112b、112cを含む。
【0028】
前後フレーム112aは、本体ケース102よりも前後方向に長く延在する。横フレーム112b、112cは、本体ケース102の幅方向の長さよりも短い。横フレーム112bは、本体ケース102の背面102cよりも前進方向に突出して位置し、横フレーム112cは、本体ケース102の正面102bよりも後進方向に突出して位置する。詳しくは後述するが、台座ユニット200に着脱フレーム112が嵌合されることで、送風機100が台座ユニット200に取り付けられる。
【0029】
図4は、本実施形態に係る送風機100の背面図である。本体ケース102の背面102cには、バッテリ120が設けられる。バッテリ120は、本体ケース102に対して着脱可能である。図4(a)には、バッテリ120が取り付けられた状態の本体ケース102を示し、図4(b)には、バッテリ120が取り外された状態の本体ケース102を示し、図4(c)には、本体ケース102から取り外されたバッテリ120を示す。
【0030】
バッテリ120は、幅方向にスライドさせることで、本体ケース102の背面102cに対して着脱することができる。これにより、本体ケース102からバッテリ120を取り外して充電することが可能となり、送風機100全体をカート1から取り外して充電する場合に比べて、充電に要する作業を簡素化することができる。バッテリ120に蓄電された電力により、送風機100が駆動される。
【0031】
図5(a)は、送風機100の上面図であり、図5(b)は、図5(a)のVb線断面図である。また、図6は、本実施形態に係る本体ユニット130の斜視図であり、図3から本体ケース102を取り外した状態を示す。図5(b)に示すように、本体ケース102の収容部106には、本体ユニット130が収容される。本体ユニット130は、駆動ユニット140および可動ユニット160を含む。
【0032】
図5(b)および図6に示すように、駆動ユニット140は、駆動ユニットケース142を備える。駆動ユニットケース142は、略矩形状の箱体であり、本体ケース102の幅方向中央に固定される。駆動ユニットケース142は、内部に一対のモータ144を収容する。一対のモータ144は、幅方向に互いに対称に配置される。モータ144のモータ軸144aは、駆動ユニットケース142から幅方向外側に向けて突出する。
【0033】
また、図6に示すように、駆動ユニット140は、スイッチボタン146を備える。スイッチボタン146は、駆動ユニットケース142の外側に設けられ、送風機100の正面側に臨む。スイッチボタン146の下方には、搭乗者を検知するセンサ148が設けられる。センサ148は、送風機100の正面側であって、水平方向よりも下方に臨む。図示は省略するが、本体ケース102には、スイッチボタン146およびセンサ148に対応する位置に開口が設けられる。
【0034】
したがって、本体ケース102内に本体ユニット130が収容された状態で、スイッチボタン146およびセンサ148が、本体ケース102の外部に露出する。これにより、本体ケース102の外部からスイッチボタン146の操作が可能となる。また、センサ148による搭乗者の検知が可能となる。
【0035】
なお、センサ148は、検知範囲における搭乗者の存在有無を検知可能であればよく、その構成は特に限定されない。センサ148は、例えば、赤外線センサ、超音波センサ、可視光センサにより構成することができる。
【0036】
駆動ユニット140は、不図示の制御装置を備える。制御装置は、CPU、RAM、ROMを含む電子回路を有し、モータ144、スイッチボタン146、センサ148に接続される。制御装置は、スイッチボタン146の操作により起動し、センサ148から入力される信号に基づいて、バッテリ120からの電力供給を受けてモータ144(後述する回転体162)を駆動(制御)する。制御装置は、スイッチボタン146の操作により、モータ144に通電する電流値を変化させ、送風機100の運転状態の強弱を切り替えてもよい。
【0037】
なお、本体ケース102のうち、センサ148を露出させる開口には、絞り部材150が設けられる。絞り部材150は、センサ148の検知範囲を規定する部材であり、本体ケース102に着脱自在に設けられる。送風機100が取り付けられるカート1のサイズや、送風機100の取り付け位置によって、センサ148から搭乗者までの距離、および、搭乗者の最適な検知範囲が異なる。絞り部材150を着脱自在とすることで、カート1のサイズや送風機100の取り付け位置に応じた絞り部材150の取り付けが可能となり、センサ148の最適な検知範囲を容易に設定することができる。
【0038】
可動ユニット160は、一対の回転体162と、一対のスクロールケース164と、一対のスクロールケース164を連結する連結カバー166とを備える。回転体162は、円筒状の部材であり、幅方向に延在する複数の翼体162aが、回転方向に隙間を維持して配列されている。
【0039】
図5(b)に示すように、回転体162の幅方向の中央には仕切板162bが設けられている。仕切板162bは、円形の薄板形状であり、中心にモータ軸144aの先端側が固定されている。したがって、回転体162は、モータ軸144aによって、本体ケース102内、すなわち、収容部106内に回転自在に支持される。また、仕切板162bは、吸気口108とモータ144との間に位置する。これにより、吸気口108から回転体162内に侵入した雨水がモータ144に到達するおそれが低減される。
【0040】
回転体162の軸方向には、本体ケース102の吸気口108が位置する。換言すれば、吸気口108は、回転体162の回転軸方向に開口する。モータ144の駆動により回転体162が回転すると、吸気口108から回転体162内に空気が吸気される。回転体162内に吸気された空気は、翼体162aの間を通過し、回転体162の径方向外側に送出される。
【0041】
回転体162は、スクロールケース164に収容される。スクロールケース164の内周面と回転体162との間に形成される隙間により、スクロール流路164aが構成される。回転体162の径方向外側に送出された空気は、スクロールケース164に設けられるスクロール流路164aにおいて加圧、増速される。
【0042】
図6に示すように、一対のスクロールケース164は、連結カバー166によって連結される。連結カバー166は、幅方向に延在し、一対のスクロールケース164を繋ぐ。連結カバー166には、送風口166aが形成されている。送風口166aは、回転体162の径方向外側に設けられ、回転軸方向と直交する方向に開口する。スクロール流路164aにおいて加圧、増速された空気は、送風口166aから送出される。なお、連結カバー166の幅方向中央には、センサ148を避けるように凹みが形成されている。連結カバー166の凹みにより、センサ148の検知範囲の阻害が抑制される。
【0043】
図7(a)は、本体ユニット130の上面図であり、図7(b)は、図7(a)のVIIb断面図である。また、図8は、一部の部品を取り外した状態の本体ユニット130の斜視図である。図8では、連結カバー166、および、本体ユニット130の正面視で右側のスクロールケース164を取り外した状態を示す。図7(b)に示すように、スクロールケース164内に、回転体162が回転自在に収容される。また、スクロールケース164内には、回転体162の径方向外側に位置するスクロール流路164aが形成される。
【0044】
スクロール流路164aは、回転体162の回転方向の全周に亘って巻き回されている。図7(b)において、回転体162は、時計回り方向に回転する。スクロール流路164aは、回転体162の回転方向前方側に向かうにしたがって、径方向の幅、すなわち、流路幅が漸増する。スクロールケース164には、スクロール流路164aの出口端となる出口開口164bが形成されている。出口開口164bを塞ぐように、連結カバー166がスクロールケース164に取り付けられる。
【0045】
上記の構成により、回転体162が回転すると、回転体162内に、吸気口108から回転軸方向に空気が吸気される。そして、回転体162の回転により、翼体162aの隙間を介して、回転体162の内部から径方向外側に空気が送出される。回転体162から径方向に送出された空気は、スクロール流路164aを流通する過程で加圧、増速され、出口開口164bおよび送風口166aから外部に送出される。
【0046】
ここで、可動ユニット160のうち、スクロールケース164および連結カバー166は、可動体170として機能する。可動体170は、回転体162の回転軸方向に沿った軸中心周りに作動する。つまり、可動体170は、本体ケース102に回転可能に支持される。ここでは、可動体170の回転軸中心は、回転体162の回転軸と一致している。ただし、可動体170の回転軸中心は、回転体162の回転軸とずれてもよい。
【0047】
そして、本体ケース102および可動体170には、後述する角度調整機構180が設けられる。角度調整機構180により、可動体170すなわち送風口166aの角度が調整可能となる。
【0048】
図9は、角度調整機構180を説明する図である。角度調整機構180は、調整溝182およびストッパ部材184を含む。調整溝182は、図6および図7(a)に示すように、一対のスクロールケース164のそれぞれに設けられる。調整溝182は、一対のスクロールケース164のそれぞれにおいて、幅方向の外側、すなわち、駆動ユニット140が設けられる側とは反対側の端部に設けられる。
【0049】
調整溝182は、回転体162の径方向に窪む溝であり、回転体162の回転方向に複数離隔して設けられている。ここでは、回転体162および可動体170の回転軸周りに、略90度の範囲に亘って、複数の調整溝182が等間隔で設けられている。また、本体ケース102には、調整溝182に対して、回転体162の径方向に対向する位置に、ストッパ部材184が設けられている。より厳密には、ストッパ部材184は、その先端が、調整溝182に対して回転体162の径方向外側から対向するように設けられている。
【0050】
本体ケース102には、バネ等からなる不図示の弾性部材が設けられ、この弾性部材の付勢力がストッパ部材184に作用している。具体的には、弾性部材は、ストッパ部材184に対して、ストッパ部材184の先端が調整溝182に近接する方向の付勢力を作用させている。したがって、ストッパ部材184の先端は、弾性部材の付勢力により、調整溝182に進入する。ストッパ部材184の先端が調整溝182に進入することで、可動体170の回転方向の移動が抑止される。
【0051】
調整溝182は、径方向外側に向かうにつれて、回転体162の周方向すなわち可動体170の回転方向の幅が大きくなる。したがって、ストッパ部材184の先端が調整溝182に進入した状態で、可動体170を回転方向に回転させると、ストッパ部材184が、調整溝182の底面により押し出される。
【0052】
例えば、図9に示す状態では、ストッパ部材184の先端が、最下方に位置する調整溝182に進入している。この状態で、可動体170を時計回り方向に回転させたとする。この場合、ストッパ部材184は、調整溝182の底面により、弾性部材の付勢力に抗して、図中右方向に押し出される。これにより、ストッパ部材184の先端は、最下方に位置する調整溝182と、下から2番目に位置する調整溝182との間の壁面に接触する。
【0053】
この状態で、さらに可動体170が時計回り方向に回転すると、ストッパ部材184の先端が、下から2番目に位置する調整溝182に進入する。このように、可動体170を回転させることで、送風口166aの向き、角度を変更することができる。なお、可動体170の自重では、ストッパ部材184が調整溝182から押し出されないように、弾性部材の付勢力が設定されている。
【0054】
図10(a)は、送風機100の第1の状態を示す斜視図であり、図10(b)は、送風機100の第2の状態を示す斜視図である。また、図11(a)は、送風機100の第1の状態を示す側面図であり、図11(b)は、送風機100の第2の状態を示す側面図である。送風機100の第1の状態は、図10(a)および図11(a)に示すように、送風口166aが略水平方向に臨む状態である。
【0055】
送風機100の第1の状態では、送風口166aの臨む方向が、最も水平方向に近付く。これに対して、送風機100の第2の状態は、図10(b)および図11(b)に示すように、送風口166aが鉛直下方に臨む状態である。送風機100の第2の状態では、送風口166aの臨む方向が、最も鉛直方向に近付く。ここでは、送風機100の第2の状態では、送風口166aが水平となっている。可動体170は、第1の状態と第2の状態との間で回転可能である。これにより、搭乗者の身体的特徴や好みに合わせて、最適な位置に空気を送風することが可能となる。
【0056】
ここで、可動体170が本体ケース102に支持された状態では、図10に示すように、本体ケース102の下面開口104から、スクロールケース164の一部が外部に露出する。また、連結カバー166は、本体ケース102の正面102bおよび下面102dよりも、回転体162および可動体170の回転軸方向に直交する方向に突出する。換言すれば、可動体170の送風口166aは、本体ケース102の表面よりも、回転軸方向と直交する方向に突出して位置する。これにより、搭乗者は、連結カバー166を把持して、可動体170の角度を調整することができる。
【0057】
なお、例えば、可動体170から突出するつまみを設け、つまみを操作して可動体170の角度を調整することが考えられる。しかしながら、つまみが設けられる場合、搭乗者がつまみに気付きにくく、搭乗者の乗降の際に、頭部をつまみに衝突させて怪我を負うおそれがある。また、この際、つまみが破損する可能性がある。
【0058】
ここでは、連結カバー166の全体が本体ケース102の表面よりも突出しているため、搭乗者が連結カバー166の位置を把握しやすく、頭部を衝突させるおそれが低減される。なお、連結カバー166の材質は特に限定されないが、安全性を向上させる観点から、連結カバー166は、シリコン等、弾力性を有する軟質材で構成することが望ましい。
【0059】
上記したように、可動体170すなわち送風口166aの向きは、ストッパ部材184によって、第1の状態と第2の状態との間の所望の角度に維持される。なお、ここでは、角度調整機構180が、可動体170の幅方向の両端に1つずつ設けられることとした。ただし、角度調整機構180は、可動体170の幅方向の一方にのみ設けられてもよい。あるいは、送風機100の幅方向の中央近傍に、1つの角度調整機構180が設けられてもよい。
【0060】
以上のように、本実施形態の送風機100は、シロッコファンである。そして、送風機100によれば、吸気口108と送風口166aとが互いに略直交する方向に臨む。例えば、カート1の前進方向から吸気し、カート1の後進方向に送風する送風機では、一方向のサイズが大きくなり、設置スペースの制約が大きいカート1への設置が困難となる。本実施形態によれば、一方向のサイズを小さくすることができるため、設置スペースの制約が大きいカート1においても、搭乗者にとって快適な送風機能を実現することができる。
【0061】
図12は、台座ユニット200の斜視図である。図13は、台座ユニット200への送風機100の取り付け方法を説明する図である。図12に示すように、台座ユニット200は、プレート本体202および取付フレーム204を備える。プレート本体202は、薄板の略四角形状の部材である。プレート本体202の一端面に、取付フレーム204がネジ止めにより固定されている。取付フレーム204は、プレート本体202の幅方向に沿って延在する。また、取付フレーム204には、鉛直方向に貫通する2つの取付孔204aが、幅方向に互いに離隔して設けられている。
【0062】
取付フレーム204は、カート1の天井面11に設けられるフレーム上に載置される(図2参照)。そして、天井面11に設けられるフレームの貫通孔と、取付フレーム204の取付孔204aとが鉛直方向に対向した状態で、貫通孔および取付孔204aの両者を貫通するようにネジが螺合される。これにより、プレート本体202のうち、カート1の後進方向の端部がカート1に固定される。なお、プレート本体202は、カート1の前進方向の端部も、不図示のフレームを介して天井面11に固定される。
【0063】
上記のようにして天井面11に台座ユニット200が固定された状態では、プレート本体202の下面202aが鉛直下方に臨む。下面202aには、係止部206が設けられる。係止部206は、台座ユニット200がカート1に取り付けられた状態で、カート1の前進方向の端部近傍に位置する。係止部206は、送風機100の着脱フレーム112を係止する。具体的には、図3に示すように、送風機100の背面102cの後方には、着脱フレーム112の横フレーム112bが設けられる。送風機100が台座ユニット200に取り付けられた状態では、図13に示すように、横フレーム112bが係止部206に係止される。係止部206は、幅方向に延在し、横フレーム112bを鉛直下方から支持する。
【0064】
また、図12に示すように、プレート本体202には、着脱機構210が設けられる。着脱機構210は、台座ユニット200がカート1に取り付けられた状態で、カート1の後進方向の端部近傍に位置する。着脱機構210は、後述するロック部材220および錠ユニット230を含む。
【0065】
図14は、プレート本体202の上面202b側の斜視図である。プレート本体202の上面202bは、下面202aと反対側の面であり、台座ユニット200がカート1に固定された状態では、鉛直上方に臨み、カート1の天井面11に対向する。図12には示されていないが、ロック部材220は、プレート本体202の下面202a側において、幅方向にスライド可能に保持される。プレート本体202には、上面202bから下面202aまで貫通する貫通孔が形成されており、ロック部材220は、貫通孔の一部を下面202a側から覆う。そして、ロック部材220は、上面202b側に突出するロック片220aを備える。
【0066】
なお、ロック部材220には、不図示のバネの付勢力が幅方向に作用している。具体的には、ロック部材220には、常時、幅方向左側に向けたバネの付勢力が作用している。ロック部材220は、送風機100が台座ユニット200に取り付けられた状態においても、下面202a側からアクセス可能な位置に設けられている。下面202a側から、バネの付勢力に抗して、幅方向右側に向けてロック部材220をスライドさせると、ロック片220aが貫通孔内を幅方向右側に移動する。
【0067】
錠ユニット230は、作動プレート232を備える。作動プレート232は、上面202b側に設けられ、上面202bに対して面接触している。また、作動プレート232は、後進方向側に延在する一対の延在部232aを備える。一対の延在部232aは、幅方向に互いに離隔して設けられる。また、一対の延在部232aのそれぞれには、後進方向の端面から起立する押圧部232bが設けられる。
【0068】
プレート本体202には、鉛直方向に貫通する一対の挿通孔202cが形成されている。押圧部232bは、延在部232aの端面から下面202a側に屈曲し、挿通孔202cに挿通されている。押圧部232bは、図12に示すように、挿通孔202cから下面202a側に突出する。なお、図14に示すように、挿通孔202cにおける前後方向の幅は、押圧部232bの前後方向の厚みよりも大きい。したがって、押圧部232bの厚みと、挿通孔202cの前後方向の幅との差分だけ、作動プレート232が前後方向に移動可能となる。これにより、プレート本体202の下面202a側から、押圧部232bを前進方向に押圧することで、作動プレート232を前進方向にスライドさせることができる。
【0069】
なお、作動プレート232には、鉛直方向に貫通するスライド孔232cが形成されている。スライド孔232cは、L字形状であり、前後方向に延在するとともに、前進方向側の端部が、幅方向の左側に向けて90度屈曲している。そして、スライド孔232cには、ロック部材220のロック片220aが挿通されている。ロック部材220が不図示のバネの付勢力により幅方向左側に位置した状態では、スライド孔232cの縁部232dが、ロック片220aに後進方向に対向する。この状態では、ロック片220aにより、作動プレート232の前進方向への移動が制限される。
【0070】
これに対して、ロック部材220がバネの付勢力に抗して幅方向の右側にスライドしたとする。この状態では、ロック片220aの後進方向側に、スライド孔232cが延在するため、作動プレート232が前進方向に移動可能となる。
【0071】
また、一対の挿通孔202cの間には、作動孔202dが形成されている。作動孔202dは、一対の挿通孔202cに連続する。したがって、作動孔202dと、一対の挿通孔202cとは、1つの貫通孔を構成する。ただし、作動孔202dは、一対の挿通孔202cよりも、前後方向に長く形成されている。
【0072】
錠ユニット230は、作動孔202d内に位置する回動部材234を備える。回動部材234は、プレート本体202に回動可能に支持されている。回動部材234の回動中心軸は、幅方向に一致している。回動部材234は、作動孔202d内で回動する。また、回動部材234には、鉛直上方に突出する伝達片234aが設けられる。伝達片234aは、回動部材234の回動中心軸よりも前進方向側および鉛直上方にずれた位置に設けられている。伝達片234aには、ワイヤ236の一端が接続されている。ワイヤ236は、前後方向に延在し、伝達片234aに接続される一端とは反対側の他端が、作動プレート232に固定されている。
【0073】
ワイヤ236は、可撓性を有しており、一端と他端とが近接する方向に外力が作用すると撓む。したがって、例えば、回動部材234に対して、鉛直下方から上方に向けて外力が作用すると、ワイヤ236を撓ませながら、伝達片234aが前進方向側に向かって回動する。一方、ワイヤ236は、長さが規定されており、引張応力が作用しても、図14に示す状態よりも伸張することはない。したがって、作動プレート232が前進方向に移動すると、ワイヤ236によって伝達片234aが前進方向側に向かって回動する。
【0074】
このように、回動部材234は、作動プレート232が前進方向側に移動すると、ワイヤ236によって伝達片234aが引っ張られて回動する。また、回動部材234に対して鉛直下方から上方に向かう方向に外力を作用させた場合には、ワイヤ236が撓むことで、回動部材234の回動が許容される。
【0075】
なお、錠ユニット230には、コイルバネ238が設けられている。コイルバネ238は、一端が作動プレート232に接続され、他端がプレート本体202に接続されている。コイルバネ238は、作動プレート232に対して、後進方向側に付勢力を作用させる。したがって、作動プレート232は、通常、図14に示す位置に静止しており、押圧部232bが押圧されると、コイルバネ238の付勢力に抗して、作動プレート232が前進方向に移動することとなる。
【0076】
そして、回動部材234には、図13に示すように、プレート本体202の下面202a側に突出する鉤部234bが設けられる。また、プレート本体202の下面202aには、突出壁202eが設けられている。突出壁202eは、鉤部234bに対して、僅かな隙間を維持して前進方向に対向する。なお、突出壁202eは、鉤部234bよりも、幅方向に長く延在している。
【0077】
次に、図13を用いて、台座ユニット200に対する送風機100の取り付け方法を説明する。送風機100を台座ユニット200に取り付ける際には、図13(c)に示すように、プレート本体202の直下に送風機100を位置させ、横フレーム112bが横フレーム112cよりも鉛直上方に位置するように傾ける。そして、図13(b)に示すように、送風機100の横フレーム112bを、台座ユニット200の係止部206に係止させる。
【0078】
この状態で、横フレーム112bを支点として、送風機100の正面側を鉛直上方に持ち上げると、送風機100の横フレーム112cが鉤部234bに鉛直下方から接触する。横フレーム112cが鉤部234bに接触した状態で、送風機100の正面側をさらに上方に押し上げると、横フレーム112cによって、鉤部234bが上方に押し上げられる。このとき、回動部材234の回動中心軸は、鉤部234bよりも前進方向側にずれて位置している。したがって、鉤部234bに対して、鉛直下方から上方に向けて外力が作用すると、上記したように、ワイヤ236を撓ませながら、図13中、時計回り方向に鉤部234bおよび回動部材234が回動する。
【0079】
そして、横フレーム112cが鉤部234bよりも鉛直上方に進入すると、不図示のバネの付勢力により、鉤部234bが図13(a)に示す位置に復帰する。これにより、送風機100が台座ユニット200に保持される。
【0080】
また、台座ユニット200から送風機100を取り外す場合には、まず、ロック部材220すなわちロック片220aを幅方向右側にスライドさせる(図14参照)。この状態で、押圧部232bを前進方向に押圧すると、作動プレート232が前進方向に移動する。作動プレート232が前進方向に移動すると、ワイヤ236によって伝達片234aが前進方向に引っ張られ、鉤部234bが図13中時計回り方向に回動する。
【0081】
これにより、鉤部234bが、横フレーム112cの下方から退避し、図13(a)に示す状態から、図13(b)に示す状態まで、送風機100の姿勢を変化させることができる。そして、送風機100を後進方向に移動させると、横フレーム112bが係止部206から脱落し、送風機100の取り外しが完了する。このように、本実施形態によれば、台座ユニット200に対して、送風機100を容易に着脱することができる。
【0082】
図15は、カバー部材250を説明する図である。台座ユニット200は、着脱機構210を被覆するカバー部材250を備える。カバー部材250は、プレート本体202の上面202bにネジ止めにより固定される。カバー部材250により、ロック部材220および錠ユニット230が被覆される。これにより、例えば、台座ユニット200に対して送風機100を着脱する際に、ロック部材220や錠ユニット230の可動部における指の挟み込み等が抑制される。
【0083】
また、カバー部材250には、取付フレーム204をカート1のフレームに固定するネジを被覆する被覆部250aが設けられる。カート1が走行中に振動すると、ネジに緩みが生じるおそれがある。被覆部250aが設けられることで、ネジの抜け落ちが抑制され、台座ユニット200がカート1から脱落するおそれが軽減される。
【0084】
さらに、カバー部材250には、後進方向に開口する差込孔250bが形成されている。差込孔250bは、回動部材234に後進方向に対向する位置に設けられ、カバー部材250の内外を貫通する。回動部材234に接続されるワイヤ236は、経年劣化等により切断されるおそれがある。仮に、台座ユニット200に送風機100が取り付けられた状態で、ワイヤ236が切断されると、押圧部232bを押圧して作動プレート232をスライドさせたとしても、回動部材234を回動させることができなくなる。
【0085】
この場合、カバー部材250をプレート本体202から取り外して回動部材234を回動させなければ、台座ユニット200から送風機100を取り外すことができなくなってしまう。しかしながら、カート1の天井面11とプレート本体202の上面202bとの間の隙間が小さいと、カバー部材250を取り外す作業が困難となる。
【0086】
本実施形態によれば、差込孔250bから棒等を挿入し、回動部材234の伝達片234aを前進方向に押し込むことで、回動部材234を回動させることができる。これにより、仮にワイヤ236が切断された場合であっても、送風機100を台座ユニット200から容易に取り外すことができる。
【0087】
なお、図12に示すように、プレート本体202の下面202aには、ゴム等からなる緩衝材202fが複数設けられている。緩衝材202fは、例えば、台座ユニット200に取り付けられた送風機100のバッテリ120や着脱フレーム112に設けられるネジと対向する位置に設けられる。緩衝材202fが設けられることで、ネジの抜け止めが防止されるとともに、カート1から送風機100に伝達する振動が吸収され、送風機100の損傷が抑制される。
【0088】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明はかかる実施例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0089】
上記実施形態では、一例として、カート1がゴルフカートである場合について説明したが、カート1の用途はこれに限定されるものではない。また、台座ユニット200の構成、送風機100の取り付け位置、取り付けた際の向き等は一例に過ぎない。例えば、上記実施形態では、吸気口108がカート1の幅方向に臨み、送風口166aがカート1の後進方向に臨むように配置されることとした。ただし、送風機100は、吸気口108がカート1の前後方向に臨み、送風口166aがカート1の幅方向に臨むように配置されてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、送風機100がシロッコファンである場合について説明したが、送風機100の構成はこれに限定されるものではない。いずれにしても、複数の翼体が回転方向に配列された回転体と、回転体が収容される収容部を有する本体と、本体に設けられ、回転体の回転軸方向に開口する吸気口と、回転体の径方向外側に設けられ、回転軸方向と直交する方向に開口する送風口と、を備えればよく、具体的な構成は上記実施形態に限定されない。
【0091】
また、上記実施形態では、搭乗者を検知するセンサ148が設けられることとしたが、センサ148は必須の構成ではない。ただし、センサ148によって搭乗者が検知された場合に自動で送風機100を駆動させ、搭乗者が検知されなくなった状態では送風機100の駆動を停止させることで、無駄な電力消費を抑制することができる。
【0092】
また、上記実施形態では、送風機100にバッテリ120が設けられることとした。ただし、バッテリ120は必須ではない。例えば、カート1に設けられる電力源から、送風機100に電力供給がなされてもよい。
【0093】
また、上記実施形態において、送風機100がカート1に取り付けられた状態では、カート1の側面視で、吸気口108がカート1の天井面11と対向しないことが望ましい。あるいは、送風機100がカート1に取り付けられた状態では、カート1の側面視で、回転体162あるいはモータ144のモータ軸144aがカート1の天井面11と対向しないことが望ましい。このようにすることで、吸気量が確保され、送風機能の低下が抑制される。
【符号の説明】
【0094】
1 カート
100 送風機
102 本体ケース(本体)
106 収容部
108 吸気口
110 サイドカバー
148 センサ
162 回転体
162a 翼体
166 連結カバー
166a 送風口
170 可動体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15