(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024144715
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 21/08 20060101AFI20241003BHJP
F25D 21/06 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F25D21/08 A
F25D21/06 D
F25D21/06 K
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024128978
(22)【出願日】2024-08-05
(62)【分割の表示】P 2021023036の分割
【原出願日】2021-02-17
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100151378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮村 憲浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157484
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 智之
(72)【発明者】
【氏名】堀尾 好正
(72)【発明者】
【氏名】堀井 克則
(57)【要約】
【課題】本開示は、冷蔵庫の廃熱を除霜に利用する際には、年間を通して外気温が異なっても除霜に必要な加熱熱量を維持することができる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】本開示における冷蔵庫は、圧縮機の廃熱を除霜に利用する冷蔵庫であって、蒸発器と、蒸発器を加温して除霜するための加熱手段と、外気温に応じて加熱手段による加温量を制御する加熱制御手段を備えることによって、外気温に応じて加熱手段による加温量を制御することができ、冷媒の凝縮潜熱の熱量変化分を補い、外気温度の変化や蒸発器の着霜状態に関わらず除霜時間の短縮と省エネルギー化を図れるものである。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機の廃熱を除霜に利用する冷蔵庫であって、
蒸発器と、
前記蒸発器を加温して除霜するための加熱手段と、
外気温に応じて前記加熱手段による加温量を制御する加熱制御手段を備えることを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
加熱手段は、
冷媒の凝縮潜熱を利用して蒸発器を直接加温する蒸発器加温パイプと、
前記蒸発器を間接的に加温する除霜ヒータからなり、
除霜時に、前記蒸発器を前記蒸発器加温パイプで加温した後に、前記除霜ヒータで加温するようにした請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
扉を有する冷蔵室及び/または冷凍室を備え、
前記扉の開閉回数又は開閉時間に応じて、前記除霜ヒータによる加温量を変えるようにした請求項2に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、除霜を行う冷蔵庫を開示する。この冷蔵庫は、圧縮機の吐出口と、蒸発器に配設される除霜パイプとを接続する経路を設け、冷媒の流路切り替えバルブによって圧縮機から吐出される高温高圧の冷媒を除霜パイプに供給し、冷媒の状態変化によって発生する熱量で除霜を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、冷媒の凝縮潜熱の熱量変化分を補い、外気温度の変化や蒸発器の着霜状態に関わらず除霜時間の短縮と省エネルギー化を図ることが可能な冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における冷蔵庫は、圧縮機の廃熱を除霜に利用する冷蔵庫であって、蒸発器と、蒸発器を加温して除霜するための加熱手段と、外気温に応じて加熱手段による加温量を制御する加熱制御手段を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示における冷蔵庫は、廃熱を除霜に利用する際に、除霜時の必要加熱量に対し外気温に応じて加熱手段による加温量を制御することで、冷媒の凝縮潜熱の熱量変化分を補い、外気温度の変化や蒸発器の着霜状態に関わらず除霜時間の短縮と省エネルギー化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】実施の形態1における冷蔵庫の第1および第2の機械室の構成を示す図
【
図3】実施の形態1における冷蔵庫の蒸発器の斜視図
【
図4】実施の形態1における冷蔵庫の冷凍サイクルの構成を示す図
【
図5A】実施の形態1における冷蔵庫の冷却運転時のモリエル線図
【
図5B】実施の形態1における冷蔵庫の除霜運転時のモリエル線図
【
図6】実施の形態1における冷蔵庫の除霜時の制御を示す図
【
図7】実施の形態1における冷蔵庫の外気温と加温能力の特性グラフ
【
図8】実施の形態2における冷蔵庫の除霜時の制御を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
蒸発器に付着した霜を融解する除霜機能を備える冷蔵庫が知られている。除霜機能は、蒸発器の下方に除霜ヒータを設け、この除霜ヒータに通電することで霜を融解する除霜が一般的である。
【0009】
特許文献1に開示された冷蔵庫は、圧縮機の熱を除霜に利用できるもので、圧縮機の出
口と、蒸発器に配設される除霜パイプとを接続する経路を設け、圧縮機から吐出される高温の冷媒を除霜パイプに供給して除霜を行う冷蔵庫が開示されている。
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の冷蔵庫の構成では、冷蔵庫の廃熱を利用するために圧縮機から吐出されたばかりの高温冷媒を直接除霜に用いるものの、冷媒温度は圧縮機の回転数や外気温に依存するため、外気温が低くなると加熱量が不足し、蒸発器に付着した霜を融解させて昇温させるための時間が長くなる。この間は庫内への冷却運転が停止された状態であるため庫内の昇温が大きくなることとなる。
【0011】
発明者らは、以上のような課題があることを発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
【0012】
そこで、本開示は、除霜に廃熱を利用する冷蔵庫で、冷媒の凝縮潜熱の熱量変化分を補い、外気温度の変化や蒸発器の着霜状態に関わらず除霜時間の短縮と省エネルギー化を図れると共に、除霜後の再冷却量も低減できる冷蔵庫を提供する。
【0013】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0014】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0015】
(実施の形態1)
以下、
図1~
図7を用いて、実施の形態1を説明する。
【0016】
[1-1.構成]
図1~4において、本実施の形態における冷蔵庫100は、冷蔵室101、仕切り100aで冷蔵室101と仕切られると共にその下部に設けられた冷凍室102、冷蔵庫100の上部背面に設けられた第1の機械室103、冷蔵庫100の背面下部に設けられた第2の機械室104とを有する。
【0017】
第1の機械室103には、冷凍サイクル150を構成する部品として、圧縮機105、能力調整用凝縮器133、第1の機械室ファン116、吸入管126を有する。
【0018】
第2の機械室104には、蒸発器106に付着した霜を融解した時に生じる除霜水を受け止め蒸発させるための蒸発皿110が収容されており、風上側には蒸発を促進するために空冷する第2の機械室ファン109が設けられている。また、第2の機械室104には流路切り替えバルブ122が配設してある。
【0019】
冷凍室102の背面には、冷却室117が配置されており、冷却室117の中には冷気を生成する蒸発器106と、蒸発器106の上方に位置し蒸発器106で生成された冷気を冷蔵室101と冷凍室102に供給する冷却ファン111と、蒸発器106に付着した霜を溶かして除霜するための加熱手段160を設けてある。
【0020】
本実施の形態における冷蔵庫100の加熱手段160は、蒸発器106の下方に位置し輻射を利用した間接加熱方式で蒸発器106を加温する除霜ヒータ120と、蒸発器106の部分割されたフィン139間部分に密着させたパイプからなり、冷媒の凝縮潜熱を利用して蒸発器106を直接加熱方式で加温する蒸発器加温パイプ138である。
【0021】
本実施の形態では、除霜ヒータ120はガラス管ヒータとしている。
冷蔵庫100は、これらの加熱手段160を制御する加熱制御手段153を備え、加熱制御手段153は、冷蔵庫100の本体制御基板(図示せず)に組み込まれ、除霜ヒータ120による加温量を制御する除霜ヒータ制御手段153aと、蒸発器加温パイプ138による加温量を制御する加温パイプ制御手段153bで構成されている。
次に、蒸発器106について、
図3を用いて説明する。
【0022】
蒸発器106は、フィンアンドチューブ式を用いており、蒸発器106の入口パイプ部分(図示せず)に蒸発器106の温度を検出するための温度センサ115を設置している。蒸発器106は、代表的なフィンアンドチューブ式であり、フィン139を有する冷媒管である蒸発器冷却パイプ137を上下方向に積層して形成され、概ね上下方向に7段と前後方向に3列の蒸発器冷却パイプ137を配置した構成としており、背面側は、最下段を無くし6段とすることで、蒸発器106の蒸発器冷却入口143と蒸発器冷却出口144が正面から見て蒸発器106の右上の同等位置となるような配管パターンとしている。
【0023】
今回、蒸発器106の一端に配置されたエンドプレート140のフィン139間部分に蒸発器加温パイプ138の固定用の凹部(図示せず)を設け、この凹部に蒸発器加温パイプ138を嵌めることでフィン139と蒸発器106が密着するようにしている。
【0024】
さらに、蒸発器加温パイプ138と接するフィン139の端部を折り返した形状とすることで点や線ではなく面で蒸発器加温パイプ138とフィン139が接するため密着性を向上させ伝熱効率を上げている。蒸発器加温パイプ138は、冷蔵庫100の正面に対して手前側のパイプが蒸発器加温入口145、奥側を蒸発器加温出口146としている。
【0025】
また、冷蔵室101には、冷蔵室101に冷気を供給する冷蔵室ダクト113と、冷蔵室101に供給される冷気量を角度調節や遮断等で調整するための冷蔵室ダンパー114が収容されている。冷蔵室ダンパー114の開閉動作は、冷蔵室温度センサ(図示せず)の検知温度によって制御される。冷蔵室ダクト113内には加温側蒸発器131と、加温側蒸発器131の上方に加温側蒸発器ファン134を配設している。
【0026】
次に
図4、
図5A、
図5Bを用いて、冷蔵庫100の冷凍サイクル150を説明する。
図5A、5Bのいずれも、縦軸が絶対圧力(kPa)で横軸が比エンタルピー(kg/kg)で表されたモリエル線図である。各々、任意の瞬間における状態を概略的に示しており、配管内の圧力損失影響等の細かい部分は無視している。
【0027】
圧縮機105から吐出された冷媒は、能力調整用凝縮器133及び筐体100b、外壁面100c、天面100dの内側に配置された放熱用パイプ(図示せず)で構成される凝縮器107で外気と熱交換を行い、一部の気体を残して凝縮する。凝縮器107を通過した冷媒は、ドライヤ121によって水分が除去され、流路切り替えバルブ122に流入する。
【0028】
流路切り替えバルブ122に流入する冷媒は、液相冷媒と気相冷媒が混在する2相状態である。流路切り替えバルブ122によって、冷媒の流路は、冷却経路151と除霜経路152とに分岐する。冷却経路151は、冷気を生成するために冷媒を蒸発器106に供給する経路である。一方、除霜経路152は、冷媒を加熱し、加熱した冷媒を蒸発器106に供給することで除霜を行う経路である。
【0029】
まず、冷却経路151について説明する。冷却経路151は、冷却運転時であり
図5Aのモリエル線図で表される。冷却経路151は、
図5Aのa点において圧縮機105から
吐出された冷媒が、流路切り替えバルブ122から第1の絞り124であるキャピラリーチューブに冷媒が流れる経路である。
【0030】
b点で凝縮器107を通過して液化した冷媒は、第1の絞り124によって減圧され、c点から蒸発器106で蒸発する。その後、冷媒が蒸発器106で蒸発することで冷気が生成され、この冷気が冷蔵室101と冷凍室102の冷却に利用される。蒸発器106を通過した冷媒は、吸入管126を介す際に、吸入管126と第1の絞り124との熱交換である第2の熱交換部(図示しない)を介してd点で圧縮機105に戻る。
【0031】
次に、除霜経路152について説明する。
【0032】
除霜経路152は、除霜運転時であり
図5Bのモリエル線図で表される。除霜経路152は、
図5Bのe点において圧縮機105から吐出された冷媒が、流路切り替えバルブ122から第2の絞り127に冷媒が流れる経路である。f点で冷媒は第2の絞り127によって減圧され、g点で、第2の絞り127を通過した冷媒は、第1の熱交換部128において、圧縮機105から凝縮器107に冷媒が供給される経路と熱交換することで加熱され、気化する(h点)。
【0033】
その後、i点において蒸発器106の蒸発器加温入口145に気化された冷媒が送られる。i点から蒸発器加温出口146であるj点においては、蒸発器106に供給された気化している冷媒が相変化によって凝縮して液化することで発生する凝縮潜熱により、蒸発器106を加熱することで蒸発器106の除霜が実現される。
その後、j点からk点への間にある第3の絞り129によって減圧された冷媒は、k点から冷蔵室101に配置された加温側蒸発器131で蒸発器106で凝縮された冷媒を蒸発させることで、冷媒の状態を気相状態にして、L点で圧縮機105へ戻している。これによって、圧縮機105に流入する冷媒が気相であるため、密度の高い液相や気液2相の状態で流入することを防止できるため、圧縮機105内の部品が故障の危険にさらされることは無い。
【0034】
また、流路切り替えバルブ122の位置を、冷媒の凝縮過程の2相域の中でも、最も流速の遅いドライヤ121後に配置しているため、圧縮機105の吐出された気相側に対して約1/40程度の流速であり、流路切り替えバルブ122や蒸発器106から発生する流音を抑制することができる。
【0035】
[1-2.動作]
以上のように構成された実施の形態1の冷蔵庫100について、以下その動作、作用を説明する。
【0036】
図6を用いて、蒸発器106の除霜を行う除霜運転における、冷蔵庫100の動作を説明する。
図6は、左から右に進むにつれて時間の経過が進むことを示す。
【0037】
圧縮機105の「ON」は、圧縮機105が動作していることを示す。また、圧縮機105の「OFF」は、圧縮機105が停止していることを示す。
【0038】
第1の機械室ファン116の「ON」は、第1の機械室ファン116が動作していることを示す。また、第1の機械室ファン116の「OFF」は、第1の機械室ファン116が停止していることを示す。
【0039】
流路切り替えバルブ122の「冷却」は、流路切り替えバルブ122から冷却経路151への流路が開放され、流路切り替えバルブ122から除霜経路152への流路が閉塞さ
れていることを示す。また、流路切り替えバルブ122の「除霜」は、流路切り替えバルブ122から除霜経路152への流路が開放され、流路切り替えバルブ122から冷却経路151への流路が閉塞されていることを示す。
【0040】
冷却ファン111の「ON」は、冷却ファン111が動作していることを示す。また、冷却ファン111の「OFF」は、冷却ファン111が停止していることを示す。
【0041】
冷蔵室ダンパー114の「開放」は、冷蔵室ダンパー114が開放されていることを示す。また、冷蔵室ダンパー114の「閉塞」は、冷蔵室ダンパー114が閉塞されていることを示す。
【0042】
加温側蒸発器ファン134の「ON」は、加温側蒸発器ファン134が動作していることを示す。また、加温側蒸発器ファン134の「OFF」は、加温側蒸発器ファン134が停止していることを示す。
【0043】
除霜ヒータ120の「ON」は、除霜ヒータ120が通電され、除霜ヒータ120による除霜が行われていることを示す。一方、除霜ヒータ120のOFFは、除霜ヒータ120への通電が停止し、除霜ヒータ120による除霜が行われていないことを示す。
【0044】
次に、各タイミングにおける動作を示す。
【0045】
タイミングT1は、冷蔵庫100が、通常の冷却運転から除霜運転に移行するタイミングである。除霜運転への移行タイミングは、例えば、前回の除霜タイミングから圧縮機105の運転時間の累積が所定時間に達した場合や、一定時間が経過した場合等である。タイミングT1において、除霜によって冷凍室102の温度が上昇することが想定されるため、冷蔵庫100は、冷蔵室ダンパー114を閉塞して、除霜を開始する前に冷凍室102の温度を低下させる。
【0046】
次に、タイミングT2において、流路切り替えバルブ122の状態が「冷却」から「除霜」に切り換わる。タイミングT2において、冷媒の流路が冷却経路151から除霜経路152に切り換わることで、第1の熱交換部128を通過し飽和蒸気線を越えて気化された冷媒が蒸発器106の蒸発器加温入口145に供給されるようになり、蒸発器加温パイプ138で凝縮して発生する潜熱により加温され除霜が開始される。
【0047】
また、タイミングT2において、冷蔵室ダンパー114の状態が「閉塞」から「開放」に切り換わる。これは、冷蔵室101の内部の空気を循環させながら蒸発器106を空気側からも加熱することで、蒸発器106の蒸発器冷却パイプ137の配管に残留する冷媒を蒸発させて圧縮機105に戻すためである。
【0048】
また、タイミングT2において、加温側蒸発器ファン134の状態が、「OFF」から「ON」に変わる。これによって、蒸発器106の内部冷媒が蒸発することにより生成された冷気を冷蔵室101内に循環するだけでなく、冷却ファン111単独に対して風量が増加するため、より早く蒸発器106の蒸発器冷却パイプ137に残留する冷媒を蒸発させて圧縮機105に戻すことができる。更に、タイミングT2から、加温側蒸発器131で冷媒が蒸発を始めるため冷媒によって冷気が生成され、この冷気を冷蔵室101内に循環させることで除霜時の冷蔵室101の温度の昇温抑制を行っている。
【0049】
次に、タイミングT3において、冷却ファン111の状態が「ON」から「OFF」に切り換わり、冷蔵室ダンパー114の状態が「開放」から「閉塞」に切り換わる。冷蔵室ダンパー114を閉塞し、かつ、冷却ファン111を停止するのは、蒸発器106の蒸発
器冷却パイプ137に残留する冷媒が蒸発し、蒸発器106の温度が冷蔵室101の空気温度に近づいて熱交換が困難になるからである。
【0050】
そして、除霜ヒータ120の状態が「OFF」から「ON」に切り換わる。除霜ヒータ120への通電が開始されることで、蒸発器106の下側からも除霜が開始される。この時、圧縮機105は「ON」であり、かつ除霜ヒータ120も「ON」である。
【0051】
蒸発器加温パイプ138に流れる冷媒の凝縮潜熱により、除霜ヒータ120の容量は少なくて済み、本実施の形態では、印加電圧を100V(180W)から50V(45W)に降下させている。
【0052】
本実施の形態では、例えば外気温32℃の時で、冷媒の凝縮潜熱利用の加温により圧縮機105の電力が45W程度、除霜ヒータ120の容量が45W程度であるため、合わせて90W程度が除霜時の使用電力となる。これは、除霜ヒータ120のみの場合の180Wに比べて、半分である。よって除霜時の消費電力量の低減や電力ピークの低減を図ることできる。
【0053】
この時、
図7で示すように、冷媒の凝縮潜熱を利用した加温能力は外気温の影響を受ける。夏場のように外気温が高ければ凝縮温度が高くなり、冬場の様に外気温が低ければ凝縮温度が低いためである。これは圧縮機105の運転回転数にも関係する。
【0054】
そのため、除霜ヒータ120の容量は、外気温や運転状態、霜の付着状態によって変えられるようにしている。特に外気温が低くなるほど、圧縮機105の冷凍能力が過多になるため圧縮機105の回転数を低下させて制御するが、それに伴って冷媒循環量も低下し、加温能力も低下していく。一方、蒸発器106をリフレッシュさせるために蒸発器106の温度を閾値以上(本実施の形態は10℃以上)に上昇させるための除霜に必要な最低熱量は変わらない。これは蒸発器106や周囲の構成部品の熱容量、冷却室117内の周囲温度は外気温が変わっても同じだからである。変化する部分は付着した霜の量に応じて融解潜熱量の増減分である。
【0055】
故に外気温が低くなるほど、除霜に使用する熱量を確保するためには時間を長くすればよいが冷凍室102の温度が昇温してしまう。そのため、本実施の形態では、外気温を検知する第2の温度センサ(図示せず)を設け、第2の温度センサで検知された外気温に応じて、除霜ヒータ制御手段153aで除霜ヒータ120の加熱量(加温量)を変えることで除霜時間が延びることなく電力ピークを抑制しながら省エネを図っている。具体的には、低外気になるほど低下する加温熱量の分だけ除霜ヒータ120の印加電圧を上げている。なお、電圧は100Vを超えないようにしている。
【0056】
また、除霜ヒータ120の加熱量を制御する除霜ヒータ制御手段153aによって、扉101a,102aの開閉時間や回数、外気湿度によっても加熱量、すなわち印加電圧を変化させている。これにより、付着した霜量による潜熱増加分も考慮している。
【0057】
具体的には、前回の除霜終了から経過した時間において、冷蔵室101、冷凍室102に設置しているドアスイッチ(図示せず)が開いている積算時間と、冷蔵室101、冷凍室102のそれぞれの庫内容量、外気湿度の絶対湿度から冷蔵室101、冷凍室102内に侵入した水分量を推定し、推定量に応じて外気温によって算出される除霜ヒータ120の印加電圧に比率を加算して上げている。この判断は、除霜開始前のタイミングT1からT2の間に行っている。
【0058】
これによって本実施の形態の様に、廃熱を除霜に利用する際には圧縮機105の吐出温
度や凝縮温度が外気温によって影響を受けるため冷媒の加温熱量が変化するが、除霜時の必要加熱量に対し外気温に応じて除霜ヒータ120の電力量を制御することで、冷媒の凝縮潜熱の熱量変化分を補うため、外気温度の変化や蒸発器106の着霜状態に関わらず除霜時間の短縮と省エネルギー化を図れる。
【0059】
また、蒸発器加温パイプ138による加温量を制御する加温パイプ制御手段153bは、外気温によって圧縮機105の回転数や第1の機械室ファン116の回転数を、加温側蒸発器ファン134とも連動しつつ制御している。
【0060】
具体的には、h点で気化しつつ蒸発器加温パイプ138の温度が高くなるように制御すると共に、圧縮機105の吸入管126や冷蔵室101の温度が下がりすぎないように加温側蒸発器131の温度をコントロールすべく冷蔵室温度センサ(図示せず)で検知される温度に応じて制御される。
【0061】
タイミングT4は、温度センサ115が検知する温度が所定の温度に達したタイミングであり、蒸発器106の除霜が完了したと冷蔵庫100が判断するタイミングである。タイミングT4において、圧縮機105の状態が「ON」から「OFF」に切り換わり、第1の機械室ファン116の状態も「ON」から「OFF」に切り替わる。また、除霜ヒータ120の状態が「ON」から「OFF」に切り換わる。
【0062】
これによって、除霜経路152の運転を停止するとともに、除霜経路152内が略均圧化するまでこの状態をタイミングT4からタイミングT6まで所定時間維持する。一方、加温側蒸発器ファン134はタイミングT4からタイミングT5まで所定時間「ON」の状態を維持する。
【0063】
このとき、冷蔵室101は、冷却状態となっているため、この、タイミングT4からタイミングT5の時間を調整することで、冷蔵室101内の過冷を抑制できる。その際は、冷蔵室101内に配置してある冷蔵室温度センサが検知する温度が所定温度に達したタイミングで、タイミングT5に移行する。冷蔵室温度センサは冷却運転で冷蔵室ダンパー114の開閉をコントロールするセンサと同一センサを使用している。
【0064】
次にタイミングT5において、加温側蒸発器ファン134の状態が「ON」から「OFF」に切り替わる。
【0065】
次にタイミングT6において、流路切り替えバルブ122の状態が「除霜」から「冷却」に切り替わり、除霜経路152内と冷却経路151内が略均圧化するまで、所定時間維持したのち、タイミングT7で圧縮機105の状態を「OFF」から「ON」に切り替えて、冷却経路151の運転を開始する。ここで、所定時間維持するのは、流路切り替えバルブ122を切り替えた際に急激に冷媒が流れて不快な騒音が発生することを防ぐためである。
【0066】
また、タイミングT4からタイミングT5までと、タイミングT7からタイミングT8まで、加温側蒸発器ファン134の状態を「ON」とするのは、吸入管126を介して蒸発器106と接続されている加温側蒸発器131の温度を速やかに上昇させるためである。
【0067】
タイミングT7で、冷却経路151の運転を開始した圧縮機105は、蒸発器106の温度が十分低下するタイミングT8まで所定時間待った後、加温側蒸発器ファン134の状態が「ON」から「OFF」に、冷却ファン111の状態が「OFF」から「ON」に切り換わる。
【0068】
タイミングT8において、冷蔵庫100は、除霜運転から冷却運転に移行する。
【0069】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、圧縮機105の廃熱を除霜に利用する冷蔵庫100であって、蒸発器106と、加熱手段160と、加熱制御手段153を備えている。加熱手段160は、蒸発器106を加温して除霜する。加熱制御手段153は、外気温に応じて加熱手段160による加温量を制御する。
【0070】
例えば、加熱手段160として、冷媒の凝縮潜熱を利用して蒸発器106を直接加温する蒸発器加温パイプ138と、蒸発器106を間接的に加温する除霜ヒータ120を用いた場合、低外気になるほど蒸発器加温パイプ138による加温熱量が低下するが、ここで除霜ヒータ120の電力量を加熱制御手段153で制御することで、除霜時の必要加熱量に対する冷媒の凝縮潜熱の熱量変化分を補い、外気温度が低下しても、効率の良い除霜を行うことが出来、除霜時間が延びることなく電力ピークを抑制しながら省エネを図ることが出来る。
【0071】
また、加熱制御手段153は、除霜ヒータ制御手段153aと加温パイプ制御手段153bがあるが、除霜ヒータ制御手段153aで外気温だけでなく、扉101a、102aの開閉回数や開閉時間に応じて、外気湿度から庫内に侵入した水分量を推定し、その推定量に応じて、除霜ヒータ120の印加電圧を外気温変化分と合わせて制御するようにしても良い。
【0072】
これによって、蒸発器106の着霜量によって水の潜熱エネルギーが必要となる分の熱量を考慮した加熱量とすることで、通常は着霜した場合では除霜時間が延びてしまうが、本実施の形態であれば、除霜時間の短縮と省エネルギー化を図ることが出来る。
【0073】
また、加温パイプ制御手段153bでは、外気温によって圧縮機105の回転数や第1の機械室ファン116の回転数を、加温側蒸発器ファン134とも連動しつつ制御している。
これによって、外気温が変化しても冷媒の凝縮潜熱を利用して蒸発器加温パイプ138の温度を高く維持しつつ、効率のよい除霜を行えると共に、本実施の形態の構成では除霜中でも冷蔵室101を冷却できるメリットがある中で、冷蔵室101の温度が下がりすぎないようにコントロールしつつ、冷蔵室101に保存されている食品の鮮度維持も図ることが出来る。
【0074】
また、本実施の形態では、外気温が高い時を基準に設計し、外気温が低いときでも除霜ヒータ120と蒸発器加温パイプ138による熱量の合計が100%を超えないようにしている。蒸発器加温パイプ138で蒸発器106を加温する際に、冷媒の状態を一旦液相に近い2相域から気化させて、その状態で凝縮潜熱を利用することで加温しているが、冷媒の顕熱だけでなく顕熱よりも熱量の大きい2相域の潜熱も利用することが出来るため、凝縮過程の液相に近い後半部分や凝縮後の顕熱量を蒸発器106の除霜に利用する場合に対して、大きな熱量を加温に用いることが出来る。圧縮機105の廃熱の約3倍以上の効率を得ることが出来る。また、除霜ヒータ120の効率1に対して3倍以上の効率を得ることが出来る。
【0075】
これにより、特に高外気では除霜ヒータ120の熱量は小さく、低外気では冷媒の加温量は低下するため除霜ヒータ120の熱量を大きくするが、除霜ヒータ120のみの場合に比べて電力量を小さくできる。さらには、年間を通じて、冷蔵庫100の電力ピークは除霜ヒータ120を用いた除霜時であり、この除霜時の電力ピークも本実施の形態により
抑制することが可能である。
【0076】
(実施の形態2)
以下、
図8を用いて、実施の形態2を説明する。
【0077】
[2-1.構成]
本実施の形態における冷蔵庫100は、実施の形態1における冷蔵庫100の構成と同様であり、流路切り替えバルブ122によって、冷媒の流路が冷却経路151と除霜経路152とに分岐される。除霜時には、除霜経路152となり、冷媒を加熱し、加熱した冷媒を蒸発器106の周囲に配置された蒸発器加温パイプ138に供給することで除霜を行う。
【0078】
[2-2.動作]
以上のように構成された本実施の形態における冷蔵庫100の蒸発器106の除霜を行う除霜運転について、
図8を用いて、以下その動作、作用を説明する。
【0079】
図8は、左から右に進むにつれて時間の経過が進むことを示す。
【0080】
タイミングT1は、冷蔵庫100が通常の冷却運転から除霜運転に移行するタイミングである。除霜運転への移行タイミングは、例えば、前回の除霜タイミングから圧縮機105の運転時間の累積が所定時間に達した場合や、一定時間が経過した場合等である。タイミングT1において、除霜によって冷凍室102の温度が上昇することが想定されるため、冷蔵庫100は、冷蔵室ダンパー114を閉塞して、除霜を開始する前に冷凍室102の温度を低下させる。
【0081】
タイミングT2において、流路切り替えバルブ122の状態が「冷却」から「除霜」に切り換わる。また、タイミングT2において、冷蔵室ダンパー114の状態が「閉塞」から「開放」に切り換わり、加温側蒸発器ファン134の状態が、「OFF」から「ON」に変わる。これによって、冷媒が蒸発器106で凝縮して発生する潜熱により加温され除霜が開始されると共に、蒸発器106の蒸発器冷却パイプ137に残留する冷媒を蒸発しつつ冷蔵室101を冷却することで、除霜時の冷蔵室101の昇温抑制と圧縮機105への液バック防止を行っている。
【0082】
次にタイミングT3において、冷却ファン111の状態が「ON」から「OFF」に切り換わり、冷蔵室ダンパー114の状態が「開放」から「閉塞」に切り換わる。冷蔵室ダンパー114を閉塞し、かつ、冷却ファン111を停止するのは、蒸発器106の蒸発器冷却パイプ137に残留する冷媒が蒸発し、蒸発器106の温度が冷蔵室101の空気温度に近づいて熱交換が困難になるからである。
【0083】
次にタイミングT4は、除霜経路152による蒸発器106の加温を終了するタイミングであり、温度センサ115が検知する温度が所定の温度に達した若しくは、所定時間の経過にて判断するタイミングである。タイミングT4では、圧縮機105の状態が「ON」から「OFF」に切り換わり、第1の機械室ファン116の状態も「ON」から「OFF」に切り替わる。そして、流路切り替えバルブ122が除霜から流路切り替えバルブ122の状態が「除霜」から「冷却」に切り換わり、除霜ヒータ120の状態が「OFF」から「ON」に切り換わる。
【0084】
これによって、除霜経路152から冷却経路151に冷媒が移動しつつ、除霜時のサーモサイフォン効果により効率よく除霜が行われる。冷却経路151と除霜経路152は圧縮機105の吸入側および加温側吸入管132で合流しており、管内圧力が均一圧力にな
るようにバランスしつつサーモサイフォン効果によって、蒸発器106の昇温と同時に、加温側蒸発器131も昇温される。さらに、加温側蒸発器ファン134の運転も合わさって加温側蒸発器131の冷媒が蒸発し、除霜後の冷却運転時には蒸発器106側に冷媒が不足することはない。
【0085】
また、蒸発器加温パイプ138を介して、冷媒の凝縮潜熱を利用して蒸発器106を直接加熱した後に、除霜ヒータ120に通電して輻射熱による間接加熱方式で除霜することにより、除霜ヒータ120の通電時間が短縮されるとともに、着霜状態に関わらず蒸発器106や周囲部品を昇温させることが出来る最低限の熱量を供給することが出来るのである。その結果、省エネルギー化と冷蔵室101、冷凍室102内の温度上昇の抑制の効果を得られる。
【0086】
タイミングT5は、温度センサ115が検知する温度が所定の温度に達したタイミングであり、蒸発器106の除霜が完了したと冷蔵庫100が判断するタイミングである。このタイミングで、除霜ヒータ120の状態が「ON」から「OFF」に切り換わる。これによって、除霜は終了となる。
【0087】
その後、タイミングT6で加温側蒸発器ファン134の状態が「ON」から「OFF」に切り換わり、タイミングT7で、冷却経路151の運転を開始した圧縮機105は、蒸発器106の温度が十分低下するタイミングT8まで所定時間待った後、加温側蒸発器ファン134の状態が「ON」から「OFF」に、冷却ファン111の状態が「OFF」から「ON」に切り換わる。
【0088】
タイミングT8において、冷蔵庫100は、除霜運転から冷却運転に移行する。以上が除霜時の一連の動作になる。
【0089】
[2-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、冷蔵庫100の加熱手段160は、冷媒の凝縮潜熱を利用して蒸発器106を直接加温する蒸発器加温パイプ138と、蒸発器106を間接的に加温する除霜ヒータ120からなり、除霜時に、蒸発器106を蒸発器加温パイプ138で加温した後に、除霜ヒータ120で加温することにより、冷媒の凝縮潜熱で加温された蒸発器加温パイプ138が密着している蒸発器106の温度は、均一に一様に昇温するため低入力で冷蔵室101、冷凍室102内の温度上昇も抑制しつつ蒸発器106の温度を上げて霜の融解を行える。
【0090】
そして一定温度の昇温が経過した後で除霜ヒータ120による加温を行うため、蒸発器106だけでなく冷却室117内の蒸発器106周囲の部品に付着した霜の融解や氷残り対策での温度昇温確保でよく、加温時間が大幅に短縮できる。
【0091】
除霜ヒータ120の加温による冷蔵室101、冷凍室102の庫内昇温の時間と温度の傾きは、外気からの熱侵入による時間と温度の傾きの約3倍程度であるため、除霜ヒータ120の加温時間を短縮することは、除霜時の省エネだけでなく、除霜時のヒータ熱量と除霜後の再冷却にかかる圧縮機105の入力を抑制できるため省エネとなる。
【0092】
更には、冷蔵室101、冷凍室102内の昇温の最大値抑制にもなるため、冷凍食品等への温度変動が軽減され食品の保鮮性向上にもなる。除霜中に昇温した食品や空気は、除霜後の再冷却で急激に冷却されて元の温度に戻されるが、この再冷却中には比熱の小さい空気の方が食品よりも早く冷えるため、食品と空気の温度差は大きくなり、空気温度<食品温度の関係が続く。
【0093】
この関係の間は、食品中の水分が蒸発していくことであるため、保存されている食品の品質が劣化してしまう。そこで、本実施の形態のように、除霜の加温時間が短縮され、冷蔵室101、冷凍室102内の温度昇温が抑制されるため、除霜後の再冷却に起こる食品と空気の温度差が発生している時間は少なくなり、特に冷凍食品等のように長期で保存することもある食品ついては、保存されている食品の鮮度劣化を抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本開示は、廃熱を除霜に利用する際に、除霜時の必要加熱量に対し外気温によって影響を受ける冷媒の熱量変化分を、加熱手段による加温量を制御することで補うことが出来るため、年間の温度変化や蒸発器の着霜状態に関わらず、除霜時間の短縮と省エネルギー化を図れて、家庭用や業務用の冷蔵庫に適用できる。
【符号の説明】
【0095】
100 冷蔵庫
100a 仕切り
100b 筐体
100c 外壁面
100d 天面
101 冷蔵室
101a、102a 扉
102 冷凍室
103 第1の機械室
104 第2の機械室
105 圧縮機
106 蒸発器
107 凝縮器
109 第2の機械室ファン
110 蒸発皿
111 冷却ファン
112 冷凍室ダンパー
113 冷蔵室ダクト
114 冷蔵室ダンパー
115 温度センサ
116 第1の機械室ファン
117 冷却室
120 除霜ヒータ
121 ドライヤ
122 流路切り替えバルブ
124 第1の絞り
126 吸入管
127 第2の絞り
128 第1の熱交換部
129 第3の絞り
131 加温側蒸発器
132 加温側吸入管
133 能力調整用凝縮器
134 加温側蒸発器ファン
137 蒸発器冷却パイプ
138 蒸発器加温パイプ
139 フィン
140 エンドプレート
143 蒸発器冷却入口
144 蒸発器冷却出口
145 蒸発器加温入口
146 蒸発器加温出口
150 冷凍サイクル
151 冷却経路
152 除霜経路
153 加熱制御手段
153a 除霜ヒータ制御手段
153b 加温パイプ制御手段
160 加熱手段
【手続補正書】
【提出日】2024-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒が圧縮機から凝縮器を通って蒸発器に供給される冷却経路を有し、前記蒸発器で第1の貯蔵室を冷却する冷凍サイクルを有する冷蔵庫であって、
前記冷凍サイクルは前記冷却経路と、除霜経路とに分岐し、
前記除霜経路は、冷媒が前記凝縮器と熱交換して加熱し、加熱した冷媒で前記蒸発器を除霜する蒸発器加温パイプと、加温側蒸発器と、を接続し、
前記加温側蒸発器によって第2の貯蔵室を冷却することを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
冷媒の流路が前記冷却経路または前記除霜経路に切替えられる流路切替えバルブを備えた請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記除霜経路は、前記蒸発器加温パイプと前記加温側蒸発器との間に減圧手段を備えた請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記第1の貯蔵室は冷凍温度帯の貯蔵室であり、前記第2の貯蔵室は冷蔵温度帯の貯蔵室である請求項1に記載の冷蔵庫。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本開示における冷蔵庫は、廃熱を第1の貯蔵室の除霜に利用するとともに、加温側蒸発器による第2の貯蔵室の冷却を効率的に行うことができる。