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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144613
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】プログラム、サーバ及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/212 20220101AFI20241003BHJP
   G06Q 10/10 20230101ALI20241003BHJP
【FI】
H04L51/212
G06Q10/10
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024119539
(22)【出願日】2024-07-25
(62)【分割の表示】P 2020098351の分割
【原出願日】2020-06-05
(71)【出願人】
【識別番号】500542745
【氏名又は名称】HENNGE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100144347
【弁理士】
【氏名又は名称】手島 愛
(72)【発明者】
【氏名】角 康広
(72)【発明者】
【氏名】田邊 兼一
(72)【発明者】
【氏名】箕浦 賢一
(57)【要約】
【課題】承認が必要と判定された電子メールについて、電子メールを滞りなく速やかに指示される機会を与え、複数の承認者の指示に伴う作業がかち合う事態を避け、各承認者が自身の役割を考慮した効率的な承認指示又は否認指示を可能とし、電子メールの承認待ちによるビジネス上の支障を減らすことが可能なプログラム及びサーバを提供すること。
【解決手段】複数の承認者それぞれの予測モデルを用いて、保留された電子メールの保留時刻から当該複数の承認者それぞれの即応性レベルを取得し、当該複数の承認者それぞれの即応性レベルに基づき、当該複数の承認者の中から一の代表承認者を選択する。代表承認者に対して、承認要求を通知する。そして、複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が承認指示である場合に電子メールを配送する制御を行う、又は、複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が否認指示である場合に電子メールの配送を中止する制御を行う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子メールを配送するサーバのためのプログラムであって、
差出元から送信された電子メールを受け付ける受け付け部と、
所定の条件に基づいて前記電子メールの承認の要否を判定する判定部と、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合に、前記電子メールの配送を保留する保留部と、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合に、複数の承認者のうちの一の代表承認者の選択を受け付ける選択部と、
前記代表承認者に対して、承認要求を通知する通知部と、
前記複数の承認者の少なくとも一の承認者から、保留された前記電子メールの承認指示又は否認指示を受け付ける指示受け付け部と、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合であって、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が承認指示である場合に前記電子メールを配送する制御を行う、又は、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が否認指示である場合に前記電子メールの配送を中止する制御を行う配送部と、
ユーザ毎に、所与の時刻におけるユーザの即応性の程度を示す即応性レベルを算出する即応性レベル算出部と、
ユーザ毎に、所与の時刻と当該時刻におけるユーザの即応性レベルとを教師データとして機械学習を行い、当該時刻と当該時刻におけるユーザの当該即応性レベルとを関連付ける予測モデルを生成する機械学習部として、コンピュータを機能させ、
前記選択部は、
複数の承認者それぞれの予測モデルを用いて、保留された電子メールの保留時刻から当該複数の承認者それぞれの即応性レベルを取得し、当該複数の承認者それぞれの即応性レベルに基づき、当該複数の承認者の中から一の代表承認者を選択することを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記通知部は、
前記代表承認者の情報を、前記差出元のユーザに通知することを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記選択部は、
前記差出元のユーザから、前記代表承認者を除く他の承認者のうちの一の承認者を新たな代表承認者とする変更を受け付けることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかにおいて、
複数の承認者それぞれの予測モデルを用いて、保留された電子メールの保留時刻から当該複数の承認者それぞれの即応性レベルを取得し、当該複数の承認者それぞれの即応性レベルに基づき、当該複数の承認者の中から一の代表承認者候補を抽出する抽出部として、コンピュータを更に機能させ、
前記通知部は、
前記抽出部によって抽出された代表承認者候補の情報を、前記差出元のユーザに通知し、
前記選択部は、
前記通知部によって、前記代表承認者候補の情報を前記差出元のユーザに通知後、差出元のユーザから、複数の承認者のうちの一の代表承認者の選択を受け付けることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかにおいて、
保留された電子メールの保留時刻と、当該電子メールについて承認指示又は否認指示を受け付けた際の代表承認者の情報と、当該承認指示又は当該否認指示を受け付けた指示時刻とを記憶する記憶部として、コンピュータを更に機能させ、
前記即応性レベル算出部は、
当該電子メールの保留時刻から指示時刻までの保留期間に応じて、当該保留時刻における当該代表承認者の即応性レベルを算出することを特徴とするプログラム。
【請求項6】
請求項5において、
前記即応性レベル算出部は、
代表承認者が変更された場合には、代表承認者が変更された変更時刻から指示時刻までの保留期間に応じて、当該保留時刻における変更後の代表承認者の即応性レベルを算出することを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかにおいて、
前記即応性レベル算出部は、
ユーザの行動情報に基づき、所与の時刻における当該ユーザの即応性レベルを算出することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のプログラムを記憶した記憶部と、
前記プログラムを実行するためのプロセッサと、を備えるサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子メールがコミュニケーションツールとして利用されており、MUA(Mail User Agent)から電子メールを受け付けて、電子メールを配送(配信、送信、転送)する処理を行なうMTA(Mail Transfer Agent)が存在する。
【0003】
ここで、MUAとは、インターネット上の端末において電子メールを送受信するために使用されるクライアントプログラムであり、MTAとは、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)を通じてネットワーク上で電子メールの受信と配送を行うメールサーバのことをいう。
【0004】
例えば、従来技術として、不適切な電子メールの送信を事前に防止するために、メールが組織外へ送信されると判定された場合に、メールの送信者に対して、当該送信者と関連付けられて記憶された承認者の一覧を表示し、メールの送信を承認する承認者を選択させ、承認されるまでメールの送信を保留状態とするメール送受信プログラムが存在する(特許文献1の0073~0076段落、図13、及び、0090~0091段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許4299281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
少なくとも一の承認者の承認によって電子メールが配送される場合、電子メールを滞りなく速やかに承認される機会を与えるために承認者が複数存在することが好ましいが、特許文献1に示す従来技術は、差出人(差出元のユーザ、送信者)が複数の承認者を選択判断するものであり、差出人にとって難しい選択であった。つまり、差出人にとって電子メールが滞りなく速やかに承認されるために、適切な複数の承認者を選択判断することは困難であった。
【0007】
また、各承認者においても次のような問題もある。例えば、各承認者は、他の承認者が承認待ちの電子メールをチェックするだろうという期待から、電子メールの承認に対する責任が軽視され、承認チェックが後回しにされる、という問題が生じる。また、各承認者が速やかに自ら承認待ちの電子メールをチェックすることに注力するケースでは、同じときに複数の承認者がチェックした場合において、仮に一の承認者が先に承認指示(或いは否認指示)をしてしまった場合、他の承認者は自ら承認指示(或いは否認指示)しようとする時間が無駄となってしまう事態が生じる。このように、複数の承認者の指示がかち合い、一部の承認者に無駄な時間が生じてしまう問題が発生する。そして、承認指示や否認指示そのものに時間を要すると、電子メールの承認待ちによるビジネス上の支障が生じるという問題も存在する。
【0008】
本願発明は、上述した課題に鑑みたものであり、承認が必要と判定された電子メールについて、電子メールを滞りなく速やかに指示される機会を与え、複数の承認者の指示に伴う作業がかち合う事態を避け、各承認者が自身の役割を考慮した効率的な承認指示又は否認指示を可能とし、電子メールの承認待ちによるビジネス上の支障を減らすことが可能なプログラム及びサーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、
電子メールを配送するサーバのためのプログラムであって、
差出元から送信された電子メールを受け付ける受け付け部と、
所定の条件に基づいて前記電子メールの承認の要否を判定する判定部と、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合に、前記電子メールの配送を保留する保留部と、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合に、複数の承認者のうちの一の代表承認者の選択を受け付ける選択部と、
前記代表承認者に対して、承認要求を通知する通知部と、
前記複数の承認者の少なくとも一の承認者から、保留された前記電子メールの承認指示又は否認指示を受け付ける指示受け付け部と、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合であって、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が承認指示である場合に前記電子メールを配送する制御を行う、又は、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が否認指示である場合に前記電子メールの配送を中止する制御を行う配送部と、
ユーザ毎に、所与の時刻におけるユーザの即応性の程度を示す即応性レベルを算出する即応性レベル算出部と、
ユーザ毎に、所与の時刻と当該時刻におけるユーザの即応性レベルとを教師データとして機械学習を行い、当該時刻と当該時刻におけるユーザの当該即応性レベルとを関連付ける予測モデルを生成する機械学習部として、コンピュータを機能させ、
前記選択部は、
複数の承認者それぞれの予測モデルを用いて、保留された電子メールの保留時刻から当該複数の承認者それぞれの即応性レベルを取得し、当該複数の承認者それぞれの即応性レベルに基づき、当該複数の承認者の中から一の代表承認者を選択することを特徴とするプログラムに関する。
【0010】
また、本発明は、前記プログラムを記憶した情報記憶媒体に関する。また、本発明は、前記プログラムを記憶した記憶部と、前記プログラムを実行するためのプロセッサと、を備えるサーバに関する。
【0011】
本発明は、所定の条件に基づいて電子メールの承認が必要と判定された電子メールについて、承認されるまでメールの配送を保留するので、不適切な電子メールの送信を事前に防止することができる。
【0012】
特に、本発明は、次のような効果がある。つまり、本発明によれば少なくとも代表承認者に対して承認要求(例えば、承認要求メール)を通知するので、保留された電子メールを滞りなく速やかに承認又は否認の指示を行うための機会を与えることができる。例えば、保留された電子メールの存在について、少なくとも代表承認者は気が付いてくれるので、電子メールが遅滞される事態を防ぐことができる。
【0013】
また、本発明によれば、例えば、複数の承認者A、B、Cが存在する場合に、代表承認者がAであるとすると、代表承認者Aが主として積極的に承認指示或いは否認指示を行う役割となり、承認者B、Cは、代表承認者Aが何らかの理由で承認指示或いは否認指示を行うことができない場合に、代わりに承認指示或いは否認指示を行う補助的な役割となる。つまり、承認者B、Cは補助的な役割であることが明確であるため、自身の業務に専念でき、指示に伴う作業がかち合うことを避けることができる。その結果、本発明は、電子メールの承認待ちに伴うビジネス上の支障を極力減らすことができ、各承認者が自身の役割を考慮した効率的な承認或いは否認の指示を可能とすることができる。
【0014】
また、本発明によれば、ユーザ毎に、所与の時刻と当該時刻におけるユーザの即応性レベルとを教師データとして機械学習を行い、所与の時刻と当該時刻におけるユーザの当該即応性レベルとを関連付ける予測モデルを生成するので、例えば、予測モデルを用いた種々の処理が可能となる。
【0015】
そして、本発明によれば、複数の承認者それぞれの予測モデルを用いて、保留された電子メールの保留時刻から当該複数の承認者それぞれの即応性レベルを取得し、当該複数の承認者それぞれの即応性レベルに基づき、当該複数の承認者の中から一の代表承認者を選択することが可能となる。例えば、ユーザによって代表承認者を選択する手間を省くことができる。
【0016】
(2)また、本発明のプログラム、情報記憶媒体及びサーバは、
前記通知部は、
前記代表承認者の情報を、前記差出元のユーザに通知するようにしてもよい。
【0017】
本発明によれば、予測モデルを用いて一の代表承認者が選択された場合、当該代表承認者の情報を差出元のユーザに知らせることができる。
【0018】
(3)また、本発明のプログラム、情報記憶媒体及びサーバは、
前記選択部は、
前記差出元のユーザから、前記代表承認者を除く他の承認者のうちの一の承認者を新たな代表承認者とする変更を受け付けるようにしてもよい。
【0019】
本発明によれば、差出元のユーザは、代表承認者が何らかの事情で承認チェックをできないことを知った場合、差出元のユーザ自身が、別の承認者に代表を変更することができる。したがって、保留された電子メールを滞りなく速やかに承認又は否認の指示を行うための機会を与えることができる。
【0020】
(4)また、本発明のプログラム、情報記憶媒体及びサーバは、
複数の承認者それぞれの予測モデルを用いて、保留された電子メールの保留時刻から当該複数の承認者それぞれの即応性レベルを取得し、当該複数の承認者それぞれの即応性レベルに基づき、当該複数の承認者の中から一の代表承認者候補を抽出する抽出部として、コンピュータを更に機能させ、
前記通知部は、
前記抽出部によって抽出された代表承認者候補の情報を、前記差出元のユーザに通知し、
前記選択部は、
前記通知部によって、前記代表承認者候補の情報を前記差出元のユーザに通知後、差出元のユーザから、複数の承認者のうちの一の代表承認者の選択を受け付けるようにしてもよい。
【0021】
本発明によれば、複数の承認者それぞれの予測モデルを用いて、保留された電子メールの保留時刻から当該複数の承認者それぞれの即応性レベルを取得し、当該複数の承認者それぞれの即応性レベルに基づき、当該複数の承認者の中から一の代表承認者候補を抽出することが可能となる。そして、本発明は、抽出された代表承認者候補の情報を差出元のユーザに通知するので、差出元のユーザは、代表承認者候補を考慮して簡易に代表承認者を選択することができる。
【0022】
(5)また、本発明のプログラム、情報記憶媒体及びサーバは、
保留された電子メールの保留時刻と、当該電子メールについて承認指示又は否認指示を受け付けた際の代表承認者の情報と、当該承認指示又は当該否認指示を受け付けた指示時刻とを記憶する記憶部として、コンピュータを更に機能させ、
前記即応性レベル算出部は、
当該電子メールの保留時刻から指示時刻までの保留期間に応じて、当該保留時刻における当該代表承認者の即応性レベルを算出するようにしてもよい。
【0023】
本発明によれば、実際に承認指示又は否認指示を行った代表承認者に対して、保留期間に応じて、当該代表承認者の即応性レベルを算出するので、即応性レベルを精度よく算出することができる。
【0024】
(6)また、本発明のプログラム、情報記憶媒体及びサーバは、
前記即応性レベル算出部は、
代表承認者が変更された場合には、代表承認者が変更された変更時刻から指示時刻までの保留期間に応じて、当該保留時刻における変更後の代表承認者の即応性レベルを算出するようにしてもよい。
【0025】
本発明によれば、新たな代表承認者に対して、変更時刻から指示時刻までの保留期間に応じて、変更後の代表承認者の即応性レベルを算出するので、即応性レベルを精度よく算出することができる。
【0026】
(7)また、本発明のプログラム、情報記憶媒体及びサーバは、
前記即応性レベル算出部は、
ユーザの行動情報に基づき、所与の時刻における当該ユーザの即応性レベルを算出するようにしてもよい。
【0027】
本発明によれば、ユーザの行動情報に基づき、所与の時刻における当該ユーザの即応性レベルを精度よく算出することができる。
【0028】
なお、「行動情報」とは、例えば、出勤情報、位置情報、スケジュール情報等とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本実施形態のサーバの機能ブロックの例。
図2】本実施形態のサーバの処理の概要を示した図。
図3】本実施形態の差出元のユーザIDと承認者のユーザIDとの対応関係を説明するための図。
図4】本実施形態の代表承認者を選択するための電子メール(通知メール、選択画面)の一例。
図5】本実施形態の承認要求メールの一例。
図6】本実施形態の一覧画面の一例。
図7】本実施形態に指示受け付け画面の一例。
図8A】本実施形態のフローチャートの一例。
図8B】本実施形態のフローチャートの一例。
図9】本実施形態の電子メールの配送処理を説明するための図。
図10】本実施形態の電子メールの配送処理を説明するための図。
図11】本実施形態の機械学習アルゴリズムに入力する教師データであるデータセットの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0031】
1.構成
図1は、本実施形態のサーバ10の機能ブロック図の一例である。なお本実施形態のサーバ10は、図1の各部を全て含む必要はなく、その一部を省略した構成としてもよい。
【0032】
記憶部170は、処理部100などのワーク領域となるもので、記憶部170には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。
【0033】
記憶部170は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、RAM(VRAM)、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)等、によりコンピュータにより読み取り可能な情報記憶媒体で実現できる。
【0034】
本実施形態の記憶部170には、ユーザDB172(DBはデータベースの略、以下同様。)、保留メール格納領域173、履歴DB174、ルールDB175が記憶される。
【0035】
ユーザDB172には、ユーザ識別情報(ユーザID)に対応付けてユーザ(例えば、社員)のメールアドレス、ユーザ用表示制御の画面へのログインパスワード等が記憶される。
【0036】
保留メール格納領域173には、保留されたメール識別情報(保留メールID、承認メールIDともいう。)に対応付けて、承認が必要と判定された電子メール(保留メール)が記憶される。
【0037】
履歴DB174には、履歴識別情報(履歴ID)に対応付けて配送又は配送中止の処理がなされた電子メールの状態等が記憶される。つまり、履歴DB174には、承認又は否認の指示に基づき配送又は配送中止がなされた電子メールの情報が蓄積して記憶される。なお、履歴DB174には、各電子メールに対応付けて、当該電子メールの指示内容(承認指示又は否認指示)、承認指示又は否認指示を受け付けた際の代表承認者の情報、当該承認指示又は当該否認指示を受け付けた指示時刻、当該電子メールの配送時刻又は配送中止時刻を記憶してもよい。
【0038】
ルールDB175には、ルール識別情報(ルールID)に対応付けて、承認要否を判断するための所定の条件(ルール情報、ともいう。)等が記憶される。
【0039】
処理部100は、記憶部170に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。
【0040】
処理部100(プロセッサ)は、記憶部170内の主記憶部をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0041】
処理部100は、メール処理部(MTA)110と、Web処理部120と、データベース処理部130とを含む。
【0042】
メール処理部110は、SMTPを通じてネットワーク上で電子メールの受信と配送(送信)を行う。本実施形態のメール処理部110は、受け付け部111、判定部112、解析部113、保留部114、選択部115、通知部116、指示受け付け部117、配送部118を含む。
【0043】
受け付け部111は、端末20のMUA211によって、差出元(差出人、差出元に対応するユーザの端末、差出人の端末)から送信され、エンベロープの宛先が指定された電子メールを受け付ける処理を行う。受け付け部111は、同一内容の電子メールに対して複数の宛先が指定された電子メールを受け付けてもよい。
【0044】
判定部112は、所定の条件に基づいて、電子メールの承認の要否を判定する。つまり、判定部112は、受け付け部111によって受け付けた電子メールを、所定の条件に基づいて承認が必要か否かを判定する。例えば、電子メールの宛先が組織外へ送信されることを所定の条件としてもよい。また、電子メールのメッセージ(本文や添付ファイル)に「秘密」などの特定文字列が含まれることを、所定の条件としてもよい。
【0045】
判定部112は、複数の宛先が指定された電子メールについて、宛先毎に、所定の条件に基づいて電子メールの承認の要否を判定してもよい。
【0046】
また、判定部112は、電子メールの宛先にメーリングリストのメールアドレスが指定されている場合に、当該メーリングリストに登録された参加者の宛先毎に、所定の条件に基づいて、電子メールの承認の要否を判定してもよい。
【0047】
解析部113は、受け付けた電子メールを解析する処理を行う。例えば、エンベロープの宛先(エンベロープTo)、エンベロープの差出元(エンベロープFrom)、メッセージのヘッダ、メッセージのボディの本文部分を解析する処理を行う。例えば、エンベロープの宛先のうちドメインを抽出したり、メッセージのヘッダのうち、To、Cc、Bcc、Subjectを抽出する処理を行う。また、メッセージのボディ部分のうち、本文、添付ファイル等を抽出する処理を行う。
【0048】
保留部114は、電子メールの承認が必要と判定された場合に、当該電子メールの配送を保留する。つまり、保留部114は、電子メールの承認が必要と判定された場合に、複数の承認者の中の少なくとも一の承認者から、電子メールの承認指示を受け付けるまで、電子メールの配送を保留する。なお、複数の承認者は、差出元のユーザに対応付けて予め定義されたユーザ(例えば、差出人の上長等)でもよいし、電子メールの内容に基づき決められたユーザであってもよい。
【0049】
また、保留部114は、複数の宛先が指定された電子メールについて、承認が必要と判定された宛先について、当該宛先への電子メールの配送を保留する。
【0050】
また、保留部114は、電子メールの宛先にメーリングリストのメールアドレスが指定されている場合に、承認が必要と判定された参加者の宛先について、当該電子メールの配送を保留する。
【0051】
選択部115は、電子メールの承認が必要と判定された場合に、複数の承認者のうちの一の代表承認者の選択を受け付ける。
【0052】
例えば、選択部115は、電子メールの承認が必要と判定された場合に、差出元のユーザから、複数の承認者のうちの一の代表承認者の選択を受け付けるようにしてもよい。
【0053】
また、選択部115は、電子メールの承認が必要と判定された場合に、複数の承認者の行動情報に基づいて、当該複数の承認者のうちの一の代表承認者の選択を受け付けるようにしてもよい。
【0054】
また、選択部115は、代表承認者から代表辞退を受け付けてもよい。そして、選択部115は、例えば、代表承認者であるユーザAから、代表承認者Aを除く他の承認者(例えば、ユーザB、C)のうちの一の承認者の選択を受け付けた場合、ユーザAから代表辞退があったとみなしてよい。そして、選択部115は、代表承認者Aに代えて選択された一の承認者を新たな代表承認者とする。
【0055】
通知部116は、代表承認者に対して、承認要求(例えば、承認要求メール)を通知する。なお、通知部116は、配送を中止した電子メールについて差出人に配送中止の通知を行う。
【0056】
また、通知部116は、選択部115によって辞退を申し出た代表承認者(例えば、ユーザA)から一の承認者(例えば、ユーザB)の選択を受け付けた場合に、選択された一の承認者(例えば、ユーザB)である新たな代表承認者に対して承認要求を通知するようにしてもよい。
【0057】
指示受け付け部117は、複数の承認者の少なくとも一の承認者から、保留された電子メールについての承認指示又は否認指示を受け付ける処理を行う。
【0058】
配送部118は、電子メールを配送する。特に、本実施形態の配送部118は、電子メールの承認が必要と判定された場合であって、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が承認指示である場合に前記電子メールを配送する制御を行う、又は、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が否認指示である場合に前記電子メールの配送を中止する制御を行う。
【0059】
Web処理部120は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)を通じて、端末20にインストールされているWebブラウザ210などのクライアントソフトウエアの要求に応じてHTML(Hyper Text Markup
Language)文書や画像などのデータを送信(提供)する処理、端末のWebブラウザ210において受け付けたデータを受信する処理を行う。そして、サーバ10は、管理者やユーザの各端末から受信した情報に基づき、保留メールの処理、DBの更新処理等を行う。
【0060】
管理者用表示制御部(管理者用UI部(UIはユーザインターフェースの略、以下同様。))121は、管理者の端末20のWebブラウザ210からのアクセス要求に応じて管理設定用のデータ等を管理者の端末20に送信(提供)する処理を行い、端末20から情報を受信する処理を行う。
【0061】
つまり、管理者用表示制御部121は、管理者からの入力に基づいて、各データをDBへ追加、削除、更新処理等を行う。なお、管理者用の画面(Webページ、URL)へのアクセスは、管理者のみに権限が与えられる。なお、URLは、Uniform Resource Locatorの略である)。また、URLを照会アドレスと呼んでもよい。
【0062】
ユーザ用表示制御部(ユーザ用UI部)122は、ログイン処理や、端末20のWebブラウザ210からの要求に応じて、ログインしたユーザに関連する画面(例えば、代表承認者を選択するための選択画面、一覧画面、指示受け付け画面等)を、当該ユーザに提供(提示)する処理を行う。
【0063】
ユーザ用表示制御部122は、差出人用表示制御部123、承認者用表示制御部124を含む。
【0064】
また、差出人用表示制御部123は、差出元のユーザの端末から保留メールの処理の情報を閲覧する要求を受信した場合に、保留メールの画面を端末に表示する制御を行う(例えば、サーバ10が、「表示する」或いは「表示する制御」とは、例えば、Webページのデータを端末に送信する処理を行うこと等である。以下同様。)。
【0065】
保留メールの画面に表示される情報とは、例えば、電子メールのメッセージやエンベロープ等の情報、及び、電子メールの状態(承認待ち、配送済(承認)、配送中止(否認)等)を示す情報である。なお、本実施形態では、メールが送信や削除されても、そのメール本文の複製(コピー)のデータを記憶部(格納領域)に記憶し、ユーザが後で閲覧できるように制御してもよい。
【0066】
また、差出人用表示制御部123は、差出元のユーザの端末から代表承認者を選択するための選択画面を閲覧する要求を受信した場合に、選択画面を端末に表示する制御を行う。
【0067】
承認者用表示制御部124は、承認者毎に、承認指示又は否認指示を行うことを要する承認待ちの電子メールの一覧画面を表示する制御と、前記一覧画面の中から承認者によって選択された一の電子メールについて、当該承認者が承認指示又は否認指示を行うための指示受け付け画面を表示する制御とを行う。つまり、承認者用表示制御部124は、自身が承認者であるユーザの端末から一覧画面を閲覧する要求を受信した場合に、一覧画面を当該端末に表示する制御を行う。また、承認者用表示制御部124は、自身が承認者であるユーザの端末から指示受け付け画面を閲覧する要求を受信した場合に、指示受け付け画面を当該端末に表示する制御を行う。
【0068】
承認者用表示制御部124は、承認待ちの電子メールについて、他の承認者が前記指示受け付け画面を閲覧していることを示す閲覧状況を、前記一覧画面及び前記指示受け付け画面の少なくとも一方に表示する。
【0069】
データベース処理部130は、データベースに格納されているデータを、登録、更新、削除する処理を行う。例えば、データベース処理部130は、管理者用表示制御部121、ユーザ用表示制御部122において、端末20から受信したデータに基づいて、データベースを更新する処理を行う。
【0070】
なお、メール処理部110、Web処理部120、データベース処理部130は1つの装置で実行させてもよいし、処理の用途に応じて異なる装置に分散して各処理を実行させるようにしてもよい。
【0071】
2.概要
図2は、本実施形態のサーバ10の処理の流れの概要を示す。本実施形態のサーバ10は、配送処理に用いるエンベロープの宛先及びエンベロープの差出元、メッセージとからなる電子メールを受け付け、当該電子メールを配送するMTA機能を有する。
【0072】
まず、本実施形態のサーバ10は、差出人(差出元のユーザ)Xの端末20のMUAから送信された電子メールを受け付け、受け付けた電子メールを解析して電子メールの承認の要否を判断する。
【0073】
サーバ10は、承認しないと判断した場合には電子メールを配送する処理を行う。一方、サーバ10は、承認が必要(つまり配送を保留)と判断した場合には電子メールの配送を保留する処理を行う。つまり、本実施形態のサーバ10によれば、所定の条件(承認用のルール)を満たす場合、電子メールを差出人X以外の承認者に見直す機会を与え、誤送信を防止することができる。なお、本実施形態の承認者は、差出人と異なるユーザである。
【0074】
ここで、MTAが、電子メールを配送するとは、SMTPを通じて、受け付けた電子メールを他のMTAに配送する処理や、メールサーバが稼動する同一システム内にアカウントを持つユーザ宛に配送するためのローカル配信エージェントMDA(Mail Delivery Agent)に配送する処理、MDAを介せずにメールサーバが稼動する同一システム内にアカウントを持つユーザ宛に配送する場合も含む。
【0075】
そして、サーバ10は、差出人Xから、差出人Xに対応付けられた複数の承認者A、B、Cのうちの一の代表承認者の選択を受け付ける。つまり、差出人Xは、承認が必要と判定された電子メールについて、一人の代表承認者を選定する。
【0076】
代表承認者が選択されると、サーバ10は、代表承認者に対して、承認要求メールを通知する。例えば、代表承認者がユーザAであるとすると、サーバ10は、代表承認者Aの端末に、承認要求メールを通知する。
【0077】
サーバ10は、最も早く承認者から指示を受信したタイミングで、その指示に従い電子メールを配送又は配送中止する。例えば、サーバ10は、承認者A、B、Cのうち承認者A(代表承認者A)から最も早く承認指示を受け付けた場合、代表承認者Aから承認指示を受け付けたタイミングに、電子メールを配送する。一方、サーバ10は、承認者A、B、Cのうち承認者A(代表承認者A)から最も早く否認指示を受け付けた場合、代表承認者Aから否認指示を受け付けたタイミングに、電子メールの配送を中止する制御を行う。なお、配送を中止するとは、電子メールの配送を禁止することを意味する。サーバ10は、配送を中止された電子メールデータそのものについて削除してもよい。
【0078】
つまり、サーバ10は、複数の承認者のうち承認者から最も早く受け取った指示を優先的に適用し、当該指示が承認指示である場合には、電子メールを配送し、当該指示が否認指示である場合には電子メールの配送を中止する。
【0079】
このように本実施形態によれば、代表承認者Aが主として積極的に承認指示或いは否認指示を行う役割となり、承認者B、Cは、代表承認者Aが何等かの理由で承認指示或いは否認指示を行うことができない場合に、代わりに承認指示或いは否認指示を行う補助的な役割となる。つまり、承認者B、Cは補助的な役割であるため自身の業務に専念できる。
【0080】
特に、近年の電子メールの利用は多く、承認待ちのメールが大量にある場合に、承認者は保留中の各電子メールを裁くことに時間を要することが多い。本実施形態によれば、代表承認者に特化して承認または否認の指示を積極的に行う役割を担うようにしたので、各承認者は役割を意識して効率よく自身の業務に専念することができる。
【0081】
3.承認の要否判定処理
サーバ10は、所定の条件に基づいて電子メールの承認の要否を判定する。例えば、本実施形態では、電子メールのエンベロープの宛先(エンベロープTo)、エンベロープの差出元(エンベロープFrom)、電子メールのメッセージのヘッダ、メッセージのボディの少なくとも一つを参照して承認の要否を判定する。
【0082】
ここで、電子メールのエンベロープとは、SMTPセッションにおいて、端末(MUA)がサーバに対して送信する宛先(エンベロープTo)と、差出元(エンベロープFrom)である。つまり、サーバが電子メールを配送する際に使用するメールアドレスである。なお、エンベロープToは、電子メールのメッセージデータに含まれるヘッダのTo、Cc、Bccと異なる情報となることもあり、エンベロープFromは、電子メールのメッセージデータに含まれるヘッダのFromと異なる情報となることもある。
【0083】
例えば、本実施形態では、エンベロープの宛先が外部メールアドレスであること(エンベロープの宛先が組織外であること)を所定の条件の一例とし、エンベロープの宛先が外部メールアドレスである場合(エンベロープの宛先が組織外である場合)に、承認を必要と判定し、エンベロープの宛先が内部メールアドレスである場合(エンベロープの宛先が組織内である場合)に、承認を不要と判定する。
【0084】
本実施形態のサーバは、エンベロープの宛先のメールアドレスのドメインが、予め登録されたネットワークシステム(組織内、社内システム)のドメイン(又はサブドメイン)ではない場合、当該メールアドレスを「外部メールアドレス」として判定する。
【0085】
また、本実施形態のサーバは、エンベロープの宛先のメールアドレスのドメインが、予め登録されたネットワークシステム(組織内、社内システム)ドメイン(又はサブドメイン)である場合、当該メールアドレスを「内部メールアドレス」として判定する。
【0086】
具体的に説明すると、サーバ10は、予め登録されたネットワークシステムのドメインが「xxx.ne.jp」である場合に、電子メールの宛先のメールアドレスが「abc@yyy.com」である場合には、「abc@yyy.com」は外部メールアドレスであるので承認が必要である判定する。一方、宛先のメールアドレスが「def@xxx.ne.jp」である場合には、「def@xxx.ne.jp」は内部メールアドレスであるので承認が不要であると判定する。
【0087】
つまり、サーバ10は、電子メールのエンベロープの宛先のドメインが予め登録されたネットワークシステムのドメインか否かを判断し、電子メールのエンベロープの宛先のドメインが予め登録されたネットワークシステムのドメインである場合には承認不要(保留不要)と判断し、当該宛先への電子メールを即時配送する処理を行い、電子メールのエンベロープの宛先のドメインが予め登録されたネットワークシステムのドメインでない場合には当該宛先への電子メールの承認が必要となり配送を保留する。
【0088】
本実施形態のサーバ10は、保留された電子メールのデータを記憶部170の保留メール格納領域173に記憶する処理を行っている。
【0089】
また、本実施形態のサーバ10は、承認者の承認が必要な保留メールは、少なくとも一の承認者から承認指示又は否認指示が得られるまで永続的に保留メール格納領域に保存される。
【0090】
なお、サーバ10は、承認の要否を判定するための所定の条件を種々設定可能である。例えば、電子メールのメッセージのヘッダ、メッセージのボディに所定の文字列(例えば、「社外秘」などの文字列)がある場合を所定の条件と設定してもよいし、添付ファイルが存在する場合を所定の条件としてもよい。例えば、サーバ10は、管理者又はユーザからの入力情報に基づいて、承認の要否を判定するための所定の条件を決めて制御する。
【0091】
4.代表承認者の選択
サーバ10は、電子メールの承認が必要と判定された場合に、差出元のユーザXから、複数の承認者A、B、Cのうちの一の代表承認者の選択を受け付ける。
【0092】
例えば、サーバ10は、図3に示すように、ユーザ毎に差出元のユーザIDに対応付けて予め複数の承認者ユーザIDを記憶する。このようにすれば、差出人は承認者を決める手間を取らせないようにすることができる。また、本実施形態では複数の承認者を決めることにより、一の承認者が何らかの理由で承認の認否ができない場合でも他の承認者が認否できるようにしている。
【0093】
図4は、差出元のユーザXが代表承認者を選択するための電子メール(通知メール)60の一例を示す。差出元のユーザXは、電子メール60において、各承認者に対応付けられたURL65A、65B、65Cのいずれかをクリックすることによって代表承認者を選択できる。なお、当該通知メールをWebメールとして閲覧可能としてもよい。また、サーバ10は、差出元のユーザXの端末20のWebブラウザ等を用いて、ユーザXが代表承認者を選択するための選択画面を表示するように制御してもよい。なお、URL65A、65B、65Cをボタンによって表示するようにしてもよい。
【0094】
代表承認者を選択するための電子メール60では、保留された電子メールで代表承認者の選択が必要であることを示す情報61、保留メールID62、保留された電子メールのメッセージの内容63、代表承認者を選択するための情報64が含まれる。なお、電子メール60に、保留日時を含むようにしてもよい。
【0095】
また、代表承認者を選択するための電子メール60は、差出人Xに対応付けられた複数の承認者(例えば、A、B、C)それぞれに対応するURL65A、65B、65Cを含む。サーバ10は、保留された電子メールの識別情報(例えば、保留メールID=001)と、承認者IDとに基づき各承認者のURLを作成する。
【0096】
差出人Xは、代表承認者にしたいユーザのURLをクリックすることによって選択することができる。サーバ10は、ユーザXからのURL65A、65B、65Cのうちのいずれかのアクセスに基づき、いずれのユーザが代表承認者として選択されたのかを判別することができる。
【0097】
例えば、サーバ10は、URL65Aからのアクセスを検出した場合、アクセス内容に基づき、保留された電子メールの保留メールIDと当該保留メールで選択された承認者を特定することが可能となる。
【0098】
サーバ10は、保留メール毎に、保留メールIDに対応付けて、各承認者のユーザIDと、一名の代表承認者のユーザIDとを記憶して管理する。
【0099】
5.承認要求メールの通知
5.1 承認要求メールの説明
本実施形態のサーバ10は、代表承認者の選択を受け付けた場合に、代表承認者に承認要求メールを通知する処理を行う。つまり、代表承認者に承認要求メールを通知(送信)することによって、保留された電子メールについて、少なくとも代表承認者に対して承認指示又は否認指示する機会を確実に与えることにしている。なお、サーバ10は、代表承認者の選択を受け付けた日時を、当該代表承認者に対する承認要求の発生日時とする。
【0100】
図5は、承認要求メール70の一例を示す。本実施形態のサーバ10が管理する各ユーザは、自身が代表承認者として選択された場合に、承認指示又は否認指示を行う必要がある。
【0101】
例えば、ユーザAが、ユーザXから代表承認者として選択された場合、ユーザAはユーザXの電子メールの承認指示又は否認指示を速やかに行う必要がある。つまり、ユーザXが記載した電子メールの内容に問題なければ速やかに承認指示を行って宛先に送信すべきであるし、当該電子メールの内容に問題があれば、ユーザXに早めに否認指示を行いユーザXの業務が滞ることがないようにすべきである。
【0102】
本実施形態のサーバ10は、代表承認者のユーザ名(ユーザA自身が代表承認者であることを示すメッセージ)71、差出人Xの電子メールの保留メールID72、保留された電子メールの内容73、承認指示又は否認指示を行う指示内容74、他の承認者に関する情報77を含む承認要求メール70を生成する。なお、承認要求メール70に、保留日時や承認要求の発生日時を含むようにしてもよい。
【0103】
そして、サーバ10は、生成した承認要求メール70の宛先を、代表承認者Aのメールアドレス(差出人は、サーバ10の管理者或いはシステム名等)に指定して、当該承認要求メール70を代表承認者Aの端末に通知(送信)する。
【0104】
なお、サーバ10は、承認要求メール70をWebメールとして閲覧可能としてもよい。
【0105】
また、承認要求メール70は、承認指示に対応するURL75、否認指示に対応するURL76を含む。サーバ10は、保留された電子メールの識別情報(例えば、保留メールID=001)、承認者のユーザID及び承認指示を識別する情報等に基づき承認指示に対応するURL75を作成する。保留された電子メールの識別情報(例えば、保留メールID=001)、承認者のユーザID及び否認指示を識別する情報等に基づき否認指示に対応するURL76を作成する。
【0106】
そして、図5に示すように、代表承認者であるユーザAは、保留された電子メールについて承認を行う場合は承認指示のURL75をクリックする。一方、ユーザAは、保留された電子メールについて否認指示を行う場合は否認指示のURL76をクリックする。
【0107】
サーバ10は、ユーザAからのURLのアクセスに基づき、承認指示又は否認指示のいずれであったのかを判別することができる。
【0108】
例えば、サーバ10は、URL75からのアクセスを検出した場合、アクセス内容に基づき、保留された電子メールの保留メールID、承認者及び承認指示の情報を特定することが可能となる。また、サーバ10は、URL76からのアクセスを検出した場合、アクセス内容に基づき、保留された電子メールの保留メールID、承認者及び否認指示の情報を特定することが可能となる。
【0109】
なお、サーバ10は、最先のアクセスを優先的に適用するので、同一人物の承認者Aから承認指示のURL75のアクセスを受け付けた後に、否認指示のURL76のアクセスを受け付けた場合、承認指示を優先的に適用する。
【0110】
また、承認要求メール70には、他の承認者(例えば、ユーザB、C)に関する情報77が含まれるので、代表承認者Aは、自身の他にユーザB、Cが承認者として存在していることを認識することができる。
【0111】
5.2 代表承認者の変更
本実施形態のサーバ10は、代表承認者Aから代表辞退を受け付けることが可能である。例えば、サーバ10は、代表承認者Aから、承認者であるユーザBのURL78、承認者であるユーザCのURL79のいずれかのアクセスを検出した場合に、ユーザAから代表辞退を受け付ける。
【0112】
なお、承認者Bを示すURL78は保留された電子メールの識別情報(例えば、保留メールID=001)、承認者BのユーザID及び代表者変更を識別する情報等に基づき作成され、承認者Cを示すURL79は保留された電子メールの識別情報(例えば、保留メールID=001)、承認者CのユーザID及び代表者変更を識別する情報等に基づき作成される。
【0113】
そして、サーバ10は、URL78のアクセスを検出することによって代表承認者Aから、承認者Bの選択を受け付けた場合、承認者Bを新たな代表承認者とする。そして、サーバ10は、当該代表承認者Bに対して承認要求メールを通知する。一方、サーバ10は、URL79のアクセスを検出することによって代表承認者Aから、承認者Cの選択を受け付けた場合、承認者Cを新たな代表承認者とする。そして、サーバ10は、当該代表承認者Cに対して承認要求メールを通知する。
【0114】
このようにすれば、代表承認者Aが多忙である場合等、何等かの理由で代表を辞退したい場合に代表辞退が可能となる。また、代表辞退があった場合は、新たな代表承認者が選ばれ、新たな代表承認者に承認要求を通知するので、保留された電子メールを滞りなく速やかに承認又は否認の指示を行うための機会を与えることができる。
【0115】
なお、サーバ10は、保留メール(保留メールID=001)の代表承認者が例えばユーザAからユーザBに変更された場合には、代表承認者がユーザAからユーザBに変更されたことを示す情報等を本文とし、差出元のユーザXを宛先とする電子メールを作成して、当該電子メールをユーザXに通知してもよい。
【0116】
サーバ10は、保留メール(保留メールID=001)の代表承認者が例えばユーザAからユーザBに変更された場合において、当該ユーザBに送信した承認要求メールの他の承認者に関する情報77において、新たな代表承認者としてユーザAが選択されないように制御してもよい。つまり、既に代表承認者であった(辞退した)承認者を選択対象外とするように制御する。例えば、新たな代表承認者Bが閲覧する承認要求メールの他の承認者欄77において、ユーザAのURLを表示せずに、ユーザAの名前のみを表示する。なお、当該承認要求メールの他の承認者欄77において、代表者変更可能なユーザCについてはURL79を表示するように制御する。
【0117】
6.承認指示又は否認指示の受け付け
サーバ10は、代表承認者Aから、保留された電子メールについての承認指示又は否認指示を受け付けるが、代表承認者A以外の承認者B、Cから、承認指示又は否認指示を受け付けることもできる。
【0118】
つまり、本実施形態では、電子メールの各承認者A、B、Cそれぞれが、サーバ10にログインして指示受け付け画面を閲覧して承認指示又は否認指示を行うことができる。
【0119】
本実施形態の代表承認者Aは、承認要求メールから指示を行うこともできるし、指示画面によって指示を行うこともできる。一方、代表承認者Aでない承認者B、Cは、端末において承認要求メールを受信しないため、自らサーバ10にログインして指示受け付け画面によってのみ指示を行うことになる。
【0120】
6.1 承認待ち電子メールの一覧画面
図6は、承認者A、B、Cそれぞれの承認待ちの電子メールの一覧画面81A、81B、81Cの一例を示す。
【0121】
図6の例では、サーバ10にログインした承認者Aの端末20に表示される一覧画面81Aでは、差出人X(xxx@xxx.ne.jp)が送信した電子メール(保留メールID=001の電子メール)だけでなく、他の電子メールも承認待ちとして表示されている。なお、サーバ10にログインした承認者Bの端末20に表示される一覧画面81B、サーバ10にログインした承認者Cの端末20に表示される一覧画面81Cにおいても、差出人X(xxx@xxx.ne.jp)が送信した電子メール(保留メールID=001の電子メール)の他に、他の電子メールも承認待ちとして表示されている。
【0122】
例えば、図6に示すように、承認者Aが差出人「xxx@xxx.ne.jp」の電子メール(保留メールID=001の電子メール)について検討ボタン83Aをクリックすると、サーバ10は、当該電子メールの選択を受け付け、当該電子メールの指示受け付け画面を、承認者Aの端末20に表示するように制御する。
【0123】
また、図6に示すように、サーバ10は、一覧画面において各承認待ちの電子メールの代表承認者(代表承認者のユーザ名、ユーザID、略称、マーク等)、他の承認者の「閲覧状況」を表示する。閲覧状況については後述する。
【0124】
6.2 指示受け付け画面
承認者A、B、Cそれぞれの指示受け付け画面には、一の承認待ちの電子メールの内容が表示される。
【0125】
図7は、承認者Aの端末20に表示される指示受け付け画面90の一例を示す。例えば、サーバ10は、代表承認者のユーザ名91、差出人Xの電子メールの保留メールID92、保留された電子メールの内容93、承認指示又は否認指示を行うための指示内容94、他の承認者の閲覧状況97、を含む指示受け付け画面90を生成する。なお、指示受け付け画面90に、保留日時を含むようにしてもよい。
【0126】
また、サーバ10は、保留された電子メールの識別情報(例えば、保留メールID=001)と、承認者のユーザID及び承認指示を識別する情報とに基づき承認指示に対応するURL95を作成する。保留された電子メールの識別情報(例えば、保留メールID=001)と、承認者のユーザID及び否認指示を識別する情報とに基づき否認指示に対応するURL96を作成する。
【0127】
例えば、図7に示すように、承認者であるユーザAは、保留された電子メールについて承認を行う場合は承認指示のURL95をクリックする。一方、ユーザAは、保留された電子メールについて否認指示を行う場合は否認指示のURL96をクリックする。
【0128】
サーバ10は、ユーザAからのURLのアクセスに基づき、承認指示又は否認指示のいずれであったのかを判別することができる。
【0129】
例えば、サーバ10は、URL95からのアクセスを検出した場合、アクセス内容に基づき、保留された電子メールの保留メールID、承認者及び承認指示の情報を特定することが可能となる。また、サーバ10は、URL96からのアクセスを検出した場合、アクセス内容に基づき、保留された電子メールの保留メールID、承認者及び否認指示の情報を特定することが可能となる。
【0130】
また、他の承認者Bは、図6に示す一覧画面81Bの検討ボタンをクリックすることによって、承認待ちの各電子メールの指示受け付け画面を閲覧することができ、承認指示又は否認指示することができる。また、他の承認者Cは、図6に示す一覧画面81Cの検討ボタンをクリックすることによって、承認待ちの各電子メールの指示受け付け画面を閲覧することができ、承認指示又は否認指示することができる。
【0131】
なお、指示受け付け画面90の各URL95、96をボタンによって表示するようにしてもよい。
【0132】
また、サーバ10は、承認要求メールの承認指示のURL75、否認指示のURL76、及び、指示受け付け画面の各承認者の承認指示のURL95、否認指示のURL96のうち、最先のアクセスを優先的に適用する。
【0133】
つまり、サーバ10は、同一の電子メール(例えば、保留メールID=001)について最先のアクセスを検出した場合、アクセス内容に基づき、特定された指示を優先適用する。また、承認者の混乱を避けるため、電子メール(例えば、保留メールID=001)最先の指示(承認指示又は否認指示)を受け付けた後、当該電子メール(例えば、保留メールID=001)を一覧画面から削除するように制御する。
【0134】
6.3 閲覧状況
サーバ10は、承認待ちの電子メールについて、他の承認者が指示受け付け画面を閲覧していることを示す閲覧状況を、一覧画面及び指示受け付け画面の少なくとも一方に表示する。
【0135】
また、サーバ10は、他の承認者の閲覧状況に応じて、他の承認者が閲覧中の電子メールの閲覧を禁止してもよい。例えば、サーバ10は、承認者Aが保留メールID=001の電子メールを閲覧中である場合、承認者Aの後にログインした承認者Bの一覧画面又は指示受け付け画面において、保留メールID=001の電子メールの閲覧を禁止してもよい。
【0136】
また、サーバ10は、他の承認者の閲覧状況に応じて、他の承認者が閲覧中の閲覧のみを行わせ、承認指示及び否認指示を行わせないように制御してもよい。例えば、サーバ10は、承認者Aが保留メールID=001の電子メールを閲覧中である場合、承認者Aの後にログインした承認者Bの一覧画面又は指示受け付け画面において、保留メールID=001の電子メールの閲覧のみを行わせ、承認指示のURL及び否認指示のURLを非表示にし、承認指示及び否認指示を禁止するように制御してもよい。
【0137】
ここで「閲覧状況」とは、他の承認者が指示受け付け画面を閲覧していることを意味し、例えば、他の承認者が、当該他の承認者がログインした指示受け付け画面を閲覧している場合に、一の承認者の一覧画面又は指示受け付け画面の少なくとも一方において、当該他の承認者を示すマークを赤色で表示する。一方、当該他の承認者がログインした指示受け付け画面を閲覧していない場合に、一の承認者の一覧画面又は指示受け付け画面の少なくとも一方において、当該他の承認者を示すマークを白色で表示する。
【0138】
なお、「閲覧状況」は、色によって識別するマークでなくてもよい。例えば、「閲覧状況」は、他の承認者に対応付けて閲覧の有無を示すメッセージ(「閲覧しています」又は「閲覧していません」などのメッセージ)でもよい。
【0139】
例えば、サーバ10は、代表承認者Aが閲覧する一覧画面81Aにおいて、一覧画面81Aの表示タイミング(又はリアルタイム)に、他の承認者B、Cが指示受け付け画面(他の承認者が閲覧する指示受け付け画面)を閲覧しているか否かを判断する。そして、承認者Bが指示受け付け画面を閲覧している場合に、承認者Bを示すマークを赤色で表示し、承認者Bが指示受け付け画面を閲覧していない場合に、承認者Bを示すマークを白色で表示する。承認者Cについて同様に承認者Cの閲覧有無に基づきマークの表示色を決定する。
【0140】
図6の例では、承認者Aの一覧画面81Aにおいて、差出人「xxx@xxx.ne.jp」の電子メール(例えば、保留メールID=001)について、「他の承認者の閲覧状況」の欄においてユーザBのマークが白色で表示され、ユーザCのマークが白色で表示されており、ユーザB及びユーザC共に指示受け付け画面を閲覧していないことを示している。したがって、承認者Aに対して、当該電子メールについて指示を行うよう促すことができる。
【0141】
また、承認者Bの一覧画面81Bにおいて、差出人「xxx@xxx.ne.jp」の電子メール(例えば、保留メールID=001)について、「他の承認者の閲覧状況」の欄において、ユーザAのマークが赤色表示されており、ユーザAが承認者として閲覧していることを示している。また、ユーザCのマークが白色で表示されており、ユーザCが指示受け付け画面を閲覧していないことを示している。したがって、承認者Bに対して、当該電子メールは指示を行わないようにし、例えば、ユーザB自身が代表承認者であり、誰も閲覧していない保留メールID=003の電子メールについて、指示を行うよう促すことができる。
【0142】
また、承認者Cの一覧画面81Cにおいて、差出人「xxx@xxx.ne.jp」の電子メール(例えば、保留メールID=001)について、「他の承認者の閲覧状況」の欄において、ユーザAのマークが赤色表示されており、ユーザAが承認者として閲覧していることを示している。また、ユーザBのマークが白色で表示されており、ユーザBが指示受け付け画面を閲覧していないことを示している。したがって、承認者Cに対して、当該電子メールは指示を行わないように促すことができる。なお、承認者Cは、承認待ちメールについて全て他の承認者が閲覧している状況となっており、承認者C自身が指示すべき承認待ちの電子メールは今のところ存在しないので、自身の他の業務に専念するよう働きかけることができる。
【0143】
また、サーバ10は、各承認者の指示受け付け画面において、他の承認者の閲覧状況を表示してもよい。例えば、サーバ10は、代表承認者Aが閲覧する指示受け付け画面90において、指示受け付け画面90の表示タイミング(又はリアルタイム)に、他の承認者B、Cが自身でログインした指示受け付け画面を閲覧しているか否かを判断する。そして、承認者Bが指示受け付け画面を閲覧している場合に、承認者Bを示すマークを赤色で表示し、承認者Bが指示受け付け画面を閲覧していない場合に、承認者Bを示すマークを白色で表示する。承認者Cについて同様に承認者Cの閲覧有無に基づきマークの表示色を決定する。
【0144】
例えば、図7に示すように、承認者Aが閲覧する指示受け付け画面90の他の承認者の閲覧状況97において、ユーザBが閲覧していないことを示す白色のマーク98、ユーザCが閲覧していないことを示す白色のマーク99を表示する。
【0145】
このように、本実施形態によれば、他の承認者の閲覧状況を表示することによって、複数の承認者の指示に伴う作業がかち合うことを避けることができ、電子メールの承認に伴うビジネス上の支障を極力減らすことができ、効率的な承認或いは否認の指示を可能とすることができる。
【0146】
6.4 代表承認者の変更
本実施形態のサーバ10は、一覧画面や指示受け付け画面においても、代表承認者の変更を行えるように制御してもよい。
【0147】
例えば、図6に示すように、代表承認者Aが閲覧する一覧画面81Aにおいて、代表承認者Aから、承認者であるユーザBのマーク98、承認者であるユーザCのマーク99のいずれかのアクセスを検出した場合に、ユーザAから代表辞退を受け付ける。
【0148】
また、図7に示すように、代表承認者Aが閲覧する指示受け付け画面90において、代表承認者Aから、承認者であるユーザBのマーク98、承認者であるユーザCのマーク99のいずれかのアクセスを検出した場合に、ユーザAから代表辞退を受け付ける。
【0149】
なお、承認者Bを示すマーク98は、URLにリンクされたボタン(ハイパーリンク)であり、保留された電子メールの識別情報(例えば、保留メールID=001)、承認者BのユーザID及び代表者変更を識別する情報等に基づき作成される。また、承認者Cを示すマーク99は、URLにリンクされたボタン(ハイパーリンク)であり、保留された電子メールの識別情報(例えば、保留メールID=001)、承認者CのユーザID及び代表者変更を識別する情報等に基づき作成される。
【0150】
そして、サーバ10は、一覧画面81A又は指示受け付け画面90において、マーク98によるアクセスを検出することによって代表承認者Aから、承認者Bの選択を受け付けた場合、承認者Bを新たな代表承認者とする。そして、サーバ10は、当該代表承認者Bに対して承認要求メールを通知する。一方、サーバ10は、マーク99によるアクセスを検出することによって代表承認者Aから、承認者Cの選択を受け付けた場合、承認者Cを新たな代表承認者とする。そして、サーバ10は、当該代表承認者Cに対して承認要求メールを通知する。
【0151】
なお、サーバ10は、一覧画面や指示受け付け画面において、保留メール(保留メールID=001)の代表承認者が例えばユーザAからユーザBに変更された場合においても、代表承認者がユーザAからユーザBに変更されたことを示す情報を本文とし、差出元のユーザXを宛先とする電子メールを作成して、当該電子メールをユーザXに通知してもよい。
【0152】
サーバ10は、保留メール(保留メールID=001)の代表承認者が例えばユーザAからユーザBに変更された場合において、各承認者A、B、Cが閲覧する一覧画面又は指示受け付け画面において、新たな代表承認者としてユーザAが選択されないように制御してもよい。つまり、既に代表承認者であった(辞退した)承認者Aを選択対象外とするように制御する。例えば、新たな代表承認者Bが閲覧する一覧画面81Bにおいて、ユーザAのマークを、URLにリンクしないようにし、ユーザAの名前が識別できるマークのみを表示する。なお、代表者変更可能なユーザCについてはURLにリンクするマーク99を表示するように制御する。
【0153】
7.保留された電子メールの配送又は配送中止の制御
本実施形態のサーバ10は、承認者の指示に基づき、保留された電子メールの配送又は配送中止の制御を行う。つまり、サーバ10は、複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示(最も早く受け取った承認指示又は否認指示)に基づき、その指示に従って配送又は配送中止の制御を行う。例えば、複数の承認者A、B、Cのうち最先に指示を受け付けたユーザが承認者Aである場合、承認者Aの指示に基づき配送又は配送中止の制御を行う。また、複数の承認者A、B、Cのうち最先に指示を受け付けたユーザが承認者Bである場合、承認者Bの指示に基づき配送又は配送中止の制御を行う。また、複数の承認者A、B、Cのうち最先に指示を受け付けたユーザが承認者Cである場合、承認者Cの指示に基づき配送又は配送中止の制御を行う。
【0154】
例えば、サーバ10は、差出人Xの端末から送信された電子メールについて、承認が必要で保留された場合に、保留された保留メールID=001の当該電子メールについて承認者A,B,Cの中で承認者Aから最も早く指示を受け付けたとする。かかる場合、承認者Aの指示が承認指示である場合に、当該保留メールID=001の電子メールを配送し、承認者Aの指示が否認指示である場合に、当該保留メールID=001の電子メールの配送を中止する。そして、サーバ10は、指示受け付け後、当該保留メールID=001の電子メールについて、各承認者A、B、Cの一覧画面から、指示済の当該電子メールを削除する。なお、サーバ10は、いずれの承認者からも指示を受け付けていない場合、保留メールID=001の電子メールについては当該保留が維持される。
【0155】
また、サーバ10は、一の承認者の承認指示又は否認指示に基づき、保留中の電子メールが配送又は配送中止された場合には、当該電子メールが配送又は配送中止されたことを示す情報を、差出人Xに通知する。また、サーバ10は、保留メールID=001の電子メールについて承認者Aから最先に承認指示又は否認指示を受け付けた場合に、他の承認者B、Cの宛先に、当該保留メールID=001の電子メールについて承認者Aから指示を受け付けたことを示す情報を、通知(例えば、通知メール等)する処理を行ってもよい。
【0156】
なお、図示していないが、本実施形態のサーバ10は、保留メールの処理の履歴を保存している。つまり、保留処理がなされた電子メールの識別情報に対応づけて、その電子メールの状態を履歴として保存する。電子メールの状態は、承認者からの承認指示に基づいて配送された「配送」、承認者からの否認指示に基づいて配送中止された「配送中止」、承認待ち状態の「承認待ち」がある。なお、サーバ10は、承認者から指示(承認指示又は否認指示)に基づいて配送又は配送中止された保留メールについて履歴DB174に格納し、差出人や承認者が後で保留メールを確認できるように制御してもよい。
【0157】
8.フローチャート
図8A図8Bを用いて本実施形態のサーバ10の処理の流れについて説明する。まず、図8Aに示すように、電子メールを受け付ける(ステップS1)。そして、承認が必要か否かを判定し(ステップS2)、承認が必要である場合(ステップS2のY)、電子メールを保留し(ステップS3)、差出人から代表承認者の選択を受け付ける(ステップS4)。そして、代表承認者に承認要求を通知する(ステップS5)。
【0158】
一方、承認が不要である場合(ステップS2のN)、電子メールを配送する(ステップS6)。
【0159】
そして、図8Bに示すように、ステップS5の後、承認者から指示を受け付けたか否かを判定し(ステップS11)、承認者から指示を受け付けた場合(ステップS11のY)、承認者の指示が、承認指示であるか否かを判定する(ステップS12)。なお、承認者から指示を受け付けるまで電子メールの保留状態は維持される。
【0160】
承認者の指示が、承認指示である場合(ステップS12のY)、電子メールの配送を行う(ステップS13)。一方、承認者の指示が、承認指示でない場合、つまり、承認者の指示が否認指示である場合、(ステップS12のN)、電子メールの配送を中止する(ステップS14)。以上で処理を終了する。
【0161】
9.応用例
9.1 複数の宛先が指定された同一内容の電子メール
本実施形態のサーバ10は、差出人Xの端末20から受け付けた同一内容の電子メールに対して複数の宛先が指定されている場合、宛先毎に所定の条件を満たすか否かを判断し、所定の条件を満たす場合に、承認が必要であると判定する。
【0162】
例えば、エンベロープの宛先が外部メールアドレスであること(エンベロープの宛先が組織外であること)を所定の条件の一例とする場合、次のように処理する。つまり、図9に示すように、サーバ10は、差出人Xから受け付けた同一内容の電子メールに対して、外部メールアドレスであるユーザJの宛先(jjj@yyy.com)、及び、内部メールアドレスであるユーザKの宛先(kkk@xxx.ne.jp)と内部メールアドレスであるユーザNの宛先(nnn@xxx.ne.jp)が指定されている場合、ユーザK宛て及びユーザN宛てに対して即時配送し、ユーザJ宛てについては承認が必要であるとして保留する。かかる場合において、本実施形態では、電子メール配送済みのユーザK及びユーザNを承認者としてもよい。例えば、差出人Xに対応付けられた承認者がユーザA、B、Cであるとすると、ユーザA、B、Cに加えてユーザK、Nも承認者としてもよい。また、差出人Xに対応付けられた承認者A、B、Cに代えて、ユーザK、Nの二人を差出人Xの承認者にしてもよい。このようにすれば、差出人Xは、電子メールの内容を熟知している配送済みのユーザK或いはユーザNを代表承認者に選択することができるメリットがある。
【0163】
なお、本実施形態において、同一内容の電子メールとは、電子メールの本文と特定のヘッダ(例えば、ヘッダのSubject、Date、From、及び、To)が同じであることを意味する。
【0164】
9.2 メーリングリストを宛先とする例
本実施形態では、電子メールの宛先にメーリングリストの宛先を指定されることがあるが、本実施形態では、メーリングリストの宛先、又は、メーリングリストに属する参加者の宛先毎に保留の要否を判断してもよい。
【0165】
サーバ10は、エンベロープの宛先がメーリングリストのメールアドレスである場合に、メーリングリスト機能(メーリングリストのサーバ(MTA))によって、メーリングリストのメールアドレスを各参加者のメールアドレスに換えて配送することになる。
【0166】
例えば、図10に示すように、メーリングリストのメールアドレスが、「patent@xxx.ne.jp」であり、当該メーリングリストの参加者のメールアドレスが、ユーザKのメールアドレス「kkk@xxx.ne.jp」、ユーザNのメールアドレス「nnn@xxx.ne.jp」とする場合、エンベロープの宛先「patent@xxx.ne.jp」を、参加者のアドレス「kkk@xxx.ne.jp」、「nnn@xxx.ne.jp」に換えて配送する。
【0167】
本実施形態では、メーリングリストの宛先「patent@xxx.ne.jp」に基づいて承認の要否を判断してもよいし、メーリングリストに属する参加者の宛先毎(例えば、「kkk@xxx.ne.jp」、「nnn@xxx.ne.jp」の宛先毎)に承認の要否を判断してもよい。
【0168】
つまり、メーリングリストの宛先「patent@xxx.ne.jp」で承認要否を判断する場合、「patent@xxx.ne.jp」は内部メールアドレスであるので「patent@xxx.ne.jp」への電子メールについては承認不要と判定し、メーリングリストに属する参加者の宛先へ即時に配送を行う。
【0169】
また、メーリングリストに属する参加者の宛先毎(例えば、「kkk@xxx.ne.jp」、「nnn@xxx.ne.jp」の宛先毎)に所定の条件を満たすか否かを判断し、所定の条件を満たす場合に、承認が必要であると判定する。
【0170】
例えば、エンベロープの宛先が外部メールアドレスであること(エンベロープの宛先が組織外であること)を所定の条件の一例とする場合、「kkk@xxx.ne.jp」、「nnn@xxx.ne.jp」は内部メールアドレスであるので、「kkk@xxx.ne.jp」、「nnn@xxx.ne.jp」の宛先への電子メールについては所定の条件は満たさず、承認不要と判定し即時に配送を行う。
【0171】
より具体的に説明すると、図10に示すように、サーバ10は、差出人Xから受け付けた電子メールに対して、外部メールアドレスであるユーザJの宛先(jjj@yyy.com)、及び、メーリングリストのメールアドレスの宛先(patent@xxx.ne.jp)が指定されている場合、メーリングリストの参加者のユーザK、Nのメールアドレスは、内部メールアドレスであるので、ユーザK宛て及びユーザN宛てに対して即時配送し、ユーザJ宛てについては承認が必要であるとして保留する。かかる場合において、本実施形態では、電子メール配送済みのユーザK及びユーザNを承認者としてもよい。例えば、差出人Xに対応付けられた承認者がユーザA、B、Cであるとすると、ユーザA、B、Cに加えてユーザK、Nも承認者としてもよい。また、差出人Xに対応付けられた承認者がユーザA、B、Cに替えて、ユーザK、Nの二人を差出人Xの承認者にしてもよい。このようにすれば、差出人Xは、電子メールの内容を熟知している配送済みのユーザK或いはユーザNを代表承認者に選択することができるメリットがある。
【0172】
9.3 一括制御について
サーバ10は、差出人Xの端末20から受け付けた同一内容の電子メールに対して、所定の条件を満たす宛先が複数存在する場合がある。例えば、サーバ10は、差出人Xから受け付けた同一内容の電子メールに対して、外部メールアドレスであるユーザJの宛先(jjj@yyy.com)、ユーザIの宛先(iii@yyy.com)が指定されている場合、ユーザI宛て及び、ユーザJ宛てについては承認が必要であるとして保留する。かかる場合において、差出人Xに対応付けられた承認者がユーザA、B、Cであるとし、サーバ10が、差出人XからユーザAを代表承認者として選択を受け付けた場合、ユーザAに、ユーザI宛ての電子メール及びユーザJ宛ての電子メールについて一括で承認要求を通知する。
【0173】
また、サーバ10は、承認要求について応答をする代表承認者A(あるいは、他の承認者B、C)から、ユーザI宛ての電子メール及びユーザJ宛ての電子メールについて一括で閲覧可能であり、ユーザI宛ての電子メール及びユーザJ宛ての電子メールについて一括で承認または否認の指示を受け付けるようにしてもよい。
【0174】
9.4 代表承認者の選択の他の例
サーバ10は、差出元のユーザXからの代表承認者の選択を受け付けず、コンピュータ制御(CPU制御)に基づき、自動的に代表承認者を選択してもよい。つまり、サーバ10は、電子メールの承認が必要と判定された場合に、複数の承認者(差出元のユーザXに対応付けられた複数の承認者)の行動情報に基づいて、当該複数の承認者のうちの一の代表承認者の選択を受け付ける。このようにすれば、差出元のユーザXは、代表承認者を選択する手間を省くことができる。
【0175】
サーバ10は、次のようにして代表承認者を選択する。つまり、サーバ10は、(A)各承認者の出勤情報(出勤状況)、(B)各承認者の位置情報(在籍状況)、(C)各承認者のスケジュール情報(予定混み具合情報)の少なくとも1つの情報に基づいて、一の代表承認者を選択する。なお、サーバ10は、外部のシステムによって各種情報を取得するようにしてもよい。例えば、サーバ10は、出退勤システムによって出勤情報を取得し、位置情報システムによって位置情報を取得し、スケジュール管理システムによって、スケジュール情報を取得するようにしてもよい。
【0176】
まず、(A)各承認者の出勤情報とは、少なくとも出勤の有無の判別可能な情報であり、出勤管理システム等によって把握される。例えば、サーバ10は、電子メールの承認が必要と判定された時点で、承認者毎に出勤しているか否かを判定する。
【0177】
また、(B)各承認者の位置情報とは、少なくとも社内、社外の判別可能な情報であり、各承認者のGPS情報や社内システムの人感センサ等によって把握される各承認者の位置情報等である。例えば、サーバ10は、電子メールの承認が必要と判定された時点で、承認者毎に社内に位置するか否かを判定する。
【0178】
また、(C)各承認者のスケジュール情報とは、承認者に対応付けて予め開始時刻と終了時刻とが予め決められた仕事の情報(打合せ、ミーティング等)である。例えば、サーバ10は、電子メールの承認が必要と判定された時点を基準に所定期間内(例えば、1時間以内)に、承認者の中で最もスケジュール情報に空きのある承認者を1名判定する。
【0179】
例えば、サーバ10は、電子メールの承認が必要と判定された時点で、出勤している承認者が1名である場合、当該承認者を代表承認者として判定する。
【0180】
例えば、サーバ10は、電子メールの承認が必要と判定された時点で、出勤している承認者が2名以上いる場合、当該2名以上の承認者のうち社内に位置する承認者が1名である場合、社内に位置する1名の承認者を代表承認者として判定する。
【0181】
例えば、サーバ10は、電子メールの承認が必要と判定された時点で、出勤している承認者が不在であり、社内に位置する承認者が1名である場合、社内に位置する1名の承認者を代表承認者として判定する。
【0182】
例えば、サーバ10は、電子メールの承認が必要と判定された時点で電子メールの承認が必要と判定された時点で、出勤している承認者が2名以上いる場合や、社内に位置する承認者が2名以上いる場合、出勤している承認者の中から、あるいは、社内に位置する承認者の中から、電子メールの承認が必要と判定された時点を基準に所定期間内(例えば、1時間以内)に、最もスケジュール情報に空きのある1名の承認者を代表承認者として判定する。
【0183】
なお、サーバ10は、電子メールの承認が必要と判定された時点で、出勤している承認者が不在であり、かつ、社内に位置する承認者が不在である場合、電子メールの承認が必要と判定された時点を基準に所定期間内(例えば、1時間以内)に、最もスケジュール情報に空きのある1名の承認者を代表承認者として判定する。
【0184】
また、サーバ10は、ユーザ毎に予め承認要求を受け付けるか否かの設定を行い、承認要求を受け付けないユーザを、代表承認者の対象外とするように制御してもよい。なお、承認可否の判断を正確に行うために、差出人に対応付けて設定される複数の承認者のうち、承認要求を受け付けないユーザが存在する場合に、残りのユーザについては承認要求を受け付けるユーザとする。
【0185】
なお、サーバ10は、代表承認者がいない場合は、代表承認者がいない旨を差出元のユーザに提示してもよい。かかる場合、差出元のユーザから、複数の承認者のうちの一の代表承認者の選択を受け付けるように制御すればよい。
【0186】
9.5 代表承認者の候補の提示
本実施形態のサーバ10は、電子メールの承認が必要と判定された場合に、差出元のユーザから複数の承認者のうちの一の代表承認者の選択を受け付ける例について説明したが、一の代表承認者の選択を受け付ける前に、複数の承認者のうちの一の代表承認者候補を差出元のユーザに提示してもよい。
【0187】
例えば、サーバ10は、差出元のユーザXが代表承認者を選択するための通知メール60において、複数の承認者A、B、Cのうち最適な一の代表承認者候補を提示する。例えば、代表承認者候補がユーザAである場合、通知メール60の代表承認者の選択欄64において、「最適な代表承認者候補はユーザAです」というようなメッセージを加える。このようにすれば、差出元のユーザXは選択すべき代表承認者を容易に決めることができる。
【0188】
サーバ10が代表承認者候補を抽出する手法は、上述したコンピュータ制御(CPU制御)に基づき自動的に代表承認者を選択する手法と同様である。つまり、サーバ10は、複数の承認者の行動情報に基づいて、当該複数の承認者の中から一の代表承認者候補を抽出する。
【0189】
なお、サーバ10は、代表承認者候補がいない場合は、代表承認者候補がいない旨を差出元のユーザに提示してもよい。
【0190】
また、サーバ10は、コンピュータによって自動的に代表承認者を選択する際に代表承認者がいない場合は、差出元のユーザによって複数の承認者の中から一の承認者を代表承認者として選択させるようにしてもよい。
【0191】
9.6 一人の承認者の例
本実施形態のサーバ10は、図3に示すように、差出元のユーザに対応付けて承認者を複数設定するものであるが、差出元のユーザに対応付けて一人の承認者を設定してもよい。そして、承認者が一人である場合には、差出元のユーザから代表承認者の選択を受け付ける処理を省略し、当該一人の承認者を代表承認者として決定する。
【0192】
9.7 承認者の選択を受け付ける処理の省略
本実施形態のサーバ10が、他の承認者の閲覧状況を表示する場合、各承認者の指示のかち合いを避けることができる。そのため、サーバ10が閲覧状況を表示する場合、代表承認者の選択を受け付ける処理を省略してもよい。また、代表承認者の選択を受け付けない場合は、代表承認者という存在がないので、承認要求を代表承認者に通知する処理自体も省略してもよいし、承認要求を各承認者に通知するようにしてもよい。
【0193】
9.8 ルールに基づく制御
本実施形態では、承認の要否を判断するためのルール(所定の条件)を設け、ルールに該当する場合に差出人とは異なる承認者の承認を要する保留処理の例について説明したが、種々のルールを設定し、当該ルールに該当するときの処理を行ってもよい。
【0194】
例えば、サーバ10は、自己承認型の保留(所定期間保留)の要否を判断するためのルールや、即時配送の要否を判断するためのルールを設定してもよい。サーバ10は、受け付けた電子メールが自己承認型の保留の要否を判断するためのルールを満たす場合は、所定期間(例えば、10分間)保留し、所定期間経過後配送する。また、サーバ10は、受け付けた電子メールが即時配送の要否を判断するためのルールを満たす場合は、即時配送する。各ルールには優先度を設け、優先度順にルールを適用するようにしてもよい。
【0195】
9.9 一覧画面
サーバ10は、一覧画面において「検討」ボタンの代わりに、承認を引き受ける「引受」ボタン、及び、参照のみで承認を引き受けない「参照」ボタンの少なくとも一方を表示するようにしてもよい。
【0196】
例えば、サーバ10は、保留メール(例えば、保留メールID=001)について、ログインした一の承認者(例えば、ユーザA)から最初に「引受」を受け付けた場合に、ログインした他の承認者(例えば、ユーザB、C)の一覧画面81B、81Cそれぞれに、「引受」を表示せずに「参照」ボタンを表示するようにしてもよい。
【0197】
また、サーバ10は、「引受」を受け付けたユーザを「引受ユーザ」として、保留メールIDに対応付けて一覧画面や指示受け付け画面に表示してもよい。
【0198】
また、サーバ10は、「参照」を受け付けたユーザを「参照ユーザ」として、保留メールIDに対応付けて一覧画面や指示受け付け画面に表示してもよい。
【0199】
なお、「引受ユーザ」は、代表承認者である必要はない。例えば、代表承認者が多忙なため、個々の承認待ちの電子メールに対して他の承認者を代表承認者として選択することが困難な場合であっても、時間的余裕のあるユーザが積極的に承認待ちメールに対する承認や否認の指示を引き受けることができる。
【0200】
なお、サーバ10は、引受ユーザ(「引受」を受け付けた承認者A)が、承認指示或いは否認指示を行わずに一覧画面或いは指示受け付け画面が閉じられた場合(サーバ10と端末20とのWebサーバにおけるセッションが途切れた場合)、引受をキャンセルし、「引受」ボタン及び「参照」ボタンを表示する初期状態に戻すようにしてもよいし、当該引受を受け付けたままの状態を所定期間又は永続的に保持するようにしてもよい。
【0201】
9.10 承認要求
本実施形態では、承認要求メール70において、図5に示すように、承認・否認のリンク(例えば、URL75、URL76)を有する例について説明したが、サーバ10は、承認・否認のリンク、代表承認者Aが閲覧可能な一覧画面へのリンク(URL等)や、代表承認者Aからの承認要求メール70の保留メール(保留メールID=001)の指示を受け付ける画面へのリンク(URL等)を含む承認要求メール70を生成してもよい。
【0202】
9.11 URLについて
本実施形態で説明した各URL(例えば、URL75、76、78、79等)について、HTMLによる種々の機能(ボタン、テキスト、画像等のハイパーリンク)に代替してもよい。つまり、URLだけでなく、ボタン、テキスト、画像等のリンクよってサーバ10にアクセス可能としてもよい。つまり、各URLをボタン、テキスト又は画像にリンクさせて、当該ボタン、テキスト又は画像を、閲覧者が選択することでリンク先のURLにアクセスできるように制御してもよい。
【0203】
10. AI関連技術の応用
本実施形態のサーバ10は、AI(artificial intelligenceの略)に関する機能によって、本実施形態における各種制御を行ってもよい。例えば、サーバ10は、線形回帰、正規化、ロジスティック回帰、サポートベクトルマシン(カーネル法含む)、ナイーブベイズ、ランダムフォレスト、kNN、ニューラルネットワークなどの機械学習アルゴリズムを用いた機械学習(教師あり機械学習)によって予測モデル(学習モデル、関数ともいう。)を生成する。そして、サーバ10は、予測モデルを用いて入力データから予測されるデータを出力する。
【0204】
10.1 AIによる承認指示又は否認指示
サーバ10は、AIによる承認指示又は否認指示を行ってもよい。例えば、サーバ10は、保留された電子メールの情報と、承認者が指示した当該電子メールの承認指示又は否認指示を示す情報とを教師データとして用いる。なお、保留された電子メールの情報とは、電子メールのエンベロープの宛先、エンベロープの差出元、メッセージのヘッダ、メッセージのボディの本文部分を含む電子メールの情報である。
【0205】
つまり、サーバ10は、新たに受け付けた保留された電子メールに対する指示(承認指示又は否認指示)を判定するための機械学習を行った学習済みの予測モデルを生成する。すなわち、サーバ10は、記憶部170(履歴DB174)に蓄積して記憶された複数の保留された各電子メールの情報と、当該各電子メールに対する承認者の指示内容(承認指示又は否認指示)を教師データとし、当該教師データを用いて、機械学習アルゴリズム(ニューラルネットワーク等)に機械学習処理を施し、予測モデルを生成する。そして、サーバ10は、予測モデルを用いて、新たに受け付けた保留された電子メールを入力し、当該保留された電子メールに対して適切と推定される指示を出力する。なお、当該予測モデルが出力する指示は、承認指示又は否認指示でもよいし、例えば、承認指示を1、否認指示を0とした数値を用いたものでよい。
【0206】
つまり、サーバ10は、当該予測モデルに新たに受け付けた保留された電子メールを入力することで、当該予測モデルから、当該保留された電子メールに対して適切と推定される指示(承認指示又は否認指示)を取得する。サーバ10は、取得した指示が「承認指示」である場合に、当該保留された電子メールを配送し、取得した指示が「否認指示」である場合に、当該保留された電子メールを配送中止に制御する。
【0207】
次に、サーバ10のAIによる指示(承認指示又は否認指示)に関する機能構成を追記する。
【0208】
まず、サーバ10の記憶部170(履歴DB174)には、承認又は否認の指示に基づき配送又は配送中止がなされた全ての電子メールの情報、及び当該電子メールに対する指示内容(承認指示又は否認指示)が記憶される。
【0209】
また、サーバ10は、機械学習部140を備える。機械学習部140は、記憶部170(履歴DB174)に記憶(蓄積記憶)された電子メールの情報、および、当該電子メールに対する承認者の指示内容(承認指示又は否認指示)を教師データとし、当該教師データを用いて、機械学習アルゴリズム(ニューラルネットワーク等)に機械学習を施し、予測モデルを生成する。
【0210】
そして、サーバ10は、保留メール指示取得部142を備える。保留メール指示取得部142は、機械学習部140によって機械学習された当該予測モデルを用いて、新たに受け付けた保留された電子メールについて、適切と推定される指示(承認指示又は否認指示)を取得する。
【0211】
配送部118は、新たに受け付けた保留された電子メールについて保留メール指示取得部142によって取得した指示が「承認指示」である場合に、保留された当該電子メールを配送する制御を行う。また、配送部118は、新たに受け付けた保留された電子メールについて保留メール指示取得部142によって取得した指示が「否認指示」である場合に、保留された当該電子メールの配送を中止する制御を行う。
【0212】
なお、配送部118は、新たに受け付けた保留された電子メールについて保留メール指示取得部142によって取得した指示結果が「承認指示」である場合に、承認者に「承認指示」が適切と推定される旨を提示するのみに留め、保留された当該電子メールを配送せずに、その後、承認者(人)による承認または否認の指示を受け付けるようにしてもよい。すなわち、複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が承認指示である場合に当該電子メールを配送する制御を行い、複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が否認指示である場合に前記電子メールの配送を中止する制御を行うようにしてもよい。このようにすれば、予測モデル(AI)による判断を参考としつつ、人の判断によって承認または否認の指示を行うことができるので、予測モデル(AI)と人とのダブルチェックが可能となり、誤って承認してしまう事態を低減することができる。
【0213】
なお、サーバ10は、承認者(人)を介して承認又は否認の指示に基づき制御された電子メールと、機械学習部140を利用して承認又は否認の指示に基づき制御された電子メールとを識別して、記憶部170(履歴DB174)に電子メールを蓄積記憶する。機械学習部140は、予測モデル(AI)と人とのダブルチェックのような最終的に承認者(人)が指示を行う場合も含め、承認者(人)を介して承認又は否認の指示に基づき配送又は配送中止がなされた電子メールだけを機械学習の対象としてもよいし、予測モデル(AI)と承認者(人)に関係なく、承認又は否認の指示に基づき配送又は配送中止がなされた全ての電子メールを機械学習の対象としてもよい。
【0214】
10.2 AIによる差出人に対応付ける承認者の選択について
サーバ10は、AIによって、差出人に対応付ける1又は複数の承認者を選択してもよい。例えば、サーバ10は、記憶部170(履歴DB174)に蓄積して記憶された複数の保留された各電子メールの情報と、当該各電子メールに対応付けた複数の承認者(ユーザ名またはユーザID)の情報とを教師データとして用いる。なお、「承認者の情報」とは、承認者(ユーザ名またはユーザID)に加えて、当該各電子メールが保留された時刻のスケジュール情報、出勤情報、位置情報等の承認者の行動情報に関する情報を含んでもよい。そして、サーバ10は、当該教師データを用いて、機械学習アルゴリズム(ニューラルネットワーク等)に機械学習処理を施し、予測モデルを生成する。そして、サーバ10は、予測モデルを用いて、新たに受け付けた保留された電子メールを入力し、当該保留された電子メールに対して適切と推定される1又は複数の承認者を出力する。
【0215】
つまり、サーバ10は、当該予測モデルに新たに受け付けた保留された電子メールを入力することで、当該予測モデルから、当該保留された電子メールに対して適切と推定される複数の承認者を選択する。なお、選択する承認者の人数は所定数とする。
【0216】
次に、サーバ10のAIによって複数の承認者を選択する際の機能構成を追記する。
【0217】
まず、サーバ10は、機械学習部140を備える。機械学習部140は、履歴DB174に蓄積記憶された保留された各電子メールの情報、および、当該各電子メールの差出人に対応付けた複数の承認者を示すデータを教師データとし、当該教師データを用いて、機械学習アルゴリズム(ニューラルネットワーク等)に機械学習処理を施し、予測モデルを生成する。
【0218】
そして、サーバ10は、承認者選択部143を備える。承認者選択部143は、機械学習部140によって機械学習された当該予測モデルを用いて、新たに受け付けた保留された電子メールについて、適切と推定される1又は複数の承認者を選択する。なお、選択した1又は複数の承認者の行動情報(今後のスケジュール情報、出勤情報等の情報)を取得し、1又は複数の承認者を再選択するようにしてもよい。
【0219】
10.3 AIによる代表承認者の選択について
サーバ10は、AIによって、代表承認者を選択(選定)してもよい。
【0220】
例えば、サーバ10は、ユーザ毎に、所与の時刻と当該時刻におけるユーザの即応性レベルを教師データとして機械学習を行い、当該時刻と当該時刻におけるユーザの即応性レベルとを関連付ける予測モデルを生成する。そして、サーバ10は、複数の承認者それぞれの予測モデルを用いて、複数の承認者それぞれの即応性レベルを予測し、当該複数の承認者の即応性レベルに基づき、代表承認者を選択してもよい。
【0221】
10.3.1 教師データ(データセット)の説明
図11は、機械学習アルゴリズムに入力する教師データであるデータセットの一例を示す。つまり、図11に示すように、本実施形態では、「時刻」及び「即応性レベル」をデータセットとする。つまり、サーバ10は、「時刻」を入力データ(特徴量、説明変数ともいう。)とし、「即応性レベル」を出力データ(目的変数、ラベル、回答データ、ともいう。)とするデータセットを予め用意する。つまり、教師データは、ユーザの即応性レベルを時間的に示した分布情報である。
【0222】
例えば、サーバ10は、ユーザ毎に、所定の期間(例えば、過去1年間)において、所定周期の時刻(例えば、1時間単位の時刻、或いは、1分単位の時刻)と、各時刻におけるユーザの行動情報に基づく当該ユーザの即応性レベルとを、当該ユーザの教師データとして予め用意する。
【0223】
また、サーバ10は、所定の期間(例えば、過去1年間)において、保留された電子メールを代表承認者のユーザ毎に振り分ける。そして、サーバ10は、ユーザ毎に、保留された電子メールそれぞれについて、電子メールの当該保留時刻と、当該保留時刻における代表承認者の保留期間に応じた即応性レベルとを、当該ユーザの教師データとして用意する。
【0224】
なお、サーバ10は、データセットの入力データに「時刻」だけでなく「出勤情報」、「位置情報」及び「スケジュール情報」の少なくとも1つを含むようにしてもよい。
【0225】
また、サーバ10は、ユーザ毎に収集した教師データ(データセット)を記憶部170に記憶する。
【0226】
10.3.2 即応性レベルの説明
次に、即応性レベルの詳細について説明する。即応性レベルは、1日(24時間)の期間における所与の時刻に基づき、ユーザが指示に即応する程度を示す値であり、例えば、所与の時刻において、指示に対応できるまでの時間的な長さ示す。例えば、即応性レベルは1~10の数値であり、当該時刻に基づき、直ぐに指示対応できるユーザについて即応性レベルの数値を高くし、直ぐに指示対応できないユーザについて即応性レベルの数値を低くする。
【0227】
(A)ユーザの行動情報に基づく即応性レベルの説明
サーバ10は、ユーザの行動情報に基づき、所与の時刻における当該ユーザの即応性レベルを算出する。ユーザの行動情報とは、ユーザの出勤情報、位置情報、スケジュール情報、等である。
【0228】
つまり、サーバ10は、所定の期間(例えば、過去1年間)において、ユーザ毎に、所定周期(例えば、1分単位)の時刻と、各時刻におけるユーザの行動情報に基づく当該ユーザの即応性レベルを算出する。
【0229】
例えば、サーバ10は、所定周期の時刻毎のユーザの出勤情報から、ユーザの即応性レベルを判定する。例えば、ユーザAの午前8時0分の出勤情報が「出勤」を示す場合、午前8時0分の即応性のレベルを「10」に設定し、ユーザAの午前8時0分の出勤情報が「欠勤」を示す場合、午前8時0分の即応性レベルを「0」に設定し、ユーザAの午前8時0分の出勤情報が「休憩」を示す場合、午前8時0分の即応性レベルを「5」に設定する。
【0230】
また、サーバ10は、所定周期の時刻毎のユーザの位置情報からユーザの即応性レベルを判定してもよい。例えば、ユーザAの午前8時0分の位置情報が「社内」を示す場合、午前8時0分の即応性のレベルを「10」に設定し、ユーザAの午前8時0分の位置情報が「社外(自宅外)」を示す場合、午前8時0分の即応性レベルを「0」に設定し、ユーザAの午前8時0分の位置情報が「社外(自宅)」を示す場合、午前8時0分の即応性レベルを「2」に設定する。
【0231】
また、サーバ10は、所定周期の時刻毎のユーザのスケジュール情報からユーザの即応性レベルを判定してもよい。例えば、ユーザAの午前8時0分のスケジュール情報が「無し」を示す場合、午前8時0分の即応性のレベルを「10」に設定し、ユーザAの午前8時0分のスケジュール情報が「会議」を示す場合、午前8時0分の即応性レベルを「5」に設定し、ユーザAの午前8時0分のスケジュール情報が「休暇」を示す場合、午前8時0分の即応性レベルを「0」に設定する。
【0232】
また、サーバ10は、所定周期の時刻毎のユーザの出勤情報、位置情報、スケジュール情報の少なくとも1つに基づき、ユーザの即応性レベルを判定してもよい。例えば、ユーザAが午前8時0分に出勤し、会社に位置しているが重要なスケジュールがある場合には、即応性レベルを「0」に設定してもよい。また、ユーザAが退勤した場合には、スケジュール情報にかかわらず(スケジュールが空いていても)即応性レベルを「0」に設定してもよい。また、在宅勤務者のように自宅等で仕事をするユーザは、会社に位置していないが電子メールの承認等の対応は直ぐにできると考えられる。例えば、ユーザAが自宅で在宅勤務をしている場合には、在宅勤務中の時間帯(休憩時間帯や外出時間帯を除く)において即応性レベルを「10」に設定する。また、出勤していたとしても会社に不在であるユーザは、承認等の指示対応は直ぐにできないと考えられる。したがって、例えば、出勤していたとしても外出予定のスケジュールのあるユーザに対して、当該外出時間帯において即応性レベルを「1」に設定する。
【0233】
なお、ユーザの行動情報(出勤情報、位置情報、スケジュール情報等)は、記憶部170やサーバ10とネットワークを介して接続された出勤管理システム等に記憶されている。
【0234】
(B)ユーザの保留期間に基づく即応性レベルの説明
また、サーバ10は、保留された電子メールに対して承認指示又は否認指示を受け付けた場合に、当該電子メールの保留期間に応じて、当該保留時刻における当該代表承認者の即応性レベルを算出する。なお、電子メールの保留期間とは、当該電子メールの保留時刻から当該電子メールに対して承認指示又は否認指示を受け付けた指示時刻までの期間である。
【0235】
つまり、サーバ10は、所定の期間(例えば、過去1年間)において、履歴DB174に蓄積された保留された電子メールを参照し、保留された電子メールを代表承認者のユーザ毎に振り分ける。そして、サーバ10は、ユーザ毎に、保留された各電子メールについて、当該各電子メールの保留時刻における当該ユーザ(代表承認者)の即応性レベルを算出する。
【0236】
例えば、電子メールの保留期間が短い程、即応性レベルを高くし、電子メールの保留期間が長い程、即応性レベルを低くするようにして、当該電子メールの代表承認者の即応性レベルを算出する。そして、保留時刻と算出された即応性レベルとを関連付ける。
【0237】
具体的に説明すると、例えば、保留メールID=001の電子メールの保留時刻が、午前10時15分に保留されたとする。すると、代表承認者のユーザAが保留メールID=001の電子メールについて1時間未満に承認指示又は否認指示をした場合、ユーザAの午前10時15分の即応性レベルを「10」とする。
【0238】
また、代表承認者のユーザAが保留メールID=001の電子メールについて1時間以上2時間未満に承認指示又は否認指示をした場合、ユーザAの午前10時15分の即応性レベルを「9」とする。
【0239】
また、代表承認者のユーザAが保留メールID=001の電子メールについて2時間以上3時間未満に承認指示又は否認指示をした場合、ユーザAの午前10時15分の即応性レベルを「8」とする。
【0240】
このように、保留期間の時間経過に応じて即応性レベルを減少させる。そして、代表承認者のユーザAが保留メールID=001の電子メールについて10時間以上経過して承認指示又は否認指示をした場合、ユーザAの午前10時15分の即応性レベルを「0」とする。
【0241】
また、サーバ10は、電子メールの代表承認者の変更があった場合には、変更後の代表承認者の即応性レベルを算出する。例えば、保留時刻が午前10時15分である保留メールID=001の電子メールについて代表承認者をユーザAからユーザBに変更したとする。そして、変更時刻が午前11時32分であるとする。かかる場合、ユーザBから当該電子メールに対して承認指示又は否認指示を受け付けた場合に、当該電子メールの変更時刻(午前11時32分)から指示を受け付けた指示時刻までの期間に応じてユーザBの即応性レベルを算出する。そして、当該変更時刻(例えば、午前11時32分)とユーザBの即応性レベルとを関連付ける。
【0242】
なお、サーバ10は、電子メールの代表承認者の変更があった場合には、変更前の代表承認者(辞退した代表承認者)の即応性レベルを辞退理由に基づき算出してもよい。例えば、保留メールID=001の電子メールについて代表承認者をユーザAからユーザBに変更した場合、保留メールID=001の電子メールの保留時刻(例えば、午前10時15分)に対応付けてユーザAの即応性レベルを算出する。例えば、ユーザAの辞退理由が「休暇等による不在」の場合、ユーザAの即応性レベルを「3」とし、ユーザAの辞退理由が「対応する時間がない」に該当する場合、ユーザAの即応性レベルを「2」とし、ユーザAの辞退理由が「自身は代表承認者として適切ではない」に該当する場合、ユーザAの即応性レベルを「1」とする。つまり、サーバ10は、代表承認者の変更が生じた場合、保留された電子メールについて、辞退理由に応じて元の代表承認者の即応性レベルを低くする。
【0243】
10.3.3 機械学習の説明
サーバ10は、図11に示すように、ユーザ毎に、ユーザの即応性の程度を予測するための機械学習を行った学習済みの予測モデルを生成する。つまり、サーバ10は、ユーザ毎に、所与の時刻と、当該時刻におけるユーザの即応性レベルとを教師データとし、機械学習を行い、各ユーザの予測モデルを生成する。
【0244】
サーバ10は、ユーザ毎に、記憶部170に蓄積した全てのデータセット(教師データ)を用いて機械学習を行ってもよいし、一部のデータセットを用いて、機械学習を行ってもよい。例えば、データセットの70%を学習用として機械学習を行い、残りの30%を検証用として評価処理(テスト処理)を行ってもよい。
【0245】
また、本実施形態のサーバ10は、予測モデルを生成した後、機械学習を中止してもよいし、予測モデルを生成した後においても、機械学習を継続的に行うようにしてもよい。
【0246】
なお、サーバ10は、適宜、性能を上げるために評価処理を行い、過学習を防ぐために、機械学習を打ち切るようにしてもよい(アーリーストッピングをしてもよい)。
【0247】
また、本実施形態のサーバ10は、(A)所定周期の時刻と、当該時刻におけるユーザの行動情報に基づく即応性レベルとで構成されるデータセット、及び、(B)保留された電子メールの保留時刻と、当該電子メールの代表承認者の保留期間に基づく即応性レベルとで構成されるデータセットの両方を用いて機械学習を行って予測モデルを生成するが、(A)所定周期の時刻と、当該時刻におけるユーザの行動情報に基づく即応性レベルとで構成されるデータセットのみを用いて機械学習を行って予測モデルを生成してもよいし、(B)保留された電子メールの保留時刻と、当該電子メールの代表承認者の保留期間に基づく即応性レベルとで構成されるデータセットのみを用いて機械学習を行って予測モデルを生成してもよい。
【0248】
10.3.4 予測モデルを使った代表承認者の選択処理の説明
そして、サーバ10は、機械学習済みの予測モデルを用いて、代表承認者を選択する。例えば、サーバ10は、複数の承認者それぞれの予測モデルを用いて、新たに保留された電子メールの保留時刻から当該複数の承認者それぞれの即応性レベルを取得し、当該複数の承認者それぞれの即応性レベルに基づき、当該複数の承認者の中から一の代表承認者を選択する処理を行う。
【0249】
例えば、サーバ10は、新たに保留された電子メールの保留時刻において複数の承認者のうち最も即応性レベルの高い承認者を代表承認者として選択する。なお、即応性レベルの最も高いユーザが複数存在する場合は、任意に一のユーザを代表承認者として選択する。
【0250】
例えば、図11に示すように、サーバ10は、新たに受け付けた保留された電子メールの保留時刻が10時30分であり、10時30分における承認者Aの即応性レベルが「10」、10時30分における承認者Bの即応性レベルが「5」、10時30分における承認者Cの即応性レベルが「0」である場合、複数の承認者A、B、Cの中から最も即応性レベルの高い承認者Aを代表承認者として選択する。
【0251】
また、サーバ10は、新たに保留された電子メールについて、予測モデルを用いて取得した複数の承認者の即応性レベルと、当該複数の承認者の行動情報に基づいて、当該複数の承認者のうちの一の代表承認者を選択してもよい。当該複数の承認者の行動情報については現時点を基準に参照する。
【0252】
例えば、サーバ10は、複数の承認者のうち最も即応性レベルの高い承認者がユーザAであるが現時点におけるユーザAが「欠勤」である場合には、現時点において出勤しており次に即応性レベルの高い承認者であるユーザを代表承認者として選択するようにしてもよい。
【0253】
なお、例えば、サーバ10は、選択された代表承認者に承認要求メールを通知する。また、サーバ20は、選択された代表承認者を差出元のユーザに通知してもよい。
【0254】
また、サーバ10は、差出元のユーザから、代表承認者を除く他の承認者のうちの一の承認者を新たな代表承認者とする変更を受け付けるようにしてもよい。例えば、複数の承認者のうち最も即応性レベルの高い承認者がユーザAである場合において、差出元のユーザから、代表承認者Aを除く他の承認者B、Cのうちの一の承認者Bを新たな代表承認者とする変更を受け付けてもよい。このようにすれば、差出元のユーザは、代表承認者Aが急用など何らかの事情で承認チェックをできないことを知った場合、差出元のユーザ自身が、別の承認者Bに代表を変更することができる。したがって、保留された電子メールを滞りなく速やかに承認又は否認の指示を行うための機会を与えることができ、利便性の高いシステムを提供することができる。
【0255】
10.3.5 機能構成の説明
次に、サーバ10のAI機能に関する機能構成を追記する。
【0256】
まず、サーバ10は、即応性レベル算出部144を備える。即応性レベル算出部144は、ユーザ毎に、所与の時刻におけるユーザの即応性の程度を示す即応性レベルを算出する。
【0257】
例えば、即応性レベル算出部144は、保留された電子メールに対して承認指示又は否認指示を受け付けた場合に、当該電子メールの保留時刻から当該電子メールに対して承認指示又は否認指示を受け付けた時刻までの保留期間に応じて、当該保留時刻における当該代表承認者の即応性レベルを算出する。
【0258】
なお、記憶部170(履歴DB174)には、保留された電子メールの保留時刻と、当該電子メールについて承認指示又は否認指示を受け付けた際の代表承認者の情報と、当該承認指示又は当該否認指示を受け付けた指示時刻とが記憶されている。したがって、即応性レベル算出部144は、記憶部170(履歴DB174)に蓄積された各電子メールについて、最終的に承認指示又は否認指示を行った代表承認者に対して、電子メールの保留期間に応じて、当該電子メールの保留時刻における即応性レベルを算出する。
【0259】
また、即応性レベル算出部144は、保留された電子メールの保留時刻に対応付けて、代表承認者の即応性レベルを算出する。例えば、保留メールID=001の電子メールの代表承認者がユーザAであり保留時刻が10時15分である場合、ユーザAの10時15分における即応性レベルを算出する。なお、サーバ10は、記憶部170に、ユーザ毎に教師データ(例えば、ユーザ自身が代表承認者である各電子メールについて、当該電子メールの保留時刻と、保留時刻における当該即応性レベル)を蓄積して記憶する。
【0260】
また、即応性レベル算出部144は、代表承認者がユーザAからユーザB変更された場合には、代表承認者がユーザBに変更された変更時刻から指示時刻までの保留期間に応じて、当該保留時刻における変更後の代表承認者であるユーザBの即応性レベルを算出するようにしてもよい。
【0261】
また、即応性レベル算出部144は、保留期間が長いほど即応性レベルが低くなるように設定する。
【0262】
また、即応性レベル算出部144は、ユーザの行動情報(出勤情報、位置情報、スケジュール情報等)に基づき、所与の時刻における当該ユーザの即応性レベルを算出する。例えば、即応性レベル算出部144は、所定周期の時刻(例えば、1時間単位の時刻、或いは、1分単位の時刻)において、ユーザ毎に、ユーザの行動情報に基づき、当該ユーザの即応性の程度を示す即応性レベルを算出する。なお、サーバ10は、記憶部170に、ユーザ毎の教師データ(例えば、所定周期の時刻と、各時刻のユーザの行動情報に基づく当該即応性レベル)を蓄積して記憶する。
【0263】
そして、サーバ10は、機械学習部140を備える。機械学習部140は、ユーザ毎に予測モデルを生成する。機械学習部140は、ユーザ毎に、所与の時刻と当該時刻におけるユーザの即応性レベルとを教師データとして機械学習を行い、当該時刻と当該時刻におけるユーザの当該即応性レベルとを関連付ける予測モデルを生成する。
【0264】
例えば、機械学習部140は、ユーザ毎に、所定周期の時刻(例えば、1時間単位の時刻、或いは、1分単位の時刻)と、当該時刻のユーザの行動情報に基づく当該ユーザの即応性レベルとを教師データとし、当該教師データを用いて、機械学習アルゴリズム(ニューラルネットワーク等)に機械学習処理を施し、予測モデルを生成する。
【0265】
また、機械学習部140は、ユーザ毎に、ユーザ自身が代表承認者である保留された電子メールの保留時刻と、当該保留時刻における当該代表承認者の即応性レベルとを教師データとし、当該教師データを用いて、機械学習アルゴリズム(ニューラルネットワーク等)に機械学習処理を施し、予測モデルを生成する。
【0266】
なお、サーバ10は、保留された電子メールを履歴DB174に蓄積し、履歴DB174に蓄積された電子メール毎に代表承認者を参照する。そして、機械学習部140は、参照した代表承認者について電子メールの保留時刻と、即応性レベル算出部144において算出された当該保留時刻における当該代表承認者の即応性レベルとを教師データとする。機械学習部140は、当該教師データを用いて、機械学習アルゴリズム(ニューラルネットワーク等)に機械学習処理を施し、予測モデルを生成する。
【0267】
なお、本実施形態の機械学習部140は種々の機械学習のアルゴリズムを利用可能である。また、機械学習部140によって生成された予測モデルは記憶部170に記憶される。
【0268】
そして、サーバ10の選択部115は、複数の承認者それぞれの予測モデルを用いて、保留された電子メールの保留時刻から当該複数の承認者それぞれの即応性レベルを取得し、当該複数の承認者それぞれの即応性レベルに基づき、当該複数の承認者の中から一の代表承認者を選択する。
【0269】
例えば、選択部115は、新たに受け付けた保留された電子メールの承認者のユーザ毎に、当該ユーザの予測モデルを用いて、当該電子メールの保留時刻の情報を入力し、当該電子メールについての当該ユーザの即応性レベルを取得する。そして、選択部115は、複数の承認者それぞれの即応性レベルに基づき、最も即応性レベルの高い一の承認者を代表承認者として選択する。
【0270】
また、選択部115は、保留時刻における複数の承認者の即応性レベルと、当該複数の承認者の行動情報に基づいて、当該複数の承認者のうちの一の代表承認者を選択してもよい。
【0271】
例えば、選択部115は、複数の承認者A,B,Cのうち最も即応性レベルの高い承認者Aである場合において、現時点におけるユーザAが「欠勤」である場合には、現時点において出勤しており次に即応性レベルの高い承認者Bを代表承認者として選択するようにしてもよい。
【0272】
また、選択部115は、保留された電子メールの代表承認者を変更する場合に(例えば、代表承認者から辞退を受け付けた場合に)、当該代表承認者のユーザの次に即応性レベルの高い一の承認者を新たな代表承認者として選択してもよい。例えば、サーバ10は、予測モデルを用いて代表承認者をユーザAからユーザBに変更した場合、ユーザBの端末20に、ユーザBが代表承認者であることを通知するようにしてもよい。
【0273】
また、選択部115は、差出元のユーザから、代表承認者を除く他の承認者のうちの一の承認者を新たな代表承認者とする変更を受け付けるようにしてもよい。
【0274】
また、サーバ10の通知部116は、選択部115によって選択された代表承認者の情報を、差出元のユーザ(当該ユーザの端末20)に通知するようにしてもよい。
【0275】
また、サーバ10は、複数の承認者の中から一の代表承認者候補を抽出する抽出部119を備えていてもよい。
【0276】
抽出部119は、複数の承認者それぞれの予測モデルを用いて、保留された電子メールの保留時刻から当該複数の承認者それぞれの即応性レベルを取得し、当該複数の承認者それぞれの即応性レベルに基づき、当該複数の承認者の中から一の代表承認者候補を抽出する。例えば、最も即応性レベルの高いユーザを一の代表承認者候補として抽出する。
【0277】
また、抽出部119は、保留された電子メールの代表承認者から辞退を受け付けた場合に、当該代表承認者のユーザの次に即応性レベルの高い一の承認者を新たな代表承認者候補として抽出する。なお、サーバ10は、辞退する代表承認者がユーザAであり、代表承認者候補をユーザBとして抽出した場合、ユーザBの端末20に、ユーザBが代表承認者候補であることを通知するようにしてもよい。
【0278】
また、サーバ10の通知部116は、抽出部119によって抽出された代表承認者候補の情報を、差出元のユーザ(当該ユーザの端末20)に通知するようにしてもよい。例えば、サーバ10は、ユーザAが代表承認者候補である場合、ユーザAが代表承認者候補であることを、差出人のユーザXの端末20に、通知するようにしてもよい。例えば、代表承認者候補をユーザAからユーザBに変更された場合、サーバ10は、ユーザXの端末20に、ユーザBが代表承認者候補であることを通知するようにしてもよい。
【0279】
そして、サーバ10の選択部115は、通知部116によって、代表承認者候補の情報を差出元のユーザに通知後、差出元のユーザから、複数の承認者のうちの一の代表承認者の選択を受け付けるようにしてもよい。
【0280】
10.3.6 機械学習の他の例
サーバ10は、所定期間(例えば、過去1年間)において保留された電子メールと代表承認者とを教師データ(データセット)として記憶部170に蓄積し、サーバ10は、教師データを用いて機械学習アルゴリズムによって機械学習を行い、予測モデルを生成してもよい。
【0281】
そして、サーバ10は、機械学習済みの当該予測モデルを用いて、新たに保留された電子メールについて、当該電子メールを入力し、出力された代表承認者を選択してもよい。なお、サーバ10は、保留された電子メールについて代表承認者が変更された場合には、当該電子メールと変更後の代表承認者とを教師データとし、更に機械学習を行ってもよい。
【0282】
11.その他
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0283】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0284】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0285】
10 サーバ、20 端末、
100 処理部、110 メール処理部(MTA)、111 受け付け部、112 判定部、113 解析部、114 保留部、115 選択部、116 通知部、117 指示受け付け部、118 配送部、120 Web処理部、121 管理者用表示制御部、122 ユーザ用表示制御部、123 差出人用表示制御部、124 承認者用表示制御部、130 データベース処理部、170 記憶部、172 ユーザDB、173 保留メール格納領域、174 履歴DB、175 ルールDB、210 Webブラウザ、211 MUA
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子メールを配送するサーバのためのプログラムであって、
差出元から送信された電子メールを受け付ける受け付け部と、
所定の条件に基づいて前記電子メールの承認の要否を判定する判定部と、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合に、前記電子メールの配送を保留する保留部と、
複数の承認者の少なくとも一の承認者から、保留された前記電子メールの承認指示又は否認指示を受け付ける指示受け付け部と、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合であって、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が承認指示である場合に前記電子メールを配送する制御を行う、又は、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が否認指示である場合に前記電子メールの配送を中止する制御を行う配送部と、
保留された電子メールの情報と、当該電子メールに対する承認者の指示内容とを教師データとして機械学習を行い、当該電子メールの情報と当該指示内容とを関連付ける予測モデルを生成する機械学習部と、
前記予測モデルを用いて、新たに保留された電子メールについて、承認指示又は否認指示を取得する保留メール指示取得部として、コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1において、
前記配送部は、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合であって、前記保留メール指示取得部によって取得した指示が承認指示である場合に、前記電子メールを配送する制御を行う、又は、前記保留メール指示取得部によって取得した指示が否認指示である場合に前記電子メールの配送を中止する制御を行うことを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1において、
承認者から保留された前記電子メールの承認指示又は否認指示を受け付ける前に、前記電子メールの承認が必要と判定された場合であって、前記保留メール指示取得部によって取得した指示が承認指示である場合に、承認者に承認指示が適切と推定される旨を提示す
る提示部として、コンピュータを更に機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかにおいて、
前記機械学習部は、
承認者を介して承認又は否認の指示に基づき制御された電子メールと、前記機械学習部を利用して承認又は否認の指示に基づき制御された電子メールとのうち、承認者を介して承認又は否認の指示に基づき配送又は配送中止がなされた電子メールを、機械学習の対象にすることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
請求項1~3のいずれかにおいて、
前記機械学習部は、
承認者を介して承認又は否認の指示に基づき制御された電子メールと、前記機械学習部を利用して承認又は否認の指示に基づき制御された電子メールとを、機械学習の対象にすることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
電子メールを配送するサーバのためのプログラムであって、
差出元から送信された電子メールを受け付ける受け付け部と、
所定の条件に基づいて前記電子メールの承認の要否を判定する判定部と、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合に、前記電子メールの配送を保留する保留部と、
複数の承認者の少なくとも一の承認者から、保留された前記電子メールの承認指示又は否認指示を受け付ける指示受け付け部と、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合であって、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が承認指示である場合に前記電子メールを配送する制御を行う、又は、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が否認指示である場合に前記電子メールの配送を中止する制御を行う配送部と、
保留された電子メールの情報と、当該電子メールの差出元に対応付けた複数の承認者を示すデータとを教師データとして機械学習を行い、当該電子メールの情報と当該複数の承認者を示すデータとを関連付ける予測モデルを生成する機械学習部と、
前記予測モデルを用いて、新たに保留された電子メールについて、適切と推定される1又は複数の承認者を選択する承認者選択部として、コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項6において、
前記承認者選択部は、
選択した1又は複数の承認者の行動情報を取得し、1又は複数の承認者を再選択することを特徴とするプログラム。
【請求項8】
電子メールを配送するサーバのためのプログラムであって、
差出元から送信された電子メールを受け付ける受け付け部と、
所定の条件に基づいて前記電子メールの承認の要否を判定する判定部と、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合に、前記電子メールの配送を保留する保留部と、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合に、複数の承認者のうちの一の代表承認者の選択を受け付ける選択部と、
前記代表承認者に対して、承認要求を通知する通知部と、
前記複数の承認者の少なくとも一の承認者から、保留された前記電子メールの承認指示又は否認指示を受け付ける指示受け付け部と、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合であって、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が承認指示である場合に前記電子メールを配送する制
御を行う、又は、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が否認指示である場合に前記電子メールの配送を中止する制御を行う配送部と、
所定期間において保留された電子メールの情報と代表承認者の情報とを教師データとして機械学習を行い、当該電子メールの情報と当該代表承認者の情報とを関連付ける予測モデルを生成する機械学習部と、
前記予測モデルを用いて、新たに保留された電子メールについて、適切と推定される代表承認者を選択する代表承認者選択部として、コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8において、
前記機械学習部は、
保留された電子メールについて代表承認者が変更された場合には、当該電子メールと変更後の代表承認者とを教師データとすることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載のプログラムを記憶した記憶部と、
前記プログラムを実行するためのプロセッサと、を備えるサーバ。
【請求項11】
電子メールを配送する方法であって、
差出元から送信された電子メールを受け付けるステップと、
所定の条件に基づいて前記電子メールの承認の要否を判定するステップと、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合に、前記電子メールの配送を保留するステップと、
複数の承認者の少なくとも一の承認者から、保留された前記電子メールの承認指示又は否認指示を受け付けるステップと、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合であって、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が承認指示である場合に前記電子メールを配送する制御を行う、又は、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が否認指示である場合に前記電子メールの配送を中止する制御を行うステップと、
保留された電子メールの情報と、当該電子メールに対する承認者の指示内容とを教師データとして機械学習を行い、当該電子メールの情報と当該指示内容とを関連付ける予測モデルを生成するステップと、
前記予測モデルを用いて、新たに保留された電子メールについて、承認指示又は否認指示を取得するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
電子メールを配送する方法であって、
差出元から送信された電子メールを受け付けるステップと、
所定の条件に基づいて前記電子メールの承認の要否を判定するステップと、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合に、前記電子メールの配送を保留するステップと、
複数の承認者の少なくとも一の承認者から、保留された前記電子メールの承認指示又は否認指示を受け付けるステップと、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合であって、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が承認指示である場合に前記電子メールを配送する制御を行う、又は、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が否認指示である場合に前記電子メールの配送を中止する制御を行うステップと、
保留された電子メールの情報と、当該電子メールの差出元に対応付けた複数の承認者を示すデータとを教師データとして機械学習を行い、当該電子メールの情報と当該複数の承認者を示すデータとを関連付ける予測モデルを生成するステップと、
前記予測モデルを用いて、新たに保留された電子メールについて、適切と推定される1又は複数の承認者を選択するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
電子メールを配送する方法であって、
差出元から送信された電子メールを受け付けるステップと、
所定の条件に基づいて前記電子メールの承認の要否を判定するステップと、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合に、前記電子メールの配送を保留するステップと、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合に、複数の承認者のうちの一の代表承認者の選択を受け付けるステップと、
前記代表承認者に対して、承認要求を通知するステップと、
複数の承認者の少なくとも一の承認者から、保留された前記電子メールの承認指示又は否認指示を受け付けるステップと、
前記電子メールの承認が必要と判定された場合であって、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が承認指示である場合に前記電子メールを配送する制御を行う、又は、前記複数の承認者のうちの一の承認者から最先に受け付けた指示が否認指示である場合に前記電子メールの配送を中止する制御を行うステップと、
所定期間において保留された電子メールの情報と代表承認者の情報とを教師データとして機械学習を行い、当該電子メールの情報と当該代表承認者の情報とを関連付ける予測モデルを生成するステップと、
前記予測モデルを用いて、新たに保留された電子メールについて、適切と推定される代表承認者を選択するステップと、を含むことを特徴とする方法。