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特開2024-14471入力装置、取引処理システム及び情報処理プログラム
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  • 特開-入力装置、取引処理システム及び情報処理プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014471
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】入力装置、取引処理システム及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240125BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G07G1/12 321M
G07G1/00 331B
G07G1/00 311D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117322
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】市川 隆
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142CA12
3E142DA01
3E142EA02
3E142GA02
3E142GA32
3E142GA41
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】 商品の識別情報を取得して、その識別情報に関する処理を行うように構築された処理システムを、上記の処理とは別の処理を付帯的に行えるように容易に変更可能とする。
【解決手段】 実施形態の入力装置は、取得手段、第1の通知手段及び第2の通知手段を備える。取得手段は、商品の識別情報を取得する。第1の通知手段は、取得手段により取得された識別情報を、予め定められた第1の装置に通知する。第2の通知手段は、取得手段により取得された識別情報を、第1の装置とは別の予め定められた第2の装置に通知する。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の識別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された識別情報を、予め定められた第1の装置に通知する第1の通知手段と、
前記取得手段により取得された識別情報を、前記第1の装置とは別の予め定められた第2の装置に通知する第2の通知手段と、
を具備した入力装置。
【請求項2】
前記第1の通知手段は前記第1の装置を、通知された識別情報に基づいて取引の対象とする取引商品のリストを更新する取引処理を実行する取引処理装置とし、
前記第2の通知手段は前記第2の装置を、通知された識別情報に基づいて前記リストの更新とは異なる予め定められた処理を行う処理装置とする、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記第2の通知手段は前記第2の装置を、通知された識別情報で識別される商品が前記第1の装置により取引の対象とする取引商品として前記リストに含められることにより予め定められた発行条件が成立する場合に、予め定められたクーポンを発行する処理を行うクーポン発行装置とする、
請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記第2の通知手段は前記第2の装置を、前記取得手段に識別情報を取得させるための作業を行う作業者の行動を監視するための処理を行う監視装置とする、
請求項2に記載の入力装置。
【請求項5】
入力装置及び取引処理装置を含んだ取引処理システムであって、
前記入力装置は、
商品の識別情報を取得する取得手段と、
前記入力装置に備えられ、前記取得手段により取得された識別情報を前記取引処理装置に通知する第1の通知手段と、
前記取得手段により取得された識別情報を、前記取引処理装置とは別の予め定められた第2の装置に通知する第2の通知手段と、
を具備し、
前記取引処理装置は、
前記第1の通知手段により通知された識別情報に基づいて取引の対象とする取引商品のリストを更新する更新手段、
を備える、
取引処理システム。
【請求項6】
入力装置を制御するコンピュータを、
商品の識別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された識別情報を、予め定められた第1の装置に通知する第1の通知手段と、
前記取得手段により取得された識別情報を、前記第1の装置とは別の予め定められた第2の装置に通知する第2の通知手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、入力装置、取引処理システム及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
取引の対象となる商品の識別情報を取得して、当該商品の取引を処理する取引処理システムは、例えばPOS(point-of-sale)システムなどとして知られている。
また、この種の取引処理システムに関しては、例えば取引の対象とされた商品に応じたクーポンの発行なども行われている。つまり、取得した商品の識別情報に基づき、取引の処理に付帯する別の処理を実行することがある。
【0003】
しかしながら、既に存在しているシステムで、新たに付帯的な処理を追加して実行可能とするためには、システムを大幅に改修する必要があり容易ではなかった。
このような事情から、商品の識別情報を取得して、その識別情報に関する処理を行うように構築された処理システムを、上記の処理とは別の処理を付帯的に行えるように容易に変更できることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5979274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、商品の識別情報を取得して、その識別情報に関する処理を行うように構築された処理システムを、上記の処理とは別の処理を付帯的に行えるように容易に変更可能とする入力装置、取引処理システム及び情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の入力装置は、取得手段、第1の通知手段及び第2の通知手段を備える。取得手段は、商品の識別情報を取得する。第1の通知手段は、取得手段により取得された識別情報を、予め定められた第1の装置に通知する。第2の通知手段は、取得手段により取得された識別情報を、第1の装置とは別の予め定められた第2の装置に通知する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るPOS端末システムの外観を表す斜視図。
図2図1中に表される取引処理装置及びスキャナの要部回路構成を表すブロック図。
図3図1中に表されるクーポン発行装置の要部回路構成を表すブロック。
図4図1中に表される監視装置の要部回路構成を表すブロック。
図5図2に表されるスキャナに含まれるプロセッサによる情報処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。
図1は本実施形態に係るPOS端末システム100の外観を表す斜視図である。
POS端末システム100は、取引処理装置1、スキャナ2、タッチパネル3、クーポン発行装置4及び監視装置5を含む。これら取引処理装置1、スキャナ2、タッチパネル3、クーポン発行装置4及び監視装置5は、それぞれ独立した装置として構成されている。そして図1の例では、取引処理装置1の上にスキャナ2が置かれて、例えばネジ止めなどによって取引処理装置1に固定されている。またスキャナ2の上にタッチパネル3が置かれて、例えばネジ止めなどによってスキャナ2に固定されている。またクーポン発行装置4は、取引処理装置1の横に置かれて、例えばネジ止めなどによって取引処理装置1に固定されている。監視装置5は、取引処理装置1、スキャナ2、タッチパネル3及びクーポン発行装置4の上方に配置されて、例えばPOS端末システム100が設置される店舗などの天井などに取り付けられる。ただし、取引処理装置1、スキャナ2、タッチパネル3及びクーポン発行装置4の配置は任意に変更可能である。また、各装置は他の装置に固定されなくてもよい。
【0009】
取引処理装置1は、取引の対象となる商品(以下、取引商品と称する)のリストを操作者による指示に応じて作成するための登録処理、あるいはリストに含まれる取引商品の会計のための会計処理などを行って、商品の取引を処理するための情報処理を実行する情報処理装置である。
スキャナ2は、商品などに表示されたバーコードを光学的に読み取って、そのバーコードが表すデータ(以下、バーコードデータと称する)をデコードする。商品などに表示されたバーコードが表すバーコードデータは、商品を識別するための識別情報を含む。識別情報は、例えばJANコードなどのいわゆる商品コードである。つまりスキャナ2は、商品の識別情報を入力するための入力装置の一例である。
【0010】
タッチパネル3は、例えば液晶表示器などの表示デバイスと、タッチセンサなどの入力デバイスとを備える。タッチパネル3は、表示デバイスにより、操作者に対して各種の情報を報知するための任意の画面を表示する。タッチパネル3は、入力デバイスにより、操作者による各種の指示のための操作を受ける。タッチパネル3により表示する画面の少なくとも一部は、GUI(graphical user interface)画面である。
クーポン発行装置4は、クーポン券を発行する。
監視装置5は、POS端末システム100の操作に関わる操作者の行動を監視する。
【0011】
図2は取引処理装置1及びスキャナ2の要部回路構成を表すブロック図である。なお、図2に表される要素のうちで図1に表されるのと同一の要素については、同一の符号を付している。
取引処理装置1は、プロセッサ11、メイン記憶ユニット12、補助記憶ユニット13、プリンタ14、インタフェースユニット15、通信ユニット16及び伝送路17を含む。そしてプロセッサ11、メイン記憶ユニット12、補助記憶ユニット13、プリンタ14、インタフェースユニット15及び通信ユニット16は、伝送路17に接続されている。なお取引処理装置1は、これらの要素以外の要素を含む場合もある。
【0012】
プロセッサ11、メイン記憶ユニット12及び補助記憶ユニット13は、伝送路17で接続されて、取引処理装置1で実行すべき情報処理を実行するためのコンピュータを構成する。
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、メイン記憶ユニット12及び補助記憶ユニット13に記憶されたオペレーティングシステム、ファームウェア及びアプリケーションプログラムなどの各種情報処理プログラムに基づいて、取引処理装置1の各種の機能を実現するべく各部を制御するための情報処理を実行する。
【0013】
メイン記憶ユニット12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メイン記憶ユニット12は、読み出し専用のメモリ領域と書き換え可能なメモリ領域とを含む。メイン記憶ユニット12は、読み出し専用のメモリ領域では上記の情報処理プログラムの一部を記憶する。またメイン記憶ユニット12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを読み出し専用のメモリ領域又は書き換え可能なメモリ領域で記憶する場合もある。メイン記憶ユニット12は、書き換え可能なメモリ領域を、プロセッサ11によるワークエリアとして使用する。
【0014】
補助記憶ユニット13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット13としては、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)又はSSD(solid state drive)等の周知の記憶デバイスを備える。補助記憶ユニット13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ11での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶ユニット13は、アプリケーションプログラムを記憶する場合もある。補助記憶ユニット13は、本実施形態においては、取引処理プログラムPRAを記憶する。取引処理プログラムPRAは、取引を処理するための情報処理に関する処理手順を記述したアプリケーションプログラムである。
【0015】
取引処理プログラムPRAは、取引処理装置1の譲渡時には、典型的には補助記憶ユニット13に記憶されている。しかしながら、取引処理プログラムPRAは、取引処理装置1の譲渡後に、任意の作業者による操作に応じてプロセッサ11によって補助記憶ユニット13に書き込まれてもよい。ただしこの場合、譲渡される取引処理装置1の補助記憶ユニット13に、取引処理プログラムPRAとはバージョンが異なる同種のプログラムが記憶されていてもよいし、そのようなプログラムは記憶されていなくてもよい。前者の場合、後から補助記憶ユニット13に書き込まれたプログラムは、バージョンが異なる同種のプログラムの代わりに利用される。なお、取引処理プログラムPRAの譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行える。
【0016】
プリンタ14は、レシート用紙に各種の情報をプリントすることにより各種の証票を発行する。各種の証票は、商取引の内容などを表したレシートなどである。レシートプリンタにより発行される証票は、図1に表されるレシート発行口OAから取引処理装置1の外部へと排出される。
【0017】
インタフェースユニット15には、スキャナ2及びタッチパネル3が接続される。インタフェースユニット15には、クレジット決済、電子マネー決済及びバーコード決済などの種々の決済方法のうちの1つ又は複数の方法での決済処理を実行する決済端末などの他の外部機器が接続される場合もある。インタフェースユニット15は、スキャナ2及びタッチパネル3、あるいはその他の接続された外部機器とプロセッサ11との間でのデータの授受をインタフェースする。インタフェースユニット15としては、例えばUSB(universal serial bus)規格に準拠した周知のインタフェースデバイスを用いることができる。
【0018】
通信ユニット16は、通信ネットワーク200を介したデータ通信を行う。通信ネットワーク200は、一例としてLAN(local area network)である。通信ユニット16としては、通信ネットワーク200がLANであるならば、LANに適応した周知の通信デバイスを利用できる。
伝送路17は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含む。伝送路17は、接続されている各部の間で授受されるデータ及び信号を伝送する。
【0019】
スキャナ2は、プロセッサ21、メイン記憶ユニット22、補助記憶ユニット23、カメラ24、インタフェースユニット25、通信ユニット26、無線通信ユニット27及び伝送路28を含む。そしてプロセッサ21、メイン記憶ユニット22、補助記憶ユニット23、カメラ24、インタフェースユニット25、通信ユニット26及び無線通信ユニット27は、伝送路28に接続されている。なおスキャナ2は、これらの要素以外の要素を含む場合もある。
【0020】
プロセッサ21、メイン記憶ユニット22及び補助記憶ユニット23が伝送路28で接続されて、スキャナ2で実行すべき情報処理を実行するためのコンピュータを構成する。
プロセッサ21、メイン記憶ユニット22、補助記憶ユニット23、通信ユニット26及び伝送路28の機能の概略は、プロセッサ11、メイン記憶ユニット12、補助記憶ユニット13、通信ユニット16及び伝送路17と同等であるので、その説明は省略する。ただし補助記憶ユニット23は、取引処理プログラムPRAに代えて、スキャナプログラムPRBを記憶する。スキャナプログラムPRBは、スキャナ2としての機能を実現するための情報処理に関する処理手順を記述したアプリケーションプログラムである。
【0021】
また補助記憶ユニット23は、通知先データDAAを記憶する。通知先データDAAは、取引処理装置1以外に商品コードの通知先として定められた装置へと商品コードを通知するための情報を含む。例えば本実施形態では、クーポン発行装置4及び監視装置5が商品コードの通知先とされることが想定される。そしてこの場合、通知先データDAAは、通信ユニット26を用いて通信ネットワーク200を介してクーポン発行装置4と通信するために必要な例えばIP(internet protocol)アドレスなどの情報と、無線通信ユニット27を用いて監視装置5と通信するための例えばデバイスアドレスなどの情報と、を含む。
【0022】
カメラ24は、図1に表される窓WAから入射する光像を撮像する。
インタフェースユニット25は、取引処理装置1のインタフェースユニット15に接続される。インタフェースユニット25は、インタフェースユニット15とともに、プロセッサ21とプロセッサ11とのデータの授受をインタフェースする。インタフェースユニット25としては、インタフェースユニット15と同じ規格に準拠した周知のインタフェースデバイスを用いることができる。
【0023】
無線通信ユニット27は、監視装置5などの無線通信デバイスとの直接の無線データ通信を行う。無線通信ユニット27としては、例えばBluetooth(登録商標)又はWi-Fi(登録商標)などに準拠した既存の通信デバイスを用いることができる。なお、無線通信ユニット27と無線通信デバイスとの通信は、アクセスポイントなどを介して行われても構わない。
【0024】
図3はクーポン発行装置4の要部回路構成を表すブロック図である。
クーポン発行装置4は、プロセッサ41、メイン記憶ユニット42、補助記憶ユニット43、プリンタ44、通信ユニット45及び伝送路46を含む。そしてプロセッサ41、メイン記憶ユニット42、補助記憶ユニット43、プリンタ44及び通信ユニット45は、伝送路46に接続されている。なおクーポン発行装置4は、これらの要素以外の要素を含む場合もある。
【0025】
プロセッサ41、メイン記憶ユニット42及び補助記憶ユニット43が伝送路46で接続されて、クーポン発行装置4で実行すべき情報処理を実行するためのコンピュータを構成する。
プロセッサ41、メイン記憶ユニット42、補助記憶ユニット43、通信ユニット45及び伝送路46の機能の概略は、プロセッサ11、メイン記憶ユニット12、補助記憶ユニット13、通信ユニット16及び伝送路17と同等であるので、その説明は省略する。ただし補助記憶ユニット43は、取引処理プログラムPRAに代えて、クーポン発行プログラムPRCを記憶する。クーポン発行プログラムPRCは、クーポン発行装置4としての機能を実現するための情報処理に関する処理手順を記述したアプリケーションプログラムである。
【0026】
プリンタ44は、クーポン用紙に各種の情報をプリントすることにより各種のクーポンを作成する。プリンタ44により作成されたクーポンは、図1に表されるクーポン発行口OBからクーポン発行装置4の外部へと排出される。
【0027】
図4は監視装置5の要部回路構成を表すブロック図である。
監視装置5は、プロセッサ51、メイン記憶ユニット52、補助記憶ユニット53、カメラ54、無線通信ユニット55及び伝送路56を含む。そしてプロセッサ51、メイン記憶ユニット52、補助記憶ユニット53、カメラ54及び無線通信ユニット55は、伝送路56に接続されている。なお監視装置5は、これらの要素以外の要素を含む場合もある。
【0028】
プロセッサ51、メイン記憶ユニット52及び補助記憶ユニット53が伝送路56で接続されて、監視装置5で実行すべき情報処理を実行するためのコンピュータを構成する。
プロセッサ51、メイン記憶ユニット52、補助記憶ユニット53及び伝送路46の機能の概略は、プロセッサ11、メイン記憶ユニット12、補助記憶ユニット13及び伝送路17と同等であるので、その説明は省略する。ただし補助記憶ユニット53は、取引処理プログラムPRAに代えて、監視プログラムPRDを記憶する。監視プログラムPRDは、監視装置5としての機能を実現するための情報処理に関する処理手順を記述したアプリケーションプログラムである。
カメラ54は、スキャナ2の窓WAの前に商品を翳したり、タッチパネル3を操作する際の操作者の行動を撮影するべく、取引処理装置1の周辺を俯瞰撮影する。
【0029】
無線通信ユニット55は、スキャナ2の無線通信ユニット27と無線通信する。そして無線通信ユニット55は、無線通信ユニット27とともに、プロセッサ51とプロセッサ21とのデータの授受を可能とする。無線通信ユニット55としては、無線通信ユニット27と同じ規格に準拠した既存の通信デバイスを用いることができる。
【0030】
次に以上のように構成されたPOS端末システム100の動作について説明する。
スキャナ2が起動されると、プロセッサ21はスキャナプログラムPRBに基づく情報処理の実行を開始する。
図5はプロセッサ21による情報処理のフローチャートである。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、あるいは別の処理の追加などは適宜に可能である。
【0031】
ACT1としてプロセッサ21は、カメラ24を起動する。これによりカメラ24は、予め定められた時間間隔で繰り返し撮影を行い、得られた画像をメイン記憶ユニット22又は補助記憶ユニット23に保存する。なおカメラ24は、動画撮影を行うのでもよいし、静止画撮影を間欠的に繰り返し行うのでもよい。なお、プロセッサ21は、ここではカメラ24に一度だけ撮影動作を行わせるのでもよい。そしてこの場合にプロセッサ21は、ACT2以降の処理を再実行するとして後述するケースにおいては、ACT1以降を繰り返すようにする。
ACT2としてプロセッサ21は、カメラ24によりメイン記憶ユニット22又は補助記憶ユニット23に保存された最新の画像を処理対象として、バーコード抽出処理を実行する。バーコード抽出処理は、処理対象とする画像に映り込んでいるバーコードの抽出を試みる処理であり、その詳細は例えば周知の処理と同様であってよい。
【0032】
ACT3としてプロセッサ21は、バーコードの抽出に成功したか否かを確認する。ここで、直前にACT2で行ったバーコード抽出処理の処理対象としている画像にバーコードが映り込んでいなければ、当該のバーコード抽出処理によりバーコードを抽出することができない。そこでこの場合にプロセッサ21はNOと判定し、ACT2以降を上述と同様に繰り返す。つまりプロセッサ21は、バーコードを抽出できるまで、ACT2におけるバーコード抽出処理を繰り返し行う。
【0033】
操作者は、操作者の識別子としての会員コードなどを取引処理装置1に取得させるべきときには、該当の会員コードを含むバーコードデータを表したバーコードを窓WAに翳す。操作者は、取引商品として登録する商品の識別子としての商品コードを取引処理装置1に取得させるべきときには、該当の商品コードを含むバーコードデータを表したバーコードを窓WAに翳す。このように窓WAに翳されたバーコードがカメラ24により撮影された画像に映り込むと、プロセッサ21はそのバーコードをACT2でのバーコード抽出処理によって抽出できる。そしてプロセッサ21は、ACT2にてバーコードを抽出できたならばACT3にてYESと判定し、ACT4へと進む。
【0034】
ACT4としてプロセッサ21は、画像から抽出されたバーコードを解析し、当該のバーコードが表すバーコードデータを得る。ここで商品コードを含むバーコードを得た場合は、プロセッサ21は商品コードを取得したこととなる。かくしてスキャナプログラムPRBに基づく情報処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータは取得手段として機能する。
【0035】
ACT5としてプロセッサ21は、上記の解析により得たバーコードデータを、取引処理装置1に通知する。プロセッサ21は具体的には、上記の解析により得たバーコードデータを含んだ通知データを生成し、この通知データをインタフェースユニット25から取引処理装置1へと送出する。なおプロセッサ21は、バーコードデータの内容に拘わらずに、取引処理装置1へと通知する。ここで、通知データに含めるバーコードデータが商品コードを含むならば、当該商品コードが取引処理装置1へと通知されることになる。かくしてスキャナプログラムPRBに基づく情報処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータは、第1の装置としての取引処理装置1に識別情報としての商品コードを通知する第1の通知手段として機能する。
【0036】
通知データは、インタフェースユニット15により取引処理装置1に取り込まれる。そしてこれに応じてプロセッサ11は、取り込まれた通知データに含まれるバーコードデータを用いた処理を適宜に行う。例えばプロセッサ11は、バーコードデータに会員コードが含まれるならば、その会員コードに基づいて操作者を識別する。例えばプロセッサ11は、バーコードデータに商品コードが含まれるならば、その商品コードで識別される商品を取引商品として登録する。このような取引処理装置1での処理は、取引処理プログラムPRAに基づくプロセッサ11による情報処理により実現され、例えば既存の別のPOS端末で行われているのと同様な処理であってよい。
【0037】
スキャナ2にてプロセッサ21は、バーコードデータを取引処理装置1に通知し終えたならば、ACT6へと進む。
ACT6としてプロセッサ21は、ACT4で得たバーコードデータが商品コードを含むか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、商品コードを含まないことを確認したならばNOと判定し、ACT2以降の処理を繰り返す。しかしながらプロセッサ21は、商品コードを含むことを確認したならばACT6にてYESと判定し、ACT7へと進む。
つまりプロセッサ21は、商品コードを含まないバーコードデータについては、取引処理装置1にのみ通知する。ただしプロセッサ21は、ACT6を省略して、ACT4で得たバーコードデータが商品コードを含まない場合であっても、ACT7へと進むようにしてもよい。
【0038】
ACT7としてプロセッサ21は、通知先の設定が有るか否かを確認する。プロセッサ21は例えば、通知先データDAAに、通知先に関する情報が含まれるかどうかを確認し、含まれないことを確認したならばNOと判定し、ACT2以降の処理を繰り返す。しかしながらプロセッサ21は、通知先に関する情報が含むことを確認したならばACT7にてYESと判定し、ACT8へと進む。
【0039】
ACT8としてプロセッサ21は、設定されている通知先のうちの1つを選択する。
ACT9としてプロセッサ21は、上記の選択した通知先に対して、ACT4で得られたバーコードデータを通知する。プロセッサ21は例えば、該当のバーコードデータを含んだ通知データを生成し、選択した通知先に対して送信する。プロセッサ21は、例えばクーポン発行装置4を選択しているならば、通知先データDAAに含まれるIPアドレスを宛先とした通知データを、通信ユニット26から通信ネットワーク200へと送出させる。プロセッサ21は、例えば監視装置5を選択しているならば、通知先データDAAに含まれるデバイスアドレスを宛先とした通知データを、無線通信ユニット27から無線送信させる。かくしてスキャナプログラムPRBに基づく情報処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータは、第2の装置としての通知先の装置に対して識別情報としての商品コードを通知する第2の通知手段として機能する。
【0040】
ACT10としてプロセッサ21は、未選択の通知先が有るか否かを確認する。そして、通知先データDAAに複数の通知先に関する情報が含まれていて、それら複数の通知先のうちでまだACT8で選択していない通知先があるならばACT10にてYESと判定し、ACT8以降を前述と同様に繰り返す。ただしプロセッサ21は、ACT8を2回目以降に実行する場合には、それまでにACT8にて選択したのとは別の通知先を選択する。かくしてプロセッサ21は、複数の通知先が設定されているならば、それらの通知先にそれぞれバーコードデータを通知する。そしてプロセッサ21は、全ての通知先への通知を終えてACT10へと進んだならばNOと判定し、ACT2以降の処理を前述と同様に繰り返す。つまりプロセッサ21は、バーコードが窓WAに翳される毎に、そのバーコードが表すバーコードデータを取引処理装置1に通知する。またプロセッサ21は、商品のバーコードが窓WAに翳される毎に、そのバーコードがあらわすバーコードデータを取引処理装置1とは別の通知先にも通知する。
【0041】
取引処理装置1にてプロセッサ11は、一取引に関する取引商品の登録を行っている最中に、商品コードを含んだバーコードデータが複数回通知されたならば、それらバーコードデータに含まれる商品コードで識別される商品をそれぞれ取引商品としてリストに加えて行く。そしてプロセッサ11は、例えばタッチパネル3での予め定められた操作によって操作者により会計が指示されたならば、例えば周知の会計処理を行った上で、一取引の処理を終える。かくして取引処理プログラムPRAに基づく情報処理をプロセッサ11が実行することによって、プロセッサ11を中枢部分とするコンピュータは更新手段として機能する。
このように、取引処理装置1、スキャナ2及びタッチパネル3により、POS端末システム100にて取引を処理する基本的な機能が実現されるのであり、クーポン発行装置4及び監視装置5は必須ではない。
【0042】
さてクーポン発行装置4では、クーポン発行装置4のIPアドレスを宛先とする通知データが通信ネットワーク200により伝送されてくると、この通知データを通信ユニット45が取り込む。そしてこれに応じてプロセッサ41は例えば、通知データに含まれる商品コードを確認し、この通知コードで識別される商品に関して、予め定められた条件が成立するならば、その成立する条件に応じたクーポンをプリンタ44にプリントさせる。このようなバーコードデータの通知を受けたことに応じての処理は、クーポン発行プログラムPRCに基づくプロセッサ41による情報処理として実現される。クーポン発行プログラムPRCに基づくプロセッサ41による情報処理の内容は、クーポン発行プログラムPRCの作成者などによって適宜に定められてよい。かくしてクーポン発行装置4は、通知された商品コードに基づいてリストの更新とは異なる予め定められた処理としてのクーポン発行のための処理を実行する処理装置の一例である。
【0043】
監視装置5では、監視装置5のデバイスアドレスを宛先とする通知データが到来すると、この通知データを無線通信ユニット55が取り込む。そしてこれに応じてプロセッサ51は例えば、カメラ54での撮影画像に基づき、商品のバーコードを窓WAに翳した操作者がその後にとるべき行動を正しく行っているかを確認する。このようなバーコードデータの通知を受けたことに応じての処理は、監視プログラムPRDに基づくプロセッサ51による情報処理として実現される。監視プログラムPRDに基づくプロセッサ51による情報処理の内容は、監視プログラムPRDの作成者などによって適宜に定められてよい。かくして監視装置5は、通知された商品コードに基づいてリストの更新とは異なる予め定められた処理としての監視のための処理を実行する処理装置の一例である。
【0044】
このようにクーポン発行装置4及び監視装置5では、取引処理装置1での取引処理とは無関係に実行する情報処理により、当該取引処理に関連したクーポン発行及び監視を行うことができる。つまり、取引処理装置1、スキャナ2及びタッチパネル3からなる基本構成に、クーポン発行装置4を追加し、当該クーポン発行装置4を通知先としてスキャナ2に設定することによって、クーポンの発行機能を容易に追加することができる。また、取引処理装置1、スキャナ2及びタッチパネル3からなる基本構成に、監視装置5を追加し、当該監視装置5を通知先としてスキャナ2に設定することによって、操作者の行動の監視機能を容易に追加することができる。
【0045】
かくして本実施形態によれば、商品の商品コードを取得して、その商品コードに関する処理を行うように構築されたPOS端末システム100を、上記の処理とは別の処理を付帯的に行えるように容易に変更可能とすることができる。
【0046】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
第2の装置としては、クーポン発行装置4及び監視装置5のいずれか一方のみが用いられてもよい。また第2の装置としては、クーポン発行装置4及び監視装置5に代えて、又は加えて、別の任意の装置が用いられてもよい。
【0047】
第2の装置として用いられる装置は、インタフェースユニット25に接続されてもよい。
【0048】
スキャナ2は、カメラ24を用いるのに代えて、あるいは加えて、レーザ光の反射を利用してバーコードを読み取るような他のタイプの周知のデバイスを利用することもできる。
【0049】
例えば、商品コードが関連づけられたボタンへの押下、あるいは商品コードに相当する文字列の入力などのような操作を受けるなど、スキャン動作を伴わずに商品コードを入力する入力装置においても、ACT5以降の処理について上記実施形態と同様に実施することができる。
【0050】
情報処理によりプロセッサ11,21、41,51が実現する各機能は、その一部又は全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
1…取引処理装置、2…スキャナ、3…タッチパネル、4…クーポン発行装置、5…監視装置、11,21,31,41…プロセッサ、12,22,32,42…メイン記憶ユニット、13,23,33,43…補助記憶ユニット、14,44…プリンタ、15,25…インタフェースユニット、16,26,45…通信ユニット、17,28,46,56…伝送路、24,54…カメラ、27,55…無線通信ユニット、100…POS端末システム、200…通信ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5