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特開2024-144676機能実行装置及び端末装置のためのコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144676
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】機能実行装置及び端末装置のためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 84/10 20090101AFI20241003BHJP
   H04W 52/06 20090101ALI20241003BHJP
   H04W 52/24 20090101ALI20241003BHJP
【FI】
H04W84/10 110
H04W52/06
H04W52/24
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024125948
(22)【出願日】2024-08-01
(62)【分割の表示】P 2023121886の分割
【原出願日】2019-11-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 弘崇
(72)【発明者】
【氏名】井上 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】松田 宗久
(57)【要約】
【課題】機能実行装置と端末装置との間の距離に応じて、機能実行装置と端末装置との間で対象情報の通信を制御するための技術を提供すること。
【解決手段】機能実行装置は、アドバタイジング信号を繰り返し送信可能である第1の無線インターフェースを備える。機能実行装置は、第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号を受信した端末装置から特定信号を受信する場合に、アドバタイジング信号の送信に利用される電波強度を、第1の電波強度から、第1の電波強度よりも低い第2の電波強度に変更し、第2の電波強度が利用された第2のアドバタイジング信号を受信した端末装置から第1の接続要求を受信し、端末装置との第1の無線接続を確立し、第1の無線接続を利用して、機能実行装置の特定機能を利用するための対象情報の通信を端末装置と実行する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能実行装置であって、
BLE(Bluetooth(登録商標)Low Energyの略)方式に従った無線通信を実行するための第1の無線インターフェースであって、アドバタイジング信号を繰り返し送信可能である前記第1の無線インターフェースと、
前記第1の無線インターフェースから第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号が送信された後に、前記第1のアドバタイジング信号を受信した端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、特定信号を受信する特定信号受信部と、
前記端末装置から前記特定信号が受信される場合に、前記アドバタイジング信号の送信に利用される電波強度を、前記第1の電波強度から、前記第1の電波強度よりも低い第2の電波強度に変更する第1の変更部と、
前記第1の無線インターフェースから前記第2の電波強度が利用された第2のアドバタイジング信号が送信された後に、前記第2のアドバタイジング信号を受信した前記端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、第1の接続要求を受信する第1の接続要求受信部と、
前記端末装置から前記第1の接続要求が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置との第1の無線接続を確立する第1の確立部と、
前記端末装置との前記第1の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記機能実行装置の特定機能を利用するための対象情報の通信を前記端末装置と実行する対象情報通信部と、
を備える、機能実行装置。
【請求項2】
前記機能実行装置は、さらに、
前記第1のアドバタイジング信号を受信した前記端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、第2の接続要求を受信する第2の接続要求受信部と、
前記端末装置から前記第2の接続要求が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置との前記第2の無線接続を確立する第2の確立部と、
前記第2の無線接続を切断する切断部と、を備え、
前記第2の無線接続が切断された後に、前記第1の無線インターフェースから前記第2の電波強度が利用された前記第2のアドバタイジング信号が送信される、請求項1に記載の機能実行装置。
【請求項3】
前記特定信号受信部は、前記第2の無線接続を利用して、前記端末装置から前記特定信号を受信する、請求項2に記載の機能実行装置。
【請求項4】
前記特定信号は、電波強度の変更指示を含むWrite Request信号である、請求項3に記載の機能実行装置。
【請求項5】
機能実行装置であって、
BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energyの略)方式に従った無線通信を実行するための第1の無線インターフェースであって、アドバタイジング信号を繰り返し送信可能である前記第1の無線インターフェースと、
前記第1の無線インターフェースから第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号が送信された後に、前記第1のアドバタイジング信号を受信した端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、第2の接続要求を受信する第2の接続要求受信部と、
前記端末装置から前記第2の接続要求が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置との第2の無線接続を確立する第2の確立部と、
前記端末装置との前記第2の無線接続が確立される場合に、前記アドバタイジング信号の送信に利用される電波強度を、前記第1の電波強度から、前記第1の電波強度よりも低い第2の電波強度に変更する第1の変更部と、
前記第1の無線インターフェースから前記第2の電波強度が利用された第2のアドバタイジング信号が送信された後に、前記第2のアドバタイジング信号を受信した前記端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、第1の接続要求を受信する第1の接続要求受信部と、
前記端末装置から前記第1の接続要求が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置との第1の無線接続を確立する第1の確立部と、
前記端末装置との前記第1の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記機能実行装置の特定機能を利用するための対象情報の通信を前記端末装置と実行する対象情報通信部と、
を備える、機能実行装置。
【請求項6】
前記機能実行装置は、さらに、
前記第2の無線接続を切断する切断部を備え、
前記第2の無線接続が切断された後に、前記第1の無線インターフェースから前記第2の電波強度が利用された前記第2のアドバタイジング信号が送信される、請求項5に記載の機能実行装置。
【請求項7】
前記機能実行装置は、さらに、
前記第2の無線接続を利用して、前記端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、切断指示を受信する切断指示受信部を備え、
前記切断部は、前記端末装置から前記切断指示が受信される場合に、前記第2の無線接続を切断する、請求項2から4及び6のいずれか一項に記載の機能実行装置。
【請求項8】
前記第1のアドバタイジング信号は、前記機能実行装置を識別する第1の識別情報を含み、
前記機能実行装置は、さらに、
前記第2の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記機能実行装置を識別する第2の識別情報であって、前記第1の識別情報とは異なる前記第2の識別情報を前記端末装置と通信する識別情報通信部を備え、
前記第2のアドバタイジング信号は、前記第2の識別情報を含む、請求項2から7のいずれか一項に記載の機能実行装置。
【請求項9】
前記機能実行装置は、さらに、
前記第2の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、暗号鍵の通信を前記端末装置と実行する暗号鍵通信部を備え、
前記対象情報通信部は、前記第1の無線接続を利用して、前記暗号鍵によって暗号化された前記対象情報の通信を前記端末装置と実行する、請求項2から8のいずれか一項に記載の機能実行装置。
【請求項10】
前記機能実行装置は、さらに、
前記第1の無線インターフェースとは異なる第2の無線インターフェースを備え、
前記対象情報は、前記第2の無線インターフェースを介して、前記機能実行装置と前記端末装置との間に第3の無線接続を確立するための情報を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の機能実行装置。
【請求項11】
前記機能実行装置は、さらに、
印刷実行部と、
前記第3の無線接続が確立される場合に、前記第3の無線接続を利用して、前記端末装置から、前記第2の無線インターフェースを介して、印刷対象の画像を表わす画像データを受信する画像データ受信部と、
前記端末装置から前記画像データが受信される場合に、前記画像データによって表される前記画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御部と、を備え、
前記特定機能は、前記画像の印刷を実行する機能である、請求項10に記載の機能実行装置。
【請求項12】
前記機能実行装置は、さらに、
前記対象情報の通信が実行された後に、前記アドバタイジング信号の送信に利用される電波強度を前記第2の電波強度から前記第1の電波強度に変更する第2の変更部を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の機能実行装置。
【請求項13】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
機能実行装置から、前記端末装置の無線インターフェースを介して、第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号を受信する第1のアドバタイジング信号受信部であって、前記無線インターフェースは、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energyの略)方式に従った無線通信を実行するためのインターフェースである、前記第1のアドバタイジング信号受信部と、
前記機能実行装置から前記第1のアドバタイジング信号が受信された後に、前記無線インターフェースを介して、特定信号を前記機能実行装置に送信する特定信号送信部と、
前記特定信号が前記機能実行装置に送信された後に、前記機能実行装置から、前記無線インターフェースを介して、前記第1の電波強度よりも低い第2の電波強度が利用された第2のアドバタイジング信号を受信する第2のアドバタイジング信号受信部と、
前記機能実行装置から前記第2のアドバタイジング信号が受信された後に、前記無線インターフェースを介して、接続要求を前記機能実行装置に送信する接続要求送信部であって、前記接続要求が前記機能実行装置に送信されることに応じて、前記無線インターフェースを介して前記機能実行装置との無線接続が確立される、前記接続要求送信部と、
前記機能実行装置との前記無線接続が確立される場合に、前記無線接続を利用して、前記無線インターフェースを介して、前記機能実行装置の特定機能を利用するための対象情報の通信を前記機能実行装置と実行する対象情報通信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項14】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
機能実行装置から、前記端末装置の無線インターフェースを介して、第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号を受信する第1のアドバタイジング信号受信部であって、前記無線インターフェースは、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energyの略)方式に従った無線通信を実行するためのインターフェースである、前記第1のアドバタイジング信号受信部と、
前記機能実行装置から前記第1のアドバタイジング信号が受信された後に、前記無線インターフェースを介して、第2の接続要求を前記端末装置に送信する第2の接続要求送信部であって、前記第2の接続要求が前記機能実行装置に送信されることに応じて、前記無線インターフェースを介して前記機能実行装置との第2の無線接続が確立される、前記第2の接続要求送信部と、
前記機能実行装置との前記第2の無線接続が確立された後に、前記機能実行装置から、前記無線インターフェースを介して、前記第1の電波強度よりも低い第2の電波強度が利用された第2のアドバタイジング信号を受信する第2のアドバタイジング信号受信部と、
前記機能実行装置から前記第2のアドバタイジング信号が受信された後に、前記無線インターフェースを介して、第1の接続要求を前記機能実行装置に送信する第1の接続要求送信部であって、前記第1の接続要求が前記機能実行装置に送信されることに応じて、前記無線インターフェースを介して前記機能実行装置との第1の無線接続が確立される、前記第1の接続要求送信部と、
前記機能実行装置との前記第1の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線接続を利用して、前記無線インターフェースを介して、前記機能実行装置の特定機能を利用するための対象情報の通信を前記機能実行装置と実行する対象情報通信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、機能実行装置と端末装置との間でBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energyの略)方式に従った無線通信を実行するための技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、BLE方式に従ったペアリングを情報処理装置と実行する通信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-182489号公報
【特許文献2】特開2019-121930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、機能実行装置と端末装置との間の距離に応じて、機能実行装置と端末装置との間で対象情報の通信を制御するための技術を提供する。
【0005】
本明細書によって開示される機能実行装置は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energyの略)方式に従った無線通信を実行するための第1の無線インターフェースであって、アドバタイジング信号を繰り返し送信可能である前記第1の無線インターフェースと、前記第1の無線インターフェースから第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号が送信された後に、前記第1のアドバタイジング信号を受信した端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、特定信号を受信する特定信号受信部と、前記端末装置から前記特定信号が受信される場合に、前記アドバタイジング信号の送信に利用される電波強度を、前記第1の電波強度から、前記第1の電波強度よりも低い第2の電波強度に変更する第1の変更部と、前記第1の無線インターフェースから前記第2の電波強度が利用された第2のアドバタイジング信号が送信された後に、前記第2のアドバタイジング信号を受信した前記端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、第1の接続要求を受信する第1の接続要求受信部と、前記端末装置から前記第1の接続要求が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置との第1の無線接続を確立する第1の確立部と、前記端末装置との前記第1の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記機能実行装置の特定機能を利用するための対象情報の通信を前記端末装置と実行する対象情報通信部と、を備えていてもよい。
【0006】
上記の構成によると、機能実行装置は、第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号を送信した後に、端末装置から特定信号を受信する場合に、アドバタイジング信号の送信に利用される電波強度を、第1の電波強度から、第1の電波強度よりも低い第2の電波強度に変更する。これにより、機能実行装置と端末装置との間の距離が小さくならなければ、端末装置は、機能実行装置から、第2の電波強度が利用された第2のアドバタイジング信号を受信することができない。機能実行装置は、機能実行装置と端末装置との間の距離が小さくなったことに起因して、第2のアドバタイジング信号を受信した端末装置から第1の接続要求を受信する場合に、端末装置との第1の無線接続を確立する。そして、機能実行装置は、第1の無線接続を利用して、対象情報の通信を端末装置と実行する。このように、機能実行装置は、機能実行装置と端末装置との間の距離に応じて、端末装置との対象情報の通信を制御することができる。
【0007】
本明細書によって開示される他の機能実行装置は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energyの略)方式に従った無線通信を実行するための第1の無線インターフェースであって、アドバタイジング信号を繰り返し送信可能である前記第1の無線インターフェースと、前記第1の無線インターフェースから第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号が送信された後に、前記第1のアドバタイジング信号を受信した端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、第2の接続要求を受信する第2の接続要求受信部と、前記端末装置から前記第2の接続要求が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置との第2の無線接続を確立する第2の確立部と、前記端末装置との前記第2の無線接続が確立される場合に、前記アドバタイジング信号の送信に利用される電波強度を、前記第1の電波強度から、前記第1の電波強度よりも低い第2の電波強度に変更する第1の変更部と、前記第1の無線インターフェースから前記第2の電波強度が利用された第2のアドバタイジング信号が送信された後に、前記第2のアドバタイジング信号を受信した前記端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、第1の接続要求を受信する第1の接続要求受信部と、前記端末装置から前記第1の接続要求が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置との第1の無線接続を確立する第1の確立部と、前記端末装置との前記第1の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記機能実行装置の特定機能を利用するための対象情報の通信を前記端末装置と実行する対象情報通信部と、を備えていてもよい。
【0008】
上記の構成によると、機能実行装置は、第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号を送信した後に、端末装置から第1の接続要求を受信して端末装置との第2の無線接続を確立する場合に、アドバタイジング信号の送信に利用される電波強度を、第1の電波強度から、第1の電波強度よりも低い第2の電波強度に変更する。これにより、機能実行装置と端末装置との間の距離が小さくならなければ、端末装置は、機能実行装置から、第2の電波強度が利用された第2のアドバタイジング信号を受信することができない。機能実行装置は、機能実行装置と端末装置との間の距離が小さくなったことに起因して、第2のアドバタイジング信号を受信した端末装置から第1の接続要求を受信する場合に、端末装置との第1の無線接続を確立する。そして、機能実行装置は、第1の無線接続を利用して、対象情報の通信を端末装置と実行する。このように、機能実行装置は、機能実行装置と端末装置との間の距離に応じて、端末装置との対象情報の通信を制御することができる。
【0009】
本明細書によって開示される端末装置のためのコンピュータプログラムは、前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、機能実行装置から、前記端末装置の無線インターフェースを介して、第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号を受信する第1のアドバタイジング信号受信部であって、前記無線インターフェースは、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energyの略)方式に従った無線通信を実行するためのインターフェースである、前記第1のアドバタイジング信号受信部と、前記機能実行装置から前記第1のアドバタイジング信号が受信された後に、前記無線インターフェースを介して、特定信号を前記機能実行装置に送信する特定信号送信部と、前記特定信号が前記機能実行装置に送信された後に、前記機能実行装置から、前記無線インターフェースを介して、前記第1の電波強度よりも低い第2の電波強度が利用された第2のアドバタイジング信号を受信する第2のアドバタイジング信号受信部と、前記機能実行装置から前記第2のアドバタイジング信号が受信された後に、前記無線インターフェースを介して、接続要求を前記機能実行装置に送信する接続要求送信部であって、前記接続要求が前記機能実行装置に送信されることに応じて、前記無線インターフェースを介して前記機能実行装置との無線接続が確立される、前記接続要求送信部と、前記機能実行装置との前記無線接続が確立される場合に、前記無線接続を利用して、前記無線インターフェースを介して、前記機能実行装置の特定機能を利用するための対象情報の通信を前記機能実行装置と実行する対象情報通信部と、として機能させてもよい。
【0010】
上記の構成によると、端末装置は、機能実行装置から第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号を受信した後に、特定信号を機能実行装置に送信する。この結果、機能実行装置において、アドバタイジング信号の送信に利用される電波強度が、第1の電波強度から、第1の電波強度よりも低い第2の電波強度に変更される。これにより、機能実行装置と端末装置との間の距離が小さくならなければ、端末装置は、機能実行装置から、第2の電波強度が利用された第2のアドバタイジング信号を受信することができない。端末装置は、機能実行装置と端末装置との間の距離が小さくなったことに起因して、機能実行装置から第2のアドバタイジング信号を受信した後に、接続要求を機能実行装置に送信する。この結果、機能実行装置との無線接続が確立される。そして、端末装置は、無線接続を利用して、対象情報の通信を機能実行装置と実行する。このように、端末装置は、機能実行装置と端末装置との間の距離に応じて、機能実行装置との対象情報の通信を制御することができる。
【0011】
本明細書によって開示される端末装置のための他のコンピュータプログラムは、前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、機能実行装置から、前記端末装置の無線インターフェースを介して、第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号を受信する第1のアドバタイジング信号受信部であって、前記無線インターフェースは、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energyの略)方式に従った無線通信を実行するためのインターフェースである、前記第1のアドバタイジング信号受信部と、前記機能実行装置から前記第1のアドバタイジング信号が受信された後に、前記無線インターフェースを介して、第2の接続要求を前記端末装置に送信する第2の接続要求送信部であって、前記第2の接続要求が前記機能実行装置に送信されることに応じて、前記無線インターフェースを介して前記機能実行装置との第2の無線接続が確立される、前記第2の接続要求送信部と、前記機能実行装置との前記第2の無線接続が確立された後に、前記機能実行装置から、前記無線インターフェースを介して、前記第1の電波強度よりも低い第2の電波強度が利用された第2のアドバタイジング信号を受信する第2のアドバタイジング信号受信部と、前記機能実行装置から前記第2のアドバタイジング信号が受信された後に、前記無線インターフェースを介して、第1の接続要求を前記機能実行装置に送信する第1の接続要求送信部であって、前記第1の接続要求が前記機能実行装置に送信されることに応じて、前記無線インターフェースを介して前記機能実行装置との第1の無線接続が確立される、前記第1の接続要求送信部と、前記機能実行装置との前記第1の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線接続を利用して、前記無線インターフェースを介して、前記機能実行装置の特定機能を利用するための対象情報の通信を前記機能実行装置と実行する対象情報通信部と、として機能させてもよい。
【0012】
上記の構成によると、端末装置は、機能実行装置から第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号を受信した後に、第2の接続要求を機能実行装置に送信する。この結果、機能実行装置との第2の無線接続が確立され、機能実行装置において、アドバタイジング信号の送信に利用される電波強度が、第1の電波強度から、第1の電波強度よりも低い第2の電波強度に変更される。これにより、機能実行装置と端末装置との間の距離が小さくならなければ、端末装置は、機能実行装置から、第2の電波強度が利用された第2のアドバタイジング信号を受信することができない。端末装置は、機能実行装置と端末装置との間の距離が小さくなったことに起因して、機能実行装置から第2のアドバタイジング信号を受信した後に、第1の接続要求を機能実行装置に送信する。この結果、機能実行装置との第1の無線接続が確立される。そして、端末装置は、第1の無線接続を利用して、対象情報の通信を機能実行装置と実行する。このように、端末装置は、機能実行装置と端末装置との間の距離に応じて、機能実行装置との対象情報の通信を制御することができる。
【0013】
上記の機能実行装置を実現するためのコンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体、及び、上記の機能実行装置によって実行される方法も新規で有用である。上記の端末装置のコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体、上記の端末装置そのもの、及び、上記の端末装置によって実行される方法も新規で有用である。また、上記の機能実行装置と上記の端末装置とを備えるシステムも新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】通信システムの構成を示す。
図2】プリンタのPrimary Service群の概念図を示す。
図3】プリンタのPrimary Service群のデータ構造を示す。
図4】携帯端末及びプリンタによって実行される処理のシーケンス図を示す。
図5図4の続きを示す。
図6図5の続きを示す。
図7図6の続きを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(通信システム2の構成:図1
図1に示されるように、通信システム2は、携帯端末10(以下では単に「端末10」と記載する)と、プリンタ100と、を備える。本実施例では、まず、端末10とプリンタ100との間でBLE(Bluetooth Low Energyの略)方式に従った無線接続(以下では「BT接続」と記載する)が確立され、Wi-Fi方式に従った無線接続(以下では「Wi-Fi接続と記載する」を確立するための情報がプリンタ100から端末10に送信される。その後、端末10とプリンタ100との間でWi-Fi接続が確立される。このように、本実施例では、端末10とプリンタ100との間の通信を、BT接続に従った通信からWi-Fi接続に従った通信に移行させることを実現する。即ち、本実施例では、BT接続からWi-Fi接続へのいわゆるハンドオーバー(以下では「HO」と記載することがある)を実現する。
【0016】
(端末10の構成)
端末10は、携帯電話(例えばスマートフォン)、PDA、タブレットPC等の可搬型の端末装置である。端末10は、表示部12と、Wi-Fiインターフェース14と、BT((Bluetooth(登録商標)の略))インターフェース16と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線(符号省略)に接続されている。なお、以下では、インターフェースのことを単に「I/F」と記載する。
【0017】
表示部12は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部12は、ユーザから指示を受け付けるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。
【0018】
Wi-FiI/F14は、Wi-Fi方式に従った無線通信を実行するための無線インターフェースである。Wi-Fi方式は、例えば、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の略)の802.11の規格、及び、それに準ずる規格(例えば802.11a,11b,11g,11n,11ac等)に従って、無線通信を実行するための無線通信方式である。Wi-FiI/F14は、特に、Wi-Fi Allianceによって策定されたWFD(Wi-Fi Direct(登録商標)の略)方式をサポートしている。WFD方式は、Wi-Fi Allianceによって作成された規格書「Wi-Fi Peer-to-Peer (P2P) Technical Specification Version1.1」に記述されている無線通信方式である。端末10は、WFD方式のG/O(Group Ownerの略)状態、CL(Clientの略)状態、及び、デバイス状態のいずれかの状態で動作することができる。例えば、端末10は、WFD方式のCLとして動作して、WFD方式のG/Oとして動作している外部装置(例えばプリンタ100)によって形成されている無線ネットワークに子局として参加可能である。
【0019】
BTI/F16は、BT方式に従った無線通信を実行するためのI/Fである。BT方式は、例えば、IEEE802.15.1の規格、及び、それに準ずる規格に基づく無線通信方式である。より具体的に言うと、BTI/F16は、BLE方式をサポートしている。BLE方式は、BT方式のバージョン4.0以降のバージョンで実現されている規格である。
【0020】
Wi-Fi方式とBT方式との相違点を記述しておく。Wi-Fi方式の通信速度(例えば最大の通信速度が600Mbps)は、BT方式の通信速度(例えば最大の通信速度が24Mbps)よりも速い。Wi-Fi方式の通信における搬送波の周波数は、2.4GHz帯又は5.0GHz帯である。BT方式の通信における搬送波の周波数は、2.4GHz帯である。また、Wi-Fi方式の通信を実行可能な最大の距離(例えば約100m)は、BT方式の通信を実行可能な最大の距離(例えば約数十m)よりも大きい。
【0021】
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36、38に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成され、OS(Operating Systemの略)プログラム36(以下では単に「OS36」と記載する)とプリントアプリケーション38(以下では単に「アプリ38」と記載する)とを記憶する。
【0022】
OS36は、端末10の基本的な動作を制御するためのプログラムであり、例えば、iOS(登録商標)、アンドロイド(登録商標)である。アプリ38は、プリンタ100とのHOを実行し、その後、Wi-Fi方接続を利用して、印刷対象の画像を表わす画像データをプリンタ100に送信するためのアプリケーションである。アプリ38は、例えば、プリンタ100のベンダによって提供されるインターネット上のサーバから端末10にインストールされてもよいし、プリンタ100と共に出荷されるメディアから端末10にインストールされてもよい。
【0023】
(プリンタ100の構成)
プリンタ100は、印刷機能を実行可能な周辺装置(例えば、端末10の周辺装置)である。プリンタ100のベンダ名、モデル名、デバイス名は、それぞれ、「AAA」、「BBB」、「CCC」である。プリンタ100は、表示部112と、Wi-FiI/F114と、BTI/F116と、印刷実行部118と、制御部130と、を備える。
【0024】
表示部112は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部112は、ユーザから指示を受け付けるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。Wi-FiI/F114は、端末10のWi-FiI/F14と同様である。即ち、Wi-FiI/F114は、WFD方式をサポートしている。Wi-FiI/F114には、MACアドレス「WF5678-AAA」が割り当てられている。当該MACアドレスは、プリンタ100のベンダ名「AAA」を含む。BTI/F116は、端末10のBTI/F16と同様である。即ち、BTI/F116は、BLE方式をサポートしている。BTI/F116には、MACアドレス「BT1234-AAA」が割り当てられている。当該MACアドレスは、プリンタ100のベンダ名「AAA」を含む。印刷実行部118は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構を備える。
【0025】
制御部130は、CPU132と、メモリ134と、を備える。CPU132は、メモリ134に記憶されているプログラム136に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成され、プログラム136に加えて、プロトコルスタック138を記憶する。
【0026】
プロトコルスタック138は、BLE方式に従ったプロトコルスタックを含み、図1に示す階層構造を有する。L2CAP(Logical Link Control and Application Protocolの略)は、BT接続(以下では「L2CAP Link」と記載することもある)を確立するためのスタックである。SMP(Security Manager Protocolの略)及びATT(Attribute Protocolの略)は、L2CAPの上位層である。SMPは、BT接続を利用して通信される情報を暗号化するためのプロトコルである。ATTは、BT接続を利用した通信におけるサーバとクライアントとの間のアクセス方式を定義するためのプロトコルである。GATT(Generic Attribute Profileの略)は、ATTの上位層であり、サーバ及びクライアントの機能を定義するためのプロトコルである。GAP(Generic Access Profileの略)は、L2CAP、SMP、ATT、及び、GATTの上位層であり、BLE方式の通信を実行可能な各デバイスに共通する機能を定義するためのプロトコルである。Primary Service群は、GAPの上位層であり、BLE方式の通信に関する具体的な動作を定義するためのアプリケーションである。なお、以下では、Primary Serviceのことを単に「PS」と記載する。
【0027】
(PS群の概念:図2
図2を参照して、プロトコルスタック138に含まれるPS群の概念を説明する。図2のテーブルは、理解の容易化のためにPS群を概念的に示したものであり、PS群の具体的なデータ構造とは異なる。PS群のデータ構造については、図2の説明を終えた後に、図3を参照して説明する。PS群は、Bluetooth SIGによって定義される(即ちBT方式の規格によって予め決められている)第1種のPSと、プリンタ100のベンダによって定義される第2種のPSと、に分けられる。
【0028】
(第1種のPS)
第1種のPSは、GAP Service138A(以下では単に「GA138A」と記載する)を含む。GA138Aは、BTI/F116に関する情報を送信するためのPSである。当該情報は、例えば、デバイス名「CCC」を含む。GA138Aには、予め決められているUUID「0x1800」が割り当てられている。GA138Aは、複数個のCharacteristic(以下では単に「CH」と記載する)を含む。CHは、PSの具体的な機能を定義する情報である。GA138Aに含まれる複数個のCHは、デバイス名「CCC」の送信を定義するCH「Device Name」を含む。CH「Device Name」には、予め決められているUUID「0x2A00」が割り当てられている。図2では、GA138Aに含まれる他のCHの記載を省略している。
【0029】
(第2種のPS)
第2種のPSは、WFD Connection138B(以下では単に「WC138B」と記載する)と、BT Control138C(以下では単に「BC138C」と記載する)と、を含む。
【0030】
WC138Bは、WFD方式に従ったWi-Fi接続を確立するための各情報の通信を定義するためのPSであり、プリンタ100のベンダによって定められるUUID「aaa0」が割り当てられている。WC138Bに含まれるCHは、「Power Control」、「Handover Mode MAC Address」、「Public Encryption Key」、「Connection Information」、及び、「Change Status」を含む。
【0031】
「Power Control」は、BTI/F116で利用される電波強度を低くするためのLow Power指示の受信(即ちプリンタ100への情報の書き込み)を定義するCH(UUID「aaa1」)である。「Handover Mode MAC Address」は、HO用MACアドレスの受信を定義するCH(UUID「aaa2」)である。「Public Encryption Key」は、暗号鍵の受信を定義するCH(UUID「aaa3」)である。「Connection Information」は、Wi-Fi接続を確立するための情報の送信(即ちプリンタ100からの情報の読み出し)を定義するCH(UUID「aaa4」)である。「Change Status」は、プリンタ100をG/Oとして動作させるためのWFD開始指示の受信を定義するCH(UUID「aaa5」)である。
【0032】
BC138Cは、BTI/F116の状態を変更する指示を受信するためのPSであり、プリンタ100のベンダによって定められるUUID「bbb0」が割り当てられている。BC138Cに含まれるCHは、「Paring Control」を含む。「Pairing Control」は、BT接続(即ちL2CAP Link)を切断するための切断指示の受信を定義するCH(UUID「bbb1」)である。
【0033】
(PS群のデータ構造:図3
続いて、図3を参照して、PS群の具体的なデータ構造を説明する。PS群は、Handleと、Attribute Typeと、Attribute Valueと、Attribute Permissionと、が対応付けられたテーブル構造を有する。Handleは、「0x0001」から続く連番である。図3では、「0x0002」より後の一部のデータ構造が省略されている。このため、「0x0002」より後のHandleは、実際の値ではなく、記号「nk(kは1以上の整数)」で表現されている。Attribute Type(以下では単に「AType」と記載する)は、通信対象の情報のタイプを示す識別子(即ちUUID)である。Attribute Value(以下では単に「AValue」と記載する)は、通信対象の情報を示す。Attribute Permisiion(以下では単に「APer」と記載する)は、SMPに関する項目であり、より具体的には、プリンタ100からの情報の読み出し又はプリンタ100への書き込みを許可するための条件を示す。
【0034】
本実施例では、APerには、「Readable without authentication(以下では「RWA」と記載する)」又は「Writeable without authentication(以下では「WWA」と記載する)」が記述される。RWAは、プリンタ100からの情報の読み出しの実行時にAuthenticationを要求しないことを示す。WWAは、プリンタ100への情報の書き込みの実行時にAuthenticationを要求しないことを示す。なお、「without encryption」及び「without authorization」の記載を省略しているが、RWA及びWWAは、情報の読み出し又は書き込みの実行時にEncryptionもAuthorizationも要求しないことを示す。
【0035】
(第1種のPS)
GA138Aに含まれるは、Handleの範囲「0x0001」~所定値(「n10」の1つ前の値)に対応するデータ群である。Handle「0x0001」に対応するデータは、以下のとおりである。ATypeは、PSのうちの先頭のデータであることを示すUUID「0x2800」を含む。AValueは、UUID「0x1800」を含む。APerは、RWAを含む。
【0036】
Handle「0x0002」に対応するデータは、以下のとおりである。ATypeは、CH Declarationを示すUUID「0x2803」を含む。AValueは、「Read」を示すプロパティと、Handle「n1」と、UUID「0x2A00」と、を含む。APerは、RWAを含む。
【0037】
Handle「n1」に対応するデータは、以下のとおりである。Atypeは、CH「Device Name」のUUID「0x2A00」を含む。AValueは、デバイス名「CCC」を含む。APerは、RWAを含む。
【0038】
GA138Aが上記のデータ構造を有しているので、GA138A内のデバイス名「CCC」は、以下のようにして読み出される。プリンタ100(即ちBT方式のサーバ)は、BT方式のクライアント(例えば携帯端末10)からUUID「0x2803」が指定されたRead By Type Request信号を受信すると、UUID「0x2803」に対応するAPerに示されるRWAに従って、UUID「0x2803」に対応するAValue(即ち、プロパティ「Read」、Handle「n1」、及び、UUID「0x2A00」)を読み出すことを許可する。この結果、クライアントは、これらの情報を受信することができ、これらの情報に基づいて、Handle「n1」及びUUID「0x2A00」に対応する情報の読み出しを実行可能であることを知ることができる。そして、クライアントは、UUID「0x2A00」が指定されたRead By Type Request信号をプリンタ100に送信することによって、プリンタ100からデバイス名「CCC」を受信する(即ち読み出す)ことができる。
【0039】
(第2種のPS)
WC138Bは、Handleの範囲「n10」~「n20」に対応するデータ群である。Handle「n10」に対応するデータは、以下のとおりである。ATypeは、UUID「0x2800」を含む。AValueは、UUID「aaa0」を含む。APerは、RWAを含む。
【0040】
Handle「n11」~「n15」に対応するデータは、以下のとおりである。ATypeは、UUID「0x2803」を含む。AValueは、プロパティ「Write」又は「Read」と、Handle(例えば「n16」)と、UUID(例えば「aaa1」)と、を含む。APerは、RWAを含む。
【0041】
Handle「n16」に対応するデータは、以下のとおりである。Atypeは、CH「Power Control」のUUID「aaa1」を含む。AValueには、クライアントからLow Power指示が書き込まれる。なお、情報が書き込まれる前には、当該AValueは空情報を含む。このため、図3では、書き込まれる情報を破線で示している。APerは、WWAを含む。
【0042】
WC138BのHandle「n16」が上記のデータ構造を有しているので、Handle「n16」に対応するAValueには、以下のようにしてLow Power指示が書き込まれる。プリンタ100(即ちBT方式のサーバ)は、クライアント(例えば携帯端末10)からUUID「0x2803」が指定されたRead By Type Request信号を受信すると、UUID「0x2803」に対応するAPerに示されるRWAに従って、クライアントがUUID「0x2803」に対応する各AValue(即ちプロパティ「Read」又は「Write」、Handle「n16」~「n20」、及び、UUID「aaa1」~「aaa5」)を読み出すことを許可する。この結果、クライアントは、これらの情報を読み出すだすことができ、これらの情報に基づいて、Handle「n16」及びUUID「aaa1」に対応する情報の書き込みを実行可能であることを知ることができる。そして、クライアントは、Handle「n16」が指定されていると共にLow Power指示を含むWrite Request信号をプリンタ100に送信することによって、Low Power指示をプリンタ100に書き込むことができる。
【0043】
Handle「n17」~「n20」に対応するデータは、それぞれ、図示されているとおりである。Handle「n17」、「n18」、「n20」に対応するAValueには、それぞれ、HO用MACアドレス、暗号鍵200、WFD開始指示が書き込まれる。Handle「n19」に対応するAValueは、プリンタ100とのWi-Fi接続を確立するための情報を含む。当該情報は、プリンタ100がG/Oとして動作する無線ネットワークのSSID「XXX」と、当該無線ネットワークのパスワード「YYY」と、プリンタ100のWi-FiI/F114のMACアドレス「WF5678-AAA」と、プリンタ100のIPアドレス「192.168.1.1」と、を含む。
【0044】
BC138Cは、Handleの範囲「n30」~「n32」に対応するデータ群である。Handle「n30」~「n32」に対応するデータは、それぞれ、図示されているとおりである。Handle「n32」に対応するAValueには、切断指示が書き込まれる。
【0045】
(具体的な処理:図4
続いて、図4図7を参照して、端末10及びプリンタ100によって実行される具体的な処理を説明する。特に、プリンタ100のPS群が上記の図3のデータ構造を有しているので、プリンタ100のCPU132は、当該PS群に従って、以下の処理を実現することができる。なお、以下では、端末10のCPU32がOS36又はアプリ38に従って実行する処理を説明する際に、OS36又はアプリ38を主体として説明する。図4図7では、端末10とプリンタ100との間のBT方式に従った通信、Wi-Fi方式に従った通信を、それぞれ、実線、破線で示す。また、図4図6の全ての通信は、BTI/F16,116を介して実行される。従って、図4図6の各通信を説明する際には、「BTI/F16(又は116)を介して」という記載を省略する。
【0046】
T100では、プリンタ100の電源がユーザによってONされる。この場合、プリンタ100のCPU132は、BTI/F116を起動し、この結果、BTI/F116は、T102において、第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号を繰り返し送信する。ここで、第1の電波強度は、アドバタイジング信号を十m以上送信可能な強度である。以下では、アドバタイジング信号のことを「AD信号」と記載する。第1のAD信号は、MACアドレス「BT1234-AAA」を含む。
【0047】
T110では、アプリ38を起動する操作がユーザによって実行され、T112では、印刷対象の画像を表わす画像ファイルを選択する操作がユーザによって実行される。ここで選択される画像ファイルは、例えば、端末10のメモリ34内に格納されているファイルであってもよいし、外部から取得されるファイルであってもよい。
【0048】
T114では、アプリ38は、AD信号の受信を指示するための受信指示をOS36に供給する。この場合、OS36は、BTI/F16を起動し、T120において、プリンタ100から第1のAD信号を受信する。この場合、OS36は、T122において、Scan Request信号をプリンタ100に送信する。当該信号は、プリンタ100の情報の送信を要求するための信号である。
【0049】
プリンタ100のCPU132は、端末10からScan Request信号を受信すると(T122)、T124において、モデル名「BBB」及びMACアドレス「BT1234-AAA」を含むScan Response信号を端末10に送信する。
【0050】
OS36は、プリンタ100からScan Response信号を受信すると(T124)、T126において、当該信号に含まれるモデル名「BBB」及びMACアドレス「BT1234-AAA」をアプリ38に供給する。
【0051】
アプリ38は、T126で取得済みの情報を利用して、T130において、プリンタ100がPower変更機能を有するのか否かを判断する。具体的には、アプリ38は、まず、取得済みのMACアドレスがプリンタ100のベンダ名「AAA」を含むのか否かを判断する。図4のケースでは、アプリ38は、取得済みのMACアドレスがベンダ名「AAA」を含むと判断し、次いで、取得済みのモデル名がPower変更機能を有するプリンタのモデル名であるのか否かを判断する。この判断は、アプリ38に予め記憶されているモデルリストに基づいて実行される。モデルリストは、Power変更機能を有するプリンタの各モデル名を含む。図4のケースでは、アプリ38は、取得済みのモデル名がPower変更機能を有するプリンタのモデル名であると判断し、この結果、T130でYESと判断して、T140に進む。
【0052】
アプリ38は、取得済みのMACアドレスがベンダ名「AAA」を含まないと判断する場合、又は、取得済みのモデル名がPower変更機能を有するプリンタのモデル名でないと判断する場合には、T130でNOと判断して、通常処理に進む。図示省略しているが、通常処理は、端末10の通信相手のプリンタがAD信号の電波強度を下げることなく、端末10とプリンタとの間でペアリングを実行し、Wi-Fi接続を確立するための情報を通信するための処理である。具体的には、端末10は、例えば、PINコードを入力するための画面を表示し、プリンタに表示されるPINコードの入力を受け付ける。そして、当該PINコードの認証が成功すると、端末10は、プリンタとのBT接続を確立する。そして、端末10は、BT接続を利用して、プリンタからWi-Fi接続を確立するための情報を受信し、当該情報を利用してWi-Fi接続をプリンタと確立する。その後、端末10は、Wi-Fi接続を利用して、T112で選択された画像ファイルをプリンタに送信する。
【0053】
T140以降の処理は、ユーザがPINコードを端末10に入力することなく、端末10とプリンタ100との間でBT接続を確立するための処理である。ユーザがPINコードを入力する必要がないので、ユーザの利便性が向上する。T140では、アプリ38は、接続確認画面を表示部12に表示する。接続確認画面は、T126で取得済みのモデル名「BBB」を有するプリンタ100とのBT接続を確立するのか否かをユーザに問い合わせるための画面であり、YESボタンとCancelボタンとを含む。
【0054】
T142では、接続確認画面内のYESボタンがユーザによって選択される。この場合、アプリ38は、T143において、BT接続の確立を指示するための接続指示をOS36に供給する。この場合、OS36は、T144において、CONNECT_IND信号をプリンタ100に送信する。
【0055】
CPU132は、端末10からCONNECT_IND信号を受信すると(T144)、T146において、L2CAP Link(即ちBT接続)を端末10と確立する。次いで、CPU132は、T148において、第1のAD信号の送信の停止をBTI/F116に指示する。
【0056】
図4の続きの処理:図5
図5のT200では、OS36は、図4のT146で確立されたL2CAP Linkを利用して、構造情報の通信をプリンタ100と実行する。具体的には、OS36は、プリンタ100から、PS群のうち、UUID「0×2800」又は「0×2803」を示すATypeに対応する各データ(即ち、Handle、AValue、及び、Aper;図3参照)を受信する。次いで、OS36は、T210において、L2CAP Linkの確立及び構造情報の通信が完了したことを示す完了通知をアプリ38に供給する。
【0057】
アプリ38は、OS36から完了通知を取得すると(T210)、T212において、構造情報の供給を要求するための情報要求をOS36に供給する。そして、アプリ38は、T214において、OS36から構造情報を取得する。これにより、アプリ38は、取得済みの構造情報(特にAValue)を参照することによって、通信対象の情報のタイプ(即ちRead又はWrite)とHandleとUUIDとを知ることができる(図3のAValue参照)。
【0058】
アプリ38は、T220において、HO用MACアドレス「9876―DDD」を生成する。HO用MACアドレスは、例えば、ランダムに複数の文字を選択することによって生成される。これにより、ユニークなHO用MACアドレスが生成される。
【0059】
アプリ38は、T230において、Handle「n16」とLow Power指示とを含む書込指示をOS36に供給する。これにより、OS36は、T232において、これらの情報を含むWrite Request信号をプリンタ100に送信する。
【0060】
CPU132は、端末10からWrite Request信号を受信すると(T232)、Handle「n16」に対応するAValueの値としてLow Power指示を記憶する(即ち書き込む)。そして、CPU132は、T234において、Low Power指示をBTI/F116に供給する。この結果、後述の処理において、BTI/F116は、第1の電波強度(図4のT102参照)よりも低い第2の電波強度が利用された第2のAD信号を送信することができる。
【0061】
アプリ38は、T240において、Handle「n17」とT220で生成済みのHO用MACアドレス「9876-DDD」とを含む書込指示をOS36に供給する。これにより、OS36は、T242において、これらの情報を含むWrite Request信号をプリンタ100に送信する。
【0062】
CPU132は、端末10からWrite Request信号を受信すると(T242)、Handle「n17」に対応するAValueの値としてHO用MACアドレス「9876-DDD」を記憶する。
【0063】
アプリ38は、T250において、Handle「n18」と予め決められている暗号鍵200とを含む書込指示をOS36に供給する。これにより、OS36は、T252において、これらの情報を含むWrite Request信号をプリンタ100に送信する。
【0064】
CPU132は、端末10からWrite Request信号を受信すると(T252)、Handle「n18」に対応するAValueの値として暗号鍵200を記憶する。
【0065】
アプリ38は、T260において、Handle「n32」と切断指示とを含む書込指示をOS36に供給する。これにより、OS36は、T262において、これらの情報を含むWrite Request信号をプリンタ100に送信する。
【0066】
CPU132は、端末10からWrite Request信号を受信すると(T262)、Handle「n32」に対応するAValueの値として切断指示を記憶する。そして、CPU132は、T264において、切断信号を端末10に送信することによって、図4のT146で確立済みのL2CAP Linkを切断する。
【0067】
アプリ38は、各書込指示をOS36に供給し終えると(即ちT260を終了すると)、T270において、通知画面を表示部12に表示する。通知画面は、図4のT126で取得されたモデル名「BBB」を有するプリンタ100に近づくことを促すメッセージを含む。これにより、ユーザは、プリンタ100に近づくべきことを知ることができる。
【0068】
図5の続きの処理:図6
CPU132は、図5のT264でL2CAP Linkを切断すると、図5のT242で受信されたHO用MACアドレス「9876-DDD」をBTI/F116に供給する。これにより、BTI/F116は、T302において、HO用MACアドレス「9876-DDD」を含む第2のAD信号を繰り返し送信する。図5のT234において、Low Power指示がBTI/F116に供給済みである。このために、BTI/F116は、第1の電波強度(図4のT102参照)よりも低い第2の電波強度が利用された第2のAD信号を送信する。ここで、第2の電波強度は、AD信号を十m未満送信可能な強度であり、本実施例では約1m送信可能な強度である。
【0069】
T304では、アプリ38は、受信指示をOS36に供給する。当該指示は、図4のT114の指示と同様である。そして、T310において、端末10とプリンタ100との間の距離が第2のAD信号の送信範囲内になるまで端末10がプリンタ310に近づく。この場合、OS36は、T320において、プリンタ100から第2のAD信号を受信する。T322~T326は、MACアドレスとして「BT1234-AAA」に代えて「9876-DDD」が利用される点を除くと、図4のT122~T126と同様である。
【0070】
次いで、アプリ38は、T330において、T326で取得済みの情報を利用して、第2のAD信号の送信元のプリンタが、図5のT232のLow Power指示の送信先のプリンタであるのか否かを判断する。具体的には、アプリ38は、T326で取得済みのMACアドレスが、図5のT220で生成済みのHO用MACアドレスに一致するのか否かを判断する。図6のケースでは、アプリ38は、取得済みのMACアドレス「9876-DDD」がHO用MACアドレスに一致すると判断して(T330でYES)、T343に進む。一方、アプリ38は、取得済みのMACアドレスがHO用MACアドレスに一致しないと判断する場合には、所定時間が経過するまでAD信号のさらなる受信を監視する。アプリ38は、取得済みのMACアドレスがHO用MACアドレスに一致すると判断することなく、上記の所定時間が経過すると、T330でNOと判断して処理を終了する。このように、本実施例では、第1のAD信号に含まれるMACアドレスと第2のAD信号に含まれるMACアドレスとが異なる態様を採用し、アプリ38は、第2のAD信号に含まれるMACアドレスがHO用MACアドレスに一致しない場合には、T343以降の処理を実行しない。従って、端末10は、例えば、Low Power指示の送信先のプリンタ100とは異なるプリンタからAD信号を受信しても、T343以降の処理を実行しない。このために、端末10と適切なプリンタ100との間でT343以降の処理を実行させることができる。
【0071】
T343~T346は、図4のT143~T146と同様である。CPU132は、T346でL2CAP Linkを確立すると、T348において、第2のAD信号の送信の停止をBTI/F116に指示する。T400~T414は、図5のT200~T214と同様である。
【0072】
アプリ38は、T420において、Handle「n19」を含む読出指示をOS36に供給する。これにより、OS36は、T422において、Handle「n19」に対応するUUID「aaa4」(図3のHandle「n14」に対応するAValue参照)を含むRead by Type Request信号をプリンタ100に送信する。
【0073】
CPU132は、端末10からRead by Type Request信号を受信すると(T422)、まず、PS群のうちのUUID「aaa4」に対応するAValueの値を取得する。即ち、CPU132は、SSID「XXX」とパスワード「YYY」とMACアドレス「WF5678-AAA」とIPアドレス「192.168.1.1」とを取得する(図3のHandle「n19」に対応するAValue参照)。次いで、CPU132は、T424において、図5のT252で受信済みの暗号鍵200を利用して、取得済みの各情報を暗号化することによって暗号化データを生成する。そして、CPU132は、T426において、生成済みの暗号化データを端末10に送信する。このように、プリンタ100は、暗号化データを端末10に送信するので、SSID「XXX」、パスワード「YYY」等の情報が端末10とは異なる端末によって取得されることを抑制することができる。
【0074】
OS36は、プリンタ100から暗号化データを受信すると(T426)、T428において、暗号化データをアプリ38に供給する。
【0075】
図6の続きの処理:図7
アプリ38は、図7のT430において、Handle「n20」とWFD開始指示とを含む書込指示をOS36に供給する。これにより、OS36は、T432において、これらの情報を含むWrite Request信号をプリンタ100に送信する。
【0076】
CPU132は、端末10からWrite Request信号を受信すると(T432)、PS群のうちのHandle「n20」に対応するAValueの値としてWFD開始指示を記憶する。そして、CPU132は、T434において、プリンタ100の状態を、WFD方式のG/O状態以外の状態(例えばいわゆるデバイス状態)からG/O状態に移行させる。
【0077】
アプリ38は、T500において、暗号鍵200を利用して、図6のT428で取得済みの暗号化データを復号する。これにより、アプリ38は、SSID「XXX」とパスワード「YYY」とMACアドレス「WF5678-AAA」とIPアドレス「192.168.1.1」とを取得することができる。そして、アプリ38は、T502において、SSID「XXX」とパスワード「YYY」とMACアドレス「WF5678-AAA」とを含むWi-Fi指示をOS36に供給する。
【0078】
OS36は、アプリ38からWi-Fi指示を取得すると(T502)、Wi-FiI/F14を起動し、T504において、Wi-FiI/F14を介して、Probe Request信号をブロードキャストによって送信する。
【0079】
CPU132は、Wi-FiI/F114を介して、端末10からProbe Request信号を受信すると(T504)、T506において、Wi-FiI/F114を介して、SSID「XXX」とMACアドレス「WF5678-AAA」とを含むProbe Response信号を端末10に送信する。
【0080】
OS36は、Wi-FiI/F14を介して、プリンタ100からProbe Response信号を受信すると(T506)、当該信号に含まれるSSID「XXX」がT500で取得済みのSSIDに一致すると判断し、かつ、当該信号に含まれるMACアドレス「WF5678-AAA」がT500で取得済みのMACアドレスに一致すると判断する。即ち、OS36は、Probe Response信号の送信元のプリンタ100が、Wi-Fi接続を確立すべき対象のデバイスであると判断する。
【0081】
OS36は、T510において、Wi-FiI/F14を介して、接続確立通信をプリンタ100と実行する。接続確立通信は、Authentication、Association、4-Way Handshake等の各種通信を含む。接続確立通信の過程において、T500で取得済みのSSID「XXX」及びパスワード「YYY」を用いて得られるデータがプリンタ100に送信され、プリンタ100において認証が実行される。本ケースでは当該認証が成功するので、T512において、端末10とプリンタ100との間にWi-Fi接続が確立される。OS36は、プリンタ100とのWi-Fi接続が確立されると(T512)、T514において、Wi-Fi接続の確立が完了したことを示す完了通知をアプリ38に供給する。
【0082】
CPU132は、端末10とのWi-Fi接続が確立されると(T512)、T520において、BTI/F116を介して、切断信号を端末10に送信することによって、図6のT346で確立済みのL2CAP Linkを切断する。そして、CPU132は、High Power指示をBTI/F116に供給する。これにより、BTI/F116は、T524において、第1の電波強度が利用された第1のAD信号を繰り返し送信する。ここで送信される第1のAD信号は、図4のT102で送信される第1のAD信号と同様であり、HO用MACアドレス「9876-DDD」ではなく、BTI/F116に予め割り当てられているMACアドレス「BT1234-AAA」を含む。このように、プリンタ100は、SSID「XXX」、パスワード「YYY」等の情報の通信が終了すると、AD信号の送信に利用される電波強度を元に戻すことができる。また、図示省略しているが、CPU132は、図5のT232,T242,T252,T262、及び、図7のT432で受信済みの各Write Request信号に応じて記憶された情報を消去する。
【0083】
アプリ38は、OS36から完了通知を取得すると(T514)、T530において、画像ファイルの送信を指示するための送信指示をOS36に供給する。送信指示は、図7のT500で取得済みのIPアドレス「192.168.1.1」と、図4のT112で選択済みの画像ファイルのファイル名と、を含む。これにより、OS36は、T532において、T512で確立済みのWi-Fi接続を利用して、IPアドレス「192.168.1.1」を送信先として、当該画像ファイルをプリンタ100に送信する。
【0084】
CPU132は、端末10から画像ファイルを受信すると(T532)、T534において、当該画像ファイルによって表わされる画像の印刷を印刷実行部118に指示する。この結果、印刷実行部118は、当該画像の印刷を実行する。そして、CPU132は、T536において、プリンタ100の状態をG/O状態からG/O状態以外の状態に移行させる。この結果、T512で確立済みのWi-Fi接続が切断される。
【0085】
(本実施例の効果)
本実施例によると、プリンタ100は、第1の電波強度が利用された第1のAD信号を送信した後(図4のT102)に、端末10からCONNECT_IND信号を受信する場合(T144)に、端末10とのL2CAP Linkを確立する(T146)。プリンタ100は、当該L2CAP Linkを利用して、端末10からLow Power指示を含むWrite Request信号を受信する場合(図5のT232)に、AD信号の送信に利用される電波強度を、第1の電波強度から、第1の電波強度よりも低い第2の電波強度に変更する(T234)。これにより、プリンタ100と端末10との間の距離が小さくならなければ、端末10は、プリンタ100から第2の電波強度が利用された第2のAD信号を受信することができない。次いで、プリンタ100は、端末10から切断指示を含むWrite Request信号を受信する場合(T262)に、上記のL2CAP Linkを切断し、第2の電波強度が利用された第2のAD信号を送信する(図6のT302)。プリンタ100は、プリンタ100と端末10との間の距離が小さくなった(本実施例では1m以下になった)ことに起因して、第2のAD信号を受信した端末10からCONNECT_IND信号を受信する場合(T344)に、端末10とのL2CAP Linkを確立する(T346)。プリンタ100は、当該L2CAP Linkを利用して、SSID「XXX」、パスワード「YYY」等の情報の通信を端末10と実行する(T422)。そして、プリンタ100は、上記の情報を利用して端末10とのWi-Fi接続を確立し(図7のT512)、Wi-Fi接続を利用して端末10から画像ファイルを受信し(T532)、画像ファイルによって表わされる画像の印刷を実行する(T534)。
【0086】
ここで、図4のT146で確立されるL2CAP Linkを利用して、SSID「XXX」等の情報の通信を実行する比較例を想定する。比較例によると、プリンタ100と端末10との間の距離が比較的大きい場合(本実施例では10m以上)において、PINコードの認証が実行されることなく(即ちペアリングが実行されることなく)、上記の情報が通信されることになる。この場合、例えば、プリンタ100が或る会社のオフィスに設置されている場合に、当該オフィスとは異なる場所(例えば当該オフィスに隣接する他社のオフィス)に位置する端末10が、プリンタ100からSSID「XXX」等の情報を受信し得る。そして、端末10は、当該情報を利用してプリンタ100とのWi-Fi接続を確立し、画像の印刷をプリンタ100に実行させることができる。このように、比較例では、プリンタ100の正規のユーザではない第三者がプリンタ100を利用し得る。これに対し、本実施例によると、図4のT146で確立されるL2CAP LinkではSSID「XXX」等の情報の通信が実行されない。そして、AD信号の送信に利用される電波強度が低くなり、プリンタ100と端末10との間の距離が小さくなったことに起因して確立されるL2CAP Link(図6のT346参照)を利用して、上記の情報の通信が実行される。換言すると、ユーザが端末10をプリンタ100に近づけなければ、上記の情報の通信が実行されないので、第三者がプリンタ100を利用することを抑制することができる。このように、本実施例によると、プリンタ100及び端末10は、プリンタ100と端末10との間の距離に応じて、上記の情報の通信を適切に制御することができる。
【0087】
(対応関係)
プリンタ100、端末10、BTI/F116、Wi-FiI/F114、BTI/F16が、それぞれ、「機能実行装置」、「端末装置」、「第1の無線インターフェース」、「第2の無線インターフェース」、「無線インターフェース」の一例である。図5のT232で通信されるLow Power指示が、「特定信号」の一例である。図6のT344のCONNECT_IND信号、図4のT144のCONNECT_IND信号が、それぞれ、「第1の接続要求(又は接続要求)」、「第2の接続要求」の一例である。図6のT346のL2CAP Link、図4のT146のL2CAP Link、図7のT512のWi-Fi接続が、それぞれ、「第1の無線接続(又は無線接続)」、「第2の無線接続」、「第3の無線接続」の一例である。図6のT426で通信されるSSID「XXX」、パスワード「YYY」等の情報が、「対象情報」の一例である。MACアドレス「BT1234-AAA」、MACアドレス「9876-DDD」が、それぞれ、「第1の識別情報」、「第2の識別情報」の一例である。
【0088】
図4のT144の処理、T146の処理が、それぞれ、「第2の接続要求受信部」、「第2の確立部」によって実行される処理の一例である。図5のT232の処理、T242の処理、T252の処理、T264の処理が、それぞれ、「特定信号受信部」、「識別情報通信部」、「暗号鍵通信部」、「切断部」によって実行される処理の一例である。図6のT302の処理、T344の処理、T346の処理、T426の処理が、それぞれ、「第1の変更部」、「第1の接続要求受信部」、「第1の確立部」、「対象情報通信部」によって実行される処理の一例である。図7のT522の処理、T532の処理、T534の処理が、それぞれ、「第2の変更部」、「画像データ受信部」、「印刷制御部」によって実行される処理の一例である。
【0089】
図4のT114及びT120の処理が、「第1のアドバタイジング信号受信部」によって実行される処理の一例である。T143及びT144の処理が、「第2の接続要求送信部」によって実行される処理の一例である。図5のT230及びT232の処理が、「特定信号送信部」によって実行される処理の一例である。図6のT304及びT320の処理が、「第2のアドバタイジング信号受信部」によって実行される処理の一例である。T343及びT344の処理が、「接続要求送信部(又は第1の接続要求送信部)」によって実行される処理の一例である。T420、T422、及びT426の処理が、「対象情報通信部」によって実行される処理の一例である。
【0090】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0091】
(変形例1)
プリンタ100は、図5のT232のLow Power指示を受信しなくてもよい。この場合、プリンタ100は、例えば、図4のT122のScan Request信号を受信することを条件として、AD信号の送信に利用される電波強度を低くしてもよい。本変形例では、Scan Request信号が、「特定信号」の一例である。特に、本変形例では、T146のL2CAP Linkが確立されなくてもよい。即ち、「機能実行装置」の「第2の接続要求受信部」、「第2の確立部」、及び、「切断部」は省略可能である。また、「端末装置」の「第2の接続要求送信部」も省略可能である。また、別の変形例では、プリンタ100は、例えば、図4のT144のCONNECT_IND信号を受信することを条件として、AD信号の送信に利用される電波強度を低くしてもよい。本変形例では、CONNECT_IND信号が、「特定信号」の一例である。
【0092】
(変形例2)
プリンタ100は、図5のT232のLow Power指示を受信しなくても、図4のT146のL2CAP Linkが確立されることを条件として、AD信号の送信に利用される電波強度を低くしてもよい。本変形例では、「機能実行装置」の「特定信号受信部」を省略可能である。また、「端末装置」の「特定信号送信部」も省略可能である。
【0093】
(変形例3)
プリンタ100がG/O状態に移行する代わりに、端末10がG/O状態に移行してもよい。この場合、プリンタ100は、図6のT426において、SSID等を端末10に送信することに代えて、端末10から、端末10がG/Oとして動作する無線ネットワークのSSID、パスワード等を受信する。一般的に言うと、「機能実行装置」及び「端末装置」の「対象情報通信部」は、上記の実施例のように、対象情報が機能実行装置から端末装置に送信されてもよいし、本変形例のように、対象情報が端末装置から機能実行装置に送信されてもよい。
【0094】
(変形例4)
プリンタ100は、図6のT426において、SSID等に代えて、プリンタ100にログインするためのログインパスワードを端末10に送信してもよい。この場合、端末10は、ログインパスワードを表示し、ユーザは、当該ログインパスワードをプリンタ100に入力することによって、プリンタ100にログインすることができる(即ちプリンタ100を利用可能な状態にすることができる)。本変形例では、ログインパスワードが、「対象情報」の一例であり、「機能実行装置」の「第2の無線インターフェース」、「画像データ受信部」、及び、「印刷制御部」を省略可能である。また、「対象情報」は、機能実行装置の特定機能を利用するための他の情報(例えば、プリンタ100のステータスを示す情報、プリンタ100に記憶されている印刷履歴の情報等)であってもよい。
【0095】
(変形例5)
プリンタ100は、図5のT234でLow Power指示をBTI/F116に供給した後に、L2CAP Linkが確立されている状態で、第2のAD信号の送信を開始してもよい。一般的に言うと、第2の無線接続が切断される前に、第2のアドバタイジング信号が送信されてもよい。
【0096】
(変形例6)
プリンタ100は、図5のT262の切断指示を受信しなくても、例えば、T252の暗号鍵を受信することを条件として、L2CAP Linkを切断してもよい。本変形例では、「機能実行装置」の「切断指示受信部」を省略可能である。
【0097】
(変形例7)
プリンタ100は、端末10から、図5のT242のMACアドレス「9876-DDD」を受信しなくてもよい。そして、プリンタ100は、図6のT302において、第1のAD信号に含まれるMACアドレス「BT1234-AAA」に一致するMACアドレスを含む第2のAD信号を送信してもよい。この場合、端末10は、T330の処理を実行せずに、T343に進む。本変形例では、「機能実行装置」の「識別情報通信部」を省略可能であり、第2のアドバタイジング信号は第2の識別情報を含まない。
【0098】
(変形例8)
プリンタ100は、端末10から、図5のT242のMACアドレス「9876-DDD」を受信することに代えて、ユニークなMACアドレスを生成し、当該MACアドレスを端末10に送信してもよい。この場合、プリンタ100は、図6のT302において、当該MACアドレスを含む第2のAD信号を送信する。端末10は、プリンタ100から受信済みの当該MACアドレスを利用して、T330の判断を実行する。一般的に言うと、「識別情報通信部」は、上記の実施例のように、端末装置から機能実行装置に第2の識別情報が送信されてもよいし、本変形例のように、機能実行装置から端末装置に第2の識別情報が送信されてもよい。
【0099】
(変形例9)
プリンタ100は、図5のT252において、端末10から暗号鍵200を受信しなくてもよい。この場合、プリンタ100は、SSID「XXX」、パスワード「YYY」等の情報を暗号化することなく、図6のT426において、これらの情報を端末10に送信してもよい。本変形例では、「機能実行装置」の「暗号鍵通信部」を省略可能である。
【0100】
(変形例10)
プリンタ100は、図5のT252において、端末10から暗号鍵200を受信することに代えて、暗号鍵200を端末10に送信してもよい。一般的に言うと、「暗号鍵通信部」は、上記の実施例のように、端末装置から機能実行装置に暗号鍵が送信されてもよいし、本変形例のように、機能実行装置から端末装置に暗号鍵が送信されてもよい。
【0101】
(変形例11)
「機能実行装置」は、プリンタ100でなくてもよく、例えば、スキャナ、FAX装置、多機能機、PC、サーバ等であってもよい。
【0102】
(変形例12)
上記の各実施例では、プリンタ100のCPU132がプログラム136(即ちソフトウェア)を実行すること、及び、端末10のCPU32がプログラム36,38を実行することによって、図4図7の各処理が実現される。これに代えて、いずれかの処理は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【符号の説明】
【0103】
2:通信システム、10:携帯端末、12:表示部、14:Wi-FiI/F、16:BTI/F、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:OSプログラム、38:プリントアプリケーション、100:プリンタ、112:表示部、114:Wi-FiI/F、116:BTI/F、130:制御部、132:CPU、134:メモリ、136:プログラム、138:プロトコルスタック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-08-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能実行装置であって、
BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energyの略)方式に従った無線通信を実行するための第1の無線インターフェースであって、アドバタイジング信号を繰り返し送信可能である前記第1の無線インターフェースと、
前記第1の無線インターフェースとは異なる第2の無線インターフェースと、
前記第1の無線インターフェースから第1の伝送距離で第1のアドバタイジング信号を送信させる第1の送信部と、
前記第1のアドバタイジング信号の送信が停止された後に、前記第1の無線インターフェースから前記第1の伝送距離よりも短い第2の伝送距離で第2のアドバタイジング信号を送信させる第2の送信部と、
前記第1の無線インターフェースから前記第2のアドバタイジング信号が送信された後に、前記第2のアドバタイジング信号を受信した端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、第1の接続要求が受信される場合に、前記第2の無線インターフェースを介した前記端末装置との無線接続を確立するための対象情報を前記端末装置に送信する情報送信部と、
前記対象情報を受信した前記端末装置から、前記第2の無線インターフェースを介して第2の接続要求が受信される場合に、前記第2の無線インターフェースを介した前記端末装置との前記無線接続を確立する確立部と、
を備える、機能実行装置。
【請求項2】
前記第1のアドバタイジング信号を受信した前記端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、特定信号が受信される場合に、前記第2のアドバタイジング信号は送信される、請求項1に記載の機能実行装置。
【請求項3】
前記特定信号は、電波強度の変更指示を含むWrite Request信号である、請求項に記載の機能実行装置。
【請求項4】
前記機能実行装置は、さらに、
印刷実行部と、
記無線接続が確立される場合に、前記無線接続を利用して、前記端末装置から、前記第2の無線インターフェースを介して、印刷対象の画像を表わす画像データを受信する画像データ受信部と、
前記端末装置から前記画像データが受信される場合に、前記画像データによって表される前記画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御部と、を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の機能実行装置。
【請求項5】
前記機能実行装置は、さらに、
前記対象情報の通信が実行された後に、前記第1の無線インターフェースから前記第1の伝送距離で第3のアドバタイジング信号を送信させる第3の送信部を備える、請求項1からのいずれか一項に記載の機能実行装置。
【請求項6】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
機能実行装置から、前記端末装置の第1の無線インターフェースを介して、第1の伝送距離を有する第1のアドバタイジング信号を受信する第1のアドバタイジング信号受信部であって、前記第1の無線インターフェースは、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energyの略)方式に従った無線通信を実行するためのインターフェースである、前記第1のアドバタイジング信号受信部と、
前記機能実行装置から前記第1のアドバタイジング信号が受信された後に、前記機能実行装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、前記第1の伝送距離よりも短い第2の伝送距離を有する第2のアドバタイジング信号を受信する第2のアドバタイジング信号受信部と、
前記機能実行装置から前記第2のアドバタイジング信号が受信された後に、前記第1の無線インターフェースを介して、接続要求を前記機能実行装置に送信して、前記機能実行装置から、前記第1の無線インターフェースとは異なる、前記端末装置の第2の無線インターフェースを介した前記機能実行装置との無線接続を確立するための対象情報を受信る情受信部と、
前記機能実行装置から受信した前記対象情報を利用して、前記第2の無線インターフェースを介した前記機能実行装置との前記無線接続を確立する確立部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
上記の機能実行装置を実現するためのコンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体、及び、上記の機能実行装置によって実行される方法も新規で有用である。上記の端末装置のコンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体、上記の端末装置そのもの、及び、上記の端末装置によって実行される方法も新規で有用である。また、上記の機能実行装置と上記の端末装置とを備えるシステムも新規で有用である。
出願時の特許請求の範囲に記載の事項を以下に列挙しておく。
(項目1)
機能実行装置であって、
BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energyの略)方式に従った無線通信を実行するための第1の無線インターフェースであって、アドバタイジング信号を繰り返し送信可能である前記第1の無線インターフェースと、
前記第1の無線インターフェースから第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号が送信された後に、前記第1のアドバタイジング信号を受信した端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、特定信号を受信する特定信号受信部と、
前記端末装置から前記特定信号が受信される場合に、前記アドバタイジング信号の送信に利用される電波強度を、前記第1の電波強度から、前記第1の電波強度よりも低い第2の電波強度に変更する第1の変更部と、
前記第1の無線インターフェースから前記第2の電波強度が利用された第2のアドバタイジング信号が送信された後に、前記第2のアドバタイジング信号を受信した前記端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、第1の接続要求を受信する第1の接続要求受信部と、
前記端末装置から前記第1の接続要求が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置との第1の無線接続を確立する第1の確立部と、
前記端末装置との前記第1の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記機能実行装置の特定機能を利用するための対象情報の通信を前記端末装置と実行する対象情報通信部と、
を備える、機能実行装置。
(項目2)
前記機能実行装置は、さらに、
前記第1のアドバタイジング信号を受信した前記端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、第2の接続要求を受信する第2の接続要求受信部と、
前記端末装置から前記第2の接続要求が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置との前記第2の無線接続を確立する第2の確立部と、
前記第2の無線接続を切断する切断部と、を備え、
前記第2の無線接続が切断された後に、前記第1の無線インターフェースから前記第2の電波強度が利用された前記第2のアドバタイジング信号が送信される、項目1に記載の機能実行装置。
(項目3)
前記特定信号受信部は、前記第2の無線接続を利用して、前記端末装置から前記特定信号を受信する、項目2に記載の機能実行装置。
(項目4)
前記特定信号は、電波強度の変更指示を含むWrite Request信号である、項目3に記載の機能実行装置。
(項目5)
機能実行装置であって、
BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energyの略)方式に従った無線通信を実行するための第1の無線インターフェースであって、アドバタイジング信号を繰り返し送信可能である前記第1の無線インターフェースと、
前記第1の無線インターフェースから第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号が送信された後に、前記第1のアドバタイジング信号を受信した端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、第2の接続要求を受信する第2の接続要求受信部と、
前記端末装置から前記第2の接続要求が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置との第2の無線接続を確立する第2の確立部と、
前記端末装置との前記第2の無線接続が確立される場合に、前記アドバタイジング信号の送信に利用される電波強度を、前記第1の電波強度から、前記第1の電波強度よりも低い第2の電波強度に変更する第1の変更部と、
前記第1の無線インターフェースから前記第2の電波強度が利用された第2のアドバタイジング信号が送信された後に、前記第2のアドバタイジング信号を受信した前記端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、第1の接続要求を受信する第1の接続要求受信部と、
前記端末装置から前記第1の接続要求が受信される場合に、前記第1の無線インターフェースを介して、前記端末装置との第1の無線接続を確立する第1の確立部と、
前記端末装置との前記第1の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記機能実行装置の特定機能を利用するための対象情報の通信を前記端末装置と実行する対象情報通信部と、
を備える、機能実行装置。
(項目6)
前記機能実行装置は、さらに、
前記第2の無線接続を切断する切断部を備え、
前記第2の無線接続が切断された後に、前記第1の無線インターフェースから前記第2の電波強度が利用された前記第2のアドバタイジング信号が送信される、項目5に記載の機能実行装置。
(項目7)
前記機能実行装置は、さらに、
前記第2の無線接続を利用して、前記端末装置から、前記第1の無線インターフェースを介して、切断指示を受信する切断指示受信部を備え、
前記切断部は、前記端末装置から前記切断指示が受信される場合に、前記第2の無線接続を切断する、項目2から4及び6のいずれか一項に記載の機能実行装置。
(項目8)
前記第1のアドバタイジング信号は、前記機能実行装置を識別する第1の識別情報を含み、
前記機能実行装置は、さらに、
前記第2の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、前記機能実行装置を識別する第2の識別情報であって、前記第1の識別情報とは異なる前記第2の識別情報を前記端末装置と通信する識別情報通信部を備え、
前記第2のアドバタイジング信号は、前記第2の識別情報を含む、項目2から7のいずれか一項に記載の機能実行装置。
(項目9)
前記機能実行装置は、さらに、
前記第2の無線接続を利用して、前記第1の無線インターフェースを介して、暗号鍵の通信を前記端末装置と実行する暗号鍵通信部を備え、
前記対象情報通信部は、前記第1の無線接続を利用して、前記暗号鍵によって暗号化された前記対象情報の通信を前記端末装置と実行する、項目2から8のいずれか一項に記載の機能実行装置。
(項目10)
前記機能実行装置は、さらに、
前記第1の無線インターフェースとは異なる第2の無線インターフェースを備え、
前記対象情報は、前記第2の無線インターフェースを介して、前記機能実行装置と前記端末装置との間に第3の無線接続を確立するための情報を含む、項目1から9のいずれか一項に記載の機能実行装置。
(項目11)
前記機能実行装置は、さらに、
印刷実行部と、
前記第3の無線接続が確立される場合に、前記第3の無線接続を利用して、前記端末装置から、前記第2の無線インターフェースを介して、印刷対象の画像を表わす画像データを受信する画像データ受信部と、
前記端末装置から前記画像データが受信される場合に、前記画像データによって表される前記画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御部と、を備え、
前記特定機能は、前記画像の印刷を実行する機能である、項目10に記載の機能実行装置。
(項目12)
前記機能実行装置は、さらに、
前記対象情報の通信が実行された後に、前記アドバタイジング信号の送信に利用される電波強度を前記第2の電波強度から前記第1の電波強度に変更する第2の変更部を備える、項目1から11のいずれか一項に記載の機能実行装置。
(項目13)
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
機能実行装置から、前記端末装置の無線インターフェースを介して、第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号を受信する第1のアドバタイジング信号受信部であって、前記無線インターフェースは、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energyの略)方式に従った無線通信を実行するためのインターフェースである、前記第1のアドバタイジング信号受信部と、
前記機能実行装置から前記第1のアドバタイジング信号が受信された後に、前記無線インターフェースを介して、特定信号を前記機能実行装置に送信する特定信号送信部と、
前記特定信号が前記機能実行装置に送信された後に、前記機能実行装置から、前記無線インターフェースを介して、前記第1の電波強度よりも低い第2の電波強度が利用された第2のアドバタイジング信号を受信する第2のアドバタイジング信号受信部と、
前記機能実行装置から前記第2のアドバタイジング信号が受信された後に、前記無線インターフェースを介して、接続要求を前記機能実行装置に送信する接続要求送信部であって、前記接続要求が前記機能実行装置に送信されることに応じて、前記無線インターフェースを介して前記機能実行装置との無線接続が確立される、前記接続要求送信部と、
前記機能実行装置との前記無線接続が確立される場合に、前記無線接続を利用して、前記無線インターフェースを介して、前記機能実行装置の特定機能を利用するための対象情報の通信を前記機能実行装置と実行する対象情報通信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
(項目14)
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
機能実行装置から、前記端末装置の無線インターフェースを介して、第1の電波強度が利用された第1のアドバタイジング信号を受信する第1のアドバタイジング信号受信部であって、前記無線インターフェースは、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energyの略)方式に従った無線通信を実行するためのインターフェースである、前記第1のアドバタイジング信号受信部と、
前記機能実行装置から前記第1のアドバタイジング信号が受信された後に、前記無線インターフェースを介して、第2の接続要求を前記端末装置に送信する第2の接続要求送信部であって、前記第2の接続要求が前記機能実行装置に送信されることに応じて、前記無線インターフェースを介して前記機能実行装置との第2の無線接続が確立される、前記第2の接続要求送信部と、
前記機能実行装置との前記第2の無線接続が確立された後に、前記機能実行装置から、前記無線インターフェースを介して、前記第1の電波強度よりも低い第2の電波強度が利用された第2のアドバタイジング信号を受信する第2のアドバタイジング信号受信部と、
前記機能実行装置から前記第2のアドバタイジング信号が受信された後に、前記無線インターフェースを介して、第1の接続要求を前記機能実行装置に送信する第1の接続要求送信部であって、前記第1の接続要求が前記機能実行装置に送信されることに応じて、前記無線インターフェースを介して前記機能実行装置との第1の無線接続が確立される、前記第1の接続要求送信部と、
前記機能実行装置との前記第1の無線接続が確立される場合に、前記第1の無線接続を利用して、前記無線インターフェースを介して、前記機能実行装置の特定機能を利用するための対象情報の通信を前記機能実行装置と実行する対象情報通信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。