(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144616
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】人工弁及びメディカルシステム
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024119589
(22)【出願日】2024-07-25
(62)【分割の表示】P 2022506532の分割
【原出願日】2020-07-31
(31)【優先権主張番号】62/881,428
(32)【優先日】2019-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ローガン アール.ハガマン
(72)【発明者】
【氏名】コーディ エル.ハートマン
(57)【要約】
【課題】解剖学的構造内の治療領域へのアクセス、展開のためのバイオプロテーゼの適切な配置、そして最終的に、とりわけプロテーゼの有効性に課題が存在する。
【解決手段】様々な発明概念の例は、重複するマルチフレームサブコンポーネント構成を利用して人工弁において強化された横方向変形抵抗を達成するための構成に関し、関連するシステムならびにその使用方法及び製造方法を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デュアルフレーム人工弁であって、
アンカーフレームであって、
前記アンカーフレームの第1の端部と関連付けられた、外向きにテーパー化されたショルダー特徴部と、
外向きにテーパー化された第2の端部と、
一定の直径を有する中間領域と、を含む、アンカーフレームと、
弁尖フレームであって、前記アンカーフレームの前記ショルダー特徴部の形状に、少なくとも部分的に合致する、外向きにテーパー化された相補的ショルダー特徴部を含む、弁尖フレームと、
前記弁尖フレームに結合された弁尖アセンブリと、
前記アンカーフレームの流出端を前記弁尖フレームの流入端に結合する段間サブコンポーネントと、
を具備し、
前記デュアルフレーム人工弁のネスト化構成においては、
前記アンカーフレームの前記ショルダー特徴部と、前記弁尖フレームの前記相補的ショルダー特徴部とは、締まりばめ状態で係合し、かつ、
前記段間サブコンポーネントは、少なくとも部分的に、前記ショルダー特徴部と前記相補的ショルダー特徴部との間に配置される、デュアルフレーム人工弁。
【請求項2】
前記段間サブコンポーネントはフィルムを具備する、請求項1に記載のデュアルフレーム人工弁。
【請求項3】
前記段間サブコンポーネントは、内側フィルム層及び外側フィルム層を具備し、
前記内側フィルム層は、アパチャの第1のセットを含み、
前記外側フィルム層は、前記アパチャの第1のセットと重なり合わないアパチャの第2のセットを含む、請求項1に記載のデュアルフレーム人工弁。
【請求項4】
前記段間サブコンポーネントは布帛を具備する、請求項1に記載のデュアルフレーム人工弁。
【請求項5】
前記段間サブコンポーネントは、フィルムと関連付けられた1つ以上の補強要素を有する前記フィルムを具備する、請求項1に記載のデュアルフレーム人工弁。
【請求項6】
前記段間サブコンポーネントは、フィルムと関連付けられた補強ステント様フレーム要素を有する前記フィルムを具備する、請求項1に記載のデュアルフレーム人工弁。
【請求項7】
前記段間サブコンポーネントは、フィルムと関連付けられた、周囲方向に拡がる曲がりくねった形状記憶要素を有する前記フィルムを具備する、請求項1に記載のデュアルフレーム人工弁。
【請求項8】
前記段間サブコンポーネントは、フィルムと関連付けられた、補強ジグザグワイヤ又はS字形ワイヤを有する前記フィルムを具備する、請求項1に記載のデュアルフレーム人工弁。
【請求項9】
前記段間サブコンポーネントは、前記弁尖フレーム及び前記アンカーフレームのネスティング及び非ネスティング動作に抵抗するように構成された1つ以上の補強要素を有するフィルムを具備する、請求項1に記載のデュアルフレーム人工弁。
【請求項10】
前記段間サブコンポーネントは、フィルムと関連付けられた、1つ以上の長手方向に延在する繊維、ワイヤ、あるいは形状記憶フレーム要素を有する前記フィルムを具備する、請求項1に記載のデュアルフレーム人工弁。
【請求項11】
デュアルフレーム人工弁であって、
管状アンカーフレームであって、
前記アンカーフレームの第1の端部における第1のテーパー化されたフランジと、
前記アンカーフレームの第2の端部における第2のテーパー化されたフランジと、
テーパー化されていない中間領域であって、前記第1のテーパー化されたフランジと前記第2のテーパー化されたフランジとの間に配置された中間領域と、
を含む、管状アンカーフレームと、
前記アンカーフレームの腔内に少なくとも部分的に配置されるよう構成された管状弁尖フレームであって、前記弁尖フレームは、前記弁尖フレームが少なくとも部分的に前記アンカーフレームの前記腔内でネスト化構成にあるとき前記アンカーフレームの前記第1のテーパー化されたフランジによって画定される領域内に少なくとも部分的に配置されるよう構成された第3のテーパー化されたフランジを含む、弁尖フレームと、
前記弁尖フレームと前記アンカーフレームとの間に接続された布帛と、
を具備する、デュアルフレーム人工弁。
【請求項12】
前記アンカーフレームの前記第1のテーパー化されたフランジ及び前記弁尖フレームの前記第3のテーパー化されたフランジは、相補的なテーパー化プロファイルを有する、請求項11に記載のデュアルフレーム人工弁。
【請求項13】
前記布帛は、内側層及び外側層を具備する、請求項11に記載のデュアルフレーム人工弁。
【請求項14】
前記布帛は、内側層及び外側層を具備し、
前記内側層は、アパチャの第1のセットを含み、
前記外側層は、前記アパチャの第1のセットと重なり合わないアパチャの第2のセットを含む、請求項11に記載のデュアルフレーム人工弁。
【請求項15】
前記アンカーフレームの外直径から突出する組織係合棘をさらに具備する、請求項11に記載のデュアルフレーム人工弁。
【請求項16】
前記アンカーフレームはカバーを有する、請求項11に記載のデュアルフレーム人工弁。
【請求項17】
前記布帛は、それと関連付けられた、補強ジグザグワイヤ又はS字形ワイヤを有する、請求項11に記載のデュアルフレーム人工弁。
【請求項18】
デュアルフレーム人工弁であって、
標的弁輪の組織に定着するよう構成されたアンカーフレームであって、
前記アンカーフレームの第1の端部と関連付けられた、第1のフレア化されたショルダーと、
前記アンカーフレームの第2の端部と関連付けられた、第2のフレア化されたショルダーと、
前記第1のフレア化されたショルダーと前記第2のフレア化されたショルダーとの間の中間領域であって、前記中間領域は、テーパー化されていない管形状を画定する一定直径を有する、中間領域と、
を含む、アンカーフレームと、
ネスト化構成において前記アンカーフレーム内に少なくとも部分的にネスト化されるよう構成された弁尖フレームであって、
前記ネスト化構成において前記アンカーフレームの前記第1のフレア化されたショルダーと少なくとも部分的に重なり合うよう構成された前記弁尖フレームの第1の端部と関連付けられたフレア化された相補的ショルダーと、
テーパー化されていない第2の端部と、
を含む、弁尖フレームと、
前記弁尖フレームに結合された弁尖アセンブリと、
前記アンカーフレームの前記第1の端部を前記弁尖フレームの前記テーパー化されていない第2の端部に結合する段間サブコンポーネントと、
を具備し、
前記アンカーフレーム及び前記弁尖フレームは、前記弁尖フレームと前記アンカーフレームとが互いに分離した非ネスト化構成から、前記アンカーフレームと前記弁尖フレームとが、締まりばめを介して、前記第1のフレア化されたショルダー及び前記フレア化された相補的ショルダーの少なくとも一部に沿って係合するネスト化構成へと移行させられるように構成され、
前記ネスト化構成においては、前記段間サブコンポーネントの少なくとも一部は、前記アンカーフレームの前記第1のフレア化されたショルダーと、前記弁尖フレームの前記フレア化された相補的ショルダーとの間に配置される、デュアルフレーム人工弁。
【請求項19】
前記段間サブコンポーネントは、内側フィルム層及び外側フィルム層を具備し、
前記内側フィルム層は、アパチャの第1のセットを含み、
前記外側フィルム層は、前記アパチャの第1のセットと重なり合わないアパチャの第2のセットを含む、請求項18に記載のデュアルフレーム人工弁。
【請求項20】
前記段間サブコンポーネントは、1つ以上の補強ワイヤを具備する、請求項18に記載のデュアルフレーム人工弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月1日に出願された仮出願第62/881,428号の利益を主張し、この全体を、あらゆる目的のために参照により本明細書に取り込む。
【0002】
分野
本開示は、一般に人工弁に関し、より具体的には、管内デリバリーに適合された可撓性弁尖型人工弁デバイス、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
天然弁の機能及び性能を模倣しようとする生体人工弁が開発されてきた。生体人工弁は、合成材料、生体組織などの天然組織、又は、合成材料と天然組織の組み合わせから形成することができる。
【0004】
多くの従来の設計は、開心術の外科的技術を介して患者の解剖学的構造内の標的領域へのデリバリーを必要とするが、経カテーテル技術などの代替アプローチは多くの利点を提供する。他の例の中でも、カテーテルを介して血管内デリバリーされる経カテーテル人工弁は、開心術の外科的処置と比較して、患者の外傷を最小限に抑えるのに役立つことができる。開心術は、付随する病的状態及び長期の回復を伴う、患者への広範な外傷をもたらす。他方、カテーテルを介してレシピエント部位にデリバリーされる弁は、開心術の外傷を回避し、開心術を生き残るには病気がひどく又は弱すぎる患者に対して実施されうる。
【0005】
しかしながら、解剖学的構造内の治療領域へのアクセス、展開のためのバイオプロテーゼの適切な配置、そして最終的に、とりわけプロテーゼの有効性に課題が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
要旨
本明細書で扱われる例の様々な発明の概念は、関連するシステムならびにその使用方法及び製造方法を含む、重複するマルチフレームサブコンポーネント構成を利用して、人工弁において強化された横方向変形抵抗を達成するための構成に関する。
【0007】
1つの例(「例1」)によれば、デリバリー構成と現場での展開構成との間で移行可能な人工弁は、組織に固定するように適合されたアンカーフレームサブコンポーネントを含み、ここで、前記アンカーフレームサブコンポーネントは前記アンカーフレームサブコンポーネントの流入端と流出端との間の全長、内直径、及び、第一の展開された横方向変形抵抗を有し、前記アンカーフレームサブコンポーネントはショルダー特徴部を画定する界面領域を含む。幾つかの実施形態において、前記界面領域は、前記アンカーフレームサブコンポーネントの全長よりも短く延在しているが、他の実施形態において、前記界面領域は、前記アンカーフレームサブコンポーネントの全長に延在している。人工弁はまた、弁尖結合領域に沿って弁尖フレームサブコンポーネントに結合された弁尖アセンブリを含む弁尖フレームサブコンポーネントを含み、ここで、前記弁尖フレームサブコンポーネントは、前記弁尖フレームサブコンポーネントの流入端と流出端との間の全長、外直径、及び、第二の展開された横方向変形抵抗を有し、前記弁尖フレームサブコンポーネントは少なくとも弁尖結合領域に沿って延在している界面領域を有し、前記界面領域は前記アンカーフレームサブコンポーネントの前記ショルダー特徴部に対する相補的なショルダー特徴部を画定し、前記アンカーフレームサブコンポーネント及び前記弁尖フレームサブコンポーネントは、前記弁尖フレームサブコンポーネントと前記アンカーフレームサブコンポーネントが互いに分離されている非ネスト化構成から、前記アンカーフレームサブコンポーネントと前記弁尖フレームサブコンポーネントが組み合わせ界面に沿って係合するネスト化構成に移行するように適合されており、上記の組み合わせ界面は、前記ショルダー特徴部及び前記相補的なショルダー特徴部が係合された締まりばめによる、前記アンカーフレームサブコンポーネントの界面領域及び前記弁尖フレームサブコンポーネントの界面領域に対応し、その結果、前記人工弁は、前記アンカーフレームサブコンポーネント及び前記弁尖フレームサブコンポーネントの各々の第一の展開された横方向変形抵抗及び第二の展開された横方向変形抵抗のそれぞれを超える、内部領域及び界面領域に沿った、組み合わせ界面横方向変形抵抗を有する。
【0008】
例1のデバイスに加えて別の例(「例2」)によれば、前記ショルダー特徴部及び前記相補的なショルダー特徴部は、相補的なテーパー化プロファイルを含む。
【0009】
先行する任意の例のデバイスに加えて別の例(「例3」)によれば、前記ネスト化構成において、前記人工弁の流出端は、組み合わせ界面横方向変形抵抗よりも小さい横方向変形抵抗を有する。
【0010】
先行する任意の例のデバイスに加えて別の例(「例4」)によれば、前記人工弁は、流入領域、流出領域、及び、前記流入端と前記流出端との間の中間領域を含み、前記中間領域は、組み合わせ界面横方向変形抵抗を有し、前記流入領域及び前記流出領域はそれぞれ、組み合わせ界面横方向変形抵抗よりも小さい横方向変形抵抗を有する。
【0011】
先行する任意の例のデバイスに加えて別の例(「例5」)によれば、前記人工弁は、流入テーパーを画定するための変化している直径を有する流入領域と、流出テーパー化領域を画定するための変化している直径を有する流出領域と、前記流入端と前記流出端との間の、非テーパー化中間領域を画定するための一定の直径を有する中間領域とを含む。
【0012】
先行する任意の例のデバイスに加えて別の例(「例6」)によれば、前記人工弁のネスト化構成は、前記弁尖フレームサブコンポーネントの弁尖結合領域に沿って同じである、前記アンカーフレームサブコンポーネントの内直径及び前記弁尖フレームサブコンポーネントの外直径を含む。
【0013】
先行する任意の例のデバイスに加えて別の例(「例7」)によれば、組み合わせ界面は、弁尖アセンブリの流入側から弁尖アセンブリの流出側まで延在する長さを有する。
【0014】
先行する任意の例のデバイスに加えて別の例(「例8」)によれば、前記アンカーフレームサブコンポーネントは、拡張力によって拡張された展開プロファイルに拡張されるまで、コンパクト化された非展開プロファイルを保持するように構成されている。
【0015】
先行する任意の例のデバイスに加えて別の例(「例9」)によれば、前記アンカーフレームサブコンポーネントはバルーン拡張可能であるように構成されている。
【0016】
先行する任意の例のデバイスに加えて別の例(「例10」)によれば、前記弁尖フレームサブコンポーネント及び/又は前記アンカーフレームサブコンポーネントは自己拡張性であるように構成されている。
【0017】
先行する任意の例のデバイスに加えて別の例(「例11」)によれば、前記弁尖フレームサブコンポーネントは、形状記憶材料から形成された弁尖フレームを含む。
【0018】
先行する任意の例のデバイスに加えて別の例(「例12」)によれば、前記デバイスは、前記アンカーフレームサブコンポーネントの流出端を前記弁尖フレームサブコンポーネントの流入端に結合する段間サブコンポーネントをさらに含む。
【0019】
例12のデバイスに加えて別の例(「例13」)によれば、前記ネスト化構成は、反転された構成を画定する段間サブコンポーネントを含む。
【0020】
例12又は13のデバイスに加えて別の例(「例14」)によれば、前記段間サブコンポーネントは、前記弁尖フレームサブコンポーネントが前記アンカーフレームサブコンポーネント内にネスト化されていないときに、そこを通る血流を可能にするように動作可能であり、前記弁尖フレームサブコンポーネントが前記アンカーフレームサブコンポーネント内にネスト化されているときに、それを通る流れを制限するように動作可能である。
【0021】
例12~14のいずれか1つのデバイスに加えて別の例(「例15」)によれば、前記段間サブコンポーネントは、前記弁尖フレームサブコンポーネント及び前記アンカーフレームサブコンポーネントをネスト化構成に維持するように動作可能な1つ以上の補強要素を含む。
【0022】
例12~15のいずれか1つのデバイスに加えて別の例(「例16」)によれば、前記段間サブコンポーネントは、前記アンカーフレームサブコンポーネント及び前記弁尖フレームサブコンポーネントのうちのいずれのフレームサブコンポーネント要素とも別個に区別されて形成された連続的な波状の補強要素を含む。
【0023】
例12~16のいずれか1つのデバイスに加えて別の例(「例17」)によれば、前記段間サブコンポーネントはカバー材料を含む。
【0024】
先行する任意の例のデバイスに加えて別の例(「例18」)によれば、前記アンカーフレームサブコンポーネントは、組織と係合するように動作可能な複数の組織固定要素を含む。
【0025】
先行する任意の例のデバイスに加えて別の例(「例19」)によれば、前記弁尖アセンブリは複数の弁尖をさらに含み、場合により、前記弁尖は、マトリックス材料及びフィラー材料を含む複合材料を含み、場合により、前記マトリックス材料は、細孔を画定する多孔質合成フルオロポリマー膜を含み、前記フィラー材料は、TFE-PMVEコポリマーなどのフルオロポリマー材料を含む。
【0026】
別の例(「例20」)によれば、メディカルシステムは、デリバリーカテーテル、及び前記デリバリーカテーテルに取り付けられた先行する任意の例による人工弁を含み、前記アンカーフレームサブコンポーネント及び前記弁尖フレームサブコンポーネントは非ネスト化構成にあり、前記アンカーフレームサブコンポーネント及び前記弁尖フレームサブコンポーネントは各々コンパクト化されたデリバリープロファイルで構成されている。
【0027】
別の例(「例21」)によれば、患者の解剖学的構造の天然弁口を人工弁で治療する方法は、例20のメディカルシステムで、アンカーフレームサブコンポーネント及び弁尖フレームサブコンポーネントを、治療部位へ、コンパクト化されたデリバリー構成で前進させること、ここで、前記弁尖フレームサブコンポーネント及び前記アンカーフレームサブコンポーネントは互いに長手方向にオフセットされ、その結果、前記弁尖フレームサブコンポーネントの流入端は非ネスト化構成である、前記アンカーフレームサブコンポーネントを展開すること、及び、前記弁尖フレームサブコンポーネントと前記アンカーフレームサブコンポーネントとの間の相対位置を変更し、前記弁尖フレームサブコンポーネントを展開することにより、前記弁尖フレームサブコンポーネントを前記アンカーフレームサブコンポーネント内にネスト化することを含む。
【0028】
例21の方法に加えて別の例(「例22」)によれば、前記弁尖フレームサブコンポーネントは、外側フレーム内にネスト化され、その結果、前記弁尖フレームサブコンポーネントの流出端は前記アンカーフレームサブコンポーネントの流出端を超えて長手方向に延在し、そして前記弁尖フレームサブコンポーネントの流入端は前記アンカーフレームサブコンポーネントの流入端を超えて長手方向に延在している。
【0029】
例21又は22の方法に加えて別の例(「例23」)によれば、少なくとも、前記アンカーフレームサブコンポーネントを展開した後で、かつ、前記弁尖フレームサブコンポーネントを展開する前の時間の間、流れは前記人工弁を通って維持される。
【0030】
上述の例はまさに実施例であり、他の方法で提供される本発明の概念のいずれかの範囲を制限又は他の方法で狭めるために読まれるべきではない。複数の例が開示されているが、さらに他の実施形態は、例示的な例を示して記載する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に限定的なものではなく、本質的に例示的なものと考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成し、実施形態を示し、記載とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0032】
【
図1】
図1は、幾つかの実施形態による、治療部位(例えば、天然弁口)にインプラント処置された人工弁の概略断面図である。
【0033】
【
図2】
図2は、幾つかの実施形態による、非ネスト化構成の人工弁の断面の概略図である。
【0034】
【
図3】
図3は、幾つかの実施形態による、ネスト化構成の人工弁の断面の概略図である。
【0035】
【
図4】
図4は、幾つかの実施形態による、追加の任意選択的な特徴部(例えば、フレーム構成)を示す、非ネスト化構成の人工弁を表す。
【0036】
【
図5】
図5は、幾つかの実施形態による、
図4と同様の追加の任意選択的な特徴部(例えば、フレーム構成)を示す、ネスト化構成の人工弁を表す。
【0037】
【
図6】
図6は、幾つかの実施形態による、人工弁の任意選択的な補強要素を示す。
【
図7】
図7は、幾つかの実施形態による、任意選択的な補強要素の別の例を示す。
【0038】
【
図8】
図8は、幾つかの実施形態による、デリバリーデバイスに取り付けられた人工弁を示す。
【
図9】
図9は、幾つかの実施形態による、デリバリーデバイス1500を使用して部分的に展開された人工弁を示す。
【0039】
【
図10】
図10は、幾つかの実施形態による、アンカーフレームサブコンポーネントのための変更フレーム構成を含む人工弁の変形例を示す。
【
図11】
図11は、幾つかの実施形態による、アンカーフレームサブコンポーネントのための変更フレーム構成を含む人工弁の変形例を示す。
【0040】
当業者は、本開示の様々な態様が、意図された機能を発揮するように構成された任意の数の方法及び装置によって実現できることを容易に理解するであろう。本明細書で参照される添付の図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を例示するために誇張されていることがあり、その点に関して、図面は限定として解釈されるべきではないことにも留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0041】
詳細な説明
定義及び用語
本開示は、限定的な方法で読まれることが意図されていない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野の用語がそのような用語に帰する意味の関係で広く読まれるべきである。
【0042】
不正確さの用語に関して、「約」及び「ほぼ」という用語は、交換可能に、記載された測定値を含み、また、記載された測定値に合理的に近い測定値を含む測定値を指すために使用されうる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され、容易に確認されるように、記載された測定値から合理的に少量だけ逸脱している。このような逸脱は、例えば、測定誤差又は性能を最適化するために行われた小さな調整に起因する可能性がある。関連技術の当業者がそのような合理的に小さな差異の値を容易に確認できないと判断された場合には、「約」及び「ほぼ」という用語は、記載された値の±10%を意味すると理解することができる。
【0043】
本明細書において、便宜上、特定の用語を使用している。例えば、「上(top)」、「下(bottom)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「左(left)」、「右(right)」、「水平(horizontal)」、「垂直(vertical)」、「上向き(upward)」、「下向き(downward)」などの単語は、単に図面に構成を記載するだけであり、又は、取り付け位置での部品の向きを記載するだけである。実際、参照される構成要素は任意の方向に向けることができる。同様に、プロセス又は方法が示され又は説明される本開示全体を通して、方法が最初に実行される特定の動作に依存することが文脈から明らかでない限り、方法は任意の順序で又は同時に実行されうる。
【0044】
「隣接する」という用語は、共通の境界を共有するか、又は接触している要素を指す。
【0045】
「エラストマー」という用語は、元の長さの少なくとも1.3倍まで延伸され、解放されるとほぼ元の長さまで急速に収縮することができる能力を有するポリマー又はポリマーの混合物を指す。
【0046】
「エラストマー性材料」という用語は、必ずしも同程度の伸長性及び/又は回復性ではないが、エラストマーと同様の伸長性及び回復特性を示すポリマー又はポリマーの混合物を指す。
【0047】
「フィルム」という用語は、コーティングされた及びコーティングされていない、充填剤入り及び充填剤なしの膜、布帛などを含む。
【0048】
人工弁の関係で使用される「弁尖」という用語は、一般に、圧力差の影響下で開位置と閉位置との間を移動するように動作可能な可撓性構成要素である。例えば、動作中、弁尖は、流入流体圧力が流出流体圧力を超えると開き、流出流体圧力が流入流体圧力を超えると閉じる。閉位置において、弁尖は、単独で、又は1つ以上の他の弁尖と組み合わせて、人工弁を通る逆行性流を実質的に制限又は妨害する(あるいは完全に妨害する)ように動作する。したがって、幾つかの例において、隣接する弁尖の接合は人工弁を通る流体(例えば、血液)の流れを完全に遮断するように動作することができ、他の例において、隣接する弁尖の接合は、全量よりも少ない量の人工弁を通る流体(例えば、血液)の流れを遮断するように動作することができることが理解されよう。幾つかの実施形態において、弁尖は自由縁を含み、隣接して配置された弁尖の自由縁は、流出流体圧力の影響下で接合し、それによって弁を閉じて、流体が人工弁を通って逆行するのを制限又は妨害する。
【0049】
「非エラストマー性材料」という用語は、エラストマー又はエラストマー性材料のいずれにも類似していない、すなわち、エラストマー又はエラストマー性材料ではないと考えられる、伸張性及び回復特性を示すポリマー又はポリマーの混合物を指す。
【0050】
「人工弁口」という用語は、人工弁を配置することができる場所を指す。人工弁口は、人工弁を配置することができる解剖学的構造を含む組織開口部を含む。そのような解剖学的構造としては、限定するわけではないが、心臓弁が外科的に除去された又は除去されなかった可能性がある場所が挙げられる。人工弁を受け入れることができる他の解剖学的構造としては、限定するわけではないが、静脈、動脈、管及びシャントが挙げられる。人工弁口はまた、人工弁を受け入れることができる合成導管又は生物学的導管内の位置を指すこともできる。
【0051】
「弾力性のある」という用語は、曲げ、伸ばし又は圧縮された後に、反動又は跳ね返って形状に戻る能力を指す。
【0052】
「組織輪」という用語は、天然心臓弁構造、脈管系及び他の解剖学的特徴を含む。
【0053】
本明細書で使用されるときに、「横変形抵抗」という用語は、支持構造の長手方向軸に対して実質的に横断面での変形に対する抵抗を指す。横方向の圧縮抵抗の測定例としては、例えば、半径方向の圧縮抵抗、フープ強度及び平板剛性が挙げられる。
【0054】
「管状」という用語は、本明細書で使用されるときに、管の長さに沿って一定の直径を有する管、及び管の長さに沿って可変の直径を有する管が挙げられ、例えば、限定するわけではないが、テーパー、非-円形の横断面プロファイル又は不規則周囲などである。例えば、管状部材は、管状部材の少なくとも1つの構成において、その長さに沿って可変の直径を有することができる。別の例として、管状部材は、デリバリー構成ではほぼ一定の直径を有することができ、展開又は事前展開構成で(例えば、患者の解剖学的構造に動作可能に配置されたときに)可変の直径を有することができる。
【0055】
以下の記載のセクション見出しは、限定的な意味で読まれることを意図するものではなく、また、以下に提示される集合的な開示を分離することを意図するものでもない。開示は全体として読まれるべきである。見出しは単にレビューを支援するために提供されており、特定の見出し以外の議論がその見出しに該当する開示の部分に適用できないことを意味するものではない。
【0056】
様々な例が経カテーテル設計に関連して本明細書に記載されているが、人工弁の様々な例は、外科用途又は経カテーテル用途のいずれかに適切であることができることが理解される。したがって、経カテーテル設計に関連して記載される本発明の概念は、外科的及び経カテーテルの両方の用途に適用可能であり、経カテーテルの用途のみに限定されない。
【0057】
様々な実施形態の説明
本明細書で扱われる実施例の発明態様は、重複するマルチフレームサブコンポーネント構成を利用して、人工弁において強化された横方向変形抵抗を達成するための構成に関し、関連するシステムならびにその使用方法及び製造方法を含む。幾つかの例は、心臓弁置換術又は天然弁もしくは他の弁口に関連する他の用途に使用される人工弁、ならびに関連するシステム、方法及び装置に関する。
【0058】
図1は、幾つかの実施形態による、治療部位(例えば、天然弁口NVO)にインプラント処置された人工弁1000の概略断面図である。本開示において、実施例は、主に外科的又は経カテーテル心臓弁の用途に関連して説明されるが、本開示の範囲内の実施形態は、任意の人工弁又は同様の構造及び/又は機能の機構に適用できることは容易に理解されるべきである。例えば、
図1の人工弁1000は、呼吸器又は胃腸管の用途など、心臓以外の用途に適用できる。
【0059】
示されるように、人工弁1000は、マルチフレームサブコンポーネント構成を有し、ここで、設計に関連する複数の区別されるフレームサブコンポーネントが存在する。示されるように、人工弁1000は、アンカーフレームサブコンポーネント1100、弁尖フレームサブコンポーネント1200、及び、場合により、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200とを結合する段間サブコンポーネント1300を含む。
【0060】
様々な実施形態において、人工弁1000は、弁口を画定する一方向人工弁として動作可能であり、差動流体圧力に応答して、弁尖が開いて流れを可能にし、閉じて弁口を遮断又は閉塞し、流れを部分的又は完全に防止する。人工弁1000は、デリバリー構成と現場での展開構成との間で移行可能である。一般的に、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、一方向弁として機能する弁尖アセンブリ1224をさらに動作可能に支持し、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、インプラント部位(例えば、天然弁口NVO、大動脈弁に関連するものであることができる)に結合するように動作可能である。含まれる場合に、段間サブコンポーネント1300は、展開中に弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100内に並進移動可能にするように動作可能である。さらに、幾つかの実施形態によれば、段間サブコンポーネント1300は、人工弁1000の展開中に灌流を可能にするように動作可能である。
【0061】
アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200は、弁尖フレームサブコンポーネント1200及びアンカーフレームサブコンポーネント1100が互いに分離されている非ネスト化構成から、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200が、締まりばめを介して、アンカーフレームサブコンポーネント1100の界面領域及び弁尖フレームサブコンポーネント1200の界面領域に対応する組み合わせ界面に沿って係合しているネスト化構成に移行するように適合されている。幾つかの例において、アンカーフレームサブコンポーネント及び弁尖フレームサブコンポーネント1100、1200は、コンポーネントの位置合わせ及び/又は移動防止特性を支援するための相補的ショルダーなどの相補的係合特徴部を有する。
【0062】
マルチフレームサブコンポーネント配置の組み合わせ界面は、個別に、弁尖フレームサブコンポーネント及びアンカーフレームサブコンポーネント1100、1200の横方向変形抵抗よりも強化された、又は、それよりも大きい横方向変形抵抗を示す。幾つかの例において、アンカーフレームサブコンポーネント及び弁尖フレームサブコンポーネント1100、1200の一方又は両方の界面領域は、それらのサブコンポーネントの全長よりも短く延在している。他の例において、界面領域は、アンカーサブコンポーネント及び弁尖フレームサブコンポーネント1100、1200の全長に延在している。それにもかかわらず、組み合わせ界面が、人工弁1000の弁尖アセンブリ(例えば、弁尖側面及び交連に沿って弁尖ベースから弁尖自由端までの結合領域に沿って)を支持する弁尖フレームサブコンポーネント1200の部分に対応することは、特に有益であることができる。特に、強化された横方向変形抵抗は、弁尖が動作できる一貫した、事前に決定された開口部又は内腔の形状を提供することによって、弁尖アセンブリへの一貫した支持を維持するのに役立つ。
【0063】
アンカーフレームサブコンポーネント
図2は、非ネスト化状態又は構成にある人工弁1000の断面の概略図であり、
図4は、追加の任意選択的な特徴部(例えば、フレーム構成)を示す、非ネスト化構成の人工弁1000を表す。
図3及び5はそれぞれ類似した表示であるが、ネスト化構成になっている。示されるように、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、流入端1102としても記載されるアンカーフレーム流入端1102、流出端1104としても記載されるアンカーフレーム流出端1104、内面1106及び外面1108を有し、内面1106は内腔1110を画定する。アンカーフレームサブコンポーネント1100は、流入端1102と流出端1104との間の全長と、内面1106によって規定される内直径とを有する。内腔1110は、流入端1102と流出端1104と、内面1106との間で画定されるほぼ筒形ボイドである。内腔は、その長さに沿ってほぼ円形の横断面を有するが、その場で、内腔1110の1つ以上の部分は、配置される組織開口部の幾何形状及びインプラント部位の組織輪に対するアンカーフレームサブコンポーネント1100の適合性によって、不規則な断面を採用しうる。様々な例において、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、天然弁口に結合するか、又はさもなければ固定されるように構成されている。したがって、様々な例において、アンカーフレームサブコンポーネント1100の直径(例えば、外面1108の直径)は、患者の解剖学的構造に従ってサイズ決定される。
【0064】
アンカーフレームサブコンポーネント1100の非限定的な例は、患者の解剖学的構造によって、20ミリメートル~50ミリメートルの範囲の直径(例えば、アンカーフレームサブコンポーネント1100の外面の直径)を備えることができることが理解されるであろう。しかしながら、患者の解剖学的構造によっては、50ミリメートルを超える直径も考えられる。一般的に、展開構成において、内面1106は、弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100内に伸縮的にネスト化する際に、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200の係合を容易にするために、弁尖フレームサブコンポーネント1200の外面の1つ以上の部分と同様の(例えば、同じ又はより小さい)直径を有し、又はさもなければサイズ決めされる。このような伸縮式ネスト化及び係合により、アンカーフレームサブコンポーネント1100の「製造時」の直径が得られ、又は、患者の解剖学的構造内に配置されたときのアンカーフレームサブコンポーネント1100の「予定される」又は「実際の」直径が得られる。
【0065】
幾つかの実施形態において、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、アンカーフレーム1120及びアンカーフレームカバー1122を含む(例えば、
図4に示されるとおり)。アンカーフレーム1120は、アンカーフレーム1120の壁を流体が通過することを抑制すること、インプラント部位でアンカーフレームサブコンポーネント1100の組織内部成長を促進すること、又は、所望に応じた代替又は追加の目的など、所望の効果に適したアンカーフレームカバー1122(例えば、フィルム又は布帛)によって少なくとも部分的に覆われることができる。アンカーフレームカバー1122は、アンカーフレーム1120の内面、外面、又は、内面と外面との両方に結合されうる。
【0066】
様々な例において、アンカーフレームサブコンポーネントは、棘又は組織アンカーなどの1つ以上の組織係合特徴部1124を含む。様々な例において、1つ以上の組織係合特徴部1124は、アンカーフレームサブコンポーネント1100から離れて、アンカーフレームサブコンポーネント1100の長手方向軸から半径方向外向きに、そして人工弁1000を取り囲む組織に向かって突出する。所望ならば、組織係合特徴部1124は、流入方向(例えば、外向きに突出し、流入方向に角度を付けられる)又は流出方向(例えば、外向きに突出し、流出方向に角度を付けられる)に向けられることができる。一般に、組織係合特徴部1124は、アンカーフレームサブコンポーネント1100が展開されるときに、アンカーフレームサブコンポーネント1100から離れて突出するように動作可能である。
【0067】
図2及び4に示されるように、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、流入部分1136、流出部分1138、及び、流入部分と流出部分1136、1138の間の中間部分1140を有する。流入部分1136は、展開構成にあるときに、半径方向外向きにフレア化又はテーパー化する流入端1102での流入フランジ又はフレアを画定する。流出部分1138は、展開構成にあるときに、半径方向外向きにフレア化又はテーパー化する流出フランジ又はフレア部分を画定する。示されるように、流入部分及び流出部分1136、1138のそれぞれは、中間部分1140に対して拡大された展開直径を有する。様々な例において、そのような構成は、アンカーフレームサブコンポーネント1100と天然組織輪とのインプラント部位での隣接を容易にすることによって移行リスクを最小化するのを助けることができる。さらに、流出部分1138は、弁尖フレームサブコンポーネント1200が係合することができるショルダー特徴部として機能する(例えば、アンカーフレームサブコンポーネント1100に対する弁尖フレームサブコンポーネント1200の適切な位置決め及び/又は望ましくない移行の回避を支援する)ように構成されうる。
【0068】
流入部分及び流出部分1136、1138は、示されるように中間部分1140と一体であることができるが、別個であるが取り付けられた部分が、所望のように組み込まれることができることが考えられる。その場で、流入部分又は流出部分1136、1138のいずれかは、それが配置される組織開口部の形状及び特定の部分の適合性に応じて、不規則な断面を採用することができる。示されるように、流入部分及び流出部分1136、1138の一方又は両方は、凹状の湾曲を有するトランペット形状で外向きにフレアすることができる。他の実施形態において、流入部分及び流出部分1136、1138の一方又は両方は、凸状の曲率を画定する。あるいは、より線形又は非曲線のフレアを示すことができる。
【0069】
様々な例において、アンカーフレームサブコンポーネント1100のアンカーフレーム1120は塑性変形可能であり、それにより、拡張力によって拡張可能である(例えば、バルーン拡張可能)又は自己拡張可能である(例えば、コンパクト化プロファイルから展開プロファイルへ弾性回復することによる)。例えば、アンカーフレーム1120は、荷重下で屈曲し、荷重が除去されたときに元の形状を保持するように動作可能な形状記憶材料を含むことができ、したがって、アンカーフレーム1120及び一般にアンカーフレームサブコンポーネント1100が、圧縮形状から所定のより大きな形状に自己拡張することを可能にする。アンカーフレーム1120は、以下でさらに詳細に記載される弁尖フレームと同じ又は異なる材料を含むことができる。参照されるように、幾つかの例において、アンカーフレーム1120は、バルーンなどの半径方向の拡張力によって、コンパクト化されたデリバリープロファイルから拡張された展開プロファイルに機械的に拡張されうるように、塑性変形可能であるように構成されている。さらに他の幾つかの例において、アンカーフレーム1120は、塑性変形可能であるだけでなく、弾性変形可能である。すなわち、幾つかの例において、アンカーフレーム1120は、1つ以上の弾性変形可能な構成要素又は特徴部と、1つ以上の塑性変形可能な構成要素又は特徴部とを含む。したがって、本明細書に示されるアンカーフレーム1120の例は、特定の設計又は拡張モードに限定されないことを理解されたい。
【0070】
幾つかの例において、アンカーフレーム1120は、拡張され、拡張された形状に固定されることができる(例えば、塑性変形、拡張ロッキング機構又はその両方による)。例えば、幾つかの例において、アンカーフレーム1120は、展開構成に移行すると、増加した剛性、又は、形状、サイズ又はその両方の変化に対する抵抗を含む、デバイスの長手方向軸に対する横断面の変形に対する抵抗を備えたセクションを含むフレームを含む。横方向変形抵抗のそのような増加は、例えば、半径方向の圧縮抵抗の増加又は平板剛性の増加、あるいはその両方として測定されうる。変形抵抗が強化された適切なフレーム設計及びフレームロッキング機構の幾つかの例は、2019年6月19日に出願されたPCT出願番号PCT/US2019/037998号明細書に記載されうる。
【0071】
幾つかの実施形態において、アンカーフレーム1120は、アパチャ又はボイド1116を画定するフレームワークを有する管状メッシュを画定する(例えば、
図4及び5に示されるとおり)。例えば、アンカーフレーム1120は、場合により、相互接続され、開口セルの1つ以上のパターン(例えば、ダイアモンドフレーム、開口セルパターン)に配置された複数のフレーム部材を含む。幾つかの例において、これらのパターンは複数の列にわたって1回以上繰り返す。アンカーフレーム1120は、一般にダイアモンド形状を有するアパチャ又はボイドを含むように示されているが、相互接続されたフレーム部材は、一連の正弦波又は所望の周方向の圧縮性及び拡張性を促進する任意の幾何学的形状など、任意の数の代替パターンで配置できることを理解されたい。
【0072】
アンカーフレーム1120は、切断された管又は任意の他の要素を含むか、又はさもなければそれから形成されうる。幾つかの例において、アンカーフレーム1120は、管状構造に形成された材料の管又はシートにエッチング、切断、レーザ切断又はスタンプされる。あるいは、ワイヤ、曲げ可能なストリップなどの長尺材料は、曲げられるか、編組されるか、又は他の方法で管状構造に加工される。
【0073】
材料に関して、アンカーフレーム1120は、任意の金属又はポリマーの生体適合性材料を含むことができる。例えば、アンカーフレーム1120は、限定するわけではないが、ニチノール、コバルトニッケル合金、ステンレス鋼、又は、ポリプロピレン、アセチルホモポリマー、アセチルコポリマー、ePTFE、他の合金又はポリマー、又は、本明細書に記載されるように機能するのに十分な物理的及び機械的特性を有する、他の任意の生体適合性材料などの材料を含むことができる。
【0074】
様々な実施形態において、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、インプラント部位との積極的な係合を提供して、人工弁1000をその部位にしっかりと固定するように構成されている。インプラント部位とのそのような積極的な係合は、限定するわけではないが、以下の1つ以上:アンカーフレーム1120の拡張ばねバイアス、拡張されたアンカーフレーム1120の横方向の変形抵抗、組織係合特徴部、及び、アンカーフレーム1120の幾何学的形状、輪郭及び/又はテクスチャによって促進されうる。
【0075】
アンカーフレームカバー1122は、アンカーフレーム1120の全部又は1つ以上の部分に沿ってアンカーフレーム1120の壁を通る流体流を防ぐように動作可能であることができる。様々な例において、アンカーフレームカバー1122は半透明又は透明であり、したがって、アンカーフレーム1120の要素は、アンカーフレームカバー1122を通して示される。流れを阻害又は防止することに加えて、アンカーフレームカバー1122はまた、組織輪での組織隣接のための好ましい表面を提供するように動作可能であることができ、さらに、人工弁1000の組織輪への固定に有利であることができる所望の位置での組織内部成長を促進し、血液の好ましい生物学的応答を促進し(例えば、血栓反応を防止し)、及び/又は、人工弁1000を組織開口部で密封することを促進して、弁周囲の漏出を最小限に抑えるように動作可能であることができる。
【0076】
アンカーフレーム1120のボイドのすべて又は大部分は、アンカーフレーム1120を通る流れを遮断するように、アンカーフレームカバー1122によって覆われている(例えば、アンカーフレームカバー1122は、生理学的条件下で血液不透過性であるなど、血液に対してより透過性が低い)、又は時間の経過とともに血液の透過性がより低くなるように構成されている(例えば、織物及び/又はポリエステルベースのグラフト材料と同様に)。したがって、幾つかの実施形態において、アンカーフレームカバー1122は、アンカーフレーム1120の外面に結合された低透過性又は不透過性フィルム、シート又は膜材料である。アンカーフレームカバー1122は、当該技術分野で知られている任意の適切な材料を含むことができる。例として、アンカーフレームカバー1122は、とりわけ、フィルム又は布帛材料であることができる。
【0077】
アンカーフレームカバー1122は、生物学的に適合性があり、アンカーフレーム1120に結合するように構成されたシート状材料であることができる。様々な例において、生体適合性材料は、生物学的供給源ではなく、生体適合性ポリマーなどの特定の目的にのために十分に可撓性でかつ強いフィルムである。1つの実施形態において、フィルムは、生体適合性ポリマー(例えば、ePTFE)を含む。幾つかの例において、フィルムは2つ以上の材料の複合材である。フィルムは、膜、複合材料又はラミネートのうちの1つ以上を含むことができる。
【0078】
様々な例において、フィルムに使用される構造及び材料は、アンカーフレームカバー1122が血液に対してより透過性が低い(例えば、生理学的条件下で血液が不透過性である)ようなものである。様々な例において、フィルムに使用される構造及び材料は、アンカーフレームカバー1122が細胞の内部成長、接着及び/又は付着を促進するようなものである。すなわち、様々な例において、アンカーフレームカバー1122は、アンカーフレームカバー1122の1つ以上の部分への組織の内部成長を促進するように構築されている。細胞の内部成長は、人工弁の組織開口部との密封をさらに増加させ、弁周囲の漏出、つまり、人工弁とそれが結合している組織との間の漏出を最小限に抑えるのに役立つことができることが理解される。
【0079】
弁尖フレームサブコンポーネント
示されるように、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、流入端1202とも呼ばれる、弁尖フレーム流入端1202、流出端1204とも呼ばれる、弁尖フレーム流出端1204、内面1206及び外面1208を有する、一般に管状の部材であり、内面1206は内腔1210を画定する。内腔1210は、流入端1202及び流出端1204と内面1206との間に画定される一般に筒形のボイドである。参考のために、内腔1210は、流入端1202及び流出端1204と内面1206との間に画定される一般に筒形のボイドである。
【0080】
弁尖フレームサブコンポーネント1200(弁尖アセンブリ1224を備えた)は、一般に、人工弁1000に一方向弁の機能を提供する。機械的弁尖、生物学的弁尖、合成弁尖及び生物学的かつ合成弁尖弁は、弁尖フレームサブコンポーネント1200とともに使用されうることが理解される。弁尖フレームサブコンポーネント1200は、経カテーテル用途では、直径がより小さい圧縮構成と直径がより大きい拡張構成とを有することが必要とされ、そして弁及び関連する弁尖がその機能に対応できなければならないことも理解される。
【0081】
示されるように、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、流入部分1236及び流出部分1238を有する。流出部分1238は、展開構成にあるときに、半径方向外向きにフレア化又はテーパー化する流出フランジ又はフレア化部分を画定する。示されるように、流出部分1238は、流入部分1236に対して拡大された展開直径を有する。様々な例において、そのような構成は、弁尖フレームサブコンポーネント1200とアンカーフレームサブコンポーネント1100との隣接を容易にすることによって、移行リスクを最小化し、及び/又は展開を容易にするのに役立つことができる。特に、流出部分1238は、アンカーフレームサブコンポーネント1100のショルダー特徴部が係合することができる相補的なショルダー特徴部として機能するように構成されうる(例えば、適切な位置決めを支援するため、及び/又はアンカーフレームサブコンポーネント1100に対する弁尖フレームサブコンポーネント1200の所望しない移行を回避するため)。
【0082】
弁尖フレームサブコンポーネント1200は、弁尖フレーム1220(
図4)、弁尖フレームカバー1222(
図4)及び1つ以上の弁尖を含む弁尖アセンブリ1224(破線で示される)を含む。様々な実施形態において、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、インプラント部位との積極的な係合を提供して、人工弁1000の弁尖をその部位にしっかりと固定するのを助けるように構成されている。インプラント部位とのそのような積極的な係合は、限定するわけではないが、以下の1つ以上:弁尖フレーム1220の拡張ばねバイアス、拡張された弁尖フレーム1220の横方向変形抵抗、組織係合特徴部及び弁尖フレーム1220の幾何学的形状、輪郭及び/又はテクスチャにより促進されうる。
【0083】
一般的に、弁尖フレーム1220は、弁尖アセンブリ1224の構造的支持を提供するのに役立つ。弁尖フレーム1220は、バルーン拡張及び/又は自己拡張展開手段によって促進される、より小さいデリバリー構成直径及びより大きい展開構成直径を有するように動作可能である。
【0084】
様々な例において、弁尖フレームサブコンポーネント1200の弁尖フレーム1220は塑性変形可能であり、それにより、拡張力によって拡張可能であり(例えば、バルーン拡張可能)、又は自己拡張可能である(例えば、コンパクト化プロファイルから展開プロファイルに弾性的に回復することによる)。例えば、弁尖フレーム1220は、荷重下で屈曲し、荷重が除去されたときに元の形状を保持するように動作可能な形状記憶材料を含むことができ、したがって、弁尖フレーム1220、及び一般に弁尖フレームサブコンポーネント1200は、圧縮された形状から所定のより大きな形状に自己拡張することができる。弁尖フレーム1220は、以下でさらに詳細に記載される、弁尖フレームと同じ又は異なる材料を含むことができる。参照されるように、幾つかの例において、弁尖フレーム1220は、バルーンなどの半径方向の拡張力によって、コンパクト化されたデリバリープロファイルから拡張され展開プロファイルに機械的に拡張されうるように、塑性変形可能であるように構成されている。さらに他の幾つかの例において、弁尖フレーム1220は、塑性変形可能であるだけでなく、弾性変形可能である。すなわち、幾つかの例において、弁尖フレーム1220は、1つ以上の弾性的に変形可能な構成要素又は特徴部と、1つ以上の塑性変形可能な構成要素又は特徴部とを含む。したがって、本明細書に示される弁尖フレーム1220の例は、特定の設計又は拡張モードに限定されないことを理解されたい。
【0085】
幾つかの例において、アンカーフレーム1120は、拡張され、拡張形状にロックされることができる(例えば、塑性変形、拡張ロッキング機構又はその両方によって)。例えば、幾つかの例において、アンカーフレーム1120は、展開構成に移行すると、増加した剛性、又は、形状、サイズ又はその両方の変化に対する抵抗を含む、デバイスの長手方向軸に対する横断面の変形に対する抵抗を備えたセクションを含むフレームを含む。横方向変形抵抗のそのような増加は、例えば、半径方向の圧縮抵抗の増加又は平板剛性の増加、あるいはその両方として測定されうる。変形抵抗が強化された適切なフレーム設計及びフレームロッキング機構の幾つかの例は、2019年6月19日に出願されたPCT出願番号PCT/US2019/037998号明細書に記載されうる。
【0086】
幾つかの実施形態において、弁尖フレーム1220は、アパチャ又はボイド1216を画定するフレームワークを有する管状メッシュを画定する(例えば、
図4及び5に示されるとおり)。例えば、弁尖フレーム1220は、場合により、相互接続され、開口セルの1つ以上のパターン(例えば、ダイアモンドフレーム、開口セルパターン)に配置された複数のフレーム部材を含む。幾つかの例において、これらのパターンは複数の列にわたって1回以上繰り返す。弁尖フレーム1220は、一般にダイアモンド形状を有するアパチャ又はボイドを含むように示されているが、相互接続されたフレーム部材は、一連の正弦波又は所望の周方向の圧縮性及び拡張性を促進する任意の幾何学的形状など、任意の数の代替パターンで配置できることを理解されたい。
【0087】
弁尖フレーム1220は、切断された管又は任意の他の要素を含むか、又はさもなければそれから形成されうる。幾つかの例において、弁尖フレーム1220は、管状構造に形成された材料の管又はシートにエッチング、切断、レーザ切断又はスタンプされる。あるいは、ワイヤ、曲げ可能なストリップなどの長尺材料は、曲げられるか、編組されるか、又はさもなければ管状構造に加工される。
【0088】
材料に関して、弁尖フレーム1220は、任意の金属又はポリマーの生体適合性材料を含むことができる。例えば、弁尖フレーム1220は、限定するわけではないが、ニチノール、コバルトニッケル合金、ステンレス鋼、又は、ポリプロピレン、アセチルホモポリマー、アセチルコポリマー、ePTFE、他の合金又はポリマー、又は、本明細書に記載されるように機能するのに十分な物理的及び機械的特性を有する、他の任意の生体適合性材料などの材料を含むことができる。
【0089】
弁尖フレームカバー1222は、弁尖フレーム1220の全体又は1つ以上の部分に沿った弁尖フレーム1220の壁を通る流体流を防ぐように動作可能であることができる。様々な例において、弁尖フレームカバー1222は半透明又は透明であり、したがって、弁尖フレーム1220の要素は、弁尖フレームカバー1222を通して示される。流れを阻害又は防止することに加えて、弁尖フレームカバー1222はまた、組織輪での組織隣接のための好ましい表面を提供するように動作可能であることができ、さらに、人工弁1000の組織輪への固定に有利であることができる所望の位置での組織内部成長を促進し、血液の好ましい生物学的応答を促進し(例えば、血栓反応を防止し)、及び/又は、人工弁1000を組織開口部で密封することを促進して、弁周囲の漏出を最小限に抑えるように動作可能であることができる。
【0090】
幾つかの例において、弁尖フレーム1220のボイドのすべて又は大部分は、弁尖フレーム壁を通る流れを遮断するように、弁尖フレームカバー1222によって覆われている(例えば、弁尖フレームカバー1222は、生理学的条件下で血液不透過性であるなど、血液に対してより透過性が低い)、又は時間の経過とともに血液の透過性がより低くなるように構成されている(例えば、織物及び/又はポリエステルベースのグラフト材料と同様に)。したがって、幾つかの実施形態において、弁尖フレームカバー1222は、外面1208で結合された低透過性又は不透過性のフィルム、シート又は膜材料である。弁尖フレームカバー1222は、当該技術分野で知られている任意の適切な材料を含むことができる。例として、弁尖フレームカバー1222は、とりわけ、フィルム又は布帛材料であることができる。例えば、弁尖フレームカバー1222は、生物学的に適合性があり、弁尖フレーム1220に結合するように構成されたシート状の材料であることができる。様々な例において、生体適合性材料は、生物学的供給源ではなく、生体適合性ポリマーなどの特定の目的のために十分に可撓性かつ強いフィルムである。1つの実施形態において、フィルムは、生体適合性ポリマー(例えば、ePTFE)を含む。幾つかの例において、フィルムは2つ以上の材料の複合材である。フィルムは、膜、複合材料又はラミネートのうちの1つ以上を含むことができる。
【0091】
様々な例において、フィルムに使用される構造及び材料は、弁尖フレームカバー1222が血液に対してより透過性が低い(例えば、生理学的条件下で血液が不透過性である)ようなものである。様々な例において、フィルムに使用される構造及び材料は、弁尖フレームカバー1222が細胞の内部成長、接着及び/又は付着を促進するようなものである。すなわち、様々な例において、弁尖フレームカバー1222は、弁尖フレームカバー1222の1つ以上の部分への組織の内部成長を促進するように構築される。細胞の内部成長は、人工弁の組織開口部との密封をさらに増加させうることが理解され、弁周囲の漏出、すなわち、人工弁とそれが結合している組織との間の漏出を最小限に抑えるのに役立つ。
【0092】
様々な実施形態において、1つ以上の弁尖を含む弁尖アセンブリ1224は、一方向弁構造を提供するように弁尖フレーム1220に結合される。上で参照したように、様々な機械弁、生物学的弁尖及び合成弁尖の設計を、所望のとおりに使用することができる。適切な弁尖構造及び弁尖フレームへの取り付け方法の例は、米国特許出願第13/833,650号、第14/973,589号及び第14/622,599号明細書に例示及び記載されており、これらのそれぞれの内容を参照により本明細書に取り込む。適切な弁尖材料のさらなる例を以下に示す。
【0093】
一般的に、弁尖アセンブリ1224は、弁尖アセンブリ1224の1つ以上の弁尖が、順方向流方向とも呼ばれる、流入端1202からの流れが流出端1204を通過できるように開くように動作可能であり、そして逆流方向とも呼ばれる、流出端1204から流入端1202を通って流れる流れを制限するように閉じるように動作可能であるように、弁尖フレーム1220に結合される。
【0094】
弁尖アセンブリ1224は、弁尖フレームサブコンポーネント1200(例えば、フレーム1220及び/又はカバー1222)の内面1206、弁尖フレームサブコンポーネント1200(例えば、フレーム1220及び/又はカバー1222)の外面、又は所望のときに両方に結合されうる。弁尖アセンブリ1224をフレーム1220及び/又はカバー1222に動作可能に結合するための様々な手段(例えば、ステッチング、接着剤、ファスナなど)が考えられる。
【0095】
上述で参照されるように、様々な実施形態において、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、アンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化可能である。
図3及び5は、ネスト化され、拡張された構成のアンカーフレームサブコンポーネント及び弁尖フレームサブコンポーネント1100、1200を備えた人工弁1000を示している。完全なアセンブリに関して、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200は、少なくとも部分的にアンカーフレームサブコンポーネント1100内に同軸に配置又は受け入れ可能であるか、さもなければ伸縮式にネスト化される弁尖フレームサブコンポーネント1200を提供するようにサイズ決定及び成形される。異なる用語で、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、弁尖フレームサブコンポーネント1200の一部(又は代替的にはすべて)が、(例えば、隣接する流入端部分及び/又は流出端部分の対を画定するため)アンカーフレームサブコンポーネント1100によって画定される空間によって受け入れられるか、又はさもなければその空間内に配置されうるように構成される。
【0096】
弁尖アセンブリ材料
様々な例において、弁尖アセンブリ1224の1つ以上の弁尖は、生体適合性の合成材料(例えば、ePTFE及びePTFE複合材料、又は、所望のときには他の材料を含む)から形成されている。他の例において、弁尖は、ウシ組織、ブタ組織などを含む再利用された組織などの天然材料から形成されている。
【0097】
適切な弁尖材料の幾つかの例は、Bruchmanらの米国特許第8,961,599号明細書(「インプラント及びそれから製造された物品に適した耐久性のある高強度ポリマー複合材料」)、Bruchmanらの米国特許第8,945,212号明細書(「インプラント及びそれから製造された物品に適した耐久性のある多層高強度ポリマー複合材料」)、Bruchmanらの米国特許第9,554,900号明細書(「インプラント及びそれから製造された物品に適した耐久性のある高強度ポリマー複合材料」)及びBruchmanらの米国特許出願第2015/0224231号明細書(「人工弁用のコヒーレント単層高強度合成ポリマー複合材料」)に見出すことができる。
【0098】
本明細書中の実施形態によれば、弁尖材料は、複数の細孔及び/又は空間を有する少なくとも1つの多孔質合成ポリマー膜層と、前記少なくとも1つの合成ポリマー膜層の細孔及び/又は空間を充填するエラストマー及び/又はエラストマー性材料及び/又は非エラストマー性材料とを有する複合材料を含む。他の例によれば、弁尖アセンブリ1224は、複合材料上にエラストマー及び/又はエラストマー性材料及び/又は非エラストマー性材料の層をさらに含む。例によれば、複合材料は、質量で約10%~90%の範囲の多孔質合成ポリマー膜を含む。
【0099】
多孔質合成ポリマー膜の例としては、細孔及び/又は空間を画定するノード及びフィブリル構造を有する延伸フルオロポリマー膜が挙げられる。幾つかの例において、延伸フルオロポリマー膜は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜である。多孔質合成ポリマー膜の別の例としては、微孔質ポリエチレン膜が挙げられる。
【0100】
エラストマー及び/又はエラストマー性材料及び/又は非エラストマー性材料の例としては、限定するわけではないが、テトラフルオロエチレン及びペルフルオロメチルビニルエーテルのコポリマー(TFE/PMVEコポリマー)、(ペル)フルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)、ウレタン、シリコーン(オルガノポリシロキサン)、シリコン-ウレタンのコポリマー、スチレン/イソブチレンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリエチレン-コ-ポリ(酢酸ビニル)、ポリエステルコポリマー、ナイロンコポリマー、フッ素化炭化水素ポリマー、及び、上述のそれぞれのコポリマー又は混合物が挙げられる。幾つかの例において、TFE/PMVEコポリマーは、60~20質量パーセントのテトラフルオロエチレン及びそれぞれ40~80質量パーセントのペルフルオロメチルビニルエーテルを含むエラストマーである。幾つかの例において、TFE/PMVEコポリマーは、67~61質量パーセントのテトラフルオロエチレン及びそれぞれ33~39質量パーセントのペルフルオロメチルビニルエーテルを含むエラストマー性材料である。幾つかの例において、TFE/PMVEコポリマーは、73~68質量パーセントのテトラフルオロエチレン及びそれぞれ27~32質量パーセントのペルフルオロメチルビニルエーテルを含む非エラストマー性材料である。TFE-PMVEコポリマーのTFE及びPMVE成分はwt%で表されている。参考までに、約40、33~39及び27~32のPMVEのwt%は、それぞれ、約29、23~28及び18~22のモル%に対応する。
【0101】
幾つかの例において、TFE-PMVEコポリマーは、エラストマー、エラストマー性特性及び/又は非エラストマー性特性を示す。
【0102】
幾つかの例において、複合材料は、約73~約68質量パーセントのテトラフルオロエチレン及びそれぞれ約27~約32質量パーセントのペルフルオロメチルビニルエーテルを含むTFE-PMVEコポリマーの層又はコーティングをさらに含む。
【0103】
幾つかの例において、弁尖材料は、約60~約20質量パーセントのテトラフルオロエチレン及びそれぞれ約40~約80質量パーセントのペルフルオロメチルビニルエーテルを含むTFE-PMVEコポリマーが吸収された延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜を含み、弁尖材料は、血液接触面上に約73~約68質量パーセントのテトラフルオロエチレン及びそれぞれ約27~約32質量パーセントのペルフルオロメチルビニルエーテルを含むTFE-PMVEコポリマーのコーティングをさらに含む。
【0104】
上記のように、エラストマー及び/又はエラストマー性材料及び/又は非エラストマー性材料は、エラストマー及び/又はエラストマー性材料及び/又は非エラストマー性材料が延伸フルオロポリマー膜内の実質的にすべてのボイド又は細孔を占めるように延伸フルオロポリマー膜と組み合わせることができる。
【0105】
適切な弁尖材料の幾つかの例が提供されているが、上記の例は、限定的な意味で読むことが意図されず、追加又は代替の材料は考えられる。
【0106】
幾つかの例において、弁尖フレームカバー1232、アンカーフレームカバー1122及び/又は段間サブコンポーネント1300は、任意の天然/変性組織材料、合成材料及びそれらの組み合わせを含む、上記の任意の弁尖材料から形成されることができ、又は、さもなければ含むことができる。さらに、任意の様々な生物活性剤は、上記のいずれかとともに実装されうる。例えば、弁尖フレームサブコンポーネント1200(例えば、弁尖フレームカバー1232)、アンカーフレームサブコンポーネント(例えば、アンカーフレームカバー1122)、段間サブコンポーネント1300(例えば、管状材料)のいずれか1つ以上(その一部を含む)は生物活性剤を含むことができる。生物活性剤は、人工弁1000がインプラント処置されると、薬剤の制御放出及び/又は活性化のために、前述の特徴部の1つ以上の上にコーティングすることができる。そのようなコーティング方法としては、限定するわけではないが、2015年7月2日に出願されたLeonteinらの米国特許第9,101,696号明細書に記載されているものを挙げることができる。このような生物活性剤としては、限定するわけではないが、血管拡張剤、抗凝固剤、抗血小板及び/又はヘパリンなどであるがこれに限定されない抗血栓形成剤を挙げることができる。他の生物活性剤としては、限定するわけではないが、薬剤、例えば、天然産物を含む抗増殖剤/有糸分裂阻害剤、例えば、ビンカアルカロイド(すなわち、ビンブラスチン、ビンクリスチン及びビノレルビン)、パクリタキセル、エピジポドフィロトキシン(すなわち、エトポシド、テニポシド)、抗生物質(ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)ダウノルビシン、ドキソルビシン及びイダルビシン)、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)及びマイトマイシン、酵素(L-アスパラギンを全身的に代謝し、それら自身のアスパラギンを合成する能力を持たない細胞を奪うL-アスパラギナーゼ)、G(GP)IIb/IIIa阻害剤及びビトロネクチン受容体アンタゴニストなどの抗血小板剤、窒素マスタード(メクロレタミン、シクロホスファミド及び類似体、メルファラン、クロラムブシル)、エチレンイミン及びメチルメラミン(ヘキサメチルメラミン及びチオテパ)、アルキルスルホン酸塩-ブスルファン、ニトロソウレア(カルムスチン(BCNU)及び類似体、ストレプトゾシン)、トラゼネス-ダカルバジニン(DTIC)などの抗増殖/抗有糸分裂アルキル化剤、葉酸類似体(メトトレキサート)、ピリミジン類似体(フルオロウラシル、フロクスウリジン及びシタラビン)、プリン類似体及び関連する阻害剤(メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン及び2-クロロデオキシアデノシン{クラドリビン})などの抗増殖性/代謝拮抗性代謝剤、白金配位錯体(シスプラチン、カルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、ミトタン、アミノグルテチミド、ホルモン(すなわちエストロゲン)、抗凝固剤(ヘパリン、合成ヘパリン塩及びその他のトロンビン阻害剤)、線維素溶解剤(例えば、組織プラスミノーゲン活性化因子、ストレプトキナーゼ及びウロキナーゼ)、アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキシマブ、抗遊走性剤、分泌防止剤(ブレベルディン)、抗炎症剤、例えば、副腎皮質ステロイド(コルチゾール、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニソン、プレドニゾロン、6α-メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、ベータメタゾン及びデキサメタゾン)、非ステロイド剤(サリチル酸誘導体、すなわち、アスピリン、パラアミノフェノール誘導体、すなわちアセトアミノフェン、インドール及びインデン酢酸(インドメタシン、スリンダク及びエトダラク)、ヘテロアリール酢酸(トルメチン、ジクロフェナク及びケトロラク)、アリールプロピオン酸(イブプロフェン及び誘導体)、アントラニル酸(メフェナミン酸及びメクロフェナム酸)、エノール酸(ピロキシカム、テノキシカム、フェニルブタゾン及びオキシフェンタトラゾン)、ナブメトン、金化合物(アウラノフィン、オーロチオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウム)、免疫抑制剤:(シクロスポリン、タクロリムス(FK-506)、シロリムス(ラパマイシン)、アザチオプリン、ミコフェノラートモフェチル)、血管新生剤、血管内皮増殖因子(VEGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、アンギオテンシン受容体遮断薬、一酸化窒素供与体、アンチセンスオリゴヌクレオチド及びその組み合わせ、細胞周期阻害剤、mTOR阻害剤及び成長因子受容体シグナル伝達キナーゼ阻害剤、レテノイド、サイクリン/CDK阻害剤、HMGコエンザイムレダクターゼ阻害剤(スタチン)及びプロテアーゼ阻害剤を挙げることができる。
【0107】
段間サブコンポーネント
図2及び4は、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200との間に延在している段間サブコンポーネント1300を示し、弁尖フレームはネスト化されておらず、又は、アンカーフレームサブコンポーネント1100からオフセットされている。様々な例において、段間サブコンポーネント1300は、流入端1202で弁尖フレームサブコンポーネント1200に、そして流出端1104でアンカーフレームサブコンポーネント1100にその周囲に結合された可撓性管状材料(例えば、膜材料)を含む。段間サブコンポーネント1300は、弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100に非ネスト化構成で結合するように動作する任意選択的な特徴部である。段間サブコンポーネント1300は、薄くかつ可撓性があり、所望に応じて折り畳む(裏返す)及び/又は弾性的に収縮するように動作可能であることができる。
【0108】
アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200が拡張されるときに、段間サブコンポーネント1300は、場合により、弁尖フレームサブコンポーネント1200とアンカーフレームサブコンポーネント1100との間に延在しているテーパー化構成を画定する。段間サブコンポーネント1300は、弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100中にネスト化するのを容易にし、及び/又は、アンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化された弁尖フレームサブコンポーネント1200を保持するように構成されている。例えば、段間サブコンポーネント1300は、ネスト化構成を保持するのを助ける補強要素(以下に説明)を含むことができ、又は、弁尖フレームサブコンポーネントとアンカーフレームサブコンポーネント1100との間の段間サブコンポーネント1300の係合は、摩擦による締まりばめを介してネスト化配置を維持するのを助けることができる。
【0109】
人工弁1000が展開されたネスト化構成にあるときに、そして弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化位置に並進移動されるときに、段間サブコンポーネント1300は反転され、それらの間に配置される(例えば、
図1に示されるようにアンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200の間に挟まれる)。
【0110】
図2に示されるように、段間サブコンポーネント1300は、流入端1302及び流出端1304、内面1306及び外面1308を有する(ここで、流入端及び流出端1302、1304は、展開されたネスト化構成でアンカーフレームサブコンポーネント及び弁尖フレームサブコンポーネント1100、1200とともに画定される)。示されるように、段間サブコンポーネント1300は、流出端1104の近くでアンカーフレームサブコンポーネント1100に結合され、流入端1302の近くで流入端1202に結合されている。
【0111】
段間サブコンポーネント1300は、事前展開された構成にあるときに、アンカーフレーム1100の内腔1110及び弁尖フレーム1200の内腔1210と流体連通する段間サブコンポーネント管腔1310(
図2)を画定する薄壁の可撓性管状部材を含むことができる。弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100中にネスト化されているときに、段間サブコンポーネント1300は、弁尖フレームサブコンポーネント1200とアンカーフレームサブコンポーネント1100との間に位置するように折り畳みそして反転するように動作可能である。段間サブコンポーネント1300は、当該技術分野で知られている任意の適切な材料を含むことができる。例として、段間サブコンポーネント1300は、とりわけ、可撓性があり、血液に対する透過性がより低い(例えば、生理学的条件下で血液不透過性)フィルム、布帛又は膜であることができる。
【0112】
段間サブコンポーネント1300は、所望に応じて、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200内及び/又はその周囲に配置されることができる。例えば、段間サブコンポーネント1300は、アンカーフレームサブコンポーネント1100と弁尖フレームサブコンポーネント1200の間だけでなく、そのいずれか又は両方の上又は内部に延在することができる。幾つかの例において、段間サブコンポーネント1300は、弁尖フレームカバー1232及びアンカーフレームカバー1122と隣接している。特に、段間サブコンポーネント1300は、アンカーフレームカバー1122及び/又は弁尖フレームカバー1232のフィルムと隣接するフィルムであることができ、アンカーフレームサブコンポーネント1100と、弁尖フレームサブコンポーネント1200との間に少なくとも延在し、それらを相互に結合するように動作する。示されるように、段間サブコンポーネント1300は、一般に管状の材料から形成され、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200のうちの1つ以上を少なくとも部分的に覆う。
【0113】
段間サブコンポーネント1300は、生物学的に適合性があり、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200に結合するように構成された任意のシート状材料を含むことができる。様々な例において、生体適合性材料は、生物学的供給源ではなく、生体適合性ポリマーなどの特定の目的のために十分に可撓性かつ強いフィルムである。1つの実施形態において、フィルムは、生体適合性ポリマー(例えば、ePTFE)を含む。フィルムは、膜、複合材料又はラミネートのうちの1つ以上を含むことができる。様々な例において、フィルムに使用される構造及び材料は、段間サブコンポーネント1300が、生理学的条件下で低い流体流に対する透過性を有する(例えば、血液不透過性)ようなものである。
【0114】
様々な例において、段間サブコンポーネント1300は、流体流に対して不透過性であり、特に人工弁1000の組織開口部への展開中に、段間サブコンポーネント管腔1310のみを通る流体流を制御し、そして、展開されたネスト化構成にあるときに、弁尖フレームサブコンポーネント1200とアンカーフレームサブコンポーネント1100との間の低透過性又は不透過性シールとして作用する。
【0115】
人工弁1000の展開中に、アンカーフレームサブコンポーネント1100が組織輪内で展開され、弁尖フレームサブコンポーネント1200がデリバリーデバイス1500に取り付けられた状態で(
図9)、展開中に血流は閉塞されうるか、又は、段間サブコンポーネント1300は、人工弁1000の展開中に選択的血流を促進するための特徴部を含むことができる。特に、幾つかの例において、段間サブコンポーネント1300は、人工弁1000の組織輪への展開中に、段間サブコンポーネント1300を通る順行流体流(例えば、血液灌流)を可能にするように動作可能である。
【0116】
図6及び7は、人工弁1000から分離された段間サブコンポーネント1300の異なる例の図である。
図6及び7を参照すると、人工弁1000は、場合により、段間サブコンポーネント1300で形成された1つ以上の流れ可能特徴部を含む。
【0117】
幾つかの実施形態において、段間サブコンポーネント1300は、2層のフィルム、内側フィルム層1324及び外側フィルム層1326を含み、両方の層はアンカーフレーム1120及び弁尖フレーム1220の内面又は外面のいずれかに結合されており、又は、内側フィルム層1324はアンカーフレーム1120及び弁尖フレーム1220の内面に合され、そして外側フィルム層1326は、アンカーフレーム1120及び弁尖フレーム1220の外面に結合されている。
【0118】
幾つかの例において、内側フィルム層1324及び外側フィルム層1326は、少なくとも、流入端1202及び流出端1104で一緒に結合される。内側フィルム層1324は、アンカーフレームサブコンポーネント1100に隣接してそれを通して少なくとも1つの内側フィルムアパチャ1332を画定し、そして外側フィルム層1326は、弁尖フレームサブコンポーネント1200に隣接してそれを通る少なくとも1つの外側フィルムアパチャ1330を画定する。
【0119】
内側フィルム層1324及び外側フィルム層1326は、内側フィルムアパチャ1332の1つと外側フィルムアパチャ1330の1つとの間で少なくとも結合されておらず、それらの間の流れ空間を画定し、その結果、外側フィルム層1326は、内側フィルムアパチャ1332から持ち上がって離れ、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200がネスト化される前に(アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200は、本明細書に示されそして記載されているように、長手方向にオフセットされている)、内側フィルムアパチャ1332及び外側フィルムアパチャ1330を通して順行流を可能にする。幾つかの実施形態において、外側フィルム層1326は、流れ空間を画定するように、外側フィルムアパチャ1330及び内側フィルムアパチャ1332の少なくとも下流で結合されていない。
【0120】
動作中、内側フィルム層1324及び外側フィルム層1326は一緒になって流れ空間を閉じ、逆行性流圧力下で内側フィルムアパチャ1332及び外側フィルムアパチャ1330を覆いそして密封し、内側フィルムアパチャ1332及び外側フィルムアパチャ1330を通る逆行性流を制限又は最小化する。さらに、内側フィルム層1324及び外側フィルム層1326は、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化されそして完全に展開された構成にあるときに、内側フィルムアパチャ1332及び外側フィルムアパチャ1330を覆い、そして密封するように構成されている。
【0121】
上記の実施形態において、内側フィルム層1324及び外側フィルム層1326は、少なくとも弁尖フレームサブコンポーネント1200の流入端1202及びアンカーフレームサブコンポーネント1100の流出端1104で一緒に結合されている。1つの実施形態によれば、外側フィルム層1326は、流出端1104で又はそれに隣接して一緒に結合されず、なおも、逆流状態の間に内側フィルムアパチャ1332を覆うように機能しうることが理解される。
【0122】
このような流れ可能特徴部の例は、「伸縮式人工弁及びデリバリーシステム」という発明の名称の2019年4月18日に公開された米国出願公開第2019/0110893号明細書にも見出すことができる。
【0123】
段間サブコンポーネント1300のいずれの例においても、段間サブコンポーネント1300は、場合により、1つ以上の補強要素1380を含む。特に、
図6は、任意選択の補強要素1380を示している。補強要素1380は、場合により、ステント様フレーム要素(例えば、周囲方向に拡がる曲がりくねった形状記憶要素)である。
図7は、1つ以上の長手方向に延在している補強部材など(例えば、繊維、ワイヤ、形状記憶フレーム要素など)を含む補強要素1380の別の例を示している。
【0124】
そのような補強要素の追加の例は、「伸縮式人工弁及びデリバリーシステム」の発明の名称の2019年4月18日に公開された米国出願公開第2019/0110893号明細書に見出すことができる。
【0125】
様々な例において、補強要素1380は、段間サブコンポーネント1300に補強バイアスを提供し、段間サブコンポーネント1300と共に反転するように構成されることができ、示されるように湾曲又はS字形であるか又はジグザグであることができ、又は所望のとおりに別の形態をとることができる。1つ以上の補強要素1380は、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200がネスト化されるときに一時的に弾性的に曲げられ又は折り畳まれることができ、弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化するのに所定の量の力、及び、ネスト化位置からの弁尖フレームサブコンポーネント1200の移動に抵抗するための対応する所定の量の力がかかるように剛性バイアスを提供することができる。幾つかの例において、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200がネスト化構成である状態において、補強要素の柱強度は、弁尖フレームサブコンポーネント1200をアンカーフレームサブコンポーネント1100から脱ネスト化し、又は伸縮式で外しそして離れさせる原因となりえたであろう圧縮荷重に抵抗する。1つ以上の補強要素1380の幾つかの機能及び利点が記載されてきたが、追加又は代替の機能及び利点は考えられる。
【0126】
段間サブコンポーネント1300を含む様々な実施形態が記載されているが、他の実施形態において、段間サブコンポーネント1300は省略されている。そのような実施形態において、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200は、デリバリー及び展開が完了するまで結合されていなくてもよい。
【0127】
マルチフレームサブコンポーネント展開構成
上述のように、人工弁1000は、デリバリー構成(
図8)と現場での展開構成(
図1、3及び5)との間で移行可能である。幾つかの例において、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、拡張力によって拡張され展開プロファイルに拡張されるまで、コンパクト化された非展開プロファイルを保持するように構成されている(例えば、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、バルーン拡張可能であるように構成されている)。所望に応じて、弁尖フレームサブコンポーネント1200及び/又はアンカーフレームサブコンポーネント1100は、自己拡張性であるように構成されている。例えば、一方又は両方は、形状記憶材料から形成されたフレームを含むことができる。
【0128】
展開構成(
図1)において、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100内で部分的又は完全にネスト化された状態で、天然弁口NVOなどの組織輪の組織に固定する。アンカーフレームサブコンポーネント1100は、アンカーフレームサブコンポーネント1100の長さに沿って第一の展開された横方向変形抵抗を有する。アンカーフレームサブコンポーネント1100はまた、中間部分1140及び流入部分1136を含む界面領域1150を画定し又は含み、ショルダー特徴部1152を画定する。示されるように、界面領域1150は、アンカーフレームサブコンポーネント1100の全長よりも短く延在している。
【0129】
弁尖フレームサブコンポーネント1200は、弁尖結合領域1240に沿って弁尖フレームサブコンポーネント(例えば、弁尖フレーム及び/又は弁尖フレームカバー1222)に結合される弁尖アセンブリ1224を含む。弁尖フレームサブコンポーネント1200は、弁尖フレームサブコンポーネント1200の流入端1202と流出端1204との間の全長及び外直径を有する。弁尖フレームサブコンポーネント1200は、弁尖フレームサブコンポーネント1200の長さに沿って第二の展開された横方向変形抵抗を有する。弁尖フレームサブコンポーネント1200はまた、流入部分1236及び流出部分1238を含み、少なくとも弁尖結合領域1240に沿って延在している界面領域1250を画定し又はそれを含む。界面領域1250は、アンカーフレームサブコンポーネント1100のショルダー特徴部1152に対する相補的なショルダー特徴部1252を画定する。
【0130】
図1において、アンカーフレームサブコンポーネント及び弁尖フレームサブコンポーネントは、弁尖フレームサブコンポーネント及びアンカーフレームサブコンポーネントが互いに分離されている非ネスト化構成(例えば、
図2、4、8)から、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200が、締まりばめを介して、アンカーフレームサブコンポーネント1100の界面領域1150及び弁尖フレームサブコンポーネント1200の界面領域1250に対応する組み合わせ界面1050に沿って係合するネスト化構成に移行されている。組み合わせ界面1050は、場合により、少なくとも弁尖アセンブリの流入側から弁尖アセンブリの流出側まで延在している長さを有する。人工弁1000は、界面領域1150、1250に沿って組み合わせ界面横方向変形抵抗を有し、これは、それぞれアンカーフレームサブコンポーネント及び弁尖フレームサブコンポーネント1100、1200の第一の展開された横方向変形抵抗及び第二の展開された横方向変形抵抗の各々を超える。ネスト化構成において、人工弁1000の流出端(例えば、アンカーフレームサブコンポーネント1100の流出部分1138に対応する)は、場合により、組み合わせ界面横方向変形抵抗よりも小さい横方向変形抵抗を有する。別の言い方をすれば、2つのフレームサブコンポーネントの重なり領域は、場合により、未又は非重なり領域よりも大きな横方向の変形抵抗を有する。
【0131】
所望に応じて、重なり合う配置により、人工弁1000は、人工弁の流入領域1036、流出領域1038、及び、流入端と流出端との間の中間領域1040を含むことができ、ここで、中間領域1040は、組み合わせ界面横変形抵抗を有し、そして、流入領域及び流出領域1036、1038はそれぞれ、組み合わせ界面横変形抵抗よりも小さい横変形抵抗を有する。ネスト化構成において、アンカーフレームサブコンポーネントの内直径及び弁尖フレームサブコンポーネントの外直径は、弁尖フレームサブコンポーネントの弁尖結合領域1240に沿ってほぼ同じである。
【0132】
示されるように、ネスト化構成において、人工弁1000は、アンカーフレームサブコンポーネント1100の流入端1102における流入フランジ又はフレアに対応する流入テーパーを画定するように変化している直径を画定する流入領域1036を含む。流出領域1038はまた、弁尖フレームサブコンポーネント1200の流出部分1238の流出フランジ又はフレアに対応する流出テーパー化領域を画定するように変化している直径を有する。そして、示されるように、中間領域1040は、場合により、非テーパー化中間領域1040を画定するように比較的に一定の直径を有する。このような一貫した直径は、上述のように、弁尖アセンブリ1224の適切な機能を促進するのを助けることができる。
【0133】
示されるように、ショルダー特徴部及び相補的なショルダー特徴部1152、1252は、相補的なテーパー化プロファイルを含む。示されるように、ショルダー特徴部1152及び相補的なショルダー特徴部1252は、場合により係合されており、その結果、ショルダー特徴部1152、1242は、ネスト化の間に2つのフレームサブコンポーネント1100、1200の適切な位置合わせを助け、及び/又は、アンカーフレームサブコンポーネント1100に対して逆行方向にある弁尖フレームサブコンポーネント1200の移行を低減又は防止するのを助ける。別の言い方をすれば、ショルダー特徴部1152、1242は、互いに押し付けられたときにネスト化して位置合わせ及び/又は移行抵抗を助ける順応性形状又はインターロック特徴部を有する。
【0134】
記載されるように、段間サブコンポーネント1300は、アンカーフレームサブコンポーネント1100の流出端1104を弁尖フレームサブコンポーネント1200の流入端1202に結合するように実装することができる。あるいは、2つの構成要素はネスト化の前に分離しそして非結合化される。ネスト化構成において、段間サブコンポーネント1300は、反転された構成を画定するように示されている。所望に応じて、段間サブコンポーネント1300は、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100中にネスト化されていないときに、そこを通る血流を可能にするように動作可能であり、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化され、そして拡張して係合するときに、そこを通る流れを抑制するように動作可能である。所望に応じて、段間サブコンポーネント1300の補強要素1380は、弁尖フレームサブコンポーネント1200及びアンカーフレームサブコンポーネント1100をネスト化構成に維持するのを支援するように動作可能である。例えば、それらの補強要素1380は、弁尖フレームサブコンポーネント1200が拡張されていないときよりも、弁尖フレームサブコンポーネント1200が拡張されそしてアンカーフレームサブコンポーネント1100が拡張されているときに、反転するのが難しくすることができる。
【0135】
人工弁及びデリバリーデバイスを含むメディカルデバイス
図8は、デリバリーデバイス1500としても記載されるデリバリーデバイス1500に取り付けられた人工弁1000を示し、
図9は、デリバリーデバイス1500を使用して部分的に展開された人工弁1000を示している。上記のように、様々な例において、人工弁1000は、コンパクト化されたデリバリー構成(事前展開構成とも記載される)でデリバリーデバイス1500に装填され、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200は、互いに長手方向にオフセットされている(例えば、直列に配置されている)。
【0136】
様々なデリバリーシステム及び関連する展開メカニズム(例えば、バルーン拡張カテーテル、腹腔鏡デリバリーシステムなど)が考えられる。様々な例において、1つ以上の拘束部材が弁尖フレームサブコンポーネント1200及びアンカーフレームサブコンポーネント1100をデリバリーデバイス1500に解放可能かつ独立して結合する繊維又は拘束体デリバリーシステムが使用される。様々な例において、以下でより詳細に論じられるように、1つ以上の拘束部材は、弁尖フレームサブコンポーネント1200及びアンカーフレームサブコンポーネント1100から選択的に解放されて、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200の現場でのネスト化を促進することができる。幾つかの例において、1つ以上の拘束部材は弁尖フレームサブコンポーネント1200及びアンカーフレームサブコンポーネント1100の周りに配置されたフィルムを通して織られうる1つ以上の部分を含み、その結果、デリバリーデバイス1500の長手方向の作動は、1つ以上の拘束部材を介して弁尖フレームサブコンポーネント1200及びアンカーフレームサブコンポーネント1100の1つ以上に伝達可能である。
【0137】
図9は、幾つかの実施形態による、デリバリーデバイス1500の側面図である。示されるように、デリバリーデバイス1500は、本体部分1510、支持部分1512、先端部分1514、複数の拘束体1516及び拘束シース1518を含む。
図9を見ると、1つ以上の拘束体がアンカーフレームサブアセンブリ1100から解放されて、弁口におけるアンカーフレームサブアセンブリ1100の拡張及び展開を可能にする。
【0138】
複数の拘束体1516は、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200のそれぞれの1つとインターフェースするように適合及び配置される。拘束体1516は、一般に、アンカーフレームサブコンポーネント1100及び弁尖フレームサブコンポーネント1200のそれぞれについて少なくとも第一の拘束体及び第二の拘束体を含む(アンカーフレームサブコンポーネント1200のための拘束体1516は、解放及びリトラクトされているため、
図9には示されていない)。様々な実施形態において、複数の拘束体1516のそれぞれは、繊維、ストランド、ワイヤ、それらの組み合わせなどとして形成され、金属又はポリマー材料で編組、巻き付け、押出、又はその他の方法で形成することができる。
【0139】
適切なデリバリーシステムの例は、そのような補強要素の追加例に記載されており、「伸縮式人工弁及びデリバリーシステム」の発明の名称の2019年4月18日に公開された米国出願公開第2019/0110893号明細書に見出すことができる。
【0140】
天然弁口の治療方法
図9及び1を参照してよりよく理解されるように、天然弁口(例えば、大動脈弁口)を治療する非限定的な方法を記載することができる。示されるように、
図8において、人工弁1000は、弁尖フレームサブコンポーネント1200及びアンカーフレームサブコンポーネント1100が非ネスト化構成になるように、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100から遠位に配置され、又は、長手方向に分離されて、デリバリーデバイス1500に取り付けられることができる。
図9に示されるように、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、天然弁口NVOなどの組織輪に最初に展開されることができ、第一の拘束体対(例えば、図示せず)は解放され、その結果、アンカーフレームサブコンポーネント1100は拡張しそして天然弁口NVO(例えば、大動脈弁の弁輪)に係合するように動作可能である。しかしながら、示されるように、第一の拘束体及び第二の拘束体1544及び1546は、弁尖フレームサブコンポーネント1200の周りに結合されたままである。
【0141】
アンカーフレームサブコンポーネント1100が拘束されておらず、弁尖フレームサブコンポーネント1200がデリバリーデバイス1500によって少なくとも部分的に拘束されている状態で、弁尖フレームサブコンポーネント1200は、本明細書で論じられるように、アンカーフレームサブコンポーネント1100によって画定される内部領域に引き込まれるか又はリトラクトされる。様々な例において、デリバリーデバイス1500は、本明細書で論じられるように、弁尖フレームサブコンポーネント1200がアンカーフレームサブコンポーネント1100内にネスト化されるまで引き込まれるか、又はリトラクトされる。
【0142】
幾つかの例において、デリバリーデバイス1500及び弁尖フレームサブコンポーネント1200を引き込む又はリトラクトする前に、第一の拘束体及び第二の拘束体1544及び1546のうちの1つ以上の張力を低減することができ、それにより、弁尖フレームサブコンポーネント1200を部分的に展開することを可能にする。したがって、そのような例において、デリバリーデバイス1500は、デリバリーデバイス1500及び弁尖フレームサブコンポーネント1200を引き込む前に、弁尖フレームサブコンポーネント1200を部分的に展開するように動作可能である。とにかく、弁尖フレームサブコンポーネント1200はアンカーフレームサブコンポーネントに対して拡張され、組み合わせ界面1050を画定する。特に、自己拡張型アンカーフレームサブコンポーネント及び弁尖フレームサブコンポーネント1100,1200がこの例で記載されているが、保持特徴部は、拡張手段(例えば、1つ以上のバルーン)で置き換えられ又は捕捉されることができ、アンカーフレームサブコンポーネント及び/又は弁尖フレームサブコンポーネント1100,1200は、拡張力で半径方向に拡張可能である(例えば、バルーン拡張可能である)ように構成されうる。
【0143】
追加情報
本開示で扱われる概念の範囲は、一般的に、そして特定の例に関しての両方で上記に記載されてきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施例において様々な変更及び変形を行うことができることは当業者に明らかであろう。例えば、
図10及び11は、アンカーフレームサブコンポーネント1100の変更されたフレーム構成を含む、人工弁1000の変形例を示す。特に、示されるように、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、追加の/代替の流出テーパー化/フレア化部分を含む。例えば、アンカーフレームサブコンポーネント1100は、場合により、追加の主に長手方向に配向された部分(例えば、直角柱のように)及び/又はテーパー化(例えば、半径方向内向き又は外向き)部分を含む。少なくとも上述のことから、変更が考えられることは明らかなはずである。そして、同様に、本明細書で論じられる実施例で論じられる様々な構成要素は組み合わせることができる。したがって、実施例は範囲の変更及び変形を網羅することが意図されている。
【外国語明細書】