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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144710
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/20 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
B65D25/20 P
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024128782
(22)【出願日】2024-08-05
(62)【分割の表示】P 2020203260の分割
【原出願日】2020-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】大鷲 高司
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 香奈
(57)【要約】
【課題】側面に取付けられる無線タグの読取り易さの向上を図ることのできる容器を提供する。
【解決手段】容器1は、底壁構成部2と、底壁構成部2の外周縁から上方に延出する側壁部3、4と、底壁構成部2の外周部から外方側に延出する下フランジ部8とを備える。長辺側側壁部3の外面側に設けられ、無線タグ21を取付可能な取付部22は、無線タグ21の下部の容器1の内方側への変位を規制する内下規制部36と、無線タグ21の上部の容器1の内方側への変位を規制する内上規制部33と、無線タグ21の下部の容器1の外方側への変位を規制する外下規制部34と、無線タグ21の上部の容器1の外方側への変位を規制する外上規制部35とを備える。内下規制部36は、側壁部3(内板部28)から容器1の外方側に突出して設けられる上、内上規制部33よりも内板部28から容器1の外方側に離間した位置で無線タグ21の容器1の内方側への変位を規制する。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁構成部と、前記底壁構成部の外周縁から上方に延出する側壁部とを備える合成樹脂製の容器において、
前記側壁部の外面側には、無線タグを取付可能な取付部が設けられ、
前記無線タグが取付けられる前記側壁部の横幅方向において、前記取付部の形成範囲を含む範囲に手掛け部が設けられていることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記無線タグが取付けられる前記側壁部は、当該側壁部の一部を前記容器の内方側に窪ませるようにして設けられ、前記無線タグの少なくとも一部を収容可能な窪み部を備えることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記窪み部は、前記側壁部の略平板状の一般部から前記容器の内方側に延出する上板部と、下板部と、側板部と、前記上板部、前記下板部、及び、前記側板部の内側縁部間を連結する内板部とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記側壁部の外面、又は、前記底壁構成部の外周部から外方側に延出する受壁部を備え、
前記下板部により、前記受壁部が構成されるとともに、前記無線タグの下部が支持され、
前記手掛け部は、前記受壁部よりも上方において前記側壁部から前記容器の外方側に延びる上壁部と、前記上壁部の外側縁部から下方に延びる折返し壁部とを備えることを特徴とする請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記手掛け部は、前記取付部よりも前記容器の外方側の部位に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の容器。
【請求項6】
前記手掛け部は、前記取付部に取付けられた前記無線タグよりも前記容器の外方側の部位に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タグが取付けられる容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、容器等に対して無線タグを取付け、物流管理等を効率的に行うことが知られている(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-366915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、無線タグが容器の側面に取付けられる構成において、容器の利便性の向上等を図ることのできる容器を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0006】
手段1.底壁構成部と、前記底壁構成部の外周縁から上方に延出する側壁部とを備える合成樹脂製の容器において、
前記側壁部の外面側には、無線タグを取付可能な取付部が設けられ、
前記無線タグが取付けられる前記側壁部の横幅方向において、前記取付部の形成範囲を含む範囲に手掛け部が設けられていることを特徴とする容器。
【0007】
手段1によれば、側壁部の横幅方向において互いの形成範囲が重複する構成において、無線タグを容器に取付けた状態としても、手掛け部に手を掛けて容器を持ち上げたり、引っ張ったりすることが可能となる。従って、無線タグが取付けられる容器の利便性の向上等を図ることができる。
【0008】
手段2.前記無線タグが取付けられる前記側壁部は、当該側壁部の一部を前記容器の内方側に窪ませるようにして設けられ、前記無線タグの少なくとも一部を収容可能な窪み部を備えることを特徴とする手段1に記載の容器。
【0009】
手段2によれば、取付部に取付けられた無線タグを、極力、容器の内方側に位置させることができ、取付部(窪み部)のスペース、及び、手掛け部のスペースをより好適に確保することができる。
【0010】
手段3.前記窪み部は、前記側壁部の略平板状の一般部から前記容器の内方側に延出する上板部と、下板部と、側板部と、前記上板部、前記下板部、及び、前記側板部の内側縁部間を連結する内板部とを備えていることを特徴とする手段2に記載の容器。
【0011】
手段4.前記側壁部の外面、又は、前記底壁構成部の外周部から外方側に延出する受壁部を備え、
前記下板部により、前記受壁部が構成されるとともに、前記無線タグの下部が支持され、
前記手掛け部は、前記受壁部よりも上方において前記側壁部から前記容器の外方側に延びる上壁部と、前記上壁部の外側縁部から下方に延びる折返し壁部とを備えることを特徴とする手段3に記載の容器。
【0012】
手段5.前記手掛け部は、前記取付部よりも前記容器の外方側の部位に設けられていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の容器。
【0013】
手段6.前記手掛け部は、前記取付部に取付けられた前記無線タグよりも前記容器の外方側の部位に設けられていることを特徴とする手段5に記載の容器。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】容器の上面側を示す斜視図である。
図2】容器の下面側を示す斜視図である。
図3】無線タグを示す斜視図である。
図4】無線タグを示す斜視図である。
図5】取付部の周辺部を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図6】取付部の周辺部を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図7】取付部の周辺部を示す部分拡大断面図である。
図8】取付部の周辺部を示す部分拡大断面図である。
図9】容器を段積みした状態を示す斜視図である。
図10】容器を段積みした状態を示す部分拡大断面図である。
図11】別の実施形態における容器の上面側を示す斜視図である。
図12】別の実施形態における容器の下面側を示す斜視図である。
図13】別の実施形態における容器の取付部の周辺部を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図14】別の実施形態における容器の取付部の周辺部を示す部分拡断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、容器1は、平面視略矩形状の底壁構成部2と、底壁構成部2の各長側辺部から上方に延出する長辺側側壁部3と、底壁構成部2の各短側辺部から上方に延出する短辺側側壁部4とを備えている。長辺側側壁部3、及び、短辺側側壁部4は、上方に向けて容器1の外方側に若干傾斜している(図7等参照)。本実施形態の容器1は、射出成型でポリプロピレンにより一体的に形成されている。
【0016】
図2図8等に示すように、底壁構成部2は、略矩形板状の底壁部5と、底壁部5の下面から下方に突出し、格子状に延在する支持リブ6とを備えている。底壁部5の上面により、容器1に収容された物品が支持され、支持リブ6の下縁部において、容器1が床面等の設置面と接地するようになっている。
【0017】
また、図1図2等に示すように、容器1は、長辺側側壁部3、及び、短辺側側壁部4の上縁部から外方に延出する上フランジ部7と、底壁構成部2(本実施形態では、底壁部5)の外周縁から外方に延出する下フランジ部8と、上下方向に延在し、上フランジ部7と、下フランジ部8との間を連結する複数の縦リブ9とを備えている。さらに、容器1は、上フランジ部11から下方に所定距離離間した位置において、上フランジ部11と平行して延びる補助フランジ部10と、上フランジ部7の下面と、補助フランジ部10の上面との間を連結するフランジ補強リブ11とを備えている。補助フランジ部10は、縦リブ9と交差(略直交)して連結されている。加えて、上フランジ部7、下フランジ部8、縦リブ9、補助フランジ部10、及び、フランジ補強リブ11の外側縁部は、略鉛直方向に延在する同一の仮想平面上に位置するように構成されている。また、上フランジ部7、下フランジ部8、及び、補助フランジ部10は、略水平方向に延びている。
【0018】
さて、本実施形態の各長辺側側壁部3の外面側には、図3図4に示すような所定の厚みを有し、かつ、変形不可能な略カード型(正面視略矩形状)の無線タグ21(RFIDタグ、RFタグ、IDタグ、ICタグ、電子タグ、非接触タグ、スマートカード等と呼ばれる場合もある)を取付可能な取付部22が設けられている。また、図1図5図6図8等に示すように、本実施形態の長辺側側壁部3は、当該長辺側側壁部3の横幅方向中央部を含む範囲を容器1の内方側に窪ませるようにして設けられた正面視略矩形状の窪み部23を備えている。より具体的には、長辺側側壁部3には、当該長辺側側壁部3の略平板状の一般部を切欠くようにして設けられた正面視略矩形状の矩形切欠き部24が設けられている。矩形切欠き部24は、上下方向において、補助フランジ部10から下フランジ部8にかけて形成され、長辺側側壁部3の横幅方向において、長辺側側壁部3に対応して設けられた互いに対向する一対の縦リブ9の間であって、各縦リブ9から所定距離離間した位置に形成されている。
【0019】
窪み部23は、矩形切欠き部24の上縁部から容器1の内方側に延出する上板部25と、矩形切欠き部24の下縁部から容器1の内方側に延出する下板部26(本実施形態では、底壁部5の一部を兼用している)と、矩形切欠き部24の各側縁部から容器1の内方側に延出する側板部27と、上板部25、下板部26、及び、側板部27の内側縁部間を連結する内板部28とを備えている。本実施形態では、容器1の内外方向において、補助フランジ部10と上板部25とが連続して延在し、下フランジ部8と下板部26とが連続して延在するようになっている。加えて、窪み部23の内板部28は、長辺側側壁部3の一般部と平行して延在している。尚、下板部26は、底壁構成部2に相当する部位に設けられているが、便宜上、窪み部23は、長辺側側壁部3の形状変化部であることとする。
【0020】
図5図6図8等に示すように、取付部22は、下フランジ部8(特に、上面)、及び、下板部26(正確には、矩形切欠き部24の下縁部を含む)により構成され、無線タグ21の下方への変位を規制する下方規制部31と、窪み部23の上板部25(特に、下面)により構成され、無線タグ21の上方への変位を規制する上方規制部32と、窪み部23の内板部28(特に、容器1の外方側の面の上部)により構成され、無線タグ21の上部の容器1の内方側への変位を規制する内上規制部33と、下フランジ部8から上方に突出し、無線タグ21の下部の容器1の外方側への変位を規制する外下規制部34と、補助フランジ部10(長辺側側壁部3の矩形切欠き部24との境界部位)から下方に突出し、無線タグ21の上部の容器1の外方側への変位を規制する外上規制部35とを備えている。本実施形態では、無線タグ21の大部分が、窪み部23の内側(矩形切欠き部24の内周部分を含む)に収容されるように構成されており、窪み部23の側板部27によって、長辺側側壁部3の横幅方向における無線タグ21の変位が規制されるようになっている。尚、本実施形態では、下フランジ部8、及び、下板部26(矩形切欠き部24の下縁部を含む)により、受壁部(長辺側側壁部3の形状変化部である窪み部23の内板部28から容器1の外方側に延出している、或いは、底壁部5のうち内板部28と連結されている部位から容器1の外方側に延出している)が構成される。
【0021】
図5図8等に示すように、取付部22は、窪み部23の内板部28のうち下板部26との連接部位から容器1の外方側に突出する内下規制部36を備えている。本実施形態の内下規制部36は、長辺側側壁部3の横幅方向において互いに離間して一対で設けられ(図1等参照)、外下規制部34、及び、外上規制部35よりも容器1の内方側に位置している。内下規制部36により、無線タグ21の下部の容器1の内方側への変位が規制される。また、内上規制部33(内板部28の外面上部)と比較すると、内下規制部36は、内上規制部33よりも内板部28から容器1の外方側に離間した位置で無線タグ21の容器1の内方側への変位を規制することとなる。尚、本実施形態では、内板部28、及び、内下規制部36により内方規制部が構成される。
【0022】
さらに、容器1の内外方向において、内下規制部36と、外下規制部34とが所定距離を隔てて設けられており、本実施形態では、図8に示すように、無線タグ21の下部の厚みは、外下規制部34と、内下規制部36との間の距離とほぼ同じとされている。これにより、外下規制部34と、内下規制部36との間に無線タグ21の下部が挿入されることで、無線タグ21の下部の容器1の内外方向における位置決めがなされるようになっている。加えて、無線タグ21の上部の厚みは、外上規制部35と、内板部28との間の距離とほぼ同じであり、外上規制部35と、内板部28との間に無線タグ21の上部が挿入されることで、無線タグ21の上部の容器1の内外方向における位置決めがなされるようになっている。
【0023】
また、図5等に示すように、本実施形態では、容器1の内外方向において、外下規制部34と、内下規制部36とが互いに対向配置されている。長辺側側壁部3の横幅方向において、内下規制部36の幅は、外下規制部34の幅よりも広く構成されている。さらに、下フランジ部8、及び、下板部26(矩形切欠き部24の下縁部を含む)のうち、容器1の内外方向において、外下規制部34と、内下規制部36との間の位置には、上下に貫通する貫通孔38が設けられている。長辺側側壁部3の横幅方向における貫通孔38の幅は、外下規制部34の幅と同じであり、容器1の内外方向における貫通孔38の幅は、外下規制部34と内下規制部36との間の距離、ひいては、無線タグ21の下部の厚みとほぼ同じとなっている。
【0024】
図5等に示すように、内下規制部36は、下板部26(下フランジ部8)よりも上方位置において内板部28から容器1の外方側に突出する天壁部39と、天壁部39から下方に延びて下フランジ部8と連結される縦壁部40と、天壁部39、縦壁部40、下板部26、及び、内板部28の間を連結する連結壁部41とを備えるとともに、下方に開口されている。さらに、図5図7等に示すように、下板部26のうち、縦板部40に連結される部位であって、貫通孔38を画定する部位(以下、「延長壁部42」と称する)については、縦壁部40を下方に延長させるような形状で残存している。つまり、内下規制部36のうち容器1の外方側に位置し、無線タグ21の容器1の内方側への変位を規制する面(以下、規制面36aと称する)は、下板部26の貫通孔38の周縁部に連結され、当該規制面36aを下板部26の上面よりも下方に延長させるような恰好で延長壁部42が設けられている。尚、本実施形態では、延長壁部42の下縁部が下フランジ部8の下面とほぼ同じ高さとされているが、延長壁部42を下フランジ部8の下面よりも下方にまで延長させることも可能である。
【0025】
図5図7等に示すように、外下規制部34は、突状に構成されるとともに、容器1の外方側の部位において、突出方向先端部側(上方)に向けて容器1の内方側に傾斜する面取部43を備えている。これに対し、外下規制部34のうち容器1の内方側の面(無線タグ21と当接する規制面)は、略鉛直方向(若干、上方に向けて容器1の外方側に傾斜して)に延びている。さらに、外下規制部34の上端部は、内下規制部36の上面よりも下方に位置している。加えて、図5に示すように、外下規制部34は、長辺側側壁部3の横幅方向において、上方に向けて次第に幅が狭くなるように構成されている。
【0026】
図6図8に示すように、本実施形態の外上規制部35は、容器1の外方側の面、及び、内方側の面のどちらも略鉛直方向に延在し、長辺側側壁部3の横幅方向において、下方に向けて次第に横幅が狭くなるように構成されている。また、本実施形態では、上壁部としての補助フランジ部10の外側縁部のうち、長辺側側壁部3の横幅方向において取付部22の形成範囲を含む範囲から下方に延びる折返し壁部44が設けられている。折返し壁部44から外上規制部35までの間の部位により、作業者が手を掛けることを可能とする手掛け部45が構成されている。
【0027】
さらに、図1等に示すように、下フランジ部8には、当該下フランジ部8の外側縁部のうち、取付部22に対応する範囲を含む部位を、その他の部位よりも容器1の内方側に位置させる切欠き部46が設けられている。但し、外下規制部34の容器1の外方側には、下フランジ部8が残存する(外下規制部34と、切欠き部46とが離間する)ようになっている。
【0028】
加えて、図9図10に示すように、本実施形態では、容器1同士を積み重ねる(段積みする)ことが可能に構成されている。すなわち、容器1の段積み状態では、上側の容器1の支持リブ6が、下側の容器1の内側(側壁部3、4の内周側)に挿入され、上側の容器1の下フランジ部8の下面が、下側の容器1の上フランジ部7の上面に当接して支持される。さらに、上側の容器1の支持リブ6の外周面が、下側の容器1の側壁部3、4の内面に当接、又は、近接するようになっている。また、容器1の段積み状態では、上側の容器1の支持リブ6の下端部が、下側の容器1の上板部25から上方に離間しており、上側の容器1の支持リブ6が、下側の容器1の上板部25(窪み部23)に接触しないように構成されている。
【0029】
無線タグ21を容器1の取付部22に取付ける場合には、先ず、図7の2点鎖線で示すように、外上規制部35と、内上規制部32(内板部28)との間に、無線タグ21の上部を斜めに挿入する。続いて、無線タグ21の下部を容器1の内方側に押し込むようにして、下フランジ部8や外下規制部34を弾性変形させつつ、無線タグ21を回動させ、当該無線タグ21の下部を外下規制部34と、内下規制部36との間に挿入する。以上により、無線タグ21が容器1に取付けられる。また、容器1の取付部22に取付けられた無線タグ21は、長辺側側壁部3の横幅方向に沿って、略鉛直方向に延在している(長辺側側壁部3に対しては、下側になる程、内板部28から距離が離れるようにして傾斜している)。
【0030】
以上詳述したように、本実施形態によれば、長辺側側壁部3が上方に向けて容器1の外方側に傾斜していても、内下規制部36が設けられていることにより、無線タグ21の下部を、容器1の外方側に位置させて、無線タグ21を略鉛直方向に延在させた姿勢とすることができる。従って、無線タグ21の記憶情報、或いは、無線タグ21の表面の表示情報を容器1の側方から読取る際に、無線タグ21に対するリーダライタの角度や位置、或いは、作業者の視点の位置等を合わせ易くすることができる。結果として、容器1の長辺側側壁部3の外面側に取付けられる無線タグ21の読取り易さの向上を図ることができる。
【0031】
さらに、外下規制部34には、面取部43が設けられている。このため、無線タグ21を容器1の取付部22に取付ける際に、無線タグ21の下部が外下規制部34を相対的に乗り越え易くなり、無線タグ21の取付作業性の向上等を図ることができる。
【0032】
また、下フランジ部8、及び、下板部26(矩形切欠き部24の下縁部を含む)のうち外下規制部34と、内下規制部36との間において、貫通孔38が設けられている。このため、マイナスドライバー等の工具により、下フランジ部8の下面側から、貫通孔38を介して、無線タグ21の下部への接触を図ることができ、無線タグ21を容器1の外方側に相対変位させて取外す際の作業性の向上等を図ることができる。さらに、内下規制部36の規制面36a(縦壁部40)と連続して下方に延びる延長壁部42が設けられることにより、工具を貫通孔38に挿通する際に、延長壁部42が工具の先端部のガイドとなり、工具の先端部を比較的スムースに無線タグ21の下端部と、内下規制部36との間に位置させる(滑り込ませる)ことができる。従って、無線タグ21の取外し作業性の向上等を図ることができる。
【0033】
また、貫通孔38が、外下規制部34と、内下規制部36とで挟まれることにより、貫通孔38の周辺部の補強を図ることができ、工具により貫通孔38を介して無線タグ21に接触が図られる場合においても、貫通孔38の周辺部の損傷等を極力抑制することができる。さらに、無線タグ21の下部のうち外下規制部34によって容器1の外方側への変位が規制されている部位の直近で、工具を使用して無線タグ21を取外す作業を行うことができ(下フランジ部8の下方から見ても貫通孔38が外下規制部34の位置の目印となる)、無線タグ21の取外し作業を効率的に行うことができる(貫通孔38の開口縁が工具の横滑り防止にもなる)。
【0034】
加えて、貫通孔38は、容器1の内外方向において、外下規制部34と、内下規制部36との間の位置に設けられており、無線タグ21の下部の厚みが、容器1の内外方向における外下規制部34と、内下規制部36との間の距離とほぼ同じであるため、無線タグ21を容器1に取付けることで、貫通孔38(の大部分)を無線タグ21で塞ぐことができる。従って、貫通孔38を介して取付部22側に埃等が進入してしまうといった事態を抑制することができる。
【0035】
また、内下規制部36は、下方に開口する略箱状とされ、下端部が下フランジ部8と連結されている。このため、容器1の軽量化等を図りつつ、内下規制部36、及び、その周辺部の強度の向上等を図ることができる。
【0036】
さらに、無線タグ21の取付部22、及び、手掛け部45をそれぞれの好適な位置に設けることにより、長辺側側壁部3の横幅方向において互いの形成範囲が重複する構成において、無線タグ21を容器1に取付けた状態としても、手掛け部45に手を掛けて容器1を持ち上げたり、引っ張ったりすることが可能となる。従って、無線タグ21が取付けられる容器1の利便性の向上等を図ることができる。特に、取付部22が窪み部23を備えることにより、取付部22に取付けられた無線タグ21を、極力、容器1の内方側に位置させることができ、取付部22(窪み部23)のスペース、及び、手掛け部45のスペースをより好適に確保することができる。
【0037】
また、容器1の段積み状態において、上側の容器1の支持リブ6の下端部が、下側の容器1の上板部25から上方に離間するように構成されている。このため、容器1の段積み状態において、上側の容器1から、下側の容器1の上板部25、ひいては、取付部22に取付けられた無線タグ21に対して負荷が掛けられてしまうことを回避することができる。従って、容器1を段積み状態として使用する場合においても、無線タグ21の故障や破損等を防止することができる。さらに、上板部25によって窪み部23の上方が閉塞されることにより、容器1の開口部を介して埃等が取付部22に進入することを防止することができる。従って、取付部22への埃等の堆積汚れ等により無線タグ21の着脱の機会が増えること、或いは、無線タグ21を取外すことなく、工具等で無理やりに埃等の掃除を行うこと等に起因して、無線タグ21の損傷リスクが高められてしまうといった事態を抑止することができる。
【0038】
加えて、下フランジ部8には、当該下フランジ部8の外側縁部のうち、取付部22に対応する範囲を含む部位を、その他の部位よりも容器1の内方側に位置させる切欠き部46が設けられている。このため、下フランジ部8の外側縁部に対して別体が衝突し、外下規制部34に対する無線タグ21の係止状態が外れてしまうといった事態を抑制することができる。また、外下規制部34よりも容器1の外方側にも下フランジ部8が残存することにより、無線タグ21を取付部22に取付ける作業において、無線タグ21の上部を外上規制部35と内上規制部33(内板部28)との間に挿入した後、無線タグ21の下部を容器1の内方側(外下規制部34側)に向けて変位させる際に、下フランジ部8によって無線タグ21の下部を案内することができ、取付作業性の向上を図ることができる。
【0039】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。また、図11図14では、上記実施形態の容器1の変形例を示しているが、上記実施形態の容器1の各構成と同様の機能を具備する構成については、便宜上、上記実施形態と同じ符号を付して説明する。
【0040】
(a)上記実施形態では、内下規制部36と、外下規制部34とが互いに対向配置されているが、図11図13に示すように、無線タグ21が取付けられる(取付部22が設けられる)壁部3の横幅方向において異なる位置に設けられていることとしてもよい。また、貫通孔38は、当該貫通孔38を介して、下フランジ部8の下面側から、工具の先端部を無線タグ21の下端部に接触させることが可能となるように設けられていればよく、例えば、図11図13図14に示すように、容器1の内外方向において、外下規制部34と、内板部28との間の範囲を貫通孔38としてもよい。さらに、図11図14に示すように、無線タグ21が取付けられる壁部3の横幅方向において、一対の内下規制部36の間の範囲を貫通孔38としてもよい。このような構成を採用する場合、作業者が指先等を下フランジ部8の下面側から貫通孔38に挿入して無線タグ21の下端部への接触を図ることができる。
【0041】
上記実施形態では、内下規制部36の規制面36aは下フランジ部8と連結され、かつ、貫通孔38と隣接している上、当該規制面36aを下フランジ部8よりも下方に延長させるようにして延長壁部42が設けられているが、延長壁部42を省略してもよいし、規制面36aが貫通孔38から離間していてもよい。加えて、図13に示すように、内下規制部36を箱状ではなく、リブ状に構成してもよい。尚、内下規制部36を中実状の突部として構成することも可能である。また、貫通孔38に関しては、容器1の内外方向において、外下規制部34と、内下規制部36との間であって、当該貫通孔38の幅を、無線タグ21の下部の厚み以下とすることで、容器1に取付けられた無線タグ21により貫通孔38のほぼ全体を閉塞可能とすることができる。かかる構成を作用する場合には、無線タグ21の下部の位置ずれが防止されるように、外下規制部34と、内下規制部36との間の距離が、無線タグ21の厚みとほぼ同じとされることが望ましい。尚、貫通孔38を省略することも可能である。
【0042】
(b)図13図14等に示すように、補助フランジ部10よりも窪み部23の上板部25を上方に位置させることで、上板部25と、補助フランジ部10との間に形成される段差により、外上規制部35を構成することとしてもよい。この場合、無線タグ21の横幅方向のより広い範囲で(全体で)無線タグ21の上部の容器1の外方側への変位をより安定して規制することができる。これに対し、上記実施形態のように、補助フランジ部10と、上板部25とを連続させた(面一とした)場合、取付部22に取付けられた無線タグ21の表面の上端部までを極力視認させることが可能となる上、無線タグ21を取付けていない状態において、上板部25までを(指先に負担なく)手掛け部45として使用することができ、持ち運び易さの向上等を図ることができる。
【0043】
また、上記実施形態では、窪み部23の上板部25により、容器1(取付部22)に取付けられた無線タグ21の上方への変位を規制する上方規制部32が構成されるようになっているが、例えば、内板部28や側板部27から窪み部23の内方側に突出する突部等によって上方規制部を構成することも可能である。
【0044】
さらに、上記実施形態では、無線タグ21の上部は、窪み部23の内板部28の上部により、容器1の内方側への変位が規制される(内上規制部33が構成される)ようになっているが、例えば、内板部28から容器1の外方側に突出するリブや突部等が設けられ、当該リブや突部により内上規制部33が構成されることとしてもよい。当該構成を採用する場合において、取付部22に取付けられた無線タグ21が略鉛直方向に延在するように構成するべく、当該リブや突部(内上規制部33)よりも、内下規制部36の方が、内板部28から容器1の外方側に大きく突出している(水平方向において、内下規制部36の規制面36aと内板部28との間の距離が、内上規制部33の規制面と内板部28との間の距離よりも長く、内下規制部36は内上規制部33よりも内板部28から容器1の外方側に大きく離間した位置で無線タグ21の容器1の内方側への変位を規制する)こととする。また、例えば、下方規制部31(下フランジ部8)から上方規制部32(上板部25)にまで延在するリブ状、或いは、水平断面略コ字状等の上下延在突部を設け、当該上下延在突部の下部により内下規制部36を構成し、上下延在突部の上部により内上規制部33を構成することとしてもよい。当該構成を採用する場合においても、上下延在突部のうち内下規制部33を構成する下部は、内上規制部36を構成する上部よりも、内板部28から容器1の外方側に大きく突出していることとする。
【0045】
加えて、窪み部23を省略する(例えば、長辺側側壁部3を略面一とする)こととしてもよい。当該構成を採用する場合には、長辺側側壁部3から容器1の外方側に突出するリブや突部により、長辺側側壁部3の横幅方向における無線タグ21の変位を規制するように構成してもよい。
【0046】
(c)上記実施形態では、外下規制部34の外面が傾斜面(面取部43)とされているが、かかる構成に代えて、又は、加えて、外上規制部35の容器1の外方側の面を下方に向けて容器1の内方側に傾斜する傾斜面(面取部)とし(さらに、折返し壁部44の下方への延出長を短くして)、無線タグ21を容器1に取付ける際に、無線タグ21の下部を外下規制部34と内下規制部36との間に挿入してから、無線タグ21の上部を外上規制部35と内上規制部32との間に挿入することとしてもよい。また、外下規制部34の面取り部43は、平面状(C面取り形状)ではなく、湾曲状(R面取り形状)としてもよい。
【0047】
加えて、上記実施形態では、外上規制部35が補助フランジ部10から下方に突出して設けられているが、窪み部23の側板部27から窪み部23の内方側に突出して設けられることとしてもよい。また、上記実施形態では、外下規制部34が下フランジ部8から上方に突出して設けられているが、窪み部23の側板部27から窪み部23の内方側に突出して設けられることとしてもよい。さらに、外上規制部35と外下規制部34との両方が窪み部23の側板部27から窪み部23の内方側に突出して設けられる場合には、窪み部23の一側部側(一対の側壁部27のうち一方)に設けられた内上規制部33、及び、内下規制部36と、外上規制部35、及び、外下規制部34との間に、無線タグ21の一側部側を挿入してから、無線タグ21の他側部側を容器1の内方側に押し込むようにして(窪み部23の他側部側に設けられた外下規制部34、及び、外上規制部35を弾性変形させつつ、無線タグ21を回動させて)、当該無線タグ21の他側部側の下部を内下規制部36と、外下規制部34との間に挿入し、当該無線タグ21の他側部側の上部を内上規制部33と、外上規制部35との間に挿入することで、無線タグ21を容器1に取付けることができる。
【0048】
尚、外下規制部34、及び、外上規制部35は、無線タグ21の大きさ(厚み)や形状、窪み部23の奥行幅等に応じて、設置位置等を適宜変更可能である。さらに、上記実施形態では、下方規制部31が下フランジ部8、及び、下板部26(矩形切欠き部24の下縁部を含む)により構成されているが、無線タグ21の大きさ(厚み、上下幅)、窪み部23の奥行幅等に応じて、下フランジ部8のみで構成されてもよいし、下板部26のみで構成されてもよい。
【0049】
(d)上記実施形態では、長辺側側壁部3に無線タグ21が取付けられる(取付部22が設けられている)が、かかる構成に代えて、又は、加えて、短辺側側壁部4に無線タグ21の取付部が設けられることとしてもよい。さらに、上記実施形態では、長辺側側壁部3の横幅方向中央部を含む範囲において、補助フランジ部10から下フランジ部8にかけて取付部22が設けられているが、例えば、容器1と比較して無線タグ21が小さい場合等において、長辺側側壁部3の上下方向のほぼ中央の位置から容器1の外方側に延出し、略水平方向に延在するフランジ部(受壁部)により、無線タグ21の下部が支持される(下方規制部31が構成される)ように構成してもよい。尚、折返し壁部44(手掛け部45)を省略することも可能である。
【0050】
(e)上記実施形態では、容器1がポリプロピレンにより構成されているが、特に当該構成に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。さらに、上記実施形態では、段積み可能な容器1に具体化されているが、段積みすることのできない容器に適用してもよい。また、上記実施形態の容器1は、底壁構成部2が平面視略矩形状をなしているが、平面視形状が四角形以外の略多角形状、略円形状をなしていることとしてもよい。加えて、上記実施形態では特に言及していないが、無線タグ21は、表示内容を電気的に書換え可能な表示部を備えていることとしてもよい。また、無線タグ21の形状についても特に限定されるものではなく、例えば、厚みにほぼ変化のない板状をなしていてもよいし、外周部に凹凸が形成されていない形状としてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…容器、2…底壁構成部、3…長辺側側壁部、4…短辺側側壁部、5…底壁部、6…支持リブ、7…上フランジ部、8…下フランジ部、10…補助フランジ部、21…無線タグ、22…取付部、23…窪み部、25…上板部、26…下板部、28…内板部、31…下方規制部、32…上方規制部、33…内上規制部、34…外下規制部、35…外上規制部、36…内下規制部、36a…規制面、38…貫通孔、39…天壁部、40…縦壁部、41…連結壁部、42…延長壁部、43…面取り部、44…折返し壁部、45…手掛け部、46…切欠き部。
図1
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