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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014455
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】樹脂封止装置及び樹脂封止方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/56 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
H01L21/56 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117293
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000144821
【氏名又は名称】アピックヤマダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】田上 秀作
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 誠
【テーマコード(参考)】
5F061
【Fターム(参考)】
5F061AA01
5F061BA03
5F061CA22
5F061DA01
5F061DA11
(57)【要約】
【課題】ワークの位置ずれを抑制し成形品の信頼性を向上させることができる、樹脂封止装置及び樹脂封止方法を提供する。
【解決手段】樹脂封止装置1は、ワークWの電子部品Pを樹脂封止する樹脂封止装置であって、ワークWに対して樹脂Rを圧縮成形して、電子部品Pを樹脂封止する樹脂封止金型21を備え、樹脂封止金型21は、第1金型と、第1金型23と対をなす第2金型22とを有し、第1金型23は、キャビティ凹部25と、第2金型22に対向する側におけるキャビティ凹部25の外周面に設けられたワークガイド部28とを有し、ワークガイド部28は、樹脂封止金型21が型開きされた状態で、第1金型23の平面視においてワークWの外側からワークWを位置決めする。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材及び電子部品を含むワークの前記電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置であって、
前記ワークに対して樹脂を圧縮成形して、前記電子部品を樹脂封止する樹脂封止金型を備え、
前記樹脂封止金型は、第1金型と、前記第1金型と対をなす第2金型とを有し、
前記第1金型は、キャビティ凹部と、前記第2金型に対向する側における前記キャビティ凹部の外周面に設けられたワークガイド部とを有し、
前記ワークガイド部は、前記樹脂封止金型が型開きされた状態で、前記第1金型の平面視において前記ワークの外側から前記ワークを位置決めする、樹脂封止装置。
【請求項2】
前記ワークガイド部は、前記キャビティ凹部及び前記ワークガイド部を覆うように前記第1金型に設けられたフィルムを介して前記ワークを位置決めする、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項3】
前記ワークには、位置決め用の貫通孔が設けられ、
前記第2金型は、前記貫通孔に挿入されるワーク挿入部を有し、
前記樹脂封止金型が型締めされた状態で前記ワーク挿入部が前記貫通孔に挿入されることで、前記第2金型に対して前記ワークが位置決めされる、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項4】
前記ワークガイド部は、前記第1金型の平面視において前記ワークの外周に沿って配置された複数の突起部を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の樹脂封止装置。
【請求項5】
前記複数の突起部のそれぞれは、前記第2金型に向かって幅が小さいテーパ部を有する、
請求項4に記載の樹脂封止装置。
【請求項6】
前記ワークは、平面視において矩形状をなしており、
前記複数の突起部は、前記第1金型の平面視において前記ワークの矩形状の各辺に少なくとも一つずつ配置されている、
請求項4に記載の樹脂封止装置。
【請求項7】
前記複数の突起部のそれぞれの先端部は、前記ワーク挿入部の先端部よりも平面視における面積が大きい、
請求項3を引用する請求項4に記載の樹脂封止装置。
【請求項8】
前記複数の突起部のそれぞれの基端部は、前記ワーク挿入部の基端部よりも平面視における面積が大きい、
請求項7に記載の樹脂封止装置。
【請求項9】
前記第1金型は、下型であり、
前記第2金型は、上型である、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項10】
前記第1金型は、上型であり、
前記第2金型は、下型であり、
前記第1金型は、前記ワークを保持するワーク保持部をさらに有する、
請求項1に記載の樹脂封止装置。
【請求項11】
基材及び電子部品を含むワークの前記電子部品を樹脂封止する樹脂封止金型を用いた樹脂封止方法であって、
前記樹脂封止金型は、第1金型と、前記第1金型と対をなす第2金型とを有し、
前記第1金型は、キャビティ凹部と、前記第2金型に対向する側における前記キャビティ凹部の外周面に設けられたワークガイド部とを有し、
前記樹脂封止方法は、
前記第1金型に設けられた前記キャビティ凹部に樹脂を供給すること、
前記樹脂が供給された前記キャビティ凹部の内側に前記電子部品が配置されるように前記第1金型に前記ワークを供給すること、及び、
前記第1金型及び前記第2金型を相対的に移動させることによって前記樹脂封止金型を型締めして、前記電子部品を樹脂封止すること、
を含み、
前記ワークを供給することは、前記樹脂封止金型が型開きされた状態で、前記第1金型の平面視において前記ワークの外側から前記ワークガイド部により前記ワークを位置決めすることを含む、樹脂封止方法。
【請求項12】
前記キャビティ凹部及び前記ワークガイド部を覆うようにフィルムを供給することをさらに含み、
前記樹脂を供給することは、前記フィルムを介して前記キャビティ凹部に前記樹脂を供給することを含み、
前記ワークを供給することは、前記フィルムを介して前記ワークガイド部によって前記ワークを位置決めすることを含む、
請求項11に記載の樹脂封止方法。
【請求項13】
前記電子部品を樹脂封止することは、前記樹脂封止金型が型締めされた状態で前記ワークに設けられた貫通孔に、前記第2金型に設けられたワーク挿入部を挿入することで、前記第2金型に対して前記ワークを位置決めすることを含む、
請求項11に記載の樹脂封止方法。
【請求項14】
前記ワークを供給することは、前記ワークに設けられた前記電子部品の少なくとも一部を、前記キャビティ凹部の内側で前記樹脂に接触させることを含む、
請求項11に記載の樹脂封止方法。
【請求項15】
前記樹脂封止金型を型締めする前において、
前記キャビティ凹部の内側に設けられた前記樹脂を介して前記ワークを加熱することをさらに含む、
請求項14に記載の樹脂封止方法。
【請求項16】
前記ワークを供給することは、
前記ワークに設けられた前記電子部品を、前記キャビティ凹部の内側で前記樹脂から離間させて配置することを含む、
請求項11に記載の樹脂封止方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂封止装置及び樹脂封止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基材及び電子部品を含むワークの電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置が知られている。この樹脂封止装置は、上型及び下型を有する樹脂封止金型を備え、上型と下型が相対的に上下方向に移動することによって樹脂封止金型が型締めされ、型締めされた樹脂封止金型のキャビティ内において電子部品を樹脂封止する。例えば、特許文献1には、キャビティ凹部を有する下型に樹脂及びワークを載置し、樹脂封止金型を型締めすることで樹脂を圧縮成形する半導体樹脂封止装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-133352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の構成では、ワークを樹脂封止金型に載置したときや、上型及び下型が上下方向に相対的に移動するとき等に、ワークの位置ずれが生じる場合がある。ワークが位置ずれしてしまうと、樹脂封止した成形品の信頼性を損なう場合がある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ワークの位置ずれを抑制して樹脂封止した成形品の信頼性の向上を図ることができる、樹脂封止装置及び樹脂封止方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る樹脂封止装置は、基材及び電子部品を含むワークの電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置であって、ワークに対して樹脂を圧縮成形して、電子部品を樹脂封止する樹脂封止金型を備え、樹脂封止金型は、第1金型と、第1金型と対をなす第2金型とを有し、第1金型は、キャビティ凹部と、第2金型に対向する側におけるキャビティ凹部の外周面に設けられたワークガイド部とを有し、ワークガイド部は、樹脂封止金型が型開きされた状態で、第1金型の平面視においてワークの外側からワークを位置決めする。
【0007】
この態様によれば、ワークを樹脂封止金型にセットするときに、ワークガイド部によりワークを外側から位置決めすることで、ワークのセット後のワークの位置ずれを抑制することができる。
【0008】
本発明の他の一態様に係る樹脂封止方法は、基材及び電子部品を含むワークの電子部品を樹脂封止する樹脂封止金型を用いた樹脂封止方法であって、樹脂封止金型は、第1金型と、第1金型と対をなす第2金型とを有し、第1金型は、キャビティ凹部と、第2金型に対向する側におけるキャビティ凹部の外周面に設けられたワークガイド部とを有し、樹脂封止方法は、第1金型に設けられたキャビティ凹部に樹脂を供給すること、樹脂が供給されたキャビティ凹部の内側に電子部品が配置されるように第1金型にワークを供給すること、及び、第1金型及び第2金型を相対的に移動させることによって樹脂封止金型を型締めして、電子部品を樹脂封止すること、を含み、ワークを供給することは、樹脂封止金型が型開きされた状態で、第1金型の平面視においてワークの外側からワークガイド部により前記ワークを位置決めすることを含む。
【0009】
この態様によれば、ワークガイド部によりワークを外側から位置決めすることで、ワークのセット後のワークの位置ずれを抑制することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ワークの位置ずれを抑制し成形品の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る樹脂封止装置の平面図である。
図2図1の樹脂封止装置の部分拡大図である。
図3A図1の樹脂封止金型の断面図である。
図3B図3Aの上型及び下型の部分拡大図である。
図4】本発明の一実施形態に係る樹脂封止方法を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図6】本発明の一実施形態に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図7】本発明の一実施形態に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図8】本発明の一実施形態に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る樹脂封止金型及びそれを用いた樹脂封止方法を説明するための図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る樹脂封止金型及びそれを用いた樹脂封止方法を説明するための図である。
図11】本発明の第3実施形態に係る樹脂封止方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。各実施形態の図面は例示であり、各部の寸法や形状は模式的なものであり、本願発明の技術的範囲を当該実施形態に限定して解するべきではない。
【0013】
[第1実施形態]
<樹脂封止装置>
図1図3Bを参照しつつ、本発明の実施形態に係る樹脂封止装置1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る樹脂封止装置の平面図である。また、図2は樹脂封止装置の部分拡大図であり、図3Aは樹脂封止金型の断面図であり、図3Bは上型及び下型の部分拡大図である。なお、各々の図面には、各々の図面相互の関係を明確にし、各部材の位置関係を理解する助けとするために、便宜的に前後、左右及び上下の方向を付している。また図3Bでは、後述するフィルムFの図示を省略している。
【0014】
樹脂封止装置1は、ワークWに樹脂を設けて成形品Mを製造する製造装置である。ワークWは、基材B及び電子部品Pを含む。ワークWに対して樹脂Rを成形させて、ワークWの電子部品Pを樹脂封止することにより、成形品Mを製造することができる。ここで、ワークWは、電子部品Pが載置されている面(以下、「ワークWの表面」とする。)と、当該表面とは反対の電子部品Pが載置されていない面(以下、「ワークWの裏面」とする。)を有する。また、以下の説明では、ワークWの表面と裏面の上下関係は、樹脂封止金型の構造により適宜反転することができる。以下、説明の便宜上、樹脂封止した後のワークWを成形品Mと呼ぶ場合がある。基材Bは、例えば、インタポーザ基板、リードフレーム、粘着シート付きキャリアプレート又は半導体基板である。電子部品Pは、例えば、ICチップ等の半導体素子であるがこれに限定されるものではなく、各種の能動素子や受動素子又はMEMSデバイス等であってもよい。樹脂Rは、例えば顆粒状の熱硬化性樹脂である。樹脂Rの態様は上記に限定されるものではなく、例えば、シート状、液状又は粉末状であってもよい。
【0015】
本実施形態に係る樹脂封止装置1は、圧縮成形方式(言い換えればコンプレッション方式)の樹脂封止装置である。図1に示すように、樹脂封止装置1は、ワーク供給ユニット10と、樹脂成形ユニット20,30と、樹脂供給ユニット40と、第1ローダ60と、第2ローダ70と、成形品回収ユニット90と、を備えている。
【0016】
樹脂封止装置1の平面レイアウトは特に限定されるものではないが、図1に示す例では、ワーク供給ユニット10、樹脂成形ユニット20、樹脂供給ユニット40、樹脂成形ユニット30及び成形品回収ユニット90は、図1の左から右に向かって第1ガイド部60Rに沿ってこの順番に並んで配置されている。また、第2ガイド部70Rを基準として、左側にワーク供給ユニット10及び樹脂成形ユニット20が配置され、右側に樹脂成形ユニット30及び成形品回収ユニット90が配置されている。
【0017】
ワーク供給ユニット10は、第1ローダ60の第1ローダハンド61にワークWを供給する。ワーク供給ユニット10は、ワーク収納部11と、ワーク受渡部13と、ワーク予熱部15と、ワーク供給コントロールパネル19とを備えている。
【0018】
ワーク収納部11は、複数のワークWを収納し、ワークWを順次送り出す。例えば、ワーク収納部11は、複数のワークマガジンと、ワークエレベーションとを備える。ワーク収納部11にセットされたワークマガジンには、複数のワークWが上下方向に重なるように収納されている。ワークマガジンは、複数のワークWが上下方向に間隔を空けて保持されたスリットマガジンであってもよく、複数のワークWが直接積層されたスタックマガジンであってもよい。ワークエレベーションは、ワークWをワーク受渡部13へと送り出すために、ワークマガジンの位置を調整する。
【0019】
ワーク受渡部13は、ワーク収納部11から受け取ったワークWをワーク予熱部15に引き渡す。例えば、ワーク受渡部13は、ワーク収納部11が送り出したワークWを受け取って整列させるワークインデックスと、ワークインデックスが整列させたワークWをワーク予熱部15に引き渡すワークピックアンドプレイスとを備える。
【0020】
ワーク予熱部15は、ワーク受渡部13から受け取ったワークWを予熱し、第1ローダ60の第1ローダハンド61に引き渡す。樹脂成形ユニット20,30に搬送される前にワークWを予熱することで、樹脂封止金型21,31の内部におけるワークWの急激な温度変化による変形を抑制することができる。例えば、ワーク予熱部15は、ワークWを端部から加熱するプレヒートレールを備える。あるいは、ワーク予熱部15は、ワークWの全面を加熱するホットプレートを備えてもよい。なお、ワークWの予熱は、ワーク予熱部15での予熱に限定されるものではない。例えば、樹脂成形ユニット20、30へ搬入された後に型締め前の樹脂封止金型21によって予熱されてもよい。この場合、ワークWの搬入後から型締め開始までの時間を制御してもよく、ワーク供給ユニット10にワーク予熱部15を設けない構成であってもよい。
【0021】
ワーク供給コントロールパネル19は、ワーク供給ユニット10の動作を制御する。図1に示すように平面視したとき、ワーク供給コントロールパネル19は、ワーク供給ユニット10の前面に配置されている。例えば、ワーク供給コントロールパネル19は、ワーク供給ユニット10の制御パラメータを表示する表示部と、ワーク供給ユニット10の制御パラメータを入力する入力部とを備える。また、ワーク供給コントロールパネル19には、後述の成形品回収ユニット90、樹脂供給ユニット40、第1ローダ60及び第2ローダ70のそれぞれの制御パラメータを表示する表示部と、当該制御パラメータを入力する入力部とが集約されている。
【0022】
なお、ワーク供給ユニット10は、ワークWの体積を測定する体積測定部、ワークWの重量を測定する重量測定部、ワークWの厚みを測定する厚み測定部、及び、ワークWの外観を検査する外観検査部などをさらに備えてもよい。
【0023】
成形品回収ユニット90は、第1ローダ60の第1ローダハンド61から成形品Mを回収する。成形品回収ユニット90は、成形品受取部91と、成形品受渡部93と、成形品収納部95とを備える。図1に示す例では、成形品回収ユニット90は、左右方向において樹脂成形ユニット20,30に対してワーク供給ユニット10とは反対側に配置されている。変形例として、成形品回収ユニット90は、左右方向において樹脂成形ユニット20,30に対してワーク供給ユニット10と同じ側に配置されてもよい。
【0024】
成形品受取部91は、第1ローダ60の第1ローダハンド61から受け取った成形品Mを成形品受渡部93に引き渡す。例えば、成形品受取部91は、成形品Mを冷却する冷却パレットを備える。また、成形品受取部91は、冷却パレットを備えなくてもよい。この場合、成形品受渡部93への引き渡しまでの時間を調整し、第1ローダ60によって搬送されるときに成形品Mを冷却してもよい。
【0025】
成形品受渡部93は、成形品受取部91から受け取った成形品Mを成形品収納部95に引き渡す。例えば、成形品受渡部93は、成形品受取部91が送り出した成形品Mを受け取って整列させる成形品インデックスと、成形品インデックスが整列させた成形品Mを成形品収納部95に引き渡す成形品ピックアンドプレイスとを備える。
【0026】
成形品収納部95は、成形品Mを受け取って収納する。例えば、成形品収納部95は、複数の成形品マガジンと、成形品エレベーションとを備える。成形品収納部95にセットされた成形品マガジンには、複数の成形品Mが上下方向に重なるように収納されている。成形品マガジンは、複数の成形品Mが上下方向に間隔を空けて保持されたスリットマガジンであってもよく、複数の成形品Mが直接積層されたスタックマガジンであってもよい。成形品エレベーションは、成形品Mを成形品受渡部93から受け取るために、成形品マガジンの位置を調整する。
【0027】
なお、成形品回収ユニット90は、成形品Mの体積を測定する体積測定部、成形品Mの重量を測定する重量測定部、成形品Mの厚みを測定する厚み測定部、及び、成形品Mの外観を検査する外観検査部などをさらに備えてもよい。
【0028】
樹脂成形ユニット20は、ワークWに対して樹脂Rを成形する。樹脂成形ユニット20は、樹脂封止金型21と、フィルムハンドラ27と、樹脂成形コントロールパネル29とを備える。
【0029】
図3Aに示すように、樹脂封止金型21は、内部のキャビティ凹部25に樹脂Rを加熱圧縮して樹脂成形する一対の開閉可能な上型22と下型23とを備える。図3Aに示す例では、樹脂封止金型21は、いわゆる下キャビティ可動構造の圧縮成形金型である。具体的には、上型22のキャビティ凹部25に対向する側の面は略平坦であり、下型23の上型22に対向する側の面にはキャビティ凹部25が形成されている。
【0030】
上型22は、上プレート22aと、キャビティ駒22bとを備えている。キャビティ駒22bは、上プレート22aの下面(下型23側の面)に固定されている。上型22には、キャビティ駒22bの下型23に対向する面から突出するようにワーク貫通ピン26が設けられている。ワーク貫通ピン26は、型締めするときにワークWを位置決めするワーク挿入部の一例である。
【0031】
図2に示すように、ワーク貫通ピン26は、ワークWの長辺に沿うように前後方向に3つ配置される。また、上型22から下型23を平面視したときに、キャビティ凹部25より外側であり、ワークWがセットされる領域の内側に設けられる。ワークWにはワーク貫通孔Hが設けられており、型締めのときにワーク貫通孔Hにワーク貫通ピン26を挿入することで、上型22に対してワークWが位置決めされる。なお、ワーク貫通ピン26及びワーク貫通孔Hは、本実施形態の位置及び数に限定されるものではなく、ワークの形状等により適宜選択されてもよい。また、図3Bに示すように、ワーク貫通ピン26は、下型23に対向する貫通ピン先端部26aと、キャビティ駒22bに対向する貫通ピン基端部26bとを有する。また、ワーク貫通ピン26は、貫通ピン先端部26a及び貫通ピン基端部26bの端部同士をつなぐ貫通ピン側壁26cを有する。ワーク貫通ピン26は、下型23に向かって幅が小さいテーパ部を有する。したがって、上型22から下型23を平面視したとき、貫通ピン基端部26bの面積は、貫通ピン先端部26aの面積よりも大きく、貫通ピン側壁26cと貫通ピン先端部26aとのなす角は鈍角である。ワークWを上型22に対して位置決めするとき、貫通ピン側壁26cは、ワークWのワーク貫通孔Hの内壁に当接する。
【0032】
なお、ワーク貫通ピン26のテーパ部を有する形状に限定されるものではない。例えば、ワーク貫通ピン26の形状は、貫通ピン側壁26cが貫通ピン先端部26a及び貫通ピン基端部26bに対して略直角を成す円柱状又は角柱状であってもよい。
【0033】
下型23は、下プレート23aと、キャビティプレート23bと、クランパ23cと、付勢部材23dとを備える。キャビティプレート23bは、下プレート23aの上面(上型22側の面)に固定されている。クランパ23cは、キャビティプレート23bを囲うように枠状に構成されている。クランパ23cは、付勢部材23dを介して、下プレート23aに対して上下動可能に組み付けられている。キャビティプレート23bがキャビティ凹部25の底面部を構成し、クランパ23cがキャビティ凹部25の側面部を構成している。下型23には、クランパ23cを貫通する吸引孔23e,23fと、下プレート23a及びキャビティプレート23bを貫通する吸引孔23gと、が設けられている。吸引孔23eは、クランパ23cの上面に開口している。吸引孔23fは、クランパ23cのキャビティプレート23bに対向する内側面に開口している。吸引孔23gは、キャビティプレート23bの上面、すなわちキャビティ凹部25の底面、に開口している。吸引孔23e,23f,23gは、下型23にセットされたフィルムFを吸着するための吸引孔である。下型23には、クランパ23cの上型22に対向する面から突出するようにワークガイドピン28が設けられている。ワークガイドピン28は、ワークWを下型23に載置するときにワークWを位置決めするワークガイド部に含まれる複数の突起部の一例である。
【0034】
図2に示すように、ワークガイドピン28は、上型22から下型23を平面視したときに、上型22に対向する側におけるキャビティ凹部25の外周面に設けられる。ワークガイドピン28は、樹脂封止金型21が型開きされた状態で、上型22から下型23へ平面視したときワークWの外側からワークWを位置決めする。このとき、ワークガイドピン28は、キャビティ凹部25及びワークガイドピン28を覆うように下型23に設けられたフィルムFを介してワークWを位置決めする。ワークガイドピン28は、前後方向及び左右方向からワークに隣接することが望ましい。本実施形態では、ワークWは、平面視において矩形状をなしており、ワークガイドピン28が下型23の平面視においてワークWの矩形状の各辺に少なくとも一つずつ配置されている。例えば、図2に示すように、ワークWの長辺には3つ、短辺には1つのワークガイドピン28が配置されている。上記の配置により、ワークの回転ズレを抑制することができる。しかし、ワークガイドピン28の構成はこれに限定されるものではなく、ワークの形状等によりワークガイドピン28の数と配置等は適宜選択されてもよい。また、ワークガイドピン28は、ピン状で構成されているが、これに限定されるものではなく、ワークの辺に沿って延在するバー状や枠状等でもよい。また、図3Bに示すように、ワークガイドピン28は、上型22に対向するガイドピン先端部28aと、クランパ23cに対向するガイドピン基端部28bとを有する。また、ワークガイドピン28は、ガイドピン先端部28a及びガイドピン基端部28bの端部同士をつなぐガイドピン側壁28cを有する。ガイドピン側壁28cは、ガイドピン基端部28b及びガイドピン先端部28aの端部同士をつなぐワークガイドピン28の側壁のうち、ワークWを位置決めする際にワークWに対向する側の側壁である。ワークガイドピン28は、上型22に向かって幅が小さいテーパ部する。したがって、上型22から下型23を平面視したとき、ガイドピン基端部28bの面積は、ガイドピン先端部28aの面積よりも大きい。
【0035】
ガイドピン先端部28aは、貫通ピン先端部26aより平面視における面積が大きい。また、ガイドピン基端部28bは、貫通ピン基端部26bより平面視における面積が大きい。平面視におけるガイドピン基端部28bに対するガイドピン先端部28aの面積比率は、平面視における貫通ピン基端部26bに対する貫通ピン先端部26aの面積比率よりも小さい。ワークガイドピン28のテーパ角は、ワーク貫通ピン26のテーパ角よりも大きい。すなわち、ガイドピン側壁28cとガイドピン先端部28aとが成す角度は、貫通ピン側壁26cと貫通ピン先端部26aとが成す角度よりも大きい。
【0036】
なお、本実施形態においてワークガイドピン28のセットされたワークWに対向する側のガイドピン側壁28c及びその反対側の側壁の両方が、ガイドピン先端部28a及びガイドピン基端部28bに対して傾斜しているが、ワークガイドピンの形状は上記に限定されるものではない。例えば、ワークガイドピンのセットされたワークに対向する側の側壁がガイドピン先端部及びガイドピン基端部に対して傾斜していれば、ワークガイドピンのセットされたワークとは反対側の側壁は、ガイドピン先端部及びガイドピン基端部に対して略垂直に設けられてもよい。
【0037】
フィルムハンドラ27は、樹脂封止金型21の下型23にフィルムFを供給する。フィルムFは、下型23のキャビティプレート23bとクランパ23c23cとの間の隙間などに樹脂Rが侵入することを阻害するとともに、下型23からの成形品Mの剥離を容易にするための離型フィルムである。フィルムハンドラ27は、例えばロール状のフィルムを扱うものであり、未使用のフィルムFを供給する巻出部と、使用済みのフィルムFを回収する巻取部とを備える。図1に示すように、フィルムハンドラ27の巻出部及び巻取部は、樹脂封止金型21の左右方向に配置されている。なお、フィルムFの材料として、耐熱性、剥離容易性、柔軟性、伸展性に優れた高分子材料を用いることができ、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)及びPVDC(ポリ塩化ビニリジン)等があげられる。フィルムFの厚さは、材料の物性に応じて好適に選択され、一例として50μm程度である。なお、フィルムFの形状はロール状に限定されるものではなく、短冊状であってもよい。
【0038】
樹脂成形コントロールパネル29は、樹脂成形ユニット20の動作を制御する。図1に示すように平面視したとき、樹脂成形コントロールパネル29は、樹脂成形ユニット20の前面に配置されている。例えば、樹脂成形コントロールパネル29は、樹脂成形ユニット20の制御パラメータを表示する表示部と、樹脂成形ユニット20の制御パラメータを入力する入力部とを備える。
【0039】
樹脂成形ユニット30は、樹脂封止金型31と、フィルムハンドラ37と、樹脂成形コントロールパネル39とを備える。なお、以下の説明においては、樹脂封止金型31、フィルムハンドラ37及び樹脂成形コントロールパネル39の詳細は省略するが、樹脂成形ユニット20について説明した各構成と同様の構成を適用することができる。
【0040】
なお、樹脂成形コントロールパネル29,39は、その機能の少なくとも一部がワーク供給コントロールパネル19に集約されてもよい。例えば、樹脂成形ユニット20,30の制御パラメータはワーク供給コントロールパネル19の表示部に表示されてもよく、樹脂成形ユニット20,30の制御パラメータはワーク供給コントロールパネル19の入力部に入力されてもよい。各ユニットのコントロールパネルの機能が全てワーク供給コントロールパネル19に集約される場合、樹脂成形コントロールパネル29,39は省略されてもよい。
【0041】
樹脂供給ユニット40は、第2ローダ70に樹脂Rを供給する。樹脂供給ユニット40は、樹脂供給部41と、樹脂ヒータ80とを備えている。
【0042】
樹脂供給部41は、第1ガイド部60Rを基準として、後側に配置されている。樹脂供給部41は、第2ローダ70に樹脂Rを供給する。例えば、樹脂Rが顆粒樹脂の場合、樹脂供給部41は、ホッパと、フィーダとを備えている。なお、樹脂Rが液状の場合、樹脂供給部41は、樹脂を貯留するシリンジと、樹脂を押し出すピストンと、シリンジの先端を開閉するピンチバルブとを備えてもよい。
【0043】
樹脂ヒータ80は、樹脂供給部41によって供給された樹脂Rを加熱する。樹脂ヒータ80の熱源としては、例えば、電熱線ヒータ及び赤外線ヒータ等の公知の加熱機構が用いられる。なお、樹脂ヒータ80はなくてもよい。
【0044】
樹脂供給ユニット40において、レジンガードが配置されていてもよい。レジンガードは、樹脂Rを供給する領域を規定する枠体として用いられる。例えば、第2ローダ70に樹脂Rが供給される直前にレジンガードは樹脂供給部41の下に設けられ、上記のように樹脂Rの供給領域を規定することができる。
【0045】
なお、樹脂Rが顆粒樹脂の場合、樹脂供給ユニット40は、樹脂Rを振動によって分散させる加振部、及び、樹脂Rの分散の程度を検査する検査部等をさらに備えてもよい。また、樹脂Rが液状樹脂の場合、樹脂供給ユニット40は、樹脂Rを均すスキージ等をさらに備えてもよい。
【0046】
第1ローダ60は、ワークWをワーク供給ユニット10から樹脂成形ユニット20,30に搬送する。第1ローダ60は第1ガイド部60Rに沿って移動可能に構成されている。第1ガイド部60Rは、ワーク供給ユニット10、樹脂成形ユニット20,30、樹脂供給ユニット40及び成形品回収ユニット90に亘って、左右方向に延在している。図1に示すように平面視したとき、第1ガイド部60Rは、例えば、樹脂封止金型21,31の後方であって樹脂供給部41の前方に設けられている。図1に示す構成例において、第1ローダ60は、成形品Mを樹脂成形ユニット20,30から成形品回収ユニット90に搬送する。但し、樹脂封止装置1は、ワークWを搬送する第1ローダ60とは別に、成形品Mを回収するアンローダをさらに備えてもよい。このようなアンローダは、第1ガイド部60Rに沿って移動可能に構成されてもよく、別のガイド部に沿って移動可能に構成されてもよい。
【0047】
第1ローダ60は、ワークW及び成形品Mの保持機構を有する第1ローダハンド61を備えている。
【0048】
第1ローダハンド61は、樹脂封止金型21に対して後方から進退可能に構成されている。言い換えれば、第1ローダハンド61は、樹脂封止金型21の後側にワークW又は成形品M(ワークの一例)の搬送経路を有する。次に、第1ローダハンド61は、ワークW又は成形品Mを保持する。第1ローダハンド61は、例えばワークW又は成形品Mの下面を支持するL字状の開閉爪を有しているが、これに限定されるものではない。第1ローダハンド61は、静電気力によってワークW又は成形品Mを保持してもよく、吸排気によってワークW又は成形品Mの裏面を吸着してもよい。
【0049】
一例として、第1ローダハンド61がワークWを樹脂封止金型21へ供給するときの搬送経路について説明する。第1ローダハンド61は、ワーク予熱部15でワークWを受け取った後、右方に搬送され、前後方向で樹脂封止金型21と対向する位置に移動する。次に、第1ローダハンド61は、ワークWを保持した状態のまま、後方から樹脂封止金型21に進入する。すなわち、第1ローダハンド61は、樹脂封止金型21にワークWを搬入する。第1ローダハンド61は、ワークWを樹脂封止金型21の下型23に引き渡した後、後方に移動し、樹脂封止金型21から退出する。このとき、ワークWはワークガイドピン28によって外側から位置決めされる。具体的には、第1ローダハンド61から解放されたワークWが下型23に引き渡され、ワークWの端部がフィルムFを介してガイドピン側壁28cに当接し、ワークWはガイドピン側壁28cに沿って誘導される。また、ワークWは、ワークの表面が下型23に対向する向きでセットされ、電子部品Pがキャビティ凹部25内に収容されるようにセットされる。その後、成形品Mが成形されて樹脂封止金型21が型開きされた後、第1ローダハンド61は、ワークWの搬入時と同様の動作によって樹脂封止金型21から成形品Mを搬出する。そして、第1ローダハンド61は、右方に搬送され、成形品受取部91において成形品Mを引き渡す。なお、上述したワークWの供給及び成形品Mの取り出しについては、樹脂封止金型31についても同様である。
【0050】
第2ローダ70は、樹脂Rを搬送する。第2ローダ70は、第2ガイド部70Rに沿って移動可能に構成されている。第2ガイド部70Rは、例えば樹脂供給ユニット40に設けられ、前後方向に延在している。図1に示すように平面視したとき、第2ガイド部70Rは、例えば、第1ガイド部60Rと交差している。
【0051】
第2ローダ70は、第2ローダハンド71と、第2ベースと、第2ガイドロッドとを備えている。
【0052】
一例として、第2ローダハンド71は、樹脂供給部41の前方の位置P1に移動する。次に、第2ローダハンド71は、樹脂供給部41に移動する。樹脂供給部41にて、第2ローダハンド71は、レジンガードの内側に樹脂Rを受け取った後、樹脂Rが加熱され、加熱後にローダハンド71からレジンガードは取り外される。あるいは、樹脂Rの加熱後にローダハンド71からレジンガードが取り外されなくてもよい。その後、再び第2ローダハンド71は、樹脂Rを保持した状態のまま、位置P1に戻る。次に、第2ローダハンド71は、樹脂封止金型21の右方の位置P3に移動する。次に、第2ローダハンド71は、樹脂Rを保持した状態のまま、右方から樹脂封止金型21に進入する。すなわち、第2ローダハンド71は、樹脂封止金型21に樹脂Rを搬入する。第2ローダハンド71は、樹脂Rを樹脂封止金型21に引き渡した後、第2ガイドロッドの収縮によって右方へと移動し、樹脂封止金型21から退出する。
【0053】
樹脂成形ユニット30の樹脂封止金型31に対して、第1ローダ60及び第2ローダ70は、樹脂成形ユニット20の樹脂封止金型21に対するのと同様に動作する。したがって、第1ローダ60及び第2ローダ70の樹脂封止金型31に対する動作の説明は省略する。但し、第2ローダ70の樹脂封止金型31に対する動作は、第2ローダ70の樹脂封止金型21に対する動作とは左右反転した動作となる。
【0054】
本実施形態では、上記のように第1ローダハンド61がワークWを搬送し、第2ローダハンド71が樹脂Rを搬送する態様について説明したが、ワークW及び樹脂Rの搬送態様はこれに限定されるものではない。例えば、第2ローダ70が省略され、第1ローダハンドがワークWと樹脂Rを同時に又は順不同に搬送してもよい。
【0055】
<樹脂封止方法>
次に、図4図8を用いて樹脂封止方法について説明する。図4は、本実施形態に係る樹脂封止装置を用いた樹脂封止方法の一例を示すフローチャートである。図5図8は、本実施形態に係る樹脂封止方法を説明するための図である。以下の説明では、下型23にキャビティ凹部25を有する樹脂成形ユニット20の樹脂封止金型21を例に挙げて説明し、同様に動作する樹脂成形ユニット30の樹脂封止金型31については、説明を省略する。
【0056】
まず、下型にフィルムをセットする(S10)。
【0057】
具体的には、図5に示すように、フィルムFが、フィルムハンドラ27によって下型23に供給される。次に、下型23の吸引孔23e,23f,23gから吸引することによって、キャビティ凹部25にフィルムFを吸着する。フィルムFは、キャビティプレート23bからクランパ23cに亘って連続的に覆い、キャビティプレート23bとクランパ23cとの間の隙間を塞ぐ。このとき、フィルムFはキャビティ凹部25及びワークガイドピン28を覆うように吸着される。
【0058】
次に、下型に樹脂を供給する(S20)。
【0059】
具体的には、樹脂供給部41で供給された樹脂Rは第2ローダ70により樹脂封止金型21に搬送される。次に、図5に示すように、第2ローダハンド71によって、樹脂RがフィルムFを介してキャビティ凹部25に供給される。供給された樹脂Rは、キャビティ凹部25で加熱され、溶融する。
【0060】
次に、ワークガイドピンにより、ワークを位置決めする(S30)。
【0061】
具体的には、図6に示すように、第1ローダ60により搬送されたワークWを下型23にセットする。このとき、樹脂封止金型21が型開きされた状態で、ワークWはワークガイドピン28によりワークWの外側から位置決めされる。また、ワークW及びワークガイドピン28の間にはフィルムFが吸着されており、ワークWがフィルムFを介して、位置決めされる。ワークWは電子部品Pが搭載された表面を下型23及び樹脂Rに対向するようセットされるが、このとき電子部品Pの一部がキャビティ凹部25の内部で樹脂Rに接触している。このとき、樹脂Rは上記のように溶融しているため、ワークWの位置決めを阻害しない。
【0062】
次に、樹脂及びワークを金型内で加熱する(S40)。
【0063】
具体的には、下型23にセットされた樹脂RとワークWは下型23から加熱される。下型23から加熱することで、型締め前に、樹脂Rを介して電子部品Pが搭載された表面側からワークWを予熱することができる。
【0064】
次に、樹脂を成形する(S50)。
【0065】
具体的には、図7に示すように、上型22及び下型23が上下方向に接近しつつ、樹脂封止金型21が型締めされる。このとき、ワーク貫通ピン26をワークWに設けられたワーク貫通孔Hに挿入することで、上型22に対してワークWを位置決めする。ワークWの位置決め後、上型22によってクランパ23cが下プレート23aに向かって押し込まれることでキャビティ凹部25の容積が減少し、樹脂Rは加熱圧縮される。
【0066】
次に、成形品を金型から搬出する(S60)。
【0067】
具体的には、図8に示すように、樹脂Rの成形後、樹脂封止金型21は型開きされる。型開き後、第1ローダハンド61が樹脂封止金型21内に進入する。下型23にフィルムFが吸着された状態で、第1ローダハンド61は、成形品Mをピックアップする。ピックアップ後、成形品Mは第1ローダハンド61に保持された状態で樹脂封止金型21から搬出される。その後、成形品Mは成形品回収ユニット90に搬送される。
【0068】
以上のとおり、第1実施形態に係る樹脂封止装置1は、キャビティ凹部25が形成された下型23を含む樹脂封止金型21を有し、下型23は、樹脂封止金型21が型開きされた状態で、平面視において外側からワークWを位置決めするワークガイドピン28を有する。
【0069】
これによれば、ワークWを下型23にセットするときに、ワークガイドピン28のガイドピン側壁28cがワークWの移動をワークWの外側から規制する。したがって、キャビティ凹部25を有する下型23に対して、ワークWが所定の位置に誘導され位置決めされる。すなわち、ワークWを樹脂封止金型21にセットするときに、ワークWを外側から位置決めすることで、ワークWのセット後のワークWの位置ずれを抑制することができる。
【0070】
また、樹脂封止金型21はフィルムハンドラ27を備え、ワークガイドピン28は、キャビティ凹部25及びワークガイドピン28を覆うように下型23に設けられたフィルムFを介してワークWを位置決めする。
【0071】
これによれば、ワークに設けられた貫通孔や凹部に対して、下型に設けられたピンをフィルム越しに挿入してワークを位置決めする構成に比べて、フィルムに掛かるせん断応力等の負荷が低減できる。したがって、フィルムFに穴を空けずに、ワークWを位置決めすることができる。
【0072】
また、上型22はワークWのワーク貫通孔Hに挿入されるワーク貫通ピン26を有し、型締めされるときにワーク貫通孔Hにワーク貫通ピン26が挿入されることで、上型22に対してワークWが位置決めされる。
【0073】
これによれば、最初にワークガイドピン28によってワークWを位置決めし、次にワーク貫通ピン26によってワークWをさらに位置決めすることができる。したがって、ワークWの位置ずれをさらに抑制することができる。また、ワーク貫通ピン26によるワークWの位置決めの前にワークガイドピン28によってワークWのおおよその位置決めが行われているため、ワーク貫通孔Hとワーク貫通ピン26の位置不一致によるワーク貫通ピン26とワークWとの衝突に起因した生産効率の低下を抑制することができる。
【0074】
また、ワークガイドピン28はテーパ部を有する。
【0075】
これによれば、ガイドピン側壁28cがガイドピン基端部28b及びガイドピン先端部28aに対して略直交する構成に比べて、第1ローダハンド61からのワークWのリリース位置の許容範囲を広くすることができる。したがって、下型23へのワークWのセットが容易となる。
【0076】
また、ワークガイドピン28は、平面視においてワークWの外周に沿って複数設けられている。さらに、ワークガイドピン28は、平面視においてワークWの各辺に少なくとも一つずつ配置されている。
【0077】
これによれば、複数のワークガイドピン28がワークWを位置決めすることで、ワークWの並進及び回転を抑制することができる。したがって、ワークWの位置ずれをさらに効果的に抑制することができる。
【0078】
また、ガイドピン先端部28aの平面視における面積は、貫通ピン先端部26aの平面視における面積よりも大きい。
【0079】
これによれば、ワークガイドピン28の鋭さが低減されるので、ワークガイドピン28をフィルムFで覆った場合であってもワークガイドピン28によってフィルムFが突き破られることによるフィルムFの損傷を抑制することができる。
【0080】
また、ガイドピン基端部28bの平面視における面積は、貫通ピン基端部26bの平面視における面積よりも大きい。
【0081】
これによれば、ワークガイドピン28のテーパ角を、ワーク貫通ピン26のテーパ角よりも大きくすることができる。このとき、ワークガイドピン28によるワークWの位置決めは、ワーク貫通ピン26によるワークWの位置決めよりも寛容となるため、ワークWを下型23にセットするとき、ワークWがワークガイドピン28に乗り上げる等の問題が生じ難い。また、ワーク貫通ピン26によるワークWの位置決めは、ワークガイドピン28によるワークWの位置決めよりも厳格となるため、ワーク貫通ピン26はワークガイドピン28よりもさらにワークWの位置ずれを抑制することができる。
【0082】
以上のとおり、第1実施形態に係る樹脂封止装置1を用いた樹脂封止方法は、下型23のキャビティ凹部25に樹脂Rを供給すること、キャビティ凹部25の内側に電子部品Pが配置されるように下型23にワークWを供給すること、及び樹脂封止金型21を型締めして電子部品Pを樹脂封止すること、を含み、ワークWを供給することは、樹脂封止金型21が型開きされた状態で、ワークガイドピン28によりワークWの外側からワークWを位置決めすることを含む。
【0083】
これによれば、ワークに設けられた貫通孔や凹部に対して、下型に設けられたピンをフィルム越しに挿入してワークを位置決めする構成に比べて、事前にワークガイドピン28によりワークWの位置決め及び動きを規制することができる。 したがって、樹脂封止金型21の型締めのときに発生するワークWの大幅なずれを抑制でき、ピンとワーク裏面の衝突を防止することができる。
【0084】
また、当該樹脂封止方法は、キャビティ凹部25及びワークガイドピン28を覆うようにフィルムFを供給することをさらに含み、ワークWを供給することは、フィルムFを介してワークガイドピン28によってワークWを位置決めすることを含む。
【0085】
これによれば、フィルムFに穴を空けずに、ワークWを位置決めすることができる。
【0086】
また、電子部品Pを樹脂封止することは、樹脂封止金型21が型締めされた状態でワークWに設けられたワーク貫通孔Hに、上型22に設けられたワーク貫通ピン26を挿入することで、上型22に対してワークWを位置決めすることを含む。
【0087】
これによれば、最初にワークガイドピン28によってワークWを位置決めし、次にワーク貫通ピン26によってワークWをさらに位置決めすることができる。したがって、ワークWの位置ずれをさらに抑制することができる。
【0088】
また、ワークWを供給することは、ワークWに設けられた電子部品Pの少なくとも一部を、キャビティ凹部25の内側で樹脂Rに接触させることを含む。
【0089】
これによれば、ワークWの中央付近に集中する荷重を樹脂Rが下型23側から支持することで、ワークW中央の撓みを抑制することができる。
【0090】
また、当該樹脂封止方法は、樹脂封止金型21を型締めする前において、キャビティ凹部25の内側に設けられた樹脂Rを介してワークWを加熱することをさらに含む。
【0091】
これによれば、樹脂封止金型21へ搬入される前の金型外予熱によってワークWが基材B側から予熱されている場合、樹脂封止金型21へ搬入された後であって型締め前の金型内予熱によって樹脂Rを介して電子部品P側から予熱することで、ワークWが裏面及び表面の両方から予熱される。したがって、ワークWを均一に加熱することができ、ワーク温度差によるワークWの反りを抑制することができる。
【0092】
以下に、本発明の他の実施形態に係る樹脂封止装置及び樹脂封止方法の構成について説明する。なお、下記の実施形態では、上記の第1実施形態と共通の事柄については記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については逐次言及しない。
【0093】
[第2実施形態]
<樹脂封止装置>
次に、図9及び図10を参照しつつ、第2実施形態に係る樹脂封止金型121の構造について説明する。図9及び図10は、第2実施形態に係る樹脂封止金型及びそれを用いた樹脂封止方法を説明するための図である。
【0094】
本実施形態では、第1実施形態と異なり、図9及び図10に示すように、上型123にキャビティ凹部125が設けられている。樹脂封止金型121は、キャビティ凹部125に樹脂Rを供給して成形する一対の開閉可能な上型123と下型122とを備える。つまり、樹脂封止金型121は、いわゆる上キャビティ可動構造の圧縮成形金型である。具体的には、下型122のキャビティ凹部125に対向する側の面は略平坦であり、上型123の下型122に対向する側の面にはキャビティ凹部125が形成されている。
【0095】
上型123は、ワークガイドピン128を備え、下型122はワーク貫通ピン126を備える。樹脂封止金型121は、ワーク保持部129をさらに備える。ワーク保持部129は、樹脂封止金型121に搬送されたワークWを上型123に保持する。具体的には、ワーク保持部129は、ワークWが搬入されるまでは下型122と上型123との間の空間から退避しており、ワークWが搬入されたときに当該空間に進入し、ワークWの外縁部を下から保持する。
【0096】
<樹脂封止方法>
次に、図9及び図10を参照しつつ、第2実施形態に係る樹脂封止金型121を用いた樹脂封止方法について説明する。図9及び図10は、第2実施形態に係る樹脂封止金型及びそれを用いた樹脂封止方法を説明するための図である。本実施形態の樹脂封止金型121は、上型123にキャビティ凹部125を備えるため、上型123にフィルムF、樹脂R及びワークWが供給される。
【0097】
具体的には、図9に示すように、本実施形態ではフィルムF及び樹脂Rは上型123に設けられたキャビティ凹部125及びワークガイドピン128を覆うようにセットされる。
【0098】
さらに、図10に示すように、本実施形態ではワークWが上型123に設けられたワーク保持部129により上型123に保持される。
【0099】
以上のとおり、上型123がワーク保持部129を備え、ワーク保持部129がワークWを保持することで、上型123側にキャビティ凹部125をもつ上キャビティ可動構造の樹脂封止金型121による圧縮成形が可能になる。
【0100】
[第3実施形態]
次に、図11を参照しつつ、第3実施形態に係る樹脂封止方法について説明する。ここでは、第1実施形態に係る樹脂封止金型21を用いた樹脂封止方法について説明するが、第3実施形態に係る樹脂封止方法に用いられる樹脂封止金型は、本発明の一実施形態に係る樹脂封止金型であれば上記に限定されるものではない。
【0101】
第3実施形態に係る樹脂封止方法においては、図11に示すように、ワークWを下型23にセットしたとき、ワークWに設けられた電子部品Pを、キャビティ凹部25の内側で樹脂Rから離間させる。さらに、基材Bは、キャビティ凹部25の内側で樹脂Rに接触していてもよく、離間していてもよい。
【0102】
これによれば、電子部品Pと樹脂Rを離間させることで、接触してる場合と比べて電子部品P載置部分と載置されていない部分の接触面積による熱のバラツキを抑制することができる。したがって、ワークWの電子部品P側の温度差による反りを抑制することができる。
【0103】
上記実施形態では、第1ローダハンド61は、ワーク予熱部15でワークWを受け取り成形品受取部91でワークWを引き渡す態様について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ワーク予熱部15及び成形品受取部91は、第1ガイド部60Rに沿って移動可能に構成されてもよい。また、例えば、樹脂封止金型21に進退可能に構成されワークW又は成形品Mを搬送するローダハンドを、樹脂封止金型21,31にそれぞれ備えてもよい。このとき、ワークWは、ガイド部に沿って左右方向に移動可能に構成されたテーブルに載せられ、ワーク供給ユニット10から樹脂成形ユニット20,30に搬送され、樹脂成形ユニット20,30においてテーブルからローダハンドによってピックアップされてもよい。同様に、成形品Mは、樹脂成形ユニット20,30においてローダハンドからリリースされ、ガイドに沿って左右方向に移動可能に構成されたテーブルに載せられ、樹脂成形ユニット20,30から成形品回収ユニット90に搬送されてもよい。
【0104】
以上のように、本発明の一態様に係る樹脂封止装置は、基材及び電子部品を含むワークの電子部品を樹脂封止する樹脂封止装置であって、ワークに対して樹脂を圧縮成形して、電子部品を樹脂封止する樹脂封止金型を備え、樹脂封止金型は、第1金型と、第1金型と対をなす第2金型とを有し、第1金型は、キャビティ凹部と、第2金型に対向する側におけるキャビティ凹部の外周面に設けられたワークガイド部とを有し、ワークガイド部は、樹脂封止金型が型開きされた状態で、第1金型の平面視においてワークの外側からワークを位置決めする。
【0105】
これによれば、ワークガイド部によりワークを外側から位置決めすることで、ワークのセット後のワークの位置ずれを抑制することができる。したがって、成形品の信頼性を向上させた樹脂封止装置が提供できる。
【0106】
上記態様において、ワークガイド部は、キャビティ凹部及びワークガイド部を覆うように第1金型に設けられたフィルムを介して前記ワークを位置決めしてもよい。
【0107】
これによれば、フィルムに穴を空けずに、ワークを位置決めすることができる。
【0108】
上記態様において、ワークには、位置決め用の貫通孔が設けられ、第2金型は、貫通孔に挿入されるワーク挿入部を有し、樹脂封止金型が型締めされた状態でワーク挿入部が貫通孔に挿入されることで、第2金型に対して前記ワークが位置決めされてもよい。
【0109】
これによれば、位置決めの精度を向上させることができる。
【0110】
上記態様において、ワークガイド部は、第1金型の平面視においてワークの外周に沿って配置された複数の突起部を有してもよい。
【0111】
これによれば、ワークの位置ずれをさらに抑制する。
【0112】
上記態様において、複数の突起部のそれぞれは、第2金型に向かって幅が小さいテーパ部を有してもよい。
【0113】
これによれば、複数の突起部の側壁に沿うようにワークが位置決めされるためワークのセットが容易になる。
【0114】
上記態様において、ワークは、平面視において矩形状をなしており、複数の突起部は、第1金型の平面視においてワークの矩形状の各辺に少なくとも一つずつ配置されてもよい。
【0115】
これによれば、ワークの回転ずれ及び並進ずれを抑制できる。
【0116】
上記態様において、複数の突起部のそれぞれの先端部は、ワーク挿入部の先端部よりも平面視における面積が大きくてもよい。
【0117】
これによれば、ワーク先端部をフィルムで覆う場合に、フィルムの損傷を抑制することができる。
【0118】
上記態様において、複数の突起部のそれぞれの基端部は、ワーク挿入部の基端部よりも平面視における面積が大きくてもよい。
【0119】
これによれば、ワークの第1金型へのセットが容易になる。また、ワークの位置ずれを複数の突起部よりもさらに抑制することができる。
【0120】
上記態様において、第1金型は、下型であり、第2金型は、上型であってもよい。
【0121】
上記態様において、第1金型は、上型であり、第2金型は、下型であり、第1金型は、ワークを保持するワーク保持部をさらに有してもよい。
【0122】
本発明の他の一態様に係る樹脂封止装置は、基材及び電子部品を含むワークの電子部品を樹脂封止する樹脂封止金型を用いた樹脂封止方法であって、樹脂封止金型は、第1金型と、第1金型と対をなす第2金型とを有し、第1金型は、キャビティ凹部と、第2金型に対向する側におけるキャビティ凹部の外周面に設けられたワークガイド部とを有し、樹脂封止方法は、第1金型に設けられたキャビティ凹部に樹脂を供給すること、樹脂が供給されたキャビティ凹部の内側に電子部品が配置されるように第1金型にワークを供給すること、及び、第1金型及び第2金型を相対的に移動させることによって樹脂封止金型を型締めして、電子部品を樹脂封止すること、を含み、ワークを供給することは、樹脂封止金型が型開きされた状態で、第1金型の平面視においてワークの外側からワークガイド部により前記ワークを位置決めすることを含む。
【0123】
これによれば、ワークガイド部によりワークを外側から位置決めすることで、ワークのセット後のワークの位置ずれを抑制することができる。したがって、成形品の信頼性を向上させた樹脂封止方法が提供できる。
【0124】
上記態様において、キャビティ凹部及びワークガイド部を覆うようにフィルムを供給することをさらに含み、樹脂を供給することは、フィルムを介してキャビティ凹部に樹脂を供給することを含み、ワークを供給することは、フィルムを介してワークガイド部によってワークを位置決めすることを含む。
【0125】
これによれば、フィルムに穴を空けずに、ワークを位置決めすることができる。
【0126】
上記態様において、電子部品を樹脂封止することは、樹脂封止金型が型締めされた状態でワークに設けられた貫通孔に、第2金型に設けられたワーク挿入部を挿入することで、第2金型に対してワークを位置決めすることを含む。
【0127】
これによれば、位置決めの精度を向上させることができる。
【0128】
上記態様において、ワークを供給することは、ワークに設けられた電子部品の少なくとも一部を、キャビティ凹部の内側で樹脂に接触させることを含む。
【0129】
これによれば、ワークを樹脂が支持することでワークの撓みを抑制できる。
【0130】
上記態様において、樹脂封止金型を型締めする前において、キャビティ凹部の内側に設けられた樹脂を介してワークを加熱することをさらに含む。
【0131】
これによれば、ワークを均一に予熱することができ、ワークの反りを抑制することができる。
【0132】
上記態様において、ワークを供給することは、ワークに設けられた電子部品を、キャビティ凹部の内側で樹脂から離間させて配置することを含む。
【0133】
これによれば、ワークWの温度差による反りを抑制することができる。
【0134】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0135】
1…樹脂封止装置
10…ワーク供給ユニット
20,30…樹脂成形ユニット
21,31…樹脂封止金型
25,35…キャビティ凹部
26…ワーク貫通ピン
28…ワークガイドピン
27,37…フィルムハンドラ
40…樹脂供給ユニット
60…第1ローダ
61…第1ローダハンド
70…第2ローダ
71…第2ローダハンド
80…樹脂ヒータ
90…成形品回収ユニット
W…ワーク
P…電子部品
B…基材
R…樹脂
F…フィルム
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11